1 00:01:35,141 --> 00:01:37,141 (船長)Uh? 2 00:01:38,544 --> 00:01:40,996 (船長)What?→ 3 00:01:40,996 --> 00:01:43,549 What is that!? 4 00:01:43,549 --> 00:01:46,101 (早河)幹は1キロメートル以上→ 5 00:01:46,101 --> 00:01:48,954 高さは 成層圏を越えているだと!? 6 00:01:48,954 --> 00:01:51,874 (早河・心の声)≪気象や 自転速度に影響を与えず→ 7 00:01:51,874 --> 00:01:53,909 なんの前触れもなしに!?≫ 8 00:01:53,909 --> 00:01:58,214 (早河)これが はじまりの樹の 理を統べる力か…。 9 00:01:58,214 --> 00:02:00,883 [テレビ](アナウンサー)この巨大な物体が いつ出現したのか→ 10 00:02:00,883 --> 00:02:02,918 いまだ不明であり…。 11 00:02:02,918 --> 00:02:07,389 (潤一郎)≪葉風ちゃんが過去に飛び 最大級の樹が出現した。→ 12 00:02:07,389 --> 00:02:10,476 はじまりの樹は どういう形であれ→ 13 00:02:10,476 --> 00:02:13,379 これで終わりを もたらそうとしているのか?≫ 14 00:02:20,719 --> 00:02:23,856 (葉風)不破愛花… くっ!→ 15 00:02:23,856 --> 00:02:25,875 お前が本物の→ 16 00:02:25,875 --> 00:02:29,195 完全なる 絶園の魔法使いというのか!? 17 00:02:29,195 --> 00:02:31,247 (愛花)本物も何も→ 18 00:02:31,247 --> 00:02:35,047 私以外に 絶園の力を持つ者はいませんが。 19 00:02:37,870 --> 00:02:42,091 先ほどから あなたの言葉には 不可解なところがあります。→ 20 00:02:42,091 --> 00:02:44,109 ちょっと 場所を変えましょう。→ 21 00:02:44,109 --> 00:02:47,880 こんな所に入り込んで 通報されると困ります。→ 22 00:02:47,880 --> 00:02:50,549 内申に響くと 吉野さんと同じ高校に→ 23 00:02:50,549 --> 00:02:53,335 行けなくなるかもしれませんし。 24 00:02:53,335 --> 00:02:56,222 では 先に下りてますね。 25 00:03:00,409 --> 00:03:02,909 (葉風)≪一体 どうなっている!?≫ 26 00:03:05,748 --> 00:03:07,800 (愛花)なるほど。 27 00:03:07,800 --> 00:03:11,870 はぁ~ 私 今夜 殺されるのかぁ。 28 00:03:11,870 --> 00:03:15,541 そうと分かってれば 受験勉強しなくて済んだのに…。 29 00:03:15,541 --> 00:03:17,593 真広に 頭が悪いと→ 30 00:03:17,593 --> 00:03:19,612 嫌味を言われるのに耐え→ 31 00:03:19,612 --> 00:03:22,481 吉野さんと 会う回数も減らしてたのに…。 32 00:03:22,481 --> 00:03:24,750 とんだ 時間の無駄でしたよ。 33 00:03:24,750 --> 00:03:27,970 私が言ったことを 信じるのか? 34 00:03:27,970 --> 00:03:31,607 あなたが姫宮なのは 疑いようがありません。 35 00:03:31,607 --> 00:03:35,177 語られた はじまりの樹の反応も 正しいものです。 36 00:03:35,177 --> 00:03:37,229 それに→ 37 00:03:37,229 --> 00:03:40,816 私が死んだあとの 吉野さんや真広に会ってなければ→ 38 00:03:40,816 --> 00:03:43,969 知りようのないことも 知っていますから。 39 00:03:43,969 --> 00:03:48,490 明日 吉野さんと デートの約束だったんですけど→ 40 00:03:48,490 --> 00:03:51,176 守れなくなりましたね。 41 00:03:51,176 --> 00:03:55,214 でも 吉野さんも 何度も 約束を破ってるんですから→ 42 00:03:55,214 --> 00:03:57,850 1回くらい かまわないですよね? 43 00:03:57,850 --> 00:04:00,419 (葉風)お前は 死を恐れんのか? 44 00:04:00,419 --> 00:04:04,239 (愛花)死ぬのは嫌ですが もっと嫌なことがありますから。 45 00:04:04,239 --> 00:04:06,792 (葉風)もっと? (愛花)もし このまま→ 46 00:04:06,792 --> 00:04:09,345 はじまりの樹を 破壊できなければ→ 47 00:04:09,345 --> 00:04:12,245 10年以内に 現代文明は滅ぼされます。 48 00:04:13,549 --> 00:04:16,149 (愛花) 生き残れる人類は ごく僅か。 49 00:04:18,020 --> 00:04:21,590 文明は 完全にリセットされるんです。 50 00:04:21,590 --> 00:04:23,625 (早河)では あの巨大な樹は→ 51 00:04:23,625 --> 00:04:26,478 鎖部の伝承にもないと? (左門)そうだ。→ 52 00:04:26,478 --> 00:04:30,549 だが 地球上で ただ一か所のみに 出現したことから考えるに→ 53 00:04:30,549 --> 00:04:34,703 ひょっとして はじまりの樹の コアブロックなのかもしれん。 54 00:04:34,703 --> 00:04:37,356 (早河)つまりは 心臓部か。 55 00:04:37,356 --> 00:04:41,043 (不破真広)それを ぶっ壊せば はじまりの樹は消滅するってのか? 56 00:04:41,043 --> 00:04:43,612 (山本) 今のところ その確証はないわ。→ 57 00:04:43,612 --> 00:04:46,815 ただ 早河の招集したスタッフは 最近になって→ 58 00:04:46,815 --> 00:04:50,135 ある仮説を打ち立てた。 (滝川吉野)仮説? 59 00:04:50,135 --> 00:04:53,706 (山本)人類は はじまりの樹という 外部から送り込まれた支配者を→ 60 00:04:53,706 --> 00:04:56,091 倒す意志を持てるか。→ 61 00:04:56,091 --> 00:04:59,211 それを試すための 最終試験という説よ。 62 00:04:59,211 --> 00:05:01,814 で それにパスするには? 63 00:05:01,814 --> 00:05:05,651 (山本)強い意志を持って はじまりの樹を倒せば合格。→ 64 00:05:05,651 --> 00:05:09,888 文明に ある一定の時期が来ても 倒せなければ不合格。→ 65 00:05:09,888 --> 00:05:12,791 そして その時期は 鎖部一族の捧げる→ 66 00:05:12,791 --> 00:05:15,227 供物によって判断される。 67 00:05:15,227 --> 00:05:18,914 不合格の場合は? (山本)文明はリセットされる。 68 00:05:18,914 --> 00:05:22,818 (羽村)なっ なんで そんなこと…。 (山本)その星の文明が→ 69 00:05:22,818 --> 00:05:25,904 はじまりの樹を 独自に コントロールできるようになるのを→ 70 00:05:25,904 --> 00:05:30,376 防ぐためと考えられてるわね。 (羽村)じゃあ 絶園の樹は? 71 00:05:30,376 --> 00:05:33,062 絶園の樹は はじまりの樹を造ったものに→ 72 00:05:33,062 --> 00:05:36,181 あらかじめ用意され しかるべく使えば→ 73 00:05:36,181 --> 00:05:38,884 はじまりの樹を 必ず倒せる剣です。 74 00:05:38,884 --> 00:05:41,703 えっ? (愛花)本来ならば→ 75 00:05:41,703 --> 00:05:45,874 鎖部一族が 絶園の樹復活を 本格化させたとき→ 76 00:05:45,874 --> 00:05:48,193 私が一族のところに出向いて→ 77 00:05:48,193 --> 00:05:50,979 真実を 伝えるはずだったんですが→ 78 00:05:50,979 --> 00:05:54,049 今晩 私が殺されることで→ 79 00:05:54,049 --> 00:05:57,903 その段取りが狂ったようです。 では 羽村は? 80 00:05:57,903 --> 00:06:01,256 (愛花)私が不慮の死を迎えたため 急いで起こされた→ 81 00:06:01,256 --> 00:06:04,293 バックアップの 魔法使いなんでしょう。→ 82 00:06:04,293 --> 00:06:08,881 絶園の魔法使いといえども 肉体的には人間です。→ 83 00:06:08,881 --> 00:06:10,933 ある程度の年齢になれば→ 84 00:06:10,933 --> 00:06:14,503 新しい魔法使いに 代替わりするようになっています。 85 00:06:14,503 --> 00:06:16,755 なのに 私が突然 死んだため→ 86 00:06:16,755 --> 00:06:19,255 不完全なまま 目覚めたのでしょう。 87 00:06:20,642 --> 00:06:22,778 なんということだ…。 88 00:06:22,778 --> 00:06:25,380 気に病まれることは ありませんよ。 89 00:06:25,380 --> 00:06:28,283 だまされていたのは 面白くないでしょうけど→ 90 00:06:28,283 --> 00:06:31,870 結果的には 正しい選択をしているんですから。 91 00:06:31,870 --> 00:06:33,972 (山本) はじまりの樹が人類にとって→ 92 00:06:33,972 --> 00:06:36,809 都合がいいものという 伝承ばかりだと→ 93 00:06:36,809 --> 00:06:39,378 試験にとってフェアじゃないから→ 94 00:06:39,378 --> 00:06:42,047 それとなく その危険性を推測させる→ 95 00:06:42,047 --> 00:06:45,367 矛盾や情報を わざと入れておいた。→ 96 00:06:45,367 --> 00:06:49,988 それを基に 鎖部一族は 樹を倒す判断をしたとも言える。 97 00:06:49,988 --> 00:06:54,042 じゃあ 世界中に残る 蛇神 龍神伝説も…。 98 00:06:54,042 --> 00:06:58,347 (山本)実際 これまで人類は 何度も再試験を繰り返して→ 99 00:06:58,347 --> 00:07:02,217 合格のための手がかりを 残してきたのかもしれない。 100 00:07:02,217 --> 00:07:04,603 だから 樹を倒すために動いても→ 101 00:07:04,603 --> 00:07:08,607 それを邪魔せず 魔法も 自由に使わせるってわけか。 102 00:07:08,607 --> 00:07:11,226 はじまりの樹は 倒されるために→ 103 00:07:11,226 --> 00:07:13,245 存在する神だからね。 104 00:07:13,245 --> 00:07:15,581 なんという ふざけた話だ!→ 105 00:07:15,581 --> 00:07:19,918 はじまりの樹は 侵略兵器より よほど 邪悪な存在ではないか! 106 00:07:19,918 --> 00:07:23,755 お怒りは ごもっともですが どんな目的であれ→ 107 00:07:23,755 --> 00:07:26,909 樹を倒さなければ 人類は 破滅し続けるというのは→ 108 00:07:26,909 --> 00:07:28,944 間違いありません。 109 00:07:28,944 --> 00:07:33,682 なら 私たちは その連中の望みに 従うしかないんですよ。 110 00:07:33,682 --> 00:07:38,287 けど 吉野さんが絶園の魔法使いと 疑われるなんて→ 111 00:07:38,287 --> 00:07:41,974 愉快ですね。 あの人 悪意はないのに→ 112 00:07:41,974 --> 00:07:45,911 天然で悪い人だから。 ふふふふっ。 113 00:07:45,911 --> 00:07:48,096 まあ 気持ちを切り替えて→ 114 00:07:48,096 --> 00:07:50,249 一緒に はじまりの樹を倒しましょう。 115 00:07:50,249 --> 00:07:52,267 一緒にも何も→ 116 00:07:52,267 --> 00:07:55,954 お前は 数時間後に 何者かに殺されるのだぞ? 117 00:07:55,954 --> 00:07:58,740 そういえば そういう話でしたね。 118 00:07:58,740 --> 00:08:01,793 だが すでに 力に目覚めているお前を→ 119 00:08:01,793 --> 00:08:03,946 一体 誰が? 120 00:08:03,946 --> 00:08:05,981 どうやら この事件→ 121 00:08:05,981 --> 00:08:09,768 私が探偵役を 務めなくてはならないようですね。 122 00:08:09,768 --> 00:08:12,571 殺せないはずの私が殺され→ 123 00:08:12,571 --> 00:08:15,440 姫宮が過去と未来を 行ったり来たり…。 124 00:08:15,440 --> 00:08:17,492 真広は 復讐を誓って→ 125 00:08:17,492 --> 00:08:20,879 吉野さんには 絶園の魔法使い疑惑…。 126 00:08:22,915 --> 00:08:25,617 なるほど。 何か分かったのか!? 127 00:08:25,617 --> 00:08:29,121 はい。 事件の真相が見えたんですよ。 128 00:08:29,121 --> 00:08:33,842 誰が どうやって なんのために この私を殺害したのか。 129 00:08:33,842 --> 00:08:36,942 その謎を 今こそ 私が解き明かしましょう。 130 00:08:38,947 --> 00:08:42,247 犯人は…。 誰だと考えるのだ? 131 00:08:43,635 --> 00:08:45,687 私です。 132 00:08:45,687 --> 00:08:49,791 はあ? だから 犯人は私です。 133 00:08:49,791 --> 00:08:52,578 不破愛花を殺したのは 不破愛花です。 134 00:08:52,578 --> 00:08:56,181 (葉風)えっ…。 強盗の犯行と見せかけるために→ 135 00:08:56,181 --> 00:08:59,484 まとまった金品を 絶園の力で塵にし→ 136 00:08:59,484 --> 00:09:02,804 その後 自分を殺害したという 手順でしょう。 137 00:09:02,804 --> 00:09:06,975 魔法の力で自分を殺せば 凶器も残りませんし→ 138 00:09:06,975 --> 00:09:10,245 自殺とは思えない死に方を することも可能です。 139 00:09:10,245 --> 00:09:14,383 そして! 絶園の魔法使いの私が 犯人であるため→ 140 00:09:14,383 --> 00:09:17,469 鎖部の魔法では 犯人が見つけられなかった矛盾も→ 141 00:09:17,469 --> 00:09:21,907 解決されます。 うん… いや かもしれんがな。 142 00:09:21,907 --> 00:09:25,877 ああっ! なんという驚くべき事件でしょう! 143 00:09:25,877 --> 00:09:28,947 私が被害者であり 探偵であり→ 144 00:09:28,947 --> 00:09:32,000 犯人であったのです! いやいや…→ 145 00:09:32,000 --> 00:09:35,000 なぜ お前が 自分を殺さねばならんのだ? 146 00:09:38,924 --> 00:09:41,024 自覚がないんですか? 147 00:09:42,377 --> 00:09:45,147 私が死ぬことによって あなたが→ 148 00:09:45,147 --> 00:09:48,517 はじまりの樹を倒す決断を 下すことになったんでしょう? 149 00:09:48,517 --> 00:09:51,053 はっ! (愛花)私の死によって→ 150 00:09:51,053 --> 00:09:54,256 あなたは 真広とつながり 吉野さんと出会い→ 151 00:09:54,256 --> 00:09:57,676 樹を倒す選択をした。 つまり→ 152 00:09:57,676 --> 00:10:00,729 あなたを 真広と吉野さんに 出会わせるために→ 153 00:10:00,729 --> 00:10:04,016 私は死ななければならないんです。 (葉風)そんな…。 154 00:10:04,016 --> 00:10:08,654 私は はじまりの樹を 倒すのが使命の絶園の魔法使い。 155 00:10:08,654 --> 00:10:12,224 倒す道を開くために 私の死が必要なら→ 156 00:10:12,224 --> 00:10:15,877 自ら死を選ぶことは 理屈に合っています。 157 00:10:15,877 --> 00:10:19,181 いや 何かが間違っている。 158 00:10:19,181 --> 00:10:22,617 私は お前が殺されたために 過去へ戻り→ 159 00:10:22,617 --> 00:10:25,921 未来のことを お前に教えることになった。→ 160 00:10:25,921 --> 00:10:29,658 だが そのせいで お前は 自らを殺すという。 161 00:10:29,658 --> 00:10:33,745 因果関係がおかしい。 原因と結果がねじれている。 162 00:10:33,745 --> 00:10:36,915 ありえん! 時間を越えてるんです。 163 00:10:36,915 --> 00:10:39,885 そんな因果もありますよ。 はっ…。 164 00:10:39,885 --> 00:10:42,037 (葉風・回想) ((時間を越えるのだ。→ 165 00:10:42,037 --> 00:10:45,207 そんな因果があっても よいではないか)) 166 00:10:45,207 --> 00:10:47,659 ≪なんだ? どうなっている?≫ 167 00:10:47,659 --> 00:10:49,811 ≪私は 混乱しているのか?≫ 168 00:10:49,811 --> 00:10:53,011 ≪これと まったく同じやり取りを したことがなかったか?≫ 169 00:10:54,383 --> 00:10:58,286 (葉風) わ… 私が お前の死の原因? 170 00:10:58,286 --> 00:11:02,307 違います。 すべては 私の意志で行うのです。→ 171 00:11:02,307 --> 00:11:05,043 責任は 私以外にありません。 172 00:11:05,043 --> 00:11:07,763 しかし…。 (愛花)吉野さんと真広には→ 173 00:11:07,763 --> 00:11:10,749 そう伝えておいてもらえば 結構です。→ 174 00:11:10,749 --> 00:11:14,753 ここが すべての始まりであり 終わりでもあったのです。→ 175 00:11:14,753 --> 00:11:17,189 よって あなたは 未来に帰り→ 176 00:11:17,189 --> 00:11:20,041 はじまりの樹を 倒せばいいだけです。 177 00:11:20,041 --> 00:11:23,345 死ぬまでに まだ時間はありそうですね。 178 00:11:23,345 --> 00:11:26,915 とりあえず 冷蔵庫に入ってる ミルフィーユを食べておきたいし…。 179 00:11:26,915 --> 00:11:29,217 (葉風)ダメだ! お前が死んで→ 180 00:11:29,217 --> 00:11:32,654 あの二人が どれほど悲しみ 苦しんでいると思う!? 181 00:11:32,654 --> 00:11:37,142 なのに お前が絶園の魔法使いで 自らを殺すだと!? 182 00:11:37,142 --> 00:11:39,694 それでは 真広は 誰にも復讐できん。 183 00:11:39,694 --> 00:11:41,730 吉野も 誰も憎めん。 184 00:11:41,730 --> 00:11:45,300 あやつらは いつまでたっても 新たな人生に進めなくなる! 185 00:11:45,300 --> 00:11:49,488 私は認めん。 こんな物語があってたまるものか。 186 00:11:49,488 --> 00:11:54,209 これは悲劇だ! お前が望んだ 「テンペスト」の結末ではない! 187 00:11:54,209 --> 00:11:56,745 ふむ そうですね。→ 188 00:11:56,745 --> 00:11:59,080 身を投げて死ぬという点では→ 189 00:11:59,080 --> 00:12:02,417 私の役割は 「ハムレット」における オフィーリアですか。→ 190 00:12:02,417 --> 00:12:04,953 確かに悲劇です。 けれど→ 191 00:12:04,953 --> 00:12:07,956 これは やっぱり 「テンペスト」の物語です。→ 192 00:12:07,956 --> 00:12:10,826 私たちは 所詮 キャリバンなんですよ。 193 00:12:10,826 --> 00:12:14,412 キャリバン? 魔法使いとなるプロスペローが→ 194 00:12:14,412 --> 00:12:18,750 流された島に元から住んでいた 醜い怪物です。→ 195 00:12:18,750 --> 00:12:20,769 キャリバンは プロスペローから→ 196 00:12:20,769 --> 00:12:23,822 言葉や知識を与えられ 喜びますが→ 197 00:12:23,822 --> 00:12:26,308 自分の島を プロスペローに奪われ→ 198 00:12:26,308 --> 00:12:29,411 奴隷同然に 扱われるようになります。→ 199 00:12:29,411 --> 00:12:32,013 キャリバンは 復讐を考えますが→ 200 00:12:32,013 --> 00:12:34,816 やがて プロスペローは 島から出てゆき→ 201 00:12:34,816 --> 00:12:37,816 最後には キャリバンも幸せになるんです。 202 00:12:39,171 --> 00:12:43,542 (愛花)私たちも同じです。 二つの樹を送り込んだ連中に→ 203 00:12:43,542 --> 00:12:47,262 少しばかり 特別な力と知識を 与えられはしても→ 204 00:12:47,262 --> 00:12:50,482 結局は その奴隷にすぎません。 205 00:12:50,482 --> 00:12:52,851 復讐しようとしても無駄です。 206 00:12:52,851 --> 00:12:54,920 連中の望むようにすれば→ 207 00:12:54,920 --> 00:12:57,455 とりあえず 幸せに終わるんですから。 208 00:12:57,455 --> 00:12:59,908 それを悲劇ではないと!? 209 00:12:59,908 --> 00:13:02,761 そんなことを 吉野と真広に言えというのか!? 210 00:13:02,761 --> 00:13:06,061 はい。 あの二人なら分かってくれます。 211 00:13:07,599 --> 00:13:10,652 真広は 理屈と辻褄が合っていれば→ 212 00:13:10,652 --> 00:13:12,854 泣き言を言わないでしょう。 213 00:13:12,854 --> 00:13:15,340 吉野さんも大丈夫ですよ。 214 00:13:15,340 --> 00:13:17,440 きっと理解してくれます。 215 00:13:19,060 --> 00:13:22,714 お前は… お前は 何も分かっていない! 216 00:13:22,714 --> 00:13:25,214 吉野は お前のために泣いたんだぞ! 217 00:13:27,719 --> 00:13:30,488 バキッ! うっ! 218 00:13:30,488 --> 00:13:34,292 (愛花)あなた 吉野さんを泣かしましたね!? 219 00:13:34,292 --> 00:13:36,561 人前で泣く人じゃないんですよ!? 220 00:13:36,561 --> 00:13:38,780 どうして そんなに追い詰めたんです!? 221 00:13:38,780 --> 00:13:41,633 もともとは お前が死んだからであろう! 222 00:13:41,633 --> 00:13:44,269 なぜ 吉野と真広を それだけ思っていて→ 223 00:13:44,269 --> 00:13:46,905 自殺などという選択を 迷わず行う!? 224 00:13:46,905 --> 00:13:49,424 分かっていないのは あなたの方です! 225 00:13:49,424 --> 00:13:53,424 あなたは それでも姫宮ですか!? 分かっていなくてかまわん! 226 00:13:58,216 --> 00:14:01,019 (葉風) たとえ 理に反しようと 愛花→ 227 00:14:01,019 --> 00:14:03,019 お前を屋敷には帰さん! 228 00:14:07,599 --> 00:14:09,968 (愛花) なるほど 防御フィールドを…。 229 00:14:09,968 --> 00:14:13,388 鍛え方が違うぞ 小娘。 (愛花)ところで→ 230 00:14:13,388 --> 00:14:16,675 鎖部一族に いくつも 制限のついた魔法しか→ 231 00:14:16,675 --> 00:14:19,995 与えられていない理由を ご存じですか?→ 232 00:14:19,995 --> 00:14:23,832 はじまりの樹を 平和的なものと印象づけるため。→ 233 00:14:23,832 --> 00:14:26,751 社会に悪影響を与えないため。→ 234 00:14:26,751 --> 00:14:31,423 公権力とつながっても 支配的な地位を持たせないため。→ 235 00:14:31,423 --> 00:14:34,709 そして 最大の理由は…。 236 00:14:34,709 --> 00:14:37,109 パキーン! はっ! 237 00:14:39,814 --> 00:14:43,914 絶園の魔法使いを 容易に束縛できなくするため。 238 00:14:46,204 --> 00:14:48,256 面白い。 239 00:14:48,256 --> 00:14:51,042 絶園の樹復活の兆しもない この地で→ 240 00:14:51,042 --> 00:14:53,078 どれだけやれるというのだ? 241 00:14:53,078 --> 00:14:55,714 あなたの方こそ 大丈夫なんですか? 242 00:15:00,235 --> 00:15:02,420 ≪後先など考えん≫ 243 00:15:02,420 --> 00:15:05,320 ≪今は 愛花を どうやっても止めてやる!≫ 244 00:15:06,741 --> 00:15:09,277 ドォーン! 245 00:15:09,277 --> 00:15:11,877 キン! ザシュ ザシュ! ザシュ ザシュ! 246 00:15:13,615 --> 00:15:16,918 ≪ああ 面倒ですね≫ 247 00:15:16,918 --> 00:15:20,121 ≪吉野さんと真広が 姫宮と変に仲よくなるから→ 248 00:15:20,121 --> 00:15:22,140 こんなことになるんです≫ 249 00:15:22,140 --> 00:15:24,309 くっ! ザシュ! 250 00:15:24,309 --> 00:15:28,947 (愛花)≪吉野さんも どうして こう 特殊な女性に好かれるのか≫ 251 00:15:28,947 --> 00:15:32,517 ≪まあ 私も人のこと言えませんけど≫ 252 00:15:32,517 --> 00:15:36,354 ≪真広だって そんな意地を張って 復讐とか言うくらいなら→ 253 00:15:36,354 --> 00:15:39,507 ふだんから 私に優しくすればいいのに≫ 254 00:15:39,507 --> 00:15:42,477 ≪でも 実際されたら 気味が悪そうだから→ 255 00:15:42,477 --> 00:15:44,579 やっぱり しなくていいですけど≫ 256 00:15:47,432 --> 00:15:49,451 ドォーン! ちっ! 257 00:15:49,451 --> 00:15:51,753 ≪私は 10歳にならないころから→ 258 00:15:51,753 --> 00:15:54,372 絶園の魔法使いの自覚を持ち→ 259 00:15:54,372 --> 00:15:57,358 その力を使えるようになっていた≫ 260 00:15:57,358 --> 00:15:59,778 ≪そのことは 力を使わずとも→ 261 00:15:59,778 --> 00:16:02,814 私の周りに壁を作っていた≫ 262 00:16:02,814 --> 00:16:06,134 ≪私は あまりに 世界を知りすぎていた≫ 263 00:16:06,134 --> 00:16:10,088 ≪だから みんなは 無意識に私を恐れていた≫ 264 00:16:10,088 --> 00:16:12,574 ≪私は 敬われることはあっても→ 265 00:16:12,574 --> 00:16:15,210 親しくされることはなかった≫ 266 00:16:15,210 --> 00:16:18,410 ≪別に そのことに 不満があったわけではないけれど≫ 267 00:16:19,931 --> 00:16:21,950 ザシュー! 268 00:16:21,950 --> 00:16:23,950 ≪でも…≫ 269 00:16:25,787 --> 00:16:28,323 ≪あの二人だけは あきれたことに→ 270 00:16:28,323 --> 00:16:31,960 最初から私を恐れなかった。 それどころか→ 271 00:16:31,960 --> 00:16:35,079 普通の女の子のように 接してきた≫ 272 00:16:35,079 --> 00:16:38,917 ≪鈍感なのか 頭のネジが緩いのか…≫ 273 00:16:38,917 --> 00:16:43,238 ≪いえ きっと 私が弱く見えたんでしょう≫ 274 00:16:43,238 --> 00:16:46,838 ≪自分が味方にならないとって 思えたんでしょうね≫ 275 00:16:48,159 --> 00:16:50,428 ≪困った人たちですよ≫ 276 00:16:56,050 --> 00:16:58,853 冷静に考えませんか? ガン! 277 00:16:58,853 --> 00:17:02,774 姫宮 私が死なないと どうなると思います? 278 00:17:02,774 --> 00:17:06,794 黙れ! 世界がどうなろうが 文明がどうなろうが知らん! 279 00:17:06,794 --> 00:17:09,848 私は そんな大層なものに 命を張れるほど→ 280 00:17:09,848 --> 00:17:12,250 できた人間ではない! 281 00:17:12,250 --> 00:17:15,537 (愛花)ああ それは 私も同じです。 282 00:17:15,537 --> 00:17:17,537 パキン! 283 00:17:19,641 --> 00:17:22,360 別に 人類や文明がどうなろうが→ 284 00:17:22,360 --> 00:17:24,579 私もかまわないんですよ。 285 00:17:24,579 --> 00:17:27,248 でも このままでは 吉野さんや真広も→ 286 00:17:27,248 --> 00:17:29,534 死んでしまうかも しれないんですよ? 287 00:17:29,534 --> 00:17:31,786 はっ! (愛花)本来なら→ 288 00:17:31,786 --> 00:17:35,440 絶園の魔法使いが 間接的に 樹の破壊を誘導する行為は→ 289 00:17:35,440 --> 00:17:37,475 想定されていません。→ 290 00:17:37,475 --> 00:17:40,078 やるべきでは ないのかもしれません。→ 291 00:17:40,078 --> 00:17:44,215 でも 吉野さんと真広の 未来のためなら→ 292 00:17:44,215 --> 00:17:46,651 私も命を賭けましょう。 293 00:17:46,651 --> 00:17:49,754 こんな私を いつも守ろうとしてくれた→ 294 00:17:49,754 --> 00:17:52,754 あの二人のためなら。 だが…。 295 00:17:54,225 --> 00:17:56,377 それでも…→ 296 00:17:56,377 --> 00:17:58,580 お前を 行かせるわけにはいかん!→ 297 00:17:58,580 --> 00:18:00,632 どうしても行くというのならば→ 298 00:18:00,632 --> 00:18:03,932 今この手で お前を殺してやる!! 299 00:18:05,587 --> 00:18:08,387 それでは 辻褄が合いませんよ。 300 00:18:13,811 --> 00:18:15,811 パキーン! 301 00:18:17,448 --> 00:18:20,285 ううっ…。 (愛花)まだ気付きませんか? 302 00:18:20,285 --> 00:18:23,985 鎖部の魔法では 絶園の力に勝てないと。 303 00:18:25,890 --> 00:18:28,090 ≪バカな! 素手で!?≫ 304 00:18:36,100 --> 00:18:38,100 なぜ… だ…。 305 00:18:41,306 --> 00:18:43,358 (愛花)鎖部の魔法は→ 306 00:18:43,358 --> 00:18:47,312 はじまりの樹に 供物を 捧げることで使えるようになり→ 307 00:18:47,312 --> 00:18:49,347 対して絶園の魔法は→ 308 00:18:49,347 --> 00:18:53,151 そのはじまりの樹の力が 原動力なんです。→ 309 00:18:53,151 --> 00:18:56,688 つまり あなたが 力を使えば使うほど→ 310 00:18:56,688 --> 00:19:00,792 私は 強い魔法を使えるわけです。 くっ…。 311 00:19:00,792 --> 00:19:03,378 少しばかり眠っていてください。 312 00:19:09,951 --> 00:19:13,855 やれやれ うまくいかないものです。→ 313 00:19:13,855 --> 00:19:17,025 「ホレイショー この天地のあいだには→ 314 00:19:17,025 --> 00:19:19,978 人間の学問などの 夢にも思いおよばぬことが→ 315 00:19:19,978 --> 00:19:22,013 いくらでも」…。 316 00:19:22,013 --> 00:19:24,582 ああ これは 「ハムレット」のセリフ。 317 00:19:24,582 --> 00:19:27,802 また吉野さんが気を悪くします。→ 318 00:19:27,802 --> 00:19:31,723 ここは やはり 「テンペスト」からでしょう。→ 319 00:19:31,723 --> 00:19:36,311 「近いうちに差し向かいで ご不審を解いて差し上げよう。→ 320 00:19:36,311 --> 00:19:38,863 そうすれば ここでの出来事は→ 321 00:19:38,863 --> 00:19:41,916 すべて なるほどと納得なさるはずだ。→ 322 00:19:41,916 --> 00:19:46,816 それまでは心楽しく 何ごとも良いほうに解釈なさい」。 323 00:19:49,090 --> 00:19:53,277 納得してくださいよ 吉野さん 真広。 324 00:20:15,883 --> 00:20:18,083 いや まだ間に合う! 325 00:20:19,954 --> 00:20:21,973 ≪頼む 愛花!≫ 326 00:20:21,973 --> 00:20:24,392 ≪私に最後の機会をくれ!≫ 327 00:20:34,252 --> 00:20:36,554 どうして…。→ 328 00:20:36,554 --> 00:20:39,607 どうして こんなことになるのだ…。 329 00:20:39,607 --> 00:20:43,694 私が… 私が信じてきた理とは→ 330 00:20:43,694 --> 00:20:45,694 なんだったのだ…。 331 00:20:49,817 --> 00:20:52,587 なんと呪われた因果か」。 332 00:21:01,079 --> 00:21:05,450 (愛花の声)「姫宮へ 私の遺体が発見された時→ 333 00:21:05,450 --> 00:21:08,436 こういうものは 見つからなかったようですから→ 334 00:21:08,436 --> 00:21:12,840 これは あなたが読み 手にしていることと思います。→ 335 00:21:12,840 --> 00:21:17,512 封筒の中には 吉野さんと真広への メッセージが入っています。→ 336 00:21:17,512 --> 00:21:20,381 はじまりの樹を倒して すべてが終わったあとに→ 337 00:21:20,381 --> 00:21:22,717 二人に見せてください。→ 338 00:21:22,717 --> 00:21:25,219 では お疲れさまです。→ 339 00:21:25,219 --> 00:21:28,272 あなたが屋敷に来たという跡を 残さないよう→ 340 00:21:28,272 --> 00:21:30,708 気をつけてお帰りください。→ 341 00:21:30,708 --> 00:21:32,760 不破愛花」。 342 00:22:07,328 --> 00:22:10,381 そうだ 分かっている。 343 00:22:10,381 --> 00:22:13,050 私は 帰らねばならん。→ 344 00:22:13,050 --> 00:22:15,119 伝えねば… ならん。→ 345 00:22:15,119 --> 00:22:17,455 倒さねばならん…。→ 346 00:22:17,455 --> 00:22:21,155 私は 逃げることはできん…。 347 00:22:22,577 --> 00:22:25,677 しかし 今は…。 348 00:23:29,720 --> 00:23:32,222 (羽村)君も君だ~!! 349 00:23:32,222 --> 00:23:36,222 (愛花) 本当に おかしな人たちですね。