1 00:00:01,235 --> 00:00:04,037 (ほら貝の音) 2 00:00:05,706 --> 00:00:10,310 今から500年前の戦国時代。 3 00:00:14,982 --> 00:00:22,589 勇猛果敢なサムライたちが 日本各地で 血で血を洗う合戦を繰り広げました。 4 00:00:26,493 --> 00:00:30,464 天下統一に向け 大きなターニングポイントとなった➡ 5 00:00:30,464 --> 00:00:33,901 7つの戦い。 6 00:00:33,901 --> 00:00:40,507 これまでは 日本国内の出来事として 描かれてきました。 7 00:00:44,611 --> 00:00:47,214 ところが 今➡ 8 00:00:47,214 --> 00:00:52,653 海外で 続々と新史料が発掘されています。 9 00:00:52,653 --> 00:00:55,556 そこから ヨーロッパの国々が➡ 10 00:00:55,556 --> 00:01:01,361 戦国日本に深く関係していたことが 明らかになってきたのです。 11 00:01:09,703 --> 00:01:12,239 (砲声) 12 00:01:12,239 --> 00:01:18,745 当時は ヨーロッパの国々が 富や領土を求め 世界各地に進出した… 13 00:01:22,883 --> 00:01:27,487 大海原へと乗り出した彼らが 壮大な野望を秘め➡ 14 00:01:27,487 --> 00:01:31,291 戦国日本へと押し寄せていたのです。 15 00:01:34,261 --> 00:01:38,165 この時 ヨーロッパの大国と対峙したのが➡ 16 00:01:38,165 --> 00:01:42,869 天下統一を目指す 3人の英雄たちでした。 17 00:01:45,005 --> 00:01:47,941 鉄砲をとれ! 18 00:01:47,941 --> 00:01:51,645 戦国の革命児 織田信長。 19 00:01:51,645 --> 00:01:54,247 その戦いを支援したのは… 20 00:01:59,987 --> 00:02:03,690 今回 特別に撮影が許された… 21 00:02:06,593 --> 00:02:11,164 そこから浮かび上がってきたのは 日本の軍事力を利用した➡ 22 00:02:11,164 --> 00:02:14,267 アジア征服計画。 23 00:02:25,579 --> 00:02:31,284 信長の跡を継いだ 豊臣秀吉の朝鮮出兵。 24 00:02:33,086 --> 00:02:36,323 その裏では ヨーロッパの超大国と➡ 25 00:02:36,323 --> 00:02:41,161 激しい駆け引きが 繰り広げられていました。 26 00:02:41,161 --> 00:02:45,165 スペインの富を 手に入れよ。 27 00:02:45,165 --> 00:02:51,204 そして 明国を 討ち滅ぼすのじゃ。 28 00:02:51,204 --> 00:02:53,607 (家臣たち)はっ! 29 00:03:09,923 --> 00:03:13,560 徳川の武勇を 天下に知らしめよ! 30 00:03:13,560 --> 00:03:15,495 押し出せ! 31 00:03:15,495 --> 00:03:20,267 戦国の世に終止符を打った 徳川家康。 32 00:03:20,267 --> 00:03:23,370 その最後の戦いとなったのが… 33 00:03:27,074 --> 00:03:30,377 徳川と豊臣の争いの背後には➡ 34 00:03:30,377 --> 00:03:36,583 世界制覇をねらう オランダとスペインの 激しい対立がありました。 35 00:03:41,955 --> 00:03:46,793 スペインのねらいは 日本の征服ですぞ。 36 00:03:46,793 --> 00:03:49,696 オランダに だまされてはならない。 37 00:03:49,696 --> 00:03:52,199 やつらは ただの海賊だ。 38 00:03:55,502 --> 00:04:01,908 ヨーロッパの大国がねらうのは 世界屈指の産出量を誇る 日本の… 39 00:04:09,015 --> 00:04:12,486 戦国日本は 世界のパワーバランスを➡ 40 00:04:12,486 --> 00:04:15,489 大きく塗り替えていきます。 41 00:04:31,705 --> 00:04:37,577 世界規模のグローバルな視点から 明らかになる 新たな歴史。 42 00:04:37,577 --> 00:04:43,717 戦国日本と世界が織り成す 激動の時代を描きます。 43 00:04:43,717 --> 00:04:52,125 ♬~ 44 00:04:56,196 --> 00:05:01,768 愛知県新城市にある 長篠の戦いの跡地。 45 00:05:01,768 --> 00:05:04,271 2019年 夏➡ 46 00:05:04,271 --> 00:05:11,044 戦国の覇者 織田信長をめぐる 大きな発見がありました。 47 00:05:11,044 --> 00:05:14,247 ここだ ここだ。 48 00:05:17,284 --> 00:05:22,889 50人掛かりで行われた 初めての大規模な調査。 49 00:05:41,141 --> 00:05:46,046 見つかったのは 長篠の戦いで信長軍が使った… 50 00:05:49,849 --> 00:05:56,923 ここに 信長と世界との 意外なつながりがありました。 51 00:05:56,923 --> 00:06:10,904 ♬~ 52 00:06:10,904 --> 00:06:13,173 (馬のいななき) 53 00:06:13,173 --> 00:06:16,076 (喚声) 54 00:06:16,076 --> 00:06:20,747 武田信玄の跡を継いだ勝頼が 騎馬軍団を率い➡ 55 00:06:20,747 --> 00:06:26,653 信長と同盟を結ぶ 徳川家康の領地へと攻め入りました。 56 00:06:30,557 --> 00:06:37,330 対する信長は 3万の援軍を送り 家康を支援。 57 00:06:37,330 --> 00:06:43,136 武田軍と 織田・徳川連合軍は 正面から ぶつかります。 58 00:06:46,239 --> 00:06:51,811 甲斐を拠点に戦国最強と恐れられていた 武田家。 59 00:06:51,811 --> 00:06:54,147 天下統一を目指す信長を➡ 60 00:06:54,147 --> 00:06:56,750 脅かしていました。 61 00:07:01,888 --> 00:07:04,925 鉄砲をとれ! 62 00:07:04,925 --> 00:07:09,229 宿敵 武田を打ち破るため 信長は➡ 63 00:07:09,229 --> 00:07:13,733 当時 最新の兵器だった鉄砲を大量に投入。 64 00:07:16,670 --> 00:07:18,672 構え! 65 00:07:22,609 --> 00:07:25,979 (銃声) 66 00:07:25,979 --> 00:07:29,249 騎馬軍団を主力とする武田軍は➡ 67 00:07:29,249 --> 00:07:33,954 なすすべなく敗れ去った と言われてきました。 68 00:07:36,990 --> 00:07:41,661 ところが 長篠の戦いの絵図をつぶさに見ると➡ 69 00:07:41,661 --> 00:07:46,466 武田軍の中にも 鉄砲を構える兵士たちの姿が…。 70 00:07:50,036 --> 00:07:55,909 実は 長篠の戦いは 「鉄砲 対 鉄砲」の戦いでもあったのです。 71 00:07:55,909 --> 00:08:00,613 何が両者の勝敗を分けたのか。 72 00:08:06,820 --> 00:08:12,726 その謎を解く手がかりが 武田家ゆかりの神社に残されていました。 73 00:08:23,570 --> 00:08:26,840 鉄砲玉のもととして徴集していたのは➡ 74 00:08:26,840 --> 00:08:29,776 なんと おさい銭。 75 00:08:29,776 --> 00:08:34,280 武田軍は 原料の入手に 苦労していたのです。 76 00:08:36,116 --> 00:08:40,687 その不足を補うため 銅で出来たさい銭を鋳潰し➡ 77 00:08:40,687 --> 00:08:44,391 鉄砲玉へと作り替えていました。 78 00:08:47,394 --> 00:08:50,063 ところが…。 79 00:08:50,063 --> 00:08:52,065 (暴発音) 80 00:08:54,000 --> 00:08:57,137 銅の弾丸は 銃身に詰まりやすく➡ 81 00:08:57,137 --> 00:09:00,740 暴発が多かった といいます。 82 00:09:03,243 --> 00:09:08,248 一方 今回発見された 信長軍の鉄砲玉の素材は… 83 00:09:09,983 --> 00:09:15,088 当時の日本では 極めて貴重な金属でした。 84 00:09:17,757 --> 00:09:20,560 鉛の成分を解析した結果… 85 00:09:35,008 --> 00:09:41,414 信長軍の弾丸は 海外で産出された鉛で出来ていたのです。 86 00:09:44,150 --> 00:09:46,753 詳しい産地を特定するため➡ 87 00:09:46,753 --> 00:09:51,658 世界各地の鉱山が 徹底的に調査されました。 88 00:09:54,494 --> 00:09:57,764 候補の一つとして 浮かび上がってきたのは➡ 89 00:09:57,764 --> 00:10:03,369 日本から 4,000km離れた 東南アジアのタイです。 90 00:10:08,475 --> 00:10:12,812 首都バンコクから 車で4時間。 91 00:10:12,812 --> 00:10:16,716 タイ西部の山奥にある 鉱山です。 92 00:10:21,287 --> 00:10:25,058 坑道の総距離は 50km。 93 00:10:25,058 --> 00:10:28,962 アジア有数の巨大鉱山。 94 00:10:41,508 --> 00:10:43,910 鉛の… 95 00:10:45,745 --> 00:10:53,553 鉄砲玉に換算すると 20億発に相当する 巨大な鉛の生産地でした。 96 00:10:56,756 --> 00:11:00,760 光り輝く部分が鉛です。 97 00:11:05,765 --> 00:11:08,368 分子レベルでの分析によって➡ 98 00:11:08,368 --> 00:11:17,076 この鉱山の鉛と 長篠の戦いで使われた 弾丸の成分が一致しました。 99 00:11:21,014 --> 00:11:25,785 海外の鉱山まで延びる この鉛のネットワークこそが➡ 100 00:11:25,785 --> 00:11:29,889 信長の勝因の一つだったのです。 101 00:11:42,602 --> 00:11:49,609 一体 信長は このタイの鉛を どうやって手に入れていたのか。 102 00:11:54,213 --> 00:11:59,819 それをひもとくカギが アラビア海で見つかりました。 103 00:12:05,692 --> 00:12:09,495 沈んでいたのは 大航海時代の… 104 00:12:12,165 --> 00:12:16,769 大量の武器 弾薬を運んでいました。 105 00:12:18,404 --> 00:12:21,107 中には ヨーロッパで作られた… 106 00:12:26,079 --> 00:12:29,983 これらを運んでいたのが ヨーロッパの国… 107 00:12:31,818 --> 00:12:38,825 信長が鉛を入手できたのも この国の交易船のおかげだったのです。 108 00:12:46,299 --> 00:12:51,104 イベリア半島の西側に位置する ポルトガル。 109 00:12:51,104 --> 00:12:57,610 16世紀半ば 日本が初めて出会った ヨーロッパの国でもあります。 110 00:13:01,848 --> 00:13:09,088 優れた航海技術で 大航海時代の先駆者となったポルトガル。 111 00:13:09,088 --> 00:13:15,094 この国が 海外進出にあたり 特に力を入れていたもの…。 112 00:13:17,563 --> 00:13:20,266 それが… 113 00:13:28,274 --> 00:13:31,778 カトリックの総本山… 114 00:13:37,817 --> 00:13:44,924 戦国日本に関する貴重な史料の撮影が 特別に許可されました。 115 00:13:57,837 --> 00:14:01,474 ここに 日本に鉛を売るよう命じた➡ 116 00:14:01,474 --> 00:14:05,778 ポルトガル人の名前が記されていました。 117 00:14:09,015 --> 00:14:13,419 日本へと派遣された宣教師のリーダー… 118 00:14:21,994 --> 00:14:25,498 あの人 目が4つある! 119 00:14:29,669 --> 00:14:33,473 当時 日本になかった 眼鏡をかけていたことから➡ 120 00:14:33,473 --> 00:14:37,577 「四ツ目のカブラル」と呼ばれていました。 121 00:14:43,816 --> 00:14:48,287 1572年 カブラルは初めて➡ 122 00:14:48,287 --> 00:14:51,390 信長の屋敷を訪問します。 123 00:14:54,627 --> 00:15:00,099 信長様に申し上げたきことがございます。 124 00:15:00,099 --> 00:15:07,707 どうか 我々の布教活動を 後押しして頂きたい。 125 00:15:10,676 --> 00:15:14,080 考えておこう。 126 00:15:17,049 --> 00:15:20,787 日本と宣教師との関係に 詳しい専門家は➡ 127 00:15:20,787 --> 00:15:25,091 カブラルのねらいを こう分析します。 128 00:15:36,169 --> 00:15:38,671 …というわけです。 129 00:15:41,040 --> 00:15:44,577 カブラルは 布教を後押ししてもらうため➡ 130 00:15:44,577 --> 00:15:51,083 戦に欠かせない軍事物資を 信長に提供していたのです。 131 00:15:57,890 --> 00:16:01,761 カブラルをはじめ 宣教師が担っていたのは➡ 132 00:16:01,761 --> 00:16:07,667 全世界をキリスト教の国にする という壮大な使命。 133 00:16:10,870 --> 00:16:14,440 それを達成するため 宣教師が日本で➡ 134 00:16:14,440 --> 00:16:20,246 極秘の情報活動をしていたことも 明らかになってきました。 135 00:16:20,246 --> 00:16:26,052 1572年の記録。 136 00:16:26,052 --> 00:16:32,758 ひそかに進められていた将軍の暗殺計画を つかんだことを記しています。 137 00:16:35,194 --> 00:16:40,099 信長配下の軍勢の動きも 正確に把握。 138 00:16:44,871 --> 00:16:49,208 宣教師は 各地の日本人キリシタンと協力して➡ 139 00:16:49,208 --> 00:16:56,415 広大な情報網を築き 戦国武将の動向を探っていたのです。 140 00:17:07,059 --> 00:17:09,762 それにより… 141 00:17:18,704 --> 00:17:22,208 宣教師は 布教の拡大を図るため➡ 142 00:17:22,208 --> 00:17:27,013 各地の戦国武将に接触を試みていました。 143 00:17:31,350 --> 00:17:36,656 その中で最も有力な候補者と考えたのが… 144 00:17:41,794 --> 00:17:46,399 現在の愛知 尾張の小さな領主だった 信長は➡ 145 00:17:46,399 --> 00:17:50,703 急速に勢力を広げていました。 146 00:17:53,105 --> 00:17:57,710 「信長は もともと 弱小国の武将だったが➡ 147 00:17:57,710 --> 00:18:04,116 鋭い判断力と慎重さを持っている」。 148 00:18:06,519 --> 00:18:08,521 鉄砲をとれ! 149 00:18:10,289 --> 00:18:17,063 信長は 宣教師と手を組んだことで 大量の軍事物資を獲得。 150 00:18:17,063 --> 00:18:21,567 長篠の戦いに勝利し 天下統一に向け➡ 151 00:18:21,567 --> 00:18:25,571 大きな一歩を 踏み出したのです。 152 00:18:29,675 --> 00:18:33,479 しかし 信長の前には… 153 00:18:44,256 --> 00:18:48,561 信長と 10年に及ぶ死闘を繰り広げた… 154 00:18:53,799 --> 00:19:05,411 ♬~ 155 00:19:05,411 --> 00:19:09,315 石山本願寺を率いるのは… 156 00:19:11,550 --> 00:19:16,155 武装した僧侶や信徒を 大勢 率いていました。 157 00:19:17,957 --> 00:19:24,330 最新の鉄砲も いち早く導入し 信長軍を窮地に追い込みます。 158 00:19:24,330 --> 00:19:26,265 (銃声) 159 00:19:26,265 --> 00:19:31,537 更に 各地の大名と連携し➡ 160 00:19:31,537 --> 00:19:35,374 「信長包囲網」を形成。 161 00:19:35,374 --> 00:19:41,180 その勢力は 信長軍を はるかに しのいでいました。 162 00:19:45,851 --> 00:19:48,854 苦境に立たされた信長。 163 00:19:48,854 --> 00:19:54,960 この時 救いの手を差し伸べたのが あの宣教師でした。 164 00:20:01,700 --> 00:20:06,639 今回 撮影が許された 宣教師の機密文書。 165 00:20:06,639 --> 00:20:11,444 石山合戦についても 記録が残されていました。 166 00:20:53,452 --> 00:20:57,656 …と 宣教師たちは考えたのです。 167 00:21:00,559 --> 00:21:06,465 キリスト教以外の宗教は 邪教 悪魔の教えであると考えていた➡ 168 00:21:06,465 --> 00:21:10,002 当時の宣教師。 169 00:21:10,002 --> 00:21:17,910 信長の敵である仏教勢力が くしくも 宣教師たちの敵でもあったのです。 170 00:21:20,212 --> 00:21:25,918 信長と宣教師は 起死回生の策を講じます。 171 00:21:29,488 --> 00:21:33,726 キリスト教の布教に 大きな貢献をした人々をまつる➡ 172 00:21:33,726 --> 00:21:36,762 スペインの教会。 173 00:21:36,762 --> 00:21:41,967 カギを握った日本人が描かれていました。 174 00:21:57,516 --> 00:22:00,019 そして… 175 00:22:07,259 --> 00:22:12,464 この右近こそ 仏教勢力を打ち破る切り札でした。 176 00:22:16,001 --> 00:22:21,607 右近は 石山本願寺に近い 摂津国の領主。 177 00:22:21,607 --> 00:22:24,577 ここが 信長軍の攻撃拠点となれば➡ 178 00:22:24,577 --> 00:22:27,980 戦いが有利になります。 179 00:22:30,349 --> 00:22:38,490 1578年 信長は 右近を説得するため 宣教師を派遣。 180 00:22:38,490 --> 00:22:42,294 味方にならなければ キリスト教を弾圧すると➡ 181 00:22:42,294 --> 00:22:44,697 脅していました。 182 00:22:46,165 --> 00:22:53,572 石山合戦がどんなに重要か 分かっておられるのですか? 183 00:22:55,407 --> 00:22:58,978 さようなこと 重々承知しておる。 184 00:22:58,978 --> 00:23:02,848 しかし 我が殿は➡ 185 00:23:02,848 --> 00:23:06,051 信長様と敵対しておるのじゃ。 186 00:23:11,023 --> 00:23:19,531 この国のキリスト教の行く末が あなたの決断に懸かっているのですぞ。 187 00:23:21,800 --> 00:23:25,504 宣教師は 度々 右近のもとを訪れ➡ 188 00:23:25,504 --> 00:23:28,407 説得を重ねます。 189 00:23:35,080 --> 00:23:39,018 それがし デウス様の導きに従うのみ。 190 00:23:39,018 --> 00:23:45,324 それゆえ 信長様にお仕えいたしまする。 191 00:23:48,327 --> 00:23:51,263 これで大局が動きだす。 192 00:23:51,263 --> 00:23:56,001 勝利の暁には 褒美を取らそう。 193 00:23:56,001 --> 00:23:59,705 ありがたき幸せ。 194 00:24:05,644 --> 00:24:07,579 かかれ! 195 00:24:07,579 --> 00:24:10,282 (家臣たち)おう! 196 00:24:12,351 --> 00:24:19,058 右近を中心に 1万人を超える キリシタンの援軍を得た 信長軍。 197 00:24:19,058 --> 00:24:25,464 宣教師の力を借り ついに 最大の敵を打ち破ります。 198 00:24:29,802 --> 00:24:33,005 天下統一を目前にした信長は➡ 199 00:24:33,005 --> 00:24:38,010 日本の新たな中心とすべく 安土城を築城。 200 00:24:39,712 --> 00:24:43,582 城下町には 宣教師の希望を受け入れ➡ 201 00:24:43,582 --> 00:24:48,087 キリシタンを養成する神学校が 建てられました。 202 00:25:11,643 --> 00:25:16,448 キリシタンの勢力拡大をねらっていた 宣教師。 203 00:25:18,350 --> 00:25:23,355 それを示す史料が ポルトガルで発見されました。 204 00:25:30,763 --> 00:25:37,269 こちらが 日本で描かれた南蛮屏風です。 205 00:25:38,971 --> 00:25:44,877 日本へとやって来た ポルトガル人の様子が描かれた 屏風絵。 206 00:25:47,413 --> 00:25:55,020 修繕を行おうと裏側を外したところ 驚くべき発見がありました。 207 00:25:57,890 --> 00:26:05,497 補強のために使われていた書簡やメモ類が 大量に現れたのです。 208 00:26:17,976 --> 00:26:20,779 …と思いますよ。 209 00:26:23,582 --> 00:26:30,889 屏風から 神学校で使われたと考えられる 「教科書」が見つかりました。 210 00:26:35,794 --> 00:26:40,099 天使や悪魔を知らなかった 当時の日本人。 211 00:26:41,633 --> 00:26:47,639 悪魔は 「天狗」になぞらえ 教えられていました。 212 00:26:50,309 --> 00:26:54,246 大きい鼻が特徴的な似顔絵。 213 00:26:54,246 --> 00:27:00,752 日本人生徒が宣教師を描いた 落書きと考えられています。 214 00:27:04,223 --> 00:27:06,558 神学校に通っていたのは➡ 215 00:27:06,558 --> 00:27:13,665 10歳から18歳までの 各地の大名や有力武将の子どもたち。 216 00:27:16,068 --> 00:27:24,576 彼らを取り込むことで 宣教師は 日本国内に着々と勢力を広げていました。 217 00:27:31,950 --> 00:27:39,458 この度は 神学校を建てて頂き ありがとうございます。 218 00:27:39,458 --> 00:27:45,664 礼には及ばん。 更なる布教に励むがよい。 219 00:27:45,664 --> 00:27:50,769 それでこそ 我が威光も増すというものよ。 220 00:27:53,472 --> 00:27:58,076 信長に取り入ることに成功した宣教師。 221 00:28:00,178 --> 00:28:06,885 しかし 宣教師は 信長の想像を超える 野望を秘めていました。 222 00:28:11,223 --> 00:28:15,127 インド西部の都市 ゴア。 223 00:28:20,899 --> 00:28:26,371 ヒンドゥー教徒が多いインドで 人口の3割がキリスト教徒という➡ 224 00:28:26,371 --> 00:28:29,374 珍しい町です。 225 00:28:34,112 --> 00:28:38,817 きっかけは 大航海時代に遡ります。 226 00:28:42,754 --> 00:28:47,459 コショウやクローブなど アジアでとれる香辛料を求め➡ 227 00:28:47,459 --> 00:28:50,963 ポルトガルの船が到来。 228 00:28:54,100 --> 00:29:01,206 同時にゴアの町にもたらされたのが キリスト教でした。 229 00:29:08,046 --> 00:29:10,616 町を武力で制圧し➡ 230 00:29:10,616 --> 00:29:16,755 伝統的なヒンドゥー教の宗教施設を ことごとく破壊。 231 00:29:16,755 --> 00:29:23,562 跡地に教会を建て 住民たちに改宗を強いたのです。 232 00:29:28,867 --> 00:29:34,973 従わない者には 容赦ない罰が待ち受けていました。 233 00:30:03,468 --> 00:30:06,805 柱には 縄の跡。 234 00:30:06,805 --> 00:30:12,711 石が削られるほど頻繁に使われたことを うかがわせます。 235 00:30:24,222 --> 00:30:27,626 つまり… 236 00:30:38,804 --> 00:30:44,710 キリスト教の布教に秘められていた 征服の意図。 237 00:30:49,348 --> 00:30:56,621 ポルトガルによるゴアの支配は その後 400年以上も続きます。 238 00:30:56,621 --> 00:31:02,127 こうした脅威が 戦国日本にも迫っていたのです。 239 00:31:04,963 --> 00:31:09,968 日本を キリスト教の国につくり替えようとした… 240 00:31:13,672 --> 00:31:19,578 そのための具体的なプランが 史料に記されていました。 241 00:31:22,914 --> 00:31:28,620 「信長をキリスト教に改宗させる」。 242 00:31:31,423 --> 00:31:38,430 「そうすれば 日本人を すばやくキリスト教に改宗させられる」。 243 00:31:42,000 --> 00:31:47,606 カブラルは 早速 信長の説得にかかります。 244 00:31:57,249 --> 00:32:03,755 天下統一を望むのなら デウス様に仕えるのです。 245 00:32:05,657 --> 00:32:10,462 何? わしに キリシタンになれと申すか。 246 00:32:16,067 --> 00:32:19,504 信長自身は改宗しなかったものの➡ 247 00:32:19,504 --> 00:32:24,509 一族や家臣がキリシタンになることは 認めます。 248 00:32:27,145 --> 00:32:31,082 信長は 宣教師の計画を察知しながらも➡ 249 00:32:31,082 --> 00:32:36,988 軍事物資を得るため 手を組み続けたと考えられています。 250 00:33:05,650 --> 00:33:11,122 ところが 石山合戦が終結した 1580年➡ 251 00:33:11,122 --> 00:33:16,928 宣教師の計画を加速させる事態が ヨーロッパで起きます。 252 00:33:18,864 --> 00:33:22,234 「征服王」と呼ばれた スペインのフェリペⅡ世が➡ 253 00:33:22,234 --> 00:33:25,470 ポルトガルを 併合したのです。 254 00:33:25,470 --> 00:33:30,075 これは 世界情勢を 大きく塗り替える出来事でした。 255 00:33:32,043 --> 00:33:38,650 当時 無敵艦隊を抱え 世界有数の海軍力を誇った スペイン。 256 00:33:40,485 --> 00:33:45,357 そのスペインが ポルトガルの 広大な植民地をも のみ込み➡ 257 00:33:45,357 --> 00:33:49,761 世界の覇権を手中に収めたのです。 258 00:33:54,032 --> 00:33:57,903 日の沈まない大国➡ 259 00:33:57,903 --> 00:34:02,207 スペイン帝国の誕生です。 260 00:34:36,241 --> 00:34:40,612 フェリペ2世の言葉です。 261 00:34:40,612 --> 00:34:46,718 「アジアの征服に尽力せよ」。 262 00:34:50,388 --> 00:34:56,695 この指令は 日本にいた宣教師たちにも 直ちに伝えられます。 263 00:34:59,497 --> 00:35:04,336 戦国日本に迫る 帝国スペインの脅威。 264 00:35:04,336 --> 00:35:09,541 対する信長は どう考えていたのか。 265 00:35:13,078 --> 00:35:18,350 手がかりとなる記録が残されていました。 266 00:35:18,350 --> 00:35:21,219 宣教師の情報網がつかんだ➡ 267 00:35:21,219 --> 00:35:27,359 信長と 家臣・豊臣秀吉の会話です。 268 00:35:27,359 --> 00:35:31,162 「秀吉は言った」… 269 00:35:43,875 --> 00:35:47,278 上様 申し上げたいことが…。 270 00:35:47,278 --> 00:35:49,914 何じゃ? 271 00:35:49,914 --> 00:35:53,284 宣教師のことです。 272 00:35:53,284 --> 00:35:58,590 やつらは 日本を征服するため この地まで来ておるに違いありませぬぞ。 273 00:36:00,091 --> 00:36:04,562 宣教師を脅威と捉え 進言した秀吉。 274 00:36:04,562 --> 00:36:09,968 しかし 信長の考えは異なっていました。 275 00:36:12,871 --> 00:36:16,474 案ずるな。 やつらの野望には➡ 276 00:36:16,474 --> 00:36:19,377 いまだ 時がかかるであろう。 277 00:36:22,280 --> 00:36:28,086 スペインが はるかヨーロッパから 大軍を送り込むのは難しい。 278 00:36:28,086 --> 00:36:35,393 日本が直ちに征服されることはないと 信長は踏んでいたのかもしれません。 279 00:36:39,497 --> 00:36:44,335 更に 信長の判断に 影響を与えていたと言われるのが➡ 280 00:36:44,335 --> 00:36:47,539 戦国日本で 起きていた… 281 00:36:52,010 --> 00:36:58,116 その実態が 最新の科学調査から 明らかになっています。 282 00:37:01,653 --> 00:37:05,423 ここは 大型放射光施設。 283 00:37:05,423 --> 00:37:08,326 従来のX線装置よりも詳細に➡ 284 00:37:08,326 --> 00:37:12,831 物体の内部構造を 分析することができます。 285 00:37:22,774 --> 00:37:26,277 調査するのは 「鉄砲」の進化。 286 00:37:26,277 --> 00:37:30,081 日本に伝来してから どんな変化が起きたのか➡ 287 00:37:30,081 --> 00:37:32,984 海外産と比較します。 288 00:37:40,258 --> 00:37:44,462 放射線で透視した 銃身の断面。 289 00:37:44,462 --> 00:37:49,901 黒い部分は 鉄に含まれる不純物です。 290 00:37:49,901 --> 00:37:52,504 海外産と比べ 国産は➡ 291 00:37:52,504 --> 00:37:56,374 不純物が均等に分散しています。 292 00:37:56,374 --> 00:38:01,980 これは 銃身の強度が安定していることを 示しています。 293 00:38:27,038 --> 00:38:32,043 秘密は 「鍛造」と呼ばれる 技法にありました。 294 00:38:34,245 --> 00:38:38,950 この技は 日本刀の製作で磨かれたものです。 295 00:38:40,652 --> 00:38:46,257 鉄を鍛え上げることで 強度を飛躍的に高めたのです。 296 00:38:48,526 --> 00:38:55,233 進化した国産銃の威力を確かめるため 実弾発射実験を行います。 297 00:39:03,875 --> 00:39:10,682 狙うのは 戦国時代によく用いられた 鋼鉄製の甲冑。 298 00:39:15,820 --> 00:39:17,822 (銃声) 299 00:39:21,125 --> 00:39:23,061 (銃声) 300 00:39:23,061 --> 00:39:26,564 日本の技で鍛え抜かれた鉄の銃身は➡ 301 00:39:26,564 --> 00:39:30,101 火薬を大量に詰めても ゆがむことなく➡ 302 00:39:30,101 --> 00:39:34,606 その爆発力を弾丸に伝えます。 303 00:39:38,142 --> 00:39:41,546 日本の鉄砲は ヨーロッパとは異なる➡ 304 00:39:41,546 --> 00:39:45,550 独自のイノベーションを 遂げていたのです。 305 00:39:49,887 --> 00:39:56,394 この進化した鉄砲の大量生産を 推し進めたのが 信長でした。 306 00:39:58,062 --> 00:40:02,166 信長が直轄地として治めた… 307 00:40:07,605 --> 00:40:15,013 地元の商人が 鉄砲伝来の地 種子島から いち早く製造方法を持ち帰り➡ 308 00:40:15,013 --> 00:40:19,217 一大産地へと発展しました。 309 00:40:22,820 --> 00:40:27,825 見つかったのは 鉄砲の製造について記された… 310 00:40:38,636 --> 00:40:40,738 注目したのは… 311 00:40:45,843 --> 00:40:50,682 銃身から 台座 火蓋まで。 312 00:40:50,682 --> 00:40:54,619 戦国時代には パーツごとに分業制がとられ➡ 313 00:40:54,619 --> 00:41:00,024 鉄砲の大量生産が行われていたと 考えられています。 314 00:41:01,893 --> 00:41:06,597 戦国日本にあった鉄砲の数は 30万丁と言われ➡ 315 00:41:06,597 --> 00:41:11,402 「世界一の銃大国」になったと されています。 316 00:41:13,938 --> 00:41:16,040 鉄砲をとれ! 317 00:41:19,243 --> 00:41:25,249 世界でも突出した軍事力を 手中に収めていた 信長。 318 00:41:32,590 --> 00:41:36,294 その様子をつぶさに見ていた宣教師。 319 00:41:36,294 --> 00:41:40,098 計画の変更を迫られます。 320 00:41:40,098 --> 00:41:46,871 日本は 絶え間なく 軍事力を高めている。 321 00:41:46,871 --> 00:41:52,310 ここで 日本と戦争をすることは 得策ではなかろう。 322 00:41:52,310 --> 00:42:01,119 だが この軍事力は 将来 必ず スペインの利益となるであろう。 323 00:42:03,454 --> 00:42:07,759 日本の軍事力をどう利用するのか。 324 00:42:10,228 --> 00:42:12,463 それをひもとく記述が➡ 325 00:42:12,463 --> 00:42:18,169 スペイン帝国に宛てた宣教師の機密文書に 残されていました。 326 00:42:19,904 --> 00:42:26,711 浮かび上がってきたのは アジア征服に向けた 壮大な計画です。 327 00:42:29,180 --> 00:42:35,520 「我々の最大の目標は 中国の征服である。➡ 328 00:42:35,520 --> 00:42:38,322 それは」… 329 00:42:45,163 --> 00:42:48,399 当時 明と呼ばれた中国は➡ 330 00:42:48,399 --> 00:42:53,004 アジア最大の 国土と人口を抱えていました。 331 00:42:54,705 --> 00:43:03,314 更に 高価な陶磁器や絹織物を生産する 世界一豊かな国でもありました。 332 00:43:05,983 --> 00:43:09,921 キリスト教がアジアを席巻するためには➡ 333 00:43:09,921 --> 00:43:15,426 この国の征服が不可欠と 考えられていました。 334 00:43:48,392 --> 00:43:54,699 アジア征服のため 日本の軍事力を利用しようとする宣教師。 335 00:43:56,434 --> 00:44:03,441 宣教師がもたらす軍事物資を使って 天下統一を目指す 信長。 336 00:44:05,209 --> 00:44:10,114 お互いの利益のために 結び付いてきた両者。 337 00:44:10,114 --> 00:44:15,019 しかし その関係に終わりが近づきます。 338 00:44:19,357 --> 00:44:23,127 信長の言葉です。 339 00:44:23,127 --> 00:44:27,732 「我 神にならん」。 340 00:44:30,468 --> 00:44:35,706 天下統一を目前に自信を深めた 信長。 341 00:44:35,706 --> 00:44:38,175 キリスト教の神ではなく➡ 342 00:44:38,175 --> 00:44:43,581 自分こそ この世の支配者だと宣言したのです。 343 00:44:45,917 --> 00:44:51,822 それは 宣教師にとって 許すことができない発言でした。 344 00:45:01,065 --> 00:45:05,903 信長は 意のままにはならない。 345 00:45:05,903 --> 00:45:09,774 戦略の立て直しを迫られた宣教師。 346 00:45:09,774 --> 00:45:13,878 新たな計画に乗り出していました。 347 00:45:15,613 --> 00:45:21,619 実行の舞台は 信長の拠点から遠く 中国大陸にも近い… 348 00:45:24,889 --> 00:45:28,993 宣教師が作った計画書です。 349 00:45:45,242 --> 00:45:50,047 宣教師は 貿易港として栄える長崎一帯を➡ 350 00:45:50,047 --> 00:45:55,953 キリシタン大名から譲り受け 直接 支配下に置きます。 351 00:45:58,189 --> 00:46:05,496 岬の突端にあった教会を 難攻不落の要塞へと造り替えました。 352 00:46:08,532 --> 00:46:17,141 更に 3年前 宣教師と九州をつなぐ 新たな発見が ロシアでありました。 353 00:46:20,578 --> 00:46:24,582 当時 世界最先端の兵器だった… 354 00:46:26,450 --> 00:46:29,086 (砲声) 355 00:46:29,086 --> 00:46:35,493 鉄砲に比べ 破壊力も飛距離も 格段に増していました。 356 00:46:38,796 --> 00:46:42,967 宣教師が大砲を送った キリシタン大名の名が➡ 357 00:46:42,967 --> 00:46:46,570 砲身に残されていました。 358 00:46:56,881 --> 00:47:03,254 「フランシスコ」とは 現在の大分 豊後国の戦国大名だった➡ 359 00:47:03,254 --> 00:47:06,357 大友宗麟の洗礼名。 360 00:47:08,759 --> 00:47:14,165 宣教師から最新の兵器などを提供された 九州の大名たちが➡ 361 00:47:14,165 --> 00:47:18,869 次々とキリスト教に改宗していたのです。 362 00:47:42,660 --> 00:47:49,367 このころ 日本のキリシタンは 九州を中心に 10万人に増加。 363 00:47:51,102 --> 00:47:55,005 巨大な勢力へと成長していました。 364 00:48:00,878 --> 00:48:06,984 宣教師を 天下統一のための駒と考えた信長。 365 00:48:08,886 --> 00:48:10,855 しかし 宣教師は➡ 366 00:48:10,855 --> 00:48:17,762 信長の想像を超えた アジア征服計画を 実現しようとしていたのです。 367 00:48:19,530 --> 00:48:25,236 貴様ら この国で 何をしようとしておるのじゃ。 368 00:48:29,206 --> 00:48:32,910 盗人でございます。 369 00:48:35,012 --> 00:48:37,014 何? 370 00:48:50,361 --> 00:48:52,763 御託はよい! 371 00:48:54,598 --> 00:48:58,469 貴様らの教えは信じておらん。 372 00:48:58,469 --> 00:49:01,372 全ては デウス様の…。 373 00:49:01,372 --> 00:49:06,177 この国の民を統率するのが➡ 374 00:49:06,177 --> 00:49:10,080 なぜ 神の教えなのじゃ。 375 00:49:15,853 --> 00:49:22,626 緊張をはらんだ両者の関係は 突然の事件によって断ち切られます。 376 00:49:22,626 --> 00:49:40,110 ♬~ 377 00:49:40,110 --> 00:49:42,947 本能寺の変。 378 00:49:42,947 --> 00:49:44,949 京都にいた信長が➡ 379 00:49:44,949 --> 00:49:50,054 家臣・明智光秀の軍勢に 襲われたのです。 380 00:49:52,623 --> 00:49:57,428 この時の様子を 宣教師が つぶさに記録していました。 381 00:50:15,012 --> 00:50:17,314 (銃声) 382 00:50:19,483 --> 00:50:26,824 信長は 自身を戦国の覇者へと導いた 鉄砲に撃ち抜かれました。 383 00:50:26,824 --> 00:50:28,926 これまでか…。 384 00:50:31,595 --> 00:50:39,203 天下統一を目指す信長の野望は ここに砕け散りました。 385 00:50:44,508 --> 00:50:51,615 その後 信長の意思を継ぎ 天下統一を成し遂げた 豊臣秀吉。 386 00:50:54,151 --> 00:50:59,757 キリシタンは脅威だと 信長に進言していました。 387 00:51:02,459 --> 00:51:06,864 ところが 今回 スペインで新たに発見した史料には➡ 388 00:51:06,864 --> 00:51:10,668 意外な一文が記されていました。 389 00:51:13,637 --> 00:51:16,640 「信長の死は➡ 390 00:51:16,640 --> 00:51:21,345 キリシタンの増加に つながった」。 391 00:51:24,782 --> 00:51:32,323 秀吉の時代 国内のキリシタンは 順調に増え続けていたのです。 392 00:51:32,323 --> 00:51:40,497 そのきっかけは 秀吉と光秀が繰り広げた 信長の跡目争いにありました。 393 00:51:40,497 --> 00:51:53,711 ♬~ 394 00:51:53,711 --> 00:51:59,216 本能寺の変の11日後に起きた 山崎の戦い。 395 00:52:00,985 --> 00:52:06,824 豊臣秀吉が 謀反人 明智光秀を討ち果たした戦いです。 396 00:52:06,824 --> 00:52:09,393 (ほら貝の音と喚声) 397 00:52:09,393 --> 00:52:11,695 (のろしの上がる音) 398 00:52:13,263 --> 00:52:17,701 毛利攻めの最中だった秀吉は 主君の訃報を聞くや➡ 399 00:52:17,701 --> 00:52:23,507 破竹の勢いで京都へと駆け戻り 光秀を打ち倒します。 400 00:52:27,978 --> 00:52:32,583 実は この戦いにも 宣教師の影が…。 401 00:52:36,754 --> 00:52:42,459 スペインの王宮に その実態をひもとく 史料が残されていました。 402 00:52:50,934 --> 00:52:53,737 ここに… 403 00:52:55,706 --> 00:52:58,108 …と あります。 404 00:53:00,077 --> 00:53:02,680 高山右近。 405 00:53:02,680 --> 00:53:08,385 石山合戦で活躍した あのキリシタン大名です。 406 00:53:10,187 --> 00:53:13,691 秀吉が勝利するとにらんだ宣教師は➡ 407 00:53:13,691 --> 00:53:17,194 高山右近ら キリシタン大名に対し➡ 408 00:53:17,194 --> 00:53:22,199 秀吉側に加わるよう 働きかけていたのです。 409 00:53:51,628 --> 00:53:54,531 光秀を逃すな! 追え! 410 00:53:54,531 --> 00:53:57,134 (家臣たち)おう! 411 00:53:58,936 --> 00:54:02,339 秀吉軍の先鋒を務めた 右近。 412 00:54:05,709 --> 00:54:11,014 見事な活躍を見せ 秀吉の家臣に取り立てられます。 413 00:54:13,450 --> 00:54:19,656 キリシタンの力を利用することで 天下統一を目指した 秀吉。 414 00:54:21,492 --> 00:54:28,098 政権中枢には 多くのキリシタン大名が名を連ねました。 415 00:54:33,403 --> 00:54:38,809 この時代 キリスト教の教えが 急速に広まっていたことも➡ 416 00:54:38,809 --> 00:54:41,612 明らかになっています。 417 00:54:44,648 --> 00:54:50,254 京と大坂の中間に位置する要衝 高槻城。 418 00:54:52,022 --> 00:54:56,627 山崎の戦いで活躍したキリシタン大名➡ 419 00:54:56,627 --> 00:55:00,130 高山右近の居城です。 420 00:55:02,366 --> 00:55:07,204 2019年 二ノ丸の発掘調査が行われ➡ 421 00:55:07,204 --> 00:55:10,507 巨大な堀の跡が見つかりました。 422 00:55:12,075 --> 00:55:15,279 当時 最新の設備だった… 423 00:55:18,749 --> 00:55:23,020 堀の底に土手を築き 敵の侵入を難しくする➡ 424 00:55:23,020 --> 00:55:25,722 「障子堀」の跡。 425 00:55:27,858 --> 00:55:32,763 堅固な城の実態が明らかになりました。 426 00:55:36,667 --> 00:55:39,469 三ノ丸の跡から見つかったのは➡ 427 00:55:39,469 --> 00:55:42,172 27基に及ぶ… 428 00:55:47,678 --> 00:55:53,383 遺骨のそばには 数珠のような玉が散らばっていました。 429 00:55:53,383 --> 00:55:57,721 復元したところ キリスト教の信者が祈りに使う➡ 430 00:55:57,721 --> 00:56:01,124 「ロザリオ」だと判明。 431 00:56:05,195 --> 00:56:12,603 埋葬されていたのは 子どもから老人まで さまざまな年齢の男女でした。 432 00:56:20,010 --> 00:56:22,813 おそらく… 433 00:56:37,861 --> 00:56:43,967 秀吉の時代 日本のキリシタンは 30万人を突破。 434 00:56:45,602 --> 00:56:48,205 こうして 信長の死後も➡ 435 00:56:48,205 --> 00:56:53,910 キリスト教の信者は 着々と増え続けていたのです。 436 00:56:58,181 --> 00:57:03,020 キリスト教による世界制覇を目指す 宣教師たち。 437 00:57:03,020 --> 00:57:06,223 天下統一を目前にした秀吉のもとで➡ 438 00:57:06,223 --> 00:57:10,327 思わぬ追い風が 吹き始めます。 439 00:57:12,095 --> 00:57:18,769 秀吉殿は 日本を平定したあとは どのように? 440 00:57:18,769 --> 00:57:22,272 明国への出兵。 441 00:57:24,541 --> 00:57:27,778 秀吉が次なる目標と語ったのは➡ 442 00:57:27,778 --> 00:57:31,381 くしくも 宣教師のねらいと同じ… 443 00:57:39,022 --> 00:57:43,727 宣教師は この機会を見逃しませんでした。 444 00:57:45,796 --> 00:57:50,167 我らの軍船をお貸ししましょうか?➡ 445 00:57:50,167 --> 00:57:54,671 キリシタンも 意のままに動きましょう。 446 00:58:02,212 --> 00:58:15,559 ♬~ 447 00:58:15,559 --> 00:58:23,567 1592年 キリシタン大名を先陣とする 大部隊が海を渡りました。 448 00:58:25,235 --> 00:58:31,541 中国征服の足掛かりにしようと始まった 朝鮮出兵です。 449 00:58:33,944 --> 00:58:36,847 放て! (銃声) 450 00:58:36,847 --> 00:58:42,753 日本軍の猛攻撃を受けた朝鮮軍は 劣勢を強いられます。 451 00:58:46,556 --> 00:58:52,763 これに対し 中国の明が 朝鮮に大規模な援軍を派遣。 452 00:58:56,099 --> 00:59:03,840 戦いは激化し 推定で74万人が動員される 大戦争になりました。 453 00:59:03,840 --> 00:59:09,146 この時 最前線で戦う キリシタン大名の犠牲が急増。 454 00:59:10,914 --> 00:59:13,817 しかし これは 秀吉にとって➡ 455 00:59:13,817 --> 00:59:17,220 戦略の一環だったと 考えられています。 456 00:59:46,583 --> 00:59:50,787 拡大を続けるキリシタン勢力を 脅威と捉え➡ 457 00:59:50,787 --> 00:59:55,091 その力を削減しようとしていた 秀吉。 458 00:59:59,229 --> 01:00:04,067 これに先立ち 日本では 「バテレン追放令」が出され➡ 459 01:00:04,067 --> 01:00:08,271 キリスト教の布教も禁じられていました。 460 01:00:11,808 --> 01:00:17,814 キリシタンが主導する 神社仏閣の破壊や改宗の強制。 461 01:00:19,883 --> 01:00:25,188 キリスト教の布教活動が 目に余るようになっていたのです。 462 01:00:29,059 --> 01:00:34,264 秀吉に忠誠を尽くしていた キリシタン大名 高山右近も➡ 463 01:00:34,264 --> 01:00:39,169 領地を没収され 国外追放を命じられます。 464 01:00:43,006 --> 01:00:47,511 宣教師の思惑とは かけ離れた形で進んでいく➡ 465 01:00:47,511 --> 01:00:50,514 アジア征服計画。 466 01:00:53,984 --> 01:01:00,590 更に 宣教師たちにとって 想定外の事態が起きます。 467 01:01:00,590 --> 01:01:04,194 スペインの植民地 フィリピン。 468 01:01:06,263 --> 01:01:09,166 宣教師は 現地からの情報で➡ 469 01:01:09,166 --> 01:01:14,571 秀吉の野心が フィリピンにも 向けられたことを知ったのです。 470 01:01:38,195 --> 01:01:42,165 征服王 フェリペ2世の植民地を 奪うことで➡ 471 01:01:42,165 --> 01:01:46,770 朝鮮出兵の戦費を賄おうとしていました。 472 01:01:49,706 --> 01:01:53,910 スペインの富を 手に入れよ。 473 01:01:53,910 --> 01:01:59,649 そして 明国を 討ち滅ぼすのじゃ。 474 01:01:59,649 --> 01:02:02,052 (家臣たち)はっ! 475 01:02:17,067 --> 01:02:22,038 フィリピンの状況を知った ヨーロッパの超大国 スペイン。 476 01:02:22,038 --> 01:02:26,943 一触即発に備え 警戒を強めます。 477 01:02:46,096 --> 01:02:50,734 戦国時代 ヨーロッパから伝わった 兵器を進化させ➡ 478 01:02:50,734 --> 01:02:54,638 世界屈指の軍事国家となった日本。 479 01:02:56,339 --> 01:02:59,242 秀吉の底知れぬ野心によって➡ 480 01:02:59,242 --> 01:03:06,049 ヨーロッパとアジアが激突する 世界戦争の危機を招いていたのです。 481 01:03:09,786 --> 01:03:17,294 しかし 1598年 緊迫した情勢は一転します。 482 01:03:23,466 --> 01:03:26,670 その5日後 日本で… 483 01:03:28,471 --> 01:03:33,476 日本軍は 朝鮮半島から撤退を決定します。 484 01:03:37,814 --> 01:03:46,323 宣教師と秀吉が思い描いた中国征服計画は ここに幕を閉じたのです。 485 01:03:51,394 --> 01:04:03,940 ♬~ 486 01:04:03,940 --> 01:04:06,776 秀吉の死から2年後➡ 487 01:04:06,776 --> 01:04:11,081 天下を二分する大決戦が 繰り広げられました。 488 01:04:11,081 --> 01:04:13,983 関ヶ原の戦いです。 489 01:04:15,919 --> 01:04:21,024 東軍を率いるのは 信長 秀吉のもとで力を蓄えていた… 490 01:04:27,530 --> 01:04:36,339 対する西軍には 石田三成を筆頭とする 豊臣恩顧の武将たちが参戦していました。 491 01:04:39,275 --> 01:04:42,812 徳川の武勇を天下に知らしめよ! 492 01:04:42,812 --> 01:04:45,115 押し出せ! 493 01:04:49,385 --> 01:04:56,593 総勢20万とも言われる大軍が激突した 史上空前の合戦。 494 01:05:01,931 --> 01:05:07,737 しかし 家康の策によって 西軍から寝返る大名が相次ぎ➡ 495 01:05:07,737 --> 01:05:11,441 半日足らずで 勝敗が決します。 496 01:05:16,746 --> 01:05:19,649 実は この家康の勝利には➡ 497 01:05:19,649 --> 01:05:23,153 当時 ヨーロッパで 新たに力を持ち始めた国が➡ 498 01:05:23,153 --> 01:05:26,456 深く関係していました。 499 01:05:32,362 --> 01:05:38,668 大航海時代 新興の商業国家として 世界各地に進出していた… 500 01:05:49,279 --> 01:05:53,183 オランダと戦国日本との運命の出会い。 501 01:05:53,183 --> 01:05:59,289 それは 関ヶ原の戦いの半年前に遡ります。 502 01:06:01,424 --> 01:06:04,227 (雷鳴) 503 01:06:04,227 --> 01:06:09,332 オランダの貿易船が嵐に襲われ 難破。 504 01:06:13,570 --> 01:06:17,974 命からがら 日本にたどりついたのです。 505 01:06:24,214 --> 01:06:27,116 おい 大事ないか⁉ おい! 506 01:06:27,116 --> 01:06:29,085 おい しっかりせい! 507 01:06:29,085 --> 01:06:32,255 おい これは何だ? 508 01:06:32,255 --> 01:06:39,762 船には 最新式の鉄砲や弾薬が 大量に積まれていました。 509 01:06:44,934 --> 01:06:50,540 このオランダ船に目を付けたのが 徳川家康でした。 510 01:06:52,375 --> 01:06:58,248 家康は 自ら 生き残った船員たちを尋問しました。 511 01:06:58,248 --> 01:07:00,717 この時の詳細なやり取りが➡ 512 01:07:00,717 --> 01:07:04,320 記録に残されています。 513 01:07:08,758 --> 01:07:15,532 ヨーステン そして アダムスと申すか。 514 01:07:15,532 --> 01:07:17,901 (2人)ははっ。 それで➡ 515 01:07:17,901 --> 01:07:21,771 ヨーロッパは 今 どうなっておる? 516 01:07:21,771 --> 01:07:26,276 オランダは スペインと戦争中です。 517 01:07:26,276 --> 01:07:29,779 何? 518 01:07:52,001 --> 01:07:56,372 当時 大国スペインの支配下にあったオランダ。 519 01:07:56,372 --> 01:08:00,243 圧政を逃れるべく 独立を宣言し➡ 520 01:08:00,243 --> 01:08:03,746 激しい戦争を始めていました。 521 01:08:05,548 --> 01:08:09,819 しかし スペインの力は強大でした。 522 01:08:09,819 --> 01:08:15,024 世界中の植民地から 莫大な富を獲得。 523 01:08:17,193 --> 01:08:23,800 この財力で 「無敵艦隊」と呼ばれる 最強の海軍を支えていました。 524 01:08:25,435 --> 01:08:28,204 (砲声) 525 01:08:28,204 --> 01:08:32,675 独立間もないオランダは 劣勢に立たされます。 526 01:08:32,675 --> 01:08:36,546 (砲声と爆発音) 527 01:08:36,546 --> 01:08:45,254 この時 オランダが考えたのが 海外との貿易によって軍資金を稼ぐこと。 528 01:08:46,956 --> 01:08:50,660 その計画のカギを握るのが… 529 01:08:58,201 --> 01:09:00,503 2016年➡ 530 01:09:00,503 --> 01:09:06,709 日本とオランダの知られざる関係を示す 史料が見つかりました。 531 01:09:12,548 --> 01:09:21,758 日本に滞在したオランダ商人が書き残した 日誌や手紙など 500件に及ぶ膨大な記録。 532 01:09:24,460 --> 01:09:27,964 この史料を発見した… 533 01:09:29,632 --> 01:09:34,937 謎だったオランダ貿易の実態を 明かすものだといいます。 534 01:09:49,485 --> 01:09:52,689 まあ ミクロの形で… 535 01:10:07,603 --> 01:10:14,010 史料には 戦国武将の懐に入り 利益をあげようと奔走する➡ 536 01:10:14,010 --> 01:10:18,815 オランダ商人たちの姿が 記されていました。 537 01:10:49,812 --> 01:10:54,517 オランダには これまで 日本にやって来たヨーロッパの国と➡ 538 01:10:54,517 --> 01:10:58,221 大きく違う点がありました。 539 01:11:04,761 --> 01:11:08,364 ポルトガルやスペインが 重視していたのは➡ 540 01:11:08,364 --> 01:11:16,472 キリスト教の名のもとに 信者を増やし 自国の領土を広げること。 541 01:11:22,879 --> 01:11:27,617 それに対して 商人たちがつくった国 オランダは➡ 542 01:11:27,617 --> 01:11:29,552 布教に こだわらず➡ 543 01:11:29,552 --> 01:11:35,458 純粋に 利益をあげることだけを 目的としていたのです。 544 01:11:54,043 --> 01:11:57,847 天下取りを目指す 家康。 545 01:11:57,847 --> 01:12:00,183 軍事力を強化するため➡ 546 01:12:00,183 --> 01:12:05,488 オランダの提案は まさに「渡りに船」でした。 547 01:12:08,891 --> 01:12:14,697 ハハハハ… 面白い。 548 01:12:14,697 --> 01:12:19,535 その方ら このわしに仕えんか? 549 01:12:19,535 --> 01:12:24,807 家康は 船員たちを 家臣として召し抱えることを決めます。 550 01:12:24,807 --> 01:12:27,410 (2人)ははっ。 551 01:12:33,015 --> 01:12:40,423 船に積まれていた大量の武器・弾薬は 家康の手に収まることになりました。 552 01:12:46,062 --> 01:12:51,767 この半年後に起きたのが 関ヶ原の戦いだったのです。 553 01:12:56,505 --> 01:13:01,410 当時の宣教師の記録に その様子が記されています。 554 01:13:03,246 --> 01:13:05,248 (銃声) 555 01:13:22,498 --> 01:13:26,502 両軍の火力差は歴然でした。 556 01:13:28,371 --> 01:13:30,706 勝ちどきじゃ!➡ 557 01:13:30,706 --> 01:13:33,276 えいえい! (家臣たち)おう! 558 01:13:33,276 --> 01:13:39,982 オランダの武器を手にした家康が 勝利を得たのです。 559 01:13:39,982 --> 01:13:46,489 しかし 家康が天下を取るには 最大の障壁が残されていました。 560 01:13:49,525 --> 01:13:53,229 父 秀吉の跡を継いだ… 561 01:14:02,038 --> 01:14:06,342 2019年  大坂城そばの発掘調査で➡ 562 01:14:06,342 --> 01:14:10,446 秀頼に関する新たな発見がありました。 563 01:14:12,148 --> 01:14:17,586 一辺15mを超える 巨大な建物跡。 564 01:14:17,586 --> 01:14:23,092 秀頼に従う大名の屋敷だったと 考えられています。 565 01:14:26,228 --> 01:14:32,435 こうした大名屋敷が 大坂城を中心に いくつも立ち並んでいました。 566 01:14:34,570 --> 01:14:38,774 これが秀頼の絶大な力を示していると➡ 567 01:14:38,774 --> 01:14:43,679 城郭考古学者の千田嘉博さんは言います。 568 01:14:47,483 --> 01:14:50,486 結集するっていうことで… 569 01:14:55,524 --> 01:14:59,628 そういう実態というのが 形としては 出来上がっていたんだっていうですね… 570 01:15:06,669 --> 01:15:13,175 当時 大坂を訪れた外国人の記録には こう記されています。 571 01:15:26,122 --> 01:15:32,328 「秀頼様が次の皇帝になるかもしれない」。 572 01:15:34,730 --> 01:15:40,102 父 秀吉から 莫大な遺産を受け継いでいた 秀頼。 573 01:15:40,102 --> 01:15:44,273 そのもとには 豊臣家に忠誠を誓う武将たちが➡ 574 01:15:44,273 --> 01:15:47,276 集結していたのです。 575 01:15:49,812 --> 01:15:54,650 激しさを増す 徳川家と豊臣家の争い。 576 01:15:54,650 --> 01:15:57,386 同じ頃 ヨーロッパでも➡ 577 01:15:57,386 --> 01:16:02,792 オランダとスペインの戦いが 新たな局面を迎えていました。 578 01:16:14,236 --> 01:16:20,142 その最重要史料の撮影が 特別に許可されました。 579 01:16:27,450 --> 01:16:33,189 グローバル経済の先駆者となる オランダ東インド会社。 580 01:16:33,189 --> 01:16:40,096 本来 国が持つ さまざまな特権が 一つの会社に託されていました。 581 01:16:42,298 --> 01:16:47,102 外国の領主と独自に条約を結ぶ権利。 582 01:16:48,804 --> 01:16:53,008 兵士を雇い 要塞を築く権利。 583 01:16:54,610 --> 01:16:58,814 更に 貨幣を造る権利まで。 584 01:17:01,016 --> 01:17:05,654 最前線に立つ商人に 強力な権限を与えることで➡ 585 01:17:05,654 --> 01:17:08,557 迅速な海外進出を目指し➡ 586 01:17:08,557 --> 01:17:13,162 宿敵 スペインに打ち勝とうとしたのです。 587 01:17:43,792 --> 01:17:51,200 この世界初の株式会社は 戦国日本に正式な使節を送り込みます。 588 01:18:08,417 --> 01:18:12,821 オランダと日本の貿易がしたいと? 589 01:18:12,821 --> 01:18:15,724 そのとおりです。 590 01:18:17,359 --> 01:18:20,629 オランダのねらいは? 591 01:18:20,629 --> 01:18:26,936 日本から どうしても 手に入れたいものがあるのです。 592 01:18:29,038 --> 01:18:31,540 何? 593 01:18:33,475 --> 01:18:37,880 オランダ東インド会社が ねらっていたものとは➡ 594 01:18:37,880 --> 01:18:41,684 一体 何なのか? 595 01:18:44,987 --> 01:18:50,993 近年 ヨーロッパの沖合で それをひもとく発見がありました。 596 01:18:59,501 --> 01:19:03,505 水深1,100mに沈んだ… 597 01:19:05,307 --> 01:19:10,546 莫大な数の財宝が引き揚げられました。 598 01:19:10,546 --> 01:19:15,517 59万枚 17トンに及ぶ 銀貨。 599 01:19:15,517 --> 01:19:17,886 この銀こそが➡ 600 01:19:17,886 --> 01:19:20,990 世界の覇権を握る原動力でした。 601 01:19:23,258 --> 01:19:28,097 16世紀 アメリカ大陸で 大規模な銀山が見つかると➡ 602 01:19:28,097 --> 01:19:31,400 銀貨が大量に造られます。 603 01:19:33,836 --> 01:19:37,239 ヨーロッパの商人たちは この銀貨を使い➡ 604 01:19:37,239 --> 01:19:41,076 東南アジアの香辛料や 中国の陶器など➡ 605 01:19:41,076 --> 01:19:45,781 世界各地の商品を 購入できるようになりました。 606 01:19:49,251 --> 01:19:52,955 銀が ヨーロッパとアジア アメリカをつなぐ➡ 607 01:19:52,955 --> 01:19:57,960 世界初の国際通貨となったのです。 608 01:19:59,862 --> 01:20:05,067 当時 この銀を独占していたのが 世界最大の帝国… 609 01:20:09,471 --> 01:20:16,078 スペインは 新大陸の植民地で 巨大な銀山を次々と開発。 610 01:20:19,381 --> 01:20:24,286 世界の生産量の8割を握っていたのです。 611 01:20:28,724 --> 01:20:32,428 一方 新興の商業国家… 612 01:20:34,897 --> 01:20:40,903 スペインに対抗するため 銀の独自の入手先が必要でした。 613 01:20:47,409 --> 01:20:51,213 もし 世界貿易に乗り出すのであれば 必ず… 614 01:21:02,591 --> 01:21:04,593 そして… 615 01:21:11,300 --> 01:21:16,138 16世紀にヨーロッパで出版された 日本地図。 616 01:21:16,138 --> 01:21:21,477 そこには 「銀山王国」と記されています。 617 01:21:21,477 --> 01:21:27,382 戦国時代の日本は 銀の産出国として知られていたのです。 618 01:21:32,054 --> 01:21:35,023 今回見つかった史料から スペックスが➡ 619 01:21:35,023 --> 01:21:41,130 日本の銀について 内密に 調査を進めていたことが分かりました。 620 01:22:08,390 --> 01:22:10,793 実は 戦国時代 ここに➡ 621 01:22:10,793 --> 01:22:14,797 日本最大級の銀山がありました。 622 01:22:17,166 --> 01:22:22,171 当時の様子を伝える 巨大な露天掘りの跡。 623 01:22:23,872 --> 01:22:27,242 山頂から採掘を繰り返した結果➡ 624 01:22:27,242 --> 01:22:32,881 一つの山が割れたような形になりました。 625 01:22:32,881 --> 01:22:37,386 この銀山の開発を進めたのが… 626 01:22:39,988 --> 01:22:45,794 家康は 豊臣家に対抗する資金源として 銀を重視。 627 01:22:45,794 --> 01:22:51,700 関ヶ原の戦いのあと いち早く 佐渡をおさえていました。 628 01:22:54,503 --> 01:22:57,806 家康の号令で始まった 佐渡の… 629 01:22:59,374 --> 01:23:04,880 今 その実態を解明する調査が 進められています。 630 01:23:07,115 --> 01:23:11,720 目指すは うっそうとした森の奥。 631 01:23:19,261 --> 01:23:25,567 戦国時代末期 家康が開発を進めた坑道です。 632 01:23:42,584 --> 01:23:45,988 荒々しいノミの跡。 633 01:23:45,988 --> 01:23:51,393 一日に掘れるのは 10cmがやっとだったといいます。 634 01:23:55,130 --> 01:23:58,700 家康は 5万人の労働者を送り込み➡ 635 01:23:58,700 --> 01:24:04,106 昼夜交代で 休みなく採掘を進めました。 636 01:24:10,078 --> 01:24:16,351 奥に進むにつれ 坑道は次第に狭くなります。 637 01:24:16,351 --> 01:24:20,856 一体どこまで広がっているのか。 638 01:24:29,865 --> 01:24:34,670 そこで活躍するのが 三次元レーザーを搭載した… 639 01:24:39,107 --> 01:24:42,878 (久間)いいよ 右… 右に寄っていかんと。➡ 640 01:24:42,878 --> 01:24:45,180 もうちょっと まだまだまだ。➡ 641 01:24:45,180 --> 01:24:49,918 ちょっと左側に… ふって。 じゃ 左旋回します。 642 01:24:49,918 --> 01:24:52,955 (久間)はい ストップ! おお やった。➡ 643 01:24:52,955 --> 01:24:54,957 これで どうか分かるぞ。 644 01:24:56,692 --> 01:24:58,627 やっぱり ロボットの 本筋ですよね。 645 01:24:58,627 --> 01:25:00,629 人が行けない所に 行って。 646 01:25:07,336 --> 01:25:11,907 調査データをもとに CGで再現した坑道です。 647 01:25:11,907 --> 01:25:14,776 奥行きは 25m。 648 01:25:14,776 --> 01:25:20,082 鉱脈を追って くまなく 掘り尽くした様子が分かります。 649 01:25:20,082 --> 01:25:22,017 この坑道一つから➡ 650 01:25:22,017 --> 01:25:27,623 670kgの銀が採れたと 推定されました。 651 01:25:33,395 --> 01:25:37,666 アリの巣のように広がる 無数の坑道。 652 01:25:37,666 --> 01:25:42,137 佐渡全体での埋蔵量は 2,300トンを超え➡ 653 01:25:42,137 --> 01:25:46,241 世界トップレベルの銀山でした。 654 01:26:01,223 --> 01:26:03,658 家康は 佐渡をはじめ➡ 655 01:26:03,658 --> 01:26:07,963 全国各地で次々と 鉱山開発を進めました。 656 01:26:10,332 --> 01:26:13,935 日本の銀の生産量は 急速に拡大し➡ 657 01:26:13,935 --> 01:26:16,872 年間100トンを超えます。 658 01:26:16,872 --> 01:26:22,177 世界の生産量の およそ3分の1を占めました。 659 01:26:25,847 --> 01:26:31,253 日本の銀をねらう オランダのスペックス。 660 01:26:31,253 --> 01:26:34,589 調査の結果 佐渡の銀は➡ 661 01:26:34,589 --> 01:26:39,895 スペインの銀以上に 純度が高いことが判明します。 662 01:26:42,064 --> 01:26:46,568 しかし 当時 良質な銀を国外に持ち出すことは➡ 663 01:26:46,568 --> 01:26:49,471 禁じられていました。 664 01:26:52,374 --> 01:26:57,179 スペックスは 家康との交渉に乗り出します。 665 01:26:59,681 --> 01:27:05,187 私たちの商品と引き換えに 日本の銀を頂きたいのです。 666 01:27:09,725 --> 01:27:16,164 スペックスは 家康が好む商品を入念に調査。 667 01:27:16,164 --> 01:27:20,368 献上品として用意していました。 668 01:27:51,600 --> 01:27:55,904 オランダの動きに焦ったのが… 669 01:27:55,904 --> 01:28:00,609 負けじと 家康のもとに使者を送り込みます。 670 01:28:11,219 --> 01:28:17,092 ビベロは 家康との交渉に 有効なカードを持っていました。 671 01:28:17,092 --> 01:28:20,395 鉱山技師です。 672 01:28:23,231 --> 01:28:27,102 最先端の技術を持つ スペインの技師がいれば➡ 673 01:28:27,102 --> 01:28:32,307 日本の銀の生産量を 更に伸ばすことが可能でした。 674 01:28:34,910 --> 01:28:38,246 ところが…。 675 01:28:38,246 --> 01:28:44,452 鉱山技師を派遣するには 条件がございます。 676 01:28:58,967 --> 01:29:04,172 オランダ人を排除し 銀の独り占めをねらうスペイン。 677 01:29:05,874 --> 01:29:10,478 中でも 最重要の条件がありました。 678 01:29:41,543 --> 01:29:46,948 全世界をキリスト教の国にしようとした スペイン。 679 01:29:46,948 --> 01:29:50,652 キリスト教の布教が 家康の欲する➡ 680 01:29:50,652 --> 01:29:54,556 鉱山技師派遣の条件とされたのです。 681 01:30:01,296 --> 01:30:05,800 そこには 隠されたねらいがありました。 682 01:30:09,471 --> 01:30:14,576 ビベロが ひそかに国王に送っていた文書です。 683 01:30:52,747 --> 01:30:57,519 キリスト教の布教の先にある アジア征服計画が➡ 684 01:30:57,519 --> 01:31:01,423 再び動きだしていたのです。 685 01:31:04,292 --> 01:31:10,098 スペインの野心を察知したオランダは 家康に訴えます。 686 01:31:13,368 --> 01:31:16,671 スペインは キリスト教を広め➡ 687 01:31:16,671 --> 01:31:23,278 キリシタンの反乱によって国を崩し 征服しようとしています。➡ 688 01:31:23,278 --> 01:31:27,716 フィリピンもメキシコも この方法で支配下に置き➡ 689 01:31:27,716 --> 01:31:30,819 植民地にしてきたのです。 690 01:31:39,394 --> 01:31:42,597 家康が選んだのは…。 691 01:31:44,265 --> 01:31:47,268 オランダでした。 692 01:31:50,939 --> 01:31:54,743 オランダは 戦が得意でもあったのう。 693 01:31:58,046 --> 01:32:00,782 兵器こそ持ってこい。 694 01:32:00,782 --> 01:32:04,185 お任せ下さい。 695 01:32:07,555 --> 01:32:10,392 家康は 軍事物資と交換に➡ 696 01:32:10,392 --> 01:32:14,996 オランダに銀を渡すことを約束します。 697 01:32:16,931 --> 01:32:22,037 世界屈指の生産量を誇った 日本の銀。 698 01:32:24,038 --> 01:32:31,146 オランダは 巧みな交渉術で その扉を開くことに成功したのです。 699 01:32:44,159 --> 01:32:46,261 なおかつ… 700 01:32:54,736 --> 01:32:57,338 おそらく… 701 01:33:13,121 --> 01:33:19,627 一方 スペインに対して 家康は不信感を募らせていました。 702 01:33:23,765 --> 01:33:26,067 「キリシタンたちは➡ 703 01:33:26,067 --> 01:33:29,471 日本の占領を企てている。➡ 704 01:33:29,471 --> 01:33:33,041 今すぐ キリスト教を禁じなければ➡ 705 01:33:33,041 --> 01:33:37,645 必ず 国家の患いとなろう」。 706 01:33:41,749 --> 01:33:44,652 バテレン キリシタンどもは許さん。 707 01:33:44,652 --> 01:33:47,689 日本から追い出せ! 708 01:33:47,689 --> 01:33:53,461 家康は キリスト教の全面的な禁止に 踏み切ります。 709 01:33:53,461 --> 01:33:57,132 (戸の開く音) 何をしておる⁉➡ 710 01:33:57,132 --> 01:33:59,067 この者どもを捕らえよ! (家臣たち)はっ! 711 01:33:59,067 --> 01:34:04,372 各地で 厳しい弾圧の嵐が吹き荒れました。 712 01:34:08,877 --> 01:34:12,614 この時 キリシタンに 手を差し伸べたのが➡ 713 01:34:12,614 --> 01:34:16,918 家康と敵対する 大坂城のあるじ… 714 01:34:33,801 --> 01:34:39,574 家康との直接対決が近づいていた この時期➡ 715 01:34:39,574 --> 01:34:44,812 禁教令によって行き場を失った キリシタンの兵力は➡ 716 01:34:44,812 --> 01:34:50,718 豊臣方にとって 喉から手が出るほど欲しい存在でした。 717 01:34:53,955 --> 01:35:01,062 秀頼は 宣教師を通じて 全国各地のキリシタンに働きかけます。 718 01:35:15,209 --> 01:35:17,612 やっぱり… 719 01:35:34,262 --> 01:35:37,165 家康の横暴 もはや我慢ならん! 720 01:35:37,165 --> 01:35:39,567 家康を討ち取るんじゃ! 721 01:35:39,567 --> 01:35:44,272 今こそ デウス様の国をつくるんじゃ! 722 01:35:44,272 --> 01:35:46,240 (家臣たち)おう! 723 01:35:46,240 --> 01:35:51,846 豊臣軍は 総勢10万の大軍に膨れ上がっていました。 724 01:35:53,715 --> 01:36:06,928 ♬~ 725 01:36:06,928 --> 01:36:12,333 戦国 最大にして最後の合戦となった 大坂の陣。 726 01:36:15,637 --> 01:36:19,540 押し潰せ! (家臣たち)おう! 727 01:36:24,779 --> 01:36:29,917 キリスト教を禁止した 徳川家康。 728 01:36:29,917 --> 01:36:35,023 キリシタンの援軍を得た 豊臣秀頼。 729 01:36:38,226 --> 01:36:45,233 大坂の陣は キリスト教布教の行く末を 左右する戦いでもあったのです。 730 01:36:46,934 --> 01:36:51,606 大軍で四方から攻め寄せる 徳川軍。 731 01:36:51,606 --> 01:36:53,608 しかし…。 732 01:36:55,476 --> 01:36:58,179 放て! (銃声) 733 01:36:59,881 --> 01:37:07,388 豊臣軍から一斉射撃を浴びせられ 大坂城に近づくことも困難でした。 734 01:37:10,024 --> 01:37:13,728 窮地に陥った家康。 735 01:37:16,531 --> 01:37:19,867 実は 豊臣軍奮戦の裏には➡ 736 01:37:19,867 --> 01:37:25,073 宣教師とつながる キリシタン勢力の存在がありました。 737 01:37:29,343 --> 01:37:35,149 決戦の舞台となった 大坂城の発掘調査の現場です。 738 01:37:38,953 --> 01:37:44,959 地下から現れたのは 豊臣軍の軍事基地の跡。 739 01:37:47,095 --> 01:37:52,100 そこから 作りかけの鉄砲玉が発見されました。 740 01:37:53,801 --> 01:37:56,104 まさにですね… 741 01:38:09,050 --> 01:38:15,556 大坂城下では 戦のさなか 銃弾の製造が行われていました。 742 01:38:17,325 --> 01:38:21,129 それを可能にしたのが スペインとつながる… 743 01:38:24,565 --> 01:38:29,370 キリシタン商人は 弾の原料となる鉛をかき集め➡ 744 01:38:29,370 --> 01:38:32,573 大坂城に運び込んでいたのです。 745 01:38:36,210 --> 01:38:38,479 放て! (銃声) 746 01:38:38,479 --> 01:38:41,482 (銃声) 747 01:38:46,087 --> 01:38:48,089 お味方 壊滅! 748 01:38:48,089 --> 01:38:50,992 ええい くそっ! 749 01:38:53,261 --> 01:38:55,797 追い詰められた 家康。 750 01:38:55,797 --> 01:38:59,700 起死回生の策を 打ち出します。 751 01:39:01,702 --> 01:39:06,307 大砲による大坂城への直接攻撃です。 752 01:39:09,844 --> 01:39:18,019 しかし 徳川軍の陣地から本丸までは 最短でも 500m。 753 01:39:18,019 --> 01:39:22,924 従来の大砲の有効射程を超えていました。 754 01:39:26,661 --> 01:39:32,567 この時 家康が頼みの綱としたのが オランダでした。 755 01:39:37,205 --> 01:39:40,041 大砲は用意できるか? 756 01:39:40,041 --> 01:39:43,744 はい もちろんです。 757 01:39:45,880 --> 01:39:49,250 スペックスは 大坂の陣の前➡ 758 01:39:49,250 --> 01:39:55,056 最新式の大砲の納品を 家康に約束していました。 759 01:39:58,860 --> 01:40:03,164 家康の待ち望んだ オランダの大砲。 760 01:40:03,164 --> 01:40:06,767 それは どのようなものだったのか? 761 01:40:16,077 --> 01:40:18,779 当時 最新式の… 762 01:40:20,615 --> 01:40:22,583 2頭の獅子のマークは➡ 763 01:40:22,583 --> 01:40:26,787 オランダの大砲工場で造られた証しです。 764 01:40:28,489 --> 01:40:30,925 オランダ東インド会社は➡ 765 01:40:30,925 --> 01:40:36,631 海外の戦場で売れる商品として 大砲に着目。 766 01:40:36,631 --> 01:40:43,037 多額の開発資金を投入し イノベーションを加速させていました。 767 01:41:14,969 --> 01:41:22,677 オランダの大砲の威力を検証するため 実弾の発射実験を行うことになりました。 768 01:41:24,412 --> 01:41:28,816 監修にあたるのは 王立武器庫のチーム。 769 01:41:30,718 --> 01:41:33,287 これまでの研究成果をもとに➡ 770 01:41:33,287 --> 01:41:37,191 精巧なレプリカを製作します。 771 01:41:42,897 --> 01:41:49,704 3か月の作業の後 オランダ製の大砲がよみがえりました。 772 01:41:55,609 --> 01:41:59,313 いよいよ 発射実験を行います。 773 01:42:01,282 --> 01:42:05,486 重さ6キロの砲弾を込めます。 774 01:42:08,656 --> 01:42:12,893 ターゲットは 大坂城の天守を想定。 775 01:42:12,893 --> 01:42:17,798 厚さ10cmの堅牢な木材で作られました。 776 01:42:22,503 --> 01:42:24,905 (砲声) 777 01:42:28,309 --> 01:42:33,514 発射の瞬間を捉えた ハイスピードカメラの映像です。 778 01:42:38,386 --> 01:42:40,988 砲弾の速度は… 779 01:42:42,723 --> 01:42:46,327 「音速」に達していました。 780 01:42:50,464 --> 01:42:54,301 ターゲットの中心に 正確に命中。 781 01:42:54,301 --> 01:42:58,606 分厚い木材を難なく破壊しました。 782 01:43:03,477 --> 01:43:06,747 世界各国で開発された 大砲の中でも➡ 783 01:43:06,747 --> 01:43:10,451 群を抜く性能でした。 784 01:43:44,318 --> 01:43:51,826 最新式のオランダの大砲12門が 戦いのさなか 家康のもとに届けられます。 785 01:43:51,826 --> 01:43:54,028 待ちわびたわ。 786 01:43:56,797 --> 01:44:03,704 更にオランダは 熟練の砲手も送り込み 徳川軍を支援します。 787 01:44:10,211 --> 01:44:13,481 (砲声と爆発音) 788 01:44:13,481 --> 01:44:15,549 (悲鳴) 789 01:44:15,549 --> 01:44:18,986 砲弾は 天守と御殿を直撃。 790 01:44:18,986 --> 01:44:22,389 多数の死傷者を出します。 791 01:44:24,792 --> 01:44:29,697 キリシタンを率いる秀頼は戦意を喪失。 792 01:44:33,100 --> 01:44:38,906 デウス様 もはや これまで…。 793 01:44:48,282 --> 01:44:51,285 家康は オランダの力を借り➡ 794 01:44:51,285 --> 01:44:57,591 150年にわたる戦国の世に 終止符を打ったのです。 795 01:45:03,564 --> 01:45:09,069 戦いの背後で暗躍していた スペックス。 796 01:45:12,640 --> 01:45:20,447 大坂の陣を機に オランダ東インド会社は 待望の銀を手にします。 797 01:45:39,366 --> 01:45:43,037 家康の信頼を勝ち得たオランダ。 798 01:45:43,037 --> 01:45:45,606 年々 取引高を伸ばし➡ 799 01:45:45,606 --> 01:45:52,213 最盛期には 年間94トンもの銀が 日本から運び出されます。 800 01:45:53,981 --> 01:45:56,383 銀だけではありません。 801 01:45:56,383 --> 01:45:59,620 更に 日本から輸出されたあるものが➡ 802 01:45:59,620 --> 01:46:04,725 世界の覇権争いを 大きく左右していました。 803 01:46:14,101 --> 01:46:21,408 ここに 日本を出発したオランダ船の 積み荷リストが残されていました。 804 01:46:24,144 --> 01:46:30,384 火縄銃や槍 日本刀。 805 01:46:30,384 --> 01:46:36,690 戦乱の中で性能を高めた日本製の武器は 格好の商品でした。 806 01:46:36,690 --> 01:46:38,626 (銃声) 807 01:46:38,626 --> 01:46:43,464 更に 武器とともに 数多く記されていたのが➡ 808 01:46:43,464 --> 01:46:46,867 日本人の名前です。 809 01:46:48,903 --> 01:46:53,908 一人一人に 細かく給料が 定められています。 810 01:46:57,745 --> 01:47:04,652 彼らの正体は 金で雇われ 海外の戦場で戦う「傭兵」。 811 01:47:07,421 --> 01:47:13,927 日本のサムライたちが いわば商品として 輸出されていたのです。 812 01:47:15,829 --> 01:47:21,835 背景にあったのは 日本の戦国時代が幕を閉じたことでした。 813 01:47:24,538 --> 01:47:27,941 天下太平の江戸時代が訪れると➡ 814 01:47:27,941 --> 01:47:33,080 それまで戦をなりわいとした 多くのサムライが失業。 815 01:47:33,080 --> 01:47:36,984 新たな戦いの場を求めていたのです。 816 01:47:38,786 --> 01:47:40,988 これは… 817 01:48:05,746 --> 01:48:12,519 東南アジアで繰り広げられていた オランダとスペインの植民地争奪戦。 818 01:48:12,519 --> 01:48:18,425 この戦いのカギを握っていたのが 日本人傭兵でした。 819 01:48:22,997 --> 01:48:35,976 ♬~ 820 01:48:35,976 --> 01:48:41,882 日本人傭兵を雇い入れるため 家康との交渉役となったのが… 821 01:48:46,720 --> 01:48:51,058 スペックスのもとに 東南アジアの植民地総督から➡ 822 01:48:51,058 --> 01:48:54,361 救援要請が届きます。 823 01:49:08,509 --> 01:49:16,116 スペックスは 日本のサムライを 一挙に数百人規模で雇いあげようと画策。 824 01:49:18,752 --> 01:49:25,059 その実現のため 家康との直接交渉に乗り出しました。 825 01:49:29,430 --> 01:49:33,567 オランダから武器を入手し 利益を得ていた家康。 826 01:49:33,567 --> 01:49:38,872 スペックスの申し出を特別に許可します。 827 01:49:58,759 --> 01:50:02,362 日本人傭兵を手にしたオランダ。 828 01:50:02,362 --> 01:50:05,199 スペインが支配するモルッカ諸島に➡ 829 01:50:05,199 --> 01:50:07,201 狙いを定めます。 830 01:50:09,970 --> 01:50:15,175 モルッカ諸島は スペインの最重要拠点の一つ。 831 01:50:17,377 --> 01:50:23,684 特産品の香辛料は 一粒が同じ重さの銀に匹敵すると言われ➡ 832 01:50:23,684 --> 01:50:27,588 莫大な利益を生み出す商品でした。 833 01:50:30,123 --> 01:50:37,231 スペインは モルッカ諸島の各所に 堅固な要塞を築き 防備を固めます。 834 01:50:39,933 --> 01:50:45,939 オランダは 長年 その攻略を試みるも 果たせずにいました。 835 01:50:48,609 --> 01:50:53,213 この時 突破口を切り開くために 送り込まれたのが… 836 01:51:00,921 --> 01:51:03,123 オランダが立てた… 837 01:51:04,758 --> 01:51:08,162 その記録が残されていました。 838 01:51:10,130 --> 01:51:14,601 まず 軍艦が夜の闇にまぎれて要塞に接近。 839 01:51:14,601 --> 01:51:17,204 絶え間なく砲撃を加えます。 840 01:51:17,204 --> 01:51:19,806 (砲声と爆発音) 841 01:51:21,942 --> 01:51:27,814 スペイン軍が くぎづけになっている隙に 歩兵隊がひそかに上陸。 842 01:51:27,814 --> 01:51:34,087 夜が明けるとともに 敵の死角から 一気に攻め入りました。 843 01:51:34,087 --> 01:51:36,990 (掛け声と喚声) 844 01:51:36,990 --> 01:51:40,861 先陣を切ったのは サムライたち。 845 01:51:40,861 --> 01:51:46,466 槍や日本刀による接近戦で 敵を切り崩しました。 846 01:51:49,503 --> 01:51:54,408 サムライたちの決死の攻撃で 要塞は陥落。 847 01:51:54,408 --> 01:51:57,811 オランダは勝利を手にしました。 848 01:52:15,596 --> 01:52:17,998 勢いに乗ったオランダは➡ 849 01:52:17,998 --> 01:52:22,369 スペインとポルトガルの植民地を 次々と奪取。 850 01:52:22,369 --> 01:52:26,673 東南アジアにおける優位を確立します。 851 01:52:29,576 --> 01:52:36,683 インドネシアのジャカルタに築かれた オランダ東インド会社の総督府。 852 01:52:36,683 --> 01:52:40,020 家康の送り出した日本人傭兵が➡ 853 01:52:40,020 --> 01:52:45,525 世界の貿易ネットワークを 大きく塗り替えました。 854 01:52:52,099 --> 01:52:58,505 この後 世界の海をゆくヨーロッパの船の 実に4分の3に➡ 855 01:52:58,505 --> 01:53:02,509 オランダの旗が翻ることになります。 856 01:53:08,682 --> 01:53:15,088 世界屈指の産出量を誇った日本の銀 ジャパン・シルバー。 857 01:53:15,088 --> 01:53:20,694 長きにわたる戦乱の世が生んだ 最強の兵士… 858 01:53:22,929 --> 01:53:30,337 オランダは 戦国日本と結び付くことで 世界の覇権を手にしたのです。 859 01:53:57,698 --> 01:54:02,636 戦国日本と深く結び付いていた 激動の世界。 860 01:54:02,636 --> 01:54:07,741 今 アジア各地で 更なる調査が行われています。 861 01:54:10,243 --> 01:54:15,148 ベトナム中部を流れる ラム川の河口。 862 01:54:17,984 --> 01:54:23,090 音波探査機を使った調査が 行われていました。 863 01:54:30,864 --> 01:54:35,168 …ということを考えてですね 調査をしています。 864 01:54:37,671 --> 01:54:44,478 「朱印船」とは 家康の正式な許可を得て 送り出された「貿易船」。 865 01:54:46,279 --> 01:54:48,515 日本の銀と引き換えに➡ 866 01:54:48,515 --> 01:54:55,288 国内では手に入りにくい 生糸や絹織物などを輸入していました。 867 01:54:55,288 --> 01:55:02,295 いわば 日本版の大航海時代を夢みた家康。 868 01:55:06,466 --> 01:55:11,471 この計画を支えていたのが オランダでした。 869 01:55:14,941 --> 01:55:22,849 世界の海で培った航海技術や造船方法を 家康に惜しげもなく提供。 870 01:55:30,891 --> 01:55:34,761 多い時には 年間30隻近くの船が➡ 871 01:55:34,761 --> 01:55:36,830 ベトナムやタイなど➡ 872 01:55:36,830 --> 01:55:41,435 東南アジア各国との間を往復していました。 873 01:55:44,905 --> 01:55:49,409 この朱印船に乗って 当時 たくさんの日本人商人も➡ 874 01:55:49,409 --> 01:55:52,612 海を渡っていました。 875 01:55:58,118 --> 01:56:03,123 その痕跡を探る調査も行われています。 876 01:56:12,365 --> 01:56:14,868 そういった交易の中に… 877 01:56:17,571 --> 01:56:20,073 …というふうに考えることができます。 878 01:56:22,209 --> 01:56:27,981 海を渡った日本人商人は 東南アジア各地で活躍。 879 01:56:27,981 --> 01:56:31,685 日本人町を 築いていました。 880 01:56:38,124 --> 01:56:44,364 ヨーロッパの人々が 続々とアジアに押し寄せた 大航海時代。 881 01:56:44,364 --> 01:56:52,272 それは また 日本人が 未知の大海原へと 漕ぎだした時代でもあったのです。 882 01:57:04,351 --> 01:57:09,155 世界と初めて対峙した 「戦国日本」。 883 01:57:12,759 --> 01:57:16,096 小国の領主にすぎなかった信長は➡ 884 01:57:16,096 --> 01:57:22,402 宣教師とつながることで 戦国の覇者へと上り詰めました。 885 01:57:24,804 --> 01:57:27,774 天下統一を成し遂げた秀吉は➡ 886 01:57:27,774 --> 01:57:35,382 超大国スペインを出し抜き 海の向こうまで その野望を広げました。 887 01:57:38,985 --> 01:57:42,355 そして 新興国オランダと結び➡ 888 01:57:42,355 --> 01:57:48,862 250年もの天下安泰を日本にもたらした 家康。 889 01:57:51,464 --> 01:57:57,938 3人の天下人は ヨーロッパの大国と 熾烈な駆け引きを繰り広げながら➡ 890 01:57:57,938 --> 01:58:01,841 この国の針路を決定づけていきました。 891 01:58:06,179 --> 01:58:08,114 戦国。 892 01:58:08,114 --> 01:58:15,989 それは 日本が激動の世界と向き合った 最初の時だったのです。 893 01:58:15,989 --> 01:58:56,296 ♬~