1 00:00:34,744 --> 00:00:38,744 <それは 突然現れた> 2 00:00:40,416 --> 00:00:47,757 <関ヶ原の合戦から およそ100年を経た元禄時代。➡ 3 00:00:47,757 --> 00:00:52,094 江戸から遠く離れた 東北の山あい。➡ 4 00:00:52,094 --> 00:00:57,767 隣り合う永津野藩と香山藩は 長く いがみ合ってきた。➡ 5 00:00:57,767 --> 00:01:02,104 2つの藩にまたがる山に 怪物が現れた。➡ 6 00:01:02,104 --> 00:01:05,775 なぜ 怪物は現れたのか。➡ 7 00:01:05,775 --> 00:01:09,111 次第に明らかになる怨念の連鎖。➡ 8 00:01:09,111 --> 00:01:12,014 そして 宿命。➡ 9 00:01:12,014 --> 00:01:20,122 これは 怪物と人間たちの 壮絶な戦いの物語である> 10 00:01:20,122 --> 00:01:28,422 ♬~ 11 00:01:30,132 --> 00:01:35,738 やったぞ。 早く 早く。 急げ! 12 00:01:35,738 --> 00:01:39,075 朱音様! こっちさ! こっちさ! 13 00:01:39,075 --> 00:01:42,945 (朱音)いきますよ~! は~い。 14 00:01:42,945 --> 00:01:45,948 それ~! 15 00:01:45,948 --> 00:01:47,948 は~い。 16 00:01:51,087 --> 00:01:55,424 なんと立派なお蚕屋敷じゃ。➡ 17 00:01:55,424 --> 00:01:57,760 朱音様がおいでになって➡ 18 00:01:57,760 --> 00:02:02,431 お蚕作りに お力添え下さったおかげだからな。 19 00:02:02,431 --> 00:02:04,431 それ~! 20 00:02:06,302 --> 00:02:08,302 それ~! 21 00:02:25,955 --> 00:02:40,603 ♬~ 22 00:02:40,603 --> 00:02:42,903 行くべ 行くべ。 23 00:02:44,740 --> 00:02:48,077 (泣き声) 24 00:02:48,077 --> 00:02:50,980 ああ 落としちゃったのね。 25 00:02:50,980 --> 00:02:55,418 ほらほら… ほら うん? 26 00:02:55,418 --> 00:02:59,288 (泣き声) 27 00:02:59,288 --> 00:03:07,029 ♬「坊や坊やよ 泣くのはおよし」 28 00:03:07,029 --> 00:03:19,642 ♬「あれ見てみんろ つちみかどさまが来なすった」 29 00:03:19,642 --> 00:03:26,782 ♬「鬼をぺろりと平らげた」 30 00:03:26,782 --> 00:03:29,685 ♬「坊…」 つちみかどさまって な~に? 31 00:03:29,685 --> 00:03:32,888 ん~ 何だろうね。 32 00:03:32,888 --> 00:03:35,558 鬼をぺろりと 平らげるくらいだから➡ 33 00:03:35,558 --> 00:03:37,493 きっと強いんだろうね。 34 00:03:37,493 --> 00:03:41,230 つちみかどさまって こ~んな顔してんだ! 35 00:03:41,230 --> 00:03:45,101 いいや つちみかどさまは きっとね…➡ 36 00:03:45,101 --> 00:03:47,736 こんな顔! 37 00:03:47,736 --> 00:03:49,672 (笑い声) 38 00:03:49,672 --> 00:03:51,607 何者だ!? 39 00:03:51,607 --> 00:03:53,907 何だ? 何だ? 何だ? 40 00:03:56,412 --> 00:03:59,748 (宗栄) この子は この村の子ではないか? 41 00:03:59,748 --> 00:04:01,684 どうされました? 42 00:04:01,684 --> 00:04:05,087 私は 榊田宗栄という。 この子が山の中で倒れておった。 43 00:04:05,087 --> 00:04:07,022 傷を負っている。 44 00:04:07,022 --> 00:04:11,961 あっ この手ぬぐいは 香山領の庄屋のもんじゃ。 45 00:04:11,961 --> 00:04:15,431 (多江)なして 香山の子が永津野の山に? 46 00:04:15,431 --> 00:04:18,767 (太一郎)人狩りにあったのがも。 (多江)人狩り…。 47 00:04:18,767 --> 00:04:22,104 早く手当てを。 私の屋敷へ。 48 00:04:22,104 --> 00:04:25,774 (おせん)いげません 朱音様! 香山のもんを かぐまった事が➡ 49 00:04:25,774 --> 00:04:28,677 弾正様に知れだら どんな目に遭うが…。 50 00:04:28,677 --> 00:04:31,046 (加介)そ… そうです。 いぐら朱音様でも…。 51 00:04:31,046 --> 00:04:34,383 もし 何かあれば 責めは私が負います。 52 00:04:34,383 --> 00:04:36,383 さあ こちらへ。 53 00:04:41,056 --> 00:04:45,056 生臭え ひでえ臭いだ。 54 00:04:48,931 --> 00:04:52,067 (加介)ひでえ。 55 00:04:52,067 --> 00:04:54,003 (じい)薬を。 56 00:04:54,003 --> 00:04:59,303 朱音様 やっぱり この子は人狩りに…。 57 00:05:07,082 --> 00:05:09,985 加介 こちらにも着替えを。 58 00:05:09,985 --> 00:05:14,423 はい すぐに。 そんな お気遣い…。 59 00:05:14,423 --> 00:05:18,123 ああ… 臭いますか。 60 00:05:23,098 --> 00:05:26,398 (おせん)洗っときます。 かたじけない。 61 00:05:28,437 --> 00:05:32,041 ああ いや 本当に 体は丈夫ですから➡ 62 00:05:32,041 --> 00:05:34,710 風邪などはひきませぬ ハハハ。 63 00:05:34,710 --> 00:05:39,048 あの… そういう あれでは…。 64 00:05:39,048 --> 00:05:42,384 あっ ああ… 申し訳ない。 65 00:05:42,384 --> 00:05:46,684 そういう あれではないですね。 では ありがたく。 66 00:05:52,728 --> 00:05:55,397 お尋ねしても よろしいでしょうか。 67 00:05:55,397 --> 00:05:57,333 何でしょう。 68 00:05:57,333 --> 00:06:02,738 なぜ 香山の人間を かくまってはならぬのですか? 69 00:06:02,738 --> 00:06:07,409 ここ永津野と 峠を挟んで隣り合う香山は➡ 70 00:06:07,409 --> 00:06:11,747 関ヶ原より以前から 長く いがみ合ってきました。 71 00:06:11,747 --> 00:06:14,747 では 人狩りというのは? 72 00:06:22,758 --> 00:06:28,097 我が永津野の筆頭家老である 曽谷弾正は➡ 73 00:06:28,097 --> 00:06:33,702 年貢の取り立てを 厳しく行ってきました。 74 00:06:33,702 --> 00:06:37,039 暮らしに窮した 永津野の村人たちは➡ 75 00:06:37,039 --> 00:06:41,710 相次いで村を捨て 逃げ出しました。 76 00:06:41,710 --> 00:06:44,380 弾正は それを許さず➡ 77 00:06:44,380 --> 00:06:47,716 香山領内に逃げ込んだ 村人たちを捕らえ➡ 78 00:06:47,716 --> 00:06:51,587 連れ戻すようになったのです。 79 00:06:51,587 --> 00:06:54,590 それだけではありません。 80 00:06:54,590 --> 00:06:59,061 弾正は 香山の領民まで勝手にさらい➡ 81 00:06:59,061 --> 00:07:04,733 この永津野に 無理やり 連れてくるようになったのです。 82 00:07:04,733 --> 00:07:10,406 連れてこられた香山の民たちは 永津野の城下で➡ 83 00:07:10,406 --> 00:07:15,077 昼も夜もなく 働かされているそうです。 84 00:07:15,077 --> 00:07:19,748 もしかしたら この子の村も…。 85 00:07:19,748 --> 00:07:25,621 だとすれば 私にも負い目はあります。 86 00:07:25,621 --> 00:07:28,757 負い目? なぜ? 87 00:07:28,757 --> 00:07:37,566 筆頭家老 曽谷弾正は 私の兄なのです。 88 00:07:37,566 --> 00:07:42,705 ≪(おせん)いげねえです! 今 眠ってっから! 89 00:07:42,705 --> 00:07:45,374 申し訳ありません。 90 00:07:45,374 --> 00:07:48,043 (圓秀)おい 布団 めくってくれ。 何!? 91 00:07:48,043 --> 00:07:49,978 見たい。 えっ? 92 00:07:49,978 --> 00:07:51,914 き… 傷が見たい 早く! 何を言う。 93 00:07:51,914 --> 00:07:54,550 圓秀殿 いくら絵師でも 感心しませんよ。 94 00:07:54,550 --> 00:07:57,586 絵師? はい この村に逗留しておられる➡ 95 00:07:57,586 --> 00:08:00,723 菊地圓秀殿です。 ちょっと… ちょっとでよい。 96 00:08:00,723 --> 00:08:02,658 今 手当てが 終わったところですので。 97 00:08:02,658 --> 00:08:05,958 では ちょうどよいではないか。 早く布団を! 98 00:08:07,596 --> 00:08:09,898 返せ! 返せば描くだろ! 99 00:08:09,898 --> 00:08:13,398 お静かに! この子が起きてしまいます。 100 00:08:15,070 --> 00:08:17,070 申し訳ない。 101 00:08:35,691 --> 00:08:39,027 おせん この子を頼みます。 102 00:08:39,027 --> 00:08:41,027 はい。 103 00:08:45,901 --> 00:08:49,371 あの方は 筆頭家老の妹御だそうですね。 104 00:08:49,371 --> 00:08:54,042 はい。 なぜ 御城下ではなく この村に? 105 00:08:54,042 --> 00:09:00,916 8年ぐれえ前ですかね 朱音様が 永津野にやって来られたのは。➡ 106 00:09:00,916 --> 00:09:04,052 どういう訳か この名賀村に来られて➡ 107 00:09:04,052 --> 00:09:07,389 ずっと ここにおられるんです。 108 00:09:07,389 --> 00:09:10,726 もとは 永津野の方ではないのですか? 109 00:09:10,726 --> 00:09:15,597 朱音様も兄様の弾正様も 故郷は上州と聞いております。 110 00:09:15,597 --> 00:09:20,297 永津野へいらっしゃる前の事は 分がりません。 111 00:09:23,071 --> 00:09:26,071 ≪おい 急げ! 早くしろ! 112 00:09:39,021 --> 00:09:42,691 何用だ? また 人狩りですか? 113 00:09:42,691 --> 00:09:46,028 もう おやめ下さい。 いつも言うておるだろう。 114 00:09:46,028 --> 00:09:48,697 俺は裏切り者を 捕らえているだけの事。 115 00:09:48,697 --> 00:09:50,632 これは永津野のためだ。 116 00:09:50,632 --> 00:09:55,037 では なぜ 関わりのない 香山の人たちにまで ひどい事を? 117 00:09:55,037 --> 00:09:59,708 香山の村まで 潰さねばならないのですか? 118 00:09:59,708 --> 00:10:06,582 兄様 どうして 変わられてしまったのですか? 119 00:10:06,582 --> 00:10:11,053 何も変わってはおらん。 いいえ 昔の兄様は➡ 120 00:10:11,053 --> 00:10:17,053 上州の寺で一緒に過ごした頃の 兄様は もっとお優しかった。 121 00:10:18,927 --> 00:10:26,068 その優しい兄を 殺そうとした女がいた。 122 00:10:26,068 --> 00:10:28,368 [ 回想 ] 兄様! 123 00:10:37,079 --> 00:10:40,949 忘れた訳ではあるまい。 124 00:10:40,949 --> 00:10:43,418 俺のもとに住め。 125 00:10:43,418 --> 00:10:47,089 何のために お前を 上州から呼び寄せたと思うておる。 126 00:10:47,089 --> 00:10:51,760 私は 名賀村の人々と共に お蚕作りを続けていきたいのです。 127 00:10:51,760 --> 00:10:54,096 なぜ 俺を嫌う? 128 00:10:54,096 --> 00:10:58,967 お蚕作りは 兄様の悲願だったでは ないですか。 129 00:10:58,967 --> 00:11:01,667 俺が怖いのか? 130 00:11:03,438 --> 00:11:06,341 何を恐れる。 131 00:11:06,341 --> 00:11:11,041 二人きりの兄妹ではないか。 132 00:11:14,783 --> 00:11:18,654 (左平次) 弾正様 出立の支度が整いました。 133 00:11:18,654 --> 00:11:20,954 承知した。 134 00:11:58,093 --> 00:12:02,793 朱音様 どうかなさいましたか? 135 00:12:04,766 --> 00:12:11,106 兄様に人狩りをやめて下さいと 頼みに来たのですが…。 136 00:12:11,106 --> 00:12:13,442 妻である音羽様からも どうか…。 137 00:12:13,442 --> 00:12:22,117 いいえ。 弾正様は 私の言う事など 聞いてくれません。 138 00:12:22,117 --> 00:12:28,790 朱音様 どうか御城下へ 戻ってきて下さいませんか? 139 00:12:28,790 --> 00:12:31,693 そうすれば 弾正様も➡ 140 00:12:31,693 --> 00:12:35,993 今より ご機嫌麗しく お過ごしになられるかと。 141 00:12:47,075 --> 00:12:49,011 いいじゃないか。 142 00:12:49,011 --> 00:12:52,748 うわ~ ひでえ傷だ。 143 00:12:52,748 --> 00:12:57,619 この傷は まるで 獣の爪で えぐられたようだ。 144 00:12:57,619 --> 00:12:59,621 えっ!? 145 00:12:59,621 --> 00:13:05,921 いや~ こっだに大きな獣なんて いやしねえがら。 146 00:13:21,443 --> 00:13:23,443 これは…。 147 00:13:25,113 --> 00:13:27,413 (左平次)誰が 一体…。 148 00:13:32,721 --> 00:13:37,059 生きている者がいないか 探せ! はっ! 149 00:13:37,059 --> 00:14:20,102 ♬~ 150 00:14:20,102 --> 00:14:27,976 (笑い声) 151 00:14:27,976 --> 00:14:30,112 (蓑吉)源じっちゃ… あ…。 152 00:14:30,112 --> 00:14:33,381 動いじゃなんねえ。 傷 開ぐぞ。 153 00:14:33,381 --> 00:14:36,051 どうしました? お帰りなさいませ。 154 00:14:36,051 --> 00:14:38,386 夢にうなされ 起きたです。 155 00:14:38,386 --> 00:14:41,056 大丈夫。 源じっちゃ 源じっちゃ…。 156 00:14:41,056 --> 00:14:44,392 何も怖くない。 落ち着いて。 157 00:14:44,392 --> 00:14:47,729 源じっちゃは どご? こごは? ここは➡ 158 00:14:47,729 --> 00:14:51,066 永津野の名賀村という所よ。 159 00:14:51,066 --> 00:14:53,066 永津野…。 160 00:14:54,736 --> 00:14:56,671 い…。 161 00:14:56,671 --> 00:14:59,608 怖がらなくても大丈夫。 162 00:14:59,608 --> 00:15:04,608 香山から来たの? 名前は? 163 00:15:07,082 --> 00:15:09,417 蓑吉。 164 00:15:09,417 --> 00:15:12,117 村で何があった? 165 00:15:14,089 --> 00:15:16,789 人狩りに遭ったの? 166 00:15:19,761 --> 00:15:25,433 「お山が がんずいとる」。 源じっちゃが言ってだ。 167 00:15:25,433 --> 00:15:28,103 がんずいとる…。 168 00:15:28,103 --> 00:15:32,103 何を見だ? ああ? 169 00:15:34,910 --> 00:15:37,913 [ 回想 ] (源一)蓑吉! 蓑吉! 170 00:15:37,913 --> 00:15:41,049 ≪(叫び声と地響き) 171 00:15:41,049 --> 00:15:43,952 何の音? 172 00:15:43,952 --> 00:15:46,922 逃げっつぉ! え? 173 00:15:46,922 --> 00:15:51,693 お山が がんずいとるんじゃ! 早く! 急げ! 174 00:15:51,693 --> 00:15:58,393 (蓑吉)源じっちゃ 途中で おらを逃がそうと「先に行け」って。 175 00:16:01,369 --> 00:16:03,305 ≪(銃声) 176 00:16:03,305 --> 00:16:06,605 あっ あっ… あれ…。 (山鳥の鳴き声) 177 00:16:08,276 --> 00:16:12,013 (怪物のほえる声) 178 00:16:12,013 --> 00:16:14,416 あ… あっ! 179 00:16:14,416 --> 00:16:16,416 (怪物のほえる声) 180 00:16:18,286 --> 00:16:23,425 源じっちゃ きっと あいつに喰われちまったんだ。 181 00:16:23,425 --> 00:16:25,360 か… 怪物…。 182 00:16:25,360 --> 00:16:28,763 か… 怪物!? そっだな…。 お… 落ち着け!➡ 183 00:16:28,763 --> 00:16:31,666 そんなのいるはずあんめえ! 184 00:16:31,666 --> 00:16:34,569 がんずいとる…。 185 00:16:34,569 --> 00:16:38,373 じい? 「がんずいとる」とは? 186 00:16:38,373 --> 00:16:45,247 飢えて怒り 恨みに身を焦がす。 187 00:16:45,247 --> 00:16:51,947 山が 飢え 怒っている? 188 00:17:40,035 --> 00:17:42,335 お待ち下せえ! 189 00:17:49,044 --> 00:17:52,914 ない… ない。 190 00:17:52,914 --> 00:17:55,383 ない…。 191 00:17:55,383 --> 00:17:57,319 ない! 192 00:17:57,319 --> 00:17:59,721 おい! 絵馬がない! 193 00:17:59,721 --> 00:18:03,721 絵馬は どこだ!? 申し訳ごぜえません! 194 00:18:08,730 --> 00:18:11,066 ああ… おやめ下せえ。 195 00:18:11,066 --> 00:18:14,402 あの絵馬は 人目にさらされては ならんと聞いておる。 196 00:18:14,402 --> 00:18:19,402 人目にさらされれば 大きな災いが もたらされると。 197 00:18:26,014 --> 00:18:28,714 ≪ごめんつかまつる。 198 00:18:30,885 --> 00:18:33,888 遅くなりまして 申し訳ございません。 199 00:18:33,888 --> 00:18:38,360 よい 先に始めておった。 200 00:18:38,360 --> 00:18:42,660 音羽 酌を。 はい。 201 00:18:49,371 --> 00:18:53,241 (竜崎)香山に出張っておったか。 はっ。 202 00:18:53,241 --> 00:18:59,381 お前の働きには 常日頃 感謝しておる。 203 00:18:59,381 --> 00:19:03,251 ありがたき お言葉に存じます。 204 00:19:03,251 --> 00:19:07,722 永津野に縁もゆかりもない お前が➡ 205 00:19:07,722 --> 00:19:12,060 ここまで竜崎家のために 尽くしてくれるとはな。 206 00:19:12,060 --> 00:19:15,730 めっそうもない。 よそ者の私を➡ 207 00:19:15,730 --> 00:19:20,402 ここまでお引き立て下さった 殿への恩返しにございます。 208 00:19:20,402 --> 00:19:27,702 お前の事は頼りにしておる。 だから 娘をやったのだ。 209 00:19:37,685 --> 00:19:42,357 わしのあと 高由の代になっても➡ 210 00:19:42,357 --> 00:19:45,260 竜崎家を もり立ててやってくれ。 211 00:19:45,260 --> 00:19:47,695 はっ。 212 00:19:47,695 --> 00:19:55,370 ついては 香山の件じゃが➡ 213 00:19:55,370 --> 00:19:58,706 ほどほどにしておけ。 214 00:19:58,706 --> 00:20:00,706 はっ。 215 00:20:26,401 --> 00:20:28,401 眠れないの? 216 00:20:37,045 --> 00:20:50,425 ♬「坊や坊やよ 泣くのはおよし」 217 00:20:50,425 --> 00:21:03,771 ♬「あれ見てみんろ つちみかどさまが」 218 00:21:03,771 --> 00:21:09,644 死んだおっかあが 昔 唄ってくれた唄だ。 219 00:21:09,644 --> 00:21:15,383 眠れねえ時に よぐ唄ってくれた。 220 00:21:15,383 --> 00:21:17,383 そう。 221 00:21:22,457 --> 00:21:35,737 ♬「鬼をぺろりと平らげた」 222 00:21:35,737 --> 00:21:50,752 ♬「坊や 泣くなよ もう泣くな」 223 00:21:50,752 --> 00:21:55,089 変わった唄ですね。 224 00:21:55,089 --> 00:22:01,429 幼き頃 亡くなった母が よく唄ってくれました。 225 00:22:01,429 --> 00:22:08,729 故郷の上州の唄だとばかり 思っていたのですが…。 226 00:22:17,979 --> 00:22:23,451 いや~ にわかには信じ難い話で ございますなあ。 227 00:22:23,451 --> 00:22:27,121 あの子が 嘘を言っているようには 思えないのです。 228 00:22:27,121 --> 00:22:29,624 怪物が いつ 国境を越えて➡ 229 00:22:29,624 --> 00:22:32,060 この名賀村へやって来るやも しれません。 230 00:22:32,060 --> 00:22:34,395 お前様! 231 00:22:34,395 --> 00:22:36,731 庄屋殿! 232 00:22:36,731 --> 00:22:42,604 では 国境を守る番所に 伝えでおぎましょうか。 233 00:22:42,604 --> 00:22:47,375 だども 信じてもらえるかどうかは 分かりませんが。 234 00:22:47,375 --> 00:22:49,744 では 私が話します。 235 00:22:49,744 --> 00:22:53,414 弾正の妹である私であれば 耳を傾けるはず。 236 00:22:53,414 --> 00:22:58,753 何を。 国境の峠までは 足場も悪うございます。 237 00:22:58,753 --> 00:23:02,423 それこそ 山犬も出るやも しれません。 238 00:23:02,423 --> 00:23:06,094 では 私も参ろう。 239 00:23:06,094 --> 00:23:11,394 朱音殿をお守り致す。 それなら 文句はないでしょう。 240 00:23:30,785 --> 00:23:34,085 これは…。 どうされました? 241 00:23:36,391 --> 00:23:39,060 圓秀殿の絵筆では? 242 00:23:39,060 --> 00:23:44,732 では 圓秀殿は その怪物に!? まさか。 243 00:23:44,732 --> 00:23:47,732 先を急ぎましょう。 はい。 244 00:23:50,071 --> 00:23:53,408 (代官) どうです 番所とは名ばかり➡ 245 00:23:53,408 --> 00:23:55,743 こうなると 立派な砦でございましょう? 246 00:23:55,743 --> 00:23:58,413 これも 弾正様のお知恵にございます。 247 00:23:58,413 --> 00:24:02,083 憎き香山が万が一 攻めてこようと 返り討ちですよ。 248 00:24:02,083 --> 00:24:05,383 (笑い声) 249 00:24:07,755 --> 00:24:11,426 さ 宴の支度が整いましたので 始めましょう。 250 00:24:11,426 --> 00:24:13,361 結構でございます。 251 00:24:13,361 --> 00:24:16,097 本日 参ったのは ご相談がありまして。 252 00:24:16,097 --> 00:24:18,766 何でございましょう。 さあ さあ➡ 253 00:24:18,766 --> 00:24:22,637 弾正様の妹御のおっしゃる事なら 何なりと。 254 00:24:22,637 --> 00:24:25,106 香山領内の仁谷村が…。 何をしている! 255 00:24:25,106 --> 00:24:28,009 早く酒をお持ちせんか! はっ。 256 00:24:28,009 --> 00:24:31,379 申し訳ありません ふつつかな者ばかりで。 257 00:24:31,379 --> 00:24:36,718 いえ。 それより 香山領内の仁谷村が➡ 258 00:24:36,718 --> 00:24:38,753 得体の知れぬ 大きな獣らしきものに➡ 259 00:24:38,753 --> 00:24:41,889 襲われました。 得体の知れぬ? 260 00:24:41,889 --> 00:24:44,926 ハハハ… 熊か何かでしょう。 261 00:24:44,926 --> 00:24:47,395 (半之丈)この時期 熊は めったな事では 山を下りて➡ 262 00:24:47,395 --> 00:24:50,064 人や村を襲う事はありません。 分をわきまえろ! 263 00:24:50,064 --> 00:24:52,734 申し訳ありません。 264 00:24:52,734 --> 00:24:55,636 確かに この時期 山の実りは豊かで➡ 265 00:24:55,636 --> 00:25:00,074 熊は食うには困らぬはず。 村へは下りてこないでしょう。 266 00:25:00,074 --> 00:25:04,412 では その得体の知れぬものが 国境を越えようとしたなら➡ 267 00:25:04,412 --> 00:25:07,081 我々が その場で しとめてみせましょう。 268 00:25:07,081 --> 00:25:09,417 ここには 鉄砲も矢も槍も➡ 269 00:25:09,417 --> 00:25:13,087 獣一匹殺すには 十分すぎる武具が そろっておりますんでな。 270 00:25:13,087 --> 00:25:15,757 (笑い声) 獣一匹と侮ってはなりません! 271 00:25:15,757 --> 00:25:17,692 まあ まあ まあ…。 272 00:25:17,692 --> 00:25:21,629 しかと見張りをさせますゆえ ご安心を。 273 00:25:21,629 --> 00:25:24,629 さ さあ… さあ さあ。 274 00:25:33,040 --> 00:25:43,050 (鳴子の音) 275 00:25:43,050 --> 00:25:46,721 (地響き) 276 00:25:46,721 --> 00:25:48,721 何事だ!? 277 00:25:51,058 --> 00:25:55,058 (地響き) 278 00:26:00,067 --> 00:26:02,737 (悲鳴) 279 00:26:02,737 --> 00:26:23,057 ♬~ 280 00:26:23,057 --> 00:26:25,757 朱音殿! 庄屋殿! 281 00:26:29,764 --> 00:26:32,366 し… 始末しろ! 早く! 何をしている! 282 00:26:32,366 --> 00:26:34,366 はっ! 283 00:26:36,237 --> 00:26:41,709 (悲鳴) 284 00:26:41,709 --> 00:26:44,612 こちらに! 早く! 285 00:26:44,612 --> 00:26:55,723 ♬~ 286 00:26:55,723 --> 00:26:58,626 (怪物のほえる声) 287 00:26:58,626 --> 00:27:01,326 うわ~! 288 00:27:07,735 --> 00:27:10,638 ≪(圓秀)助けてくれ! 289 00:27:10,638 --> 00:27:13,074 ≪(圓秀)助けて! 290 00:27:13,074 --> 00:27:15,374 あの声は 圓秀殿。 291 00:27:16,944 --> 00:27:18,946 ≪(圓秀)助けてくれ! 292 00:27:18,946 --> 00:27:22,750 助けてくれ! おい 助けてくれ! 293 00:27:22,750 --> 00:27:24,685 どうして こんなところに!? 294 00:27:24,685 --> 00:27:27,622 怪物を一目見たいと 山を進んでおったのですが➡ 295 00:27:27,622 --> 00:27:29,622 怪しい者と見なされ…。 296 00:27:32,360 --> 00:27:34,295 よくぞ ご無事で。 297 00:27:34,295 --> 00:27:36,697 怪物に襲われてしまったのかと。 298 00:27:36,697 --> 00:27:39,033 ああっ! クソ! 299 00:27:39,033 --> 00:27:42,033 早く! 急げ! 300 00:27:43,704 --> 00:27:45,704 クソ! 301 00:27:48,576 --> 00:27:53,381 逃げましょう。 このままじゃ みんな死ぬ! (圓秀)おい。 302 00:27:53,381 --> 00:27:55,316 見捨てないでくれ。 303 00:27:55,316 --> 00:27:59,016 もちろんです。 見捨てません。 304 00:28:01,722 --> 00:28:03,722 申し訳ない。 305 00:28:06,594 --> 00:28:08,594 お下がり下さい! 306 00:28:10,398 --> 00:28:12,333 えい! 307 00:28:12,333 --> 00:28:14,268 あっ! 308 00:28:14,268 --> 00:28:17,071 うっ! だあ! 309 00:28:17,071 --> 00:28:29,083 ♬~ 310 00:28:29,083 --> 00:28:31,083 急げ! 311 00:28:33,688 --> 00:28:36,023 おい おい。 312 00:28:36,023 --> 00:28:37,959 絵の道具がない。 知らんか? 313 00:28:37,959 --> 00:28:42,696 今 どうでもいいだろ。 よくない! あれは 私の宝だ! 314 00:28:42,696 --> 00:28:44,696 早く表へ! 315 00:28:48,035 --> 00:28:50,370 圓秀殿? 316 00:28:50,370 --> 00:28:52,706 死ぬ気か!? 317 00:28:52,706 --> 00:28:59,379 まさか。 怪物をこの目で見て 描かぬ限り 死ねるものか! 318 00:28:59,379 --> 00:29:03,050 圓秀殿! 崩れます! 行きましょう! 319 00:29:03,050 --> 00:29:14,394 (怪物のほえる声と人々の悲鳴) 320 00:29:14,394 --> 00:29:16,594 ああ! 321 00:29:19,066 --> 00:29:21,001 あの中へ! 322 00:29:21,001 --> 00:29:36,550 ♬~ 323 00:29:36,550 --> 00:29:39,850 ≪(怪物のほえる声) 324 00:29:56,903 --> 00:30:05,903 (地響き) 325 00:30:10,050 --> 00:30:12,050 ああ! 326 00:30:22,629 --> 00:30:28,068 (悲鳴) 327 00:30:28,068 --> 00:30:39,679 (怪物のほえる声) 328 00:30:39,679 --> 00:30:51,379 (怪物のほえる声と人々の悲鳴) 329 00:31:20,787 --> 00:31:22,722 庄屋殿。 330 00:31:22,722 --> 00:31:26,022 庄屋殿! 庄屋殿! 331 00:31:27,661 --> 00:31:30,130 そんな…。 332 00:31:30,130 --> 00:31:45,412 ♬~ 333 00:31:45,412 --> 00:31:48,081 あの絵描きは? 334 00:31:48,081 --> 00:31:50,081 圓秀殿…。 335 00:31:52,953 --> 00:31:54,953 絵描き殿! 336 00:31:56,756 --> 00:32:00,756 圓秀殿! 圓秀殿! 337 00:32:03,096 --> 00:32:05,765 絵描き殿! 338 00:32:05,765 --> 00:32:08,668 圓秀殿! 339 00:32:08,668 --> 00:32:11,104 絵描き殿! 340 00:32:11,104 --> 00:32:14,007 だから 共に逃げようと 言ったのに。 341 00:32:14,007 --> 00:32:16,307 圓秀殿まで…。 342 00:32:17,978 --> 00:32:20,780 うわ~! うわっ! 343 00:32:20,780 --> 00:32:23,683 た… 助かった。 344 00:32:23,683 --> 00:32:26,653 生きてる。 脅かすな! 345 00:32:26,653 --> 00:32:29,122 よかった…。 346 00:32:29,122 --> 00:32:33,122 戻ろう。 村が危ないやもしれん。 347 00:32:34,928 --> 00:32:38,398 (左平次)まこととは 到底思えん。 348 00:32:38,398 --> 00:32:41,067 (半之丈) ぶざまに逃げ戻ってきてしまい➡ 349 00:32:41,067 --> 00:32:43,367 申し訳ありません! 350 00:32:46,406 --> 00:32:49,309 よく戻った。 351 00:32:49,309 --> 00:32:51,278 弾正様…。 352 00:32:51,278 --> 00:32:56,750 お前のおかげで 怪物が どのようなものか知る事ができた。 353 00:32:56,750 --> 00:32:59,653 ゆっくり休め。 354 00:32:59,653 --> 00:33:02,088 はっ。 355 00:33:02,088 --> 00:33:04,088 さあ。 さあ さあ。 356 00:33:08,962 --> 00:33:11,431 どういう事だ。 357 00:33:11,431 --> 00:33:16,102 怪物など 我々には 到底 考えの及ばぬ事としか…。 358 00:33:16,102 --> 00:33:19,973 怪物は なぜ 見境なく暴れる…。 359 00:33:19,973 --> 00:33:25,445 え? 怪物が真に欲するのは 竜崎の血のはず。 360 00:33:25,445 --> 00:33:29,316 なぜ 怪物が 竜崎の血を欲するのですか? 361 00:33:29,316 --> 00:33:34,721 あれは 香山が永津野と戦うべく 作った代物だ。 362 00:33:34,721 --> 00:33:41,721 故に 怪物が欲するのは 永津野領主 竜崎の血という訳だ。 363 00:33:43,730 --> 00:33:45,730 弾正様。 364 00:33:47,400 --> 00:33:51,738 そうか。 怪物は 竜崎の血を喰らうまでは➡ 365 00:33:51,738 --> 00:33:55,408 何でも喰らうという事か。 366 00:33:55,408 --> 00:33:58,078 どうなさるおつもりですか? 367 00:33:58,078 --> 00:34:00,981 怪物に竜崎の血を与える。 368 00:34:00,981 --> 00:34:07,681 さすれば 怪物を手なずけ いかようにも操る事ができるはず。 369 00:34:10,657 --> 00:34:15,957 我が妻 音羽を 生け贄として怪物にささげる。 370 00:34:41,621 --> 00:34:45,592 ここで 何を? お逃げ下さい。 え? 371 00:34:45,592 --> 00:34:48,292 弾正様に殺されます。 372 00:34:59,406 --> 00:35:01,741 これ以上動いては 危うい。 373 00:35:01,741 --> 00:35:04,041 あそこで夜を明かそう。 374 00:35:21,094 --> 00:35:23,997 動くな。 375 00:35:23,997 --> 00:35:26,997 永津野のもんか? 376 00:35:30,103 --> 00:35:34,708 あなたは 香山の者ですか? 377 00:35:34,708 --> 00:35:38,578 今 蓑吉という子を 村で かくまっています。 378 00:35:38,578 --> 00:35:41,581 何? 蓑吉!? 379 00:35:41,581 --> 00:35:43,717 はい。 380 00:35:43,717 --> 00:35:47,587 本当か? 本当なんだな? 381 00:35:47,587 --> 00:35:49,587 はい。 382 00:35:51,591 --> 00:35:56,296 ああ… いがった。 383 00:35:56,296 --> 00:36:00,596 あなたは 蓑吉のおじいさん? 384 00:36:03,403 --> 00:36:07,741 私たちも 怪物に襲われ 逃げてきたところです。 385 00:36:07,741 --> 00:36:17,417 クソ… あの怪物 香山を守んのが務めだべに。 386 00:36:17,417 --> 00:36:21,417 香山を守るのが務め…。 387 00:36:25,091 --> 00:36:28,762 (源一)親父がら聞いだ話だ。➡ 388 00:36:28,762 --> 00:36:36,035 香山と永津野は 長い間 いがみ合ってきた。 389 00:36:36,035 --> 00:36:40,373 永津野は強え。 390 00:36:40,373 --> 00:36:47,247 香山の村が いくつも滅ぼされだ。➡ 391 00:36:47,247 --> 00:36:51,017 香山のもんは いづ まだ➡ 392 00:36:51,017 --> 00:36:55,388 永津野が攻めでくるやもしれんと 恐れ➡ 393 00:36:55,388 --> 00:37:00,260 眠れぬ夜を過ごしたそうじゃ。 394 00:37:00,260 --> 00:37:12,939 香山の殿様は 永津野と戦うために 呪いの力に頼る事にした。 395 00:37:12,939 --> 00:37:16,676 え? 呪いの力? 396 00:37:16,676 --> 00:37:22,376 怪物を作り出そうとしたんじゃ。 397 00:37:27,086 --> 00:37:29,989 そのころ 香山には➡ 398 00:37:29,989 --> 00:37:38,989 呪いの術を操る 瓜生という名の 一族が住んでいでな。 399 00:37:42,569 --> 00:37:48,041 (源一)土塊をこね そごへ➡ 400 00:37:48,041 --> 00:37:54,380 蜥蜴や蝦蟇の死骸を集めだものを 混ぜ合わせた。➡ 401 00:37:54,380 --> 00:38:03,389 そんで 仕上げに 香山のもんの 生き血を注いだという。➡ 402 00:38:03,389 --> 00:38:09,062 何人も何人も 香山のために➡ 403 00:38:09,062 --> 00:38:13,762 その身をささげる者が おったそうじゃ。 404 00:38:17,737 --> 00:38:23,076 だが 太平の世になって➡ 405 00:38:23,076 --> 00:38:28,376 怪物は 無用のものどなっちまった。 406 00:38:34,354 --> 00:38:37,257 それで 怪物は? 407 00:38:37,257 --> 00:38:43,363 香山の殿も 幕府をはばかり➡ 408 00:38:43,363 --> 00:38:49,035 怪物を封印したといわれておる。 409 00:38:49,035 --> 00:38:52,372 封印? どうやって? 410 00:38:52,372 --> 00:38:55,708 そごまでは分がらん。 411 00:38:55,708 --> 00:39:02,382 その怪物が なぜ 今 現れたのでしょう。 412 00:39:02,382 --> 00:39:09,682 (源一)さあ。 封印が解がれだのがもしれん。 413 00:39:12,725 --> 00:39:15,025 どうなされた? 414 00:39:17,397 --> 00:39:24,070 わ… わた… 私のせいだ。 415 00:39:24,070 --> 00:39:26,005 私の…。 416 00:39:26,005 --> 00:39:28,408 (泣き声) 417 00:39:28,408 --> 00:39:30,708 どういう事ですか? 418 00:39:33,680 --> 00:39:40,019 ひとつきほど前 旅の途中 香山の村で➡ 419 00:39:40,019 --> 00:39:46,693 け… 決して表に出してはならん 絵馬があると聞いた。 420 00:39:46,693 --> 00:39:51,364 ど… どうしても それが見たくなって。 421 00:39:51,364 --> 00:39:53,700 それで…。 422 00:39:53,700 --> 00:39:56,700 持ち去ってしまった。 423 00:39:59,038 --> 00:40:00,974 (上役)絵馬を盗んだ者は➡ 424 00:40:00,974 --> 00:40:03,710 香山に立ち寄った絵描きらしい との事です。 425 00:40:03,710 --> 00:40:07,046 その絵描きを捜せ! 426 00:40:07,046 --> 00:40:08,982 必ず捕らえよ! 427 00:40:08,982 --> 00:40:12,919 はっ! 恐れながら。 428 00:40:12,919 --> 00:40:16,055 申してみよ。 429 00:40:16,055 --> 00:40:18,391 はっ。 430 00:40:18,391 --> 00:40:25,391 その絵馬には 何が描かれているんでしょう。 431 00:40:36,743 --> 00:40:39,078 怪物だ。 432 00:40:39,078 --> 00:40:41,778 か… 怪物? 433 00:40:43,416 --> 00:40:50,089 我らが怪物を作った事実を 幕府に知られぬよう➡ 434 00:40:50,089 --> 00:40:58,431 怪物を絵馬に封じ込め およそ100年もの間➡ 435 00:40:58,431 --> 00:41:07,774 決して人目に触れぬよう 代々守り続けてきたのだ。 436 00:41:07,774 --> 00:41:15,448 しかし あろう事か 封印が解かれ 怪物が現れ➡ 437 00:41:15,448 --> 00:41:21,788 我が香山の仁谷村の民を➡ 438 00:41:21,788 --> 00:41:26,488 皆殺しにしてしまった。 439 00:41:28,661 --> 00:41:33,399 絵馬に描かれた怪物 その絵には➡ 440 00:41:33,399 --> 00:41:38,271 何とも言い難い すさまじい力があった。 441 00:41:38,271 --> 00:41:44,043 悔しいほどに 私の心を震わされた。 442 00:41:44,043 --> 00:41:46,946 こんな絵が描けるなら 死んでもよい! 443 00:41:46,946 --> 00:41:49,949 私は そう思った! 444 00:41:49,949 --> 00:41:56,622 お前のせいじゃ。 お前が封印を解いだせいで➡ 445 00:41:56,622 --> 00:41:59,092 何人が命を落どしたと 思っていんだ! 446 00:41:59,092 --> 00:42:01,027 落ち着きなさい! 447 00:42:01,027 --> 00:42:04,430 一刻も早く 絵馬を取り戻せ。 448 00:42:04,430 --> 00:42:06,766 (2人)はっ! 449 00:42:06,766 --> 00:42:13,106 そして 絵馬を盗んだ者 見た者➡ 450 00:42:13,106 --> 00:42:17,443 全て 始末せよ。 451 00:42:17,443 --> 00:42:19,443 はっ! ははあ! 452 00:42:40,399 --> 00:42:42,399 兄様! 453 00:43:22,441 --> 00:43:24,741 眠れないのですか? 454 00:43:29,782 --> 00:43:33,386 番所では ありがとうございました。 455 00:43:33,386 --> 00:43:35,386 いえ。 456 00:43:38,724 --> 00:43:43,724 とんでもない事に 巻き込んでしまいましたね。 457 00:43:46,599 --> 00:43:50,069 お供すると言ったのは 私です。 458 00:43:50,069 --> 00:43:52,972 しかし まさか あんな怪物がいようとは➡ 459 00:43:52,972 --> 00:43:55,741 思いも寄りませんでした。 460 00:43:55,741 --> 00:43:58,441 長く生きてみるもんだ。 461 00:44:10,289 --> 00:44:12,989 お故郷は どちらですか? 462 00:44:15,094 --> 00:44:18,431 申し訳ありません。 余計な事でしたね。 463 00:44:18,431 --> 00:44:22,101 いえ…。 464 00:44:22,101 --> 00:44:24,101 江戸です。 465 00:44:25,972 --> 00:44:33,045 父は御家人で… とはいっても 貧乏侍で 私は次男坊です。 466 00:44:33,045 --> 00:44:36,045 何用で こちらまで? 467 00:44:38,918 --> 00:44:41,721 弔いです。 468 00:44:41,721 --> 00:44:45,057 弔い? 469 00:44:45,057 --> 00:44:52,398 兄が 長年 我が家に 仕えてくれた下男を➡ 470 00:44:52,398 --> 00:44:54,698 手討ちにしました。 471 00:44:56,269 --> 00:44:59,071 ささいな しくじりだった。 472 00:44:59,071 --> 00:45:03,943 ですが 兄は それが許せず…。 473 00:45:03,943 --> 00:45:06,946 兄は 下男など 人とも思っていませんでした。 474 00:45:06,946 --> 00:45:11,083 斬って当然と。 475 00:45:11,083 --> 00:45:13,783 そして 私も また…。 476 00:45:16,422 --> 00:45:20,760 兄を責めなかった。 477 00:45:20,760 --> 00:45:23,460 何も言えなかったのです。 478 00:45:25,097 --> 00:45:30,436 せめて 遺髪だけでも 故郷に届けてやろうと思い➡ 479 00:45:30,436 --> 00:45:35,041 出羽国を訪ねました。 480 00:45:35,041 --> 00:45:39,712 まっすぐ帰る気にもなれず 旅をしていたところ➡ 481 00:45:39,712 --> 00:45:43,412 山で あの子を見つけたのです。 482 00:45:45,384 --> 00:45:47,384 そうでしたか。 483 00:45:54,060 --> 00:45:57,360 あなたが苦しむ事はありません。 484 00:45:59,932 --> 00:46:04,932 兄上の事で あなたが苦しむ事はありません。 485 00:46:08,407 --> 00:46:14,280 私も 兄を 止められませんでした。 486 00:46:14,280 --> 00:46:21,280 罪もない人々を苦しめる兄を。 487 00:46:27,760 --> 00:46:33,366 あなたこそ 自分を責める事はありません。 488 00:46:33,366 --> 00:46:46,912 ♬~ 489 00:46:46,912 --> 00:46:49,382 (鳥が羽ばたく音) 490 00:46:49,382 --> 00:47:08,682 ♬~ 491 00:47:12,605 --> 00:47:17,305 朱音様! (加介)いがった ご無事で! 492 00:47:23,082 --> 00:47:25,751 源じっちゃ! 493 00:47:25,751 --> 00:47:29,622 生ぎでだ。 生ぎでだ。 494 00:47:29,622 --> 00:47:34,322 じっちゃが死ぬ訳ねえべ 蓑吉。 495 00:47:36,695 --> 00:47:38,695 親父殿は? 496 00:47:44,570 --> 00:47:49,870 番所で怪物に襲われ…。 497 00:47:52,044 --> 00:47:54,344 庄屋殿は…。 498 00:48:03,389 --> 00:48:08,260 (泣き声) 499 00:48:08,260 --> 00:48:10,560 怪物…。 500 00:48:25,077 --> 00:48:28,747 兄様が 音羽様を怪物の生け贄に? 501 00:48:28,747 --> 00:48:31,447 何かの間違いではないですか? 502 00:48:37,356 --> 00:48:39,356 朱音様。 503 00:48:52,705 --> 00:48:57,576 音羽様を ここへ置いてちゃなんねえです。 504 00:48:57,576 --> 00:49:01,380 城へ帰ってもらって下せえ。 505 00:49:01,380 --> 00:49:03,680 どうして? 506 00:49:05,718 --> 00:49:08,621 村のためです。 507 00:49:08,621 --> 00:49:10,621 え? 508 00:49:12,391 --> 00:49:16,061 ≪そんな事できるはずねえ! ≪何 言いだすんだ! 509 00:49:16,061 --> 00:49:18,397 よそもんが 出しゃばんな! ふざけんな! 510 00:49:18,397 --> 00:49:21,066 早ぐ こごを出ろ。 511 00:49:21,066 --> 00:49:25,738 お前たちが束になったって あの怪物には かないっこねえ。 512 00:49:25,738 --> 00:49:28,641 田んぼや畑は どうすんだ! 村 捨てられっか! 513 00:49:28,641 --> 00:49:31,343 何で分かんねえんだ このバカたれ! 514 00:49:31,343 --> 00:49:35,043 バカとは何だ! 皆 聞きなさい! 515 00:49:36,682 --> 00:49:40,553 怪物は それは それは 恐ろしい力を持っています。 516 00:49:40,553 --> 00:49:44,253 一刻も早く ここを出るべきです! 517 00:49:48,694 --> 00:49:52,565 に… 逃げっぺ。 おせん 支度しろ。 518 00:49:52,565 --> 00:49:56,368 おらは逃げねえ。 (加介)お前 怖ぐねえのが? 519 00:49:56,368 --> 00:49:59,038 怖え。 怖えよ! 520 00:49:59,038 --> 00:50:03,709 だけど せっかく せっかく お蚕屋敷も出来たんだ! 521 00:50:03,709 --> 00:50:07,379 逃げられっか! んだ。 522 00:50:07,379 --> 00:50:11,250 戦おう! この村を守るんだ! 523 00:50:11,250 --> 00:50:13,550 (一同)オ~! 524 00:50:18,023 --> 00:50:19,959 朱音様。 525 00:50:19,959 --> 00:50:21,927 おせん。 526 00:50:21,927 --> 00:50:26,065 朱音様は逃げてくんつぇ。 527 00:50:26,065 --> 00:50:31,765 朱音様には死んでほしくねえから 逃げてくんつぇ! 528 00:50:37,676 --> 00:50:42,376 いえ ここに残ります。 529 00:50:45,751 --> 00:50:50,451 私も この村の者です。 530 00:50:56,395 --> 00:51:01,395 勝手にしろ! 蓑吉 行くぞ。 531 00:51:05,437 --> 00:51:07,437 蓑吉。 532 00:51:09,108 --> 00:51:12,808 おらも 怪物を倒してえ。 533 00:51:14,780 --> 00:51:17,116 蓑吉。 534 00:51:17,116 --> 00:51:19,451 源じっちゃ。 535 00:51:19,451 --> 00:51:32,398 ♬~ 536 00:51:32,398 --> 00:51:37,069 このバカたれどもが。 537 00:51:37,069 --> 00:51:42,069 だったら この老いぼれの命 お前らに くれてやる! 538 00:51:43,742 --> 00:51:46,078 あいつの息の根を止めっか。 539 00:51:46,078 --> 00:51:50,749 根こそぎ わしらが喰われっか。 二つに一つじゃ! 540 00:51:50,749 --> 00:51:54,420 よし! やってやるぞ! 541 00:51:54,420 --> 00:52:11,437 ♬~ 542 00:52:11,437 --> 00:52:14,339 もっと 薪と藁! それから 粗朶も! 543 00:52:14,339 --> 00:52:16,339 おう。 544 00:52:31,724 --> 00:52:33,724 絵描き殿。 545 00:52:35,594 --> 00:52:37,594 どちらへ? 546 00:52:39,598 --> 00:52:42,898 絵馬を返しに行く。 え? 547 00:52:47,072 --> 00:52:51,410 どうだ。 すさまじいだろ? 548 00:52:51,410 --> 00:52:57,082 私のせいで こうなった。 だから 私が鎮める。 549 00:52:57,082 --> 00:52:59,418 待て。 550 00:52:59,418 --> 00:53:02,755 香山の者たちも きっと必死になって➡ 551 00:53:02,755 --> 00:53:05,657 絵馬を盗んだ者を 捜している事だろう。 552 00:53:05,657 --> 00:53:07,626 見つかれば どうなるか。 553 00:53:07,626 --> 00:53:09,628 自分の尻ぐらい 自分で拭く。 554 00:53:09,628 --> 00:53:13,398 道中 怪物に遭うかもしれん。 555 00:53:13,398 --> 00:53:16,101 今度こそ 殺されるぞ。 556 00:53:16,101 --> 00:53:18,401 構わん。 557 00:53:24,777 --> 00:53:27,077 圓秀殿! 558 00:54:24,102 --> 00:54:28,402 ここまで長い道のりでした。 559 00:54:30,776 --> 00:54:35,614 村の者たちは お蚕作りを 根づかせようとして➡ 560 00:54:35,614 --> 00:54:40,052 何度も失敗し それでも諦めなかった。 561 00:54:40,052 --> 00:54:46,391 それが 今 やっと実ろうとしている。 562 00:54:46,391 --> 00:54:50,391 ここで放り出す訳にはいかない。 563 00:54:52,064 --> 00:54:57,936 それに お蚕様で 領内が豊かになる事は➡ 564 00:54:57,936 --> 00:55:01,740 兄様の願いでもあります。 565 00:55:01,740 --> 00:55:05,440 弾正様の願い? 566 00:55:08,080 --> 00:55:12,780 朱音様は 何も知らないようですね。 567 00:55:14,753 --> 00:55:20,053 あの方の本当の恐ろしさを ご存じない。 568 00:55:33,705 --> 00:55:36,041 おい。 569 00:55:36,041 --> 00:55:38,341 あそこだ。 570 00:55:49,588 --> 00:55:51,588 貴様らか! 571 00:56:02,067 --> 00:56:07,767 え… 絵馬は返す! ここに! 572 00:56:10,409 --> 00:56:12,709 申し訳なかった。 573 00:56:14,279 --> 00:56:16,748 義昌様。 574 00:56:16,748 --> 00:56:21,048 貴様らには ここで死んでもらう。 575 00:56:23,088 --> 00:56:25,088 やあ~! 576 00:56:29,761 --> 00:56:32,364 え… 絵馬は返したではないか! 577 00:56:32,364 --> 00:56:34,364 うわ~! 578 00:56:36,234 --> 00:56:38,234 圓秀殿! 579 00:56:41,039 --> 00:56:42,975 待たれよ! 580 00:56:42,975 --> 00:56:45,911 貴様らに 我々の無念さは 分かるまい! 581 00:56:45,911 --> 00:56:48,914 香山を守るために 怪物を作った。 582 00:56:48,914 --> 00:56:52,384 その怪物に… 守ってくれるはずの怪物に➡ 583 00:56:52,384 --> 00:56:55,287 香山の民は殺されたのだ! 584 00:56:55,287 --> 00:56:57,287 あ~! 585 00:57:00,258 --> 00:57:03,958 貴様らが封印を解いたせいだ! 586 00:57:09,401 --> 00:57:11,401 行け~! 587 00:57:15,741 --> 00:57:17,741 あ…。 588 00:57:22,414 --> 00:57:25,114 義昌様~! 589 00:57:26,752 --> 00:57:30,752 おしまいだ… 全て おしまいだ。 590 00:57:33,025 --> 00:57:37,696 斬ってくれ。 頼む! 斬ってくれ! 591 00:57:37,696 --> 00:57:41,366 (泣き声) 592 00:57:41,366 --> 00:57:45,704 圓秀殿 村へ戻ろう。 593 00:57:45,704 --> 00:57:47,704 宗栄! 594 00:57:50,042 --> 00:57:52,342 申し訳ない。 595 00:57:59,718 --> 00:58:05,390 弾正様が変わられたのは 8年前。 596 00:58:05,390 --> 00:58:07,690 8年前。 597 00:58:09,261 --> 00:58:14,399 朱音様が 永津野にいらしてからです。 598 00:58:14,399 --> 00:58:18,699 私を見る目が変わりました。 599 00:58:21,273 --> 00:58:25,043 かつては優しかったのに…。 600 00:58:25,043 --> 00:58:28,947 そのころから 目の奥に➡ 601 00:58:28,947 --> 00:58:33,885 底知れぬ憎しみを たたえるようになりました。 602 00:58:33,885 --> 00:58:40,025 そして 優しいまなざしは 私ではなく➡ 603 00:58:40,025 --> 00:58:43,325 別の方に 向けられるようになった。 604 00:58:50,368 --> 00:58:55,240 なぜ 永津野に いらしたのですか? 605 00:58:55,240 --> 00:59:01,240 どうして? あなたさえ来なければ。 606 00:59:02,948 --> 00:59:05,648 ≪怪物だ~! 607 00:59:10,055 --> 00:59:13,725 (地響き) 608 00:59:13,725 --> 00:59:16,628 (悲鳴) 609 00:59:16,628 --> 00:59:18,597 (怪物のほえる声) 610 00:59:18,597 --> 00:59:29,074 ♬~ 611 00:59:29,074 --> 00:59:31,977 (ほえる声) 612 00:59:31,977 --> 00:59:53,265 ♬~ 613 00:59:53,265 --> 00:59:55,700 女 子どもさ 後ろさ 下がれ! 614 00:59:55,700 --> 01:00:02,574 (悲鳴) 615 01:00:02,574 --> 01:00:06,044 行くぞ~! (一同)オ~! 616 01:00:06,044 --> 01:00:10,382 小夜… 小夜がいない。 617 01:00:10,382 --> 01:00:12,317 小夜様! 618 01:00:12,317 --> 01:00:28,733 ♬~ 619 01:00:28,733 --> 01:00:30,669 火を放で~! 620 01:00:30,669 --> 01:00:33,071 (一同)オ~! 621 01:00:33,071 --> 01:00:43,715 ♬~ 622 01:00:43,715 --> 01:00:49,715 (ほえる声) 623 01:00:54,092 --> 01:01:03,101 ♬~ 624 01:01:03,101 --> 01:01:06,972 (悲鳴) 625 01:01:06,972 --> 01:01:09,774 田んぼさ 飛び込め! 626 01:01:09,774 --> 01:01:24,122 ♬~ 627 01:01:24,122 --> 01:01:26,057 小夜! 小夜! 628 01:01:26,057 --> 01:01:27,993 小夜様! 小夜! 629 01:01:27,993 --> 01:01:29,995 小夜様! 小夜! 630 01:01:29,995 --> 01:01:31,995 ああ! 631 01:01:36,067 --> 01:01:38,003 (悲鳴) 632 01:01:38,003 --> 01:01:40,003 はあ はあ…。 633 01:01:46,711 --> 01:01:48,711 おせん! 634 01:01:50,415 --> 01:01:52,350 おせん! 635 01:01:52,350 --> 01:01:56,050 加介さん 逃げで! 逃げで! 636 01:01:57,756 --> 01:01:59,691 逃げで! 637 01:01:59,691 --> 01:02:02,427 うわ~! 638 01:02:02,427 --> 01:02:04,763 (おせん)加介さん! 639 01:02:04,763 --> 01:02:06,763 こっちだ! 640 01:02:09,100 --> 01:02:12,800 怪物 かがってこ~い! 641 01:02:15,440 --> 01:02:17,375 あ~! 642 01:02:17,375 --> 01:02:19,375 加介さん! 643 01:02:21,780 --> 01:02:24,480 うわ~! 644 01:02:26,651 --> 01:02:30,351 加介さん! 加介さん! 645 01:02:32,057 --> 01:02:35,727 加介さん! 逃げるぞ! 646 01:02:35,727 --> 01:02:38,063 加介さん! 早く逃げろ! 647 01:02:38,063 --> 01:02:41,363 小夜! 小夜様! 小夜様! 648 01:02:50,642 --> 01:02:53,642 あっ 村が! 649 01:02:59,351 --> 01:03:01,753 (ほえる声) 650 01:03:01,753 --> 01:03:04,656 (悲鳴) 651 01:03:04,656 --> 01:03:50,356 ♬~ 652 01:03:52,070 --> 01:03:59,370 (ほえる声) 653 01:04:10,088 --> 01:04:12,088 やった! 654 01:04:18,430 --> 01:04:21,430 すげえ やった! 655 01:04:23,301 --> 01:04:26,001 (怪物のほえる声) 656 01:04:27,772 --> 01:04:29,772 (ほえる声) 657 01:04:38,383 --> 01:04:40,718 (ほえる声) みんな 逃げろ! 658 01:04:40,718 --> 01:04:44,055 うわ~! 殺すぞ! 659 01:04:44,055 --> 01:04:59,404 ♬~ 660 01:04:59,404 --> 01:05:01,404 (悲鳴) 661 01:05:05,076 --> 01:05:08,746 小夜! 小夜様! 小夜! 小夜様! 662 01:05:08,746 --> 01:05:13,084 急げ! お前 先に行くだ。 663 01:05:13,084 --> 01:05:15,019 うお~! 664 01:05:15,019 --> 01:05:16,955 うお~! 665 01:05:16,955 --> 01:05:18,957 小夜様! 小夜! 666 01:05:18,957 --> 01:05:20,957 小夜様! あっ。 667 01:05:26,097 --> 01:05:30,435 あっ あっ…。 音羽様 一刻も早く 小夜様を。 668 01:05:30,435 --> 01:05:41,045 ♬~ 669 01:05:41,045 --> 01:05:44,045 女 子ども 助けろ! 早く! 670 01:05:45,917 --> 01:05:47,917 おふくろ様! 671 01:05:49,721 --> 01:05:52,056 おふくろ様! 672 01:05:52,056 --> 01:05:54,959 煙管… 親父様の煙管…。 673 01:05:54,959 --> 01:05:58,659 おふくろ様! (地響き) 674 01:06:07,071 --> 01:06:09,974 小夜様! 小夜! 小夜様! 小夜! 675 01:06:09,974 --> 01:06:14,746 小夜! 小夜様! 小夜…。 676 01:06:14,746 --> 01:06:17,081 小夜様! 677 01:06:17,081 --> 01:06:19,751 (泣き声) 678 01:06:19,751 --> 01:06:23,421 小夜…。 (泣き声) 679 01:06:23,421 --> 01:06:26,121 小夜 おいで。 680 01:06:27,759 --> 01:06:31,029 もう大丈夫 もう大丈夫。 681 01:06:31,029 --> 01:06:33,364 音羽様 逃げましょう。 682 01:06:33,364 --> 01:06:35,364 行きましょう。 683 01:06:37,035 --> 01:06:40,335 (怪物のうなる声) 684 01:06:52,050 --> 01:07:01,726 (泣き声) 685 01:07:01,726 --> 01:07:04,629 お預かりします。 音羽様。 686 01:07:04,629 --> 01:07:07,929 おのれ~! 687 01:07:15,273 --> 01:07:17,275 朱音殿! 688 01:07:17,275 --> 01:07:31,356 ♬~ 689 01:07:31,356 --> 01:07:34,025 あっ。 音羽様! 690 01:07:34,025 --> 01:07:38,325 大丈夫ですか? 早くお逃げ下さい。 691 01:07:42,367 --> 01:07:46,037 この化けもんが~! うわ~! 692 01:07:46,037 --> 01:07:48,373 うわ~! 693 01:07:48,373 --> 01:07:51,042 (怪物のほえる声) 694 01:07:51,042 --> 01:08:16,042 ♬~ 695 01:08:23,741 --> 01:08:27,078 つちみかど様~! 696 01:08:27,078 --> 01:08:31,349 お鎮まり下され~! 697 01:08:31,349 --> 01:08:34,686 つちみかど様~! 698 01:08:34,686 --> 01:08:38,022 つちみかど様…。 699 01:08:38,022 --> 01:08:44,896 わしは 香山の瓜生に仕えし者じゃ。 700 01:08:44,896 --> 01:08:47,896 ありゃあ 瓜生の家紋だ。 701 01:08:49,634 --> 01:08:58,710 つちみかど様 どうが どうが➡ 702 01:08:58,710 --> 01:09:06,050 お山にお帰り下され~!➡ 703 01:09:06,050 --> 01:09:13,124 つちみかど様~! 704 01:09:13,124 --> 01:09:19,397 お~…。 705 01:09:19,397 --> 01:09:22,734 お~! 706 01:09:22,734 --> 01:09:29,607 はあ~…。➡ 707 01:09:29,607 --> 01:09:38,683 お~! 708 01:09:38,683 --> 01:09:41,352 怪物が下がったぞ。 709 01:09:41,352 --> 01:09:44,021 (じい)お~…。 710 01:09:44,021 --> 01:09:50,361 お~!➡ 711 01:09:50,361 --> 01:09:56,033 お~…。 712 01:09:56,033 --> 01:10:00,905 お~!➡ 713 01:10:00,905 --> 01:10:05,042 お~! 714 01:10:05,042 --> 01:10:11,742 お~! 715 01:10:15,052 --> 01:10:21,926 お~! 716 01:10:21,926 --> 01:10:31,226 (怪物の足音) 717 01:10:51,756 --> 01:10:53,691 じい! 718 01:10:53,691 --> 01:10:55,991 じい! じい! 719 01:10:59,630 --> 01:11:01,766 あなたは? 720 01:11:01,766 --> 01:11:10,775 わしは はるか昔 香山から放たれし者…。 721 01:11:10,775 --> 01:11:13,678 ≪(馬のいななき) 弾正様だ! 722 01:11:13,678 --> 01:11:16,378 お~ 弾正様だ! 723 01:11:44,075 --> 01:11:46,010 わ… わ…。 じい。 724 01:11:46,010 --> 01:11:52,750 わし… わしにできるのは ここまでです。 725 01:11:52,750 --> 01:11:57,421 あどは 朱音様…➡ 726 01:11:57,421 --> 01:12:04,762 朱音様なら つちみかど様を鎮める事ができる。 727 01:12:04,762 --> 01:12:08,099 なぜ? なぜ 私が? 728 01:12:08,099 --> 01:12:16,099 こ… 香山の妙高寺…。 729 01:12:18,109 --> 01:12:20,778 じい! 始末しろ! じい! 730 01:12:20,778 --> 01:12:23,478 じい! じい! 731 01:12:25,116 --> 01:12:27,116 じい…。 732 01:12:30,454 --> 01:12:35,293 (圓秀) みんな… みんな 私のせいだ。 733 01:12:35,293 --> 01:12:38,262 封印を私が解いたから。 734 01:12:38,262 --> 01:12:40,264 封印? 735 01:12:40,264 --> 01:12:43,734 絵馬じゃ。 まさか こんな…➡ 736 01:12:43,734 --> 01:12:46,404 こんな事になるとは 思ってなかった! 737 01:12:46,404 --> 01:12:48,739 貴様 何の事を話しておる? 738 01:12:48,739 --> 01:12:52,243 だから 私が 絵馬の封印を 解いたせいで怪物が…。 739 01:12:52,243 --> 01:12:56,443 怪物が現れた事と絵馬などとは 何の関わりもない。 740 01:12:59,750 --> 01:13:04,450 怪物を呼んだのは 俺だ。 741 01:13:08,092 --> 01:13:11,762 怪物が現れたのは 俺の人狩りで➡ 742 01:13:11,762 --> 01:13:15,462 香山の民の血が 多く流れたためだ。 743 01:13:18,436 --> 01:13:25,776 香山の民の怒りが 怪物を目覚めさせたのだ。 744 01:13:25,776 --> 01:13:31,476 だが なぜ 怪物がここに来たか 分かるか? 745 01:13:33,384 --> 01:13:36,287 音羽がいるからだ。 746 01:13:36,287 --> 01:13:40,725 音羽に流れる竜崎の血が 奴を引き付けた。 747 01:13:40,725 --> 01:13:45,425 奴を操るには 音羽の血が要るのだ。 748 01:13:51,736 --> 01:13:54,405 おやめ下さい! 邪魔立てするな! 749 01:13:54,405 --> 01:13:59,076 兄様は 愛する人を どうして 生け贄になど できるのですか!? 750 01:13:59,076 --> 01:14:04,415 愛する人? 誰の事を言っておるのだ。 751 01:14:04,415 --> 01:14:10,287 弾正様は 最初から 私の事など愛していないのです。 752 01:14:10,287 --> 01:14:13,424 永津野で出世するため➡ 753 01:14:13,424 --> 01:14:17,124 竜崎の娘である私を めとったまでの事。 754 01:14:19,296 --> 01:14:23,100 あなた様が 本当に愛しているのは…➡ 755 01:14:23,100 --> 01:14:27,972 心から愛しているお人は…。 756 01:14:27,972 --> 01:14:29,974 引っ立てろ。 757 01:14:29,974 --> 01:14:32,376 母上~! 音羽様を放しなさい! 758 01:14:32,376 --> 01:14:36,047 これは宿命だ。 あらがえん! 759 01:14:36,047 --> 01:14:40,918 宿命? 怪物を目覚めさせ それを操って➡ 760 01:14:40,918 --> 01:14:43,387 兄様は 何をなさるおつもりですか? 761 01:14:43,387 --> 01:14:45,723 香山の者どもを 根絶やしにする。 762 01:14:45,723 --> 01:14:49,593 どうしてです? なぜ そこまで 香山を憎むのですか? 763 01:14:49,593 --> 01:14:52,596 俺が香山の者だからだ。 764 01:14:52,596 --> 01:14:56,296 朱音 お前もだ。 765 01:14:59,737 --> 01:15:02,737 全ては あの地から始まった。 766 01:15:04,408 --> 01:15:10,408 この傷が香山への恨みを 思い出させてくれる。 767 01:15:12,283 --> 01:15:16,754 俺が まだ6つの頃だ。 768 01:15:16,754 --> 01:15:23,427 香山の者に斬り殺されかけ 片目を失った。 そんな…。 769 01:15:23,427 --> 01:15:27,765 ずっと 流行り病だと言っていたが あれは偽りだ。 770 01:15:27,765 --> 01:15:33,370 香山の者どもに 父は殺された。 771 01:15:33,370 --> 01:15:40,044 そして 母と俺たちは 香山の城下から逃げ出した。 772 01:15:40,044 --> 01:15:46,383 俺たちは 山奥の寺へと逃げた。 773 01:15:46,383 --> 01:15:52,056 そこで母は 悲嘆のうちに死んだ。 774 01:15:52,056 --> 01:15:54,725 [ 回想 ] 待て! 待て~! 775 01:15:54,725 --> 01:16:00,025 やがて そこにも追っ手が迫り 俺たちは また逃げた。 776 01:16:01,599 --> 01:16:05,069 俺たちは上州に たどりつき➡ 777 01:16:05,069 --> 01:16:10,369 上州の寺で 二人っきりで育ったのだ。 778 01:16:15,079 --> 01:16:17,982 俺は 俺とお前の人生を めちゃくちゃにした香山に➡ 779 01:16:17,982 --> 01:16:21,982 復讐するため 上州を後にしたのだ。 780 01:16:23,754 --> 01:16:29,093 そして ここ 永津野にたどりついた。 781 01:16:29,093 --> 01:16:36,367 私たちは なぜ 命を狙われたのですか? 782 01:16:36,367 --> 01:16:45,067 それは 我らが呪いの術を操る 瓜生家の一族であったゆえだ。 783 01:16:49,380 --> 01:16:53,380 これが その証し。 784 01:16:57,054 --> 01:17:02,754 香山にとって 我らは 消し去りたい一族だったのだ。 785 01:17:04,929 --> 01:17:13,604 私たちの先祖が 怪物を作り出した…。 786 01:17:13,604 --> 01:17:19,904 香山の恨みだけが 俺の生きていく力。 787 01:17:24,281 --> 01:17:31,981 お前だけが 俺の生きていく歓びだ。 788 01:17:40,030 --> 01:17:46,370 偽りだと言って下さい。 789 01:17:46,370 --> 01:17:52,042 お願いです。 790 01:17:52,042 --> 01:17:55,042 全て偽りだと。 791 01:17:57,915 --> 01:18:07,215 優しかった頃の 昔の兄様に戻って。 792 01:18:21,739 --> 01:18:24,074 者ども! 793 01:18:24,074 --> 01:18:28,946 妙高寺へ参る。 そこへ怪物をおびき出し➡ 794 01:18:28,946 --> 01:18:31,348 音羽を喰わせる! 795 01:18:31,348 --> 01:18:34,184 娘は城へ連れて帰れ! はっ! 796 01:18:34,184 --> 01:18:36,120 (小夜)母上~! 音羽様! 797 01:18:36,120 --> 01:18:39,690 邪魔立てさせるな! 音羽様! 兄様! 798 01:18:39,690 --> 01:18:54,705 ♬~ 799 01:18:54,705 --> 01:18:57,041 どう。 800 01:18:57,041 --> 01:19:00,741 あの山を越えれば 城が見えてまいります。 801 01:19:04,381 --> 01:19:07,284 (馬のいななき) 802 01:19:07,284 --> 01:19:09,253 おわっ! 803 01:19:09,253 --> 01:19:11,953 (馬のいななき) 804 01:19:26,637 --> 01:19:28,637 ぐわ~! 805 01:19:43,687 --> 01:19:45,687 小夜様…。 806 01:19:56,700 --> 01:20:03,040 どうか 母上を助けて下さい。 807 01:20:03,040 --> 01:20:26,063 ♬~ 808 01:20:26,063 --> 01:20:28,063 朱音殿! 809 01:20:35,072 --> 01:20:41,945 これ以上 一人の犠牲も出したくない。 810 01:20:41,945 --> 01:20:52,623 私に怪物を鎮める事が できるのなら 何としても。 811 01:20:52,623 --> 01:20:55,623 あなた一人だけでは 行かせません! 812 01:20:59,096 --> 01:21:02,766 今度こそ あの怪物をしとめる。 813 01:21:02,766 --> 01:21:05,102 わしは行ぐ! 814 01:21:05,102 --> 01:21:09,973 この顛末を見届けない限り➡ 815 01:21:09,973 --> 01:21:12,273 まことの絵は描けん。 816 01:21:15,446 --> 01:21:17,381 皆さん…。 817 01:21:17,381 --> 01:21:19,381 おらも行ぐ! 818 01:21:22,319 --> 01:21:26,790 蓑吉 お前は残れ。 819 01:21:26,790 --> 01:21:28,725 何で? 820 01:21:28,725 --> 01:21:34,025 蓑吉 小夜様を頼みます。 821 01:21:41,071 --> 01:21:43,071 蓑吉。 822 01:21:46,410 --> 01:21:48,745 分がった。 823 01:21:48,745 --> 01:22:08,045 ♬~ 824 01:22:26,450 --> 01:22:28,450 戻るぞ。 825 01:22:35,058 --> 01:22:39,730 [ 回想 ] ♬「坊や坊やよ」 826 01:22:39,730 --> 01:22:45,068 ♬「泣くのはおよし」 827 01:22:45,068 --> 01:22:50,941 ♬「あれ見てみんろ」 828 01:22:50,941 --> 01:22:56,680 ♬「つちみかどさまが」 829 01:22:56,680 --> 01:23:01,418 ♬「来なすった」 830 01:23:01,418 --> 01:23:11,718 ♬「鬼をぺろりと平らげた」 831 01:23:16,767 --> 01:23:20,637 香山の民は➡ 832 01:23:20,637 --> 01:23:24,937 怪物が守り神になると信じていた。 833 01:23:32,049 --> 01:23:38,749 全て 思い出しました。 834 01:23:45,062 --> 01:24:00,762 (読経) 835 01:24:09,286 --> 01:24:12,289 お久しぶりでございます。 836 01:24:12,289 --> 01:24:14,758 お待ちしておりました。 837 01:24:14,758 --> 01:24:20,458 ご無沙汰しております 明念和尚。 838 01:24:22,432 --> 01:24:27,104 弾正様のおっしゃるとおり 朱音様と弾正様は➡ 839 01:24:27,104 --> 01:24:31,942 呪いの術を操る 瓜生の末裔でございます。 840 01:24:31,942 --> 01:24:37,381 そして 香山は 万が一 怪物が暴れだした時のために➡ 841 01:24:37,381 --> 01:24:44,254 永津野に 怪物を 追い払える者たちを置きました。 842 01:24:44,254 --> 01:24:49,254 じいは その一人だったのですね。 843 01:24:52,729 --> 01:24:58,402 今になって どうして怪物は暴れだした? 844 01:24:58,402 --> 01:25:01,738 はっきりとは分かりませぬが➡ 845 01:25:01,738 --> 01:25:08,078 誰かが 命を吹き込んだのでしょうな。 846 01:25:08,078 --> 01:25:10,981 命…。 847 01:25:10,981 --> 01:25:14,751 怪物を鎮めるためには どうすれば? 848 01:25:14,751 --> 01:25:21,051 もともとは 呪いで生まれたもの。 849 01:25:22,626 --> 01:25:27,626 鎮めるのも また 呪い。 850 01:25:37,974 --> 01:25:42,379 はあ… 美しい。 851 01:25:42,379 --> 01:25:44,314 何? 852 01:25:44,314 --> 01:25:48,719 あ いや… 私には➡ 853 01:25:48,719 --> 01:25:54,057 時折 文字さえも 絵に見えてしまう事がありまして。 854 01:25:54,057 --> 01:25:57,394 この呪文を 唱えればよいのですか? 855 01:25:57,394 --> 01:26:00,297 いいえ この呪文は➡ 856 01:26:00,297 --> 01:26:03,266 瓜生の者が その身に記し➡ 857 01:26:03,266 --> 01:26:08,038 つちみかど様に 喰われる事によってのみ➡ 858 01:26:08,038 --> 01:26:11,942 その力を現すのです。 859 01:26:11,942 --> 01:26:18,682 弾正様か 朱音様 どちらかに➡ 860 01:26:18,682 --> 01:26:23,382 命をささげて頂かねばなりませぬ。 861 01:26:25,088 --> 01:26:27,991 駄目だ。 862 01:26:27,991 --> 01:26:29,960 私が。 駄目だ! 863 01:26:29,960 --> 01:26:32,896 そうだ! あなたが死ぬ事はない。 864 01:26:32,896 --> 01:26:37,596 何か ほかにも手があるはずだ。 怪物の息の根を止める手が。 865 01:26:46,042 --> 01:26:49,342 これより怪物をおびき出す! 866 01:26:59,389 --> 01:27:01,324 鐘をつけ。 867 01:27:01,324 --> 01:27:06,024 まことに やるおつもりか。 868 01:27:08,064 --> 01:27:12,936 私は 竜崎家に忠誠を誓いし者。 869 01:27:12,936 --> 01:27:18,708 音羽様を生け贄にするなど 見逃す事はできませぬ。 870 01:27:18,708 --> 01:27:21,008 どうか お考え直し下さ…。 871 01:27:25,415 --> 01:27:29,286 音羽を逃がしたのは 貴様であろう。 872 01:27:29,286 --> 01:27:32,022 何が竜崎家だ。 873 01:27:32,022 --> 01:27:35,722 音羽に ほれていただけ ではないか。 874 01:27:41,364 --> 01:27:43,364 あっ…。 875 01:27:50,707 --> 01:27:53,610 始末しろ。 はっ! 876 01:27:53,610 --> 01:27:56,046 鐘をつけ~! 877 01:27:56,046 --> 01:28:01,384 ≪(鐘の音) 878 01:28:01,384 --> 01:28:04,721 時が近づいております。 879 01:28:04,721 --> 01:28:07,721 (源一)鉄砲を手に入れでくる。 880 01:28:11,595 --> 01:28:18,268 宗栄殿 私の体に 呪文を写してはもらえませぬか。 881 01:28:18,268 --> 01:28:21,738 なりませぬ。 どうしてです? 882 01:28:21,738 --> 01:28:27,077 瓜生の一族でない限り 呪文を読んでしまうと➡ 883 01:28:27,077 --> 01:28:30,747 呪いで 命をとられてしまうのです。 884 01:28:30,747 --> 01:28:33,447 やはり 何か ほかの手を! 885 01:28:36,353 --> 01:28:39,256 文字を読まなければ よいのですね? 886 01:28:39,256 --> 01:28:43,026 いかにも。 887 01:28:43,026 --> 01:28:47,697 圓秀殿 先ほど 呪文が絵に見えたと➡ 888 01:28:47,697 --> 01:28:50,600 おっしゃいましたね。 ええ。 889 01:28:50,600 --> 01:28:52,569 まさか…。 890 01:28:52,569 --> 01:28:56,706 あなたなら これを文字としてではなく➡ 891 01:28:56,706 --> 01:28:59,609 絵として描けるはず。 892 01:28:59,609 --> 01:29:04,381 読めば呪い殺されてしまうのなら 絵として描けばいい。 893 01:29:04,381 --> 01:29:07,717 朱音殿。 お願いします。 894 01:29:07,717 --> 01:29:11,888 何故 あなたが そこまで! 圓秀殿 お願いします。 895 01:29:11,888 --> 01:29:14,888 朱音殿 なぜです? 896 01:29:24,067 --> 01:29:32,067 あの怪物が 私の子どもだからです。 897 01:29:41,351 --> 01:29:49,051 20年前 兄様は私を置いて去りました。 898 01:29:50,694 --> 01:29:55,031 [ 回想 ] お待ち下さい! 兄様! 899 01:29:55,031 --> 01:30:19,055 ♬~ 900 01:30:19,055 --> 01:30:21,755 独りにしないで下さい。 901 01:30:23,927 --> 01:30:27,397 どうしても行くというなら…。 902 01:30:27,397 --> 01:31:09,439 ♬~ 903 01:31:09,439 --> 01:31:15,779 俺は 必ずお前を迎えに来る。 904 01:31:15,779 --> 01:31:18,114 必ず。 905 01:31:18,114 --> 01:31:31,394 ♬~ 906 01:31:31,394 --> 01:31:38,694 私たちは 過ちを犯しました。 907 01:31:41,071 --> 01:31:44,771 兄 妹でありながら。 908 01:31:46,943 --> 01:31:56,419 その時 きっと 私と兄様が あの怪物に命を吹き込んだ。 909 01:31:56,419 --> 01:31:59,119 そんな…。 910 01:32:00,757 --> 01:32:10,433 私は 二度と兄様には会わないと 心に誓いました。 911 01:32:10,433 --> 01:32:16,106 しかし 8年前➡ 912 01:32:16,106 --> 01:32:23,780 兄様が 私を ここへ呼び寄せたのです。 913 01:32:23,780 --> 01:32:30,653 私は 兄様をお慕いするがゆえに➡ 914 01:32:30,653 --> 01:32:34,953 ここへ来てしまいました。 915 01:32:38,061 --> 01:32:43,399 断る事もできたのに。 916 01:32:43,399 --> 01:32:46,069 その禁を再び犯し➡ 917 01:32:46,069 --> 01:32:48,404 我ら呪われた兄妹が 近づいたせいで➡ 918 01:32:48,404 --> 01:32:50,340 怪物が目覚めてしまった。 919 01:32:50,340 --> 01:32:52,275 そんなものは 思い込みにすぎません。 920 01:32:52,275 --> 01:32:58,748 いいえ あの怪物は 私と兄様の子です。 921 01:32:58,748 --> 01:33:01,651 母として 私が 鎮めなければなりません。 922 01:33:01,651 --> 01:33:03,620 違う! 923 01:33:03,620 --> 01:33:08,424 やっと 分かりました。 924 01:33:08,424 --> 01:33:14,297 これが 私の宿命なのです。 925 01:33:14,297 --> 01:33:31,381 ♬~ 926 01:33:31,381 --> 01:33:33,681 圓秀殿。 927 01:33:42,992 --> 01:33:46,930 分かりました。 928 01:33:46,930 --> 01:33:51,701 菊地圓秀 一世一代の大仕事➡ 929 01:33:51,701 --> 01:33:58,408 しかと承りました。 930 01:33:58,408 --> 01:34:02,708 和尚 墨と硯を。 931 01:34:35,044 --> 01:34:40,717 私は…➡ 932 01:34:40,717 --> 01:34:44,417 あなたには 死んでほしくない。 933 01:34:47,390 --> 01:34:54,690 あなたを愛している。 934 01:34:59,002 --> 01:35:01,738 朱音殿。 935 01:35:01,738 --> 01:35:13,082 ♬~ 936 01:35:13,082 --> 01:35:17,754 宗栄殿。 937 01:35:17,754 --> 01:35:26,454 私を愛して下さるのなら お願いです。 938 01:35:28,765 --> 01:35:33,369 私が怪物と一つになった刹那➡ 939 01:35:33,369 --> 01:35:39,369 必ず 殺して下さい。 940 01:35:42,378 --> 01:35:50,253 全てを終わらせてほしいのです。 941 01:35:50,253 --> 01:35:52,722 あなたに。 942 01:35:52,722 --> 01:36:04,067 ♬~ 943 01:36:04,067 --> 01:36:06,736 分かりました。 944 01:36:06,736 --> 01:37:05,736 ♬~ 945 01:37:15,071 --> 01:37:19,371 (怪物のうなる声) 946 01:37:20,943 --> 01:37:23,413 来た。 947 01:37:23,413 --> 01:37:35,992 (地響き) 948 01:37:35,992 --> 01:37:39,992 (ほえる声) 949 01:37:46,369 --> 01:38:23,072 ♬~ 950 01:38:23,072 --> 01:38:32,882 (読経) 951 01:38:32,882 --> 01:38:36,352 (ほえる声) 952 01:38:36,352 --> 01:38:52,702 ♬~ 953 01:38:52,702 --> 01:38:55,371 やめろ。 しかし…。 954 01:38:55,371 --> 01:38:58,040 この怪物は 俺には勝てぬ。 955 01:38:58,040 --> 01:39:00,376 所詮 奴は人形。 956 01:39:00,376 --> 01:39:03,279 俺は 人形使いじゃ。 957 01:39:03,279 --> 01:39:14,390 ♬~ 958 01:39:14,390 --> 01:39:19,061 さあ 喰らうがいい 怪物よ。 959 01:39:19,061 --> 01:39:23,933 お前の欲していた 竜崎の血を! 960 01:39:23,933 --> 01:39:34,343 ♬~ 961 01:39:34,343 --> 01:39:37,013 朱音…。 962 01:39:37,013 --> 01:39:41,013 何をしている? 朱音! 963 01:39:43,886 --> 01:39:46,022 (ほえる声) 964 01:39:46,022 --> 01:39:48,691 うお~! 965 01:39:48,691 --> 01:39:50,691 近づくな! 966 01:39:59,702 --> 01:40:02,371 朱音に触れさせはせん。 967 01:40:02,371 --> 01:40:04,707 触れさせはせんぞ! 968 01:40:04,707 --> 01:40:07,007 兄様。 969 01:40:10,379 --> 01:40:12,679 朱音。 970 01:40:24,927 --> 01:40:28,627 (怪物のほえる声) 971 01:40:32,068 --> 01:40:35,068 うお~! 兄様! 972 01:40:40,409 --> 01:40:43,079 兄様~! 973 01:40:43,079 --> 01:41:06,079 ♬~ 974 01:41:13,075 --> 01:41:39,735 ♬~ 975 01:41:39,735 --> 01:41:43,406 つちみかど様。 976 01:41:43,406 --> 01:42:43,399 ♬~ 977 01:42:43,399 --> 01:42:48,099 (人々のざわめき) 978 01:43:00,750 --> 01:43:12,050 (怪物のほえる声) 979 01:43:18,300 --> 01:44:09,084 ♬~ 980 01:44:09,084 --> 01:44:15,758 怪物が 朱音殿の心を持っているうちに➡ 981 01:44:15,758 --> 01:44:18,427 倒さねば…。 982 01:44:18,427 --> 01:44:29,772 ♬~ 983 01:44:29,772 --> 01:44:32,041 宗栄殿。 984 01:44:32,041 --> 01:45:05,041 ♬~ 985 01:45:11,714 --> 01:45:14,014 (怪物のほえる声) 986 01:45:48,050 --> 01:46:15,077 ♬~ 987 01:46:15,077 --> 01:46:20,077 今だ。 介しゃくを。 988 01:46:29,625 --> 01:46:38,701 ♬~ 989 01:46:38,701 --> 01:46:42,037 うお~! 990 01:46:42,037 --> 01:47:06,729 ♬~ 991 01:47:06,729 --> 01:47:19,429 ♬「坊や坊やよ 泣くのはおよし」 992 01:47:32,354 --> 01:47:44,933 (泣き声) 993 01:47:44,933 --> 01:48:12,027 ♬~ 994 01:48:12,027 --> 01:48:42,991 ♬~ 995 01:48:42,991 --> 01:49:05,714 ♬~ 996 01:49:05,714 --> 01:49:49,014 ♬~ 997 01:49:57,366 --> 01:50:00,066 朱音殿…。