1 00:00:03,170 --> 00:00:08,809 (寝息) 2 00:00:08,809 --> 00:00:10,811 (ターニャ)あっ…。 3 00:00:15,148 --> 00:00:17,150 ふわ~。 4 00:00:19,486 --> 00:00:23,657 📻帝国陸軍司令部 午前6時発表の戦局情報です。 5 00:00:23,657 --> 00:00:27,527 📻我が軍は 各方面および 中央本隊のもと 戦果を拡大中。 6 00:00:27,527 --> 00:00:33,367 📻北方ノルデン。 次 ライン戦線 西方方面軍司令部の報告。 7 00:00:33,367 --> 00:00:37,170 📻共和国の夜襲に対し 我が軍は大規模…。 8 00:00:47,881 --> 00:00:50,751 兵隊さん 軍用切符で買っとくれ。 9 00:00:50,751 --> 00:00:52,953 配給で間に合ってるよ。 10 00:00:55,188 --> 00:00:57,858 ヨハン もう5人も倒したの? 11 00:00:57,858 --> 00:01:00,861 うん。 クリスマスには戻ってこれそうって。 12 00:01:03,463 --> 00:01:07,301 《前線を離れ すでに半年以上が過ぎた。 13 00:01:07,301 --> 00:01:11,805 いまだ 血と硝煙のにおいは 鼻の奥から消えないが…》 14 00:01:13,974 --> 00:01:19,179 《私は今 嬉々として学問に励んでいる》 15 00:03:01,114 --> 00:03:03,784 《教育方針に 相応の差異はあれど➡ 16 00:03:03,784 --> 00:03:06,820 軍大学も一般の大学と同じ。 17 00:03:06,820 --> 00:03:10,123 いや それ以上の待遇ともいえる。 18 00:03:10,123 --> 00:03:13,994 前線帰りで 勲章を 提げているせいもあってか➡ 19 00:03:13,994 --> 00:03:17,998 こんな お子様の体でも なじむのに苦労はない。 20 00:03:17,998 --> 00:03:22,836 あとは シグナリング理論に基づき 人的価値をアピールすれば➡ 21 00:03:22,836 --> 00:03:25,138 キャリアコースは確約され➡ 22 00:03:25,138 --> 00:03:29,142 卒業後には 安全な後方勤務が待っている》 23 00:03:32,879 --> 00:03:36,083 《これぞ 順風満帆な人生だ》 24 00:03:39,686 --> 00:03:42,322 隷下部隊の逸脱行為に対し➡ 25 00:03:42,322 --> 00:03:45,358 士官の責任は どう解釈されるべきかね? 26 00:03:45,358 --> 00:03:47,994 ヴィクトール! (ヴィクトール)はっ! 27 00:03:47,994 --> 00:03:51,498 直接関与しておらずとも 道義的な 責任は引き受けるべきかと…。 28 00:03:51,498 --> 00:03:55,836 法律の話をしているのだぞ! この大バカ者! 29 00:03:55,836 --> 00:03:59,172 次! デグレチャフ! はっ! 30 00:03:59,172 --> 00:04:03,443 前提条件として 他の先任将校は いらっしゃるのでしょうか? 31 00:04:03,443 --> 00:04:05,378 いないものとする。 32 00:04:05,378 --> 00:04:10,317 防止 鎮圧の義務を怠った指揮官は 作為義務違反に問われます。 33 00:04:10,317 --> 00:04:13,453 最高刑は銃殺もありうるでしょう。 34 00:04:13,453 --> 00:04:16,289 ふむ では 先任将校がいた場合。 35 00:04:16,289 --> 00:04:19,192 当該将校による 不法行為がないかぎり➡ 36 00:04:19,192 --> 00:04:22,629 原則としては 指揮官に属する責かと。 37 00:04:22,629 --> 00:04:25,465 ふむ よろしい。 38 00:04:25,465 --> 00:04:27,801 次の講義は? 兵棋演習だ。 39 00:04:27,801 --> 00:04:30,804 表の食堂 行くか! まだ早いだろ。 40 00:04:34,474 --> 00:04:36,510 (ウーガ)あっ…。 41 00:04:36,510 --> 00:04:39,346 デグレチャフくん。 うん? 42 00:04:39,346 --> 00:04:42,983 ウーガ大尉殿。 43 00:04:42,983 --> 00:04:44,918 何か? 44 00:04:44,918 --> 00:04:47,921 君は なぜ いつも ライフルを? 45 00:04:50,323 --> 00:04:52,259 いつ いかなるときに➡ 46 00:04:52,259 --> 00:04:55,829 自分の存在意義を とすやもしれぬ装具であり➡ 47 00:04:55,829 --> 00:05:00,800 日頃から備えておかねば 安堵できないからです。 48 00:05:00,800 --> 00:05:05,005 なるほど 前線帰りは違うな。 49 00:05:10,110 --> 00:05:12,445 《これは尊厳の問題であり➡ 50 00:05:12,445 --> 00:05:16,116 敵の存在を再確認する必要行為だ。 51 00:05:16,116 --> 00:05:20,987 あの存在Xを撃ち殺す好機が いつ訪れるかもしれん。 52 00:05:20,987 --> 00:05:24,457 好機への備えは 怠るべきではないし➡ 53 00:05:24,457 --> 00:05:26,660 怠ることなど不可能!》 54 00:05:34,134 --> 00:05:38,805 ふっ… ぬっ…。 55 00:05:38,805 --> 00:05:43,510 ふっ… ぐぐぐっ… はっ! 56 00:05:48,815 --> 00:05:51,718 あっ…。 57 00:05:51,718 --> 00:05:56,156 (ゼートゥーア) 『カンネーにおけるハンニバルの決断』か。 58 00:05:56,156 --> 00:05:59,259 勉強熱心なことだな。 59 00:06:01,428 --> 00:06:05,265 ハッ! しっ 失礼しました 准将閣下! 60 00:06:05,265 --> 00:06:07,601 自分は ターニャ・デグレチャフ学生。 61 00:06:07,601 --> 00:06:10,937 帝国軍にて 魔導中尉を拝命しております。 62 00:06:10,937 --> 00:06:15,108 参謀本部 戦務参謀次長の ゼートゥーアだ。 63 00:06:15,108 --> 00:06:18,144 《戦務参謀といえば 後方のトップ。 64 00:06:18,144 --> 00:06:21,448 企業なら経営戦略の中枢》 65 00:06:21,448 --> 00:06:24,117 お目にかかり光栄であります。 66 00:06:24,117 --> 00:06:27,454 貴官のことは 少しばかり耳にしている。 67 00:06:27,454 --> 00:06:29,956 随分な活躍のようだ。 68 00:06:29,956 --> 00:06:32,859 はっ 過分な評価を頂いております。 69 00:06:32,859 --> 00:06:37,697 何か急ぎの用事がなければ 少し いいかね? 70 00:06:37,697 --> 00:06:40,100 はっ! 喜んで! 71 00:06:43,503 --> 00:06:47,140 《まさに千載一遇の好機。 72 00:06:47,140 --> 00:06:50,243 図書館通いのかいがあったな》 73 00:06:52,479 --> 00:06:54,414 さぁ 飲もうぜ! 乾杯! 74 00:06:54,414 --> 00:06:57,150 何度目だよ! アハハハ…! 75 00:06:57,150 --> 00:06:59,085 掛けたまえ。 76 00:06:59,085 --> 00:07:02,122 はっ 失礼します。 77 00:07:02,122 --> 00:07:06,526 実は 貴官に 聞いてみたいことがあってな。 78 00:07:08,762 --> 00:07:11,431 この戦争を どう見る? 79 00:07:11,431 --> 00:07:15,602 《帝国軍人は 正確さに 偏執的なまでに こだわる》 80 00:07:15,602 --> 00:07:20,440 お言葉ですが 閣下の お言葉は 含意が広すぎます。 81 00:07:20,440 --> 00:07:23,109 はっ では 言い換えよう。 82 00:07:23,109 --> 00:07:26,980 貴官は この戦争の形態を どう予想する? 83 00:07:26,980 --> 00:07:31,284 せん越ながら 自分は 言及すべき立場にないと思います。 84 00:07:31,284 --> 00:07:33,954 諮問しているわけではない。 85 00:07:33,954 --> 00:07:37,290 主観でかまわん。 自由に述べよ。 86 00:07:37,290 --> 00:07:40,794 《これ以上の固辞は 失礼にあたるか…》 87 00:07:40,794 --> 00:07:44,130 では お言葉に甘えて 失礼いたします。 88 00:07:44,130 --> 00:07:47,167 このたびの戦争は 大戦に発展するものと➡ 89 00:07:47,167 --> 00:07:49,302 確信いたします。 90 00:07:49,302 --> 00:07:51,237 大戦? 91 00:07:51,237 --> 00:07:54,974 列強の大半を巻き込んだ 世界規模での総力戦。 92 00:07:54,974 --> 00:07:57,644 世界大戦であります。 93 00:07:57,644 --> 00:08:00,914 ふむ その根拠は? 94 00:08:00,914 --> 00:08:03,249 新興の列強たる帝国は➡ 95 00:08:03,249 --> 00:08:07,087 従来の列強と比較し 軍事的優位を誇っております。 96 00:08:07,087 --> 00:08:09,756 その軍事力は絶大。 97 00:08:09,756 --> 00:08:13,426 1対1ならば 共和国にも勝利できるでしょう。 98 00:08:13,426 --> 00:08:17,597 共和国に勝利し 平和を回復しえた場合➡ 99 00:08:17,597 --> 00:08:21,935 我が国は大陸における 絶対的優位を確立します。 100 00:08:21,935 --> 00:08:26,773 しかし です。 そのような状況を他の列強➡ 101 00:08:26,773 --> 00:08:31,277 連合王国や ルーシー連邦が 座視するとは考えられません。 102 00:08:31,277 --> 00:08:34,114 彼らは選択を迫られているのです。 103 00:08:34,114 --> 00:08:39,786 覇権国家の誕生を許容するか 拒絶するかの選択を。 104 00:08:39,786 --> 00:08:43,123 なるほど。 見えてきた。 105 00:08:43,123 --> 00:08:46,993 《共通認識を確立しながらの 知的な対話。 106 00:08:46,993 --> 00:08:49,796 実に すばらしい》 107 00:08:49,796 --> 00:08:53,299 ゆえに 他国の干渉は必然です。 108 00:08:53,299 --> 00:08:55,969 共和国への借款から始まり➡ 109 00:08:55,969 --> 00:08:58,805 武器供与や義勇兵派兵も ありうるかと。 110 00:08:58,805 --> 00:09:01,708 面白い意見だ。 どう対処する? 111 00:09:01,708 --> 00:09:04,244 早期の講和を模索しつつ➡ 112 00:09:04,244 --> 00:09:07,580 不可能ならば 消耗の抑制を第一にします。 113 00:09:07,580 --> 00:09:12,252 《これぞ 有意義なプレゼン。 社会人の だいご味だな》 114 00:09:12,252 --> 00:09:16,589 つまりは… 勝利を目指さないと? 115 00:09:16,589 --> 00:09:20,093 《しまった! 大変まずい! 実にまずい! 116 00:09:20,093 --> 00:09:22,762 うかつな口を撃ち抜きたい!》 117 00:09:22,762 --> 00:09:25,598 こっ 言葉のうえでは そのとおりですが➡ 118 00:09:25,598 --> 00:09:28,935 消耗を抑えながら 敵の血を流させることで➡ 119 00:09:28,935 --> 00:09:31,438 いずれは帝国の勝利に至るかと…。 120 00:09:33,606 --> 00:09:35,542 具体案はあるのかね? 121 00:09:35,542 --> 00:09:38,445 《臆病者は前線で酷使される。 122 00:09:38,445 --> 00:09:41,114 ここは 少しでも勇ましいことを…》 123 00:09:41,114 --> 00:09:43,149 歩兵による防御戦術と➡ 124 00:09:43,149 --> 00:09:46,786 魔導師による攻勢戦術の 組み合わせを提案いたします。 125 00:09:46,786 --> 00:09:50,657 魔導師は破壊力こそあれど 絶対数が少ない。 126 00:09:50,657 --> 00:09:53,126 拠点制圧に不向きだ。 127 00:09:53,126 --> 00:09:58,298 肯定します。 ですが 火力と俊敏性を誇る魔導師は➡ 128 00:09:58,298 --> 00:10:01,134 敵兵力を狩るのに 理想的な兵科です。 129 00:10:01,134 --> 00:10:04,471 《ここだ! ここで 積極性を示すしかない!》 130 00:10:04,471 --> 00:10:08,975 いかなる国も 国力や 人的資源が払底してしまえば➡ 131 00:10:08,975 --> 00:10:10,910 戦争を続けられません。 132 00:10:10,910 --> 00:10:15,748 自軍の損耗を抑制しつつ勝利する という点をもって言うならば➡ 133 00:10:15,748 --> 00:10:17,684 消耗抑制ドクトリンでしょうか。 134 00:10:17,684 --> 00:10:21,688 魔導師の最適な運用形態かと 愚考いたします。 135 00:10:21,688 --> 00:10:24,824 ふむ 面白い。 136 00:10:24,824 --> 00:10:28,495 《乗り切った! 自分でも驚くほどの弁舌! 137 00:10:28,495 --> 00:10:32,999 フゥ… 戦後に備えて 法律関係の 資格を取るのも悪くないな》 138 00:10:32,999 --> 00:10:35,668 で 実施に際してだが➡ 139 00:10:35,668 --> 00:10:39,506 魔導部隊は どの程度の規模が必要だ? 140 00:10:39,506 --> 00:10:41,841 だっ 大隊が適切でしょう。 141 00:10:41,841 --> 00:10:43,776 兵たんへの負荷が少なく➡ 142 00:10:43,776 --> 00:10:46,679 かつ戦力として 最低限の単位です。 143 00:10:46,679 --> 00:10:49,716 試験的に試すのならば最適かと。 144 00:10:49,716 --> 00:10:53,019 なるほど 検討しよう。 145 00:10:53,019 --> 00:10:55,855 正式な書面に まとめてくれたまえ。 146 00:10:55,855 --> 00:10:57,891 はっ! 了解いたしました! 147 00:10:57,891 --> 00:11:00,093 失礼いたします。 148 00:11:18,111 --> 00:11:21,648 (レルゲン)せっ… 世界大戦? 149 00:11:21,648 --> 00:11:24,150 国家を挙げての総力戦? 150 00:11:27,153 --> 00:11:29,188 ⦅ルーデルドルフ:著者などは機密だが➡ 151 00:11:29,188 --> 00:11:32,659 ゼートゥーアから渡された論文だ。 152 00:11:32,659 --> 00:11:39,165 各方面軍の視察で忙しいだろうが 移動中にでも目を通しておけ⦆ 153 00:11:44,170 --> 00:11:46,506 ハァ…。 154 00:11:46,506 --> 00:11:50,677 《人命すら数字として消費する 狂気の戦争。 155 00:11:50,677 --> 00:11:54,180 それが国家の崩壊まで続くだと? 156 00:11:54,180 --> 00:11:58,051 しかし なぜだ。 なぜ否定できない? 157 00:11:58,051 --> 00:12:00,954 何なのだ? この違和感は…。 158 00:12:00,954 --> 00:12:06,759 それに このロジックや論文全体から 受ける印象は どこかで…》 159 00:12:16,436 --> 00:12:19,806 《学内の成績と評価は上々。 160 00:12:19,806 --> 00:12:22,709 参謀本部とのコネもあるし➡ 161 00:12:22,709 --> 00:12:26,713 卒業後の不安材料は 限りなくゼロに近いな》 162 00:12:31,150 --> 00:12:33,186 ウーガ大尉殿。 163 00:12:33,186 --> 00:12:36,022 珍しい所で お会いしました。 164 00:12:36,022 --> 00:12:41,160 ライフルに新聞 相変わらずだな。 165 00:12:41,160 --> 00:12:43,663 まさに軍人のかがみだ。 166 00:12:43,663 --> 00:12:45,598 そういう大尉殿こそ➡ 167 00:12:45,598 --> 00:12:49,535 軍大学の誉れである 十二騎士のランクは確実だと…。 168 00:12:49,535 --> 00:12:51,537 フッ…。 169 00:12:51,537 --> 00:12:54,641 大尉殿 何か? 170 00:12:57,176 --> 00:13:00,613 デグレチャフ中尉 失礼なことを聞くが➡ 171 00:13:00,613 --> 00:13:04,450 なぜ 君は軍に志願した? はぁ? 172 00:13:04,450 --> 00:13:08,321 君ほどの才幹があれば 道は いくつもあるだろう。 173 00:13:08,321 --> 00:13:10,323 なぜ わざわざ…。 174 00:13:12,625 --> 00:13:15,962 私の父は軍人でした。 175 00:13:15,962 --> 00:13:18,865 「でした」ということは…。 176 00:13:18,865 --> 00:13:22,835 母にも捨てられ 孤児となった私には➡ 177 00:13:22,835 --> 00:13:26,139 軍隊以外の道など ありませんでした。 178 00:13:26,139 --> 00:13:29,175 しかし 何といっていいか わからないが➡ 179 00:13:29,175 --> 00:13:33,646 君は まだ子どもだ。 軍人は辞めるべきだ。 180 00:13:33,646 --> 00:13:37,483 大尉殿は 小官の資質を疑われるのですか? 181 00:13:37,483 --> 00:13:41,154 それは違う! 違うが…。 182 00:13:41,154 --> 00:13:45,491 子どもが生まれた。 女の子だ。 183 00:13:45,491 --> 00:13:48,528 それは おめでとうございます。 184 00:13:48,528 --> 00:13:51,664 中尉を見ていると ふと思うのだ。 185 00:13:51,664 --> 00:13:56,502 自分の娘も戦争に行くことに なるのだろうか とな。 186 00:13:56,502 --> 00:14:01,774 かわいい盛りの子どもを 戦場に送るなど どうかしている。 187 00:14:01,774 --> 00:14:04,277 そうは思わないか? 188 00:14:04,277 --> 00:14:07,780 大尉殿 あなたは優しい方だ。 189 00:14:07,780 --> 00:14:12,285 理性的で 何より良識がある。 そんな…。 190 00:14:12,285 --> 00:14:15,621 でも だからこそ 狂気の幕が明ける前に➡ 191 00:14:15,621 --> 00:14:17,557 後方に下がるべきです。 192 00:14:17,557 --> 00:14:20,493 それは許されない行為だ。 193 00:14:20,493 --> 00:14:24,330 大尉殿 生きることも戦いなのです。 194 00:14:24,330 --> 00:14:28,134 娘さんを戦場に送らないためにも。 195 00:14:28,134 --> 00:14:31,471 うぅ…。 196 00:14:31,471 --> 00:14:34,507 よろしければ 昼食にしませんか? 197 00:14:34,507 --> 00:14:37,110 ここのヴルストは なかなかですよ。 198 00:14:41,814 --> 00:14:44,851 いや すまないが これで失礼する。 199 00:14:44,851 --> 00:14:47,854 家人が待っているものでね。 200 00:14:50,823 --> 00:14:54,327 《これで ウーガ大尉は出世コースから脱落。 201 00:14:54,327 --> 00:14:58,831 なおかつ 戦場を知る良識人を 味方につけたわけだ》 202 00:15:01,100 --> 00:15:05,438 《「精神的に無防備になった相手を 説得すべき」。 203 00:15:05,438 --> 00:15:10,143 そう主張したファシストは 悪魔的天才だな。 フフッ…》 204 00:15:15,114 --> 00:15:17,049 現在 ライン戦線は➡ 205 00:15:17,049 --> 00:15:21,988 中央本隊の再配置により 小康状態を保っていると…。 206 00:15:21,988 --> 00:15:27,460 ですが 西方方面軍が 崩壊寸前になったのも事実。 207 00:15:27,460 --> 00:15:30,797 防衛戦力の増強と再編が 急務でしょう。 208 00:15:30,797 --> 00:15:35,968 とはいえ 現状での 大規模な軍管区再編は困難だ。 209 00:15:35,968 --> 00:15:38,805 それは重々 承知しております。 210 00:15:38,805 --> 00:15:41,841 そこで 他の案を提言したいと。 211 00:15:41,841 --> 00:15:43,976 何か妙案が? 212 00:15:43,976 --> 00:15:47,013 新たな即応軍の創設です。 213 00:15:47,013 --> 00:15:49,849 それでは 遊兵を 作ってしまうのではないか? 214 00:15:49,849 --> 00:15:55,588 作戦局としても機動性をもった 任意に使える戦力が必要です。 215 00:15:55,588 --> 00:16:02,261 数日前 貴官が中心となって 提出した「即応魔導大隊構想」か。 216 00:16:02,261 --> 00:16:06,132 はい。 大隊規模なら 引き抜きに差し障りはなく➡ 217 00:16:06,132 --> 00:16:10,603 展開力も高いと。 構想自体は理解できるが…。 218 00:16:10,603 --> 00:16:13,940 すでに優秀な人材も 確保しております。 219 00:16:13,940 --> 00:16:16,976 戦功はもとより 提出させた論文が➡ 220 00:16:16,976 --> 00:16:20,980 卓越した視野と判断力を 物語っておりました。 221 00:16:24,283 --> 00:16:26,786 (レルゲン)それは決定事項なのか? 222 00:16:26,786 --> 00:16:29,121 はっ 昨今の情勢です。 223 00:16:29,121 --> 00:16:32,792 有能な軍人を 遊ばせる余裕などないと。 224 00:16:32,792 --> 00:16:36,629 小官が両閣下へ提出した 士官学校時代の報告は➡ 225 00:16:36,629 --> 00:16:38,564 確認いただいたのか? 226 00:16:38,564 --> 00:16:42,802 はい。 ですが軍大学で成長したと 判断されたようです。 227 00:16:42,802 --> 00:16:48,474 成長? 人間の本性は そう簡単には変わるものではない。 228 00:16:48,474 --> 00:16:50,476 はっ! 229 00:16:53,980 --> 00:16:57,984 これを読めとは そういうわけか! 230 00:17:02,088 --> 00:17:08,261 改めて 本日はご招待いただき 誠にありがとうございます。 231 00:17:08,261 --> 00:17:12,431 (コードル)その年で十二騎士のランクに 選抜されるとは➡ 232 00:17:12,431 --> 00:17:17,937 まったく驚きですな ゼートゥーア閣下。 あぁ 見事なものだ。 233 00:17:17,937 --> 00:17:20,606 過分な お言葉 恐れ入ります。 234 00:17:20,606 --> 00:17:27,280 育ち盛りだろう。 遠慮は無用だ。 はい 満喫させていただきます。 235 00:17:27,280 --> 00:17:30,316 (コードル)どうだね? 参謀本部の名物は。 236 00:17:30,316 --> 00:17:34,453 《前線では あまり口にできない 蒸し料理だが➡ 237 00:17:34,453 --> 00:17:39,125 正直 海軍のガンルームでとる 食事のほうがマシだろうな》 238 00:17:39,125 --> 00:17:44,463 はっ 素直に申し上げるならば 前線を思い出す見事なものだと。 239 00:17:44,463 --> 00:17:46,966 ほぅ すばらしい回答だ。 240 00:17:46,966 --> 00:17:51,304 いっそ「常在戦場の食堂」とでも 名付けてみようか。 241 00:17:51,304 --> 00:17:54,640 ハハハハハ…。 アハハ…。 242 00:17:54,640 --> 00:17:58,477 さて そろそろ本題に入ろう。 243 00:17:58,477 --> 00:18:01,080 わかっているとは思うが 来てもらったのは➡ 244 00:18:01,080 --> 00:18:04,383 貴官の卒業後の配属についてだ。 245 00:18:12,792 --> 00:18:16,095 《どれも本国の安全な部隊勤務…。 246 00:18:16,095 --> 00:18:21,267 2年ほど経験を積めば 参謀将校本流への仲間入りか…》 247 00:18:21,267 --> 00:18:26,138 貴官の武功を考慮し 人事局は選択に口を挟まない。 248 00:18:26,138 --> 00:18:28,140 好きに選ぶとよい。 249 00:18:28,140 --> 00:18:32,044 より取り見取りですね。 迷ってしまいます。 250 00:18:36,115 --> 00:18:41,287 これは…。 実は参謀本部からも一通ある。 251 00:18:41,287 --> 00:18:45,624 さて 小官はこれにて。 幸運を祈るよ デグレチャフ君。 252 00:18:45,624 --> 00:18:47,560 あっ はい 大佐殿。 253 00:18:47,560 --> 00:18:50,363 大佐 ご苦労であった。 254 00:18:54,633 --> 00:18:56,636 (扉が閉まる音) 255 00:18:59,972 --> 00:19:06,579 《人事の書類は建て前… 初めから 選択肢などなかった?》 256 00:19:06,579 --> 00:19:11,450 貴官のことだ。 実務的な話のほうがよかろう。 257 00:19:11,450 --> 00:19:17,757 デグレチャフ中尉 貴官には新設の 即応魔導大隊を任せるつもりだ。 258 00:19:17,757 --> 00:19:22,595 えっ! 大隊… でありますか? 259 00:19:22,595 --> 00:19:26,098 ⦅だっ 大隊が適切でしょう⦆ 260 00:19:26,098 --> 00:19:29,602 《あっ あのときか!➡ 261 00:19:29,602 --> 00:19:33,773 即応大隊を率いるなど 前線以上のリスク!》 262 00:19:33,773 --> 00:19:38,110 大隊は即応からの観点から 参謀本部直轄。 263 00:19:38,110 --> 00:19:40,946 基本的に貴官の上官はいない。 264 00:19:40,946 --> 00:19:43,616 しっ しかし 小官は中尉です。 265 00:19:43,616 --> 00:19:45,951 大隊を率いるのには 適切ではないと…。 266 00:19:45,951 --> 00:19:50,289 心配はいらん。 すぐに編成官の辞令を入れる。 267 00:19:50,289 --> 00:19:52,224 編成官? 268 00:19:52,224 --> 00:19:57,163 もはや形骸化して久しい職務だが 制度上は利用できる。 269 00:19:57,163 --> 00:20:00,800 卒業と同時に 編成官として大尉へ昇進。 270 00:20:00,800 --> 00:20:05,638 その後 大隊編成の功で 無理やり少佐にねじ込む段取りだ。 271 00:20:05,638 --> 00:20:08,641 すべて 手はずは整えた。 272 00:20:11,310 --> 00:20:13,312 はぁ~。 273 00:20:15,648 --> 00:20:18,484 まさに我が世の春ですね。 274 00:20:18,484 --> 00:20:21,987 《どうして… どうして こうなった?》 275 00:20:21,987 --> 00:20:26,158 それで編成の期限は? 早いに越したことはない。 276 00:20:26,158 --> 00:20:29,662 48名以下なら好きに編成したまえ。 277 00:20:29,662 --> 00:20:33,332 了解しました。 では 小官は これで…。 278 00:20:33,332 --> 00:20:37,837 中尉。 貴官は人を選びすぎるとも聞く。 279 00:20:37,837 --> 00:20:41,707 能力を疑うわけではないが あまり よい風評ではない。 280 00:20:41,707 --> 00:20:44,009 留意しておけ。 281 00:20:44,009 --> 00:20:46,679 ご高配 感謝いたします。 282 00:20:46,679 --> 00:20:48,681 武運を祈る! 283 00:20:53,185 --> 00:20:56,856 (扉が閉まる音) 284 00:20:56,856 --> 00:21:00,359 子どもを戦争に送るか…。 285 00:21:03,129 --> 00:21:07,967 《クソッ こうなったら 少しでも選抜に時間をかけ➡ 286 00:21:07,967 --> 00:21:11,270 出動の機会を 引き延ばす他あるまい》 287 00:21:13,773 --> 00:21:18,677 何だ? これは。 募集して まだ1週間だぞ? 288 00:21:18,677 --> 00:21:24,316 魔導師はエリートだろう? 普通なら好待遇を望むはず…。 289 00:21:24,316 --> 00:21:27,987 なのに どうみても ブラックな求人報告…。 290 00:21:27,987 --> 00:21:31,824 こんな地獄の片道ツアーに なぜ応募する? 291 00:21:31,824 --> 00:21:35,161 大体 一人で 決済できる量ではないぞ! 292 00:21:35,161 --> 00:21:38,197 無理だ 絶対に無理だ。 293 00:21:38,197 --> 00:21:41,834 よし 人手不足を理由に 時間稼ぎを…。 294 00:21:41,834 --> 00:21:44,737 (ヴィーシャ)失礼します! (ノック) 295 00:21:47,173 --> 00:21:51,510 あっ… 貴官が なぜ ここに? 296 00:21:51,510 --> 00:21:55,014 お久しぶりです デグレチャフ大尉殿。 297 00:23:28,140 --> 00:23:35,147 (鼻歌) 298 00:23:38,484 --> 00:23:41,287 ふぅ~。 299 00:23:44,356 --> 00:23:48,060 これは… いい品だな。