1 00:00:04,570 --> 00:00:08,341 関東など東日本各地雨が降ったり やんだりということになりそうで 2 00:00:08,341 --> 00:00:10,343 す。 3 00:00:34,317 --> 00:01:05,281 ♬~ 4 00:01:05,281 --> 00:01:09,752 この男の名は… 5 00:01:09,752 --> 00:01:14,624 幕末の世に 6度にわたって北の大地を調査し➡ 6 00:01:14,624 --> 00:01:21,764 明治2年 「北海道」の命名を提言した その人である。 7 00:01:21,764 --> 00:01:44,987 ♬~ 8 00:01:44,987 --> 00:01:48,391 明治維新の23年前➡ 9 00:01:48,391 --> 00:01:54,391 武四郎は 初めて ヤウンモシリ 蝦夷地に渡った。 10 00:01:56,065 --> 00:02:00,937 この地に たびたび ロシア船が出没する話を聞き➡ 11 00:02:00,937 --> 00:02:05,074 国を守るため 詳しい地図を描こうと➡ 12 00:02:05,074 --> 00:02:08,945 思い至ったのである。 13 00:02:08,945 --> 00:02:14,417 武四郎は 蝦夷地の入り口 箱館に逗留して➡ 14 00:02:14,417 --> 00:02:18,087 内陸へ行く手だてを探っていた。 15 00:02:18,087 --> 00:02:32,787 ♬~ 16 00:02:35,037 --> 00:02:36,973 おや。 17 00:02:36,973 --> 00:02:39,375 まだ そのような お姿で…。 (松浦武四郎)寄るでない! 18 00:02:39,375 --> 00:02:42,712 これは 蝦夷測量図の写しだ。 19 00:02:42,712 --> 00:02:47,049 長崎から携えてまいったのに 船旅で ぬれてしまった。 20 00:02:47,049 --> 00:02:50,720 長崎! 21 00:02:50,720 --> 00:02:54,390 松浦様は 長崎から いらしたんでございますか? 22 00:02:54,390 --> 00:02:56,325 ああ。 23 00:02:56,325 --> 00:02:59,262 長崎の出島に出入りしている者の話では➡ 24 00:02:59,262 --> 00:03:02,265 清国がエゲレスに侵略されたそうじゃ。 25 00:03:02,265 --> 00:03:07,403 同じように ロシアも蝦夷地を狙うておるらしい。 26 00:03:07,403 --> 00:03:12,403 それで 長崎から この蝦夷地まで…。 27 00:03:19,749 --> 00:03:23,419 これで 案内人を手配してくれ。 28 00:03:23,419 --> 00:03:27,757 まずは 蝦夷地のことを知らねば 国の守りも固められぬ。 29 00:03:27,757 --> 00:03:31,093 海岸から内側を探索し 内陸の絵図を作りたい。 30 00:03:31,093 --> 00:03:33,362 頼む。 この金で➡ 31 00:03:33,362 --> 00:03:36,032 蝦夷地を知り尽くした案内人を 探してくれ。 32 00:03:36,032 --> 00:03:39,702 はあ… これだけの金子がございますれば➡ 33 00:03:39,702 --> 00:03:43,039 案内人は いくらでもおりまする。 34 00:03:43,039 --> 00:03:46,375 されど 手形は どうされますか? 35 00:03:46,375 --> 00:03:50,713 蝦夷地は 私ども和人の住む土地とは 厳重に区別されておりまして…。 36 00:03:50,713 --> 00:03:52,648 新堂屋。 はい。 37 00:03:52,648 --> 00:03:55,384 そこを なんとかしてもらえぬか? 38 00:03:55,384 --> 00:04:00,056 そのほうは 蝦夷地で 一二を争う商人であろう。 39 00:04:00,056 --> 00:04:05,356 はあ…。 さて いかがいたしましょうか。 40 00:04:11,667 --> 00:04:14,667 (佐七郎)これが 手形にございます。 41 00:04:17,073 --> 00:04:22,745 松浦様は 当家の手代 吉兵衛といたしております。 42 00:04:22,745 --> 00:04:28,084 かたじけない。 これは この国のことを憂いて➡ 43 00:04:28,084 --> 00:04:30,987 この蝦夷地にまでいらっしゃった 松浦様への➡ 44 00:04:30,987 --> 00:04:34,357 私どもの せん別にございます。 45 00:04:34,357 --> 00:04:36,292 心得た。 46 00:04:36,292 --> 00:04:40,229 新堂屋 誠に世話になった。 ええ。 47 00:04:40,229 --> 00:04:44,367 六之助! ≪(六之助)へい。 48 00:04:44,367 --> 00:04:47,703 当家の手代 六之助がお供いたします。 49 00:04:47,703 --> 00:04:53,376 道案内と人足は 番所を通ってから アイヌを手配いたしました。 50 00:04:53,376 --> 00:04:56,279 よろしく頼む。 へい。 51 00:04:56,279 --> 00:04:58,579 よし! 52 00:05:04,987 --> 00:05:07,723 「新堂屋の手代 吉兵衛」。 53 00:05:07,723 --> 00:05:10,723 通れ。 へい。 54 00:05:12,595 --> 00:05:16,295 「六之助」。 通れ。 へい。 55 00:05:18,734 --> 00:05:21,637 ここからが 蝦夷地でございます。 56 00:05:21,637 --> 00:06:05,047 ♬~ 57 00:06:05,047 --> 00:06:07,347 ウテルクと申します。 58 00:06:09,919 --> 00:06:12,388 松浦武四郎と申す。 59 00:06:12,388 --> 00:06:14,323 よろしく頼むぞ…。 60 00:06:14,323 --> 00:06:19,061 ウ…? ウテルクにございます。 61 00:06:19,061 --> 00:06:21,061 ウテルク。 62 00:06:27,403 --> 00:06:30,306 鉄の足を持つ武四郎は➡ 63 00:06:30,306 --> 00:06:38,014 険しい山道でも 一日15里 60キロを歩いた。 64 00:06:38,014 --> 00:06:43,886 そして 山道の距離を歩数で測った。 65 00:06:43,886 --> 00:06:47,023 3歩が1間と勘定して➡ 66 00:06:47,023 --> 00:06:52,361 武四郎は 正確な地図を描いていったのである。 67 00:06:52,361 --> 00:07:13,649 ♬~ 68 00:07:13,649 --> 00:07:16,385 絵が得意だった武四郎は➡ 69 00:07:16,385 --> 00:07:19,288 北の大地の美しい風景や➡ 70 00:07:19,288 --> 00:07:25,061 この地に生きる人々の姿を 描き残していった。 71 00:07:25,061 --> 00:07:40,342 ♬~ 72 00:07:40,342 --> 00:07:43,012 大丈夫か? へい…。 73 00:07:43,012 --> 00:07:58,561 ♬~ 74 00:07:58,561 --> 00:08:02,698 知床岬までを調査した一行は➡ 75 00:08:02,698 --> 00:08:07,369 太平洋側を通って帰路についた。 76 00:08:07,369 --> 00:08:12,041 武四郎は アイヌの言葉の響きを残した地名を➡ 77 00:08:12,041 --> 00:08:14,944 詳細に記録していった。 78 00:08:14,944 --> 00:08:25,054 ♬~ 79 00:08:25,054 --> 00:08:29,725 はあ… ああ…。 80 00:08:29,725 --> 00:08:33,329 ウテルク あれはどこだ? 81 00:08:33,329 --> 00:08:36,329 ≪(アイヌの言葉で) 82 00:08:42,671 --> 00:08:44,971 ポロチケウェ? 83 00:08:47,343 --> 00:08:52,014 ポロチケウェ…。 84 00:08:52,014 --> 00:08:57,014 モルラン…。 今 この辺りにおるのか。 85 00:09:02,658 --> 00:09:04,958 (ウテルク)ピリカ。 うん? 86 00:09:08,364 --> 00:09:11,267 うつくし…。 87 00:09:11,267 --> 00:09:16,967 ウテルク お前 和人の言葉ができるのか? 88 00:09:19,975 --> 00:09:24,380 海。 おお…! 89 00:09:24,380 --> 00:09:27,716 空。 おお! 90 00:09:27,716 --> 00:09:31,587 雲。 おお~! 91 00:09:31,587 --> 00:09:34,523 ウテルク。 92 00:09:34,523 --> 00:09:41,263 蝦夷地の海 空 雲は…。 93 00:09:41,263 --> 00:09:46,669 ピリカであるな。 94 00:09:46,669 --> 00:09:49,369 ピリカ~! 95 00:09:54,009 --> 00:09:58,681 ピリカ~! 96 00:09:58,681 --> 00:10:02,351 ピリカ~! 97 00:10:02,351 --> 00:10:17,366 ♬~ 98 00:10:17,366 --> 00:10:23,038 そして よくとし 武四郎は 樺太を目指した。 99 00:10:23,038 --> 00:10:27,376 当時 樺太を 和人は「北蝦夷地」と呼び➡ 100 00:10:27,376 --> 00:10:32,715 ロシアとの間に 国境は定められていなかった。 101 00:10:32,715 --> 00:10:35,015 ≪ほら! 行け! 102 00:10:43,726 --> 00:10:46,395 (六之助)この漁場には 蝦夷地から➡ 103 00:10:46,395 --> 00:10:50,266 若い働き盛りのアイヌが 連れてこられております。➡ 104 00:10:50,266 --> 00:10:54,270 無理やり 力ずくで。 105 00:10:54,270 --> 00:10:57,970 なんと…! 106 00:11:07,416 --> 00:11:10,319 おい! 107 00:11:10,319 --> 00:11:14,290 これを使え。 薬だ。 108 00:11:14,290 --> 00:11:16,425 これを傷口に塗るとよい…。 109 00:11:16,425 --> 00:11:20,763 おい。 見ない顔だな。 何者だ! 110 00:11:20,763 --> 00:11:22,698 ≪こら! 111 00:11:22,698 --> 00:11:25,434 何をしておる! 112 00:11:25,434 --> 00:11:28,103 働け! 113 00:11:28,103 --> 00:11:30,773 ≪お前もだ! 114 00:11:30,773 --> 00:11:33,042 ああっ! ああっ…! 115 00:11:33,042 --> 00:11:36,712 ああっ ああっ…! 116 00:11:36,712 --> 00:11:51,260 ♬~ 117 00:11:51,260 --> 00:11:54,960 (湊谷彦兵衛)さあ どうぞ。 ああ…。 118 00:11:58,734 --> 00:12:00,669 料理は お口に合いませぬか? 119 00:12:00,669 --> 00:12:05,407 いや うまい。 120 00:12:05,407 --> 00:12:08,707 うまいが…。 「うまいが」? 121 00:12:12,081 --> 00:12:14,750 あのような扱いを受けている アイヌたちがとった➡ 122 00:12:14,750 --> 00:12:17,653 魚や貝であると思うと…。 123 00:12:17,653 --> 00:12:21,090 我々 商人は 「運上金」という名の年貢を➡ 124 00:12:21,090 --> 00:12:23,025 松前様に取られております。 125 00:12:23,025 --> 00:12:26,428 それはそれは 厳しい年貢で ございますから➡ 126 00:12:26,428 --> 00:12:29,765 アイヌも こき使わねば 払えませぬ。 127 00:12:29,765 --> 00:12:32,101 悪いのは 我々 商人ではなく➡ 128 00:12:32,101 --> 00:12:37,906 松前様なのでございますよ。 129 00:12:37,906 --> 00:12:41,377 湊屋殿は どう思われるか? 130 00:12:41,377 --> 00:12:45,714 この地に生きるアイヌを大切にせねば➡ 131 00:12:45,714 --> 00:12:49,385 蝦夷地の平穏も発展もないと思うがのう。 132 00:12:49,385 --> 00:12:51,720 これはこれは…。 133 00:12:51,720 --> 00:12:54,623 大層なアイヌびいきで いらっしゃいますな。 134 00:12:54,623 --> 00:12:57,059 ハハハハハ…! そうですね~。 135 00:12:57,059 --> 00:13:01,059 (彦兵衛)さあ どうぞ。 (六之助)おお! ありがとうございます。 136 00:13:16,078 --> 00:13:18,981 あっ… あっ はあ…。 137 00:13:18,981 --> 00:13:21,950 ウテルク 休もう。 138 00:13:21,950 --> 00:13:23,952 (六之助)やはり➡ 139 00:13:23,952 --> 00:13:27,423 船にすれば よろしゅうございましたな~。 140 00:13:27,423 --> 00:13:31,293 幾度も申したではないか! 141 00:13:31,293 --> 00:13:34,229 蝦夷地を知る者はアイヌしかおらぬ。 142 00:13:34,229 --> 00:13:37,229 わしは その内陸を知りたいのじゃ。 143 00:13:45,374 --> 00:13:48,374 (咆哮) 144 00:13:50,712 --> 00:13:53,615 ああっ! あっ あっ あっ…!➡ 145 00:13:53,615 --> 00:13:56,915 うわ~! ああっ ああ~! 146 00:14:13,402 --> 00:14:16,102 (咆哮) 147 00:14:22,077 --> 00:14:25,377 (咆哮) 148 00:14:26,949 --> 00:14:29,649 ううっ…! 149 00:14:32,087 --> 00:14:35,087 ああ~! (咆哮) 150 00:14:36,925 --> 00:14:40,625 ううっ…! (咆哮) 151 00:14:44,366 --> 00:14:46,666 うわ~! (崖から落ちる音) 152 00:14:52,708 --> 00:14:54,708 ウテルク! 153 00:14:59,381 --> 00:15:02,381 しっかりいたせ ウテルク! 154 00:15:10,025 --> 00:15:13,025 お前は勇敢な男だ! 155 00:15:16,932 --> 00:15:20,632 お前がおらねば死んでいた…! 156 00:16:05,047 --> 00:16:47,623 ♬~ 157 00:16:47,623 --> 00:16:49,623 すまぬ。 158 00:16:52,027 --> 00:16:54,727 (リセ)なぜ 謝る? 159 00:16:58,367 --> 00:17:03,705 ウテルクは 一人なら 熊から逃げおおせたであろうに➡ 160 00:17:03,705 --> 00:17:07,576 わしのために戦い 腕を失ってしまった。 161 00:17:07,576 --> 00:17:10,045 わしさえ おらねば…。 162 00:17:10,045 --> 00:17:11,980 ウテルクは生きている。 163 00:17:11,980 --> 00:17:14,680 生きてはいるが…。 164 00:17:24,593 --> 00:17:29,064 わしは 松浦武四郎と申す。 165 00:17:29,064 --> 00:17:34,764 武四郎? そうだ。 166 00:17:48,016 --> 00:17:53,355 「私たちアイヌは みだりに自分の名を名乗らない」。 167 00:17:53,355 --> 00:17:56,258 なぜだ? 168 00:17:56,258 --> 00:18:00,028 でも あんたには教えてあげる。 169 00:18:00,028 --> 00:18:06,702 私は ウテルクの妹 リセ。 170 00:18:06,702 --> 00:18:13,575 私のニシパの とと様 かか様。 171 00:18:13,575 --> 00:18:17,345 ニシパ? 172 00:18:17,345 --> 00:18:21,049 「ニシパ」は 大切な人のこと。 173 00:18:21,049 --> 00:18:25,049 それは そなたの夫のことか? 174 00:18:31,393 --> 00:18:38,200 このお二方は そなたの夫の両親か? 175 00:18:38,200 --> 00:18:42,500 イチニカ 私の息子。 176 00:18:50,679 --> 00:18:56,017 わびにもならぬが これを食べてくれ。 177 00:18:56,017 --> 00:18:58,353 米と みそだ。 178 00:18:58,353 --> 00:19:00,689 酒も少しある。 179 00:19:00,689 --> 00:19:04,559 傷に良い薬もある。 180 00:19:04,559 --> 00:19:09,559 せめてもの わしの気持ちだ。 181 00:19:18,707 --> 00:19:44,707 ♬~(歌声) 182 00:20:16,698 --> 00:21:14,398 ♬~(歌声と手拍子) 183 00:21:21,630 --> 00:21:25,930 このコタンは 女子が多いのだな。 184 00:21:29,771 --> 00:21:35,577 アイヌの男は 皆 北蝦夷に連れて行かれる。 185 00:21:35,577 --> 00:21:43,318 コタンに残された女は シサムの女にされる。 186 00:21:43,318 --> 00:21:47,055 侍 商人…。 187 00:21:47,055 --> 00:21:53,728 お前らシサムは 皆 鬼だ。 188 00:21:53,728 --> 00:21:59,401 私も シサムの女にされた。 189 00:21:59,401 --> 00:22:03,071 逆らえば殺された。 190 00:22:03,071 --> 00:22:08,410 シサムの子ども はらんだ女も殺された。 191 00:22:08,410 --> 00:22:14,282 私 殺される前に逃げた。 192 00:22:14,282 --> 00:22:20,989 とと様 かか様 はらんだ私 迎え入れてくれた。 193 00:22:20,989 --> 00:22:25,689 名前もくれた。 イチニカ。 194 00:22:31,433 --> 00:22:37,706 それで 言葉も覚えたのだな。 195 00:22:37,706 --> 00:22:43,044 だけど 北蝦夷から戻ってきた夫➡ 196 00:22:43,044 --> 00:22:52,387 子どもの顔を見て ある日 死んだ。 197 00:22:52,387 --> 00:22:58,259 エカシ ポロトのほとりで いつも歌を歌う。 198 00:22:58,259 --> 00:23:02,259 死んだ息子に聴かせてる。 199 00:23:07,936 --> 00:23:12,236 イチニカが大人になったら 私も死ぬ。 200 00:23:20,415 --> 00:23:27,115 そなたの夫は そのようなことを 望んではおらぬと思うが。 201 00:23:36,698 --> 00:23:45,707 あんたは いいシサム。 私が初めて見た いいシサム。 202 00:23:45,707 --> 00:23:52,007 生きてるうちに いいシサムに会えてよかった。 203 00:23:54,382 --> 00:23:57,719 いいシサムか…。 204 00:23:57,719 --> 00:24:02,390 ウテルクは わしの命の恩人だ。 205 00:24:02,390 --> 00:24:08,730 もっと いいシサムになって 恩返しをせねばならぬ。 206 00:24:08,730 --> 00:24:11,066 「恩返し」? 207 00:24:11,066 --> 00:24:17,366 恩返し。 恩返しとは…。 208 00:24:21,076 --> 00:24:29,776 ♬~(歌声と手拍子) 209 00:24:41,029 --> 00:24:43,364 (手拍子) 210 00:24:43,364 --> 00:25:05,620 ♬~(歌声と手拍子) 211 00:25:05,620 --> 00:25:20,268 ♬~ 212 00:25:20,268 --> 00:25:23,404 よし! 213 00:25:23,404 --> 00:25:26,104 そこだ! おったぞ! 214 00:25:31,746 --> 00:25:34,649 やったな! 215 00:25:34,649 --> 00:26:16,349 ♬~ 216 00:26:22,730 --> 00:26:28,403 「武四郎は いつまでここにいる?」。 217 00:26:28,403 --> 00:26:31,403 ウテルクの傷が治るまでだ。 218 00:27:31,065 --> 00:27:39,765 ウテルクに命を救ってもらい そのうえ 長い間 世話になった。 219 00:27:48,016 --> 00:27:51,016 武四郎。 220 00:28:32,060 --> 00:28:34,760 これをあげる。 221 00:28:43,004 --> 00:28:47,004 リセが織ってくれたのか? 222 00:28:56,017 --> 00:28:58,717 リセ。 223 00:29:01,356 --> 00:29:45,867 ♬~ 224 00:29:45,867 --> 00:29:48,567 何してる? 225 00:29:53,341 --> 00:30:01,641 月の明るい夜 武四郎は外に出る。 どうして? 226 00:30:21,369 --> 00:30:25,239 「里世」と書いてある。 227 00:30:25,239 --> 00:30:31,045 「里の世」「コタンのモシリ」という意味だ。 228 00:30:31,045 --> 00:30:34,745 「コタンのモシリ」? 229 00:30:41,689 --> 00:30:45,393 リセ。 230 00:30:45,393 --> 00:30:49,263 わしは 明日 ここをたつが➡ 231 00:30:49,263 --> 00:30:53,263 リセに頼みがある。 232 00:30:56,737 --> 00:31:02,437 イチニカが 一人前になっても 生きていてほしい。 233 00:31:04,612 --> 00:31:10,084 リセが生きていると思いながら わしも生きていく。 234 00:31:10,084 --> 00:31:13,955 死ぬのは どうか やめてくれ。 235 00:31:13,955 --> 00:31:18,426 その願いを込めて 印を彫った。 236 00:31:18,426 --> 00:31:25,426 その印がリセを守ると願いを込めて。 237 00:31:35,710 --> 00:31:39,046 武四郎。 238 00:31:39,046 --> 00:31:41,716 ずっと ここにいるつもり あるか? 239 00:31:41,716 --> 00:31:46,053 そしたら 私は死なない。 240 00:31:46,053 --> 00:31:51,353 イチニカも武四郎のことが大好きだ。 241 00:32:00,067 --> 00:32:02,970 すまぬ。 242 00:32:02,970 --> 00:32:09,270 それはできぬ。 243 00:32:18,085 --> 00:32:22,423 リセ…。 244 00:32:22,423 --> 00:32:25,092 わしは 16の年に家を出て➡ 245 00:32:25,092 --> 00:32:29,964 蝦夷地に来るまで 国じゅうを旅してまいった。 246 00:32:29,964 --> 00:32:34,902 諸国の風物に接し たくさんの知己も得たが➡ 247 00:32:34,902 --> 00:32:37,672 己の使命が何なのか分からず➡ 248 00:32:37,672 --> 00:32:41,375 ずっと迷っておった。 249 00:32:41,375 --> 00:32:44,712 されど 蝦夷地に来て 初めて分かったのだ…! 250 00:32:44,712 --> 00:32:48,583 己のなすべきことが。 251 00:32:48,583 --> 00:32:53,721 わしは この蝦夷地で見たことを➡ 252 00:32:53,721 --> 00:32:57,391 江戸に戻って 大勢の人に知らせねばならぬ。 253 00:32:57,391 --> 00:33:00,728 この国のためにも アイヌのためにも。 254 00:33:00,728 --> 00:33:06,067 わしは ウテルクのように 勇敢な男ではない。 255 00:33:06,067 --> 00:33:10,767 されど なさねばならぬ使命があるのだ。 256 00:33:28,089 --> 00:33:30,024 もし…➡ 257 00:33:30,024 --> 00:33:35,896 リセが わしと 一緒に来てくれるなら➡ 258 00:33:35,896 --> 00:33:40,896 イチニカと共に 江戸に参ろう。 259 00:33:51,312 --> 00:33:55,716 私は ここで生まれた。 260 00:33:55,716 --> 00:33:58,619 私は ここに住む人。 261 00:33:58,619 --> 00:34:04,058 ここに住む人…。 262 00:34:04,058 --> 00:34:07,395 どこにも行かない。 263 00:34:07,395 --> 00:34:19,974 ♬~ 264 00:34:19,974 --> 00:34:23,944 その着物は置いてゆけ。 265 00:34:23,944 --> 00:34:28,416 これも いらない…! これだけは持っていてくれ。 266 00:34:28,416 --> 00:34:35,022 わしの… リセへの思いだ。 267 00:34:35,022 --> 00:35:11,322 ♬~ 268 00:35:14,695 --> 00:35:23,070 ♬~ 269 00:35:23,070 --> 00:35:25,005 江戸に戻った武四郎は➡ 270 00:35:25,005 --> 00:35:30,945 自分の目と足で確かめた ヤウンモシリ 蝦夷地のありさまを➡ 271 00:35:30,945 --> 00:35:36,016 書物として 次々と世に送り出した。 272 00:35:36,016 --> 00:36:12,920 ♬~ 273 00:36:12,920 --> 00:36:19,620 (佐島勘解由)これが 江戸で たいそうな評判のようじゃ。 274 00:36:26,066 --> 00:36:31,939 (佐七郎)「蝦夷大概図」 「多氣志樓」? 275 00:36:31,939 --> 00:36:34,341 熊に食われて死んだのでは…? 276 00:36:34,341 --> 00:36:38,679 そのほう 何ゆえ そのようなことを知っておる? 277 00:36:38,679 --> 00:36:43,017 あっ いえ…。 うわさに聞いただけでございます。 278 00:36:43,017 --> 00:36:47,688 湊屋 はしがきを読んでみよ。 279 00:36:47,688 --> 00:36:50,388 はっ。 280 00:36:53,561 --> 00:36:58,332 「松前公は 権勢を欲しいままにし➡ 281 00:36:58,332 --> 00:37:02,236 その家臣 御用商人らは アイヌに対し➡ 282 00:37:02,236 --> 00:37:07,708 酷使のうえ 欺きだまし 財物を かすめ取り➡ 283 00:37:07,708 --> 00:37:11,378 よって アイヌの数は 近年➡ 284 00:37:11,378 --> 00:37:16,250 大幅に減りしありさまである」。 285 00:37:16,250 --> 00:37:20,721 続けよ。 (彦兵衛)「蝦夷地を松前家より召し上げ➡ 286 00:37:20,721 --> 00:37:24,592 ご公儀 御みずから 仁政をしかねば➡ 287 00:37:24,592 --> 00:37:28,395 早晩 蝦夷地は滅び ひいては➡ 288 00:37:28,395 --> 00:37:32,666 日本国滅亡の遠因となること必定。➡ 289 00:37:32,666 --> 00:37:36,003 よって 今➡ 290 00:37:36,003 --> 00:37:40,674 警世の書 改革の檄として➡ 291 00:37:40,674 --> 00:37:45,012 この絵図を… 世に問うものなり」。 292 00:37:45,012 --> 00:37:50,684 松浦武四郎とやら 手形も有せず➡ 293 00:37:50,684 --> 00:37:57,684 何ゆえ あちこち旅することが できたのか…。 294 00:37:59,693 --> 00:38:03,364 ともあれ 生かしてはおけぬ。 295 00:38:03,364 --> 00:38:06,267 即刻 始末するべく➡ 296 00:38:06,267 --> 00:38:09,703 江戸屋敷の者に命じておいた。 297 00:38:09,703 --> 00:38:11,703 はは~っ…! 298 00:38:22,049 --> 00:38:29,749 武四郎は 蝦夷地のありさまを 直接 幕府に伝えようとした。 299 00:38:31,725 --> 00:38:33,994 警備警衛の策 何もなく➡ 300 00:38:33,994 --> 00:38:36,897 蝦夷地は 丸腰そのもの。 301 00:38:36,897 --> 00:38:40,668 さらに このまま松前家の悪政を許し➡ 302 00:38:40,668 --> 00:38:45,539 悪徳商人をのさばらせておけば 内から滅びまする。 303 00:38:45,539 --> 00:38:47,541 (堀井出雲守)「内から滅びる」? 304 00:38:47,541 --> 00:38:49,677 さようでございまする。 305 00:38:49,677 --> 00:38:55,349 そのことを ご老中 阿部伊勢守様に じきじき お伝え申し上げたく➡ 306 00:38:55,349 --> 00:38:57,284 お願い申し上げまする。 307 00:38:57,284 --> 00:39:00,688 そのほうの言うことは分かった。 308 00:39:00,688 --> 00:39:06,026 されど この書物に記されたことが まことかどうか確かめようがない。 309 00:39:06,026 --> 00:39:11,365 信じるに足る証しはあるか? 310 00:39:11,365 --> 00:39:13,665 証し…。 311 00:39:51,005 --> 00:40:13,005 ♬~ 312 00:40:39,053 --> 00:41:05,079 ♬~ 313 00:41:05,079 --> 00:41:08,415 浦賀に アメリカの黒船が 4隻 現れたよ~! 314 00:41:08,415 --> 00:41:12,286 総督はアメリカのペルリ 身の丈 六尺 四五寸の大男だ! 315 00:41:12,286 --> 00:41:14,986 さあ 持ってった! 持ってった! 316 00:41:21,428 --> 00:41:25,299 先ほど お訪ね申した 松浦武四郎でござる! 317 00:41:25,299 --> 00:41:29,103 追われておる! 開門 願いたい! 318 00:41:29,103 --> 00:41:32,103 開門…! 開門! 319 00:41:38,912 --> 00:41:41,912 ≪(足音) 320 00:41:53,060 --> 00:41:58,398 松前家は 本気で そのほうを抹殺する気だな。 321 00:41:58,398 --> 00:42:00,334 松前家? 322 00:42:00,334 --> 00:42:04,334 (堀井)松前家から放たれた刺客であった。 323 00:42:06,273 --> 00:42:08,408 なんと…。 324 00:42:08,408 --> 00:42:12,079 そのほうの書物が まことのことを記しておらねば➡ 325 00:42:12,079 --> 00:42:14,779 松前家も そこまでは怒るまい。 326 00:42:16,750 --> 00:42:20,087 しばらくは 我が屋敷にて 身を隠せ。 327 00:42:20,087 --> 00:42:22,387 ありがたき幸せにございまする。 328 00:42:55,389 --> 00:42:59,059 松浦武四郎にございます。 329 00:42:59,059 --> 00:43:02,729 ご老中 阿部伊勢守様である。 330 00:43:02,729 --> 00:43:04,665 はは~っ! 331 00:43:04,665 --> 00:43:06,965 面を上げよ。 332 00:43:10,070 --> 00:43:14,942 この国のために 蝦夷地をどうすればよいか➡ 333 00:43:14,942 --> 00:43:16,944 言うてみよ。 334 00:43:16,944 --> 00:43:18,944 はっ…。 335 00:43:20,714 --> 00:43:27,087 第一に 蝦夷地に古くから住むアイヌを 味方にすること。 336 00:43:27,087 --> 00:43:30,757 そのために 松前家と商人が結託して➡ 337 00:43:30,757 --> 00:43:36,363 アイヌから産物や労働を搾取することを やめさせること。 338 00:43:36,363 --> 00:43:44,037 第二に ロシアとの明確な国境を 北蝦夷地に定めること。 339 00:43:44,037 --> 00:43:46,707 それだけか? 340 00:43:46,707 --> 00:43:50,577 まだ明らかにされていない 蝦夷地内陸の地勢を明らかにし➡ 341 00:43:50,577 --> 00:43:53,046 通行に便利な道を作って➡ 342 00:43:53,046 --> 00:43:57,718 幕府の統治を 速やかに 行えるようにすることにございます。 343 00:43:57,718 --> 00:43:59,718 よう分かった。 344 00:44:01,388 --> 00:44:07,728 このたび 蝦夷地を 幕府の御料所といたす。 345 00:44:07,728 --> 00:44:12,599 そのほうも この堀井と共に 蝦夷地に渡り➡ 346 00:44:12,599 --> 00:44:16,069 内陸の地勢を調べてまいれ。 347 00:44:16,069 --> 00:44:18,069 ははっ! 348 00:44:21,942 --> 00:44:26,413 武四郎は 幕府の役職を得て➡ 349 00:44:26,413 --> 00:44:31,752 再び ヤウンモシリ 蝦夷地に渡った。 350 00:44:31,752 --> 00:44:45,032 ♬~ 351 00:44:45,032 --> 00:44:48,702 調査は 200日にも及び➡ 352 00:44:48,702 --> 00:44:54,041 寒さに命を落とす者さえあった。 353 00:44:54,041 --> 00:45:32,341 ♬~ 354 00:46:26,933 --> 00:46:39,546 ≪(機を織る音) 355 00:46:39,546 --> 00:46:42,246 武四郎だ。 356 00:47:04,371 --> 00:47:55,021 ♬~ 357 00:47:55,021 --> 00:48:00,721 久しいな。 元気であったか? 358 00:48:06,366 --> 00:48:09,666 皆 元気か? 359 00:48:14,040 --> 00:48:16,040 みんな いない。 360 00:48:17,911 --> 00:48:19,911 みんな 死んだ。 361 00:48:23,717 --> 00:48:29,389 エカシ フチ ウテルク…➡ 362 00:48:29,389 --> 00:48:31,725 みんな 死んだ。 363 00:48:31,725 --> 00:48:36,025 ウテルクが? なぜ? 364 00:48:37,998 --> 00:48:41,868 前の夏 北蝦夷に連れて行かれた。 365 00:48:41,868 --> 00:48:45,672 冬になっても戻ってこない。 366 00:48:45,672 --> 00:48:49,009 きっと死んだ。 367 00:48:49,009 --> 00:48:54,681 片腕でも 漁場に連れて行かれたのか? 368 00:48:54,681 --> 00:48:59,553 アイヌ どんどんいなくなった。 369 00:48:59,553 --> 00:49:04,024 シサムの役人は アイヌの男を漁場に連れて行く。 370 00:49:04,024 --> 00:49:07,694 コタンに残された女 夫にする男がいない。 371 00:49:07,694 --> 00:49:12,365 アイヌの子ども 生まれない。 372 00:49:12,365 --> 00:49:15,268 アイヌ 滅びる。 373 00:49:15,268 --> 00:49:18,238 ここに生きるアイヌ 滅びる。 374 00:49:18,238 --> 00:49:21,708 そんなことはさせぬ。 375 00:49:21,708 --> 00:49:25,045 蝦夷地も幕府の御料所になったのだ。 376 00:49:25,045 --> 00:49:29,916 だから これからアイヌの生活も きっと良くなる。 377 00:49:29,916 --> 00:49:34,654 信じない。 シサムは同じ。 変わらない。 378 00:49:34,654 --> 00:49:40,994 そんなことはない! 必ず 良き蝦夷地にしてみせる! 379 00:49:40,994 --> 00:49:45,994 信じない。 幕府も あんたも信じない。 380 00:49:50,003 --> 00:49:55,303 私が抱きつくとでも思ったか? 喜ぶ 飛びつくとでも思ったか? 381 00:49:57,344 --> 00:50:01,214 出ていったシサム 偉い人になった。 382 00:50:01,214 --> 00:50:05,018 きれいな着物着て 戻ってきた。 383 00:50:05,018 --> 00:50:08,318 でも 私 何もうれしくない。 384 00:50:10,890 --> 00:50:18,031 誰も戻ってこない。 何も帰ってこない。 385 00:50:18,031 --> 00:50:20,731 あんたが来ても 何も変わらない。 386 00:50:24,371 --> 00:50:26,371 帰れ…! 387 00:50:32,045 --> 00:50:36,916 分かった。 帰る。 388 00:50:36,916 --> 00:50:43,390 ただ もう一つだけ聞かせてくれ。 イチニカはどうした? 389 00:50:43,390 --> 00:50:46,390 イチニカは元気なんだろう? 390 00:50:49,062 --> 00:50:51,965 あの子は 半分 シサム。 391 00:50:51,965 --> 00:50:55,935 めったに戻ってこない。 392 00:50:55,935 --> 00:50:59,706 ここにも ほとんど帰ってこない。 393 00:50:59,706 --> 00:51:02,706 白鳥屋で働いてる。 394 00:51:13,753 --> 00:51:18,091 ウテルクに命を救われながら➡ 395 00:51:18,091 --> 00:51:22,962 何もできず このコタンを出て行ったこと 謝る。 396 00:51:22,962 --> 00:51:30,103 だが わしは ここに住むアイヌが すべてのアイヌが➡ 397 00:51:30,103 --> 00:51:37,403 安心して暮らせるよう これからも懸命に働く。 398 00:51:45,585 --> 00:51:51,725 邪魔をした。 達者でいてくれ。 399 00:51:51,725 --> 00:52:39,725 ♬~ 400 00:53:47,373 --> 00:54:50,073 ♬~ 401 00:55:07,387 --> 00:55:10,087 ≪逃すな! ≪はっ! 402 00:55:29,075 --> 00:55:34,375 何も言うな。 分かっておる。 403 00:55:37,884 --> 00:55:41,184 ニシパ…。 404 00:55:46,559 --> 00:55:54,559 私の… ニシパ…。 405 00:55:57,036 --> 00:55:59,036 リセ…。 406 00:56:01,374 --> 00:56:10,674 武四郎の腕の中 うれし…。 407 00:56:14,387 --> 00:56:21,728 しっかりせい! リセ… リセ! 408 00:56:21,728 --> 00:56:25,398 死んではならぬ! リセ! 409 00:56:25,398 --> 00:57:12,912 ♬~ 410 00:57:12,912 --> 00:57:15,912 (鳴き声) 411 00:57:29,062 --> 00:57:33,062 これ 武四郎が持っていてくれ。 412 00:57:36,335 --> 00:57:38,335 ああ。 413 00:57:43,209 --> 00:57:47,346 武四郎。 何だ? 414 00:57:47,346 --> 00:57:50,046 俺は江戸に行く。 415 00:57:53,019 --> 00:57:58,691 白鳥屋の丁稚になったのではないのか? 白鳥屋 辞めた。 416 00:57:58,691 --> 00:58:02,361 今はイチニカでもない 市助だ。 417 00:58:02,361 --> 00:58:05,698 俺は蝦夷地を出て 広い和人の国を見る。 418 00:58:05,698 --> 00:58:13,039 和人の言葉 和人の文字を知る。 だから 江戸に行く。 419 00:58:13,039 --> 00:58:18,911 お前が蝦夷地を出ると コタンで眠るリセが悲しむな。 420 00:58:18,911 --> 00:58:21,380 母さんは悲しまない。 421 00:58:21,380 --> 00:58:25,051 コタンを出て白鳥屋に行くときも 悲しまなかった。 422 00:58:25,051 --> 00:58:26,986 まことか? 423 00:58:26,986 --> 00:58:30,723 「コタンにいても 漁場に連れて行かれて殺されるだけだ。➡ 424 00:58:30,723 --> 00:58:36,996 だから 好きにしろ」と言った。 そうか。 425 00:58:36,996 --> 00:58:41,868 リセは 賢い母さんだ。 426 00:58:41,868 --> 00:58:44,337 俺の母さんは いい女だ。 427 00:58:44,337 --> 00:58:49,208 「いい女」? そんな言葉も白鳥屋で習ったのか? 428 00:58:49,208 --> 00:58:54,347 白鳥屋の丁稚は 「江戸の女は 皆 いい女だ」と言った。 429 00:58:54,347 --> 00:58:58,217 だけど 浮世絵を見たら みんな 変な顔だった。 430 00:58:58,217 --> 00:59:01,517 江戸の女は みんな あんな変な顔なのか? 431 00:59:06,692 --> 00:59:12,692 その目で確かめてみるんだな 市助。 432 00:59:38,991 --> 00:59:43,863 武四郎は アイヌの家族を 一軒一軒 訪ね歩き➡ 433 00:59:43,863 --> 00:59:48,000 正確な人別帳を作った。 434 00:59:48,000 --> 00:59:51,871 その結果 アイヌの人口が➡ 435 00:59:51,871 --> 00:59:56,171 激減していることも明らかになった。 436 00:59:58,010 --> 01:00:03,683 調査の結果を携え 武四郎は江戸に戻った。 437 01:00:03,683 --> 01:00:09,555 そのころ 武四郎を任命した老中 阿部正弘が死去。 438 01:00:09,555 --> 01:00:14,855 開国派の井伊直弼が大老となっていた。 439 01:00:24,971 --> 01:00:28,708 江戸の自宅で 武四郎は日夜➡ 440 01:00:28,708 --> 01:00:34,380 ヤウンモシリ 蝦夷地の内陸の詳細を 記した。 441 01:00:34,380 --> 01:00:43,080 そして 「東西蝦夷山川地理取調日誌」を 完成させた。 442 01:00:53,733 --> 01:00:58,433 おかえり。 ただいま戻りました。 443 01:01:02,742 --> 01:01:08,080 きょうは 何の学問をしたのだ? はい。 園部塾では➡ 444 01:01:08,080 --> 01:01:11,751 井伊大老の攘夷派への弾圧について お話がありました。 445 01:01:11,751 --> 01:01:14,654 ほう… 園部先生は何と? 446 01:01:14,654 --> 01:01:19,425 「幕府のやり方に異を唱えた者を ことごとく処刑した井伊様は➡ 447 01:01:19,425 --> 01:01:24,764 恐ろしき為政者だ」と 仰せでございました。 448 01:01:24,764 --> 01:01:31,103 和人は アイヌだけでなく 同じ和人も弾圧するのですね。 449 01:01:31,103 --> 01:01:36,103 幕府も松前家も同じか。 450 01:01:42,715 --> 01:01:46,052 ≪おい 急げ 急げ! 451 01:01:46,052 --> 01:01:50,723 ≪もっと早く刷れんのか? これらの本は…! 452 01:01:50,723 --> 01:01:53,626 武四郎は 地図のほかにも➡ 453 01:01:53,626 --> 01:02:00,066 蝦夷地のことを分かりやすく描いた絵本を 幾種類も出版。 454 01:02:00,066 --> 01:02:03,402 これらは 爆発的に売れ続け➡ 455 01:02:03,402 --> 01:02:11,102 今でいう大ベストセラー作家となった。 しかし…。 456 01:02:18,751 --> 01:02:25,091 「近世蝦夷人物誌」 人心を惑わす悪書なり。 457 01:02:25,091 --> 01:02:29,962 よって 出版は あいならぬ。 それは 何ゆえでございますか! 458 01:02:29,962 --> 01:02:35,701 人心を惑わす悪書だからじゃ。 459 01:02:35,701 --> 01:02:39,572 この本は 北の地に住む➡ 460 01:02:39,572 --> 01:02:43,376 天性麗しき心根の アイヌたちを描いたもので➡ 461 01:02:43,376 --> 01:02:46,278 人心を惑わす所なぞ 一か所とてございません! 462 01:02:46,278 --> 01:02:49,978 ご奉行様のご判断である! 463 01:02:51,717 --> 01:02:58,391 この「近世蝦夷人物誌」の出版は 許されなかった。 464 01:02:58,391 --> 01:03:04,391 為政者にとっては 不都合な書であったからだ。 465 01:03:11,737 --> 01:03:16,037 うああ~! 466 01:03:24,316 --> 01:03:29,288 武四郎の理想も夢も絶望も踏み倒して➡ 467 01:03:29,288 --> 01:03:33,993 時代は猛スピードで進んでいった。 468 01:03:33,993 --> 01:03:41,293 そして 幕府は 大政を朝廷に奉還した。 469 01:03:48,374 --> 01:03:52,674 しばらく待っちょってくいやんせ。 はっ…。 470 01:04:20,072 --> 01:04:26,412 (河田重吉) 新政府参与 大久保利通卿にござる。 471 01:04:26,412 --> 01:04:30,082 ははっ…! 472 01:04:30,082 --> 01:04:36,782 松浦さん もう そういう時代ではなか。 座りなさい。 473 01:04:39,892 --> 01:04:42,192 さあ…。 474 01:04:44,363 --> 01:04:46,663 はっ! 475 01:04:56,375 --> 01:05:01,247 早速だが 新政府は 蝦夷地の開拓を重要課題と考えておる。 476 01:05:01,247 --> 01:05:05,247 ついては そのほうを 箱館府判府事に任じたい。 477 01:05:07,720 --> 01:05:12,057 まずは 蝦夷地に 新しい地名を 付けねばならぬと思うておる。 478 01:05:12,057 --> 01:05:17,730 その案を 松浦さん おはんに出してもらいたか。➡ 479 01:05:17,730 --> 01:05:23,068 旧幕府の記録にも目を通したが そのほうの調べ 誠に見事。➡ 480 01:05:23,068 --> 01:05:25,404 蝦夷地の名を改め➡ 481 01:05:25,404 --> 01:05:30,743 アイヌと日本人を平等に扱う政策をも 立案せねばならぬと思うておる。 482 01:05:30,743 --> 01:05:34,613 ぜひ力を貸してもらいたい。➡ 483 01:05:34,613 --> 01:05:40,352 身に余るお言葉 身命を賭して お役目 全ういたしまする! 484 01:05:40,352 --> 01:05:44,023 話は以上である。 大いに励んでくれ。 485 01:05:44,023 --> 01:05:46,926 ははっ…! 486 01:05:46,926 --> 01:05:51,697 箱館府判府事となった武四郎は➡ 487 01:05:51,697 --> 01:05:57,369 まず 地名の選定に取りかかった。 488 01:05:57,369 --> 01:06:02,708 積丹 余市➡ 489 01:06:02,708 --> 01:06:09,048 小樽 石狩 札幌など➡ 490 01:06:09,048 --> 01:06:10,983 アイヌ語をもとにして➡ 491 01:06:10,983 --> 01:06:18,283 地名を漢字二文字に落とし込む作業に 日夜 まい進した。 492 01:06:20,059 --> 01:06:24,396 (鍋島直正)松浦か? はっ! 493 01:06:24,396 --> 01:06:31,070 地名選定のほう 進んでおるか? はっ! 着々と進んでおります。 494 01:06:31,070 --> 01:06:33,070 そうか…。 495 01:06:37,876 --> 01:06:43,349 ならば 終わりしだい 最も重要な蝦夷地の改名に取りかかれ。 496 01:06:43,349 --> 01:06:45,684 蝦夷地の改名? 497 01:06:45,684 --> 01:06:50,356 蝦夷地を 正式に我が国に編入する。 498 01:06:50,356 --> 01:06:54,226 蝦夷地の名も 新しい時代を 感じさせるものにしたい。 499 01:06:54,226 --> 01:07:01,967 行政区分は王政にのっとって「道」とする。 直ちに案を出せ。 500 01:07:01,967 --> 01:07:04,667 かしこまりました。 501 01:07:32,931 --> 01:07:35,631 [ 回想 ] 私は ここで生まれた。 502 01:07:39,338 --> 01:07:42,638 [ 回想 ] 私は ここに住む人。 503 01:07:45,010 --> 01:08:10,035 ♬~ 504 01:08:10,035 --> 01:08:15,908 蝦夷地の改名案として 6つの案を考えました。 505 01:08:15,908 --> 01:08:20,379 「日髙見道」 「北加伊道」➡ 506 01:08:20,379 --> 01:08:24,717 「海北道」 「海島道」➡ 507 01:08:24,717 --> 01:08:30,417 「東北道」 「千島道」。 508 01:08:32,991 --> 01:08:35,327 松浦。 はっ! 509 01:08:35,327 --> 01:08:39,327 そのほうは どれが最も良いと思うのだ? 510 01:08:43,202 --> 01:08:46,672 おそれながら それがしは➡ 511 01:08:46,672 --> 01:08:52,544 「北加伊道」が 最もふさわしいと思っておりまする。 512 01:08:52,544 --> 01:08:55,013 「北加伊道」か…。 513 01:08:55,013 --> 01:09:01,353 アイヌの古い言葉では そこに住む人を 「カイ」と呼ぶと聞きました。 514 01:09:01,353 --> 01:09:04,690 「道」は 昔の行政区分で➡ 515 01:09:04,690 --> 01:09:11,363 「北に住むカイの地」 北加伊道にございます。 516 01:09:11,363 --> 01:09:15,234 よいではないか。 それでは 「北加伊道」で➡ 517 01:09:15,234 --> 01:09:19,705 大久保卿にお伺いを立てよう。 518 01:09:19,705 --> 01:09:22,040 よくやった 松浦。 519 01:09:22,040 --> 01:09:24,740 はっ! 520 01:09:29,381 --> 01:09:35,654 「北加伊道」か… 雄大であるな。 521 01:09:35,654 --> 01:09:37,589 はっ! 522 01:09:37,589 --> 01:09:43,328 松浦 大儀であった。 523 01:09:43,328 --> 01:09:45,664 ははっ…! 524 01:09:45,664 --> 01:09:49,535 こうして ヤウンモシリ 蝦夷地は➡ 525 01:09:49,535 --> 01:09:53,539 「北加伊道」と名付けられた。 526 01:09:53,539 --> 01:09:59,011 松浦武四郎が新政府の役人となって➡ 527 01:09:59,011 --> 01:10:02,881 ほえておるそうじゃ。 え~! 528 01:10:02,881 --> 01:10:08,353 されど 蝦夷地に入れぬ! 529 01:10:08,353 --> 01:10:14,026 はっ! どうぞ 今度こそ 息の根を止めてくださいませ! 530 01:10:14,026 --> 01:10:22,701 新政府でのやつの地位は 幕府のそれと比べると はるかに高い。 531 01:10:22,701 --> 01:10:30,042 殺せば目立つゆえ 違う手を使おうと思うての。 532 01:10:30,042 --> 01:10:32,711 (彦兵衛 佐七郎)違う手? 533 01:10:32,711 --> 01:10:34,711 ふふふ…! 534 01:10:37,382 --> 01:10:41,253 東久世長官 お待ちくださいませ! 535 01:10:41,253 --> 01:10:44,953 (東久世通禧)松浦は 声が大きいのう。 536 01:10:50,729 --> 01:10:54,399 新しい法律のことでございますが…。 それは またにせい。 537 01:10:54,399 --> 01:10:58,070 いいえ 待てませぬ! 松前藩と商人が手を組んで➡ 538 01:10:58,070 --> 01:11:02,741 アイヌの人々を酷使するような悪弊は 即刻 撤廃せねばなりません! 539 01:11:02,741 --> 01:11:05,644 新政府とアイヌが 対等に商いをする制度を➡ 540 01:11:05,644 --> 01:11:08,413 法律で定めなければなりませぬ。 541 01:11:08,413 --> 01:11:15,287 されど 文字もないような者どもと どうやって対等につきあうのじゃ。 542 01:11:15,287 --> 01:11:21,426 アイヌが文字を学ぶことを 幕府や松前藩が遠ざけただけです。 543 01:11:21,426 --> 01:11:28,100 アイヌには 美しい音楽や踊りがあり 伝承によって歴史も記録されております。 544 01:11:28,100 --> 01:11:33,705 誰にでも優しく 争いを嫌い 支配や上下の関係を嫌います。 545 01:11:33,705 --> 01:11:38,377 ですので こちらが誠実に接すれば 必ず うまくいきまする。 546 01:11:38,377 --> 01:11:42,047 この書物を参考にしていただければ…。 分かった 分かった。 547 01:11:42,047 --> 01:11:46,919 それは またの機会に 大久保卿にも お伝えいたすゆえ➡ 548 01:11:46,919 --> 01:11:53,392 これから会議や 出ていけ。 長官! 549 01:11:53,392 --> 01:11:55,392 出ていけ! 550 01:12:02,401 --> 01:12:06,071 東久世長官が 北海道に出立されたとは まことでございまするか? 551 01:12:06,071 --> 01:12:08,407 まことじゃ。 なぜ それがしに➡ 552 01:12:08,407 --> 01:12:11,743 北海道赴任の命が 下らぬのでございますか! 553 01:12:11,743 --> 01:12:14,079 おいに聞かれても分からん。 554 01:12:14,079 --> 01:12:16,415 大久保卿にお聞きしたい。 555 01:12:16,415 --> 01:12:19,751 大久保卿は それがしに 役名と官位を与えて利用するだけで➡ 556 01:12:19,751 --> 01:12:23,422 北海道で仕事を任せるお気持ちは ないのでございましょうか? 557 01:12:23,422 --> 01:12:26,422 知らん! ふん! 558 01:12:41,907 --> 01:12:47,045 開拓判官 松浦武四郎にございます。 何事だ。 559 01:12:47,045 --> 01:12:50,916 それがしを 一日も早く 北海道にお送りくださいませ。 560 01:12:50,916 --> 01:12:53,385 そのことを大久保様から。 561 01:12:53,385 --> 01:12:58,085 北海道のことは 東久世開拓使長官に任せてる。 562 01:13:00,058 --> 01:13:04,396 大久保様… 大久保様 お待ちください! 563 01:13:04,396 --> 01:13:09,267 それがしを… それがしを 一日も早く北海道へ。 564 01:13:09,267 --> 01:13:12,967 大久保様 一日も早く…! 565 01:13:23,415 --> 01:13:27,085 ばかくさい! 566 01:13:27,085 --> 01:13:29,988 (雷鳴) 567 01:13:29,988 --> 01:13:32,288 ばかくさい…。 568 01:13:35,694 --> 01:13:38,030 ばかくさい…。 569 01:13:38,030 --> 01:13:43,730 武四郎は 明治政府の職を辞した。 570 01:13:57,049 --> 01:14:02,387 ♬~(三味線と歌声) 571 01:14:02,387 --> 01:14:06,387 (笑い声) 572 01:14:10,062 --> 01:14:12,762 はあっ…! 573 01:14:25,610 --> 01:14:29,310 いかがなされました? 574 01:14:32,084 --> 01:14:35,353 夢を見た。 575 01:14:35,353 --> 01:14:42,027 新政府の役人たちが酒宴を開いていた。 576 01:14:42,027 --> 01:14:45,363 そこに供されていたのは➡ 577 01:14:45,363 --> 01:14:51,236 アイヌの人肉 臓腑。 578 01:14:51,236 --> 01:14:56,936 それをアイヌの亡霊たちが見ており…。 579 01:15:00,378 --> 01:15:07,719 ここのところ 毎晩 見るのだ 同じ夢を。 580 01:15:07,719 --> 01:15:10,388 同じ夢? 581 01:15:10,388 --> 01:15:16,261 わしは 幕府のお雇いの身分になりながら➡ 582 01:15:16,261 --> 01:15:22,734 アイヌの窮状を何一つ救えなかった。 新政府になってからも…。 583 01:15:22,734 --> 01:15:25,734 そのようなことはございませぬ。 584 01:15:27,405 --> 01:15:32,077 いや そうなのだ。 585 01:15:32,077 --> 01:15:37,883 わしは何もしなかったのだ。 その罪は許されぬ。 586 01:15:37,883 --> 01:15:44,022 北海道のことを多くの人に知らせるのは わしの使命だ。 587 01:15:44,022 --> 01:15:46,722 それは今も変わらぬ。 588 01:15:53,365 --> 01:16:03,365 されど 北海道の地を 再び踏むことはできぬと思う。 589 01:16:25,297 --> 01:16:30,597 リセに合わせる顔もない。 590 01:16:56,261 --> 01:17:02,701 市助 お前に頼みがある。 591 01:17:02,701 --> 01:17:08,373 先生。 先生のお気持ちは分かりました。 592 01:17:08,373 --> 01:17:12,043 私が北海道に帰ります。 593 01:17:12,043 --> 01:17:17,343 先生の代わりに 北海道のために働きまする。 594 01:17:19,384 --> 01:17:27,726 市助… よく言った。 お前ならできる。 595 01:17:27,726 --> 01:17:33,426 お前なら アイヌと和人の懸け橋になれる。 596 01:17:35,000 --> 01:17:37,300 きっとなれる。 597 01:18:01,693 --> 01:18:07,993 久しぶりに彫ったので あまり うまくいかなかったがのう。 598 01:18:17,709 --> 01:18:21,046 「市児火」…。 599 01:18:21,046 --> 01:18:25,746 市助ではない。 イチニカだ。 600 01:18:27,385 --> 01:18:31,056 母も 先生から頂いた印を➡ 601 01:18:31,056 --> 01:18:34,756 いつも お守りのように 首から下げておりました。 602 01:18:42,000 --> 01:18:46,338 達者で暮らせよ。 603 01:18:46,338 --> 01:18:48,673 はい。 604 01:18:48,673 --> 01:18:54,373 先生の お志は 私が北海道で果たします。 605 01:18:59,317 --> 01:19:02,017 北海道を頼んだぞ。 606 01:19:05,223 --> 01:19:11,223 さあ 行け。 お前が時代の先頭を歩むのだ。 607 01:19:15,367 --> 01:19:17,702 おさらばにございまする。 608 01:19:17,702 --> 01:19:56,341 ♬~ 609 01:19:56,341 --> 01:20:01,341 武四郎は 維新の英雄ではない。 610 01:20:04,682 --> 01:20:13,691 だが 松浦武四郎なくして 今日の北海道はない。 611 01:20:13,691 --> 01:21:26,691 ♬~ 612 01:21:35,039 --> 01:21:38,376 北海道の名付け親 松浦武四郎。 613 01:21:38,376 --> 01:21:42,247 67歳の時の写真です。 614 01:21:42,247 --> 01:21:48,386 武四郎が生まれたのは 伊勢国 現在の三重県松阪市。 615 01:21:48,386 --> 01:21:52,257 ここに 貴重な資料が残されています。 616 01:21:52,257 --> 01:21:59,557 旅で使った筆の入れ物や 野帳と呼ばれる旅のメモ書きの数々。 617 01:22:02,400 --> 01:22:06,738 更に 武四郎が作ったという 石のハンコも。 618 01:22:06,738 --> 01:22:10,408 それを求める人には 彫って与えて報酬を得➡ 619 01:22:10,408 --> 01:22:14,078 旅の費用に充てたといわれています。 620 01:22:14,078 --> 01:22:20,378 ドラマにも登場した 「近世蝦夷人物誌」も残されています。 621 01:22:23,087 --> 01:22:27,787 旅先で見聞きしたアイヌのエピソードを 集めました。 622 01:22:30,962 --> 01:22:34,962 ドラマに登場した市助も描かれています。 623 01:22:38,570 --> 01:22:41,039 武四郎は アイヌが➡ 624 01:22:41,039 --> 01:22:46,739 過酷な労働や和風化政策を 強いられていることも記しました。 625 01:22:50,381 --> 01:22:55,720 この書物は 当初 幕府から出版の許可が下りませんでした。 626 01:22:55,720 --> 01:23:01,720 世に紹介されたのは 武四郎の死後 20年以上あとのことでした。 627 01:23:03,394 --> 01:23:08,733 晩年 武四郎が使った雅号が 馬角斎。 628 01:23:08,733 --> 01:23:16,033 北海道の地を再び踏むことなく 71年の生涯を閉じました。 629 01:23:18,743 --> 01:23:21,646 武四郎が残した膨大な記録は➡ 630 01:23:21,646 --> 01:23:25,617 北海道の風土やアイヌ文化を伝える 貴重な資料として➡ 631 01:23:25,617 --> 01:23:28,917 大切に読み継がれています。