1 00:01:28,940 --> 00:01:31,540 10代将軍 家治の頃 2 00:01:31,540 --> 00:01:35,180 時の老中 田沼意正は 将軍家に取り入るため 3 00:01:35,180 --> 00:01:38,680 旗本 榊原越中守の息女 亜矢姫を 4 00:01:38,680 --> 00:01:42,050 将軍の側室として 差し出すよう迫っていた 5 00:01:42,050 --> 00:01:44,450 榊原忠常がこれを断ると 6 00:01:44,450 --> 00:01:47,190 田沼は2万両もの費用を要する 7 00:01:47,190 --> 00:01:51,030 久能山東照宮修築を 命じたのである 8 00:01:51,030 --> 00:01:53,800 万策尽きた忠常は死を決意したが 9 00:01:53,800 --> 00:01:58,900 それを止めたのは家臣の 来間又四郎と亜矢姫であった 10 00:01:58,900 --> 00:02:02,670 榊原家の危難を救わんとした 奥方 お遊の方は 11 00:02:02,670 --> 00:02:08,750 父 角行上人の残した黄金80貫の カギを握る古文書を渡そうとした 12 00:02:08,750 --> 00:02:11,750 だがその時 黒覆面の一団に襲われ 13 00:02:11,750 --> 00:02:14,780 お遊の方は非業の最期を遂げた 14 00:02:14,780 --> 00:02:17,190 古文書は飛猿道人に奪われ 15 00:02:17,190 --> 00:02:20,090 そして巾着切りの 才蔵の手に渡った 16 00:02:20,090 --> 00:02:23,030 だが またしてもその古文書は 謎の人物 17 00:02:23,030 --> 00:02:26,600 炎嶽十郎に奪われたのである 18 00:02:26,600 --> 00:02:29,470 一方 黒覆面を追った又四郎は 19 00:02:29,470 --> 00:02:31,970 身を変えて青卍教に乗り込んだが 20 00:02:31,970 --> 00:02:34,740 教祖 天堂勘兵衛に正体を見破られ 21 00:02:34,740 --> 00:02:37,740 くるえる信者の手によって 大川へ投げ込まれた 22 00:02:40,410 --> 00:02:42,880 しかし又四郎は才蔵に助けられ 23 00:02:42,880 --> 00:02:46,780 古文書が謎の浪人の手に 渡っていることを知った 24 00:02:46,780 --> 00:02:51,220 ここに又四郎と炎嶽十郎の 対決の時が訪れた 25 00:02:51,220 --> 00:02:55,360 だが不思議にも嶽十郎は 又四郎に古文書を渡し 26 00:02:55,360 --> 00:02:57,760 姿を消した 27 00:02:59,830 --> 00:03:03,300 ついに古文書を手にした又四郎は 亜矢姫 伴内ともども 28 00:03:03,300 --> 00:03:05,840 富士へと急いだ 苦難の末 29 00:03:05,840 --> 00:03:10,240 5合目の御嶽社で 角行上人の残した文字を発見し 30 00:03:10,240 --> 00:03:14,840 その文字によって雷岩の ほこらに隠された能面を発見した 31 00:03:16,810 --> 00:03:20,150 財宝の最後のカギは 能面のどこかに 32 00:03:20,150 --> 00:03:22,520 折しも江戸より後をつけてきた 33 00:03:22,520 --> 00:03:25,490 天堂勘兵衛一味が襲いかかる 34 00:03:25,490 --> 00:03:29,690 霊峰富士を朱に染めて 又四郎の奮闘が続いたが… 35 00:03:42,210 --> 00:03:45,740 姫! 姫 36 00:03:45,740 --> 00:03:47,940 伴内 37 00:03:51,110 --> 00:03:53,950 ああっ 伴内 38 00:03:53,950 --> 00:03:56,550 キャーッ 能面と亜矢姫は 39 00:03:56,550 --> 00:03:58,990 激流渦巻く はるか谷底へと 40 00:03:58,990 --> 00:04:01,690 弧を描いて落ちていったのである 41 00:04:03,630 --> 00:04:05,900 姫! 姫 42 00:04:05,900 --> 00:04:09,400 姫!姫! 姫 43 00:04:22,110 --> 00:04:24,250 もし もし! 44 00:04:24,250 --> 00:04:26,350 お気を確かに 45 00:04:32,320 --> 00:04:35,060 誰が流したんだろう 46 00:04:35,060 --> 00:04:38,500 姉ちゃん おいらに貸しとくれよ 47 00:04:38,500 --> 00:04:41,030 ダメ ほら こんなに割れてるだろ 48 00:04:41,030 --> 00:04:43,030 いいから 貸しとくれよ 49 00:04:43,030 --> 00:04:46,640 ああっ あ… 何すんのよ 50 00:04:46,640 --> 00:04:48,840 三吉 あ… 51 00:04:48,840 --> 00:04:51,340 三吉 お返しったら やだい 52 00:04:51,340 --> 00:04:53,340 そんなに欲しけりゃ かくれんぼだ 53 00:04:53,340 --> 00:04:56,280 十数えて見つけたら返してやるよ 三吉 54 00:04:56,280 --> 00:04:58,850 三吉! もう 55 00:04:58,850 --> 00:05:01,150 しょうがないわね 56 00:05:12,830 --> 00:05:15,230 あっ 面を持っていやがる 57 00:05:20,570 --> 00:05:22,570 こりゃ 何するんだい 58 00:05:22,570 --> 00:05:25,510 おっ 面が半分に おい これをどこで手に入れた? 59 00:05:25,510 --> 00:05:28,140 あとの半分はどうした? 知らないよ 60 00:05:28,140 --> 00:05:30,150 お面は私のもんだから返してよ 61 00:05:30,150 --> 00:05:32,880 うるさい あとの半分は どこにあるか言え 62 00:05:32,880 --> 00:05:35,650 ちくしょう!放せ 放せ 63 00:05:35,650 --> 00:05:39,760 このアマ ああっ 64 00:05:39,760 --> 00:05:42,390 あ… 65 00:05:42,390 --> 00:05:44,630 放せ 放せ 66 00:05:44,630 --> 00:05:46,800 太えアマだ 何としても 泥を吐かせてやる 67 00:05:46,800 --> 00:05:48,800 連れてけ ええい 放せ 68 00:05:48,800 --> 00:05:51,730 来るんだ あっ 姉ちゃん! 69 00:05:51,730 --> 00:05:54,970 あ… 三吉 70 00:05:54,970 --> 00:05:57,340 姉ちゃん! 71 00:05:57,340 --> 00:05:59,710 面を持ってやがる 追え 72 00:05:59,710 --> 00:06:02,110 三吉 73 00:06:04,650 --> 00:06:08,050 逃がすな こら!待て 小僧 74 00:06:08,050 --> 00:06:10,250 待て!待たんか 75 00:06:13,690 --> 00:06:15,790 あ… 76 00:06:18,430 --> 00:06:20,530 クロ!クロ! 77 00:06:24,270 --> 00:06:27,070 クロ クロ 78 00:06:30,870 --> 00:06:32,870 クロ 頼むぞ 79 00:06:36,810 --> 00:06:38,820 確かに女だな これは 80 00:06:38,820 --> 00:06:41,220 女がなぜ男の身なりをしてるんだ 81 00:06:41,220 --> 00:06:44,150 静かにしねえか 82 00:06:44,150 --> 00:06:46,550 これには何か深い訳があるずら 83 00:06:48,930 --> 00:06:51,030 気がつかれたかのう 84 00:06:57,500 --> 00:07:00,700 ここは どこです? 85 00:07:00,700 --> 00:07:03,210 これ これ これ 86 00:07:03,210 --> 00:07:07,810 安心するがいい ここは富士根の里じゃ 87 00:07:07,810 --> 00:07:10,510 大したケガものうて よかったの 88 00:07:10,510 --> 00:07:14,080 大変だよ!大変だよ どうした?三吉 89 00:07:14,080 --> 00:07:16,350 お姉ちゃんが捕まった お姉ちゃんが 90 00:07:16,350 --> 00:07:18,790 行者の奴らにさらわれたんだ 91 00:07:18,790 --> 00:07:21,020 行者に? 姉ちゃんが 92 00:07:21,020 --> 00:07:23,520 姉ちゃんが… 93 00:07:26,560 --> 00:07:28,560 その面は… 94 00:07:31,370 --> 00:07:34,440 ええい 女 あのこわっぱはどこにいる? 95 00:07:34,440 --> 00:07:36,840 言え 言わぬか 96 00:07:40,010 --> 00:07:42,950 ちくしょう 97 00:07:42,950 --> 00:07:45,550 言うもんか 私が一体 何をしたっていうんだ 98 00:07:45,550 --> 00:07:47,920 黙れ 99 00:07:47,920 --> 00:07:50,920 言わぬなら体に聞くぞ このっ このっ! 100 00:07:54,660 --> 00:07:57,160 ひでえことしやがる 女 いじめやがって 101 00:07:57,160 --> 00:07:59,600 こやつ その舌の根を引っこ抜くぞ 102 00:07:59,600 --> 00:08:02,230 こいつは面白えや 俺も江戸っ子だ さあ殺せ 103 00:08:02,230 --> 00:08:04,330 よし 104 00:08:07,200 --> 00:08:09,400 ああ… クロ! 105 00:08:23,250 --> 00:08:25,450 あ 旦那 早く 106 00:08:37,100 --> 00:08:40,600 源太とやら 勘兵衛殿が お待ちかねとは申せ 107 00:08:40,600 --> 00:08:42,870 夜道を参って道に 迷うようなことはあるまいな 108 00:08:42,870 --> 00:08:46,980 任せておくんなせえ このお山ばかりは源太の庭も同然 109 00:08:46,980 --> 00:08:49,980 せいぜいシカやタヌキに 出会うくらいが関の山です 110 00:08:49,980 --> 00:08:53,080 シカやタヌキなら 巡り会ってみたいものだて 111 00:08:56,990 --> 00:08:59,320 シカやタヌキばかりじゃない 112 00:08:59,320 --> 00:09:01,390 俺もいるぞ 113 00:09:01,390 --> 00:09:05,760 貴様 何者だ 富士よりの使者 114 00:09:05,760 --> 00:09:09,430 またの名を人斬り嶽十郎 115 00:09:09,430 --> 00:09:12,300 お主たちの命を助けに参ったんだ 116 00:09:12,300 --> 00:09:14,940 こっから直ちに江戸へ引き返せ 何? 117 00:09:14,940 --> 00:09:17,340 ほざくな 118 00:09:25,110 --> 00:09:28,120 貴様らのなまくら剣法で 俺を斬ろうとすりゃ 119 00:09:28,120 --> 00:09:30,120 この沙汰だ 120 00:09:32,260 --> 00:09:36,060 聖嶽と崇められる富士のお山に 121 00:09:36,060 --> 00:09:41,060 心やましき者の立ち入りは 断じて許さん 122 00:09:41,060 --> 00:09:43,630 邪心を抱き足を踏み入れれば 123 00:09:43,630 --> 00:09:46,770 あるいは天変地異に襲われ 124 00:09:46,770 --> 00:09:49,970 あるいは正義の刃に その生命を絶つ 125 00:09:56,910 --> 00:10:01,280 自ら求めて地獄への道を歩む愚か 126 00:10:01,280 --> 00:10:03,580 避けたほうがよろしかろう 127 00:10:07,660 --> 00:10:09,660 どけ! 128 00:10:17,270 --> 00:10:20,570 あっ お姉ちゃんだ おーい お姉ちゃんが帰ってきたぞ 129 00:10:23,540 --> 00:10:25,540 よかったね お雪 130 00:10:25,540 --> 00:10:27,940 お父様 よかった よかった 131 00:10:30,550 --> 00:10:32,550 あの方に助けていただいたのです 132 00:10:32,550 --> 00:10:35,750 おお そうか こりゃどうも 133 00:10:35,750 --> 00:10:38,050 娘がありがとうございました 134 00:10:42,290 --> 00:10:44,290 姫! 亜矢姫様! 135 00:10:44,290 --> 00:10:46,600 又四郎 姫様 ご無事で 136 00:10:46,600 --> 00:10:50,600 又四郎 姫 137 00:10:50,600 --> 00:10:54,300 私は里の人たちに 助けていただいたのですが 138 00:10:54,300 --> 00:10:57,770 又四郎 面が2つに割れたのを 知っていますか 139 00:10:57,770 --> 00:11:02,040 面が2つに? 今 私の手にあるのは右の半分 140 00:11:02,040 --> 00:11:05,920 左の半分は天堂勘兵衛の手に 渡ったものと思われます 141 00:11:05,920 --> 00:11:07,920 天堂の手に? 142 00:11:07,920 --> 00:11:11,450 その面なら あの行者に取られました 143 00:11:11,450 --> 00:11:15,060 亜矢は そなたに申し訳ないと 思っています 144 00:11:15,060 --> 00:11:19,600 何を言われます 姫様には そのようなことに気を遣われずに 145 00:11:19,600 --> 00:11:23,900 亜矢は角行上人のお手引きに おすがりしたい気持ちです 146 00:11:23,900 --> 00:11:28,100 あの 角行上人様とは 富士教を広められた? 147 00:11:28,100 --> 00:11:31,970 さよう この姫様は上人様のお孫 148 00:11:31,970 --> 00:11:34,840 榊原越中守様の ご息女でございます 149 00:11:34,840 --> 00:11:37,480 へっ あの姫様 150 00:11:37,480 --> 00:11:41,520 これは誠に 不思議なご縁でござりまするな 151 00:11:41,520 --> 00:11:43,720 わしら 富士根一族は 152 00:11:43,720 --> 00:11:47,560 富士教の信者でございましてのう 153 00:11:47,560 --> 00:11:49,930 そうですか 154 00:11:49,930 --> 00:11:53,960 姫様 気を落とされずに 155 00:11:53,960 --> 00:11:57,260 この又四郎が きっと面は取り戻してみせます 156 00:11:59,540 --> 00:12:03,910 いや 江戸より影山殿が 加勢に見えられただけで 157 00:12:03,910 --> 00:12:06,080 事が成就したも同様 158 00:12:06,080 --> 00:12:09,180 我々としても 心強いかぎりでござる 159 00:12:09,180 --> 00:12:11,680 さあ どしどしお勧めせんか 160 00:12:11,680 --> 00:12:13,850 どうぞ影山様 ずんとお空けなさいませ 161 00:12:13,850 --> 00:12:15,890 これは恐れ入る 道人様 162 00:12:15,890 --> 00:12:19,160 ん? 源太が表に来ておりますが 163 00:12:19,160 --> 00:12:21,220 ああ そうか 164 00:12:21,220 --> 00:12:23,930 おお 源太か へえ 165 00:12:23,930 --> 00:12:28,830 お尋ねのその娘とガキは あっしは産湯の時から知ってます 166 00:12:28,830 --> 00:12:31,770 それにその4人は あっしの村の富士根の里に 167 00:12:31,770 --> 00:12:34,670 そうか では日の落ちるのを 待って案内してくれ 168 00:12:34,670 --> 00:12:37,770 へえ だがご褒美のほうも 169 00:12:37,770 --> 00:12:42,240 ずんと弾んでいただかなくっちゃ 任せとけ 170 00:12:42,240 --> 00:12:45,740 里は祭りですからな ヘヘヘッ 171 00:14:01,660 --> 00:14:07,000 又四郎さん 踊りましょう 172 00:14:07,000 --> 00:14:09,670 又四郎 踊りなさい はっ 173 00:14:09,670 --> 00:14:11,770 さあ 174 00:16:37,050 --> 00:16:39,250 あっ 175 00:16:46,160 --> 00:16:49,160 大変だ 大変だ お姫様がさらわれたんだよ 176 00:17:05,810 --> 00:17:08,440 又四郎様 又四郎様 177 00:17:08,440 --> 00:17:10,940 又四郎様 矢文が 何? 178 00:17:13,450 --> 00:17:16,220 「亜矢姫は我らの手中にあり」 179 00:17:16,220 --> 00:17:19,590 「もし亜矢姫の命ほしくば なんじの所持せる右半面を」 180 00:17:19,590 --> 00:17:22,990 「我らに渡すべし さすれば亜矢姫を返さん」 181 00:17:22,990 --> 00:17:25,530 「場所は3合目 ナメの沢にて待つ」 182 00:17:25,530 --> 00:17:27,560 「天堂勘兵衛」 183 00:17:27,560 --> 00:17:31,470 申し訳ございません ゆうべ お慰めしようと 184 00:17:31,470 --> 00:17:34,170 富士根の里へ ご案内申し上げたばっかりに 185 00:17:34,170 --> 00:17:38,010 大変なことになりまして いや 拙者の気の緩みから 186 00:17:38,010 --> 00:17:40,380 このような事態を 引き起こしたのです 187 00:17:40,380 --> 00:17:43,750 半右衛門殿 又四郎は一人 出向きます 188 00:17:43,750 --> 00:17:45,750 出向いて姫を助けねば 又四郎殿 189 00:17:45,750 --> 00:17:48,950 わしらもお供いたしましょう それはお断りいたします 190 00:17:48,950 --> 00:17:51,250 万一 部落に難儀がかかれば 191 00:17:51,250 --> 00:17:54,890 今の又四郎には部落の皆さんに 何と申し開きができましょう 192 00:17:54,890 --> 00:17:58,660 しかし敵は どのような計略を 巡らしているか分かりません 193 00:17:58,660 --> 00:18:01,430 たとえ黄金が 敵の手に渡ったとしても 194 00:18:01,430 --> 00:18:04,330 無法者に天は その使用を許しません 195 00:18:12,040 --> 00:18:15,310 亜矢姫 そう怖い顔をするな 196 00:18:15,310 --> 00:18:18,950 この勘兵衛が地獄への仲人は 引き受けたぞ 197 00:18:18,950 --> 00:18:21,550 フハハハハ 198 00:18:36,730 --> 00:18:38,830 来たか 199 00:18:56,850 --> 00:18:58,850 来間又四郎 よく来たな 200 00:18:58,850 --> 00:19:01,250 面を持っておるか? いかにも 201 00:19:03,230 --> 00:19:07,330 いい度胸だ よし 亜矢姫を渡す 202 00:19:07,330 --> 00:19:10,330 又四郎 姫は… 姫はどうなってもいい 203 00:19:10,330 --> 00:19:13,100 面だけは渡してはなりません 姫 204 00:19:13,100 --> 00:19:16,400 又四郎 その岩の上に面を置け 205 00:19:24,780 --> 00:19:27,380 又四郎 面だけは うるせえ! 206 00:19:41,830 --> 00:19:43,830 卑怯者 謀りおったな 207 00:19:43,830 --> 00:19:46,030 おのれ 斬り捨てい 208 00:19:48,300 --> 00:19:52,140 又四郎 209 00:19:52,140 --> 00:19:55,440 来い! 又四郎!又四郎! 210 00:20:01,250 --> 00:20:04,050 姫と又四郎さんの間に 火を落として 211 00:20:04,050 --> 00:20:06,050 姫を助けるんだ それっ 212 00:20:40,160 --> 00:20:42,390 姫 又四郎 213 00:20:42,390 --> 00:20:44,990 又四郎!又四郎! 来るんだ 214 00:20:49,260 --> 00:20:52,500 姫! 又四郎 215 00:20:52,500 --> 00:20:54,800 姫を助けるんだ はっ 216 00:20:57,370 --> 00:20:59,570 ああ… 217 00:21:02,140 --> 00:21:04,340 来るか 218 00:21:10,650 --> 00:21:12,950 姫! 伴内 219 00:21:19,630 --> 00:21:23,230 何もそう驚くことはねえよ 220 00:21:23,230 --> 00:21:26,630 おい お姫様は渡したぜ 221 00:21:33,510 --> 00:21:35,710 伴内 222 00:21:37,980 --> 00:21:40,080 引け!引け! 223 00:21:46,590 --> 00:21:48,990 姫!姫! 224 00:21:51,030 --> 00:21:53,800 又四郎殿 又四郎! 225 00:21:53,800 --> 00:21:57,000 姫! 又四郎! 226 00:21:57,000 --> 00:22:00,740 又四郎殿 旦那 227 00:22:00,740 --> 00:22:07,310 榊原 久能山東照宮修復工事 着工の準備は整うたかの? 228 00:22:07,310 --> 00:22:12,150 工事費の2万両調達は なかなか至難なることゆえ 229 00:22:12,150 --> 00:22:14,620 苦慮いたしておりまするが 230 00:22:14,620 --> 00:22:16,620 期日までには必ず 231 00:22:16,620 --> 00:22:20,460 しかし工事着工の期日までに あと7日しかないではないか 232 00:22:20,460 --> 00:22:23,030 そのような悠長なことで 事が務まると思うか 233 00:22:23,030 --> 00:22:26,030 考えてみなされ 234 00:22:26,030 --> 00:22:29,230 余がそのほうのためを思えばこそ 便宜を図らった 235 00:22:29,230 --> 00:22:31,230 亜矢の一件は断る 236 00:22:31,230 --> 00:22:33,900 そのうえ いまだに工事着工の 見通しがないなどと 237 00:22:33,900 --> 00:22:36,400 上様に対してどのような 申し開きをするのじゃ 238 00:22:38,970 --> 00:22:41,110 どのような事態が起ころうとも 239 00:22:41,110 --> 00:22:44,650 工事は期日どおり 着工してもらおう 240 00:22:44,650 --> 00:22:48,380 田沼殿 いささかお話がござるが 241 00:22:48,380 --> 00:22:50,820 掘田殿 何の話じゃな 242 00:22:50,820 --> 00:22:54,720 久能山東照宮修築工事の件で ござるが 243 00:22:54,720 --> 00:22:58,530 この工事は過去いかなる 諸大名においてにも 244 00:22:58,530 --> 00:23:02,800 大変な出費で また困難な工事であった 245 00:23:02,800 --> 00:23:07,570 それを旗本の 榊原越中守に申しつけたは 246 00:23:07,570 --> 00:23:09,870 ちと荷が重すぎるように 思われるのですが 247 00:23:09,870 --> 00:23:14,010 何を言われる 既に受諾した 榊原に異存のあるはずがない 248 00:23:14,010 --> 00:23:17,210 今さら しかし8000石とは申せ 249 00:23:17,210 --> 00:23:21,420 旗本の榊原にとっては ほとんど不可能なこの工事を 250 00:23:21,420 --> 00:23:23,450 無理に押しつけることは 251 00:23:23,450 --> 00:23:26,620 榊原に詰腹を斬らせるに 等しきこと 252 00:23:26,620 --> 00:23:29,460 もしも そのような事態に 立ち至った時には 253 00:23:29,460 --> 00:23:32,560 世の不評を被ることは必定である 254 00:23:32,560 --> 00:23:34,800 ここは通例どおり 255 00:23:34,800 --> 00:23:37,000 大身の大名に任されては? 256 00:23:37,000 --> 00:23:40,940 上様のご内意によって老中筆頭の わしがやったことに誤りはない 257 00:23:40,940 --> 00:23:43,640 そのようなこと 二度と耳を貸しとうはない 258 00:23:47,340 --> 00:23:49,510 5合目の御獄社だ そうですか 259 00:23:49,510 --> 00:23:51,550 そいじゃ あっしゃ ちょっと 行って様子を探ってきます 260 00:23:51,550 --> 00:23:53,550 なに お雪さんの案内だ 今夜のうちにでも 261 00:23:53,550 --> 00:23:55,920 帰ってこられますぜ ねえ お雪さん 262 00:23:55,920 --> 00:23:58,220 じゃ いってまいります 頼むぞ 263 00:24:20,810 --> 00:24:23,580 分からぬ 264 00:24:23,580 --> 00:24:26,950 これだけでは どうしても謎が解けない 265 00:24:26,950 --> 00:24:29,620 又四郎 又四郎はおりませぬか 266 00:24:29,620 --> 00:24:31,820 はい ただいま 267 00:25:14,230 --> 00:25:17,700 源太 あっ 268 00:25:17,700 --> 00:25:21,600 お前はまた なんてことをする このバカ野郎 269 00:25:26,480 --> 00:25:29,540 こんな 人様の物を黙って取りやがって 270 00:25:29,540 --> 00:25:32,710 このっ このバカ野郎 271 00:25:32,710 --> 00:25:34,710 盗っ人野郎! 272 00:25:40,590 --> 00:25:44,360 源太 盗っ人は里には置けねえ 273 00:25:44,360 --> 00:25:46,700 お客様の大事な物に 手をかけるなんて 274 00:25:46,700 --> 00:25:48,800 死んだとっつあま 泣いてるぞ 275 00:25:48,800 --> 00:25:52,030 源太 聞いたか?皆の衆は 276 00:25:52,030 --> 00:25:54,470 里の恥さらしだと怒ってるんだ 277 00:25:54,470 --> 00:25:57,210 違うわい! 何が違うずら 278 00:25:57,210 --> 00:26:00,210 俺はな 里のためを思って やったんだい 279 00:26:02,710 --> 00:26:06,310 あの面があると 里にはロクなことがねえや 280 00:26:09,420 --> 00:26:13,260 行者たちは今夜 仕返しに 焼き打ちすると言ってんだい 281 00:26:13,260 --> 00:26:15,820 焼き打ち? 282 00:26:15,820 --> 00:26:18,960 あの面さえなけりゃ 富士根の里は無事だ 283 00:26:18,960 --> 00:26:21,100 だから俺が 持ち出してやろうとしたんだ 284 00:26:21,100 --> 00:26:23,900 そうだったんか おっかねえことになったで 285 00:26:23,900 --> 00:26:27,670 源太 その話 誰に聞いた? 286 00:26:27,670 --> 00:26:31,140 仲間の山案内人から聞いたんだい 287 00:26:31,140 --> 00:26:36,650 そうけ あの行者なら本当に 焼き打ちすっかもしんねえな 288 00:26:36,650 --> 00:26:39,280 行者ども きっと仕返しに来るぞ 289 00:26:39,280 --> 00:26:41,380 ええ? 弥平 290 00:26:41,380 --> 00:26:44,420 お前が姫様を 背負い込んできたばっかりに 291 00:26:44,420 --> 00:26:46,720 どえらい騒動が持ち上がった 292 00:26:49,360 --> 00:26:53,600 大体よ 今日の一騎打ちの 騒動だって あいつらのせいだ 293 00:26:53,600 --> 00:26:56,200 ケガ人は出る そのうえ里は焼かれる 294 00:26:59,230 --> 00:27:03,510 おめえらは よっぽどおめでてえな 295 00:27:03,510 --> 00:27:06,510 よそもんのために うちを焼かれたっていいのかい 296 00:27:25,660 --> 00:27:29,260 又四郎 姫はこれ以上 297 00:27:29,260 --> 00:27:32,070 半右衛門様に ご迷惑はかけられません 298 00:27:32,070 --> 00:27:34,470 しかし才蔵とお雪さんが 299 00:27:34,470 --> 00:27:36,500 御嶽社から戻るまでは 300 00:27:36,500 --> 00:27:38,810 でも私たちがいれば 301 00:27:38,810 --> 00:27:41,340 この里は焼き打ちに遭うのです 302 00:27:41,340 --> 00:27:45,350 又四郎 一刻も早く この里を離れましょう 303 00:27:45,350 --> 00:27:47,750 はっ 又四郎殿 304 00:27:52,990 --> 00:27:55,790 さあ 行きましょう はっ 305 00:27:58,160 --> 00:28:01,530 半右衛門様 あん人たちに 306 00:28:01,530 --> 00:28:03,530 里さ 出てってもらって くだせえまし 307 00:28:03,530 --> 00:28:06,530 あん人たちに里さ 出ていってもらえばいいんだ 308 00:28:17,010 --> 00:28:22,150 いや みんなの言うことも 分からねえじゃねえが 309 00:28:22,150 --> 00:28:25,050 わしらの大事な客人じゃからのう 310 00:28:25,050 --> 00:28:27,520 なら 半右衛門様 311 00:28:27,520 --> 00:28:29,790 そんなら俺たちはどうなるんで 312 00:28:29,790 --> 00:28:32,490 里の者より よそ者が大切と言うかな 313 00:28:32,490 --> 00:28:34,790 そうだ そうだ 314 00:28:39,470 --> 00:28:44,810 皆の衆 とにかく又四郎様に お話しするから 315 00:28:44,810 --> 00:28:47,010 そう騒がずにな 316 00:29:04,330 --> 00:29:06,530 又四郎様 317 00:29:14,000 --> 00:29:16,170 源太 貴様 318 00:29:16,170 --> 00:29:18,270 この野郎 319 00:29:21,780 --> 00:29:23,980 このおいぼれが 320 00:29:48,340 --> 00:29:52,240 なに 源太の奴が 面の片割れ持ってくりゃ 321 00:29:52,240 --> 00:29:54,640 何とか謎は解けるじゃろ 322 00:30:00,980 --> 00:30:02,980 お雪さん 323 00:30:26,440 --> 00:30:29,140 あっ 火だ 324 00:30:41,260 --> 00:30:43,390 おい 面を取られた 325 00:30:43,390 --> 00:30:45,490 面を取られた 追え追え 326 00:31:04,180 --> 00:31:06,280 さあ 早く 327 00:31:20,800 --> 00:31:22,900 お雪さん 頼んだぞ 328 00:31:38,850 --> 00:31:40,980 おう この小屋に 逃げ込んだに違いない 329 00:31:40,980 --> 00:31:42,980 捜せ はっ 330 00:31:59,870 --> 00:32:02,470 お雪さん これを又四郎の旦那に 331 00:32:06,470 --> 00:32:08,670 確かに 332 00:32:17,250 --> 00:32:21,060 おい 早くぶち壊せ 333 00:32:21,060 --> 00:32:23,360 よいしょ 334 00:32:26,130 --> 00:32:28,130 さあ 早く 335 00:32:33,600 --> 00:32:37,410 お雪さん おいらが怒鳴ったらな 飛び出て突っ走るんだ いいか 336 00:32:37,410 --> 00:32:40,410 分かったよ その面の絵図は頼んだぞ 337 00:32:40,410 --> 00:32:42,440 又四郎の旦那によろしくな 338 00:32:42,440 --> 00:32:44,640 あばよ 才蔵さん 339 00:32:51,290 --> 00:32:54,460 面はここだ 俺が持ってるぞ 340 00:32:54,460 --> 00:32:56,860 追え 逃がすな 341 00:33:43,000 --> 00:33:46,510 おのれ 面の絵図を削りとったか 342 00:33:46,510 --> 00:33:48,710 ちくしょう 343 00:34:04,690 --> 00:34:07,530 あっ 才蔵 344 00:34:07,530 --> 00:34:09,560 才蔵! 345 00:34:09,560 --> 00:34:12,160 才蔵 才蔵 346 00:34:18,570 --> 00:34:21,440 面の絵図が削られてる 347 00:34:21,440 --> 00:34:23,740 姫 348 00:34:36,790 --> 00:34:38,990 何事です? 349 00:34:43,100 --> 00:34:46,970 又四郎さんは? 350 00:34:46,970 --> 00:34:49,970 みんな どうしたの? どうしたの? 351 00:34:49,970 --> 00:34:52,670 どうしたの?どうしたのよ 352 00:34:52,670 --> 00:34:55,580 お姉ちゃん! 三吉 どうしたの 353 00:34:55,580 --> 00:34:59,050 おとっつあんが殺されたんだよ え? 354 00:34:59,050 --> 00:35:02,880 おとっつあんが? 355 00:35:02,880 --> 00:35:06,150 旦那様は あの又四郎たちに 殺されなすっただ 356 00:35:06,150 --> 00:35:08,190 嘘 嘘でしょ 357 00:35:08,190 --> 00:35:10,430 ほんとだとも 里さ 出ろと言ったら 358 00:35:10,430 --> 00:35:13,230 殺して逃げたんだべ ひでえことするでねえだか 359 00:35:13,230 --> 00:35:16,160 何が姫様だ 恩を仇で返したのだで 360 00:35:16,160 --> 00:35:21,670 あの3人は殺して山へ逃げたんだ お雪さん これから山狩りだ 361 00:35:21,670 --> 00:35:23,840 お姉ちゃん 俺 山行くんだ 362 00:35:23,840 --> 00:35:25,870 奴ら 引っ捕らえて 八つ裂きにすべえ 363 00:35:25,870 --> 00:35:29,180 そうだ そうだ 364 00:35:29,180 --> 00:35:31,380 みんな 黙って 365 00:35:34,250 --> 00:35:36,380 お雪さん どこさ行くだ 366 00:35:36,380 --> 00:35:38,380 山だ 367 00:35:55,270 --> 00:35:57,370 又四郎 368 00:36:01,780 --> 00:36:05,580 あくまでも初志を貫くという そなたの気持ちは 369 00:36:05,580 --> 00:36:07,920 うれしく思います 370 00:36:07,920 --> 00:36:12,650 でも事ここに至って どんな手段が残されていましょう 371 00:36:12,650 --> 00:36:16,760 財宝をたぐり寄せる糸の ぷっつりと切れてしまった今 372 00:36:16,760 --> 00:36:20,260 もう残る日にちは わずか5日しかありません 373 00:36:20,260 --> 00:36:24,730 その短い期間に手がかりもなしで どうして? 374 00:36:24,730 --> 00:36:28,400 姫 たとえ残された日が 5日であっても 375 00:36:28,400 --> 00:36:32,010 最後の一時までも 希望を持たれることです 376 00:36:32,010 --> 00:36:36,140 でも… 財宝を手に入れるか入れないかは 377 00:36:36,140 --> 00:36:39,750 榊原家8000石の運命を左右する 分かれ目でございます 378 00:36:39,750 --> 00:36:42,620 そのようなことは 言われるまでもありません 379 00:36:42,620 --> 00:36:46,450 しかし手を空しく帰ったとしたら 380 00:36:46,450 --> 00:36:50,590 殿は責任上 お腹を召すに決まっております 381 00:36:50,590 --> 00:36:55,000 姫は殿をむざむざ 死に追いやるつもりなのですか 382 00:36:55,000 --> 00:36:59,730 血を分けた子として そのようなことができますか 383 00:36:59,730 --> 00:37:04,970 亜矢は覚悟を決めました 384 00:37:04,970 --> 00:37:08,540 覚悟? 又四郎 385 00:37:08,540 --> 00:37:10,850 亜矢は江戸へ帰ります 386 00:37:10,850 --> 00:37:14,320 何事も無事に収めるため亜矢は 387 00:37:14,320 --> 00:37:17,790 田沼の申し出を受け 大奥へ上がります 388 00:37:17,790 --> 00:37:21,790 姫 もういいのです 389 00:37:21,790 --> 00:37:24,290 又四郎 390 00:37:27,800 --> 00:37:33,630 屋敷にいたらお姫様で 一生体験できないことを 391 00:37:33,630 --> 00:37:38,770 又四郎と共に苦しみ 悲しんだことは 392 00:37:38,770 --> 00:37:43,570 亜矢にとって本当に 楽しい思い出となりましょう 393 00:37:46,280 --> 00:37:49,850 姫 394 00:37:49,850 --> 00:37:54,060 又四郎をそのようにまでも 395 00:37:54,060 --> 00:37:58,030 姫 このうえは残る日の間 396 00:37:58,030 --> 00:38:00,800 魂魄尽き果てるまで 捜し求めます 397 00:38:00,800 --> 00:38:02,900 又四郎 398 00:38:05,230 --> 00:38:11,210 今宵かぎりで別れ別れに 暮らさねばと思うと 399 00:38:11,210 --> 00:38:14,310 亜矢は… 亜矢は! 400 00:38:16,340 --> 00:38:18,340 姫 401 00:38:21,750 --> 00:38:23,850 又四郎 402 00:38:51,150 --> 00:38:53,450 又四郎… 403 00:39:01,790 --> 00:39:04,090 姫 404 00:39:22,880 --> 00:39:25,180 あ… 又四郎がいるぞ 405 00:39:36,560 --> 00:39:38,760 お雪さん どうしたんだ 406 00:39:38,760 --> 00:39:41,930 恩を仇で返す人でなし え? 407 00:39:41,930 --> 00:39:45,930 おとっつあんを… おとっつあんを 殺したのはお前だろ 408 00:39:45,930 --> 00:39:48,670 半右衛門さんを?違う違う 409 00:39:48,670 --> 00:39:50,970 お雪さん 拙者は何も知らん 410 00:39:50,970 --> 00:39:53,370 何を言うのだ 人でなし 411 00:39:56,710 --> 00:40:00,010 拙者 誓って 身に覚えのないことだ 412 00:40:00,010 --> 00:40:02,350 やいやい シラを切るのはよせ 413 00:40:02,350 --> 00:40:04,420 俺は確かに この目で見届けたんだ 414 00:40:04,420 --> 00:40:06,520 何? 415 00:40:08,520 --> 00:40:10,620 あー! 416 00:40:24,710 --> 00:40:28,280 お雪さん おい みんな 417 00:40:28,280 --> 00:40:31,710 構わねえから殺しちまえ この! 418 00:40:31,710 --> 00:40:33,710 この野郎 ええい この野郎 419 00:40:33,710 --> 00:40:37,450 榊原殿 準備期間として 許された日限も 420 00:40:37,450 --> 00:40:39,590 余すところ あと3日 421 00:40:39,590 --> 00:40:43,420 いまだに工事費用の調達に 苦慮しているとか 422 00:40:43,420 --> 00:40:46,230 それは事実でござるか はあ 実は… 423 00:40:46,230 --> 00:40:49,230 またあきれかえった悠長ぶり 424 00:40:49,230 --> 00:40:51,970 万一 あと3日のうちに 425 00:40:51,970 --> 00:40:55,070 調達のめどのつかぬ時は 何とめさる 426 00:40:55,070 --> 00:40:58,110 その時は… 榊原家お取り潰しは 427 00:40:58,110 --> 00:41:00,110 もとよりのこと 428 00:41:00,110 --> 00:41:04,210 越中守殿も そのままには済みませんぞ 429 00:41:04,210 --> 00:41:08,120 その時の覚悟はできております 430 00:41:08,120 --> 00:41:10,450 なるほど しかし 431 00:41:10,450 --> 00:41:15,220 主人 玄蕃守も 榊原殿を推挙した責任上 432 00:41:15,220 --> 00:41:19,460 今日まで上様の手前を 取り繕ってまいったが 433 00:41:19,460 --> 00:41:22,400 いまだに見通しが 立たぬとあっては 434 00:41:22,400 --> 00:41:24,400 そのままには捨ておけません 435 00:41:24,400 --> 00:41:27,600 瀬越殿 田沼殿のお立場としては 436 00:41:27,600 --> 00:41:29,670 無理からぬことでございますが 437 00:41:29,670 --> 00:41:34,010 あと3日 日限の当日までには必ず 438 00:41:34,010 --> 00:41:37,650 事ここに至っては そのような 悠長なことは申しておられません 439 00:41:37,650 --> 00:41:39,650 瀬越殿 問答は無用でござろう 440 00:41:39,650 --> 00:41:42,880 申し上げます ただ今 亜矢姫様 お帰りにございます 441 00:41:42,880 --> 00:41:45,180 何?亜矢が 442 00:41:49,320 --> 00:41:51,330 お父上 おお 亜矢 443 00:41:51,330 --> 00:41:54,760 ただ今 立ち帰りました ご苦労であった 444 00:41:54,760 --> 00:41:57,160 して結果は? 445 00:42:01,170 --> 00:42:04,370 得るところがなかったと申すのか 446 00:42:11,010 --> 00:42:14,380 申し訳ございません 447 00:42:14,380 --> 00:42:17,450 さようか 448 00:42:17,450 --> 00:42:20,620 元々 頼りにならないものを 449 00:42:20,620 --> 00:42:25,230 当てにいたしたのが わしの誤りじゃ 450 00:42:25,230 --> 00:42:29,800 瀬越殿 お聞きのとおりじゃ 451 00:42:29,800 --> 00:42:35,670 もはや費用調達の道は 断ち切られました 452 00:42:35,670 --> 00:42:40,670 忠常 潔く死して お詫びつかまつると 453 00:42:40,670 --> 00:42:43,610 田沼殿へ お父上 454 00:42:43,610 --> 00:42:46,450 そのようなことはなりません 455 00:42:46,450 --> 00:42:52,750 瀬越様 亜矢は 上様のおそばへ参ります 456 00:42:52,750 --> 00:42:56,950 さようか 亜矢 何を申す 457 00:43:00,590 --> 00:43:03,560 それで全てを無事に お収めくださると 458 00:43:03,560 --> 00:43:06,030 お約束いただけますのなら 459 00:43:06,030 --> 00:43:08,640 亜矢は喜んで参ります 460 00:43:08,640 --> 00:43:11,310 もちろん亜矢殿さえ その気なれば 461 00:43:11,310 --> 00:43:13,370 全ては丸く収まります 462 00:43:13,370 --> 00:43:15,540 では早速 このことを殿へ 463 00:43:15,540 --> 00:43:18,610 お待ちください 瀬越殿 464 00:43:18,610 --> 00:43:23,720 亜矢 なんということを申すのじゃ 465 00:43:23,720 --> 00:43:29,090 そちを犠牲にしてよいくらいなら 父はこんなに苦しみはせんぞ 466 00:43:29,090 --> 00:43:32,590 いいえ 事の起こりは この亜矢からでございます 467 00:43:32,590 --> 00:43:37,430 私こそ お父上を 犠牲にはできません 468 00:43:37,430 --> 00:43:39,600 亜矢 469 00:43:39,600 --> 00:43:42,970 何?源太が面を持参いたしたと? へえ 470 00:43:42,970 --> 00:43:45,610 確かに面を持ってまいりました そうか ご苦労 471 00:43:45,610 --> 00:43:48,110 どうぞ お改めくだせえ 472 00:43:59,290 --> 00:44:03,520 どうなさいました? これだけではどうにも分からん 473 00:44:03,520 --> 00:44:07,490 え? ご安心ください 474 00:44:07,490 --> 00:44:10,660 あっ 貴様! 待て 475 00:44:10,660 --> 00:44:13,460 お尋ねの物はここにございます 476 00:44:22,910 --> 00:44:25,150 この角の字の印こそ 477 00:44:25,150 --> 00:44:28,780 角行上人が 黄金を埋蔵した場所に相違ない 478 00:44:28,780 --> 00:44:31,080 源太 この場所はどこだ 479 00:44:38,890 --> 00:44:42,830 これなら雷岩の裏側の 大岩壁の洞窟ですぜ 480 00:44:42,830 --> 00:44:45,200 よーし そうか 481 00:44:45,200 --> 00:44:49,400 明朝 宝の発掘に向かおう 源太 案内を頼むぞ 482 00:45:03,080 --> 00:45:07,980 勘兵衛様 あっしのご褒美も たんまりお願いいたしやすぜ 483 00:45:10,290 --> 00:45:12,460 源太の褒美はな これだ! 484 00:45:12,460 --> 00:45:15,160 あっ ああーっ 485 00:45:17,770 --> 00:45:21,700 ちくしょう だましやがったな 486 00:45:21,700 --> 00:45:24,310 貴様にやる褒美などは この世にないわ 487 00:45:24,310 --> 00:45:26,410 地獄へ行って たんまりもらえ 488 00:45:37,520 --> 00:45:40,720 源太 しっかりしておくれ お雪さん 489 00:45:40,720 --> 00:45:43,160 源太 源太 490 00:45:43,160 --> 00:45:46,490 おら 悪い男だ 491 00:45:46,490 --> 00:45:50,760 こんなことになったのも 罪の報いだ 492 00:45:50,760 --> 00:45:54,700 おら 奴らに踊らされて 493 00:45:54,700 --> 00:45:58,540 半右衛門さんを殺したのは この俺だ 494 00:45:58,540 --> 00:46:01,140 え?おとっつあんを 495 00:46:03,440 --> 00:46:06,440 お雪さん 勘弁してくんな 496 00:46:26,700 --> 00:46:29,200 この岩壁のどこかに 宝が隠してあるのだ 497 00:46:29,200 --> 00:46:31,200 皆 手分けして捜せ 498 00:46:41,080 --> 00:46:44,250 又四郎様 499 00:46:44,250 --> 00:46:47,090 又四郎様 お許しくださいませ 500 00:46:47,090 --> 00:46:50,560 お雪は軽はずみでございました 501 00:46:50,560 --> 00:46:53,630 あなた様を 父殺しの下手人だなどと 502 00:46:53,630 --> 00:46:58,630 あらぬことを信じたお雪を どうか どうか 503 00:46:58,630 --> 00:47:01,430 お雪さん 分かってくれましたか 504 00:47:15,420 --> 00:47:18,190 又四郎様 大変でございます 505 00:47:18,190 --> 00:47:21,790 勘兵衛一味は宝の在りかを知り 洞窟へ向かいました 506 00:47:28,830 --> 00:47:31,030 探せ! はっ 507 00:47:40,010 --> 00:47:42,440 おーい 洞窟があったぞ 508 00:47:42,440 --> 00:47:44,640 あったか 509 00:47:51,720 --> 00:47:54,290 財宝の隠し場所は まさしくここだ 510 00:47:54,290 --> 00:47:56,360 我々は表の見張りに立つ 511 00:47:56,360 --> 00:47:58,660 勘兵衛殿 宝を 512 00:48:19,380 --> 00:48:21,580 探せ はっ 513 00:48:32,260 --> 00:48:34,600 よくぞ来た 来間又四郎 514 00:48:34,600 --> 00:48:36,730 なんじらごとき奸賊に用はない 515 00:48:36,730 --> 00:48:38,830 そこをどけ ええい 斬れ 516 00:48:47,110 --> 00:48:49,410 おい 急いで探せ 517 00:48:49,410 --> 00:48:51,450 何をしとるか 518 00:48:51,450 --> 00:48:53,650 おい ぐずぐずせんと探せ 519 00:49:01,090 --> 00:49:03,390 どけ どけ どけ! 520 00:49:03,390 --> 00:49:07,790 あ… 貴公は 又四郎殿 ご助勢いたす 521 00:49:07,790 --> 00:49:09,890 貴様は 522 00:49:11,970 --> 00:49:16,870 いかにも人斬り浪人 炎嶽十郎 523 00:49:16,870 --> 00:49:19,770 正しき者のために人を斬る病は 524 00:49:19,770 --> 00:49:22,070 先刻承知のはず 525 00:49:25,710 --> 00:49:28,010 又四郎殿 早く はっ 526 00:49:36,260 --> 00:49:39,560 勘兵衛 断じて宝は渡さんぞ 527 00:49:39,560 --> 00:49:41,630 何?来間又四郎 528 00:49:41,630 --> 00:49:43,830 命を捨てに来たのか 529 00:50:33,910 --> 00:50:36,110 おおっ 530 00:50:40,190 --> 00:50:42,490 黄金があったぞ 531 00:51:03,640 --> 00:51:05,840 来い 532 00:51:15,860 --> 00:51:18,260 又四郎殿 533 00:51:50,790 --> 00:51:54,530 お父上 お別れに参りました 534 00:51:54,530 --> 00:51:58,030 もう行くか 535 00:51:58,030 --> 00:52:04,300 はい お父上には くれぐれも ご短慮なことをなさらずに 536 00:52:04,300 --> 00:52:07,640 亜矢は心からお願いいたします 537 00:52:07,640 --> 00:52:09,840 亜矢 538 00:52:16,480 --> 00:52:19,780 お支度がよろしければ お供いたしましょう 539 00:53:06,230 --> 00:53:09,500 榊原亜矢にございます 540 00:53:09,500 --> 00:53:14,140 おお 亜矢殿 近う 近う 541 00:53:14,140 --> 00:53:18,840 忠常殿には よい娘御を持たれて 果報者じゃのう 542 00:53:23,720 --> 00:53:26,690 これにて榊原家は安泰 543 00:53:26,690 --> 00:53:30,120 亜矢殿も幸せになれると申すもの 544 00:53:30,120 --> 00:53:32,320 めでたいのう 545 00:53:35,200 --> 00:53:38,500 来間又四郎だ 開門 開門! 546 00:53:43,200 --> 00:53:47,240 殿 ただ今 立ち帰りました おお… 又四郎 547 00:53:47,240 --> 00:53:50,810 殿 黄金80貫 確かに手にいたしました 548 00:53:50,810 --> 00:53:52,910 何? 549 00:53:56,550 --> 00:54:00,490 ひと足 遅かった 550 00:54:00,490 --> 00:54:05,990 亜矢は… 亜矢は 田沼殿のお屋敷に参ったぞ 551 00:54:05,990 --> 00:54:08,290 田沼の屋敷へ? 552 00:54:15,670 --> 00:54:17,770 又四郎 553 00:54:21,270 --> 00:54:24,610 榊原の愚か者めが 554 00:54:24,610 --> 00:54:30,750 亜矢と東照宮修復工事とは 何の関わりもないわ 555 00:54:30,750 --> 00:54:33,520 御意にござります 榊原が工事を 556 00:54:33,520 --> 00:54:35,690 期日までに着工せねば 557 00:54:35,690 --> 00:54:39,890 上意をもって榊原家は断絶 558 00:54:39,890 --> 00:54:43,590 忠常には切腹を申し付けるだけだ 559 00:54:47,370 --> 00:54:49,770 狼藉者 控えい 控えい 560 00:54:52,440 --> 00:54:54,840 榊原家家臣 来間又四郎 561 00:54:54,840 --> 00:54:58,740 田沼意正殿にお目通り お目通りを願いたい! 562 00:55:04,050 --> 00:55:08,020 田沼殿に見参 見参! 563 00:55:08,020 --> 00:55:10,320 ええい! 564 00:55:27,740 --> 00:55:31,040 手向かいは無用 田沼殿にお目通りを願いたい 565 00:55:40,290 --> 00:55:42,490 無礼者 控えい 566 00:55:46,030 --> 00:55:49,430 榊原家家臣 来間又四郎 参上 567 00:55:49,430 --> 00:55:51,460 久能山東照宮ご造営の儀 568 00:55:51,460 --> 00:55:54,300 しかと申し受くるとの 殿のご意向にございます 569 00:55:54,300 --> 00:55:56,340 黙れ 乱心者 570 00:55:56,340 --> 00:55:58,540 構わぬ 斬り捨てい 571 00:56:02,980 --> 00:56:05,110 又四郎! 572 00:56:05,110 --> 00:56:07,310 姫 573 00:56:11,750 --> 00:56:13,790 姫!姫! 574 00:56:13,790 --> 00:56:15,890 又四郎 575 00:56:18,090 --> 00:56:20,560 姫 又四郎 576 00:56:20,560 --> 00:56:23,930 それっ 又四郎! 577 00:56:23,930 --> 00:56:26,030 又四郎! 578 00:56:31,500 --> 00:56:35,280 おっ あっ 579 00:56:35,280 --> 00:56:37,480 何者だ うるせえ! 580 00:56:41,820 --> 00:56:43,920 欲にくるい 上を毒し 581 00:56:43,920 --> 00:56:48,050 下をしいたげて 恥じざる奴に 582 00:56:48,050 --> 00:56:50,350 名乗る名は持ち合わせねえんだ 583 00:57:10,410 --> 00:57:12,410 又四郎 584 00:57:15,980 --> 00:57:18,480 姫 財宝は手に入りましたぞ 585 00:57:23,560 --> 00:57:25,560 斬れ 斬れ 斬れ! 586 00:57:27,790 --> 00:57:29,990 静まれ 587 00:57:37,870 --> 00:57:41,840 田沼玄蕃守意正 上意なるぞ 588 00:57:41,840 --> 00:57:43,880 この田沼に何の上意じゃ 589 00:57:43,880 --> 00:57:46,410 場合によっては ただでは済ませぬぞ 590 00:57:46,410 --> 00:57:48,510 控えませい 591 00:57:57,990 --> 00:58:00,230 「申し渡しのこと」 592 00:58:00,230 --> 00:58:03,200 「田沼玄蕃守意正」 593 00:58:03,200 --> 00:58:05,670 「そのほう儀 私欲にくるい」 594 00:58:05,670 --> 00:58:07,970 「青卍教と共謀いたし」 595 00:58:07,970 --> 00:58:11,500 「榊原越中守の妻 お遊を殺害」 596 00:58:11,500 --> 00:58:14,110 「あまつさえ将軍家の名をかたり」 597 00:58:14,110 --> 00:58:17,410 「榊原の娘 亜矢に 危害を及ぼさんとせし」 598 00:58:17,410 --> 00:58:20,150 「罪状の数々 既に明白」 599 00:58:20,150 --> 00:58:24,350 「よって沙汰あるまで閉門蟄居を 申しつくるものなり」 600 00:58:38,930 --> 00:58:42,140 公儀御目付 炎嶽十郎 601 00:58:42,140 --> 00:58:47,640 そのほう このたびの働き 見事であったぞ 602 00:58:47,640 --> 00:58:49,840 はっ 603 00:58:54,410 --> 00:58:58,320 来間又四郎 そのほうの忠勤 604 00:58:58,320 --> 00:59:00,690 並びに亜矢の孝心 605 00:59:00,690 --> 00:59:03,790 上様には ことのほかの お褒めであったぞ 606 00:59:28,010 --> 00:59:31,050 亜矢姫様 607 00:59:31,050 --> 00:59:36,020 どうぞ いついつまでもお幸せに 608 00:59:36,020 --> 00:59:40,130 そして又四郎様も 609 00:59:40,130 --> 00:59:44,300 お姉ちゃん おいら 又四郎おじちゃん 大好きなんだ 610 00:59:44,300 --> 00:59:46,700 お姉ちゃんだって そうだろ 611 01:00:02,650 --> 01:00:08,120 又四郎 久能山東照宮修築工事 完成の暁には 612 01:00:08,120 --> 01:00:12,060 富士根の里を訪れ 半右衛門様の お墓に詣でてください 613 01:00:12,060 --> 01:00:15,560 承知いたしました 又四郎 614 01:00:15,560 --> 01:00:19,130 道中 気をつけて はっ 615 01:00:19,130 --> 01:00:21,430 では姫様 616 01:00:24,140 --> 01:00:28,510 亜矢 伴内 留守中 よろしく頼むぞ 617 01:00:28,510 --> 01:00:32,750 お父上 どうかお体に お気をつけあそばされますように 618 01:00:32,750 --> 01:00:34,850 うん 619 01:00:46,260 --> 01:00:49,030 あっ 炎殿 620 01:00:49,030 --> 01:00:52,670 又四郎殿 無事 ご大任を済ますよう 621 01:00:52,670 --> 01:00:55,200 祈ってますぞ 炎殿 622 01:00:55,200 --> 01:00:59,100 このたびのご厚志 又四郎 心から御礼申し上げます 623 01:01:02,810 --> 01:01:05,310 お発ち