1 00:01:57,197 --> 00:01:59,197 2 00:02:11,078 --> 00:02:21,088 ・ 風さそう 3 00:02:21,088 --> 00:02:33,100 ・ 花よりもなお 4 00:02:33,100 --> 00:02:48,115 ・ 我はまた 5 00:02:48,115 --> 00:03:01,061 ・ 春の名残を 6 00:03:01,061 --> 00:03:17,077 ・ いかにとかせん 7 00:03:17,077 --> 00:03:29,089 ・ 風さそう 8 00:03:29,089 --> 00:03:43,103 ・ 花よりもなお 9 00:03:43,103 --> 00:03:58,052 ・ 我はまた 10 00:03:58,052 --> 00:04:11,065 ・ 春の名残を 11 00:04:11,065 --> 00:04:24,078 ・ いかにとかせん 12 00:04:24,078 --> 00:04:44,098 ・~ 13 00:04:44,098 --> 00:05:04,051 ・~ 14 00:05:04,051 --> 00:05:17,064 ・~ 15 00:05:17,064 --> 00:05:30,064 ・~ 16 00:05:36,083 --> 00:05:56,103 ・~ 17 00:05:56,103 --> 00:06:07,047 ・~ 18 00:06:07,047 --> 00:06:12,052 (荒賀) 静かに! 静かにしろ 静まれ! 19 00:06:12,052 --> 00:06:15,055 静かに 静かに! 20 00:06:15,055 --> 00:06:20,060 (荒賀)もうすぐ お出ましになる 皆々 無礼があってはならんぞ 21 00:06:20,060 --> 00:06:36,076 ・~ 22 00:06:36,076 --> 00:06:40,080 (半兵衛)どうぞ ご無事でお役目を 23 00:06:40,080 --> 00:06:45,085 (お時) お帰りをお待ち申しておりまする 24 00:06:45,085 --> 00:07:00,033 ・~ 25 00:07:00,033 --> 00:07:14,047 ・~ 26 00:07:14,047 --> 00:07:18,051 (お時) あ~あ… やっぱり気が張るね 27 00:07:18,051 --> 00:07:20,053 お公家さんたちが お泊まりになると 28 00:07:20,053 --> 00:07:23,056 (半兵衛)気が張るばかりで ご祝儀も出ないんだから 29 00:07:23,056 --> 00:07:26,059 やりきれないよ (お時)ご祝儀が出なくとも・ 30 00:07:26,059 --> 00:07:29,062 天子さまのお使いだから しかたがないじゃありませんか 31 00:07:29,062 --> 00:07:32,065 それが本陣の つらいとこだよ 32 00:07:32,065 --> 00:07:34,067 お前さん (半兵衛)えっ? 33 00:07:34,067 --> 00:07:36,069 なにも そう 袴に当たることはないでしょう 34 00:07:36,069 --> 00:07:38,071 脱いだら 畳んどいてくださいよ 35 00:07:38,071 --> 00:07:40,073 はいはい 自分でやりますよ 36 00:07:40,073 --> 00:07:43,076 まったく 養子は つらいよ (お時)何だって? 37 00:07:43,076 --> 00:07:45,078 いえいえ こっちの話 38 00:07:45,078 --> 00:07:49,082 本陣の主人でも 養子は養子なんだからね 39 00:07:49,082 --> 00:07:52,085 養子のくせに 女房に 子供も産ませられないような・ 40 00:07:52,085 --> 00:07:54,087 意気地なしじゃ しょうがない まったく… 41 00:07:54,087 --> 00:07:57,024 何ぶつぶつ言ってるんだね (半兵衛)えっ? 42 00:07:57,024 --> 00:08:00,027 宿屋へ養子に来たおかげでね 43 00:08:00,027 --> 00:08:03,030 いろいろと立派な方には 口は利いてもらえるし 44 00:08:03,030 --> 00:08:09,036 世の中の出来事は分かるし ものは考えようだよ 45 00:08:09,036 --> 00:08:11,038 (利七)あっ 旦那さん 46 00:08:11,038 --> 00:08:13,040 お公家さまの入った風呂の湯を 分けてくれと言って 47 00:08:13,040 --> 00:08:15,042 近所の者が大勢 やって来ましたが 48 00:08:15,042 --> 00:08:18,045 何だい? 飲むのかい? (お時)違いますよ 49 00:08:18,045 --> 00:08:21,048 そのお湯で体を洗うと 病気に かからないって・ 50 00:08:21,048 --> 00:08:23,050 おまじないなんですよ (半兵衛)ふ~ん… 51 00:08:23,050 --> 00:08:25,052 早く分けておあげ (利七)あっ はい 52 00:08:25,052 --> 00:08:29,056 それから 私に按摩さんをね もう 肩こって 肩こって… 53 00:08:29,056 --> 00:08:32,059 (半兵衛)世間じゃね 神さまのようなお公家さまだが 54 00:08:32,059 --> 00:08:38,065 内幕は フフッ… なあ? お時 (お時)よっぽど ないんだねえ 55 00:08:38,065 --> 00:08:41,068 ねえ お前さん (半兵衛)うん? 56 00:08:41,068 --> 00:08:45,072 お小遣い お貸ししたの? (半兵衛)これ ご覧よ 57 00:08:45,072 --> 00:08:48,075 何ですよ? これ 58 00:08:48,075 --> 00:08:52,079 (半兵衛) お小遣いを貸したお礼だってさ 59 00:08:52,079 --> 00:08:56,083 (2人)フン… 下手くそ 60 00:08:56,083 --> 00:09:11,031 ・~ 61 00:09:11,031 --> 00:09:14,031 (役人)下がれ! 下がれ! 62 00:09:18,038 --> 00:09:23,043 (男性)公方さまの お犬さまだ (男性)お犬さまの お通りだ 63 00:09:23,043 --> 00:09:33,053 ・~ 64 00:09:33,053 --> 00:09:37,057 (吉良)上さまの お覚えめでたき出羽守さまに・ 65 00:09:37,057 --> 00:09:41,061 え~… かようなる物をと思いましたが 66 00:09:41,061 --> 00:09:46,066 柄は小さくとも 南蛮渡来の 珍しき品にござりまするゆえ… 67 00:09:46,066 --> 00:09:48,068 (吉保)いやいや こうしていると・ 68 00:09:48,068 --> 00:09:53,073 天下が この柳沢吉保の 手に入ったような心地だ 69 00:09:53,073 --> 00:09:56,076 (吉良)御意に かないまして 70 00:09:56,076 --> 00:09:59,012 この吉良上野介も うれしゅうござりまする 71 00:09:59,012 --> 00:10:04,017 (吉保)うむ… ところで ご勅使も 近々 江戸にお入りになりますぞ 72 00:10:04,017 --> 00:10:09,022 (吉良)はっ! お迎えの用意万端 もう整うておりまする 73 00:10:09,022 --> 00:10:11,024 (吉保) ご高家 吉良どのが いられるので 74 00:10:11,024 --> 00:10:16,029 諸事 誠に心丈夫だが (吉良)いや あ~… 75 00:10:16,029 --> 00:10:24,037 ご勅使饗応役の浅野 伊達家から こちらへ ご挨拶がありましたか? 76 00:10:24,037 --> 00:10:31,044 (吉保)おお 伊達からは巻き絹2本 浅野からは鰹節であったかのぅ 77 00:10:31,044 --> 00:10:37,050 (吉良)なに? 饗応の本役である浅野が鰹節とは 78 00:10:37,050 --> 00:10:43,056 しかし 饗応役の作法礼儀の一切を 教える吉良どのには それ相当の… 79 00:10:43,056 --> 00:10:49,062 いやいや 内匠頭からは まだ何の挨拶もありません 80 00:10:49,062 --> 00:10:51,064 ほう… それは解せぬな 81 00:10:51,064 --> 00:10:56,069 (吉良)小身の大名が このようなお役目を受けますのは 82 00:10:56,069 --> 00:11:00,006 出世の皮切りと思いますが (吉保)そのとおり 83 00:11:00,006 --> 00:11:05,011 我らが その役に就かせるのは その大名の実力を認めるからだ 84 00:11:05,011 --> 00:11:09,015 殊に 浅野などは 表高5万3000石だが 85 00:11:09,015 --> 00:11:11,017 近ごろ しきりと新田をこしらえ 86 00:11:11,017 --> 00:11:14,020 塩田を広げて ぐんと裕福になったと聞いておる 87 00:11:14,020 --> 00:11:17,023 (吉良)それそれ その塩田は ばかになりません 88 00:11:17,023 --> 00:11:21,027 おお 吉良どのも 塩を作り始めたそうだな 89 00:11:21,027 --> 00:11:23,029 いやぁ 我が領地の塩などは・ 90 00:11:23,029 --> 00:11:27,033 浅野に比ぶれば ものの数ではありませぬ 91 00:11:27,033 --> 00:11:30,036 そこで 先年 赤穂に使者を走らせて 92 00:11:30,036 --> 00:11:35,041 慇懃に礼を尽くし 教えを請うたところ 93 00:11:35,041 --> 00:11:38,044 けんもほろろの返事 (吉保)浅野がか? 94 00:11:38,044 --> 00:11:41,047 「塩の作り方は 先君よりの秘法につき・ 95 00:11:41,047 --> 00:11:47,053 たとえ高家ご筆頭たりといえども 申し上げることは かなわぬ」と 96 00:11:47,053 --> 00:11:51,057 こちらは 相当に 礼を尽くしたにもかかわらず… 97 00:11:51,057 --> 00:11:55,061 (吉保)この度は 向こうが 礼を尽くして 教えを請う立場だ 98 00:11:55,061 --> 00:11:58,064 うんと仇を取るのだな 99 00:11:58,064 --> 00:12:01,067 (吉良)塩の秘法は断れましょうが 100 00:12:01,067 --> 00:12:06,072 この上野介は 饗応指南のお役目 こりゃ断るわけにはいきません 101 00:12:06,072 --> 00:12:08,074 いや 教え方にも いろいろある 102 00:12:08,074 --> 00:12:13,074 骨身に こたえるよう しっかりと教えてやるのだな 103 00:12:18,084 --> 00:12:21,087 (近習) ご登城のお時刻にござります 104 00:12:21,087 --> 00:12:25,091 よし… (吉良)今ごろ ご登城とは? 105 00:12:25,091 --> 00:12:28,094 実はな… 106 00:12:28,094 --> 00:12:32,098 上さまをお迎えにまいる (吉良)上さま? 107 00:12:32,098 --> 00:12:38,104 将軍家でも この吉保の屋敷に お忍びで まいられる 時々な 108 00:12:38,104 --> 00:12:42,108 ただし お目当てがあって… (吉良)お目当て? 109 00:12:42,108 --> 00:12:48,108 ハハッ… 目の保養をなさるがよいわ 110 00:13:13,073 --> 00:13:15,075 (犬のほえる声) 111 00:13:15,075 --> 00:13:17,077 ウワッ! 112 00:13:17,077 --> 00:13:19,079 ・(ほえる声) 113 00:13:19,079 --> 00:13:24,084 誠に結構なる眺めで… 114 00:13:24,084 --> 00:13:37,097 ・~ 115 00:13:37,097 --> 00:13:50,110 ・~ 116 00:13:50,110 --> 00:13:54,114 (綱吉)出羽守 待たせたな (吉保)ははっ! 117 00:13:54,114 --> 00:13:58,114 (綱吉)すぐ出かける 楽しいぞ 118 00:14:04,057 --> 00:14:10,063 上さまは 殊のほか 学問にご執心であるが 119 00:14:10,063 --> 00:14:13,066 女子にかけても同じだ 120 00:14:13,066 --> 00:14:19,072 自分で欲しいと思うものは 何でも 欲深く手に入れようとなされる 121 00:14:19,072 --> 00:14:26,079 大小の違いはあれど わしと同じだ ハハハハッ… 122 00:14:26,079 --> 00:14:33,086 金でも色でも 欲というものが なくなっては人間の値打ちがない 123 00:14:33,086 --> 00:14:37,090 欲が深いのは 生きている証拠だと考えて 124 00:14:37,090 --> 00:14:42,095 わしは ますます 長生きをしてみせるつもりだ 125 00:14:42,095 --> 00:14:46,099 柳沢出羽守などは・ 126 00:14:46,099 --> 00:14:52,105 ひそかに奥方を 上さまに ささげたこともあるのだ 127 00:14:52,105 --> 00:14:56,109 奥方も それを承知された 128 00:14:56,109 --> 00:15:01,047 それで 御側用人の出羽どのは・ 129 00:15:01,047 --> 00:15:10,056 今は 思うこと ならざるはなき大老格の立身だ 130 00:15:10,056 --> 00:15:14,056 富 わしの話 聞きたくないのか? 131 00:15:19,065 --> 00:15:22,068 (富子) どうぞ 欲深う長生きなさいませ 132 00:15:22,068 --> 00:15:24,070 (吉良)なに? 133 00:15:24,070 --> 00:15:29,075 (富子)せがれ綱憲は 上杉30万石の養子 弾正大弼 134 00:15:29,075 --> 00:15:34,080 当家は江戸城典礼の 一切をつかさどる高家筆頭 135 00:15:34,080 --> 00:15:40,086 なお 出羽守さまとは ご縁続きの間柄でございます 136 00:15:40,086 --> 00:15:44,090 それにご不満とならば 勝手ご自由に 137 00:15:44,090 --> 00:15:48,094 わしが それぐらいで 満足してると思うのか? 138 00:15:48,094 --> 00:15:51,097 欲深く生きるのは これからだ 139 00:15:51,097 --> 00:15:56,102 ・(多仲)申し上げます (吉良)多仲か 140 00:15:56,102 --> 00:16:00,039 (多仲)先ほど 伊達家から ご挨拶の者がまいりまして 141 00:16:00,039 --> 00:16:02,041 (吉良)うむ… また来たか 142 00:16:02,041 --> 00:16:05,044 (多仲)はい それから 続いて 浅野家からも 143 00:16:05,044 --> 00:16:07,046 そうか 144 00:16:07,046 --> 00:16:11,046 どんな物を持ってきたのだ? ど… どこにあるのだ? 145 00:16:30,069 --> 00:16:37,076 勅使饗応の 本役である浅野内匠頭の挨拶が・ 146 00:16:37,076 --> 00:16:40,076 この粗末な巻き絹1台か 147 00:16:44,083 --> 00:16:49,088 多仲 伊達左京亮は添え役だぞ 148 00:16:49,088 --> 00:16:54,093 その添え役の伊達ですら 見事な加賀絹に… 149 00:16:54,093 --> 00:16:58,031 (多仲) 一分判の黄金100枚入りが2箱 150 00:16:58,031 --> 00:17:01,034 それに 狩野探幽の軸を1対 151 00:17:01,034 --> 00:17:06,039 浅野は わしを馬鹿にしとるのだ! そうとしか考えられぬわ 152 00:17:06,039 --> 00:17:08,041 (多仲)まったく そのようで 153 00:17:08,041 --> 00:17:14,047 多仲 先年 赤穂へ塩の作り方を 聞きに行ったときは… 154 00:17:14,047 --> 00:17:18,051 (多仲)礼を尽くして 南蛮渡来の陶器の花瓶1対 155 00:17:18,051 --> 00:17:20,053 それに 黄金200枚 156 00:17:20,053 --> 00:17:24,057 それを浅野は突き返しおった 157 00:17:24,057 --> 00:17:29,057 今また 饗応の指南を受くる挨拶に… 158 00:17:31,064 --> 00:17:34,067 たった巻き絹1台か! 159 00:17:34,067 --> 00:17:36,069 (片岡)ご家老! 160 00:17:36,069 --> 00:17:39,072 (安井) 何だ? 源吾右衛門 慌ただしゅう 161 00:17:39,072 --> 00:17:42,075 (片岡) ただいま 聞いてまいったので ござりまするが 162 00:17:42,075 --> 00:17:46,079 吉良さまへのお届け物が 伊達家と相当の違いがあるようで 163 00:17:46,079 --> 00:17:49,082 うむ… 聞いた (片岡)ご家老 なんとか… 164 00:17:49,082 --> 00:17:53,086 (安井)そのことについて 藤井どのが殿さまの所へ 165 00:17:53,086 --> 00:17:59,025 ・♪(琴の演奏) 166 00:17:59,025 --> 00:18:02,028 (藤井)殿! しばらくお待ちを 167 00:18:02,028 --> 00:18:05,031 くどいようではございますが 伊達家では… 168 00:18:05,031 --> 00:18:08,034 (浅野) 伊達家は伊達家 当家は当家だ 169 00:18:08,034 --> 00:18:11,037 しかしながら… (浅野)余は賄は嫌いだ 大嫌いだ 170 00:18:11,037 --> 00:18:13,039 (藤井)殿… 171 00:18:13,039 --> 00:18:17,043 それが天下のご政道を乱す基だ そうは思わぬか? (藤井)はっ… 172 00:18:17,043 --> 00:18:21,047 勅使饗応の作法礼儀について 教えを受けるかぎり 173 00:18:21,047 --> 00:18:23,049 この内匠頭 吉良どのを尊き師として あがめ 174 00:18:23,049 --> 00:18:27,053 礼を失することは 決して ないつもりだ 175 00:18:27,053 --> 00:18:31,057 そちたちの心遣いは かたじけないが 176 00:18:31,057 --> 00:18:34,060 俺の正しさも通させてくれ 177 00:18:34,060 --> 00:18:40,066 ・♪~ 178 00:18:40,066 --> 00:19:00,019 ♪~ 179 00:19:00,019 --> 00:19:20,039 ♪~ 180 00:19:20,039 --> 00:19:34,053 ♪~ 181 00:19:34,053 --> 00:19:47,066 ♪~ 182 00:19:47,066 --> 00:19:49,068 (あぐり)あら… 183 00:19:49,068 --> 00:19:51,070 (あぐり)いつの間に… 184 00:19:51,070 --> 00:19:54,073 (戸田局)先刻より ここに (浅野)ハハッ… 185 00:19:54,073 --> 00:20:00,013 あぐりは気がつくと すぐ やめてしまうからな 許せ 186 00:20:00,013 --> 00:20:08,021 ・~ 187 00:20:08,021 --> 00:20:13,026 (浅野)あぐり いよいよ 明日から 伝奏屋敷へ移るぞ 188 00:20:13,026 --> 00:20:18,031 では お役目が済むまでは… (浅野)うむ… 189 00:20:18,031 --> 00:20:24,031 饗応役は夜も詰めていて お勅使の お話相手をいたさねばならぬ 190 00:20:26,039 --> 00:20:31,039 それが お役目のうえの御諚なれば 何ともならぬぞ 191 00:20:33,046 --> 00:20:36,049 しばらくの別れだな 192 00:20:36,049 --> 00:20:44,057 ・~ 193 00:20:44,057 --> 00:20:49,062 こうして 2人でいられるのも… (あぐり)そのような寂しいことを 194 00:20:49,062 --> 00:20:52,065 あぐり わしのお役目中 195 00:20:52,065 --> 00:20:55,068 毎日 この時刻になったら 琴を弾いてくれ 196 00:20:55,068 --> 00:21:00,006 そのつもりでおれば どこにいても 必ず この耳に聞こえてこよう 197 00:21:00,006 --> 00:21:05,011 はい お役目が つつがなく済みますよう 198 00:21:05,011 --> 00:21:09,015 心を込めて弾きまする (浅野)うむ… 199 00:21:09,015 --> 00:21:13,019 国もとの 内蔵助からの書状が届いた 200 00:21:13,019 --> 00:21:17,023 内蔵助も この度のこと 心にかけているようだ 201 00:21:17,023 --> 00:21:22,028 この書状を胸に抱き そなたの琴の音を頭に浮かべ 202 00:21:22,028 --> 00:21:26,032 立派に お役目を果たすつもりだ 203 00:21:26,032 --> 00:21:31,032 ・~ 204 00:21:36,042 --> 00:21:42,048 (吉良)な… なに? 内匠頭どのが持病の腹痛じゃと? 205 00:21:42,048 --> 00:21:48,054 この上野介が下検分にまいるのは 前もって知らせておいたはずだが 206 00:21:48,054 --> 00:21:52,058 (藤井)はい しかし 急に… (吉良)急に どうした? 207 00:21:52,058 --> 00:21:55,061 わしの顔が見とうないので 急に腹痛か? 208 00:21:55,061 --> 00:22:00,066 と… とんでもない! (吉良)それで お役が務まるかな 209 00:22:00,066 --> 00:22:02,068 もう大事ない 210 00:22:02,068 --> 00:22:05,071 (片岡)御台さまからのお薬が 効いたのでございましょう 211 00:22:05,071 --> 00:22:10,076 うむ… 吉良どのには ただいま参上と伝えてくれ 212 00:22:10,076 --> 00:22:12,076 (片岡)はっ! 213 00:22:16,082 --> 00:22:18,084 内匠頭どの 214 00:22:18,084 --> 00:22:25,091 大切なるお役目 何事があろうとも 他人に代わることはなりませんぞ 215 00:22:25,091 --> 00:22:28,094 そのこと ご承知か? 216 00:22:28,094 --> 00:22:33,099 今日のことは 何ぶんにも 急に持病が… 217 00:22:33,099 --> 00:22:36,102 身の不覚と なぜ おっしゃらぬか 218 00:22:36,102 --> 00:22:41,107 大切なるお役目を持ちながら 持病を起こすは不覚の至りじゃ 219 00:22:41,107 --> 00:22:46,112 (吉良)油断でござるぞ (浅野)面目次第も… 220 00:22:46,112 --> 00:22:54,120 まあ それは公式の場合のこと 今日は下検分の非公式じゃ 221 00:22:54,120 --> 00:22:59,058 まあ 十分に養生せられよ 222 00:22:59,058 --> 00:23:04,063 はっ… もはや 大丈夫にござります 223 00:23:04,063 --> 00:23:12,071 お美しい奥方からのお薬が 届いたからかな? ハハハッ… 224 00:23:12,071 --> 00:23:17,071 では ご案内願うとしよう 225 00:23:47,106 --> 00:23:52,106 (吉良) いや 全て行き届いておりますな 226 00:23:54,113 --> 00:23:57,049 ほう… 227 00:23:57,049 --> 00:24:02,054 うむ… 友松のお屏風とは贅沢なものじゃ 228 00:24:02,054 --> 00:24:06,058 さすがは 播州赤穂のご名家だけあります 229 00:24:06,058 --> 00:24:10,062 なるほど うむ… 230 00:24:10,062 --> 00:24:16,068 師匠番たる上野も 文句のつけようがありません 231 00:24:16,068 --> 00:24:19,071 お褒めにあずかり 恐縮に存じます 232 00:24:19,071 --> 00:24:23,075 なお こののちとも至りませぬ所 233 00:24:23,075 --> 00:24:26,078 よろしく お引き回しくださりますよう 234 00:24:26,078 --> 00:24:33,078 うむ… そう申されるなら いささか存じよりを申し上げよう 235 00:24:35,087 --> 00:24:40,092 はっ… 何とぞ ご教示のほどを 236 00:24:40,092 --> 00:24:49,101 あ~ 元来 こういうお役目は ご進物が第一でござってな 237 00:24:49,101 --> 00:24:54,106 ご饗応役とは すなわち ご進物役 238 00:24:54,106 --> 00:24:57,043 お分かりかな? 239 00:24:57,043 --> 00:25:03,049 お分かりなら ご返事なさるがよい (浅野)はい… 240 00:25:03,049 --> 00:25:08,054 まあ 何かと お掛かり合いのできる向きは・ 241 00:25:08,054 --> 00:25:14,060 全て奮発して振る舞われることが 何より肝心 242 00:25:14,060 --> 00:25:22,068 さすれば ご評判も高うなり 人気も上がり お役目の首尾も上々 243 00:25:22,068 --> 00:25:27,073 まあ 饗応役とは そうした物入りなものだが 244 00:25:27,073 --> 00:25:32,078 無事 役目を果たせば 出世の糸口でもござる 245 00:25:32,078 --> 00:25:35,081 まあ うんと奮発すれば・ 246 00:25:35,081 --> 00:25:40,086 それだけの効き目は あるというわけ 247 00:25:40,086 --> 00:25:42,086 お分かりかな? 248 00:25:55,101 --> 00:26:00,039 (吉良)内匠頭どの! これは何でござる? これは 249 00:26:00,039 --> 00:26:05,044 仮にも お勅使をお迎えする 大切なるお部屋の畳が古畳とは 250 00:26:05,044 --> 00:26:09,048 かようなことで お役目が相務まるとお思いか・ 251 00:26:09,048 --> 00:26:11,050 (浅野)はっ… それは… (吉良)わしは 先般・ 252 00:26:11,050 --> 00:26:16,055 諸事万端に心を遣い 滞りなくと申し上げたはず 253 00:26:16,055 --> 00:26:20,059 畳が古い! 駄目だ これでは駄目だ! 254 00:26:20,059 --> 00:26:22,061 (浅野)しかしながら… 255 00:26:22,061 --> 00:26:26,065 先日 お伺いいたしましたとき 畳替えは不要だと 256 00:26:26,065 --> 00:26:29,068 わしが そう言ったと? (浅野)はい 257 00:26:29,068 --> 00:26:32,071 冗談ではない (浅野)いえ 確かに… 258 00:26:32,071 --> 00:26:34,073 老人の言い違いだと言われるのか 259 00:26:34,073 --> 00:26:38,077 かような大事なことを 上野介が言い違うはずはない 260 00:26:38,077 --> 00:26:42,081 早々 畳替えなされい! 261 00:26:42,081 --> 00:26:44,083 (吉良)しかし… 262 00:26:44,083 --> 00:26:51,090 500畳の畳替えは 今からでは無理だな 263 00:26:51,090 --> 00:26:54,093 まあ 浅野家は裕福と聞くから 264 00:26:54,093 --> 00:26:58,030 金を使えば 間に合わぬこともなかろう 265 00:26:58,030 --> 00:27:03,035 …が そのような無駄金を使わずとも・ 266 00:27:03,035 --> 00:27:08,040 済む方法がないでもない 267 00:27:08,040 --> 00:27:13,045 金は生かして使うもの 268 00:27:13,045 --> 00:27:15,045 お分かりか? 269 00:27:18,050 --> 00:27:21,050 ともかく これでは駄目だ 270 00:27:25,057 --> 00:27:34,066 ・~ 271 00:27:34,066 --> 00:27:37,069 (藤井)殿… 吉良さま お言葉の様子では・ 272 00:27:37,069 --> 00:27:39,071 金品のご進物をすれば・ 273 00:27:39,071 --> 00:27:43,075 畳替えは大目に見ようとのごとく 察しられますが 274 00:27:43,075 --> 00:27:48,080 彦右衛門 そのほうは 『建武式目』の中にある・ 275 00:27:48,080 --> 00:27:51,083 「固く賄を禁止あるべきこと」と いう教えを忘れたのか? 276 00:27:51,083 --> 00:27:54,086 山鹿素行先生も この教えを引いて 277 00:27:54,086 --> 00:27:59,024 1日も早く 政道の 腐敗を正すよう説き続けられた 278 00:27:59,024 --> 00:28:01,026 吉良どのに 物を贈るは易きことだが 279 00:28:01,026 --> 00:28:03,028 それでは内匠頭の一分が相立たぬ 280 00:28:03,028 --> 00:28:06,031 はっ… しかしながら この急場に 281 00:28:06,031 --> 00:28:12,037 一刻者の主人を持ったと諦めて 余の面目を立てさせよ 282 00:28:12,037 --> 00:28:14,039 ははっ! 283 00:28:14,039 --> 00:28:17,042 (片岡)殿! 畳替えのお役目 284 00:28:17,042 --> 00:28:20,045 この源吾右衛門に 仰せつけくださりませ 285 00:28:20,045 --> 00:28:23,048 (浅野)源吾 できるであろうか 286 00:28:23,048 --> 00:28:25,050 お家の面目に関わる大事なれば 287 00:28:25,050 --> 00:28:30,055 (安井)源吾 気安う言うが 明朝までに500枚の畳をどうする? 288 00:28:30,055 --> 00:28:35,060 江戸中の畳刺しを ことごとく集めましても 必ず 289 00:28:35,060 --> 00:28:38,060 (浅野)源吾 かたじけない 290 00:28:45,070 --> 00:28:48,073 ・(戸の開く音) ・(武林)許せ! 291 00:28:48,073 --> 00:28:51,076 (武林)播州赤穂 浅野家の家来 武林唯七と申す者だが 292 00:28:51,076 --> 00:28:53,076 ここは畳屋だな? 293 00:28:55,080 --> 00:28:58,017 違うのか? では 御免 294 00:28:58,017 --> 00:29:04,023 (政吉)畳屋ですよ 旦那 (武林)畳屋か 慌てるな 295 00:29:04,023 --> 00:29:07,026 (武林) い… 嫌だと申せば 許さんぞ 296 00:29:07,026 --> 00:29:09,028 旦那 まだ何も伺っちゃいませんよ 297 00:29:09,028 --> 00:29:12,031 あっ そうか… 慌てるではないぞ 298 00:29:12,031 --> 00:29:16,035 実は 武林唯七… 299 00:29:16,035 --> 00:29:18,037 一生を懸けての願いがあって まいったのだ 300 00:29:18,037 --> 00:29:21,040 (安蔵)へい お話は分かりましたが 301 00:29:21,040 --> 00:29:25,044 今 急に職人たちを回せと おっしゃいましても… 302 00:29:25,044 --> 00:29:28,047 (大高)しかし 大高源吾も子供の使いではない 303 00:29:28,047 --> 00:29:30,049 できることなら 頭を下げて頼みは せぬ 304 00:29:30,049 --> 00:29:33,052 ええ… そんなこと言われたって 旦那 305 00:29:33,052 --> 00:29:36,055 こちとらは何も知らねえことで 306 00:29:36,055 --> 00:29:41,060 そうか… では しかたがない 307 00:29:41,060 --> 00:29:45,060 (安蔵)えっ… もし 旦那 何をなさるんで? 308 00:29:47,066 --> 00:29:52,071 えっ・ な… 何をなさるんで? 旦那 309 00:29:52,071 --> 00:29:54,073 ここで腹を切る 310 00:29:54,073 --> 00:29:57,009 えっ? ここで腹を… 冗談じゃないよ 311 00:29:57,009 --> 00:30:00,012 では 承知してくれるか? 312 00:30:00,012 --> 00:30:04,016 う~ん… どうも ひでえよ 旦那 313 00:30:04,016 --> 00:30:07,019 お家の一大事 このとおりだ 314 00:30:07,019 --> 00:30:23,035 ・~ 315 00:30:23,035 --> 00:30:40,052 ・~ 316 00:30:40,052 --> 00:30:43,055 これでは 到底 間に合いそうにないな 317 00:30:43,055 --> 00:30:46,058 (武林)遅いな… まったく遅い 318 00:30:46,058 --> 00:30:50,062 もっと こう… こういうふうに 早くはできんのか? 319 00:30:50,062 --> 00:30:54,066 堀部は どうした? 堀部安兵衛は (大高)蔵前辺に・ 320 00:30:54,066 --> 00:30:57,002 大勢 職人を使っておる親方を 思い出して飛んでいきました 321 00:30:57,002 --> 00:30:59,004 蔵前なら 音吉っつぁんでしょう 322 00:30:59,004 --> 00:31:02,007 大酒飲みの (片岡)大酒飲み? 323 00:31:02,007 --> 00:31:07,007 大酒飲みの畳屋を 飲兵衛の安が 迎えに行ったのでは… 324 00:31:13,018 --> 00:31:16,021 (音吉)おい ねえさん もう1本 325 00:31:16,021 --> 00:31:19,024 (吹き消す音) (お玉)はい おかわり1升~! 326 00:31:19,024 --> 00:31:21,026 ・(店主)へい! 327 00:31:21,026 --> 00:31:23,028 (音吉)お前の声は 景気がよくて いいじゃねえか 328 00:31:23,028 --> 00:31:26,031 その上 1合を1升と言われちゃ たまらねえや 329 00:31:26,031 --> 00:31:29,034 酒飲みの気持ちを 心得てるよ お前は 330 00:31:29,034 --> 00:31:31,036 ねえ お隣の旦那 331 00:31:31,036 --> 00:31:34,039 そうじゃありませんか? ええ? (俵星)なかなか いけそうだな 332 00:31:34,039 --> 00:31:38,043 なかなかなんてなもんじゃねえよ 底の抜けた樽みてえなもんだ 333 00:31:38,043 --> 00:31:40,045 入れても入れても きりがねえってやつでね 334 00:31:40,045 --> 00:31:43,048 そいつは話せる (音吉)旦那は どうなんです? 335 00:31:43,048 --> 00:31:46,051 (俵星)俺は 酒の飲み比べで負けたことがない 336 00:31:46,051 --> 00:31:49,054 だから 酒代を払うことは少ない 337 00:31:49,054 --> 00:31:51,056 面白え いっちょう いきましょう ええ? 338 00:31:51,056 --> 00:31:55,060 そう聞いちゃ 今夜は酒代を払わせなきゃね 339 00:31:55,060 --> 00:31:57,062 (俵星)そうか… 340 00:31:57,062 --> 00:32:00,065 では ごちそうになろうかな (音吉)何言って… 341 00:32:00,065 --> 00:32:05,070 おい 一升樽 出してくれ ・(店主)へい! 342 00:32:05,070 --> 00:32:07,072 (安兵衛)おう 音吉 343 00:32:07,072 --> 00:32:10,075 随分 捜したぞ (音吉)おお 堀部さん 344 00:32:10,075 --> 00:32:13,078 いいとこへ来た 今これからね 酒の飲み比べやるんだよ 345 00:32:13,078 --> 00:32:15,080 それどころではない お前に 頼みたいことがあって来たのだ 346 00:32:15,080 --> 00:32:18,083 ひと肌 脱いでもらいたい (音吉)ああ 江戸っ子だ 347 00:32:18,083 --> 00:32:21,086 ひと肌でも ふた肌でも脱ぐけど 飲み比べは やらなきゃならねえ 348 00:32:21,086 --> 00:32:25,090 そのようなことは どうでもよい さあ 俺と一緒に来てくれ 349 00:32:25,090 --> 00:32:27,090 それは ならんぞ 350 00:32:30,095 --> 00:32:34,099 これから 酒戦を戦わし 大いに 意気投合しようとするやさき 351 00:32:34,099 --> 00:32:37,102 酒戦の相手を 断りもなく 連れ去るとは承知がならん! 352 00:32:37,102 --> 00:32:41,106 いや これは失礼つかまつった しかし… 353 00:32:41,106 --> 00:32:43,108 名を名乗れ! 354 00:32:43,108 --> 00:32:47,112 拙者は伊予松山の浪人 俵星玄蕃 355 00:32:47,112 --> 00:32:52,117 宝蔵院流の槍を指南する者 返答によっては… 356 00:32:52,117 --> 00:33:00,058 ・~ 357 00:33:00,058 --> 00:33:04,062 (片岡)明け方までには 大丈夫であろうな? 358 00:33:04,062 --> 00:33:10,068 (音吉)任せといておくんなさい 畳のことは畳屋にね 359 00:33:10,068 --> 00:33:12,070 (大高)しかし 心配だな 360 00:33:12,070 --> 00:33:19,077 心配なのは堀部さんだよ 相手は相当 強そうな代物だった 361 00:33:19,077 --> 00:33:28,086 ・~ 362 00:33:28,086 --> 00:33:30,088 ・(鐘の音) 363 00:33:30,088 --> 00:33:34,092 (安兵衛)ああ もう夜明けだな 364 00:33:34,092 --> 00:33:39,097 (俵星)さあ もう1軒 勝負をつけなければ気が済まん 365 00:33:39,097 --> 00:33:44,102 今宵は俺の勝ちに決まっている いくら飲んでも酔わぬ 366 00:33:44,102 --> 00:33:48,106 酔えない訳があるのだな? 酔えない何かが 367 00:33:48,106 --> 00:33:50,108 (安兵衛)そうらしい 368 00:33:50,108 --> 00:33:54,112 (俵星) フン… 主人持ちは つらいのぅ 369 00:33:54,112 --> 00:33:58,112 (俵星)いいから 畳のことは畳屋に任せとけ さあ 370 00:34:01,053 --> 00:34:04,056 (職人)さあ できた! (職人)こっちもできた! 371 00:34:04,056 --> 00:34:06,058 さあ できた! 372 00:34:06,058 --> 00:34:09,061 (武林)できたぞ できたぞ! (片岡)うん? 373 00:34:09,061 --> 00:34:11,061 (大高)できた 片岡どの! 374 00:34:13,065 --> 00:34:15,067 間に合ったか? 375 00:34:15,067 --> 00:34:19,071 はい 500畳の畳が見渡すかぎり 376 00:34:19,071 --> 00:34:38,090 ・~ 377 00:34:38,090 --> 00:34:43,095 (浅野)できたか… うれしいぞ 378 00:34:43,095 --> 00:34:47,099 (片岡)殿 このうえは 何事も ご堪忍あそばして 379 00:34:47,099 --> 00:34:50,102 お役目をご無事に (浅野)うむ… 380 00:34:50,102 --> 00:34:55,107 皆々のおかげで 余の一分が立った 381 00:34:55,107 --> 00:34:58,107 礼の言葉もないと伝えてくれ 382 00:35:20,065 --> 00:35:23,065 (浅野) お教えいただきとうございます 383 00:35:25,070 --> 00:35:28,073 ご勅使ご到着の みぎり 我らは・ 384 00:35:28,073 --> 00:35:31,076 お玄関の式台で お迎えいたすので ございましょうか? 385 00:35:31,076 --> 00:35:34,079 それとも 式台より下がって お迎えするのでござりましょうか 386 00:35:34,079 --> 00:35:37,082 (吉良)えっ? 387 00:35:37,082 --> 00:35:40,085 お玄関式台で お迎えいたすので ござりましょうか? 388 00:35:40,085 --> 00:35:42,085 それとも 式台より下がって… 389 00:35:44,089 --> 00:35:48,093 (吉良)もう一度 390 00:35:48,093 --> 00:35:52,097 ご勅使をお迎えするのは お玄関の 式台でござりましょうか? 391 00:35:52,097 --> 00:35:54,099 あるいは また… (吉良)内匠頭どの 392 00:35:54,099 --> 00:35:57,035 この期に及んで 何を聞くのだ? 393 00:35:57,035 --> 00:36:03,041 はい… 申し訳ござりませぬが 何とぞ お教えのほどを 394 00:36:03,041 --> 00:36:07,045 好きなようになされることだな (浅野)えっ? 395 00:36:07,045 --> 00:36:11,049 わしの指図など 受けたくないお人だからな 396 00:36:11,049 --> 00:36:15,053 フフッ… わしも存ぜぬ 397 00:36:15,053 --> 00:36:26,064 ・~ 398 00:36:26,064 --> 00:36:28,064 ・(脇坂)浅野どの 399 00:36:31,069 --> 00:36:34,072 (脇坂)毎日のご辛労 お察し申す (浅野)脇坂どの 400 00:36:34,072 --> 00:36:38,072 様子は立ち聞きしました 差し出ながら 401 00:36:42,080 --> 00:36:45,083 (脇坂)大礼の儀式に 本役である そこもとの失態は・ 402 00:36:45,083 --> 00:36:47,085 指南役たる吉良の 恥になることです 403 00:36:47,085 --> 00:36:50,088 その場になって 教えぬはずはありません 404 00:36:50,088 --> 00:36:54,092 そのとき 慌てず うろめかず なされることだ 405 00:36:54,092 --> 00:36:56,094 かたじけない 406 00:36:56,094 --> 00:36:59,031 お役目は明日まででござろう 407 00:36:59,031 --> 00:37:06,038 それまでは何事も ただ目を閉じて 耳を押さえて 阿呆になって… 408 00:37:06,038 --> 00:37:10,042 阿呆になって… (脇坂)僅かに心を乱しても・ 409 00:37:10,042 --> 00:37:14,046 多くの家臣を 路頭に 迷わせることになりかねませぬぞ 410 00:37:14,046 --> 00:37:17,049 くれぐれも ご自重を 411 00:37:17,049 --> 00:37:20,052 なっ? 浅野どの 412 00:37:20,052 --> 00:37:25,057 ♪(琴の演奏) 413 00:37:25,057 --> 00:37:36,068 ♪~ 414 00:37:36,068 --> 00:37:46,078 ♪~ 415 00:37:46,078 --> 00:37:57,022 ・~ 416 00:37:57,022 --> 00:38:07,032 ・~ 417 00:38:07,032 --> 00:38:11,036 (吉良) 浅野さま お席が違う お席が 418 00:38:11,036 --> 00:38:21,046 ・~ 419 00:38:21,046 --> 00:38:24,046 は… 早く 早く正座へ 420 00:38:28,053 --> 00:38:33,058 は… 早く は… 早く正座へ 421 00:38:33,058 --> 00:38:36,061 伊達さまの前へ 422 00:38:36,061 --> 00:38:56,081 ・~ 423 00:38:56,081 --> 00:39:16,034 ・~ 424 00:39:16,034 --> 00:39:29,047 ・~ 425 00:39:29,047 --> 00:39:43,061 ・~ 426 00:39:43,061 --> 00:39:49,067 (清閑寺)アア… 麿は眠うて眠うて 427 00:39:49,067 --> 00:39:54,072 (柳原)お能の間に居眠りが出たら 困りますなぁ 428 00:39:54,072 --> 00:39:56,074 (笑い声) 429 00:39:56,074 --> 00:40:00,011 (高野) そのときは こうしてさし上げる 430 00:40:00,011 --> 00:40:03,014 (笑い声) 431 00:40:03,014 --> 00:40:17,028 ・~ 432 00:40:17,028 --> 00:40:31,042 ・~ 433 00:40:31,042 --> 00:40:35,046 (きよ)お式までには まだ半刻もござりますゆえ 434 00:40:35,046 --> 00:40:37,046 ごゆるりと… 435 00:40:40,051 --> 00:40:44,051 (吉良)とくと お分かりかな? (伊達)はい 436 00:40:47,058 --> 00:40:51,058 (吉良)浅野どの 遅刻だな 437 00:40:53,064 --> 00:40:56,064 申し訳ござりませぬ 438 00:41:04,009 --> 00:41:08,009 (伊達) お先に拝見つかまつりました 439 00:41:12,017 --> 00:41:18,023 (吉良)伊達どの ご老中方よりの ご注意 お分かりじゃな? 440 00:41:18,023 --> 00:41:22,027 お間違いのないように 441 00:41:22,027 --> 00:41:27,027 (浅野)吉良どの そのお書きつけ 内匠頭にも 442 00:41:32,037 --> 00:41:34,039 (浅野)吉良どの! 443 00:41:34,039 --> 00:41:38,043 浅野どのは 誰の注意もお嫌いなはずだ 444 00:41:38,043 --> 00:41:41,046 ご覧になる必要はなかろう 445 00:41:41,046 --> 00:41:44,049 いいえ それでは お役が務まりませぬ 446 00:41:44,049 --> 00:41:48,049 何とぞ そのお書きつけを 内匠頭にも 447 00:41:51,056 --> 00:41:56,061 この内匠頭に至らぬ所があれば どのようなお叱りも受け申そう 448 00:41:56,061 --> 00:42:02,067 ただ ご老中方よりのご注意書きを 拝見いたさねば お役目が… 449 00:42:02,067 --> 00:42:04,069 フン… 450 00:42:04,069 --> 00:42:07,069 (浅野)吉良どの! (伊達)浅野どの! 451 00:42:09,074 --> 00:42:12,077 (伊達)あれは ご老中方の お書きつけではありませぬ 452 00:42:12,077 --> 00:42:15,080 「火の用心をせよ」とか そんなことばかり 453 00:42:15,080 --> 00:42:17,082 しかし 伊達どの (伊達)ただ・ 454 00:42:17,082 --> 00:42:19,084 吉良どのの嫌がらせです 455 00:42:19,084 --> 00:42:23,088 その嫌がらせを毎日 毎日… 456 00:42:23,088 --> 00:42:27,092 どうして この内匠頭だけが受けるのか 457 00:42:27,092 --> 00:42:29,094 浅野どの 458 00:42:29,094 --> 00:42:33,098 まもなく ご勅使お迎えの 時刻でござりますぞ 459 00:42:33,098 --> 00:42:37,102 伊達どの しばらく お待ちくだされい 460 00:42:37,102 --> 00:42:57,055 ・~ 461 00:42:57,055 --> 00:43:14,055 ・~ 462 00:43:18,076 --> 00:43:20,076 (浅野)吉良どの! 463 00:43:23,081 --> 00:43:26,081 (梶川)あっ 浅野さま 464 00:43:30,088 --> 00:43:35,093 (梶川)桂昌院さまより ご勅使に お礼のお言葉がござるにつき・ 465 00:43:35,093 --> 00:43:38,096 上さまご勅答の御式 相済みましたれば 466 00:43:38,096 --> 00:43:42,100 その旨 この梶川まで お知らせくださるよう 467 00:43:42,100 --> 00:43:45,100 かしこまってござる (梶川)はっ! 468 00:43:47,105 --> 00:43:51,109 (吉良)ああ もし 何事か存ぜぬが 469 00:43:51,109 --> 00:43:56,114 お尋ねの儀おわさば 上野介 承ろう 470 00:43:56,114 --> 00:44:01,052 この御仁は 何もお分かりないのでな 471 00:44:01,052 --> 00:44:03,054 ハハハハッ… 472 00:44:03,054 --> 00:44:05,054 吉良どの! 473 00:44:08,059 --> 00:44:11,062 何でござる? 474 00:44:11,062 --> 00:44:15,066 何とぞ あのお書きつけ 内匠頭にも 475 00:44:15,066 --> 00:44:19,070 くどいな 拝見は まかりならんのだ! 476 00:44:19,070 --> 00:44:24,075 何ゆえに? (吉良)何だ? その顔は 477 00:44:24,075 --> 00:44:27,078 お勅使お迎えの時刻に遅れようぞ 478 00:44:27,078 --> 00:44:30,081 吉良どの (吉良)何をする・ 479 00:44:30,081 --> 00:44:32,081 離せ! 480 00:44:49,100 --> 00:44:54,105 浅野どの どうする気だ? 481 00:44:54,105 --> 00:44:59,043 ここをいずくと おぼし召す? 殿中でござるぞ! 482 00:44:59,043 --> 00:45:04,048 鯉口1寸たりとも切らば お家は断絶 483 00:45:04,048 --> 00:45:07,048 ご存じだな? 484 00:45:12,056 --> 00:45:16,060 何だ? 何だ? それは 485 00:45:16,060 --> 00:45:20,064 上野介に謝るというのか 486 00:45:20,064 --> 00:45:23,067 よし 承ろう 487 00:45:23,067 --> 00:45:31,075 我にもなく短慮… ご無礼の段 平に お許しくださりますよう 488 00:45:31,075 --> 00:45:34,078 うむ… ただいまの行いは・ 489 00:45:34,078 --> 00:45:40,084 田舎大名の短慮だったと 申すのだな? 田舎大名の 490 00:45:40,084 --> 00:45:44,088 田舎大名と言われて腹が立つのか 491 00:45:44,088 --> 00:45:50,094 何事も存ぜぬくせに その不服そうな顔が… 492 00:45:50,094 --> 00:45:52,094 気に食わぬわ! (殴る音) 493 00:45:54,098 --> 00:45:56,100 おのれ 上野! 494 00:45:56,100 --> 00:45:59,037 (斬りつける音) アアッ! 495 00:45:59,037 --> 00:46:01,039 (坊主)お静まりを… 496 00:46:01,039 --> 00:46:04,042 (浅野)覚えたか・ (吉良)ウワーッ! 497 00:46:04,042 --> 00:46:10,048 (梶川)あっ 浅野さま 浅野さま! (浅野)離せ 離せ! 498 00:46:10,048 --> 00:46:12,048 (浅野)離せ! 499 00:46:14,052 --> 00:46:16,054 (坊主)お静まりを! 500 00:46:16,054 --> 00:46:19,057 (坊主) お静まりください お静まりを! 501 00:46:19,057 --> 00:46:23,061 (坊主)お静まりを 浅野さま (浅野)武士の情け! 502 00:46:23,061 --> 00:46:25,063 (坊主) お静まりください お静まりを 503 00:46:25,063 --> 00:46:30,068 (梶川)浅野さま お場所柄でござる 浅野さま… 504 00:46:30,068 --> 00:46:34,072 離せ! 離せ! (梶川)浅野さま 505 00:46:34,072 --> 00:46:37,075 (坊主)さあ 吉良さま! 506 00:46:37,075 --> 00:46:41,079 (坊主)お静まりくだされ お静まりを 浅野さま 507 00:46:41,079 --> 00:46:44,082 今ひと太刀… お離しくだされ (坊主)お静まりを! 508 00:46:44,082 --> 00:46:48,086 (坊主) お場所柄… お静まりください! 509 00:46:48,086 --> 00:46:51,089 (ざわめき) 510 00:46:51,089 --> 00:46:53,091 (坊主)お場所柄… (浅野)離せ! 511 00:46:53,091 --> 00:46:56,094 (ざわめき) 512 00:46:56,094 --> 00:46:58,029 (坊主)お静まりを (浅野)離せ! 513 00:46:58,029 --> 00:47:00,031 離せ 今ひと太刀 514 00:47:00,031 --> 00:47:05,036 (梶川)殿中でござる お家に傷がつく 神妙に 神妙に… 515 00:47:05,036 --> 00:47:09,040 離せ! 離せ! 恨みに思うぞ! 516 00:47:09,040 --> 00:47:11,042 離せ! 離せ! 517 00:47:11,042 --> 00:47:14,045 (脇坂)なに? 浅野どのが刃傷? 518 00:47:14,045 --> 00:47:18,045 (豊後守)お医者 お医者を 早く 早くお手当てを! 519 00:47:21,052 --> 00:47:23,054 (吉良)アッ… アア… 520 00:47:23,054 --> 00:47:25,054 (脇坂)ンンッ! おのれ! 521 00:47:27,058 --> 00:47:29,060 家紋を血で汚したな? 522 00:47:29,060 --> 00:47:32,063 ンンッ! 無礼者! (殴る音) 523 00:47:32,063 --> 00:47:37,068 ひ… 平に… 平に… ひら… 524 00:47:37,068 --> 00:47:41,072 出羽守 聞こう (吉保)御免! 525 00:47:41,072 --> 00:47:44,075 して お勅使たちは? (吉保)ははっ! 526 00:47:44,075 --> 00:47:47,078 幸い 何事もお気づきなく (綱吉)さようか 527 00:47:47,078 --> 00:47:50,081 本日のご予定には 何の差し障りもございませぬが 528 00:47:50,081 --> 00:47:52,083 早速 ご老中 相寄りまして… 529 00:47:52,083 --> 00:47:56,087 相寄って 何の相談じゃ? 掟があろう 掟どおり裁けばよい 530 00:47:56,087 --> 00:47:58,022 (吉保)ははっ! 531 00:47:58,022 --> 00:48:06,030 (騒ぎ声) 532 00:48:06,030 --> 00:48:10,034 (家臣) ええい! 静まれ 静まれ 静まれ! 533 00:48:10,034 --> 00:48:14,038 けんかの相手は 浅野内匠頭どのと吉良上野介どの 534 00:48:14,038 --> 00:48:18,042 その余の方々には 別状はないぞ! 535 00:48:18,042 --> 00:48:26,042 ・~ 536 00:48:49,073 --> 00:48:57,014 (多門)今日の意趣 相ただすよう 我々 両人に仰せつかりました 537 00:48:57,014 --> 00:49:01,014 ご定法どおり 言葉を改めますぞ 538 00:49:08,025 --> 00:49:13,030 (多門)そのほう儀 お場所柄をも わきまえず・ 539 00:49:13,030 --> 00:49:20,037 上野介に対して刃傷に及びたるは 乱心したのであろうな? 540 00:49:20,037 --> 00:49:22,039 決して 乱心は つかまつりませぬ 541 00:49:22,039 --> 00:49:26,043 (多門)乱心とあらば 罪に問うわけにも相ならぬのだが 542 00:49:26,043 --> 00:49:32,049 そうじゃな? 乱心であろうな? (浅野)いえ 決して 543 00:49:32,049 --> 00:49:36,053 お場所柄をも はばからず 刃傷に及びましたる段 544 00:49:36,053 --> 00:49:40,057 千万 恐れ入り奉る 545 00:49:40,057 --> 00:49:45,062 このうえは 尋常に お仕置きのほどを 546 00:49:45,062 --> 00:49:51,062 しからば 刃傷に至る子細があろう 申したきことがあろう 547 00:49:56,073 --> 00:50:00,011 申したき儀あらば 遠慮なく 548 00:50:00,011 --> 00:50:02,013 はっ! 549 00:50:02,013 --> 00:50:05,016 (近藤) ああ いや 申し開きは許されぬぞ 550 00:50:05,016 --> 00:50:07,018 何ゆえ… 何ゆえでござる? 551 00:50:07,018 --> 00:50:11,022 我らは 内匠頭の言い訳を 聞きにまいったのではない 552 00:50:11,022 --> 00:50:13,024 しかし 近藤氏… 553 00:50:13,024 --> 00:50:15,026 当人が 乱心したのではないと 申しておるのだ 554 00:50:15,026 --> 00:50:22,026 ならば 大罪人でござる 我らの役目は それで済み申したぞ 555 00:50:35,046 --> 00:50:39,050 浅野どの… (浅野)無念でござる 556 00:50:39,050 --> 00:50:45,050 ただ上野介を取り逃がしたことが 無念でござる 557 00:50:49,060 --> 00:50:51,060 (大学)義姉上! 558 00:50:57,001 --> 00:50:59,003 今 聞きました 559 00:50:59,003 --> 00:51:04,008 (大学)なんということを してくれたんだ 兄上は 560 00:51:04,008 --> 00:51:07,011 浅野家は断絶だ 561 00:51:07,011 --> 00:51:12,016 そればかりではない きっと この大学の身にも累が及びます 562 00:51:12,016 --> 00:51:18,022 広島のご本家にも あなたさまのご実家にも 563 00:51:18,022 --> 00:51:20,024 俺は たったの今まで・ 564 00:51:20,024 --> 00:51:23,027 生きるということが 無性に楽しかったのだ 565 00:51:23,027 --> 00:51:27,031 それを兄上のために… 恨めしいぞ 566 00:51:27,031 --> 00:51:32,036 大学さま 吉良さまのお命は? (大学)えっ? 567 00:51:32,036 --> 00:51:36,040 お助かりになるのでしょうか? (大学)それは何とも… 568 00:51:36,040 --> 00:51:39,043 お殿さまに対する お上のご沙汰は? 569 00:51:39,043 --> 00:51:42,043 兄上のことは まだ何も聞かぬ 570 00:51:46,050 --> 00:51:49,050 あぐりは 何よりも それを早く知りたい 571 00:51:51,055 --> 00:51:56,060 大学さま 不甲斐ない 572 00:51:56,060 --> 00:52:00,064 ・(ふすまの開く音) ・(戸田局)申し上げます 573 00:52:00,064 --> 00:52:03,067 (戸田局) お殿さまお身柄は 愛宕下の・ 574 00:52:03,067 --> 00:52:07,071 田村右京大夫さまお屋敷お預けと ただいま知らせの者が 575 00:52:07,071 --> 00:52:09,073 えっ? 576 00:52:09,073 --> 00:52:29,093 ・~ 577 00:52:29,093 --> 00:52:49,093 ・~ 578 00:53:02,059 --> 00:53:05,062 (脇坂)伊達どの 579 00:53:05,062 --> 00:53:09,066 お役目が済んで ほっとなされたであろうな 580 00:53:09,066 --> 00:53:14,071 (伊達)はい… しかし 一向に気分が すぐれませぬ 581 00:53:14,071 --> 00:53:17,074 思いもかけぬ出来事で… 582 00:53:17,074 --> 00:53:20,077 (脇坂)吉良どのへの ご沙汰 お聞きになったか? 583 00:53:20,077 --> 00:53:22,079 (伊達)いいえ まだ 584 00:53:22,079 --> 00:53:27,084 何の おとがめもなく 専ら 手傷の療養をいたすようと 585 00:53:27,084 --> 00:53:30,087 出羽守どのの計らいだ 586 00:53:30,087 --> 00:53:35,092 (脇坂)これを伊達どのは 立派なご政道と思われるか? 587 00:53:35,092 --> 00:53:38,095 思いませぬ 588 00:53:38,095 --> 00:53:42,099 しかし 浅野どのは? 589 00:53:42,099 --> 00:53:48,105 何の申し開きも許されず 田村屋敷にお預けとなり… 590 00:53:48,105 --> 00:53:51,108 切腹を仰せつけられたと 591 00:53:51,108 --> 00:54:03,054 ・~ 592 00:54:03,054 --> 00:54:14,065 ・~ 593 00:54:14,065 --> 00:54:16,067 (多門)浅野どの 594 00:54:16,067 --> 00:54:23,074 遅咲きの桜だが 散る風情も また格別でござるなぁ 595 00:54:23,074 --> 00:54:33,084 ・~ 596 00:54:33,084 --> 00:54:37,088 (多門)やがて あの梢に月が出るが 597 00:54:37,088 --> 00:54:43,094 この春の宵に お別れも惜しいことでござろう 598 00:54:43,094 --> 00:54:46,097 なっ? 浅野どの 599 00:54:46,097 --> 00:55:06,050 ・~ 600 00:55:06,050 --> 00:55:19,063 ・~ 601 00:55:19,063 --> 00:55:31,075 ・~ 602 00:55:31,075 --> 00:55:40,084 お国もとに 何がな ご伝言あらば 承っておきましょう 603 00:55:40,084 --> 00:55:47,091 (浅野)この期に及び 何も 申し上げることはございません 604 00:55:47,091 --> 00:55:54,098 ただ 今日のこと 国もとで聞きましたら 605 00:55:54,098 --> 00:55:59,098 さだめし 不審に思うであろうと 606 00:56:02,039 --> 00:56:06,039 (徒目付) 切腹人 もうよいであろう 早よう 607 00:56:08,045 --> 00:56:22,059 ・ 風さそう 608 00:56:22,059 --> 00:56:39,076 ・ 花よりもなお 609 00:56:39,076 --> 00:56:59,029 ・ 我はまた 610 00:56:59,029 --> 00:57:17,047 ・ 春の名残を 611 00:57:17,047 --> 00:57:37,047 ・ いかにとかせん 612 00:58:28,052 --> 00:58:33,057 (吉良)アアッ! アアッ! 怖い! (医師)お静かに お静かに 613 00:58:33,057 --> 00:58:35,057 こ… 怖い! 614 00:58:37,061 --> 00:58:39,063 アア… アア… 615 00:58:39,063 --> 00:58:48,063 (うめき声) 616 00:58:51,075 --> 00:58:54,078 (綱憲) しかし 思ったより傷が浅くて… 617 00:58:54,078 --> 00:58:57,014 (富子)何よりでした 618 00:58:57,014 --> 00:59:00,017 でも ご老体のことゆえ 619 00:59:00,017 --> 00:59:05,022 あとあとのことは 何とも分かりませぬな 620 00:59:05,022 --> 00:59:08,025 (綱憲)兵部 (兵部)はっ! 621 00:59:08,025 --> 00:59:10,027 (綱憲) 余は上杉家に養子に行った身だが 622 00:59:10,027 --> 00:59:16,033 30万石を懸けても 血を分けた父上を守るぞ 623 00:59:16,033 --> 00:59:22,039 兵部 いかなることになっても 余に孝行をさせてくれよ 624 00:59:22,039 --> 00:59:24,041 (兵部)ははっ! 625 00:59:24,041 --> 00:59:27,044 ウ~ン… 626 00:59:27,044 --> 00:59:31,044 綱憲… 綱憲 627 00:59:34,051 --> 00:59:37,054 (吉良)頼むぞ 628 00:59:37,054 --> 00:59:45,062 わしは 金も色も まだ欲の道を極めてはおらん 629 00:59:45,062 --> 00:59:48,065 そ… それに… 630 00:59:48,065 --> 00:59:55,072 ありがたいことには わしには何のおとがめもないし 631 00:59:55,072 --> 01:00:03,013 まだまだ生きていたいのだ そのためには どんなことでもする 632 01:00:03,013 --> 01:00:10,020 臆病と言われれば それは いっそ わしには自慢になる 633 01:00:10,020 --> 01:00:15,025 (吉良)頼むぞ 頼む… 634 01:00:15,025 --> 01:00:21,031 ・(うめき声) 635 01:00:21,031 --> 01:00:25,031 頼むぞ 頼むぞ 636 01:00:30,040 --> 01:00:32,042 ・(雷鳴) 637 01:00:32,042 --> 01:00:36,046 (駕籠屋) えっほ えっほ えっほ えっほ 638 01:00:36,046 --> 01:00:51,061 えっほ えっほ えっほ えっほ… 639 01:00:51,061 --> 01:01:05,008 ・~ 640 01:01:05,008 --> 01:01:19,022 ・~ 641 01:01:19,022 --> 01:01:22,022 (駕籠屋) おう 来たぞ! 来たぞ 来たぞ! 642 01:01:24,027 --> 01:01:43,046 えっほ えっほ えっほ えっほ… 643 01:01:43,046 --> 01:01:58,061 ・~ 644 01:01:58,061 --> 01:02:07,070 えっほ えっほ えっほ えっほ… 645 01:02:07,070 --> 01:02:18,081 ・~ 646 01:02:18,081 --> 01:02:28,091 ・~ 647 01:02:28,091 --> 01:02:31,094 ♪(御詠歌) 648 01:02:31,094 --> 01:02:33,096 えっほ えっほ… 649 01:02:33,096 --> 01:02:36,099 (駕籠屋)どいた どいた! 650 01:02:36,099 --> 01:02:39,102 えっほ えっほ えっほ… 651 01:02:39,102 --> 01:02:42,105 (女性)おせい… おせい 652 01:02:42,105 --> 01:02:44,105 アアッ! 653 01:02:46,109 --> 01:02:49,112 (三平)介抱を頼みます! 654 01:02:49,112 --> 01:02:53,116 播州赤穂の家中 萱野三平でござる 655 01:02:53,116 --> 01:02:59,056 主家の大事により 国もとへ急ぐ! お許しを! お許しを! 656 01:02:59,056 --> 01:03:07,056 ・~ 657 01:03:54,111 --> 01:03:56,113 (松之丞)父上 658 01:03:56,113 --> 01:04:00,050 (大石)ご一同は そろったか? はい 659 01:04:00,050 --> 01:04:03,053 町じゅうの様子は どうだ? 660 01:04:03,053 --> 01:04:05,055 (松之丞)意外に静かで 661 01:04:05,055 --> 01:04:10,060 ただ 戦が起こるのか 城を明け渡すのかと 662 01:04:10,060 --> 01:04:13,063 そのことを ひそかに噂しております 663 01:04:13,063 --> 01:04:19,069 (大石)うむ… そのどちらかを 今日は決めねばならん 664 01:04:19,069 --> 01:04:25,075 この静かなご城下で 昼行灯の噂のとおり・ 665 01:04:25,075 --> 01:04:30,075 用もなく 極楽往生ができると思うていたが 666 01:04:32,082 --> 01:04:35,085 (家臣)まだ そのようなことを抜かすのか・ 667 01:04:35,085 --> 01:04:47,097 (騒ぎ声) 668 01:04:47,097 --> 01:04:51,097 (大野) ああ 静まれ! 静まれ! 静まれ! 669 01:05:04,047 --> 01:05:07,050 もはや議論の時ではない 670 01:05:07,050 --> 01:05:13,056 ここ数日 意見を戦わせた その総まとめをいたしたく存ずる 671 01:05:13,056 --> 01:05:20,063 城に籠もって戦うか ひたすら お家再興を願うか 672 01:05:20,063 --> 01:05:22,065 しかと いずれかに 673 01:05:22,065 --> 01:05:25,068 (大野)ああ いや 大夫 それは もう まとまっておる 674 01:05:25,068 --> 01:05:28,071 ほう… どの意見に? 675 01:05:28,071 --> 01:05:30,073 (せきばらい) 676 01:05:30,073 --> 01:05:34,077 我らの命は かねてより殿に ささげてあるもの 677 01:05:34,077 --> 01:05:38,081 おめおめ 城を明け渡すことはできぬ 678 01:05:38,081 --> 01:05:42,085 一同 討ち死にと決まった 679 01:05:42,085 --> 01:05:47,090 大野どのも ご賛成かな? もちろんのこと 680 01:05:47,090 --> 01:05:51,094 ご一同 異議はないか? 681 01:05:51,094 --> 01:05:56,099 何か ほかの考えを持つ者あらば 前へ 682 01:05:56,099 --> 01:05:58,099 ありませんかな? 683 01:06:04,040 --> 01:06:07,040 岡野金右衛門どの 684 01:06:11,047 --> 01:06:15,051 (岡野)我らは 討ち死にに異存はございませぬが 685 01:06:15,051 --> 01:06:18,054 上野介が 殿から受けた傷がもとで 死んだというのは・ 686 01:06:18,054 --> 01:06:20,054 事実でございましょうか? 687 01:06:26,062 --> 01:06:31,067 いやぁ… 上野介が死んだとあっては・ 688 01:06:31,067 --> 01:06:36,072 我らの恨みも 向けるところがなくなる 689 01:06:36,072 --> 01:06:40,076 大夫… 御身の考えも変わりましょうな 690 01:06:40,076 --> 01:06:44,080 御許は信じますか? この噂を 691 01:06:44,080 --> 01:06:48,084 うん? いや それは 無論 噂じゃとは思うがな 692 01:06:48,084 --> 01:06:52,088 大野どのは 討ち死にが嫌になられたかな 693 01:06:52,088 --> 01:06:54,090 何を言う 694 01:06:54,090 --> 01:06:59,029 大野九郎兵衛とても武士 二言はない 695 01:06:59,029 --> 01:07:02,032 いや 大夫… 696 01:07:02,032 --> 01:07:05,035 ちと ご相談したいことが あるのじゃがな 697 01:07:05,035 --> 01:07:08,038 何なりとも いや 実は… 698 01:07:08,038 --> 01:07:13,043 (せきこみ) 699 01:07:13,043 --> 01:07:19,049 あ~… 金のことは 仕置家老の身共の責任じゃが 700 01:07:19,049 --> 01:07:24,054 ただいま 当藩の在庫金は 大体7000両 701 01:07:24,054 --> 01:07:28,058 しかし 藩札が 1万2000両ほど出ておるで 702 01:07:28,058 --> 01:07:32,062 ざっと 差し引き5000両不足となる 703 01:07:32,062 --> 01:07:35,065 ほう… それは… いや しかし 704 01:07:35,065 --> 01:07:39,069 当藩としては よそ方への貸しもあるし 705 01:07:39,069 --> 01:07:42,072 まだ 取り立てねばならぬ金もあるで 706 01:07:42,072 --> 01:07:46,076 それを こう集めると 勘定は合うのじゃがな 707 01:07:46,076 --> 01:07:49,079 それで安心しました フフフッ… 708 01:07:49,079 --> 01:07:53,083 いや しかし… (せきこみ) 709 01:07:53,083 --> 01:07:57,020 我らは 討ち死にをいたすから よろしいが 710 01:07:57,020 --> 01:08:03,026 町方の者や浜方の者 それに 百姓どもには・ 711 01:08:03,026 --> 01:08:11,034 藩札を金に換えてやらねば 亡き殿を辱めることに相なるでな 712 01:08:11,034 --> 01:08:14,037 それは ごもっとも うむ… 713 01:08:14,037 --> 01:08:20,043 …で この九郎兵衛 いざ 合戦という前に・ 714 01:08:20,043 --> 01:08:27,050 貸した金や税を取り立てに 回りたいと思うのじゃが 715 01:08:27,050 --> 01:08:30,053 どうじゃろうか? それは どうぞ 急いでください 716 01:08:30,053 --> 01:08:34,057 城受け取りの正使 脇坂淡路守さまは・ 717 01:08:34,057 --> 01:08:40,063 約3000の兵を率いて まもなく 鷹取峠に陣を敷くはず 718 01:08:40,063 --> 01:08:42,065 大野どの それまでに・ 719 01:08:42,065 --> 01:08:46,069 藩札の処理が 全て済むよう お頼み申す うむ… 720 01:08:46,069 --> 01:09:06,022 ・~ 721 01:09:06,022 --> 01:09:24,040 ・~ 722 01:09:24,040 --> 01:09:26,042 (貴島) あっ ねえさん ねえさん ねえさん 723 01:09:26,042 --> 01:09:28,044 1つ どうじゃな? 安く まけておくが 724 01:09:28,044 --> 01:09:30,046 (女性) あほらしい それどころかいな 725 01:09:30,046 --> 01:09:32,048 これから うちらも逃げるんや (女性)うちもや 726 01:09:32,048 --> 01:09:35,051 何しろ 海からも山からも 城受け取りの軍勢が・ 727 01:09:35,051 --> 01:09:38,054 赤穂を取り巻いて 大戦になるいうよってな 728 01:09:38,054 --> 01:09:40,056 あんたらも早よう逃げや 729 01:09:40,056 --> 01:09:49,065 ・~ 730 01:09:49,065 --> 01:09:51,067 (男性)おう おうおう! 731 01:09:51,067 --> 01:10:03,067 ・~ 732 01:10:10,020 --> 01:10:13,023 ここに お集まりの方々は・ 733 01:10:13,023 --> 01:10:19,029 真に お家の大事を憂い 国を思う心ある者と察し 734 01:10:19,029 --> 01:10:22,032 内蔵助の存念を 明かしたく思います 735 01:10:22,032 --> 01:10:25,035 方策は 既に立っているはずでは ござりませぬか 736 01:10:25,035 --> 01:10:30,035 (潮田)我らは 籠城して 討ち死にするのではないのですか 737 01:10:32,042 --> 01:10:37,047 内蔵助の考えは少々 変わりました (家臣たち)えっ? 738 01:10:37,047 --> 01:10:43,053 討ち死には易いが それよりも 浅野家の家来として・ 739 01:10:43,053 --> 01:10:47,057 なすべき大事があると 思ったからです 740 01:10:47,057 --> 01:10:50,060 その大事とは? 741 01:10:50,060 --> 01:10:55,065 この度のこと 所詮 ご主君 内匠頭さまの不始末 742 01:10:55,065 --> 01:11:04,007 …が このうえは 恭順の意を表し 浅野家を立てること 743 01:11:04,007 --> 01:11:08,011 亡き殿の弟君 大学さまのご相続を 744 01:11:08,011 --> 01:11:14,017 我ら家臣一党 真心をもって 将軍家に願い出ることです 745 01:11:14,017 --> 01:11:19,022 (吉田)このことこそ 今 我らが なさねばならぬことと思うが 746 01:11:19,022 --> 01:11:22,025 おのおの方 いかがでござる? 747 01:11:22,025 --> 01:11:25,028 その考えは 我らへの裏切りも同様 不承知でございます 748 01:11:25,028 --> 01:11:28,031 (三平)ご家老! 749 01:11:28,031 --> 01:11:31,034 亡き殿は 切腹の前に何と言われました? 750 01:11:31,034 --> 01:11:34,037 「国もとの者 今日のことを聞けば・ 751 01:11:34,037 --> 01:11:36,039 さだめし 不審に思うであろう」と申された 752 01:11:36,039 --> 01:11:38,041 このご遺言を何と聞かれますか・ 753 01:11:38,041 --> 01:11:41,044 公儀のご沙汰の かた手落ちに対し 754 01:11:41,044 --> 01:11:44,044 なぜ恭順しなければ ならないのでございましょう・ 755 01:11:46,049 --> 01:11:49,052 方々の言うべきことも分かる 756 01:11:49,052 --> 01:11:54,052 しかし 内蔵助の存念は変わりませぬ 757 01:11:58,061 --> 01:12:02,065 (高田)うん? あれは不破数右衛門ではないか 758 01:12:02,065 --> 01:12:04,067 (安兵衛)おお 数右衛門だ 759 01:12:04,067 --> 01:12:08,071 (高田)おい! 不破! 数右衛門! 760 01:12:08,071 --> 01:12:10,071 (不破)よう! 761 01:12:12,075 --> 01:12:14,077 (不破)一大事が起こったな 762 01:12:14,077 --> 01:12:17,080 (高田)我ら4人は 今 江戸から立ち戻ったところだ 763 01:12:17,080 --> 01:12:22,085 そうか では 城中の様子は知らぬのだな? 764 01:12:22,085 --> 01:12:24,087 城中は 討ち死にと決まったそうだ 765 01:12:24,087 --> 01:12:29,092 (安兵衛)えっ? 決まったか (高田)そうか… 766 01:12:29,092 --> 01:12:32,095 (不破)俺は 浪人の身で 城中へ入ることは かなわぬが 767 01:12:32,095 --> 01:12:35,098 せめて… せめて ご恩報じに・ 768 01:12:35,098 --> 01:12:39,102 石垣の外など守ろうと思い 駆けつけてきた 769 01:12:39,102 --> 01:12:45,108 見ろ 貧乏しても 鎧はある 槍の穂先も錆びてはおらぬぞ 770 01:12:45,108 --> 01:12:50,113 (原)しかし 大野どのが藩の公金を 集めて 持ち逃げとは不埒千万 771 01:12:50,113 --> 01:12:53,116 彼の心は見抜いていた 772 01:12:53,116 --> 01:12:57,053 ただ私は ひとつのものに頼みを懸けていた 773 01:12:57,053 --> 01:13:00,056 だが 私の考えは甘かった 774 01:13:00,056 --> 01:13:03,059 これからは 誰でも 一応は うたぐってみることにする 775 01:13:03,059 --> 01:13:05,059 ハハハハッ… 776 01:13:09,065 --> 01:13:13,069 (りく)ただいま ご門前に 矢頭右衛門七どのが まいられて 777 01:13:13,069 --> 01:13:17,073 是非 お目にかかりたいと 会えぬと申せ 778 01:13:17,073 --> 01:13:19,075 そう申しましたが… 779 01:13:19,075 --> 01:13:24,075 よろしく言って 戻ってもらえ はい… 780 01:13:26,082 --> 01:13:31,087 (原)して 藩札の引き換えは… (吉田)六分替えで 町方 浜方 781 01:13:31,087 --> 01:13:35,091 それに 百姓たちが 承知してくれたので助かった 782 01:13:35,091 --> 01:13:37,093 彼らの中には・ 783 01:13:37,093 --> 01:13:41,093 侍にも勝る心がけの者が 多いのに感じ入った 784 01:13:43,099 --> 01:13:46,102 (原)家中の者への分配金は あるのですか? 785 01:13:46,102 --> 01:13:49,105 蓄えた軍用金があります 786 01:13:49,105 --> 01:13:53,109 戦わんとなれば それを分けられましょう 787 01:13:53,109 --> 01:13:55,111 まだ戻らんのか? 788 01:13:55,111 --> 01:14:02,111 (りく)はい… お目にかかるまでは ご門前をどかぬと申しまして 789 01:14:05,054 --> 01:14:08,054 (戸の開く音) 790 01:14:11,060 --> 01:14:13,062 (吉田)大夫は ご多用につき 791 01:14:13,062 --> 01:14:17,066 吉田忠左衛門が 代わって話を聞こう 792 01:14:17,066 --> 01:14:19,068 (右衛門七)はい 793 01:14:19,068 --> 01:14:23,072 私は勘定方 矢頭長助のせがれ 右衛門七と申します 794 01:14:23,072 --> 01:14:25,074 父は 永の患いにて床に伏し 795 01:14:25,074 --> 01:14:28,077 この度の一大事に 大恩を被りながら・ 796 01:14:28,077 --> 01:14:31,080 ご評定の席にも 加わることができず 797 01:14:31,080 --> 01:14:34,083 日夜 苦悶いたしておりました 798 01:14:34,083 --> 01:14:38,087 ふつつかながら 私は父に代わって ご評定の席に加えていただきたく 799 01:14:38,087 --> 01:14:41,090 お願いにまいりました (吉田)その気持ちは よく分かる 800 01:14:41,090 --> 01:14:45,094 …が しかし そなたは元服前の部屋住みの身だ 801 01:14:45,094 --> 01:14:48,097 家にあって 孝行するがよい 802 01:14:48,097 --> 01:14:51,100 右衛門七は 身分の低い者のせがれなので・ 803 01:14:51,100 --> 01:14:54,103 お許しが かないませぬか? (吉田)いや そうではない 804 01:14:54,103 --> 01:14:56,105 ならば 松之丞さまも元服前では… 805 01:14:56,105 --> 01:15:00,043 (吉田) 松之丞どのは ご家老のご子息だ 806 01:15:00,043 --> 01:15:02,045 ご家老の息子であろうが なかろうが 807 01:15:02,045 --> 01:15:05,048 忠義の一念に そんな区別はないはず! 808 01:15:05,048 --> 01:15:12,055 もしあるなら 右衛門七も ご家老の家に生まれたかった 809 01:15:12,055 --> 01:15:14,057 生まれたかった… 810 01:15:14,057 --> 01:15:20,057 (泣き声) 811 01:15:22,065 --> 01:15:27,070 ・~ 812 01:15:27,070 --> 01:15:31,074 この際 めいめい まちまちの 議論があっては・ 813 01:15:31,074 --> 01:15:33,076 まとまりかねる 814 01:15:33,076 --> 01:15:37,080 よって 事の善悪にかかわらず 815 01:15:37,080 --> 01:15:42,085 この内蔵助に 一味同心くださる方々の・ 816 01:15:42,085 --> 01:15:46,089 誓紙血判をお願い申します 817 01:15:46,089 --> 01:15:51,094 分限の順序にかかわらず どうぞ 818 01:15:51,094 --> 01:16:11,047 ・~ 819 01:16:11,047 --> 01:16:31,067 ・~ 820 01:16:31,067 --> 01:16:51,087 ・~ 821 01:16:51,087 --> 01:17:03,087 ・~ 822 01:17:06,035 --> 01:17:09,038 (貴島) 大石は城明け渡しの腹らしいが 823 01:17:09,038 --> 01:17:12,041 城内は武器をそろえ 城の塀などの修理を始めだした 824 01:17:12,041 --> 01:17:14,041 (間者)では 戦か? 825 01:17:16,045 --> 01:17:18,047 (吉田) 明け渡す城だが 「見苦しい所は・ 826 01:17:18,047 --> 01:17:21,047 十分 修理を」との言いつけだ 827 01:17:32,061 --> 01:17:36,065 (潮田) あっ… 署名血判した者は61人 828 01:17:36,065 --> 01:17:38,067 頼み難いものだな 829 01:17:38,067 --> 01:17:43,067 こういうときこそ 人間は 自分の 都合のよいほうに行くものだ 830 01:17:46,075 --> 01:17:49,078 (間者)大石は 家臣どもの 署名 血判を取ったそうだ 831 01:17:49,078 --> 01:17:51,080 (貴島)どういうつもりだろう? 城明け渡しと決まっているのに 832 01:17:51,080 --> 01:17:54,083 (間者)血気の者どもを 抑えるためではないか? 833 01:17:54,083 --> 01:17:57,019 事によると 何か別の考えが… 834 01:17:57,019 --> 01:17:59,021 ともかく 貴公らは そのことを千坂さまに知らせろ 835 01:17:59,021 --> 01:18:01,021 すぐ江戸へ走れ (間者)うむ! 836 01:18:08,030 --> 01:18:10,032 おのれ! 怪しき奴! 837 01:18:10,032 --> 01:18:12,034 (間者たち)オオッ… 838 01:18:12,034 --> 01:18:15,037 (不破)ウオーッ! (間者)向かうな 逃げろ! 839 01:18:15,037 --> 01:18:17,039 (不破)ウオーッ! 840 01:18:17,039 --> 01:18:25,039 (騒ぎ声) 841 01:18:31,053 --> 01:18:34,056 (間者)クッ… 842 01:18:34,056 --> 01:18:37,059 上杉家の間者の入り込んだことで 843 01:18:37,059 --> 01:18:42,064 吉良どの死亡の噂の 種をまいた根本がつかめた 844 01:18:42,064 --> 01:18:45,067 そればかりか 吉良どのが存命していることも・ 845 01:18:45,067 --> 01:18:48,070 明らかとなった それは… 846 01:18:48,070 --> 01:18:53,075 千坂兵部… 上杉家に名の高い家老 千坂兵部は 847 01:18:53,075 --> 01:18:57,013 我々に仇討ちの心があるかを 探ろうとしてるのだ 848 01:18:57,013 --> 01:19:00,016 堀部… 849 01:19:00,016 --> 01:19:06,022 言うなよ このこと そのほうの 心に深く納めておくのだ 850 01:19:06,022 --> 01:19:12,028 急いで江戸へ行け そして 吉良 上杉の様子を調べるのだ 851 01:19:12,028 --> 01:19:15,031 はっ! 必ず 852 01:19:15,031 --> 01:19:23,039 ・~ 853 01:19:23,039 --> 01:19:27,043 (主膳)赤穂は 我らを迎え討つ覚悟と見えまする 854 01:19:27,043 --> 01:19:31,047 城明け渡しを明日に控え 考えられぬ 855 01:19:31,047 --> 01:19:34,050 (主膳)あれをご覧じませ 856 01:19:34,050 --> 01:19:45,061 ・~ 857 01:19:45,061 --> 01:19:49,065 (吉田)城内の文書を 焼いてる火には見えませんな 858 01:19:49,065 --> 01:19:56,072 なんとしても 文書は城の歴史 おびただしい量ですよ 859 01:19:56,072 --> 01:20:02,011 しかし これで心おきなく お城が渡せる 860 01:20:02,011 --> 01:20:17,026 ・~ 861 01:20:17,026 --> 01:20:31,040 ・~ 862 01:20:31,040 --> 01:20:35,044 城代家老 大石内蔵助にござりまする 863 01:20:35,044 --> 01:20:39,048 謹んで 本城お引き渡し申し上げ奉ります 864 01:20:39,048 --> 01:20:43,052 うむ… 城受け取り正使 脇坂淡路守 865 01:20:43,052 --> 01:20:47,056 通るぞ ご案内つかまつりまする 866 01:20:47,056 --> 01:21:07,009 ・~ 867 01:21:07,009 --> 01:21:20,009 ・~ 868 01:21:30,032 --> 01:21:34,036 内蔵助は 器量 才覚のある者と聞いていたが 869 01:21:34,036 --> 01:21:41,043 今日の行き届いた城明け渡し まったく 感服しました 870 01:21:41,043 --> 01:21:43,043 はっ! 871 01:21:46,048 --> 01:21:51,053 この淡路守 赤穂の城を相手に 一戦交える覚悟でいたが 872 01:21:51,053 --> 01:21:55,057 無事に役目が果たせて 面目が立った 873 01:21:55,057 --> 01:22:00,062 そのほうのおかげである 何を仰せられまする 874 01:22:00,062 --> 01:22:08,062 しかし 素直に明け渡したのは 訳があると思うが 875 01:22:11,073 --> 01:22:16,078 内蔵助 訳を話せ 876 01:22:16,078 --> 01:22:19,081 誓って 他言は せぬ 877 01:22:19,081 --> 01:22:21,083 訳はございませぬ 878 01:22:21,083 --> 01:22:25,087 ただ 浅野ご本家さまの お言いつけもあり 879 01:22:25,087 --> 01:22:27,089 城に籠もって一戦となれば・ 880 01:22:27,089 --> 01:22:32,094 罪なき者の上にも 災害が及ぶかもしれませんので 881 01:22:32,094 --> 01:22:37,099 ひと言でいい 本心を聞かせてくれ 882 01:22:37,099 --> 01:22:39,101 この淡路守は・ 883 01:22:39,101 --> 01:22:42,104 殿中では いつも内匠頭どのの 味方であったつもりだ 884 01:22:42,104 --> 01:22:47,109 そのこと 殿よりの便りにより よく承知いたしております 885 01:22:47,109 --> 01:22:53,115 内匠頭どのは 殿中の掟は破ったが 武士の道は全うされた 886 01:22:53,115 --> 01:22:57,052 一国をなげうって ご政道の不義を 正そうとなされたのだ 887 01:22:57,052 --> 01:23:00,055 いや そのこと 仰せられまするな 888 01:23:00,055 --> 01:23:07,062 この度のことは 所詮は内匠頭の不始末 889 01:23:07,062 --> 01:23:11,066 このうえは 家臣として たとえ微禄ながらも・ 890 01:23:11,066 --> 01:23:17,072 浅野家再興ができますことを お上へ願い出る所存にござります 891 01:23:17,072 --> 01:23:20,072 それゆえの恭順でございました 892 01:23:22,077 --> 01:23:28,083 ご上使にも 何とぞ お口添えくださいますよう 893 01:23:28,083 --> 01:23:32,087 お家再興が臣下としての ご恩報じだと申すのか? 894 01:23:32,087 --> 01:23:35,087 はい しかと… 895 01:23:40,095 --> 01:23:45,095 亡君の残しましたる 辞世にございます 896 01:23:55,110 --> 01:24:01,050 「風さそう 花よりもなお 我はまた」 897 01:24:01,050 --> 01:24:04,050 「春の名残を いかにとかせん」 898 01:24:12,061 --> 01:24:17,066 若き身の滅ぶを悲しんだものか 899 01:24:17,066 --> 01:24:21,070 それとも 恨みの心を歌ったものか 900 01:24:21,070 --> 01:24:30,079 いえ あとに残る臣下を憂うる殿の お気持ちにございます 901 01:24:30,079 --> 01:24:33,082 (泣き声) 902 01:24:33,082 --> 01:24:36,085 お許しくださりませ 903 01:24:36,085 --> 01:24:44,093 (泣き声) 904 01:24:44,093 --> 01:25:04,046 ・~ 905 01:25:04,046 --> 01:25:24,066 ・~ 906 01:25:24,066 --> 01:25:39,066 ・~ 907 01:25:42,084 --> 01:25:45,087 城を素直に明け渡したのは 弟 大学をもって・ 908 01:25:45,087 --> 01:25:48,090 お家再興を願い出るためだったと 申します 909 01:25:48,090 --> 01:25:50,092 (兵部)して 大石は? 910 01:25:50,092 --> 01:25:53,095 京の都に近い山科に 住み着いた様子 911 01:25:53,095 --> 01:25:55,095 (兵部)ご苦労であった 912 01:25:57,032 --> 01:26:03,032 近いうち また西へ上る 大石の様子を探るのだ 913 01:26:13,048 --> 01:26:16,048 (兵部)お家再興か… 914 01:26:19,054 --> 01:26:23,058 一角 信じられるか? 915 01:26:23,058 --> 01:26:26,061 (一角)復讐… (兵部)そうだ 916 01:26:26,061 --> 01:26:30,065 大石が 城を明け渡した本当の目的は・ 917 01:26:30,065 --> 01:26:33,068 吉良どのの首だ 918 01:26:33,068 --> 01:26:36,071 (兵部)ご高家には いつもながら お元気で 919 01:26:36,071 --> 01:26:41,076 (吉良) うむ… 100歳までも生きたいな 920 01:26:41,076 --> 01:26:48,083 大体 わしが公儀の作法礼儀などを 学んで 高家となったのは・ 921 01:26:48,083 --> 01:26:52,087 何とかいえば すぐ 「死ぬ」という武士の掟が・ 922 01:26:52,087 --> 01:26:56,091 御免こうむりたかったからじゃ ハハハッ… 923 01:26:56,091 --> 01:27:03,032 武士というものが馬鹿に見えて しようがなかったのだ 924 01:27:03,032 --> 01:27:06,035 この兵部も武士でござるが 925 01:27:06,035 --> 01:27:12,041 ああ? ああ 武士にも いろいろあるよ 926 01:27:12,041 --> 01:27:17,046 しかし 兵部 頼むぞ 927 01:27:17,046 --> 01:27:22,051 浅野の馬鹿者どもから わしを守ってくれよ なっ? 928 01:27:22,051 --> 01:27:27,056 我が殿からも さよう申しつけられております 929 01:27:27,056 --> 01:27:34,063 (吉良)上杉家の人となったが 綱憲は孝心深い男だ 930 01:27:34,063 --> 01:27:38,067 それにつけても 富子は薄情者だ 931 01:27:38,067 --> 01:27:45,067 世間の評判を苦にして 里へ帰りおった わしを放って… 932 01:27:47,076 --> 01:27:51,080 兵部 頼むぞ 933 01:27:51,080 --> 01:27:55,084 わしは恐ろしいのだ 934 01:27:55,084 --> 01:27:57,019 頼むぞ 935 01:27:57,019 --> 01:27:59,019 (俵星)ダーッ! 936 01:28:01,023 --> 01:28:04,023 ンッ… ンンッ! 937 01:28:09,031 --> 01:28:11,031 よっ! 938 01:28:16,038 --> 01:28:19,038 ターッ! トーッ! 939 01:28:25,047 --> 01:28:27,049 (俵星)どうだな? 940 01:28:27,049 --> 01:28:29,051 土俵をひと突きというのは 今のことだ 941 01:28:29,051 --> 01:28:32,054 (一角) うむ… この俵に入っているのは? 942 01:28:32,054 --> 01:28:37,059 (俵星)土だ 米より重いぞ 943 01:28:37,059 --> 01:28:43,059 さあ 上杉家は この俵星玄蕃をいくらで買う? 944 01:28:47,069 --> 01:28:56,078 ・~ 945 01:28:56,078 --> 01:29:00,015 (吉千代)あっ! 吉右衛門が来た! 946 01:29:00,015 --> 01:29:05,020 母上! 寺坂が来た 吉右衛門が来ました! 947 01:29:05,020 --> 01:29:09,020 ・(吉千代)お~い! 吉右衛門! 948 01:29:11,026 --> 01:29:15,030 (寺坂) 大きくなられましたな ハハハッ… 949 01:29:15,030 --> 01:29:18,030 ああ… これは これは 950 01:29:20,035 --> 01:29:22,035 (寺坂)どうも 951 01:29:25,040 --> 01:29:28,043 (りく)本当に よく来てくれました 952 01:29:28,043 --> 01:29:33,048 この山科に引き移ってからは 訪れる方も少なく 953 01:29:33,048 --> 01:29:36,051 子供たちも人懐こくなって 954 01:29:36,051 --> 01:29:39,054 (寺坂)私も しげしげ まいりたく思いながら 955 01:29:39,054 --> 01:29:41,056 ご無沙汰ばかりで 申し訳もございません 956 01:29:41,056 --> 01:29:44,059 今日は 亡きお殿さまのご命日なので 957 01:29:44,059 --> 01:29:47,062 是非にと思って伺いました 958 01:29:47,062 --> 01:29:54,069 (りく)それは ご奇特なことです 早いもの… もう1年たちましたね 959 01:29:54,069 --> 01:29:58,006 (寺坂) はい 私ども足軽風情は ともかく 960 01:29:58,006 --> 01:30:03,006 ご家老さまはじめ ご家中の皆さまは さぞかし… 961 01:30:06,014 --> 01:30:08,016 (吉千代)吉右衛門 馬になれ! 早よう 馬になれ! 962 01:30:08,016 --> 01:30:11,019 はいはい ただいま ご門前でお待ちくださいまし 963 01:30:11,019 --> 01:30:13,019 うん 待ってるぞ 964 01:30:15,023 --> 01:30:17,023 くう 早く早く 965 01:30:20,028 --> 01:30:23,031 (寺坂)では ご家老さまは… 966 01:30:23,031 --> 01:30:30,038 どうしたことか 茶屋遊びが始まりまして 967 01:30:30,038 --> 01:30:34,042 ここしばらく また家に戻らないのです 968 01:30:34,042 --> 01:30:37,045 ご命日をお忘れになったんで ございましょうか 969 01:30:37,045 --> 01:30:39,047 いえ 出ていくとき・ 970 01:30:39,047 --> 01:30:47,055 「ご命日には ご仏壇に桜を供え 草餅を差し上げろ」と言って… 971 01:30:47,055 --> 01:30:53,061 松之丞も父を見習って 今日は朝から釣りに出かけました 972 01:30:53,061 --> 01:30:59,001 えっ? ご命日に釣りを? (りく)2人とも そろって… 973 01:30:59,001 --> 01:31:02,004 …で お遊び先は? 974 01:31:02,004 --> 01:31:07,009 伏見の橦木町とか 975 01:31:07,009 --> 01:31:10,012 橦木町なら 笹屋でございましょうか 976 01:31:10,012 --> 01:31:12,014 さあ? (寺坂)笹屋なら・ 977 01:31:12,014 --> 01:31:16,018 私の妹が 仲働きで勤めておりますが 978 01:31:16,018 --> 01:31:18,020 えっ? お軽が? (寺坂)はい 979 01:31:18,020 --> 01:31:38,040 ・~ 980 01:31:38,040 --> 01:31:42,040 (三平)お軽 (お軽)三平さん 981 01:31:44,046 --> 01:31:48,050 お軽 遅かったな 982 01:31:48,050 --> 01:31:51,053 (お軽)これでも 精出して早よう来たつもりやけど 983 01:31:51,053 --> 01:31:54,056 ご奉公の身は つらいもの 984 01:31:54,056 --> 01:32:00,062 3日ぶりだな 会うのは (お軽)寂しかった 985 01:32:00,062 --> 01:32:14,076 ・~ 986 01:32:14,076 --> 01:32:19,081 (三平)お軽 勤めは つらいか? 987 01:32:19,081 --> 01:32:25,081 (お軽)でも 今は忘れています こうしているときだけは 988 01:32:29,091 --> 01:32:32,094 お軽… 許せよ 989 01:32:32,094 --> 01:32:37,099 お家の大事さえ起こらなければ 2人は晴れて一緒になれたものを 990 01:32:37,099 --> 01:32:42,099 お前を妻にできぬのは 武士の義理があるからだ 991 01:32:44,106 --> 01:32:47,109 なんで侍に生まれたの? 992 01:32:47,109 --> 01:32:51,113 なんで? (泣き声) 993 01:32:51,113 --> 01:32:54,116 なんで… 994 01:32:54,116 --> 01:33:00,055 ♪(お囃子) 995 01:33:00,055 --> 01:33:07,062 ♪(唄方)山に春雨 野につばな 996 01:33:07,062 --> 01:33:10,065 ♪ ヤーホイ ヤサホイ 997 01:33:10,065 --> 01:33:13,068 ♪ ヤーホイ ホイ 998 01:33:13,068 --> 01:33:19,074 ♪ 西行法師は一人旅 999 01:33:19,074 --> 01:33:25,080 ♪ 四国西国 巡るとき 1000 01:33:25,080 --> 01:33:31,086 ♪ ドーシタ ドーシタ 話しゃんせ 1001 01:33:31,086 --> 01:33:37,092 ♪ 菎蒻背骨を足にさし 1002 01:33:37,092 --> 01:33:40,095 ♪ オオ 痛た 1003 01:33:40,095 --> 01:33:46,101 ♪ 豆腐の角で けつまずき 1004 01:33:46,101 --> 01:33:52,107 ♪ オオ 痛た オオ 痛た 1005 01:33:52,107 --> 01:33:58,046 ♪ 若し若し そこな 姐御さん 1006 01:33:58,046 --> 01:34:04,052 ♪ これに薬は あるまいか 1007 01:34:04,052 --> 01:34:07,055 ♪ ホイホイ ヤサホイ 1008 01:34:07,055 --> 01:34:12,060 ♪ 薬も だんだんござります 1009 01:34:12,060 --> 01:34:18,066 ♪ ドーシタ ドーシタ 話しゃんせ 1010 01:34:18,066 --> 01:34:24,072 ♪ お山で掘った蛤と 1011 01:34:24,072 --> 01:34:29,077 ♪ 浜辺で生えた松茸と 1012 01:34:29,077 --> 01:34:38,086 ♪ 雪の黒焼 火で溶いて 1013 01:34:38,086 --> 01:34:42,090 ♪ ヤサ 宵につけると 1014 01:34:42,090 --> 01:34:45,093 ♪ 朝 なおる 1015 01:34:45,093 --> 01:34:48,096 ♪ ヤーホイ ヤサホイ 1016 01:34:48,096 --> 01:34:51,099 ♪ ヤーホイ ホイ 1017 01:34:51,099 --> 01:34:53,101 (笑い声) (拍手) 1018 01:34:53,101 --> 01:34:59,040 いやぁ 面白い 面白い こやつ 相当な者だな 1019 01:34:59,040 --> 01:35:03,044 (利兵衛)お大尽さまの お褒めにあずかり 恐縮千万 1020 01:35:03,044 --> 01:35:06,047 そのほう ただの ねずみではなさそうだ 1021 01:35:06,047 --> 01:35:11,052 憂しや この身は親同胞のために沈みし… 1022 01:35:11,052 --> 01:35:15,056 ♪ 恋の淵 1023 01:35:15,056 --> 01:35:17,058 (笑い声) (拍手) 1024 01:35:17,058 --> 01:35:19,060 昨日は人の身 今日は我が身 1025 01:35:19,060 --> 01:35:22,063 お大尽さまも この利兵衛をお笑いなく 1026 01:35:22,063 --> 01:35:25,066 きっと ご用心召されませ 1027 01:35:25,066 --> 01:35:28,069 わしに意見か 生意気な奴 1028 01:35:28,069 --> 01:35:32,073 さあ 皆 ひっ捕らまえて 酒飲ませろ さあさあ 酒飲ませろ 1029 01:35:32,073 --> 01:35:35,076 ああ これは… これは ありがたきご刑罰 1030 01:35:35,076 --> 01:35:38,079 いただきましょう さあさあ いただきましょう 1031 01:35:38,079 --> 01:35:40,081 さあさあ… 1032 01:35:40,081 --> 01:35:42,081 ・(障子の開く音) 1033 01:35:44,085 --> 01:35:50,085 今日から 大夫さんのお部屋付きに なりました軽でござります 1034 01:35:52,093 --> 01:35:55,096 (浮雲) 浮さまは だいぶ お疲れの様子 1035 01:35:55,096 --> 01:36:00,035 お休みなさるよう お寝間の用意を (お軽)はい 1036 01:36:00,035 --> 01:36:17,052 ・♪~ 1037 01:36:17,052 --> 01:36:21,056 (鬼剣)そなたは浮雲太夫かな? (浮雲)はい 1038 01:36:21,056 --> 01:36:25,060 ならば 大石どのがいるはず お目にかかりたいが 1039 01:36:25,060 --> 01:36:29,060 ・ ああ 大丈夫だ ・(笑い声) 1040 01:36:31,066 --> 01:36:33,066 (お軽)ハッ… 1041 01:36:37,072 --> 01:36:40,075 あっ これは 部屋を間違えたかな 1042 01:36:40,075 --> 01:36:42,077 大石どのでござるか 1043 01:36:42,077 --> 01:36:45,080 拙者 薩州の浪人 村上鬼剣と申す者 1044 01:36:45,080 --> 01:36:50,085 いや わしは池田久右衛門 人違いでござろう 1045 01:36:50,085 --> 01:36:54,089 おお いたいた やっぱり わしの部屋であった 1046 01:36:54,089 --> 01:36:58,026 間違えたのは向こうさまらしい ハハハッ… 1047 01:36:58,026 --> 01:37:00,028 (鬼剣)お待ちください 1048 01:37:00,028 --> 01:37:03,031 偽名を使われても 確かな筋から聞いてまいった 1049 01:37:03,031 --> 01:37:07,035 女ども 大事な話だ 出ていけ 1050 01:37:07,035 --> 01:37:14,042 ・♪~ 1051 01:37:14,042 --> 01:37:17,045 おぬしもだ! いや めっそうな 1052 01:37:17,045 --> 01:37:19,047 これは わしの かわいいもの 平にお許しを 1053 01:37:19,047 --> 01:37:22,050 さあさあ さあ 向こう行って 向こう行って 1054 01:37:22,050 --> 01:37:30,058 ・♪~ 1055 01:37:30,058 --> 01:37:33,061 大石… いや 池田どの 1056 01:37:33,061 --> 01:37:37,065 今日は 亡きご主君の ご命日であることをご承知か? 1057 01:37:37,065 --> 01:37:41,069 さて… おとぼけなさるな 1058 01:37:41,069 --> 01:37:44,072 関わりのない我らですら 覚えているのに 1059 01:37:44,072 --> 01:37:49,077 女の手を取り 酒を食らい… なんたるざまだ! 1060 01:37:49,077 --> 01:37:55,083 自分の金で遊び 叱られるとは恐れ入ったな 1061 01:37:55,083 --> 01:37:59,020 自分の金? 黙らっしゃい! 1062 01:37:59,020 --> 01:38:03,024 赤穂開城の みぎり 奥方お化粧料の中より・ 1063 01:38:03,024 --> 01:38:10,031 金子600両を拝借されたと 当時の御用人 落合どのから聞いた 1064 01:38:10,031 --> 01:38:14,035 その金は 大願成就のための 用意ではなかったのか? 1065 01:38:14,035 --> 01:38:18,039 (鬼剣)敵を欺く方便ならば 遊ぶのもいいだろう 1066 01:38:18,039 --> 01:38:22,043 だが このごろの放埒ぶりは どうしたことだ 1067 01:38:22,043 --> 01:38:27,048 それで大願成就がなされると 思われるのか? 1068 01:38:27,048 --> 01:38:34,055 聞きたい 本当の気持ちを聞かせてくれ 1069 01:38:34,055 --> 01:38:40,061 諸国の武士の関心は お手前の 態度ひとつに集まっているのだ 1070 01:38:40,061 --> 01:38:45,066 是非に本心を聞かせてくれ 聞かせてくれ… 1071 01:38:45,066 --> 01:38:58,012 ・♪~ 1072 01:38:58,012 --> 01:39:01,015 おのれ! 1073 01:39:01,015 --> 01:39:07,021 手荒は およしなさりませ お武家さまが笑われましょう 1074 01:39:07,021 --> 01:39:10,024 (鬼剣)聞くと見るとは大違いだ 1075 01:39:10,024 --> 01:39:16,030 大金に目がくらみ 根性まで腐り果てたか 1076 01:39:16,030 --> 01:39:20,034 俺の夢は崩れ去った 1077 01:39:20,034 --> 01:39:22,036 クッ… 1078 01:39:22,036 --> 01:39:28,042 ♪~ 1079 01:39:28,042 --> 01:39:34,048 もう帰ったか? まあ たぬき寝入り? 1080 01:39:34,048 --> 01:39:39,053 わしは あのような こちこちは嫌いだ 1081 01:39:39,053 --> 01:39:43,057 わしの好きなのは郭だ 1082 01:39:43,057 --> 01:39:46,060 ・(笑い声) 1083 01:39:46,060 --> 01:39:50,064 ・(武士)「大石」でのうて 「軽石」だ ・(笑い声) 1084 01:39:50,064 --> 01:39:52,066 (笑い声) 1085 01:39:52,066 --> 01:39:56,070 (武士)腰抜け武士め! (武士)軽石め! 1086 01:39:56,070 --> 01:39:59,070 ・(笑い声) 1087 01:40:02,010 --> 01:40:05,013 ・(はしゃぎ声) 1088 01:40:05,013 --> 01:40:08,016 (寺坂)私が お伺いしてから 5日たちますが 1089 01:40:08,016 --> 01:40:11,019 まだお帰りになりません 1090 01:40:11,019 --> 01:40:14,022 もっとも 年を取ってから遊びだしたのは・ 1091 01:40:14,022 --> 01:40:16,024 やまらぬと申しますからね 1092 01:40:16,024 --> 01:40:21,029 もう言うな 父のことは放っておけ (寺坂)どうも すみません 1093 01:40:21,029 --> 01:40:26,034 ですが 私は 何にも 知らぬ坊ちゃまや お嬢ちゃまが… 1094 01:40:26,034 --> 01:40:32,040 あの小さなお子たちが いじらしゅうてなりません 1095 01:40:32,040 --> 01:40:34,042 (吉千代) 吉右衛門 さあ 馬になれ! 1096 01:40:34,042 --> 01:40:37,045 (寺坂)はいはい 今度は暴れ馬でございますぞ 1097 01:40:37,045 --> 01:40:39,047 さあ よろしゅうございますか? 1098 01:40:39,047 --> 01:40:42,050 ヒヒ~ン! (子供たち)わ~い 馬だ馬だ! 1099 01:40:42,050 --> 01:40:46,050 ・ わ~い 馬だ馬だ! わ~い 馬だ馬だ! 1100 01:41:02,003 --> 01:41:05,006 (三郎次)萱野三平どのか? 1101 01:41:05,006 --> 01:41:09,006 そうです (三郎次)確かに そうだな? 1102 01:41:13,014 --> 01:41:17,018 (三郎次) 貴様は先年 早打ちの駕籠先に 老婆を殺した覚えがあろう 1103 01:41:17,018 --> 01:41:20,021 あっ… 貝塚三郎次どのか 1104 01:41:20,021 --> 01:41:24,025 そうだ 俺は貴様を捜し歩いて旅に出た 1105 01:41:24,025 --> 01:41:29,025 家に戻ったら 貴様から この香典が仏壇に供えてあった 1106 01:41:31,032 --> 01:41:34,035 こんなことで 罪が逃れられると思うか? 1107 01:41:34,035 --> 01:41:36,037 抜け! 1108 01:41:36,037 --> 01:41:40,037 貴様の駕籠に当たって死んだ母の 敵を討ってやる! 1109 01:41:43,044 --> 01:41:45,044 (三平)待て! 1110 01:41:47,048 --> 01:41:49,048 (三郎次)ヤーッ! 1111 01:41:52,053 --> 01:41:54,053 待て… 待て 1112 01:42:01,062 --> 01:42:03,064 (三郎次)残念… 1113 01:42:03,064 --> 01:42:08,064 おのれは母を殺し 敵討つ俺まで 返り討ちにするつもりか? 1114 01:42:20,081 --> 01:42:22,083 子供たちは どうした? 1115 01:42:22,083 --> 01:42:26,087 (りく) 吉右衛門と山へ まいりました 1116 01:42:26,087 --> 01:42:30,091 ハハッ… あいつが来てくれて大助かりだ 1117 01:42:30,091 --> 01:42:34,095 疲れて戻って 子供の相手は とてもできぬ 1118 01:42:34,095 --> 01:42:37,098 あまり お帰りがないので 1119 01:42:37,098 --> 01:42:41,102 子供たちは 寂しがるのでございますよ 1120 01:42:41,102 --> 01:42:43,104 りく… 1121 01:42:43,104 --> 01:42:49,104 俺はな 近ごろ 池田久右衛門に なりきってしまったらしい 1122 01:42:59,053 --> 01:43:05,053 おお 三平ではないか 珍しいのぅ さあ 上がれ上がれ 1123 01:43:14,068 --> 01:43:18,068 今日は 折り入って お話がありまして 1124 01:43:44,098 --> 01:43:49,103 武士の義理 討たれてやると約束しました 1125 01:43:49,103 --> 01:43:52,106 そうか 1126 01:43:52,106 --> 01:43:57,045 ご主君は 武士の意地を通し ご切腹をなされた 1127 01:43:57,045 --> 01:44:00,048 そなたは 武士の義理のために死ぬのか 1128 01:44:00,048 --> 01:44:03,051 覚悟は決めておりましたが 1129 01:44:03,051 --> 01:44:06,054 こちらさまには 誓紙血判をいたした身なれば 1130 01:44:06,054 --> 01:44:09,057 何とぞ 三平の署名は お消し願いたく 1131 01:44:09,057 --> 01:44:12,057 お願いに上がりました 1132 01:44:16,064 --> 01:44:19,067 分かった 1133 01:44:19,067 --> 01:44:23,071 それから もうひとつ 1134 01:44:23,071 --> 01:44:31,079 死んでいく私に 大夫の本当の お心をお聞かせいただければ 1135 01:44:31,079 --> 01:44:36,084 本当の心とは? 本当のお心でございます 1136 01:44:36,084 --> 01:44:41,089 俺が遊びほうけているのは 公儀を欺く方略 1137 01:44:41,089 --> 01:44:45,093 家来 打ち寄って 浅野家を再興することが・ 1138 01:44:45,093 --> 01:44:47,095 ご恩報じの道だと… 1139 01:44:47,095 --> 01:44:50,098 あなたは 死んでいくことの 分かっている三平にまで・ 1140 01:44:50,098 --> 01:44:54,098 嘘をつくのですか? そういうあなたが私は嫌いだ 1141 01:44:57,038 --> 01:45:01,042 ご主君は 浅野家滅亡にも 代え難い うっぷんがあって・ 1142 01:45:01,042 --> 01:45:03,044 刃傷なされたのですぞ 1143 01:45:03,044 --> 01:45:08,049 しかも ただの罪人として 切腹を させられたのは ご承知のはず 1144 01:45:08,049 --> 01:45:11,052 大夫 私は あなたを信じています 1145 01:45:11,052 --> 01:45:17,052 どうか どうか 死んでいく三平に 本当のお心をお明かしください 1146 01:45:22,063 --> 01:45:24,065 三平… 1147 01:45:24,065 --> 01:45:31,072 内蔵助は 人をうたぐる癖が ついてしまったようだ 1148 01:45:31,072 --> 01:45:33,074 わしは迷っている 1149 01:45:33,074 --> 01:45:37,078 今でも どうすればよいかと迷っている 1150 01:45:37,078 --> 01:45:42,083 だが そちの一言で はっきりしてきた 1151 01:45:42,083 --> 01:45:44,085 それは… 1152 01:45:44,085 --> 01:45:49,090 天下のご政道に反抗する ああ… 大夫! 1153 01:45:49,090 --> 01:45:53,090 必ず やる ははっ! 1154 01:46:00,034 --> 01:46:05,034 ・(鐘の音) 1155 01:46:22,056 --> 01:46:28,056 ・(三平) 三郎次か 木戸は開けてある 入れ 1156 01:46:46,080 --> 01:46:51,080 ・(三平) おお 助太刀を連れてきたな? 1157 01:46:53,087 --> 01:46:58,025 ・ だが それには及ばん 1158 01:46:58,025 --> 01:47:04,025 三平 約束の時刻だぞ 出合え! 1159 01:47:15,042 --> 01:47:17,042 ・(三平)アッ… 1160 01:47:22,049 --> 01:47:25,052 (はしゃぎ声) 1161 01:47:25,052 --> 01:47:31,058 ♪(女性たち) 鬼さん こちら 手の鳴るほうへ 1162 01:47:31,058 --> 01:47:41,068 ♪ 鬼さん こちら 手の鳴るほうへ 鬼さん こちら 手の鳴るほうへ 1163 01:47:41,068 --> 01:47:46,073 おおっと 捕まえた 捕まえた ハハハハッ… 1164 01:47:46,073 --> 01:47:52,079 おお 原に 小野寺か 帳場の勘定は済んだか? 1165 01:47:52,079 --> 01:47:57,018 (小野寺)はい 確かに おお そうか では 飲もう 1166 01:47:57,018 --> 01:48:00,021 さあ みんな 今日は勘定方が来ているから 1167 01:48:00,021 --> 01:48:03,024 何でも おごってもらうがよいぞ (笑い声) 1168 01:48:03,024 --> 01:48:07,028 さあ 上がれ上がれ さあ さあ 来い 1169 01:48:07,028 --> 01:48:10,031 (原)大夫… 1170 01:48:10,031 --> 01:48:13,031 萱野三平が切腹を 1171 01:48:15,036 --> 01:48:17,036 そうか 1172 01:48:23,044 --> 01:48:28,049 どうなさいました? ハハッ… 何でもない 1173 01:48:28,049 --> 01:48:34,055 実は 大事に飼っていた雀が 死んだそうだ 1174 01:48:34,055 --> 01:48:36,057 雀が… 1175 01:48:36,057 --> 01:48:41,062 ああ そうだ 今宵は ひとつ 雀のお通夜をしよう 1176 01:48:41,062 --> 01:48:44,065 わしは大僧正 1177 01:48:44,065 --> 01:48:48,069 お前たちは 三味線を弾いて お念仏をやれ 1178 01:48:48,069 --> 01:48:53,074 ♪(三味線の演奏) 1179 01:48:53,074 --> 01:48:59,013 ♪(利兵衛)そんなら わたしが チョイト出ましょ 1180 01:48:59,013 --> 01:49:02,016 ♪~ 1181 01:49:02,016 --> 01:49:09,023 ♪ ちょいと この人 こう借りて 1182 01:49:09,023 --> 01:49:14,028 ♪ ちょいと これをば こうもたせ 1183 01:49:14,028 --> 01:49:19,033 ♪ ちょいと この指 こうさして 1184 01:49:19,033 --> 01:49:24,038 ♪ 板切れスズメは どうでござる 1185 01:49:24,038 --> 01:49:29,043 ♪(一同) こりゃ よう出来た 出来ました 1186 01:49:29,043 --> 01:49:34,048 ♪ そんなら 和尚がチョイト出ましょ 1187 01:49:34,048 --> 01:49:39,053 ♪ 萱野の奥の小雀に 1188 01:49:39,053 --> 01:49:44,058 ♪ 和尚が引導 渡しましょ 1189 01:49:44,058 --> 01:49:49,063 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏… 1190 01:49:49,063 --> 01:49:53,067 ♪ こりゃ よう出来た 出来ました 1191 01:49:53,067 --> 01:49:56,070 (禿)あっ 浮さまが泣いてござる 泣いてござる 1192 01:49:56,070 --> 01:49:58,005 ああ 見破られたか 1193 01:49:58,005 --> 01:50:03,010 わしの涙は そ~ら ほら これだ (笑い声) 1194 01:50:03,010 --> 01:50:07,014 今宵は ひとつ 雀のお通夜をしよう 1195 01:50:07,014 --> 01:50:09,016 さあ さあ みんな みんな 泣け いいか? 1196 01:50:09,016 --> 01:50:13,020 ほら ほ~ら 泣け泣け (笑い声) 1197 01:50:13,020 --> 01:50:16,023 それ そ~れ 泣け (笑い声) 1198 01:50:16,023 --> 01:50:20,027 ほ~れ ほ~れ (笑い声) 1199 01:50:20,027 --> 01:50:22,029 ほれ 泣け泣け 1200 01:50:22,029 --> 01:50:24,031 そ~れ… 1201 01:50:24,031 --> 01:50:37,031 ♪~ 1202 01:50:49,056 --> 01:50:54,061 大学さまは 死ぬまで広島のご本家にお預けと 1203 01:50:54,061 --> 01:50:56,063 ご処分が決まったそうです 1204 01:50:56,063 --> 01:51:00,000 (吉田)大夫 猶予はなりませぬ 1205 01:51:00,000 --> 01:51:03,003 吉良どのは四位の少将だが 僅か4000石の小身だ 1206 01:51:03,003 --> 01:51:07,007 しかし 上杉30万石が後ろ盾となろう 1207 01:51:07,007 --> 01:51:09,009 恐るるに足りませぬ 1208 01:51:09,009 --> 01:51:15,015 (大高)我ら連判の同志61名が 結束すれば 事は成せる 1209 01:51:15,015 --> 01:51:20,020 復讐は易いが それに運ぶまでが難事だ 1210 01:51:20,020 --> 01:51:25,025 吉田どの 原どの すぐさま江戸に赴いて・ 1211 01:51:25,025 --> 01:51:28,028 江戸在住の人々に (吉田・原)はっ! 1212 01:51:28,028 --> 01:51:31,031 わしは 西を固めよう 1213 01:51:31,031 --> 01:51:33,033 しかし 十分 注意を願いたい 1214 01:51:33,033 --> 01:51:40,040 我らは ただ 吉良上野介の首を はねるのが目的ではござらん 1215 01:51:40,040 --> 01:51:47,047 武士として 大きな義理のために 犠牲になる覚悟をお忘れなく 1216 01:51:47,047 --> 01:51:49,047 (不破)おい! 1217 01:51:55,055 --> 01:51:57,055 (斬る音) 1218 01:52:00,060 --> 01:52:03,063 フゥ… 1219 01:52:03,063 --> 01:52:09,069 吉良の間者だな (不破)不憫だが 悪く思うな 1220 01:52:09,069 --> 01:52:20,080 ・~ 1221 01:52:20,080 --> 01:52:24,080 (寺坂)ああ 今日は お日和もよく すがすがしいな 1222 01:52:27,087 --> 01:52:32,092 (お軽)兄さん 三平さん この花 とっても好きやったの 1223 01:52:32,092 --> 01:52:37,097 (寺坂)そうか そうか じゃ きっと喜んでるよ 1224 01:52:37,097 --> 01:52:42,102 でも 見えるかしら? (寺坂)見えるさ 見えるとも 1225 01:52:42,102 --> 01:52:45,105 人間 生きてるうちは 目の前しか見えねえが 1226 01:52:45,105 --> 01:52:48,108 仏さまになっちゃ 何だって見えちゃうもんなんだ 1227 01:52:48,108 --> 01:52:52,108 フフフッ… 三平さん 本当? 1228 01:52:56,116 --> 01:52:58,052 お軽… 1229 01:52:58,052 --> 01:53:05,059 ところで 俺が ご家老さまと 東へ下るようになると・ 1230 01:53:05,059 --> 01:53:09,063 お前は 独りぼっちに なっちまうんだな どうする? 1231 01:53:09,063 --> 01:53:12,066 そんなこと 初めから分かってるやないの 1232 01:53:12,066 --> 01:53:18,066 わても覚悟は決まってます (寺坂)短気を起こすなよ 1233 01:53:20,074 --> 01:53:24,078 かねがね 三平さんも言うてました 1234 01:53:24,078 --> 01:53:27,078 「生きられるだけ長生きして」… 1235 01:53:29,083 --> 01:53:33,087 「わしの墓を守ってくれ」って 1236 01:53:33,087 --> 01:53:40,087 (泣き声) 1237 01:53:42,096 --> 01:53:47,101 もう これで お目にかかれぬのでござりますか 1238 01:53:47,101 --> 01:53:52,106 金も使い果たして やがて 家も売ることになろう 1239 01:53:52,106 --> 01:53:55,109 道楽者の終わりは これだ 1240 01:53:55,109 --> 01:54:01,048 しばらくは 誰にも このこと言うなよ 1241 01:54:01,048 --> 01:54:03,050 心得ております 1242 01:54:03,050 --> 01:54:08,055 妻も離縁することにした えっ? 1243 01:54:08,055 --> 01:54:16,063 子供たちにも 道楽者の累が 及ばぬように 里に帰すのだ 1244 01:54:16,063 --> 01:54:19,063 おかわいそうに 1245 01:54:36,083 --> 01:54:39,086 (吉千代) 父上 これから但馬へ まいります 1246 01:54:39,086 --> 01:54:42,089 (吉千代・くう)ご機嫌よろしゅう 1247 01:54:42,089 --> 01:54:45,089 気をつけてな 1248 01:55:12,052 --> 01:55:16,056 (りく)住み慣れてみますと… 1249 01:55:16,056 --> 01:55:20,056 この家も お名残惜しゅうございます 1250 01:55:22,062 --> 01:55:27,062 そうだな… わしも やがて この家とも おさらばだ 1251 01:55:38,078 --> 01:55:42,078 では… まいります 1252 01:55:48,088 --> 01:55:53,093 お体をお大切に… 1253 01:55:53,093 --> 01:56:13,046 ・~ 1254 01:56:13,046 --> 01:56:33,066 ・~ 1255 01:56:33,066 --> 01:56:38,071 松之丞 むごい奴と思うか? この俺を 1256 01:56:38,071 --> 01:56:42,075 父は お前の母に何もかも隠した 1257 01:56:42,075 --> 01:56:44,077 信じないわけではない 1258 01:56:44,077 --> 01:56:48,081 夫婦ならば 話さずとも分かると 思ったからだ 俺の気持ちが 1259 01:56:48,081 --> 01:56:52,085 夫婦が一心同体なら 母上には分かっていたでしょう 1260 01:56:52,085 --> 01:56:57,024 ただ母上は よく分かっていても 父上の口から 本当の心を・ 1261 01:56:57,024 --> 01:57:00,027 打ち明けてもらいたかったんだと 思います 1262 01:57:00,027 --> 01:57:04,031 きっと今も そればかり 思い詰めておられますよ 1263 01:57:04,031 --> 01:57:10,037 だが りくは 何も言わずに旅立ってくれた 1264 01:57:10,037 --> 01:57:15,042 泣きたかったろうが 涙も出さずにな 1265 01:57:15,042 --> 01:57:20,047 但馬の里に戻ってから 思い切り泣くつもりだろう 1266 01:57:20,047 --> 01:57:27,054 いえ 母上は泣きません 生涯 泣かないでしょう 1267 01:57:27,054 --> 01:57:33,060 そうだ お前の母は優しい中にも そういう強さがあった 1268 01:57:33,060 --> 01:57:41,068 ・~ 1269 01:57:41,068 --> 01:57:47,068 松之丞 お前は母の所へ行くか? 1270 01:57:49,076 --> 01:57:51,078 どうして そんなことを… 1271 01:57:51,078 --> 01:57:55,078 父は お前に 死ぬか生きるかを聞いているのだ 1272 01:57:57,017 --> 01:58:01,021 私は自分の意思で 同志となったのでございます 1273 01:58:01,021 --> 01:58:06,026 大義のために 栄誉も安楽も要らない 1274 01:58:06,026 --> 01:58:09,029 私の行く道は ひと筋より ありません 1275 01:58:09,029 --> 01:58:21,041 ・~ 1276 01:58:21,041 --> 01:58:33,041 ・~ 1277 01:58:40,060 --> 01:58:42,062 1278 01:58:42,062 --> 01:58:56,076 ・~ 1279 01:58:56,076 --> 01:58:59,012 (男性)お~い! 大変だ! 1280 01:58:59,012 --> 01:59:04,017 (騒ぎ声) 1281 01:59:04,017 --> 01:59:14,027 ・~ 1282 01:59:14,027 --> 01:59:16,029 (役人たち)下がれ! 1283 01:59:16,029 --> 01:59:20,033 (役人) こら 前へ出るな 前へ! こら! 1284 01:59:20,033 --> 01:59:25,038 (役人たち)下がれ! (役人)前へ出るな 前へ! 1285 01:59:25,038 --> 01:59:41,054 ・~ 1286 01:59:41,054 --> 01:59:45,058 (男性)俺は見ていたがね 急に 橋桁が げりげりって音を立ててね 1287 01:59:45,058 --> 01:59:48,061 (男性)あっという間もなかったな (男性)へえ 1288 01:59:48,061 --> 01:59:52,065 (女性)人夫たちはね 町内から ただで駆り出されたんだってさ 1289 01:59:52,065 --> 01:59:55,068 (男性)随分 死んだね みんな 泣き寝入りだよ 1290 01:59:55,068 --> 01:59:58,005 (男性)何しろ この石は柳沢出羽守さまの所へ… 1291 01:59:58,005 --> 02:00:01,008 (役人)どけ! 前へ出るな 前へ! 1292 02:00:01,008 --> 02:00:04,011 (俵星)それから どうした? (男性)おら 知らねえ 1293 02:00:04,011 --> 02:00:06,013 (役人)おい ちょちょ… 下がって下がって! 1294 02:00:06,013 --> 02:00:10,017 さあ 下がって! さあ 下がれ! 1295 02:00:10,017 --> 02:00:12,019 へえ あの槍の先生が? 1296 02:00:12,019 --> 02:00:15,022 (音吉)そうだってことよ こちとら 江戸っ子だ 1297 02:00:15,022 --> 02:00:18,025 それに あのときは夜なべで畳 仕上げてよ 1298 02:00:18,025 --> 02:00:21,028 浅野の殿さまから ご褒美までもらってな 1299 02:00:21,028 --> 02:00:23,030 その話は100ぺんも聞いたよ 1300 02:00:23,030 --> 02:00:25,032 だから言うんじゃねえけどさ 1301 02:00:25,032 --> 02:00:27,034 江戸中の者は みんな 浅野さま贔屓だぜ 1302 02:00:27,034 --> 02:00:29,036 そうだよ 私だって 1303 02:00:29,036 --> 02:00:33,040 それに お前 あの… 俵星だか流れ星だか知らねえがさ 1304 02:00:33,040 --> 02:00:37,040 いくら銭が欲しいからって お前 吉良の付け人… 1305 02:00:42,049 --> 02:00:44,051 言いたいことがあったら 言ったら どうだ? 1306 02:00:44,051 --> 02:00:48,051 人間 腹が立つときには 思い切り腹を立てるもんだ 1307 02:00:51,058 --> 02:00:54,061 フン… どいつもこいつも 陰で ほざきやがる 1308 02:00:54,061 --> 02:00:57,998 (お玉)何にも言ってやしませんよ (俵星)俺のことじゃない 1309 02:00:57,998 --> 02:01:00,998 言いたいことが言えぬ世の中に 怒ってるんだ 1310 02:01:03,003 --> 02:01:07,003 (安兵衛)久しぶりだな (俵星)よう しばらくだったな 1311 02:01:09,009 --> 02:01:13,013 おぬし 召し抱えられたと聞いたが 1312 02:01:13,013 --> 02:01:15,015 この風采を見ろ 1313 02:01:15,015 --> 02:01:19,019 召し抱えられたら 当家の借金も とっくに払っておるわい ハハハ… 1314 02:01:19,019 --> 02:01:22,022 なあ? お玉 1315 02:01:22,022 --> 02:01:25,025 まだだったのか 1316 02:01:25,025 --> 02:01:31,031 松平越中 中川佐渡 上杉からも吉良からも来た 1317 02:01:31,031 --> 02:01:33,033 だが 「これ」が安すぎる 1318 02:01:33,033 --> 02:01:38,038 俺は自分の腕に誇りを持っておる 安い所は ごめんだ 1319 02:01:38,038 --> 02:01:42,042 たとえ貧乏しても 目の利く奴が現れるまで待つ 1320 02:01:42,042 --> 02:01:45,045 (平五郎)その腕を見込んで頼むと こう言われたんだ 1321 02:01:45,045 --> 02:01:47,047 (松右衛門) 冗談言っちゃいけねえやな 1322 02:01:47,047 --> 02:01:50,050 お前だって江戸の大工だろう 1323 02:01:50,050 --> 02:01:55,055 べらぼうめ 事もあろうに 吉良の屋敷を建てるなんて 1324 02:01:55,055 --> 02:01:57,057 お前 正気か? 1325 02:01:57,057 --> 02:02:00,060 いや 正気かったって もう半分以上 建ってるんだもの 1326 02:02:00,060 --> 02:02:02,062 あきれた野郎だ 1327 02:02:02,062 --> 02:02:04,064 いや まあ 聞きなよ おっさん 1328 02:02:04,064 --> 02:02:10,070 (岡野)こんちは 米屋でございます 米を持ってきました 1329 02:02:10,070 --> 02:02:12,070 (お艶)ご苦労さま 1330 02:02:14,074 --> 02:02:16,074 疲れたでしょう 1331 02:02:22,082 --> 02:02:25,085 お茶でも入れるから ちょっと待っててね 1332 02:02:25,085 --> 02:02:27,085 はぁ… 1333 02:02:31,091 --> 02:02:33,093 「本所のお屋敷は・ 1334 02:02:33,093 --> 02:02:36,096 お旗本の近藤さまが お住まいになっていたお屋敷で・ 1335 02:02:36,096 --> 02:02:39,099 お前の親父が建てたんだぞ」と こう来たから 1336 02:02:39,099 --> 02:02:41,101 俺は しゅんと来ちゃったんだ 1337 02:02:41,101 --> 02:02:45,105 職人ってのは弱いもんだね ええ? 腕を見込んでなんて言われると・ 1338 02:02:45,105 --> 02:02:47,107 吉良さまのお屋敷だろうが 何だろうが・ 1339 02:02:47,107 --> 02:02:49,109 そんなことを忘れちまってよ 1340 02:02:49,109 --> 02:02:51,111 「よし 吉良さまのお屋敷 建てましょう」って・ 1341 02:02:51,111 --> 02:02:54,114 引き受けちまったってわけなんだ 1342 02:02:54,114 --> 02:02:56,116 しかしな おっさん 1343 02:02:56,116 --> 02:02:58,051 俺の親父は名人だったな ええ? (松右衛門)そうだな 1344 02:02:58,051 --> 02:03:02,055 うん その親父と 俺は 腕比べがしてみたくなったんだよ 1345 02:03:02,055 --> 02:03:04,057 そうなりゃ お前 吉良だの何だのって・ 1346 02:03:04,057 --> 02:03:06,059 そんな ちっぽけなこと言っちゃ いられなくなったってわけだ 1347 02:03:06,059 --> 02:03:09,062 それで お前の気持ちが 割り切れたというわけか 1348 02:03:09,062 --> 02:03:12,065 うん… まあ まあ おっさん これ見てくれ 1349 02:03:12,065 --> 02:03:15,065 これは 俺の親父が建てたときの絵図面だ 1350 02:03:23,076 --> 02:03:26,076 もう帰るの? (岡野)ああ… 1351 02:03:34,087 --> 02:03:38,091 お艶さん そのうちに 涼みにでも行きませんか? 1352 02:03:38,091 --> 02:03:42,091 連れてってくれる? (岡野)はい お供します 1353 02:03:44,097 --> 02:03:46,099 (佐保)お許しくださいませ 1354 02:03:46,099 --> 02:03:52,105 (吉良)いやぁ 何もせぬ ハハッ… 何もせぬよ 1355 02:03:52,105 --> 02:03:55,105 ただ こうするだけじゃ 1356 02:03:58,044 --> 02:04:06,044 こうするだけで 長生きの薬になる 1357 02:04:14,060 --> 02:04:16,060 ・(せきばらい) 1358 02:04:22,068 --> 02:04:25,071 (多仲) 新しい付け人を召し連れました 1359 02:04:25,071 --> 02:04:29,071 何とぞ お目通りを願います (吉良)うむ… 1360 02:04:42,088 --> 02:04:46,092 (和久)手前 和久半太夫 (小林)小林平八郎と申します 1361 02:04:46,092 --> 02:04:49,095 (吉良)ああ よいよい 1362 02:04:49,095 --> 02:04:55,101 名前を聞いても すぐ忘れる 年を取ったからな 1363 02:04:55,101 --> 02:05:00,101 よろしく頼むぞ 守ってくれよ 1364 02:05:07,047 --> 02:05:10,047 ああ 一角 (一角)はっ! 1365 02:05:12,052 --> 02:05:19,059 そのほう申しておった槍の名人 あの中におるのか? 1366 02:05:19,059 --> 02:05:22,062 いえ 俵星は少々 訳がありまして 1367 02:05:22,062 --> 02:05:28,062 何だ? 金のことなら 上杉綱憲に言うがよい 1368 02:05:51,091 --> 02:05:53,091 あっ… 1369 02:06:00,033 --> 02:06:05,038 (武林)なに? 付け人が50人も? (佐保)はい 御用人の松原多仲は・ 1370 02:06:05,038 --> 02:06:08,041 200人にするとか申して いろいろ指図しております 1371 02:06:08,041 --> 02:06:11,044 多仲に そのような権限があるのか? 1372 02:06:11,044 --> 02:06:15,048 上杉家の千坂兵部さまが ご病気になられてから 1373 02:06:15,048 --> 02:06:18,051 急に家老格に出世をして 切り回しております 1374 02:06:18,051 --> 02:06:20,053 (武林) 200人も集められたら事だな 1375 02:06:20,053 --> 02:06:25,058 (岡島)うん… 佐保どの いろいろと ご苦労かたじけない 1376 02:06:25,058 --> 02:06:28,061 嫌なこともあろうが よろしく頼む 1377 02:06:28,061 --> 02:06:34,067 お兄上も ご家老と共に 近々 東へ下るとのことだ 1378 02:06:34,067 --> 02:06:38,071 女の身ゆえ 討ち入りも かないませねば 1379 02:06:38,071 --> 02:06:42,075 せめて こうしたことで お役に立ちたいと思います 1380 02:06:42,075 --> 02:06:47,080 それから 本所の新屋敷では いざというときに備えて 1381 02:06:47,080 --> 02:06:52,085 抜け穴 隠れ場所など 大工に 命じて作らせているそうです 1382 02:06:52,085 --> 02:06:54,087 そのことで 岡野金右衛門が・ 1383 02:06:54,087 --> 02:06:58,024 本所の屋敷の絵図面を 手に入れようと苦心しておる 1384 02:06:58,024 --> 02:07:05,031 ・~ 1385 02:07:05,031 --> 02:07:09,035 (お艶) 九十郎さんは お侍さんだったの? 1386 02:07:09,035 --> 02:07:11,037 (岡野)ええ… 1387 02:07:11,037 --> 02:07:17,043 でも 子供の時分から侍が嫌だった 義理だの忠義だの… 1388 02:07:17,043 --> 02:07:20,046 それよりも 自由勝手に 暮らせないのが嫌だったから 1389 02:07:20,046 --> 02:07:23,049 町人になってしまったんです 1390 02:07:23,049 --> 02:07:27,053 親御さんは ご心配でしょう (岡野)今では諦めて・ 1391 02:07:27,053 --> 02:07:30,056 「いい嫁でも もらって 勝手に暮らせ」って 1392 02:07:30,056 --> 02:07:32,056 まあ… 1393 02:07:34,060 --> 02:07:38,064 いいお嫁さんが見つかったの? 1394 02:07:38,064 --> 02:07:42,068 ええ… (お艶)本当に? 1395 02:07:42,068 --> 02:07:49,068 まだ話してはみないが 私は心で そっと決めているんです 1396 02:07:53,079 --> 02:07:58,017 いいわね いい人が見つかって 1397 02:07:58,017 --> 02:08:01,020 はい 1398 02:08:01,020 --> 02:08:05,024 どんな人か見たいわ 1399 02:08:05,024 --> 02:08:10,029 いつでも お見せします (お艶)いいえ 見たくない 1400 02:08:10,029 --> 02:08:12,029 (お艶)アッ… 1401 02:08:15,034 --> 02:08:19,038 ・(花火の音) 1402 02:08:19,038 --> 02:08:23,042 (岡野)そろそろ帰りましょうか 1403 02:08:23,042 --> 02:08:28,047 九十郎さんは どんな人が好き? 1404 02:08:28,047 --> 02:08:32,051 お艶さんみたいな人 (お艶)嘘 嘘! 1405 02:08:32,051 --> 02:08:35,054 ねえ 本当のこと言って 1406 02:08:35,054 --> 02:08:40,059 本当に あんたが好きだ (お艶)えっ? 1407 02:08:40,059 --> 02:08:45,059 本当に 嫁にもらいたい人は あんただ 1408 02:08:50,069 --> 02:08:52,071 ハハハハッ… 1409 02:08:52,071 --> 02:08:55,074 お前たちが妹に惚れてたことは 分かっちゃいたが 1410 02:08:55,074 --> 02:08:57,010 まあ よく その雁首そろえて 1411 02:08:57,010 --> 02:09:01,014 俺の前に 婿に選んでくれと 出てこられたもんだな ええ? 1412 02:09:01,014 --> 02:09:03,016 (のん太)だから 言ったじゃないの 1413 02:09:03,016 --> 02:09:05,018 お前が 当たって砕けろなんて言うから… 1414 02:09:05,018 --> 02:09:08,021 (伝八)お互いに砕けたんだから いいじゃねえかよ 1415 02:09:08,021 --> 02:09:10,023 (殴る音) 砕け過ぎだってんだ この野郎 1416 02:09:10,023 --> 02:09:12,023 (平五郎) 何ぐずぐず言ってるんだ? おう 1417 02:09:18,031 --> 02:09:22,031 ・(平五郎)オッ… お艶か? おい ちょっと来い 1418 02:09:26,039 --> 02:09:29,042 (平五郎) ずっと米屋と一緒にいたのか? 1419 02:09:29,042 --> 02:09:33,042 あら 兄さん 知ってたの? (平五郎)こいつらに聞いたんだよ 1420 02:09:35,048 --> 02:09:39,052 お前 米屋に惚れてるんだってな 1421 02:09:39,052 --> 02:09:41,054 何でえ? その面は 1422 02:09:41,054 --> 02:09:44,057 俺は お前が惚れた奴には 文句は言わねえって約束だろう 1423 02:09:44,057 --> 02:09:48,057 こっちへ来て はっきり言ったら どうなんだ ええ? (お艶)ええ 1424 02:09:59,005 --> 02:10:04,010 あのね 九十郎さんと約束したんです 1425 02:10:04,010 --> 02:10:07,013 夫婦になろうって 1426 02:10:07,013 --> 02:10:10,016 えっ? いよっ! 1427 02:10:10,016 --> 02:10:15,021 よっ! お羨ましいね (お艶)嫌よ 兄さん 1428 02:10:15,021 --> 02:10:18,024 九十郎さんのことは どうぞ よろしくお願いします 1429 02:10:18,024 --> 02:10:21,027 おや? お尻でご挨拶とは 恐れ入ったな どうも 1430 02:10:21,027 --> 02:10:24,030 ハハハッ… あいよ 1431 02:10:24,030 --> 02:10:28,034 へえ お前がねえ (お艶)なによ 1432 02:10:28,034 --> 02:10:31,037 うん? いや 俺も ぐずぐずしちゃ いられねえってことよ 1433 02:10:31,037 --> 02:10:33,039 ハハハハッ… 1434 02:10:33,039 --> 02:10:36,039 ・(花火の音) 1435 02:10:46,052 --> 02:10:48,052 (岡島)どうした? 岡野 1436 02:10:50,056 --> 02:10:55,056 今夜ほど 自分が情けなく思えたことはない 1437 02:10:56,996 --> 02:10:59,999 (岡島)大義のためだ しかたがない 1438 02:10:59,999 --> 02:11:04,003 (岡野)大義のために 罪もない娘を騙すなんて… 1439 02:11:04,003 --> 02:11:10,009 (岡島)岡野 おぬし まさか 本心から惚れやすまいな? 1440 02:11:10,009 --> 02:11:13,012 惚れると一層つらくなるぞ 1441 02:11:13,012 --> 02:11:17,016 ええい! (たたく音) 1442 02:11:17,016 --> 02:11:23,016 嘘でも本当でも羨ましいぞ! どうして俺は女に縁が薄いのかな 1443 02:11:28,027 --> 02:11:34,027 (お文)でも お前さん 本当に 惚れた たったひとりの男なんだよ 1444 02:11:39,038 --> 02:11:42,041 やっと見つけたんだ 1445 02:11:42,041 --> 02:11:47,046 お前さんのために お酒もやめたし 博打だって やめたじゃないか 1446 02:11:47,046 --> 02:11:52,046 もう離さない 決して離しゃしないから 1447 02:12:07,066 --> 02:12:11,070 早くお金をためて 身軽になって… 1448 02:12:11,070 --> 02:12:15,074 お前さんのご主人に お許しをもらって ねっ? 1449 02:12:15,074 --> 02:12:18,077 (高田)うん 1450 02:12:18,077 --> 02:12:24,083 一生懸命 働いて 所帯を持とう 1451 02:12:24,083 --> 02:12:27,083 ねえ お前さん 1452 02:12:31,090 --> 02:12:35,090 あたしは あばずれだよ いいのかい? 1453 02:12:37,096 --> 02:12:44,103 フフフッ… 今まで知った男の数も 数え切れないほど 1454 02:12:44,103 --> 02:12:48,107 そりゃ もう みんな話したっけね 1455 02:12:48,107 --> 02:12:53,107 ねえ 捨てちゃ嫌だよ (高田)うん 1456 02:13:09,061 --> 02:13:11,061 (柏手) 1457 02:13:30,082 --> 02:13:33,085 何てお願いしたか 分かってるかい? 1458 02:13:33,085 --> 02:13:35,085 (高田)うん 1459 02:13:40,092 --> 02:13:51,103 ・~ 1460 02:13:51,103 --> 02:14:01,047 ・~ 1461 02:14:01,047 --> 02:14:06,047 (猪子)吉良上野の駕籠が通るぞ (平野)またとなき折だ 急げ! 1462 02:14:10,056 --> 02:14:12,058 (岡島)大変な付け人です 1463 02:14:12,058 --> 02:14:14,060 柳沢出羽の所へ 火事見舞いにでも行くのだろう 1464 02:14:14,060 --> 02:14:17,063 抜け目のない じじいだ (吉田)大丈夫かな 1465 02:14:17,063 --> 02:14:22,068 同志の中には だいぶ しびれを 切らしてる若者が多いようだが 1466 02:14:22,068 --> 02:14:25,071 (岡島) この辺りは十分 抜かりありません 1467 02:14:25,071 --> 02:14:45,091 ・~ 1468 02:14:45,091 --> 02:14:57,036 ・~ 1469 02:14:57,036 --> 02:15:09,048 ・~ 1470 02:15:09,048 --> 02:15:12,051 (猪子)離せ! 何をする・ 1471 02:15:12,051 --> 02:15:15,054 (岡野) おい 早まるな! 早まるな! 1472 02:15:15,054 --> 02:15:20,059 (吉田)おぬしたちが 血気に はやる気持ちは よく分かる 1473 02:15:20,059 --> 02:15:25,064 それでは 心を合わせた同志たちの 苦心は どうなる? 1474 02:15:25,064 --> 02:15:29,068 我々の望んでいるものは 吉良の首だけはない 1475 02:15:29,068 --> 02:15:32,071 それを よく知ってるはずではないか 1476 02:15:32,071 --> 02:15:36,075 くれぐれも 軽挙を慎んでもらいたい 1477 02:15:36,075 --> 02:15:38,077 (吉保)吉良どの よいのか? 1478 02:15:38,077 --> 02:15:42,081 江戸には たくさんの赤穂浪人が 入り込んでおるというのに 1479 02:15:42,081 --> 02:15:46,085 (吉良)いやいや 出羽守さまお屋敷 ご類焼ともあっては・ 1480 02:15:46,085 --> 02:15:48,087 黙ってはおられませぬ (吉保)なになに 1481 02:15:48,087 --> 02:15:51,090 この柳沢は 火事のおかげで焼け太りじゃ 1482 02:15:51,090 --> 02:15:56,095 (吉良)では お見舞い品の下から ぴかぴか光る物が… 1483 02:15:56,095 --> 02:15:59,031 (吉保)老中職や平大名が競って・ 1484 02:15:59,031 --> 02:16:03,035 庭の大木や珍しい庭石などを 運んでくれてのぅ 1485 02:16:03,035 --> 02:16:07,039 どういうつもりだか知らんが フフフッ… 1486 02:16:07,039 --> 02:16:10,042 吉良どのにも 分けてしんぜようかのぅ 1487 02:16:10,042 --> 02:16:13,042 新居はできたのであろう? (吉良)はい 1488 02:16:19,051 --> 02:16:21,051 う~ん… 1489 02:16:25,057 --> 02:16:29,057 ああ なんだ お前か 1490 02:16:32,064 --> 02:16:35,067 ねえ 兄さん その絵図面 2~3日 貸してくれない? 1491 02:16:35,067 --> 02:16:38,070 うん? 何するんだい? 1492 02:16:38,070 --> 02:16:40,072 九十郎さんが貸してほしいって 1493 02:16:40,072 --> 02:16:42,074 うん? なんで米屋が お前… 1494 02:16:42,074 --> 02:16:47,079 親御さんに こんな立派なお屋敷を 建てた大工の妹だって・ 1495 02:16:47,079 --> 02:16:49,081 自慢したいんだって 1496 02:16:49,081 --> 02:16:54,086 ふ~ん… そうかい ほかならねえ かわいい妹のことだ 1497 02:16:54,086 --> 02:16:56,088 じゃ いいのね? ありがとう 1498 02:16:56,088 --> 02:16:58,024 ああ いいとも いいとも 貸してやるよと・ 1499 02:16:58,024 --> 02:17:00,026 言いてえところなんだが そうはいかねえんだ このまぬけめ 1500 02:17:00,026 --> 02:17:04,030 いいか? 絵図面という物は 建前のときにな 1501 02:17:04,030 --> 02:17:08,034 「決して他言は いたしません 絵図面は人に見せません」と言って 1502 02:17:08,034 --> 02:17:12,038 血判を押して差し出すのが 大工の掟だ 1503 02:17:12,038 --> 02:17:15,041 絵図は駄目だ (お艶)だって… 1504 02:17:15,041 --> 02:17:17,043 駄目だよ (お艶)兄さん 1505 02:17:17,043 --> 02:17:19,043 分かんねえ奴だな こんちくしょう 1506 02:17:26,052 --> 02:17:30,056 お前 あいつに 本当に惚れてるのか? 1507 02:17:30,056 --> 02:17:34,060 野郎のほうは どうなんだ? 真剣なのか? 1508 02:17:34,060 --> 02:17:36,062 う~ん… 1509 02:17:36,062 --> 02:17:40,066 野郎 侍のせがれだって そう言ってたな? 1510 02:17:40,066 --> 02:17:42,068 う~ん… だから お前… 1511 02:17:42,068 --> 02:17:46,072 向こうの親たちから 大工の妹だって蔑まれねえように 1512 02:17:46,072 --> 02:17:48,074 立派な大工でございますと・ 1513 02:17:48,074 --> 02:17:51,077 絵図面を見せたかったって そういうわけだ 1514 02:17:51,077 --> 02:17:54,080 そんなら なんじゃねえか 光明寺の鐘つき堂の絵図面がある 1515 02:17:54,080 --> 02:17:57,016 あれを貸してやろう あいつは… 1516 02:17:57,016 --> 02:18:01,016 (お艶)いいえ 吉良さまのお屋敷のでなけりゃ 1517 02:18:03,022 --> 02:18:09,028 おう お艶 あいつは 侍のせがれだったっけな? 1518 02:18:09,028 --> 02:18:13,032 そいつが吉良さまの絵図面を… 1519 02:18:13,032 --> 02:18:17,036 おう あいつは本当に お前を好きだと言ったのか? 1520 02:18:17,036 --> 02:18:19,038 ええ? おう 1521 02:18:19,038 --> 02:18:22,041 絵図面が欲しくて お前が好きだと 言ったんじゃねえだろうな? おう 1522 02:18:22,041 --> 02:18:29,048 違う違う 違います! あの人は そんな人じゃ… 1523 02:18:29,048 --> 02:18:44,063 (泣き声) 1524 02:18:44,063 --> 02:18:48,063 アア… 辻講釈でも聞いてくるかな 1525 02:18:51,070 --> 02:18:55,070 おう 何てったって 絵図面は貸さねえからな 1526 02:19:06,018 --> 02:19:10,022 なに? 俵星が吉良の付け人になる? 1527 02:19:10,022 --> 02:19:12,024 いや そんなことはないはずだが 1528 02:19:12,024 --> 02:19:15,027 (武林)分からんぞ 上杉が金を使ってるからな 1529 02:19:15,027 --> 02:19:18,030 (安兵衛)俵星は 自分の腕前に 誇りを持っている男だ 1530 02:19:18,030 --> 02:19:22,034 (岡島)その腕前に金を積めば 動かぬとも限らん 1531 02:19:22,034 --> 02:19:25,037 どちらにせよ 彼が吉良家に雇われることが・ 1532 02:19:25,037 --> 02:19:30,037 我らの大きな邪魔になるものなら 早く除かねばならんぞ 1533 02:19:33,045 --> 02:19:38,045 堀部 その役 引き受けるか? おぬし 1534 02:19:41,053 --> 02:19:44,053 ・(高田)おい! 九十郎! 1535 02:19:47,059 --> 02:19:49,061 (岡野)おう! 1536 02:19:49,061 --> 02:19:52,064 おう きれいなお客さんだぞ 1537 02:19:52,064 --> 02:19:57,002 ・~ 1538 02:19:57,002 --> 02:19:59,004 九十郎さん 1539 02:19:59,004 --> 02:20:05,010 ・~ 1540 02:20:05,010 --> 02:20:10,015 持ってきました (岡野)ありがとう 1541 02:20:10,015 --> 02:20:13,018 あした 暇をもらって すぐ家へ行く 1542 02:20:13,018 --> 02:20:16,021 小田原だから 3日もすれば戻れます 1543 02:20:16,021 --> 02:20:21,026 ・~ 1544 02:20:21,026 --> 02:20:26,031 私 夢中で持ってきたの 九十郎さんのために 1545 02:20:26,031 --> 02:20:31,036 だから 必ず3日のうちに ねっ? 1546 02:20:31,036 --> 02:20:35,036 すまない 心配かけて 1547 02:20:49,054 --> 02:20:55,054 ♪(俵星)富士野の御狩の… 1548 02:20:57,997 --> 02:20:59,999 (刀を抜く音) 1549 02:20:59,999 --> 02:21:03,002 俺が俵星玄蕃と知ってのうえか・ 1550 02:21:03,002 --> 02:21:05,002 ヤッ! 1551 02:21:07,006 --> 02:21:12,006 (俵星)フゥ… フゥ… 1552 02:21:28,027 --> 02:21:30,027 フゥ… 1553 02:21:32,031 --> 02:21:35,031 1人か? 安兵衛 1554 02:21:41,040 --> 02:21:46,040 分かっておる そんな面隠しは役に立たんぞ! 1555 02:21:58,057 --> 02:22:02,061 フフフッ… 5~6人は来ると覚悟していたが 1556 02:22:02,061 --> 02:22:07,066 そう大勢 来られては この玄蕃も命を捨てたかもしれん 1557 02:22:07,066 --> 02:22:10,066 おぬしも それを思って1人で来たのだな? 1558 02:22:12,071 --> 02:22:16,075 しかし おぬしは 拙者の思うつぼに はまったのだ 1559 02:22:16,075 --> 02:22:18,077 なに? 1560 02:22:18,077 --> 02:22:23,082 上杉家へ召し抱えられたなどとは 真っ赤な嘘だ (安兵衛)うん? 1561 02:22:23,082 --> 02:22:28,087 そう噂を立てれば 腕試しに道場へ立ち合いに来たり 1562 02:22:28,087 --> 02:22:32,091 酔いつぶして 騙し討ちということになろうと… 1563 02:22:32,091 --> 02:22:36,095 拙者の思ったとおりに なったということだ 1564 02:22:36,095 --> 02:22:39,098 それとともに 俺の知りたかったことも分かった 1565 02:22:39,098 --> 02:22:42,101 (安兵衛) 言うな つべこべと分からぬことを 1566 02:22:42,101 --> 02:22:48,107 俺が襲ったのは おのれが 赤穂浪士の悪口をほざいた遺恨だ 1567 02:22:48,107 --> 02:22:55,114 フン… そうかな? それだけとは思えんが 1568 02:22:55,114 --> 02:23:00,052 安兵衛 大事は いつだ? 1569 02:23:00,052 --> 02:23:03,055 知らん 大事とは何だ? 1570 02:23:03,055 --> 02:23:09,061 そうだ うっかりとは言えんことだな 1571 02:23:09,061 --> 02:23:15,067 しかしな 安兵衛 俺は おぬしを親しい友だと思っておる 1572 02:23:15,067 --> 02:23:20,072 (俵星)いずれ遠い旅へ出るとか 他家へ仕官するとか 1573 02:23:20,072 --> 02:23:24,076 そういうときには 拙者の道場へ立ち寄ってくれ 1574 02:23:24,076 --> 02:23:27,076 別れの盃ぐらい交わしたい 1575 02:23:29,081 --> 02:23:31,081 安兵衛… 1576 02:23:34,086 --> 02:23:37,089 俺をうたぐってくれるなよ 1577 02:23:37,089 --> 02:23:57,042 ・~ 1578 02:23:57,042 --> 02:24:16,061 ・~ 1579 02:24:16,061 --> 02:24:19,064 (半兵衛)あっ… これは これは 1580 02:24:19,064 --> 02:24:24,069 (潮田)清閑寺家 御用人 尾花光忠さま お泊まりになるぞ 1581 02:24:24,069 --> 02:24:30,075 禁裏御用なれば 粗相のないように (半兵衛)ははっ! 1582 02:24:30,075 --> 02:24:33,078 突然のお越しで 失礼つかまつりました 1583 02:24:33,078 --> 02:24:35,080 ただいま用意を 1584 02:24:35,080 --> 02:24:54,080 ・~ 1585 02:25:09,047 --> 02:25:13,051 この度は お泊まり ありがとうございます 1586 02:25:13,051 --> 02:25:19,057 実は 主人 清閑寺中納言の名代として・ 1587 02:25:19,057 --> 02:25:24,062 芝 増上寺に寄進の品々を宰領して まかり下るところだ 1588 02:25:24,062 --> 02:25:26,064 (半兵衛)さようでござりますか 1589 02:25:26,064 --> 02:25:31,069 中納言さまには 昨年の春 お泊まりをいただきました 1590 02:25:31,069 --> 02:25:38,076 ほれ あの… 赤穂の殿さまが 刃傷なされました あの行き戻りに 1591 02:25:38,076 --> 02:25:41,079 うむ… そうであったな 1592 02:25:41,079 --> 02:25:44,082 あのとき おいででございましたか? 1593 02:25:44,082 --> 02:25:49,087 うむ… フフッ… うん さようでござりますか 1594 02:25:49,087 --> 02:25:53,091 手前は養子でございまして あのころは ただ もう夢中で… 1595 02:25:53,091 --> 02:25:56,091 失礼つかまつりました 1596 02:25:58,030 --> 02:26:03,030 念のために 寄進の品々の目録をお見せしよう 1597 02:26:05,037 --> 02:26:09,041 水上屋としても 届け出る必要があるであろう 1598 02:26:09,041 --> 02:26:11,041 さあ これへ 1599 02:26:30,062 --> 02:26:35,062 とくと ご覧ください 1600 02:27:14,039 --> 02:27:16,039 (お時)ンッ… 1601 02:27:18,043 --> 02:27:20,043 ・(障子の開く音) 1602 02:27:27,052 --> 02:27:29,054 おい ちょっと… 1603 02:27:29,054 --> 02:27:33,058 ちょっと向こう行け ちょっと向こう行け 早く 1604 02:27:33,058 --> 02:27:35,060 どうしたの? お前さん 1605 02:27:35,060 --> 02:27:38,063 お時 慌てるんじゃないぞ 1606 02:27:38,063 --> 02:27:40,065 あっ 座らんでもいい 1607 02:27:40,065 --> 02:27:42,067 あれ どこへ行ったかな (お時)誰が? 1608 02:27:42,067 --> 02:27:44,069 いやいや 誰じゃない あ… あれは どこ行ったかな 1609 02:27:44,069 --> 02:27:46,071 あれだよ (お時)なに? 1610 02:27:46,071 --> 02:27:49,074 いやいや いつかのあれですよ 1611 02:27:49,074 --> 02:27:51,076 (荒賀) 確かに清閑寺家の尾花さまならば 1612 02:27:51,076 --> 02:27:53,078 前もって ご通知があるはずだが (番頭)はい 1613 02:27:53,078 --> 02:27:57,015 番頭 役向きで荒賀源助が お目にかかりたいと伝えてくれ 1614 02:27:57,015 --> 02:27:59,017 はっ! かしこまりました 1615 02:27:59,017 --> 02:28:01,019 あっ… 1616 02:28:01,019 --> 02:28:04,022 荒賀さま それはなりませぬぞ 1617 02:28:04,022 --> 02:28:07,025 なぜだ? 不審の点があるから 確かめたいのだ 1618 02:28:07,025 --> 02:28:10,028 もし偽名を騙る者であったら 1619 02:28:10,028 --> 02:28:12,030 お泊めした半兵衛 そのほうも同罪になるぞ 1620 02:28:12,030 --> 02:28:16,034 いえいえ 尾花さまに 違いございません はい 確かに 1621 02:28:16,034 --> 02:28:20,038 そうだろう お前なら間違えるはずはない 1622 02:28:20,038 --> 02:28:24,042 実はな 役向きお調べは表向きの話だ 1623 02:28:24,042 --> 02:28:28,046 昨年 中納言さまがご通行のときに 尾花さまから お世話になった 1624 02:28:28,046 --> 02:28:32,050 そのときのお礼も申し上げたい ちょっと通してくれ 1625 02:28:32,050 --> 02:28:35,053 いえいえ そのときの尾花さまとは 違います (荒賀)なに? 違う? 1626 02:28:35,053 --> 02:28:38,056 そのときと今日とでは ご身分が違います 1627 02:28:38,056 --> 02:28:40,058 中納言さまの代理を務められる… 1628 02:28:40,058 --> 02:28:43,061 まあ いわば 高い位のご資格ですから 1629 02:28:43,061 --> 02:28:45,063 役目といえども お目通りは かないませぬぞ 1630 02:28:45,063 --> 02:28:49,067 その確かな証拠があるのか? (半兵衛)証拠? 1631 02:28:49,067 --> 02:28:51,067 証拠は これ 1632 02:28:54,072 --> 02:29:00,011 荒賀さま 頭が高うござります 頭が! 1633 02:29:00,011 --> 02:29:02,013 ははっ! 1634 02:29:02,013 --> 02:29:06,017 これぞ 清閑寺中納言さまのご真筆 1635 02:29:06,017 --> 02:29:10,021 中納言さま 先年お泊まりの みぎり 1636 02:29:10,021 --> 02:29:13,024 当本陣の家宝にと お願いいたしました物 1637 02:29:13,024 --> 02:29:19,030 今日 尾花さまのお手より じきじき 拝領いたしました 1638 02:29:19,030 --> 02:29:22,033 これが 何より確かな証拠 1639 02:29:22,033 --> 02:29:24,033 とくと ご覧じませ! 1640 02:29:27,038 --> 02:29:30,038 (荒賀)はっ! 確かに 1641 02:29:32,043 --> 02:29:36,047 半兵衛… かたじけないぞ 1642 02:29:36,047 --> 02:29:39,050 はっ! お持ちくださりませ 1643 02:29:39,050 --> 02:29:44,055 箱根の関所などでは また お役に立つかもしれませぬ 1644 02:29:44,055 --> 02:29:59,004 ・~ 1645 02:29:59,004 --> 02:30:02,007 変だよ 今日は少し (半兵衛)変じゃない 1646 02:30:02,007 --> 02:30:08,013 俺のやったことは正しいんだ お時 忘れちゃならんぞ 1647 02:30:08,013 --> 02:30:13,018 泊まっておられるのは 清閑寺家の 尾花光忠さまだ いいな? 1648 02:30:13,018 --> 02:30:18,023 うん… うん 1649 02:30:18,023 --> 02:30:21,023 わしも だんだん その気になってきた 1650 02:30:24,029 --> 02:30:41,046 ・~ 1651 02:30:41,046 --> 02:30:46,051 岡野金右衛門は まったく いい物を手に入れてくれた 1652 02:30:46,051 --> 02:30:53,058 この土蔵は今度 建てたので 地下道に抜け穴があって… 1653 02:30:53,058 --> 02:30:56,061 こういうふうに 裏の空き地へ逃げられる 1654 02:30:56,061 --> 02:30:59,998 ここなどは 最も用心が肝要な所だ ・(笑い声) 1655 02:30:59,998 --> 02:31:02,000 父上… 1656 02:31:02,000 --> 02:31:07,005 (笑い声) 1657 02:31:07,005 --> 02:31:18,005 (オランダ語) 1658 02:31:21,019 --> 02:31:26,024 父上 もしオランダ人が 我々が しようとしていることを知ったら 1659 02:31:26,024 --> 02:31:30,028 やっぱり 正しいことだと言うでしょうか 1660 02:31:30,028 --> 02:31:37,035 そうか… 若い者は そういうことを考えるのだな 1661 02:31:37,035 --> 02:31:41,039 いろいろ考えます しかし 命を捨てて・ 1662 02:31:41,039 --> 02:31:45,039 大義に徹するということでは みんな 同じです 1663 02:32:04,062 --> 02:32:06,062 高田… 1664 02:32:25,083 --> 02:32:29,087 早速だが 大事決行に もってこいの日が・ 1665 02:32:29,087 --> 02:32:31,089 どうやら決まりそうですぞ (岡島)えっ? 1666 02:32:31,089 --> 02:32:35,093 (兵部)ご新居のお祝いにも まいれぬ この始末 1667 02:32:35,093 --> 02:32:39,097 あるいは この年が越せぬのではないかと… 1668 02:32:39,097 --> 02:32:41,099 (多仲)なにを気の弱いことを 1669 02:32:41,099 --> 02:32:45,103 うちの御前さまを お見習いあそばせ 1670 02:32:45,103 --> 02:32:47,105 (兵部)吉良どのは? 1671 02:32:47,105 --> 02:32:52,110 (多仲)ますます お元気 お盛んなものでござります はい 1672 02:32:52,110 --> 02:32:58,049 お元気のよいことは結構だが 周りには十分 気をつけられい 1673 02:32:58,049 --> 02:33:03,054 それは もう万全を期して 手前が 粒ぞろいの付け人をそろえまして 1674 02:33:03,054 --> 02:33:06,057 ご新居も用心堅固に作らせました 1675 02:33:06,057 --> 02:33:08,059 いざというときには この… 抜け道を通って・ 1676 02:33:08,059 --> 02:33:11,062 お逃げなされるような仕掛けも してございますが 1677 02:33:11,062 --> 02:33:17,068 まあ そのような物の必要は なかろうかと思います はい 1678 02:33:17,068 --> 02:33:19,070 わしも そう願っている 1679 02:33:19,070 --> 02:33:24,075 大高どの お手柄でござったな 1680 02:33:24,075 --> 02:33:27,078 吉良の茶室開きは14日 1681 02:33:27,078 --> 02:33:32,083 月こそ違うが 殿のご命日だな (大高)はい 1682 02:33:32,083 --> 02:33:36,087 大事決行は この日をおいて ほかにはない 1683 02:33:36,087 --> 02:33:38,087 (付け人)ヤーッ! 1684 02:33:40,091 --> 02:33:51,091 ・(気合い声) 1685 02:33:54,105 --> 02:33:56,105 (付け人)来い! 1686 02:34:00,045 --> 02:34:02,045 (付け人)ヤーッ! 1687 02:34:04,049 --> 02:34:06,051 (付け人)エーイッ! 1688 02:34:06,051 --> 02:34:08,053 ・(気合い声) 1689 02:34:08,053 --> 02:34:11,056 (徳三)うるせえ連中だな まったく きちげえ沙汰だな 1690 02:34:11,056 --> 02:34:16,061 ・(気合い声) 1691 02:34:16,061 --> 02:34:20,065 (徳三)殿さま おやかましゅうございましょう 1692 02:34:20,065 --> 02:34:24,069 (土屋)やかましゅうても 相手はご高家 文句は言えぬわ 1693 02:34:24,069 --> 02:34:26,071 (徳三) あっしらも 言ってたんですよ 1694 02:34:26,071 --> 02:34:29,074 「じれってえな 何をしてやがるんだろう」ってね 1695 02:34:29,074 --> 02:34:31,076 (土屋)何のことだ? 1696 02:34:31,076 --> 02:34:34,079 分かってるじゃござんせんか 赤穂の浪人のことでさぁ 1697 02:34:34,079 --> 02:34:36,081 あっしたちばかりじゃねえ 江戸っ子は みんな・ 1698 02:34:36,081 --> 02:34:38,083 悔しくてね お殿さま 1699 02:34:38,083 --> 02:34:44,083 (土屋)お前たちが口惜しがっても どうなるというのだ? 1700 02:34:59,037 --> 02:35:05,043 (あぐり) 内蔵助 よく来てくれましたな 1701 02:35:05,043 --> 02:35:08,046 御前さまにも お変わりなく 1702 02:35:08,046 --> 02:35:14,052 …と申し上げたいところながら 何事も変わり果てたことばかり 1703 02:35:14,052 --> 02:35:19,052 お心中 ただお察し申し上げまする 1704 02:35:33,071 --> 02:35:36,074 (戸田局) さあ ご家老さま どうぞ おひとつ 1705 02:35:36,074 --> 02:35:41,074 ありがとうございます では 遠慮なく 1706 02:36:04,035 --> 02:36:06,037 ハァ~ッ… 1707 02:36:06,037 --> 02:36:11,042 これは結構な 身内が ほくほくいたしてまいる 1708 02:36:11,042 --> 02:36:17,048 御仏仕えの この身では 何の もてなしも できませぬが 1709 02:36:17,048 --> 02:36:21,052 さあ うめ 重ねて (うめ)はい 1710 02:36:21,052 --> 02:36:23,052 いただきます 1711 02:36:34,065 --> 02:36:36,067 (戸田局)ところで ご家老さま 1712 02:36:36,067 --> 02:36:40,071 この度の 急のご出府は 何か大事なご用でも? 1713 02:36:40,071 --> 02:36:46,071 実は 戸田どの 今日 御前さまに お別れに 1714 02:36:49,080 --> 02:36:54,085 お別れとは? いや この内蔵助ばかりではないが 1715 02:36:54,085 --> 02:36:59,023 長い間の浪人暮らしが続いて 皆 尾羽打ち枯らし 1716 02:36:59,023 --> 02:37:05,029 食うや食わずの身が 嫌になりましてな 1717 02:37:05,029 --> 02:37:10,034 …というて 今更 召し抱えてくれる大名もなく 1718 02:37:10,034 --> 02:37:15,039 内蔵助は 思い切って 山科の田舎に引きこもり 1719 02:37:15,039 --> 02:37:20,039 百姓暮らしをしようと 心に決めましたので 1720 02:37:24,048 --> 02:37:26,050 ご家老さま 1721 02:37:26,050 --> 02:37:31,055 いや… 中には 「殿へのお恨みを晴らそう」 1722 02:37:31,055 --> 02:37:36,060 「目指す所に押しかけよう」と 騒ぎ立てる者もおりまするが 1723 02:37:36,060 --> 02:37:39,063 所詮は やけになったあげくか 1724 02:37:39,063 --> 02:37:44,068 あるいは また それで世間の評判を呼び 1725 02:37:44,068 --> 02:37:47,071 なんとかして 出世の蔓に ありつこうという・ 1726 02:37:47,071 --> 02:37:50,074 あさましい根性の者ばかりで 1727 02:37:50,074 --> 02:37:53,077 内蔵助 はい 1728 02:37:53,077 --> 02:37:58,016 それでは そなたは 本当に 山科とやらの田舎に籠もって… 1729 02:37:58,016 --> 02:38:00,016 さようにござります 1730 02:38:02,020 --> 02:38:07,025 (あぐり)内蔵助 武士たる道に背きはしませぬか? 1731 02:38:07,025 --> 02:38:12,030 いや 脇目も振らず ただ 吉良屋敷に討ち入りすることを・ 1732 02:38:12,030 --> 02:38:16,034 考えておりますれば 世間の気にも入りましょうが 1733 02:38:16,034 --> 02:38:21,039 なかなか一本槍にまいらぬのが この世の中と申すもので 1734 02:38:21,039 --> 02:38:25,043 分かりました 1735 02:38:25,043 --> 02:38:28,046 内蔵助 1736 02:38:28,046 --> 02:38:35,053 私は今日まで 赤穂にも誠の武士は 必ず いるものと信じて 1737 02:38:35,053 --> 02:38:40,053 生きるに甲斐ない この身を 長らえてきましたが… 1738 02:38:47,065 --> 02:38:51,065 殿のご仏前にお勤めする時刻です 1739 02:38:53,071 --> 02:38:59,010 これで お別れをいたしましょう 1740 02:38:59,010 --> 02:39:02,013 御前さま しばらくお待ちを 1741 02:39:02,013 --> 02:39:08,019 本日のお暇請い 殿のお位牌に お焼香をお許しくださいますよう 1742 02:39:08,019 --> 02:39:11,019 いいえ 許しませぬ 1743 02:39:13,024 --> 02:39:17,028 私が許さぬのではない 1744 02:39:17,028 --> 02:39:24,028 そなたのような者の回向を 殿がお喜びにはなりますまい 1745 02:39:29,040 --> 02:39:42,053 ・~ 1746 02:39:42,053 --> 02:39:54,065 ・~ 1747 02:39:54,065 --> 02:39:56,065 (戸田局)ご家老さま 1748 02:39:58,002 --> 02:40:01,005 私の兄は 何をしておりますでしょうか? 1749 02:40:01,005 --> 02:40:04,008 小野寺十内どのはな… 1750 02:40:04,008 --> 02:40:10,014 やっぱり武士を捨てましたか? はい さようのようです 1751 02:40:10,014 --> 02:40:14,018 それは また あきれ果てたこと… 1752 02:40:14,018 --> 02:40:19,023 もう兄とは思わぬと お伝えを はい 確かに 1753 02:40:19,023 --> 02:40:21,025 いや 戸田どの 1754 02:40:21,025 --> 02:40:28,032 御前さまに叱られて つい出しそびれましたが これを 1755 02:40:28,032 --> 02:40:33,037 亡き殿から いただいた 色紙やお手紙… 1756 02:40:33,037 --> 02:40:37,041 百姓が持っていても 恐れ多いことゆえ 御前さまに・ 1757 02:40:37,041 --> 02:40:41,045 お返ししておいたほうが よろしかろうと 1758 02:40:41,045 --> 02:40:46,050 ・~ 1759 02:40:46,050 --> 02:40:53,057 今日は お取り次ぎも願えまいが 明日でも ご機嫌が直りましたら… 1760 02:40:53,057 --> 02:40:56,060 お預かりしておきます 1761 02:40:56,060 --> 02:41:00,998 では お見送りは申しませぬから 1762 02:41:00,998 --> 02:41:21,018 ・~ 1763 02:41:21,018 --> 02:41:33,030 ・~ 1764 02:41:33,030 --> 02:41:45,030 ・~ 1765 02:41:47,044 --> 02:41:51,048 (岡島)それじゃ あなたは 何もご存じなかったのですか? 1766 02:41:51,048 --> 02:41:53,048 えっ? 1767 02:41:57,054 --> 02:42:02,059 ちっとも来てくれないし 手紙もくれないもんですから 私… 1768 02:42:02,059 --> 02:42:04,061 そうですか 1769 02:42:04,061 --> 02:42:07,064 お得意さまには ご挨拶するように 言っておいたのに 1770 02:42:07,064 --> 02:42:09,066 まったく 若い者は しょうがない 1771 02:42:09,066 --> 02:42:12,069 九十郎は 田舎へ帰っちまったんですよ 1772 02:42:12,069 --> 02:42:17,074 まあ …で いつごろ また こちらへ? 1773 02:42:17,074 --> 02:42:22,079 いえ それが もう 江戸へは出てこないんですがね 1774 02:42:22,079 --> 02:42:24,079 えっ? 1775 02:42:27,084 --> 02:42:30,084 そうですか… 1776 02:42:34,091 --> 02:42:37,091 (泣き声) 1777 02:42:42,099 --> 02:42:46,099 岡野 来たぞ あの娘が 1778 02:42:48,105 --> 02:42:50,107 岡野! 1779 02:42:50,107 --> 02:42:53,107 もうそろそろ支度の時刻だ 1780 02:42:55,112 --> 02:42:58,112 この雪は夜までに やむかな 1781 02:43:06,057 --> 02:43:10,061 主税 但馬の母上に手紙を書いたか? 1782 02:43:10,061 --> 02:43:13,064 はい どんなことを書いた? 1783 02:43:13,064 --> 02:43:18,069 「とにもかくにも 深くお嘆きあそばされず・ 1784 02:43:18,069 --> 02:43:22,073 ご念仏 頼み奉り候」 1785 02:43:22,073 --> 02:43:28,079 「全く 私事に捨て候 命ならず候まま・ 1786 02:43:28,079 --> 02:43:35,086 先立ちまいらせ候 不孝の罪 お許しくだされたく」 1787 02:43:35,086 --> 02:43:42,093 主税 わしの母が生きていても 同じようなことを書いたと思うぞ 1788 02:43:42,093 --> 02:43:45,096 いえ 父上 何だ? 1789 02:43:45,096 --> 02:43:51,102 主税は これでは本当の気持ちが 書けたという気はしないんです 1790 02:43:51,102 --> 02:43:55,106 しかし どう書いていいか 分からないんです 1791 02:43:55,106 --> 02:43:59,043 書くと 月並みなことになってしまいます 1792 02:43:59,043 --> 02:44:06,050 父上 主税は決して 自分の短い生涯を後悔はしません 1793 02:44:06,050 --> 02:44:11,055 でも せめて 自分で満足のできる手紙を 1794 02:44:11,055 --> 02:44:14,055 書けるようになっていたかったと 思います 1795 02:44:16,060 --> 02:44:20,064 死ぬときまで 何とか迷っているのが… 1796 02:44:20,064 --> 02:44:24,064 人間なのかもしれぬ 1797 02:44:32,076 --> 02:44:34,076 (お文)そう… 1798 02:44:36,080 --> 02:44:40,084 気がついてたんだよ あたしゃ お前さんが・ 1799 02:44:40,084 --> 02:44:44,084 根っからの米屋さんじゃ ないような気がしてね 1800 02:44:47,091 --> 02:44:51,095 おまけに 赤穂の浪人だったとはね 1801 02:44:51,095 --> 02:44:58,035 お文… 俺は 仲間を裏切って 秘密を漏らした 1802 02:44:58,035 --> 02:45:02,039 今宵かぎりの命なのだ 1803 02:45:02,039 --> 02:45:06,043 お前に嘘をついたまま 死にたくは なかったのだ 1804 02:45:06,043 --> 02:45:13,050 うれしいよ あたしゃ 尽くした甲斐があった 1805 02:45:13,050 --> 02:45:15,052 (泣き声) 1806 02:45:15,052 --> 02:45:17,052 うれしいよ… 1807 02:45:19,056 --> 02:45:25,062 最後の別れだ 笑って見送ってくれ なっ? 1808 02:45:25,062 --> 02:45:30,067 ねえ お酒 飲もう 1809 02:45:30,067 --> 02:45:35,072 まだ間があるんだろう? (高田)大丈夫だ 1810 02:45:35,072 --> 02:45:42,079 だが 仲間と約束の時刻が来たら 俺を行かせてくれよ なっ? 1811 02:45:42,079 --> 02:45:46,083 きっと行かせてくれよ (お文)フフッ… 分かってるよ 1812 02:45:46,083 --> 02:45:49,086 どんなに つらくても その時が来たら… 1813 02:45:49,086 --> 02:45:54,091 あたしゃ こうする その間に お前さん 駆け出してっておくれ 1814 02:45:54,091 --> 02:45:59,091 黙って そっと (高田)お文… 1815 02:46:04,034 --> 02:46:08,034 それ 見ろ お玉 やっぱり来たではないか 1816 02:46:13,043 --> 02:46:19,049 ハハハッ… いやぁ こいつは 俺のことを貧乏神だと言うから 1817 02:46:19,049 --> 02:46:23,053 「馬鹿を言え 俺が来ると あとから きっと客が来る」 1818 02:46:23,053 --> 02:46:27,057 「だから 福の神だ」と 話してるところへ おぬしが来た 1819 02:46:27,057 --> 02:46:30,060 言ったとおりだ (お玉)ハハハッ… 1820 02:46:30,060 --> 02:46:34,064 (安兵衛) 今 おぬしの道場へ行ってきた 1821 02:46:34,064 --> 02:46:36,064 俺の所へ? 1822 02:46:39,069 --> 02:46:41,069 そうか… 1823 02:46:46,076 --> 02:46:49,076 おう お玉 熱いやつをくれ 1824 02:46:57,021 --> 02:47:00,024 では どこかへ仕官が決まったのだな? 1825 02:47:00,024 --> 02:47:03,027 そうだ 1826 02:47:03,027 --> 02:47:08,032 そうか… いよいよな 1827 02:47:08,032 --> 02:47:10,032 フッ… 1828 02:47:12,036 --> 02:47:16,040 おぬしは いい奴だな よく知らせてくれた 1829 02:47:16,040 --> 02:47:19,043 では 今宵は 別れに飲み明かそう 1830 02:47:19,043 --> 02:47:21,045 いや… そうは しておれんのだ 1831 02:47:21,045 --> 02:47:24,048 何を言うか 水くさいぞ 堀部安兵衛 1832 02:47:24,048 --> 02:47:28,052 飲みながら また 高田馬場の武勇伝でも聞かせろ 1833 02:47:28,052 --> 02:47:33,057 今夜だけは駄目なんだ 今夜だけは… 1834 02:47:33,057 --> 02:47:47,071 ・~ 1835 02:47:47,071 --> 02:48:00,017 ・~ 1836 02:48:00,017 --> 02:48:03,020 そうか 1837 02:48:03,020 --> 02:48:20,037 ・~ 1838 02:48:20,037 --> 02:48:23,040 (久兵衛)あっ いらっしゃいまし 1839 02:48:23,040 --> 02:48:29,046 ・~ 1840 02:48:29,046 --> 02:48:31,048 (小野寺)やあ どうもどうも 1841 02:48:31,048 --> 02:48:34,051 (原) みんな そろっているから 早く 1842 02:48:34,051 --> 02:48:45,062 ・~ 1843 02:48:45,062 --> 02:48:47,064 (神崎)やあ (不破)おう 1844 02:48:47,064 --> 02:49:02,012 ・~ 1845 02:49:02,012 --> 02:49:05,012 (お筆)よいしょ よっ… 1846 02:49:07,017 --> 02:49:09,019 (寺坂)お筆さん (お筆)うん? 1847 02:49:09,019 --> 02:49:11,021 医者は 何と言ってた? 1848 02:49:11,021 --> 02:49:16,026 大したことないってさ よいしょ… 1849 02:49:16,026 --> 02:49:19,026 (寺坂)違うだろう 1850 02:49:21,031 --> 02:49:27,037 (寺坂)ねえ ハァハァ… 本当のことを言っとくれよ 1851 02:49:27,037 --> 02:49:29,039 じゃ 言うけどね 1852 02:49:29,039 --> 02:49:33,043 夜鳴きそばの屋台車が 引けるようになるまでにはさ 1853 02:49:33,043 --> 02:49:39,049 まだ5~6日は かかるだろうって (寺坂)そんなに… 1854 02:49:39,049 --> 02:49:41,051 いいじゃないかい 徳兵衛さん 1855 02:49:41,051 --> 02:49:44,054 安心して 治るまで寝てたらいいんだよ 1856 02:49:44,054 --> 02:49:47,057 (床をたたく音) 1857 02:49:47,057 --> 02:49:51,061 さあさあ さあ… よいしょ 1858 02:49:51,061 --> 02:49:53,063 うちの亭主が帰ってきたら お医者さまの所へ行って・ 1859 02:49:53,063 --> 02:49:55,063 薬をもらってきてやるからね 1860 02:49:58,002 --> 02:50:01,005 何か食べるかい? 1861 02:50:01,005 --> 02:50:04,008 じゃ 用があったらね… 1862 02:50:04,008 --> 02:50:07,008 (木魚の音) こうだよ 徳兵衛さん いいね? 1863 02:50:23,027 --> 02:50:27,027 (主税)ただいま 39人です うむ… 1864 02:50:30,034 --> 02:50:33,034 (武林)来るのが途絶えたな 1865 02:50:48,052 --> 02:50:54,058 大夫 もし… いや あくまで もしもの場合ですが 1866 02:50:54,058 --> 02:50:56,060 何でござる? 1867 02:50:56,060 --> 02:50:58,996 今夜そろうはずの人数が そろわなかったら 1868 02:50:58,996 --> 02:51:02,996 作戦 その他を変更する必要が 1869 02:51:06,003 --> 02:51:09,006 それより まだ来ない誰かが… 1870 02:51:09,006 --> 02:51:14,011 (武林)何だ? 不破 その先を言え (不破)うん? 1871 02:51:14,011 --> 02:51:18,015 吉良方に買収されるか それとも 金に目がくらんで・ 1872 02:51:18,015 --> 02:51:21,018 しかるべき筋へ密告したとしたら (武林)よせ そんな 1873 02:51:21,018 --> 02:51:23,020 (神崎)もし そういう人間が いたとして どうだというのだ? 1874 02:51:23,020 --> 02:51:27,024 分かりきったことだ 捕り手たちが ここへ なだれ込んでくる 1875 02:51:27,024 --> 02:51:31,028 (ざわめき) ご一同 静かに 1876 02:51:31,028 --> 02:51:39,036 命を捨てる前には 誰にでも 思いがけない事情が起きるものだ 1877 02:51:39,036 --> 02:51:44,041 親もいるし 妻もいるし 子もいる 1878 02:51:44,041 --> 02:51:49,046 それに まだ 時刻が過ぎたというわけではない 1879 02:51:49,046 --> 02:51:51,048 (不破)しかし 大夫… 1880 02:51:51,048 --> 02:51:56,053 (吉田)いや 今夜 ここへ集まる約束をした人たちは 1881 02:51:56,053 --> 02:52:00,057 長い間 同じ苦しみに耐え 同じ悲しみを分かち合い 1882 02:52:00,057 --> 02:52:04,061 そして 大義のため 最後まで残った同志たちだ 1883 02:52:04,061 --> 02:52:07,064 その人たちさえ 疑わなければならないのか? 1884 02:52:07,064 --> 02:52:09,066 それは あまりにも あさましすぎる 1885 02:52:09,066 --> 02:52:14,071 疑うのは 約束を守って もう ここへ来てしまったことを・ 1886 02:52:14,071 --> 02:52:18,075 どこかで後悔するのと 紙一重の気持ちだ 1887 02:52:18,075 --> 02:52:21,078 まだ来ない人々を信じ 1888 02:52:21,078 --> 02:52:29,086 全ての者が 我々の大義を 助けてくれることを信じ 待とう 1889 02:52:29,086 --> 02:52:32,086 静かに待つのだ 1890 02:52:36,093 --> 02:52:42,093 ハァハァ ハァハァ… 1891 02:52:59,049 --> 02:53:02,052 (大高) 茶室開きは にぎやかに済んで 1892 02:53:02,052 --> 02:53:06,056 上野介は 今夜 確かに 本所の屋敷に泊まっております 1893 02:53:06,056 --> 02:53:09,059 大高どのを入れて 40人 1894 02:53:09,059 --> 02:53:12,059 そうだな? (主税)はい 1895 02:53:16,066 --> 02:53:22,072 (原)堀部どの どうした? (堀部)いや なんとなく落ち着かぬ 1896 02:53:22,072 --> 02:53:25,075 (小野寺) まだ人数が だいぶん足らんが 1897 02:53:25,075 --> 02:53:28,078 オッ… 安兵衛も まだだな 1898 02:53:28,078 --> 02:53:32,082 いや 婿は来るのに決まっておる 1899 02:53:32,082 --> 02:53:35,085 …が どうして こう 気が落ち着かぬのか 1900 02:53:35,085 --> 02:53:39,089 我ながら不思議な気持ちだ 1901 02:53:39,089 --> 02:53:44,094 アア… 早く みんなが来てくれるといいに 1902 02:53:44,094 --> 02:53:47,094 まだ雪は やまぬかな 1903 02:53:54,104 --> 02:53:56,104 (堀部)ちょっと見てくる 1904 02:54:11,054 --> 02:54:14,054 ・(戸の開閉音) 1905 02:54:20,063 --> 02:54:27,063 (堀部)アア… 誰か1人 来たら 気持ちも また落ち着くんだが 1906 02:55:13,050 --> 02:55:20,057 田中貞四郎 中村清右衛門 鈴木兄弟が脱退したのだ 1907 02:55:20,057 --> 02:55:25,057 (原)この期に及んで… 理由は? 書いてない 1908 02:55:27,064 --> 02:55:33,070 さすがに 自分たちでは来られず 使いをよこしたのだな うむ… 1909 02:55:33,070 --> 02:55:38,070 「しかし 今夜の大事は 決して ほかへは漏らさぬ」と書いてあるぞ 1910 02:55:40,077 --> 02:55:45,082 4人一緒だから 勇気が出たのであろうな 1911 02:55:45,082 --> 02:55:50,087 大高氏 勇気だと? 命が惜しくなった卑怯未練な奴ら 1912 02:55:50,087 --> 02:55:53,090 なにが勇気だ (大高)いや ひとつの勇気だ 1913 02:55:53,090 --> 02:55:58,028 その人たちも この手紙をよこすまでには・ 1914 02:55:58,028 --> 02:56:01,028 どんなに苦しんだか 1915 02:56:08,038 --> 02:56:10,040 (岡島) 脱退を届けてきたのは まだいい 1916 02:56:10,040 --> 02:56:14,044 それもできず ここへも来ない人たちこそ 1917 02:56:14,044 --> 02:56:16,044 どんなに苦しんでいることか 1918 02:56:32,062 --> 02:56:34,062 アアッ… 1919 02:56:36,066 --> 02:56:38,066 ウウ… 1920 02:56:42,072 --> 02:56:44,072 ウッ… 1921 02:56:58,021 --> 02:57:00,023 ハァハァ… 1922 02:57:00,023 --> 02:57:02,023 アア… 1923 02:57:04,027 --> 02:57:08,031 (男性)ああ そうか そう来たか 1924 02:57:08,031 --> 02:57:12,035 本調子じゃないか ハハハッ… 1925 02:57:12,035 --> 02:57:14,035 あれ? 1926 02:57:17,040 --> 02:57:20,043 おい どうしたんだ? 1927 02:57:20,043 --> 02:57:23,046 ウワッ! 1928 02:57:23,046 --> 02:57:27,050 (寺坂) 頼む! 約束の刻限に行かねば・ 1929 02:57:27,050 --> 02:57:31,054 身分の卑しい者は やっぱり 心も卑しく 逐電したかと言われる 1930 02:57:31,054 --> 02:57:33,056 それが残念だ… 1931 02:57:33,056 --> 02:57:36,059 (男性) 何を言ってやがんでえ この野郎 1932 02:57:36,059 --> 02:57:40,063 頼む! 知らせてくれ… 知らせてくれ 1933 02:57:40,063 --> 02:57:44,067 吉右衛門は病気のために… 病気のために… 1934 02:57:44,067 --> 02:57:48,071 (男性) どこへ行って 誰に知らせるんだ? 1935 02:57:48,071 --> 02:57:52,075 それは言えん… それは言えんのだ 1936 02:57:52,075 --> 02:57:55,078 (男性)チェッ… この野郎も 酔っ払ってやがるんでえ 1937 02:57:55,078 --> 02:57:57,013 冗談じゃねえやい 1938 02:57:57,013 --> 02:57:59,013 おい 行こう行こう 1939 02:58:01,017 --> 02:58:03,017 頼む… 1940 02:58:24,040 --> 02:58:27,043 ・(浪士)来たぞ 1941 02:58:27,043 --> 02:58:30,046 (浪士)遅くなって すまん (浪士)うん 1942 02:58:30,046 --> 02:58:32,048 おう 1943 02:58:32,048 --> 02:58:35,048 (浪士)どうした? (浪士)いや すまん 1944 02:58:38,054 --> 02:58:42,054 (浪士)安兵衛どのだ! (堀部)なに? 1945 02:58:44,060 --> 02:58:46,062 ・(堀部)こら! 1946 02:58:46,062 --> 02:58:49,065 この期に及んで どこで飲んでいたのだ? 1947 02:58:49,065 --> 02:58:53,065 父が心配しているのも知らずに 馬鹿者! 1948 02:59:00,010 --> 02:59:03,013 さあ お文 俺は行くぞ 1949 02:59:03,013 --> 02:59:06,016 どうしたのだ? お文 1950 02:59:06,016 --> 02:59:09,019 さっきから 何度 同じことを繰り返しているのだ? 1951 02:59:09,019 --> 02:59:13,023 俺が もう行くと言えば お前は 頭を振る 1952 02:59:13,023 --> 02:59:18,028 あんた… 行ったら訴えてやる (高田)なに? 1953 02:59:18,028 --> 02:59:21,031 あんたが行ったら 訴えてやる 1954 02:59:21,031 --> 02:59:26,036 今夜 赤穂の浪人が 吉良さまの 屋敷に討ち入りするって 1955 02:59:26,036 --> 02:59:28,038 お文! 1956 02:59:28,038 --> 02:59:32,042 あんた それでも行くつもり? (高田)馬鹿なことを… 1957 02:59:32,042 --> 02:59:36,046 いつまでも そのような 聞き分けのないことを言わずに 1958 02:59:36,046 --> 02:59:39,049 行かせてくれ 頼む (お文)いや! 1959 02:59:39,049 --> 02:59:43,053 あたしを殺して 行くがいい (高田)えっ? 1960 02:59:43,053 --> 02:59:49,053 それとも 武士を捨てる? あたしを捨てる? 1961 02:59:53,063 --> 02:59:55,065 (泣き声) 1962 02:59:55,065 --> 03:00:15,018 ・~ 1963 03:00:15,018 --> 03:00:30,033 ・~ 1964 03:00:30,033 --> 03:00:33,036 総勢46人 1965 03:00:33,036 --> 03:00:44,047 ・~ 1966 03:00:44,047 --> 03:00:46,047 46人… 1967 03:00:48,051 --> 03:00:56,059 人として 大義を知ることと それを行うこととは… 1968 03:00:56,059 --> 03:00:58,995 所詮 別なのだなぁ 1969 03:00:58,995 --> 03:01:02,999 (吉田)しかし ついに それを行うことをやめた人たちは 1970 03:01:02,999 --> 03:01:09,999 そのために 我々より 長く苦しまねばなりませぬ 大夫 1971 03:01:12,008 --> 03:01:15,008 では 原どの 1972 03:01:18,014 --> 03:01:22,018 かねて 申し渡したとおり 1973 03:01:22,018 --> 03:01:28,024 明け七つの時刻を告げる太鼓を 合図に 表と裏より討ち入る 1974 03:01:28,024 --> 03:01:32,028 方々には 必ず 定められたとおり 1975 03:01:32,028 --> 03:01:37,033 火の用心を第一に心がけ 女子供は言うまでもなく・ 1976 03:01:37,033 --> 03:01:42,038 手向かいをなさざる者は 一切 かまわぬこと 1977 03:01:42,038 --> 03:01:47,043 目指すは吉良上野介の首でござる 1978 03:01:47,043 --> 03:01:50,043 見つけしだい 合図の笛を 1979 03:01:56,052 --> 03:01:58,054 (おとみ)全体 2階は何の寄り合いなんだろう? 1980 03:01:58,054 --> 03:02:00,056 (久兵衛) そんなことより 数を間違えるな 1981 03:02:00,056 --> 03:02:02,056 おう ・(小僧)へい 1982 03:02:09,065 --> 03:02:13,069 (久兵衛・小僧)おまちどおさまです 1983 03:02:13,069 --> 03:02:17,069 (不破)よう 来たか! (潮田)おお 来た 1984 03:02:20,076 --> 03:02:22,078 (わめき声) 1985 03:02:22,078 --> 03:02:24,078 (戸田局)曲者! 1986 03:02:35,091 --> 03:02:37,093 ・(侍女)曲者でございます! 1987 03:02:37,093 --> 03:02:39,093 ・(侍女) お出合い召され お出合い召され! 1988 03:02:44,100 --> 03:02:48,104 (あぐり)今 聞きましたが 内蔵助の袱紗の中には… 1989 03:02:48,104 --> 03:02:54,110 金銀受け払い帳でございます (あぐり)金銀受け払い帳? 1990 03:02:54,110 --> 03:02:58,047 はい ご後室さまお化粧料より 拝借した金子と銀 1991 03:02:58,047 --> 03:03:03,052 使った一切を 細やかに書き留めてございます 1992 03:03:03,052 --> 03:03:07,056 (戸田局)「亡き殿のお石塔建立 ご祈祷料をはじめ・ 1993 03:03:07,056 --> 03:03:11,060 一味徒党の者ども 江戸 京 上り下りの路用・ 1994 03:03:11,060 --> 03:03:14,063 暮らしに困った者の合力金 武器購入費・ 1995 03:03:14,063 --> 03:03:16,065 総締め差し引きの不足分・ 1996 03:03:16,065 --> 03:03:21,070 郭遊びの費用は 内蔵助ご配分の 金をもって支払いつかまつり」… 1997 03:03:21,070 --> 03:03:25,074 手紙も つけてあるのですか? (戸田局)はい 1998 03:03:25,074 --> 03:03:31,080 「ご拝借のものは 2文3文の 銀子をも粗末にはせず・ 1999 03:03:31,080 --> 03:03:35,084 全て 今夜の一挙のために使いました」と 2000 03:03:35,084 --> 03:03:40,089 戸田 それでは 内蔵助は… 2001 03:03:40,089 --> 03:03:43,092 うめを怪しき者と見破ったために 2002 03:03:43,092 --> 03:03:47,096 大事を打ち明けず お帰りに なったのでございましょう 2003 03:03:47,096 --> 03:03:51,100 (あぐり)それとも知らず 私は… 2004 03:03:51,100 --> 03:03:53,102 恥ずかしい 2005 03:03:53,102 --> 03:03:57,040 (泣き声) 2006 03:03:57,040 --> 03:04:00,043 恥ずかしいが うれしい 2007 03:04:00,043 --> 03:04:03,043 (戸田局) 殿も さぞかし あの世で… 2008 03:04:07,050 --> 03:04:16,059 「2文3文の銀子をも粗末にはせず 全て 今夜の一挙のために」… 2009 03:04:16,059 --> 03:04:18,061 「一挙のために」… 2010 03:04:18,061 --> 03:04:38,081 ・~ 2011 03:04:38,081 --> 03:04:53,096 ・~ 2012 03:04:53,096 --> 03:05:07,096 ・~ 2013 03:05:56,092 --> 03:06:09,092 ・(太鼓の音) 2014 03:06:27,056 --> 03:06:29,056 (雪の落ちる音) 2015 03:06:40,069 --> 03:06:42,069 (鍵を開ける音) 2016 03:06:45,074 --> 03:06:47,074 (戸を開ける音) 2017 03:06:56,085 --> 03:06:58,021 (雪の落ちる音) 2018 03:06:58,021 --> 03:07:00,021 (戸を閉める音) 2019 03:07:22,045 --> 03:07:26,049 (岡島)播州赤穂 浅野内匠頭 家来 2020 03:07:26,049 --> 03:07:30,053 吉良どのの御首級をちょうだいに 参上つかまつった! 2021 03:07:30,053 --> 03:07:34,057 ・(岡島)尋常に出合え! 出合え! (小林)おい 起きろ! 2022 03:07:34,057 --> 03:07:37,060 (戸を打ちつける音) 2023 03:07:37,060 --> 03:07:40,060 ・(打ちつける音) 2024 03:07:43,066 --> 03:07:46,066 (付け人) 浅野の討ち入りだ! 出合え! 2025 03:07:49,072 --> 03:07:54,077 (一角)方々 出合え! 討ち入りだ! 討ち入りだ! 2026 03:07:54,077 --> 03:07:57,077 (茶坊主)討ち入りでございます! 討ち入りでございます! 2027 03:08:01,017 --> 03:08:05,021 (打ちつける音) 2028 03:08:05,021 --> 03:08:14,030 ・~ 2029 03:08:14,030 --> 03:08:16,032 (付け人)出合え! 2030 03:08:16,032 --> 03:08:23,039 ・~ 2031 03:08:23,039 --> 03:08:28,044 (打ちつける音) 2032 03:08:28,044 --> 03:08:35,051 ・~ 2033 03:08:35,051 --> 03:08:37,051 (悲鳴) 2034 03:08:40,056 --> 03:08:42,058 (付け人)アアッ! 2035 03:08:42,058 --> 03:08:51,067 ・~ 2036 03:08:51,067 --> 03:08:55,071 恐れながら 今宵 大石内蔵助はじめ 同志47人 2037 03:08:55,071 --> 03:08:57,006 吉良屋敷に推参いたしてござる (土屋)おお! 2038 03:08:57,006 --> 03:08:59,008 お隣り合わせのことなれば 2039 03:08:59,008 --> 03:09:02,011 ご加勢 送り出しのご手配も ございましょうが 2040 03:09:02,011 --> 03:09:06,015 その儀は 我らの一念に免じ お見合わせくださるよう・ 2041 03:09:06,015 --> 03:09:08,017 一同に代わって お願いに まかり出でましてございます 2042 03:09:08,017 --> 03:09:10,019 (土屋)あっぱれでござる 2043 03:09:10,019 --> 03:09:13,022 吉良の家来 上杉の付け人 塀を乗り越え・ 2044 03:09:13,022 --> 03:09:16,025 当家へ逃れきたる者あらば 1人残らず 塀越しに・ 2045 03:09:16,025 --> 03:09:21,030 吉良屋敷に打ち込み申そうぞ (大高)かたじけなき そのお言葉 2046 03:09:21,030 --> 03:09:31,040 ・~ 2047 03:09:31,040 --> 03:09:33,042 (刺す音) アアッ! 2048 03:09:33,042 --> 03:09:45,054 ・~ 2049 03:09:45,054 --> 03:09:47,056 アアッ! 2050 03:09:47,056 --> 03:09:56,065 ・~ 2051 03:09:56,065 --> 03:09:58,065 ウウッ! 2052 03:10:02,004 --> 03:10:05,007 (火の消える音) 2053 03:10:05,007 --> 03:10:10,012 ・~ 2054 03:10:10,012 --> 03:10:12,014 アアッ! 2055 03:10:12,014 --> 03:10:24,026 ・~ 2056 03:10:24,026 --> 03:10:26,028 アアッ! 2057 03:10:26,028 --> 03:10:38,040 ・~ 2058 03:10:38,040 --> 03:10:40,042 (斬る音) アアッ! 2059 03:10:40,042 --> 03:10:46,048 ・~ 2060 03:10:46,048 --> 03:10:48,050 (斬る音) 2061 03:10:48,050 --> 03:10:53,050 ・~ 2062 03:11:02,999 --> 03:11:05,001 (浪士)おう 2063 03:11:05,001 --> 03:11:07,001 ウッ! 2064 03:11:23,019 --> 03:11:25,019 (斬る音) アアッ! 2065 03:11:28,024 --> 03:11:30,024 ンンッ! 2066 03:11:35,031 --> 03:11:39,031 (殴る音) 2067 03:11:44,040 --> 03:11:47,043 ・(浪士) 逃すな! 回れ! 後ろへ回れ! 2068 03:11:47,043 --> 03:11:49,043 ・(浪士)待て! 2069 03:12:03,059 --> 03:12:14,070 ・~ 2070 03:12:14,070 --> 03:12:24,080 ・~ 2071 03:12:24,080 --> 03:12:27,083 (小林)ヤーッ! 2072 03:12:27,083 --> 03:12:38,094 ・~ 2073 03:12:38,094 --> 03:12:40,096 (斬る音) 2074 03:12:40,096 --> 03:12:52,108 ・~ 2075 03:12:52,108 --> 03:12:57,108 ・(騒ぎ声) 2076 03:13:08,057 --> 03:13:10,057 (浪士)行け! 2077 03:13:13,062 --> 03:13:15,064 ウッ! 2078 03:13:15,064 --> 03:13:17,064 (刺す音) ウウッ! 2079 03:13:29,078 --> 03:13:32,081 (木村)逃げた! 2080 03:13:32,081 --> 03:13:36,081 (岡野) うん… まだ ぬくもりがある 捜せ 2081 03:13:42,091 --> 03:13:46,095 (武林) ええい! 危ない どいてろ! 2082 03:13:46,095 --> 03:13:48,097 ウワッ! 2083 03:13:48,097 --> 03:13:50,097 ヤーッ! 2084 03:13:53,102 --> 03:13:55,102 おい! おい! 2085 03:13:58,040 --> 03:14:00,040 (付け人たち)あっ! 2086 03:14:03,045 --> 03:14:06,045 ・(浪士)逃がすな! 追え! ・(浪士)逃がすな! 2087 03:14:16,058 --> 03:14:18,058 (たたく音) 2088 03:14:39,081 --> 03:14:41,081 (菅谷)出てこい! 2089 03:14:57,032 --> 03:15:00,035 (堀部)ヤーッ! 2090 03:15:00,035 --> 03:15:02,035 (付け人)トーッ! 2091 03:15:08,043 --> 03:15:10,045 (付け人)アアッ! 2092 03:15:10,045 --> 03:15:12,047 (堀部)ンンッ! 2093 03:15:12,047 --> 03:15:15,047 (付け人)この老いぼれめ! (堀部)なにを・ 猪口才な! 2094 03:15:18,053 --> 03:15:20,055 (安兵衛)父上! 2095 03:15:20,055 --> 03:15:24,055 (堀部)安兵衛 手出しはならんぞ! ならんぞ! 2096 03:15:26,061 --> 03:15:28,061 (斬る音) ウウッ! 2097 03:15:30,065 --> 03:15:32,067 父上! おけがは… (堀部)馬鹿者め! 2098 03:15:32,067 --> 03:15:35,070 親の手柄を 横取りにする奴があるか! 2099 03:15:35,070 --> 03:15:38,070 不孝者め! (安兵衛)はっ… 御免! 2100 03:15:46,081 --> 03:16:00,029 ・~ 2101 03:16:00,029 --> 03:16:04,033 (神崎)赤穂の浪士 神崎与五郎! (一角)清水一角! 2102 03:16:04,033 --> 03:16:09,038 ・~ 2103 03:16:09,038 --> 03:16:12,041 引き取れ 引き取れ! ここは通れんぞ! 2104 03:16:12,041 --> 03:16:14,043 (旗本)どけどけ! (旗本)何者だ・ 2105 03:16:14,043 --> 03:16:18,043 (俵星)俵星玄蕃 1人も通さん! 2106 03:16:22,051 --> 03:16:24,053 (旗本)ウワッ! 2107 03:16:24,053 --> 03:16:30,059 ・~ 2108 03:16:30,059 --> 03:16:32,059 ひけ! 2109 03:16:56,085 --> 03:16:58,085 (一角)ンンッ! 2110 03:17:45,067 --> 03:17:47,067 (斬る音) ウウッ! 2111 03:18:00,015 --> 03:18:02,015 (岡野)おう いたか? (木村)おらん 2112 03:18:11,026 --> 03:18:13,026 (たたく音) 2113 03:18:15,030 --> 03:18:17,030 ・(物音) 2114 03:18:30,045 --> 03:18:33,048 (岡野)山! ・ 川! 2115 03:18:33,048 --> 03:18:35,050 (岡野)いたか? 2116 03:18:35,050 --> 03:18:38,050 (潮田) 抜け穴にも見当たらん ほかを捜せ 2117 03:18:40,055 --> 03:18:44,055 吉良上野介どの! いずこに・ 2118 03:19:02,010 --> 03:19:04,010 (斬る音) 2119 03:19:06,014 --> 03:19:08,016 (不破)いたか? (村松)いや 見当たらぬ 2120 03:19:08,016 --> 03:19:10,018 (不破)アア… 捜せ 2121 03:19:10,018 --> 03:19:30,038 ・~ 2122 03:19:30,038 --> 03:19:41,049 ・~ 2123 03:19:41,049 --> 03:19:51,059 ・~ 2124 03:19:51,059 --> 03:19:53,061 (浪士)山! (富森)川! 2125 03:19:53,061 --> 03:19:56,061 (浪士)いたか? (富森)おらん 捜せ 2126 03:20:00,002 --> 03:20:02,002 (矢田)いたか? (茅野)おらん 2127 03:20:06,008 --> 03:20:08,010 (浪士)逃したか… 2128 03:20:08,010 --> 03:20:13,015 ・~ 2129 03:20:13,015 --> 03:20:17,019 (突く音) 2130 03:20:17,019 --> 03:20:24,026 ・~ 2131 03:20:24,026 --> 03:20:27,029 (原)上野介が見つからん どこへ隠れたか 2132 03:20:27,029 --> 03:20:31,033 (吉田)大夫 あまり時が長くなると 面倒なことに 2133 03:20:31,033 --> 03:20:35,037 上杉家が人数を繰り出してくるか それとも 奉行所から… 2134 03:20:35,037 --> 03:20:37,039 (岡島)宝の山に入りながら… 2135 03:20:37,039 --> 03:20:39,041 そういうときには・ 2136 03:20:39,041 --> 03:20:44,041 ここで打ちそろって 切腹をする約束でござったな? 2137 03:20:52,054 --> 03:20:55,057 たとえ そうなっても・ 2138 03:20:55,057 --> 03:20:59,995 我らのしたことは 無駄では なかったと この内蔵助は信じる 2139 03:20:59,995 --> 03:21:04,995 ただ 夜明け前に上野介を 2140 03:21:12,007 --> 03:21:14,009 (原)見つからぬか? 2141 03:21:14,009 --> 03:21:16,009 駄目か… 2142 03:21:27,022 --> 03:21:33,028 小野寺どの みんなをここへ集めよう 2143 03:21:33,028 --> 03:21:41,036 長い間の辛労に 改めて礼を言いたい 2144 03:21:41,036 --> 03:21:46,041 それから どうするかを話し合いたい 2145 03:21:46,041 --> 03:21:50,041 合図の笛を吹いてください 2146 03:21:56,051 --> 03:22:00,051 ・(笛の音) 2147 03:22:02,057 --> 03:22:05,060 (笛の音) 2148 03:22:05,060 --> 03:22:09,060 (浪士たち)見つかった! ・(笛の音) 2149 03:22:27,082 --> 03:22:29,082 ウウ… 2150 03:22:31,086 --> 03:22:34,086 (岡島)この額の傷は確かに (片岡)待て 2151 03:22:51,106 --> 03:22:54,106 うむ… 確かに 2152 03:23:11,059 --> 03:23:18,066 初めて御意を得まする 我々は浅野内匠頭の家来 2153 03:23:18,066 --> 03:23:23,066 今宵 御首級をちょうだいに 参上つかまつった 2154 03:23:27,075 --> 03:23:31,079 潔く ご自害を 2155 03:23:31,079 --> 03:23:33,081 な… なにを馬鹿な… 2156 03:23:33,081 --> 03:23:38,086 な… なんで わ… わしが… 2157 03:23:38,086 --> 03:23:43,091 嫌だ! 死ぬのは嫌だ! 2158 03:23:43,091 --> 03:23:47,095 やむをえません 2159 03:23:47,095 --> 03:23:50,098 吉良どの… 2160 03:23:50,098 --> 03:23:52,100 お覚悟を! 2161 03:23:52,100 --> 03:24:12,054 ・~ 2162 03:24:12,054 --> 03:24:26,068 ・~ 2163 03:24:26,068 --> 03:24:40,082 ・~ 2164 03:24:40,082 --> 03:24:45,087 (男性)お~い! 大変だ 大変だ! (男性)大変だよ! 2165 03:24:45,087 --> 03:24:47,089 (戸をたたく音) 2166 03:24:47,089 --> 03:25:07,042 ・~ 2167 03:25:07,042 --> 03:25:27,062 ・~ 2168 03:25:27,062 --> 03:25:47,082 ・~ 2169 03:25:47,082 --> 03:25:58,026 ・~ 2170 03:25:58,026 --> 03:26:09,037 ・~ 2171 03:26:09,037 --> 03:26:12,040 (男性)お~い! 早く来い! 2172 03:26:12,040 --> 03:26:21,049 ・~ 2173 03:26:21,049 --> 03:26:23,051 (男性)ウワッ! 2174 03:26:23,051 --> 03:26:25,053 ウワーッ! 2175 03:26:25,053 --> 03:26:38,066 ・~ 2176 03:26:38,066 --> 03:26:51,079 ・~ 2177 03:26:51,079 --> 03:26:55,079 岡野さん ひとつだけ 聞いておきてえことがあるんだ 2178 03:26:57,018 --> 03:27:01,022 なあ お前さん 色仕掛けで お艶を 騙しただけなのか? それとも… 2179 03:27:01,022 --> 03:27:04,025 ちったぁ お艶をかわいいと 思ってやってくだすったのかね? 2180 03:27:04,025 --> 03:27:07,028 好きだった (平五郎)なに? 2181 03:27:07,028 --> 03:27:09,030 ひと言 それを言うために 大石どのの許しを得て・ 2182 03:27:09,030 --> 03:27:12,030 駆けつけてきたのです (平五郎)えっ? 2183 03:27:14,035 --> 03:27:18,039 おい お艶! お艶! 2184 03:27:18,039 --> 03:27:20,041 九十郎さん… 2185 03:27:20,041 --> 03:27:34,055 ・~ 2186 03:27:34,055 --> 03:27:38,055 お艶どの お許しを 2187 03:27:42,063 --> 03:27:47,068 お… お艶 お艶 2188 03:27:47,068 --> 03:27:49,070 兄さん! (泣き声) 2189 03:27:49,070 --> 03:28:09,024 ・~ 2190 03:28:09,024 --> 03:28:29,044 ・~ 2191 03:28:29,044 --> 03:28:43,058 ・~ 2192 03:28:43,058 --> 03:28:56,058 ・~