1 00:00:46,469 --> 00:02:18,928 2 00:02:18,928 --> 00:02:24,934 ほう 今度はエイの料理だと はい 3 00:02:24,934 --> 00:02:28,938 何でもサメやエイは食えたもの じゃないと言い張る男がいて 4 00:02:28,938 --> 00:02:33,927 士郎がその男を説得するため 始めた勝負だとか 5 00:02:33,927 --> 00:02:36,930 ほう 6 00:02:36,930 --> 00:02:39,933 そこで士郎がエイを 料理するなら 7 00:02:39,933 --> 00:02:44,938 この私にもそれ以上のエイ料理を 作ってみてほしいというのが 8 00:02:44,938 --> 00:02:47,941 「週刊タイム」の要望でしてな 9 00:02:47,941 --> 00:02:50,927 つまりエイを材料にして 我が至高のメニューに 10 00:02:50,927 --> 00:02:55,927 士郎の究極のメニューを 挑戦させようという企画でしょう 11 00:02:57,934 --> 00:03:03,940 やれやれ また親子対決か 12 00:03:03,940 --> 00:03:08,928 しかし できるのかね あんなエイみたいな下魚を使って 13 00:03:08,928 --> 00:03:12,932 これはしたり 唐山陶人先生にして 14 00:03:12,932 --> 00:03:15,935 エイの真価をご存じないとは ん? 15 00:03:15,935 --> 00:03:17,937 人間国宝とも思えませんぞ 16 00:03:17,937 --> 00:03:20,937 このわしに何たる口を利くんじゃ 17 00:03:22,942 --> 00:03:25,929 まったく お前も士郎も さすが親子じゃ 18 00:03:25,929 --> 00:03:29,929 その無礼な口の利き方 よう似とるわ まったく 19 00:03:34,938 --> 00:03:37,941 で 今日は また何の用で 来たんじゃ 20 00:03:37,941 --> 00:03:42,929 先生の大皿を1枚 頂きに参ったんです 21 00:03:42,929 --> 00:03:46,933 何? わしの皿だと? いかにも 22 00:03:46,933 --> 00:03:50,937 んっ あいにくだが ろくな皿がなくてのう 23 00:03:50,937 --> 00:03:54,937 ほう そうですか では 24 00:03:58,928 --> 00:04:02,932 ん? こら 雄山 ど… どこへ行く気じゃ? 25 00:04:02,932 --> 00:04:05,935 いかん そこは わしの作品の中でも 26 00:04:05,935 --> 00:04:08,935 気に入りのものばかりを しまってあるんじゃ 27 00:04:20,933 --> 00:04:23,936 おぉ~ 28 00:04:23,936 --> 00:04:25,936 伊賀緑釉平鉢 29 00:04:27,940 --> 00:04:31,944 私が頭に描くエイ料理を盛るには もってこいだ 30 00:04:31,944 --> 00:04:36,933 待て待て 雄山 お前も れっきとした陶芸家じゃろうが 31 00:04:36,933 --> 00:04:39,936 自分の料理ぐらい自分の皿を 使わんかい 32 00:04:39,936 --> 00:04:44,941 無論 本来なら他人の作品など 使ったりはしませんよ 33 00:04:44,941 --> 00:04:47,944 何? しかし 残念ながら 34 00:04:47,944 --> 00:04:52,932 来月 ニューヨークで開かれる 私の陶芸展に出品するため 35 00:04:52,932 --> 00:04:56,936 手元のめぼしいものは全部 向こうに送ってしまったんです 36 00:04:56,936 --> 00:05:01,941 だから まあ 私の作品の代用品に 先生の皿を… 37 00:05:01,941 --> 00:05:07,930 くっ~ ばかもん!師の作品を 代用品とは何たる暴言! 38 00:05:07,930 --> 00:05:10,933 貴様は破門じゃ!出て行け! 39 00:05:10,933 --> 00:05:14,937 すばらしい 実にすばらしい へっ 40 00:05:14,937 --> 00:05:19,942 色といい形といい まさに人間国宝一代の傑作 41 00:05:19,942 --> 00:05:24,931 い… いやいや それほどのものでもなかろうが 42 00:05:24,931 --> 00:05:29,936 この濃い緑の釉薬には エイの身の白さがよく映える 43 00:05:29,936 --> 00:05:35,942 この平鉢にエイ料理を盛る時 全体にあくまで上品だが 44 00:05:35,942 --> 00:05:39,946 僅かに残したエイの持つ野性味が きらりと輝いて 45 00:05:39,946 --> 00:05:42,932 更に味に深みを与えさせる 46 00:05:42,932 --> 00:05:47,937 そして しっとりとした艶やかな エイの身を1切れ 口に含むと 47 00:05:47,937 --> 00:05:50,940 それは人間が自分自身 気付いていなかった 48 00:05:50,940 --> 00:05:55,945 官能を目覚めさせて… うっ あぁ… 49 00:05:55,945 --> 00:06:01,934 うぅ~ わかった 持ってけ! いいか 雄山 そのかわり… 50 00:06:01,934 --> 00:06:05,934 はい 最高のエイ料理を 差し上げましょう 51 00:06:07,940 --> 00:06:12,945 あらあら あら 陶人君 それで お皿 持っていかれちゃったの? 52 00:06:12,945 --> 00:06:17,945 うん まったくひどいやつだ 雄山は 53 00:06:20,937 --> 00:06:23,940 はい 54 00:06:23,940 --> 00:06:28,945 わしは あんな弟子を持って… 55 00:06:28,945 --> 00:06:31,948 あぁ~ 不幸じゃ 56 00:06:31,948 --> 00:06:33,933 ちは~ あら 57 00:06:33,933 --> 00:06:37,937 山岡さんに ゆう子さん おじゃまします 58 00:06:37,937 --> 00:06:41,941 何じゃ 士郎 どこから入ってきた へへへへっ 59 00:06:41,941 --> 00:06:45,945 このうちのことは隅から隅まで 知り尽くしてますからね 60 00:06:45,945 --> 00:06:48,948 へっ… おっ ん!? 61 00:06:48,948 --> 00:06:51,934 士郎 その包みは何じゃ? えっ? 62 00:06:51,934 --> 00:06:55,934 えっじゃない あぁ~ あっ ちょっと… あぁ 63 00:06:59,942 --> 00:07:02,945 うっ こ… これは 64 00:07:02,945 --> 00:07:07,950 織部の四方鉢 わしの気に入りの皿じゃないか 65 00:07:07,950 --> 00:07:10,937 エイ料理を載せるのに ちょうどいいと思って 66 00:07:10,937 --> 00:07:12,939 収納庫から ちょっとね 67 00:07:12,939 --> 00:07:18,945 うぅ~ 貴様!わしの宝物を まあ まあ 68 00:07:18,945 --> 00:07:24,951 でも 変だな 伊賀緑釉の平鉢が なくなっちゃってるんだよね 69 00:07:24,951 --> 00:07:26,936 うっ… 70 00:07:26,936 --> 00:07:29,939 あれ どうしたの? 困って売っちゃったの? 71 00:07:29,939 --> 00:07:34,944 う… 売ったりせんわい あ… あれはな あれは… 72 00:07:34,944 --> 00:07:36,944 ん? 73 00:07:39,949 --> 00:07:43,936 へへへへっ おいしいエイを ごちそうするからね 74 00:07:43,936 --> 00:07:46,939 うるさい!さっさと帰れ! 75 00:07:46,939 --> 00:07:49,942 ゆう子さん またね おじゃましました 76 00:07:49,942 --> 00:07:54,947 どうしたんだろ 今日のじいさん 機嫌悪いんでやんの 77 00:07:54,947 --> 00:07:57,950 じゃあ バイバイ 78 00:07:57,950 --> 00:08:01,938 やはり親子の血は争えん えっ? 79 00:08:01,938 --> 00:08:06,943 見ろ あの2人 同じような緑釉の皿を選びおった 80 00:08:06,943 --> 00:08:10,947 士郎も雄山も 表面は憎しみあっておっても 81 00:08:10,947 --> 00:08:13,950 心のどこかが つながっておるのじゃ 82 00:08:13,950 --> 00:08:16,950 親子なんじゃよ ふ~ん 83 00:08:20,940 --> 00:08:23,943 エイというのは見た目には醜悪だ 84 00:08:23,943 --> 00:08:26,946 処理のしかたによっては 臭みも出る 85 00:08:26,946 --> 00:08:28,946 はあ 確かに 86 00:08:32,952 --> 00:08:34,937 だが調理法によっては 87 00:08:34,937 --> 00:08:38,941 その姿からは想像もできぬほど うまいものになる 88 00:08:38,941 --> 00:08:42,945 それもフランス料理の技法と 相性が良いようだ 89 00:08:42,945 --> 00:08:44,947 良三 はい 90 00:08:44,947 --> 00:08:46,949 これからお前を連れていくのは 91 00:08:46,949 --> 00:08:49,952 それを覚えさせるためだ はい 92 00:08:49,952 --> 00:08:53,940 まあ 良三さんがフランス料理を? 93 00:08:53,940 --> 00:08:56,943 ええ 海原先生に連れられて 94 00:08:56,943 --> 00:08:59,946 ラ・レ・ドールへ 修業に行ってるそうです 95 00:08:59,946 --> 00:09:02,949 何でもエイの料理を 勉強するのだとか 96 00:09:02,949 --> 00:09:04,949 あっ 97 00:09:06,953 --> 00:09:09,939 斉藤さん 私は あなたのエイ料理を 98 00:09:09,939 --> 00:09:13,943 非常にすばらしいと思う ありがとうございます 99 00:09:13,943 --> 00:09:16,946 フランス料理における魚料理は 100 00:09:16,946 --> 00:09:19,949 取るに足らないと思っていた 私のもうを 101 00:09:19,949 --> 00:09:23,953 あなたのエイ料理は開いてくれた 恐れ入ります 102 00:09:23,953 --> 00:09:27,940 そこで頼みがあるんだが はっ? 103 00:09:27,940 --> 00:09:30,943 このうちの料理人 岡星良三に 104 00:09:30,943 --> 00:09:33,946 あなたのエイ料理を 教えてやってもらいたいのだ 105 00:09:33,946 --> 00:09:36,949 はあ よろしくお願いします 106 00:09:36,949 --> 00:09:41,954 しかし… ただで教えろとは言わん 107 00:09:41,954 --> 00:09:43,954 中川 はっ 108 00:09:48,944 --> 00:09:50,944 ん? 109 00:09:52,948 --> 00:09:55,951 あっ これは… 110 00:09:55,951 --> 00:09:59,955 唐山陶人作 伊賀緑釉平鉢 111 00:09:59,955 --> 00:10:03,943 自由かったつにして天衣無縫 112 00:10:03,943 --> 00:10:08,948 しかも 一分の隙もない 造形の確かさだ 113 00:10:08,948 --> 00:10:11,951 こ… これは すごい 114 00:10:11,951 --> 00:10:15,955 どうだな その皿と格闘してみる 気にならんかな? 115 00:10:15,955 --> 00:10:19,942 やります 是非やらせてください! うん 116 00:10:19,942 --> 00:10:21,942 なるほど 117 00:10:24,947 --> 00:10:28,951 至高のメニューはフランス料理で 来るわけか 118 00:10:28,951 --> 00:10:31,954 山岡さんは どんな方法を 使うつもりなんですか? 119 00:10:31,954 --> 00:10:37,943 それが全然 思いつかないんだよな あっ… はぁ~ 120 00:10:37,943 --> 00:10:40,946 中華風にチンジャオにも してみたんだけど 121 00:10:40,946 --> 00:10:43,949 何か上品すぎたしね 122 00:10:43,949 --> 00:10:48,954 そうだ ねえ 山岡さん 大阪で食べた料理 123 00:10:48,954 --> 00:10:51,957 えっ あれ? 小ザメのソテー オレンジソース? 124 00:10:51,957 --> 00:10:53,957 そうそう 125 00:10:55,945 --> 00:10:59,949 サメをバターで焼いて 白ワインで風味をつけてから 126 00:10:59,949 --> 00:11:02,949 オレンジソースをかけました 127 00:11:04,954 --> 00:11:08,958 出来上がりもサメの風味と とってもよく合った料理法でした 128 00:11:08,958 --> 00:11:11,944 エイだって そのままでは 癖のある魚ですよね 129 00:11:11,944 --> 00:11:13,946 あの料理みたいに 130 00:11:13,946 --> 00:11:15,948 洋風に料理したほうが 合うんじゃないでしょうか 131 00:11:15,948 --> 00:11:18,951 しかし 相手が ラ・レ・ドールだとすると 132 00:11:18,951 --> 00:11:23,956 そいつをしのぐのは大変だぜ あっ う~ん 133 00:11:23,956 --> 00:11:27,943 さあ どうぞ これは? 134 00:11:27,943 --> 00:11:30,946 エイのひれを干したものを あぶったんです 135 00:11:30,946 --> 00:11:34,950 エイのひれ? 酒のさかなには もってこいですよ 136 00:11:34,950 --> 00:11:36,952 腹が減っては何とやら 137 00:11:36,952 --> 00:11:39,952 これでも召し上がって 楽にしてください 138 00:11:44,944 --> 00:11:49,949 あっ 香ばしいわ コリコリした歯触りがすてきだわ 139 00:11:49,949 --> 00:11:52,952 でしょう? まっ 独特の味わいですよね 140 00:11:52,952 --> 00:11:54,954 さあ どんどん 召し上がってください 141 00:11:54,954 --> 00:12:00,943 今日は他にも珍しい出物もあるし ええ 頂きます 142 00:12:00,943 --> 00:12:02,945 これだ… 143 00:12:02,945 --> 00:12:06,949 これだ これを忘れていた えっ? 144 00:12:06,949 --> 00:12:10,953 決まったぞ こっちも フランス料理で受けて立つ 145 00:12:10,953 --> 00:12:13,953 えっ フランス料理? ああ 146 00:12:29,955 --> 00:12:33,959 おっ 来た来た お待ちどおさま 147 00:12:33,959 --> 00:12:37,959 山岡さんご指名の特別料理です 148 00:12:42,952 --> 00:12:45,955 う~ん まあ 149 00:12:45,955 --> 00:12:47,957 うん 150 00:12:47,957 --> 00:12:51,961 こんな味 初めて これがエイだなんて 151 00:12:51,961 --> 00:12:55,948 はははっ… そうですとも 152 00:12:55,948 --> 00:12:58,951 エイのこの部分を 食べないんだったら 153 00:12:58,951 --> 00:13:01,954 エイを食べたなんて 言えないですよ 154 00:13:01,954 --> 00:13:04,957 ははっ 広田さん 155 00:13:04,957 --> 00:13:08,957 ん? この料理 もらったぜ 156 00:13:11,947 --> 00:13:14,950 あぁ… あぁ~ 心配だな 157 00:13:14,950 --> 00:13:17,953 サメはともかく エイなんて うまいもんになるのかね 158 00:13:17,953 --> 00:13:23,959 谷村君 大丈夫かね? 大丈夫も何も もうここまで来たら 159 00:13:23,959 --> 00:13:27,959 山岡に任せるしかないでしょう そ… そりゃあ そうなんだけどさ 160 00:13:29,965 --> 00:13:33,969 でも 心配で心配で 161 00:13:33,969 --> 00:13:36,972 山岡ちゃん 頼むぞ エイ料理で房元氏を 162 00:13:36,972 --> 00:13:39,972 なんとしても説得してくれよ やれやれ… 163 00:14:00,963 --> 00:14:03,966 たいへんお待たせいたしました 164 00:14:03,966 --> 00:14:07,970 今回の究極のメニュー 対 至高のメニューの対決は 165 00:14:07,970 --> 00:14:11,974 我が「週刊タイム」が山岡さんに 是非にとお願いし 166 00:14:11,974 --> 00:14:15,961 エイ料理で勝負していただく ことになりました 167 00:14:15,961 --> 00:14:18,964 幸い 海原先生も 快く同意してくださり 168 00:14:18,964 --> 00:14:22,964 今日のこの対決の運びと なったわけです 169 00:14:24,970 --> 00:14:29,975 では まず帝都新聞の至高の メニューのほうからお願いします 170 00:14:29,975 --> 00:14:33,963 海原先生 どうぞ うん 171 00:14:33,963 --> 00:14:37,967 私がエイを材料に使うことに 同意したのは 172 00:14:37,967 --> 00:14:41,971 エイ料理が至高のメニューの 主役の一皿になりうるものと 173 00:14:41,971 --> 00:14:43,973 判断したからだ 174 00:14:43,973 --> 00:14:49,962 終戦直後の食糧難の時代にエイを 食べさせられた年代の方たちには 175 00:14:49,962 --> 00:14:54,967 エイはアンモニア臭くてまずい 魚だという印象が強いようだが 176 00:14:54,967 --> 00:14:57,970 取れたてのエイを 上手に調理すれば 177 00:14:57,970 --> 00:14:59,972 決してアンモニア臭い ということはない 178 00:14:59,972 --> 00:15:03,976 それどころか肉質のすばらしさを 十分に引き出せば 179 00:15:03,976 --> 00:15:07,963 最上級の魚料理の1つとなりうる 180 00:15:07,963 --> 00:15:10,963 今日は それを証明しましょう 181 00:15:22,961 --> 00:15:26,965 う~ん はて? 唐山先生 そのお皿は? 182 00:15:26,965 --> 00:15:28,967 さよう わしの皿じゃ 183 00:15:28,967 --> 00:15:33,972 はぁ~ エイに唐山先生のお皿とは ぜいたくなもんや 184 00:15:33,972 --> 00:15:40,963 はぁ~ 深い緑にエイの白い身が なんとまあ よう映えてますな 185 00:15:40,963 --> 00:15:42,963 では 早速 頂こうかい 186 00:15:51,974 --> 00:15:54,977 これは… 187 00:15:54,977 --> 00:15:59,965 こりゃ… こりゃまた 房元先生 何とも上品な味ですね 188 00:15:59,965 --> 00:16:01,965 わかっておる 189 00:16:04,970 --> 00:16:08,974 うん 身は軟らかいんじゃが しゃっきりしとる 190 00:16:08,974 --> 00:16:15,964 うん そうそう 淡泊やけんど エイのうまみがじっくり残っとる 191 00:16:15,964 --> 00:16:19,964 あぁ~ この羽二重餅のような 歯触りがたまらないわ 192 00:16:24,973 --> 00:16:27,976 これはラ・レ・ドールの 斉藤シェフの料理です 193 00:16:27,976 --> 00:16:32,965 調理は我が美食倶楽部の 岡星良三が担当しました 194 00:16:32,965 --> 00:16:36,969 おっ なるほど こりゃフランスのエイですか 195 00:16:36,969 --> 00:16:41,974 いいえ 使ったのは 北海道のガンギエイです 196 00:16:41,974 --> 00:16:47,980 おぉ~ 北海道の で 料理法は? 197 00:16:47,980 --> 00:16:49,965 さあ はい 198 00:16:49,965 --> 00:16:51,967 新鮮なエイをビネガーなどを 加えて 199 00:16:51,967 --> 00:16:54,970 十分にゆでて 臭みを抜きます 200 00:16:54,970 --> 00:16:58,974 それが終わりましてから 白身の部分をほぐして 201 00:16:58,974 --> 00:17:02,978 シェリー酒から作る酢 溶かしバター こしょう 塩を用いた 202 00:17:02,978 --> 00:17:06,965 温かいドレッシングで あえたものが この料理です 203 00:17:06,965 --> 00:17:10,969 味は食べていただいたとおり 204 00:17:10,969 --> 00:17:16,975 上品で典雅で後口が爽やかだ うん うん 205 00:17:16,975 --> 00:17:19,978 あの醜悪で下手をすると アンモニア臭くなるエイを 206 00:17:19,978 --> 00:17:23,966 ここまで仕上げるのは 洗練の極致と言えるだろう 207 00:17:23,966 --> 00:17:27,970 うん まったく これがエイとはな 208 00:17:27,970 --> 00:17:31,970 こりゃエイに対する偏見を 完全に変えないかんな 209 00:17:38,981 --> 00:17:43,981 それでは続いて 究極のメニューの ほうをお願いします 210 00:17:53,979 --> 00:17:56,982 おぉ~ おぉ~ こりゃまた見事や 211 00:17:56,982 --> 00:18:01,970 先生 このお皿も… さよう わしの作じゃ 212 00:18:01,970 --> 00:18:06,975 織部四方鉢 おぉ~ この取り合わせもまた見事じゃ 213 00:18:06,975 --> 00:18:11,980 この黄褐色のエイが鉢の緑を より一層 深遠なものにし 214 00:18:11,980 --> 00:18:14,967 その上でなお破綻することなく 215 00:18:14,967 --> 00:18:18,967 目の覚めるような鮮やかさを 際立たせておる 216 00:18:20,973 --> 00:18:22,975 おっ この歯応え 217 00:18:22,975 --> 00:18:25,975 うん 何ともコリコリとして こりゃいい 218 00:18:27,980 --> 00:18:31,967 おぉ~ 表面がまたパリッとして 219 00:18:31,967 --> 00:18:36,972 うんうん これは香ばしい 山岡 これは どこの部分なんだ? 220 00:18:36,972 --> 00:18:40,976 エイのひれの部分 いわゆる縁側です 221 00:18:40,976 --> 00:18:42,978 コリコリするのは ひれの軟骨です 222 00:18:42,978 --> 00:18:46,982 なるほど 軟骨か うんうん うん 223 00:18:46,982 --> 00:18:48,984 う~ん いや~ 実際 こりゃたまらん 224 00:18:48,984 --> 00:18:51,970 で 使うたエイは どこのものなんや? 225 00:18:51,970 --> 00:18:54,970 九州のアカエイです 226 00:18:57,976 --> 00:19:00,979 ゆでられたアカエイは 表の黒い皮を剥がし 227 00:19:00,979 --> 00:19:04,983 裏の白い皮を残して オーブンで乾かします 228 00:19:04,983 --> 00:19:07,970 そして 少量のバターで カリカリに焼き 229 00:19:07,970 --> 00:19:12,975 皿に盛ってからパセリ ケーパー レモン汁をかけ 230 00:19:12,975 --> 00:19:15,975 仕上げに熱々の溶かしバターを たっぷりかけました 231 00:19:21,984 --> 00:19:26,972 この料理を作ってくれたのは ドデュ・ダンドンの広田シェフです 232 00:19:26,972 --> 00:19:30,976 エイの持つ野性味たっぷりの個性 これを取り除くのではなく 233 00:19:30,976 --> 00:19:33,976 むしろ強調し 洗練させています 234 00:19:35,981 --> 00:19:39,985 なるほど 確かにこれこそ 本当の洗練というもの 235 00:19:39,985 --> 00:19:43,972 しかし やはり海原先生のほうが 数等上ですな 236 00:19:43,972 --> 00:19:47,976 そうですとも この上品な味は 特筆ものです 237 00:19:47,976 --> 00:19:52,981 では 究極のメニュー 至高のメニューの 判定をお願いします 238 00:19:52,981 --> 00:19:57,986 考え方として至高のメニューの ほうは面白くありませんな 239 00:19:57,986 --> 00:20:02,975 白身の良い所だけむしって 上品な味だというのは安易です 240 00:20:02,975 --> 00:20:05,978 安易なんかじゃないでしょう たいへんな技術がいりますよ 241 00:20:05,978 --> 00:20:08,981 違う違う エイの個性を追求した結果 242 00:20:08,981 --> 00:20:12,985 他に例のない味を作り出した 究極のメニュー側のほうが上だ 243 00:20:12,985 --> 00:20:16,972 何を言うんです エイの縁側は 個性が強すぎて 244 00:20:16,972 --> 00:20:18,974 万人向けとは言えん そうとも 245 00:20:18,974 --> 00:20:22,978 第一 あの軟骨は硬すぎて 歯の弱い老人には つらいよ 246 00:20:22,978 --> 00:20:26,982 何ぃ 入れ歯のあんたに 料理の批判ができるか! 247 00:20:26,982 --> 00:20:29,985 何だと! まあ 審査員同士 やり合って 248 00:20:29,985 --> 00:20:33,985 こりゃえらいことになったぞ 皆さん 249 00:20:35,974 --> 00:20:38,977 ん? 皆さん 聞いてください 250 00:20:38,977 --> 00:20:43,982 私は今まで映像作家として 数々の作品を作り 251 00:20:43,982 --> 00:20:45,984 世に発表してきました 252 00:20:45,984 --> 00:20:50,973 そして それなりの評価を得て 少し てんぐになっていたようです 253 00:20:50,973 --> 00:20:54,977 サメやエイを食べもしないで はなから まずいものと思い込み 254 00:20:54,977 --> 00:20:58,981 人の意見に耳などを 貸そうともしませんでした 255 00:20:58,981 --> 00:21:00,983 だが山岡君の働きで 256 00:21:00,983 --> 00:21:04,987 サメもエイも実にうまいもんだ ということがわかった 257 00:21:04,987 --> 00:21:10,976 おかげで人生の真実を 1つ教えられたようだ 258 00:21:10,976 --> 00:21:12,978 田中君 はぁ? 259 00:21:12,978 --> 00:21:15,981 君についても 私と感性が合わぬなどと 260 00:21:15,981 --> 00:21:18,984 食わず嫌いで へそを曲げていたようだ 261 00:21:18,984 --> 00:21:20,986 ふ… 房元さん 262 00:21:20,986 --> 00:21:24,973 改めて私と特別記念番組を やろうじゃないか 263 00:21:24,973 --> 00:21:29,973 私の撮るサメやエイの 真実の映像をたっぷり使って 264 00:21:32,981 --> 00:21:37,986 房元さん ありがとうございます 喜んでやらせてもらいますよ 265 00:21:37,986 --> 00:21:41,973 はっはっはっ… 聞いたか 皆の衆 266 00:21:41,973 --> 00:21:44,976 今の言葉で今日の結論は 出たじゃないか 267 00:21:44,976 --> 00:21:46,978 はっ? えっ? 268 00:21:46,978 --> 00:21:50,982 究極のメニュー 対 至高のメニュー 269 00:21:50,982 --> 00:21:55,987 この勝負 引き分けじゃ 引き分け? 270 00:21:55,987 --> 00:21:58,990 あっ… 引き分けか 271 00:21:58,990 --> 00:22:02,978 そうですな それが妥当かもしれませんな 272 00:22:02,978 --> 00:22:07,983 両方とも究極と至高のメニューに 入れる価値は十分ありますよ 273 00:22:07,983 --> 00:22:09,985 そのとおりですな 274 00:22:09,985 --> 00:22:15,985 では 今回のエイ料理 勝負は 引き分けとさせていただきます 275 00:22:18,977 --> 00:22:21,980 雄山 はあ 276 00:22:21,980 --> 00:22:23,982 士郎 えっ 277 00:22:23,982 --> 00:22:25,982 2人とも わしの所へ来い 278 00:22:27,986 --> 00:22:30,989 何です? これを見ろ 279 00:22:30,989 --> 00:22:33,975 あっ あっ 280 00:22:33,975 --> 00:22:39,981 伊賀の緑釉平鉢 織部の四方鉢 貴様もこれを 281 00:22:39,981 --> 00:22:43,985 お前たち2人とも わしの皿を取りに来た 282 00:22:43,985 --> 00:22:45,987 エイの身の色と合うと 思ったんじゃろ 283 00:22:45,987 --> 00:22:49,991 こんなにまで感性も考え方も 一致しておるのに 284 00:22:49,991 --> 00:22:54,980 どうして憎しみ合う いいかげんに お互いを認め合ったらどうじゃ 285 00:22:54,980 --> 00:22:59,985 感性も考え方も別だよ 誰がこんな最低の男と 286 00:22:59,985 --> 00:23:02,988 士郎は私が誤って作り出した 失敗作です 287 00:23:02,988 --> 00:23:05,991 先生も失敗作は 地面にたたきつけて 288 00:23:05,991 --> 00:23:07,976 割るじゃありませんか 何!? 289 00:23:07,976 --> 00:23:09,976 では ごめん 290 00:23:12,981 --> 00:23:15,981 あぁ 先生 お待ちください 291 00:23:17,986 --> 00:23:21,990 はぁ~あ まただめか… 292 00:23:21,990 --> 00:23:26,978 あれから房元氏と田中君は すっかり意気投合したそうだよ 293 00:23:26,978 --> 00:23:30,982 まあ それじゃあ大日本テレビの 開局記念番組 294 00:23:30,982 --> 00:23:35,987 うまくいきそうなんですね ああ 中に立った我々も一安心さ 295 00:23:35,987 --> 00:23:39,991 これもサメやエイが うまかったおかげですな 296 00:23:39,991 --> 00:23:43,979 ほんと 両方とも外見からは 想像できない味でしたわ 297 00:23:43,979 --> 00:23:45,981 ぐぁ~ あっ 298 00:23:45,981 --> 00:23:51,987 ん? ぐぅ… あぁ! 299 00:23:51,987 --> 00:23:54,990 それにしても外見も中身も いつまでたっても… 300 00:23:54,990 --> 00:23:57,909 上品になれない人って いるのよねぇ 301 00:23:57,909 --> 00:23:59,909 ほんとですねぇ 302 00:30:43,948 --> 00:30:48,886 ♬~ 303 00:30:48,886 --> 00:30:50,888 ウッ! 304 00:30:50,888 --> 00:30:52,888 ウッ! 305 00:30:54,892 --> 00:30:56,894 プッ…。 306 00:30:56,894 --> 00:30:58,896 ハハハ…!