1 00:01:40,141 --> 00:01:56,157 ・~ 2 00:01:56,157 --> 00:02:00,161 (男の子)おじちゃ~ん!・ 3 00:02:00,161 --> 00:02:02,163 おじちゃん。 4 00:02:02,163 --> 00:02:22,116 ・~ 5 00:02:22,116 --> 00:02:38,132 ・~ 6 00:02:38,132 --> 00:02:42,132 (志乃)私を買うてくだされ。 7 00:02:50,144 --> 00:02:52,144 (志乃)金子では売りませぬ。 8 00:02:54,148 --> 00:02:58,152 (志乃) 侍1人 斬っていただきます。 9 00:02:58,152 --> 00:03:01,155 (狂四郎) 女を抱くことと 無縁の人の命・ 10 00:03:01,155 --> 00:03:04,158 その やりとりでは そろばんが合わぬ。 11 00:03:04,158 --> 00:03:06,160 (志乃)お待ちくださいませ。・ 12 00:03:06,160 --> 00:03:09,163 あなたさまにとっても 決して 無縁ではございませぬ。・ 13 00:03:09,163 --> 00:03:16,170 敵は あなたさまのお命を狙う 鷹野 主膳。・ 14 00:03:16,170 --> 00:03:18,170 ご存じのはず。 15 00:03:20,107 --> 00:03:25,107 (志乃) 私は 鷹野の妻でございます。 16 00:03:27,114 --> 00:03:31,118 面を取ってもらおう。 17 00:03:31,118 --> 00:03:33,118 (志乃)お許しを。 18 00:03:39,126 --> 00:03:42,126 夫を殺せというのか。 19 00:03:44,131 --> 00:03:50,131 鷹野は 私を奪うため 先の夫を殺したのでございます。 20 00:03:52,139 --> 00:03:55,142 私は 夫の敵を討つため・ 21 00:03:55,142 --> 00:03:58,145 生きながら かばねとなって 時を待ちましたが・ 22 00:03:58,145 --> 00:04:04,151 鷹野は 示現流の使い手故 女の細腕では とうてい 及ばず・ 23 00:04:04,151 --> 00:04:08,151 むなしく 3年の歳月が 流れてしまったのでございます。 24 00:04:10,157 --> 00:04:14,161 鷹野を斬ってくださいまし。 25 00:04:14,161 --> 00:04:16,163 その悲願 いちずに・ 26 00:04:16,163 --> 00:04:19,100 今日まで生きてきた 私でございます。 27 00:04:19,100 --> 00:04:22,103 そこに寝ていただこう。 28 00:04:22,103 --> 00:04:29,103 生来 無頼の徒 操を頂戴するに 場所は選ばぬ。 29 00:05:01,142 --> 00:05:03,142 あっ…。 30 00:05:05,146 --> 00:05:07,148 (男)うっ! 望みどおり・ 31 00:05:07,148 --> 00:05:09,150 鷹野 主膳は 討ち取った。 32 00:05:09,150 --> 00:05:11,150 死ね! 33 00:05:17,158 --> 00:05:19,158 (志乃)あっ…。 34 00:05:26,100 --> 00:05:29,103 無頼の徒の心の底に わずかに潜む・ 35 00:05:29,103 --> 00:05:32,106 善意の振る舞いを 揺さぶろうとした・ 36 00:05:32,106 --> 00:05:35,106 その 愚かな たくらみが かんに障った。 37 00:05:39,113 --> 00:05:41,115 (志乃)あ~…。 38 00:05:41,115 --> 00:06:01,115 ・~ 39 00:06:17,151 --> 00:06:21,151 公儀御庭番の面々とみた。 40 00:06:29,096 --> 00:06:32,099 3年ぶりに江戸へ戻った 私への・ 41 00:06:32,099 --> 00:06:35,099 丁重なる挨拶と 受け取っておこう。 42 00:06:40,107 --> 00:06:50,107 ・~ 43 00:07:43,103 --> 00:07:45,103 (家慶)言うな 信成! 44 00:07:47,107 --> 00:07:50,110 (家慶)余の御台所を 余が決めて 何が悪い。 45 00:07:50,110 --> 00:07:54,114 (酒井)将軍家では 歴代 京都の宮家 五摂家より・ 46 00:07:54,114 --> 00:07:59,119 御台所さまを迎えることを 慣例としております。 47 00:07:59,119 --> 00:08:03,123 関白 九条 道房さまの 姫君 明子姫との ご縁組・ 48 00:08:03,123 --> 00:08:09,129 上様は 徳川と朝廷の お親しみのためにも・ 49 00:08:09,129 --> 00:08:13,133 関東のご威光を打ち立てる またとない喜びであると・ 50 00:08:13,133 --> 00:08:15,135 仰せられておられます。 51 00:08:15,135 --> 00:08:19,073 (家慶)信成 その方の野心は 見え透いておるぞ。 52 00:08:19,073 --> 00:08:22,076 自らの息のかかった御台所を 押し付け・ 53 00:08:22,076 --> 00:08:26,080 幕閣に 権勢の座を固めんとしておるのだ。 54 00:08:26,080 --> 00:08:29,083 関白の娘など 京へ追い返せ! 55 00:08:29,083 --> 00:08:32,086 まだ 話が終わっておりませぬぞ。 56 00:08:32,086 --> 00:08:38,092 家慶さま 今のお言葉 承服いたしかねます。 57 00:08:38,092 --> 00:08:43,097 忠邦 その方の考えは どうなのだ? 58 00:08:43,097 --> 00:08:46,100 構わぬ。 申してみい。・ 59 00:08:46,100 --> 00:08:48,100 忠邦。 60 00:08:50,104 --> 00:08:53,107 (水野)このたびの ご縁組・ 61 00:08:53,107 --> 00:08:59,113 いささか 事を急ぎ過ぎる感 なきにしもあらず。 62 00:08:59,113 --> 00:09:03,117 姫君には すでに 江戸にご到着。 63 00:09:03,117 --> 00:09:06,120 水野殿は 反対か。 (水野)いまひとつ・ 64 00:09:06,120 --> 00:09:11,125 不正の裏金が流れているとも 聞き及んでおり…。 65 00:09:11,125 --> 00:09:14,128 水野 控えい! 66 00:09:14,128 --> 00:09:20,067 まっ わが娘が 御台所に なるか なれぬかの 瀬戸際・ 67 00:09:20,067 --> 00:09:23,070 親ともなれば 心配は当然。 68 00:09:23,070 --> 00:09:28,075 されど その方 西ノ丸老中の要職にありながら・ 69 00:09:28,075 --> 00:09:30,077 公儀の慣例を無視・ 70 00:09:30,077 --> 00:09:32,079 あまつさえ 私情を挟むとは 言語道断。 71 00:09:32,079 --> 00:09:34,081 酒井殿 聞き捨てならぬ! 72 00:09:34,081 --> 00:09:36,083 何をもって 私情などと…。 73 00:09:36,083 --> 00:09:39,086 控えい! (家慶)もうよい!・ 74 00:09:39,086 --> 00:09:41,086 余が決める。 75 00:10:16,123 --> 00:10:18,123 (壬生)姫さん? 76 00:10:22,062 --> 00:10:24,062 (壬生)姫さん? 77 00:10:42,082 --> 00:10:47,087 (壬生)姫さんには ご機嫌よう あらしゃれますることを・ 78 00:10:47,087 --> 00:10:54,094 おめでとう かたじけのう お喜び申し入れまする。 79 00:10:54,094 --> 00:11:00,100 (明子)京では もう アヤメが咲いたやろか。・ 80 00:11:00,100 --> 00:11:03,103 奇麗やろな。 81 00:11:03,103 --> 00:11:06,106 恐れながら 姫さんには・ 82 00:11:06,106 --> 00:11:11,111 関東お下向あらせられた 大切なお役目。 83 00:11:11,111 --> 00:11:14,114 お忘れではござりませぬやろな。 84 00:11:14,114 --> 00:11:21,121 いいえ。 でも 京へ帰りたい。 85 00:11:21,121 --> 00:11:26,126 明子は わがままやろか。 86 00:11:26,126 --> 00:11:29,129 (壬生)ハッ。 87 00:11:29,129 --> 00:11:37,129 おめでたいときに 女々しい涙は 禁物でおじゃりまする。 88 00:11:42,142 --> 00:11:47,147 (薫)お薬を… 苦しい…。 89 00:11:47,147 --> 00:11:50,150 (水野)元気を出せ 薫。・ 90 00:11:50,150 --> 00:11:55,155 病ごときに負けて 御台所さまになれるか。・ 91 00:11:55,155 --> 00:12:00,160 家慶さまも お前の身を 案じておられるのだぞ。・ 92 00:12:00,160 --> 00:12:03,163 さあ 元気を出せ。 93 00:12:03,163 --> 00:12:05,163 (薫)はい。 94 00:12:10,170 --> 00:12:13,170 (水野)あっ わしが飲まそう。 95 00:12:16,176 --> 00:12:18,178 (水野)その薬湯は・ 96 00:12:18,178 --> 00:12:22,115 御典医 室矢 醇堂が 調合した物か? 97 00:12:22,115 --> 00:12:24,117 (楓)はい。 98 00:12:24,117 --> 00:12:27,117 楓 毒味いたせ。 99 00:12:29,122 --> 00:12:31,122 どうした? 100 00:12:48,141 --> 00:12:55,148 (主水正)こたびの 家慶さまのご縁組を 利用して・ 101 00:12:55,148 --> 00:13:00,153 その方ら2人 争うておるそうな。 102 00:13:00,153 --> 00:13:02,155 (舌打ち) 103 00:13:02,155 --> 00:13:09,155 朝廷の血を入れれば 徳川の権力は 弱まる。 104 00:13:11,164 --> 00:13:14,167 頭を使え。 105 00:13:14,167 --> 00:13:21,108 昨晩 公儀御庭番を 無断で動かした者がいる。 106 00:13:21,108 --> 00:13:25,108 誰だ? 何のために? 107 00:13:28,115 --> 00:13:34,121 (酒井) 眠 狂四郎が 江戸へ帰ってきた。 108 00:13:34,121 --> 00:13:37,124 (水野)眠が襲われたのか? 109 00:13:37,124 --> 00:13:41,124 (酒井)らしい。 ことごとく斬られた。 110 00:13:43,130 --> 00:13:55,130 ・~ 111 00:14:05,152 --> 00:14:07,154 (水野)元気か? 112 00:14:07,154 --> 00:14:10,157 すでに命を狙われた。 113 00:14:10,157 --> 00:14:17,164 (水野)うん。 公儀御庭番を 動かした者が いるそうだ。・ 114 00:14:17,164 --> 00:14:23,103 眠 わが娘 薫の 身を 守ってほしい。・ 115 00:14:23,103 --> 00:14:26,106 本丸老中 酒井は・ 116 00:14:26,106 --> 00:14:32,112 京都から 関白の娘を担ぎ出し 御台所に据え 権勢の座を広め・ 117 00:14:32,112 --> 00:14:35,115 わしを 娘ともども 追い落とそうと・ 118 00:14:35,115 --> 00:14:38,118 たくらんでおるのだ。 誰が御台所になろうが・ 119 00:14:38,118 --> 00:14:40,120 知ったことではないと ご承知 願おう。 120 00:14:40,120 --> 00:14:44,120 ただし その俺を なぜ 襲うのか それが知りたい。 121 00:15:00,140 --> 00:15:02,142 (金八)旦那! 122 00:15:02,142 --> 00:15:05,145 もう…。・ 123 00:15:05,145 --> 00:15:09,149 眠の旦那! もう 冷てえんだから。 124 00:15:09,149 --> 00:15:13,153 帰ってきたら 帰ってきたってね 一言ぐらい 声 掛けてくださいよ。 125 00:15:13,153 --> 00:15:18,158 あっ その様子だと 師匠にも まだ 顔 出してないんでしょ。 126 00:15:18,158 --> 00:15:22,095 あ~あ。 今川町の 常磐津の文字若っていったら・ 127 00:15:22,095 --> 00:15:24,097 ちっとは 名の通った 師匠なんだけどな。 128 00:15:24,097 --> 00:15:27,100 旦那のこととなると まるで 小娘同様だよ。 129 00:15:27,100 --> 00:15:29,100 どんだけ 恋い焦がれていることか。 130 00:15:31,104 --> 00:15:34,107 (金八) 師匠の気持ちも知らねえで…。 131 00:15:34,107 --> 00:15:36,107 金八。 132 00:15:47,120 --> 00:15:50,123 あれは 大奥の御典医 室矢 醇堂。 133 00:15:50,123 --> 00:15:52,125 つけてくれ。 134 00:15:52,125 --> 00:16:12,145 ・~ 135 00:16:12,145 --> 00:16:32,098 ・~ 136 00:16:32,098 --> 00:16:52,118 ・~ 137 00:16:52,118 --> 00:16:55,118 ・~ 138 00:17:05,131 --> 00:17:07,133 (男)殺されたのかねえ。 139 00:17:07,133 --> 00:17:10,136 (男)若え娘が かわいそうによ。 (男)かわいそうにな。 140 00:17:10,136 --> 00:17:12,138 (男)俺は 勘弁ならねえな こんなことするやつは。 141 00:17:12,138 --> 00:17:16,142 西ノ丸老中の水野の屋敷に 奉公してたらしい。 142 00:17:16,142 --> 00:17:18,144 おっ 娘を運んでいくぜ。 143 00:17:18,144 --> 00:17:22,144 (男)水野のお屋敷で 何かあったのかね。 144 00:17:27,087 --> 00:17:30,090 (戸田)眠 狂四郎だな。 145 00:17:30,090 --> 00:17:33,093 人の名を問う前に 自ら名乗るが 作法。 146 00:17:33,093 --> 00:17:36,096 戸田 隼人。 147 00:17:36,096 --> 00:17:39,099 どこぞの飼い犬であろう。 148 00:17:39,099 --> 00:17:44,104 お主の円月殺法とやらの 相手をするに 恥ずかしくない・ 149 00:17:44,104 --> 00:17:47,107 芸の1つや2つは できる。 150 00:17:47,107 --> 00:17:51,107 当方 据え膳は いつでも 食うことにしている。 151 00:18:04,124 --> 00:18:09,124 (文字若)じいや 表が開いてたよ。 不用心だね。 152 00:18:26,079 --> 00:18:28,079 旦那。 153 00:18:30,083 --> 00:18:32,085 旦那。 154 00:18:32,085 --> 00:18:52,105 ・~ 155 00:18:52,105 --> 00:18:55,108 おかえりなさい。 156 00:18:55,108 --> 00:18:59,112 お顔 見せてくれるだけで いいんですよ。 157 00:18:59,112 --> 00:19:04,117 いまさら ほれたの 抱いてくださいのと 言ったって・ 158 00:19:04,117 --> 00:19:07,120 始まらないのは 百も承知なんだからさ。 159 00:19:07,120 --> 00:19:12,125 俺に身を任せた女は 一人残らず 不幸になった…。 160 00:19:12,125 --> 00:19:15,128 起きてらしたんですか。 161 00:19:15,128 --> 00:19:17,128 一本つけましょうね。 162 00:19:20,066 --> 00:19:26,072 でも きっと 本望だったに違いありませんね。 163 00:19:26,072 --> 00:19:28,072 その女の人。 164 00:19:44,090 --> 00:19:48,094 (備前屋)いかがでございました? お茶の会は。 165 00:19:48,094 --> 00:19:54,100 あの じいさん なかなか どうして まだ生臭いわ。 166 00:19:54,100 --> 00:19:57,103 さようで。 167 00:19:57,103 --> 00:20:02,108 虎視眈々と 幕閣復帰の機会を狙うておる。 168 00:20:02,108 --> 00:20:09,115 昨日 長崎より取り入れました フランス国のお酒でございます。 169 00:20:09,115 --> 00:20:11,117 例のお薬と一緒に。 170 00:20:11,117 --> 00:20:15,121 (室矢) 備前屋 お前 もうけ過ぎだぞ。 171 00:20:15,121 --> 00:20:19,059 (備前屋)手前は もうけるのが 仕事でございますから。 172 00:20:19,059 --> 00:20:21,061 でも 殿様も・ 173 00:20:21,061 --> 00:20:24,064 あきんど顔負けの 帳づら合わせが お上手におなりで。 174 00:20:24,064 --> 00:20:26,066 (酒井)フフフフ…。 175 00:20:26,066 --> 00:20:30,070 まっ その金で 御台所さまが買えたのだ。 176 00:20:30,070 --> 00:20:35,070 壬生中将さまの懐にも たっぷり入れて 野心 満々。 177 00:20:37,077 --> 00:20:43,083 これを 壬生のお歯黒殿に献上するのか。 178 00:20:43,083 --> 00:20:46,086 もし お気に入りになりましたなら・ 179 00:20:46,086 --> 00:20:49,089 殿様の手元に置いても よろしゅうございますが。 180 00:20:49,089 --> 00:20:54,094 いや 鼻薬を効かせておこう。 181 00:20:54,094 --> 00:20:57,097 戸田 届けておいてくれ。 (戸田)はっ。 182 00:20:57,097 --> 00:21:00,100 (室矢)ご老中の座も安泰。 183 00:21:00,100 --> 00:21:06,106 これで 水野さまとの勝負も ついたようですな。 184 00:21:06,106 --> 00:21:10,110 室矢 薬の効き目は 間違いあるまいな? 185 00:21:10,110 --> 00:21:13,113 たちどころに 息絶えましょう。 186 00:21:13,113 --> 00:21:16,113 ちと 気の毒な気もしますが。 187 00:21:23,123 --> 00:21:27,127 ごきげんよう。 (備前屋)これは 壬生中将さま。 188 00:21:27,127 --> 00:21:33,133 庭の向こうで ホトトギスが 鳴いておじゃりました。 189 00:21:33,133 --> 00:21:35,133 (一同の笑い声) 190 00:21:38,138 --> 00:21:40,140 (酒井)うん。 壬生殿・ 191 00:21:40,140 --> 00:21:43,143 この つぼは 高麗渡りの見事な物。・ 192 00:21:43,143 --> 00:21:46,146 献上いたしますぞ。 (壬生)酒井殿・ 193 00:21:46,146 --> 00:21:53,153 姫さんのご婚儀の日取りは 決まったのでおじゃりまするか? 194 00:21:53,153 --> 00:21:58,158 (酒井)近々 閣議を開く運びになっております。 195 00:21:58,158 --> 00:22:03,163 ほう。 家慶さまは 水野 忠邦殿の 娘御・ 196 00:22:03,163 --> 00:22:07,167 薫とか申す者が お望みであらっしゃるとか。 197 00:22:07,167 --> 00:22:12,172 (酒井)壬生殿 水野に そんな 度胸も頭も ござらぬ。・ 198 00:22:12,172 --> 00:22:17,110 フフフフ…。 壬生中将さまは ご心配が過ぎますな。 199 00:22:17,110 --> 00:22:22,115 ならば その娘御の首を取ってもらいたい。 200 00:22:22,115 --> 00:22:24,115 ハッ…。 201 00:23:03,156 --> 00:23:06,159 バカ…。 202 00:23:06,159 --> 00:23:09,162 (金八)旦那! 203 00:23:09,162 --> 00:23:14,167 かごから手が出て あれは 確かに 何やら渡したね。 204 00:23:14,167 --> 00:23:17,103 それから どっちへ つけようか ちょっと考えて…。 205 00:23:17,103 --> 00:23:19,105 女の方か。 当たり! 206 00:23:19,105 --> 00:23:21,107 さすが 眠の旦那だ。 207 00:23:21,107 --> 00:23:24,110 それから その頭巾の女は どこへ行ったと思います? 208 00:23:24,110 --> 00:23:26,112 すっげえ お屋敷の中 入ってったんですよ。 209 00:23:26,112 --> 00:23:46,132 ・~ 210 00:23:46,132 --> 00:24:06,152 ・~ 211 00:24:06,152 --> 00:24:24,152 ・~ 212 00:24:35,114 --> 00:24:41,120 人を呼ぶことは そなた自らの 破滅を招くことになる。 213 00:24:41,120 --> 00:24:44,120 狙いは 薫の命か。 214 00:24:47,126 --> 00:24:49,126 (美保代)あっ! 215 00:24:51,130 --> 00:24:57,130 どうやら 老中どもの私利私欲の 犠牲にされているらしい。 216 00:25:04,143 --> 00:25:09,143 潔く 観念することだと 教えられているはず。 217 00:25:11,150 --> 00:25:16,089 間者は いかなる屈辱をも 甘んじて受けるべきであろう。 218 00:25:16,089 --> 00:25:18,091 (美保代)あっ…。 219 00:25:18,091 --> 00:25:38,111 ・~ 220 00:25:38,111 --> 00:25:57,130 ・~ 221 00:25:57,130 --> 00:25:59,132 ・~ 222 00:25:59,132 --> 00:26:01,132 (美保代)明かりだけは お許しを。 223 00:26:12,145 --> 00:26:25,091 ・~ 224 00:26:25,091 --> 00:26:27,091 ・(足音) 225 00:26:32,098 --> 00:26:35,101 (侍女) くせ者! お出合い召され!・ 226 00:26:35,101 --> 00:26:38,104 お出合い召され! くせ者でございます!・ 227 00:26:38,104 --> 00:26:40,106 くせ者! お出合い召され!・ 228 00:26:40,106 --> 00:26:43,109 くせ者でございます! お出合い召され! 229 00:26:43,109 --> 00:26:46,109 (足音) 230 00:26:50,116 --> 00:26:52,118 (水野)薫 大事ないか? 231 00:26:52,118 --> 00:26:55,121 (家臣)申し上げます。 美保代の姿が見当たりませぬ。 232 00:26:55,121 --> 00:26:57,121 美保代? 233 00:26:59,125 --> 00:27:01,127 美保代までが…。 234 00:27:01,127 --> 00:27:04,130 おそらく 酒井が送り込んだ 間者であろう。 235 00:27:04,130 --> 00:27:07,130 捨て置け! 向こうで始末する。 236 00:27:22,081 --> 00:27:25,084 美保代と申します。 237 00:27:25,084 --> 00:27:29,088 私を 間者とご承知の上で 助けてくださいました。 238 00:27:29,088 --> 00:27:34,093 何故でございます…。 お前を助けたのは 私ではない。 239 00:27:34,093 --> 00:27:39,098 私の心の奥底に潜む もう一人の私が やったことだ。 240 00:27:39,098 --> 00:27:42,098 お待ちくださいませ…。 お前は お前で 好きにすることだ。 241 00:27:45,104 --> 00:27:52,111 私は あなたの妻です。 242 00:27:52,111 --> 00:27:57,116 私は 生涯 妻を持たぬと 決めた 人間だ。 243 00:27:57,116 --> 00:28:01,116 こよい そなたを抱いたことは 明日を約束したわけではない。 244 00:28:08,127 --> 00:28:10,129 美保代とやら・ 245 00:28:10,129 --> 00:28:16,068 親から授かった命 自ら絶つことはあるまい。 246 00:28:16,068 --> 00:28:29,081 ・~ 247 00:28:29,081 --> 00:28:33,085 (泣き声) 248 00:28:33,085 --> 00:28:35,087 (金八)旦那!・ 249 00:28:35,087 --> 00:28:37,089 旦那。 250 00:28:37,089 --> 00:28:42,094 (美保代の泣き声) 251 00:28:42,094 --> 00:28:45,097 美保代を捜し出し 消せ。 252 00:28:45,097 --> 00:28:47,097 (甲賀者)はっ。 253 00:28:50,102 --> 00:28:55,107 眠 狂四郎が 水野の屋敷に現れたそうですな。 254 00:28:55,107 --> 00:29:01,113 眠は 水野の野望に加担する気だ。 255 00:29:01,113 --> 00:29:03,115 是が非でも 斬らねばなるまい。 256 00:29:03,115 --> 00:29:07,119 戸田 これは その方の仕事だ。 257 00:29:07,119 --> 00:29:12,119 眠は 水野に付くような男ではない。 258 00:29:14,126 --> 00:29:17,126 しかし 何を考えているのか…。 259 00:29:23,069 --> 00:29:27,073 《美保代… 似ている…》 260 00:29:27,073 --> 00:29:29,075 《亡き母に似ている…》 261 00:29:29,075 --> 00:29:49,095 ・~ 262 00:29:49,095 --> 00:30:08,114 ・~ 263 00:30:08,114 --> 00:30:14,114 (狂四郎)《母上… 母上…》 264 00:30:22,061 --> 00:30:27,061 (狂四郎の母) 《許しておくれ 狂四郎》 265 00:30:29,068 --> 00:30:33,072 (狂四郎の母)《この体に 流れている 魔性の血が・ 266 00:30:33,072 --> 00:30:36,072 そなたまで いけにえにしてしまった》 267 00:30:39,078 --> 00:30:44,078 (狂四郎の母)《こんな母に 人並みの墓など いらぬ》 268 00:30:47,086 --> 00:30:51,090 (狂四郎の母)《ただ一つ・ 269 00:30:51,090 --> 00:30:57,096 いつの日か 母を許してくれる 気持ちになったら・ 270 00:30:57,096 --> 00:31:04,096 その印に リンドウの花 1輪を 手向けておくれ》 271 00:31:06,105 --> 00:31:10,109 (狂四郎の母)《母が こよなく好きな リンドウを》 272 00:31:10,109 --> 00:31:24,123 ・~ 273 00:31:24,123 --> 00:31:43,142 ・(男の呪文) 274 00:31:43,142 --> 00:31:45,144 ・(男の呪文) 275 00:31:45,144 --> 00:32:05,164 ・~ 276 00:32:05,164 --> 00:32:25,117 ・~ 277 00:32:25,117 --> 00:32:45,137 ・~ 278 00:32:45,137 --> 00:32:47,137 ・~ 279 00:32:56,148 --> 00:32:58,148 (男の子) おい みんな! 捕れたぞ! 280 00:33:08,160 --> 00:33:10,160 (男の子)おい! みんな みんな! 281 00:33:30,115 --> 00:33:34,115 ・(主水正の せきばらい) ・(主水正)もし。 282 00:33:36,121 --> 00:33:41,126 (主水正)子供に逃げられましたな。 283 00:33:41,126 --> 00:33:44,129 私の顔は よほど異様とみえる。 284 00:33:44,129 --> 00:33:49,134 (主水正) いや 顔形ではござりますまい。・ 285 00:33:49,134 --> 00:33:55,134 その体の内に 血のにおいが漂っていなさる。 286 00:33:59,144 --> 00:34:03,148 それ その殺気。 287 00:34:03,148 --> 00:34:08,153 私の剣気を察する お手前こそ ただ者ではないようだ。 288 00:34:08,153 --> 00:34:13,158 何の。 子供でさえ感じる剣気じゃて。 289 00:34:13,158 --> 00:34:16,095 手前のうちは すぐそこにある。 290 00:34:16,095 --> 00:34:19,098 お立ち寄りなさらぬか。 291 00:34:19,098 --> 00:34:23,102 茶事のまね事には あいにく 客を必要とする。 292 00:34:23,102 --> 00:34:26,102 それだけの魂胆にすぎ申さぬ。 293 00:35:06,145 --> 00:35:10,149 もとより 茶道は いささかも わきまえぬ 客。 294 00:35:10,149 --> 00:35:13,152 いかようとも 軽蔑なされたい。 295 00:35:13,152 --> 00:35:17,089 (主水正) 飲む姿勢に 寸分の隙もござらぬ。 296 00:35:17,089 --> 00:35:26,098 それ 剣禅一如とも申す。 297 00:35:26,098 --> 00:35:30,102 私は 眠 狂四郎と申す 素浪人。 298 00:35:30,102 --> 00:35:33,105 ご老人の名を承りたい。 299 00:35:33,105 --> 00:35:37,109 失礼ながら その名は 偽名と存ずる。 300 00:35:37,109 --> 00:35:45,109 よって 手前の方も 楽水楼と覚え置きくだされ。 301 00:35:49,121 --> 00:35:52,124 十種香という。 302 00:35:52,124 --> 00:35:56,124 お気が向かれたら 一人 聞きなさるとよい。 303 00:36:04,136 --> 00:36:08,136 香を聞けば 剣気が静まるとでも…。 304 00:36:35,100 --> 00:36:37,100 《母上!》 305 00:36:39,104 --> 00:36:41,106 《母上!》 306 00:36:41,106 --> 00:36:44,109 《母上… 母上!》 307 00:36:44,109 --> 00:36:46,111 《母上!》 308 00:36:46,111 --> 00:36:50,115 (寺男)《あ~ お坊ちゃま…》 《母上…》 309 00:36:50,115 --> 00:36:55,120 《母上! 母上!》 310 00:36:55,120 --> 00:36:59,124 (寺男) 《お気の毒に… お気の毒に…》・ 311 00:36:59,124 --> 00:37:03,128 《お坊ちゃまの母上さまを こんな目に遭わせたのは・ 312 00:37:03,128 --> 00:37:05,130 おじいさまでございますよ》・ 313 00:37:05,130 --> 00:37:08,133 《松平 主水正と 申されて・ 314 00:37:08,133 --> 00:37:12,137 老中という 高いご身分のお方で ございますのに・ 315 00:37:12,137 --> 00:37:15,140 こっ こんな むごい仕打ちを なさるとは…》 316 00:37:15,140 --> 00:37:35,094 ・~ 317 00:37:35,094 --> 00:37:38,094 ・~ 318 00:37:54,113 --> 00:37:57,116 あっ…。 319 00:37:57,116 --> 00:38:00,119 (金八)うっ! うっ…。・ 320 00:38:00,119 --> 00:38:03,119 チクショー! 旦那 あと 頼む! 321 00:38:05,124 --> 00:38:09,128 (仙造の うめき声) 322 00:38:09,128 --> 00:38:11,130 (文字若)2階! 2階! 323 00:38:11,130 --> 00:38:13,130 (仙造の うめき声) 324 00:38:34,086 --> 00:38:37,089 焼酎と さらしを 持ってこい。 (仙造)へい! 325 00:38:37,089 --> 00:38:39,091 (文字若)生きてるんですね? 大丈夫なんですね? 326 00:38:39,091 --> 00:38:41,093 急所は外れている。 327 00:38:41,093 --> 00:38:45,097 すいません。 大事な人を預かっておきながら…。 328 00:38:45,097 --> 00:38:48,097 (仙造)くそ~。 むごいこと しやがって。 329 00:39:04,116 --> 00:39:07,116 旦那 何か言ってる。 330 00:39:11,123 --> 00:39:15,123 眠さま…。 331 00:39:17,062 --> 00:39:21,066 美保代さん 眠さんなら心配ありませんよ。 332 00:39:21,066 --> 00:39:24,069 ちゃんと ここに。 333 00:39:24,069 --> 00:39:27,072 着替えさせてやってくれ。 334 00:39:27,072 --> 00:39:29,074 旦那!・ 335 00:39:29,074 --> 00:39:33,078 あっ すいません。 逃げ足の速い野郎で。 336 00:39:33,078 --> 00:39:36,081 廻米問屋の備前屋の前まで 行ったんですがね…。・ 337 00:39:36,081 --> 00:39:39,084 それがね いきなり 覆面の2人連れでしょ? 338 00:39:39,084 --> 00:39:41,086 一人が じいやに当て身を食らわし・ 339 00:39:41,086 --> 00:39:43,088 もう一人が 物も言わずに あっしに飛び掛かってきて。 340 00:39:43,088 --> 00:39:45,090 備前屋か…。 341 00:39:45,090 --> 00:39:49,094 気が付いたら 師匠も あっしも 3人とも ぐるぐる巻きで。・ 342 00:39:49,094 --> 00:39:53,094 ここに預けんのが一番だと 思ったんだけどなあ。 343 00:40:11,116 --> 00:40:16,116 (美保代) ああ… 夜が明けたのですね。 344 00:40:21,059 --> 00:40:26,059 (美保代)だいぶ 楽になりました。 345 00:40:30,068 --> 00:40:37,075 私が 室矢 醇堂からの 薬を・ 346 00:40:37,075 --> 00:40:42,080 毒と知りつつ 薫さまに飲ませようとしました。 347 00:40:42,080 --> 00:40:47,085 何の罪もない薫さまの命を狙い・ 348 00:40:47,085 --> 00:40:50,088 水野の側からも・ 349 00:40:50,088 --> 00:40:57,095 裏切った酒井の側からも 追われて・ 350 00:40:57,095 --> 00:41:00,095 もう 行き場がなくなりました。 351 00:41:03,101 --> 00:41:08,106 こうしていては 眠さまにまで 刺客の手が及びましょう。 352 00:41:08,106 --> 00:41:13,106 どうぞ もう 私のことは…。 353 00:41:16,114 --> 00:41:21,114 眠さま 1つだけ お聞かせください。 354 00:41:24,122 --> 00:41:31,122 あの晩 私を見て なぜ 驚かれました? 355 00:41:33,131 --> 00:41:39,137 人間は 生きるために生まれてきたのだ。 356 00:41:39,137 --> 00:41:41,137 生きねばならぬ。 357 00:41:54,152 --> 00:42:08,166 ・~ 358 00:42:08,166 --> 00:42:13,166 (侍)何者だ! 御典医 室矢 醇堂さまの ご行列だぞ! 359 00:42:16,108 --> 00:42:18,110 (室矢)取り押さえい! 360 00:42:18,110 --> 00:42:22,110 (侍たち)待て! 361 00:42:48,140 --> 00:42:52,144 (備前屋) 眠 狂四郎さまと 申されますか。 362 00:42:52,144 --> 00:42:55,147 初めて聞いたとは言うまい。 363 00:42:55,147 --> 00:42:59,151 御典医 室矢さまの 薬箱を お返しくださるとか…・ 364 00:42:59,151 --> 00:43:04,156 何のことやら 手前どもには 一向に関わりのないこと。 365 00:43:04,156 --> 00:43:07,159 お前の金で 全ては動いている。 366 00:43:07,159 --> 00:43:13,098 将軍家 お世継ぎの 御台所を 京都から担ぎ出した 大あきんど。 367 00:43:13,098 --> 00:43:15,100 知らぬとは言わせぬ。 368 00:43:15,100 --> 00:43:20,105 あなたさまは 今 私どもの手の内においでだ。・ 369 00:43:20,105 --> 00:43:24,105 あまり 大きな口をたたかぬ方が。 370 00:43:26,111 --> 00:43:33,118 この者たちは 5間の距離を置いて 鶏の卵を打ち砕くほどの・ 371 00:43:33,118 --> 00:43:35,120 腕前を持っておりますが。 372 00:43:35,120 --> 00:43:39,124 どなたに頼まれたかは 知りませぬが・ 373 00:43:39,124 --> 00:43:42,127 このまま おとなしく 帰っていただけるなら・ 374 00:43:42,127 --> 00:43:46,131 私どもは 何もなかったことにいたします。 375 00:43:46,131 --> 00:43:49,134 あいにく こっちは いったん乗り掛かった船から・ 376 00:43:49,134 --> 00:43:51,136 下りたためしはない。 377 00:43:51,136 --> 00:43:55,140 室矢 醇堂の 薬箱を どうしろと おっしゃるので? 378 00:43:55,140 --> 00:43:58,143 権力につかれた男どもの争いの 犠牲になるのは・ 379 00:43:58,143 --> 00:44:01,146 いつも か弱い女。 380 00:44:01,146 --> 00:44:06,151 酒井出羽守の間者 1人の命 買い戻したい。 381 00:44:06,151 --> 00:44:09,154 美保代を? 382 00:44:09,154 --> 00:44:15,093 その うぬぼれが 今夜は 通らぬと申し上げております。 383 00:44:15,093 --> 00:44:21,093 通るか 通らぬか 女どもに 一発 撃たせてみるか。 384 00:44:23,101 --> 00:44:25,101 お望みなら。 385 00:44:35,113 --> 00:44:39,117 こっちの うぬぼれが 通ったな 備前屋。 386 00:44:39,117 --> 00:44:45,123 お互い 敵同士の星の下に 生まれたんだ。 387 00:44:45,123 --> 00:44:48,126 どっちが先に倒れるか… やってみましょう。 388 00:44:48,126 --> 00:44:50,128 ・(物音) 389 00:44:50,128 --> 00:44:55,128 毒薬の入った薬箱 玄関脇のトクサの中にある。 390 00:44:58,136 --> 00:45:02,140 ・(物音) 391 00:45:02,140 --> 00:45:04,142 かの者は? 392 00:45:04,142 --> 00:45:06,144 (備前屋)眠 狂四郎にござります。 393 00:45:06,144 --> 00:45:13,084 ほう。 音に聞く 円月殺法とやらの。 394 00:45:13,084 --> 00:45:15,086 おお 怖っ。 395 00:45:15,086 --> 00:45:19,086 あの刀 斬られたら さぞ 痛いやろな。 396 00:45:27,098 --> 00:45:29,100 ハッ。 397 00:45:29,100 --> 00:45:49,120 ・~ 398 00:45:49,120 --> 00:46:00,120 ・~ 399 00:46:02,133 --> 00:46:07,138 眠 狂四郎とは 押し込み 夜盗も 働くのか。 400 00:46:07,138 --> 00:46:09,140 時と場合によってはだ。 401 00:46:09,140 --> 00:46:14,079 酒井 京より関白の娘を買った 存念を 聞かせてもらおうか。 402 00:46:14,079 --> 00:46:17,082 (酒井)買った? 知らぬ そのようなこと。 403 00:46:17,082 --> 00:46:19,084 とぼけても無駄だ。 404 00:46:19,084 --> 00:46:24,089 (酒井) 眠 その腕を売りに来たのか。 405 00:46:24,089 --> 00:46:28,093 幕閣の権力争いの邪魔を するつもりはない。 406 00:46:28,093 --> 00:46:32,097 勝手にやることだ。 では こよいの狼藉は 何だ? 407 00:46:32,097 --> 00:46:35,100 水野 忠邦に 頼まれたのであろう。 408 00:46:35,100 --> 00:46:37,102 どちらも気に入らぬ。 409 00:46:37,102 --> 00:46:42,102 俺の ひねくれた腹の虫が 騒いだと 言っておこう。 410 00:47:00,125 --> 00:47:02,125 (侍)うわ! 411 00:47:22,080 --> 00:47:25,083 おかげさまで 元気になりました。 412 00:47:25,083 --> 00:47:27,085 (空然)ふた刻も お待ちじゃ。 413 00:47:27,085 --> 00:47:29,087 それほどの用は ないはずだが。 414 00:47:29,087 --> 00:47:32,090 (空然)眠さん そんな口の利き方は なかろう。 415 00:47:32,090 --> 00:47:34,092 和尚には関わりのないことだ。 416 00:47:34,092 --> 00:47:36,094 (空然) いや 坊主だとて 人間じゃ。・ 417 00:47:36,094 --> 00:47:40,098 お主には 人間の心が通じんのか。 418 00:47:40,098 --> 00:47:44,102 お主と苦労を共にしたい 一心から・ 419 00:47:44,102 --> 00:47:48,106 まだ 傷も癒えぬのに 矢も盾もならず ここへ来た・ 420 00:47:48,106 --> 00:47:51,109 美保代さんの 切ない心根が 察してやれんのか。 421 00:47:51,109 --> 00:47:55,113 そなたとは もはや 別の世界に住んでいる。 422 00:47:55,113 --> 00:47:59,117 私の命は 狂四郎さまのもの。 あなたの妻です。 423 00:47:59,117 --> 00:48:03,121 俺は 生涯 妻をめとらんと 決めた 人間だ。 424 00:48:03,121 --> 00:48:05,121 はっきりと言ったはずだ。 425 00:48:10,061 --> 00:48:13,064 いた いた。 (女)いらっしゃいませ。 426 00:48:13,064 --> 00:48:16,067 旦那 今度は どんなお芝居を お打ちになるんで? 427 00:48:16,067 --> 00:48:18,069 金八 頼まれてくれるか? 428 00:48:18,069 --> 00:48:20,071 あっしゃ 旦那に見込まれた 江戸っ子ですよ。 429 00:48:20,071 --> 00:48:22,073 何でも おっしゃってください。 美保代を 東慶寺へ・ 430 00:48:22,073 --> 00:48:26,077 連れていってもらいたい。 和尚に 添え状も頼んである。 431 00:48:26,077 --> 00:48:29,080 東慶寺って…・ 432 00:48:29,080 --> 00:48:31,082 あの 鎌倉の?・ 433 00:48:31,082 --> 00:48:34,085 女が逃げ込むっていう 駆け込み寺?・ 434 00:48:34,085 --> 00:48:36,087 いや 旦那 それは いくら何でも むごいよ。 435 00:48:36,087 --> 00:48:38,089 決めたことだ。 436 00:48:38,089 --> 00:48:41,089 (金八) 美保代さん 承知なんですかい? 437 00:48:45,096 --> 00:48:48,096 (女)ありがとうございました。 438 00:48:53,104 --> 00:48:58,104 (子供たち)待て! 439 00:49:00,111 --> 00:49:04,115 (空然) 切ない慕情に苦しむよりは・ 440 00:49:04,115 --> 00:49:09,120 浮世を捨てた尼僧たちと共に 暮らす方が・ 441 00:49:09,120 --> 00:49:13,120 心身ともに 休まるかもしれぬな。 442 00:49:16,060 --> 00:49:18,062 (美保代の せき) 443 00:49:18,062 --> 00:49:22,066 (美保代の せき) (空然)あっ どっ… どうなさった? 444 00:49:22,066 --> 00:49:25,069 (美保代の せき) (空然)どうしたのじゃ? 445 00:49:25,069 --> 00:49:31,069 (美保代の せき) 446 00:49:48,092 --> 00:49:50,094 (かごかき)よっ。 447 00:49:50,094 --> 00:49:58,102 (かごかきの掛け声) 448 00:49:58,102 --> 00:50:18,056 ・~ 449 00:50:18,056 --> 00:50:38,076 ・~ 450 00:50:38,076 --> 00:50:47,085 ・~ 451 00:50:47,085 --> 00:50:52,085 (美保代の せき) 452 00:51:04,102 --> 00:51:24,122 ・~ 453 00:51:24,122 --> 00:51:34,132 ・~ 454 00:51:34,132 --> 00:51:40,132 (戸田)剣に生きる者として この勝負 いずれ あらためて。 455 00:51:57,155 --> 00:52:06,164 (空然)「狂夫 明月の下 沈酔 歓を成さず」・ 456 00:52:06,164 --> 00:52:10,101 「猛気 何によって散ぜん」・ 457 00:52:10,101 --> 00:52:15,101 「剣 鳴って 孤影 寒し」 458 00:52:20,111 --> 00:52:24,115 (空然) 思ったより いい字を書くな。・ 459 00:52:24,115 --> 00:52:27,118 だがな 眠さん・ 460 00:52:27,118 --> 00:52:30,121 独りで生きようと思い詰める あんたの気持ち・ 461 00:52:30,121 --> 00:52:32,123 分からんでもないが・ 462 00:52:32,123 --> 00:52:38,123 いつか 心の糸が切れやせんか? 463 00:52:51,142 --> 00:52:55,146 院代さま どなたが これを? 464 00:52:55,146 --> 00:53:01,152 江戸 押上 龍勝寺の ご住持さまの お使いが・ 465 00:53:01,152 --> 00:53:04,155 あなたに差し上げるように とのことでした。 466 00:53:04,155 --> 00:53:07,158 まあ 空然さまが…。 467 00:53:07,158 --> 00:53:10,094 (院代) 書いたお方には 内緒とのこと。・ 468 00:53:10,094 --> 00:53:12,094 その おつもりで。 469 00:53:28,112 --> 00:53:31,115 狂四郎さま…。 470 00:53:31,115 --> 00:53:33,115 (壬生)姫さん? 471 00:53:36,120 --> 00:53:42,120 (壬生) ほ~ら あめん棒でおじゃる。 472 00:53:44,128 --> 00:53:47,131 姫さん!? 473 00:53:47,131 --> 00:53:53,131 明子姫 隠れ鬼でごじゃりま…。 474 00:53:55,139 --> 00:53:59,139 隠れ鬼でごじゃりまするかえ~? 475 00:54:10,088 --> 00:54:13,088 明子姫…。 フッ。 476 00:54:52,130 --> 00:54:54,132 いかがいたした? 477 00:54:54,132 --> 00:54:56,132 助けてほしい…。 478 00:55:27,098 --> 00:55:31,102 こんな おいしい物を 食べたのは 初めてや。 479 00:55:31,102 --> 00:55:34,105 もう よいのか? 480 00:55:34,105 --> 00:55:36,105 満腹や。 481 00:55:39,110 --> 00:55:42,110 そなたは 誰? 482 00:55:46,117 --> 00:55:50,117 私を連れていっていただかして。 483 00:55:54,125 --> 00:55:59,125 私は 関白の娘 明子。 484 00:56:09,140 --> 00:56:11,140 京へ帰りたいのや。 485 00:56:13,077 --> 00:56:18,082 もうすぐ 江戸城の西ノ丸という所へ・ 486 00:56:18,082 --> 00:56:21,085 入らなならんのやそうや。 487 00:56:21,085 --> 00:56:27,091 会うたこともない人の御台所に なりとうない。 488 00:56:27,091 --> 00:56:29,091 京へ帰りたいのや。 489 00:56:45,109 --> 00:56:49,113 姫が奪われた。 眠だ。 490 00:56:49,113 --> 00:56:51,113 何としても 奪い返す。 491 00:56:53,117 --> 00:56:57,121 火に油を注ぐことに なりますまいか。 492 00:56:57,121 --> 00:57:02,126 老中という要職にあって みだりに事を起こしては・ 493 00:57:02,126 --> 00:57:06,130 眠 狂四郎の 思うつぼに 陥ることになります。 494 00:57:06,130 --> 00:57:10,067 壬生中将殿は 何をしておられますか。 495 00:57:10,067 --> 00:57:16,073 戸田 その方に 何か 計略があるというのか。 496 00:57:16,073 --> 00:57:22,079 松平 主水正殿に 声を掛けられては…。 497 00:57:22,079 --> 00:57:28,085 いや あの老人には 野心があり過ぎる。 498 00:57:28,085 --> 00:57:31,085 そろそろ 潮時か。 499 00:57:37,094 --> 00:57:40,097 今 何と申した? 500 00:57:40,097 --> 00:57:42,097 備前屋! 501 00:57:49,140 --> 00:57:52,143 (空然) 眠は… 狂四郎は おりませぬか? 502 00:57:52,143 --> 00:57:54,143 (明子)狂四郎? 503 00:58:01,152 --> 00:58:04,155 (明子)おひなって おひなって。 504 00:58:04,155 --> 00:58:07,155 (空然)狂四郎 お客人じゃ。 505 00:58:25,109 --> 00:58:28,109 眠 狂四郎と 申す。 506 00:58:31,115 --> 00:58:34,118 壬生中将 兼光で おじゃります。 507 00:58:34,118 --> 00:58:36,120 一度 お目にかかっておる 備前屋で。 508 00:58:36,120 --> 00:58:39,120 それなら 話が早い。 509 00:58:41,125 --> 00:58:45,129 なかなか古い 良い寺じゃな。 510 00:58:45,129 --> 00:58:47,131 さぞかし 由緒ある寺であろう。 511 00:58:47,131 --> 00:58:49,133 ただの貧乏寺だ。 512 00:58:49,133 --> 00:58:51,133 明子姫は どこにおじゃる? 513 00:58:55,139 --> 00:58:57,139 眠殿。 514 00:59:03,147 --> 00:59:09,086 朝廷と徳川は ま~るく治めなあかんのや。 515 00:59:09,086 --> 00:59:12,089 どっちが倒れても 国が乱れる。 516 00:59:12,089 --> 00:59:14,091 されば・ 517 00:59:14,091 --> 00:59:20,097 姫が このたび 江戸へ下る お心を 詠める お歌にも…。 518 00:59:20,097 --> 00:59:25,102 民草の~。 519 00:59:25,102 --> 00:59:27,104 歌など どうでもよい。 520 00:59:27,104 --> 00:59:32,109 姫には ご政道のことなど 関わり合いのない 別世界と・ 521 00:59:32,109 --> 00:59:34,109 ご承知 願おう。 522 00:59:39,116 --> 00:59:57,134 ・~ 523 00:59:57,134 --> 01:00:09,079 (美保代の せき) 524 01:00:09,079 --> 01:00:14,079 (明子)私が お嫌いなのやな。 525 01:00:18,088 --> 01:00:21,088 (明子)私は そなたが好きや。 526 01:00:24,094 --> 01:00:26,096 お休み願おう。 527 01:00:26,096 --> 01:00:30,100 (明子)嫌… 嫌! 528 01:00:30,100 --> 01:00:32,102 ここに いてほしいのや。 529 01:00:32,102 --> 01:00:36,106 そなたと一緒やないと 私は 休みませぬ。 530 01:00:36,106 --> 01:00:41,111 私は 明子という ただの女や。 531 01:00:41,111 --> 01:00:44,114 御台には なりとうないのえ。 532 01:00:44,114 --> 01:00:46,116 ホンマや。 なりとうないのえ。 533 01:00:46,116 --> 01:00:51,116 私は 明子という ただの女や。 534 01:00:53,123 --> 01:00:56,126 寂しいのや。 535 01:00:56,126 --> 01:01:02,132 独りで… それは それは 寂しかったのや。 536 01:01:02,132 --> 01:01:05,132 ここに いてほしいのや。 537 01:01:34,164 --> 01:01:39,164 (壬生)狂四郎! 円月殺法で受けてみやれ。 538 01:01:55,185 --> 01:01:58,185 無頼者にしては 見事でごじゃる! 539 01:02:00,190 --> 01:02:02,190 ホッ…。 540 01:02:20,144 --> 01:02:36,160 ・~ 541 01:02:36,160 --> 01:02:38,160 (美保代) 空然さまが 行ってみろと。 542 01:02:40,164 --> 01:02:42,164 (美保代)このお墓は…。 543 01:02:45,169 --> 01:02:48,172 俺の母が眠っている。 544 01:02:48,172 --> 01:03:02,186 ・~ 545 01:03:02,186 --> 01:03:05,189 帰ってきたのか。 546 01:03:05,189 --> 01:03:07,189 (美保代)帰ってきました。 547 01:03:10,127 --> 01:03:13,127 (美保代)母上さまの お引き合わせでしょうか。 548 01:03:17,134 --> 01:03:19,136 行こう。 549 01:03:19,136 --> 01:03:21,138 (美保代)はい。 550 01:03:21,138 --> 01:03:32,138 (美保代の せき) 551 01:03:37,154 --> 01:03:42,154 美保代は 幸せです。 552 01:03:46,163 --> 01:03:48,163 (金八)姫さま! 553 01:03:57,174 --> 01:03:59,176 (金八)来た! 来た! (明子)あっ…。 554 01:03:59,176 --> 01:04:01,178 (金八)ちょっと 姫さま! (明子)はい はい。 555 01:04:01,178 --> 01:04:03,180 (金八)こっち こっち…。 (明子)あっ! 556 01:04:03,180 --> 01:04:05,182 (金八)ちょっ…。 こっちだって。 こっち…。 557 01:04:05,182 --> 01:04:07,117 (明子)はい はい。 (金八)あ~! ちょっと。 558 01:04:07,117 --> 01:04:09,119 (明子)キャ~! (金八)あっ! ちょっと!・ 559 01:04:09,119 --> 01:04:11,119 姫! 560 01:04:29,139 --> 01:04:35,145 (水野)酒井は 切り札の明子を 狂四郎に取られ・ 561 01:04:35,145 --> 01:04:39,149 次は おそらく 強引な手だてを とってくるものと…。 562 01:04:39,149 --> 01:04:43,149 あの男も これまでだな。 563 01:04:46,156 --> 01:04:50,160 こたびの不始末につき この 水野 忠邦・ 564 01:04:50,160 --> 01:04:55,165 一身に代えましても 善処いたす所存にございます。 565 01:04:55,165 --> 01:04:59,165 何とぞ お力添えを。 566 01:05:02,172 --> 01:05:04,172 いや。 567 01:05:06,176 --> 01:05:12,176 その方の役目も そろそろ 幕じゃ。 568 01:05:17,121 --> 01:05:27,131 人の役目には 光を浴びる者と 影とし生きる者とがある。 569 01:05:27,131 --> 01:05:31,135 (水野)もう一度 幕閣に 復帰なさるおつもりですか? 570 01:05:31,135 --> 01:05:37,141 (主水正の笑い声) 571 01:05:37,141 --> 01:05:40,144 (主水正)そこに控えておるのは・ 572 01:05:40,144 --> 01:05:44,148 わしが 酒井の懐に潜り込ませた 影だ。 573 01:05:44,148 --> 01:05:49,153 眠 狂四郎を 斬ると 心に決めております。 574 01:05:49,153 --> 01:05:55,159 (主水正) よしよし。 眠 狂四郎をな。・ 575 01:05:55,159 --> 01:05:57,159 ハハハハ…。 576 01:06:01,131 --> 01:06:04,067 (美保代)先日 文字若さんが 届けてくだすった 反物で・ 577 01:06:04,067 --> 01:06:07,067 私が縫い上げました。 578 01:06:09,072 --> 01:06:15,078 よかった。 けさ方 仕上がったばかりで。 579 01:06:15,078 --> 01:06:17,078 あっ。 580 01:06:46,109 --> 01:06:50,109 こんな 静かな ひとときが あったのですね。 581 01:06:52,115 --> 01:06:55,118 夢ではないかと。 582 01:06:55,118 --> 01:07:01,124 そなたは 東慶寺へ引き揚げてもらえぬか。 583 01:07:01,124 --> 01:07:04,124 私は この寺を去るつもりだ。 584 01:07:08,065 --> 01:07:10,067 どちらへ? 585 01:07:10,067 --> 01:07:12,067 分からぬ。 586 01:07:25,082 --> 01:07:30,087 (備前屋)ごめんくださいまし。 備前屋 徳右衛門でございます。 587 01:07:30,087 --> 01:07:35,092 (主水正)備前屋 備前屋…。 あ~ 備前屋。 お上がり。 588 01:07:35,092 --> 01:07:38,092 (備前屋)はい。 失礼いたします。 589 01:07:44,101 --> 01:07:47,104 以後 よろしく お見知り置きのほどを…。 590 01:07:47,104 --> 01:07:49,104 (主水正)お入り。 (備前屋)はい。 591 01:07:55,112 --> 01:07:59,116 これは ほんの手土産代わりでございます。 592 01:07:59,116 --> 01:08:01,118 (主水正)ずずっと近う。 593 01:08:01,118 --> 01:08:03,118 はい。 594 01:08:10,060 --> 01:08:14,064 (備前屋)これからは やはり あなたさまのご時世でございます。 595 01:08:14,064 --> 01:08:17,067 (主水正)お~。 (備前屋)酒井さまも水野さまも・ 596 01:08:17,067 --> 01:08:20,070 もう少し 先を読めるお方と 思っておりましたが・ 597 01:08:20,070 --> 01:08:22,072 見損ないました。・ 598 01:08:22,072 --> 01:08:29,079 その点 さすが 元老中筆頭 松平 主水正さま。・ 599 01:08:29,079 --> 01:08:33,083 やることが 水際立ってらっしゃいます。 600 01:08:33,083 --> 01:08:40,090 (主水正の笑い声) 601 01:08:40,090 --> 01:08:43,093 あっ。・ 602 01:08:43,093 --> 01:08:45,095 松平さま…。 603 01:08:45,095 --> 01:08:48,098 (戸田)備前屋。 (備前屋)とと… 戸田さま。 604 01:08:48,098 --> 01:08:51,101 馬を乗り換えたな。 605 01:08:51,101 --> 01:08:54,104 あなたの方こそ・ 606 01:08:54,104 --> 01:08:56,106 乗り換えられたのでは ないですか。・ 607 01:08:56,106 --> 01:08:59,109 私は あきんどだ。・ 608 01:08:59,109 --> 01:09:02,112 むざむざ 損をするのを分かってるのに・ 609 01:09:02,112 --> 01:09:05,048 金を積むような バカな まねは いたしません。 610 01:09:05,048 --> 01:09:11,054 ご政道の裏を 金の力で この手につかみたいと思っただけ。 611 01:09:11,054 --> 01:09:14,057 気に入った。 612 01:09:14,057 --> 01:09:18,061 (備前屋)ご政道を動かす者も 金を動かす者も・ 613 01:09:18,061 --> 01:09:22,065 持ちつ持たれつ 人は皆 欲で動いております。 614 01:09:22,065 --> 01:09:26,069 (主水正)備前屋。 (備前屋)はい。 615 01:09:26,069 --> 01:09:32,075 (主水正)それは 夢のまた夢。 616 01:09:32,075 --> 01:09:34,075 (備前屋)うっ…! 617 01:09:36,079 --> 01:09:38,079 うわ…。 618 01:09:41,084 --> 01:09:47,090 私は 影として生きる喜びを 知っております。 619 01:09:47,090 --> 01:09:51,090 私に 光は いりませぬ。 620 01:10:06,043 --> 01:10:09,046 眠殿が帰られたら お伝え願いたい。 621 01:10:09,046 --> 01:10:11,048 それがし 戸田 隼人が・ 622 01:10:11,048 --> 01:10:15,052 関白 九条 道房殿の 娘 明子さまを・ 623 01:10:15,052 --> 01:10:19,056 こちらに お返し願いたい 所存であると。・ 624 01:10:19,056 --> 01:10:23,060 穏便に受け渡すことを 拒まれるなら もちろん・ 625 01:10:23,060 --> 01:10:27,064 剣を交えることを いささかも いとうものではない。 626 01:10:27,064 --> 01:10:29,066 ご一報 願いたい。 627 01:10:29,066 --> 01:10:36,073 場所は 渋谷宮益町 外れ 松平 主水正さまの 隠居所。 628 01:10:36,073 --> 01:10:39,073 ご存じのはず。 では。 629 01:10:43,080 --> 01:10:47,080 あなたの腕では 私は斬れぬ。 630 01:10:51,088 --> 01:10:57,088 (せき) 631 01:11:08,105 --> 01:11:11,105 (主水正)狂四郎の妻は その方…。 632 01:11:16,113 --> 01:11:22,119 誠を申せば 私の方で 心に 固く信じておりますだけ。 633 01:11:22,119 --> 01:11:26,119 あの方は 生涯 妻は めとらぬと。 634 01:11:28,125 --> 01:11:30,125 (美保代)いかがなさいました? 635 01:11:32,129 --> 01:11:34,131 (美保代)狂四郎さまも・ 636 01:11:34,131 --> 01:11:37,131 初めて 私を見たとき 同じように…。 637 01:11:43,140 --> 01:11:45,140 (主水正)用件を聞こう。 638 01:11:49,146 --> 01:11:55,152 命のやりとりは どうか もう おやめくださいませ。・ 639 01:11:55,152 --> 01:11:59,156 殺し合い 憎しみ合って・ 640 01:11:59,156 --> 01:12:03,160 なぜ 一人の女の定めまでを 奪おうとなさいます。 641 01:12:03,160 --> 01:12:05,095 やむを得ぬことだ。 642 01:12:05,095 --> 01:12:10,100 あなたさまが どのように お偉いお方かは 存じませぬが・ 643 01:12:10,100 --> 01:12:13,103 私の一存で参りました。 644 01:12:13,103 --> 01:12:17,103 たとえ 刺し違えてでも…。 645 01:12:24,114 --> 01:12:28,118 (主水正)籠の鳥は 餌をやらねば 死んでしまう。 646 01:12:28,118 --> 01:12:30,118 ういやつよのう。 647 01:12:34,124 --> 01:12:37,127 美保代とか申したな。 648 01:12:37,127 --> 01:12:39,129 (美保代)はい。 649 01:12:39,129 --> 01:12:45,135 わしが 老中首座の要職にあったとき・ 650 01:12:45,135 --> 01:12:50,140 オランダ国の医師 ジュリアン・フェルナンドという男を・ 651 01:12:50,140 --> 01:12:52,142 バテレンと見抜き・ 652 01:12:52,142 --> 01:12:58,148 これに拷問を加え 転びバテレンとさせた。 653 01:12:58,148 --> 01:13:04,087 後に 将軍家のお脈を 取るようになった フェルナンドが・ 654 01:13:04,087 --> 01:13:10,087 私への復讐として 一人娘を犯しよった。 655 01:13:15,098 --> 01:13:21,104 (主水正)わしは フェルナンドと 身ごもった娘を・ 656 01:13:21,104 --> 01:13:26,109 その腹の子ともども 斬って捨てる覚悟をした。・ 657 01:13:26,109 --> 01:13:36,119 が 松平のお家のために これを断念し・ 658 01:13:36,119 --> 01:13:42,125 娘は ひそかに 祥雲寺へと 追いやった。・ 659 01:13:42,125 --> 01:13:46,129 その娘の名は 千津。・ 660 01:13:46,129 --> 01:13:52,129 狂四郎の母は 私の娘だ。 661 01:13:54,137 --> 01:14:08,084 (美保代の せき) 662 01:14:08,084 --> 01:14:28,104 ・~ 663 01:14:28,104 --> 01:14:46,104 ・~ 664 01:14:56,132 --> 01:14:59,132 (女)何者! (金八)何だ てめえらは! 665 01:15:01,137 --> 01:15:04,074 (女)姫さま! (金八)姫!・ 666 01:15:04,074 --> 01:15:06,074 姫! 667 01:15:11,081 --> 01:15:13,081 (女)姫さま! (金八)姫~! 668 01:15:23,093 --> 01:15:27,097 (金八の せき) 669 01:15:27,097 --> 01:15:31,101 金八。 ひっ 姫が… さらわれた。 670 01:15:31,101 --> 01:15:34,104 姫が さらわれた…。 671 01:15:34,104 --> 01:15:36,104 金八! 672 01:15:38,108 --> 01:15:45,108 旦那… 死に土産に いいこと教えてあげる…。 673 01:15:47,117 --> 01:15:58,128 姫が… この つばめの金八の 女房になってもいいって…。 674 01:15:58,128 --> 01:16:03,133 だから 祝言は・ 675 01:16:03,133 --> 01:16:09,072 旦那と 美保代さんと 師匠と・ 676 01:16:09,072 --> 01:16:13,072 5人で 盛大に…。 677 01:16:28,124 --> 01:16:36,124 (鈴の音) 678 01:16:41,137 --> 01:16:44,140 (主水正)美保代は 血を吐いた。 679 01:16:44,140 --> 01:16:49,140 今は よく眠っているが 長くは持つまい。 680 01:16:51,147 --> 01:16:54,150 老いて なお 権勢の座が欲しいのか。 681 01:16:54,150 --> 01:16:57,153 徳川のため ご政道のため…。 682 01:16:57,153 --> 01:16:59,155 愚かな。 683 01:16:59,155 --> 01:17:03,155 幕閣を追い落とされて なお ご政道か。 684 01:17:05,094 --> 01:17:09,098 そのために 何をも 犠牲にして はばからぬ 元老中・ 685 01:17:09,098 --> 01:17:12,098 松平 主水正が 心底 憎い。 686 01:17:14,103 --> 01:17:18,107 人の命の大切が分かるか。 687 01:17:18,107 --> 01:17:22,107 亡き母のことか。 688 01:17:24,113 --> 01:17:28,117 母は 苦しんだ。 689 01:17:28,117 --> 01:17:31,120 命が宿ったため その命を産むために生きた。 690 01:17:31,120 --> 01:17:36,120 その子が不幸になると 分かっていながら。 691 01:17:38,127 --> 01:17:44,127 それが 人の心… 大いなる母の愛。 692 01:17:47,136 --> 01:17:52,141 私を産んでくれた母の 苦しみと悲しみ。 693 01:17:52,141 --> 01:17:54,143 わが子への負い目を持ち続け・ 694 01:17:54,143 --> 01:17:59,148 生きた かばねの 境涯に 閉じ込められながらも・ 695 01:17:59,148 --> 01:18:05,088 15歳の俺の姿を 見届けた後・ 696 01:18:05,088 --> 01:18:08,088 自害した。 697 01:18:15,098 --> 01:18:17,100 娘の腹を引き裂いてでも・ 698 01:18:17,100 --> 01:18:19,102 その子は 殺しておくべきであった。 699 01:18:19,102 --> 01:18:22,102 その やいばを 今 俺に向けている。 700 01:18:24,107 --> 01:18:27,110 それほど この俺が憎いか。 701 01:18:27,110 --> 01:18:32,115 娘をバテレンに犯された 父の気持ちが 分かるか。 702 01:18:32,115 --> 01:18:35,118 ハハハハ…。 703 01:18:35,118 --> 01:18:42,125 亡き母への思いが わしに歯向かわせておるのか。 704 01:18:42,125 --> 01:18:49,125 俺は 母の心から笑った顔を 一度も見た記憶はない。 705 01:18:52,135 --> 01:18:54,137 リンドウが好きだった。 706 01:18:54,137 --> 01:18:56,137 言うな! 707 01:19:08,084 --> 01:19:11,087 なぜ 斬らん。 708 01:19:11,087 --> 01:19:15,091 私を斬らんのか。 709 01:19:15,091 --> 01:19:23,099 母の父を斬ることは 俺が母を斬ることだ。 710 01:19:23,099 --> 01:19:25,099 生きるがよい。 711 01:19:29,105 --> 01:19:31,105 生きて 苦しめ。 712 01:20:03,072 --> 01:20:09,078 きっと… きっと 帰ってきてくださいませ。 713 01:20:09,078 --> 01:20:15,078 生きてさえいてくだされば 妻となる望みも捨てます。 714 01:20:36,105 --> 01:20:56,125 ・~ 715 01:20:56,125 --> 01:21:04,125 ・~ 716 01:21:42,171 --> 01:21:45,174 その行列 待った! 717 01:21:45,174 --> 01:21:47,174 (侍)狼藉者! 718 01:21:57,186 --> 01:21:59,186 (室矢)うっ! 719 01:22:04,127 --> 01:22:06,129 (侍)己! 720 01:22:06,129 --> 01:22:26,149 ・~ 721 01:22:26,149 --> 01:22:38,161 ・~ 722 01:22:38,161 --> 01:22:40,161 下ろして。 723 01:22:44,167 --> 01:22:46,169 眠 狂四郎! 724 01:22:46,169 --> 01:22:48,169 無礼でおじゃる! 725 01:22:58,181 --> 01:23:00,183 痛い…。 726 01:23:00,183 --> 01:23:15,131 ・~ 727 01:23:15,131 --> 01:23:17,131 斬れ! 728 01:23:21,137 --> 01:23:23,137 (侍)うっ! 729 01:23:27,143 --> 01:23:29,143 (侍)うわ! 730 01:23:35,151 --> 01:23:37,153 んっ…! 731 01:23:37,153 --> 01:23:55,153 ・~ 732 01:24:03,112 --> 01:24:07,112 薫… 家慶じゃ。 733 01:24:09,118 --> 01:24:16,125 娘を こんな姿にしてしまったのは 私の責任。 734 01:24:16,125 --> 01:24:18,125 愚かであった…。 735 01:24:51,160 --> 01:25:11,113 ・~ 736 01:25:11,113 --> 01:25:15,117 ・~ 737 01:25:15,117 --> 01:25:20,117 美保代… 来たぞ。 738 01:25:54,156 --> 01:25:57,159 母よ・ 739 01:25:57,159 --> 01:26:01,097 美保代の み霊よ・ 740 01:26:01,097 --> 01:26:06,097 円月殺法 ご照覧あれ。 741 01:26:16,112 --> 01:26:36,132 ・~ 742 01:26:36,132 --> 01:26:56,152 ・~ 743 01:26:56,152 --> 01:27:16,105 ・~ 744 01:27:16,105 --> 01:27:36,125 ・~ 745 01:27:36,125 --> 01:27:43,125 ・~ 746 01:29:27,102 --> 01:29:31,106 (文字若)お気を付けて。 (明子)はい。 747 01:29:31,106 --> 01:29:33,106 狂四郎さん…。 (文字若)えっ? 748 01:29:43,118 --> 01:29:46,121 (文字若) 人っ子一人 見えませんよ。・ 749 01:29:46,121 --> 01:29:48,121 気のせいですよ。 750 01:30:13,082 --> 01:30:23,082 ・~