1 00:00:11,011 --> 00:00:12,930 (西岡) 先生! ささっ どうぞ。 2 00:00:13,013 --> 00:00:15,933 (松本) ああ ありがとう。 3 00:00:16,016 --> 00:00:17,935 (西岡) え~ では お酒も揃ったところで→ 4 00:00:18,018 --> 00:00:20,938 乾杯といきましょうか。 (荒木) 待て 待て。 5 00:00:21,021 --> 00:00:22,940 (荒木) みんなの紹介が先だろう。 6 00:00:23,023 --> 00:00:24,942 (西岡) あっ そうですね。 アハハハハ。 7 00:00:25,025 --> 00:00:28,946 (荒木) あらためて 辞書編集部 主任の荒木だ。 8 00:00:29,029 --> 00:00:33,951 定年で現場を離れるが なるべく 顔を出すようにする。 9 00:00:34,034 --> 00:00:37,955 (西岡) さみしくなるなあ。 >> 西岡は… まあ こんなやつだ。 10 00:00:38,038 --> 00:00:39,957 (西岡) え~!? それだけっすか? 11 00:00:40,040 --> 00:00:42,960 (荒木) で そちらが 佐々木さん。 契約社員で→ 12 00:00:43,043 --> 00:00:45,963 主に 資料の整理と分類を お願いしてる。 13 00:00:46,046 --> 00:00:49,967 (佐々木) 佐々木です。 (馬締) あっ… 馬締です。 14 00:00:50,050 --> 00:00:51,969 (荒木) そして こちらが 松本先生。→ 15 00:00:52,052 --> 00:00:53,971 うちが出している辞書の ほとんどは→ 16 00:00:54,054 --> 00:00:56,974 先生に監修していただいている。 17 00:00:57,057 --> 00:00:59,977 (松本) 松本です。 よろしくお願いします。 18 00:01:00,060 --> 00:01:02,897 (馬締) 馬締です。 よろしくお願いします。 19 00:01:02,980 --> 00:01:04,899 (西岡) 馬締~ 硬いって。 20 00:01:04,982 --> 00:01:07,902 お前の歓迎会なんだから 緊張すんなって。 21 00:01:07,985 --> 00:01:12,907 (馬締) あっ はい。 すみません…。 22 00:01:12,990 --> 00:01:14,992 あっ。 23 00:01:16,994 --> 00:01:18,913 (荒木) んっ? どうかしたか? 24 00:01:18,996 --> 00:01:21,916 (馬締) あっ いえ。 あの…。 25 00:01:21,999 --> 00:01:24,919 (松本) ああ これね。 用例採集カード。→ 26 00:01:25,002 --> 00:01:28,923 知らない言葉や新しい言葉の 使い方に出合ったら→ 27 00:01:29,006 --> 00:01:30,925 これに メモするんです。 28 00:01:31,008 --> 00:01:35,930 長年の習慣で 手放せなくてね。 29 00:01:36,013 --> 00:01:38,015 (馬締) はぁ…。 30 00:01:38,015 --> 00:01:48,025 ♪~ 31 00:03:09,857 --> 00:03:13,777 (西岡) しかし 辞書編集部に異動だなんて がっかりしただろ。 32 00:03:13,861 --> 00:03:17,781 地味なイメージだもんな。 まっ 実際 地味なんだけど。 33 00:03:17,865 --> 00:03:20,784 (馬締) いえ 辞書は 好きなので。 34 00:03:20,868 --> 00:03:22,786 (佐々木) ちょっと 馬締さん。 35 00:03:22,870 --> 00:03:24,788 (馬締) あっ ああ! 36 00:03:24,872 --> 00:03:27,791 (西岡) 何やってんだよ! >> 西岡君が話し掛けるからでしょ。 37 00:03:27,875 --> 00:03:29,793 (西岡) えっ 俺のせいっすか? 38 00:03:29,877 --> 00:03:33,797 (馬締) すみません…。 (佐々木) そっちは ぬれなかった? 39 00:03:33,881 --> 00:03:35,799 (馬締) はい。 40 00:03:35,883 --> 00:03:37,801 すみません。 41 00:03:37,885 --> 00:03:41,805 (西岡) こいつ こんなんで 仕事 できるのかな。 42 00:03:45,809 --> 00:03:49,730 (荒木) 馬締君は 大学では 言語学専攻だったそうだが→ 43 00:03:49,813 --> 00:03:51,732 もともと 言葉に興味があったのか? 44 00:03:51,815 --> 00:03:53,734 (馬締) はい。 でも 知識ばかりで。 45 00:03:53,817 --> 00:03:57,738 俺は 子供のころ 犬って言葉に興味を持ってな。 46 00:03:57,821 --> 00:04:00,741 (西岡) 犬って 動物のですか? >> ああ。→ 47 00:04:00,824 --> 00:04:05,746 犬は 古来 人間の忠実な相棒 賢く愛らしい友だ。→ 48 00:04:05,829 --> 00:04:09,750 ところが 憲兵の犬 犬死にとなるとどうだ? 49 00:04:09,833 --> 00:04:13,837 (西岡) えっ? どうだって言われても…。 50 00:04:15,839 --> 00:04:18,759 ヘヘヘ。 (荒木) お前は まったく…。→ 51 00:04:18,842 --> 00:04:20,761 馬締君 どうだ? 52 00:04:20,844 --> 00:04:23,847 (馬締) あっ え~っと…。 53 00:04:25,849 --> 00:04:30,771 憲兵の犬はスパイ。 犬死には無駄でしょうか。 54 00:04:30,854 --> 00:04:32,773 犬という単語は 比喩的に→ 55 00:04:32,856 --> 00:04:35,776 マイナスの意味で使われることが多い のではないでしょうか。 56 00:04:35,859 --> 00:04:37,778 (荒木) うん。 57 00:04:37,861 --> 00:04:41,740 犬の一語が 様々な意味や イメージを 含み持っている。 58 00:04:41,782 --> 00:04:45,786 面白いもんだなと 俺は言葉に夢中になったもんだ。 59 00:04:48,789 --> 00:04:50,749 (西岡) 荒木さん 荒木さん。 60 00:04:50,791 --> 00:04:53,752 今日ぐらい 言葉から離れましょうよ。 61 00:04:53,794 --> 00:04:55,754 なあ 馬締って 彼女いんの? 62 00:04:55,796 --> 00:04:58,757 (馬締) んっ! いえ…。 63 00:04:58,799 --> 00:05:01,760 (西岡) じゃあ 今度 合コン セッティングしてやるよ。 64 00:05:01,802 --> 00:05:05,764 携帯の番号 教えて。 >> おい 西岡。 65 00:05:05,806 --> 00:05:08,767 (馬締) 持ってないです。 (西岡) はっ? 何で? 66 00:05:08,809 --> 00:05:12,771 (馬締) 営業部で使っていた物は 会社に返してしまったので。 67 00:05:12,813 --> 00:05:15,774 >> 不便じゃないの? (馬締) いえ 特には。 68 00:05:15,816 --> 00:05:18,777 (西岡) なら 普段 どうやって 連絡 取ってんだよ。 69 00:05:18,819 --> 00:05:22,781 (馬締) 頻繁に連絡を取らなければ ならない人はいませんし→ 70 00:05:22,823 --> 00:05:25,784 下宿先に共用の電話があるので。 71 00:05:25,826 --> 00:05:27,786 (西岡) そういう問題か? 72 00:05:27,828 --> 00:05:33,792 じゃあさ 馬締の趣味は? (馬締) 趣味ですか? 73 00:05:33,834 --> 00:05:37,796 強いて言えば エスカレーターに乗る人を見ることです。 74 00:05:37,838 --> 00:05:39,798 (西岡) はっ? 75 00:05:39,840 --> 00:05:42,718 >> 楽しいの? それ。 (馬締) はい。 76 00:05:42,801 --> 00:05:46,722 通勤の際 僕は電車から ホームに降りたら→ 77 00:05:46,805 --> 00:05:49,725 わざと ゆっくり 歩くんです。 78 00:05:49,808 --> 00:05:54,730 乗客は僕を追い越して エスカレーターに殺到していく。 79 00:05:54,813 --> 00:05:56,732 まるで 誰かが操っているかのように→ 80 00:05:56,815 --> 00:05:59,735 人々は 2列になって 運ばれていきます。 81 00:05:59,818 --> 00:06:02,738 順番に 整然と。 82 00:06:02,821 --> 00:06:07,826 朝のラッシュも気にならないほど 美しい情景です。 83 00:06:11,830 --> 00:06:13,749 荒木君。 84 00:06:13,832 --> 00:06:15,751 はい。→ 85 00:06:15,834 --> 00:06:17,753 馬締。 86 00:06:17,836 --> 00:06:19,755 なぜ われわれが→ 87 00:06:19,838 --> 00:06:24,760 新しい辞書を これから 作ろうとしているか 分かるか? 88 00:06:24,843 --> 00:06:26,762 (馬締) いえ…。 89 00:06:26,845 --> 00:06:30,766 (松本) 辞書は言葉の海を渡る舟です。 90 00:06:30,849 --> 00:06:34,770 言葉がなければ 自分の思いを表現することも→ 91 00:06:34,853 --> 00:06:38,774 相手の気持ちを 深く受け止めることもできません。 92 00:06:38,857 --> 00:06:42,736 人は辞書という舟に乗り 最もふさわしい言葉を探して→ 93 00:06:42,778 --> 00:06:46,740 暗い海面に浮かび上がる 小さな光を集める。 94 00:06:46,782 --> 00:06:49,743 言葉は 光なのです。→ 95 00:06:49,785 --> 00:06:54,748 しかし 刻々と変化する世界で うまく言葉を見つけられず→ 96 00:06:54,790 --> 00:06:59,753 行き場を失った感情を胸に 葛藤の日々を送る人もいる。→ 97 00:06:59,795 --> 00:07:04,758 そういう人々にも 安心して 乗ってもらえるような舟。→ 98 00:07:04,800 --> 00:07:10,764 それが われわれが作ろうとしている辞書。 99 00:07:10,806 --> 00:07:16,770 (松本) 大きな海を渡ると書いて “大渡海”です。→ 100 00:07:16,812 --> 00:07:20,774 言葉の大海原を渡る 一艘の舟を編む。→ 101 00:07:20,816 --> 00:07:23,777 新しい言葉を積極的に取り入れ→ 102 00:07:23,819 --> 00:07:27,781 簡潔かつ明瞭な語釈を 心掛けましょう。 103 00:07:27,823 --> 00:07:32,786 “大渡海”を 人々の思いに寄り添う 辞書にするために。 104 00:07:32,828 --> 00:07:36,790 (西岡) 先生のお話は 長くなるのが 玉にきずですね。 105 00:07:36,832 --> 00:07:39,793 一言で言うと ずばり 辞書って何ですか? 106 00:07:39,835 --> 00:07:42,796 (荒木) お前は 何年 辞書編集部に…。 107 00:07:42,838 --> 00:07:44,798 まあまあ。 108 00:07:44,840 --> 00:07:46,800 そうですね。 109 00:07:46,842 --> 00:07:48,802 一言で言うなら→ 110 00:07:48,844 --> 00:07:54,808 みんなが より理解し合える世界を 築く 一助になるものでしょうか。 111 00:07:54,850 --> 00:07:57,811 (西岡) 壮大な話だなあ。 112 00:07:57,853 --> 00:08:01,815 力を貸してもらえますか? 113 00:08:01,857 --> 00:08:03,817 (西岡) おーし! 114 00:08:03,859 --> 00:08:07,821 何か いい感じになったところで あらためて 乾杯しましょう。 115 00:08:07,863 --> 00:08:11,825 (荒木) まったく お前は…。 (松本) いいじゃありませんか。 116 00:08:11,867 --> 00:08:16,872 (西岡) では せんえつながら 音頭を取らせていただきます。 117 00:08:18,874 --> 00:08:23,837 オホン! われわれ辞書編集部の船出に→ 118 00:08:23,879 --> 00:08:26,882 乾杯! (一同) 乾杯。 119 00:08:30,886 --> 00:08:33,847 (荒木) 馬締 お前は西岡の隣を使え。 120 00:08:33,889 --> 00:08:35,849 (馬締) はい。 (荒木) いいか?→ 121 00:08:35,891 --> 00:08:38,852 辞書作りは 言葉を集めるところから始まる。→ 122 00:08:38,894 --> 00:08:42,773 日常会話や街の看板 本やテレビ ラジオといった→ 123 00:08:42,856 --> 00:08:45,776 あらゆるものから言葉を集めて→ 124 00:08:45,859 --> 00:08:48,779 この用例採集カードに 使用例を書きためていくんだ。 125 00:08:48,862 --> 00:08:50,781 (馬締) はい。 126 00:08:50,864 --> 00:08:52,783 その他には? 127 00:08:52,866 --> 00:08:55,786 (荒木) まずは 見出しの選定をやってもらう。 128 00:08:55,869 --> 00:08:59,790 “大渡海”と同じ中型辞書である “広辞苑” “大辞林” “大辞泉”の→ 129 00:08:59,873 --> 00:09:02,793 3冊に採用されている言葉には 二重丸→ 130 00:09:02,876 --> 00:09:06,797 2つに採用されているものには 一重丸→ 131 00:09:06,880 --> 00:09:09,800 1つだけに 採用されているものには三角を→ 132 00:09:09,883 --> 00:09:12,803 用例採集カードの端っこに 付けていく。 133 00:09:12,886 --> 00:09:14,805 (馬締) 何の印ですか? 134 00:09:14,888 --> 00:09:16,807 用例採集した言葉のうち→ 135 00:09:16,890 --> 00:09:21,812 何を“大渡海”の見出しとして 採用するかの目安にするんだ。→ 136 00:09:21,895 --> 00:09:25,816 “大渡海”は 約23万語を 収録する予定なんだが→ 137 00:09:25,899 --> 00:09:28,819 二重丸は よっぽどのことがなければ採用→ 138 00:09:28,902 --> 00:09:32,823 順に 一重丸 三角と 採用する可能性は低くなる。→ 139 00:09:32,906 --> 00:09:37,828 だが 問題は 印が付かない どの辞書にも載っていない言葉だ。 140 00:09:37,911 --> 00:09:41,748 (荒木) その中から どういう言葉を採用するかで→ 141 00:09:41,832 --> 00:09:43,750 “大渡海”の色は変わる。 142 00:09:43,834 --> 00:09:47,754 (西岡) あ~! しかし この作業 全然 終わんねえっすよ。 143 00:09:47,838 --> 00:09:51,758 >> お前は すぐ 休憩するからだろ。 (西岡) 違いますよ。 144 00:09:51,842 --> 00:09:54,761 だって これ すごい 量 あるじゃないっすか。 145 00:09:54,845 --> 00:09:57,764 “大渡海” ホントに 完成するんすかね。 146 00:09:57,848 --> 00:09:59,766 (荒木) まあ 少なくとも 10年は かかるな。 147 00:09:59,850 --> 00:10:04,771 (西岡) 10年!? あ~あ そのころ 俺は 何やってんだろ。 148 00:10:04,855 --> 00:10:07,774 ず~っと 辞書を 作ってるんだ。 149 00:10:07,858 --> 00:10:10,777 (西岡) え~!? 俺の人生って…。 150 00:10:10,861 --> 00:10:14,865 (馬締) 頑張ります! (西岡) はあっ!? えっ 何でだよ!? 151 00:10:18,869 --> 00:10:22,789 あそこが 給湯室で その横がトイレ。→ 152 00:10:22,873 --> 00:10:24,791 佐々木さんが 奇麗にしてくれているが→ 153 00:10:24,875 --> 00:10:27,794 君も気が付いたときは 掃除してくれ。 154 00:10:27,878 --> 00:10:29,796 (馬締) はい。 155 00:10:29,880 --> 00:10:32,799 古い建物だろ。 156 00:10:32,883 --> 00:10:35,802 (馬締) はい。 あっ! い… いえ。 157 00:10:35,886 --> 00:10:37,804 (荒木) うん。→ 158 00:10:37,888 --> 00:10:40,766 今じゃ 辞書編集部は 隅に追いやられたように→ 159 00:10:40,807 --> 00:10:42,768 見えるかもしれんが→ 160 00:10:42,809 --> 00:10:45,771 俺が入社したころは ここが本館だったんだ。→ 161 00:10:45,812 --> 00:10:48,774 辞書作りに会社も 力を入れていた。→ 162 00:10:48,815 --> 00:10:51,777 俺たちは追いやられたんじゃなくて 残ったんだ。→ 163 00:10:51,818 --> 00:10:53,779 だから 辞書も残さなきゃならん。 164 00:10:53,820 --> 00:10:56,782 と まあ 俺の勝手な理屈だがな。 165 00:10:56,823 --> 00:10:59,785 (馬締) あっ いえ…。 166 00:10:59,826 --> 00:11:02,829 (荒木) さて あとは資料室だな。 167 00:11:02,829 --> 00:11:14,841 ♪~ 168 00:11:14,841 --> 00:11:17,803 (荒木) これが 松本先生と 辞書編集部で→ 169 00:11:17,844 --> 00:11:19,805 用例採集してきた言葉だ。 170 00:11:19,846 --> 00:11:22,808 現在 90万語以上ある。→ 171 00:11:22,849 --> 00:11:24,810 まだ 増えるぞ。→ 172 00:11:24,851 --> 00:11:26,812 そして ここにある言葉の中から→ 173 00:11:26,853 --> 00:11:28,814 “大渡海”に載せるべき言葉を 選別し→ 174 00:11:28,855 --> 00:11:32,818 厚さ80mmの限られた空間に 収めていく。 175 00:11:32,859 --> 00:11:36,822 (馬締) それが 見出しだけで 23万語にもなる。 176 00:11:36,863 --> 00:11:38,824 そうだ。 さらに→ 177 00:11:38,865 --> 00:11:42,828 その一つ一つに語釈を付けていく 途方もない仕事だ。 178 00:11:45,831 --> 00:11:47,749 (荒木) なあ 馬締。→ 179 00:11:47,833 --> 00:11:52,754 俺は 辞書は 必ずしも 万能ではないと思っている。 180 00:11:52,838 --> 00:11:54,756 (馬締) どういうことでしょうか? 181 00:11:54,840 --> 00:11:57,759 (荒木) 結局は 人が作るものということだ。→ 182 00:11:57,843 --> 00:12:00,762 古今の日本語を 全部 集めることはできない。→ 183 00:12:00,846 --> 00:12:02,764 それに 言葉は生き物だから→ 184 00:12:02,848 --> 00:12:06,768 使い方やニュアンスは時代とともに どんどん変わっていく。→ 185 00:12:06,852 --> 00:12:10,772 そう考えると 正しい語釈なんて ないともいえる。 186 00:12:10,856 --> 00:12:15,777 それでも 辞書を作る人間は 挑み続ける。→ 187 00:12:15,861 --> 00:12:19,781 一見 辞書は 無機質な文字の羅列に見えるが→ 188 00:12:19,865 --> 00:12:23,869 全て 誰かが 考えに考え抜いて 書いたものなんだ。 189 00:12:27,873 --> 00:12:29,791 (馬締) すごいです。 190 00:12:29,875 --> 00:12:31,793 (荒木) 馬締→ 191 00:12:31,877 --> 00:12:36,798 お前の情熱を “大渡海”に注いでくれ。 192 00:12:36,882 --> 00:12:39,801 ♪(鼻歌) \(荒木) まあ まだ来たばかりで→ 193 00:12:39,885 --> 00:12:41,761 どうこう言えないだろうが…。 194 00:12:41,803 --> 00:12:44,764 (馬締) でも 何か→ 195 00:12:44,806 --> 00:12:47,767 自分にも→ 196 00:12:47,809 --> 00:12:49,769 何か自分も→ 197 00:12:49,811 --> 00:12:52,814 辞書作りの役に立つことが できればと…。 198 00:12:55,817 --> 00:13:01,781 歓迎会でエスカレーターの話を聞いたとき 俺は確信した。 199 00:13:01,823 --> 00:13:03,783 君は辞書作りに向いている。→ 200 00:13:03,825 --> 00:13:05,785 ここにある無数の言葉が→ 201 00:13:05,827 --> 00:13:08,788 整然と一冊の辞書に 収まっていくのと→ 202 00:13:08,830 --> 00:13:12,834 君が言う エスカレーターの情景は似ている。 203 00:13:12,834 --> 00:13:28,850 ♪~ 204 00:13:28,850 --> 00:13:31,811 (馬締) あっ。 (荒木) 馬締→ 205 00:13:31,853 --> 00:13:35,815 どうか いい辞書を作ってくれ。 206 00:13:35,857 --> 00:13:40,737 多くの人が 安心して乗れるような舟を。→ 207 00:13:40,820 --> 00:13:43,823 そして 君だからこそ作れる舟を。 208 00:13:50,914 --> 00:13:52,874 (海くん) 辞書同士で しり取りすると→ 209 00:13:52,916 --> 00:13:54,876 どうなるんだろう。 (リン太) 終わらなそうじゃない? 210 00:13:54,918 --> 00:13:57,879 (ヒロシ) たくさん 言葉を知っていますからね。 211 00:13:57,921 --> 00:13:59,881 取りあえず やってみようよ。 212 00:13:59,923 --> 00:14:01,883 (海くん) じゃあ 最初は用例。 213 00:14:01,925 --> 00:14:03,885 用いられている例! あっ! 214 00:14:03,927 --> 00:14:05,887 (泉くん) 急に何? (リン太) 何だろう。 215 00:14:05,929 --> 00:14:07,889 つい反応しちゃって。 い い…→ 216 00:14:07,931 --> 00:14:09,891 意味! 217 00:14:09,933 --> 00:14:11,893 言葉が示す内容! 218 00:14:11,935 --> 00:14:13,895 お前もかよ! (泉くん) 抑えきれない何かが…。 219 00:14:13,937 --> 00:14:16,898 お二方 しり取りですよ。 (泉くん) そうだね。 220 00:14:16,940 --> 00:14:18,900 み み… 見出し! 221 00:14:18,942 --> 00:14:21,903 辞書で項目を示す部分! 222 00:14:21,945 --> 00:14:24,906 (リン太・泉くん) あんたもかい! 223 00:14:24,948 --> 00:14:27,909 (海くん) みんな すぐに 語釈を言いたくなるんだね。 224 00:14:35,917 --> 00:14:40,922 (アナウンス) 次の4番線の電車は 西高島平 行き 普通列車です。 225 00:14:49,931 --> 00:14:52,851 (アナウンス) 間もなく 4番線に 電車が参ります。→ 226 00:14:52,934 --> 00:14:56,938 危ないですので 白線の…。 (馬締)《僕だから 作れる舟》 227 00:14:58,940 --> 00:15:02,944 《同時に 多くの人が 安心して乗れる舟》 228 00:15:10,952 --> 00:15:16,875 (タケ) ああ みっちゃん おかえり。 (馬締) ただ今 帰りました。 229 00:15:16,958 --> 00:15:19,878 (タケ) 何か 元気ないじゃないか。 230 00:15:19,961 --> 00:15:22,964 (馬締) あっ いえ そんなことは…。 231 00:15:27,969 --> 00:15:30,889 (タケ) もう ことしも 中秋の名月なんだね。→ 232 00:15:30,972 --> 00:15:34,893 年々 時間がたつのが早くなって 嫌になっちゃう。 233 00:15:34,976 --> 00:15:37,896 (馬締) ススキと団子を見るまで 忘れていました。 234 00:15:37,979 --> 00:15:43,902 月は 昔から 変わらないように 見えるんだけどね。 235 00:15:43,985 --> 00:15:45,904 (馬締) タケさんのご飯 いつも おいしいです。 236 00:15:45,987 --> 00:15:49,908 (タケ) あれ? みっちゃんも お世辞が言えたんだ。 237 00:15:49,991 --> 00:15:51,993 (馬締) お世辞じゃないです。 238 00:15:53,995 --> 00:15:56,915 気落ちしているように 見えましたか? 239 00:15:56,998 --> 00:15:59,918 見えるね。→ 240 00:16:00,001 --> 00:16:01,920 仕事 大変なのかい? 241 00:16:02,003 --> 00:16:06,925 (馬締) いえ ああ… 辞書編集部に異動になったんです。 242 00:16:07,008 --> 00:16:10,929 へえ~ 何だか みっちゃんに 向いてそうな所じゃない。 243 00:16:11,012 --> 00:16:12,931 (馬締) 辞書は好きですが→ 244 00:16:13,014 --> 00:16:16,935 1人で書店を回ることが多かった 営業部とは違って→ 245 00:16:17,018 --> 00:16:19,938 辞書作りは 全員で 協力する必要があるんです。 246 00:16:20,021 --> 00:16:23,942 >> それのどこが問題なの? (馬締) 端的に言って→ 247 00:16:24,025 --> 00:16:26,903 うまく 辞書編集部になじめるか 不安です。 248 00:16:26,945 --> 00:16:30,907 それに 期待に応えられるだけの 辞書を作る能力が→ 249 00:16:30,949 --> 00:16:32,909 本当に僕にあるのかも…。 250 00:16:32,951 --> 00:16:37,914 いい年して よくも そんなことで悩めるねえ。 251 00:16:37,956 --> 00:16:40,917 (馬締) おかしいですか? 252 00:16:40,959 --> 00:16:44,921 (タケ) いや みっちゃんらしいなと思って。→ 253 00:16:44,963 --> 00:16:47,924 みっちゃんはさ 職場の人と 仲良くなりたいんだよ。→ 254 00:16:47,966 --> 00:16:51,928 仲良くなって いい辞書を作りたいんだ。 255 00:16:51,970 --> 00:16:54,931 (馬締) 何で分かるんですか? >> そこは ほら→ 256 00:16:54,973 --> 00:16:58,935 みっちゃんと私は つうかあの仲だから。 257 00:16:58,977 --> 00:17:03,982 (馬締) つうと言えばかあ つうと言えばかあ つう…。 258 00:17:06,985 --> 00:17:08,945 (タケ) いつもどおりで いいんじゃない?→ 259 00:17:08,987 --> 00:17:11,948 みっちゃん 頼めば 電球 替えてくれるでしょ。 260 00:17:11,990 --> 00:17:13,950 (馬締) それは もちろん。 261 00:17:13,992 --> 00:17:17,954 (タケ) 私が誘えば 遠慮せず ご飯を食べに来てくれもする。 262 00:17:17,996 --> 00:17:22,959 おんなじように 頼ったり 頼られたりすればいいと思うよ。 263 00:17:23,001 --> 00:17:26,880 私だけじゃなく 職場の人とも。→ 264 00:17:26,963 --> 00:17:29,883 みっちゃんが 一生懸命 みんなに 気持ちを伝えれば→ 265 00:17:29,966 --> 00:17:32,886 みんなも 一生懸命 応えてくれる。→ 266 00:17:32,969 --> 00:17:35,972 世の中ってのは そういうもんさ。 267 00:17:43,980 --> 00:17:46,900 フゥ。 お風呂 あいたよ。 (馬締) あっ はい。 268 00:17:46,983 --> 00:17:51,905 みっちゃんも たまには ゆっくり 湯船に漬かったら? 269 00:17:51,988 --> 00:17:54,908 (馬締) はい…。 >> 朝にシャワーばっかりじゃ→ 270 00:17:54,991 --> 00:17:57,911 疲れ 取れないから。 271 00:17:57,994 --> 00:17:59,913 (馬締) はい…。 272 00:17:59,996 --> 00:18:02,916 じゃあ 私は 先に休ませてもらうよ。→ 273 00:18:02,999 --> 00:18:08,004 洗い物 ありがとね。 (馬締) はい おやすみなさい。 274 00:18:12,008 --> 00:18:14,010 (馬締) トラさ~ん。 275 00:18:16,012 --> 00:18:18,014 よいしょ…。 276 00:18:24,020 --> 00:18:27,857 (馬締)《伝えたい。 相手の思いを深く受け止めたい》 277 00:18:27,941 --> 00:18:31,861 《最も ふさわしい言葉を探して》 278 00:18:31,945 --> 00:18:35,949 《僕が “大渡海”にできること》 279 00:18:38,952 --> 00:18:40,870 (タケのいびき) 280 00:18:40,954 --> 00:18:45,875 ☏ 281 00:18:45,959 --> 00:18:50,880 (タケ) んっ? ☏ 282 00:18:50,964 --> 00:18:55,885 (タケ) はい もしもし? ああ どうしたんだい? 283 00:18:55,969 --> 00:18:59,889 えっ? これから?→ 284 00:18:59,973 --> 00:19:02,892 そりゃ 構わないけど…。→ 285 00:19:02,976 --> 00:19:10,900 うん うん。 はーい。 私は もう 先に寝てるから。→ 286 00:19:10,984 --> 00:19:13,903 うん うん。 じゃあ 気を付けて来るんだよ。→ 287 00:19:13,987 --> 00:19:17,991 はーい。 はいはい。 ☏(通話を切る音) 288 00:19:26,916 --> 00:19:28,918 \(トラ) ニャーン。 289 00:19:34,924 --> 00:19:37,927 (馬締) トラさん? \(トラ) ニャーン。 290 00:19:37,927 --> 00:19:48,938 ♪~ 291 00:19:48,938 --> 00:19:52,942 (2時の時報) 292 00:19:52,942 --> 00:20:09,959 ♪~ 293 00:20:09,959 --> 00:20:11,961 \(トラ) ニャーン。 294 00:20:21,971 --> 00:20:23,973 (馬締) トラさ~ん。 295 00:20:25,934 --> 00:20:27,936 \(トラ) ニャーン。 296 00:20:33,942 --> 00:20:36,861 (馬締) こんな所にいたんだ。 297 00:20:36,945 --> 00:20:38,947 迎えに来たよ。 298 00:20:44,953 --> 00:20:46,955 (馬締) あっ… あ~! 299 00:21:03,972 --> 00:21:06,891 (香具矢) へえ~ うれしい。 300 00:21:06,975 --> 00:21:09,978 (香具矢) 迎えに来てくれたんだ。 301 00:21:09,978 --> 00:21:19,988 ♪~ 302 00:22:39,942 --> 00:22:41,861 (西岡)《先生は ピータンはお好きじゃない》 303 00:22:41,944 --> 00:22:45,865 《これとこれは 油が多過ぎる。 お体に良くない 却下!》 304 00:22:45,948 --> 00:22:47,867 《よし 完璧!》 どうぞ 先生! 305 00:22:47,950 --> 00:22:50,870 >> こういうときは まめだよな。 (西岡) 当然の心掛けっすよ。 306 00:22:50,953 --> 00:22:52,955 (荒木) こいつめ~。 (松本) フフフ…。