1 00:00:00,580 --> 00:00:13,580 ♬~ 2 00:00:23,600 --> 00:00:43,620 ♬~ 3 00:00:43,620 --> 00:01:03,570 ♬~ 4 00:01:03,570 --> 00:01:23,590 ♬~ 5 00:01:23,590 --> 00:01:36,610 ♬~ 6 00:01:36,610 --> 00:01:49,620 ♬~ 7 00:01:49,620 --> 00:01:52,620 <この事件が起こったのは➡ 8 00:01:52,620 --> 00:01:57,620 寛永5年 正月二日 卯の下刻> 9 00:02:00,560 --> 00:02:05,570 <江戸城 下乗橋前の堀端であった> 10 00:02:05,570 --> 00:02:11,570 <元旦における 御三家 御親藩 譜代大名の拝賀も無事に済み➡ 11 00:02:11,570 --> 00:02:17,580 この二日は外様大名と旗本が 登城する日であった> 12 00:02:17,580 --> 00:02:28,590 ♬~ 13 00:02:28,590 --> 00:02:31,590 (因幡守)早くやらぬか 拝賀の御式に遅れたら➡ 14 00:02:31,590 --> 00:02:33,600 これ以上の不面目はない (供頭)はっ 15 00:02:33,600 --> 00:02:36,600 何分にも 先がつかえておりまして 16 00:02:36,600 --> 00:02:39,600 たかが貧乏旗本 かまわん 追い抜け 17 00:02:39,600 --> 00:02:41,600 はっ 18 00:02:48,610 --> 00:02:55,620 (争う声) 19 00:02:55,620 --> 00:02:57,620 (男性)おい 20 00:03:03,560 --> 00:03:05,560 (重左ヱ門)無礼者! 21 00:03:05,560 --> 00:03:08,560 (重左ヱ門)御油奉行 鮫洲重左ヱ門の行列と知って➡ 22 00:03:08,560 --> 00:03:13,570 無体を仕掛けたのか 名を名乗れ! 23 00:03:13,570 --> 00:03:15,570 堀尾因幡守忠晴に向かい➡ 24 00:03:15,570 --> 00:03:18,570 油奉行ごとき軽輩者の分際が その放言➡ 25 00:03:18,570 --> 00:03:20,580 無礼であろう 控えおろう! 26 00:03:20,580 --> 00:03:22,580 堀尾因幡? 27 00:03:22,580 --> 00:03:25,580 旧主 豊臣の恩顧も忘れ➡ 28 00:03:25,580 --> 00:03:29,590 徳川家に尻尾を振った 外様大名の犬どもの中でも➡ 29 00:03:29,590 --> 00:03:32,590 これはまた 音に聞こえた鼻つまみ者 30 00:03:32,590 --> 00:03:36,590 くぅ… おお 臭うて臭うてたまらんわい 31 00:03:36,590 --> 00:03:40,600 そのような臭い体で登城など はた迷惑も甚だしい 32 00:03:40,600 --> 00:03:43,600 臭い体 洗って出直すがよかろう! 33 00:03:48,600 --> 00:03:53,600 (どよめき) 34 00:03:55,610 --> 00:03:57,610 (図書守) 近頃の旗本どもの振る舞い➡ 35 00:03:57,610 --> 00:04:00,550 全くもって目に余り申す 36 00:04:00,550 --> 00:04:04,550 (図書守)鮫洲重左ヱ門 これらの見せしめのためにも➡ 37 00:04:04,550 --> 00:04:06,560 厳罰に処してしかるべしと 存じまするが 38 00:04:06,560 --> 00:04:08,560 (上野介) とりあえず ここのところは➡ 39 00:04:08,560 --> 00:04:11,560 双方3日間の謹慎ということに 40 00:04:11,560 --> 00:04:13,560 (備後守) そのような軽いお裁きでは➡ 41 00:04:13,560 --> 00:04:15,570 外様の諸侯が収まりますまい 42 00:04:15,570 --> 00:04:19,570 というて 今 重左ヱ門を 厳罰に付しては➡ 43 00:04:19,570 --> 00:04:22,570 これはこれで 旗本どもが収まるまい 44 00:04:22,570 --> 00:04:26,580 まあ 全ては この本多上野介に 45 00:04:26,580 --> 00:04:30,580 <大名と旗本では 年賀の式次第にも差別がある> 46 00:04:30,580 --> 00:04:33,580 <この外様大名の場合> 47 00:04:35,590 --> 00:04:41,590 (奏者番)上様 御出座~ 48 00:04:41,590 --> 00:05:01,540 ♬~ 49 00:05:01,540 --> 00:05:17,560 ♬~ 50 00:05:17,560 --> 00:05:21,560 (奏者番)島津宰相家久殿 (家久)ははっ 51 00:05:21,560 --> 00:05:41,580 ♬~ 52 00:05:41,580 --> 00:05:47,590 ♬~ 53 00:05:47,590 --> 00:05:52,600 (家久)新年の御祝儀 めでとう申し上げます 54 00:05:52,600 --> 00:05:57,600 (家光)新年 めでとうござる (家久)ははっ 55 00:05:57,600 --> 00:06:03,540 (奏者番)「献上 御太刀1ふり 御馬1匹 島津家久」 56 00:06:03,540 --> 00:06:08,540 下され物 時服一重ね (家久)ははっ 57 00:06:08,540 --> 00:06:20,560 ♬~ 58 00:06:20,560 --> 00:06:24,560 <このように一人ずつが 将軍に拝礼を許される> 59 00:06:24,560 --> 00:06:28,560 <これを「独礼」といった> 60 00:06:28,560 --> 00:06:31,570 (家久)お流れ 頂戴つかまつります 61 00:06:31,570 --> 00:06:34,570 <これにひきかえ 旗本の場合は…> 62 00:06:34,570 --> 00:06:39,580 (奏者番)上様 御出座~ 63 00:06:39,580 --> 00:06:59,530 ♬~ 64 00:06:59,530 --> 00:07:04,530 (図書守)一同 新年の御祝儀を めでとう申し上げまする 65 00:07:04,530 --> 00:07:06,530 めでとうござる 66 00:07:08,540 --> 00:07:13,540 (備後守)上意を被り ありがたく存じ奉ります 67 00:07:22,550 --> 00:07:27,560 <これだけのことである 手間も暇もかからぬ> 68 00:07:27,560 --> 00:07:31,560 <将軍が立ったままの礼で これを「立礼」といった> 69 00:07:31,560 --> 00:07:35,560 <将軍が口はおろか 手も触れぬかわらけを➡ 70 00:07:35,560 --> 00:07:40,570 お流れと称して ありがたく頂戴するのである> 71 00:07:40,570 --> 00:07:49,580 ♬~ 72 00:07:49,580 --> 00:07:52,580 (彦左ヱ門)お流れ頂戴つかまつる 73 00:07:52,580 --> 00:08:04,530 ♬~ 74 00:08:04,530 --> 00:08:09,530 (彦左ヱ門)あ~ いやもう 十分に頂戴つかまつりました 75 00:08:09,530 --> 00:08:14,540 は? 是非にもう一献参れとの 仰せにござりまするか 76 00:08:14,540 --> 00:08:18,540 はっ では 本当にこれだけ 77 00:08:18,540 --> 00:08:21,540 これをもって おつもりということに 78 00:08:30,550 --> 00:08:35,560 あ~ いや もういけません もういけません 79 00:08:35,560 --> 00:08:39,560 君は御在世のみぎりから➡ 80 00:08:39,560 --> 00:08:43,570 この彦左を酔わせて 何かしくじりをさせて➡ 81 00:08:43,570 --> 00:08:47,570 お喜びになる 悪いお癖がござりましたぞ 82 00:08:47,570 --> 00:08:51,570 これ以上 過ごしましては 足を取られて➡ 83 00:08:51,570 --> 00:08:55,580 堀へ落ちるかも分かりませぬ ハハハ… 84 00:08:55,580 --> 00:08:57,580 ハハハ… 85 00:09:01,520 --> 00:09:05,520 うん 堀へ落ちるで 思い出しましたが➡ 86 00:09:05,520 --> 00:09:09,530 彦左 近頃 旗本どものたるんでおるのを➡ 87 00:09:09,530 --> 00:09:12,530 慨嘆いたしおりましたるところ➡ 88 00:09:12,530 --> 00:09:19,540 本日 下乗橋前において 我らの留飲を下げる事件勃発 89 00:09:19,540 --> 00:09:22,540 (太助)大変だ! 大変だ 大変だ 大変だ 天下の一大事だ 90 00:09:22,540 --> 00:09:24,540 (喜内)あっ こりゃ こりゃ (太助)あっ こりゃいかん 91 00:09:24,540 --> 00:09:27,540 (喜内)何だ 太助 また殿の口まねしおって➡ 92 00:09:27,540 --> 00:09:29,550 お前の天下の一大事とは つまり➡ 93 00:09:29,550 --> 00:09:31,550 盤台で鯛を 猫にとられたようなことだろ 94 00:09:31,550 --> 00:09:33,550 違うって 親分はあっちか 親分➡ 95 00:09:33,550 --> 00:09:36,550 おーい 親分! (喜内)待て待て…➡ 96 00:09:36,550 --> 00:09:39,560 待て待て 待て 待て 待て…➡ 97 00:09:39,560 --> 00:09:41,560 まずもっての お目通りを… 98 00:09:41,560 --> 00:09:44,560 めんどりも おんどりも あるもんかい! やあ! 99 00:09:44,560 --> 00:09:48,560 親分 天下の一大事だ! 天下の一大事? 100 00:09:48,560 --> 00:09:50,570 盤台の魚 猫にとられたんじゃねえよ ん? 101 00:09:50,570 --> 00:09:53,570 鮫洲重左ヱ門様の御判決が… 知っている 102 00:09:53,570 --> 00:09:58,570 鮫洲 堀尾の両人とも 3日間の謹慎じゃそうな 103 00:09:58,570 --> 00:10:01,580 式日に御城内を騒がせたのじゃ 104 00:10:01,580 --> 00:10:03,580 それくらいのことは やむをえぬだろう 105 00:10:03,580 --> 00:10:05,580 チッ 知ってるどころか 何も知っちゃいねえぜ 106 00:10:05,580 --> 00:10:07,580 そのお裁き 朝の間の話 107 00:10:07,580 --> 00:10:09,590 ついさっき 鮫洲様のお屋敷へ 御上使が乗り込んで➡ 108 00:10:09,590 --> 00:10:12,590 閉門50日 半知取り上げときやがった 109 00:10:12,590 --> 00:10:14,590 堀尾の方は? 110 00:10:14,590 --> 00:10:17,590 これが 3日の謹慎の後 お構いなしってんで➡ 111 00:10:17,590 --> 00:10:21,600 聞いた旗本8万騎ども これ怒ったの何のって 112 00:10:21,600 --> 00:10:24,600 喜内 馬引け (喜内)はい 113 00:10:30,610 --> 00:10:34,610 大久保彦左ヱ門 鮫洲重左ヱ門に 火急の用あって まかり通る 114 00:10:34,610 --> 00:10:37,610 いや 閉門中の鮫洲殿に 会わるることは➡ 115 00:10:37,610 --> 00:10:41,620 彦左ヱ門殿たりとも許されません う~ん… 116 00:10:41,620 --> 00:10:45,620 ややっ 辰巳の空に 流星あまた流るるは➡ 117 00:10:45,620 --> 00:10:47,620 異変の起こる兆しじゃ 118 00:10:53,630 --> 00:10:55,630 (番士)あっ… 119 00:11:03,570 --> 00:11:05,570 早まるな 120 00:11:05,570 --> 00:11:07,580 重左ヱ門 何じゃい 121 00:11:07,580 --> 00:11:12,580 東照大権現様の御指示じゃ 謹んで聞け 122 00:11:14,580 --> 00:11:19,590 畏れ多くも先刻 神君家康公 彦左ヱ門の夢枕に立たせたまい➡ 123 00:11:19,590 --> 00:11:23,590 「重左ヱ門 この度の裁きに 憤慨やる方なく➡ 124 00:11:23,590 --> 00:11:26,600 腹かき切って 面目を立つるものと相みえた」 125 00:11:26,600 --> 00:11:31,600 「重左のごとき忠臣に かかることがあっては徳川家の恥」 126 00:11:31,600 --> 00:11:35,600 「彦左 急ぎ行きて これを止めよ」との御諚じゃ 127 00:11:41,610 --> 00:11:44,610 (半蔵)やー! やー! 128 00:11:44,610 --> 00:11:46,620 (太助)ねえ みんな お願い… 129 00:11:46,620 --> 00:11:48,620 あっ…➡ 130 00:11:48,620 --> 00:11:52,620 待っておくんなさいよ ねっ ねっ みんな 131 00:11:52,620 --> 00:11:55,620 ねっ お願いしやす➡ 132 00:11:55,620 --> 00:11:58,620 お願いしやすよ もう ねっ 133 00:12:00,560 --> 00:12:02,560 ああ ねえねえねえ よっ…➡ 134 00:12:02,560 --> 00:12:05,570 おっ ねえ 加賀爪の御前 135 00:12:05,570 --> 00:12:09,570 (甚十郎)御前とは何でい 俺は汁粉じゃねえぜ 136 00:12:09,570 --> 00:12:11,570 それじゃ 殿様 137 00:12:11,570 --> 00:12:13,580 蛙じゃねえ (太助)おお… 138 00:12:13,580 --> 00:12:17,580 あ~ まるで口が利けやしねえやな 大将とでも野良犬とでも➡ 139 00:12:17,580 --> 00:12:19,580 お好みどおり お呼びいたしやすから ねっ 140 00:12:19,580 --> 00:12:21,580 野良犬はねえだろ 141 00:12:21,580 --> 00:12:23,590 これでも任官すりゃ お前➡ 142 00:12:23,590 --> 00:12:26,590 加賀爪甲斐守様になる 御身分柄だぜ 143 00:12:26,590 --> 00:12:28,590 (登之助)ハハハ… 144 00:12:28,590 --> 00:12:30,590 (登之助)ただし この身持ちでは➡ 145 00:12:30,590 --> 00:12:32,590 いくら待っても 任官だのということは➡ 146 00:12:32,590 --> 00:12:35,600 ない話だがね (一同の笑い声) 147 00:12:35,600 --> 00:12:37,600 世間で今 はやってる歌ですよ 148 00:12:37,600 --> 00:12:43,610 ♬ 夜更けて通るは何やつぞ 加賀爪甲斐か野良犬か 149 00:12:43,610 --> 00:12:46,610 ♬ さては坂部の三十か 150 00:12:46,610 --> 00:12:50,610 (三十郎)おいおい 歌といえども うそはいかん うそは 151 00:12:50,610 --> 00:12:55,620 え? この坂部三十郎 夜更けに 表をうろうろなんざいたさん 152 00:12:55,620 --> 00:12:57,620 (小次郎)それは本当じゃ 153 00:12:57,620 --> 00:13:00,560 (小次郎)夜更けには必ず 吉原の女にしがみついているわ 154 00:13:00,560 --> 00:13:02,560 (一同の笑い声) 155 00:13:02,560 --> 00:13:05,560 ねえねえ ねえねえ 皆さん 皆さんが因幡守の屋敷へ➡ 156 00:13:05,560 --> 00:13:07,560 殴り込みをかけようってのを➡ 157 00:13:07,560 --> 00:13:09,570 決してお止めだてするわけじゃ ねえんですよ え? 158 00:13:09,570 --> 00:13:12,570 そら もうね あっしだって… てんびん棒 ひっさげて➡ 159 00:13:12,570 --> 00:13:14,570 乗り込みてえぐらいのとこだ ただね➡ 160 00:13:14,570 --> 00:13:16,570 うちの親分がここへ 駆けつけてくるまでの間➡ 161 00:13:16,570 --> 00:13:18,570 ちょっと待っておくんなさいよ (伊織)太助! 162 00:13:18,570 --> 00:13:20,580 はい (伊織)我らの組んだ この徒党を➡ 163 00:13:20,580 --> 00:13:22,580 「六法組」という訳を知ってるか? (太助)へい 164 00:13:22,580 --> 00:13:25,580 天下の御法に1つ足した六法 それに➡ 165 00:13:25,580 --> 00:13:27,580 無法って語呂をかけたんだと 聞いておりやす 166 00:13:27,580 --> 00:13:29,590 うむ そうだ 167 00:13:29,590 --> 00:13:32,590 その六法組は野良犬だ山犬だと 嫌われながらも➡ 168 00:13:32,590 --> 00:13:34,590 無法を金看板に 暴れ回ってきたんだ 169 00:13:34,590 --> 00:13:37,590 それが今夜はどうだ 天下晴れて➡ 170 00:13:37,590 --> 00:13:40,600 つまり 大義名分の下に 大暴れできるんだ 171 00:13:40,600 --> 00:13:45,600 おやじにひっ捕まって 取りやめなんかにできるもんかい 172 00:13:45,600 --> 00:13:48,600 (用人)駿河台の大久保様が (甚十郎)おやじが? 173 00:13:48,600 --> 00:13:52,610 (太助)よう 親分 よう 集まっておるな 174 00:13:52,610 --> 00:13:56,610 ん~ 気合いも十分 入っておるようじゃな 175 00:13:56,610 --> 00:13:59,550 (半蔵)たー! たー たー! たー! 176 00:13:59,550 --> 00:14:02,550 誰じゃ? そのへっぴり腰は 177 00:14:02,550 --> 00:14:08,560 渡辺半蔵か それでは かかしも突けんわ 178 00:14:08,560 --> 00:14:10,560 お前のおやじは やりの半蔵といって➡ 179 00:14:10,560 --> 00:14:13,560 天下に武名を とどろかせたものじゃ 180 00:14:13,560 --> 00:14:17,560 堀尾因幡の胸板を貫くには こうして突くのじゃ 181 00:14:19,570 --> 00:14:21,570 やー! 182 00:14:21,570 --> 00:14:23,570 たー! 183 00:14:23,570 --> 00:14:25,570 (忠広)徳川が豊臣に 勝つことができたのは➡ 184 00:14:25,570 --> 00:14:29,580 一にかかって我らという味方を 持ったればこそではござらぬか➡ 185 00:14:29,580 --> 00:14:33,580 それが 今となれば目の上のこぶ 186 00:14:33,580 --> 00:14:38,590 (忠広)そこで 外様 外様と 嫌がらせを見せる 187 00:14:38,590 --> 00:14:42,590 3代目ともなれば 将軍も小粒になり申す 188 00:14:42,590 --> 00:14:45,590 (志摩守)売り家と唐様に 書いてもらうとするか 189 00:14:45,590 --> 00:14:47,600 (一同の笑い声) 190 00:14:47,600 --> 00:14:51,600 (近侍)申し上げます 本多上野介様お使いとして➡ 191 00:14:51,600 --> 00:14:54,600 家老 竹内金兵ヱ殿が お越しにござります 192 00:14:54,600 --> 00:14:56,600 これへ (近侍)はっ 193 00:15:06,550 --> 00:15:09,550 天正3年 よわい16歳にして➡ 194 00:15:09,550 --> 00:15:12,550 東照大権現 家康公の 御供つかまつり➡ 195 00:15:12,550 --> 00:15:15,560 三州 長篠の合戦に初陣 196 00:15:15,560 --> 00:15:18,560 敵将 和田兵部の首を 討ち取って以来➡ 197 00:15:18,560 --> 00:15:24,570 大小の合戦合わせて66たび 全身に受けたる手傷88か所 198 00:15:24,570 --> 00:15:28,570 思い起こすは 鳶の巣文殊山 盛り返しの一番やり 199 00:15:28,570 --> 00:15:32,570 その日の彦左のいでたちは もえぎおどしの伊達よろい 200 00:15:32,570 --> 00:15:36,580 かぶとは わざとかぶらずに 白あや畳んで後ろ鉢巻き 201 00:15:36,580 --> 00:15:40,580 茶色に白く上り藤 中に大の字染めたる旗さしもの 202 00:15:40,580 --> 00:15:43,590 大身のやりを小脇にかい込み➡ 203 00:15:43,590 --> 00:15:46,590 くり毛の駒に 銀覆輪のくらを置いて➡ 204 00:15:46,590 --> 00:15:49,590 ゆらりがっしと打ちまたがり➡ 205 00:15:49,590 --> 00:15:52,590 「やあやあ 遠からん者は音にも聞け」 206 00:15:52,590 --> 00:15:55,590 「近くば寄って目にも見よう」 207 00:16:00,540 --> 00:16:07,540 目にも見えんわな 眠っていては ハハハ… 208 00:16:07,540 --> 00:16:10,550 御老体 いや これは失礼 209 00:16:10,550 --> 00:16:13,550 大先輩の計画が 図に当たったようですぜ 210 00:16:13,550 --> 00:16:16,550 ん? 計画? 211 00:16:16,550 --> 00:16:20,560 これじゃ 因幡守の夜討ちも どうやらお流れでさ 212 00:16:20,560 --> 00:16:23,560 おお 夜討ちは やめか 213 00:16:23,560 --> 00:16:26,560 そのかわり 決してこのままじゃ済みませんぜ 214 00:16:26,560 --> 00:16:29,570 ばか者! 215 00:16:29,570 --> 00:16:32,570 大久保彦左ヱ門が このまま済ますと思うか 216 00:16:32,570 --> 00:16:37,570 わしはのう 東照大権現様から お墨付きを頂いた➡ 217 00:16:37,570 --> 00:16:39,580 天下の御意見番じゃ 218 00:16:39,580 --> 00:16:42,580 よっ 大当たり! 219 00:16:42,580 --> 00:16:50,590 ≪(男性)大久保彦左ヱ門様 御出仕~ 220 00:16:50,590 --> 00:16:58,590 (登城太鼓) 221 00:17:08,540 --> 00:17:11,540 大久保彦左ヱ門 上様へ御意得たき儀あって➡ 222 00:17:11,540 --> 00:17:14,540 登城いたした旨 御側まで申し入れてくれ 223 00:17:35,560 --> 00:17:38,570 (頼房)お上 彦左ヱ門 相変わらず➡ 224 00:17:38,570 --> 00:17:42,570 御機嫌伺いに 参上いたしおりまするか 225 00:17:42,570 --> 00:17:45,570 このところ 一向に参らぬので 心配いたしております 226 00:17:45,570 --> 00:17:50,580 おお 御意見しにも参りませぬか 227 00:17:50,580 --> 00:17:55,580 じいも 何分の年 気力も衰えましたものか 228 00:17:57,590 --> 00:18:01,520 来れば来たで 気骨一点張りのじいめ 229 00:18:01,520 --> 00:18:07,530 いや この頼房も あの気骨には 閉口いたしおります 230 00:18:07,530 --> 00:18:09,530 おじ上もか (頼房)はっ 231 00:18:09,530 --> 00:18:13,540 (家光・頼房の笑い声) 232 00:18:13,540 --> 00:18:17,540 しかし 来ねば来ぬで いかがいたしたか 233 00:18:17,540 --> 00:18:21,540 病でもいたしてはおらぬかと 心配になります 234 00:18:21,540 --> 00:18:24,550 (頼房)ありがたき今のお言葉 235 00:18:24,550 --> 00:18:27,550 上野 (上野介)はっ 236 00:18:27,550 --> 00:18:32,550 お上の御意 彦左に伝え遣わせ (上野介)はっ 237 00:18:32,550 --> 00:18:36,560 お心を休めに 御機嫌伺いに参るようにとな 238 00:18:36,560 --> 00:18:38,560 ははっ 239 00:18:55,580 --> 00:18:57,580 (上野介)彦左について 上様より➡ 240 00:18:57,580 --> 00:18:59,510 あのようなお言葉を 賜ったうえは➡ 241 00:18:59,510 --> 00:19:03,520 もはや 拝謁を 阻止し続けるわけにもまいらぬ 242 00:19:03,520 --> 00:19:07,520 しかし 彦左お目通りを 願いいでたるは➡ 243 00:19:07,520 --> 00:19:11,530 鮫洲のことを直訴せんがために ほかなりません 244 00:19:11,530 --> 00:19:14,530 上様のお声がかりにて 鮫洲重左ヱ門➡ 245 00:19:14,530 --> 00:19:17,530 お構いなしとあっては 我ら閣老の面目は丸潰れ 246 00:19:17,530 --> 00:19:21,540 我らの面目など いかようなろうと 大事はござらぬ 247 00:19:21,540 --> 00:19:25,540 案ずるは ただ 天下平安の一事 248 00:19:25,540 --> 00:19:32,550 収まらぬ外様諸侯が 万一 不穏の挙にでも出る場合… 249 00:19:32,550 --> 00:19:37,550 (備後守)伊豆守殿は 知恵伊豆と 天下にうたわれる御器量に➡ 250 00:19:37,550 --> 00:19:40,550 何ぞ 良策でも? 251 00:19:48,560 --> 00:19:52,560 (宗和)御老中 松平伊豆守様 おなりにござります 252 00:20:01,580 --> 00:20:07,580 豆州殿には夜陰に及ぶ御精勤 御苦労さまに存ずる 253 00:20:07,580 --> 00:20:10,590 (伊豆守)いや 伊豆守は役目ゆえ➡ 254 00:20:10,590 --> 00:20:14,590 夜陰はおろか 徹宵の勤めもいといませぬが➡ 255 00:20:14,590 --> 00:20:18,590 彦左殿には このような時刻まで 何のために 256 00:20:18,590 --> 00:20:23,600 ほう 彦左 お役向きまで 申し入れし儀➡ 257 00:20:23,600 --> 00:20:26,600 豆州殿には 御存じないか? ああ… 258 00:20:26,600 --> 00:20:31,610 う~ん… いや 上様に御拝謁を願いいで➡ 259 00:20:31,610 --> 00:20:34,610 御沙汰を待ちおりますのじゃ 260 00:20:34,610 --> 00:20:38,610 無役の彦左殿が お上へ拝謁とあれば➡ 261 00:20:38,610 --> 00:20:42,620 まずもって 御機嫌伺い… 262 00:20:42,620 --> 00:20:46,620 それにしては このような時刻に ちとどうか 263 00:20:46,620 --> 00:20:51,630 御油奉行 鮫洲重左ヱ門の お裁きに関し➡ 264 00:20:51,630 --> 00:20:56,630 いささか ふに落ちぬ向きの ござるによって 265 00:20:56,630 --> 00:21:00,570 お上に御意見するという まずもって 266 00:21:00,570 --> 00:21:05,570 不忠者めが な… 何と申されたな? 豆州殿 267 00:21:05,570 --> 00:21:08,580 身の程をわきまえぬ 不忠の臣 268 00:21:08,580 --> 00:21:11,580 だ… 黙らっしゃい 269 00:21:11,580 --> 00:21:14,580 身の程知らずとは聞き捨てならぬ 270 00:21:14,580 --> 00:21:17,590 神君 家康公 御臨終のみぎり➡ 271 00:21:17,590 --> 00:21:22,590 この大久保彦左ヱ門忠教 かしこくも召されて➡ 272 00:21:22,590 --> 00:21:25,590 僧正天海とともに 御枕辺にはべり➡ 273 00:21:25,590 --> 00:21:31,600 将軍にまが事あらば 彦左 意見せよとの御遺言を賜る 274 00:21:31,600 --> 00:21:35,600 すなわち 天下の御意見番 さよう 275 00:21:35,600 --> 00:21:41,610 その彦左ヱ門に 不忠の極印打ったる貴殿の存意➡ 276 00:21:41,610 --> 00:21:48,620 しかと承ったうえ 次第によっては 閣老とて許しはせん 277 00:21:48,620 --> 00:21:52,620 将軍家に御意見するという➡ 278 00:21:52,620 --> 00:21:56,630 家臣として分限を超えたる栄誉 279 00:21:56,630 --> 00:22:03,570 与えたもうたは 東照宮様の優しきお心遣い 280 00:22:03,570 --> 00:22:07,570 そのお心遣いを 正しくくみ取らぬは➡ 281 00:22:07,570 --> 00:22:11,570 彦左ヱ門の不明 282 00:22:11,570 --> 00:22:18,580 天下の政務は 将軍家より幕閣 これを委ねられて総覧いたす 283 00:22:18,580 --> 00:22:22,580 しかるに その処置において➡ 284 00:22:22,580 --> 00:22:25,590 彦左ヱ門に 気に入らぬことあれば➡ 285 00:22:25,590 --> 00:22:30,590 たちまち御意見番の特権をもって お上に直訴いたす 286 00:22:32,590 --> 00:22:36,600 孝心深きお上は➡ 287 00:22:36,600 --> 00:22:43,610 東照大権現様の御遺言として これに従う 288 00:22:43,610 --> 00:22:48,610 おいたわしきは お上 何? 289 00:22:48,610 --> 00:22:54,620 彦左ヱ門の意見に対し そのつどお上は➡ 290 00:22:54,620 --> 00:22:57,620 よういさめてくれた 余が悪かった 291 00:22:57,620 --> 00:23:04,560 余の間違いであった そのことは直ちに改めようぞ 許せ 292 00:23:04,560 --> 00:23:07,560 …との お言葉を下さる 293 00:23:07,560 --> 00:23:12,570 そのとおりじゃ 彦左ヱ門 まだ分からぬか 294 00:23:12,570 --> 00:23:16,570 その方が 御意見するたびに➡ 295 00:23:16,570 --> 00:23:19,570 お上は… 296 00:23:19,570 --> 00:23:24,570 お上が愚か者に なられるということ 297 00:23:27,580 --> 00:23:32,590 余が悪かった 余の間違いであった とは これすなわち➡ 298 00:23:32,590 --> 00:23:38,590 お上自身 不明をわびるお言葉じゃ 299 00:23:38,590 --> 00:23:42,600 彦左ヱ門が天下の御意見番➡ 300 00:23:42,600 --> 00:23:45,600 徳川の大黒柱として うたわれるのは➡ 301 00:23:45,600 --> 00:23:50,610 御主君を 暗君にすることによって➡ 302 00:23:50,610 --> 00:23:54,610 得られるのじゃと気付かぬか 303 00:23:58,610 --> 00:24:02,550 忠長公とのお世継ぎ争い➡ 304 00:24:02,550 --> 00:24:05,550 今 落着いたしたとはいえ➡ 305 00:24:05,550 --> 00:24:10,560 いまだ世情不安の折から そのやからが➡ 306 00:24:10,560 --> 00:24:15,560 将軍家 暗君と聞かば いかに喜び➡ 307 00:24:15,560 --> 00:24:19,570 いかに 利用いたすか 308 00:24:19,570 --> 00:24:39,590 ♬~ 309 00:24:39,590 --> 00:24:59,540 ♬~ 310 00:24:59,540 --> 00:25:19,560 ♬~ 311 00:25:19,560 --> 00:25:24,560 ♬~ 312 00:25:30,570 --> 00:25:32,570 (太助)おうおうおう そんな いら火にしちゃいけねえ いけねえ 313 00:25:32,570 --> 00:25:35,580 とろ火にすんだ とろ火に ったく もう駄目だね この…➡ 314 00:25:35,580 --> 00:25:38,580 おうおう… ひっくり返すんだ ひっくり返すんだ ったくよ 315 00:25:38,580 --> 00:25:40,580 (三十郎)おい 太助 (太助)へいへい 316 00:25:40,580 --> 00:25:43,590 肝心の御老体が 遅すぎるではないか 317 00:25:43,590 --> 00:25:45,590 何か起きたかな? (太助)なに 大丈夫ですよ 318 00:25:45,590 --> 00:25:47,590 いいことを意見してくれたってんで 将軍様 喜んで➡ 319 00:25:47,590 --> 00:25:49,590 一杯 ごちそうしてんでさ 320 00:25:49,590 --> 00:25:52,590 (お花)あっ 御用人さん お客様ですよ 321 00:25:52,590 --> 00:25:54,590 (喜内)ん? お客様? (お花)はい 322 00:26:01,540 --> 00:26:03,540 (喜内) いや 何かの間違いでござろう➡ 323 00:26:03,540 --> 00:26:06,540 当方は 大久保彦左ヱ門宅でござるが 324 00:26:06,540 --> 00:26:09,540 (お遊)あんたはん 笹尾喜内はんだっしゃろ? 325 00:26:09,540 --> 00:26:11,550 うち よう知ってまんね 326 00:26:11,550 --> 00:26:13,550 いや あんたはん 太助はんやな 327 00:26:13,550 --> 00:26:16,550 腕に 「一心鏡の如し」いう彫り物 してはんのですやろ? 328 00:26:16,550 --> 00:26:19,550 えらい評判だすよ 上方でも 329 00:26:19,550 --> 00:26:22,560 あっ お仲 かめへん 上がっといで➡ 330 00:26:22,560 --> 00:26:24,560 あっ 世話役はん えらい御苦労はんだした➡ 331 00:26:24,560 --> 00:26:27,560 あの いずれ落ち着いてから ゆっくり片づけますよってにな➡ 332 00:26:27,560 --> 00:26:29,560 あの その荷物 一時 ざっとでええさかい➡ 333 00:26:29,560 --> 00:26:31,570 入れといておくれやす (男性)へい よろしゅうおます 334 00:26:31,570 --> 00:26:33,570 ちょ… ちょっと➡ 335 00:26:33,570 --> 00:26:36,570 あの この太助はんに 万事 指図してもろうてな 336 00:26:36,570 --> 00:26:38,570 太助はん よろしゅうおたの申しまっせ 337 00:26:38,570 --> 00:26:41,580 喜内はん あっ 喜内はん うちん中 案内しておくれやす 338 00:26:41,580 --> 00:26:44,580 (喜内)それは… (お遊)さあ どうぞ 339 00:26:51,590 --> 00:26:56,590 (お仲)やあ 道具いうもん 1つもあらへん 貧乏なうちやな 340 00:26:56,590 --> 00:26:59,530 (喜内)いや これは 武家屋敷においてはな➡ 341 00:26:59,530 --> 00:27:01,530 控えの間と申してな➡ 342 00:27:01,530 --> 00:27:03,530 道具類は 一切置いてはならんという➡ 343 00:27:03,530 --> 00:27:05,530 おきてになっておるんじゃ 344 00:27:05,530 --> 00:27:07,540 ≪(笑い声) 345 00:27:07,540 --> 00:27:10,540 お客さんをするお座敷 あっちですね 346 00:27:12,540 --> 00:27:14,540 ウフッ! 347 00:27:16,540 --> 00:27:19,540 (喜内)こちらが書院でござる 348 00:27:28,560 --> 00:27:30,560 あっ… 349 00:27:34,560 --> 00:27:36,560 権現さん 350 00:27:36,560 --> 00:27:56,580 ♬~ 351 00:27:56,580 --> 00:28:13,530 ♬~ 352 00:28:13,530 --> 00:28:16,540 (お花)あっ おかえりなさいませ 353 00:28:16,540 --> 00:28:20,540 殿様が 殿様がお戻りでございますよ 354 00:28:20,540 --> 00:28:22,540 親分 どうしていなすった え?➡ 355 00:28:22,540 --> 00:28:24,550 こっちはもう みんな さっきから待ちかねていやしたぜ➡ 356 00:28:24,550 --> 00:28:27,550 何しろ天下の一大事でさ おお 天下の一大事か 357 00:28:27,550 --> 00:28:30,550 ええ これこそ正真正銘 掛け値なしの天下の一大事でさ 358 00:28:30,550 --> 00:28:32,550 さあ とにかく部屋へ 来ておくんない 359 00:28:32,550 --> 00:28:38,560 (一同の笑い声) 360 00:28:38,560 --> 00:28:53,560 (拍手) 361 00:29:09,520 --> 00:29:12,530 どこのお娘御か 知らぬ顔じゃが 362 00:29:12,530 --> 00:29:16,530 さあ 御挨拶なさいやし さあ早く 363 00:29:16,530 --> 00:29:19,530 ええい そこでは 遠すぎましょう さあ あれへ 364 00:29:19,530 --> 00:29:21,540 (大学)さあさあ ずーっと (半蔵)どうぞどうぞ 365 00:29:21,540 --> 00:29:24,540 ほな どなたはんも ごめんやす 366 00:29:33,550 --> 00:29:38,550 大坂の米問屋 難波屋の娘 お遊と申します どうぞよろしゅう 367 00:29:38,550 --> 00:29:40,560 難波屋? 368 00:29:40,560 --> 00:29:45,560 政右ヱ門だす 難波屋政右ヱ門 369 00:29:45,560 --> 00:29:47,560 お忘れだすやろか 370 00:29:47,560 --> 00:29:51,570 おお おお うん 371 00:29:51,570 --> 00:29:55,570 難波屋政右ヱ門殿なら 忘れてなろうか 372 00:29:55,570 --> 00:29:58,570 政右ヱ門殿こそ この彦左ヱ門にとって➡ 373 00:29:58,570 --> 00:30:02,580 いや かしこくも 東照大権現様におかれても➡ 374 00:30:02,580 --> 00:30:05,580 言うならば 命の恩人 375 00:30:05,580 --> 00:30:10,590 大坂冬の陣において 味方の戦 利あらず➡ 376 00:30:10,590 --> 00:30:12,590 兵糧打ち捨てて退陣 377 00:30:12,590 --> 00:30:17,590 ために 御本陣 麾下の兵 飢えに倒れんとせしとき➡ 378 00:30:17,590 --> 00:30:21,600 難波屋政右ヱ門 夜陰を利して 平野川を遡行 379 00:30:21,600 --> 00:30:24,600 20俵の米を届けてくれた 380 00:30:24,600 --> 00:30:29,600 彦左ヱ門 政右ヱ門殿の手を握り 感泣し➡ 381 00:30:29,600 --> 00:30:32,610 東照神君におかれても 御陣中に➡ 382 00:30:32,610 --> 00:30:38,610 直筆の感状を下しおかれたと 覚えおる 383 00:30:38,610 --> 00:30:42,620 江戸下りは御見物でござるか 384 00:30:42,620 --> 00:30:45,620 いいえ 385 00:30:45,620 --> 00:30:49,620 命を懸けた お願い事がありまして➡ 386 00:30:49,620 --> 00:30:51,630 そのためはるばる 387 00:30:51,630 --> 00:30:55,630 命を懸けたとは 容易ならぬ願い事じゃが 388 00:30:55,630 --> 00:31:00,570 へい そのお願い事いうのんは➡ 389 00:31:00,570 --> 00:31:04,570 実は あんたはんのことですねん 390 00:31:04,570 --> 00:31:06,570 わしのこと? へい 391 00:31:06,570 --> 00:31:10,580 あんたはんの お嫁はんに していただこう思いまして 392 00:31:10,580 --> 00:31:13,580 わしの嫁に? 393 00:31:13,580 --> 00:31:15,580 はい 394 00:31:19,590 --> 00:31:24,590 親分 だから天下の一大事と 申し上げたでございましょう 395 00:31:24,590 --> 00:31:29,600 ハハハ… お娘御は 悪いときにみえられた 396 00:31:29,600 --> 00:31:32,600 あいにく 彦左ヱ門 こよいは ざれ言を言って➡ 397 00:31:32,600 --> 00:31:34,600 楽しむ気分にはなれぬのじゃ 398 00:31:34,600 --> 00:31:36,600 ざれ言? 399 00:31:36,600 --> 00:31:38,610 言わんといておくれやす 400 00:31:38,610 --> 00:31:40,610 うち そんな てんごう言おうと思って➡ 401 00:31:40,610 --> 00:31:43,610 百何十里もの道 しんどいしんどい目して➡ 402 00:31:43,610 --> 00:31:45,610 来やしまへん 403 00:31:54,620 --> 00:31:57,630 政右ヱ門の娘の名をかたる 古ぎつねめ 404 00:31:57,630 --> 00:32:00,560 化けの皮 ひんむいてくれる 405 00:32:00,560 --> 00:32:02,560 たー! 406 00:32:05,570 --> 00:32:10,570 太助はん うちから尻尾出ましたやろか 407 00:32:10,570 --> 00:32:12,570 そ… そんなもん出やしねえよ 408 00:32:12,570 --> 00:32:15,580 そのかわり 俺の体から 汗がびっしょり出やがった ちきしょう 409 00:32:15,580 --> 00:32:18,580 お拭きやす 410 00:32:18,580 --> 00:32:20,580 (においを嗅ぐ音) (太助)御辞退するよ 411 00:32:20,580 --> 00:32:22,580 何でやの 412 00:32:22,580 --> 00:32:24,590 俺はな 女臭えのは嫌えなんだ 413 00:32:24,590 --> 00:32:28,590 フンッ 魚臭いくせに ん! 414 00:32:37,600 --> 00:32:40,600 大先輩 これは一応➡ 415 00:32:40,600 --> 00:32:43,600 お遊さんの話を 聞いてやるべきだと思いますが 416 00:32:43,600 --> 00:32:48,610 ハハハ 話にもならん ばかばかしい 417 00:32:48,610 --> 00:32:52,610 初めのうちは うちのお父ちゃんも 同じこと言いました 418 00:32:52,610 --> 00:32:54,620 せやけど その次には➡ 419 00:32:54,620 --> 00:32:57,620 「お前の言うこと わしには分からんでもないが➡ 420 00:32:57,620 --> 00:33:00,560 人さんには分かりにくいこっちゃな」 言うてくれまして 421 00:33:00,560 --> 00:33:02,560 (又四郎)そして それから? (お遊)へい 422 00:33:02,560 --> 00:33:04,560 ほいで しまいには 「そこまで言うんやったら➡ 423 00:33:04,560 --> 00:33:07,560 しようがない 一遍だけ 大久保さんに会うてみて➡ 424 00:33:07,560 --> 00:33:10,570 話だけはしてみたらええやろ」って 425 00:33:10,570 --> 00:33:13,570 となると これは難波屋へ対する 義理合いからも➡ 426 00:33:13,570 --> 00:33:16,570 聞いてやらねばならん 話ということになる 427 00:33:16,570 --> 00:33:20,580 (十郎左ヱ門)そのとおり して そもそもの始まりというのは? 428 00:33:20,580 --> 00:33:25,580 へい 忘れもしまへん 去年の4月17日のことだした 429 00:33:25,580 --> 00:33:29,580 ん? 4月17日といえば 神君の御命日 430 00:33:29,580 --> 00:33:33,590 何や 神々しいほど品のええ➡ 431 00:33:33,590 --> 00:33:36,590 70ぐらいのおじいさんが うちの夢枕に立たはりました 432 00:33:36,590 --> 00:33:41,600 それは どんなふうな? (お遊)へい そうだんな➡ 433 00:33:41,600 --> 00:33:45,600 ちょうど 何やこの… こんな冠かぶって➡ 434 00:33:45,600 --> 00:33:48,600 おしゃも持って➡ 435 00:33:48,600 --> 00:33:50,610 こ~んな格好だした 436 00:33:50,610 --> 00:33:54,610 (三十郎)あっ! 東照公様だ (一同)ああ 437 00:34:00,550 --> 00:34:04,550 ほいで そのお方の言わはるには… 438 00:34:04,550 --> 00:34:06,550 (せきばらい) 439 00:34:06,550 --> 00:34:12,560 「そちの夫たるべきは 大久保彦左ヱ門忠教なり」 440 00:34:12,560 --> 00:34:18,570 「お遊 急ぎ行きて これをまとめよ」 441 00:34:18,570 --> 00:34:24,570 何を言う もったいない 神君の夢枕などと 442 00:34:24,570 --> 00:34:26,570 (甚十郎)ハハハ… 443 00:34:26,570 --> 00:34:29,580 しかし 大先輩は 事あるごとに➡ 444 00:34:29,580 --> 00:34:33,580 神君の夢枕を 語られるではござらぬか 445 00:34:33,580 --> 00:34:39,590 とにかく 神君の御諚とあらば もはや事は決まったと申すもの 446 00:34:39,590 --> 00:34:43,590 あとは当人同士 委細を尽くされるがよろしかろう 447 00:34:43,590 --> 00:34:48,590 仲人は宵の口とか 我らこれにて退散つかまつる 448 00:34:53,600 --> 00:34:55,600 おう 太助 (太助)へい 449 00:34:55,600 --> 00:34:57,610 お前も邪魔だから一緒に来な 450 00:34:57,610 --> 00:34:59,540 そのかわり まだお前の行ったことのねえ➡ 451 00:34:59,540 --> 00:35:02,540 面白え所へ連れてってやらあな ハハハ… 452 00:35:09,550 --> 00:35:12,550 元和5年 福島宰相正則 453 00:35:12,550 --> 00:35:15,560 次いで6年 田中筑後守忠政 454 00:35:15,560 --> 00:35:19,560 8年には 最上侍従義俊 455 00:35:19,560 --> 00:35:25,570 いずれも 家名断絶 領地没収の極刑に処せられている 456 00:35:25,570 --> 00:35:29,570 これは全くもって ひと事ではござらん 457 00:35:29,570 --> 00:35:31,570 明日は我が身に 458 00:35:31,570 --> 00:35:36,580 まず 次はこの加藤忠広でござろう 459 00:35:36,580 --> 00:35:39,580 これ以上 幕府の阻害を 許すことはできませぬ 460 00:35:39,580 --> 00:35:43,580 よって かねての誓約どおり 461 00:35:43,580 --> 00:35:45,590 (金兵ヱ)お三方が西において 旗揚げいたさば➡ 462 00:35:45,590 --> 00:35:48,590 将軍家 軍を率いて 討伐に向かうは必定 463 00:35:48,590 --> 00:35:52,590 その背後において我ら 駿河大納言様を擁して蜂起 464 00:35:52,590 --> 00:35:54,590 ≪(女性)御免くださいませ 465 00:35:57,600 --> 00:36:00,530 お話はお済みでございましょうか 太夫たちの支度ができましたので 466 00:36:00,530 --> 00:36:02,530 (金兵ヱ) おう 待ちかねた 待ちかねた 467 00:36:06,540 --> 00:36:10,540 (登之助)よっ 待ってました おい 遅いぞ 遅いぞ おい 468 00:36:10,540 --> 00:36:12,550 (三十郎) あんまりじらすんじゃないよ 469 00:36:12,550 --> 00:36:14,550 (登之助)何をしとるんじゃ はよ入れ➡ 470 00:36:14,550 --> 00:36:16,550 酒がうまくないじゃないか 471 00:36:19,550 --> 00:36:22,560 おいおい そこの若えのはな 今日初めてなんだから➡ 472 00:36:22,560 --> 00:36:24,560 うんとかわいがってやってくれ 473 00:36:24,560 --> 00:36:26,560 (女性たち)わ~! (女性)そう かわいいわ 474 00:36:26,560 --> 00:36:28,560 (女性たちの騒ぎ声) (女性)かわいいわね 475 00:36:28,560 --> 00:36:31,570 (甚十郎)こいつは面白えや 476 00:36:31,570 --> 00:36:35,570 女も知らねえで 男ん中の男一匹もねえ話だぜ 477 00:36:35,570 --> 00:36:37,570 全くだ (一同の笑い声) 478 00:36:37,570 --> 00:36:40,570 おう 借りてきた猫じゃあるめえし もっと威勢よくやんな 479 00:36:40,570 --> 00:36:42,580 (登之助)ああ やれやれ え? 480 00:36:42,580 --> 00:36:45,580 (女性)飲みなさいよ 481 00:36:45,580 --> 00:36:48,580 (女性たちの話し声) 482 00:36:48,580 --> 00:36:52,590 (太助)よせよ (女性)かわいいわね 483 00:36:52,590 --> 00:36:55,590 (女性たちの話し声) (女性)かわいい 484 00:36:55,590 --> 00:36:59,530 (女性)さあ もう一杯 ね? もう一杯飲みましょ➡ 485 00:36:59,530 --> 00:37:01,530 さあ これも食べる? 486 00:37:01,530 --> 00:37:05,530 実はな 三十郎御執心の 朝霧太夫に客がついて➡ 487 00:37:05,530 --> 00:37:08,540 なかなか 放してくれねえってわけだ 488 00:37:08,540 --> 00:37:13,540 その客ってのは 堀尾因幡守他 外様のお歴々 489 00:37:13,540 --> 00:37:16,540 (太助)外様? ケッ 外様が何でい 490 00:37:16,540 --> 00:37:18,540 大名が何だってんでい 491 00:37:21,550 --> 00:37:24,550 たかが知れた田舎大名風情に➡ 492 00:37:24,550 --> 00:37:27,560 花のお江戸の吉原で 大きな顔をされたんじゃ➡ 493 00:37:27,560 --> 00:37:29,560 江戸っ子の名が廃らあな 494 00:37:29,560 --> 00:37:32,560 さあ こうなったら 矢でも鉄砲でも持ってきやがれ 495 00:37:32,560 --> 00:37:34,560 この一心太助にはな➡ 496 00:37:34,560 --> 00:37:38,570 大久保彦左ヱ門って 日本一の親分がついてんでい 497 00:37:38,570 --> 00:37:40,570 (お遊)難波屋の一人娘いうもんに 生まれましたよって➡ 498 00:37:40,570 --> 00:37:42,570 そらまあ 欲しいもんいうたら➡ 499 00:37:42,570 --> 00:37:45,570 何一つ手に入らんことがないよう 育てられました 500 00:37:45,570 --> 00:37:50,580 せやけど 女子と生まれて やっぱり 一番大切なことは➡ 501 00:37:50,580 --> 00:37:54,580 立派な夫を持って 立派な子供を産むことだっしゃろ? 502 00:37:54,580 --> 00:37:57,590 そうなってくると この難波屋の一人娘いうのが➡ 503 00:37:57,590 --> 00:38:00,520 えらい邪魔になってきまして 504 00:38:00,520 --> 00:38:03,520 帯に短したすきに長しどころや おまへんねん 505 00:38:03,520 --> 00:38:07,530 みんな 羽織のひもにもならんほど 短いことになってきますねん 506 00:38:07,530 --> 00:38:10,530 まあ そんなんこんなんで うち もう半分諦めかけてたら➡ 507 00:38:10,530 --> 00:38:12,530 あの夢枕だす 508 00:38:12,530 --> 00:38:15,540 うち もう 天にも昇る気持ちだしたんや 509 00:38:15,540 --> 00:38:20,540 まあまあ… 待たっしゃれ わしは このとおりの老人じゃ 510 00:38:20,540 --> 00:38:24,550 老人? 何言うてはりますのん 511 00:38:24,550 --> 00:38:29,550 男盛り ほんまに ええ男盛りやおまへんか 512 00:38:32,550 --> 00:38:36,560 あ… しかし わしとそこもとでは あまりに… 513 00:38:36,560 --> 00:38:40,560 年が違う言わはりますのやろ? みんなもそれ言いますねん 514 00:38:40,560 --> 00:38:45,570 そのとおり そのとおり みんなの言うのが至極正しい 515 00:38:45,570 --> 00:38:48,570 それは みんなが あっぽやさかいだす 516 00:38:48,570 --> 00:38:50,570 あっぽ? へい 517 00:38:50,570 --> 00:38:53,570 フフッ 上方では 「あほ」いう言葉を➡ 518 00:38:53,570 --> 00:38:57,580 子供の言葉で 「あっぽ」いいますねん 519 00:38:57,580 --> 00:38:59,510 うちは ここへ嫁に来て➡ 520 00:38:59,510 --> 00:39:02,520 どないしても7人は 子供産まんならん思てます 521 00:39:02,520 --> 00:39:04,520 7人? へい 522 00:39:04,520 --> 00:39:06,520 まず 御当家の跡取りだっしゃろ 523 00:39:06,520 --> 00:39:09,520 ほいで うちが一人娘だすよってに➡ 524 00:39:09,520 --> 00:39:11,530 難波屋の跡取りも 産まんなりまへんねん 525 00:39:11,530 --> 00:39:14,530 ほいで 大久保彦左ヱ門の 子やいうんで➡ 526 00:39:14,530 --> 00:39:18,530 養子に欲しい言わはる人ぎょうさん 出てきはるに決まってます 527 00:39:18,530 --> 00:39:20,530 せやけど それを みんながみんな➡ 528 00:39:20,530 --> 00:39:22,540 引き受けるわけに いきまへんけども➡ 529 00:39:22,540 --> 00:39:26,540 まあ 3人か4人 断りきれん義理もおまっしゃろな 530 00:39:26,540 --> 00:39:29,540 ほいで うち 女の子も欲しゅうおますねん 531 00:39:29,540 --> 00:39:34,550 せやし どない勘定したかて 7人は産まんなりまへんがな 532 00:39:34,550 --> 00:39:38,550 女は子供1人産んだら 3つ4つは老けるいいますな 533 00:39:38,550 --> 00:39:42,560 せやし 7人子供産んだら 4×7=28 534 00:39:42,560 --> 00:39:44,560 28老けんなりまへん 535 00:39:44,560 --> 00:39:47,560 ほなもう すぐ40すぎの おばあはんだすがな 536 00:39:47,560 --> 00:39:51,570 そこいくと 男はんは違いますな 537 00:39:51,570 --> 00:39:55,570 あんたはんなんか 今とちっとも変わらん男盛りで➡ 538 00:39:55,570 --> 00:39:58,570 若い女子はんに もてはるよって➡ 539 00:39:58,570 --> 00:40:00,570 うちらみたいな おばあはん ほっといて➡ 540 00:40:00,570 --> 00:40:03,580 きっと その若い女子はんとこ 行かはるんですやろ 541 00:40:03,580 --> 00:40:06,580 いや いや悔しい 542 00:40:06,580 --> 00:40:10,580 うちのいとはん袖にして 何ちゅうことしさらすんや➡ 543 00:40:10,580 --> 00:40:13,590 きー! (お遊)お仲 あっぽ➡ 544 00:40:13,590 --> 00:40:17,590 もし 先にて そうなったらの話やないか➡ 545 00:40:17,590 --> 00:40:19,590 慌て者やな 546 00:40:19,590 --> 00:40:24,600 いとはん 今のうち しっかり 手綱締めとかんとあかんで 547 00:40:24,600 --> 00:40:26,600 (お遊)うん (お仲)よう見ると➡ 548 00:40:26,600 --> 00:40:29,600 なかなか男前だっせ 549 00:40:29,600 --> 00:40:31,610 ハハハ… 550 00:40:31,610 --> 00:40:34,610 喜内 こりゃ処置なしじゃ 551 00:40:34,610 --> 00:40:36,610 (登之助)ハハハ… こりゃあまた➡ 552 00:40:36,610 --> 00:40:41,620 どうにも処置なしという 体たらくだな ハハハ… 553 00:40:41,620 --> 00:40:43,620 さあ ついでくれ 554 00:40:46,620 --> 00:40:48,620 (甚十郎)うん 555 00:40:50,620 --> 00:40:55,630 三十郎にゃ せっかくの逢瀬を 何とも気の利かねえ話だが➡ 556 00:40:55,630 --> 00:40:58,630 今夜はひとつ これでお立ちってことに 557 00:40:58,630 --> 00:41:00,570 一体 そりゃ… 558 00:41:00,570 --> 00:41:03,570 実は堀尾どもの部屋に 俺たちがここにいるってことを➡ 559 00:41:03,570 --> 00:41:05,570 あの仲居に頼んで 知らしてみたのさ 560 00:41:05,570 --> 00:41:09,580 するってえと やつら何やら ぎょっとした顔をして➡ 561 00:41:09,580 --> 00:41:13,580 ひそひそ話をしたあげく 急にお帰りってことに 562 00:41:13,580 --> 00:41:15,580 というのは つまり➡ 563 00:41:15,580 --> 00:41:19,590 我らに知られてはまずい何かが あるっていうことだな 564 00:41:19,590 --> 00:41:23,590 御明察 さて そのまずい何かだが➡ 565 00:41:23,590 --> 00:41:26,590 これが重いか軽いか 俺たちの帰り道に分かる 566 00:41:26,590 --> 00:41:30,600 重いものなら我らを襲って あの世へ送る 567 00:41:30,600 --> 00:41:33,600 しかし 太助はどうする? 568 00:41:33,600 --> 00:41:35,600 事が重い場合➡ 569 00:41:35,600 --> 00:41:39,610 足手まといを省けるだけ 好都合ってものさ ハハハ… 570 00:41:39,610 --> 00:41:43,610 よいか 少々手ごわいかもしらんが 必ず討ち取るのだぞ 571 00:41:43,610 --> 00:41:45,610 それ (浪人たち)はっ 572 00:41:54,620 --> 00:41:57,620 重い方のようだぜ 573 00:41:57,620 --> 00:41:59,560 雑魚どもは斬るとしても➡ 574 00:41:59,560 --> 00:42:02,560 あの頭巾だけは 生け捕りにしなきゃいけねえ 575 00:42:02,560 --> 00:42:18,580 ♬~ 576 00:42:18,580 --> 00:42:20,580 (金兵ヱ)斬れ 斬れ! 577 00:42:20,580 --> 00:42:30,580 ♬~ 578 00:42:51,610 --> 00:42:53,610 ああ… 579 00:42:58,620 --> 00:43:01,620 喜内 喜内 580 00:43:03,560 --> 00:43:07,560 お目覚めだすか おはようさんでございます 581 00:43:07,560 --> 00:43:10,560 そなた まだいたのか 582 00:43:10,560 --> 00:43:14,570 嫌やわ まだにも何も➡ 583 00:43:14,570 --> 00:43:17,570 うちは一生いさせてもらおう 思うてますねん 584 00:43:17,570 --> 00:43:30,580 ♬~ 585 00:43:30,580 --> 00:43:33,590 あっ ようじは横に使うより 縦に使わはった方が➡ 586 00:43:33,590 --> 00:43:36,590 よろしゅうおまっせ 歯医者はんが言うてはりました 587 00:43:36,590 --> 00:43:49,600 ♬~ 588 00:43:49,600 --> 00:43:53,610 (せきこみ) あっ 589 00:43:53,610 --> 00:43:55,610 ああ… 590 00:44:00,550 --> 00:44:03,550 へい あ~あ ずくずくでっせ あ~ 591 00:44:03,550 --> 00:44:07,550 あ~ もうよい もうよい わしは子供ではない 592 00:44:07,550 --> 00:44:09,560 せやよってに➡ 593 00:44:09,560 --> 00:44:13,560 ほんまにええ男盛りや 言いましたがな 594 00:44:17,560 --> 00:44:20,570 あっ あの 御飯はこちらに 用意しておます 595 00:44:20,570 --> 00:44:30,580 ♬~ 596 00:44:30,580 --> 00:44:33,580 (喜内)お殿様 (一同)おはようございます 597 00:44:33,580 --> 00:44:38,590 あ… ああ (お遊)お殿様の席 そこだす 598 00:44:38,590 --> 00:44:41,590 わしがここで 召し使いどもと 一緒に食事を取るのか 599 00:44:41,590 --> 00:44:44,590 (お遊)へい さあどうぞ 600 00:44:48,600 --> 00:44:51,600 今日から そないさせて いただこう思いますねん 601 00:44:51,600 --> 00:44:55,600 難波屋にも 奉公人が100人ほど おりますのやけども➡ 602 00:44:55,600 --> 00:44:57,600 政右ヱ門も 朝食だけは➡ 603 00:44:57,600 --> 00:44:59,540 みんなと一緒にすることに してますねん 604 00:44:59,540 --> 00:45:02,540 忙しい中でも せめてそれだけはしとかんと➡ 605 00:45:02,540 --> 00:45:06,540 主従の親しみが薄うなる 言わはりますねん 606 00:45:17,560 --> 00:45:19,560 ハハハ… 607 00:45:24,560 --> 00:45:27,570 (喜内)殿様 (一同)頂戴いたします 608 00:45:27,570 --> 00:45:29,570 ああ 609 00:45:37,580 --> 00:45:42,580 あっ 御飯は ようかみかみして お上がりやっしゃ 610 00:45:42,580 --> 00:45:45,590 米いう字は 八と八で➡ 611 00:45:45,590 --> 00:45:48,590 1粒 16遍 かめいうことだすよってにな 612 00:45:48,590 --> 00:45:52,590 ハハハ… 分かっとる 分かっとる 613 00:45:57,600 --> 00:46:00,530 ≪(太助)ちょ… ちょっと おーい ちょっとちょっと 614 00:46:00,530 --> 00:46:03,540 喜内さん 喜内… あっ… 615 00:46:03,540 --> 00:46:07,540 すんません 御用人さん (喜内)ん? 616 00:46:10,540 --> 00:46:12,540 実は 馬連れてきちゃったんすよ 617 00:46:16,550 --> 00:46:20,550 殿 太助が 馬を連れてまいりまして➡ 618 00:46:20,550 --> 00:46:24,560 代金を支払いくれるよう 申しておりますが 619 00:46:24,560 --> 00:46:29,560 何? 太助が魚屋の他に 博労も始めたのか いくらじゃ? 620 00:46:29,560 --> 00:46:35,570 へい 2両2分2朱で 2両? ひどく安い馬じゃな 621 00:46:35,570 --> 00:46:37,570 雄か雌か 622 00:46:37,570 --> 00:46:41,580 男… いや つまりその… 雄でございます 623 00:46:41,580 --> 00:46:44,580 ん~ かげか くり毛か 624 00:46:44,580 --> 00:46:46,580 あ~… 625 00:46:48,580 --> 00:46:50,580 しまでございます しま? 626 00:46:50,580 --> 00:46:52,590 (喜内)はい 何歳馬じゃ 627 00:46:52,590 --> 00:46:56,590 (喜内)はい え… 見たところ 30がらみ… 628 00:46:56,590 --> 00:47:00,590 たわけめ 馬が30まで生きるか 629 00:47:02,530 --> 00:47:04,530 ちょっとそこの人 こっちへお入んなはれ 630 00:47:04,530 --> 00:47:07,530 (男性)へい 御免なすって あれが馬か? 631 00:47:07,530 --> 00:47:09,540 へい 付け馬いうて➡ 632 00:47:09,540 --> 00:47:12,540 遊びの金が足らん分だけ 取りに来はるお人だす 633 00:47:12,540 --> 00:47:14,540 足りるも足りねえも 持ってた金がたったの… 634 00:47:14,540 --> 00:47:18,550 やかましい言わんとき! はい 5両 (男性)へい 635 00:47:18,550 --> 00:47:20,550 釣りはあんたに くれたるさかいな 636 00:47:20,550 --> 00:47:22,550 えっ あっしに? (太助)偉え! 637 00:47:22,550 --> 00:47:24,550 さすが 難波屋のお嬢さんの 付き人だけあって➡ 638 00:47:24,550 --> 00:47:28,560 年に似合わねえ 今の扱いぶりよ (お仲)あっぽ! 639 00:47:28,560 --> 00:47:31,560 「あほう」というのを 上方では 子供の言葉で➡ 640 00:47:31,560 --> 00:47:34,560 「あっぽ」というのじゃそうな ヘヘヘ… 641 00:47:34,560 --> 00:47:36,560 何や 偉そうに 642 00:47:36,560 --> 00:47:40,570 女臭えは大嫌えだて よう言いはったわ 643 00:47:40,570 --> 00:47:44,570 あっ こら酒臭いわ 644 00:47:44,570 --> 00:47:46,570 (登之助)ハハハ いいかげんに観念して➡ 645 00:47:46,570 --> 00:47:49,580 白状したらよさそうなもんだが 見かけによらず しぶといやつだぜ 646 00:47:49,580 --> 00:47:53,580 なにも しぶといから 白状しねえとは限らねえぜ 647 00:47:55,580 --> 00:48:00,580 あんまり事がでっかすぎて 口に出せない場合だってあらあな 648 00:48:03,520 --> 00:48:06,530 (甚十郎)おいらを消そうと しやがったことだけでも➡ 649 00:48:06,530 --> 00:48:09,530 まずもって これは小さくねえはずだぜ 650 00:48:09,530 --> 00:48:11,530 ≪(足音) 651 00:48:11,530 --> 00:48:15,540 おい 鮫洲殿が御赦免になったぞ (登之助)何? 652 00:48:15,540 --> 00:48:19,540 何 御赦免? それはよかったのう 653 00:48:19,540 --> 00:48:21,540 ともかく祝い酒といこう 654 00:48:23,540 --> 00:48:25,550 酒の用意せい 酒を 655 00:48:25,550 --> 00:48:31,550 わしは 御辞退いたそうと思うとる ん? 辞退? 656 00:48:31,550 --> 00:48:36,560 実は わしの御赦免の代償として➡ 657 00:48:36,560 --> 00:48:39,560 旗本のかご登城を 禁ずるというのじゃて 658 00:48:39,560 --> 00:48:41,560 かご登城? 659 00:48:41,560 --> 00:48:43,560 閣老どもも この片手落ちの裁きを➡ 660 00:48:43,560 --> 00:48:45,570 我々がこのまま 見送らんぐらいのことは➡ 661 00:48:45,570 --> 00:48:47,570 分かっておるんだ といって 鮫洲殿を➡ 662 00:48:47,570 --> 00:48:49,570 ただ赦免するわけにもいかない 663 00:48:49,570 --> 00:48:52,570 そこでいろいろと苦労したあげく かごで始まったこの事件を➡ 664 00:48:52,570 --> 00:48:54,570 このように取り計らった次第だ (一同の笑い声) 665 00:48:54,570 --> 00:48:57,580 そうじゃねえな こいつは 666 00:48:57,580 --> 00:49:03,520 それどころか逆に 外様大名 御機嫌取りの2番手だい 667 00:49:03,520 --> 00:49:06,520 今までだったら とにかく 鮫洲老人一人だけが➡ 668 00:49:06,520 --> 00:49:09,520 してやられたっていう 訳合いになるんだが➡ 669 00:49:09,520 --> 00:49:12,530 今度の処置では 老人の御赦免という餌で➡ 670 00:49:12,530 --> 00:49:15,530 旗本全部が 懲罰に付されるってことなんだ 671 00:49:15,530 --> 00:49:18,530 閣老どもの かかる陰険な手に引っ掛かって➡ 672 00:49:18,530 --> 00:49:21,540 旗本全部に迷惑を 及ぼすようなことは➡ 673 00:49:21,540 --> 00:49:25,540 重左ヱ門 断じてできん 674 00:49:49,560 --> 00:49:55,570 ♬ 花は盛りの 675 00:49:55,570 --> 00:50:01,580 (重左ヱ門・彦左ヱ門)♬ 山桜 676 00:50:01,580 --> 00:50:07,580 ♬ 織り成す錦も 677 00:50:07,580 --> 00:50:12,590 ♬ つかの間や 678 00:50:12,590 --> 00:50:23,600 ♬ 進みて君の御前に 679 00:50:23,600 --> 00:50:36,610 ♬ 散るは誉れの三河武士 680 00:50:36,610 --> 00:50:42,620 (すすり泣き) 681 00:50:42,620 --> 00:50:45,620 ハハハ… 682 00:50:45,620 --> 00:50:49,620 生き長らうは恥多しじゃ 683 00:50:49,620 --> 00:50:53,630 神君に 追い腹つかまつるべきであった 684 00:50:53,630 --> 00:50:56,630 (お遊)あの… 女の差し出口いうもん➡ 685 00:50:56,630 --> 00:50:58,630 あんまりええこと おまへんのだすけど➡ 686 00:50:58,630 --> 00:51:01,570 その御赦免 とにかく お受けしといた方が➡ 687 00:51:01,570 --> 00:51:04,570 よろしゅうおまっしゃろな お… この娘御は… 688 00:51:04,570 --> 00:51:07,570 お向こうさんが一杯食わそう思て かかってきはったときに➡ 689 00:51:07,570 --> 00:51:09,580 それを見抜いて よけるだけやったら➡ 690 00:51:09,580 --> 00:51:12,580 器量としては まあ五分いうとこだすな 691 00:51:12,580 --> 00:51:15,580 あんじょうかかったふりして その上いくのが➡ 692 00:51:15,580 --> 00:51:17,580 一枚上っちゅうもんや おまへんやろか 693 00:51:17,580 --> 00:51:19,590 一体 そこもとは? (お遊)へい 694 00:51:19,590 --> 00:51:23,590 うち 商人の娘だすよってに こういうことには慣れてますねん 695 00:51:23,590 --> 00:51:27,590 あの かごに乗ったら あかんいうことは➡ 696 00:51:27,590 --> 00:51:29,600 つまり 歩いて 登城せいいうことだっか? 697 00:51:29,600 --> 00:51:33,600 いや 馬には乗ってもいいのじゃが➡ 698 00:51:33,600 --> 00:51:36,600 下馬口から下乗口までは 歩かにゃならん 699 00:51:36,600 --> 00:51:41,610 その歩く姿を 外様大名どもが かごの中から眺めて➡ 700 00:51:41,610 --> 00:51:44,610 あざ笑おうという寸法じゃ 701 00:51:44,610 --> 00:51:47,610 せやったら馬は やめなあきまへんな 702 00:51:47,610 --> 00:51:49,620 ここはきっちり 向こうさんの裏をかいて➡ 703 00:51:49,620 --> 00:51:53,620 鼻を明かしてやらん ならんとこだすよってに 704 00:51:53,620 --> 00:51:55,620 せいぜい むちゃくちゃなもんの方が➡ 705 00:51:55,620 --> 00:52:00,560 面当てになりますのやけど 担ぎええもんいうたら… 706 00:52:00,560 --> 00:52:03,560 棺おけは… 験が悪うおますな 707 00:52:03,560 --> 00:52:06,570 たらいは… 赤ん坊やし 708 00:52:06,570 --> 00:52:10,570 何を言うか そのようなものは 人の笑いぐさになるだけじゃ 709 00:52:10,570 --> 00:52:12,570 待て 710 00:52:12,570 --> 00:52:15,580 たらい? 彦左 711 00:52:15,580 --> 00:52:21,580 フフフ… なるほど 人間 生まれて初めて入るものか 712 00:52:21,580 --> 00:52:33,590 ♬~ 713 00:52:33,590 --> 00:52:36,600 <正月七日は 若菜の節句という> 714 00:52:36,600 --> 00:52:40,600 <この日は 諸大名 諸旗本は➡ 715 00:52:40,600 --> 00:52:44,600 特に その供連れにけんを競って 総登城し➡ 716 00:52:44,600 --> 00:52:48,600 多くの町人が見物に出る 習いであった> 717 00:52:52,610 --> 00:52:54,610 (男性)ええ 美しい 718 00:52:54,610 --> 00:52:58,620 ≪(歌声) (男性たち)あっ おい 719 00:52:58,620 --> 00:53:03,560 (一同)♬ 山桜 720 00:53:03,560 --> 00:53:08,560 ♬ 織り成す錦も 721 00:53:08,560 --> 00:53:14,570 ♬ つかの間や 722 00:53:14,570 --> 00:53:26,580 ♬ 進みて君の御前に 723 00:53:26,580 --> 00:53:37,590 ♬ 散るは誉れの三河武士 724 00:53:37,590 --> 00:53:43,600 ♬ 戦にはずるは 725 00:53:43,600 --> 00:53:49,600 ♬ 身の誉れ 726 00:53:49,600 --> 00:53:55,610 ♬ 癒えし草葉の 727 00:53:55,610 --> 00:54:01,550 ♬ 露の玉 728 00:54:01,550 --> 00:54:04,550 ええぞ! これでこそ天下の旗本だい 729 00:54:04,550 --> 00:54:06,550 たらいとは やりましたね! 730 00:54:06,550 --> 00:54:08,560 粋なもんだ さすがは江戸っ子だい! 731 00:54:08,560 --> 00:54:10,560 しっかりやっておくんなさいよ (男性)江戸八百八町は➡ 732 00:54:10,560 --> 00:54:12,560 皆さんのお味方だ 733 00:54:12,560 --> 00:54:14,560 今度 たらいもいけねえと 言われたら➡ 734 00:54:14,560 --> 00:54:16,560 江戸の町人たちの肩車で 登城してやんだよ! 735 00:54:16,560 --> 00:54:25,570 (町人たちの声援) 736 00:54:25,570 --> 00:54:30,580 (一同)♬ 風にはためく 737 00:54:30,580 --> 00:54:36,580 ♬ 旗印 738 00:54:36,580 --> 00:54:42,590 ♬ 追い来る山場を 739 00:54:42,590 --> 00:54:48,600 ♬ ものとせず 740 00:54:48,600 --> 00:54:54,600 ♬ 荒るる野山に 741 00:54:54,600 --> 00:55:00,540 ♬ ただ進め 742 00:55:00,540 --> 00:55:12,550 ♬ 恐るることなき 三河武士 743 00:55:12,550 --> 00:55:16,560 たらいに乗って登城するなどとは あきれ果てたる狂気の沙汰 744 00:55:16,560 --> 00:55:18,560 いずれ 彦左めが➡ 745 00:55:18,560 --> 00:55:21,560 我らへの面当てに 考え出したことに相違ござらん 746 00:55:21,560 --> 00:55:23,560 思い知らせてやらねば 747 00:55:23,560 --> 00:55:28,570 と申したところで たらいに乗って 登城してはならんという➡ 748 00:55:28,570 --> 00:55:31,570 御法度はござらんで処罰もできぬ 749 00:55:31,570 --> 00:55:35,580 さりとて このまま 放置しておくわけにはまいらず 750 00:55:35,580 --> 00:55:39,580 あっ 豆州殿には先に➡ 751 00:55:39,580 --> 00:55:46,590 天下の御意見番を 見事に封じ込めた知恵者 何か… 752 00:55:46,590 --> 00:55:49,590 まず 手前の考えは➡ 753 00:55:49,590 --> 00:55:53,590 彦左以下を お役付きにいたしまするが➡ 754 00:55:53,590 --> 00:55:57,600 最上の手だてかと (上野介)役付き? 755 00:55:57,600 --> 00:56:02,540 無役ゆえに暇がありすぎ 身を持て余す 756 00:56:02,540 --> 00:56:05,540 その鬱憤晴らしが➡ 757 00:56:05,540 --> 00:56:09,540 あのような奇行となって 表れるのではないかと 758 00:56:09,540 --> 00:56:11,540 なるほど 759 00:56:13,550 --> 00:56:17,550 老中のやつら お前 ぐうの音も 出ねえことになっちゃってよ え? 760 00:56:17,550 --> 00:56:20,550 その彦左ヱ門様の 子分だってんで➡ 761 00:56:20,550 --> 00:56:23,560 この太助の もてること もてること え?➡ 762 00:56:23,560 --> 00:56:27,560 あら 太助さん 太助さん こうきちゃ え? 763 00:56:27,560 --> 00:56:31,560 通して 親分 親分! 764 00:56:31,560 --> 00:56:35,570 妹が4~5日で産むんですよ だからさ あのたらいで➡ 765 00:56:35,570 --> 00:56:39,570 是非とも 産湯を使わしたいからさ そこを親分の顔で 766 00:56:39,570 --> 00:56:41,570 こっちは今日明日に 産まれるんですよ 太助親分 767 00:56:41,570 --> 00:56:43,580 お願いします (女性)私は産婆なんですよ 768 00:56:43,580 --> 00:56:46,580 あのたらいがあると 商売繁盛疑いなく お願いします 769 00:56:46,580 --> 00:56:48,580 (女性)何を言ってんだよ 770 00:56:48,580 --> 00:56:55,590 (女性たちの騒ぎ声) 771 00:56:55,590 --> 00:56:59,530 太助はん ようもてるんやな 772 00:56:59,530 --> 00:57:07,530 (女性たちの騒ぎ声) 773 00:57:07,530 --> 00:57:10,540 (重左ヱ門たちの笑い声) 774 00:57:10,540 --> 00:57:15,540 おっ お手柄 お手柄 さすがは 難波屋政右ヱ門殿のお娘御 775 00:57:15,540 --> 00:57:19,550 むちゃくちゃなものほど 面当てが利くと言われたとおりじゃ 776 00:57:19,550 --> 00:57:21,550 大当たり 大当たり (一同の笑い声) 777 00:57:21,550 --> 00:57:23,550 上出来だ 778 00:57:30,560 --> 00:57:34,560 皆さん 口でばっかり褒めてんと 早うお遊が➡ 779 00:57:34,560 --> 00:57:36,560 彦左ヱ門様の お嫁さんになれるように➡ 780 00:57:36,560 --> 00:57:40,570 ほんなってほしいわ (重左ヱ門)う~ん それじゃが… 781 00:57:40,570 --> 00:57:45,570 また年の話だすか? なんぼ若いいうたかて➡ 782 00:57:45,570 --> 00:57:47,570 こんな産婆はんなんかに もてはるお人と➡ 783 00:57:47,570 --> 00:57:50,580 うち 一緒になりとう 思いしまへんもん 784 00:57:50,580 --> 00:57:54,580 (一同の笑い声) 785 00:57:54,580 --> 00:57:58,580 心配せんとき 捨てる神あれば拾う神ありや 786 00:57:58,580 --> 00:58:00,520 わてが嫁はんに なってこましたるわ 787 00:58:00,520 --> 00:58:05,530 うわっ! (一同の笑い声) 788 00:58:05,530 --> 00:58:09,530 それはそうと うちの大事なお方はんは? 789 00:58:09,530 --> 00:58:13,530 あっ 上様からのお召しがあって ござの前 伺候しておるのじゃ 790 00:58:13,530 --> 00:58:19,540 本日の粋なたらい登城にめでて 旗本のかご登城差し許す! 791 00:58:19,540 --> 00:58:22,540 …との 上々首尾に違いないわい 792 00:58:24,540 --> 00:58:28,550 この彦左ヱ門に 大手三の門の御警衛役を? 793 00:58:28,550 --> 00:58:33,550 うん この役は本来 10万石以上の 大名が勤むべき要職とか 794 00:58:33,550 --> 00:58:36,560 御意 (家光)この役に就くは➡ 795 00:58:36,560 --> 00:58:40,560 彦左ヱ門にとって この上なき家門の誉れと➡ 796 00:58:40,560 --> 00:58:43,560 上野介も申している 797 00:58:43,560 --> 00:58:47,570 上野介殿 羨ましいかぎり 798 00:58:47,570 --> 00:58:52,570 10万石大名が勤むべき 栄誉ある職とは➡ 799 00:58:52,570 --> 00:58:56,580 10万石の大名でのうては 賄いきれぬほど➡ 800 00:58:56,580 --> 00:58:59,510 金のかかる職という意味 801 00:58:59,510 --> 00:59:03,520 彦左ヱ門の身上などは ただの一日で干上がり申そう 802 00:59:03,520 --> 00:59:06,520 さすがは 知恵者の豆州殿 803 00:59:06,520 --> 00:59:10,520 彦左ヱ門を締め上げるには またとない妙手を考えつかれた 804 00:59:10,520 --> 00:59:15,530 待たれい 旗本どもの 自暴自棄に類する挙動には➡ 805 00:59:15,530 --> 00:59:20,530 それがしも かねがね 憂慮いたしておりました 806 00:59:20,530 --> 00:59:25,540 それを救うために お役付けを申しいでましたるに➡ 807 00:59:25,540 --> 00:59:31,540 方々には そのような底意とは➡ 808 00:59:31,540 --> 00:59:36,550 伊豆 甚だ心外の至り 809 00:59:36,550 --> 00:59:41,550 余は かねがね老中若年寄が 天下の御意見番ゆえに➡ 810 00:59:41,550 --> 00:59:45,560 じいを目の上のこぶ扱いに いたしおらぬか➡ 811 00:59:45,560 --> 00:59:48,560 それが気がかりでならなかった 812 00:59:48,560 --> 00:59:53,570 取り越し苦労と分かって こんなうれしいことはない 813 00:59:53,570 --> 00:59:57,570 じい そちの年で➡ 814 00:59:57,570 --> 01:00:02,580 あるいは ちときつい役かとも思うが➡ 815 01:00:02,580 --> 01:00:04,580 勤めてくりゃるか 816 01:00:04,580 --> 01:00:10,580 ありがたく ありがたくお受けつかまつります 817 01:00:10,580 --> 01:00:14,580 立派に 勤めを果たせよ 818 01:00:19,590 --> 01:00:24,600 上様 彦左 身命を賭して➡ 819 01:00:24,600 --> 01:00:29,600 この大役 見事 勤めて御覧に入れまする 820 01:00:29,600 --> 01:00:35,610 畏れながら 彦左は 今日まで何一つとして➡ 821 01:00:35,610 --> 01:00:40,610 上様のおんためにと 考えぬことはござりません 822 01:00:40,610 --> 01:00:44,620 全てが上様のおんため 823 01:00:44,620 --> 01:00:48,620 このよう 組まれまして 彦左の勤めぶり➡ 824 01:00:48,620 --> 01:00:52,620 しかと御覧くださりませ 825 01:01:04,570 --> 01:01:06,570 御苦労はんでございやす 826 01:01:06,570 --> 01:01:08,570 この寒空に温けえもんが 一番と思いまして➡ 827 01:01:08,570 --> 01:01:11,580 頼んでまいりました 大久保の殿様のためだと言ったら➡ 828 01:01:11,580 --> 01:01:14,580 俺も俺もってんで こんなに集まっちゃって 829 01:01:14,580 --> 01:01:17,580 これはありがたいな おーい みんな! 830 01:01:17,580 --> 01:01:21,580 一休みして 熱いものを腹に入れろ (一同)へい! 831 01:01:24,590 --> 01:01:28,590 かー! これはまるで 戦の始まりみてえだ 832 01:01:28,590 --> 01:01:31,600 (重左ヱ門)御門警衛は そもそも 戦に備えてのものじゃ 833 01:01:31,600 --> 01:01:33,600 世が文弱に流れるにつれて➡ 834 01:01:33,600 --> 01:01:36,600 今のような 形だけのものになったが➡ 835 01:01:36,600 --> 01:01:42,610 彦左がお役を拝命したる以上 本来の姿で勤めさしてやらにゃ 836 01:01:42,610 --> 01:01:47,610 う~ん… 堀尾 加藤 寺沢? 837 01:01:47,610 --> 01:01:52,620 それに上野介の家老 竹内金兵ヱ? 838 01:01:52,620 --> 01:01:54,620 この竹内が どうしても口を割らねえもんで➡ 839 01:01:54,620 --> 01:01:57,620 手の出しようがねえ 840 01:01:57,620 --> 01:02:01,560 甚十郎 お主 その竹内を責めるのは➡ 841 01:02:01,560 --> 01:02:06,570 何のためにしとるのじゃ 何のため? 842 01:02:06,570 --> 01:02:09,570 謀反ですぜ 謀反 謀反? 843 01:02:09,570 --> 01:02:13,570 落ち着いてるときじゃねえ 将軍家の一大事なんでい 844 01:02:13,570 --> 01:02:17,580 将軍家の一大事? ハハハ… 845 01:02:17,580 --> 01:02:20,580 何がおかしいんでい お主の口から➡ 846 01:02:20,580 --> 01:02:25,580 将軍家の一大事などという 言葉が出るからおかしい 847 01:02:25,580 --> 01:02:27,590 何を? フフフ 848 01:02:27,590 --> 01:02:30,590 僅かなことにひがみ根性を出し➡ 849 01:02:30,590 --> 01:02:33,590 お上の御方針に 恨みつらみを並べ➡ 850 01:02:33,590 --> 01:02:35,590 じだらくな生活を送る お主の口から➡ 851 01:02:35,590 --> 01:02:40,600 将軍家の一大事などとは ハハハ… 笑止千万 852 01:02:40,600 --> 01:02:42,600 ハハハ… おう おやじ 853 01:02:42,600 --> 01:02:44,600 やい じじい! いいかげんにしやがれ 854 01:02:44,600 --> 01:02:47,610 何てこと抜かしやがんでい おいらだって旗本だい 855 01:02:47,610 --> 01:02:49,610 三河以来の血が流れてらあな 856 01:02:49,610 --> 01:02:51,610 将軍家を慕えばこそ 不平も出るんだい 857 01:02:51,610 --> 01:02:53,610 不平も不満も 将軍家からおいらを➡ 858 01:02:53,610 --> 01:02:55,610 引き離す制度に向かって 言ってるんだい 859 01:02:55,610 --> 01:02:59,550 おいら六法組はな それを将軍家に 分かってもらいてえとやってるんだ 860 01:02:59,550 --> 01:03:06,560 おお わしはまた 外様が憎い ひがみ根性でやってるのかと思った 861 01:03:06,560 --> 01:03:10,560 ばっきゃろう そんな狭え了見で旗本が務まるけ 862 01:03:10,560 --> 01:03:12,570 てめえ もうろくしやがって➡ 863 01:03:12,570 --> 01:03:14,570 それぐらいのことが 分かんねえのかよ 864 01:03:14,570 --> 01:03:16,570 自分だけ忠臣面しやがって 旗本は➡ 865 01:03:16,570 --> 01:03:18,570 てめえ一人しかいねえと 思ってやがる 866 01:03:18,570 --> 01:03:22,580 うん でかした 甚十郎 よく言った 867 01:03:22,580 --> 01:03:25,580 それでこそ 加賀爪甲斐の跡取りじゃ 868 01:03:25,580 --> 01:03:29,580 甚十郎 頼むぞ 869 01:03:29,580 --> 01:03:32,590 おやじ 皆を頼むぞ 870 01:03:32,590 --> 01:03:36,590 彦左ヱ門 これで思い残すことはない 871 01:03:36,590 --> 01:03:38,590 あ~ 立派 立派 872 01:03:38,590 --> 01:03:42,600 甚十郎 今の言葉を忘れるなよ 甚十郎 873 01:03:42,600 --> 01:03:45,600 チッ 上げたり下げたり 手に負えねえや 874 01:03:45,600 --> 01:03:48,600 甚十郎 甚十郎っつってやがらあ 875 01:03:48,600 --> 01:03:50,600 まっ 急ぐから行きやすよ 876 01:03:54,610 --> 01:03:57,610 ≪(太助)親分! 親分!➡ 877 01:03:57,610 --> 01:03:59,550 よっ 878 01:03:59,550 --> 01:04:01,550 天下の一大事だ 何じゃ 879 01:04:01,550 --> 01:04:03,550 天下の副将軍 水戸頼房公から➡ 880 01:04:03,550 --> 01:04:05,550 今度のお役付きのお祝いにってんで 届け物だ 881 01:04:05,550 --> 01:04:07,550 足んねえんだったら後から じゃんじゃん運ぶって言ってたけど➡ 882 01:04:07,550 --> 01:04:10,560 そう 朝晩 鯛ばかり食うわけじゃ あるめえしね 883 01:04:10,560 --> 01:04:12,560 (物音) (太助)あれ? 884 01:04:16,560 --> 01:04:18,560 鯛が小判産みやがった 885 01:04:26,570 --> 01:04:30,580 太助 喜内とお遊さんを呼んでくれ 886 01:04:30,580 --> 01:04:34,580 へい! 喜内さん お遊さん 親分が呼んでますよ! 887 01:04:34,580 --> 01:04:37,580 ≪(太助)喜内さん お遊さん 親分が呼んでますよ! 888 01:04:49,600 --> 01:04:54,600 何かお呼びでございますか うん 喜内 喜んでくれ 889 01:04:54,600 --> 01:05:00,540 水戸様からも このようなお心遣いを賜った 890 01:05:00,540 --> 01:05:06,550 ああ これはこれは いや ありがたいことでございます 891 01:05:06,550 --> 01:05:10,550 私は一時は どうしようかと おろおろいたしましたが➡ 892 01:05:10,550 --> 01:05:16,560 お遊様のおかげでお役目が 立派に務まるようになりまして 893 01:05:16,560 --> 01:05:22,560 こんなうれしいこと その上 水戸様からこのような… 894 01:05:22,560 --> 01:05:27,570 お遊殿 この度は 思わぬ御迷惑をおかけした 895 01:05:27,570 --> 01:05:32,570 いや 何言ってはりますのん 水くさいこと言わはって 896 01:05:32,570 --> 01:05:35,570 うちは あんたはんの妻や思て… 897 01:05:35,570 --> 01:05:37,580 まだ言ってやがらあ 898 01:05:37,580 --> 01:05:39,580 お遊さん もういいかげんにしちゃ どうです ええ? 899 01:05:39,580 --> 01:05:43,580 なにも やだってものを… もうよい 太助 言うな 900 01:05:45,580 --> 01:05:52,590 わしは 上様をはじめ 水戸様 お遊殿 喜内➡ 901 01:05:52,590 --> 01:05:57,600 そしてお前と 多くの人に助けられて➡ 902 01:05:57,600 --> 01:06:01,530 この度のお役目が 最後の御奉公ができることを➡ 903 01:06:01,530 --> 01:06:05,540 この上もない果報者と思っておる 904 01:06:05,540 --> 01:06:08,540 最後? 最後と申しますと? 905 01:06:08,540 --> 01:06:12,550 わしの御意見番も もういらなくなる 906 01:06:12,550 --> 01:06:15,550 上様も 立派に御成人なされた 907 01:06:15,550 --> 01:06:17,550 冗談じゃねえよ 田舎大名が威張って➡ 908 01:06:17,550 --> 01:06:19,550 旗本がやけくそになって 将軍が立派に成人なされたも➡ 909 01:06:19,550 --> 01:06:22,560 ねえもんだ ちくしょう こんなときにこそね➡ 910 01:06:22,560 --> 01:06:26,560 ザブザブっと意見できる 親分みてえな人が必要なんでさね 911 01:06:26,560 --> 01:06:31,560 ハハハ… 太助 この彦左にもできないことがある 912 01:06:31,560 --> 01:06:35,570 これはけしからん 天下の御意見番が御意見できぬ 913 01:06:35,570 --> 01:06:39,570 …では 東照公様に 申し訳が相立たぬ 914 01:06:39,570 --> 01:06:45,580 口で言えぬ御意見は この身をもってもせねばならん 915 01:06:45,580 --> 01:06:49,580 では 陰腹切って 御かん言を 916 01:06:49,580 --> 01:06:53,590 ハハハ… その手は古い古い 917 01:06:53,590 --> 01:06:57,590 上様を あっぽうには できぬからのう 918 01:06:57,590 --> 01:07:02,530 幸いにして上様は ごそうめいに渡らせられる 919 01:07:02,530 --> 01:07:05,530 彦左の人となりをよく御存じじゃ 920 01:07:05,530 --> 01:07:11,540 なぜ彦左がむちゃをしたか 必ずお考えくださるに違いない 921 01:07:11,540 --> 01:07:16,540 必ず分かってくださる 分かってくださる 922 01:07:16,540 --> 01:07:20,550 あきまへん この人 何やむちゃして死のう思てはる 923 01:07:20,550 --> 01:07:24,550 死ぬ!? 親分が? (喜内)殿 924 01:07:24,550 --> 01:07:27,550 うち分かるんや 925 01:07:27,550 --> 01:07:31,560 ほれたこの人のことやったら 何でも分かるんや 926 01:07:31,560 --> 01:07:33,560 死んだら 将軍さんが 分かってくれはる➡ 927 01:07:33,560 --> 01:07:36,560 思てはんのやっしゃろ そんな青臭いことって➡ 928 01:07:36,560 --> 01:07:38,560 分かってたまりますかいな 929 01:07:38,560 --> 01:07:41,570 ハハハ… 大丈夫 大丈夫 930 01:07:41,570 --> 01:07:45,570 わしは まだまだ そう簡単には死なぬぞ 931 01:07:45,570 --> 01:07:49,580 男盛りじゃ のう お遊殿 932 01:07:49,580 --> 01:07:55,580 太助 一心鏡の如しじゃ 分かるか? 933 01:07:55,580 --> 01:07:57,580 (太助)親分 934 01:07:57,580 --> 01:08:02,580 天下の御意見番 一世一代の御意見じゃ 935 01:08:13,530 --> 01:08:26,550 (ほら貝) (どら) 936 01:08:26,550 --> 01:08:29,550 大久保彦左ヱ門忠教 この度➡ 937 01:08:29,550 --> 01:08:32,550 大手三の門 御警衛役を拝命いたした 938 01:08:32,550 --> 01:08:36,550 役目によって 行列を点検いたす 939 01:08:39,560 --> 01:08:41,560 どけ 940 01:08:48,570 --> 01:08:53,570 堀尾因幡守殿に申し入れる ただいま点検いたせしところ➡ 941 01:08:53,570 --> 01:08:56,580 供連れの数はもちろん 諸調度に至るまで➡ 942 01:08:56,580 --> 01:08:59,510 分限を超えたる行列と 見届けしによって➡ 943 01:08:59,510 --> 01:09:03,520 このまま通すことはまかりならん 早々 屋敷へ立ち返り➡ 944 01:09:03,520 --> 01:09:06,520 行列を立て直して登城いたすよう 945 01:09:06,520 --> 01:09:10,520 無礼者! 因幡守は本日 城中において執り行わるる➡ 946 01:09:10,520 --> 01:09:13,530 観能の催しに 将軍家より招きを受けたる者 947 01:09:13,530 --> 01:09:15,530 とやかく申せば 踏み破っても通るぞ 948 01:09:15,530 --> 01:09:18,530 黙れ! 大手の守りを侮るは➡ 949 01:09:18,530 --> 01:09:21,530 とりもなおさず 徳川幕府を侮るの言動 950 01:09:21,530 --> 01:09:25,540 容赦はできん それ! 951 01:09:25,540 --> 01:09:27,540 あっ… 952 01:09:31,540 --> 01:09:33,550 この大たわけ! 953 01:09:33,550 --> 01:09:37,550 その方 大手におる限りは 因幡守 断じて登城いたさん 954 01:09:37,550 --> 01:09:41,550 将軍家の招きに応ぜぬは その方の狂気の沙汰ゆえだと➡ 955 01:09:41,550 --> 01:09:43,560 閣老に伝えおけ 956 01:09:43,560 --> 01:09:45,560 大手門 警衛役たる この彦左ヱ門が➡ 957 01:09:45,560 --> 01:09:49,560 行列を正して登城せと 命じたことを忘れるでないぞ 958 01:09:49,560 --> 01:09:52,560 あと半時して 出直してまいらねば➡ 959 01:09:52,560 --> 01:09:56,570 その方 屋敷へ大筒をぶち込む さよう心得い! 960 01:09:56,570 --> 01:09:59,570 んっ… かごを戻せ! 961 01:10:09,580 --> 01:10:13,590 三十郎 筒先を神田橋 因幡守屋敷へ向け➡ 962 01:10:13,590 --> 01:10:15,590 いつでも ぶっ放せるようにしとけ はい 963 01:10:15,590 --> 01:10:17,590 おう (配下たち)はっ 964 01:10:19,590 --> 01:10:21,590 (一同の笑い声) (小次郎)ハハハ…➡ 965 01:10:21,590 --> 01:10:23,600 さすがはおやじ はったりも見事なもんじゃ 966 01:10:23,600 --> 01:10:25,600 はったり… 967 01:10:28,600 --> 01:10:30,600 はったりじゃねえ! 968 01:10:32,600 --> 01:10:34,610 太助 まさか… 969 01:10:34,610 --> 01:10:37,610 撃つ 撃つよ (小次郎)えっ… 970 01:10:37,610 --> 01:10:40,610 思い切ってむちゃくちゃやると 言ったのは➡ 971 01:10:40,610 --> 01:10:45,620 何のことか分かんなかった これだい 972 01:10:45,620 --> 01:10:48,620 親分は初めっから 撃つ決心だったんだ 973 01:10:50,620 --> 01:10:55,630 お前さんらがぐれてんの 心配なあまり 思い詰めた親分が… 974 01:10:55,630 --> 01:10:59,570 どんなことやるか… 975 01:10:59,570 --> 01:11:02,570 ちきしょう 976 01:11:02,570 --> 01:11:04,570 見やれ 977 01:11:04,570 --> 01:11:08,570 大手門で大筒をぶっ放したら いくら 徳川の柱石のおやじでも➡ 978 01:11:08,570 --> 01:11:10,570 切腹 家名断絶は必定だ 979 01:11:14,580 --> 01:11:20,590 (十郎左ヱ門)おい どこ行くのだ (伊織)甚十郎に知らせるんだ 980 01:11:20,590 --> 01:11:22,590 (老臣)彦左ヱ門は 世にも聞こえた一刻者 981 01:11:22,590 --> 01:11:26,590 あるいは誠 大筒を 撃ち込む気かもしれませぬ 982 01:11:26,590 --> 01:11:32,600 大事の前の小事 ここはひとまず 穏便に行列を立て直しまして 983 01:11:32,600 --> 01:11:34,600 我らのことと これとは別問題 984 01:11:34,600 --> 01:11:36,600 こけおどしに 決まっておるではないか 985 01:11:36,600 --> 01:11:40,610 卑しくも将軍の膝元 それも城の表口で➡ 986 01:11:40,610 --> 01:11:43,610 そのような ばかなことが できるはずはない 987 01:11:49,620 --> 01:11:51,620 親分 988 01:12:00,560 --> 01:12:02,560 この野郎が白状しさえすりゃ➡ 989 01:12:02,560 --> 01:12:04,560 おやじのむちゃが むちゃでなくなるんだい 990 01:12:04,560 --> 01:12:08,570 チッ ええい こう時が迫っちゃしょうがねえ 991 01:12:08,570 --> 01:12:12,570 こいつの腹裂いて 切腹したことにするんだい 992 01:12:12,570 --> 01:12:15,570 それで俺たちの書いた自白書に➡ 993 01:12:15,570 --> 01:12:18,570 この男の爪印を 押しゃいいってわけだ 994 01:12:21,580 --> 01:12:23,580 ああ… ええい いけねえ! 995 01:12:23,580 --> 01:12:25,580 撃て 996 01:12:25,580 --> 01:12:29,590 (太助)駄目だ 親分 撃っちゃ駄目だ 親分 やめてくれ 親分 997 01:12:29,590 --> 01:12:32,590 親分 やめてくれ! 998 01:12:32,590 --> 01:12:35,590 やめて… 三十郎 臆したか! 999 01:12:35,590 --> 01:12:37,600 (太助)止めてくれ! 1000 01:12:37,600 --> 01:12:40,600 (配下たち)親分 やめてくれ 1001 01:12:42,600 --> 01:12:45,600 ≪(発砲音) 1002 01:12:45,600 --> 01:12:47,610 あっ… (因幡守)はっ… 1003 01:12:47,610 --> 01:12:49,610 (一同の悲鳴) 1004 01:12:49,610 --> 01:12:53,610 ≪(発砲音) 1005 01:12:53,610 --> 01:12:56,620 おやじ とうとうやっちめえやがった 1006 01:12:56,620 --> 01:12:58,620 半蔵 お前 これ持って➡ 1007 01:12:58,620 --> 01:13:00,550 水戸家上屋敷へ駆っ込め (半蔵)よし 1008 01:13:00,550 --> 01:13:03,560 又四郎と伊織は おやじにくっついて➡ 1009 01:13:03,560 --> 01:13:05,560 腹切らすんじゃねえぞ (伊織・又四郎)よし 1010 01:13:07,560 --> 01:13:09,560 これで彦左ヱ門も終わり 1011 01:13:09,560 --> 01:13:15,560 従って旗本どもの傍若無人ぶりも 終わりという次第で 1012 01:13:18,570 --> 01:13:23,580 切腹 彦左に切腹を申しつける 1013 01:13:23,580 --> 01:13:27,580 信綱 直ちに取り計らえ 1014 01:13:27,580 --> 01:13:31,580 はっ ああ… 1015 01:13:31,580 --> 01:13:33,580 不服か!? 1016 01:13:35,590 --> 01:13:38,590 2, 000石の微禄をもってして➡ 1017 01:13:38,590 --> 01:13:42,590 将軍の御意見番と 人にはばかられる身を➡ 1018 01:13:42,590 --> 01:13:45,600 思い上がってか この言語道断なる振る舞い 1019 01:13:45,600 --> 01:13:48,600 捨て置けることと思うか 1020 01:13:48,600 --> 01:13:51,600 お上 1021 01:13:51,600 --> 01:13:53,600 おじ上も御不承か? 1022 01:13:56,610 --> 01:14:01,550 お上の御裁決に 頼房 何もって不承など 1023 01:14:01,550 --> 01:14:09,550 ただ 彦左 2, 000石の微禄との お言葉について 頼房➡ 1024 01:14:09,550 --> 01:14:13,560 ふと 思い出したことが ござりまして 1025 01:14:13,560 --> 01:14:15,560 (家光)承り申す 1026 01:14:18,560 --> 01:14:21,570 元和2年 春4月 1027 01:14:21,570 --> 01:14:26,570 東照公 駿府城にて御患い➡ 1028 01:14:26,570 --> 01:14:29,570 我らお見舞いに 参上つかまつりしみぎり➡ 1029 01:14:29,570 --> 01:14:32,580 公におかせられては➡ 1030 01:14:32,580 --> 01:14:38,580 彦左ヱ門 徳川が柱石たることわり 覚えおくべしと➡ 1031 01:14:38,580 --> 01:14:43,590 御意あって お物語あそばされました 1032 01:14:43,590 --> 01:14:49,590 東照公様 かつて 彦左ヱ門の勲功おぼし召され➡ 1033 01:14:49,590 --> 01:14:53,600 20万石をもって 沼津城主たるべき旨➡ 1034 01:14:53,600 --> 01:14:59,540 仰せいだされしところ 彦左 大いに笑い➡ 1035 01:14:59,540 --> 01:15:05,540 彦左ヱ門の手柄ごとき 旗本中にあっては下の下 1036 01:15:05,540 --> 01:15:11,550 それに20万石賜らば 他の8万騎に何と召さる➡ 1037 01:15:11,550 --> 01:15:15,550 宗家800万石は たちまち空となり➡ 1038 01:15:15,550 --> 01:15:21,560 上様は かゆもすすれぬ お身となり申そう 1039 01:15:21,560 --> 01:15:28,570 彦左は 今の2, 000石にて結構 十分でござる 1040 01:15:28,570 --> 01:15:32,570 …と 固く辞退いたしたとのこと 1041 01:15:34,570 --> 01:15:39,580 彦左ヱ門にして2, 000石とあって 以上を望む者なく➡ 1042 01:15:39,580 --> 01:15:45,580 かくて徳川のしゃしょくは盤石 1043 01:15:45,580 --> 01:15:50,590 天下の御意見番の栄誉は この忠臣 彦左に対する➡ 1044 01:15:50,590 --> 01:15:55,590 家康が心尽くしの贈り物じゃ➡ 1045 01:15:55,590 --> 01:16:04,540 東照公様は このように我らに 申し聞かせくださりました 1046 01:16:04,540 --> 01:16:07,540 信綱➡ 1047 01:16:07,540 --> 01:16:12,540 彦左ヱ門の不明を 阻止しましたが➡ 1048 01:16:12,540 --> 01:16:16,550 不明が我が身 1049 01:16:16,550 --> 01:16:18,550 彦左は… 1050 01:16:20,550 --> 01:16:27,550 彦左は 徳川の礎でござります 1051 01:16:34,570 --> 01:16:39,570 (一同)♬ 花は盛りの 1052 01:16:39,570 --> 01:16:45,580 ♬ 山桜 1053 01:16:45,580 --> 01:16:51,580 ♬ 織り成す錦も 1054 01:16:51,580 --> 01:16:56,590 ♬ つかの間や 1055 01:16:56,590 --> 01:17:07,530 ♬ 進みて君の御前に 1056 01:17:07,530 --> 01:17:17,540 ♬ 散るは誉れの三河武士 1057 01:17:17,540 --> 01:17:23,550 (拍手) 1058 01:17:23,550 --> 01:17:28,550 やあ 本夕は謹慎中の この彦左ヱ門を慰めようと➡ 1059 01:17:28,550 --> 01:17:32,560 懐かしい陣中鍋の宴を 開いてくれた➡ 1060 01:17:32,560 --> 01:17:37,560 御一統の御厚情 彦左ヱ門 死すとも忘却つかまつらん 1061 01:17:37,560 --> 01:17:40,570 生きてて忘れねえ方が こっちはありがてえや 1062 01:17:40,570 --> 01:17:43,570 (一同の笑い声) (登之助)うめえこと言いやがる 1063 01:17:43,570 --> 01:17:46,570 (一同の笑い声) 1064 01:17:48,570 --> 01:17:51,580 あの タケチョウたらいうお人が おみえになりましたけど 1065 01:17:51,580 --> 01:17:53,580 タケチョウ? 1066 01:17:57,580 --> 01:17:59,520 おっ… 1067 01:17:59,520 --> 01:18:03,520 (家光)いやいや おのおの方 ちょうど門前を通りかかったら➡ 1068 01:18:03,520 --> 01:18:05,520 昔よく彦左が➡ 1069 01:18:05,520 --> 01:18:08,530 いえ 彦左ヱ門殿が歌ってくれた あの歌が聴こえたので➡ 1070 01:18:08,530 --> 01:18:11,530 懐かしさのあまり 押しかけ参上つかまつったが➡ 1071 01:18:11,530 --> 01:18:13,530 差し支えなくば拙者も仲間に 1072 01:18:13,530 --> 01:18:17,530 さ… さあさあ どうぞ ど… どうぞ 1073 01:18:19,540 --> 01:18:21,540 (お遊)さあ おつぎしまほ 1074 01:18:24,540 --> 01:18:26,540 これは? (太助)これは? 1075 01:18:26,540 --> 01:18:28,550 これはとは何だ おい 陣中鍋も知らねえで➡ 1076 01:18:28,550 --> 01:18:32,550 旗本面もねえもんだ (家光)ほう 陣中鍋 1077 01:18:32,550 --> 01:18:35,550 そうよ お前 陣中の苦労を 忘れちゃいけねえってんで➡ 1078 01:18:35,550 --> 01:18:39,560 うちの親分が発明した やけくそ料理でさ こりゃ 1079 01:18:39,560 --> 01:18:42,560 では ひとつ ごちそうになるか 1080 01:18:47,570 --> 01:18:50,570 ほう うどんは陣中にもあったか 1081 01:18:56,570 --> 01:19:00,510 ハハハ… そいつはわらじのひもでさ 1082 01:19:00,510 --> 01:19:02,510 わらじ? 1083 01:19:02,510 --> 01:19:06,510 いや 籠城の最中に わらを食う話は聞いた 1084 01:19:11,520 --> 01:19:14,530 いやあ これはなかなか うまいもんじゃ 1085 01:19:14,530 --> 01:19:17,530 まだ中には 木の根 松葉 くまざさ それに➡ 1086 01:19:17,530 --> 01:19:19,530 蛙 蛇 とかげなど いろいろごぜえやすから 1087 01:19:19,530 --> 01:19:21,530 ええ!? 1088 01:19:21,530 --> 01:19:23,540 このどぶろくを 引っ掛けながらやると➡ 1089 01:19:23,540 --> 01:19:25,540 どうにかこうにか 食えるんだそうで 1090 01:19:28,540 --> 01:19:30,540 んっ… (太助)ねっ うまいでしょ? 1091 01:19:30,540 --> 01:19:35,550 うん いや これはなかなかうまい ハァ… 味わい深きものである 1092 01:19:35,550 --> 01:19:39,550 いや あんたはん どぶろくも知らんとこみたら➡ 1093 01:19:39,550 --> 01:19:43,560 旗本衆ん中でも高禄の方だすな 5, 000石もろとりやすか? 1094 01:19:43,560 --> 01:19:47,560 いや… うん まずはそんなところじゃな 1095 01:19:47,560 --> 01:19:52,560 それにしたかって やっぱり あっぽの仲間だすな 1096 01:19:52,560 --> 01:19:54,570 あっぽ? 1097 01:19:54,570 --> 01:19:56,570 「あほ」ってのを 上方の子供の言葉で➡ 1098 01:19:56,570 --> 01:19:58,570 「あっぽ」ってんでさ 1099 01:19:58,570 --> 01:20:00,570 すると ここにいる者は みんな あほか? 1100 01:20:00,570 --> 01:20:04,580 へい 旗本衆は みーんな あっぽだす 1101 01:20:04,580 --> 01:20:07,580 将軍さんは もっとあっぽやけど 1102 01:20:07,580 --> 01:20:10,580 ほう 将軍はあほか 1103 01:20:10,580 --> 01:20:13,590 へい あほだす 1104 01:20:13,590 --> 01:20:16,590 うち この彦左ヱ門さん慕うて➡ 1105 01:20:16,590 --> 01:20:19,590 はるばる 押しかけ女房に来まして➡ 1106 01:20:19,590 --> 01:20:22,590 あんじょう振られましたんやけど 1107 01:20:22,590 --> 01:20:25,600 せやけど うち ええ思てますねん 1108 01:20:25,600 --> 01:20:29,600 旗本の暮らし見てたら 何や知らん あほらしゅうなって 1109 01:20:29,600 --> 01:20:33,610 いや 大名と桁が違て 貧乏やいうの違いまっせ 1110 01:20:33,610 --> 01:20:36,610 いうてみたら 暮らしに 精がないいうことだすな 1111 01:20:36,610 --> 01:20:39,610 そら うっとこかって 奉公人のお給金➡ 1112 01:20:39,610 --> 01:20:41,610 誰も彼もええいうこと あらしまへん 1113 01:20:41,610 --> 01:20:44,620 せやけど 誰一人 文句言わんと 働いてるいうのんは➡ 1114 01:20:44,620 --> 01:20:46,620 その働きを難波屋政右ヱ門が➡ 1115 01:20:46,620 --> 01:20:48,620 きっちり見ててくれてる 思うさかいだす 1116 01:20:48,620 --> 01:20:51,620 うっとこのお父ちゃん 100人余りの使用人のこと➡ 1117 01:20:51,620 --> 01:20:54,630 その家族の猫が 何匹かいうことまで知ってまっせ 1118 01:20:54,630 --> 01:20:58,630 言うて失礼やけど 旗本の暮らしって一体何です? 1119 01:20:58,630 --> 01:21:02,570 将軍さんは 旗本のことを 何知ってはります? 1120 01:21:02,570 --> 01:21:07,570 早い話が あんたはんの顔 将軍さんが覚えてはりますか? 1121 01:21:07,570 --> 01:21:10,580 まあ まずは… 1122 01:21:10,580 --> 01:21:14,580 将軍さんは この人らを 知ってはりまっしゃろか 1123 01:21:16,580 --> 01:21:18,580 知らん 1124 01:21:18,580 --> 01:21:21,590 …と思う (お遊)そうだっしゃろが 1125 01:21:21,590 --> 01:21:23,590 そないな精のない御主人さんに➡ 1126 01:21:23,590 --> 01:21:27,590 何でこの人ら 忠義尽くさんなりまへんのんや 1127 01:21:27,590 --> 01:21:29,590 この人らが 六法組たらいうもんこさえて➡ 1128 01:21:29,590 --> 01:21:32,600 やけくそやらはんの 当たり前やおまへんか? 1129 01:21:32,600 --> 01:21:36,600 いうてみたら 御主人のとがだっせ 1130 01:21:36,600 --> 01:21:39,600 それを このお人が➡ 1131 01:21:39,600 --> 01:21:43,610 どないかして 将軍さんもこの人らに目をかけ➡ 1132 01:21:43,610 --> 01:21:47,610 この人らも勤める気 出してくれるようにと➡ 1133 01:21:47,610 --> 01:21:50,620 あれこれ思い詰めて➡ 1134 01:21:50,620 --> 01:21:55,620 とうとう… とうとう人柱なろう思て➡ 1135 01:21:55,620 --> 01:21:57,620 決心しましてん 1136 01:22:01,560 --> 01:22:04,560 この人らと一緒になって むちゃくちゃして 1137 01:22:04,560 --> 01:22:10,570 その上越す ひどいことして 将軍さんに叱られて 1138 01:22:10,570 --> 01:22:13,570 切腹して 1139 01:22:13,570 --> 01:22:15,570 それも将軍さんが➡ 1140 01:22:15,570 --> 01:22:18,580 暗君やと思われんように 手まで打って 1141 01:22:18,580 --> 01:22:20,580 これで死んで… 1142 01:22:23,580 --> 01:22:25,580 この人らの 寂しい捨てばちな気持ち➡ 1143 01:22:25,580 --> 01:22:29,590 分からしたいんやと思って 1144 01:22:29,590 --> 01:22:34,590 これでも あっぽやない 言わはりますか 1145 01:22:34,590 --> 01:22:40,590 (泣き声) 1146 01:22:44,600 --> 01:22:47,610 じい 1147 01:22:47,610 --> 01:22:49,610 上様 1148 01:22:49,610 --> 01:23:02,550 ♬~ 1149 01:23:02,550 --> 01:23:05,560 じい 1150 01:23:05,560 --> 01:23:09,560 さみしかったろう はっ… 1151 01:23:09,560 --> 01:23:11,560 許せ 1152 01:23:13,570 --> 01:23:15,570 許せ 1153 01:23:15,570 --> 01:23:22,570 (家光の泣き声) 1154 01:23:22,570 --> 01:23:32,580 ♬~ 1155 01:23:32,580 --> 01:23:39,590 (一同の泣き声) 1156 01:23:39,590 --> 01:23:45,600 ♬ 花は盛りの 1157 01:23:45,600 --> 01:23:51,600 (甚十郎たち)♬ 山桜 1158 01:23:51,600 --> 01:23:58,610 (一同)♬ 織り成す錦も 1159 01:23:58,610 --> 01:24:04,550 ♬ つかの間や 1160 01:24:04,550 --> 01:24:16,560 ♬ 進みて君の御前に 1161 01:24:16,560 --> 01:24:28,570 ♬ 散るは誉れの三河武士 1162 01:24:28,570 --> 01:24:35,580 ♬ 戦にはずるは 1163 01:24:35,580 --> 01:24:41,590 ♬ 身の誉れ 1164 01:24:41,590 --> 01:24:47,590 ♬ 癒えし草葉の 1165 01:24:47,590 --> 01:24:53,600 ♬ 露の玉 1166 01:24:53,600 --> 01:24:59,540 ♬ 光は八千代を 1167 01:24:59,540 --> 01:25:05,540 ♬ 照らすたび 1168 01:25:05,540 --> 01:25:12,550 ♬ いざや もろともに 1169 01:25:12,550 --> 01:25:18,550 ♬ うちいでん 1170 01:25:25,560 --> 01:25:32,560 <越えて15日 突如 総登城の命 外様大名および旗本に下る> 1171 01:25:37,580 --> 01:25:40,580 (家光)外様諸侯に申し入れる➡ 1172 01:25:40,580 --> 01:25:42,580 祖父 家康 ならびに 父 秀忠は➡ 1173 01:25:42,580 --> 01:25:47,590 豊太閤殿 天下掌握のみぎり 諸侯と同輩の身たりしにより➡ 1174 01:25:47,590 --> 01:25:50,590 征夷大将軍拝命の後も➡ 1175 01:25:50,590 --> 01:25:55,590 御一統を客分として 取り扱う傾きがござった 1176 01:25:55,590 --> 01:26:01,530 不肖 家光は 生まれながらにして 将軍の座にありし者 1177 01:26:01,530 --> 01:26:03,530 前2代とは おのずから➡ 1178 01:26:03,530 --> 01:26:06,540 異なるものあって しかるべしと存ずる 1179 01:26:06,540 --> 01:26:09,540 よって 以降➡ 1180 01:26:09,540 --> 01:26:15,550 家光は御一統を家光の臣下として 取り扱う所存でござる➡ 1181 01:26:15,550 --> 01:26:21,550 この処置を潔しとせざる方々は 直ちに国表へ立ち返り➡ 1182 01:26:21,550 --> 01:26:26,560 いかようの態度なりとも とられるがよかろう 1183 01:26:26,560 --> 01:26:31,560 一戦を交えんとあらば 家光 他藩を頼まず➡ 1184 01:26:31,560 --> 01:26:35,570 我がここうの旗本8万騎の身を 引きうし➡ 1185 01:26:35,570 --> 01:26:38,570 お相手に立ち向かうでござろう 1186 01:26:38,570 --> 01:26:51,580 ♬~ 1187 01:26:51,580 --> 01:26:55,590 加藤侍従殿 (忠広)はっ 1188 01:26:55,590 --> 01:26:59,520 寺沢志摩守殿 (志摩守)はっ 1189 01:26:59,520 --> 01:27:02,530 堀尾因幡守殿 (因幡守)はっ 1190 01:27:02,530 --> 01:27:05,530 方々には➡ 1191 01:27:05,530 --> 01:27:10,540 何やかやの思惑がござろう由 漏れ受けたまわる 1192 01:27:10,540 --> 01:27:13,540 お引き取り御自由でござるぞ 1193 01:27:13,540 --> 01:27:16,540 (因幡守たち)ははっ 1194 01:27:16,540 --> 01:27:19,540 方々 いかに 1195 01:27:21,550 --> 01:27:28,550 御異存なくば 本日より御一統を 徳川の家臣として扱い申す 1196 01:27:28,550 --> 01:27:32,560 一同 大儀 1197 01:27:32,560 --> 01:27:51,580 ♬~ 1198 01:27:51,580 --> 01:27:58,580 (笑い声) 1199 01:27:58,580 --> 01:28:13,530 ♬~ 1200 01:28:13,530 --> 01:28:15,530 伊豆守が単身乗り込むとは➡ 1201 01:28:15,530 --> 01:28:20,540 必ず裏に何らかの策を 用意してのことと思うが➡ 1202 01:28:20,540 --> 01:28:24,540 策士策に溺れるか 面目などに関わっておられん 1203 01:28:24,540 --> 01:28:27,550 我ら この際 伊豆守を召し捕って 人質に 1204 01:28:27,550 --> 01:28:31,550 我ら 単身出向いてまいりましたは➡ 1205 01:28:31,550 --> 01:28:36,550 そこもとの父上 佐渡守正信殿と➡ 1206 01:28:36,550 --> 01:28:39,560 我が父 右衛門大夫正綱は➡ 1207 01:28:39,560 --> 01:28:47,570 駿河衆として東照公様御側に 長く仕えた仲 1208 01:28:47,570 --> 01:28:54,570 我らまた 同じ幕閣に 老中として勤めし身 1209 01:28:54,570 --> 01:28:58,580 更に思うは➡ 1210 01:28:58,580 --> 01:29:02,580 両家は徳川譜代ということ 1211 01:29:04,520 --> 01:29:09,520 そのもとの終わりを 全うせしめることは➡ 1212 01:29:09,520 --> 01:29:13,520 我が務めと思いしゆえ 1213 01:29:15,530 --> 01:29:18,530 熟考の上➡ 1214 01:29:18,530 --> 01:29:23,530 善処 心よりお勧めつかまつる 1215 01:29:29,540 --> 01:29:32,540 殿 この利口者の口に 乗ってはなりませぬぞ 1216 01:29:32,540 --> 01:29:35,550 こやつ 討っ手も用いずして 殿を葬り➡ 1217 01:29:35,550 --> 01:29:39,550 功名を独り占めにして 殿亡き後の 幕閣を掌中に握ろうという➡ 1218 01:29:39,550 --> 01:29:42,550 卑しい魂胆にございますれば 1219 01:29:42,550 --> 01:29:47,560 竹内金兵ヱ 腹の切りようも知らぬとみえ➡ 1220 01:29:47,560 --> 01:29:49,560 まだ生きていたか 1221 01:29:49,560 --> 01:29:51,560 ん~ ほざくな! 1222 01:29:51,560 --> 01:30:05,580 ♬~ 1223 01:30:05,580 --> 01:30:08,580 上野殿 1224 01:30:08,580 --> 01:30:10,580 おさらば 1225 01:30:10,580 --> 01:30:23,590 ♬~ 1226 01:30:23,590 --> 01:30:28,600 <同年3月 日光東照宮竣工> 1227 01:30:28,600 --> 01:30:31,600 <家光 初の参詣に旅立つ> 1228 01:30:31,600 --> 01:30:35,610 <この供先の大役 譜代名門を越えて➡ 1229 01:30:35,610 --> 01:30:38,610 大久保彦左ヱ門に命ぜらる> 1230 01:30:43,610 --> 01:30:49,620 うちは 自分がお嫁さんなろう思て 江戸へ来たのに➡ 1231 01:30:49,620 --> 01:30:53,620 人の仲人さんだけして 帰らんならん 1232 01:30:53,620 --> 01:30:55,630 あほくさ 1233 01:30:55,630 --> 01:31:15,580 ♬~ 1234 01:31:15,580 --> 01:31:20,580 征夷大将軍 徳川家光公 1235 01:31:20,580 --> 01:31:26,580 おた~ち~ 1236 01:31:29,590 --> 01:31:34,600 やっぱり ええ男盛りや 1237 01:31:34,600 --> 01:31:54,620 ♬~ 1238 01:31:54,620 --> 01:32:14,570 ♬~ 1239 01:32:14,570 --> 01:32:27,570 ♬~