1 00:02:59,139 --> 00:03:19,159 ♬~ 2 00:03:19,159 --> 00:03:39,112 ♬~ 3 00:03:39,112 --> 00:03:42,112 ♬~ 4 00:03:44,117 --> 00:03:48,121 (語り)<万治三年の夏> 5 00:03:48,121 --> 00:03:54,127 <世に知恵伊豆と呼ばれた 徳川幕府の知嚢 松平信綱が➡ 6 00:03:54,127 --> 00:03:56,127 危篤に陥った> 7 00:03:58,131 --> 00:04:03,136 <臨終の病床に 幕閣の首脳が招集され➡ 8 00:04:03,136 --> 00:04:09,142 その夜 極秘裏に 重大な決定がなされた> 9 00:04:09,142 --> 00:04:11,144 (信綱)うー… 10 00:04:11,144 --> 00:04:13,146 <会する者➡ 11 00:04:13,146 --> 00:04:18,151 大老 酒井雅楽頭➡ 12 00:04:18,151 --> 00:04:23,156 老中 阿部豊後守➡ 13 00:04:23,156 --> 00:04:26,159 同じく 稲葉美濃守> 14 00:04:26,159 --> 00:04:29,162 (苦しげな息遣い) 15 00:04:29,162 --> 00:04:32,165 やらねばならぬ 16 00:04:32,165 --> 00:04:39,106 なにほどの いけにえをしても… 17 00:04:39,106 --> 00:04:43,110 (阿部) あー 外様の大藩の取りつぶしを… 18 00:04:43,110 --> 00:04:45,110 (苦しげな息遣い) 19 00:04:49,116 --> 00:04:52,116 (稲葉) 福島 加藤 蒲生はすでに… 20 00:04:54,121 --> 00:04:56,123 伊達 21 00:04:56,123 --> 00:04:59,126 島津 22 00:04:59,126 --> 00:05:01,126 前田 23 00:05:03,130 --> 00:05:08,135 このうえ まだそれらを除けよと 申されるのか 24 00:05:08,135 --> 00:05:11,138 (苦しげな息遣い) 25 00:05:11,138 --> 00:05:15,142 (酒井) 外様大名の謀反の憂いを防ぎ➡ 26 00:05:15,142 --> 00:05:18,142 徳川家の基礎を固めるために 27 00:05:20,147 --> 00:05:22,149 必ず 28 00:05:22,149 --> 00:05:24,149 ううっ… 29 00:05:34,161 --> 00:05:37,097 まず➡ 30 00:05:37,097 --> 00:05:40,100 伊達 六十二万石 31 00:05:40,100 --> 00:05:42,102 ≪(番士)申し上げます 32 00:05:42,102 --> 00:05:44,104 (番士) ただいま上様 ご名代として➡ 33 00:05:44,104 --> 00:05:46,106 御側衆 久世大和守様➡ 34 00:05:46,106 --> 00:05:48,106 お見舞いに 参られましてございます 35 00:06:10,130 --> 00:06:14,134 (せみの鳴き声) <翌日 伊達兵部が➡ 36 00:06:14,134 --> 00:06:18,138 酒井雅楽頭に呼ばれた> 37 00:06:18,138 --> 00:06:22,142 <兵部は伊達政宗の実子で➡ 38 00:06:22,142 --> 00:06:26,146 当主 伊達綱宗の叔父に当たり➡ 39 00:06:26,146 --> 00:06:31,151 御分家様と呼ばれ 伊達家 第一の実力者である> 40 00:06:31,151 --> 00:06:34,154 (せみの鳴き声) 41 00:06:34,154 --> 00:06:38,091 (兵部)へ? では せがれめに➡ 42 00:06:38,091 --> 00:06:41,094 大老のご息女を下されると? 43 00:06:41,094 --> 00:06:44,097 実子ではない 養女だが 44 00:06:44,097 --> 00:06:46,099 (兵部)過分… 45 00:06:46,099 --> 00:06:49,102 身にあまる喜びにござりまする 46 00:06:49,102 --> 00:06:55,108 (酒井)いやいや しかし 今のままでは あまりに小禄➡ 47 00:06:55,108 --> 00:07:00,113 それに 分家とは申せ 陪臣は陪臣➡ 48 00:07:00,113 --> 00:07:05,113 仮にも わしの娘と 名のつく者をめとるには 49 00:07:07,120 --> 00:07:11,124 (兵部)ははあ (酒井)まあ まあ➡ 50 00:07:11,124 --> 00:07:17,130 御身は政宗公の実子 伊達の正統だ 51 00:07:17,130 --> 00:07:25,138 万一 当主の綱宗に 障りでもあれば 52 00:07:25,138 --> 00:07:32,145 あるいは また 六十二万石の主として➡ 53 00:07:32,145 --> 00:07:37,145 あるまじき ふるまいが あったとすれば… 54 00:07:42,088 --> 00:07:45,091 ≪(三味線の音) <それから間もなく➡ 55 00:07:45,091 --> 00:07:48,091 伊達綱宗の吉原通いが始まった> 56 00:07:50,096 --> 00:07:52,098 <綱宗は若かったし➡ 57 00:07:52,098 --> 00:07:55,101 側近の渡辺➡ 58 00:07:55,101 --> 00:07:57,103 畑➡ 59 00:07:57,103 --> 00:08:01,103 宮本たちは言葉巧みに 若い綱宗を誘い出した> 60 00:08:03,109 --> 00:08:06,109 <そして 七月十八日> 61 00:08:08,114 --> 00:08:11,117 <突然 伊達家の重臣たちが➡ 62 00:08:11,117 --> 00:08:15,121 大老 酒井雅楽頭の屋敷に 呼びつけられた> 63 00:08:15,121 --> 00:08:19,125 <まさに青天の霹靂であった> 64 00:08:19,125 --> 00:08:24,130 (酒井)伊達家の者ども そろうておるか? 65 00:08:24,130 --> 00:08:26,132 (立花)そろいおりまする➡ 66 00:08:26,132 --> 00:08:29,135 伊達陸奥守の一門➡ 67 00:08:29,135 --> 00:08:31,135 伊達兵部少輔 68 00:08:33,139 --> 00:08:37,077 次は? 69 00:08:37,077 --> 00:08:39,079 宿老 大条兵庫 70 00:08:39,079 --> 00:08:42,082 茂庭周防 71 00:08:42,082 --> 00:08:44,084 片倉小十郎 72 00:08:44,084 --> 00:08:46,084 原田甲斐 73 00:08:58,098 --> 00:09:01,101 (阿部)伊達陸奥守➡ 74 00:09:01,101 --> 00:09:08,108 かねがね不作法の儀 上聞に達し 不届きにおぼし召さる➡ 75 00:09:08,108 --> 00:09:12,112 よって まず逼塞まかりあるべく➡ 76 00:09:12,112 --> 00:09:18,118 跡式の儀は重ねて 仰せ出さるるであろう 77 00:09:18,118 --> 00:09:20,120 (甲斐)恐れながら 78 00:09:20,120 --> 00:09:22,122 何? 79 00:09:22,122 --> 00:09:27,127 「かねがね不作法の儀」とは 何をもって? 80 00:09:27,127 --> 00:09:31,131 (阿部)太守の身をもって 連夜に渡る 悪所通いじゃ 81 00:09:31,131 --> 00:09:34,134 それのみでござりまするか? 82 00:09:34,134 --> 00:09:36,136 (阿部) 「それのみか」とは なんたること➡ 83 00:09:36,136 --> 00:09:39,072 奥州五十四郡の太守としてじゃ 84 00:09:39,072 --> 00:09:41,074 お言葉ではござりますれど➡ 85 00:09:41,074 --> 00:09:48,074 大名にして悪所通いをいたす者は 我らが殿のみでございましょうか 86 00:09:50,083 --> 00:09:53,086 (酒井)伊達の家中より➡ 87 00:09:53,086 --> 00:09:58,086 綱宗の行状を 密訴いたした者がある 88 00:10:01,094 --> 00:10:04,097 主君の不身持ちをいさめもせず➡ 89 00:10:04,097 --> 00:10:09,102 自ら その不取締りを暴く者がある 90 00:10:09,102 --> 00:10:12,105 なんたる不始末 91 00:10:12,105 --> 00:10:15,108 伊達家に人はおらんのか 92 00:10:15,108 --> 00:10:17,108 重臣どもは何をしておったのだ 93 00:10:32,125 --> 00:10:35,128 (男性)へえ それで 伊達のお殿様が➡ 94 00:10:35,128 --> 00:10:38,064 ご本邸から御下屋敷へ 移られるのか 95 00:10:38,064 --> 00:10:42,068 (男性)六十二万石ともなれば 吉原遊びもできねえんだな 96 00:10:42,068 --> 00:10:47,068 ≪(雨音) 97 00:10:59,085 --> 00:11:01,087 (渡辺)ああ ご苦労➡ 98 00:11:01,087 --> 00:11:04,090 今頃から印鑑を 集めに回るのは大変だな 99 00:11:04,090 --> 00:11:08,090 (渡辺)何も明朝から御門札を 替えなくてもよさそうなもんだが 100 00:11:12,098 --> 00:11:14,100 (渡辺)うう! 何をする➡ 101 00:11:14,100 --> 00:11:16,102 ああ! 102 00:11:16,102 --> 00:11:18,104 あ! (刺客)騒ぐな➡ 103 00:11:18,104 --> 00:11:20,104 上意討ちだ 104 00:11:23,109 --> 00:11:26,112 (みや)旦那様 (刺客)これは何者だ? 105 00:11:26,112 --> 00:11:29,112 側女の みやという者です 106 00:11:36,122 --> 00:11:41,122 (泣き声) 107 00:11:49,068 --> 00:11:52,071 (妻)どうなされたので ございます? この深夜に 108 00:11:52,071 --> 00:11:56,075 (畑)子供たちは寝たか? (妻)はい 寝ております 109 00:11:56,075 --> 00:11:58,077 すぐに起こせ (妻)え? 110 00:11:58,077 --> 00:12:01,080 二人とも起こして お前 宮本へ連れていけ 111 00:12:01,080 --> 00:12:04,083 (妻)こんな時刻にですか? (畑)訳はあとで話す 112 00:12:04,083 --> 00:12:06,083 急いで行け 113 00:12:18,097 --> 00:12:20,099 (妻)さあ 虎之助 114 00:12:20,099 --> 00:12:23,099 ≪(叫び声) (虎之助)あれ 何? お母様 115 00:12:25,104 --> 00:12:27,106 (宇乃)参りましょう お母様 116 00:12:27,106 --> 00:12:29,106 (妻)ええ 117 00:12:31,110 --> 00:12:34,113 ≪(激しい物音) 118 00:12:34,113 --> 00:12:38,117 あなた 行っておくれか この子を連れて 119 00:12:38,117 --> 00:12:40,119 (宇乃)ええ 大丈夫よ お母様 120 00:12:40,119 --> 00:12:42,121 では そうしておくれ➡ 121 00:12:42,121 --> 00:12:45,124 さあ➡ 122 00:12:45,124 --> 00:12:47,124 行っておくれ 123 00:12:57,136 --> 00:12:59,138 (新八)誰だ 124 00:12:59,138 --> 00:13:02,141 あっ 宮本の新八様 125 00:13:02,141 --> 00:13:05,144 宇乃さんか あなたの家へ行くところだ 126 00:13:05,144 --> 00:13:08,147 (宇乃)私も (新八)え? あなたも? 127 00:13:08,147 --> 00:13:12,151 大変なことが起こるらしい 家へも さっき… 128 00:13:12,151 --> 00:13:15,154 やっぱり 129 00:13:15,154 --> 00:13:17,154 (馬の鼻息) 130 00:13:22,161 --> 00:13:25,164 (村山)こんなところで 何をしておる 131 00:13:25,164 --> 00:13:27,166 私は… 132 00:13:27,166 --> 00:13:30,169 私たちは… 133 00:13:30,169 --> 00:13:33,172 (村山)そちらは 畑殿のごきょうだいだな 134 00:13:33,172 --> 00:13:37,172 (新八)そうです そして 私は宮本の弟 新八です 135 00:13:43,116 --> 00:13:45,118 (駆けてくる足音) 136 00:13:45,118 --> 00:13:48,121 (矢崎)二人とも斬られました (村山)え? ど… どちらもか 137 00:13:48,121 --> 00:13:51,124 (矢崎)はい いつも殿の 吉原通いの供をしていた➡ 138 00:13:51,124 --> 00:13:54,127 四人の者が襲われたのです 畑も宮本も…➡ 139 00:13:54,127 --> 00:13:56,129 畑では妻女も斬られたそうです 140 00:13:56,129 --> 00:13:59,132 (村山)何? 女まで斬ったと? 141 00:13:59,132 --> 00:14:01,134 斬ったのは誰だ (矢崎)分かりません 142 00:14:01,134 --> 00:14:03,136 名も名乗らなかったと言います (村山)意趣も言わずにか 143 00:14:03,136 --> 00:14:06,139 (矢崎)いや 上意討ちだと 言ったそうです 144 00:14:06,139 --> 00:14:08,141 上意討ちだって? 145 00:14:08,141 --> 00:14:10,141 ≪ そんなはずはあるまい 146 00:14:14,147 --> 00:14:18,151 殿は昨日 ご逼塞になったばかり 147 00:14:18,151 --> 00:14:21,154 お上と言えるのは ご幼君だけだ 148 00:14:21,154 --> 00:14:24,157 まだ お二つの亀千代様が➡ 149 00:14:24,157 --> 00:14:27,160 そんなことを お命じになるわけはない 150 00:14:27,160 --> 00:14:29,162 では これは? 151 00:14:29,162 --> 00:14:31,164 ここか? (村山)はっ 152 00:14:31,164 --> 00:14:33,164 会おう 153 00:14:51,117 --> 00:14:54,120 (宇乃)虎之助 154 00:14:54,120 --> 00:14:56,120 これっ 155 00:15:04,130 --> 00:15:23,149 ♬~ 156 00:15:23,149 --> 00:15:25,149 ♬~ 157 00:15:33,159 --> 00:15:38,097 (奥山)畑 宮本 渡辺 坂本の四人を 殺害した者は➡ 158 00:15:38,097 --> 00:15:40,099 お前たちだけではないはずだ➡ 159 00:15:40,099 --> 00:15:43,102 一味は十一~十二名と 調べがついておる 160 00:15:43,102 --> 00:15:46,105 その者どもの姓名を申せ 161 00:15:46,105 --> 00:15:48,107 (刺客)我々 三名でやったのです 162 00:15:48,107 --> 00:15:50,109 (奥山)ほう… 163 00:15:50,109 --> 00:15:52,111 その糾明はあとで しよう 164 00:15:52,111 --> 00:15:54,113 では四人の者を殺害したのは なんのためだ? 165 00:15:54,113 --> 00:15:56,115 (刺客)申すまでもないこと➡ 166 00:15:56,115 --> 00:15:58,117 彼らは殿に遊興を お勧め申し➡ 167 00:15:58,117 --> 00:16:02,121 ついに お家の一大事を招いた やからだから 168 00:16:02,121 --> 00:16:04,123 それで天誅を加えたというのか 169 00:16:04,123 --> 00:16:06,125 (刺客)もちろんです (奥山)では なぜ➡ 170 00:16:06,125 --> 00:16:09,128 上意に名を借りたのだ? 171 00:16:09,128 --> 00:16:11,130 なぜ上意討ちと申したのだ 172 00:16:11,130 --> 00:16:13,132 上意とは誰の上意だ! 173 00:16:13,132 --> 00:16:15,134 そ… それは… 174 00:16:15,134 --> 00:16:19,138 無用の死傷者を 出さないための方便でした 175 00:16:19,138 --> 00:16:21,140 何? (兵部)いや➡ 176 00:16:21,140 --> 00:16:23,142 よい思案だ 177 00:16:23,142 --> 00:16:25,144 ああ よい思案だ 178 00:16:25,144 --> 00:16:27,144 (奥山)ああ… これは 御分家様 179 00:16:31,150 --> 00:16:33,150 (兵部) 分家として わしも立ち会おう 180 00:16:36,155 --> 00:16:39,092 上意を僭上することは よくないが➡ 181 00:16:39,092 --> 00:16:42,095 斬奸という大事を決行するのに➡ 182 00:16:42,095 --> 00:16:44,097 それだけの思案をしたのは あっぱれだ 183 00:16:44,097 --> 00:16:47,100 よくぞ やった 184 00:16:47,100 --> 00:16:49,102 お言葉ではございますが (兵部)いや➡ 185 00:16:49,102 --> 00:16:51,102 よくぞ やった ほめておくぞ 186 00:16:53,106 --> 00:16:57,110 (兵部)それよりも 斬られた 奸臣どもの遺族の処置だが➡ 187 00:16:57,110 --> 00:16:59,112 評定職のご意見は? 188 00:16:59,112 --> 00:17:02,115 渡辺には みやと申す側女が一人きり 189 00:17:02,115 --> 00:17:05,118 宮本には新八なる弟があります 190 00:17:05,118 --> 00:17:10,123 これは国元へ送って押込に するのがよかろうと存じます 191 00:17:10,123 --> 00:17:14,127 それから畑には宇乃と申し 十六歳になる娘と➡ 192 00:17:14,127 --> 00:17:16,129 虎之助なる六歳の弟が 193 00:17:16,129 --> 00:17:19,132 その子は 出家をさせることにして➡ 194 00:17:19,132 --> 00:17:23,136 取りあえず 姉をつけて 良源院へ遣わしました 195 00:17:23,136 --> 00:17:25,138 なるほど 196 00:17:25,138 --> 00:17:28,141 姉をつけてか 197 00:17:28,141 --> 00:17:31,144 一時に父母を失い あわれでもあり➡ 198 00:17:31,144 --> 00:17:34,147 まだ六歳では 寺方も迷惑でございましょう 199 00:17:34,147 --> 00:17:37,083 八歳になるまでと存じまして 200 00:17:37,083 --> 00:17:42,088 (兵部)しかし それは 奸臣の遺族に対する処置として➡ 201 00:17:42,088 --> 00:17:44,090 ゆるくはあるまいか 202 00:17:44,090 --> 00:17:47,093 さようでございましょうか 203 00:17:47,093 --> 00:17:51,097 私は また… 厳しすぎるかと 思いますが 204 00:17:51,097 --> 00:17:55,101 しかし奸臣を 親として持ったるうえは 205 00:17:55,101 --> 00:17:58,104 もし必要なら➡ 206 00:17:58,104 --> 00:18:03,109 その人殺しどもが親と一緒に 仕留めたでございましょう 207 00:18:03,109 --> 00:18:05,111 そうしなかったのは➡ 208 00:18:05,111 --> 00:18:10,111 家族まで斬る必要がないと 認めたからではございますまいか 209 00:18:19,125 --> 00:18:21,127 分かった 210 00:18:21,127 --> 00:18:24,130 その旨は覚えておこう 211 00:18:24,130 --> 00:18:27,133 ≪(木魚の音) 212 00:18:27,133 --> 00:18:29,135 (丹三郎)ここには 藩の宿坊があるので➡ 213 00:18:29,135 --> 00:18:31,135 殿様や重役方も よくお泊まりになるのです 214 00:18:43,082 --> 00:18:46,085 (丹三郎)あれが お国の船岡から ご自分でお移しになった➡ 215 00:18:46,085 --> 00:18:48,087 樅の木です (宇乃)ご自分で? 216 00:18:48,087 --> 00:18:50,089 (丹三郎) あの木がお好きなのです➡ 217 00:18:50,089 --> 00:18:52,091 北国の木ですから➡ 218 00:18:52,091 --> 00:18:54,093 なかなか この土地では 根づきにくいのですが➡ 219 00:18:54,093 --> 00:18:56,095 さっ 参りましょう➡ 220 00:18:56,095 --> 00:18:58,095 あれが原田様のお部屋です 221 00:19:04,103 --> 00:19:10,109 この子を出家をさせれば 俗世との因縁も切れるし➡ 222 00:19:10,109 --> 00:19:14,113 非業に亡くなられた 二親の供養もできる 223 00:19:14,113 --> 00:19:16,115 はい 224 00:19:16,115 --> 00:19:22,121 お前は虎之助が八つになるまで ここにいて世話をしてやるがよい 225 00:19:22,121 --> 00:19:27,126 それから あとは私の国の 船岡へ引き取るつもりだ 226 00:19:27,126 --> 00:19:29,128 (宇乃)はい 227 00:19:29,128 --> 00:19:33,132 今は二人が無事に 生きることを考えればよい 228 00:19:33,132 --> 00:19:35,134 分かるな 229 00:19:35,134 --> 00:19:38,070 (宇乃)はい おじさま 230 00:19:38,070 --> 00:19:41,073 うむ よしよし おじさまでいい 231 00:19:41,073 --> 00:19:44,073 私は今から二人の おじさまになってやろう 232 00:19:52,084 --> 00:19:54,086 この木を ご覧 233 00:19:54,086 --> 00:19:58,090 (宇乃)樅の木でございますか? 知っているのか 234 00:19:58,090 --> 00:20:00,092 (宇乃)塩沢様に伺いました 235 00:20:00,092 --> 00:20:02,094 そうか 236 00:20:02,094 --> 00:20:04,096 わしは この木が大好きだ 237 00:20:04,096 --> 00:20:09,101 静かで しんとして なんにも ものを言わない 238 00:20:09,101 --> 00:20:11,103 (宇乃)木がものを言いますの? 239 00:20:11,103 --> 00:20:13,105 言うとも 240 00:20:13,105 --> 00:20:18,110 木でも石でも古くなれば みんな ものを言う 241 00:20:18,110 --> 00:20:20,110 (宇乃)はい 242 00:20:22,114 --> 00:20:26,118 この木はね 親やきょうだいから離されて➡ 243 00:20:26,118 --> 00:20:29,118 ひとりだけ ここへ移されてきたんだよ 244 00:20:31,123 --> 00:20:37,063 ひとりだけ 見も知らぬ土地へ移されてきて➡ 245 00:20:37,063 --> 00:20:41,067 周りには誰も 助けてくれるものもない 246 00:20:41,067 --> 00:20:44,070 それでも しゃんとして➡ 247 00:20:44,070 --> 00:20:52,070 雨や風や雪や霜にも くじけず ひとりで しっかりと生きている 248 00:20:54,080 --> 00:20:57,080 宇乃には それが分かるね (宇乃)はい 249 00:21:00,086 --> 00:21:03,089 この木を大事にしておくれ 250 00:21:03,089 --> 00:21:05,089 はい おじさま 251 00:21:07,093 --> 00:21:10,096 坊も大事にするよ 252 00:21:10,096 --> 00:21:12,098 うん 253 00:21:12,098 --> 00:21:14,098 偉いな 254 00:21:25,111 --> 00:21:27,113 (酒井)それで➡ 255 00:21:27,113 --> 00:21:30,116 いよいよ伊達家の跡継ぎだが 256 00:21:30,116 --> 00:21:35,121 世子の亀千代は まだ二歳の 幼児でございますれば➡ 257 00:21:35,121 --> 00:21:41,060 重役ども入れ札をいたしまして 決めることに取り計らいました 258 00:21:41,060 --> 00:21:43,062 任しておこう 259 00:21:43,062 --> 00:21:45,064 不首尾の節は➡ 260 00:21:45,064 --> 00:21:48,067 第二段の策もある 261 00:21:48,067 --> 00:21:53,072 いずれにせよ 伊達家に内紛が起これば➡ 262 00:21:53,072 --> 00:21:57,076 裁くのは この俺だ (兵部)御意 263 00:21:57,076 --> 00:22:00,079 内紛を裁くとなれば➡ 264 00:22:00,079 --> 00:22:05,084 伊達 六十二万石を分割する (兵部)え? 265 00:22:05,084 --> 00:22:09,084 貴公に三十万石をやろう 266 00:22:11,090 --> 00:22:13,092 まこと… 267 00:22:13,092 --> 00:22:15,094 婿殿の父御じゃ 268 00:22:15,094 --> 00:22:18,097 大切に思うているぞ 269 00:22:18,097 --> 00:22:20,097 (兵部)はっ 270 00:22:22,101 --> 00:22:24,101 (兵部)ははあ 271 00:22:29,108 --> 00:22:33,112 (綱宗)おお よく来た よく来た ≪(ひぐらしの鳴き声) 272 00:22:33,112 --> 00:22:35,114 (綱宗)待っていたぞ 甲斐➡ 273 00:22:35,114 --> 00:22:37,114 さあ もっと寄れ 274 00:22:39,118 --> 00:22:42,118 甲斐は酒が強い まず杯をやれ 275 00:22:48,127 --> 00:22:52,131 重ねるがいい 俺も飲む 276 00:22:52,131 --> 00:22:54,131 よく来てくれた 277 00:22:56,135 --> 00:22:58,137 飲みながら話そう 278 00:22:58,137 --> 00:23:00,137 お相手いたします 279 00:23:07,146 --> 00:23:13,146 俺が… 心を打ち明けて 話せるのは お前だけだ 280 00:23:15,154 --> 00:23:17,154 逼塞という 罪人扱いになって以来… 281 00:23:19,158 --> 00:23:23,162 呼ぶこともできず 手紙もやれない 282 00:23:23,162 --> 00:23:25,162 俺は… 283 00:23:27,166 --> 00:23:29,166 俺は どんなにか お前に… 284 00:23:31,170 --> 00:23:35,174 俺は幕府から けん責された 285 00:23:35,174 --> 00:23:37,109 ただの五日➡ 286 00:23:37,109 --> 00:23:39,111 吉原で酒を飲んで帰ってきたと いうだけで➡ 287 00:23:39,111 --> 00:23:41,111 逼塞になったのだ 288 00:23:43,115 --> 00:23:45,117 しかも➡ 289 00:23:45,117 --> 00:23:48,120 俺の意思で行きたいと 言ったのではない 290 00:23:48,120 --> 00:23:51,123 俺を誘い出させたやつがおるのだ 291 00:23:51,123 --> 00:23:53,125 お部屋様 292 00:23:53,125 --> 00:23:56,128 (はつ)どうせ同じことです 293 00:23:56,128 --> 00:23:58,130 もちろんだ 294 00:23:58,130 --> 00:24:01,133 聞くなら聞け 295 00:24:01,133 --> 00:24:05,137 どうせ ここも 兵部の犬どもばかりだ 殿 296 00:24:05,137 --> 00:24:07,139 (綱宗)いいや 俺は言うぞ (杯を放る音) 297 00:24:07,139 --> 00:24:10,142 (綱宗) すべて兵部の策略だったのだ➡ 298 00:24:10,142 --> 00:24:15,147 それが分かっているのに 誰一人 きゃつを押さえる者がない 299 00:24:15,147 --> 00:24:18,150 お口返しをいたすようですが 300 00:24:18,150 --> 00:24:21,153 (綱宗)お前もだ 甲斐! お前も そのひとりだぞ➡ 301 00:24:21,153 --> 00:24:23,155 原田甲斐 302 00:24:23,155 --> 00:24:26,158 殿 酒のうえとは申せ➡ 303 00:24:26,158 --> 00:24:30,162 そのような お言葉から お家に騒動が起こったら➡ 304 00:24:30,162 --> 00:24:33,165 どうあそばします (綱宗)言うな! 305 00:24:33,165 --> 00:24:36,168 かかる無道なことを 黙っているほど➡ 306 00:24:36,168 --> 00:24:38,168 綱宗が木偶だと思うか 307 00:24:49,114 --> 00:24:52,117 ご機嫌を損じましたようで 308 00:24:52,117 --> 00:24:56,121 (杯を置く音) では これにて 309 00:24:56,121 --> 00:24:58,123 帰るな! 帰さぬぞ 310 00:24:58,123 --> 00:25:00,123 俺は こいつに… 311 00:25:03,128 --> 00:25:05,130 こいつも兵部の一味だ 312 00:25:05,130 --> 00:25:07,132 成敗してやる 313 00:25:07,132 --> 00:25:10,135 刀を持て (はつ)原田様➡ 314 00:25:10,135 --> 00:25:12,135 原田様 どうぞ お早く 315 00:25:14,139 --> 00:25:17,142 (藤井)殿様 316 00:25:17,142 --> 00:25:19,144 殿! (綱宗)ええい どけ! 317 00:25:19,144 --> 00:25:22,147 甲斐 動くな! (藤井)お静まりを➡ 318 00:25:22,147 --> 00:25:24,147 原田様 お逃げください! 319 00:25:26,151 --> 00:25:37,096 (泣く息遣い) 320 00:25:37,096 --> 00:25:40,099 お静まりください 手向かいするか 321 00:25:40,099 --> 00:25:42,101 殿! 322 00:25:42,101 --> 00:26:02,121 ♬~ 323 00:26:02,121 --> 00:26:14,133 ♬~ 324 00:26:14,133 --> 00:26:18,133 俺は まだ二十一だ 325 00:26:20,139 --> 00:26:22,141 俺は まだ二十一だぞ 326 00:26:22,141 --> 00:26:26,145 甲斐 分かるか 327 00:26:26,145 --> 00:26:29,148 お前に分かるか 328 00:26:29,148 --> 00:26:32,151 世に出たのは わずか二年足らず 329 00:26:32,151 --> 00:26:37,151 この歳で これから先 ずっと 日陰の身で暮らさねばならない 330 00:26:39,091 --> 00:26:42,094 この気持ちがお前に分かるか 331 00:26:42,094 --> 00:26:52,104 ♬~ 332 00:26:52,104 --> 00:26:55,104 許せ… 悪かった 333 00:27:04,116 --> 00:27:09,121 また来てくれるか? 334 00:27:09,121 --> 00:27:11,121 間もなく国へ帰ります 335 00:27:13,125 --> 00:27:16,128 (綱宗)また来てくれるな? 336 00:27:16,128 --> 00:27:21,133 御番であがりましたら伺います 337 00:27:21,133 --> 00:27:23,133 (綱宗)待っているぞ 338 00:27:27,139 --> 00:27:29,141 はつ 手を貸せ 339 00:27:29,141 --> 00:27:49,094 ♬~ 340 00:27:49,094 --> 00:28:09,114 ♬~ 341 00:28:09,114 --> 00:28:29,114 ♬~ 342 00:28:40,078 --> 00:28:43,081 (役人)宮本が逃げたぞ! (役人)脱走だー! 343 00:28:43,081 --> 00:28:45,083 (役人)逃げたぞー! 344 00:28:45,083 --> 00:28:47,085 おう 向こう 捜せ 345 00:28:47,085 --> 00:28:49,085 逃がすな! 346 00:29:01,099 --> 00:29:03,099 (みや)もし あなた 347 00:29:05,103 --> 00:29:08,106 (みや)待って 私よ 348 00:29:08,106 --> 00:29:11,109 渡辺のところにいた みやですよ➡ 349 00:29:11,109 --> 00:29:13,111 どうしたんです いったい 350 00:29:13,111 --> 00:29:17,115 逃げてきたんです 捕まったら 命はありません 351 00:29:17,115 --> 00:29:29,115 ≪ 孫太郎虫~ 赤蛙~ 352 00:29:32,130 --> 00:29:38,130 ≪ 孫太郎虫~ 353 00:29:44,076 --> 00:29:47,079 (みや)あら また出かけてるわ 354 00:29:47,079 --> 00:29:51,079 ≪(男性の掛け声) 355 00:29:53,085 --> 00:29:56,088 (新八)兄上は お武家ですか (みや)そうなの 356 00:29:56,088 --> 00:29:58,090 剣術は強いんだけど浪人なの 357 00:29:58,090 --> 00:30:01,093 だから私が奉公に出ているのよ 358 00:30:01,093 --> 00:30:04,096 いいわ 留守のほうが うるさくなくて 359 00:30:04,096 --> 00:30:06,098 いいんですか 本当に (みや)いいのよ 360 00:30:06,098 --> 00:30:10,102 今だって私が稼いで 食べさせているんだもの 361 00:30:10,102 --> 00:30:14,106 おなか すいてるでしょ すぐ支度するわね 362 00:30:14,106 --> 00:30:18,110 でも その前に垢を落とさなくちゃ 363 00:30:18,110 --> 00:30:22,110 まあ なんて ひどい汚れようなの 364 00:30:29,121 --> 00:30:31,121 ≪(水の音) 365 00:30:41,066 --> 00:30:43,068 私が流してあげる 366 00:30:43,068 --> 00:30:45,070 いいんです (みや)流してあげるわよ 367 00:30:45,070 --> 00:30:47,072 よしてください 368 00:30:47,072 --> 00:30:49,072 大丈夫ですから 369 00:30:58,083 --> 00:31:00,085 そんなに逃げちゃだめじゃないの 370 00:31:00,085 --> 00:31:04,089 だって くすぐったいんです 371 00:31:04,089 --> 00:31:08,089 そんな子供みたいなこと 言わないの しゃんとしてなさい 372 00:31:29,114 --> 00:31:31,116 さあ 今度はおてて 373 00:31:31,116 --> 00:31:34,119 もう自分でやります 374 00:31:34,119 --> 00:31:36,121 のばすのよ 375 00:31:36,121 --> 00:31:39,057 そんなに世話ばかり焼かせると ぶってあげるから 376 00:31:39,057 --> 00:31:41,059 (新八)あっ 377 00:31:41,059 --> 00:31:44,062 (みや)あ… ハハハ 378 00:31:44,062 --> 00:31:49,067 (みやの笑い声) 379 00:31:49,067 --> 00:31:51,069 ≪(みやの笑い声) 380 00:31:51,069 --> 00:31:53,069 (柿崎)みや 何をしとる ≪(みやの笑い声) 381 00:31:55,073 --> 00:31:58,073 (新八)早く着物を (みや)兄が帰ってきたの 待って 382 00:32:22,100 --> 00:32:27,105 仙台に護送されて どうなるはずだったのだ? 383 00:32:27,105 --> 00:32:32,110 永のお預けということでしたが 恐らく それでは済まぬと思います 384 00:32:32,110 --> 00:32:35,113 これの主人も斬られた 385 00:32:35,113 --> 00:32:39,117 そこもとの兄と ほかに二人も斬られたそうだが 386 00:32:39,117 --> 00:32:41,119 (新八)兄たちは 御分家に言い含められて➡ 387 00:32:41,119 --> 00:32:44,119 殿に吉原通いを勧め 世間の うわさになるようにしたのです 388 00:32:46,124 --> 00:32:49,127 (新八)殿様が ご逼塞になった日➡ 389 00:32:49,127 --> 00:32:52,127 兄は「謀られた」とも 話しておりました 390 00:32:55,133 --> 00:32:57,133 ありそうなことだ 391 00:33:03,141 --> 00:33:07,145 宮本 おぬしは俺が預かる 392 00:33:07,145 --> 00:33:09,147 任せろ 393 00:33:09,147 --> 00:33:12,147 …と こういう筋書きですが 394 00:33:14,152 --> 00:33:16,154 では そのさる人というのは➡ 395 00:33:16,154 --> 00:33:19,157 なんのために そんなことをしたと申すのだ 396 00:33:19,157 --> 00:33:22,160 (柿崎)伊達 六十二万石の 主に直ろうと 397 00:33:22,160 --> 00:33:24,160 (兵部)ん? 398 00:33:27,165 --> 00:33:30,168 私は お役に立つつもりです 399 00:33:30,168 --> 00:33:33,171 (兵部)んー… 400 00:33:33,171 --> 00:33:36,174 望みを言ってみろ 401 00:33:36,174 --> 00:33:39,111 暗殺された四名の遺族の者は➡ 402 00:33:39,111 --> 00:33:44,116 侯を恨み 侯の御首級を狙っています 403 00:33:44,116 --> 00:33:46,118 (兵部)望みを言え 404 00:33:46,118 --> 00:33:51,123 私は そのひとり 宮本の弟 新八を押さえております 405 00:33:51,123 --> 00:33:53,123 (兵部)どこにおる 406 00:33:58,130 --> 00:34:01,133 (兵部)よし 分かった➡ 407 00:34:01,133 --> 00:34:03,133 お前を使ってやろう 408 00:34:05,137 --> 00:34:08,140 さしあたり手当として五百金➡ 409 00:34:08,140 --> 00:34:11,143 そのあと月々 三百金 410 00:34:11,143 --> 00:34:14,146 臨時の入費は別に頂戴いたします 411 00:34:14,146 --> 00:34:17,146 (兵部)よし 遣わそう 412 00:34:22,154 --> 00:34:26,154 まあ 下がって ゆっくり酒でも飲んでいけ 413 00:34:28,160 --> 00:34:30,162 ご無用に願います 414 00:34:30,162 --> 00:34:32,164 手当を頂いたら すぐ おいとまします 415 00:34:32,164 --> 00:34:36,164 夜になると帰り道が物騒ですから 416 00:34:54,119 --> 00:34:56,119 (新八)フゥ… (みや)新さん 417 00:35:02,127 --> 00:35:05,127 兄さん 今夜も 帰らないに決まってる 418 00:35:08,133 --> 00:35:12,137 お前の甘口に乗せられて➡ 419 00:35:12,137 --> 00:35:16,141 俺は とんでもない泥沼に 落ち込んでしまったんだ 420 00:35:16,141 --> 00:35:18,143 お前に絡みつかれて➡ 421 00:35:18,143 --> 00:35:20,145 俺は はい上がることも できないんだ 422 00:35:20,145 --> 00:35:22,147 何を言うの 423 00:35:22,147 --> 00:35:26,147 そのくせ 俺は ここから出ていく勇気もないんだ 424 00:35:31,156 --> 00:35:34,159 何もかも分かっていながら 425 00:35:34,159 --> 00:35:38,096 何が分かってるのさ 426 00:35:38,096 --> 00:35:41,099 お前は外で働いてるというのに➡ 427 00:35:41,099 --> 00:35:44,102 俺が来てから 一日も外出したことがない 428 00:35:44,102 --> 00:35:48,106 柿崎さんは 朝から酒浸りのうえに➡ 429 00:35:48,106 --> 00:35:50,108 女のところに居続けだ 430 00:35:50,108 --> 00:35:53,111 いったい その金は どこから降ってくるんだ 431 00:35:53,111 --> 00:35:55,111 どこから湧いて出るんだ 432 00:36:02,120 --> 00:36:05,123 俺を伊達家へ 売り渡した金じゃないか 433 00:36:05,123 --> 00:36:07,125 俺は罠にかかった獲物だ 434 00:36:07,125 --> 00:36:12,130 今に いいように料理されるだけだ 435 00:36:12,130 --> 00:36:14,130 (男性)御免 436 00:36:21,139 --> 00:36:23,141 どなた様でしょうか 437 00:36:23,141 --> 00:36:27,145 伊達家中の 塩沢丹三郎という者です 438 00:36:27,145 --> 00:36:30,148 宮本さんを迎えに来ました 439 00:36:30,148 --> 00:36:32,148 (みや)新さん 440 00:36:49,100 --> 00:36:51,100 みや 441 00:36:57,108 --> 00:36:59,110 (柿崎)新八はどうした 442 00:36:59,110 --> 00:37:02,113 逃げられたんです (柿崎)何? 443 00:37:02,113 --> 00:37:06,113 ちょっと用足しに出た隙に 444 00:37:08,119 --> 00:37:10,119 ばか! (たたく音) 445 00:37:13,124 --> 00:37:17,124 (みやの悲鳴) 446 00:37:19,130 --> 00:37:21,132 堪忍して (柿崎)あれほど➡ 447 00:37:21,132 --> 00:37:23,134 申しつけておいたのに なぜ逃がした 448 00:37:23,134 --> 00:37:26,137 若造ひとり 引き止めておけんのか 449 00:37:26,137 --> 00:37:29,140 あの人は兄さんの道具になるのが 嫌だから逃げたんです 450 00:37:29,140 --> 00:37:31,142 私のせいじゃありません 451 00:37:31,142 --> 00:37:33,144 (柿崎)貴様! (みやの悲鳴) 452 00:37:33,144 --> 00:37:35,146 せっかく兄が世に出る糸口を貴様 453 00:37:35,146 --> 00:37:38,083 (みや)堪忍して 許して 許してください 454 00:37:38,083 --> 00:37:40,083 (みやの荒い息遣い) 455 00:37:42,087 --> 00:37:44,087 俺は逃がさんぞ 456 00:37:46,091 --> 00:37:48,093 どこまでも伊達の内紛に 食い下がって➡ 457 00:37:48,093 --> 00:37:50,093 ものにしてやる 458 00:38:02,107 --> 00:38:05,110 (酒井)伊達家 家督の儀➡ 459 00:38:05,110 --> 00:38:11,116 亀千代殿の相続と落着した由 まずは めでたい➡ 460 00:38:11,116 --> 00:38:16,121 家中一統の喜び 察し入るぞ 461 00:38:16,121 --> 00:38:18,123 (兵部) 恐れ入ったる儀にござりまする 462 00:38:18,123 --> 00:38:24,129 (酒井)さりながら 何にもせよ 亀千代殿は幼年➡ 463 00:38:24,129 --> 00:38:27,132 後ろ見の者が のうては かなうまい 464 00:38:27,132 --> 00:38:31,136 (安芸)その儀は 一家一門 心を合わせまして 465 00:38:31,136 --> 00:38:35,140 (酒井)上におかれても 憂慮あそばされ➡ 466 00:38:35,140 --> 00:38:39,140 後見役を立てよとの おぼしめしじゃ 467 00:38:41,079 --> 00:38:43,081 (酒井)伊達兵部➡ 468 00:38:43,081 --> 00:38:45,083 田村右京 469 00:38:45,083 --> 00:38:50,088 両名の者に亀千代殿 後見を仰せ付けられる 470 00:38:50,088 --> 00:38:53,091 さよう心得るよう 471 00:38:53,091 --> 00:38:56,094 恐れながら… (酒井)上意じゃ➡ 472 00:38:56,094 --> 00:38:59,094 将軍家のご上意なるぞ 473 00:39:08,106 --> 00:39:14,106 (虫の鳴き声) 474 00:39:16,114 --> 00:39:19,114 (鳩古堂) ご注文の虎毛が入りましたので 475 00:39:23,121 --> 00:39:25,123 二本もらっておこう 476 00:39:25,123 --> 00:39:28,123 毎度ありがとうございました 477 00:40:43,067 --> 00:40:45,069 (おくみ)久しぶりに いらしてくだすったのに➡ 478 00:40:45,069 --> 00:40:48,072 そんなに書き物ばかり 479 00:40:48,072 --> 00:40:50,074 私は こういう人間だ 480 00:40:50,074 --> 00:40:53,077 私に会ったのが お前の不運だった 481 00:40:53,077 --> 00:40:57,081 いいえ あなたが悪いのではありません 482 00:40:57,081 --> 00:40:59,081 悪いのは 私です 483 00:41:03,087 --> 00:41:07,091 あなたは なんとも思って いらっしゃらないのに➡ 484 00:41:07,091 --> 00:41:11,095 私が勝手に 好かれていると思ったんです 485 00:41:11,095 --> 00:41:13,097 私は くみは好きだ 486 00:41:13,097 --> 00:41:18,102 私ばかりでなく私の親たちも そう思い込んでいました 487 00:41:18,102 --> 00:41:20,104 世間の人たちだって 488 00:41:20,104 --> 00:41:23,107 私は お前が好きだよ 489 00:41:23,107 --> 00:41:25,109 では どうして? 490 00:41:25,109 --> 00:41:27,111 どうして六年も おそばにいるのに 491 00:41:27,111 --> 00:41:30,111 また その話か 492 00:41:35,119 --> 00:41:37,055 あなた 493 00:41:37,055 --> 00:41:39,055 私は つらい 494 00:41:41,059 --> 00:41:43,059 苦しいのです 495 00:41:49,067 --> 00:41:52,067 (おうら)にわかに お出ましです (久馬)何? この夜更けに? 496 00:42:04,082 --> 00:42:09,087 (安芸)わしは国元から 江戸へ出てきて よく分かった 497 00:42:09,087 --> 00:42:12,090 貴公が言ったとおり 確かに分家の背後から➡ 498 00:42:12,090 --> 00:42:14,092 酒井侯が糸を引いている 499 00:42:14,092 --> 00:42:16,094 (茂庭)このたびは分家が➡ 500 00:42:16,094 --> 00:42:19,097 亀千代君の後見という 実権をもって➡ 501 00:42:19,097 --> 00:42:22,100 伊達藩の真ん中へ 座り込んだも同様だ 502 00:42:22,100 --> 00:42:24,102 問題は紛れもなく これからだ 503 00:42:24,102 --> 00:42:29,107 しかも重役どもは いずれが敵とも分かちがたく➡ 504 00:42:29,107 --> 00:42:32,110 信じて事を図りうる者は 極めて少ないのだ 505 00:42:32,110 --> 00:42:37,115 家中に内紛でも起これば 藩政不取締りのかどをもって➡ 506 00:42:37,115 --> 00:42:40,118 伊達家 取りつぶしの恐れがある 507 00:42:40,118 --> 00:42:42,120 これから特に➡ 508 00:42:42,120 --> 00:42:47,125 何事が起こっても 我慢することが大切です 509 00:42:47,125 --> 00:42:49,127 (安芸)うーん 我慢はよいが➡ 510 00:42:49,127 --> 00:42:52,130 我々も手を打たなければなるまい 511 00:42:52,130 --> 00:42:55,133 どうしたらよいかの 原田 512 00:42:55,133 --> 00:42:58,136 我々は貴公をたのみにしておる 513 00:42:58,136 --> 00:43:02,140 原田 意見を聞かしてくれ 514 00:43:02,140 --> 00:43:06,144 わしは貴公に昔から敬服してきた 515 00:43:06,144 --> 00:43:09,147 迷惑なことです 516 00:43:09,147 --> 00:43:11,149 何? 517 00:43:11,149 --> 00:43:14,152 私は特別な人間ではない 518 00:43:14,152 --> 00:43:18,156 今 分かっているのは 我々が不仲だということを➡ 519 00:43:18,156 --> 00:43:21,159 はっきりと家中に 知らせることです 520 00:43:21,159 --> 00:43:23,161 (茂庭)それは分かっておる➡ 521 00:43:23,161 --> 00:43:27,165 敵にとって邪魔なのは我々 三人だ 522 00:43:27,165 --> 00:43:30,168 そのためには もっと はっきりと➡ 523 00:43:30,168 --> 00:43:33,171 離反の形を取るのです 524 00:43:33,171 --> 00:43:35,173 (茂庭)例えば? 525 00:43:35,173 --> 00:43:37,108 (安芸)その策を聞こう➡ 526 00:43:37,108 --> 00:43:40,111 あらかじめ 話し合いをつけておかねば 527 00:43:40,111 --> 00:43:43,114 無用です 話し合いのうえでやれば➡ 528 00:43:43,114 --> 00:43:46,117 相手にすぐに分かってしまう 529 00:43:46,117 --> 00:43:50,117 手段はそれぞれで 考えるべきものです 530 00:43:52,123 --> 00:43:55,123 そこまでやる必要があるだろうか 531 00:43:57,128 --> 00:43:59,130 ≪(笛の音) 532 00:43:59,130 --> 00:44:01,132 (三人が構える音) 533 00:44:01,132 --> 00:44:08,139 安芸と茂庭と原田の三人が 集まったのか 534 00:44:08,139 --> 00:44:11,142 ≪ はっ 535 00:44:11,142 --> 00:44:14,145 で… 原田はいつ頃 帰った? 536 00:44:14,145 --> 00:44:16,145 ≪ 一時足らずでした 537 00:44:20,151 --> 00:44:22,153 ご苦労であった 気をつけて戻れ 538 00:44:22,153 --> 00:44:24,153 はっ 539 00:44:29,160 --> 00:44:49,113 ♬~ 540 00:44:49,113 --> 00:45:05,129 ♬~ 541 00:45:05,129 --> 00:45:07,129 (律)お帰りあそばせ 542 00:45:37,094 --> 00:45:39,096 (村山)おい 大変だ➡ 543 00:45:39,096 --> 00:45:41,098 殿は奥方を離別なさるぞ (矢崎)え? 544 00:45:41,098 --> 00:45:43,100 本当ですか? なぜです? (村山)本当だ 545 00:45:43,100 --> 00:45:45,102 なぜの離別です? 546 00:45:45,102 --> 00:45:47,104 訳は? (村山)分からん しかし➡ 547 00:45:47,104 --> 00:45:49,106 ご家老 古内様が亡くなられ➡ 548 00:45:49,106 --> 00:45:52,109 その後釜に 殿を推挙しておられるのが➡ 549 00:45:52,109 --> 00:45:54,111 御分家の兵部様だ (矢崎)まさか 550 00:45:54,111 --> 00:45:57,114 それと関係があるのでしょうか 551 00:45:57,114 --> 00:46:00,117 私は…➡ 552 00:46:00,117 --> 00:46:03,120 兄の元へ 茂庭の家へ戻ります 553 00:46:03,120 --> 00:46:06,123 しかし➡ 554 00:46:06,123 --> 00:46:09,126 去られます その訳は? 555 00:46:09,126 --> 00:46:12,129 不義だ (律)え? 556 00:46:12,129 --> 00:46:15,132 お前は不義をしたのだ 557 00:46:15,132 --> 00:46:19,136 (達弥)殿 それは あまり… あまりでございます 558 00:46:19,136 --> 00:46:23,140 ご貞淑な奥方に そのような汚名を 559 00:46:23,140 --> 00:46:26,143 達弥 奥の不義の相手はお前だ 560 00:46:26,143 --> 00:46:29,146 (達弥)なんと仰せられます (律)あなた 561 00:46:29,146 --> 00:46:32,149 (達弥)殿! 562 00:46:32,149 --> 00:46:34,151 ほかのこととは違います 563 00:46:34,151 --> 00:46:37,088 このような忌まわしい罪を かぶるのなら➡ 564 00:46:37,088 --> 00:46:39,090 いっそ死んだほうが 565 00:46:39,090 --> 00:46:41,092 そうだ 566 00:46:41,092 --> 00:46:43,092 お前に死んでもらわねばならん 567 00:46:46,097 --> 00:46:48,099 うう… 568 00:46:48,099 --> 00:46:57,099 (律の泣き声) 569 00:47:00,111 --> 00:47:03,114 ((侍の道のためには➡ 570 00:47:03,114 --> 00:47:05,116 時には不忠不臣の名も➡ 571 00:47:05,116 --> 00:47:09,120 甘受しなければならぬ 場合がある)) 572 00:47:09,120 --> 00:47:12,120 ((今こそ その場合だ)) 573 00:47:18,129 --> 00:47:21,132 ((俺を憎むがよい)) 574 00:47:21,132 --> 00:47:25,136 ((こういうとき 侍に生まれ合わせ➡ 575 00:47:25,136 --> 00:47:29,140 俺のような主人を持ったのが 不運だった)) 576 00:47:29,140 --> 00:47:31,142 ((俺を恨め)) 577 00:47:31,142 --> 00:47:35,146 ((だが役目だけは果たしてくれ)) 578 00:47:35,146 --> 00:47:37,146 ((律を送ったら 達弥)) 579 00:47:39,083 --> 00:47:41,085 ((達弥よ)) 580 00:47:41,085 --> 00:47:44,088 ((その足で江戸へ行き➡ 581 00:47:44,088 --> 00:47:49,088 二度と 国の人々の目に 触れてはならぬぞ)) 582 00:47:57,101 --> 00:48:01,105 何? 原田が妻を離別した? 583 00:48:01,105 --> 00:48:04,108 それは誠か? 間違いないか? 584 00:48:04,108 --> 00:48:08,112 (内膳)相違ございません 妻女が密通のかどで離縁され➡ 585 00:48:08,112 --> 00:48:13,117 もう二月の余も茂庭へ 帰ったきりでございます 586 00:48:13,117 --> 00:48:16,120 信じられん 587 00:48:16,120 --> 00:48:22,126 原田と茂庭は肝胆相照らす仲 588 00:48:22,126 --> 00:48:24,128 どういう理由があろうとも 589 00:48:24,128 --> 00:48:27,131 (内膳)そのために 茂庭殿も大層なご立腹で➡ 590 00:48:27,131 --> 00:48:30,131 以来 両家の間は絶縁の状態とか 591 00:48:33,137 --> 00:48:36,137 そうか 592 00:48:38,075 --> 00:48:43,080 原田は わしの推挙を受けて➡ 593 00:48:43,080 --> 00:48:47,084 国老になるつもりだな 594 00:48:47,084 --> 00:48:50,087 人の欲には 変わりはございませんな 595 00:48:50,087 --> 00:48:52,089 ハハハ… 596 00:48:52,089 --> 00:48:55,092 国元では原田殿の 人気が悪くなって➡ 597 00:48:55,092 --> 00:48:59,096 血の気の多い者たちの間に 不穏な動きさえあるようです 598 00:48:59,096 --> 00:49:03,100 御前 例の者が また参っておりますが 599 00:49:03,100 --> 00:49:05,102 例の者? 600 00:49:05,102 --> 00:49:07,102 きゃつか 601 00:49:09,106 --> 00:49:12,109 (兵部)今度は何を言いに来たのだ 602 00:49:12,109 --> 00:49:16,113 このたび亀千代君の 侍医となった医者は➡ 603 00:49:16,113 --> 00:49:18,115 侯のご推挙だそうですな 604 00:49:18,115 --> 00:49:21,118 (兵部)そうだ それが どうしたというのだ 605 00:49:21,118 --> 00:49:26,123 その医師 河野道円が 長崎まで人をやって➡ 606 00:49:26,123 --> 00:49:28,125 毒薬を手に入れたそうで 607 00:49:28,125 --> 00:49:30,125 (兵部)ん? 608 00:49:33,130 --> 00:49:37,068 毒薬も薬の内だ 609 00:49:37,068 --> 00:49:40,071 医師には必要なこともあろう 610 00:49:40,071 --> 00:49:43,071 それなら なぜ秘密に 買い求めるのですか 611 00:49:46,077 --> 00:49:49,080 貴様 どこから その話を聞いたのだ 612 00:49:49,080 --> 00:49:51,082 誰からだ 613 00:49:51,082 --> 00:49:55,086 (柿崎) それについて お願いがあります お聞き入れ願えますかな 614 00:49:55,086 --> 00:49:58,089 貴様 どうして その話を 615 00:49:58,089 --> 00:50:01,092 長い浪人暮らしにも飽きました 616 00:50:01,092 --> 00:50:05,096 仕官方 ご推挙願えませんか 617 00:50:05,096 --> 00:50:07,098 (兵部)知行の望みは? 618 00:50:07,098 --> 00:50:10,101 殿の家来になるのではありません 619 00:50:10,101 --> 00:50:13,104 酒井大老に ご推挙願いたいのです 620 00:50:13,104 --> 00:50:15,104 寄らば大樹の陰と申しますからな 621 00:50:17,108 --> 00:50:22,113 ♪(弦楽器の演奏) 622 00:50:22,113 --> 00:50:42,066 ♪~ 623 00:50:42,066 --> 00:50:53,077 ♪~ 624 00:50:53,077 --> 00:51:13,097 ♬~ 625 00:51:13,097 --> 00:51:20,104 ♬~ 626 00:51:20,104 --> 00:51:22,104 (馬のいななき) 627 00:51:24,108 --> 00:51:26,110 (矢を放つ音) 628 00:51:26,110 --> 00:51:38,055 ♬~ 629 00:51:38,055 --> 00:51:40,057 (ふじこ)今夜のごはんは わたしらが持ってくから➡ 630 00:51:40,057 --> 00:51:42,059 食べてくれますか? 631 00:51:42,059 --> 00:51:44,061 うん (なおこ)くるみ餅もあるぞ 632 00:51:44,061 --> 00:51:46,063 (きよこ)うちの酒も持っていくぞ 633 00:51:46,063 --> 00:51:48,063 よし 待っているぞ (鞭で打つ音) 634 00:51:50,067 --> 00:51:55,072 《このまま 一生を過ごせたら どんなに楽しいことであろう》 635 00:51:55,072 --> 00:51:59,076 《俺は間違って 武士の家に生まれたのだ》 636 00:51:59,076 --> 00:52:03,080 《獣を狩り 木をかり 山娘と戯れる》 637 00:52:03,080 --> 00:52:19,096 ♬~ 638 00:52:19,096 --> 00:52:21,098 ああ… 639 00:52:21,098 --> 00:52:32,109 ♬~ 640 00:52:32,109 --> 00:52:40,117 (笑い声) 641 00:52:40,117 --> 00:52:44,121 《あれが本当の人間の暮らしだ》 642 00:52:44,121 --> 00:52:46,123 《俺は四千石の館もいらぬ》 643 00:52:46,123 --> 00:52:48,123 《国老の地位もいらぬ》 644 00:52:50,127 --> 00:52:54,131 《いつまでも こうして ひとりでいたい》 645 00:52:54,131 --> 00:52:56,131 (銃声) う… 646 00:53:24,161 --> 00:53:30,167 (風鈴の音) 647 00:53:30,167 --> 00:53:34,167 (丹三郎)殿を撃ったのは お城の 正義派の者らしいと聞きましたが 648 00:53:38,108 --> 00:53:41,111 (宇乃)あの… お怪我のご様子は? 649 00:53:41,111 --> 00:53:43,113 もうよいのだ 650 00:53:43,113 --> 00:53:47,117 傷養生には青根の湯が 一番効くのだ 651 00:53:47,117 --> 00:53:51,121 それより 宇乃はどうして参ったのだ 652 00:53:51,121 --> 00:53:56,126 (宇乃)はい 虎之助が 出家をいたしましたので 653 00:53:56,126 --> 00:53:58,128 そうか 654 00:53:58,128 --> 00:54:01,128 あの幼い者がのう 655 00:54:11,141 --> 00:54:14,144 ご苦労であった 656 00:54:14,144 --> 00:54:18,148 疲れたであろう 下がって休むがよい 657 00:54:18,148 --> 00:54:22,152 いいえ 宇乃は疲れておりません 658 00:54:22,152 --> 00:54:24,154 休むのだ 659 00:54:24,154 --> 00:54:27,157 わしは湯に入る 660 00:54:27,157 --> 00:54:31,157 そうなさい 私は まだ殿に話があるから 661 00:54:46,110 --> 00:54:50,114 丹三郎 お願いの儀がございます なんだ? 662 00:54:50,114 --> 00:54:54,118 私を鬼役にご推挙ください 663 00:54:54,118 --> 00:54:56,120 鬼役 664 00:54:56,120 --> 00:55:01,125 鬼役とは 殿の食事の毒味をする役だ 665 00:55:01,125 --> 00:55:04,128 これまでの 太平無事のときとは違う 666 00:55:04,128 --> 00:55:06,130 死ぬことは必定だぞ 667 00:55:06,130 --> 00:55:08,130 存じております 668 00:55:10,134 --> 00:55:13,137 もっと よく考えてからに するがよい 669 00:55:13,137 --> 00:55:17,141 私には先程のお手紙の内容が 分かっています 670 00:55:17,141 --> 00:55:20,144 江戸では若君 毒害のうわさが➡ 671 00:55:20,144 --> 00:55:23,147 どこからともなく 流れているのです 672 00:55:23,147 --> 00:55:28,152 では なおさら もう一度 思い返してみることだ 673 00:55:28,152 --> 00:55:30,154 いいえ 674 00:55:30,154 --> 00:55:32,156 もし 私が鬼役で死ぬとすれば➡ 675 00:55:32,156 --> 00:55:36,160 いくらかでも お役に立つのではないかと 676 00:55:36,160 --> 00:55:40,097 どうしても 思いとどまる気はないのか 677 00:55:40,097 --> 00:55:42,097 はい 678 00:55:51,108 --> 00:55:55,108 あたら 若い命を お前は… 679 00:56:07,124 --> 00:56:09,124 誰か ≪ はい 680 00:56:20,137 --> 00:56:25,142 宇乃 休まなかったのか 681 00:56:25,142 --> 00:56:28,145 宇乃は おじさまの おそばにいるほうが➡ 682 00:56:28,145 --> 00:56:30,145 休まるのです 683 00:56:43,093 --> 00:56:46,096 (宇乃)死んでは嫌 宇乃 684 00:56:46,096 --> 00:56:49,099 生きてらして おじさま 685 00:56:49,099 --> 00:56:51,099 死んでは嫌 686 00:56:56,106 --> 00:56:58,108 ≪ 黒田様が ≪ 玄四郎様が 687 00:56:58,108 --> 00:57:00,110 ≪ あの新参の ≪ 勘定方に入られた 688 00:57:00,110 --> 00:57:13,110 (女性たちのはしゃぐ声) 689 00:57:17,127 --> 00:57:19,127 (みや)お願いです 690 00:57:21,131 --> 00:57:24,131 戯れの恋と思わないでください 691 00:57:34,144 --> 00:57:38,081 (酒井) ハハハハ そのこと そのこと➡ 692 00:57:38,081 --> 00:57:41,084 おぬしには根負けしたよ➡ 693 00:57:41,084 --> 00:57:43,084 したためおいたぞ 694 00:57:46,089 --> 00:57:49,089 (酒井)契約の証文じゃ 695 00:57:51,094 --> 00:57:56,099 (兵部)伊達家 改易の暁は 三十万石 賜る 696 00:57:56,099 --> 00:57:58,101 確かに 相違ござりません 697 00:57:58,101 --> 00:58:00,101 (酒井)では (兵部)はい 698 00:58:12,115 --> 00:58:15,118 これで安堵いたしました 699 00:58:15,118 --> 00:58:19,118 (酒井) 一通は貴公に 一通はわしじゃ 700 00:58:47,084 --> 00:58:52,089 (兵部)ハハハハ いやあ めでたい 701 00:58:52,089 --> 00:58:57,094 国老 就任の趣 祝着じゃ 702 00:58:57,094 --> 00:59:02,099 御分家様のご推挙によると承り まずは お礼言上のために 703 00:59:02,099 --> 00:59:07,104 いやいや そう堅苦しい礼には及ばぬ 704 00:59:07,104 --> 00:59:13,110 ハハハ いや わしもな 実は貴公を敵と思うていたので➡ 705 00:59:13,110 --> 00:59:19,116 ずいぶん気をもんだぞ ハハハハ… 706 00:59:19,116 --> 00:59:21,118 はい ≪(兵部)酒を持て 707 00:59:21,118 --> 00:59:23,120 はい 708 00:59:23,120 --> 00:59:26,123 ハハハハ… 709 00:59:26,123 --> 00:59:33,123 いや 味方と分かってみれば わしも何か報いねばならぬ 710 00:59:35,132 --> 00:59:38,068 そこでのう 原田氏➡ 711 00:59:38,068 --> 00:59:42,068 貴公の耳に入れておかねば ならぬことがある 712 00:59:57,087 --> 01:00:00,090 いや 甥の式部めが➡ 713 01:00:00,090 --> 01:00:05,095 伊達安芸と領地のことで 境界争いを起こしてのう 714 01:00:05,095 --> 01:00:10,100 (安芸)兵部の甥めの無法は 今に始まったことではない➡ 715 01:00:10,100 --> 01:00:13,103 これで三度目だ これまでは貴公が➡ 716 01:00:13,103 --> 01:00:18,108 家中に騒ぎを起こしてはならぬ 我慢せえと言うから我慢してきた 717 01:00:18,108 --> 01:00:21,111 それが きゃつを増長させたのだ 718 01:00:21,111 --> 01:00:25,115 今回は二か所も 地境を侵したばかりでなく➡ 719 01:00:25,115 --> 01:00:27,117 わしから かすめとった我が家の➡ 720 01:00:27,117 --> 01:00:30,120 先祖代々の領地を 他人にくれてやっている 721 01:00:30,120 --> 01:00:33,123 これは単なる欲のためではなく➡ 722 01:00:33,123 --> 01:00:35,125 わしを嘲弄するものだ 723 01:00:35,125 --> 01:00:38,061 断じて譲るわけにはいかん 724 01:00:38,061 --> 01:00:41,064 重々ごもっともですが➡ 725 01:00:41,064 --> 01:00:45,068 このたびも ご辛抱願わねばなりません 726 01:00:45,068 --> 01:00:47,070 原田 727 01:00:47,070 --> 01:00:50,073 どうして わしだけが 辛抱せねばならんのだ 728 01:00:50,073 --> 01:00:53,076 この年寄りが… 729 01:00:53,076 --> 01:00:59,082 この先祖代々の土地が無法に 奪われようとしているのだぞ 730 01:00:59,082 --> 01:01:03,086 いや… 無法は我慢ができる 731 01:01:03,086 --> 01:01:05,088 しかし武士として➡ 732 01:01:05,088 --> 01:01:09,092 嘲弄されることは 我慢ができんと言っておるのだ 733 01:01:09,092 --> 01:01:11,094 それを仕掛けてくるのは➡ 734 01:01:11,094 --> 01:01:15,098 背後にあって 糸を引く人があればこそです 735 01:01:15,098 --> 01:01:17,100 その背後の人の推挙で 原田➡ 736 01:01:17,100 --> 01:01:20,100 貴公は国老に就任したのだ 737 01:01:22,105 --> 01:01:25,108 貴公 それほど 出世がしたかったのか 738 01:01:25,108 --> 01:01:30,113 甲斐が本心から 望んでいると思われますか 739 01:01:30,113 --> 01:01:37,053 それどころか 私は今 何もかも捨てて➡ 740 01:01:37,053 --> 01:01:39,055 蔵王の山へ帰りたいのです 741 01:01:39,055 --> 01:01:41,057 何もかも捨てる 742 01:01:41,057 --> 01:01:44,060 いずれにしても身勝手な考えだ 743 01:01:44,060 --> 01:01:48,064 このお家重大なときに 貴公 本心からそう言うのか? 744 01:01:48,064 --> 01:01:51,067 本心です 745 01:01:51,067 --> 01:01:53,069 できることなら そうしたい 746 01:01:53,069 --> 01:01:55,071 原田 747 01:01:55,071 --> 01:01:59,075 それならば 妹御をなぜ離縁したのだ 748 01:01:59,075 --> 01:02:01,075 この機会に その訳を聞こう 749 01:02:03,079 --> 01:02:05,081 (安芸)なんとか言え 原田➡ 750 01:02:05,081 --> 01:02:08,084 言えないのか 原田➡ 751 01:02:08,084 --> 01:02:10,084 言えぬようになったのか! 752 01:02:14,090 --> 01:02:16,092 (みや)あなたに お目にかかったときから➡ 753 01:02:16,092 --> 01:02:21,097 これまでの私が恥ずかしくて ならなくなったのです 754 01:02:21,097 --> 01:02:27,103 私は人形のように 兄に操られている女です 755 01:02:27,103 --> 01:02:29,105 卑しい勤めもしました 756 01:02:29,105 --> 01:02:35,105 侍の妾奉公から 寺の通い大黒まで 757 01:02:37,113 --> 01:02:43,119 酒井様へご奉公したのも 秘密を探るための兄の差し金です 758 01:02:43,119 --> 01:02:46,122 秘密を探る? 759 01:02:46,122 --> 01:02:51,127 兄は人の秘密を握ってお金にする 恐ろしい人です 760 01:02:51,127 --> 01:02:55,131 私 よくは分からないのですが➡ 761 01:02:55,131 --> 01:02:57,133 殿様と伊達兵部様が➡ 762 01:02:57,133 --> 01:03:01,137 なんでも 仙台の六十万石を分ける➡ 763 01:03:01,137 --> 01:03:06,137 とかいう証書を取り交わすのを この目で見たのです 764 01:03:08,144 --> 01:03:11,144 兄はその証書を盗めと私に言うの 765 01:03:13,149 --> 01:03:16,149 やり損なえば命がない仕事です 766 01:03:31,167 --> 01:03:33,169 盗むつもりですか? 767 01:03:33,169 --> 01:03:36,172 断りました 768 01:03:36,172 --> 01:03:38,108 すると兄は屋敷を下げさせて➡ 769 01:03:38,108 --> 01:03:42,112 昔のように卑しい勤めを させるとせめるのです 770 01:03:42,112 --> 01:03:46,116 私 どうしたら兄の手から➡ 771 01:03:46,116 --> 01:03:49,116 この泥沼のような境界から 逃げ出せるかと 772 01:03:51,121 --> 01:03:53,121 それで… 773 01:03:55,125 --> 01:03:57,125 それで… 774 01:04:00,130 --> 01:04:02,132 あなたに… 775 01:04:02,132 --> 01:04:05,135 あなたに すがって私… (達弥)ちょっと 776 01:04:05,135 --> 01:04:07,135 障子を開けましょう 777 01:04:10,140 --> 01:04:13,140 ≪(鳥の鳴き声) 778 01:04:20,150 --> 01:04:24,154 もし あなたが兄上の手から 逃れ出したいなら➡ 779 01:04:24,154 --> 01:04:26,156 その証書を盗みなさい 780 01:04:26,156 --> 01:04:28,158 え? 781 01:04:28,158 --> 01:04:31,161 もう これきりだといって 兄上に渡せば 782 01:04:31,161 --> 01:04:33,161 黒田様 783 01:04:44,107 --> 01:04:49,112 あなたは なぜ証書を 盗めとおっしゃるの? 784 01:04:49,112 --> 01:04:51,112 だから 私は… 785 01:04:56,119 --> 01:04:59,119 あなたは 嘘の言える方ではありません 786 01:05:02,125 --> 01:05:05,128 どうぞ本当のことを 聞かせてください 787 01:05:05,128 --> 01:05:10,128 それによって私… 決心いたします 788 01:05:29,152 --> 01:05:33,156 私は伊達家の国老 原田甲斐の家来です 789 01:05:33,156 --> 01:05:35,156 え? 790 01:05:41,097 --> 01:05:43,097 分かりました 791 01:05:45,101 --> 01:05:51,107 証書を盗むことが あなたのお役に立つのですね 792 01:05:51,107 --> 01:05:54,110 ♬~ 793 01:05:54,110 --> 01:06:02,118 ♬(歌声) 794 01:06:02,118 --> 01:06:05,121 (みや)フフフ… 795 01:06:05,121 --> 01:06:10,121 何が六十万石 お家の安泰がどうだって言うの 796 01:06:12,128 --> 01:06:15,128 ひどい あんまり ひどいよ 797 01:06:17,133 --> 01:06:21,137 私の気持ちなんか ちっとも察しないで 798 01:06:21,137 --> 01:06:25,137 あなたは自分のことばかり 考えていたんだ 799 01:06:31,147 --> 01:06:36,152 たとえ なんのためにしろ 証書を盗めだなんて➡ 800 01:06:36,152 --> 01:06:39,152 それじゃ 兄と変わりゃしない 801 01:06:41,091 --> 01:06:43,093 おんなじじゃないか… 802 01:06:43,093 --> 01:06:48,093 (泣き声) 803 01:06:50,100 --> 01:06:52,102 お帰りでございます (柴田)帰られたか 804 01:06:52,102 --> 01:06:54,104 首尾は? (奥山)首尾はどうじゃ 805 01:06:54,104 --> 01:06:57,107 はっ つつがなく将軍家へ お目見え済み 806 01:06:57,107 --> 01:07:00,110 若君へ六十二万石 安堵の お墨付きを賜った由にございます 807 01:07:00,110 --> 01:07:02,112 おお お墨付きを (柴田)お家は安泰じゃ 808 01:07:02,112 --> 01:07:04,114 (奥山)ああ めでたい めでたい 809 01:07:04,114 --> 01:07:07,114 ≪ おさがーりー! 810 01:07:25,135 --> 01:07:30,140 家中一同に代わりまして お喜び申し上げます 811 01:07:30,140 --> 01:07:33,140 そのほう 誠にめでたいと思うか? 812 01:07:35,145 --> 01:07:38,081 甲斐には分かっているはずだ 813 01:07:38,081 --> 01:07:40,083 あれから もう三年 814 01:07:40,083 --> 01:07:43,086 俺は ここへ押し込められたまま 815 01:07:43,086 --> 01:07:48,091 亀千代の相続が許された今もって 逼塞の処置が解かれない 816 01:07:48,091 --> 01:07:50,093 なぜだ 817 01:07:50,093 --> 01:07:53,096 このことの裏には何があるのだ 818 01:07:53,096 --> 01:07:55,096 言ってくれ 原田 819 01:07:58,101 --> 01:08:03,106 相手は逆らいようもない 大きな力だ 820 01:08:03,106 --> 01:08:07,110 これから先 幼い亀千代はどうなるのだ 821 01:08:07,110 --> 01:08:10,110 伊達 六十二万石はどうなるのだ 822 01:08:12,115 --> 01:08:16,119 私めは 才も力もない人間でございます 823 01:08:16,119 --> 01:08:21,124 ただ私めを ご信頼くださりまするよう➡ 824 01:08:21,124 --> 01:08:26,124 今は この一言しか 申し上げる言葉はござりませぬ 825 01:08:29,132 --> 01:08:33,132 その一言 しかと覚えておくぞ 826 01:08:40,076 --> 01:08:43,076 (兵部)祝いの膳を持て 827 01:09:28,124 --> 01:09:30,124 終わりました 828 01:09:34,130 --> 01:09:54,083 ♬~ 829 01:09:54,083 --> 01:10:14,103 ♬~ 830 01:10:14,103 --> 01:10:34,123 ♬~ 831 01:10:34,123 --> 01:10:51,074 ♬~ 832 01:10:51,074 --> 01:10:53,074 では 若君 833 01:11:11,094 --> 01:11:15,098 (番士)しばらく! 一大事でございます 834 01:11:15,098 --> 01:11:18,101 毒味の三名の者 ことごとく吐血いたしました 835 01:11:18,101 --> 01:11:20,101 何!? 836 01:11:23,106 --> 01:11:25,106 塩沢 なんとした 837 01:11:32,115 --> 01:11:37,053 (安芸)毒だ 何者か若君を 殺害せんとした者がおるぞ 838 01:11:37,053 --> 01:11:39,055 糾明しろ! 糾明! 839 01:11:39,055 --> 01:11:59,075 ♬~ 840 01:11:59,075 --> 01:12:05,075 ♬~ 841 01:12:08,084 --> 01:12:10,084 丹三郎 842 01:12:13,089 --> 01:12:15,089 苦しみましたか? 843 01:12:17,093 --> 01:12:19,095 我慢強い子でしたから➡ 844 01:12:19,095 --> 01:12:22,095 口には少しも 出しませんでしたけれど 845 01:12:26,102 --> 01:12:29,105 遺言は? 846 01:12:29,105 --> 01:12:34,110 死んでも香や灯明を あげてはいけない 847 01:12:34,110 --> 01:12:37,113 僧侶も供養もいらない 848 01:12:37,113 --> 01:12:40,113 自分は成仏するつもりはない 849 01:12:43,119 --> 01:12:46,122 魂となって留まり➡ 850 01:12:46,122 --> 01:12:51,122 お館様や お家を 守り続けるつもりであると 851 01:12:59,135 --> 01:13:01,135 さて 母御 852 01:13:03,139 --> 01:13:07,143 本来ならば鬼役の死は➡ 853 01:13:07,143 --> 01:13:11,147 忠死となって 褒賞されるはずであるが➡ 854 01:13:11,147 --> 01:13:17,153 もし幼君毒殺の企てがあったと 知れたら➡ 855 01:13:17,153 --> 01:13:23,159 お家お取りつぶしの口実を 敵に与えることになる 856 01:13:23,159 --> 01:13:30,166 気の毒ではあるが 丹三郎は食中毒ということにした 857 01:13:30,166 --> 01:13:32,166 丹三郎は… 858 01:13:34,170 --> 01:13:38,107 犬死にということになる 859 01:13:38,107 --> 01:13:41,110 はい 860 01:13:41,110 --> 01:13:44,113 それも覚悟のうえ 861 01:13:44,113 --> 01:13:48,117 知ってくださる方が ひとりでもあれば➡ 862 01:13:48,117 --> 01:13:51,117 それで満足だと申しておりました 863 01:14:04,133 --> 01:14:06,135 ≪(矢崎)殿は? (村山)静かに 864 01:14:06,135 --> 01:14:08,137 (矢崎)あ… 865 01:14:08,137 --> 01:14:11,140 (村山)何事だ (矢崎)殿の案じていられたことが 866 01:14:11,140 --> 01:14:14,143 ご老体が… 伊達安芸様が 867 01:14:14,143 --> 01:14:16,143 何? ≪ 矢崎 868 01:14:21,150 --> 01:14:25,154 (矢崎)ご老体が幼君毒殺を 御分家 兵部殿の陰謀なりとして➡ 869 01:14:25,154 --> 01:14:27,156 公儀に 訴え出られてござりまする➡ 870 01:14:27,156 --> 01:14:30,159 それのみか かねての領界争いも➡ 871 01:14:30,159 --> 01:14:33,162 この際 一気に片づけると 申されて 872 01:14:33,162 --> 01:14:36,165 あれほどの御仁が➡ 873 01:14:36,165 --> 01:14:39,165 ついに敵の罠に陥ったのか 874 01:14:41,103 --> 01:14:43,105 (酒井)うん よし 875 01:14:43,105 --> 01:14:45,107 獲物は罠にかかったぞ 876 01:14:45,107 --> 01:14:48,110 (阿部)とうとう こらえきれずに訴え出ましたな 877 01:14:48,110 --> 01:14:51,113 ハハハハ… 878 01:14:51,113 --> 01:14:54,116 毒殺に領地争い 879 01:14:54,116 --> 01:14:56,118 一門の重職たち 880 01:14:56,118 --> 01:15:01,123 骨肉相食むとあっては もはや抗弁の余地はない 881 01:15:01,123 --> 01:15:05,127 伊達兵部殿が お目通りを願っておりますが 882 01:15:05,127 --> 01:15:09,131 古狸め 来おったか 883 01:15:09,131 --> 01:15:13,135 ここまで来れば もう あいつに用はない 884 01:15:13,135 --> 01:15:15,137 会わぬと申せ ≪ は? 885 01:15:15,137 --> 01:15:18,140 目通りかなわんと言うてやれ 886 01:15:18,140 --> 01:15:21,143 追い返すのだ 887 01:15:21,143 --> 01:15:23,145 そんなはずはない 888 01:15:23,145 --> 01:15:25,147 そんなはずはござらぬ 889 01:15:25,147 --> 01:15:27,149 ご家老 いま一度➡ 890 01:15:27,149 --> 01:15:29,149 いま一度 お取り次ぎを願います 891 01:15:36,158 --> 01:15:46,102 ♪ 君を想えば 892 01:15:46,102 --> 01:15:51,107 ♪ かちはだし 893 01:15:51,107 --> 01:15:53,109 ≪ 新さん 894 01:15:53,109 --> 01:15:55,111 やっぱり新さん➡ 895 01:15:55,111 --> 01:15:58,114 どうしたのよ こんなところで 896 01:15:58,114 --> 01:16:00,116 おめえ…➡ 897 01:16:00,116 --> 01:16:02,118 変わったなあ 898 01:16:02,118 --> 01:16:05,121 (みや)あなたもよ 三味線なんか持って➡ 899 01:16:05,121 --> 01:16:09,125 私 新さんは仙台へ 送られたものとばかり 900 01:16:09,125 --> 01:16:12,128 ハハハハ… 901 01:16:12,128 --> 01:16:15,131 俺は もう逃げ回らなくても よくなったんだ 902 01:16:15,131 --> 01:16:19,135 原田様の計らいで 伊達家から追放になり➡ 903 01:16:19,135 --> 01:16:21,137 思いのままに 暮らせるようになったんだ 904 01:16:21,137 --> 01:16:24,140 思いのままに? 905 01:16:24,140 --> 01:16:29,145 俺は決心をして浄瑠璃を習った (三味線の音) 906 01:16:29,145 --> 01:16:33,149 (新八)独り立ちできるまで いてもよいと言われて➡ 907 01:16:33,149 --> 01:16:35,151 まだ原田様のところに ご厄介になってるのだが 908 01:16:35,151 --> 01:16:38,087 (みや)そうだったの 909 01:16:38,087 --> 01:16:42,091 (新八)ハァ… ハハッ 妙なもんだ 910 01:16:42,091 --> 01:16:46,095 侍の絆をとかれて 俺は急に侍の世界が嫌になった 911 01:16:46,095 --> 01:16:48,097 いいわ 新さん 912 01:16:48,097 --> 01:16:50,099 私も聞いてほしいことがあるの➡ 913 01:16:50,099 --> 01:16:53,102 あすこで ちょっと人に会うんだけど➡ 914 01:16:53,102 --> 01:16:56,105 ねえ その間 待っててくれない? 915 01:16:56,105 --> 01:17:01,105 (鳥の鳴き声) 916 01:17:06,115 --> 01:17:09,115 ≪(みや)これが お頼みの証書です 917 01:17:15,124 --> 01:17:17,124 よくやってくださった 918 01:17:20,129 --> 01:17:22,131 このとおりです (みや)待ってください 919 01:17:22,131 --> 01:17:25,131 そんなことはなさらないで 920 01:17:28,137 --> 01:17:31,140 失礼ですけど➡ 921 01:17:31,140 --> 01:17:37,079 私に 一度お酌をしてくださいまし 922 01:17:37,079 --> 01:17:40,082 一度だけで ようございます ≪♪(三味線) 923 01:17:40,082 --> 01:17:56,098 ≪♪ 君を想えば 924 01:17:56,098 --> 01:18:09,111 ≪♪ かちはだし 925 01:18:09,111 --> 01:18:12,114 ≪♪(三味線) 926 01:18:12,114 --> 01:18:21,114 ≪♪ ゆきてば 927 01:18:27,129 --> 01:18:30,132 かわいそうに 928 01:18:30,132 --> 01:18:33,135 お前は今でも あの人が好きなんだ 929 01:18:33,135 --> 01:18:35,137 違うよ 新さん 930 01:18:35,137 --> 01:18:42,077 心底から好きになれなかったから 証書を盗んでやったのよ 931 01:18:42,077 --> 01:18:46,081 あの人は侍らしい侍さ 932 01:18:46,081 --> 01:18:50,081 いい人だけど 退屈な人よ 933 01:19:03,098 --> 01:19:06,101 (安芸) 置毒や境界争いだけではない 934 01:19:06,101 --> 01:19:11,106 わしは家中の政治紊乱を 訴えたのだ 935 01:19:11,106 --> 01:19:14,109 壊疽という病にかかったら➡ 936 01:19:14,109 --> 01:19:17,112 その足なり手なりを 早く切り離さなければ➡ 937 01:19:17,112 --> 01:19:20,115 毒が全身に回って死を招く 938 01:19:20,115 --> 01:19:23,118 わしは お家のために断行する 939 01:19:23,118 --> 01:19:28,123 このたびは死ぬ覚悟で 国の菩提寺へ戒名も残してきた 940 01:19:28,123 --> 01:19:33,128 死ぬ覚悟で兵部少輔とも 酒井侯とも対決してやる 941 01:19:33,128 --> 01:19:35,130 わしはやるぞ 942 01:19:35,130 --> 01:19:38,067 (茂庭)私も同じ覚悟だ➡ 943 01:19:38,067 --> 01:19:42,071 酒井侯をはじめ幕府の首脳と 対決して➡ 944 01:19:42,071 --> 01:19:45,074 お家の禍根を断つつもりであった 945 01:19:45,074 --> 01:19:48,077 しかし私は呼ばれなくて➡ 946 01:19:48,077 --> 01:19:50,077 原田が呼ばれた 947 01:19:52,081 --> 01:19:55,084 なぜ私を差し置いて 原田が呼ばれたのだ 948 01:19:55,084 --> 01:19:59,088 幕府には そのほうが都合がよいのか 949 01:19:59,088 --> 01:20:04,093 私のことより皆様は このたびの御評定に➡ 950 01:20:04,093 --> 01:20:06,095 勝ち目があるとお考えですか? 951 01:20:06,095 --> 01:20:08,095 何!? 952 01:20:10,099 --> 01:20:13,102 私には自信がない 953 01:20:13,102 --> 01:20:15,102 原田 やはり貴公は… 954 01:20:19,108 --> 01:20:24,113 (安芸)原田氏 御評定には 貴公とは別行動を取りたい➡ 955 01:20:24,113 --> 01:20:27,116 わしは わしだけで 出頭するから➡ 956 01:20:27,116 --> 01:20:29,116 さよう心得ておいてもらおう 957 01:20:37,059 --> 01:20:46,068 ♬~ 958 01:20:46,068 --> 01:20:48,068 お役に立ちましょうか 959 01:20:51,073 --> 01:20:53,073 それだ 960 01:20:55,077 --> 01:20:58,080 どうすれは この証書が生きるか 961 01:20:58,080 --> 01:21:01,083 生かすためには➡ 962 01:21:01,083 --> 01:21:03,083 どういう手を打つか 963 01:21:11,093 --> 01:21:15,097 私 今朝方 夢を見ましたの 964 01:21:15,097 --> 01:21:19,101 その夢の中であなたは 真っ白いお召し物で➡ 965 01:21:19,101 --> 01:21:22,104 私に笑いかけておいででした 966 01:21:22,104 --> 01:21:26,108 お姿からは後光のような まばゆい光が差して… 967 01:21:26,108 --> 01:21:28,110 白い着物 968 01:21:28,110 --> 01:21:31,113 きっと あすの評定に お勝ちなされる➡ 969 01:21:31,113 --> 01:21:34,113 めでたい前兆に違いないと 存じます 970 01:21:36,118 --> 01:21:41,056 きっと勝って お帰りになります 971 01:21:41,056 --> 01:21:47,062 くみは そのときの来るのが 待ち遠しくてなりません 972 01:21:47,062 --> 01:21:49,064 どうして? 973 01:21:49,064 --> 01:21:53,064 そのときこそ そのときこそ… 974 01:21:56,071 --> 01:21:59,071 出かけるぞ 今頃から どこへ? 975 01:22:12,087 --> 01:22:15,090 久馬 うら (久馬)は? 976 01:22:15,090 --> 01:22:17,090 そちたち 暇を取らす 977 01:22:20,095 --> 01:22:24,099 伊達家が立つも つぶれるも あす一日 978 01:22:24,099 --> 01:22:27,099 長々と隠密の役目 ご苦労であった 979 01:22:30,105 --> 01:22:33,108 (久世) ん? 天下の大事だと申したのか 980 01:22:33,108 --> 01:22:35,110 (用人)はっ 981 01:22:35,110 --> 01:22:37,110 よし 羽織を 982 01:22:52,127 --> 01:22:55,130 原田 983 01:22:55,130 --> 01:22:58,133 いかに ご威勢並ぶ者なき 酒井侯とて➡ 984 01:22:58,133 --> 01:23:04,139 六十二万石を分割し 己の娘婿に その半分をやる 985 01:23:04,139 --> 01:23:06,139 さようなことができると思うか? 986 01:23:09,144 --> 01:23:11,146 その証書の表面には➡ 987 01:23:11,146 --> 01:23:15,150 三十万石 分け与えると なっておりまするが➡ 988 01:23:15,150 --> 01:23:19,154 誠は それを餌に 伊達の家中を内紛に陥れ➡ 989 01:23:19,154 --> 01:23:23,158 仕置き方不取締りの かどをもって➡ 990 01:23:23,158 --> 01:23:27,162 六十二万石をお取りつぶしに 待て 原田 991 01:23:27,162 --> 01:23:31,166 その一言 ゆるがせにはならぬぞ 992 01:23:31,166 --> 01:23:37,106 伊達家 取りつぶしが 幕府全体の目的だと申すのか 993 01:23:37,106 --> 01:23:39,108 伊達家ばかりではござりますまい 994 01:23:39,108 --> 01:23:41,110 加賀 前田➡ 995 01:23:41,110 --> 01:23:43,112 島津 何? 996 01:23:43,112 --> 01:23:47,116 恐れながら 外様大名 お取りつぶしは➡ 997 01:23:47,116 --> 01:23:52,116 今は亡き豆州侯以来のご方針と もれ承っておりまする 998 01:23:54,123 --> 01:23:56,125 原田 どうして それを 999 01:23:56,125 --> 01:24:15,144 ♬~ 1000 01:24:15,144 --> 01:24:17,146 ♬~ 1001 01:24:17,146 --> 01:24:23,152 天下を治める幕府に そんな意図があるはずがない 1002 01:24:23,152 --> 01:24:30,159 万一 そんな臆測が広まれば 天下は収拾つかぬ大騒動になるぞ 1003 01:24:30,159 --> 01:24:32,161 御意 1004 01:24:32,161 --> 01:24:34,163 この証書を 余が取りあげなかったら➡ 1005 01:24:34,163 --> 01:24:39,101 そのほう… 幕府に外様大名 取りつぶしの密計ありと➡ 1006 01:24:39,101 --> 01:24:41,103 言い広める所存か 1007 01:24:41,103 --> 01:25:01,123 ♬~ 1008 01:25:01,123 --> 01:25:04,126 ♬~ 1009 01:25:04,126 --> 01:25:07,126 その証書は写しにございます 1010 01:25:09,131 --> 01:25:13,135 大和守様をたのんで 願い上げまする 1011 01:25:13,135 --> 01:25:15,137 万治三年の夏以来➡ 1012 01:25:15,137 --> 01:25:20,142 幾多の犠牲者を出しながら ただただお家大切と➡ 1013 01:25:20,142 --> 01:25:23,145 耐えに耐え忍んでまいった かいもなく➡ 1014 01:25:23,145 --> 01:25:27,149 ついに最悪の事態と 相成りました 1015 01:25:27,149 --> 01:25:30,152 このたびの御評定の 結果いかんによっては➡ 1016 01:25:30,152 --> 01:25:35,157 一家一門 八千にあまる人間が 職を失い➡ 1017 01:25:35,157 --> 01:25:38,093 路頭に迷わねばなりません 1018 01:25:38,093 --> 01:25:44,099 何卒 伊達家のために ご厚意のあるお計らい➡ 1019 01:25:44,099 --> 01:25:47,102 願わしゅう存じます 1020 01:25:47,102 --> 01:25:57,102 ♬~ 1021 01:26:01,116 --> 01:26:05,120 (久世)そのほうが 伊達家を案じるように➡ 1022 01:26:05,120 --> 01:26:10,125 余は将軍家のおためを 図らねばならぬ 1023 01:26:10,125 --> 01:26:12,125 大和守様 1024 01:26:14,129 --> 01:26:17,129 いずれ評定の席で会おう 1025 01:26:42,090 --> 01:26:44,090 伊達家の人々が参られました 1026 01:27:07,115 --> 01:27:09,117 どうして あんな男が 奥へ通るんだ? 1027 01:27:09,117 --> 01:27:11,119 見たこともない顔だ 1028 01:27:11,119 --> 01:27:13,119 少し様子が変だぞ 1029 01:27:18,126 --> 01:27:24,132 では兵部少輔の甥 伊達式部が➡ 1030 01:27:24,132 --> 01:27:30,138 そのほうの領地を侵したというに 間違いはないと申すのだな 1031 01:27:30,138 --> 01:27:32,140 (安芸)御意➡ 1032 01:27:32,140 --> 01:27:34,142 彼は公家の位置を笠に➡ 1033 01:27:34,142 --> 01:27:39,081 無法にも侵略を試みたこと 相違ございません 1034 01:27:39,081 --> 01:27:44,086 (酒井)しかも兵部は 亀千代毒殺を企てたと申すのだな 1035 01:27:44,086 --> 01:27:46,088 (安芸)御意➡ 1036 01:27:46,088 --> 01:27:52,094 そのため鬼役 塩沢丹三郎ほか 毒味役三名の者が➡ 1037 01:27:52,094 --> 01:27:55,097 毒死いたしましてござります 1038 01:27:55,097 --> 01:27:59,101 その儀は食中毒の死と➡ 1039 01:27:59,101 --> 01:28:03,105 公儀へは届け出あったはずだが 1040 01:28:03,105 --> 01:28:08,110 それは陰謀を糊塗せんとする 佞臣の奸策 1041 01:28:08,110 --> 01:28:11,113 誠は毒殺に相違ございません 1042 01:28:11,113 --> 01:28:15,117 では なんのための毒害だ? 1043 01:28:15,117 --> 01:28:18,120 己 幼君に取って代わり➡ 1044 01:28:18,120 --> 01:28:21,123 伊達 六十二万石を 横領せんとたくらむ➡ 1045 01:28:21,123 --> 01:28:24,126 兵部の陰謀にござります 1046 01:28:24,126 --> 01:28:29,131 しかも兵部は そのためには 先代 綱宗公をそそのかし➡ 1047 01:28:29,131 --> 01:28:35,137 悪所に誘わせ 逼塞に導き 事なるや➡ 1048 01:28:35,137 --> 01:28:38,073 吉原通いを勧めた側近どもの 四名を➡ 1049 01:28:38,073 --> 01:28:41,076 ひそかに暗殺… (酒井)待て 安芸➡ 1050 01:28:41,076 --> 01:28:47,082 それでは伊達家には主君を 放蕩堕落せしむる者あり➡ 1051 01:28:47,082 --> 01:28:50,085 幼君毒殺を狙う者あり➡ 1052 01:28:50,085 --> 01:28:54,089 境界争いに寧日なき重臣あり➡ 1053 01:28:54,089 --> 01:28:58,093 以上 ことごとく事実だと 申すのじゃな 1054 01:28:58,093 --> 01:29:00,095 御意 1055 01:29:00,095 --> 01:29:04,099 されば我々… 公儀の公正なるご裁断を 1056 01:29:04,099 --> 01:29:06,101 黙れ 伊達安芸 1057 01:29:06,101 --> 01:29:09,104 それらのこと ことごとく実正なりとすれば➡ 1058 01:29:09,104 --> 01:29:13,108 これ伊達家の 政治紊乱の証拠ではないか 1059 01:29:13,108 --> 01:29:16,111 そ… それは… 1060 01:29:16,111 --> 01:29:18,113 (酒井)伊達藩政の不取締り➡ 1061 01:29:18,113 --> 01:29:22,117 己ら重役どもの責任は 免れざるところ➡ 1062 01:29:22,117 --> 01:29:25,117 伊達 六十二万石は改易となろうぞ 1063 01:29:27,122 --> 01:29:29,124 大老には しばらく 1064 01:29:29,124 --> 01:29:31,126 (酒井)何? 1065 01:29:31,126 --> 01:29:35,130 伊達安芸の申し立て ことごとく事実なりとして➡ 1066 01:29:35,130 --> 01:29:41,069 重役ども 確執の責めも また免れざるところ 1067 01:29:41,069 --> 01:29:44,072 伊達家 取りつぶしもやむなし 1068 01:29:44,072 --> 01:29:48,076 (安芸)は… 原田! 己… (酒井)ええい 控えい 1069 01:29:48,076 --> 01:29:52,080 取りつぶし やむなしと いたしますれば➡ 1070 01:29:52,080 --> 01:29:56,084 この重役どもの背後にあって 糸を引き➡ 1071 01:29:56,084 --> 01:30:02,090 伊達家 今日の 窮境に追い詰めたる者の責めは➡ 1072 01:30:02,090 --> 01:30:04,092 なんとなされます (酒井)何?➡ 1073 01:30:04,092 --> 01:30:07,095 何を申すのだ 原田 1074 01:30:07,095 --> 01:30:11,099 我欲に目眩みたる兵部を 利をもって欺き➡ 1075 01:30:11,099 --> 01:30:15,103 それを操って 伊達家 六十二万石を➡ 1076 01:30:15,103 --> 01:30:18,106 つぶさんとしたる者ありとすれば 1077 01:30:18,106 --> 01:30:20,108 原田 己は… 1078 01:30:20,108 --> 01:30:23,111 その人 幕閣の座にあって➡ 1079 01:30:23,111 --> 01:30:27,115 天下の権をたなごころに するものなりとせば➡ 1080 01:30:27,115 --> 01:30:29,117 その人の責めは いかに 1081 01:30:29,117 --> 01:30:31,119 その人の罪はいかに 1082 01:30:31,119 --> 01:30:38,119 大老に この儀 ご返答 願わしゅう存じまする 1083 01:30:43,064 --> 01:30:46,067 大老 ご返答を 1084 01:30:46,067 --> 01:30:50,071 (久世)原田 控えよ 1085 01:30:50,071 --> 01:30:52,071 その申し状 穏やかではないぞ 1086 01:30:54,075 --> 01:30:59,080 さほど申すについては しかるべき証拠があるのか? 1087 01:30:59,080 --> 01:31:03,084 もとより 証拠もなくして 申しましょうや 1088 01:31:03,084 --> 01:31:09,090 兵部と さる人との間に 取り交わされたる➡ 1089 01:31:09,090 --> 01:31:13,090 三十万石 分割の証書を これに 1090 01:31:21,102 --> 01:31:23,104 ご所望とあらば➡ 1091 01:31:23,104 --> 01:31:28,104 この場において ご披露申し上げましょうや 1092 01:31:30,111 --> 01:31:33,114 (久世)まず待て 原田➡ 1093 01:31:33,114 --> 01:31:35,116 時刻が移った➡ 1094 01:31:35,116 --> 01:31:39,116 一時 中休みをいたして 尋問を続けることにいたしたい 1095 01:31:42,057 --> 01:31:46,057 (久世)では しばし下がって休息いたせ 1096 01:31:56,071 --> 01:31:59,074 (久世)待て➡ 1097 01:31:59,074 --> 01:32:01,074 その証書を これへ 1098 01:32:05,080 --> 01:32:07,082 これへ 1099 01:32:07,082 --> 01:32:09,082 はっ 1100 01:32:32,107 --> 01:32:34,107 ない いつの間に 1101 01:32:40,115 --> 01:32:42,115 ご直筆ですか? 1102 01:32:44,119 --> 01:32:49,124 昨夜 原田が屋敷へ参りました (酒井)で? 1103 01:32:49,124 --> 01:32:52,127 豆州侯以来の方針を 見抜いてのうえで 1104 01:32:52,127 --> 01:32:55,130 (酒井)なんと 1105 01:32:55,130 --> 01:32:57,132 伊達家に 手をつけることはできません 1106 01:32:57,132 --> 01:33:01,132 強行すれば 徳川の命取りになります 1107 01:33:04,139 --> 01:33:07,139 まずい まずいことだ 1108 01:33:09,144 --> 01:33:14,149 では 評定再開を 1109 01:33:14,149 --> 01:33:16,149 半時ののち 1110 01:33:28,163 --> 01:33:32,163 秘密を知った以上 生かしてはおけん 1111 01:33:35,170 --> 01:33:38,106 (鳴らす音) 1112 01:33:38,106 --> 01:33:41,109 憎いやつだ 原田甲斐め 1113 01:33:41,109 --> 01:33:43,111 だが… フフフ… 1114 01:33:43,111 --> 01:33:46,114 最後の矢を仕掛けてやるぞ 1115 01:33:46,114 --> 01:33:48,116 ≪ 殿 (酒井)入れ 1116 01:33:48,116 --> 01:33:51,119 はっ 1117 01:33:51,119 --> 01:33:54,122 (引き戸の開く音) 1118 01:33:54,122 --> 01:33:58,126 貴様らの働くときが来たぞ 伊達の者どもを殺せ 1119 01:33:58,126 --> 01:34:01,126 ひとりたりとも 生かして帰してはならんぞ 1120 01:34:04,132 --> 01:34:06,134 お前たちに言っておく 今日は どんなことがあっても➡ 1121 01:34:06,134 --> 01:34:08,136 ここから出てはならん➡ 1122 01:34:08,136 --> 01:34:12,140 たとえ奥で どのような騒ぎが起こってもだ➡ 1123 01:34:12,140 --> 01:34:14,140 分かったな 1124 01:34:24,152 --> 01:34:27,155 原田 すまん➡ 1125 01:34:27,155 --> 01:34:29,157 わしは めくらだった➡ 1126 01:34:29,157 --> 01:34:31,159 許してくれ 1127 01:34:31,159 --> 01:34:35,163 おおかた勝負はついたと 思いますが➡ 1128 01:34:35,163 --> 01:34:39,163 いや まだまだ 最後まで油断はできませぬ 1129 01:35:22,143 --> 01:35:24,145 ≪ おい 何をしている 1130 01:35:24,145 --> 01:35:26,147 はあ 勘定方の者です 1131 01:35:26,147 --> 01:35:29,150 ご家老に これを 持ってくるように言われて 1132 01:35:29,150 --> 01:35:32,153 新参の者ですから迷いまして 1133 01:35:32,153 --> 01:35:34,155 お部屋なら あっちだ 1134 01:35:34,155 --> 01:35:36,155 はっ 1135 01:36:03,117 --> 01:36:06,120 おお 伊達家の方々!➡ 1136 01:36:06,120 --> 01:36:08,122 謀殺です! 1137 01:36:08,122 --> 01:36:10,124 わしが引き受けた 早く (刺客)はっ 1138 01:36:10,124 --> 01:36:13,127 (達弥)討手が向かいましたぞ! 1139 01:36:13,127 --> 01:36:15,127 (叫び声) 1140 01:36:17,131 --> 01:36:20,134 (達弥)うっ 1141 01:36:20,134 --> 01:36:22,136 伊達家の方々! 1142 01:36:22,136 --> 01:36:24,138 (達弥)ああ! 1143 01:36:24,138 --> 01:36:27,138 (もみあう声) 1144 01:36:29,143 --> 01:36:34,148 (荒い息遣い) 1145 01:36:34,148 --> 01:36:47,095 ♬~ 1146 01:36:47,095 --> 01:36:49,095 狼藉です 1147 01:36:55,103 --> 01:36:57,105 殿! 達弥! 1148 01:36:57,105 --> 01:37:17,125 ♬~ 1149 01:37:17,125 --> 01:37:19,125 ♬~ 1150 01:37:25,133 --> 01:37:27,135 ≪ 狼藉! 1151 01:37:27,135 --> 01:37:29,135 狼藉です! 1152 01:37:31,139 --> 01:37:33,141 お出合いください ああ! 1153 01:37:33,141 --> 01:37:35,143 ≪(叫び声) (久世)何かあったようですな 1154 01:37:35,143 --> 01:37:37,143 見てまいりましょう 1155 01:37:39,080 --> 01:37:49,090 ♬~ 1156 01:37:49,090 --> 01:37:51,090 (安芸)原田 1157 01:37:53,094 --> 01:37:55,096 安芸殿➡ 1158 01:37:55,096 --> 01:37:59,100 こ… これだけのことを やる以上➡ 1159 01:37:59,100 --> 01:38:04,105 さ… 酒井侯は 敗北を認めたのです 1160 01:38:04,105 --> 01:38:10,105 これは伊達家… 伊達家 安泰の代償です 1161 01:38:12,113 --> 01:38:17,118 それなら わしの命は惜しくない 1162 01:38:17,118 --> 01:38:23,124 御側衆 久世侯がお味方です 1163 01:38:23,124 --> 01:38:25,126 よくやってくれた 1164 01:38:25,126 --> 01:38:31,126 あの世で… あの世で貴公に謝る 1165 01:38:33,134 --> 01:38:35,136 聞いてください 1166 01:38:35,136 --> 01:38:37,136 大事な瀬戸際です 1167 01:38:45,079 --> 01:38:48,082 こ… この刃傷は➡ 1168 01:38:48,082 --> 01:38:52,086 安芸殿と わ… 私の私闘です 1169 01:38:52,086 --> 01:38:58,092 酒井家との争いとあっては 喧嘩両成敗の掟に触れ➡ 1170 01:38:58,092 --> 01:39:01,092 六十二万石はつぶれます 1171 01:39:03,097 --> 01:39:06,097 酒井侯は それを狙ったのです 1172 01:39:08,102 --> 01:39:11,105 だから どこまでも➡ 1173 01:39:11,105 --> 01:39:16,110 甲斐が乱心のしわざですぞ 1174 01:39:16,110 --> 01:39:18,112 分かった 1175 01:39:18,112 --> 01:39:21,115 分かったぞ 1176 01:39:21,115 --> 01:39:23,117 原田➡ 1177 01:39:23,117 --> 01:39:25,117 すまん 1178 01:39:29,123 --> 01:39:35,129 まだ… まだ乱心の証拠が… 1179 01:39:35,129 --> 01:39:54,082 ♬~ 1180 01:39:54,082 --> 01:39:56,084 ♬~ 1181 01:39:56,084 --> 01:39:58,086 原田! 1182 01:39:58,086 --> 01:40:01,089 く… 久世侯… 1183 01:40:01,089 --> 01:40:03,091 これは何事だ 1184 01:40:03,091 --> 01:40:05,093 はっきり申せ 1185 01:40:05,093 --> 01:40:07,093 何事があったのだ 1186 01:40:09,097 --> 01:40:11,099 私です 1187 01:40:11,099 --> 01:40:13,099 私が逆上のあまり… 1188 01:40:15,103 --> 01:40:18,106 安芸… 1189 01:40:18,106 --> 01:40:20,106 (安芸)甲斐めのしわざです 1190 01:40:23,111 --> 01:40:29,117 お頼み申します 何卒 乱心のしわざゆえ➡ 1191 01:40:29,117 --> 01:40:32,120 伊達家に累の及ばぬよう 1192 01:40:32,120 --> 01:40:44,065 ♬~ 1193 01:40:44,065 --> 01:40:48,069 安芸 原田も聞け 1194 01:40:48,069 --> 01:40:52,073 伊達家のことは引き受けた 1195 01:40:52,073 --> 01:40:55,076 分かるか 安芸 1196 01:40:55,076 --> 01:40:58,079 聞こえたか 原田 1197 01:40:58,079 --> 01:41:01,079 仙台 六十二万石は安泰だぞ 1198 01:41:10,091 --> 01:41:13,094 原田! 1199 01:41:13,094 --> 01:41:16,094 あっぱれ よくやった 1200 01:41:22,103 --> 01:41:25,106 原田 見えるか? 1201 01:41:25,106 --> 01:41:27,108 これが分かるか? 1202 01:41:27,108 --> 01:41:47,061 ♬~ 1203 01:41:47,061 --> 01:41:54,068 ♬~ 1204 01:41:54,068 --> 01:41:56,070 ((宇乃)) 1205 01:41:56,070 --> 01:42:10,084 ♬~ 1206 01:42:10,084 --> 01:42:13,087 おじさま 1207 01:42:13,087 --> 01:42:15,087 宇乃でございます 1208 01:42:21,095 --> 01:42:23,097 おじさま! 1209 01:42:23,097 --> 01:42:31,105 (泣き声) 1210 01:42:31,105 --> 01:42:42,116 ♬~ 1211 01:42:42,116 --> 01:42:44,116 1212 01:43:57,224 --> 01:43:58,092 1213 01:43:58,092 --> 01:44:01,095 (小林)皆さん お元気ですか 小林綾子です 1214 01:44:01,095 --> 01:44:07,101 日本には 古くから 神社仏閣に伝わる行事や飾り物 1215 01:44:07,101 --> 01:44:12,106 季節によって味わう旬な食べ物や その土地に伝わる風習など 1216 01:44:12,106 --> 01:44:18,112 幸運を呼び込むために縁起を担ぐ さまざまな物や行いがあります 1217 01:44:18,112 --> 01:44:23,117 皆さんの周りにも きっとある 幸運を呼ぶ縁起物 1218 01:44:23,117 --> 01:44:27,121 この番組では そんな縁起物を ご紹介していきます 1219 01:44:27,121 --> 01:44:30,121 さて 今日の縁起物は? 1220 01:44:42,136 --> 01:44:45,139 突然ですが クイズです 1221 01:44:45,139 --> 01:44:49,143 江戸時代 異国の動物たちが 日本にやって来ました 1222 01:44:49,143 --> 01:44:54,148 そんな中 特に人気となった 2大スターは何でしょうか? 1223 01:44:54,148 --> 01:44:56,150 ひとつは 象 1224 01:44:56,150 --> 01:44:58,150 もうひとつは… 1225 01:45:00,087 --> 01:45:03,090 ちょっと意外でした? 1226 01:45:03,090 --> 01:45:06,093 らくだが 江戸で 見せ物に掛けられると➡ 1227 01:45:06,093 --> 01:45:10,097 大ブームとなり たくさんの人が押し寄せました 1228 01:45:10,097 --> 01:45:15,102 これほど人気になった理由は 物珍しさだけでなく➡ 1229 01:45:15,102 --> 01:45:20,107 らくだには たくさんのご利益が あると信じられていたからです 1230 01:45:20,107 --> 01:45:26,113 ひとつ らくだの絵を貼っておくと 疱瘡・はしか除けになる 1231 01:45:26,113 --> 01:45:31,118 2つ らくだの尿は 救命の霊薬となる 1232 01:45:31,118 --> 01:45:37,124 3つ 雷をも避ける …と すごいご利益ですよね 1233 01:45:37,124 --> 01:45:43,124 今度 動物園に行ったときは 是非 らくだに注目してみましょう 1234 01:45:48,135 --> 01:45:50,137 突然ですが 皆さん 1235 01:45:50,137 --> 01:45:54,141 引っ越しのとき 食べる物といば何でしょうか? 1236 01:45:54,141 --> 01:45:59,080 そう! 引っ越し蕎麦ですよね でも 一体 なんで➡ 1237 01:45:59,080 --> 01:46:03,084 引っ越しのときには お蕎麦なんでしょうか 1238 01:46:03,084 --> 01:46:07,088 江戸時代 中ごろに 江戸を中心に行われていた➡ 1239 01:46:07,088 --> 01:46:09,090 引っ越しの挨拶品として➡ 1240 01:46:09,090 --> 01:46:12,093 蕎麦や 蕎麦切手という商品券を➡ 1241 01:46:12,093 --> 01:46:17,098 向こう三軒両隣に配っていた 風習が始まりといわれています 1242 01:46:17,098 --> 01:46:22,103 由来は 「おそばに越してきた」の シャレからだそうで➡ 1243 01:46:22,103 --> 01:46:27,108 「おそばに末長く」 「細く長くおつきあいを」という➡ 1244 01:46:27,108 --> 01:46:29,110 気持ちが込められているそうです 1245 01:46:29,110 --> 01:46:32,113 また 年越し蕎麦も同様に➡ 1246 01:46:32,113 --> 01:46:35,116 「お蕎麦のように 細く長く過ごせる」 1247 01:46:35,116 --> 01:46:40,121 お蕎麦は切れやすいため 今年の 苦労や不運をきれいに切り捨てて 1248 01:46:40,121 --> 01:46:43,124 新しい年を迎えるため …だそうです 1249 01:46:43,124 --> 01:46:46,127 そばにいるのが 難しいご時世ですが 1250 01:46:46,127 --> 01:46:51,127 お蕎麦で 気持ちを 伝えられたらいいですよね 1251 01:46:57,071 --> 01:47:00,074 最近 よくエコバッグが 使われるようになりましたよね 1252 01:47:00,074 --> 01:47:03,077 皆さんは どんな物をお使いですか 1253 01:47:03,077 --> 01:47:07,081 じゃん! こちらなんてオススメですよ! 1254 01:47:07,081 --> 01:47:11,085 日本の伝統的な エコバッグと言える風呂敷 1255 01:47:11,085 --> 01:47:13,087 「風呂敷」と いわれるようになったのは➡ 1256 01:47:13,087 --> 01:47:17,091 お風呂屋で 自分の服を包むために 用いられていたからだそうで 1257 01:47:17,091 --> 01:47:21,095 その名のとおり お風呂で 使っていたからなんですね 1258 01:47:21,095 --> 01:47:27,101 また 風呂敷の代表的な柄・蔦が 絡み広がっている唐草模様は➡ 1259 01:47:27,101 --> 01:47:30,104 実は 縁起がいい柄なんです 1260 01:47:30,104 --> 01:47:34,108 蔦は 生命力が強く 四方八方 どこまでも伸びるため➡ 1261 01:47:34,108 --> 01:47:39,113 長寿繁栄を象徴する模様として 愛されてきました 1262 01:47:39,113 --> 01:47:42,116 いろいろな結び方ができて とっても便利な風呂敷 1263 01:47:42,116 --> 01:47:46,116 皆さんもエコバッグ代わりに いかがですか 1264 01:47:51,125 --> 01:47:55,129 どこか 民族的な感じがする 木の葉猿 1265 01:47:55,129 --> 01:48:01,068 名前は 木葉という地名から 来ているそうですが… 1266 01:48:01,068 --> 01:48:05,072 言い伝えでは およそ1300年前 1267 01:48:05,072 --> 01:48:08,075 都から逃げ落ちてきた人たちが 神を祀るため➡ 1268 01:48:08,075 --> 01:48:12,079 木葉山の赤土で 祭礼の道具を作り➡ 1269 01:48:12,079 --> 01:48:15,082 余った土を捨てたところ それが猿になり➡ 1270 01:48:15,082 --> 01:48:19,086 「木葉の土で 猿を作れば 幸あらん」と➡ 1271 01:48:19,086 --> 01:48:21,088 お告げを残したそうです 1272 01:48:21,088 --> 01:48:23,090 そこで 人々は➡ 1273 01:48:23,090 --> 01:48:27,094 猿の人形を作って 神さまにお供えしたところ➡ 1274 01:48:27,094 --> 01:48:31,098 災難から逃れ 無事に過ごすことが できたといわれています 1275 01:48:31,098 --> 01:48:37,104 以来 悪病・災難除け 夫婦和合・子孫繁栄の➡ 1276 01:48:37,104 --> 01:48:39,104 守り神と されるようになったそうです 1277 01:48:45,112 --> 01:48:50,112 獅子が刀をくわえ なんとも勇ましい加賀獅子頭 1278 01:48:52,119 --> 01:48:58,058 天正11年 初代藩主・前田利家が 金沢城に入府の際➡ 1279 01:48:58,058 --> 01:49:02,062 お祝いの獅子舞が盛大に 行われたのが ゆえんとなり➡ 1280 01:49:02,062 --> 01:49:06,066 その豪華さは 天下随一となりました 1281 01:49:06,066 --> 01:49:11,071 それから 祭礼などで 各町村が 競って獅子舞を演ずる風習は➡ 1282 01:49:11,071 --> 01:49:14,074 加賀名物の代表といわれています 1283 01:49:14,074 --> 01:49:19,079 その勇ましい姿から 男の子の成長祈願や➡ 1284 01:49:19,079 --> 01:49:26,086 還暦の魔除け・厄払い・立身出世の 象徴として愛されてきました 1285 01:49:26,086 --> 01:49:31,086 刀をくわえた獅子頭 勇ましくて格好いいですよね 1286 01:49:37,097 --> 01:49:43,103 そっと息を吹き込むと 軽やかな音が鳴るビードロ 1287 01:49:43,103 --> 01:49:46,106 ビードロは ガラスの弾力性を利用した➡ 1288 01:49:46,106 --> 01:49:49,109 底の部分が とても薄いガラスのおもちゃで 1289 01:49:49,109 --> 01:49:51,111 息を軽く吹き込むと… 1290 01:49:51,111 --> 01:49:54,114 (ビードロの音) …という音がします 1291 01:49:54,114 --> 01:49:57,051 ちなみに 昔は 子供のおもちゃではなく➡ 1292 01:49:57,051 --> 01:50:02,056 厄落としの意味を込めて お正月に吹かれていたそうです 1293 01:50:02,056 --> 01:50:06,060 おもちゃのビードロ細工は 古くから人気があったそうですが 1294 01:50:06,060 --> 01:50:09,063 ビードロが作ることが できる職人が少なかったため➡ 1295 01:50:09,063 --> 01:50:12,066 貴重品とされていました 1296 01:50:12,066 --> 01:50:15,069 喜多川歌麿が 「ビードロを吹く女」を描くほど➡ 1297 01:50:15,069 --> 01:50:17,071 人気があったみたいですね 1298 01:50:17,071 --> 01:50:19,071 (ビードロの音) 1299 01:50:24,078 --> 01:50:29,083 時代劇などで 出かける際に 登場する火打石 1300 01:50:29,083 --> 01:50:33,087 江戸時代には 欠かせないものだったようですが 1301 01:50:33,087 --> 01:50:39,093 その歴史は古く 『日本書紀』の ヤマトタケルの神話に登場します 1302 01:50:39,093 --> 01:50:43,097 平安時代には まだ庶民の 手には届かない貴重品でしたが➡ 1303 01:50:43,097 --> 01:50:47,101 江戸時代になると 広く庶民にも普及し➡ 1304 01:50:47,101 --> 01:50:52,106 かまどや灯明・煙草などの火に 使われるようになりました 1305 01:50:52,106 --> 01:50:55,109 また 時代劇などで 出かける際に 1306 01:50:55,109 --> 01:50:58,045 「お前さん 気をつけて」 (火打石の音) 1307 01:50:58,045 --> 01:51:01,048 …と 火打石を使用しますよね 1308 01:51:01,048 --> 01:51:04,051 これは 「切り火」といわれ➡ 1309 01:51:04,051 --> 01:51:09,056 厄除け・清め・邪鬼を払う 日本古来の風習です 1310 01:51:09,056 --> 01:51:12,059 『銭形平次』でも登場しますよね 1311 01:51:12,059 --> 01:51:16,063 そもそも火は 古くから 神聖なもの・清浄なものとされ➡ 1312 01:51:16,063 --> 01:51:21,068 邪鬼など悪いものは火を嫌うと 考えられていたそうです 1313 01:51:21,068 --> 01:51:24,071 ここ一番の大事な時や 試験の時など➡ 1314 01:51:24,071 --> 01:51:27,071 切り火で 清めてみてはいかがでしょう? 1315 01:51:33,080 --> 01:51:35,082 掃除には欠かせない ほうき 1316 01:51:35,082 --> 01:51:39,082 しかし 昔は掃除をする道具では なかったそうです 1317 01:51:49,096 --> 01:51:54,101 また ほうきには 「箒神」という神さまが宿るとされ 1318 01:51:54,101 --> 01:51:58,038 妊婦の足もとに逆さまに立てたり おなかをなでると➡ 1319 01:51:58,038 --> 01:52:00,040 安産になるといわれています 1320 01:52:00,040 --> 01:52:02,042 ほうきが掃除道具として➡ 1321 01:52:02,042 --> 01:52:05,045 使われるようになったのは 平安時代 1322 01:52:05,045 --> 01:52:09,049 年神さまを迎えるため 宮中で年末に行われる➡ 1323 01:52:09,049 --> 01:52:13,053 すす払いの道具として 使われるようになりました 1324 01:52:13,053 --> 01:52:18,058 その後 仏教では 修行の 一環としての掃除が広まります 1325 01:52:18,058 --> 01:52:22,062 神社やお寺で ほうきで 掃き掃除をしている姿を見ると➡ 1326 01:52:22,062 --> 01:52:26,066 どこか凛として 清められている感じがするのも➡ 1327 01:52:26,066 --> 01:52:29,066 この歴史があるからでしょうかね 1328 01:52:34,074 --> 01:52:38,078 皆さんは ペット 何か飼ってらっしゃいますか 1329 01:52:38,078 --> 01:52:42,082 江戸時代 犬や猫は もちろん 金魚・鈴虫など➡ 1330 01:52:42,082 --> 01:52:44,084 ちょっとしたブームになった ペットたち 1331 01:52:44,084 --> 01:52:48,088 そのほかに 小鳥も 大変 人気があったそうです 1332 01:52:48,088 --> 01:52:53,093 そのため 小鳥を専門的に売る ペットショップも誕生しました 1333 01:52:53,093 --> 01:52:58,031 愛鳥家たちの間では 小鳥合わせ・鳴き合わせという➡ 1334 01:52:58,031 --> 01:53:03,036 小鳥の鳴き声や姿の美しさを 競い合うイベントが大流行し➡ 1335 01:53:03,036 --> 01:53:05,038 大勢の観客を集めました 1336 01:53:05,038 --> 01:53:10,043 特に 「ホーホケキョ」の鳴き声で おなじみのうぐいすと➡ 1337 01:53:10,043 --> 01:53:14,047 うずらの小鳥合わせは 人気が高かったそうです 1338 01:53:14,047 --> 01:53:18,051 また うずらの鳴き声が 「ゴキッチョー」! 1339 01:53:18,051 --> 01:53:21,054 「ご吉兆」と聞こえることから➡ 1340 01:53:21,054 --> 01:53:26,059 戦国時代の武将たちが 出陣前に 験担ぎに使うなど➡ 1341 01:53:26,059 --> 01:53:29,059 縁起のよい鳥として 珍重されてきました 1342 01:53:31,064 --> 01:53:33,066 いかがでしたでしょうか 1343 01:53:33,066 --> 01:53:37,070 まだまだ 私たちの知らないものや 意外なものにも➡ 1344 01:53:37,070 --> 01:53:41,074 さまざまな縁起担ぎの意味が 込められているようですね 1345 01:53:41,074 --> 01:53:44,077 身近にある そんな縁起物 1346 01:53:44,077 --> 01:53:47,080 皆さんも お店や神社で探してみたり 1347 01:53:47,080 --> 01:53:51,084 幸せを呼び込んでみては いかがでしょうか 1348 01:53:51,084 --> 01:53:55,084 それでは またお会いしましょう 小林綾子でした