1 00:00:15,090 --> 00:00:26,100 ・~ 2 00:00:26,100 --> 00:00:33,110 ・~ 3 00:00:33,110 --> 00:00:38,120 <俗に 後宮 3000の美女を擁すると いわれる 江戸城の大奥は・ 4 00:00:38,120 --> 00:00:41,120 この御鈴口の お杉戸を境として・ 5 00:00:41,120 --> 00:00:44,120 将軍以外の男性は 入ることのできない・ 6 00:00:44,120 --> 00:00:46,120 女の園であった> 7 00:00:46,120 --> 00:00:55,130 (家臣)上様の おな~り~ (鈴の音) 8 00:00:55,130 --> 00:00:59,140 <将軍が大奥へ お出入りのとき この お鈴が鳴らされ・ 9 00:00:59,140 --> 00:01:01,070 迎える美女の群れは・ 10 00:01:01,070 --> 00:01:04,070 こよいの おしとねは どなたへ ご下命かと 艶を競い・ 11 00:01:04,070 --> 00:01:06,080 女たちの関心は・ 12 00:01:06,080 --> 00:01:11,080 ただ一人の男性である将軍に 集中されるのであった> 13 00:01:11,080 --> 00:01:18,090 <五代将軍 綱吉には 御台所 信子の他に・ 14 00:01:18,090 --> 00:01:20,090 常磐井> 15 00:01:22,090 --> 00:01:26,090 <お伝の方など 多くの愛妾があった> 16 00:01:31,100 --> 00:01:34,100 <ちょう愛に漏れた 女たちの鬱積は・ 17 00:01:34,100 --> 00:01:37,110 姿なき奔流を渦巻かせていた> 18 00:01:37,110 --> 00:01:41,110 <例年 正月16日の夜 奥御膳所で行われる・ 19 00:01:41,110 --> 00:01:48,120 女たちだけの無礼講 新参舞は 女たちの鬱積の爆発であった> 20 00:01:48,120 --> 00:01:52,120 (おかじ)新参舞を見しゃいな~ 21 00:01:52,120 --> 00:02:01,060 (女性たちのきょう声) 22 00:02:01,060 --> 00:02:19,080 ・~ 23 00:02:19,080 --> 00:02:26,090 ・~ 24 00:02:26,090 --> 00:02:36,100 ・~ 25 00:02:36,100 --> 00:02:43,110 ・~ 26 00:02:43,110 --> 00:02:50,110 ・~ 27 00:02:50,110 --> 00:03:08,070 ・~ 28 00:03:08,070 --> 00:03:26,080 ・~ 29 00:03:26,080 --> 00:03:43,100 ・~ 30 00:03:43,100 --> 00:03:45,100 (綱吉)ハハハ… 31 00:03:47,100 --> 00:03:50,110 (おみつ)嫌~! 離して! 嫌だ! 32 00:03:50,110 --> 00:03:56,110 (女性たち)♪しめたぞ しめたぞ おっと どっこい 逃がしてなろか 33 00:03:56,110 --> 00:04:00,120 (おみつ)あっ 嫌! お許しを 34 00:04:00,120 --> 00:04:02,050 (おみつの泣き声) 35 00:04:02,050 --> 00:04:05,060 こんな恥ずかしい姿… (おみね)恥ずかしい? 36 00:04:05,060 --> 00:04:08,060 ここは 上様も御遠慮なされた 女だけの催し 37 00:04:08,060 --> 00:04:10,060 誰に恥じるというのです! 38 00:04:10,060 --> 00:04:12,060 さあ お立ちなさい! (おみつ)い… 嫌! 39 00:04:12,060 --> 00:04:15,070 (一同)♪猫や いたちの目を忍び (おみつ)あっ あ~! 40 00:04:15,070 --> 00:04:17,070 (女性)静かになさい! (一同)♪しめたぞ しめたぞ 41 00:04:17,070 --> 00:04:21,070 ♪おっとどっこい 逃がしてなろか 42 00:04:24,070 --> 00:04:26,080 (おみつ)嫌~! 43 00:04:26,080 --> 00:04:29,080 助けて (女性)聞き分けのない! 44 00:04:29,080 --> 00:04:35,090 (おみつのあえぎ声) 45 00:04:35,090 --> 00:04:53,100 ・~ 46 00:04:53,100 --> 00:04:58,110 ・~ 47 00:04:58,110 --> 00:05:16,060 (女性たちのきょう声) 48 00:05:16,060 --> 00:05:22,060 (女性たちのきょう声) 49 00:05:24,070 --> 00:05:26,070 邪魔な ねずみめが… 50 00:05:35,080 --> 00:05:38,080 (万里小路)ただいま 浦川から聞かれたように・ 51 00:05:38,080 --> 00:05:42,090 上様におかせられては こよいの新参舞で・ 52 00:05:42,090 --> 00:05:46,090 内ももに ほくろのある お末に目を留められた 53 00:05:46,090 --> 00:05:50,090 心当たりの者は すぐ申し出ること 54 00:05:50,090 --> 00:05:52,100 よいな? (雪岡)私が調べます 55 00:05:52,100 --> 00:05:57,100 さっ みんな 前をお開きなさい 56 00:05:57,100 --> 00:06:01,040 (おまち)お年寄様 そのように なさらずとも・ 57 00:06:01,040 --> 00:06:04,040 自分の ほくろのあるなしなど 分かってると存じますが 58 00:06:04,040 --> 00:06:06,040 (藤垣)だからじゃ 59 00:06:06,040 --> 00:06:10,050 破格の出世を夢みての 不心得者が出ぬともかぎりません 60 00:06:10,050 --> 00:06:13,050 さっ お出しなさい 61 00:06:13,050 --> 00:06:18,050 (女性たちの話し声) 62 00:06:18,050 --> 00:06:21,060 (おみね)あっ ございました! 63 00:06:21,060 --> 00:06:25,060 このような恥ずかしい所に ほくろがあるとは 今の今まで… 64 00:06:25,060 --> 00:06:27,060 (雪岡)お~ でかしたぞ 65 00:06:27,060 --> 00:06:32,070 もし 男子を出生すれば お世継ぎの ご生母様じゃ 66 00:06:32,070 --> 00:06:34,070 (はたく音) (藤垣)違う! 67 00:06:34,070 --> 00:06:38,070 上様ご所望のほくろは 左脚じゃ (おみね)申し訳ございません 68 00:06:38,070 --> 00:06:40,080 (障子の開く音) 69 00:06:40,080 --> 00:06:43,080 (おつの)雪岡様 ほくろの女が見つかりました 70 00:06:43,080 --> 00:06:45,080 (雪岡)何? して どこで? 71 00:06:45,080 --> 00:06:49,090 はい 万里小路様のお部屋の お末とか 72 00:06:49,090 --> 00:06:54,090 チッ またしても 上品ぶった 京の女ぎつねめ 73 00:06:54,090 --> 00:06:59,100 して お末の名は? (おつの)はい おみつとか… 74 00:06:59,100 --> 00:07:01,030 (はたく音) (おさわ)おみつさん 75 00:07:01,030 --> 00:07:03,030 あんたって ホントに 運のいい方ね 76 00:07:03,030 --> 00:07:05,040 (おゆき)ねえ おみつさん 77 00:07:05,040 --> 00:07:08,040 こうなったら絶対に 上様のお種を 宿さなきゃ駄目ですよ 78 00:07:08,040 --> 00:07:10,040 それも 男の子のお種を 79 00:07:10,040 --> 00:07:13,040 (おさわ)もし そうなったら 今までのよしみで・ 80 00:07:13,040 --> 00:07:17,050 あたしたちのことも 引き立ててくださいよ ねえ 81 00:07:17,050 --> 00:07:21,050 (おみつ)《上様のお目が私に…》 82 00:07:21,050 --> 00:07:25,050 《日夜 ひそかに お慕いしていた上様に…》 83 00:07:34,060 --> 00:07:36,070 (おみつ)あっ (鈴の音) 84 00:07:36,070 --> 00:07:44,070 (鈴の音) 85 00:07:44,070 --> 00:07:49,080 (おふく)上様 おな~り~ (鈴の音) 86 00:07:49,080 --> 00:07:51,080 (おふく)おなりでございます 87 00:07:51,080 --> 00:07:54,080 (おみつ) 鈴… 間違いでございます! 88 00:07:54,080 --> 00:07:59,090 その鈴… 鈴… 間違いでございます! 89 00:07:59,090 --> 00:08:01,020 お鈴は間違いでございます! 90 00:08:01,020 --> 00:08:04,030 (おふく)何? 間違いじゃと? 91 00:08:04,030 --> 00:08:06,030 (おみつ)はい 92 00:08:08,030 --> 00:08:11,030 大変な間違いを してくれましたねえ 93 00:08:11,030 --> 00:08:14,040 そなたは いずれのお部屋の者です? 94 00:08:14,040 --> 00:08:16,040 万里小路様の・ 95 00:08:16,040 --> 00:08:19,040 お末で おみつと申します 96 00:08:19,040 --> 00:08:23,050 万事に お上品で おしとやかな 万里小路様のお末が・ 97 00:08:23,050 --> 00:08:26,050 そのような失態を するわけはない 98 00:08:26,050 --> 00:08:28,050 偽りを申しておるな? 99 00:08:28,050 --> 00:08:30,050 いいえ! 偽りでは… 100 00:08:30,050 --> 00:08:34,050 申すな! 取り調べい (おりき)はい 101 00:08:36,060 --> 00:08:38,060 正直に申し上げぬか! 102 00:08:38,060 --> 00:08:50,070 (おみつのうめき声) 103 00:08:50,070 --> 00:08:53,070 ・(万里小路)お待ちなさい (おみつのうめき声) 104 00:08:59,080 --> 00:09:03,020 江戸では このようなはしたない お仕置きをなさるのですか? 105 00:09:03,020 --> 00:09:08,020 京では このような大きな失態も 不問になされますので? 106 00:09:08,020 --> 00:09:12,030 私は はしたないお仕置きの しかたについて申しております 107 00:09:12,030 --> 00:09:17,030 この失態については 納得の いくよう成敗をいたします 108 00:09:17,030 --> 00:09:21,040 これは面白い では どのように? 109 00:09:21,040 --> 00:09:23,040 命を奪います 110 00:09:23,040 --> 00:09:26,040 命を? (万里小路)さよう 111 00:09:26,040 --> 00:09:29,050 女の命よりも大切な 黒髪を切って・ 112 00:09:29,050 --> 00:09:33,050 お騒がせした罪と いたしましょう 113 00:09:33,050 --> 00:09:35,050 旦那様! (万里小路)さあ 114 00:09:35,050 --> 00:09:39,050 京の作法 お江戸の方々に お見せしてあげるのです 115 00:09:46,060 --> 00:09:49,070 (息を吸う音) 116 00:09:49,070 --> 00:09:58,070 (鈴の音) ・(家臣)上様の おな~り~ 117 00:09:58,070 --> 00:10:07,080 (鈴の音) 118 00:10:07,080 --> 00:10:17,090 ・~ 119 00:10:17,090 --> 00:10:19,100 この者は? 120 00:10:19,100 --> 00:10:23,100 (駒尾)はっ 先ほど 油差しをお鈴のひもに引っ掛け・ 121 00:10:23,100 --> 00:10:27,100 騒ぎを起こしました お末の者にございます 122 00:10:27,100 --> 00:10:30,110 (お伝の方)万里小路殿が いたく ご立腹で・ 123 00:10:30,110 --> 00:10:32,110 髪を下ろさせるとか… 124 00:10:32,110 --> 00:10:34,110 それは ふびんな 125 00:10:34,110 --> 00:10:37,110 鈴を鳴らしたくせ者は これじゃ 126 00:10:37,110 --> 00:10:39,110 (踏み壊す音) 127 00:10:41,120 --> 00:10:47,120 この者を 決して とがめるでないぞ よいな 128 00:11:24,090 --> 00:11:42,110 ・~ 129 00:11:42,110 --> 00:12:01,060 ・~ 130 00:12:01,060 --> 00:12:04,070 (おみつ)《あの日以来・ 131 00:12:04,070 --> 00:12:11,070 遠く かいま見る上様に 胸を燃やし続けてきた私》 132 00:12:11,070 --> 00:12:15,080 《お顔をまともに見ることも 許されない・ 133 00:12:15,080 --> 00:12:18,080 上様から お召しとは》 134 00:12:18,080 --> 00:12:22,090 (万里小路)まあ 見違えるように 美しくなって 135 00:12:22,090 --> 00:12:25,090 よいか? おみつ 136 00:12:25,090 --> 00:12:27,090 心して お勤めするのじゃ 137 00:12:27,090 --> 00:12:32,100 全てを投げ出して… よいな? 138 00:12:32,100 --> 00:12:39,100 (常磐井)私が 上様のごちょう愛を つなぎ止めておれず・ 139 00:12:39,100 --> 00:12:42,110 あのような下賤な御半下風情に… 140 00:12:42,110 --> 00:12:44,110 (おたえ)常磐井様 141 00:12:44,110 --> 00:12:49,110 あなた様は 京の 水無瀬中納言様のお姫様 142 00:12:49,110 --> 00:12:53,120 上様も おみつのような町方の 教養のない御半下に・ 143 00:12:53,120 --> 00:12:57,120 いつまでも お心を お留めなさるはずはございません 144 00:13:00,120 --> 00:13:03,060 そのとおりであればよいが… (おたえ)いえ 間違いございません 145 00:13:03,060 --> 00:13:07,060 先ほども 気の転倒を静めたいなどと申し・ 146 00:13:07,060 --> 00:13:09,070 あの おみつという女・ 147 00:13:09,070 --> 00:13:13,070 庭へ 1人で出ていったような 始末でございます 148 00:13:18,070 --> 00:13:22,080 (おみつ)あっ 何をなさいます! 149 00:13:22,080 --> 00:13:29,090 何をなさいます! あっ あっ ああ… 150 00:13:29,090 --> 00:13:35,090 (火打ち石を打つ音) (おみつ)あっ うっ あっ… 151 00:13:35,090 --> 00:13:37,090 何をなさいます! 152 00:13:37,090 --> 00:13:41,090 お勤めができぬよう 大切な所を焼くのじゃ 153 00:13:43,100 --> 00:13:46,100 (おみつ)お許しください! あ~! 154 00:13:46,100 --> 00:13:50,100 お… お許しくだ… うっ… 155 00:13:55,110 --> 00:14:00,120 (おみつの悲鳴) 156 00:14:00,120 --> 00:14:18,070 ・~ 157 00:14:18,070 --> 00:14:32,080 ・~ 158 00:14:32,080 --> 00:14:34,080 えい 手ぬるい! 159 00:14:38,090 --> 00:14:43,090 (おみつの悲鳴) 160 00:14:43,090 --> 00:14:47,100 (一同の笑い声) 161 00:14:47,100 --> 00:14:52,100 だが 雪岡 万里小路は 一癖も二癖もある知恵者 162 00:14:52,100 --> 00:14:55,100 上様に どのように訴え出るか 分かりませぬぞ 163 00:14:55,100 --> 00:14:57,110 (雪岡)その際は・ 164 00:14:57,110 --> 00:15:00,110 御半下同士の争いと 言い抜けるまででございます 165 00:15:00,110 --> 00:15:02,050 (藤垣)ほんに 今頃は・ 166 00:15:02,050 --> 00:15:05,050 あの京の女ぎつねたち 大慌てでございましょう 167 00:15:05,050 --> 00:15:09,050 (一同の笑い声) 168 00:15:09,050 --> 00:15:12,060 (雪岡)ご苦労でした さっ いただきましょう 169 00:15:12,060 --> 00:15:14,060 (藤垣)はい 170 00:15:16,060 --> 00:15:18,060 (おしの)申し上げます 171 00:15:18,060 --> 00:15:22,070 ただいま 万里小路様のお部屋から おみつが上様の おしとねへ 172 00:15:22,070 --> 00:15:25,070 何? おみつが? 173 00:15:27,070 --> 00:15:30,070 (おちか)あっ ああ… 174 00:15:30,070 --> 00:15:37,080 (おちかのあえぎ声) 175 00:15:37,080 --> 00:15:41,080 ちか… 余は ちかのほくろが所望じゃ 176 00:15:41,080 --> 00:15:46,090 (おちか)あっ ああ… 上様 177 00:15:46,090 --> 00:15:50,090 よいな ちか 許せ 178 00:15:50,090 --> 00:15:52,100 (おちか)ああ… うっ 179 00:15:52,100 --> 00:15:57,100 ああ… 上様… 上様 お許しを… 180 00:15:57,100 --> 00:16:03,040 (おちかのあえぎ声) 181 00:16:03,040 --> 00:16:21,060 ・~ 182 00:16:21,060 --> 00:16:38,070 ・~ 183 00:16:38,070 --> 00:16:43,080 (おちか)上様… ああ… 184 00:16:43,080 --> 00:16:46,080 もう ちかは… 185 00:16:46,080 --> 00:16:52,090 (おちかのあえぎ声) 186 00:16:52,090 --> 00:17:10,040 ・~ 187 00:17:10,040 --> 00:17:28,060 ・~ 188 00:17:28,060 --> 00:17:32,060 ・~ 189 00:17:36,070 --> 00:17:38,070 (おさわのはなをかむ音) 190 00:17:38,070 --> 00:17:41,070 ああ… あ~あ 191 00:17:41,070 --> 00:17:44,070 あしたから おちかは お手付き中臈か 192 00:17:44,070 --> 00:17:46,080 (おかじ)器量のいい人は得だね 193 00:17:46,080 --> 00:17:48,080 (おゆき)とばかりも言えないわ 194 00:17:48,080 --> 00:17:52,080 おみつさんみたいに 大事な所を焼かれたりして・ 195 00:17:52,080 --> 00:17:54,080 お暇を出されてしまったりしてさ 196 00:17:54,080 --> 00:17:56,090 本当ね 197 00:17:56,090 --> 00:17:59,090 もう終わったころかしら おちかさん 198 00:17:59,090 --> 00:18:03,030 まだまだ 明け方まで続くんだって (おさわ)ふ~ん 199 00:18:03,030 --> 00:18:08,030 あ~あ 頭が熱くなっちゃった~ (おさわ)嫌ね あんたったら 200 00:18:08,030 --> 00:18:11,030 (おりつたちの笑い声) 201 00:18:11,030 --> 00:18:14,040 (女性)上様は その おちかという御半下が・ 202 00:18:14,040 --> 00:18:17,040 偽ぼくろとも お分かりなく 殊の外 ごちょう愛とか 203 00:18:17,040 --> 00:18:20,040 (おりつ)ほんに たあいないこと (おりつたち)フフッ 204 00:18:20,040 --> 00:18:22,040 (女性)常磐井様なぞ 愛想を尽かして・ 205 00:18:22,040 --> 00:18:25,050 もう 京へ帰りたいと言って お嘆きとか 206 00:18:25,050 --> 00:18:27,050 ・(おりつたちの笑い声) 207 00:18:27,050 --> 00:18:30,050 (せきばらい) ・(おりつたちの笑い声) 208 00:18:30,050 --> 00:18:32,050 (女性)あっ 誰か… (女性)あら… 209 00:18:42,060 --> 00:18:44,060 (戸の開く音) 210 00:18:50,070 --> 00:18:53,080 (おちか)御免くださりませ 211 00:18:53,080 --> 00:18:55,080 ああ… 212 00:18:55,080 --> 00:19:00,080 ちか そのほうのほくろ 十分に賞味してとらせるぞ 213 00:19:00,080 --> 00:19:02,080 この偽ぼくろ! 214 00:19:04,020 --> 00:19:10,020 (おちかのあえぎ声) 215 00:19:12,030 --> 00:19:14,030 (おちか)ああっ 216 00:19:16,030 --> 00:19:21,040 (おちか)あっ お許し… お許しくださいませ! 217 00:19:21,040 --> 00:19:23,040 このほくろは 入れ墨であろう 218 00:19:23,040 --> 00:19:27,040 上様のお情けを お受けしたい一念で… 219 00:19:27,040 --> 00:19:31,050 偽りを申すな! 万里小路の入れ知恵か! 220 00:19:31,050 --> 00:19:33,050 いえ! 私の一存で 221 00:19:33,050 --> 00:19:37,050 いや 入れ知恵と申すより 命令であろう 222 00:19:37,050 --> 00:19:39,060 違います 223 00:19:39,060 --> 00:19:44,060 旦那様は 何も ご存じございません 224 00:19:44,060 --> 00:19:48,060 おとがめは 私がお受けいたします 225 00:19:48,060 --> 00:19:52,070 もうよい 余は何も とがめてはおらぬぞ 226 00:19:52,070 --> 00:19:56,070 (おちか) では お許しくださいますので? 227 00:19:56,070 --> 00:20:01,080 《これ以上 詮索すれば この女は自害する》 228 00:20:01,080 --> 00:20:06,080 《将軍とは そのような うそで 固められた世界の飾り物なのか》 229 00:20:10,090 --> 00:20:12,090 上様 230 00:20:12,090 --> 00:20:16,090 なぜ そのような 暗いお顔をなされているのです? 231 00:20:16,090 --> 00:20:20,100 少し疲れているのだ 気に留めるな 232 00:20:20,100 --> 00:20:25,100 と仰せられても 久々の おしとねに参じましたのに・ 233 00:20:25,100 --> 00:20:28,100 伝は 情けなく存じます 234 00:20:28,100 --> 00:20:30,110 んっ 痛っ 235 00:20:30,110 --> 00:20:32,110 痛いではないか 236 00:20:32,110 --> 00:20:34,110 以前の上様は・ 237 00:20:34,110 --> 00:20:39,120 このような冷たい おあしらいは なさいませんでした 238 00:20:39,120 --> 00:20:45,120 みそじに近い あたしでは 御用は かないませぬか? 239 00:20:45,120 --> 00:20:48,120 そのようなことはない 240 00:20:48,120 --> 00:20:51,120 うそを仰せられても 伝は だまされません 241 00:20:53,130 --> 00:20:55,130 ん~ 242 00:20:55,130 --> 00:20:58,130 これ! 何をいたす 243 00:20:58,130 --> 00:21:04,070 上様は近頃 いたく ほくろを ご賞味なさっておいでとか 244 00:21:04,070 --> 00:21:07,080 そのような話は聞きたくない 245 00:21:07,080 --> 00:21:12,080 いいえ 聞いていただきます 246 00:21:12,080 --> 00:21:15,080 伝とても ほくろよりも・ 247 00:21:15,080 --> 00:21:20,090 もっと ずっと 味の勝ったものを 持っております 248 00:21:20,090 --> 00:21:22,090 上様 249 00:21:27,100 --> 00:21:32,100 ・これ 伝 やめぬか 余は もう満腹じゃ 250 00:21:32,100 --> 00:21:36,110 ・う~ん ・ああ… 許せというに 251 00:21:36,110 --> 00:21:39,110 ・お許しいたしませぬ ・やめぬか 252 00:21:39,110 --> 00:21:42,110 ・あ~ もう これ以上… ・ああ… 253 00:21:42,110 --> 00:21:49,120 ・う~ん もっと… 召し上がれ… 254 00:21:49,120 --> 00:21:54,120 ・このような… このような おいしいもの・ 255 00:21:54,120 --> 00:21:59,130 上がれぬはずがございませぬ ・伝… 256 00:21:59,130 --> 00:22:02,060 ・(お伝の方/綱吉のあえぎ声) 257 00:22:02,060 --> 00:22:06,070 ・あのような 下賤な者のほくろなぞより・ 258 00:22:06,070 --> 00:22:10,070 数段 味のいいはず ハァハァ… 259 00:22:10,070 --> 00:22:14,080 ・水けも多うございましょう? 甘みも… 260 00:22:14,080 --> 00:22:20,080 ・さあ もっと もっと もっと… 261 00:22:20,080 --> 00:22:24,090 ・もっと! ・ああ… もう駄目じゃ 262 00:22:24,090 --> 00:22:27,090 ・もっと… ・もう これ以上… 263 00:22:27,090 --> 00:22:34,100 (お伝の方/綱吉のあえぎ声) 264 00:22:34,100 --> 00:22:37,100 もう駄目じゃ! ん~! 265 00:22:37,100 --> 00:22:39,100 あ~ もう たくさんじゃ! 266 00:22:39,100 --> 00:22:43,100 さっ これで 精がお付きあそばしました 267 00:22:47,110 --> 00:22:49,110 上様 268 00:22:56,120 --> 00:22:59,120 上様~ 269 00:22:59,120 --> 00:23:04,120 伝… 余は ホントに満腹じゃ 270 00:23:08,060 --> 00:23:15,070 (太鼓の音) 271 00:23:15,070 --> 00:23:31,090 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 272 00:23:31,090 --> 00:23:44,100 (太鼓の音) 273 00:23:44,100 --> 00:23:46,100 (一同)よいしょ! 274 00:23:46,100 --> 00:23:49,100 (太鼓の音) 275 00:23:49,100 --> 00:23:51,110 (一同)よいしょ! 276 00:23:51,110 --> 00:23:55,110 (太鼓の音) (女性たちの拍手) 277 00:23:55,110 --> 00:24:08,060 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 278 00:24:08,060 --> 00:24:10,060 (女性たち)しっかり! (女性)頑張って! 279 00:24:10,060 --> 00:24:12,060 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 280 00:24:12,060 --> 00:24:16,070 しっかり! (女性たち)頑張って! 頑張って! 281 00:24:16,070 --> 00:24:18,070 (女性)頑張って~! 282 00:24:18,070 --> 00:24:20,070 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 283 00:24:20,070 --> 00:24:23,070 (行司)残った 残った… (女性たちの声援と拍手) 284 00:24:23,070 --> 00:24:27,080 頑張って! (女性)あ~! あ~! 285 00:24:27,080 --> 00:24:30,080 しっかり! (女性たちの声援と拍手) 286 00:24:30,080 --> 00:24:33,080 (女性)それ! (女性)あ~! 287 00:24:33,080 --> 00:24:37,090 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 288 00:24:37,090 --> 00:24:39,090 (おりき)え~い! (女性)あ~! 289 00:24:39,090 --> 00:24:43,090 (女性)あっ (女性)おりき殿~! 290 00:24:43,090 --> 00:24:45,090 (おりき)や~! (女性)きゃ~! 291 00:24:45,090 --> 00:24:49,100 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 292 00:24:49,100 --> 00:24:53,100 ウフフ… ハハハ… (女性たちの声援と拍手) 293 00:24:53,100 --> 00:24:57,110 (女性)しっかり! 頑張って! (太鼓の音) 294 00:24:57,110 --> 00:24:59,110 (太鼓の音) (女性)あっ 295 00:24:59,110 --> 00:25:01,040 ハハハ… (女性たちの声援と拍手) 296 00:25:01,040 --> 00:25:03,050 (女性)あ~! (女性)危ない! 297 00:25:03,050 --> 00:25:07,050 しっかり! しっかり~! (おりき)うっ えい! 298 00:25:07,050 --> 00:25:13,060 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 299 00:25:13,060 --> 00:25:15,060 (おりき)えい! (女性)あ~! 300 00:25:15,060 --> 00:25:17,060 (女性)もうちょい! (女性)頑張れ! 頑張って~! 301 00:25:17,060 --> 00:25:19,060 (女性)あ~! ハハハ… 302 00:25:19,060 --> 00:25:21,060 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 303 00:25:21,060 --> 00:25:25,070 (女性たち)頑張って~! ハハハ… 304 00:25:25,070 --> 00:25:31,070 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 305 00:25:31,070 --> 00:25:35,080 (女性)おりき殿! (女性)もっと押せ もっと押せ! 306 00:25:35,080 --> 00:25:38,080 (おりき)や~! アハハハ… 307 00:25:38,080 --> 00:25:43,090 (信子)わらわは このような 下賤な遊びは 性に合いませぬ 308 00:25:43,090 --> 00:25:46,090 上様は ご乱心あそばされたのでは… 309 00:25:46,090 --> 00:25:49,090 (女性)頑張って! しっかり! (おりき)えい! 310 00:25:49,090 --> 00:25:58,100 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 311 00:25:58,100 --> 00:26:05,040 御台所様は このようなお遊びは お気に召さぬようでございますな 312 00:26:05,040 --> 00:26:10,050 疲れた そのほうたち 存分に楽しむがよいぞ 313 00:26:10,050 --> 00:26:14,050 上様 間もなく 呼び物の女子が出ますゆえ・ 314 00:26:14,050 --> 00:26:16,050 是非 ご覧あそばせ 315 00:26:16,050 --> 00:26:20,060 ほう… そのような女子がおるのか 316 00:26:20,060 --> 00:26:24,060 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 317 00:26:24,060 --> 00:26:26,060 (女性)いきますよ~! (おりき)おう! 318 00:26:26,060 --> 00:26:30,070 (女性)おりき殿 しっかり! (太鼓の音) 319 00:26:30,070 --> 00:26:33,070 (女性)それ~! (おりき)あ~! きゃ~! 320 00:26:33,070 --> 00:26:36,070 (おきぬ)よ~し えい! 321 00:26:36,070 --> 00:26:38,070 (女性)おきぬ殿 しっかり! (太鼓の音) 322 00:26:38,070 --> 00:26:41,080 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 323 00:26:41,080 --> 00:26:44,080 (女性)頑張って~! (女性)頑張って~! それ! 324 00:26:44,080 --> 00:26:47,080 (おきぬ)よいっしょ (女性)あ~! 325 00:26:47,080 --> 00:26:50,090 (おきぬ)や~! (おゆき)きゃ~! 326 00:26:50,090 --> 00:26:53,090 (女性)おきぬ殿! (おきぬ)よいっしょ 327 00:26:53,090 --> 00:26:55,090 よっこらせ! (おゆき)きゃ~! 328 00:26:55,090 --> 00:26:58,090 ハハハ… (行司)新手 松葉崩し~ 329 00:26:58,090 --> 00:27:02,030 (女性)大丈夫でございますか? (おきぬ)さあ お次は どなたじゃ 330 00:27:02,030 --> 00:27:05,030 (太鼓の音) (おゆきのうめき声) 331 00:27:05,030 --> 00:27:09,040 (太鼓の音) (おきぬ)誰もおりませぬか? 332 00:27:09,040 --> 00:27:13,040 (太鼓の音) 333 00:27:13,040 --> 00:27:20,050 (行司)5人抜き 優勝者 お伝の方様 お部屋付き おきぬ殿 334 00:27:20,050 --> 00:27:22,050 (おさよ)お待ちください! 335 00:27:22,050 --> 00:27:24,050 (おさよ)私が お相手いたします (太鼓の音) 336 00:27:24,050 --> 00:27:31,060 (太鼓の音) 337 00:27:31,060 --> 00:27:36,070 (女性たちの拍手) (女性たち)おさよ殿 頑張って! 338 00:27:36,070 --> 00:27:40,070 (女性)押して 押して 押して おさよ殿 押して~! 339 00:27:40,070 --> 00:27:42,070 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 340 00:27:42,070 --> 00:27:45,070 (女性)おさよ殿! (女性)おきぬ殿 頑張って! 341 00:27:45,070 --> 00:27:48,080 (女性)おさよ殿 しっかり! そこ そこ 押して 押して… 342 00:27:48,080 --> 00:27:51,080 (女性たち)頑張って! 頑張って! (太鼓の音) 343 00:27:51,080 --> 00:27:53,080 (女性たち)あ~! (行司)上手投げ~ 344 00:27:53,080 --> 00:27:58,090 お~ 見事じゃ あの者は 何と申す 345 00:27:58,090 --> 00:28:01,020 フフッ 見事 勝ち抜きましたら・ 346 00:28:01,020 --> 00:28:04,030 上様より じきじきに お聞きあそばしたらいかが? 347 00:28:04,030 --> 00:28:07,030 (女性たちの声援と拍手) うん 348 00:28:07,030 --> 00:28:11,030 あっ 悔しい あ痛~ (おさよ)残念! 349 00:28:11,030 --> 00:28:14,040 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 350 00:28:14,040 --> 00:28:17,040 (太鼓の音) (女性)私が参ります! 351 00:28:17,040 --> 00:28:22,040 (女性たちの声援と拍手) (太鼓の音) 352 00:28:22,040 --> 00:28:27,050 (おさよ)えい! (行司)2人抜き 鯖折り~ 353 00:28:27,050 --> 00:28:30,050 (おさよ)あっ (女性)早く押せ押せ! 354 00:28:30,050 --> 00:28:35,060 (行司)3人抜き 鼓の糸回し~ 355 00:28:35,060 --> 00:28:38,060 (女性)あ~! 356 00:28:38,060 --> 00:28:41,060 (行司)4人抜き 小股払い~ 357 00:28:41,060 --> 00:28:43,070 (女性)え~い! きゃ~! 358 00:28:43,070 --> 00:28:46,070 (行司)5人抜き 観音倒し~ 359 00:28:46,070 --> 00:28:49,070 (女性たちのざわめき) 360 00:28:49,070 --> 00:28:52,070 (女性)大奥一の! (女性)5人抜き! 361 00:28:52,070 --> 00:28:54,080 (女性たちの歓声と拍手) (太鼓の音) 362 00:28:54,080 --> 00:28:59,080 (女性)すごいわね~! (女性)おさよ殿 立派! 日本一! 363 00:28:59,080 --> 00:29:03,020 (女性)おさよ殿! (女性たちの歓声と拍手) 364 00:29:03,020 --> 00:29:07,020 本日の勝負 誠に見事であった 365 00:29:07,020 --> 00:29:11,020 さよ 遠慮いたすな 近う 366 00:29:17,030 --> 00:29:19,030 ・(おさよ)嫌っ くすぐったい 367 00:29:19,030 --> 00:29:24,040 ・遠慮いたすな ・(おさよ)違います 上様 368 00:29:24,040 --> 00:29:27,040 ・では ここか? ・(おさよ)ウフッ 369 00:29:27,040 --> 00:29:34,050 うっ うっ… くっ ああ… 370 00:29:34,050 --> 00:29:38,050 その相手の力を利用して ここで 足を! 371 00:29:38,050 --> 00:29:40,060 ぐわっ 372 00:29:40,060 --> 00:29:42,060 あっ 上様! 373 00:29:42,060 --> 00:29:45,060 ハハハ… 気にいたすな 374 00:29:45,060 --> 00:29:47,060 よいか さよ 375 00:29:47,060 --> 00:29:51,070 今後とも ただいま 綱吉を投げ出したように・ 376 00:29:51,070 --> 00:29:54,070 何の遠慮もなく 勤めてくれ 377 00:29:54,070 --> 00:29:57,070 もったいない仰せ 378 00:29:57,070 --> 00:30:00,080 さっ 参れ 379 00:30:00,080 --> 00:30:04,080 では 容赦いたしません 380 00:30:04,080 --> 00:30:06,080 御免くださいませ 381 00:30:06,080 --> 00:30:11,090 うっ うっ あっ… 382 00:30:11,090 --> 00:30:13,090 ああ… (おさよ)あっ 383 00:30:13,090 --> 00:30:17,090 《この女 必死で投げようとしている》 384 00:30:17,090 --> 00:30:20,100 《この女こそ 将軍という権威を超えて・ 385 00:30:20,100 --> 00:30:25,100 心の触れ合いをしてくれる 女かもしれん》 386 00:30:25,100 --> 00:30:28,100 (お静) 上様には 四十八手の裏表を・ 387 00:30:28,100 --> 00:30:31,110 全て試みるのじゃなどと 申されて・ 388 00:30:31,110 --> 00:30:34,110 そして 明け方まで 相撲を続けられ… 389 00:30:34,110 --> 00:30:38,110 何? そのほうの申す相撲とは 誠の相撲か? 390 00:30:38,110 --> 00:30:40,120 (お静)と申しますと? 391 00:30:40,120 --> 00:30:42,120 (藤垣) 雪岡様は 上様と おさよは・ 392 00:30:42,120 --> 00:30:44,120 めおとの契りを なされたわけであろうと・ 393 00:30:44,120 --> 00:30:46,120 聞いておられるのじゃ (お静)いえ 394 00:30:46,120 --> 00:30:51,130 誠 正真正銘の相撲でございます (万里小路のせきばらい) 395 00:30:51,130 --> 00:30:57,130 では 四十八手の裏表とは? (お静)はい 誠 相撲の… 396 00:31:02,070 --> 00:31:04,070 今のところは 上様も・ 397 00:31:04,070 --> 00:31:06,070 無邪気な お遊び相手にしておられる・ 398 00:31:06,070 --> 00:31:08,080 ご様子でござりますが・ 399 00:31:08,080 --> 00:31:10,080 いずれは お手が付くことも… 400 00:31:10,080 --> 00:31:13,080 (万里小路) わらわが案じておるのは・ 401 00:31:13,080 --> 00:31:15,080 あのような丈夫な女子ゆえ・ 402 00:31:15,080 --> 00:31:18,090 一度の契りで… (常磐井)もし 将軍のお世継ぎが・ 403 00:31:18,090 --> 00:31:21,090 下賤な女中から 出生したとあっては・ 404 00:31:21,090 --> 00:31:23,090 我慢がなりませぬ 405 00:31:23,090 --> 00:31:27,100 上様お気に入りの 御側御用人 柳沢出羽守様に・ 406 00:31:27,100 --> 00:31:29,100 ご相談なされては いかがでございましょう 407 00:31:29,100 --> 00:31:35,100 だが 男子禁制の この大奥では それも できぬ相談じゃ 408 00:31:35,100 --> 00:31:39,110 節分の日をご利用なされては? (万里小路)何? 409 00:31:39,110 --> 00:31:42,110 節分の日は 大奥へ 年に一度・ 410 00:31:42,110 --> 00:31:46,110 晴れて 殿方が年男として 入ることのできる日でございます 411 00:31:46,110 --> 00:31:52,110 その年男の役に 柳沢様をご推挙なされては? 412 00:31:54,120 --> 00:31:57,130 節分の日に… 413 00:31:57,130 --> 00:32:02,060 ・(柳沢)福は内! 福は内! ・(女性たち)きゃ~! 414 00:32:02,060 --> 00:32:07,070 ・(柳沢)鬼は外! 鬼は外! (女性たち)きゃ~! 415 00:32:07,070 --> 00:32:10,070 ・(柳沢)天討ち 地討ち! 416 00:32:10,070 --> 00:32:14,080 (柳沢)鬼の目ん玉を討ち壊せ~! (女性たち)きゃ~! 417 00:32:14,080 --> 00:32:17,080 (おきぬ)殿方! (おりき)あっ 痛い! 418 00:32:17,080 --> 00:32:19,080 まあ! (おりき)まあま! 419 00:32:19,080 --> 00:32:22,080 あたし 殿方を見たの初めてよ すてきね! 420 00:32:22,080 --> 00:32:24,090 (おりき)ホントよ ほっとけないわ 421 00:32:24,090 --> 00:32:27,090 ねえ こっち向いて! (おきぬ)まあ すてきだわ 422 00:32:27,090 --> 00:32:31,090 こっちを向いて! (一同のきょう声) 423 00:32:31,090 --> 00:32:36,100 ♪み代は めでたき この君様よ 424 00:32:36,100 --> 00:32:39,100 (一同)♪金の土台の腐るまで 425 00:32:39,100 --> 00:32:41,100 (一同のきょう声) (柳沢)あ~! 426 00:32:41,100 --> 00:32:47,110 (一同)わっしょい わっしょい… (柳沢)待たれい! 待たれい! 427 00:32:47,110 --> 00:33:00,120 (一同)わっしょい わっしょい わっしょい わっしょい… 428 00:33:00,120 --> 00:33:05,060 (一同のきょう声) 429 00:33:05,060 --> 00:33:08,060 (柳沢)いや… (一同のきょう声) 430 00:33:08,060 --> 00:33:10,070 (万里小路)お静まりなさい 431 00:33:10,070 --> 00:33:12,070 (常磐井) ご酒は用意してございます 432 00:33:12,070 --> 00:33:16,070 さあ どうぞ (女性たち)さあ どうぞ どうぞ 433 00:33:16,070 --> 00:33:22,080 (女性たちのきょう声) 434 00:33:22,080 --> 00:33:24,080 行きましょう 435 00:33:24,080 --> 00:33:27,080 (女性たちのきょう声) 436 00:33:27,080 --> 00:33:29,080 い~だ! (おきぬ)京の女ぎつねめ フン! 437 00:33:29,080 --> 00:33:32,090 (おしの)貧乏公卿 (おまち)フン! 成り上がり 438 00:33:32,090 --> 00:33:34,090 (おしの)ねっ (おみね)たぬき小路 439 00:33:34,090 --> 00:33:37,090 (常磐井)年男様 ご酒をどうぞ 440 00:33:37,090 --> 00:33:42,090 いや 手前 不調法で… では 形だけ 441 00:33:44,100 --> 00:33:46,100 おっとっと そんなに つがれては! 442 00:33:46,100 --> 00:33:50,110 (常磐井)年に一度のお祝い よろしいではございませぬか 443 00:33:50,110 --> 00:33:54,110 (女性たち)どうぞ (女性)お過ごしなされませ 444 00:33:54,110 --> 00:33:59,110 (女性たちの歓声) (女性)お見事ですね 445 00:33:59,110 --> 00:34:02,050 お強いではございませぬか 446 00:34:02,050 --> 00:34:05,050 さっ もう一杯 (柳沢)いや もう これ以上は! 447 00:34:05,050 --> 00:34:09,060 (一同)♪金の土台は愚かなことよ 448 00:34:09,060 --> 00:34:15,060 ♪石の土台の腐るまで おめでたや 449 00:34:15,060 --> 00:34:18,070 ♪お万 万年 おめでとう~ (柳沢)あ~! 450 00:34:18,070 --> 00:34:24,070 (一同のきょう声) (柳沢)あ~ あ~ 451 00:34:24,070 --> 00:34:27,080 さっ 年男殿を控えの間へ 452 00:34:27,080 --> 00:34:32,080 (一同のきょう声) 453 00:34:32,080 --> 00:34:46,080 (一同)わっしょい わっしょい わっしょい わっしょい… 454 00:34:48,100 --> 00:34:54,100 (火の番たち)お火の番 お火の番でございます 455 00:34:58,110 --> 00:35:06,110 ・(火の番たち)火の用心 お火の番 お火の番でございます 456 00:35:14,060 --> 00:35:19,060 (柳沢)うっ… あっ… 457 00:35:19,060 --> 00:35:21,060 誰じゃ 458 00:35:27,070 --> 00:35:29,070 常磐井でございます 459 00:35:29,070 --> 00:35:33,070 お疲れのところ ご無理なお願いを… 460 00:35:36,080 --> 00:35:39,080 (柳沢)ともあれ こちらへ 461 00:35:56,100 --> 00:36:02,040 御所から 京美人を1人と 申されるのか? 462 00:36:02,040 --> 00:36:07,040 柳沢様のお顔で お招き願えればと… 463 00:36:09,040 --> 00:36:16,050 上様のお目にかなう女となると これは 大変な重荷でござるな 464 00:36:16,050 --> 00:36:20,060 下賤な御半下や女中など 上様に ご推挙いたしたくないため・ 465 00:36:20,060 --> 00:36:23,060 このように おすがり申しているのです 466 00:36:32,070 --> 00:36:35,070 何をなされます! 467 00:36:37,070 --> 00:36:43,080 このような 極秘の相談には 一心同体になったほうが… 468 00:36:43,080 --> 00:36:47,080 さようでござろう (常磐井)そのようなこと… 469 00:36:47,080 --> 00:36:49,080 嫌と言われるか? 470 00:36:49,080 --> 00:36:55,090 それなれば ただいまのご相談 辞退するまでのこと 471 00:36:55,090 --> 00:37:00,100 柳沢様 (柳沢)そなたも 万里小路様に・ 472 00:37:00,100 --> 00:37:06,030 ただ 断られましたでは 帰られまい 473 00:37:06,030 --> 00:37:09,040 京へ行かずともよい 474 00:37:09,040 --> 00:37:13,040 今 私が預かっている 公家のお姫様を向けよう 475 00:37:13,040 --> 00:37:18,050 上様好みの京美人じゃ そなたのようにな 476 00:37:18,050 --> 00:37:22,050 私は ごちょう愛の去った女 477 00:37:22,050 --> 00:37:28,060 いやいや そなたの しとねのうわさは 上様から 478 00:37:28,060 --> 00:37:34,060 ハハハ… さあ では 上様と勝負じゃ 479 00:37:34,060 --> 00:37:38,060 あっ お許しください お許し… 480 00:37:51,080 --> 00:37:54,080 お許しください お許しください 481 00:37:54,080 --> 00:37:58,080 (帯をほどく音) 482 00:38:00,090 --> 00:38:02,090 (常磐井)あっ 483 00:38:20,040 --> 00:38:22,040 (常磐井)あっ 484 00:38:26,050 --> 00:38:30,050 (柳沢)うっ うっ (常磐井)あっ あっ… 485 00:38:30,050 --> 00:38:35,060 柳沢様! あっ お恨み申します 486 00:38:35,060 --> 00:38:37,060 あっ あっ… 487 00:38:37,060 --> 00:38:41,060 上様は こうするのか! (常磐井)そのようなこと… 488 00:38:41,060 --> 00:38:43,060 そのようなこと… 489 00:38:45,070 --> 00:38:50,070 (柳沢)うっ あっ… (常磐井)ああ… 490 00:38:50,070 --> 00:38:57,070 (常磐井のあえぎ声) 491 00:38:59,080 --> 00:39:17,030 ・~ 492 00:39:17,030 --> 00:39:29,040 ・~ 493 00:39:29,040 --> 00:39:33,050 《さすがは 柳沢様ご推薦の…》 494 00:39:33,050 --> 00:39:37,050 《これなら 上様 きっと お気に召すであろう》 495 00:39:37,050 --> 00:39:55,070 ・~ 496 00:39:55,070 --> 00:40:04,080 ・~ 497 00:40:04,080 --> 00:40:06,080 (放尿の音) 498 00:40:06,080 --> 00:40:17,090 (放尿の音) 499 00:40:17,090 --> 00:40:20,090 《京の やんごとなき姫たちは・ 500 00:40:20,090 --> 00:40:24,100 人前で平然と ちょうずをするとは 聞いておったが・ 501 00:40:24,100 --> 00:40:27,100 いやあ これは…》 502 00:40:33,110 --> 00:40:37,110 (染子)つたない手前 いかがでございました? 503 00:40:37,110 --> 00:40:39,110 フン… 504 00:40:41,120 --> 00:40:44,120 おっ 505 00:40:44,120 --> 00:40:48,120 いや 結構であった 506 00:40:48,120 --> 00:40:51,130 それより 四十八手は どうじゃ? 507 00:40:51,130 --> 00:40:55,130 (染子)はい 私は まだ そのようなもの・ 508 00:40:55,130 --> 00:41:00,130 食べたことはございません ハハハッ 509 00:41:00,130 --> 00:41:04,070 四十八手は食べる物ではない 510 00:41:04,070 --> 00:41:07,080 こうするのじゃ あっ 511 00:41:07,080 --> 00:41:09,080 上様 このような所で… 512 00:41:09,080 --> 00:41:12,080 相撲には 四十八手の技があるのじゃ 513 00:41:12,080 --> 00:41:14,080 存じませぬ! そのようなこと 514 00:41:14,080 --> 00:41:17,090 そちは 相撲を 見たことがないのか? ハハハ… 515 00:41:17,090 --> 00:41:20,090 (染子)お離しください! これが 上手投げ 516 00:41:20,090 --> 00:41:23,090 これが 外掛けじゃ! (染子)あっ 517 00:41:23,090 --> 00:41:28,100 上様! 染は京の格式高い公家の娘 518 00:41:28,100 --> 00:41:31,100 そのような下賤なお遊びは なさいませぬ 519 00:41:31,100 --> 00:41:34,100 江戸女と同じに扱われては… 520 00:41:34,100 --> 00:41:37,100 京女は 余の性に合わぬ 521 00:41:40,110 --> 00:41:47,110 将軍家といっても 京の宮家から見れば 田舎者… 522 00:41:49,120 --> 00:41:54,120 さよ こよいは 余が指南して遣わすぞ 523 00:41:54,120 --> 00:41:59,130 (おさよ)四十八手の奥義 もう全て お覚えになりましたか? 524 00:41:59,130 --> 00:42:03,060 と申しても 相撲のことではない はっ 525 00:42:03,060 --> 00:42:06,070 よいか さよ (おさよ)はい 526 00:42:06,070 --> 00:42:12,070 さよは ただ一人の殿ごとして 上様をお慕いしておりました 527 00:42:12,070 --> 00:42:14,080 さよ! 528 00:42:14,080 --> 00:42:18,080 (おさよ)あっ ん… 529 00:42:18,080 --> 00:42:25,090 上様 さよのような者の どこが お気に召したのでございましょう 530 00:42:25,090 --> 00:42:29,090 さよの天真らんまんさ 嫌でございます 531 00:42:29,090 --> 00:42:31,090 何と? 532 00:42:31,090 --> 00:42:36,100 それだけでは さよは満足いたしません 533 00:42:36,100 --> 00:42:39,100 では どう申せばよいのじゃ 534 00:42:39,100 --> 00:42:44,100 上様 さよの脚は お好き? 535 00:42:47,110 --> 00:42:49,110 好きじゃ 536 00:42:49,110 --> 00:42:52,110 この かもしかのような脚 537 00:42:52,110 --> 00:42:58,110 ウフフッ では ももは? 538 00:43:01,060 --> 00:43:05,060 ハァ… まぶしい 539 00:43:05,060 --> 00:43:11,070 では 上様を めくらにしてしまいます 540 00:43:11,070 --> 00:43:13,070 上様… 541 00:43:15,070 --> 00:43:18,070 目がくらむ 542 00:43:18,070 --> 00:43:22,070 私のお尻は? 上様 543 00:43:26,080 --> 00:43:32,080 好きだ 何やら 鏡餅のような この丸み 544 00:43:42,100 --> 00:43:44,100 さよ! 545 00:43:52,110 --> 00:43:57,110 では 上様 ここは? 546 00:43:57,110 --> 00:44:01,050 かわいらしい丘だ 547 00:44:01,050 --> 00:44:04,050 小さな 2つの丘 548 00:44:04,050 --> 00:44:06,050 (おさよ)ウフッ 549 00:44:15,060 --> 00:44:17,060 上様! 550 00:44:21,070 --> 00:44:24,070 丘を下れば… 551 00:44:26,070 --> 00:44:28,080 林もございます 552 00:44:28,080 --> 00:44:30,080 さよ! 553 00:44:33,080 --> 00:44:35,080 (おさよ)あっ… 554 00:44:38,090 --> 00:44:44,090 (おさよ)お疲れになったら 川の水も飲ませて差し上げます 555 00:44:44,090 --> 00:44:46,090 さよ! 556 00:44:46,090 --> 00:44:48,090 上様… 557 00:44:54,100 --> 00:44:56,100 ああ… 558 00:45:05,050 --> 00:45:17,060 (あえぎ声) 559 00:45:17,060 --> 00:45:20,060 (おさよ)上様… 560 00:45:20,060 --> 00:45:30,060 (おさよのあえぎ声) 561 00:45:40,080 --> 00:45:46,090 (おさよ) 丘を下れば 林もございます 562 00:45:46,090 --> 00:45:52,090 お疲れになったら 川の水も飲ませて差し上げます 563 00:45:57,100 --> 00:45:59,100 照円様… 564 00:46:01,040 --> 00:46:07,040 もっと… 照円様 もっと… 565 00:46:09,040 --> 00:46:11,040 もっと… 566 00:46:18,050 --> 00:46:21,050 あっ 上様… 567 00:46:26,060 --> 00:46:29,060 さよ! 照円とは何者か! 568 00:46:29,060 --> 00:46:33,070 存じません そのような者 569 00:46:33,070 --> 00:46:35,070 うそを申すな! 570 00:46:35,070 --> 00:46:39,070 2度までも 親しげに その者の名を呼んだではないか! 571 00:46:39,070 --> 00:46:42,080 あっ 572 00:46:42,080 --> 00:46:44,080 上様… 573 00:46:44,080 --> 00:46:47,080 申さぬか! 夢でございます 574 00:46:47,080 --> 00:46:51,090 取りとめなき 夢に浮かんだ名でございます 575 00:46:51,090 --> 00:46:53,090 え~い! (おさよ)あっ 576 00:46:55,090 --> 00:47:01,030 さよ 余は怒っているのではない 577 00:47:01,030 --> 00:47:04,030 その男のことを 嫉妬してるのでもない 578 00:47:04,030 --> 00:47:06,030 ただ そちが偽りを言い・ 579 00:47:06,030 --> 00:47:09,040 言い繕うことに腹が立つのだ 580 00:47:09,040 --> 00:47:11,040 なぜ いつものように・ 581 00:47:11,040 --> 00:47:16,040 思ったこと 言いたいこと したいこと 素直に申さぬ 582 00:47:16,040 --> 00:47:19,040 綱吉は それが悔しかったのだ 583 00:47:21,050 --> 00:47:23,050 分かったか さよ 584 00:47:23,050 --> 00:47:27,050 照円とは誰じゃ 申してみよ 585 00:47:27,050 --> 00:47:32,050 存じません! さよは 本当に存じません! 586 00:47:41,070 --> 00:47:43,070 添い寝の者! 587 00:47:43,070 --> 00:47:46,070 そのほう 愛する男を持っているか? 588 00:47:46,070 --> 00:47:49,080 (萩乃)はい そのような者は… 589 00:47:49,080 --> 00:47:52,080 おらぬと申すか? はい おりませぬ 590 00:47:52,080 --> 00:47:55,080 よし いるか おらぬか ただいま 試みてやる 591 00:47:59,090 --> 00:48:03,020 はっ あ~! 上様 お許しください! 592 00:48:03,020 --> 00:48:07,030 私には… 私には お添い寝のお役目が! 593 00:48:07,030 --> 00:48:09,030 え~い かまわぬ! 上様! 上様! 594 00:48:09,030 --> 00:48:16,040 お許しを… お許しください! あっ あ~! 595 00:48:16,040 --> 00:48:21,040 上様 お許しください! ああ… お許しを! 596 00:48:21,040 --> 00:48:24,050 ああ… 上様! 597 00:48:24,050 --> 00:48:37,060 ・~ 598 00:48:37,060 --> 00:48:41,060 (萩乃)あっ あ~! 599 00:48:41,060 --> 00:48:53,070 ・~ 600 00:48:53,070 --> 00:48:58,080 (萩乃のあえぎ声) 601 00:48:58,080 --> 00:49:16,030 (あえぎ声) 602 00:49:16,030 --> 00:49:20,030 (あえぎ声) 603 00:49:20,030 --> 00:49:23,040 (雪岡)では 寺参りの折・ 604 00:49:23,040 --> 00:49:28,040 その照円とやらいう僧と 契りを結んでしまったと言うのか 605 00:49:28,040 --> 00:49:31,050 (おさよ)お許しくださいませ 606 00:49:31,050 --> 00:49:37,050 大奥の独り寝に耐えられず つい 過ちを… 607 00:49:37,050 --> 00:49:40,050 (雪岡)一旦 大奥に奉公した以上・ 608 00:49:40,050 --> 00:49:46,060 生涯 上様以外の男性に 触れられぬのは将軍家のおきて 609 00:49:46,060 --> 00:49:51,060 口外すれば 死罪は お前一人には とどまりません 610 00:49:54,070 --> 00:49:56,070 (雪岡)よいか 611 00:49:56,070 --> 00:49:59,070 いかなることがあろうとも・ 612 00:49:59,070 --> 00:50:03,080 照円とのこと あくまで否定するのです 613 00:50:03,080 --> 00:50:06,080 (おさよ)よく存じております 614 00:50:06,080 --> 00:50:10,080 決して… 決して 口外はいたしません 615 00:50:10,080 --> 00:50:23,100 ・~ 616 00:50:23,100 --> 00:50:26,100 上様じきじきのお取り調べは 異例のこと 617 00:50:26,100 --> 00:50:31,110 さよ なぜ 正直に お答えいたさぬのじゃ 618 00:50:31,110 --> 00:50:35,110 と仰せられても 存ぜぬことは… 619 00:50:35,110 --> 00:50:38,110 あくまで言い張るつもりか 620 00:50:38,110 --> 00:50:40,110 ならば やむをえぬ 621 00:50:40,110 --> 00:50:42,110 運んでまいれ! 622 00:51:02,070 --> 00:51:04,070 中をあらためよ 623 00:51:22,090 --> 00:51:24,090 (万里小路)出ませい 624 00:51:32,100 --> 00:51:38,110 即答を許す そのほうの名は? 625 00:51:38,110 --> 00:51:44,110 (照円)仏性寺の役僧 照円にござります 626 00:51:44,110 --> 00:51:47,110 さよ どうじゃ 627 00:51:47,110 --> 00:51:49,120 これでも 知らぬと言い張るか! 628 00:51:49,120 --> 00:51:53,120 このような男は 存じません 629 00:51:53,120 --> 00:51:55,120 知らぬはずはない! 630 00:51:55,120 --> 00:51:57,120 余が 伊賀者に命じて・ 631 00:51:57,120 --> 00:52:00,130 そちと照円との仲は 残らず調べ上げてある 632 00:52:00,130 --> 00:52:02,130 存じません! 633 00:52:05,070 --> 00:52:09,070 さよ なぜ 素直に認めぬ 634 00:52:09,070 --> 00:52:11,070 正直に申せば・ 635 00:52:11,070 --> 00:52:15,080 余は そのほうたちを 快く許す所存じゃ 636 00:52:15,080 --> 00:52:18,080 (照円)ありがとうございます 637 00:52:18,080 --> 00:52:22,080 (照円)これ さよ いつまでも 隠し通せるものではない 638 00:52:22,080 --> 00:52:24,080 何をおっしゃいます 639 00:52:24,080 --> 00:52:28,090 私は あなたなぞ 見たこともございません 640 00:52:28,090 --> 00:52:32,090 上様に 何で 私が うそを申し上げましょう 641 00:52:32,090 --> 00:52:35,100 おさよ! そんなこと言って… 642 00:52:35,100 --> 00:52:40,100 上様は許してくださると 仰せられてるのに 643 00:52:49,110 --> 00:52:51,110 おさよ! 644 00:52:51,110 --> 00:53:09,060 ・~ 645 00:53:09,060 --> 00:53:22,080 ・~ 646 00:53:22,080 --> 00:53:24,080 (雪岡)うっ! 647 00:53:29,080 --> 00:53:32,080 近頃 上様のおすさびよう… 648 00:53:34,090 --> 00:53:36,090 一体 これは どうしたことでしょう 649 00:53:36,090 --> 00:53:39,090 それに あの 京から下向させたとかいう・ 650 00:53:39,090 --> 00:53:42,100 お染の方を夜ごと ごちょう愛 651 00:53:42,100 --> 00:53:46,100 (おしの)柳沢出羽守様と ただならぬ仲とか 652 00:53:48,100 --> 00:53:53,110 柳沢出羽守といえば 一とおりでない男… 653 00:53:53,110 --> 00:53:56,110 ありそうなことじゃ 654 00:53:56,110 --> 00:54:00,110 お部屋様 何らかの手だてで 上様に… 655 00:54:11,060 --> 00:54:21,070 (染子のあえぎ声) 656 00:54:21,070 --> 00:54:28,080 (染子)うっ うっ… 染 いかがいたした 657 00:54:28,080 --> 00:54:33,080 ハァ… 見苦しいところをお目にかけ… 658 00:54:33,080 --> 00:54:39,090 ハァハァ… 気分が悪いのか? どこが悪いのだ 659 00:54:39,090 --> 00:54:44,090 上様 染は つわりに相違ございませぬ 660 00:54:44,090 --> 00:54:46,090 つわり? 661 00:54:46,090 --> 00:54:49,100 もしやとは思っておりましたが・ 662 00:54:49,100 --> 00:54:55,100 上様の ごちょう愛を頂いて これはと気付いて・ 663 00:54:55,100 --> 00:54:58,110 早 みつきに… 664 00:54:58,110 --> 00:55:00,110 なんと! 665 00:55:00,110 --> 00:55:04,040 うっ うっ… 御免を… 666 00:55:04,040 --> 00:55:07,050 (呼び鈴の音) 667 00:55:07,050 --> 00:55:10,050 (女性) 《「お染の方は 柳澤出羽守の・ 668 00:55:10,050 --> 00:55:12,050 お手付の者との噂さ高し」》 669 00:55:12,050 --> 00:55:15,060 《「御注意の程を」》 670 00:55:15,060 --> 00:55:17,060 (染子)上様 671 00:55:17,060 --> 00:55:21,060 先ほどのように 背をなでてくださいませ 672 00:55:25,070 --> 00:55:28,070 このような体になったのも… 673 00:55:30,070 --> 00:55:33,070 上様のせいでございますもの 674 00:55:38,080 --> 00:55:43,080 《この密告書は 何者かの嫌がらせか?》 675 00:55:43,080 --> 00:55:47,090 《それとも 真実のことか!?》 676 00:55:47,090 --> 00:55:52,090 ♪(囃子) 677 00:55:52,090 --> 00:56:08,040 ♪~ 678 00:56:08,040 --> 00:56:13,050 (女性たちのきょう声) 679 00:56:13,050 --> 00:56:16,050 《染の懐妊》 680 00:56:16,050 --> 00:56:19,050 《誰の種か》 681 00:56:19,050 --> 00:56:37,070 ♪~ 682 00:56:37,070 --> 00:56:40,070 ♪~ 683 00:56:40,070 --> 00:56:43,080 (女性)おっと! (女性)どんどん どんどん… 684 00:56:43,080 --> 00:56:55,090 ♪~ 685 00:56:55,090 --> 00:56:57,090 (女性の喜ぶ声) 686 00:56:57,090 --> 00:56:59,090 (女性)や~ん アハーン 687 00:57:05,030 --> 00:57:10,040 柳沢 余に代わって煩わしい政務を よく果たしてくれて・ 688 00:57:10,040 --> 00:57:12,040 ご苦労であるな 689 00:57:12,040 --> 00:57:17,040 今日は その労に報いて 下げ渡したいものがある 690 00:57:17,040 --> 00:57:20,050 江戸では手に入らぬ逸品じゃ 691 00:57:20,050 --> 00:57:23,050 と仰せられますと? 692 00:57:23,050 --> 00:57:27,050 京の正親町大納言実久の姫で・ 693 00:57:27,050 --> 00:57:29,060 染子という柔肌 694 00:57:29,060 --> 00:57:31,060 お戯れを 695 00:57:33,060 --> 00:57:39,070 お染の方様は 上様 殊の外 ごちょう愛深き女性と・ 696 00:57:39,070 --> 00:57:42,070 漏れ承っております 697 00:57:42,070 --> 00:57:46,070 柳沢 不足か? 染子では 698 00:57:46,070 --> 00:57:52,070 めっそうもございません 謹んで お受けいたします 699 00:57:56,080 --> 00:58:00,090 (染子)出羽殿 お傷物のわらわでは お嫌か? 700 00:58:00,090 --> 00:58:03,020 言葉も掛けてはくださらぬのか? 701 00:58:03,020 --> 00:58:06,030 (染子のすすり泣き) 702 00:58:06,030 --> 00:58:10,030 (染子の泣き声) 703 00:58:10,030 --> 00:58:15,040 (染子)上様のお種を宿し もし 男子 出生せば・ 704 00:58:15,040 --> 00:58:17,040 将軍家お世継ぎのご生母として・ 705 00:58:17,040 --> 00:58:22,040 世に ままならぬことはないと 仰せられたお言葉をお忘れか! 706 00:58:22,040 --> 00:58:25,050 偽りは申さぬ (染子の泣き声) 707 00:58:25,050 --> 00:58:33,050 だが かように僅かな月日で 上様のごちょう愛が去るとは… 708 00:58:33,050 --> 00:58:38,060 はて 上様は何をお考えか 709 00:58:38,060 --> 00:58:41,060 何か思い当たる節は? 710 00:58:41,060 --> 00:58:43,060 (染子)ございません 711 00:58:43,060 --> 00:58:48,070 ただ 上様のお種を宿したと 申し上げました宵より・ 712 00:58:48,070 --> 00:58:50,070 急に冷たい おあしらい 713 00:58:50,070 --> 00:58:53,070 何!? 714 00:58:53,070 --> 00:58:56,080 上様のお種を? 715 00:58:56,080 --> 00:58:59,080 (染子) と申せば お心当たりのあるはず 716 00:59:01,010 --> 00:59:03,020 誰のお種かは… 717 00:59:03,020 --> 00:59:07,020 上様は いかなる女性を お相手になされても・ 718 00:59:07,020 --> 00:59:10,020 お子種のないことは 既に周知のこと 719 00:59:10,020 --> 00:59:16,030 その上様に代わって お種を差し上げると・ 720 00:59:16,030 --> 00:59:20,030 無理やり わらわを自由になされたのは・ 721 00:59:20,030 --> 00:59:22,040 どなたでしょう? 722 00:59:22,040 --> 00:59:25,040 こ… これ! 声が高い! 723 00:59:27,040 --> 00:59:31,040 いいえ 言わしていただきます 724 00:59:31,040 --> 00:59:34,050 上様と おしとねを 共にはしていても・ 725 00:59:34,050 --> 00:59:37,050 いつも 思い浮かべていたのは そなたのこと 726 00:59:37,050 --> 00:59:39,050 染子! 727 00:59:39,050 --> 00:59:45,060 いや お染の方様 お手柄でござる 728 00:59:45,060 --> 00:59:48,060 この お腹のお子・ 729 00:59:48,060 --> 00:59:53,060 必ず 上様のお種と 認めていただきます 730 00:59:55,070 --> 01:00:00,070 上様は 偽ぼくろの女や・ 731 01:00:00,070 --> 01:00:06,080 そして おさよなどに偽られて・ 732 01:00:06,080 --> 01:00:10,080 疑心暗鬼になっておられるのだ 733 01:00:10,080 --> 01:00:17,090 その暗雲をお払いすれば 事は簡単 734 01:00:17,090 --> 01:00:21,090 まっ この柳沢の手腕を 信用なされい 735 01:00:21,090 --> 01:00:26,090 では あなた様のお子を 無事に出生すれば… 736 01:00:34,110 --> 01:00:40,110 (染子)出羽殿 明かりを… 明かりを消して 737 01:00:40,110 --> 01:00:45,120 恥ずかしゅうございます 嫌っ (帯をほどく音) 738 01:00:45,120 --> 01:00:48,120 (染子のあえぎ声) 739 01:00:48,120 --> 01:00:57,130 いやあ 久しぶりでの 京の柔肌 存分に賞味いたしたい 740 01:00:57,130 --> 01:01:15,080 ・~ 741 01:01:15,080 --> 01:01:21,090 ・~ 742 01:01:21,090 --> 01:01:27,090 (あえぎ声) 743 01:01:27,090 --> 01:01:31,100 気のせいか もう おなかが張って… 744 01:01:31,100 --> 01:01:36,100 出羽殿 明かりを… 明かりを消して! 745 01:01:36,100 --> 01:01:52,120 ・~ 746 01:01:52,120 --> 01:01:56,120 染子 男の子を産め 747 01:01:56,120 --> 01:01:59,120 (染子のあえぎ声) 748 01:02:01,060 --> 01:02:03,060 男の子を産むのだ! 749 01:02:06,070 --> 01:02:22,080 (一同のきょう声) 750 01:02:22,080 --> 01:02:26,090 《染が男子を出生したと…》 751 01:02:26,090 --> 01:02:33,090 《そうだ 確かめよう いや 確かめるべくもないが…》 752 01:02:33,090 --> 01:02:38,100 《柳沢の屋敷へ行こう 一目なりと 見てみたい》 753 01:02:38,100 --> 01:02:56,120 ・~ 754 01:02:56,120 --> 01:03:01,050 ・~ 755 01:03:01,050 --> 01:03:06,060 (柳沢)上様 妻の定子にございます 756 01:03:06,060 --> 01:03:09,060 苦しゅうない 面を上げい 757 01:03:11,060 --> 01:03:14,070 《そうだ》 758 01:03:14,070 --> 01:03:18,070 《王子小町と うわさの高い 柳沢の妻》 759 01:03:18,070 --> 01:03:23,080 《柳沢の心を試してみるには うってつけの道具》 760 01:03:23,080 --> 01:03:27,080 う~ん あでやかじゃ 761 01:03:27,080 --> 01:03:29,080 出羽には過ぎたる妻 762 01:03:29,080 --> 01:03:31,080 恐れ入ります 763 01:03:31,080 --> 01:03:35,090 出羽 ちと所望したいことある 764 01:03:35,090 --> 01:03:37,090 人払いせい 765 01:03:37,090 --> 01:03:39,090 はっ 766 01:03:54,110 --> 01:03:59,110 出羽 染は気に入ってもらえたか? 767 01:03:59,110 --> 01:04:01,050 もったいない仰せ 768 01:04:01,050 --> 01:04:07,050 お染の方様には 出羽守 一指も お触れ申しておりません 769 01:04:07,050 --> 01:04:11,060 何と申す 訳を申せ 770 01:04:11,060 --> 01:04:15,060 上様より お下げ渡しいただきました折は・ 771 01:04:15,060 --> 01:04:18,060 既に 上様のお種をご懐妊 772 01:04:18,060 --> 01:04:24,070 その尊いお体に 何で 出羽守 お触れ申すことができましょう 773 01:04:24,070 --> 01:04:26,070 それは誠か? 774 01:04:26,070 --> 01:04:30,080 臣下として当然のことと存じます 775 01:04:30,080 --> 01:04:36,080 では 余の所望することなら 何でも従うと申すか 776 01:04:36,080 --> 01:04:40,090 何なりと 仰せつけくださりまするように 777 01:04:40,090 --> 01:04:42,090 では 仮にだ 778 01:04:42,090 --> 01:04:47,090 もし そのほうの妻 定子を とぎに所望したら? 779 01:04:47,090 --> 01:04:51,090 身に余る光栄に存じまする 780 01:04:59,110 --> 01:05:04,040 定… 余を恨んでおるであろうな 781 01:05:04,040 --> 01:05:07,050 非情な男と 蔑んでおろうな 782 01:05:07,050 --> 01:05:13,050 (定子)いえ そのようなこと… 身に余る光栄にございます 783 01:05:15,060 --> 01:05:18,060 誠か? (定子)あっ… 784 01:05:18,060 --> 01:05:21,060 そのほう 心の底から そのような言葉を吐くか! 785 01:05:21,060 --> 01:05:24,060 (定子)上様 何故のお怒りでございましょう 786 01:05:24,060 --> 01:05:28,070 お許し… お許しくださいませ 787 01:05:28,070 --> 01:05:33,070 偽りを申すからだ 誠のことを申せ! 788 01:05:33,070 --> 01:05:36,080 心の底に煮えたぎる 恨みを述べよ! 789 01:05:36,080 --> 01:05:39,080 (定子) 偽りなど申しはいたしませぬ 790 01:05:39,080 --> 01:05:45,090 心より… 心の底より 定は 上様をお迎えいたしております 791 01:05:45,090 --> 01:05:47,090 まだ申すか! 792 01:05:50,090 --> 01:05:52,090 上様… 793 01:05:59,100 --> 01:06:01,100 上様 794 01:06:06,040 --> 01:06:09,040 ああ… 定! 795 01:06:09,040 --> 01:06:13,050 定! よせ! よさぬか! (定子のあえぎ声) 796 01:06:13,050 --> 01:06:17,050 (定子)定は お許しいたしません ハァ… 797 01:06:17,050 --> 01:06:35,070 ・~ 798 01:06:35,070 --> 01:06:49,080 ・~ 799 01:06:49,080 --> 01:06:53,080 (定子)上様 ハァ… 800 01:06:55,090 --> 01:06:57,090 定… 801 01:06:57,090 --> 01:07:11,040 ・~ 802 01:07:11,040 --> 01:07:13,040 定… 803 01:07:13,040 --> 01:07:19,050 上様 定は上様を食べてしまいます 804 01:07:19,050 --> 01:07:23,050 定は 上様を… 805 01:07:23,050 --> 01:07:41,070 ・~ 806 01:07:41,070 --> 01:07:44,070 ・~ 807 01:07:44,070 --> 01:07:47,070 (定子)上様… 808 01:07:47,070 --> 01:07:55,080 (定子のあえぎ声) 809 01:07:55,080 --> 01:07:58,080 (柳沢)《首尾は上々》 810 01:07:58,080 --> 01:08:03,020 《後は染子との間に 生まれた男の子を・ 811 01:08:03,020 --> 01:08:09,030 将軍お世継ぎとして 認めていただくまで…》 812 01:08:09,030 --> 01:08:15,030 《フフフ…》 813 01:08:15,030 --> 01:08:17,040 《妻を しとねに送り・ 814 01:08:17,040 --> 01:08:19,040 微動だにしない柳沢》 815 01:08:19,040 --> 01:08:23,040 《分からぬ… 人の心が分からぬ》 816 01:08:28,050 --> 01:08:34,050 柳沢様は とかくのうわさ 多いお方 817 01:08:34,050 --> 01:08:38,060 上様の ごちょう愛も度外れと・ 818 01:08:38,060 --> 01:08:41,060 御台所様 ご心痛のご様子でござります 819 01:08:41,060 --> 01:08:45,060 政道のことに とやかく 口出しは慎むがよい 820 01:08:45,060 --> 01:08:47,070 では 上様 821 01:08:47,070 --> 01:08:51,070 私の申し上げることは 何も信じてはいただけませぬか? 822 01:08:51,070 --> 01:08:55,070 あの さよも 余をたばかり通して死んでいった 823 01:08:55,070 --> 01:09:01,010 あのような江戸の者たちと ご同列にお考えとは… 824 01:09:01,010 --> 01:09:06,020 では あの偽ぼくろの女 それというのも・ 825 01:09:06,020 --> 01:09:10,020 お伝の方様たちが おみつを捕らえて・ 826 01:09:10,020 --> 01:09:13,030 隠し所を焼くなど・ 827 01:09:13,030 --> 01:09:16,030 無法なことをしたのが 原因でございます 828 01:09:16,030 --> 01:09:21,030 何? そのようなことを? 829 01:09:21,030 --> 01:09:25,040 ふびんなものでございます 一度 お目通りを… 830 01:09:25,040 --> 01:09:33,050 常磐井 そのほうは なぜ 綱吉に そのようなことを勧める 831 01:09:33,050 --> 01:09:38,050 もう この綱吉には 一片の関心もないか? 832 01:09:38,050 --> 01:09:43,060 いえ それは むごいお言葉 833 01:09:43,060 --> 01:09:45,060 つろうございました 834 01:09:47,060 --> 01:09:49,060 苦しゅうございました 835 01:09:52,070 --> 01:09:56,070 このような気持ちに なれるまでは… 836 01:09:56,070 --> 01:09:58,070 でも 常磐井は もう… 837 01:10:05,080 --> 01:10:10,080 おそばに寄れぬ 汚れた体… 838 01:10:10,080 --> 01:10:14,090 何? 何と申した? 839 01:10:14,090 --> 01:10:16,090 いえ 上様 840 01:10:16,090 --> 01:10:21,090 ほくろの女 みつに 何とぞ ひと言でも お言葉を… 841 01:10:23,100 --> 01:10:29,100 上様を心から お慕いしている いじらしい女でございます 842 01:10:50,120 --> 01:10:52,120 (常磐井)上様 843 01:11:03,070 --> 01:11:05,070 みつと申すか (おみつ)はい 844 01:11:07,070 --> 01:11:13,070 (おみつ)身分もわきまえず 身の程知らぬ女 845 01:11:16,080 --> 01:11:18,080 お許しくださいませ 846 01:11:18,080 --> 01:11:22,090 そちは何が欲しいのじゃ 余の子種か? 847 01:11:22,090 --> 01:11:26,090 将軍世継ぎの生母となり 権勢を振るう その地位か! 848 01:11:26,090 --> 01:11:28,090 (おみつ)上様! 849 01:11:28,090 --> 01:11:33,100 みつの欲しいものは そのような 形のあるものではございません 850 01:11:33,100 --> 01:11:36,100 何と申す (おみつ)みつの欲しいものは… 851 01:11:38,100 --> 01:11:41,110 (おみつ)上様のお心 852 01:11:41,110 --> 01:11:45,110 御鈴廊下で過ちを犯した折・ 853 01:11:45,110 --> 01:11:48,110 お情けにより お救いいただきましたときより・ 854 01:11:48,110 --> 01:11:51,110 上様の面影をひとときとて… 855 01:11:53,120 --> 01:11:55,120 (おみつ) 忘れたことはございません 856 01:11:55,120 --> 01:11:58,120 その言葉も 常磐井よりの入れ知恵か? 857 01:11:58,120 --> 01:12:03,060 そのほうが あの折の 御半下である確証は何か! 858 01:12:03,060 --> 01:12:08,070 (おみつ)上様のお疑い 情けなく存じます… 859 01:12:08,070 --> 01:12:12,070 その御半下には やけどの痕があるはず 860 01:12:12,070 --> 01:12:16,080 (おみつ)あっ ああ… 861 01:12:16,080 --> 01:12:20,080 うっ 痛っ あっ… 862 01:12:22,080 --> 01:12:24,080 (おみつ)ああっ! 863 01:12:27,090 --> 01:12:30,090 (おみつの泣き声) 864 01:12:33,090 --> 01:12:39,100 (泣き声) 865 01:12:39,100 --> 01:12:45,100 みつとやら そのほう この綱吉を 慕ってると申したが・ 866 01:12:45,100 --> 01:12:49,110 では余が その つぶらな目・ 867 01:12:49,110 --> 01:12:52,110 潰してしまえと申したら 潰せるか!? 868 01:12:54,110 --> 01:13:00,120 はい 上様のお望みなら… 869 01:13:00,120 --> 01:13:03,060 では 潰してみよ 870 01:13:03,060 --> 01:13:06,060 その2つの目を 潰したと聞いたら・ 871 01:13:06,060 --> 01:13:09,060 この綱吉の心は そのほうの望みのままじゃ 872 01:13:09,060 --> 01:13:20,070 ・~ 873 01:13:20,070 --> 01:13:23,080 《信じられぬ 女のたわ言》 874 01:13:23,080 --> 01:13:30,080 《そうだ 城中一の堅物 牧野備後守で試みるのだ》 875 01:13:30,080 --> 01:13:34,080 《彼なら 人間らしい本性を 見せるのでは…》 876 01:13:37,090 --> 01:13:43,100 成貞 野趣のある見事な庭だな 877 01:13:43,100 --> 01:13:47,100 (牧野)お褒めにあずかり 光栄に存じます 878 01:13:49,100 --> 01:13:54,110 (牧野)その築山の奥は 手入れも回らず・ 879 01:13:54,110 --> 01:13:59,110 全く 野の趣をとどめております 880 01:13:59,110 --> 01:14:03,110 そのような所も また一段と 味あるもの 881 01:14:06,050 --> 01:14:08,050 (牧野)上様 882 01:14:08,050 --> 01:14:13,060 では ご酒のご用意など いたしてまいります 883 01:14:13,060 --> 01:14:33,080 (風の音) 884 01:14:33,080 --> 01:14:41,090 (風の音) 885 01:14:41,090 --> 01:14:44,090 うすら寒い 886 01:14:44,090 --> 01:14:47,090 阿久里 温めてくれ 887 01:14:51,100 --> 01:14:53,100 (阿久里)あっ ああ… 888 01:15:04,040 --> 01:15:10,040 温かい肌じゃ そして この枯れ葉の柔らかさ 889 01:15:12,050 --> 01:15:15,050 阿久里 よいな? 890 01:15:15,050 --> 01:15:17,050 (阿久里)はい… 891 01:15:19,060 --> 01:15:21,060 《この人妻 怒りもなく 悲しみもなく・ 892 01:15:21,060 --> 01:15:25,060 絶望も 欲情も 何もない!》 893 01:15:25,060 --> 01:15:32,070 《よ~し 生かしてやる 燃えたたせてやる》 894 01:15:32,070 --> 01:15:36,080 阿久里 目を開け 895 01:15:36,080 --> 01:15:39,080 これ 開けと申しておる! 896 01:16:01,030 --> 01:16:19,050 (強風の音) 897 01:16:19,050 --> 01:16:37,070 (強風の音) 898 01:16:37,070 --> 01:16:41,070 (強風の音) 899 01:17:29,060 --> 01:17:32,060 (牧野)畏れながら申し上げます 900 01:17:34,060 --> 01:17:38,060 上様から 阿久里をご所望あったときに・ 901 01:17:38,060 --> 01:17:41,070 申し上げるべきかと 存じましたが・ 902 01:17:41,070 --> 01:17:46,070 それでは 妻を献上することを 嫌ってのかん言と思われては・ 903 01:17:46,070 --> 01:17:48,070 上様に 牧野の真意が・ 904 01:17:48,070 --> 01:17:51,080 お分かりいただけぬかと 懸念いたし・ 905 01:17:51,080 --> 01:17:57,080 妻にも言い含め 御意に従わせました 906 01:17:57,080 --> 01:17:59,090 今こそ言わせていただきます 907 01:17:59,090 --> 01:18:02,020 理由なきご乱行は 考えられません 908 01:18:02,020 --> 01:18:06,030 何故のご乱行でございますか 909 01:18:06,030 --> 01:18:14,030 それとも まっこと ご乱心なされましたか 910 01:18:14,030 --> 01:18:20,040 家臣に このような言葉を吐かれて 悔しいとは思われませぬか 911 01:18:20,040 --> 01:18:24,040 上様は 恥辱という言葉をお忘れか!? 912 01:18:26,050 --> 01:18:28,050 上様! 913 01:18:30,050 --> 01:18:33,050 牧野 914 01:18:33,050 --> 01:18:38,060 綱吉は 人の心の誠が知りたかったのじゃ 915 01:18:38,060 --> 01:18:40,060 (牧野)人倫の大道を踏み外して・ 916 01:18:40,060 --> 01:18:44,060 人の心の誠が得られると お思いになりますか! 917 01:18:44,060 --> 01:18:49,070 そのような上様のために どれほどの人が泣き・ 918 01:18:49,070 --> 01:18:52,070 どれほどの人が苦しんでおるか! 919 01:18:52,070 --> 01:18:56,080 上様! 上様には ご存じありますまい! 920 01:18:56,080 --> 01:19:00,080 黙れ 黙れ! 黙らぬか! 921 01:19:00,080 --> 01:19:12,020 ・~ 922 01:19:12,020 --> 01:19:14,030 黙ってくれ… 923 01:19:14,030 --> 01:19:34,030 ・~ 924 01:19:37,050 --> 01:19:39,050 何!? 925 01:19:42,050 --> 01:19:46,060 (牧野) 《「上を畏れぬ牧野のかん言を 虚心に お受け入れくだされ・ 926 01:19:46,060 --> 01:19:50,060 いたく ご悔悟 ごはんもんの ご様子を拝察つかまつり・ 927 01:19:50,060 --> 01:19:53,070 上様の近々のご所業が 誠のこととは・ 928 01:19:53,070 --> 01:19:56,070 信じられぬ心地でございました」》 929 01:19:56,070 --> 01:20:00,070 《「これにて 徳川万代の礎は 揺るぎなきものと確信・ 930 01:20:00,070 --> 01:20:03,080 安どつかまつりました」》 931 01:20:03,080 --> 01:20:07,080 《「お家安泰を願う 一心とは申せ・ 932 01:20:07,080 --> 01:20:12,080 君臣の礼を失した ご無礼の数々 誠に 心 痛く・ 933 01:20:12,080 --> 01:20:15,080 ここに 我ら夫妻 死をもって おわびを」》 934 01:20:17,090 --> 01:20:19,090 牧野! 935 01:20:23,100 --> 01:20:30,100 上様… 上様の非道が 牧野を 死に追いやったのでございます 936 01:20:30,100 --> 01:20:49,120 ・~ 937 01:20:49,120 --> 01:20:51,120 牧野… 938 01:20:51,120 --> 01:21:11,080 ・~ 939 01:21:11,080 --> 01:21:31,100 ・~ 940 01:21:31,100 --> 01:21:51,120 ・~ 941 01:21:51,120 --> 01:22:11,070 ・~ 942 01:22:11,070 --> 01:22:31,090 ・~ 943 01:22:31,090 --> 01:22:51,110 ・~ 944 01:22:51,110 --> 01:22:58,120 ・~ 945 01:22:58,120 --> 01:23:00,120 (面の割れる音) 946 01:23:12,060 --> 01:23:16,060 《牧野 許せ》 947 01:23:22,070 --> 01:23:28,080 《阿久里 許してくれ》 948 01:23:28,080 --> 01:23:35,080 《許してくれ~!》 949 01:24:02,050 --> 01:24:05,050 みつ 950 01:24:05,050 --> 01:24:07,050 (ほうきの倒れる音) 951 01:24:10,060 --> 01:24:12,060 (おみつ)上様 952 01:24:12,060 --> 01:24:15,060 捜したぞ… 953 01:24:15,060 --> 01:24:18,060 捜したぞ 954 01:24:18,060 --> 01:24:20,060 上様 955 01:24:28,070 --> 01:24:30,070 (おみつ)ああ… 956 01:24:42,090 --> 01:24:45,090 すまぬ… 957 01:24:45,090 --> 01:24:50,090 でも お会いできました 958 01:24:52,100 --> 01:24:55,100 お会いできました 959 01:24:57,100 --> 01:24:59,100 すまぬ… 960 01:24:59,100 --> 01:25:04,040 いいえ 焼き付いております 961 01:25:04,040 --> 01:25:07,040 この まぶたの中に… 962 01:25:09,050 --> 01:25:12,050 みつ! 963 01:25:12,050 --> 01:25:15,050 もう消えませぬ 964 01:25:18,060 --> 01:25:20,060 もう消せませぬ 965 01:25:22,060 --> 01:25:25,060 上様のお力でも… 966 01:25:25,060 --> 01:25:31,070 みつ 綱吉は愚か者であった 967 01:25:31,070 --> 01:25:38,070 いいえ 上様は みつの心のつえ 968 01:25:40,080 --> 01:25:45,080 でも もう お会いできませぬ 969 01:25:45,080 --> 01:25:49,090 (すすり泣き) 970 01:25:49,090 --> 01:25:52,090 仏門の身 971 01:25:52,090 --> 01:25:54,090 みつ! 972 01:25:54,090 --> 01:26:04,040 (おみつの泣き声) 973 01:26:04,040 --> 01:26:07,040 みつ… (泣き声) 974 01:26:07,040 --> 01:26:12,040 綱吉は 生まれて初めて・ 975 01:26:12,040 --> 01:26:16,050 人の心の誠を知ったぞ 976 01:26:16,050 --> 01:26:19,050 うう… 上様… 977 01:26:25,060 --> 01:26:31,060 (雷鳴) 978 01:26:31,060 --> 01:26:36,070 染子の産んだ和子を吉里様と 名付けられたのでございますか? 979 01:26:36,070 --> 01:26:39,070 余の1字を与えたのだ 980 01:26:39,070 --> 01:26:43,080 日頃 人を容易に信用なさらぬ 上様とは思えませぬ 981 01:26:43,080 --> 01:26:48,080 染子の産んだ和子は 果たして 上様のお種かどうかも… 982 01:26:48,080 --> 01:26:53,090 上様も それを疑われて 柳沢に 下げ渡されたのでございましょう 983 01:26:53,090 --> 01:27:00,090 余も悩んだ 苦しんだ だが 信じようではないか 984 01:27:00,090 --> 01:27:05,030 どうしても 吉里様をお世継ぎに? 985 01:27:05,030 --> 01:27:11,040 人を疑うことは どれほど 人を不幸にするか 分かったのだ 986 01:27:11,040 --> 01:27:16,040 では 染子の和子をお認めに? 987 01:27:16,040 --> 01:27:21,040 そなたにも認めてもらえるよう 努力しよう 988 01:27:28,050 --> 01:27:33,060 ・(雷鳴) 989 01:27:33,060 --> 01:27:35,060 ふっ! (刺す音) 990 01:27:35,060 --> 01:27:37,060 うっ! 991 01:28:17,040 --> 01:28:22,040 これで 柳沢の野望も 全てが水の泡 992 01:28:24,040 --> 01:28:30,050 これも 天下の御ため お許しくださいませ 993 01:28:30,050 --> 01:28:35,050 信子も すぐに お後を追いまする 994 01:28:35,050 --> 01:28:37,060 《わびることはない》 995 01:28:37,060 --> 01:28:39,060 《余は 心の片隅で・ 996 01:28:39,060 --> 01:28:43,060 生まれ変われる日を 待ち望んでおったのだ》 997 01:28:43,060 --> 01:28:47,070 《今度… 今度 生まれてくるときは・ 998 01:28:47,070 --> 01:28:50,070 人間らしく暮らせる世界に…》 999 01:28:55,070 --> 01:29:13,020 ・~ 1000 01:29:13,020 --> 01:29:16,030 ・~ 1001 01:29:16,030 --> 01:29:21,030 (おみつ) 《上様は みつの心のつえ》 1002 01:29:21,030 --> 01:29:27,040 《消えませぬ まぶたの中に…》 1003 01:29:27,040 --> 01:29:43,040 ・~