1 00:01:48,982 --> 00:01:51,985 (桔梗屋)総額 300万円が当たる。 (一同)ゴールデンウイーク 福引キャンペーン。 2 00:01:51,985 --> 00:01:53,987 (一休)ドラマ 『一休さん』の データ放送を見て…。 3 00:01:53,987 --> 00:01:56,990 (新右衛門)豪華賞品が当たる 福引チャンスに 参加しよう。 4 00:01:56,990 --> 00:01:58,990 (さよ)いいこと いっぱい。 いいこと いっぱい。 5 00:02:03,997 --> 00:02:09,002 <昔 昔。 京の都に 一休さんという➡ 6 00:02:09,002 --> 00:02:12,002 頓知で 有名な 小坊主がおりました> 7 00:02:14,007 --> 00:02:19,012 <一休は 頓知で 困った人を助け 世のため 人のために➡ 8 00:02:19,012 --> 00:02:24,012 活躍したので 大変な 人気者となりました> 9 00:02:26,019 --> 00:02:30,023 <そんな 一休は 高貴な家の 生まれでしたが➡ 10 00:02:30,023 --> 00:02:34,027 訳あって お坊さんになるために お母さんと別れ➡ 11 00:02:34,027 --> 00:02:40,027 安国寺という お寺で 仲間と共に 修行することになったのです> 12 00:02:46,039 --> 00:02:51,978 <さてさて 今日も 一休に どんな難題が 降り掛かるやら> 13 00:02:51,978 --> 00:02:57,978 (一休)母上さま。 一休は 今日も お勤めに励みます。 14 00:03:01,988 --> 00:03:03,990 ≪(新右衛門)一休殿! 15 00:03:03,990 --> 00:03:06,990 (新右衛門)一大事でござる! 16 00:03:14,000 --> 00:03:17,003 (男性)いやー。 17 00:03:17,003 --> 00:03:22,008 ああ。 ずいぶん 大きな お侍さまですね。 18 00:03:22,008 --> 00:03:25,008 (さよ)しかも とっても 怖いのよ。 19 00:03:33,019 --> 00:03:37,023 (桔梗屋)怖いの。 怖いの 怖いの。 怖いの。 20 00:03:37,023 --> 00:03:40,026 (桔梗屋)あの お侍さんね 俺さまに➡ 21 00:03:40,026 --> 00:03:42,028 切れぬものはない。 切られたくなければ➡ 22 00:03:42,028 --> 00:03:45,031 まんじゅうを 食わせろと さっきから ぱくぱく ぱくぱく。 23 00:03:45,031 --> 00:03:47,968 (弥生)もう 商売 上がったりですよ。 24 00:03:47,968 --> 00:03:51,972 かくなる上は 幕府の お役人である➡ 25 00:03:51,972 --> 00:03:55,976 蜷川さまに 解決をしていただく他は ないと。 26 00:03:55,976 --> 00:03:58,979 (弥生)無理なら 責任を取って お代を払ってくださいね。 27 00:03:58,979 --> 00:04:03,984 ウハハ。 うわっ。 と まあ そんな ひどい話でして。 28 00:04:03,984 --> 00:04:06,987 とにかく 拙者が 払わずに済むよう➡ 29 00:04:06,987 --> 00:04:09,990 知恵を貸してほしいのです。 (桔梗屋)もしも➡ 30 00:04:09,990 --> 00:04:13,994 一休さんに あの お侍を 追っ払うことができたら➡ 31 00:04:13,994 --> 00:04:20,994 お礼に おまんじゅうを いくらでも 差し上げますがね。 32 00:04:23,003 --> 00:04:26,006 分かりました。 考えてみます。 33 00:04:26,006 --> 00:04:28,006 (桔梗屋)ほう。 34 00:04:41,021 --> 00:04:46,026 お侍さま。 切れぬものは ないそうですが 本当ですか? 35 00:04:46,026 --> 00:04:48,962 (男性)拙者が 嘘を申しておるとでも? 36 00:04:48,962 --> 00:04:50,964 はい。 (男性)無礼な。 37 00:04:50,964 --> 00:04:52,966 はっ!? (男性)たたき斬ってやる。 38 00:04:52,966 --> 00:04:56,970 あっ。 その前に この紙を 切ってみてください。 39 00:04:56,970 --> 00:04:59,973 (男性)ますます 無礼な。 紙ごとき 切れぬわけ なかろう! 40 00:04:59,973 --> 00:05:01,975 もし 切れなかった場合は➡ 41 00:05:01,975 --> 00:05:05,979 食べた おまんじゅう代は 払っていただきますよ。 42 00:05:05,979 --> 00:05:09,983 (男性)ならば もし 切れた場合 みんなの前で 土下座して➡ 43 00:05:09,983 --> 00:05:14,988 代金は お前に支払ってもらう。 分かりました。 44 00:05:14,988 --> 00:05:16,990 (さよ)大丈夫かしら? 一休さん。 45 00:05:16,990 --> 00:05:20,990 では どうぞ 切ってみてください。 46 00:05:25,999 --> 00:05:30,003 さあ お切りください。 47 00:05:30,003 --> 00:05:32,005 ううー。 48 00:05:32,005 --> 00:05:36,009 おお。 なるほど。 いくら 紙でも➡ 49 00:05:36,009 --> 00:05:42,015 石の上に置かれては 切るに 切れまい。 50 00:05:42,015 --> 00:05:46,015 お主の 負けじゃ。 (男性)くっ。 くうー。 51 00:05:48,955 --> 00:05:52,959 さあ 桔梗屋。 あの者から お代を取れ。 52 00:05:52,959 --> 00:05:56,963 ああー! うわっ うわっ うわっ うわっ。 ああ。 53 00:05:56,963 --> 00:05:58,965 (弥生)おまんじゅう 20個分になります。 54 00:05:58,965 --> 00:06:03,970 桔梗屋。 よくも 恥をかかせてくれたな? 55 00:06:03,970 --> 00:06:07,974 いやー! ああー! 56 00:06:07,974 --> 00:06:12,974 (弥生・桔梗屋)うわー! (一同)おおー。 57 00:06:14,981 --> 00:06:16,981 ふん。 58 00:06:20,987 --> 00:06:25,992 (一同)やった! (さよ)さすが 一休さん。 59 00:06:25,992 --> 00:06:30,997 では 約束どおり おまんじゅう いくらでも 頂きます。 60 00:06:30,997 --> 00:06:32,999 (天念)俺も。 (さよ)私も。 61 00:06:32,999 --> 00:06:35,001 (陳念)俺も。 いただきます。 (秀念・黙念)いただきます。 62 00:06:35,001 --> 00:06:39,005 拙者も 一つ。 (一同)うん。 おいしい。➡ 63 00:06:39,005 --> 00:06:44,010 うん。 おいしい。 うん。 おいしい。 うまい。 64 00:06:44,010 --> 00:06:47,947 お父さま。 みんなして 30個は 食べてるわ。 65 00:06:47,947 --> 00:06:52,952 何? 30個も。 あの まんじゅう頭め。 66 00:06:52,952 --> 00:06:56,956 くあー! おう おう おう。 おう。 (一同)アハハ。 67 00:06:56,956 --> 00:07:00,956 (弥生)お父さま。 お父さま。 お父さま? 68 00:07:10,970 --> 00:07:20,970 ♬~ 69 00:07:33,993 --> 00:07:39,999 (読経) 70 00:07:39,999 --> 00:07:48,942 一休殿! 一休殿! またまた 一大事でござる! 71 00:07:48,942 --> 00:07:54,948 えー! 将軍さまの ご親戚の若君と 遊べ!? 72 00:07:54,948 --> 00:07:57,951 ええ。 さようでござる。 73 00:07:57,951 --> 00:08:03,957 (和尚)他ならぬ 将軍さまからの お招きじゃ。 74 00:08:03,957 --> 00:08:07,957 断るわけには いかんのう。 75 00:08:18,972 --> 00:08:20,974 (義満)おお。 一休。 76 00:08:20,974 --> 00:08:22,976 苦しゅうない。 面を上げい。 77 00:08:22,976 --> 00:08:26,980 はい。 上様におかれましては 殊のほか ご機嫌 麗しく。 78 00:08:26,980 --> 00:08:29,983 よいよい。 固い挨拶は 抜きじゃ。 79 00:08:29,983 --> 00:08:32,986 変わりはないのう? はい。 80 00:08:32,986 --> 00:08:36,990 ハハハ。 何よりじゃ。 ハハハ。 81 00:08:36,990 --> 00:08:40,994 小太郎。 こちらへ。 82 00:08:40,994 --> 00:08:44,998 うわっ。 うわっ。 あっ。 ほっ。 83 00:08:44,998 --> 00:08:47,934 ほっ。 ほっ。 84 00:08:47,934 --> 00:08:51,938 (貞行)危ない! ああー! 85 00:08:51,938 --> 00:08:54,941 (小太郎)ハハハ! ヒヒヒ。 ハハハ。 86 00:08:54,941 --> 00:08:57,944 何をなさいます? 小太郎さま。 87 00:08:57,944 --> 00:08:59,946 まりが 上様に 当たるところでしたぞ。 88 00:08:59,946 --> 00:09:02,949 (小太郎)ふん。 私は 上様が➡ 89 00:09:02,949 --> 00:09:06,953 こちらへと おっしゃったから まりを そちらへ 投げたまで。 90 00:09:06,953 --> 00:09:09,956 あっ。 (貞行)相変わらず 口の減らない。 91 00:09:09,956 --> 00:09:14,961 (貞行)あ痛たたた。 92 00:09:14,961 --> 00:09:18,965 まあ よい。 わしの言葉が 足りなかった。 93 00:09:18,965 --> 00:09:22,965 すまぬな。 小太郎。 (小太郎)ふん。 94 00:09:24,971 --> 00:09:28,971 (小太郎)その方が 一休か。 はい。 95 00:09:36,983 --> 00:09:42,989 これ 小太郎。 何をしておる? (貞行)危のうござります。 96 00:09:42,989 --> 00:09:44,991 あっ。 97 00:09:44,991 --> 00:09:47,927 (小太郎)一休とやら 私と遊びたいなら➡ 98 00:09:47,927 --> 00:09:51,931 この 刀と刀の間を 通ってくるがよい。 99 00:09:51,931 --> 00:09:53,933 えー!? 100 00:09:53,933 --> 00:09:57,933 できるか? 一休。 考えてみます。 101 00:10:10,950 --> 00:10:14,954 では 小太郎さま。 ただ今 そちらへ 参ります。 102 00:10:14,954 --> 00:10:16,956 何? 一休殿。 103 00:10:16,956 --> 00:10:19,959 あれほど 細い隙間を 通り抜けるのは 無理かと。 104 00:10:19,959 --> 00:10:24,964 大丈夫です。 ちゃんと 刀と刀の間を 通ってみせます。 105 00:10:24,964 --> 00:10:26,966 うん。 106 00:10:26,966 --> 00:10:45,985 ♬~ 107 00:10:45,985 --> 00:10:49,922 はい。 通りましたよ。 遊びましょ。 108 00:10:49,922 --> 00:10:52,925 (小太郎)な… 何を言う? 私は➡ 109 00:10:52,925 --> 00:10:55,928 刀と刀の間を 通るよう 言ったのじゃ。 110 00:10:55,928 --> 00:11:01,934 だから ちゃんと 通りましたよ。 刀と刀の間をね。 111 00:11:01,934 --> 00:11:07,940 刀と刀の間は 「と」 ですから➡ 112 00:11:07,940 --> 00:11:13,946 私は 戸を通ったのです。 おおー。 なるほど。 113 00:11:13,946 --> 00:11:17,950 さすがは 一休殿。 一本 取られたようじゃのう。 114 00:11:17,950 --> 00:11:20,953 (小太郎)うーん。 115 00:11:20,953 --> 00:11:23,956 では 一休と 遊んでまいれ。 116 00:11:23,956 --> 00:11:26,959 たまには 屋敷の外を 見てみるのも 後学じゃ。 117 00:11:26,959 --> 00:11:32,965 屋敷の中からでは 見えぬものも 見えてくるかもしれぬ。 118 00:11:32,965 --> 00:11:34,965 (小太郎)ふん。 119 00:11:37,970 --> 00:11:40,973 ああ。 小太郎さま。 「小太郎さま」 120 00:11:40,973 --> 00:11:42,975 「小太郎さま」 時に 上様。 121 00:11:42,975 --> 00:11:45,978 うん? あの鳥は いったい? 122 00:11:45,978 --> 00:11:50,983 世にも珍しい 人の言葉を 覚える鳥と 聞いている。 123 00:11:50,983 --> 00:11:55,983 人の言葉を 覚える鳥? さよう。 124 00:12:02,995 --> 00:12:08,000 何じゃ? ここは。 何もないところじゃな。 125 00:12:08,000 --> 00:12:12,004 ですが 御所には ないものが たくさん ありますよ。 126 00:12:12,004 --> 00:12:15,007 (小太郎)ふん。 127 00:12:15,007 --> 00:12:19,011 皆の者! (一同)はーい。 はい。 はい。 128 00:12:19,011 --> 00:12:23,015 こちらは 小太郎さまじゃ。 よろしくのう。 129 00:12:23,015 --> 00:12:25,017 (秀念)ようこそ おいでくださいました。 130 00:12:25,017 --> 00:12:28,020 一番弟子の 秀念です。 (黙念)黙念です。 131 00:12:28,020 --> 00:12:30,022 (陳念)陳念です。 (さよ)おさよです。 132 00:12:30,022 --> 00:12:33,025 (天念)天念です。 おいしい お土産 ありがとう。 133 00:12:33,025 --> 00:12:36,028 (秀念)おい。 まだ 何も ちょうだいしてないのに。 134 00:12:36,028 --> 00:12:40,032 (一同)ハハハ。 (小太郎)バカな 食いしん坊だ。➡ 135 00:12:40,032 --> 00:12:43,035 ハハハ。 (さよ)ひどいわ あんな言い方。 136 00:12:43,035 --> 00:12:46,038 (秀念)まあまあ。 おさよちゃん。 (小太郎)さあ 遊ぶぞ。 137 00:12:46,038 --> 00:12:48,975 皆 馬になれ。 (一同)馬!? 138 00:12:48,975 --> 00:12:54,981 あの。 私たちは これから お勤めでして。 139 00:12:54,981 --> 00:12:58,985 では 新右衛門。 その方が 馬になれ。 140 00:12:58,985 --> 00:13:00,987 はっ? 141 00:13:00,987 --> 00:13:02,989 (小太郎)はいどー はいどー。 ははー。 142 00:13:02,989 --> 00:13:07,994 (小太郎)鳴け。 えっ? ヒヒーン。 143 00:13:07,994 --> 00:13:09,996 (小太郎)右じゃ。 はっ。 144 00:13:09,996 --> 00:13:11,998 (小太郎)いや。 左じゃ。 (秀念)うわっ。 145 00:13:11,998 --> 00:13:14,000 えっ? はっ。 (小太郎)あの食いしん坊を➡ 146 00:13:14,000 --> 00:13:16,002 追い掛けよ。 はっ。 147 00:13:16,002 --> 00:13:19,005 (天念)うわー! (小太郎)もっと 早く 走らぬか。 148 00:13:19,005 --> 00:13:21,005 はい。 はっ。 (小太郎)はいどー はいどー。 149 00:13:37,023 --> 00:13:42,028 (さよ)お待ち遠さま。 ご飯ですよ。 150 00:13:42,028 --> 00:13:44,030 はい。 どうぞ。 151 00:13:44,030 --> 00:13:48,968 「小太郎さま 小太郎さま。 小太郎さま」 152 00:13:48,968 --> 00:13:52,972 あなたは 小太郎さまのことが 好きなのね。 153 00:13:52,972 --> 00:13:55,972 優しいところも あるのかしら? 154 00:13:57,977 --> 00:14:03,983 いやはや。 小太郎さまの わがままには 手を焼きまする。 155 00:14:03,983 --> 00:14:07,987 (和尚)うーん。 ハァー。 156 00:14:07,987 --> 00:14:09,989 和尚。 うん? 157 00:14:09,989 --> 00:14:12,992 ちと 説教していただけませぬか? 158 00:14:12,992 --> 00:14:16,996 わがままの芽は 若いうちに 摘むがよしと いいますし。 159 00:14:16,996 --> 00:14:22,001 うん。 わがままに 芽があるのであれば➡ 160 00:14:22,001 --> 00:14:27,006 その種も あるであろうな。 種? 161 00:14:27,006 --> 00:14:30,009 うん。 162 00:14:30,009 --> 00:14:34,013 いずれにしても 親の顔が 見てみたい。 163 00:14:34,013 --> 00:14:39,018 (くしゃみ) ああ。 ハァー。 164 00:14:39,018 --> 00:14:44,023 (貞行)春とはいえ 今日は 冷えますなぁ。 165 00:14:44,023 --> 00:14:49,962 慣れぬ 山中で 風邪など ひかぬとよいが。 166 00:14:49,962 --> 00:14:55,962 小太郎さまでございますか? ああ。 167 00:14:59,972 --> 00:15:05,978 (秀念)若さまと 一休の 頓知対決。 始まり 始まり。 168 00:15:05,978 --> 00:15:08,981 (一同)うわー。 (さよ)一休さん。 頑張って。 169 00:15:08,981 --> 00:15:10,981 はい。 170 00:15:19,992 --> 00:15:22,995 簡単です。 しり取りです。 171 00:15:22,995 --> 00:15:25,995 では もう1問。 172 00:15:28,000 --> 00:15:32,000 火鉢です。 あっ。 もう1問じゃ。 173 00:15:34,006 --> 00:15:38,010 脳みそです。 答えは まだ ある。 174 00:15:38,010 --> 00:15:40,012 みそっ歯。 みそっかす。 手前みそ。 175 00:15:40,012 --> 00:15:43,015 (陳念)おおー。 三つも。 (さよ)さすが 一休さん。 176 00:15:43,015 --> 00:15:47,036 (小太郎)うぬ。 では 次は 私から。 177 00:15:47,036 --> 00:15:50,036 そもさん。 せっぱ。 178 00:15:53,960 --> 00:15:55,962 何? (黙念)子供に登れて➡ 179 00:15:55,962 --> 00:15:59,966 父親に登れないもの? (さよ)何かしら? 180 00:15:59,966 --> 00:16:04,971 (小太郎)分かったぞ。 何でしょう? 181 00:16:04,971 --> 00:16:07,974 小太郎さま? 182 00:16:07,974 --> 00:16:10,977 答えとうない。 (一同)えっ? 183 00:16:10,977 --> 00:16:14,981 (さよ)あっ。 ホントは 分からないのよ。 184 00:16:14,981 --> 00:16:18,985 (小太郎)無礼な! 答えとうないだけじゃ! 185 00:16:18,985 --> 00:16:21,988 (天念)わがままだな。 186 00:16:21,988 --> 00:16:25,992 (秀念)でも それも しかたのないことかもな。 187 00:16:25,992 --> 00:16:28,995 どうしてですか? 188 00:16:28,995 --> 00:16:30,997 (秀念)高貴な お家の 若さまだけに➡ 189 00:16:30,997 --> 00:16:34,000 何をしても 叱られないのであろう。 190 00:16:34,000 --> 00:16:38,004 それでは わがままにもなる。 191 00:16:38,004 --> 00:16:43,009 ≪(小太郎)うわー! (一同)えっ? 192 00:16:43,009 --> 00:16:45,011 小太郎さま。 (さよ)どうしたの? 193 00:16:45,011 --> 00:16:47,947 (小太郎)鳥は どこじゃ? どこにいる? 194 00:16:47,947 --> 00:16:51,947 (さよ)えっ? さっき 餌をあげたときは…。 195 00:16:53,953 --> 00:16:56,956 逃がしたな? 籠のふたが 開いておる! 196 00:16:56,956 --> 00:17:01,961 えっ? (小太郎)えーい! たたき斬れ!➡ 197 00:17:01,961 --> 00:17:04,964 誰ぞ 早う! この者を斬れ! そんな。 198 00:17:04,964 --> 00:17:09,969 お寺の中で 殺生は禁物。 (小太郎)ならば 私が! 199 00:17:09,969 --> 00:17:11,971 (一同)うわっ! 200 00:17:11,971 --> 00:17:19,979 ♬~ 201 00:17:19,979 --> 00:17:22,982 小太郎さま。 お静まりを。 202 00:17:22,982 --> 00:17:25,985 えーい! 放せ! 放しませぬ。 203 00:17:25,985 --> 00:17:30,990 人の命の重みを お感じくだされ。 204 00:17:30,990 --> 00:17:46,005 ♬~ 205 00:17:46,005 --> 00:18:03,956 (泣き声) 206 00:18:03,956 --> 00:18:07,960 泣かないで。 おさよちゃん。 207 00:18:07,960 --> 00:18:11,964 私たちが あの鳥を 捜しに行ってきますから。 208 00:18:11,964 --> 00:18:13,964 (一同)「たち」? 209 00:18:16,969 --> 00:18:22,975 おーい! お鳥さま! 210 00:18:22,975 --> 00:18:28,981 (一同)お鳥さま。 お鳥さま。 おーい。 211 00:18:28,981 --> 00:18:33,986 そういえば あの鳥 何という 名前なんでしょう? 212 00:18:33,986 --> 00:18:39,992 (一同)おーい。 お鳥さま。 おーい。 213 00:18:39,992 --> 00:18:41,994 皆さん。 どうしたんです? 214 00:18:41,994 --> 00:18:45,998 おさよちゃんのためにも 鳥を捜しましょう! 215 00:18:45,998 --> 00:18:48,934 ふん。 ふん。 ふーん。 216 00:18:48,934 --> 00:18:51,937 ふん。 ふん。 ふん。 ふん。 ふん。 217 00:18:51,937 --> 00:18:55,941 うわあー! クモ! うわっ! うわっ! 218 00:18:55,941 --> 00:18:59,945 (一同)ハハハ。 熊なら まだしも クモごときで。 219 00:18:59,945 --> 00:19:02,948 (物音) (黙念)何か いる! 220 00:19:02,948 --> 00:19:05,948 (一同)うわー。 221 00:19:09,955 --> 00:19:12,958 (一同)うわあー!➡ 222 00:19:12,958 --> 00:19:18,964 やだ。 怖い。 怖いし。 死んだふり。 死んだふり。 223 00:19:18,964 --> 00:19:21,967 (小太郎)フフフ。 尻もちとは 情けない。 224 00:19:21,967 --> 00:19:25,971 (一同)うん? えっ? 小太郎さま!? 225 00:19:25,971 --> 00:19:31,977 なぜ ここに? もしかして 鳥を捜しに? 226 00:19:31,977 --> 00:19:34,980 ふん。 では 一緒に行きましょう。 227 00:19:34,980 --> 00:19:37,983 (陳念)えー! 一緒に行くのか? 228 00:19:37,983 --> 00:19:41,987 (天念)おさよちゃんの にぎり飯 五つしか ないぞ。 229 00:19:41,987 --> 00:19:47,927 (陳念)うんうん。 でも 一人は 危ないですし。 230 00:19:47,927 --> 00:19:52,932 あっ。 小太郎さま。 あの鳥の名は 何というのです? 231 00:19:52,932 --> 00:19:56,932 名を呼べば 近寄ってくるかもしれません。 232 00:19:58,938 --> 00:20:03,943 言いとうない。 私は 一人で 大丈夫じゃ。 233 00:20:03,943 --> 00:20:08,943 わがままなんだよな。 234 00:21:42,975 --> 00:21:46,979 (一同)うわー! うわー! 235 00:21:46,979 --> 00:21:52,985 (秀念)前を見るなよ! 見たら 怖くなるばかりだ! 236 00:21:52,985 --> 00:21:57,990 それを言うなら 「下を見るな」ですよ。 秀念さん。 237 00:21:57,990 --> 00:22:06,999 うわー! うわっ! (一同)ああー! うわー! 238 00:22:06,999 --> 00:22:12,004 うわー! (一同)一休! 239 00:22:12,004 --> 00:22:16,008 一休み 一休み。 240 00:22:16,008 --> 00:22:21,013 (一同)休んでる場合か! うわあー! ああー! 241 00:22:21,013 --> 00:22:25,013 ああ。 怖かった。 242 00:22:30,022 --> 00:22:34,026 うわっ。 (一同)うわあー!➡ 243 00:22:34,026 --> 00:22:41,050 うわあー! 逃げろ! うわー! 244 00:22:41,050 --> 00:22:58,984 ♬~ 245 00:22:58,984 --> 00:23:01,987 あっ あっ あっ。 246 00:23:01,987 --> 00:23:08,994 あっ。 ほおー。 助かった。 ハァー。 247 00:23:08,994 --> 00:23:16,001 小太郎さまも どうぞ。 (小太郎)腹は 減ってはおらぬ。 248 00:23:16,001 --> 00:23:19,004 (おなかの鳴る音) (小太郎)あっ。 249 00:23:19,004 --> 00:23:21,006 さあ。 いらん。 250 00:23:21,006 --> 00:23:24,009 (黙念)もう いい。 ほっておけ! (秀念)うん。 251 00:23:24,009 --> 00:23:28,013 ≪ほっとけ ほっとけ もう。 もしや 小太郎さま。 252 00:23:28,013 --> 00:23:31,016 私の分が なくなると 心配してくださってるのでは? 253 00:23:31,016 --> 00:23:35,020 ≪えっ? で あれば こうして。 254 00:23:35,020 --> 00:23:38,020 はい。 どうぞ。 255 00:23:40,993 --> 00:23:44,993 えーい。 しつこいやつじゃ。 256 00:23:46,865 --> 00:23:51,870 おいしいでしょ? まずい。 257 00:23:51,870 --> 00:23:53,872 (陳念)やっぱり かわいくないなぁ。 258 00:23:53,872 --> 00:23:56,872 (黙念)まったくだ。 259 00:24:00,879 --> 00:24:04,883 何? 小太郎が おらぬ? 拙者が 付いていながら➡ 260 00:24:04,883 --> 00:24:07,886 申し訳ございませぬ。 261 00:24:07,886 --> 00:24:14,893 (和尚)おそらく 一休たちと 山に入られたのでしょう。 262 00:24:14,893 --> 00:24:20,899 鳥を捜しに。 鳥を? 263 00:24:20,899 --> 00:24:32,911 ♬~ 264 00:24:32,911 --> 00:24:39,911 何か 訳が おありのようですな。 265 00:24:45,958 --> 00:24:49,958 (黙念)気を付けろ。 前は 谷だ。 266 00:24:52,965 --> 00:24:55,965 もうちょっとだ。 よし。 267 00:24:57,970 --> 00:25:01,974 ほおー。 ハァー。 268 00:25:01,974 --> 00:25:03,974 ハァー。 269 00:25:08,981 --> 00:25:10,981 (小太郎)あっ! うわー! あっ!? 270 00:27:36,962 --> 00:27:38,964 (小太郎)あっ! うわー! あっ!? 271 00:27:38,964 --> 00:27:41,967 (一同)あっ。 272 00:27:41,967 --> 00:27:45,971 うーん。 くっ くっ くっ…。 273 00:27:45,971 --> 00:27:48,971 (一同)頑張れ。 頑張れ。 274 00:27:54,980 --> 00:27:58,984 あっ。 あっ。 くっ。 (小太郎)あっ。 275 00:27:58,984 --> 00:28:00,986 あっ。 276 00:28:00,986 --> 00:28:10,996 ♬~ 277 00:28:10,996 --> 00:28:13,999 一休 頑張れ。 (天念)一休 頑張れ。 278 00:28:13,999 --> 00:28:20,999 うーん。 くっ。 うーん。 (一同)一休。 一休 頑張れ。 279 00:28:26,011 --> 00:28:30,015 皆さん。 ありがとうございました。 280 00:28:30,015 --> 00:28:34,015 (秀念)小太郎さまも 無事で 何より。 281 00:28:35,954 --> 00:28:37,956 (小太郎)なぜ 助けた? 282 00:28:37,956 --> 00:28:42,961 私は そなたたちの友を 斬れと言ったのに。 283 00:28:42,961 --> 00:28:46,965 でも なさいませんでした。 284 00:28:46,965 --> 00:28:51,965 小太郎さまなら やろうと思えば やれたのにな。 285 00:28:55,974 --> 00:28:59,978 お鳥さま 早く 見つかると いいですね。 286 00:28:59,978 --> 00:29:03,982 大切な鳥なのでしょう? 287 00:29:03,982 --> 00:29:15,994 ♬~ 288 00:29:15,994 --> 00:29:22,000 あの鳥は 父上から 頂いたのじゃ。 289 00:29:22,000 --> 00:29:29,007 まだ 会ったことのない 父上から。 (一同)えっ? 290 00:29:29,007 --> 00:29:33,028 だから あの鳥と 一緒にいれば➡ 291 00:29:33,028 --> 00:29:37,028 父上が 私と 気付いてくださる気がして。 292 00:29:43,955 --> 00:29:46,958 何としても 見つけましょう。 293 00:29:46,958 --> 00:30:04,976 ♬~ 294 00:30:04,976 --> 00:30:09,981 上様。 なぜ 御自ら? 295 00:30:09,981 --> 00:30:13,985 お前も いずれ 分かる。 296 00:30:13,985 --> 00:30:16,985 父になればのう。 297 00:30:21,993 --> 00:30:26,998 (秀念)お鳥さま。 おーい。 お鳥さま。 298 00:30:26,998 --> 00:30:30,998 (陳念)小太郎さま。 お鳥さま。 299 00:30:36,942 --> 00:30:39,945 おーい。 (陳念)お鳥さま。 300 00:30:39,945 --> 00:30:44,950 (黙念)お鳥さま。 (秀念)お鳥さま。 301 00:30:44,950 --> 00:30:50,956 (陳念)小太郎さま。 やっぱり 鳥の名を呼ぶのは 嫌ですか? 302 00:30:50,956 --> 00:30:53,956 (天念) 応えてくれるかもしれないよ。 303 00:30:56,962 --> 00:31:00,962 分かった。 呼んでみる。 304 00:31:04,970 --> 00:31:08,970 父上! (一同)えっ? 305 00:31:12,978 --> 00:31:14,980 父上! 306 00:31:14,980 --> 00:31:17,980 ≪(小太郎)父上! 307 00:31:25,991 --> 00:31:29,995 父上! 308 00:31:29,995 --> 00:31:33,932 ≪「遊ぼう 遊ぼう」 309 00:31:33,932 --> 00:31:38,937 遊ぼう? (小太郎)あっちだ。 310 00:31:38,937 --> 00:31:41,937 父上。 父上。 311 00:31:45,944 --> 00:31:51,944 父上。 父上。 312 00:31:53,952 --> 00:31:55,952 ≪「遊ぼう 遊ぼう」 313 00:31:59,958 --> 00:32:03,962 (一同)いた! やった。 314 00:32:03,962 --> 00:32:07,962 (一同)せーの。 (秀念)よいしょっと。 315 00:32:09,968 --> 00:32:11,968 (小太郎)父上。 316 00:32:18,977 --> 00:32:22,977 (一同)やった。 よかった。 317 00:32:27,986 --> 00:32:31,986 (さよ)よかった。 見つかったのね。 うん。 318 00:32:33,925 --> 00:32:38,930 さっきは すまぬ。 319 00:32:38,930 --> 00:32:42,930 私こそ ごめんなさい。 320 00:32:47,939 --> 00:32:52,944 本当に よかったですね。 大切な鳥が 戻ってきて。 321 00:32:52,944 --> 00:32:57,949 ああ。 無事で よかった。 322 00:32:57,949 --> 00:32:59,949 ≪お前ものう。 323 00:33:03,955 --> 00:33:08,955 本当に 無事で 何よりじゃ。 324 00:33:23,975 --> 00:33:27,979 そもさん! せっぱ。 325 00:33:27,979 --> 00:33:32,979 子には 登れても 父には 登れないものは? 326 00:33:38,923 --> 00:33:44,923 父親には 見えませんが 子供には 見えるものです。 327 00:33:52,937 --> 00:33:55,937 それは…。 328 00:34:02,947 --> 00:34:05,947 ついてまいれ。 329 00:34:14,959 --> 00:34:20,965 子には 登れても 父には 登れぬもの。 330 00:34:20,965 --> 00:34:24,965 それは 父の背中じゃ。 331 00:34:28,973 --> 00:34:31,976 そうであろう? 332 00:34:31,976 --> 00:34:41,920 ♬~ 333 00:34:41,920 --> 00:34:51,930 ♬~ 334 00:34:51,930 --> 00:34:53,932 父上。 335 00:34:53,932 --> 00:34:56,932 そなたの父は この わしじゃ! 336 00:34:58,937 --> 00:35:03,942 遊ぼと 言いたいときは この わしに言え。 337 00:35:03,942 --> 00:35:17,956 ♬~ 338 00:35:17,956 --> 00:35:25,956 寂しい思いをさせたのう。 すまぬ。 339 00:35:29,968 --> 00:35:35,907 父上。 父上。 340 00:35:35,907 --> 00:35:50,922 ♬~ 341 00:35:50,922 --> 00:35:55,927 小太郎さまは 将軍さまに 遊んでほしかったのですね。 342 00:35:55,927 --> 00:35:59,931 それで いつも あの鳥に➡ 343 00:35:59,931 --> 00:36:04,931 「父上 遊ぼ」と 話し掛けていらっしゃったのですね。 344 00:36:12,944 --> 00:36:17,949 訳あって 親子と 名乗り合えないのは➡ 345 00:36:17,949 --> 00:36:20,952 私だけじゃないのですね。 346 00:36:20,952 --> 00:36:25,952 (和尚)名乗らぬのも それ また 愛情。 347 00:36:27,959 --> 00:36:35,959 今の お前には ちと まだ 難しいかもしれんがのう。 348 00:36:41,906 --> 00:36:48,913 母上さま。 私 覚えていますよ。 349 00:36:48,913 --> 00:36:55,920 小さいころ 母上さまが たくさん 遊んでくれたこと。 350 00:36:55,920 --> 00:37:02,927 その思い出が 心に いっぱい 詰まっているので➡ 351 00:37:02,927 --> 00:37:07,927 私は ちっとも さみしくありません。 352 00:37:10,935 --> 00:37:15,940 <この時代 みかどや 将軍には たくさん 子供がいましたが➡ 353 00:37:15,940 --> 00:37:19,944 争いの火種に ならないように 親子と名乗らず➡ 354 00:37:19,944 --> 00:37:24,944 離れ離れに暮らす場合も 多かったのです> 355 00:37:31,956 --> 00:37:36,961 これ 一休。 遊びに来てやったぞ。 喜ぶがよい。 356 00:37:36,961 --> 00:37:38,963 小太郎さま? 357 00:37:38,963 --> 00:37:41,966 おい。 陳念。 まりを持て。 (陳念)へっ? 358 00:37:41,966 --> 00:37:45,970 おさよは にぎり飯を。 あれは なかなか 美味であった。 359 00:37:45,970 --> 00:37:47,972 はっ? (陳念)やれやれ。 360 00:37:47,972 --> 00:37:49,974 (黙念) また わがままが始まったか。 361 00:37:49,974 --> 00:37:54,979 (天念)変わってないな 小太郎さま。 (秀念)相変わらず かわいくない。 362 00:37:54,979 --> 00:37:58,983 (一同)ハハハ。 363 00:37:58,983 --> 00:38:03,988 小太郎さま。 遊ぼ。 うん。 364 00:38:03,988 --> 00:38:07,992 (一同)小太郎さま 遊ぼう。 小太郎さま 遊ぼう。 遊ぼう。 365 00:38:07,992 --> 00:38:10,995 何して 遊ぶ? (小太郎)馬になれ。 366 00:38:10,995 --> 00:38:13,998 (一同)えっ!? また? 367 00:38:13,998 --> 00:38:15,998 (小太郎)嘘じゃ。 368 00:38:20,004 --> 00:38:25,009 ≪(和尚)これ。 一休。 はーい。 369 00:38:25,009 --> 00:38:30,009 慌てない 慌てない。 一休み 一休み。 370 00:38:33,952 --> 00:38:38,957 えい。 はっ。 はっ。 はっ。 はっ。 371 00:38:38,957 --> 00:38:43,962 <一休さんの お目付け役の 新右衛門さんは 剣の達人> 372 00:38:43,962 --> 00:38:46,965 <今日も お得意の武芸に 励んでいます> 373 00:38:46,965 --> 00:38:49,965 <ところが…> 374 00:38:54,973 --> 00:38:56,973 ハァー。 375 00:39:01,980 --> 00:39:10,989 ♬~ 376 00:39:10,989 --> 00:39:13,989 何と かれんな。 377 00:39:20,999 --> 00:39:24,999 <どうも いつもと 様子が違うようで> 378 00:39:27,005 --> 00:39:29,005 美しい。 379 00:39:31,009 --> 00:39:34,946 変ですね 新右衛門さん。 (さよ)ホントよね。➡ 380 00:39:34,946 --> 00:39:38,950 ぼうっとしちゃって。 (天念)あれは 腹が減ってるな。 381 00:39:38,950 --> 00:39:40,952 (陳念)お前じゃあるまいし。 382 00:39:40,952 --> 00:39:42,954 (秀念)ちょっと お顔が赤くないか? 383 00:39:42,954 --> 00:39:44,956 (黙念)病なのでは? 384 00:39:44,956 --> 00:39:48,956 私 和尚さまを呼んできます。 385 00:39:54,966 --> 00:39:57,969 あそこです。 新右衛門さんが 大変なんです。 386 00:39:57,969 --> 00:39:59,971 (和尚)どれ。 387 00:39:59,971 --> 00:40:04,976 (さよ)うーん。 何か お顔が赤いし。 388 00:40:04,976 --> 00:40:07,976 息も苦しげですし。 389 00:40:09,981 --> 00:40:14,981 急に 涙ぐんだりもする。 うーん。 390 00:40:16,988 --> 00:40:20,992 恐ろしい病でしょうか? 391 00:40:20,992 --> 00:40:24,996 (和尚)こりゃ 重症じゃな。 392 00:40:24,996 --> 00:40:26,998 (一同)えっ!? 393 00:40:26,998 --> 00:40:29,000 (さよ)新右衛門さん 死んじゃうの? 394 00:40:29,000 --> 00:40:32,003 (天念)そんな! (陳念)嫌だよ! 395 00:40:32,003 --> 00:40:35,940 新右衛門さん 死なないで。 (さよ)新右衛門さん。 396 00:40:35,940 --> 00:40:37,942 (秀念)新右衛門さん。 (天念)新右衛門さん。 397 00:40:37,942 --> 00:40:40,945 (一同)新右衛門さん。 新右衛門さん…。 398 00:40:40,945 --> 00:40:42,945 えっ? (一同)新右衛門さん。 399 00:42:17,008 --> 00:42:19,010 拙者の顔が 赤い? (さよ)ええ。 とっても。 400 00:42:19,010 --> 00:42:22,013 それは それは 苦しそうです。 401 00:42:22,013 --> 00:42:31,022 いやー。 あっ。 確かに 近ごろ ちょっと おかしいのでござる。 402 00:42:31,022 --> 00:42:40,031 胸が きゅんと 痛んだり 突然 どぎまぎしたり。 403 00:42:40,031 --> 00:42:44,035 やはり これは 病でござるか? 404 00:42:44,035 --> 00:42:50,041 いや。 それは 春じゃな。 春? 405 00:42:50,041 --> 00:42:53,044 (一同)春? (和尚)春は 春でも➡ 406 00:42:53,044 --> 00:42:56,047 人生の春じゃ。➡ 407 00:42:56,047 --> 00:43:03,054 寝ても うつつ。 覚めても うつつ。 408 00:43:03,054 --> 00:43:08,059 そんなところでは ないかな? まさに。 409 00:43:08,059 --> 00:43:13,064 和尚さま。 人生の春とは どんな病なのですか? 410 00:43:13,064 --> 00:43:17,001 (和尚)新右衛門殿のことは わしに任せて➡ 411 00:43:17,001 --> 00:43:22,001 お前たちは お昼の お勤めに 励みなさい。 412 00:43:26,010 --> 00:43:31,010 (和尚)それは いつからですかな? 413 00:43:33,017 --> 00:43:36,020 歌貝の儀からでござる。 414 00:43:36,020 --> 00:43:38,022 (女性)《「春 過ぎて」》 415 00:43:38,022 --> 00:43:43,027 <その昔 歌貝という 百人一首のような 遊びがあり➡ 416 00:43:43,027 --> 00:43:48,027 身分の高い 男女の間で はやっていました> 417 00:43:51,035 --> 00:44:03,047 (女性)《「君がため 春の野に いでて 若菜 摘む」》 418 00:44:03,047 --> 00:44:06,050 《ウフフ》 419 00:44:06,050 --> 00:44:16,050 (女性)《「わが衣手に 雪は 降りつつ」》 420 00:44:18,996 --> 00:44:25,002 《貞行殿。 拙者 かような 上品な席は 苦手でござる》 421 00:44:25,002 --> 00:44:29,006 《まあ そう言わずに》 422 00:44:29,006 --> 00:44:35,012 《その方も もう よい年じゃ。 そろそろ 身を固めねばのう》 423 00:44:35,012 --> 00:44:43,020 《その言葉 そっくり そのまま お返しいたす》 424 00:44:43,020 --> 00:44:45,022 (せきばらい) 425 00:44:45,022 --> 00:44:48,025 《わしは そちとは違って 引く手 あまたじゃ》 426 00:44:48,025 --> 00:44:52,029 《ああ。 それにしては いつまで たっても お独りですな》 427 00:44:52,029 --> 00:44:57,034 (せきばらい) 428 00:44:57,034 --> 00:45:02,039 《はい?》 《それにしても。 見よ 月姫を》➡ 429 00:45:02,039 --> 00:45:05,042 《控えめにしてはおるが➡ 430 00:45:05,042 --> 00:45:10,047 それでも におい たつ あの色香》 431 00:45:10,047 --> 00:45:15,986 《あいにく 拙者の目には 皆さま 同じに見えまする》 432 00:45:15,986 --> 00:45:18,986 (女性)《キャー! クモ!》 433 00:45:22,993 --> 00:45:25,993 (一同)《おおー》 434 00:45:40,010 --> 00:45:43,013 (一同)《おおー》 《できる》 435 00:45:43,013 --> 00:45:46,016 《はっ?》 《かような めでたい席故に➡ 436 00:45:46,016 --> 00:45:50,020 クモを殺さず 峰打ちに》 437 00:45:50,020 --> 00:45:55,025 《なるほど。 剣の達人とは 聞いておったが➡ 438 00:45:55,025 --> 00:45:57,027 これほどとは》 《うん》 439 00:45:57,027 --> 00:45:59,029 (月姫)《ご無礼を》 440 00:45:59,029 --> 00:46:03,033 《ぜひ 一度 手合わせ 願いたいものじゃ》 441 00:46:03,033 --> 00:46:07,037 《ああ。 何?》 442 00:46:07,037 --> 00:46:16,981 ♬~ 443 00:46:16,981 --> 00:46:22,987 《何と りりしき 足さばき》 444 00:46:22,987 --> 00:46:24,989 《あっ》 445 00:46:24,989 --> 00:46:30,995 拙者 あの月姫の➡ 446 00:46:30,995 --> 00:46:39,003 りんとした お姿が 忘れられないのでござる。 447 00:46:39,003 --> 00:46:45,009 それぞ まさしく 人生の春。 448 00:46:45,009 --> 00:46:52,009 恋ですな。 恋!? 449 00:46:54,018 --> 00:46:58,018 これが 恋! 450 00:47:05,029 --> 00:47:07,031 恋をした! 451 00:47:07,031 --> 00:47:11,035 えー! 新右衛門さんが 恋!? (黙念)それは 誠なのか? 452 00:47:11,035 --> 00:47:13,037 (陳念)和尚さまが そう言ってた。 453 00:47:13,037 --> 00:47:15,055 あの。 恋って 何です? 454 00:47:15,055 --> 00:47:17,975 (秀念)そりゃ お前。 恋っていうのはな。 455 00:47:17,975 --> 00:47:19,977 (天念)池にいる あれだろ? (陳念)ああ。 456 00:47:19,977 --> 00:47:22,980 (天念)うまいのかな? (黙念)その コイじゃない。 457 00:47:22,980 --> 00:47:25,983 (さよ・天念)えっ? うん? (さよ)じゃあ 何なの? 458 00:47:25,983 --> 00:47:31,989 (秀念)だから 恋というのはだな➡ 459 00:47:31,989 --> 00:47:36,994 誰かを 好きになるっていうことだ。 460 00:47:36,994 --> 00:47:38,996 (一同)えー! 461 00:47:38,996 --> 00:47:40,998 (さよ)おじい。 (吾作)うん? 462 00:47:40,998 --> 00:47:45,002 (さよ)あのね。 新右衛門さんが 恋だって。 463 00:47:45,002 --> 00:47:51,008 (吾作)そうか。 恋か。 そりゃ ありがてえな。➡ 464 00:47:51,008 --> 00:47:55,012 って 恋? (さよ)うん。 465 00:47:55,012 --> 00:47:57,014 (吾作)おさよ。➡ 466 00:47:57,014 --> 00:48:01,018 お前 恋が 何だか 知ってるんか? 467 00:48:01,018 --> 00:48:04,021 知ってるよ。 誰かのことを 好きになって➡ 468 00:48:04,021 --> 00:48:07,021 胸が苦しくなる 病でしょ。 469 00:48:09,026 --> 00:48:14,031 (吾作)お前には まだ 早え。 おさよには まだ 早えぞ! 470 00:48:14,031 --> 00:48:15,966 えっ? 471 00:48:15,966 --> 00:48:19,970 (吾作)ううー。 おさよ! (さよ)えっ? 472 00:48:19,970 --> 00:48:29,980 好き。 嫌い。 好き。 嫌い。 好き。 473 00:48:29,980 --> 00:48:32,980 嫌い!? 474 00:48:38,989 --> 00:48:44,995 大丈夫ですか? 新右衛門さん。 好き。 嫌い。 475 00:48:44,995 --> 00:48:48,999 何だか 苦しそうですよ。 476 00:48:48,999 --> 00:48:54,004 苦しいといえば 苦しいでござるが。 477 00:48:54,004 --> 00:49:00,010 人を好きになるって 苦しいことなのですね。 478 00:49:00,010 --> 00:49:03,013 いかにも。 479 00:49:03,013 --> 00:49:12,022 それにつけても あの姫の いとおしさ。 480 00:49:12,022 --> 00:49:17,962 (吾作)蜷川さま! 将軍さまから 書状が届きましただ。 481 00:49:17,962 --> 00:49:20,962 上様から? 482 00:49:24,969 --> 00:49:26,971 フゥー。 483 00:49:26,971 --> 00:49:29,974 お呼びでしょうか? 新右衛門。 484 00:49:29,974 --> 00:49:33,978 聞けば その方 歌貝の席で 貝を合わせるどころか➡ 485 00:49:33,978 --> 00:49:35,980 手合わせ 願いたいと 抜かしたそうな。 486 00:49:35,980 --> 00:49:39,984 えっ? フフフ。 487 00:49:39,984 --> 00:49:44,989 その方のためを思い わざわざ 場を設けてやったというのに➡ 488 00:49:44,989 --> 00:49:49,994 余は 非常に 不愉快じゃ。 あっ。 いやはや。 489 00:49:49,994 --> 00:49:52,997 フッ。 フフフ。 490 00:49:52,997 --> 00:49:56,000 よって その方に 見合いを命ずる。 491 00:49:56,000 --> 00:49:58,002 はっ? 見合いでございますか? 492 00:49:58,002 --> 00:50:03,007 貞行なぞは もう 5回も 経験しておるぞ。 493 00:50:03,007 --> 00:50:05,007 いつも 振られておるがのう。 494 00:52:03,994 --> 00:52:12,002 うーん。 困ったのう。 見合いなど 柄ではないし。 495 00:52:12,002 --> 00:52:17,007 いかにして 断れば よいものか。 496 00:52:17,007 --> 00:52:23,007 うーん。 困ったのう。 497 00:52:31,021 --> 00:52:36,021 新右衛門 困っておる。 498 00:52:38,028 --> 00:52:42,028 困った 困った。 困ったのう。 499 00:52:45,035 --> 00:52:55,045 (息を吹き掛ける音) 500 00:52:55,045 --> 00:52:58,045 ハァー。 501 00:53:05,989 --> 00:53:08,989 フゥー。 502 00:53:15,999 --> 00:53:18,999 駄目だ。 503 00:53:23,006 --> 00:53:27,010 あのう。 504 00:53:27,010 --> 00:53:33,016 おっと。 これは ご無礼。 邪魔をしてしまいましたかのう。 505 00:53:33,016 --> 00:53:38,021 それより どうしたんですか? 聞いてくだされ。 一休殿。 506 00:53:38,021 --> 00:53:44,027 拙者 上様に 見合いを命じられ はなはだ 困り果てているしだい。 507 00:53:44,027 --> 00:53:48,031 お見合い? そうでござる。 508 00:53:48,031 --> 00:53:53,036 拙者には 心に決めた人が いるというのに。 509 00:53:53,036 --> 00:53:58,041 おっ。 おおー。 510 00:53:58,041 --> 00:54:03,981 何ぞ 見合いを断る いい知恵はござらんか? 511 00:54:03,981 --> 00:54:07,985 簡単ですよ。 えっ? 512 00:54:07,985 --> 00:54:12,990 <そして 新右衛門さんの お見合いの日> 513 00:54:12,990 --> 00:54:14,992 (桔梗屋)ありがとうございます。➡ 514 00:54:14,992 --> 00:54:18,996 さあさあ 人気の 一休まんじゅうですよ。➡ 515 00:54:18,996 --> 00:54:24,001 さあさあ。 おまんじゅうは いかがですか? 516 00:54:24,001 --> 00:54:27,004 (弥生)まあ 新右衛門さん。 怖い お顔。 517 00:54:27,004 --> 00:54:30,007 (桔梗屋)そういうときには ほっこり うまい➡ 518 00:54:30,007 --> 00:54:33,010 一休まんじゅうで お顔も ほっこり。 519 00:54:33,010 --> 00:54:36,013 いや。 今日は 結構。 520 00:54:36,013 --> 00:54:38,015 新右衛門さん 今日は 笑っちゃ駄目なんです。 521 00:54:38,015 --> 00:54:40,017 何ですと? 一休まんじゅう。 522 00:54:40,017 --> 00:54:43,020 それをいうなら 一休さんでしょ? 523 00:54:43,020 --> 00:54:46,023 ああ。 そうだった そうだった。 524 00:54:46,023 --> 00:54:50,027 (弥生・桔梗屋)フフフ。 ハハハ。 ハハハ。 525 00:54:50,027 --> 00:54:53,030 ああ。 いかん いかん。 うーん。 しかめっ面 しかめっ面。 526 00:54:53,030 --> 00:54:57,034 そうですよ。 怖い顔 怖い顔。 うん。 527 00:54:57,034 --> 00:54:59,034 うん。 うん。 528 00:55:02,973 --> 00:55:07,978 ほい。 ほい。 ほい。 ほい。 お侍さま。 529 00:55:07,978 --> 00:55:10,981 おいしい おまんじゅうは いかがでございますか? 530 00:55:10,981 --> 00:55:12,983 蒸したてですよ。 (直正)あっ。 531 00:55:12,983 --> 00:55:18,989 (直正)あいにく 持ち合わせが ないので ごめん。 532 00:55:18,989 --> 00:55:22,993 ふん。 大の お侍が まんじゅう 一つ 買えないとはな。 533 00:55:22,993 --> 00:55:27,998 (弥生)世知辛い 世の中ですね。 534 00:55:27,998 --> 00:55:33,003 (桔梗屋)そうだ。 この ご時世だ。 535 00:55:33,003 --> 00:55:38,008 ちょいと 世知辛い しょっぱい まんじゅうは 受けるぞ。 弥生。 536 00:55:38,008 --> 00:55:42,012 さすが お父さま。 (桔梗屋)ウハハ。 537 00:55:42,012 --> 00:55:44,014 シーッ。 538 00:55:44,014 --> 00:55:47,017 うん うん うん うん。 うん うん。 もっと。 539 00:55:47,017 --> 00:55:51,021 (新右衛門・一休)うん うん うん うん うん うん うん。 540 00:55:51,021 --> 00:55:58,028 うん うん。 あれ? あれは 先ほどの。 541 00:55:58,028 --> 00:56:16,980 ♬~ 542 00:56:16,980 --> 00:56:19,980 (新右衛門・一休)あっ! バカな! 543 00:56:21,985 --> 00:56:23,985 新右衛門さん! 544 00:56:25,989 --> 00:56:29,989 落ち着け! 落ち着け! 545 00:56:32,996 --> 00:56:35,999 新右衛門さん。 546 00:56:35,999 --> 00:56:42,005 それにしても なぜ まんじゅう 一つで 身投げなど? 547 00:56:42,005 --> 00:56:44,007 (直正)えっ? 腹が減っているのなら➡ 548 00:56:44,007 --> 00:56:48,011 言ってくだされば よかった。 侍同士ではないか。 549 00:56:48,011 --> 00:56:51,014 あっ いや。 まんじゅうで➡ 550 00:56:51,014 --> 00:56:56,019 身投げしたわけではござらんが かたじけのうござる。 551 00:56:56,019 --> 00:57:00,023 えっ? まんじゅうではござらんのか? 552 00:57:00,023 --> 00:57:03,960 ござらん。 ああ。 それは 失礼した。 553 00:57:03,960 --> 00:57:09,966 しかし 身投げはいかん。 身投げは。 554 00:57:09,966 --> 00:57:13,970 あの。 何か お悩みなのですか? 555 00:57:13,970 --> 00:57:15,972 えっ? 556 00:57:15,972 --> 00:57:20,977 ああ。 こちらは 頓知で 有名な 一休殿じゃ。 557 00:57:20,977 --> 00:57:23,980 何か よい知恵を 授けてくださるかもしれんぞ。 558 00:57:23,980 --> 00:57:29,986 ああー。 かの有名な 一休殿でござったか。 559 00:57:29,986 --> 00:57:32,989 よければ お悩みを 話してください。 560 00:57:32,989 --> 00:57:34,989 ああ。 561 00:57:37,994 --> 00:57:45,001 実は 拙者には 愛を誓い合った 相手がおりまして。 562 00:57:45,001 --> 00:57:48,004 ほう。 人は 見掛けによらんのう。 563 00:57:48,004 --> 00:57:52,008 新右衛門さん。 ああ。 こりゃ 失礼。 564 00:57:52,008 --> 00:57:56,012 そ… それで? 565 00:57:56,012 --> 00:58:02,953 身分違いで 拙者とは 夫婦になれないのでござる。 566 00:58:02,953 --> 00:58:07,953 うん。 じゃが なぜ お主が 身投げを? 567 00:58:13,964 --> 00:58:16,967 どうやら 向こうには➡ 568 00:58:16,967 --> 00:58:20,971 いい縁談の話が 持ち上がってるらしく➡ 569 00:58:20,971 --> 00:58:26,977 私さえ いなくなれば あの方も 踏ん切りがつくかなと。 570 00:58:26,977 --> 00:58:29,980 バカな。 バカとな? 571 00:58:29,980 --> 00:58:35,986 バカだから バカと言っておる。 お主が死んだら 相手が悲しむ。 572 00:58:35,986 --> 00:58:40,991 悲しみのあまり お主の後を 追うかもしれん。 573 00:58:40,991 --> 00:58:43,994 えっ? お侍さまが 死んだりしたら➡ 574 00:58:43,994 --> 00:58:48,999 その方は 幸せになれないと 思いますよ。 575 00:58:48,999 --> 00:58:54,004 身投げするほど 勇気があるなら 何でも できる。 576 00:58:54,004 --> 00:59:00,004 一度きりの人生じゃ。 悔いのないよう 挑もうぞ。 577 00:59:02,946 --> 00:59:06,946 悔いのないよう 挑むか。 578 00:59:08,952 --> 00:59:13,952 確かに。 そう あらねばのう。 579 00:59:19,963 --> 00:59:23,967 ああ。 見れば 晴れ着ではござらぬか。 580 00:59:23,967 --> 00:59:25,969 えっ? 拙者のせいで ぬらしてしまい➡ 581 00:59:25,969 --> 00:59:29,973 申し訳ない。 ああ。 なに。 582 00:59:29,973 --> 00:59:34,978 嫌われに行くには ちょうど よい。 583 00:59:34,978 --> 00:59:39,983 お互い 頑張ろうぞ。 584 00:59:39,983 --> 00:59:43,983 ああ。 ハァー。 585 00:59:50,994 --> 00:59:53,997 (侍女)あのう。 ぶしつけですが➡ 586 00:59:53,997 --> 00:59:57,000 蜷川さまで お間違いないですか? 587 00:59:57,000 --> 01:00:03,940 いかにも。 拙者が 蜷川 新右衛門でござる。 588 01:00:03,940 --> 01:00:07,944 で もって こちらが。 安国寺の 一休です。 589 01:00:07,944 --> 01:00:12,949 (侍女)わあっ! あの頓知で 有名な!? うん? 590 01:00:12,949 --> 01:00:15,952 (侍女)何故 一休殿も ご一緒に? ああ。 591 01:00:15,952 --> 01:00:19,956 拙者 かような席は 不慣れでござる故➡ 592 01:00:19,956 --> 01:00:22,959 一休殿に 助太刀を お願いしたしだいでござる。 593 01:00:22,959 --> 01:00:26,963 ≪ハァー。 何と まあ。➡ 594 01:00:26,963 --> 01:00:29,966 大の男が 子供に 助太刀を 頼むなど。 595 01:00:29,966 --> 01:00:32,969 情けないですよね? うん? 596 01:00:32,969 --> 01:00:35,972 (侍女)えっ? ホント 新右衛門さんって➡ 597 01:00:35,972 --> 01:00:40,977 見掛けによらず 情けなくって クモが怖くて 泣き虫で➡ 598 01:00:40,977 --> 01:00:44,981 お化けが 怖くて 夜は 一人で 眠れないんです。 599 01:00:44,981 --> 01:00:49,986 ≪ウフフ。 それは 誠なのか? 一休殿。 600 01:00:49,986 --> 01:00:54,986 誠ですとも。 ねっ? 新右衛門さん。 601 01:00:56,993 --> 01:00:58,995 そうなんでござるよ。 602 01:00:58,995 --> 01:01:02,932 で もって もっと 怖いのは 母でして。 ハハハ。 603 01:01:02,932 --> 01:01:04,934 ≪何とも 情けない。 604 01:01:04,934 --> 01:01:08,938 それに そこからだと 分かんないでしょうが➡ 605 01:01:08,938 --> 01:01:12,942 足は 臭いし。 臭っ。 606 01:01:12,942 --> 01:01:15,945 鼻毛は 出てるし ひどいんですよ。 607 01:01:15,945 --> 01:01:19,949 いやいや。 そこまでは。 608 01:01:19,949 --> 01:01:23,953 そうですよね? ええ。 まあ。 609 01:01:23,953 --> 01:01:29,959 それから 剣の達人とか いわれてますけど。 610 01:01:29,959 --> 01:01:33,963 実は のろまで 縄跳びも 跳べないんですよ。 ハハハ。 611 01:01:33,963 --> 01:01:37,967 ≪フフフ。 誠なのか? 蜷川殿。 612 01:01:37,967 --> 01:01:43,973 ええ。 まあ そのとおりでございます! 613 01:01:43,973 --> 01:01:48,973 はい。 新右衛門さん。 はい。 一休殿。 614 01:01:53,983 --> 01:01:59,989 ほっ ほっ ほっ ほっ。 うわっ。 あっ あっ。 ああー。 615 01:01:59,989 --> 01:02:02,992 ほら。 このとおり。 616 01:02:02,992 --> 01:02:06,996 ≪ひどいものじゃのう。 617 01:02:06,996 --> 01:02:12,001 それに いびきは うるさいし 所構わず おならを プッ プッ。 618 01:02:12,001 --> 01:02:17,001 ≪もう よい。 蜷川殿のことは よく 分かった。 619 01:02:19,008 --> 01:02:25,008 ≪すまないが この縁談は なかったことにしていただきたい。 620 01:02:27,016 --> 01:02:34,023 ハァ。 そうでござるか。 まあ そうですよね。 621 01:02:34,023 --> 01:02:39,023 では これにて ごめん。 622 01:02:49,038 --> 01:02:51,038 ≪待たれよ。 623 01:03:01,050 --> 01:03:06,990 ≪見れば ぬれているではないか。 せめて 着替えて お帰りを。 624 01:03:06,990 --> 01:03:08,990 あっ! 625 01:03:12,996 --> 01:03:18,001 (月姫)何か? あっ。 いや。 626 01:03:18,001 --> 01:03:24,007 えー! あの人が 新右衛門さんの 好きな 月姫さまなんですか!? 627 01:03:24,007 --> 01:03:29,007 さよう。 いかにも。 628 01:03:31,014 --> 01:03:36,014 いやはや。 拙者 何と とんちんかんなことを! 629 01:03:38,021 --> 01:03:42,025 新右衛門さん。 今すぐ 戻って 本当の気持ちを 伝えましょう。 630 01:03:42,025 --> 01:03:45,025 もう 遅いでござる。 631 01:03:49,032 --> 01:03:59,032 拙者 月姫殿のことは もう 諦めまする。 632 01:04:03,980 --> 01:04:08,980 新右衛門さん。 見損ないました! 633 01:04:12,989 --> 01:04:15,992 さっき 言ってたじゃないですか。 634 01:04:15,992 --> 01:04:20,997 一度きりの人生じゃ。 悔いのないよう 挑もうぞって。 635 01:04:20,997 --> 01:04:24,997 あの言葉は 嘘だったんですか!? 636 01:06:31,961 --> 01:06:34,964 月姫殿! 月姫殿は おらぬか? 637 01:06:34,964 --> 01:06:39,964 月姫殿! 月姫殿! 638 01:06:42,972 --> 01:06:45,975 もし 先ほどの? 639 01:06:45,975 --> 01:06:47,977 どうされたのじゃ? こんなところで。 640 01:06:47,977 --> 01:06:51,981 いや。 お主こそ。 641 01:06:51,981 --> 01:06:56,986 いや。 その方の言葉が 胸に刺さってのう。 642 01:06:56,986 --> 01:07:00,986 逃げずに 姫を 迎えに参ったしだい。 643 01:07:02,992 --> 01:07:07,997 ≪(月姫)何じゃ? 騒々しい。 644 01:07:07,997 --> 01:07:11,000 直正さま。 645 01:07:11,000 --> 01:07:16,000 月姫。 お迎えに上がりました。 646 01:07:20,009 --> 01:07:25,009 もう 遅い。 遅過ぎじゃ! 647 01:07:27,016 --> 01:07:32,016 先ほど こちらの 蜷川さまとの 縁談が まとまったのじゃ。 648 01:07:37,960 --> 01:07:41,964 (直正)それは 誠でござるか? 649 01:07:41,964 --> 01:07:44,964 いや。 それは…。 (月姫)誠じゃ。 650 01:07:51,974 --> 01:07:58,974 で あれば おっしゃるとおり 遅過ぎた。 651 01:08:00,983 --> 01:08:02,983 ごめん。 652 01:08:05,988 --> 01:08:07,988 待たれよ! 653 01:08:09,992 --> 01:08:16,992 一度きりの人生 悔いのないよう 挑むのではなかったのか? 654 01:08:19,001 --> 01:08:23,005 なのに どうして 引き下がる? 655 01:08:23,005 --> 01:08:30,947 その方は 命の恩人。 刀を合わせたくはない。 656 01:08:30,947 --> 01:08:33,950 お主は バカか? 657 01:08:33,950 --> 01:08:36,953 バカとな? バカだから バカと言っておる。 658 01:08:36,953 --> 01:08:42,959 この大バカ者が。 おのれ! 659 01:08:42,959 --> 01:08:44,961 こい! 660 01:08:44,961 --> 01:08:53,970 拙者を負かせば 姫は譲ってやる。 じゃが 拙者が勝てば 姫は頂く。 661 01:08:53,970 --> 01:08:56,970 望むところだ。 662 01:09:17,994 --> 01:09:19,994 直正さま! 663 01:09:22,999 --> 01:09:24,999 (直正)うわー! 664 01:09:30,940 --> 01:09:32,942 (月姫)私が 相手じゃ。 えっ!? 665 01:09:32,942 --> 01:09:34,942 えっ!? 666 01:09:37,947 --> 01:09:41,947 覚悟! やっ! はっ! 667 01:09:46,956 --> 01:09:48,958 本気でござるか? 668 01:09:48,958 --> 01:09:50,960 本気じゃ。 ならば 手加減は しませんぞ。 669 01:09:50,960 --> 01:09:54,964 拙者が勝てば 言うことを 聞いていただく。 670 01:09:54,964 --> 01:09:56,966 望むところじゃ! 671 01:09:56,966 --> 01:10:11,981 ♬~ 672 01:10:11,981 --> 01:10:13,983 やあ! (月姫)ああっ! 673 01:10:13,983 --> 01:10:15,983 月姫! 674 01:10:18,988 --> 01:10:22,988 拙者の勝ち。 勝負 ありじゃ。 675 01:10:47,950 --> 01:10:50,953 蜷川さま? 676 01:10:50,953 --> 01:11:03,966 ♬~ 677 01:11:03,966 --> 01:11:06,969 幸せにのう。 678 01:11:06,969 --> 01:11:26,989 ♬~ 679 01:11:26,989 --> 01:11:37,934 ♬~ 680 01:11:37,934 --> 01:11:41,938 新右衛門さん。 カッコ良かったです。 681 01:11:41,938 --> 01:11:46,943 ヘヘヘ。 とんでもない。 682 01:11:46,943 --> 01:11:50,943 いいえ。 カッコ良かったですよ。 683 01:11:57,954 --> 01:12:05,962 本当に 好きだったんですね。 月姫さまのこと。 684 01:12:05,962 --> 01:12:09,966 いや。 なに。 685 01:12:09,966 --> 01:12:15,972 ほんの少し 春風に 吹かれたほどのことでござるよ。 686 01:12:15,972 --> 01:12:17,974 フゥー。 (弥生)おいしい おまんじゅうは➡ 687 01:12:17,974 --> 01:12:20,977 いかがです? 新作ですよ。 688 01:12:20,977 --> 01:12:23,977 1個 下さい。 (弥生)どうぞ。 689 01:12:30,002 --> 01:12:34,002 おまんじゅうでも 食べて 元気 出してください。 690 01:12:47,937 --> 01:12:50,940 これは いかに? 691 01:12:50,940 --> 01:12:54,944 いつもは 甘く感じる まんじゅうが➡ 692 01:12:54,944 --> 01:12:58,944 今日は しょっぱく 感じまする。 693 01:13:06,956 --> 01:13:08,958 (泣き声) 694 01:13:08,958 --> 01:13:12,962 新右衛門さん。 泣いてるんですか? 695 01:13:12,962 --> 01:13:16,962 バカな! まんじゅうのせいでござろう。 696 01:13:19,969 --> 01:13:24,974 ああ。 しょっぱい。 ああ! しょっぱい! 697 01:13:24,974 --> 01:13:27,974 何て しょっぱい まんじゅうじゃ! 698 01:13:30,913 --> 01:13:34,913 しょっぱい。 しょっぱい。 699 01:13:36,919 --> 01:13:38,921 お代わりを 頼む! (弥生)はい はい はい。➡ 700 01:13:38,921 --> 01:13:42,925 はーい。 はい。 どうぞ。 はい。 一休さんも。 701 01:13:42,925 --> 01:13:45,925 ありがとうございます。 702 01:13:47,930 --> 01:13:50,933 やはり 当たったな。 703 01:13:50,933 --> 01:13:54,937 人生のように しょっぱい 世知辛い まんじゅうが。 704 01:13:54,937 --> 01:13:57,937 さすが お父さまですわ。 705 01:13:59,942 --> 01:14:05,942 うわー。 しょっぱい。 ウハハ。 (弥生)オホホ。 706 01:14:12,955 --> 01:14:17,960 ≪一休殿! 一大事でござる! はーい。 707 01:14:17,960 --> 01:14:22,960 慌てない 慌てない。 一休み 一休み。 708 01:14:25,968 --> 01:14:28,971 (桔梗屋)さあ。 押さないで 押さないで。 ねっ?➡ 709 01:14:28,971 --> 01:14:30,906 似顔絵は 売るほど ありますからね。 710 01:14:30,906 --> 01:14:33,909 (弥生)ご一緒に 一休まんじゅうは いかがです? 711 01:14:33,909 --> 01:14:36,912 (桔梗屋)はいはい。 はい。 お代が 先だよ。 お代が 先だよ。➡ 712 01:14:36,912 --> 01:14:40,916 何と おまんじゅうに お芝居が付いて➡ 713 01:14:40,916 --> 01:14:46,922 お値段 変わらず。 おう。 いやはや。 714 01:14:46,922 --> 01:14:49,925 すごい 人ですね。 (さよ)桔梗屋さんが➡ 715 01:14:49,925 --> 01:14:53,929 旅の一座を 呼んだんですって。 ふーん。 716 01:14:53,929 --> 01:14:58,934 <昔は 娯楽が少なかったので 旅回りの一座の お芝居は➡ 717 01:14:58,934 --> 01:15:03,939 人々にとって 大変 楽しみなものでした> 718 01:15:03,939 --> 01:15:08,944 あっ。 八千代一座よ! (男性)うわー! 719 01:15:08,944 --> 01:15:15,951 (拍手) (男性)待ってました。 720 01:15:15,951 --> 01:15:19,955 (勘助)さあさあ。 寄ってらっしゃい 見てらっしゃい。 721 01:15:19,955 --> 01:15:24,960 (世吉)面白くて ためになる。 八千代一座の 芝居でござい。 722 01:15:24,960 --> 01:15:31,901 (八千代)花の都の 皆々さま。 はっ!➡ 723 01:15:31,901 --> 01:15:36,906 何とぞ ごひいきに。 724 01:15:36,906 --> 01:15:39,909 (一同)よっ。 よっ。 日本一。 725 01:15:39,909 --> 01:15:43,913 (男性)今日も 頼むぞ。 (八千代)あいよ。 726 01:15:43,913 --> 01:15:46,913 八千代さん カッコイイ。 727 01:15:48,918 --> 01:15:50,920 めろめろでござるな。 おさよ殿は。 728 01:15:50,920 --> 01:15:53,923 (八千代)おや。 お侍さま。 729 01:15:53,923 --> 01:15:57,927 (八千代)いい男だね。 いや。 えっ? 拙者? 730 01:15:57,927 --> 01:16:01,931 いや。 いや。 いや。 さほどでも。 いやいや。 731 01:16:01,931 --> 01:16:04,934 新右衛門さんも めろめろですよ。 あっ ああ。 732 01:16:04,934 --> 01:16:09,939 おや。 そっちの ちっちゃな 色男も いかしてるね。 733 01:16:09,939 --> 01:16:14,944 そんなこと。 一休殿こそ めろめろでござる。 734 01:16:14,944 --> 01:16:16,946 エヘヘ。 もしや お前さん。 735 01:16:16,946 --> 01:16:19,949 あの有名な 一休さんかい? はい。 736 01:16:19,949 --> 01:16:23,953 うれしいね。 こんなところで 会えるとは。 737 01:16:23,953 --> 01:16:26,953 ぜひ 芝居を見てっておくれ。 はい。 喜んで。 738 01:17:45,934 --> 01:17:48,937 (男性)いよっ! 日本一! (男性)今日も 頼むぞ! 739 01:17:48,937 --> 01:17:55,944 昔 昔。 それは それは 恐ろしい はやり病が 広がって➡ 740 01:17:55,944 --> 01:18:01,950 病に倒れた者は 痛みに 転げ回ったそうな。 741 01:18:01,950 --> 01:18:07,956 痛え! 痛えよ! 誰か 助けておくれよ! 742 01:18:07,956 --> 01:18:11,960 (男性)よっ! 八千代太夫。 (お宮)おっかさん。 しっかりして。 743 01:18:11,960 --> 01:18:13,962 死んだら 嫌だよ。 744 01:18:13,962 --> 01:18:16,965 (八千代)寄るんじゃないよ。 お宮。 (お宮)ああ ああ ああ。 745 01:18:16,965 --> 01:18:20,969 (八千代)あんたと 私は 親子の縁を 切ったんだ。 746 01:18:20,969 --> 01:18:24,973 (勘助)病める母は 病が うつらぬようにと➡ 747 01:18:24,973 --> 01:18:27,976 いとしい娘を 遠ざける。 748 01:18:27,976 --> 01:18:31,980 (お宮)でも 苦しいんだろ? 痛むんだろ?➡ 749 01:18:31,980 --> 01:18:33,982 背中を さすらせておくれよ。 750 01:18:33,982 --> 01:18:36,985 (八千代)いいから。 お帰りったら お帰り。 751 01:18:36,985 --> 01:18:40,989 (お宮の泣き声) 752 01:18:40,989 --> 01:18:45,928 (勘助)哀れ。 病に引き裂かれる 親子。 753 01:18:45,928 --> 01:18:52,935 (泣き声) 754 01:18:52,935 --> 01:18:57,940 そんな折 どこからか 立派な お坊さんが現れて➡ 755 01:18:57,940 --> 01:19:02,945 哀れな娘に お札を託したそうな。 756 01:19:02,945 --> 01:19:04,947 (世吉)これを 身に着けるがよい。➡ 757 01:19:04,947 --> 01:19:09,952 さすれば 病は 退散する。 (お宮)ありがたや。 758 01:19:09,952 --> 01:19:16,959 早速 おっかさんに 渡します。 あなたは 命の恩人です。 759 01:19:16,959 --> 01:19:20,963 (一同)よっ。 いいぞ。 760 01:19:20,963 --> 01:19:25,968 (男性)いやー。 立派な お坊さんも あったもんだな。 761 01:19:25,968 --> 01:19:27,970 (女性)後光が さしてたね。 762 01:19:27,970 --> 01:19:29,972 (さよ)ホントに はやり病は 怖いわね。 763 01:19:29,972 --> 01:19:31,974 (桔梗屋)さあさあ さあさあ。 764 01:19:31,974 --> 01:19:33,976 泣ける お芝居の後には 一休まんじゅう。 765 01:19:33,976 --> 01:19:38,981 こちらも 泣ける おいしさですよ。 (弥生)さあ 皆さん。 いかがです? 766 01:19:38,981 --> 01:19:41,984 (男性)いや。 いらないよ。 今 胸 いっぱい。 767 01:19:41,984 --> 01:19:44,002 (女性)私もだよ。 (桔梗屋)いや。➡ 768 01:19:44,002 --> 01:19:45,921 そんなこと 言わずに。 お一つ いかがですか? 769 01:19:45,921 --> 01:19:47,923 (女性)いらないったら いらないよ。 770 01:19:47,923 --> 01:19:49,925 (桔梗屋)えっ? ああ。 771 01:19:49,925 --> 01:19:52,928 (八千代)さあさあ 皆の衆。 これなるは➡ 772 01:19:52,928 --> 01:19:58,934 名高い 和尚さまより 賜った 病魔退散の お札にござい。➡ 773 01:19:58,934 --> 01:20:01,937 これさえ あれば はやり病を 吹き飛ばし➡ 774 01:20:01,937 --> 01:20:08,944 無病息災 間違いなし。 あっ。 一家に 1枚 この お札。 775 01:20:08,944 --> 01:20:16,952 ≪(男性)八千代さん。 足が痛くて。 1枚 おくれ。 776 01:20:16,952 --> 01:20:19,955 (八千代)養生しておくれよ。 (男性)うんうん。 777 01:20:19,955 --> 01:20:21,957 (世吉)1枚 5文だよ。 (女性)八千代さん。➡ 778 01:20:21,957 --> 01:20:26,962 こっちにも 10枚 おくれ。 (一同)俺も。 俺も。 779 01:20:26,962 --> 01:20:29,965 すごい 売れ行きですね。 780 01:20:29,965 --> 01:20:32,965 (桔梗屋)うちは まるで もうかりませんがね。 781 01:20:35,971 --> 01:20:38,974 (女性)聞いとくれよ。 うちの亭主➡ 782 01:20:38,974 --> 01:20:43,946 足を痛めてたってのに お札のおかげで よくなってね。 783 01:20:43,946 --> 01:20:46,815 (男性)ああー! 784 01:20:46,815 --> 01:20:54,823 (男性)もう どっこも 痛くねえ。 だーん。 おお。 ほら。 785 01:20:54,823 --> 01:20:56,823 (秀念)うん。 786 01:20:58,827 --> 01:21:01,830 (陳念)おーい。 みんな。 すごいぞ 八千代一座の お札。 787 01:21:01,830 --> 01:21:03,832 (秀念)うん。 足が悪かった人が 治ってた。 788 01:21:03,832 --> 01:21:06,835 (天念)すっげえ。 (黙念)まさに お札の御利益だな。 789 01:21:06,835 --> 01:21:08,837 (陳念)俺も欲しい。 (黙念)何でも 治るんだな。 790 01:21:08,837 --> 01:21:10,839 (陳念)うん。 (秀念)天念の頭に 貼ってみたら? 791 01:21:10,839 --> 01:21:12,841 (天念)頭 よくなるかな? (陳念)なるなる。 792 01:21:12,841 --> 01:21:16,845 (世吉)何で こんなもん みんな 買うのかね? 793 01:21:16,845 --> 01:21:21,850 (勘助)そりゃ 病が 怖えからだろ。 (世吉)効くわけ ねえのになぁ。 794 01:21:21,850 --> 01:21:26,850 (八千代)効くと信じる 気持ちが 大事なのさ。 795 01:21:29,858 --> 01:21:33,862 (八千代)ご苦労だったね。 あしたも 頼むよ。 796 01:21:33,862 --> 01:21:36,865 (男性)ああ。 (女性・男性)うわー。 アハハ。 797 01:21:36,865 --> 01:21:38,865 任しときな。 798 01:21:40,869 --> 01:21:43,872 母上さま。 799 01:21:43,872 --> 01:21:48,872 あの お札 そんなに 素晴らしいものなのでしょうか? 800 01:21:51,914 --> 01:21:53,916 ≪(足音) 801 01:21:53,916 --> 01:21:57,920 和尚さま。 802 01:21:57,920 --> 01:22:07,930 (和尚)一休。 お前は あの葉を 何と見る? 803 01:22:07,930 --> 01:22:10,933 風に揺れてます。 804 01:22:10,933 --> 01:22:17,940 いかにも。 まさに 人の心じゃな。 805 01:22:17,940 --> 01:22:19,942 人の心? 806 01:22:19,942 --> 01:22:27,950 葉が 風に揺れるごとく 人の心も 揺れやすい。 807 01:22:27,950 --> 01:22:38,950 それ故 心の芯に 揺らがぬ 幹を持たねばのう。 808 01:24:14,923 --> 01:24:16,925 (さよ)早く 早く。 一休さん。 待ってよ。 おさよちゃん。 809 01:24:16,925 --> 01:24:18,927 みんな そんなに 芝居に出たいんですか? 810 01:24:18,927 --> 01:24:22,931 (さよ)出たいわよ。 八千代さんと 仲良くなれるかもしれないし。 811 01:24:22,931 --> 01:24:25,934 (秀念)私も 一度は 舞台に上がってみたい。 812 01:24:25,934 --> 01:24:27,936 (陳念)面白そうだし。 (黙念)これも 修行。 813 01:24:27,936 --> 01:24:30,939 (天念)俺は まんじゅう代を 稼ぎたい。 814 01:24:30,939 --> 01:24:32,941 (一同)早く 行こう。 早く 行こう。 815 01:24:32,941 --> 01:24:35,944 (お宮)お次の方 どうぞ。 816 01:24:35,944 --> 01:24:39,948 (秀念)はあー。 やあー!➡ 817 01:24:39,948 --> 01:24:42,951 ううっ。 うわー。 818 01:24:42,951 --> 01:24:44,953 (さよ)♬「とんとん とんちんかん」➡ 819 01:24:44,953 --> 01:24:46,955 ♬「とんちが だいすき」➡ 820 01:24:46,955 --> 01:24:50,959 ♬「きょうも げんきだ みんなの一休さん」 821 01:24:50,959 --> 01:24:56,959 (天念)うん。 うまい。 ああー。 822 01:24:58,967 --> 01:25:02,971 (一休・陳念)おっとっとっと。 おう おう おう おう。➡ 823 01:25:02,971 --> 01:25:05,971 ああ。 ああー。 824 01:25:11,980 --> 01:25:14,916 (勘助)で? どの がきに決めるんだ? 825 01:25:14,916 --> 01:25:17,919 (世吉)何で 素人の子供なんか 使うんだよ?➡ 826 01:25:17,919 --> 01:25:19,921 めんどくせえだけなのに。 827 01:25:19,921 --> 01:25:24,926 (八千代)私らの芝居は 真っ赤な嘘だらけだからさ。➡ 828 01:25:24,926 --> 01:25:29,931 でも そこに ほんの一人 無垢な子供が 交ざると➡ 829 01:25:29,931 --> 01:25:33,935 嘘も 真っ白な 本当になる。 830 01:25:33,935 --> 01:25:38,940 ハハハ。 ありがたいねぇ。 子供ってやつは。 ハハハ。 831 01:25:38,940 --> 01:25:42,944 相変わらず 黒いなぁ。 八千代。 832 01:25:42,944 --> 01:25:45,947 (世吉)じゃあ 客寄せに使えそうな 一休に 声 掛けとくか。 833 01:25:45,947 --> 01:25:49,951 いや。 そいつは ちょいと 面倒な気がするねぇ。 834 01:25:49,951 --> 01:25:52,954 (勘助)じゃあ さよって娘は どうだ?➡ 835 01:25:52,954 --> 01:25:56,958 どうせ お宮の 代わりなんだからよ。 836 01:25:56,958 --> 01:25:58,960 (八千代)だいたい あんたの芝居が 大根だから➡ 837 01:25:58,960 --> 01:26:01,963 こんなことに なったんだ。 しばらく 飯抜きだよ。 838 01:26:01,963 --> 01:26:05,967 (お宮)そんな 殺生な。 おっかさん。 839 01:26:05,967 --> 01:26:08,970 (八千代)誰が おっかさんだい? (お宮)うううっ。 840 01:26:08,970 --> 01:26:14,910 <そのころ 都の外れでは 一休の母である 伊予の局が➡ 841 01:26:14,910 --> 01:26:18,914 病にかかった人々の 看病をしていました> 842 01:26:18,914 --> 01:26:24,920 (女性)町では 旅の一座が 大層 人気だそうですね。 843 01:26:24,920 --> 01:26:27,923 (伊予の局)病が治れば 見に行けます。➡ 844 01:26:27,923 --> 01:26:29,925 それまでの 辛抱です。 845 01:26:29,925 --> 01:26:33,929 (女性)ああ。 ありがとうございます。 846 01:26:33,929 --> 01:26:35,931 (せき) 847 01:26:35,931 --> 01:26:39,935 (乳母)おつぼねさま。 お顔の色が 優れないようですが。 848 01:26:39,935 --> 01:26:41,937 (伊予の局)ああ。 大丈夫。 849 01:26:41,937 --> 01:26:43,939 (伊予の局)ちょっと 疲れただけです。 850 01:26:43,939 --> 01:26:47,939 それより あちらに 薬湯を。 851 01:26:50,946 --> 01:26:55,946 <そして さよちゃんの 初舞台の日が やって来ました> 852 01:26:57,953 --> 01:26:59,955 (男性)さあ いらっしゃい。 いらっしゃい。 853 01:26:59,955 --> 01:27:06,962 昔 昔。 町外れの暗がりに 時折 熊が現れて➡ 854 01:27:06,962 --> 01:27:11,967 町 行く人を 襲ったそうな。 855 01:27:11,967 --> 01:27:16,905 (一同)いよっ! おさよちゃん! (吾作)日本一! 856 01:27:16,905 --> 01:27:19,908 (一同)いいぞ。 857 01:27:19,908 --> 01:27:22,911 (男性)がおー! (さよ)キャー。➡ 858 01:27:22,911 --> 01:27:27,916 嫌。 来ないで 来ないで。 859 01:27:27,916 --> 01:27:30,919 (男性)がおー! (さよ)嫌!➡ 860 01:27:30,919 --> 01:27:34,919 あっ。 ううっ。 うっ。 861 01:27:37,926 --> 01:27:39,928 (吾作)おさよ。 862 01:27:39,928 --> 01:27:42,931 (八千代)ああ。 おさよ!➡ 863 01:27:42,931 --> 01:27:46,935 痛かっただろう。 苦しかっただろう。 864 01:27:46,935 --> 01:27:51,940 かわいそうに。 よよ。 よよよよ。 865 01:27:51,940 --> 01:27:55,944 (男性)いよっ! 八千代太夫。 (男性)日本一! 866 01:27:55,944 --> 01:27:58,947 (吾作)おさよ! 867 01:27:58,947 --> 01:28:04,953 (黙念)怖かったですね。 熊には 気を付けねばのう。 868 01:28:04,953 --> 01:28:07,956 (八千代)さあさあ 皆の衆。 ご注目。➡ 869 01:28:07,956 --> 01:28:14,896 これなるは 名高い 匠より 賜った 熊よけの鈴にございます。 870 01:28:14,896 --> 01:28:16,898 (鈴の音) (八千代)これさえ あれば➡ 871 01:28:16,898 --> 01:28:21,903 怖い熊を 寄せ付けず 命拾い 間違いなし。 872 01:28:21,903 --> 01:28:25,907 一人 一つ。 あっ。 この鈴を。 873 01:28:25,907 --> 01:28:28,910 (男性)鈴が 熊よけになるのかね? 874 01:28:28,910 --> 01:28:30,912 (男性)だいたい この辺りは 熊なんか 出やしないだろ。 875 01:28:30,912 --> 01:28:32,914 (男性)そうだ。 おや。 876 01:28:32,914 --> 01:28:36,918 今回の鈴は いまいち 人気がないようですね。 877 01:28:36,918 --> 01:28:38,920 そうですね。 878 01:28:38,920 --> 01:28:44,926 ≪(男性)ああー! 熊が! 熊が出たぞ! 879 01:28:44,926 --> 01:28:46,926 (男性)おい。 (男性)熊が? 880 01:28:48,930 --> 01:28:50,932 あの。 (男性)あっ? 881 01:28:50,932 --> 01:28:53,935 熊って どこに出たんです? (男性)あっ。 この先の➡ 882 01:28:53,935 --> 01:28:57,939 やぶのところだ。 ああ。 恐ろしや。 883 01:28:57,939 --> 01:29:00,942 (男性)嫌だよ。 熊なんて。 (男性)襲われたら たまんねえな。 884 01:29:00,942 --> 01:29:04,946 皆の衆。 こんなときこそ この鈴を。 885 01:29:04,946 --> 01:29:07,949 (勘助)命を守る 鈴ですぞ。 (女性)私 買うよ。 886 01:29:07,949 --> 01:29:11,953 (男性)あっ。 一つ。 (男性)ああ。 俺もだ。 887 01:29:11,953 --> 01:29:16,891 おお。 鈴が 売れ出しましたぞ。 888 01:29:16,891 --> 01:29:20,895 私 やぶのところを 見てきます。 889 01:29:20,895 --> 01:29:25,900 えっ? 一休殿! 一人では 危のうござる! 890 01:29:25,900 --> 01:29:27,900 ったく。 891 01:29:33,908 --> 01:29:36,911 この辺りでござるか? 892 01:29:36,911 --> 01:29:40,915 本当に 熊が 出たのでしょうか? 893 01:29:40,915 --> 01:29:43,915 ≪(物音) 894 01:29:45,920 --> 01:29:49,920 お下がりください。 一休殿。 895 01:29:54,929 --> 01:29:57,929 そこか! 896 01:29:59,934 --> 01:30:02,937 いない。 897 01:30:02,937 --> 01:30:07,937 確かに 黒い獣が 見えたのですが。 898 01:30:10,945 --> 01:30:14,883 (八千代)どうでした? 熊は いましたか? 899 01:30:14,883 --> 01:30:18,887 気配は 感じましたが。 そうでしょう そうでしょう。➡ 900 01:30:18,887 --> 01:30:21,890 皆の衆。 やはり 熊が出たそうだよ。 901 01:30:21,890 --> 01:30:25,894 (一同)えっ!? (勘助)さあ 熊よけの鈴を。 902 01:30:25,894 --> 01:30:27,896 (男性)一つ くれ。 (女性)私も もう一つ。 903 01:30:27,896 --> 01:30:35,904 待ってください! どうしました? 一休殿。 904 01:30:35,904 --> 01:30:38,907 皆さん。 少し 時間を下さい。 905 01:30:38,907 --> 01:30:44,913 私が 熊を捕まえて ご覧に入れますから。 906 01:30:44,913 --> 01:30:47,916 心配だねぇ。 907 01:30:47,916 --> 01:30:52,921 そんな小さな体で 熊を捕まえられるのかい? 908 01:30:52,921 --> 01:30:55,921 やってみます。 909 01:32:48,002 --> 01:32:52,006 落とし穴? はい。 910 01:32:52,006 --> 01:32:55,006 これで 熊は イチコロです。 911 01:32:58,012 --> 01:33:01,015 何 言ってんだ? あの 小僧。 912 01:33:01,015 --> 01:33:04,018 まっ。 お手並み拝見と いこうじゃないか。 913 01:33:04,018 --> 01:33:12,018 ♬~ 914 01:33:17,031 --> 01:33:22,036 (秀念)熊だ! (一同)シーッ。 915 01:33:22,036 --> 01:33:24,036 出てきます。 916 01:33:26,040 --> 01:33:28,040 (陳念)出た! あっ。 917 01:33:37,051 --> 01:33:41,055 やっぱり。 えっ? 918 01:33:41,055 --> 01:33:44,058 一休殿!? 919 01:33:44,058 --> 01:33:45,994 熊め! 覚悟! 920 01:33:45,994 --> 01:33:47,996 えい! ≪痛っ!? 921 01:33:47,996 --> 01:33:49,998 やあ! ≪痛たたた。 922 01:33:49,998 --> 01:33:52,000 うん!? 熊が しゃべったわ。 923 01:33:52,000 --> 01:33:54,002 そんな バカな。 924 01:33:54,002 --> 01:33:56,004 えい! ≪うっ!? 925 01:33:56,004 --> 01:34:01,009 そうですよね。 熊が 人の言葉を しゃべるなんて おかしいですよね。 926 01:34:01,009 --> 01:34:03,011 やあ! ≪痛い!? 927 01:34:03,011 --> 01:34:06,011 おのれ! 何やつ! 928 01:34:09,017 --> 01:34:12,017 やあ! ≪うわー。 929 01:34:16,024 --> 01:34:18,024 お主。 930 01:34:20,028 --> 01:34:23,031 やっぱり 世吉さんでしたか。 931 01:34:23,031 --> 01:34:27,035 さっきから 姿が見えないと 思ってたんです。 932 01:34:27,035 --> 01:34:29,037 (世吉)ハハッ。 バレてたか。 933 01:34:29,037 --> 01:34:34,042 あの バカ。 (八千代)使えないねぇ。 934 01:34:34,042 --> 01:34:39,047 でも 一休殿。 なぜ 偽の熊だと 分かったのです? 935 01:34:39,047 --> 01:34:42,050 それは 簡単です。 936 01:34:42,050 --> 01:34:45,069 熊は とっても 重いはずなのに➡ 937 01:34:45,069 --> 01:34:48,990 足跡 一つも ありませんでしたから。 938 01:34:48,990 --> 01:34:52,994 (世吉)なるほどな。 ハハハ! 939 01:34:52,994 --> 01:34:54,996 (八千代)笑ってる場合かい! 940 01:34:54,996 --> 01:34:57,999 (貞行)そうじゃ。 笑い事ではない。 941 01:34:57,999 --> 01:34:59,999 貞行殿!? 942 01:35:03,004 --> 01:35:10,011 (世吉)ほどいておくれよ。 ほどいておくれよ。 ほどいて。 943 01:35:10,011 --> 01:35:12,013 (男性)やりたくなかった…。 944 01:35:12,013 --> 01:35:16,017 (貞行)八千代一座。 そちたちの悪行➡ 945 01:35:16,017 --> 01:35:19,020 すでに 上様のお耳にも 届いておる。➡ 946 01:35:19,020 --> 01:35:22,023 厳重に処罰せよとの お達しじゃ。 947 01:35:22,023 --> 01:35:25,026 悪行とは 人聞きの悪い。 948 01:35:25,026 --> 01:35:29,030 私らは お客さまに 夢と安心を 売ってるだけですよ。 949 01:35:29,030 --> 01:35:32,033 (貞行)えーい。 黙れ! (家臣)控えい。 950 01:35:32,033 --> 01:35:38,039 聞けば お主ら もともとは 病に苦しむ者を 慰問し➡ 951 01:35:38,039 --> 01:35:44,045 食事まで振る舞う 情け深い 旅の一座だったそうな。➡ 952 01:35:44,045 --> 01:35:47,982 なぜ かように 身を落とした? 953 01:35:47,982 --> 01:35:55,990 さあね。 世の中の 黒いもんを 見てるうちに➡ 954 01:35:55,990 --> 01:35:59,994 私らまで 黒に染まっちまったのかね。 955 01:35:59,994 --> 01:36:04,994 (貞行)この世のせいと そう申すのか? 956 01:36:07,001 --> 01:36:09,003 いいから 連れておゆきよ。 957 01:36:09,003 --> 01:36:13,007 三文芝居にも ちょうど 飽きてきたところでね。 958 01:36:13,007 --> 01:36:18,012 連れていけ! (家臣)はっ。 立て! 959 01:36:18,012 --> 01:36:21,015 (家臣)立て! (勘助)痛いよ! 960 01:36:21,015 --> 01:36:23,015 (家臣)歩け。 961 01:36:28,022 --> 01:36:36,030 (貞行)一休。 上様より 言づてじゃ。 962 01:36:36,030 --> 01:36:43,037 母君が 都の外れの療養所で 病に倒れたそうじゃ。 963 01:36:43,037 --> 01:36:49,977 えっ!? (貞行)行くのであれば 私の馬を。 964 01:36:49,977 --> 01:36:52,980 拙者が お連れいたす。 965 01:36:52,980 --> 01:36:55,980 行きたいです。 966 01:36:57,985 --> 01:37:02,985 でも 行けません。 967 01:37:07,995 --> 01:37:09,995 一休殿。 968 01:37:14,001 --> 01:37:17,001 貞行殿。 969 01:37:19,006 --> 01:37:21,006 お願いがあります。 970 01:39:40,014 --> 01:39:42,014 ≪(乳母)おつぼねさま。 971 01:39:44,018 --> 01:39:49,023 (乳母)表に 慰問の旅の一座が やって来ましたよ。 972 01:39:49,023 --> 01:39:54,023 (伊予の局)見に行ける者は 行かせてあげてください。 973 01:40:01,035 --> 01:40:04,038 (拍手) 974 01:40:04,038 --> 01:40:10,044 (勘助)昔 昔。 それは それは 恐ろしい はやり病が 広がって➡ 975 01:40:10,044 --> 01:40:14,048 病に倒れた者は 痛みに 転げ回ったそうな。 976 01:40:14,048 --> 01:40:22,048 (世吉)痛え! 痛えよ! 誰か 助けておくれよ! 977 01:40:29,063 --> 01:40:35,069 おっかさん。 何しに来たんだい? お帰り。 978 01:40:35,069 --> 01:40:39,006 病める母は 病が うつらぬようにと➡ 979 01:40:39,006 --> 01:40:42,009 いとしい娘を 遠ざける。 980 01:40:42,009 --> 01:40:46,013 さあ。 早く。 (せき) 981 01:40:46,013 --> 01:40:49,016 でも おっかさん。 苦しそうです。 982 01:40:49,016 --> 01:40:52,016 背中を さすらせて。 983 01:40:56,023 --> 01:41:03,023 (勘助)哀れ。 病に引き裂かれる 親子。 984 01:41:05,032 --> 01:41:08,032 お帰りったら お帰り。 985 01:41:10,037 --> 01:41:12,039 帰りません。 986 01:41:12,039 --> 01:41:16,043 母上さまは ずっと みんなの看病をしてた。 987 01:41:16,043 --> 01:41:23,050 だから 母上さまの看病は 私がします。 988 01:41:23,050 --> 01:41:25,052 (お宮)あっ。 せりふが。 989 01:41:25,052 --> 01:41:32,052 お願いです。 母上さま。 背中を さすらせて。 990 01:41:41,001 --> 01:41:45,005 母上さま。 991 01:41:45,005 --> 01:41:49,005 その気持ちだけで 十分だよ。 992 01:41:51,011 --> 01:41:54,014 お帰り。 993 01:41:54,014 --> 01:41:59,014 では せめて 私の息を 吹き込みます。 994 01:42:05,025 --> 01:42:09,025 痛みが 和らぎますように。 995 01:42:11,031 --> 01:42:14,031 熱が 下がりますように。 996 01:42:16,036 --> 01:42:19,036 痛みが 和らぎますように。 997 01:42:22,042 --> 01:42:26,042 熱が 下がりますように。 998 01:42:29,049 --> 01:42:33,049 痛みが 和らぎますように。 999 01:42:40,995 --> 01:42:46,000 皆さん。 今日は 本当に ありがとうございました。 1000 01:42:46,000 --> 01:42:50,004 (八千代)こっちも。 八千代一座の いい幕引きが できたよ。 1001 01:42:50,004 --> 01:42:55,009 おいらを ぶん投げた あの お侍の おかげでな。 1002 01:42:55,009 --> 01:42:58,012 お前 柄にもなく 泣いてたろ? 1003 01:42:58,012 --> 01:43:03,017 バカ 言ってんじゃないよ。 あんな 下手な芝居に 泣くもんかい。 1004 01:43:03,017 --> 01:43:09,023 けど お客は みんな 喜んだんじゃないかね。 1005 01:43:09,023 --> 01:43:12,023 あんたの おっかさんもさ。 1006 01:43:14,028 --> 01:43:18,028 (八千代)いいのかい? 会いに行かなくて。 1007 01:43:24,038 --> 01:43:26,038 はい。 1008 01:43:28,042 --> 01:43:33,047 ふん! 素直じゃないね。 1009 01:43:33,047 --> 01:43:38,047 あんた 子供のくせに ホント かわいくないよ! 1010 01:43:41,989 --> 01:43:43,989 八千代さん。 1011 01:43:48,996 --> 01:43:51,999 持っていきな。 1012 01:43:51,999 --> 01:43:56,003 でも この薬 誰かが 飲むはずだったんじゃ? 1013 01:43:56,003 --> 01:43:59,006 いいんだよ。 うちの子は➡ 1014 01:43:59,006 --> 01:44:03,006 飲ませる前に 死んじまったからね。 1015 01:44:05,012 --> 01:44:07,014 早く 行きな。 1016 01:44:07,014 --> 01:44:14,021 子供が会いに来て うれしくない 母親なんて いないさ。 1017 01:44:14,021 --> 01:44:31,038 ♬~ 1018 01:44:31,038 --> 01:44:34,041 ≪母上さま。 1019 01:44:34,041 --> 01:44:49,990 ♬~ 1020 01:44:49,990 --> 01:44:53,990 一休です。 お薬を持ってきました。 1021 01:44:56,997 --> 01:44:58,997 母上さま。 1022 01:45:01,001 --> 01:45:03,001 母上さま? 1023 01:45:12,012 --> 01:45:15,015 (すすり泣く声) 1024 01:45:15,015 --> 01:45:18,015 母上さま。 1025 01:45:21,021 --> 01:45:26,021 (伊予の局)あなたは 一休では ありませんよ。 1026 01:45:28,028 --> 01:45:33,028 私の一休は そのように 泣いたりしません。 1027 01:45:37,037 --> 01:45:40,975 心に 雨が降らないようにと➡ 1028 01:45:40,975 --> 01:45:43,975 てるてる坊主を 持たせています。 1029 01:45:45,980 --> 01:45:50,980 だから 一休は 泣きません。 1030 01:45:53,988 --> 01:45:56,991 もう 泣きません。 1031 01:45:56,991 --> 01:46:02,997 本当です。 だから お薬を飲んでください。 1032 01:46:02,997 --> 01:46:05,997 お願いです。 1033 01:46:23,017 --> 01:46:28,022 では 背中を さすってくれますか? 1034 01:46:28,022 --> 01:46:31,022 はい。 1035 01:46:38,048 --> 01:46:42,048 痛みが 和らぎますように。 1036 01:46:45,973 --> 01:46:48,973 熱が 下がりますように。 1037 01:46:52,980 --> 01:46:57,980 心が 温まりますように。 1038 01:47:16,003 --> 01:47:18,003 飲みましたよ。 1039 01:47:26,013 --> 01:47:34,021 じゃあ 私は これで。 1040 01:47:34,021 --> 01:47:43,964 ♬~ 1041 01:47:43,964 --> 01:47:47,968 大きくなりましたね。 1042 01:47:47,968 --> 01:47:50,968 母上さま。 1043 01:47:52,973 --> 01:47:58,979 私が 温めていた 一休の 手のひらは➡ 1044 01:47:58,979 --> 01:48:04,985 小さな モミジのようでした。 1045 01:48:04,985 --> 01:48:08,989 今でも 目に焼き付いています。 1046 01:48:08,989 --> 01:48:13,994 私の 大切な 小さな モミジ。 1047 01:48:13,994 --> 01:48:29,009 ♬~ 1048 01:48:29,009 --> 01:48:34,014 ♬~ 1049 01:48:34,014 --> 01:48:39,953 母は もう 大丈夫です。 1050 01:48:39,953 --> 01:48:43,953 じゅうぶん 温まりました。 1051 01:48:46,960 --> 01:48:50,964 さあ 行きなさい。 1052 01:48:50,964 --> 01:48:54,964 あなたを 待っている人たちがいます。 1053 01:48:57,971 --> 01:49:01,975 たとえ 見える景色が違っても➡ 1054 01:49:01,975 --> 01:49:08,982 あなたと 母は 同じ道を歩いています。 1055 01:49:08,982 --> 01:49:14,982 離れていても 離れはしません。 1056 01:49:19,993 --> 01:49:22,996 はい。 1057 01:49:22,996 --> 01:49:40,013 ♬~ 1058 01:49:40,013 --> 01:49:43,016 いってきます。 1059 01:49:43,016 --> 01:49:59,032 ♬~ 1060 01:49:59,032 --> 01:50:14,047 ♬~ 1061 01:50:14,047 --> 01:50:29,062 ♬~ 1062 01:50:29,062 --> 01:50:36,069 ♬~ 1063 01:50:36,069 --> 01:50:39,006 今日も 風が強いですなぁ。 1064 01:50:39,006 --> 01:50:43,006 葉が あんなに 揺れておりまする。 1065 01:50:46,013 --> 01:50:55,022 されど 心の幹は すくすくと 育っておるようじゃのう。 1066 01:50:55,022 --> 01:51:03,030 和尚さま! 新右衛門さん! ただ今 戻りました! 1067 01:51:03,030 --> 01:51:08,035 おう。 一休殿。 おかえりなさい。 1068 01:51:08,035 --> 01:51:12,039 早かったのう。 はい。 1069 01:51:12,039 --> 01:51:15,042 私には まだまだ やることが いっぱいですから。 1070 01:51:15,042 --> 01:51:19,046 うむ。 それでこそ 一休殿でござる。 1071 01:51:19,046 --> 01:51:21,048 はい! 1072 01:51:21,048 --> 01:51:25,052 (秀念)おい! 一休! (天念)一休! 1073 01:51:25,052 --> 01:51:27,054 (黙念)一休! (陳念)一休! 1074 01:51:27,054 --> 01:51:31,054 (さよ)一休さん! はーい! 1075 01:51:38,081 --> 01:51:48,081 ♬~ 1076 01:52:06,026 --> 01:52:08,028 お願いしま…。 あっ。 すいません。 1077 01:52:08,028 --> 01:52:11,031 では…。 あっ。 すいません。 1078 01:52:11,031 --> 01:52:15,035 かような めでで…。 あー。 ごめんなさい。 1079 01:52:15,035 --> 01:52:17,037 (桔梗屋) こういうときには➡ 1080 01:52:17,037 --> 01:52:21,037 ほっこり ほっこり…。 すいません。 1081 01:52:23,043 --> 01:52:25,045 ちょっと ごめんなさい。 1082 01:52:25,045 --> 01:52:28,048 イヤーッ! イヤーッ! 1083 01:52:28,048 --> 01:52:30,050 ご苦労さまです。 1084 01:52:30,050 --> 01:52:32,052 おっかさん。 1085 01:52:32,052 --> 01:52:36,052 何しに来たんだい? すいません。