1 00:00:04,004 --> 00:00:06,340 (佐城)あっ そういえば 夏休み終わって➡ 2 00:00:06,340 --> 00:00:09,343 俺がバイト辞めたあとって どうするんです? 3 00:00:09,343 --> 00:00:13,347 (店長)雇うよ。 実はもう 募集かけてんだ。 4 00:00:13,347 --> 00:00:18,352 そういえば 入り口に貼り紙が。 ああ。 後輩が入ったら➡ 5 00:00:18,352 --> 00:00:20,687 佐城くんも 先輩になるんだからな。 6 00:00:20,687 --> 00:00:23,690 まあ そっすね。 なんだ その気の抜けた返事は! 7 00:00:23,690 --> 00:00:26,693 うっ! じゃ 残りも頼んだよ。 8 00:00:26,693 --> 00:00:28,695 あいあいさ~。 9 00:00:28,695 --> 00:00:34,034 「河島嶺二」… ここか? (戸の開閉音) 10 00:00:34,034 --> 00:00:37,037 (深那)あっ あの…。 あっ はい。 11 00:00:40,374 --> 00:00:42,376 (深那)あっ…。 12 00:00:42,376 --> 00:00:46,079 《ん…? この感じ どっかで…》 13 00:00:49,383 --> 00:00:51,385 《一ノ瀬さん!?》 14 00:00:51,385 --> 00:00:55,389 ええと 何か? 入り口の 募集を見て…。 15 00:00:55,389 --> 00:00:59,993 ああ。 えっ! バイトの!? 16 00:00:59,993 --> 00:01:02,596 《大丈夫か…!?》 17 00:02:43,363 --> 00:02:47,701 おお! そりゃ 深那ちゃんだ! えっ 知り合いなんすか? 18 00:02:47,701 --> 00:02:50,370 常連のお嬢さんだよ。 19 00:02:50,370 --> 00:02:55,375 くぅ! マジか 深那ちゃんか。 わしは幸せ者だな。 20 00:02:55,375 --> 00:02:59,379 《じいさんは テンションが上がると ヤングになる》 21 00:03:03,650 --> 00:03:05,986 深那ちゃん 採用! 22 00:03:05,986 --> 00:03:08,655 ちょっ! さすがに早くないですか? 23 00:03:08,655 --> 00:03:11,992 深那ちゃんのことは知っとるから。 はあ…。 24 00:03:11,992 --> 00:03:13,994 あっ あの…。 25 00:03:13,994 --> 00:03:18,999 妻も喜ぶよ。 ついてきて 深那ちゃん。 26 00:03:18,999 --> 00:03:22,335 《まあ これで俺も 心おきなく 抜けられるってもんよ》 27 00:03:22,335 --> 00:03:27,007 (奥さん)深那ちゃんだったのね。 ただ その前髪はねぇ…。 28 00:03:27,007 --> 00:03:29,176 なんとかならない? 29 00:03:29,176 --> 00:03:32,012 《佐城:おっと? 結構厳しいこと言うのな。 30 00:03:32,012 --> 00:03:34,014 まあ 俺も同感だけど…》 (奥さん)来てくれたのは➡ 31 00:03:34,014 --> 00:03:36,016 うれしいんだけどねぇ…。 32 00:03:36,016 --> 00:03:38,685 そうだ! 私が切ってあげましょうか。 33 00:03:38,685 --> 00:03:40,687 《はっ!?》 あ…。 34 00:03:42,689 --> 00:03:45,025 ちょっ! ストップです 奥さん! 35 00:03:45,025 --> 00:03:49,029 あら 今 アルバイトの説明を してたところなのよ。 36 00:03:49,029 --> 00:03:51,031 そうなんですね。 37 00:03:51,031 --> 00:03:53,366 《いくら世話焼きったって焦るわ。 38 00:03:53,366 --> 00:03:56,703 てか これ どうするべきだ? 一ノ瀬さんとは➡ 39 00:03:56,703 --> 00:04:00,640 バイト先だけのつきあい方ってんなら ここは…》 40 00:04:00,640 --> 00:04:02,642 はじめまして 佐城です。 41 00:04:02,642 --> 00:04:05,645 えっ…。 店長から聞きました。 42 00:04:05,645 --> 00:04:09,149 一ノ瀬さん かなりの本好きとか? は… はい。 43 00:04:09,149 --> 00:04:12,319 本読むときって 前髪 邪魔じゃないですか? 44 00:04:12,319 --> 00:04:14,321 いつも どうしてるんです? 45 00:04:14,321 --> 00:04:17,324 あっ… いっ いつもは…。 46 00:04:20,327 --> 00:04:22,329 こ… こうです。 47 00:04:22,329 --> 00:04:24,998 《初めて 一ノ瀬さんの顔見た…》 48 00:04:24,998 --> 00:04:29,002 いいわ! じゃ それでいきましょ。 はっ はい! 49 00:04:29,002 --> 00:04:31,605 じゃ 明日から よろしくお願いしま~す。 50 00:04:34,341 --> 00:04:37,677 おはようございま~ んっ? 51 00:04:37,677 --> 00:04:41,681 《てか バイトの後輩って 敬語じゃなくてもよくないか? 52 00:04:41,681 --> 00:04:43,683 同級生だしな》 53 00:04:43,683 --> 00:04:47,687 おはよう 一ノ瀬さん。 あ… おはようございます。 54 00:04:47,687 --> 00:04:50,357 《声小さっ!》 あ~ えっと…。 55 00:04:50,357 --> 00:04:55,028 隣の席の一ノ瀬さん… だよね? 56 00:04:55,028 --> 00:04:58,031 あんまり話したことないけど よろしく。 57 00:05:00,300 --> 00:05:02,302 うん…。 58 00:05:02,302 --> 00:05:06,640 《返事おっせ! うまく やっていけんのか これ…》 59 00:05:06,640 --> 00:05:09,309 おお! 来たか 佐城くん。 60 00:05:09,309 --> 00:05:11,812 おはようございます。 元気っすね。 61 00:05:11,812 --> 00:05:15,315 (店長)今日から先輩として 深那ちゃんを頼んだぞ。 62 00:05:15,315 --> 00:05:17,317 ハハ… 頑張ります。 63 00:05:17,317 --> 00:05:20,987 力仕事以外は 深那ちゃんにも 見せてやってくれ。 64 00:05:20,987 --> 00:05:24,658 くれぐれも よこしまな考えは 起こさないようにな。 65 00:05:24,658 --> 00:05:29,062 何言ってんすか。 冗談だよ。 ワッハッハッハッ! 66 00:05:30,997 --> 00:05:34,000 まずは 前髪だな。 あ…。 67 00:05:37,003 --> 00:05:40,674 そうそう バイトするときは そっちね。 68 00:05:40,674 --> 00:05:44,678 じゃあ 行こうか。 最初は 昨日売れた本のリスト見ながら➡ 69 00:05:44,678 --> 00:05:49,015 棚の整理ね。 超簡単だから。 70 00:05:49,015 --> 00:05:52,018 あ~ 俺のときは うなずくだけでいいけど➡ 71 00:05:52,018 --> 00:05:55,021 お客さん相手には ちゃんと返事してね。 72 00:05:55,021 --> 00:05:57,023 はっ はい! 73 00:05:57,023 --> 00:06:02,295 《こうしてみると 意外とすることあるな…》 74 00:06:02,295 --> 00:06:04,965 (深那)あっ あの…。 んっ? 75 00:06:04,965 --> 00:06:07,968 ああ そこは 踏み台使ってもらうんだけど。 76 00:06:07,968 --> 00:06:09,970 やめておこうか。 77 00:06:09,970 --> 00:06:12,639 こ… このくらい できます。 78 00:06:12,639 --> 00:06:15,976 そう言って よろけて 俺に受け止められていいの? 79 00:06:15,976 --> 00:06:20,313 そっ それは… いやあ…。 (佐城)うっ…。 80 00:06:20,313 --> 00:06:24,985 あとは接客だな。 もう開店してるし➡ 81 00:06:24,985 --> 00:06:28,655 いつお客さん来ても おかしくないから。 82 00:06:28,655 --> 00:06:32,325 とりあえず 一ノ瀬さんは さっき教えた整理整頓。 83 00:06:32,325 --> 00:06:37,330 高いとこと接客は俺やるから レジは近くで見学してよっか。 84 00:06:37,330 --> 00:06:41,001 アレもいるか…。 85 00:06:41,001 --> 00:06:44,004 ひもを通して… っと。 86 00:06:44,004 --> 00:06:48,008 《あっ… 自分で 掛けてもらえばよかったな。 87 00:06:48,008 --> 00:06:50,677 心の距離 ヤベえ…》 88 00:06:50,677 --> 00:06:55,348 あ~ 一ノ瀬さん ここまでで 何か わかんないことある? 89 00:06:55,348 --> 00:06:58,018 えと…。 特にないなら ないで➡ 90 00:06:58,018 --> 00:07:00,287 大丈夫だけど。 あ…。 91 00:07:00,287 --> 00:07:02,956 ありま…? ないです…。 92 00:07:02,956 --> 00:07:05,625 《合わねえなあ オイ…》 93 00:07:05,625 --> 00:07:08,295 じゃっ 一とおり 業務は教えたから➡ 94 00:07:08,295 --> 00:07:10,297 あとは慣れるだけだね。 (戸の開く音) 95 00:07:10,297 --> 00:07:12,299 おっ。 96 00:07:12,299 --> 00:07:16,303 そのうちに わかるようになんだけどさ➡ 97 00:07:16,303 --> 00:07:19,306 冷やかすだけの客も多いんだ。 98 00:07:19,306 --> 00:07:21,975 一ノ瀬さん レジのボタン配置とか見とこうか。 99 00:07:21,975 --> 00:07:23,977 はい。 100 00:07:27,314 --> 00:07:29,316 (深那)はぅ…。 101 00:07:29,316 --> 00:07:31,985 は…。 《佐城:って 買うのかよ!》 102 00:07:31,985 --> 00:07:33,987 「三島由紀夫」がないとは➡ 103 00:07:33,987 --> 00:07:35,989 古書店の風上にも おけませぬなあ。 104 00:07:35,989 --> 00:07:37,991 はぅ…。 105 00:07:37,991 --> 00:07:40,994 甘美な性を表現する傑作 『音楽』! 106 00:07:40,994 --> 00:07:43,663 許されぬまぐわいを 美しい芸術に変えた➡ 107 00:07:43,663 --> 00:07:46,666 彼の存在抜きに 古書店を名乗るとは…。 108 00:07:46,666 --> 00:07:49,336 《佐城:何言ってんだ? このおっさん》 109 00:07:49,336 --> 00:07:53,006 ういっす。 こちら 2点っすね。 むっ!? 110 00:07:53,006 --> 00:07:55,675 《言ってることは 全然わかんねえけど➡ 111 00:07:55,675 --> 00:07:58,345 商品を レジに持ってきたのは確かだ》 112 00:07:58,345 --> 00:08:00,613 ブックカバーは おつけします? 113 00:08:00,613 --> 00:08:03,950 頼めますかな。 うい~っす。 114 00:08:03,950 --> 00:08:06,553 2冊で220円っす。 115 00:08:11,624 --> 00:08:13,626 (佐城)あざした! 116 00:08:13,626 --> 00:08:16,629 はあ…。 (戸の開閉音) 117 00:08:16,629 --> 00:08:19,966 ああいった客は 隙さえ 見せなければ なんとかなるんだ。 118 00:08:19,966 --> 00:08:21,968 んっ? 119 00:08:21,968 --> 00:08:24,971 一ノ瀬さん…? 120 00:08:24,971 --> 00:08:27,640 えっ? ふぇ…。 121 00:08:27,640 --> 00:08:30,310 いったん 奥 行こっか。 122 00:08:30,310 --> 00:08:32,645 すみません 奥さん お呼びしたいっす。 123 00:08:32,645 --> 00:08:34,647 どうしたんだ? 124 00:08:34,647 --> 00:08:36,649 癖のあるお客さんに あたっちゃって➡ 125 00:08:36,649 --> 00:08:38,651 一ノ瀬さん 泣いちゃいました。 126 00:08:38,651 --> 00:08:40,987 なにぃ!? 深那ちゃんは? 127 00:08:40,987 --> 00:08:45,325 バックヤードで休ませてます。 でも 店長は行かないでください。 128 00:08:45,325 --> 00:08:48,328 こういうのは 女の人が適してると思うんで。 129 00:08:48,328 --> 00:08:51,631 あっ… あいわかった。 どもっす。 130 00:08:53,666 --> 00:08:56,336 《佐城:俺が抜けたあと 一ノ瀬さん一人に➡ 131 00:08:56,336 --> 00:08:59,672 任せられるのか? ていうか➡ 132 00:08:59,672 --> 00:09:03,276 接客どころか まず 従業員同士のコミュニケーションにも➡ 133 00:09:03,276 --> 00:09:05,945 支障が出てんだよなあ…。 134 00:09:05,945 --> 00:09:08,281 じいさんに相談してみっか。 135 00:09:08,281 --> 00:09:10,617 なんかいい案が あるかもしれないし》 136 00:09:10,617 --> 00:09:13,286 あの 店長。 ああ。 137 00:09:13,286 --> 00:09:17,957 ここのバイト ある程度 ああいうのを 相手する接客スキルって➡ 138 00:09:17,957 --> 00:09:21,294 必須っすよね。 うむ そうだな。 139 00:09:21,294 --> 00:09:24,297 俺 一ノ瀬さん 向いてないと思うんすけど。 140 00:09:24,297 --> 00:09:27,967 何っ!? 佐城くん あの子の上っ面だけで…。 141 00:09:27,967 --> 00:09:30,970 だったら 店長が面倒見ますか? 142 00:09:30,970 --> 00:09:32,972 それで 一ノ瀬さんのできないことは➡ 143 00:09:32,972 --> 00:09:36,643 全部自分で なんて言ったら 奥さんが黙ってないっすよ。 144 00:09:36,643 --> 00:09:38,978 ああ…。 あっ すみません。 145 00:09:38,978 --> 00:09:43,316 《思ったより俺は 一ノ瀬さんに イラついているらしい。 146 00:09:43,316 --> 00:09:47,320 相性の悪さか 俺の心が狭いだけなのか》 147 00:09:47,320 --> 00:09:49,656 (店長)深那ちゃんは…。 はっ? 148 00:09:49,656 --> 00:09:53,993 深那ちゃんは この店の かわいい常連さんなんだ。 149 00:09:53,993 --> 00:09:58,331 《あっ… いつもの威勢は どうしたんだよ じいさん。 150 00:09:58,331 --> 00:10:00,667 考えろ 俺! 151 00:10:00,667 --> 00:10:04,003 学校じゃ いつも1人で…。 152 00:10:04,003 --> 00:10:07,006 だけど 少なくとも この古本屋と➡ 153 00:10:07,006 --> 00:10:09,676 自分を気にかけてくれる じいさんは➡ 154 00:10:09,676 --> 00:10:13,680 一ノ瀬さんにとっちゃ 居場所ってことだろ?》 155 00:10:13,680 --> 00:10:17,684 あの 俺ちょっと 一ノ瀬さんと 話をしてみますね。 156 00:10:17,684 --> 00:10:20,353 ホ… ホントか? はい。 でも➡ 157 00:10:20,353 --> 00:10:22,689 あんま期待はしないでください。 158 00:10:22,689 --> 00:10:25,024 あいわかった。 159 00:10:25,024 --> 00:10:28,027 《佐城:この場所が 嫌いになるなんてことが➡ 160 00:10:28,027 --> 00:10:32,031 あっちゃならない。 じいさんのためにも。 161 00:10:32,031 --> 00:10:34,701 だったら この先どうなってもいい俺が➡ 162 00:10:34,701 --> 00:10:38,037 言うしかないよな?》 163 00:10:38,037 --> 00:10:40,206 ありがとうございます 奥さん。 (戸の開く音) 164 00:10:40,206 --> 00:10:42,208 (奥さん)いいのよ。 165 00:10:42,208 --> 00:10:46,045 今ね 深那ちゃんに お仕事の心構えを教えてたの。 166 00:10:46,045 --> 00:10:48,214 あとは任せてください。 167 00:10:48,214 --> 00:10:51,384 奥さん 帳簿まとめる 途中じゃなかったですか? 168 00:10:51,384 --> 00:10:56,089 ああ そうだったわ。 じゃあ またあとでね。 169 00:11:01,995 --> 00:11:05,665 一ノ瀬さん 聞いてくれるかな? 170 00:11:05,665 --> 00:11:10,003 さっきのお客さん 変な人だったよね。 171 00:11:10,003 --> 00:11:13,339 最初から 思うように 接客なんてできないよ。 172 00:11:13,339 --> 00:11:17,010 怖くて泣いちゃうのも しかたない。 173 00:11:17,010 --> 00:11:20,346 ああいうお客さんは ちょっとチャラい口調で話すと➡ 174 00:11:20,346 --> 00:11:24,684 効果あるんだ。 難しい言葉が 通じないヤツって思わせると➡ 175 00:11:24,684 --> 00:11:28,354 黙ってくれる。 一ノ瀬さんだったら➡ 176 00:11:28,354 --> 00:11:32,692 例えば ギャルっぽく言ったら ひるんでくれたかもね。 177 00:11:32,692 --> 00:11:36,362 接客って やっぱ難しくてさ 正解がないんだ。 178 00:11:36,362 --> 00:11:40,033 でも 不正解はある。 どんなに面倒そうでも➡ 179 00:11:40,033 --> 00:11:44,037 お客さんなら 間違った対応はしちゃいけない。 180 00:11:44,037 --> 00:11:48,041 でさ 一ノ瀬さん それできる? 181 00:11:48,041 --> 00:11:51,044 ふだんは ハキハキしゃべるのは 苦手でも➡ 182 00:11:51,044 --> 00:11:54,881 バイト中は 「デキる人ですよ」 って見せるの できる? 183 00:11:54,881 --> 00:11:58,384 あっ…。 184 00:11:58,384 --> 00:12:01,988 できないなら向いてないね。 親御さんにもらうお小遣いで…。 185 00:12:01,988 --> 00:12:05,325 《バカ 落ち着け! 先輩として俺がするのは➡ 186 00:12:05,325 --> 00:12:09,329 選択肢を奪うことじゃない。 選ばせることだ!》 187 00:12:09,329 --> 00:12:12,665 悪い。 これだけでいい。 188 00:12:12,665 --> 00:12:16,336 接客する気があるかだけ 教えてくれるかな? 189 00:12:16,336 --> 00:12:19,005 あっ…。 《佐城:正直➡ 190 00:12:19,005 --> 00:12:22,342 このまま辞めたほうがいいんじゃ ないかなって思ってしまう。 191 00:12:22,342 --> 00:12:25,011 お客さんとして来る 一ノ瀬さんに➡ 192 00:12:25,011 --> 00:12:27,680 じいさんが かいがいしく 声をかけるくらいが➡ 193 00:12:27,680 --> 00:12:30,016 一ノ瀬さんにとっても じいさんにとっても➡ 194 00:12:30,016 --> 00:12:32,018 ちょうどいいんじゃないのか?》 195 00:12:32,018 --> 00:12:34,020 やです…。 えっ? 196 00:12:34,020 --> 00:12:37,357 嫌です。 辞めたくないです! 197 00:12:37,357 --> 00:12:39,359 はっ…? なんで? 198 00:12:39,359 --> 00:12:44,030 で… できるようにしますから! 辞めさせないでください! 199 00:12:44,030 --> 00:12:46,699 ちょっ!? 顔上げて! マジで! 200 00:12:46,699 --> 00:12:49,035 お… 俺 ただのバイトだから! 201 00:12:49,035 --> 00:12:52,639 一ノ瀬さんを辞めさせるとか できないから~! 202 00:12:57,710 --> 00:13:00,647 (深那)なんでも できるようにしますから! 203 00:13:00,647 --> 00:13:03,650 わかった! わかったから 顔上げて! 204 00:13:10,323 --> 00:13:13,993 何があったんだ! 店長! 一ノ瀬さん 続投です! 205 00:13:13,993 --> 00:13:16,996 なにぃ!? 明日から頑張ろうな! なっ!? 206 00:13:16,996 --> 00:13:19,999 そうか。 もう時間だし➡ 207 00:13:19,999 --> 00:13:22,335 今日は2人とも上がりなさい。 (佐城)えっ!? 208 00:13:22,335 --> 00:13:25,004 いや まだ 業務終わってないでしょうし➡ 209 00:13:25,004 --> 00:13:27,340 俺 残ります。 いや いい いい。 210 00:13:27,340 --> 00:13:30,343 それより 明日も ちゃんと来てくれよ。 211 00:13:30,343 --> 00:13:32,345 わっかりました。 212 00:13:32,345 --> 00:13:35,014 じゃあ… 帰るか 一ノ瀬さん。 213 00:13:35,014 --> 00:13:37,016 はっ はい! 214 00:13:43,022 --> 00:13:45,625 最低だ 俺…。 215 00:13:50,029 --> 00:13:52,031 (一ノ瀬)はあ…。 216 00:13:52,031 --> 00:13:54,701 (四ノ宮)どうした? 一ノ瀬。 元気がないな。 217 00:13:54,701 --> 00:13:59,605 すみません。 妹と最近 うまくいってなくて。 218 00:14:01,641 --> 00:14:05,345 (由梨)大丈夫よ。 ねっ? 由梨ちゃん…。 219 00:14:08,648 --> 00:14:11,351 (佐城)ん…? 📱 220 00:14:13,319 --> 00:14:16,322 ヤベ…。 221 00:14:16,322 --> 00:14:18,658 なんで ビデオ通話? 222 00:14:18,658 --> 00:14:21,994 (=田)ここ! 絶対 行きたいんだよね。 223 00:14:21,994 --> 00:14:24,163 (愛華)へえ 店内もオシャレ! 224 00:14:24,163 --> 00:14:26,666 でしょ? 写真撮りまくろ! 225 00:14:26,666 --> 00:14:30,336 また学校始まったら いろいろ忙しくなるしさ~。 226 00:14:30,336 --> 00:14:33,673 (愛華)いいけど… 圭 夏休みの宿題 終わった? 227 00:14:33,673 --> 00:14:36,676 📱(=田)ほえ? 部活は真面目にやってるよ。 228 00:14:36,676 --> 00:14:40,680 (愛華)だと思った。 じゃあ 宿題終わったらのご褒美ね。 229 00:14:40,680 --> 00:14:42,682 わかんないところは教えるし。 230 00:14:42,682 --> 00:14:45,017 愛ち マジ愛してる! 231 00:14:45,017 --> 00:14:47,019 も~。 あっ…。 232 00:14:47,019 --> 00:14:49,021 📱(=田)な~んか 女の子やってるとさ➡ 233 00:14:49,021 --> 00:14:51,691 たまにカロリーとんなきゃじゃん? 234 00:14:51,691 --> 00:14:55,027 ねっ。 低脂肪のカスタムも ありそうだし。 235 00:14:55,027 --> 00:14:57,697 えっ? 話聞いてる? 236 00:14:57,697 --> 00:14:59,966 でも トッピングは絶対…➡ 237 00:14:59,966 --> 00:15:02,635 あっ さじょっち やっぱバイトだったみたい。 238 00:15:02,635 --> 00:15:04,637 📱(愛華)そ… そうなんだ。 239 00:15:04,637 --> 00:15:07,640 (=田)うん 今すぐ来いって 送ったら既読ついた。 240 00:15:07,640 --> 00:15:10,977 えっ!? ちょっ ちょっと待って! 241 00:15:10,977 --> 00:15:14,647 さじょっち! 話すの久しぶりじゃん。 242 00:15:14,647 --> 00:15:17,984 お~! あっ 夏川は ビデオじゃないのか。 243 00:15:17,984 --> 00:15:19,986 ってか なんか疲れてない? 244 00:15:19,986 --> 00:15:22,989 俺にだって いろいろあんだよ。 そうなの? 245 00:15:22,989 --> 00:15:27,326 吐いちゃえ 吐いちゃえ。 じゃあ 相談なんだけどさ➡ 246 00:15:27,326 --> 00:15:29,996 今日 バイト先で 女の子を土下座させちゃって…。 247 00:15:29,996 --> 00:15:31,998 (愛華/=田)はあ!? 248 00:15:31,998 --> 00:15:35,334 📱(=田)ギルティすぎない? あの 聞かなかったことに…。 249 00:15:35,334 --> 00:15:37,670 無理よ! (愛華)無理だから! 何したの? 250 00:15:37,670 --> 00:15:41,007 あの… えっと 内気な子で➡ 251 00:15:41,007 --> 00:15:44,677 性格を考慮しなかったゆえの 悲劇といいますか…。 252 00:15:44,677 --> 00:15:47,346 つまりは さじょっちが悪いわけ? 253 00:15:47,346 --> 00:15:49,348 まあ それはなんというか…。 254 00:15:49,348 --> 00:15:54,687 は… 話しなさいよ。 その 私たち には…。 255 00:15:54,687 --> 00:15:57,089 実は…。 256 00:16:01,294 --> 00:16:03,629 📱(佐城)まっ これが悩みっていうか。 257 00:16:03,629 --> 00:16:06,299 📱明日から どうしよっかなって。 258 00:16:06,299 --> 00:16:08,968 明日 その子 来るかな…。 259 00:16:08,968 --> 00:16:12,305 来ないに一票! うっ! いっそ殺せ~! 260 00:16:12,305 --> 00:16:15,641 さ… さじょっち 元気出して~。 (愛華)アンタだけが➡ 261 00:16:15,641 --> 00:16:17,977 悪いんじゃないわよ。 へ…? 262 00:16:17,977 --> 00:16:21,314 そもそも その子が ちゃんとコミュニケーションできたら➡ 263 00:16:21,314 --> 00:16:23,983 そんなことには ならなかったわけじゃない? 264 00:16:23,983 --> 00:16:27,653 バイトの先輩として ハッパをかけたってことでしょ? 265 00:16:27,653 --> 00:16:30,323 まあ… そう だな。 266 00:16:30,323 --> 00:16:33,326 アンタには ちゃんと 理由があったんだから…。 267 00:16:33,326 --> 00:16:35,328 おう。 (愛華)うん。 268 00:16:35,328 --> 00:16:37,663 わかってるってば~。 269 00:16:37,663 --> 00:16:41,000 ごめ~ん! お風呂入れってさ。 じゃあね~! 270 00:16:41,000 --> 00:16:44,003 (愛華)えっ!? お~! いきなりだな。 271 00:16:44,003 --> 00:16:46,005 ニッヒヒーン。 272 00:16:46,005 --> 00:16:50,343 あれ? もしかして さっきのって励ましだった? 273 00:16:50,343 --> 00:16:52,345 なっ! なんで そんなこと…。 274 00:16:52,345 --> 00:16:55,348 いや 客観的な意見だった っていうか…。 275 00:16:55,348 --> 00:16:58,684 (愛華)気のせい! ご… ごめん。 276 00:16:58,684 --> 00:17:01,621 📱(佐城)それより 夏川は 最近どう? 277 00:17:01,621 --> 00:17:03,623 どうって 何が? 278 00:17:03,623 --> 00:17:06,959 📱(佐城)いや 夏休み入って しばらく会ってないからさ。 279 00:17:06,959 --> 00:17:09,295 い… 言われてみれば そうね。 280 00:17:09,295 --> 00:17:12,298 📱(佐城)ハハ… まあ =田と 楽しく過ごしてんなら➡ 281 00:17:12,298 --> 00:17:14,300 よかったわ。 282 00:17:14,300 --> 00:17:17,637 あ~ ってか なんで夏川はビデオ オフなん? 283 00:17:17,637 --> 00:17:20,973 (愛華)今 お風呂上がりだから。 えっ! あっ ごめん。 284 00:17:20,973 --> 00:17:24,977 (愛華)ねえ さっきの話だけど…。 (佐城)おっ おう。 285 00:17:24,977 --> 00:17:27,980 ちゃんと その子の話 聞いてあげてね。 286 00:17:27,980 --> 00:17:29,982 わかった。 サンキュ! 287 00:17:37,156 --> 00:17:40,660 おはようございま~。 288 00:17:40,660 --> 00:17:43,496 おっ! 289 00:17:43,496 --> 00:17:45,498 おはよう 一ノ瀬さん。 290 00:17:45,498 --> 00:17:48,167 はっ はい! おはようございます! 291 00:17:48,167 --> 00:17:52,171 その… 昨日は マジごめん。 はっ はい。 292 00:17:52,171 --> 00:17:56,342 開店まで まだあるから のんびり整理でもしようか。 293 00:17:56,342 --> 00:17:58,344 は… はい! 294 00:17:58,344 --> 00:18:01,280 《おっ? 昨日より いい返事だな。 295 00:18:01,280 --> 00:18:04,784 辞められない理由でも あるのか…?》 296 00:18:04,784 --> 00:18:08,955 開店か。 よし 表の札 返してくるわ。 297 00:18:08,955 --> 00:18:12,758 あっ… 私が! んっ じゃあ頼むよ。 298 00:18:14,794 --> 00:18:17,296 (戸の開閉音) 299 00:18:17,296 --> 00:18:20,967 やっ やりました! よくできました。 300 00:18:20,967 --> 00:18:23,135 あっ…。 301 00:18:23,135 --> 00:18:25,972 あっ… あ~! ホコリ飛んでるな~。 302 00:18:25,972 --> 00:18:30,142 《危ねえ! なんか小さい子どもに 見えるときがあんだよな》 303 00:18:30,142 --> 00:18:32,812 いらっしゃいませ! (戸の開く音) 304 00:18:32,812 --> 00:18:36,616 わ… 私がやります! ああ… えっ!? 305 00:18:43,489 --> 00:18:46,492 《無言で レジに商品置いてくるタイプか。 306 00:18:46,492 --> 00:18:49,328 一ノ瀬さんには きついかもな》 307 00:18:49,328 --> 00:18:51,330 い… いらっしゃいませ。 308 00:18:51,330 --> 00:18:55,668 ひゃ… 130円が1点… になります。 309 00:18:55,668 --> 00:18:59,338 《佐城:おっ?》 ご… 500円 お預かりいたします。 310 00:18:59,338 --> 00:19:03,109 えとっ… 370円のお返しです。 311 00:19:03,109 --> 00:19:05,444 《佐城:おおっ!?》 あっ えと…。 312 00:19:05,444 --> 00:19:07,446 ども! このサイズですと➡ 313 00:19:07,446 --> 00:19:10,116 ブックカバーつけられますが どうします? 314 00:19:10,116 --> 00:19:13,119 あざした~! (戸の閉まる音) 315 00:19:15,121 --> 00:19:17,123 どうしたんだよ 一ノ瀬さん! 316 00:19:17,123 --> 00:19:19,291 昨日と全然違うじゃん! はわっ!? 317 00:19:19,291 --> 00:19:21,460 すごいって! 何したん? 318 00:19:21,460 --> 00:19:24,296 あっ 接客の動画とか見て…。 319 00:19:24,296 --> 00:19:27,633 偉くね!? この調子で接客してこう! 320 00:19:27,633 --> 00:19:31,637 はっ はい。 あの ひとまず奥のほうの整理だけ➡ 321 00:19:31,637 --> 00:19:33,639 してきます…。 322 00:19:37,643 --> 00:19:39,645 《佐城:今日見てても➡ 323 00:19:39,645 --> 00:19:42,481 本当に辞める気は なさそうなんだよな。 324 00:19:42,481 --> 00:19:45,317 家庭の事情には 首 突っ込まないにしても➡ 325 00:19:45,317 --> 00:19:49,321 一ノ瀬さんの辞めたくない 理由ってなんだ…?》 326 00:19:49,321 --> 00:19:51,490 佐城くん 深那ちゃん➡ 327 00:19:51,490 --> 00:19:53,793 そろそろ休憩。 ういっす。 328 00:19:57,496 --> 00:20:00,499 《んっ? 一ノ瀬さんと 世間話できるタイミングって➡ 329 00:20:00,499 --> 00:20:02,501 今しかないんじゃね?》 330 00:20:02,501 --> 00:20:06,005 あっ 一ノ瀬さん 今日 来たんだね。 えっ…。 331 00:20:06,005 --> 00:20:10,342 《何言ってんの 俺! めっちゃ嫌味みたい!》 332 00:20:10,342 --> 00:20:13,679 辞めるわけには いかなかったので…。 333 00:20:13,679 --> 00:20:20,019 ほ~ん。 そもそも 一ノ瀬さんって なんで バイトしようと思ったん? 334 00:20:20,019 --> 00:20:23,189 自立 したいから。 335 00:20:23,189 --> 00:20:25,191 えっ! 何それ すごくね!? 336 00:20:25,191 --> 00:20:28,527 俺 そんなの 考えたこともないんだけど。 337 00:20:28,527 --> 00:20:32,364 でも 早くない? 俺ら まだ高1だよ? 338 00:20:32,364 --> 00:20:34,867 兄離れを したくて。 339 00:20:34,867 --> 00:20:37,703 へえ…。 一ノ瀬さん お兄さんいるんだ。 340 00:20:37,703 --> 00:20:42,875 風紀委員の3年に。 えっ? 風紀委員に男子? 341 00:20:42,875 --> 00:20:45,711 《あの クマさんっぽい先輩か! 342 00:20:45,711 --> 00:20:49,882 似てねえ…。 サイズ感から何まで…》 343 00:20:49,882 --> 00:20:53,219 でも なんで? 甘えたらいいのに。 344 00:20:53,219 --> 00:20:58,557 あ~。 甘えたくても 甘えられない? 345 00:20:58,557 --> 00:21:01,827 《てか これって もう 家庭の話になってくるよな。 346 00:21:01,827 --> 00:21:05,164 俺とは そこまで 話せる仲じゃないと思うし➡ 347 00:21:05,164 --> 00:21:07,333 このくらいにしとくか》 348 00:21:07,333 --> 00:21:11,003 私 お兄ちゃんが大好きなんです。 349 00:21:11,003 --> 00:21:14,673 へっ!? 家で本を読むときは いつも…➡ 350 00:21:14,673 --> 00:21:18,344 座ってるお兄ちゃんの 脚の間に入って➡ 351 00:21:18,344 --> 00:21:21,013 おなかを背もたれにして 読むんです。 352 00:21:21,013 --> 00:21:25,351 温かくて 心地よくて…。 353 00:21:25,351 --> 00:21:28,687 《何それ! すっごい和む!》 354 00:21:28,687 --> 00:21:32,858 でも あるとき お兄ちゃんが 女の人を連れてきたんです。 355 00:21:32,858 --> 00:21:38,030 そこから お兄ちゃんと話せる 時間も少なくなってきて…。 356 00:21:38,030 --> 00:21:40,866 《えっ! これ 俺が聞いていい話!? 357 00:21:40,866 --> 00:21:43,536 俺 相手に話す内容じゃなくない? 358 00:21:43,536 --> 00:21:46,372 ちょっと待って! 嫌な予感してきた。 359 00:21:46,372 --> 00:21:49,542 聞きたくない… けど 聞きたい!》 360 00:21:49,542 --> 00:21:53,879 (深那)学校から帰ったら 家族以外の靴がありました。 361 00:21:53,879 --> 00:21:56,715 それが 由梨さんのものであることは➡ 362 00:21:56,715 --> 00:21:58,884 すぐに気づきました。 363 00:21:58,884 --> 00:22:02,822 でも そのときは なりふり構っていられなくて…。 364 00:22:02,822 --> 00:22:07,993 お兄ちゃんの部屋に向かい ノックもせずに ドアを開けました。 365 00:22:07,993 --> 00:22:10,496 そしたら…。 そしたら…!? 366 00:22:10,496 --> 00:22:12,665 そっ そしたら…! 367 00:22:12,665 --> 00:22:18,003 そしたら ゆっ… 由梨さんが お兄ちゃんに覆いかぶさって➡ 368 00:22:18,003 --> 00:22:20,005 チューしてて…!