1 00:00:32,453 --> 00:00:34,455 (鐘の音) 2 00:00:34,455 --> 00:00:38,442 〈この世界には 様々な国があり→ 3 00:00:38,442 --> 00:00:45,466 その様々な文化 様々な環境の下に 私たちは生まれ育ちます〉 4 00:00:45,466 --> 00:00:51,455 〈けれど その誰しもに 唯一 生まれた瞬間から→ 5 00:00:51,455 --> 00:00:54,455 平等に与えられているものが あります〉 6 00:00:56,460 --> 00:00:59,463 〈それが時間です〉 7 00:00:59,463 --> 00:01:09,456 ♬~ 8 00:01:09,456 --> 00:01:12,443 〈これは まだ 時間という概念が→ 9 00:01:12,443 --> 00:01:16,463 現代とは 大きく異なっていた時代に→ 10 00:01:16,463 --> 00:01:21,535 時計に魅了され 平等な刻を追い求めた→ 11 00:01:21,535 --> 00:01:25,535 服部金太郎の物語です〉 12 00:01:36,450 --> 00:01:38,469 (吉邨英恭)楽しみですなあ。 13 00:01:38,469 --> 00:01:41,472 (笠井恒雄)えーっと…。 (吉邨)えーっと…。 14 00:01:41,472 --> 00:01:45,442 (笠井)吉邨さん こちらですね。 で 善路さん…。 15 00:01:45,442 --> 00:01:48,442 (岩倉善路) 社長は そろそろですかね…。 16 00:01:55,536 --> 00:02:00,441 (𠮷川鶴彦の声)金太郎さん… あっ いや… 社長。 17 00:02:00,441 --> 00:02:06,480 古希をお迎えになった事… お祝い致します。 18 00:02:06,480 --> 00:02:09,466 本社の復旧を待って→ 19 00:02:09,466 --> 00:02:12,466 この席を2年も遅らせてもらって すまない。 20 00:02:13,470 --> 00:02:17,441 だが こうして 無事に 皆で集まれた事を→ 21 00:02:17,441 --> 00:02:21,441 心から嬉しく思う。 ありがとう。 22 00:02:25,466 --> 00:02:29,436 (吉邨)社長 まだ 1人 来られていないようですが…。 23 00:02:29,436 --> 00:02:33,440 ああ…。 これで全員のはずだがな。 24 00:02:33,440 --> 00:02:35,459 (笠井)社長も ご存じないのですか? 25 00:02:35,459 --> 00:02:37,444 ああ…。 26 00:02:37,444 --> 00:02:41,448 ともかく始めよう。 お願いします。 27 00:02:41,448 --> 00:02:44,518 〈金太郎と善路が出会ったのは→ 28 00:02:44,518 --> 00:02:47,471 2人が丁稚奉公に入った 辻屋でした〉 29 00:02:47,471 --> 00:02:53,544 ♬~ 30 00:02:53,544 --> 00:02:55,462 ≫おい 金太郎! お客様だぞ! 31 00:02:55,462 --> 00:02:58,462 へい! いらっしゃいませ。 32 00:02:59,466 --> 00:03:03,470 〈善路は 金太郎を兄のように慕い→ 33 00:03:03,470 --> 00:03:06,457 金太郎も また 善路を→ 34 00:03:06,457 --> 00:03:09,460 弟のように かわいがっていました〉 35 00:03:09,460 --> 00:03:13,464 金太郎… そろそろ お嬢様の迎えじゃないか? 36 00:03:13,464 --> 00:03:16,483 もう そんな時分ですか! すぐに参ります。 37 00:03:16,483 --> 00:03:18,485 いえ そんな事は…。 38 00:03:18,485 --> 00:03:20,487 どうかしましたか? 39 00:03:20,487 --> 00:03:25,459 (幸三)ああ… 善路がな この手で そろばんを教えようってんで→ 40 00:03:25,459 --> 00:03:28,459 無理だって言ってたとこだよ。 ハハッ…。 41 00:03:32,466 --> 00:03:36,466 善路 隠したって変わらない。 42 00:03:40,457 --> 00:03:42,476 善路! 43 00:03:42,476 --> 00:03:44,476 逃げるな 善路! 44 00:03:47,464 --> 00:03:51,502 善路。 下の者に教えるのは お前の仕事だ。 45 00:03:51,502 --> 00:03:56,473 でも 金太郎さん… 俺には…。 46 00:03:56,473 --> 00:03:59,460 自分が 手際良くできないからこそ→ 47 00:03:59,460 --> 00:04:03,464 まだ仕事のできない者の気持ちが わかる。 48 00:04:03,464 --> 00:04:06,464 善路の教え方は 丁寧でいいよ。 49 00:04:07,534 --> 00:04:10,471 ≫(足音) 50 00:04:10,471 --> 00:04:13,471 善路さん! 続き お願いします。 51 00:04:14,441 --> 00:04:18,441 あっ… うん。 52 00:04:20,464 --> 00:04:22,464 よし 戻ろう。 53 00:04:26,470 --> 00:04:30,470 金太郎さん お嬢さんのお迎え…。 あっ そうだった! 54 00:04:34,595 --> 00:04:36,446 ≪♬~(辻 浪子) 「御座れ 話しませうぞ」 55 00:04:36,446 --> 00:04:47,441 ♬~「こん小松の蔭で 松の葉の様にこん細やかに」 56 00:04:47,441 --> 00:04:58,441 ♬~(三味線) 57 00:04:59,469 --> 00:05:03,440 今日は 一段と熱が入りましたね。 58 00:05:03,440 --> 00:05:06,460 そうなの。 だから おなか すいちゃった。 59 00:05:06,460 --> 00:05:10,447 お団子でも食べて帰りましょう。 あっ… いや…。 60 00:05:10,447 --> 00:05:14,468 フフ… お代なら心配いらないわ。 私が払います。 61 00:05:14,468 --> 00:05:16,453 それはいけません! 62 00:05:16,453 --> 00:05:18,455 私ごときに めっそうもありません! 63 00:05:18,455 --> 00:05:22,442 もう… 真面目なんだから。 いいから行きましょうよ。 64 00:05:22,442 --> 00:05:25,442 いけません! お嬢様… お嬢様! 65 00:05:28,432 --> 00:05:30,450 フフフフ…。 66 00:05:30,450 --> 00:05:35,472 あんなに拒んでたのに 見事な食べっぷりね。 67 00:05:35,472 --> 00:05:38,442 あっ… すみません。 68 00:05:38,442 --> 00:05:42,529 でも どうせ 旦那様に叱られるのなら→ 69 00:05:42,529 --> 00:05:45,449 げんこつに耐えられるように 腹ごしらえをして…。 70 00:05:45,449 --> 00:05:50,454 フフ… お父様は 金太郎さんに そんな事しないわ。 71 00:05:50,454 --> 00:05:53,454 だって 金太郎さんの事 気に入ってるんですもの。 72 00:05:54,441 --> 00:05:59,441 私をですか…? そうよ。 73 00:06:00,464 --> 00:06:07,471 ねえ 金太郎さんは 年季が明けたら どうなさるの? 74 00:06:07,471 --> 00:06:11,471 何をしたいかは まだ…。 75 00:06:14,444 --> 00:06:21,444 ですが 何をやるにしても 一番になりたいと思っています。 76 00:06:41,471 --> 00:06:52,549 ♬~ 77 00:06:52,549 --> 00:06:56,453 (辻 粂吉)今回 英国を回って 感じたんだがね→ 78 00:06:56,453 --> 00:07:00,457 鉄道は 人間の移動手段を 変えるだけでなく→ 79 00:07:00,457 --> 00:07:03,443 物の流れも変えるよ。 80 00:07:03,443 --> 00:07:05,462 移動時間が短縮されれば→ 81 00:07:05,462 --> 00:07:09,462 商業圏は拡大して 商業活動が活発になるからね。 82 00:07:10,450 --> 00:07:16,456 これは 洋行中に買ってきた懐中時計だ。 83 00:07:16,456 --> 00:07:18,442 これからの商売には→ 84 00:07:18,442 --> 00:07:21,461 もっと正確な時間が 必要とされるだろう。 85 00:07:21,461 --> 00:07:24,464 旦那様! 手に取って見ても…? 86 00:07:24,464 --> 00:07:27,464 もちろんだよ。 さあ みんなで見なさい。 87 00:07:31,471 --> 00:07:33,471 失礼します。 88 00:07:34,441 --> 00:07:42,549 ♬~ 89 00:07:42,549 --> 00:07:44,451 美しいですね…。 90 00:07:44,451 --> 00:08:12,479 ♬~ 91 00:08:12,479 --> 00:08:17,467 やっぱり ここでしたね。 ああ…。 92 00:08:17,467 --> 00:08:24,441 どうも この時計の事が 頭から離れなくてね…。 93 00:08:24,441 --> 00:08:26,441 俺もです。 94 00:08:28,462 --> 00:08:34,462 こんな見事な彫りが 俺にも できたらいいのに…。 95 00:08:36,486 --> 00:08:40,457 そう思うなら やればいいさ。 96 00:08:40,457 --> 00:08:43,457 でも…。 97 00:08:46,480 --> 00:08:48,465 この手じゃ…。 98 00:08:48,465 --> 00:08:51,485 善路。 99 00:08:51,485 --> 00:08:58,485 この針が一つ動いた先は 誰にも わからない。 100 00:08:59,476 --> 00:09:04,464 私のこれからも 善路のこれからも→ 101 00:09:04,464 --> 00:09:08,451 何一つ決まっていないんだ。 102 00:09:08,451 --> 00:09:11,471 だったら 想像するのは自由だろう? 103 00:09:11,471 --> 00:09:25,452 ♬~ 104 00:09:25,452 --> 00:09:29,452 (時計の音) 105 00:09:33,443 --> 00:09:37,447 (店主)駄目だ こりゃ。 (店主)今日は商売あがったりだ。 106 00:09:37,447 --> 00:09:39,447 (店主)まったくだ。 これ 駄目だ 今日は。 107 00:09:59,469 --> 00:10:01,469 お迎えに上がりました! 108 00:10:02,439 --> 00:10:05,442 師匠 お嬢様は? 109 00:10:05,442 --> 00:10:09,462 おや? 外にいなかったかい? ええ。 110 00:10:09,462 --> 00:10:11,464 稽古は 今 終わったのですか? 111 00:10:11,464 --> 00:10:15,464 いや 今日は出来が良かったから いつもより早く切り上げたよ。 112 00:10:18,438 --> 00:10:21,438 お嬢様! 浪子さーん! 113 00:10:23,526 --> 00:10:25,526 浪子さーん!! 114 00:10:26,529 --> 00:10:28,531 ≪(浪子)やめてください! 115 00:10:28,531 --> 00:10:30,531 浪子さん…! 116 00:10:33,520 --> 00:10:38,475 ≪(浪子)離してください! 誰かーっ! 助けて…! 117 00:10:38,475 --> 00:10:40,443 (男)うるせえなあ! 浪子さん! 118 00:10:40,443 --> 00:10:42,462 金太郎さん! 119 00:10:42,462 --> 00:10:46,449 浪子さんを… 離せ! 120 00:10:46,449 --> 00:10:49,449 おい かっこつけてると 痛い目 遭うぞ。 121 00:10:50,453 --> 00:10:53,456 おりゃっ! うおおーっ! 122 00:10:53,456 --> 00:10:55,475 くっ…! 123 00:10:55,475 --> 00:10:57,460 てめえ ふざけんじゃねえ オラ! (蹴る音) 124 00:10:57,460 --> 00:10:59,462 オラァ! 125 00:10:59,462 --> 00:11:02,449 (蹴る音) (男)オラァ! 126 00:11:02,449 --> 00:11:04,451 (泣き声) 127 00:11:04,451 --> 00:11:09,439 やめて! 金太郎さん! 金太郎さん…! 128 00:11:09,439 --> 00:11:11,439 うおおーっ…! 129 00:11:13,460 --> 00:11:15,460 うわあっ…! 130 00:11:18,465 --> 00:11:21,451 うわああーっ…! 131 00:11:21,451 --> 00:11:23,470 どうした!? かかってこい! 132 00:11:23,470 --> 00:11:25,470 おい もう行くぞ! 133 00:11:26,439 --> 00:11:28,439 (男)お前ら… 覚えてろよ! 134 00:11:31,444 --> 00:11:34,464 (泣き声) 135 00:11:34,464 --> 00:11:36,466 浪子さん…。 136 00:11:36,466 --> 00:11:40,453 (泣き声) 137 00:11:40,453 --> 00:11:43,440 もう 大丈夫ですよ。 138 00:11:43,440 --> 00:11:47,440 (浪子の泣き声) 139 00:11:48,461 --> 00:11:51,448 申し訳ございませんでした! 140 00:11:51,448 --> 00:11:54,534 私が もう少し早く お迎えに上がっていれば…。 141 00:11:54,534 --> 00:11:56,469 (辻)何を言ってるんだ。 142 00:11:56,469 --> 00:12:01,469 君が気づいてくれなければ それこそ大惨事になってたよ。 143 00:12:04,427 --> 00:12:08,448 浪子の事なら心配いらん。 144 00:12:08,448 --> 00:12:12,448 さあ 掛けなさい。 はい…。 145 00:12:17,440 --> 00:12:22,445 今日 呼びつけたのは 年季が明けたあとの話だ。 146 00:12:22,445 --> 00:12:25,532 率直に聞くぞ。 147 00:12:25,532 --> 00:12:29,452 君は このまま辻屋に残る気はないか? 148 00:12:29,452 --> 00:12:31,471 えっ…? 149 00:12:31,471 --> 00:12:37,444 仕事ののみ込みの早さ 丁寧な接客 そして 学ぼうとする心。 150 00:12:37,444 --> 00:12:43,483 何より 君は 己を律する精神力にたけている。 151 00:12:43,483 --> 00:12:49,472 この2年間 君は 一番に店に入り 商いの準備をし→ 152 00:12:49,472 --> 00:12:54,477 誰よりも遅くまで 仕事を学ぼうとしてきた。 153 00:12:54,477 --> 00:12:59,549 私はね 君の将来が楽しみなんだよ。 154 00:12:59,549 --> 00:13:04,549 辻屋に迎え入れて 君を 立派な商人に育ててみたいんだ。 155 00:13:06,473 --> 00:13:09,542 「迎え入れる」というのは…。 156 00:13:09,542 --> 00:13:15,465 いずれ この辻屋を 継いでほしいと思ってる。 157 00:13:15,465 --> 00:13:19,469 浪子の婿になってね。 158 00:13:19,469 --> 00:13:25,542 ♬~ 159 00:13:25,542 --> 00:13:31,542 お父様から聞いたわ 辻屋に残ってもらう話…。 160 00:13:33,483 --> 00:13:35,483 ええ…。 161 00:13:36,469 --> 00:13:39,472 しかし 私には もったいない話です。 162 00:13:39,472 --> 00:13:41,472 そんな事ない! 163 00:13:43,460 --> 00:13:48,465 私も ずっと思ってたから。 164 00:13:48,465 --> 00:13:51,534 えっ…? 165 00:13:51,534 --> 00:13:57,534 金太郎さんが 辻屋に 残ってくれたらいいのにって。 166 00:13:59,476 --> 00:14:04,476 だから お父様のお考えは嬉しい。 167 00:14:10,453 --> 00:14:12,439 浪子さん 私も…。 168 00:14:12,439 --> 00:14:14,441 (鼻緒の切れる音) あっ…! 169 00:14:14,441 --> 00:14:27,454 ♬~ 170 00:14:27,454 --> 00:14:29,454 あっ…。 171 00:14:30,440 --> 00:14:32,442 肩を。 172 00:14:32,442 --> 00:14:42,469 ♬~ 173 00:14:42,469 --> 00:14:46,439 どうぞ お嬢様。 174 00:14:46,439 --> 00:14:51,444 うん… ありがとう。 175 00:14:51,444 --> 00:15:05,441 ♬~ 176 00:15:05,441 --> 00:15:11,441 (時計の音) 177 00:15:28,464 --> 00:15:30,733 (ノブ)はい 次の資料をご覧ください ♪≪ふっと やなことが≫ 178 00:15:30,733 --> 00:15:34,437 あぁ!違う!違う! ♪≪頭をかすめて~≫ 179 00:15:34,437 --> 00:15:37,207 ♪≪情けない気持ちが≫ 180 00:15:37,207 --> 00:15:39,209 あぁ!! なに~!? ♪≪広がってゆく≫ 181 00:15:39,209 --> 00:15:41,277 (渋谷)痛っ~ はっ! 182 00:15:41,277 --> 00:15:44,447 ♪≪そんな気持ちはイチキューロックで≫ 183 00:15:44,447 --> 00:15:47,684 うわぁぁ~ ♪≪無糖がうまいイチキューロックで≫ 184 00:15:47,684 --> 00:15:49,686 ♪≪どかーんと一発≫ 185 00:15:49,686 --> 00:15:53,186 ♪≪やってみようよ~≫ 186 00:15:54,424 --> 00:15:56,426 <新「196無糖」> 187 00:16:28,491 --> 00:16:30,827 (石川)「本麒麟」初めてなんです。 ちょっとハードル高くて。 188 00:16:30,827 --> 00:16:33,627 (江口) そこをポーン!と越えちゃってください。 ポーンとですね。 189 00:16:34,964 --> 00:16:38,464 あっ! どう? 飲みやすい。 おいしい! 190 00:16:39,435 --> 00:16:41,471 <ぜひ> 191 00:16:43,439 --> 00:16:45,475 (2人)キリン 上々! (劇団ひとり)こんなにおいしいのに! 192 00:16:45,475 --> 00:16:47,510 焼酎とソーダ なんで今まで… 193 00:16:47,510 --> 00:16:49,610 (飯豊)飲んでなかったんでしょ? 194 00:16:52,215 --> 00:16:54,284 <「キリン 上々」大好評!> 195 00:16:54,284 --> 00:16:56,419 <梅 新発売!> (2人)キリン 上々~! 196 00:17:31,554 --> 00:17:36,554 (辻)さて… 返事を聞かせてもらおうかな。 197 00:17:42,448 --> 00:17:44,448 申し訳ありません! 198 00:17:45,468 --> 00:17:48,554 お断りさせてください。 199 00:17:48,554 --> 00:17:51,474 こんな ありがたい申し出を 断れる身分ではないのは→ 200 00:17:51,474 --> 00:17:53,476 承知しております。 201 00:17:53,476 --> 00:17:58,464 ですが 私は…→ 202 00:17:58,464 --> 00:18:03,469 お嬢様の一件で 自分の生きる道を見つけたのです。 203 00:18:03,469 --> 00:18:06,489 どういう事だ? 204 00:18:06,489 --> 00:18:12,478 あの日 お嬢様を 危険な目に遭わせてしまったのは→ 205 00:18:12,478 --> 00:18:15,478 時を共にできていなかったから なのです。 206 00:18:16,482 --> 00:18:22,488 今 多くの人は それぞれの時で動いています。 207 00:18:22,488 --> 00:18:26,488 だから いつ どこにいるのか わからないのです。 208 00:18:28,461 --> 00:18:36,552 もし 目印のようなものがあれば お互いの動きに見当がつきます。 209 00:18:36,552 --> 00:18:40,552 それが 時計でございます! 210 00:18:41,457 --> 00:18:44,477 もう それぞれの時間で動く時代は 終わりです。 211 00:18:44,477 --> 00:18:49,482 生活の全ては 時間を基準に 行われるようになります。 212 00:18:49,482 --> 00:18:54,487 お嬢様の事だけではなく 時間を正確に知れる時計は→ 213 00:18:54,487 --> 00:18:58,474 必ず 私たちの生活を変えてくれます。 214 00:18:58,474 --> 00:19:01,527 誰にでも 平等な時を与えてくれます。 215 00:19:01,527 --> 00:19:04,527 つまり 君は…。 216 00:19:05,465 --> 00:19:10,453 時計商になると… 決めました。 217 00:19:10,453 --> 00:19:17,460 ♬~ 218 00:19:17,460 --> 00:19:23,449 その気持ちは揺るがんのだな? 219 00:19:23,449 --> 00:19:27,449 はい… 申し訳ございません。 220 00:19:30,456 --> 00:19:34,460 だったら… 勝手にしろ! 221 00:19:34,460 --> 00:19:41,460 ♬~ 222 00:20:03,456 --> 00:20:06,442 金太郎さん 俺も 年季が明けたら→ 223 00:20:06,442 --> 00:20:09,462 機械彫りの店に 奉公に行くつもりです。 224 00:20:09,462 --> 00:20:11,462 ああ。 225 00:20:13,466 --> 00:20:17,470 一足先に 時計を学んでくるよ。 226 00:20:17,470 --> 00:20:21,524 金太郎さん 頑張って! 227 00:20:21,524 --> 00:20:24,524 ≪達者でな。 (幸三)金太郎 元気でな。 228 00:20:37,523 --> 00:20:39,523 ≪(浪子)金太郎さん! 229 00:20:40,460 --> 00:20:46,466 ♬~ 230 00:20:46,466 --> 00:20:48,466 浪子さん…。 231 00:20:50,486 --> 00:20:55,458 これ… お父様からです。 232 00:20:55,458 --> 00:20:57,460 えっ…。 233 00:20:57,460 --> 00:21:01,460 きっと 時計修理を学ぶのに 役立つだろうって。 234 00:21:04,467 --> 00:21:06,452 旦那様が…。 235 00:21:06,452 --> 00:21:09,472 しかし こんな高価なものを…。 236 00:21:09,472 --> 00:21:13,459 (浪子)彫りのない安物だから 気にするなと言われたわ。 237 00:21:13,459 --> 00:21:15,461 しかし お嬢様…。 238 00:21:15,461 --> 00:21:26,455 ♬~ 239 00:21:26,455 --> 00:21:30,459 金太郎さんは 一番になる。 240 00:21:30,459 --> 00:21:33,459 すごい人になります。 241 00:21:35,464 --> 00:21:41,464 必ず 一番の時計商になります! 242 00:21:43,472 --> 00:21:45,474 その時には…。 243 00:21:45,474 --> 00:21:55,484 ♬~ 244 00:21:55,484 --> 00:21:59,472 また お会いしましょう? フフッ…。 245 00:21:59,472 --> 00:22:15,488 ♬~ 246 00:22:15,488 --> 00:22:17,488 フフッ…。 247 00:22:19,458 --> 00:22:22,478 〈きっと 金太郎は→ 248 00:22:22,478 --> 00:22:26,566 浪子と添い遂げたかったに 違いありません〉 249 00:22:26,566 --> 00:22:32,488 〈それでも 自分の信念に従い 時計商の道を選んだのです〉 250 00:22:32,488 --> 00:22:34,473 お名前は? 繁吉と申します。 251 00:22:34,473 --> 00:22:36,475 繁吉さん。 252 00:22:36,475 --> 00:22:43,482 ♬~ 253 00:22:43,482 --> 00:22:45,484 うーん…。 254 00:22:45,484 --> 00:22:50,473 ♬~ 255 00:22:50,473 --> 00:22:53,473 どうぞ。 (舌打ち) 256 00:22:56,479 --> 00:22:58,464 すまないな。 257 00:22:58,464 --> 00:23:01,484 お前は 時計の技術を学びたいだろうに。 258 00:23:01,484 --> 00:23:03,469 いえ。 259 00:23:03,469 --> 00:23:06,505 こんな新米に 修理を教えてくれて→ 260 00:23:06,505 --> 00:23:09,475 道具まで 持たせてくれているのですから→ 261 00:23:09,475 --> 00:23:12,461 本当に感謝しています。 262 00:23:12,461 --> 00:23:28,477 ♬~ 263 00:23:28,477 --> 00:23:44,460 ♬~ 264 00:23:44,460 --> 00:23:51,460 時計って… すごいな。 265 00:23:54,470 --> 00:23:57,490 申し訳ございません! 遅くなりまし…。 266 00:23:57,490 --> 00:24:00,490 (男)坂田さんよ! 267 00:24:02,461 --> 00:24:05,461 (坂田) どうか… どうか ご勘弁を! 268 00:24:06,465 --> 00:24:11,470 (男)坂田さんよ 借りた金は返さねえと。 269 00:24:11,470 --> 00:24:14,440 それが 人の道理ってもんだろうが。 270 00:24:14,440 --> 00:24:17,440 おい。 (男たち)へい。 271 00:24:21,464 --> 00:24:23,532 ちょっ ちょっ ちょっ ちょっ… ちょっと待ってください! 272 00:24:23,532 --> 00:24:25,451 それは お客様の大切な…! 273 00:24:25,451 --> 00:24:28,471 小僧は黙ってろ! (蹴る音) 274 00:24:28,471 --> 00:24:30,456 うわっ…! 275 00:24:30,456 --> 00:24:34,460 おい お前らも もう居場所ねえぞ。 この店も差し押さえだ! 276 00:24:34,460 --> 00:24:36,462 (坂田房江)私たちは これから→ 277 00:24:36,462 --> 00:24:38,464 どうやって生きていけば いいんですか! 278 00:24:38,464 --> 00:24:40,464 うるさいな! オラ! 279 00:24:41,467 --> 00:24:45,454 俺たちの給金はどうなるんだ? (坂田)えっ? 280 00:24:45,454 --> 00:24:47,456 こっちにも生活があるんだよ…。 281 00:24:47,456 --> 00:24:50,459 少しでも もらわねえと もう 死んじまうよ! 282 00:24:50,459 --> 00:24:54,463 (男)おいおい そんなに責めてやるな。 283 00:24:54,463 --> 00:24:58,463 こいつは 借金の肩代わりを させられただけなんだからよ。 284 00:25:00,453 --> 00:25:02,471 ほい。 285 00:25:02,471 --> 00:25:04,457 (房江)いけません! (坂田)やめろ! 286 00:25:04,457 --> 00:25:06,459 (男)それで ちっとは 暮らしの足しにしろ。 287 00:25:06,459 --> 00:25:09,528 (坂田)やめなさい! やめろ! 288 00:25:09,528 --> 00:25:11,447 (房江)いけません いけません! 離して…! 289 00:25:11,447 --> 00:25:13,466 (坂田)やめなさい! よこせ! 290 00:25:13,466 --> 00:25:23,466 ♬~ 291 00:25:35,454 --> 00:25:41,443 親方は きっと もう一度 時計商を始めるのでしょう? 292 00:25:41,443 --> 00:25:44,463 その時に→ 293 00:25:44,463 --> 00:25:47,463 道具の一つも持っていなければ 困ります。 294 00:25:49,468 --> 00:25:55,457 それと ためていたお金が 7円ほどあります。 295 00:25:55,457 --> 00:25:58,460 (房江)えっ… これは開業資金にって…。 296 00:25:58,460 --> 00:26:03,449 自分の家を店にすれば 資金はいりません。 297 00:26:03,449 --> 00:26:10,456 私には 親方に教えて頂いた 技術があります。 298 00:26:10,456 --> 00:26:12,456 それで十分です。 299 00:26:19,465 --> 00:26:23,469 頂き物ではございますが…→ 300 00:26:23,469 --> 00:26:28,440 あのお方なら きっと→ 301 00:26:28,440 --> 00:26:32,440 これを差し出す事を 喜んでくれるでしょう。 302 00:26:38,484 --> 00:26:48,477 ♬~ 303 00:26:48,477 --> 00:26:51,477 (坂田)金太郎 本当にありがとう…。 304 00:26:56,468 --> 00:27:03,475 だが これだけは 君の未来のために使ってほしい。 305 00:27:03,475 --> 00:27:10,482 ♬~ 306 00:27:10,482 --> 00:27:12,468 ありがとう…。 307 00:27:12,468 --> 00:27:28,468 ♬~ 308 00:27:51,557 --> 00:27:53,557 ≪(店員) ありがとうございました! 309 00:28:02,484 --> 00:28:07,484 大久保利通が暗殺されて 日本は どうなるんですかね? 310 00:28:08,540 --> 00:28:13,562 まあ 伊藤博文が 引き継いでいくのだろうけど→ 311 00:28:13,562 --> 00:28:17,549 洋銀相場の高騰での輸入超過を どうにかしないとな。 312 00:28:17,549 --> 00:28:19,549 ≪(店員)はい お待たせ! 313 00:28:20,469 --> 00:28:23,469 俺も 全く同じ考えです! 314 00:28:25,474 --> 00:28:27,476 こっちに酒を! あっ はい! 315 00:28:27,476 --> 00:28:29,495 金太郎さんは? 316 00:28:29,495 --> 00:28:32,481 酒は どうも 体に合わん。 よく酒なんか飲めるよ。 317 00:28:32,481 --> 00:28:35,481 そしたら お茶も1つ。 (店員)はい ただ今。 318 00:28:36,485 --> 00:28:42,485 変わったな 善路。 その手も 昔は隠していたのに。 319 00:28:43,475 --> 00:28:47,479 金太郎さんのおかげです。 320 00:28:47,479 --> 00:28:50,482 隠したって何も変わらない。 321 00:28:50,482 --> 00:28:54,482 今は 機械彫りの職人になるので 精いっぱいです。 322 00:28:55,487 --> 00:28:57,487 うん。 323 00:28:58,474 --> 00:29:04,446 私は 時計の精密さを 善路は 時計の美しさを。 324 00:29:04,446 --> 00:29:08,484 いつか 一つの時計を 2人で作れたらいいな。 325 00:29:08,484 --> 00:29:10,484 はい! 326 00:29:11,470 --> 00:29:13,472 はい 酒とお茶ね。 327 00:29:13,472 --> 00:29:15,472 ありがとう。 どうも。 328 00:29:17,443 --> 00:29:21,463 ところで どうなんですか? うん? 329 00:29:21,463 --> 00:29:26,463 亀田時計店の娘さん。 縁談 受けたんでしょう? 330 00:29:27,469 --> 00:29:30,456 亀田時計店は大店ですからね。 331 00:29:30,456 --> 00:29:34,443 時計商で一番になるっていう夢も 近づいたんじゃないですか? 332 00:29:34,443 --> 00:29:36,443 善路! 333 00:29:40,449 --> 00:29:42,468 金太郎さん? 334 00:29:42,468 --> 00:29:46,468 だ… だ… 大丈夫だ。 335 00:29:47,456 --> 00:29:49,458 おかしいな…。 336 00:29:49,458 --> 00:29:51,458 これ 酒じゃねえか! 337 00:29:52,528 --> 00:29:56,598 ≫(雨の音) 338 00:29:56,598 --> 00:29:58,598 ≫(辻)金太郎。 339 00:29:59,451 --> 00:30:01,470 旦那様!? 340 00:30:01,470 --> 00:30:03,472 どうして ここに? 341 00:30:03,472 --> 00:30:06,472 開店祝いだよ。 ほら。 342 00:31:38,467 --> 00:31:40,536 ♬~ (山﨑)おっ (上白石)本日開店でーす 343 00:31:40,536 --> 00:31:43,205 ♬~ 344 00:31:43,205 --> 00:31:45,207 お待たせしました! 345 00:31:45,207 --> 00:31:47,276 あっ… サン生ですね 346 00:31:47,276 --> 00:31:49,411 <生きれば生きるほど「生ビール」はうまい!> 347 00:31:49,411 --> 00:31:51,413 <「サントリー生ビール」 飲食店でもはじまる> 348 00:31:53,499 --> 00:31:55,484 ♬~ (吉高)≪プシュ!≫ あ…おいしくなってる!! 349 00:31:55,484 --> 00:31:57,519 (岡部)プシュ! 新「トリスハイボール缶」です! 350 00:31:57,519 --> 00:31:59,521 出たー!アンクルトリス!! 351 00:31:59,521 --> 00:32:02,921 いや 店長ですって! いやいや寄せてるよね~ ん~ (2人)ハハハ… 352 00:32:04,426 --> 00:32:06,428 <おいしくなったゾ! 新「トリスハイボール缶」!!> 353 00:32:32,487 --> 00:32:38,487 こんな雨の日に… 精が出るな。 354 00:32:39,461 --> 00:32:43,465 雨の日だからこそ… です。 うん? 355 00:32:43,465 --> 00:32:48,470 お客が来ない間は 修理に専念できる。 356 00:32:48,470 --> 00:32:53,458 大切な時間を無駄にしないのも 時計商を志した理由の一つです。 357 00:32:53,458 --> 00:32:56,461 ハハハハ…。 358 00:32:56,461 --> 00:33:01,500 評判の修理屋っていうのも うなずけるよ。 359 00:33:01,500 --> 00:33:03,485 ですが 旦那様…。 うん? 360 00:33:03,485 --> 00:33:07,489 中古の時計販売は さっぱりでして…。 361 00:33:07,489 --> 00:33:09,458 おお…。 362 00:33:09,458 --> 00:33:12,461 他の店とは違う売りがなければ→ 363 00:33:12,461 --> 00:33:15,464 わざわざ うちで買ってはくれません。 364 00:33:15,464 --> 00:33:18,467 「売り」ねえ…。 365 00:33:18,467 --> 00:33:24,473 君は 腕に自信があるんだろ? 366 00:33:24,473 --> 00:33:32,464 もし 私が客だったら それを証明してほしいと思うがね。 367 00:33:32,464 --> 00:33:37,464 技術の証明… ですか…。 368 00:33:40,472 --> 00:33:45,472 話は変わるが 一つ めでたい事があってね。 369 00:33:46,461 --> 00:33:50,482 浪子が嫁に行くんだ。 370 00:33:50,482 --> 00:33:55,470 あいつも いい年だ。 そろそろと思っていたところに→ 371 00:33:55,470 --> 00:33:59,470 軍医をなさってる うちのお客様に 見初められてね。 372 00:34:09,534 --> 00:34:12,454 (辻)どうした? 373 00:34:12,454 --> 00:34:14,439 いえ…。 374 00:34:14,439 --> 00:34:16,441 まさか…。 375 00:34:16,441 --> 00:34:19,428 お… おめでたい事は 続くものですね! 376 00:34:19,428 --> 00:34:24,449 私も 実は 大店の亀田時計店に 縁談のお話を頂いていて! 377 00:34:24,449 --> 00:34:26,449 ぜひになんて言われてしまって。 378 00:34:27,452 --> 00:34:31,456 時計商を志す者としては 大変ありがたいお話です! 379 00:34:31,456 --> 00:34:40,449 ♬~ 380 00:34:40,449 --> 00:34:48,449 いい… 人ですか? その軍医の方は。 381 00:34:51,443 --> 00:34:56,443 ああ。 気持ちのいい男だよ。 382 00:35:00,452 --> 00:35:02,452 そうですか。 383 00:35:06,441 --> 00:35:12,447 金太郎…。 はい。 384 00:35:12,447 --> 00:35:20,439 人生っていうやつは 思いどおりにはいかないもんでね。 385 00:35:20,439 --> 00:35:29,448 ただ… あとになって 振り返れば→ 386 00:35:29,448 --> 00:35:37,456 その全ての出会いに意味がある そう思える日が来る。 387 00:35:37,456 --> 00:35:39,424 必ず来る。 388 00:35:39,424 --> 00:36:09,454 ♬~ 389 00:36:09,454 --> 00:36:13,458 どうか… お幸せに。 390 00:36:13,458 --> 00:36:32,458 ♬~ 391 00:36:34,463 --> 00:36:38,467 見てみ。 1年間保証だってよ。 392 00:36:38,467 --> 00:36:40,485 タダで直すって事ですか? 393 00:36:40,485 --> 00:36:42,471 そんなうまい話が 本当にあるのかい? 394 00:36:42,471 --> 00:36:47,476 ええ。 嘘偽りはありません。 腕に自信がありますから。 395 00:36:47,476 --> 00:36:52,464 へえ~。 値段も安いし ちょっと見せてもらうよ。 396 00:36:52,464 --> 00:36:54,464 どうぞ ご覧ください。 397 00:36:55,484 --> 00:37:01,484 (まん)ごめんください。 あの この時計なんですが…。 398 00:37:04,459 --> 00:37:06,459 直せるでしょうか? 399 00:37:08,463 --> 00:37:11,463 あまり見ない代物ですね。 400 00:37:14,469 --> 00:37:18,469 この彫りは 魚子彫り…。 401 00:37:23,445 --> 00:37:26,481 父の形見なのですが→ 402 00:37:26,481 --> 00:37:29,468 群馬では 直せる職人がいなくて…。 403 00:37:29,468 --> 00:37:31,468 群馬から わざわざ…。 404 00:37:34,489 --> 00:37:37,459 わかりました。 やってみます。 405 00:37:37,459 --> 00:37:39,461 ありがとうございます! 406 00:37:39,461 --> 00:37:41,480 おところと お名前を 書いてください。 407 00:37:41,480 --> 00:37:51,473 ♬~ 408 00:37:51,473 --> 00:37:57,479 しかし 見るほどに美しい彫りだ…。 409 00:37:57,479 --> 00:38:03,468 ♬~ 410 00:38:03,468 --> 00:38:05,470 お好きなんですね。 411 00:38:05,470 --> 00:38:07,472 …えっ? 412 00:38:07,472 --> 00:38:10,472 時計です。 楽しそうに見ていらっしゃるから。 413 00:38:11,459 --> 00:38:14,459 ああ… ええ…。 414 00:38:16,464 --> 00:38:19,464 寒いな。 ああ 寒いねえ。 415 00:38:20,535 --> 00:38:23,488 ≪(風の音) 416 00:38:23,488 --> 00:38:25,457 (店主)すげえもんだ。 417 00:38:25,457 --> 00:38:28,457 壊れた時計を 金に変えちまうんだから。 418 00:38:30,462 --> 00:38:32,464 それだけ 皆さんが→ 419 00:38:32,464 --> 00:38:35,467 時間を考えて暮らすようになった という事です。 420 00:38:35,467 --> 00:38:37,452 ああ…。 421 00:38:37,452 --> 00:38:41,452 あんたは 金を稼いで どうするんだい? 422 00:38:42,474 --> 00:38:45,474 そうですねえ…。 423 00:38:48,480 --> 00:38:53,485 出先でも みんなが時間を知れる→ 424 00:38:53,485 --> 00:38:57,422 大きな時計の塔を 建ててみたいですね。 425 00:38:57,422 --> 00:39:01,459 (店主)時計の塔…? 426 00:39:01,459 --> 00:39:04,446 そりゃ無理ってもんだ! ハハ…! 427 00:39:04,446 --> 00:39:09,517 何万個 売ったって 無理だよ そんなの…。 ハハハハ…! 428 00:39:09,517 --> 00:39:11,469 ≪おい! おい! (店主)ああ? 429 00:39:11,469 --> 00:39:13,455 火事だ 火事! (店主)どこだい!? 430 00:39:13,455 --> 00:39:15,423 (半鐘の音) 431 00:39:15,423 --> 00:39:18,460 金太郎さん あんたの店のほうじゃねえか!? 432 00:39:18,460 --> 00:39:21,460 (男性)火事だ 火事だ! 火事だ! 433 00:39:23,448 --> 00:39:26,468 (男性)このままじゃ 火が…! (男性)駄目だ 逃げろ! 434 00:39:26,468 --> 00:39:30,438 (半鐘の音) 435 00:39:30,438 --> 00:39:33,438 (男性)もっと早く! もっと早く行け! 436 00:39:38,463 --> 00:39:42,463 (せき込み) 437 00:39:44,469 --> 00:39:46,438 (せき込み) 438 00:39:46,438 --> 00:39:52,438 (消防組)おい! 何してやがる! 死んだら 元も子もねえだろ! 439 00:39:54,462 --> 00:39:56,448 ちょっと待ってください! 440 00:39:56,448 --> 00:39:59,448 (消防組)馬鹿野郎! 戻ってこい!! 441 00:40:01,453 --> 00:40:06,453 (せき込み) 442 00:40:07,475 --> 00:40:09,475 うっ…! 443 00:40:42,711 --> 00:40:45,013 ♬~ (風吹)買うよー! あっちあっちー! こっちこっちー! 444 00:40:45,013 --> 00:40:47,015 (友達)ジュンさん! あー! 445 00:40:47,015 --> 00:40:49,017 で あっちこっち! こっち 446 00:40:49,017 --> 00:40:51,019 そっちー まだ行くよ! 447 00:40:51,019 --> 00:40:53,019 あっちー! どっちー?! 448 00:41:42,403 --> 00:41:44,572 (娘)おっ… 意外と寒っ! (母)意外に思うのは➡ 449 00:41:44,572 --> 00:41:46,875 準備不足ってこと。 え? 450 00:41:46,875 --> 00:41:50,478 季節の変化に 体が準備できてないってこと! おっ。 451 00:41:50,478 --> 00:41:52,878 「免疫ケア」で備えないと! だねっ! 452 00:42:24,462 --> 00:42:26,481 あなたは…。 453 00:42:26,481 --> 00:42:28,483 大丈夫だったのですね? 454 00:42:28,483 --> 00:42:32,483 この辺りで大きな火災があったと 新聞で読んだもので…。 455 00:42:34,489 --> 00:42:37,489 確か… 山本まんさんでしたね。 456 00:42:42,463 --> 00:42:44,465 もしかして 服部さん それ…。 457 00:42:44,465 --> 00:42:48,469 無事だった時計を 返して回っています。 458 00:42:48,469 --> 00:42:51,456 あなたからお預かりした時計も 無事ですよ。 459 00:42:51,456 --> 00:42:53,474 とても美しい彫りでしたし→ 460 00:42:53,474 --> 00:42:56,474 きっと大切なものだろうと 思ったので。 461 00:43:02,483 --> 00:43:04,483 どうしました? 462 00:43:05,470 --> 00:43:09,470 あっ… いえ。 こんな状況になって 落ち込んでいるのかと…。 463 00:43:10,458 --> 00:43:15,480 確かに 全てを失いました。 464 00:43:15,480 --> 00:43:20,480 商売道具も やっと築いた城も…。 465 00:43:24,472 --> 00:43:30,461 でも これまで培った時計修理の腕や→ 466 00:43:30,461 --> 00:43:33,565 それを認めてくれたお客様が→ 467 00:43:33,565 --> 00:43:36,565 消え去ったわけでは ないでしょう? 468 00:43:40,455 --> 00:43:44,459 しっかり動いています。 お聞きになりますか? 469 00:43:44,459 --> 00:43:46,461 えっ…? 470 00:43:46,461 --> 00:43:50,465 いつ聞いても いい音です。 471 00:43:50,465 --> 00:44:01,442 ♬~ 472 00:44:01,442 --> 00:44:22,463 (時計の音) 473 00:44:22,463 --> 00:44:25,463 (服部信子)お父様 何をしているのですか? 474 00:44:26,451 --> 00:44:30,438 時計というのはね 音で調子がわかるんだ。 475 00:44:30,438 --> 00:44:33,441 まん あとで見ておこう。 お願いします。 476 00:44:33,441 --> 00:44:36,461 さあ ご飯にしましょう。 (服部直子・信子)はーい。 477 00:44:36,461 --> 00:44:44,452 ♬~ 478 00:44:44,452 --> 00:44:48,439 勉強のほうも頑張っているね。 479 00:44:48,439 --> 00:44:53,444 (まん)ええ。 若い頃 学びの機会がなかったので。 480 00:44:53,444 --> 00:44:56,447 学ぶ事は いくつになってもできるさ。 481 00:44:56,447 --> 00:45:00,451 まん 一つの事は 60回 繰り返して覚えなさい。 482 00:45:00,451 --> 00:45:02,453 60回? 483 00:45:02,453 --> 00:45:07,458 (信子)お父様 数字は 1 10 100と進むのですよ! 484 00:45:07,458 --> 00:45:12,463 確かにそうだが 日々の暮らしは 60秒が1分になり→ 485 00:45:12,463 --> 00:45:16,434 60分が1時間になり 1日を作るんだ。 486 00:45:16,434 --> 00:45:21,472 あなたは 本当に 時間と共に生きてる人なんですね。 487 00:45:21,472 --> 00:45:26,472 違います。 お父様は ご飯粒と共に生きているのです! 488 00:45:28,463 --> 00:45:33,463 (一同の笑い声) 489 00:45:34,469 --> 00:45:48,466 ♬~ 490 00:45:48,466 --> 00:45:52,453 (笠井)いらっしゃいませ。 どうぞ ご覧になってください。 491 00:45:52,453 --> 00:45:54,472 どういったものをお探しで? 492 00:45:54,472 --> 00:45:56,457 こちら よくお似合いだと思いますよ。 493 00:45:56,457 --> 00:45:58,426 (郵便配達員)郵便です。 服部金太郎様。 494 00:45:58,426 --> 00:46:01,462 はい。 ご苦労さまです。 495 00:46:01,462 --> 00:46:07,468 ♬~ 496 00:46:07,468 --> 00:46:09,468 (笠井)失礼致します。 497 00:46:12,440 --> 00:46:15,440 社長 お手紙が届いています。 ああ…。 498 00:46:17,428 --> 00:46:19,464 吉邨殿か。 499 00:46:19,464 --> 00:46:21,449 新聞 ご覧になりましたか? 500 00:46:21,449 --> 00:46:23,518 パリでの万国博覧会に向けて→ 501 00:46:23,518 --> 00:46:27,518 エッフェル塔なるものが 建設されるそうですよ。 502 00:46:28,473 --> 00:46:32,473 東京にも そんな塔が建てば 面白いのにな。 503 00:46:33,544 --> 00:46:40,485 ≪(英語) 504 00:46:40,485 --> 00:46:44,489 海外製の懐中時計の販売枠を 増やして頂けるという事ですか? 505 00:46:44,489 --> 00:46:48,459 ええ。 うちは 数多くの時計商と 取引していますが→ 506 00:46:48,459 --> 00:46:51,462 服部さんが一番信用できると 判断しました。 507 00:46:51,462 --> 00:46:56,467 服部さんは 契約書どおりに 必ず代金を納めてくれます。 508 00:46:56,467 --> 00:46:58,469 一日だって遅れた事はない。 509 00:46:58,469 --> 00:47:02,457 しかし 他の時計商は違います。 510 00:47:02,457 --> 00:47:05,460 夏の氷代 冬の餅代として→ 511 00:47:05,460 --> 00:47:08,446 盆暮れにまとめて支払う方が 多いんです。 512 00:47:08,446 --> 00:47:10,481 契約書に 支払いは→ 513 00:47:10,481 --> 00:47:13,484 納品から30日以内と 書かれています。 514 00:47:13,484 --> 00:47:16,471 「契約書は関係ない。 ここは日本だ」。 515 00:47:16,471 --> 00:47:20,458 「こちらの流儀に合わせろ!」 それが彼らの言い分です。 516 00:47:20,458 --> 00:47:22,460 そんな…。 517 00:47:22,460 --> 00:47:26,481 ちなみに 販売枠は どの程度 増やして頂けるんでしょうか? 518 00:47:26,481 --> 00:47:32,470 服部時計店を 最上級顧客として 厚遇するつもりです。 519 00:47:32,470 --> 00:47:36,470 つまり お望みであれば 好きなだけ。 520 00:47:37,458 --> 00:47:39,477 君 君…。 521 00:47:39,477 --> 00:47:52,473 ♬~ 522 00:47:52,473 --> 00:47:55,460 今日は 東京の時計商仲間の 代表として来てる。 523 00:47:55,460 --> 00:47:58,479 わかりました。 今 お茶を…。 524 00:47:58,479 --> 00:48:02,450 茶なんて飲みたくない! でしたら 握り飯でも…。 525 00:48:02,450 --> 00:48:04,535 ふざけてるのか!? 526 00:48:04,535 --> 00:48:06,471 あんたのおかげで どれだけ迷惑してるか→ 527 00:48:06,471 --> 00:48:08,456 わかってるのか!? 528 00:48:08,456 --> 00:48:10,475 私のせいで? 529 00:48:10,475 --> 00:48:12,460 いいか? 同業者の大半は→ 530 00:48:12,460 --> 00:48:15,446 盆暮れの大商いで得た金を 支払いに充ててるんだ。 531 00:48:15,446 --> 00:48:17,482 それが日本人のやり方だ。 532 00:48:17,482 --> 00:48:19,484 待ってください。 533 00:48:19,484 --> 00:48:22,487 それでは 私にも あなたたちと同じように→ 534 00:48:22,487 --> 00:48:25,456 契約を破ってでも 日本の流儀を通せと? 535 00:48:25,456 --> 00:48:28,459 そうだ! あんたのせいで 店を畳んだ仲間もいる。 536 00:48:28,459 --> 00:48:31,459 それを なんとも思わねえのか! 537 00:48:34,465 --> 00:48:37,465 取り決めを守ってこその商売です。 538 00:48:42,473 --> 00:48:44,475 500個も…!? 539 00:48:44,475 --> 00:48:47,478 そんなにたくさん 仕入れたのですか? 540 00:48:47,478 --> 00:48:50,478 ああ。 彫りのない 廉価版の時計だがね。 541 00:48:52,466 --> 00:48:57,455 無地の時計は 確かに安いですが 売れるのですか? 542 00:48:57,455 --> 00:49:01,442 お客様は 美しい彫りを 求めているのでは…? 543 00:49:01,442 --> 00:49:05,446 だから その彫りを日本で施す。 544 00:49:05,446 --> 00:49:10,451 そうすれば 彫りの入った 海外製の時計の10分の1の値で→ 545 00:49:10,451 --> 00:49:12,451 同じ数を仕入れる事ができる。 546 00:49:13,471 --> 00:49:16,457 外国製に引けを取らない 彫りを施せる職人は→ 547 00:49:16,457 --> 00:49:18,442 いるのですか? 548 00:49:18,442 --> 00:49:22,442 それは 今 早急に探しているところだ。 549 00:49:27,468 --> 00:49:30,454 支払いは いつもどおり 納品から30日以内。 550 00:49:30,454 --> 00:49:32,456 これ以上の資金繰りは無理です! 551 00:49:32,456 --> 00:49:34,442 しかも 職人のめども 立っていないなんて…。 552 00:49:34,442 --> 00:49:36,444 いつまで乗り切れる? 553 00:49:36,444 --> 00:49:40,464 家賃と 社員への給金を考えると 来月まで会社が持つかどうか…。 554 00:49:40,464 --> 00:49:42,466 社長…。 555 00:49:42,466 --> 00:49:45,466 算段を 見誤ったのではないですか? 556 00:49:47,471 --> 00:49:51,442 私は 商業会議所に もう一度 資金繰りの相談に行く。 557 00:49:51,442 --> 00:49:54,462 笠井くんは 住安銀行に連絡してみてくれ。 558 00:49:54,462 --> 00:49:56,447 承知しました! 頼みますよ 社長! 559 00:49:56,447 --> 00:50:04,472 ♬~ 560 00:50:04,472 --> 00:50:07,441 あなた 古いお知り合いという方が お見えになって…。 561 00:50:07,441 --> 00:50:09,443 お名前は 岩倉さんと…。 562 00:50:09,443 --> 00:50:12,446 善路! 久しぶりだな! 563 00:50:12,446 --> 00:50:15,449 水くさいですよ 金太郎さん。 噂は聞いてます。 564 00:50:15,449 --> 00:50:19,453 30日以内に彫りを入れて 500個の時計を完成させないと→ 565 00:50:19,453 --> 00:50:21,455 会社が危ないって…。 566 00:50:21,455 --> 00:50:24,458 おおよそは そういう事だ。 567 00:50:24,458 --> 00:50:27,445 だったら なんで 俺に 声をかけてくれないんですか! 568 00:50:27,445 --> 00:50:30,448 機械彫りなら 俺にやらせてください。 569 00:50:30,448 --> 00:50:34,468 ありがとう。 だが 善路は まだ修業の身だろう。 570 00:50:34,468 --> 00:50:36,470 技術は もう 身についてます。 571 00:50:36,470 --> 00:50:40,458 金太郎さんなら そう言うと思って…→ 572 00:50:40,458 --> 00:50:42,458 持ってきました。 573 00:50:52,470 --> 00:50:55,456 はあ…! はあ…。 574 00:50:55,456 --> 00:50:58,459 これで 首の皮一枚 繋がりましたね。 575 00:50:58,459 --> 00:51:00,461 はあ…。 576 00:51:00,461 --> 00:51:04,461 その善路さんという方は 気心も知れているのでしょう? 577 00:51:05,449 --> 00:51:09,449 笠井くん その彫りを どう見る? 578 00:51:11,455 --> 00:51:14,455 (笠井)何も問題ないかと 思いますが…。 579 00:51:15,459 --> 00:51:17,461 想像してくれ→ 580 00:51:17,461 --> 00:51:20,461 店先に その彫りが 並んでいるところを…。 581 00:51:21,449 --> 00:51:24,468 まさか…。 社長! 582 00:51:24,468 --> 00:51:26,470 社員は 家族同然。 583 00:51:26,470 --> 00:51:29,440 その生活を考える責任が 私にはある。 584 00:51:29,440 --> 00:51:31,440 だが…。 585 00:51:32,460 --> 00:51:34,460 (ため息) 586 00:51:35,463 --> 00:51:41,463 あの頃 2人で一緒に時計を作ろう と話した夢が かないますね。 587 00:51:43,471 --> 00:51:47,441 粉骨砕身。 俺は 金太郎さんのために…。 588 00:51:47,441 --> 00:51:51,441 善路 聞いてくれ。 589 00:51:55,466 --> 00:51:59,470 今をしのぐには十分の 技術だと思う。 590 00:51:59,470 --> 00:52:05,443 だが 善路の彫りに 人が目を輝かせているのを→ 591 00:52:05,443 --> 00:52:07,443 想像できない。 592 00:52:10,481 --> 00:52:16,481 私は お客様が胸を躍らせて 手に取る時計が作りたいんだ。 593 00:52:18,439 --> 00:52:21,442 正直に言う…。 594 00:52:21,442 --> 00:52:25,442 今は 一緒に時計を作れない。 595 00:52:27,465 --> 00:52:29,465 金太郎さん…。 596 00:52:30,451 --> 00:52:35,451 申し出は嬉しかったよ。 ありがとう。 597 00:52:46,484 --> 00:52:53,457 だったら… 教えてくださいよ。 598 00:52:53,457 --> 00:52:56,457 何が駄目だったのか…。 599 00:52:57,478 --> 00:53:05,486 ♬~ 600 00:53:05,486 --> 00:53:11,475 やっぱり この手のせいですか…? 601 00:53:11,475 --> 00:53:14,475 そうなんでしょう? 善路…。 602 00:53:17,465 --> 00:53:22,486 あの時 言ってくれたじゃないか! 想像するのは自由だって。 603 00:53:22,486 --> 00:53:26,474 俺は 金太郎さんの言葉を信じて→ 604 00:53:26,474 --> 00:53:32,480 この手でも… この手でも彫れると ずっと頑張ってきたんだぞ! 605 00:53:32,480 --> 00:53:39,487 ♬~ 606 00:53:39,487 --> 00:53:42,440 よくわかった。 607 00:53:42,440 --> 00:53:47,461 俺は もう あんたを 兄貴だと思うのはやめたよ。 608 00:53:47,461 --> 00:53:50,461 もう 仲間でも同志でもない! 609 00:53:51,449 --> 00:53:57,449 あんたは… あんたは もう… あの頃のあんたじゃない! 610 00:54:00,474 --> 00:54:04,478 この先 見据えてるのは なんだ? 金儲けか? 611 00:54:04,478 --> 00:54:08,482 だったら 他の時計商を蹴落として→ 612 00:54:08,482 --> 00:54:11,482 好きなだけ 時計を買い占めればいいんだ!! 613 00:54:12,470 --> 00:54:15,556 善路…! 614 00:54:15,556 --> 00:54:17,475 ≫(戸の開閉音) 615 00:54:17,475 --> 00:54:30,488 ♬~ 616 00:54:30,488 --> 00:54:32,473 ふざけるな…! 617 00:54:32,473 --> 00:54:46,470 ♬~ 618 00:54:46,470 --> 00:54:49,456 〈その日から 善路の中で→ 619 00:54:49,456 --> 00:54:54,456 金太郎への憧れは 憎悪に変わっていきました〉 620 00:54:56,463 --> 00:55:00,463 職人を目指している人なら きっと わかってくれます。 621 00:55:05,456 --> 00:55:07,441 それで 私…→ 622 00:55:07,441 --> 00:55:10,441 差し出がましいと 思ったのですが…。 623 00:55:12,479 --> 00:55:15,449 この時計 彫りが美しいって→ 624 00:55:15,449 --> 00:55:18,469 おっしゃってくれたじゃ ないですか。 625 00:55:18,469 --> 00:55:22,473 なので この職人の方を捜しました。 626 00:55:22,473 --> 00:55:25,442 その方に お頼みするのは どうでしょう? 627 00:55:25,442 --> 00:55:28,442 左に曲がって 2軒目ですよ。 ありがとうございます。 628 00:55:29,446 --> 00:55:33,446 (まんの声)でも 少し変わった方のようで…。 629 00:55:38,439 --> 00:55:40,439 ごめんください。 630 00:55:44,528 --> 00:55:47,528 (𠮷川ふく)いらっしゃいませ。 ご用件は? 631 00:55:48,432 --> 00:55:50,451 すみません。 632 00:55:50,451 --> 00:55:52,453 この魚子彫りは→ 633 00:55:52,453 --> 00:55:55,453 こちらで入れたもので 間違いないでしょうか? 634 00:55:56,423 --> 00:56:00,461 (ふく)ええ。 確かに 夫 鶴彦の彫りですが…。 635 00:56:00,461 --> 00:56:02,446 失礼します! 636 00:56:02,446 --> 00:56:04,446 ちょっと! 637 00:56:07,534 --> 00:56:11,534 あなたが 𠮷川鶴彦さんですか? 638 00:56:12,439 --> 00:56:26,470 ♬~ 639 00:56:26,470 --> 00:56:33,510 私は 銀座で時計商を営む 服部金太郎と申します。 640 00:56:33,510 --> 00:56:37,510 あなたの腕を見込んで 頼みがあるんです! 641 00:56:41,468 --> 00:56:45,456 主人は このとおり 人と話すのが苦手なもので→ 642 00:56:45,456 --> 00:56:50,461 どこの職場にもなじめずに 結局は独学で…。 643 00:56:50,461 --> 00:56:53,461 独学!? これを!? 644 00:56:54,465 --> 00:56:57,468 実は 500個の無地の懐中時計に→ 645 00:56:57,468 --> 00:57:00,454 魚子彫りを 入れて頂きたいのです。 646 00:57:00,454 --> 00:57:02,454 そんな大量に? 647 00:57:04,458 --> 00:57:09,463 失礼ながら 随分と とっ散らかった作業場です。 648 00:57:09,463 --> 00:57:14,451 それなのに 道具は しっかりと手入れがなされている。 649 00:57:14,451 --> 00:57:18,451 あなたの 時計への愛情の深さを 感じます。 650 00:57:20,441 --> 00:57:24,441 一日 どのぐらい 作業できるのでしょう? 651 00:57:25,462 --> 00:57:27,464 3個… です。 652 00:57:27,464 --> 00:57:29,466 それで構いません。 653 00:57:29,466 --> 00:57:33,454 この彫りを見たら もう 他の人に 声を掛ける気にはならない。 654 00:57:33,454 --> 00:57:37,458 ですが 3個だと 166日…。 655 00:57:37,458 --> 00:57:40,444 十分です。 いや 待って! 656 00:57:40,444 --> 00:57:46,467 正確には 166日と7時間かかるな…。 657 00:57:46,467 --> 00:57:48,467 構いません。 658 00:57:50,487 --> 00:57:56,487 ご自身のできる限りでいいので 引き受けて頂けないでしょうか? 659 00:58:02,483 --> 00:58:05,469 仕事を受けた職人が いるらしいです。 660 00:58:05,469 --> 00:58:07,488 腕のほどは わかりませんが。 661 00:58:07,488 --> 00:58:11,488 (英語) 662 00:58:12,459 --> 00:58:14,461 (カール・アズナブールの英語) 663 00:58:14,461 --> 00:58:17,464 それが 私たちに何か関係が? 664 00:58:17,464 --> 00:58:22,469 これは 日本の時計商だけの 問題ではありません。 665 00:58:22,469 --> 00:58:26,457 この方法で 安価な時計が出回れば→ 666 00:58:26,457 --> 00:58:30,477 あなたたちも 打撃を受けるのではないですか? 667 00:58:30,477 --> 00:58:33,480 (秘書の英語) (アズナブール)君の話は一理あるな。 668 00:58:33,480 --> 00:58:35,466 小ずるいまねをして→ 669 00:58:35,466 --> 00:58:40,466 日本人が作った時計だと 吹聴されるのも 癪だしな。 670 00:58:41,488 --> 00:58:47,488 日本語 話せるじゃないですか…。 671 00:58:48,462 --> 00:58:52,483 この方は スイスの時計商 アズナブールさんだ。 672 00:58:52,483 --> 00:58:56,453 もし 我々と組んでくれるなら→ 673 00:58:56,453 --> 00:59:00,457 先払いで 倍の金を用意しよう。 674 00:59:00,457 --> 00:59:06,446 (紙を折る音) 675 00:59:06,446 --> 00:59:10,467 時計を商いとするなら 我々と組むべきだ。 676 00:59:10,467 --> 00:59:16,456 さあ とにかく 一日でも早く 大急ぎで彫りを入れてくれ。 677 00:59:16,456 --> 00:59:20,456 (紙を折る音) 678 00:59:34,441 --> 00:59:36,443 アズナブールさん。 679 00:59:36,443 --> 00:59:38,443 おい! 680 00:59:39,463 --> 00:59:41,463 アズナブールさん! 681 01:00:00,450 --> 01:00:02,452 ああ…。 682 01:00:02,452 --> 01:00:06,452 これなら 誰もが 目を輝かせて 手に取ってくれます! 683 01:00:07,457 --> 01:00:09,457 あなた…。 684 01:00:10,444 --> 01:00:15,465 これを 東京の時計商たちの店にも 置いて頂こうと思っています。 685 01:00:15,465 --> 01:00:18,485 みんな 自分の店で 売りたいでしょうから。 686 01:00:18,485 --> 01:00:20,470 他の時計商たちにですか? 687 01:00:20,470 --> 01:00:22,456 あんな ひどい言われ方を したのに…。 688 01:00:22,456 --> 01:00:25,442 外国商との契約は守るべきだが→ 689 01:00:25,442 --> 01:00:29,479 私は 彼らから 仕事を奪いたいわけじゃない。 690 01:00:29,479 --> 01:00:33,479 同じ日本の時計商であり 仲間だと思っている。 691 01:00:34,451 --> 01:00:36,453 金太郎さん。 692 01:00:36,453 --> 01:00:38,455 はい。 693 01:00:38,455 --> 01:00:43,455 あなたにとって 時計とは なんですか? 694 01:00:45,462 --> 01:00:48,448 そうですね…。 695 01:00:48,448 --> 01:00:51,448 私にとって 時計とは…。 696 01:00:53,470 --> 01:00:56,456 (金太郎の声) 初めて 懐中時計を見た時→ 697 01:00:56,456 --> 01:00:58,442 光が見えたんです。 698 01:00:58,442 --> 01:01:05,442 それを見た時に 時計とは 人が作れる宝石だと思いました。 699 01:01:08,452 --> 01:01:13,452 だから この手で いつか作ってみたいんです。 700 01:01:18,445 --> 01:01:20,447 鶴彦さん。 701 01:01:20,447 --> 01:01:25,452 私と一緒に 夢を追いかけませんか? 702 01:01:25,452 --> 01:01:27,454 夢…。 703 01:01:27,454 --> 01:01:35,462 ♬~ 704 01:01:35,462 --> 01:01:38,448 ハハッ…。 705 01:01:38,448 --> 01:01:42,448 相変わらず 目を合わせてはくれませんね。 706 01:01:43,603 --> 01:01:45,603 ≫お待ちください! ≫うるさい! 707 01:01:46,456 --> 01:01:48,442 (笠井)なんですか あなたは! 善路! 708 01:01:48,442 --> 01:01:51,461 おいおい… おい! いいか? いいか? よく聞け! 709 01:01:51,461 --> 01:01:54,448 日本人は 時計は無理なんだよ! 710 01:01:54,448 --> 01:01:57,451 客が求めてるのは 海外製の時計なんだ! 711 01:01:57,451 --> 01:01:59,469 善路! 712 01:01:59,469 --> 01:02:02,456 これを見て 技術の差を学んでほしい。 713 01:02:02,456 --> 01:02:05,442 お前も職人なら…! 職人なんて もう やめたよ。 714 01:02:05,442 --> 01:02:08,462 今は アズナブール商會にいる。 715 01:02:08,462 --> 01:02:12,466 なあ この先 あんたの商売が うまくいくと思うなよ。 716 01:02:12,466 --> 01:02:14,466 (時計を放り捨てる音) 717 01:02:20,474 --> 01:02:25,474 日本人だって… 時計は作れます。 718 01:02:30,450 --> 01:02:43,463 ♬~ 719 01:02:43,463 --> 01:02:46,483 本日は ジャワ島原産の コーヒーでございます。 720 01:02:46,483 --> 01:02:48,483 ありがとう。 721 01:02:52,556 --> 01:02:55,556 (吉邨)まだ おいでに なっていないようですね。 722 01:02:57,444 --> 01:02:59,479 (吉邨)この魚子彫りが→ 723 01:02:59,479 --> 01:03:02,482 服部時計店快進撃の のろしになったのは→ 724 01:03:02,482 --> 01:03:04,468 間違いないでしょうな。 725 01:03:04,468 --> 01:03:06,470 (笠井)やはり これですよ! 726 01:03:06,470 --> 01:03:08,472 かの渋沢栄一先生が→ 727 01:03:08,472 --> 01:03:11,475 社長に惚れ込んだんですから。 728 01:03:11,475 --> 01:03:15,462 惚れ込んでいたかは知らんが 人脈が広がった事で→ 729 01:03:15,462 --> 01:03:19,466 自社での時計開発の めどが付いたのは 確かだ。 730 01:03:19,466 --> 01:03:24,466 (吉邨)服部時計店の製造部門 精工舎の誕生ですね。 731 01:03:25,455 --> 01:03:27,457 とてもいい名前です。 732 01:03:27,457 --> 01:03:33,480 精緻の「精」 工業の「工」 学び舎の「舎」で→ 733 01:03:33,480 --> 01:03:35,465 精工舎。 734 01:03:35,465 --> 01:03:38,485 (吉邨)まったく…。 こんな自信なさそうな人が→ 735 01:03:38,485 --> 01:03:42,485 時計を設計してしまうんだから 驚きですよ。 736 01:03:45,459 --> 01:03:50,480 (笠井)精工舎の懐中時計第一号 「タイムキーパー」ですね。 737 01:03:50,480 --> 01:03:53,467 (吉邨)私が一員になったのも この頃ですな。 738 01:03:53,467 --> 01:03:56,453 (笠井) 懐かしいですねえ。 ハハハ…。 739 01:03:56,453 --> 01:04:16,423 ♬~ 740 01:04:16,423 --> 01:04:21,445 確かに 社長と鶴彦さんは→ 741 01:04:21,445 --> 01:04:25,445 天才2人の出会い だったかもしれません。 742 01:04:26,466 --> 01:04:30,454 だって 普通だったら→ 743 01:04:30,454 --> 01:04:35,454 あんな おかしな人間と 夢を追いかけたりしない。 744 01:04:37,444 --> 01:04:46,436 初めて 服部時計店の銀座本社を見た時→ 745 01:04:46,436 --> 01:04:50,440 震えました。 746 01:04:50,440 --> 01:04:55,479 社長の隣にいるべきは→ 747 01:04:55,479 --> 01:04:58,479 私だったはずなのに…。 748 01:05:07,424 --> 01:05:09,424 いよいよですね。 749 01:05:14,464 --> 01:05:17,434 フランスで 動く絵を撮影する装置が→ 750 01:05:17,434 --> 01:05:19,452 公開されてたね。 751 01:05:19,452 --> 01:05:23,440 シネマトグラフですな。 ああ そうそう。 752 01:05:23,440 --> 01:05:27,440 それで この瞬間を 収めておきたかったね。 753 01:05:32,449 --> 01:05:43,460 (鐘の音) 754 01:05:43,460 --> 01:05:49,449 英恭さん 笠井くん。 755 01:05:49,449 --> 01:05:54,449 精工舎の念願である 腕時計の開発に乗りだすよ。 756 01:05:56,439 --> 01:06:01,444 その責任者は もちろん 鶴彦さんだ。 757 01:06:01,444 --> 01:06:05,444 社長 お言葉ですが…。 758 01:06:08,468 --> 01:06:11,454 私は反対です。 759 01:06:11,454 --> 01:06:15,458 大体 こんな晴れの日に 同席しないなんて…。 760 01:06:15,458 --> 01:06:19,446 あの人の頭の中は 時計の事でいっぱいだ。 761 01:06:19,446 --> 01:06:23,516 今頃 試作室にでも こもっているんだろう。 762 01:06:23,516 --> 01:06:26,453 (笠井の声)確かに このタイムキーパーも→ 763 01:06:26,453 --> 01:06:28,455 技師長が開発しました。 764 01:06:28,455 --> 01:06:35,462 でも 私は… 人として ついていく気になれません。 765 01:06:35,462 --> 01:06:37,464 笠井さん…。 766 01:06:37,464 --> 01:06:41,464 そう思っているのは 私だけじゃないと思います。 767 01:06:48,458 --> 01:06:51,444 (まん)笠井さんがおっしゃる事も わかるわ。 768 01:06:51,444 --> 01:06:53,463 責任者となれば→ 769 01:06:53,463 --> 01:06:57,534 職工さんたち全員を まとめなければならないでしょう。 770 01:06:57,534 --> 01:07:00,453 𠮷川さんには荷が重いのでは? 771 01:07:00,453 --> 01:07:03,440 だが 職人としての腕は確かだ。 772 01:07:03,440 --> 01:07:06,443 お前たちも おもちゃ 作ってもらっただろう。 773 01:07:06,443 --> 01:07:09,462 (服部せき) でも あの人 変だよ~! 774 01:07:09,462 --> 01:07:11,448 (服部ゆき) いつも ぶつぶつ しゃべってる。 775 01:07:11,448 --> 01:07:13,450 (服部せい)ねえ~。 (服部かう)ねえ~。 776 01:07:13,450 --> 01:07:15,468 (服部玄三) 確かに 目も合わせないな。 777 01:07:15,468 --> 01:07:19,539 (さよ)はーい おかわりでーす! はい どうぞ! 778 01:07:19,539 --> 01:07:22,539 とにかく 鶴彦さんを責任者にする。 779 01:07:23,443 --> 01:07:25,443 問題が起きませんか? 780 01:07:31,468 --> 01:07:34,468 おはようございます。 おはようございます。 781 01:07:36,439 --> 01:07:39,459 ついに 腕時計を? 782 01:07:39,459 --> 01:07:44,459 ええ。 その開発責任者を 鶴彦さんに任せたい。 783 01:07:46,466 --> 01:07:48,466 鶴彦さん? 784 01:07:49,486 --> 01:07:51,471 (施錠音) 785 01:07:51,471 --> 01:07:53,456 鶴彦さん まだ 話は終わってませんよ! 786 01:07:53,456 --> 01:07:57,456 鶴彦さん! 開けてください 鶴彦さん! 787 01:08:05,468 --> 01:08:07,468 ありがとうございます。 788 01:08:32,462 --> 01:08:34,462 フフッ…。 789 01:08:37,484 --> 01:08:41,471 やはり ピニオン旋盤機は 売る事はできないと→ 790 01:08:41,471 --> 01:08:44,474 エドガー社に断られました。 791 01:08:44,474 --> 01:08:48,474 しかし なぜ かたくなに うちを拒むのか…。 792 01:08:49,479 --> 01:08:54,467 言いづらいのですが 恐らく…。 793 01:08:54,467 --> 01:09:05,445 ♬~ 794 01:09:05,445 --> 01:09:07,447 正直に答えてくれ。 795 01:09:07,447 --> 01:09:11,447 ピニオン旋盤の販売を 止めているのは 善路か? 796 01:09:12,435 --> 01:09:14,435 だったら なんだよ? 797 01:09:15,455 --> 01:09:17,440 無駄な事は やめるんだ。 798 01:09:17,440 --> 01:09:19,459 機械で負けても 人間で勝てる。 799 01:09:19,459 --> 01:09:23,446 精工舎には 情熱を持った職人がいる。 800 01:09:23,446 --> 01:09:27,467 だから 頼む。 お前は お前の時間を生きてくれ。 801 01:09:27,467 --> 01:09:29,469 黙ってろ。 802 01:09:29,469 --> 01:09:31,469 これが俺の人生だ。 803 01:09:33,456 --> 01:09:35,456 善路! 逃げるな! 804 01:09:38,461 --> 01:09:40,461 離せ。 805 01:09:48,471 --> 01:09:59,466 ♬~ 806 01:09:59,466 --> 01:10:01,466 ただいま。 (スイッチを押す音) 807 01:10:05,438 --> 01:10:08,441 まん? おい! 808 01:10:08,441 --> 01:10:22,441 ♬~ 809 01:10:24,441 --> 01:10:30,447 ♬~ 810 01:10:30,447 --> 01:10:32,432 いささか大きいな…。 811 01:10:32,432 --> 01:10:43,443 ♬~ 812 01:10:43,443 --> 01:10:45,443 (ノック) (濱谷)入ります。 813 01:10:46,463 --> 01:10:48,465 持ってきてくれたかい? (濱谷)はい。 814 01:10:48,465 --> 01:10:57,440 ♬~ 815 01:10:57,440 --> 01:11:00,443 (濱谷)あの… 技師長? 816 01:11:00,443 --> 01:11:09,452 ♬~ 817 01:11:09,452 --> 01:11:13,423 (岡本正忠)またですか 技師長! みんなも何してる。 818 01:11:13,423 --> 01:11:16,423 (濱谷)技師長のネジ回しを 捜していて…。 819 01:11:17,460 --> 01:11:19,462 (岡本)置き場を決めて 管理してください。 820 01:11:19,462 --> 01:11:22,465 これじゃ 工員たちが仕事になりません。 821 01:11:22,465 --> 01:11:24,450 代用のネジ回しで…。 何 言ってるの! 822 01:11:24,450 --> 01:11:27,470 握る感覚が違えば 手元が狂うでしょ! 823 01:11:27,470 --> 01:11:30,470 自分のじゃなきゃ駄目だよ! どいて! 824 01:11:31,441 --> 01:11:33,459 (笠井)技師長は横暴すぎます。 825 01:11:33,459 --> 01:11:35,445 昼夜問わずに呼び出すなんて→ 826 01:11:35,445 --> 01:11:38,515 人として あるまじき行為です! (岡本)そうですよ! 827 01:11:38,515 --> 01:11:40,466 技師長の身の回りの事まで 世話していたら→ 828 01:11:40,466 --> 01:11:42,435 休む時間も取れません。 829 01:11:42,435 --> 01:11:46,435 みんな 決められた時間の中で 精いっぱい作業しているんです! 830 01:11:47,457 --> 01:11:50,460 (笠井)おおっ…! 技師長!? (岡本)技師長!? 831 01:11:50,460 --> 01:11:52,512 だ… 誰か 呼んできて! (岡本)はい! 832 01:11:52,512 --> 01:11:54,512 技師長!? (岡本)誰か! 833 01:11:55,448 --> 01:11:58,451 (笠井) だから 私は反対したんです。 834 01:11:58,451 --> 01:12:00,470 飯も食わなきゃ 休みも取らない。 835 01:12:00,470 --> 01:12:03,470 夢中になると 周りが 見えなくなってしまいます。 836 01:12:05,525 --> 01:12:11,447 腕時計の責任者から 𠮷川さんを降ろしてください。 837 01:12:11,447 --> 01:12:16,447 これは… 職工たち全員の意見です! 838 01:12:18,471 --> 01:12:21,441 私たちが辞めるか→ 839 01:12:21,441 --> 01:12:25,445 技師長を責任者から外して頂くか→ 840 01:12:25,445 --> 01:12:27,445 どちらか お決めください。 841 01:12:29,449 --> 01:12:31,449 (ため息) 842 01:12:36,472 --> 01:12:39,475 (笠井)ストライキ決行! 間違えるなよ。 843 01:12:39,475 --> 01:12:41,477 (濱谷)はい。 844 01:12:41,477 --> 01:12:43,546 よし…。 845 01:12:43,546 --> 01:12:48,468 ≫(床のきしむ音) 846 01:12:48,468 --> 01:12:57,477 ♬~ 847 01:12:57,477 --> 01:12:59,479 うわっ…! 848 01:12:59,479 --> 01:13:07,487 ♬~ 849 01:13:07,487 --> 01:13:10,473 (濱谷)うわっ…! 危ない… 危ないよ…! 850 01:13:10,473 --> 01:13:13,473 笠井くん。 (笠井)わあーっ!! 851 01:13:14,460 --> 01:13:16,479 社長…。 852 01:13:16,479 --> 01:13:19,482 こんな時間に こんな所で何を? 853 01:13:19,482 --> 01:13:22,468 ああ… 鶴彦さんが ネジ回しを なくしたと言っただろう。 854 01:13:22,468 --> 01:13:24,470 やっと見つけたよ。 855 01:13:24,470 --> 01:13:26,572 (笠井)えっ…? 856 01:13:26,572 --> 01:13:29,572 笠井くんたちは何をしてるんだ? 857 01:13:30,460 --> 01:13:33,460 私たちは その…。 (せき払い) 858 01:13:37,550 --> 01:13:40,486 技師長には話したよ。 859 01:13:40,486 --> 01:13:43,473 一人一人が調和の中で→ 860 01:13:43,473 --> 01:13:46,473 同じ方向を向くのが 会社だからな。 861 01:13:52,448 --> 01:13:57,448 だが それは間違いだったと 今は自分を恥じてる。 862 01:14:04,460 --> 01:14:12,452 ここには 育った場所も境遇も違う 様々な人が集まっているだろう。 863 01:14:12,452 --> 01:14:17,452 そもそも 同じ人間は 一人だっていない。 864 01:14:19,442 --> 01:14:23,429 時計の内部構造を 思い浮かべてほしい。 865 01:14:23,429 --> 01:14:29,469 様々な歯車やバネが 寸分たがわぬ精度で動いている。 866 01:14:29,469 --> 01:14:33,469 それが噛み合って 初めて 針が動く。 867 01:14:34,440 --> 01:14:39,462 精工舎の時計の針は たった一秒であっても→ 868 01:14:39,462 --> 01:14:42,465 会社の全員で動かすんだ。 869 01:14:42,465 --> 01:14:46,452 (岡本) つまり 私たちに 我慢してでも→ 870 01:14:46,452 --> 01:14:50,452 技師長についていけ という事でしょうか? 871 01:14:52,442 --> 01:14:59,449 あの人の気持ちを読み取るのも 行動を予想するのも大変だ。 872 01:14:59,449 --> 01:15:04,454 だが… 鶴彦さんの思いは→ 873 01:15:04,454 --> 01:15:07,440 全て ここにある。 874 01:15:07,440 --> 01:15:11,444 一心不乱に 握り続けてきたんだろう。 875 01:15:11,444 --> 01:15:16,444 あの人の思いは 時計を作る事だけに向かっている。 876 01:15:19,469 --> 01:15:24,440 だから そこに 私の人生を懸けてみたい。 877 01:15:24,440 --> 01:15:35,451 ♬~ 878 01:15:35,451 --> 01:15:40,439 君たちが 鶴彦さんについていくなら→ 879 01:15:40,439 --> 01:15:43,439 私は 君たちについていく。 880 01:15:45,444 --> 01:15:47,446 (濱谷)あっ ちょっと…。 881 01:15:47,446 --> 01:15:50,446 (笠井)もう やめましょう。 やめてください。 882 01:15:52,468 --> 01:15:57,440 精工舎は 人も部品も→ 883 01:15:57,440 --> 01:16:02,445 個性も大切にする会社だ という事は→ 884 01:16:02,445 --> 01:16:05,448 伝わりましたから! 885 01:16:05,448 --> 01:16:07,448 なあ? (職工たち)はい。 886 01:16:10,469 --> 01:16:13,469 (岡本)まんさんだって あんなに 面倒見てくれてるのに…。 887 01:16:15,458 --> 01:16:17,460 まんが? 888 01:16:17,460 --> 01:16:19,462 どういう事だ? 889 01:16:19,462 --> 01:16:21,447 これは美味しい! 890 01:16:21,447 --> 01:16:29,438 ♬~ 891 01:16:29,438 --> 01:16:31,438 ああ…。 892 01:16:32,441 --> 01:16:34,460 (まん)できましたよ。 893 01:16:34,460 --> 01:16:36,462 (一同)おお~! (濱谷)ありがとうございます! 894 01:16:36,462 --> 01:16:38,447 (まん)はい。 (濱谷)おかわり ください! 895 01:16:38,447 --> 01:16:41,467 (職工)濱谷さん 早すぎますよ! (職工)もう食べたんですか!? 896 01:16:41,467 --> 01:16:43,467 (濱谷)お願いします。 897 01:16:47,440 --> 01:16:52,440 私たちは あなたについていくか まだ迷っています。 898 01:16:53,446 --> 01:16:55,448 だから 技師長→ 899 01:16:55,448 --> 01:16:59,448 少しだけでも 私たちに合わせて頂けませんか? 900 01:17:00,469 --> 01:17:04,457 これ… ピニオン旋盤機の 設計図ですよね? 901 01:17:04,457 --> 01:17:06,457 (笠井)えっ? 902 01:17:07,443 --> 01:17:10,443 まあ… 作れるんじゃないかと思って。 903 01:17:12,465 --> 01:17:16,469 (笠井)でも 技師長は… 英語は読めないのでは? 904 01:17:16,469 --> 01:17:18,471 そんな事 言っても 腕時計を作るのに→ 905 01:17:18,471 --> 01:17:20,439 ピニオン旋盤は絶対に必要だ。 906 01:17:20,439 --> 01:17:22,475 これは 精工舎初の腕時計なんだよ。 907 01:17:22,475 --> 01:17:25,475 それを開発するのが僕の仕事だ。 908 01:17:27,480 --> 01:17:33,480 日本中… いや 世界中の人が待ってるんだから。 909 01:17:36,472 --> 01:17:38,474 (さよ)奥様のご飯 久しぶりなんじゃないですか? 910 01:17:38,474 --> 01:17:41,477 ああ。 こんなにうまいの 忘れてました。 911 01:17:41,477 --> 01:17:43,479 フフッ…。 ご飯もですけど→ 912 01:17:43,479 --> 01:17:47,466 奥様の大事な話 忘れたら駄目ですよ。 913 01:17:47,466 --> 01:17:49,485 すまなかった。 914 01:17:49,485 --> 01:17:52,488 彼らの面倒を見たいと 申し出てくれていたのを→ 915 01:17:52,488 --> 01:17:54,457 すっかり…。 916 01:17:54,457 --> 01:17:59,462 私も 若くして 群馬から一人で嫁いできたから→ 917 01:17:59,462 --> 01:18:02,465 この子たちの気持ちが わかるんです。 918 01:18:02,465 --> 01:18:04,483 でも 奉公に来てるのに→ 919 01:18:04,483 --> 01:18:08,483 つらい さみしいなんて 泣き言は言えないでしょう? 920 01:18:10,473 --> 01:18:14,473 社員が家族同然なら 私が母親になります。 921 01:18:16,462 --> 01:18:20,483 ありがとう。 よろしくお願いします。 922 01:18:20,483 --> 01:18:24,553 すいません! 握り飯を いくつか頂けますか? 923 01:18:24,553 --> 01:18:27,456 どうしました? 924 01:18:27,456 --> 01:18:29,456 また 技師長ですよ。 925 01:18:33,479 --> 01:18:37,483 昨晩から食事もしないで 試作室にこもって…。 926 01:18:37,483 --> 01:18:43,489 ぶっ倒れたら大変なので 無理にでも食べて頂きます。 927 01:18:43,489 --> 01:18:46,542 笠井くん…。 928 01:18:46,542 --> 01:18:48,461 わかりました。 929 01:18:48,461 --> 01:18:51,461 さよちゃん。 (さよ)はい! 930 01:18:53,449 --> 01:18:55,449 私たちは…。 931 01:18:58,471 --> 01:19:00,439 社長と一緒に→ 932 01:19:00,439 --> 01:19:03,442 技師長についていく事に 決めましたから。 933 01:19:03,442 --> 01:19:10,449 ♬~ 934 01:19:10,449 --> 01:19:14,453 〈精工舎は タイムキーパーに続いて→ 935 01:19:14,453 --> 01:19:18,457 高級懐中時計のエキセレントを 販売〉 936 01:19:18,457 --> 01:19:21,427 〈それが 国産初の→ 937 01:19:21,427 --> 01:19:24,427 恩賜の時計の指定を受けました〉 938 01:19:26,465 --> 01:19:28,467 〈そして 鶴彦は→ 939 01:19:28,467 --> 01:19:32,455 ピニオン自動旋盤機の 自社開発に成功〉 940 01:19:32,455 --> 01:19:35,441 〈この機械の導入により→ 941 01:19:35,441 --> 01:19:40,441 25人で行っていた作業を 1人で行えるようになりました〉 942 01:19:43,449 --> 01:19:49,438 〈生産力を高めた精工舎は いよいよ 世界へ進出〉 943 01:19:49,438 --> 01:19:53,442 〈目覚まし時計においては ドイツを抜いて→ 944 01:19:53,442 --> 01:19:57,446 世界シェアナンバーワンに なりました〉 945 01:19:57,446 --> 01:20:00,466 〈そして ついに…〉 946 01:20:00,466 --> 01:20:10,443 ♬~ 947 01:20:10,443 --> 01:20:14,480 これが 精工舎製の腕時計→ 948 01:20:14,480 --> 01:20:17,466 ローレルの一号機です。 949 01:20:17,466 --> 01:20:20,453 (吉邨)国内初の腕時計です。 950 01:20:20,453 --> 01:20:30,463 ♬~ 951 01:20:30,463 --> 01:20:33,449 鶴彦さん。 952 01:20:33,449 --> 01:20:37,449 全てをあなたに懸けて よかった。 953 01:20:39,438 --> 01:20:43,442 随分と 時間が かかってしまいました。 954 01:20:43,442 --> 01:20:50,449 ♬~ 955 01:20:50,449 --> 01:20:54,449 やっと 目を合わせてくれましたね。 956 01:20:57,456 --> 01:20:59,442 〈金太郎と鶴彦は→ 957 01:20:59,442 --> 01:21:04,447 きっと この瞬間を この景色を→ 958 01:21:04,447 --> 01:21:09,447 2人が出会った時から 想像できていたのでしょう〉 959 01:21:11,454 --> 01:21:16,425 最初から 勝てる相手ではなかったんです。 960 01:21:16,425 --> 01:21:22,425 だから 邪魔をするしかなかった…。 961 01:21:28,554 --> 01:21:32,441 でも 誤解なさらないでください。 962 01:21:32,441 --> 01:21:38,441 今は もう なんのわだかまりもありません。 963 01:21:41,467 --> 01:21:49,475 ただ 今日 この日に→ 964 01:21:49,475 --> 01:21:54,475 私が ここにいてもいいものか…。 965 01:21:58,467 --> 01:22:01,467 あなたは ここにいるべき人ですよ。 966 01:22:09,461 --> 01:22:11,463 (まん)SEIKOには→ 967 01:22:11,463 --> 01:22:17,486 精密で正確であるという意味が 込められています。 968 01:22:17,486 --> 01:22:22,458 善路さんの挫折も 嫉妬も→ 969 01:22:22,458 --> 01:22:28,464 今まで歩んできた道は 間違いなく ここに向かっていた。 970 01:22:28,464 --> 01:22:31,464 そうは思いませんか? 971 01:22:36,455 --> 01:22:39,455 おめでとうございます。 ああ… ありがとう。 972 01:22:46,482 --> 01:22:49,482 ああ… ありがとう。 973 01:22:53,489 --> 01:22:56,458 (ドアの開く音) (秘書)失礼致します。 974 01:22:56,458 --> 01:22:59,458 社長 お客様がお見えでございます。 975 01:23:21,433 --> 01:23:23,469 (竜星)この長期低温熟成って 何ですか? 976 01:23:23,469 --> 01:23:25,638 (江口)じっくり作れば うまくなる だよね? 977 01:23:25,638 --> 01:23:27,638 (醸造家)はい。 へぇ~。 978 01:23:28,774 --> 01:23:31,174 あ~ うまい! 思わず出ちゃった。 979 01:23:32,378 --> 01:23:34,413 <ぜひ> 980 01:25:21,453 --> 01:25:23,453 (足音) 981 01:25:27,443 --> 01:25:32,531 はじめまして。 河村浪子と申します。 982 01:25:32,531 --> 01:25:36,531 旧姓は 辻浪子でございます。 983 01:25:39,471 --> 01:25:43,425 金太郎さんは 一番になる。 984 01:25:43,425 --> 01:25:45,425 すごい人になります。 985 01:25:49,465 --> 01:25:51,465 その時には…。 986 01:25:57,456 --> 01:26:00,456 また お会いしましょう? フフッ…。 987 01:26:02,444 --> 01:26:06,465 大変遅くなり 申し訳ございません。 988 01:26:06,465 --> 01:26:13,455 一度は引き返したんですが やはり 最後にと思い立って…。 989 01:26:13,455 --> 01:26:17,455 浪子さんをお呼びしたのは 私です。 990 01:26:21,463 --> 01:26:26,468 (浪子)金太郎さん ご無沙汰しております。 991 01:26:26,468 --> 01:26:30,468 浪子さん… こちらこそ。 992 01:26:34,476 --> 01:26:37,479 勝手にごめんなさい。 993 01:26:37,479 --> 01:26:44,470 でも この席に呼ぶべきだと思って お越し頂いたの。 994 01:26:44,470 --> 01:26:47,489 どうして…。 995 01:26:47,489 --> 01:26:51,477 浪子さんがいなかったら→ 996 01:26:51,477 --> 01:26:55,481 服部金太郎は 時計を作っていなかったと→ 997 01:26:55,481 --> 01:26:57,481 私は思うから。 998 01:27:00,486 --> 01:27:05,457 (浪子) もう 二度とお会いできない→ 999 01:27:05,457 --> 01:27:11,480 お会いしないと 決めておりました。 1000 01:27:11,480 --> 01:27:14,466 でも…→ 1001 01:27:14,466 --> 01:27:17,486 「一番の時計商になる」→ 1002 01:27:17,486 --> 01:27:22,491 「そうなったら また お会いしましょう」…。 1003 01:27:22,491 --> 01:27:27,479 あの約束を 奥様がかなえてくださいました。 1004 01:27:27,479 --> 01:27:46,465 ♬~ 1005 01:27:46,465 --> 01:27:49,465 この時計を どうして 浪子さんが? 1006 01:27:51,487 --> 01:27:54,456 さあ… どうしてかしら。 1007 01:27:54,456 --> 01:27:58,460 いや 教えてください。 気になるじゃないですか。 1008 01:27:58,460 --> 01:28:00,462 フフ… 実は→ 1009 01:28:00,462 --> 01:28:04,566 金太郎さんが最初に奉公に行った 時計商の主が→ 1010 01:28:04,566 --> 01:28:07,469 辻屋を訪ねてきたの。 1011 01:28:07,469 --> 01:28:10,455 「金太郎さんから この時計をもらったけど→ 1012 01:28:10,455 --> 01:28:13,542 15歳の子供に 買えるわけもない」→ 1013 01:28:13,542 --> 01:28:15,460 「もしかしたら 辻屋からの→ 1014 01:28:15,460 --> 01:28:18,460 大切な頂き物だったんじゃないか」 って。 1015 01:28:20,482 --> 01:28:24,486 すみません 勝手に 人に譲ったりして…。 1016 01:28:24,486 --> 01:28:26,486 (浪子)いいの そんなの。 1017 01:28:28,473 --> 01:28:32,473 むしろ 金太郎さんらしいと思った。 1018 01:28:35,480 --> 01:28:37,480 それで これをね…。 1019 01:28:40,469 --> 01:28:43,469 動かしてくださらないかしら。 1020 01:28:50,462 --> 01:28:52,462 この時間は…。 1021 01:28:54,449 --> 01:28:59,471 〈あの日 午前11時58分→ 1022 01:28:59,471 --> 01:29:03,471 日本中を絶望させる出来事が 起こりました〉 1023 01:29:05,460 --> 01:29:10,460 (地鳴り) 1024 01:29:42,481 --> 01:29:44,516 ♬~ (堺)すいません 白をもらえます? 1025 01:29:44,516 --> 01:29:46,952 (古川)…白?白より緑がおすすめです 1026 01:29:46,952 --> 01:29:48,954 …緑?お茶? 1027 01:29:48,954 --> 01:29:53,558 そう 冷やした「伊右衛門」は 白どころじゃないですよ 1028 01:29:53,558 --> 01:29:57,729 冷やした… 「伊右衛門」? 1029 01:29:57,729 --> 01:30:01,400 そんな ありえないでしょ! (人々)エッ? エッ? 1030 01:30:01,400 --> 01:30:03,402 (お茶を挽く音) 1031 01:30:03,402 --> 01:30:06,905 お注ぎしますね マジですか…? 1032 01:30:06,905 --> 01:30:10,442 <できました 味わう 「伊右衛門」> カンパイ 1033 01:30:42,441 --> 01:30:45,410 (今田)お披露目でーす! (天海)<キリンから新しいビールが出ます> 1034 01:30:45,410 --> 01:30:47,612 (内村)あぁー! おいしい。 いい! これ。 1035 01:30:47,612 --> 01:30:51,416 <その名前が…> (目黒)やっと言えます! 「晴れ風」! 1036 01:30:51,416 --> 01:30:53,616 「晴れ風」です! 「晴れ風」です! 1037 01:30:57,456 --> 01:30:59,491 (2人)キリン 上々! (劇団ひとり)こんなにおいしいのに! 1038 01:30:59,491 --> 01:31:01,526 焼酎とソーダ なんで今まで… 1039 01:31:01,526 --> 01:31:03,626 (飯豊)飲んでなかったんでしょ? 1040 01:31:06,231 --> 01:31:08,300 <「キリン 上々」大好評!> 1041 01:31:08,300 --> 01:31:10,435 <梅 新発売!> (2人)キリン 上々~! 1042 01:31:27,486 --> 01:31:33,558 (地鳴り) 1043 01:31:33,558 --> 01:31:35,558 あっ! ああっ…。 1044 01:31:36,495 --> 01:31:42,495 〈大正12年9月1日 関東大震災です〉 1045 01:31:45,504 --> 01:31:49,474 〈この震災での大火災は 2日間 続き→ 1046 01:31:49,474 --> 01:31:53,474 東京市のおよそ4割が 焼失しました〉 1047 01:31:55,480 --> 01:31:58,500 〈服部時計店においては→ 1048 01:31:58,500 --> 01:32:03,488 銀座4丁目の本店と工場が全焼〉 1049 01:32:03,488 --> 01:32:08,493 〈文字どおりの 焼け野原と なってしまいました〉 1050 01:32:08,493 --> 01:32:13,482 〈そんな状況下でも 社員全員が無事だったのは→ 1051 01:32:13,482 --> 01:32:16,501 不幸中の幸いでありました〉 1052 01:32:16,501 --> 01:32:19,488 〈けれど 金太郎は→ 1053 01:32:19,488 --> 01:32:23,475 まるで 人生を熱波に焼かれたかのように→ 1054 01:32:23,475 --> 01:32:26,475 燃え尽きてしまいました〉 1055 01:32:33,485 --> 01:32:36,488 善路か…。 1056 01:32:36,488 --> 01:32:38,488 聞いたよ。 1057 01:32:39,474 --> 01:32:44,474 社員全員 一時解雇したんだってな。 1058 01:32:46,481 --> 01:32:48,481 ああ…。 1059 01:32:50,485 --> 01:32:53,505 故郷に帰る者もいれば→ 1060 01:32:53,505 --> 01:32:58,476 壊れた家を修繕する事で 手いっぱいの者もいる。 1061 01:32:58,476 --> 01:33:02,581 そんな中 無理して 会社のために働かせ…。 1062 01:33:02,581 --> 01:33:05,581 きれい事で取り繕うな! 1063 01:33:08,486 --> 01:33:14,486 その情けねえ面を隠しても なんにも変わらない。 1064 01:33:17,479 --> 01:33:20,482 そうだな。 1065 01:33:20,482 --> 01:33:26,504 でも もう 私がいなくても時計は作れるさ。 1066 01:33:26,504 --> 01:33:29,474 冗談じゃねえぞ。 1067 01:33:29,474 --> 01:33:33,478 あの時 俺を切り捨てたのは→ 1068 01:33:33,478 --> 01:33:38,478 あんたが追い求める時計を 作りたかったからじゃないのか? 1069 01:33:40,485 --> 01:33:45,473 時計塔が建ったのを見て→ 1070 01:33:45,473 --> 01:33:49,461 正直 悔しかったよ。 1071 01:33:49,461 --> 01:33:55,461 それは 俺を切り捨てたあんたが…。 1072 01:34:00,488 --> 01:34:04,488 日本中の時を動かしたからだ。 1073 01:34:10,465 --> 01:34:12,465 なあ…。 1074 01:34:14,469 --> 01:34:17,469 だから 頼むよ。 1075 01:34:19,441 --> 01:34:26,481 あの時計塔の針を もう一度 動かしてくれ。 1076 01:34:26,481 --> 01:34:32,470 止まっちまった みんなの時間を→ 1077 01:34:32,470 --> 01:34:35,470 あんたが動かすんだ! 1078 01:34:47,469 --> 01:34:49,554 (ノック) 1079 01:34:49,554 --> 01:34:51,554 ≪(笠井) 社長! いらっしゃいますか? 1080 01:34:54,476 --> 01:34:59,464 あっ… 奥様。 社長は いらっしゃいますか? 1081 01:34:59,464 --> 01:35:01,464 (まん)どうぞ。 1082 01:35:11,476 --> 01:35:14,462 あっ… 社長。 1083 01:35:14,462 --> 01:35:16,464 どうしたんだ? 1084 01:35:16,464 --> 01:35:19,464 (笠井)さっきまで 工場のほうに行っておりました。 1085 01:35:21,469 --> 01:35:24,489 あそこには もう 何もないだろう。 1086 01:35:24,489 --> 01:35:30,462 いえ 大切な機械や部品が まだ残っています。 1087 01:35:30,462 --> 01:35:33,481 地震のあとから 窃盗集団が増えたので→ 1088 01:35:33,481 --> 01:35:36,481 交代で見張っているんです。 1089 01:35:37,469 --> 01:35:41,473 機械も みんなで掘り起こして…。 1090 01:35:41,473 --> 01:35:43,475 みんな? 1091 01:35:43,475 --> 01:35:46,494 一時解雇された社員たちですよ。 1092 01:35:46,494 --> 01:35:49,494 誰に頼まれたわけでも ありません。 1093 01:35:51,483 --> 01:35:53,468 (鶴彦の声)焼け跡から→ 1094 01:35:53,468 --> 01:35:55,470 これが出てきて…。 1095 01:35:55,470 --> 01:36:20,495 ♬~ 1096 01:36:20,495 --> 01:36:26,501 (笠井)我が精工舎の時計です。 1097 01:36:26,501 --> 01:36:32,457 あの炎と熱風で…。 1098 01:36:32,457 --> 01:36:38,480 ♬~ 1099 01:36:38,480 --> 01:36:45,503 (すすり泣き) 1100 01:36:45,503 --> 01:36:49,457 あなたには 残ってるじゃないですか。 1101 01:36:49,457 --> 01:36:53,478 精工舎を こんなにも思ってくれる 人たちが…。 1102 01:36:53,478 --> 01:37:12,478 ♬~ 1103 01:37:44,662 --> 01:37:46,965 ♬~ (風吹)買うよー! あっちあっちー! こっちこっちー! 1104 01:37:46,965 --> 01:37:48,967 (友達)ジュンさん! あー! 1105 01:37:48,967 --> 01:37:50,969 で あっちこっち! こっち 1106 01:37:50,969 --> 01:37:52,971 そっちー まだ行くよ! 1107 01:37:52,971 --> 01:37:54,971 あっちー! どっちー?! 1108 01:38:29,407 --> 01:38:31,442 (吉瀬)GINON? 1109 01:38:31,442 --> 01:38:34,412 満足度99%の レモンサワー? 1110 01:38:34,412 --> 01:38:36,412 (バーテンダー)疑ってます? 1111 01:38:40,351 --> 01:38:42,387 えっ? 「GINON」? 1112 01:39:44,449 --> 01:40:04,452 ♬~ 1113 01:40:04,452 --> 01:40:09,452 みんな 話したい事がある。 1114 01:40:17,465 --> 01:40:23,465 我々の作った時計は 全て燃えてしまった。 1115 01:40:28,443 --> 01:40:33,443 だが それは お客様も同じだ。 1116 01:40:35,466 --> 01:40:41,466 我々に預けた大切な時計を 失ってしまった。 1117 01:40:49,447 --> 01:40:57,455 それを お客様に お返しするところから…→ 1118 01:40:57,455 --> 01:41:02,443 もう一度 そこから→ 1119 01:41:02,443 --> 01:41:05,443 私と一緒に始めてほしい。 1120 01:41:15,440 --> 01:41:20,461 1500ほど あったと思うが→ 1121 01:41:20,461 --> 01:41:26,467 全てを 同額程度の精工舎の 新品時計をもって弁償する。 1122 01:41:26,467 --> 01:41:28,453 (ざわめき) 1123 01:41:28,453 --> 01:41:33,458 ♬~ 1124 01:41:33,458 --> 01:41:35,458 これは 損得じゃない。 1125 01:41:38,463 --> 01:41:40,463 お客様との繋がりなんだ。 1126 01:41:47,472 --> 01:41:53,478 今 我々 日本人は どん底にいる。 1127 01:41:53,478 --> 01:42:01,469 だが 世界中の国々が 手を差し伸べてくれている。 1128 01:42:01,469 --> 01:42:06,474 時計商を志して50年余り→ 1129 01:42:06,474 --> 01:42:13,464 国も人種も文化も超えて→ 1130 01:42:13,464 --> 01:42:20,464 誰もが同じ刻を生きているのだと 今 初めて実感している。 1131 01:42:25,476 --> 01:42:31,466 この世界は 時間で結ばれている。 1132 01:42:31,466 --> 01:42:34,469 時計というのは→ 1133 01:42:34,469 --> 01:42:38,473 その見えない絆を 刻んでいるのだと。 1134 01:42:38,473 --> 01:42:48,449 ♬~ 1135 01:42:48,449 --> 01:42:52,487 一分一秒は 誰にでも等しくある。 1136 01:42:52,487 --> 01:42:56,457 世界中の人々が それを正確に知れる時計を→ 1137 01:42:56,457 --> 01:42:58,459 我々は作れる。 1138 01:42:58,459 --> 01:43:05,466 知恵を持ち 技術を磨き→ 1139 01:43:05,466 --> 01:43:09,487 時計に深い愛情を注げる者たちが 集まっているのが→ 1140 01:43:09,487 --> 01:43:11,472 我が精工舎だ。 1141 01:43:11,472 --> 01:43:24,485 ♬~ 1142 01:43:24,485 --> 01:43:31,459 どんなに悔いても→ 1143 01:43:31,459 --> 01:43:37,482 思いを巡らせても→ 1144 01:43:37,482 --> 01:43:41,482 時間は 一秒たりとも戻らない。 1145 01:43:44,472 --> 01:43:48,459 だから いま一度 前に進もう。 1146 01:43:48,459 --> 01:43:54,459 そして 平等な刻を 世界中に届けよう。 1147 01:43:56,451 --> 01:44:02,457 それが 私たちの恩返しであり→ 1148 01:44:02,457 --> 01:44:05,426 果たすべき使命だ! 1149 01:44:05,426 --> 01:44:07,445 (職工たち)おう! 1150 01:44:07,445 --> 01:44:26,464 ♬~ 1151 01:44:26,464 --> 01:44:33,454 〈金太郎は 宣言どおり 時計の弁償を実行しました〉 1152 01:44:33,454 --> 01:44:36,457 こちらになります。 ありがとうございます。 1153 01:44:36,457 --> 01:44:42,513 ♬~ 1154 01:44:42,513 --> 01:44:45,449 用件とは なんでしょうか? 1155 01:44:45,449 --> 01:44:48,469 なあ 善路→ 1156 01:44:48,469 --> 01:44:51,455 工場を再建してからの 話になるが→ 1157 01:44:51,455 --> 01:44:55,459 精工舎は 夜間学校を作るつもりなんだ。 1158 01:44:55,459 --> 01:44:59,447 そこで お前に頼みたい事がある。 1159 01:44:59,447 --> 01:45:01,449 はあ…。 1160 01:45:01,449 --> 01:45:07,455 若い職工たちに 英語を教えてやってほしい。 1161 01:45:07,455 --> 01:45:10,458 いやいや… 私が先生って事ですか? 1162 01:45:10,458 --> 01:45:13,444 この俺が? 冗談 やめてくださいよ。 1163 01:45:13,444 --> 01:45:17,448 いや お前は人を教えるのに 向いてる。 1164 01:45:17,448 --> 01:45:22,448 お前は 人には それぞれの 進み具合があるって事を知ってる。 1165 01:45:27,441 --> 01:45:29,443 それに 善路は→ 1166 01:45:29,443 --> 01:45:33,447 本場の英語を使う環境で 働いている。 1167 01:45:33,447 --> 01:45:36,467 これ以上の適任者は いないよ。 1168 01:45:36,467 --> 01:45:49,467 ♬~ 1169 01:45:53,467 --> 01:45:59,467 あの頃 話してた形とは違うが 一緒に時計を作るぞ。 1170 01:46:04,445 --> 01:46:06,445 はい…。 1171 01:46:14,472 --> 01:46:20,478 ♬~ 1172 01:46:20,478 --> 01:46:23,481 (時計の音) 1173 01:46:23,481 --> 01:46:33,474 ♬~ 1174 01:46:33,474 --> 01:46:36,444 はい 直りましたよ。 1175 01:46:36,444 --> 01:46:39,463 本当にすごいわ。 1176 01:46:39,463 --> 01:46:42,466 これぐらい お安い御用です。 1177 01:46:42,466 --> 01:46:45,503 違うの。 1178 01:46:45,503 --> 01:46:48,472 いつか 全ての人々が→ 1179 01:46:48,472 --> 01:46:52,476 正確な時間の中で 生きる事になる…。 1180 01:46:52,476 --> 01:46:55,463 そう 父におっしゃったでしょ? 1181 01:46:55,463 --> 01:47:04,472 ♬~ 1182 01:47:04,472 --> 01:47:07,458 こんな世界が来る事が→ 1183 01:47:07,458 --> 01:47:12,458 あの時の金太郎さんには もう見えていたのね。 1184 01:47:15,466 --> 01:47:18,469 全ての出会いには意味がある。 1185 01:47:18,469 --> 01:47:22,469 それが いつかわかると 粂吉さんは言っていました。 1186 01:47:25,459 --> 01:47:29,459 それを今日 実感しています。 1187 01:47:33,484 --> 01:47:38,484 あの頃 私は あなたに恋をしていました。 1188 01:47:41,459 --> 01:47:45,459 こうなれたのは あなたのおかげです。 1189 01:47:48,466 --> 01:47:50,451 いいえ。 1190 01:47:50,451 --> 01:47:54,472 ここまで支えてくれた 奥様のおかげよ。 1191 01:47:54,472 --> 01:47:57,458 あっ…。 1192 01:47:57,458 --> 01:47:59,460 ウフフフ…。 1193 01:47:59,460 --> 01:48:02,446 (笠井)ねえ。 ねえ 技師長。 鶴にしか見えませんよね。 1194 01:48:02,446 --> 01:48:11,489 ♬~ 1195 01:48:11,489 --> 01:48:17,461 ♬~ 1196 01:48:17,461 --> 01:48:24,485 ♬~ 1197 01:48:24,485 --> 01:48:40,485 (鐘の音) 1198 01:53:32,376 --> 01:53:35,612 ♬~ なにかが変わってる どこかが変わってる 1199 01:53:35,612 --> 01:53:38,916 ♬~ ビーックリスプ! ビーックリスプ! 1200 01:53:38,916 --> 01:53:40,951 ♬~ なにかが変わってる 1201 01:53:40,951 --> 01:53:43,320 <気付かぬうちに 袋になったよ> (食べる音)ザクザクザクッ! 1202 01:53:43,320 --> 01:53:45,355 (福原)<カルビー「クリスプ」 リニューアル> わぁお! 1203 01:54:47,384 --> 01:54:49,884 ♬~ いいもの はじめタンサ 1204 01:54:52,556 --> 01:54:55,492 ♬~ 太りにくいカラダ はじめタンサ