1 00:02:04,240 --> 00:02:13,513 ♪ 旅の衣は篠懸(すずかけ)の 2 00:02:21,360 --> 00:02:31,031 ♪ 旅の衣は篠懸の 3 00:02:34,200 --> 00:02:44,838 ♪ 露けき袖や しをるらん 4 00:03:01,520 --> 00:03:04,239 (強力(ごうりき)) 旦那方は いってえ どっから来たのかね 5 00:03:04,360 --> 00:03:06,397 この辺は初めてのようだが 6 00:03:06,480 --> 00:03:09,040 いってえ これから どこへ行くんかねえ? 7 00:03:12,440 --> 00:03:14,716 しかし天気がよくて何よりだ 8 00:03:14,800 --> 00:03:17,394 今日みたいな天気は め・・・珍しいよ 9 00:03:17,520 --> 00:03:18,874 ほれ 見なせえ 10 00:03:20,080 --> 00:03:22,230 加賀の国がひと見えだ 11 00:03:22,560 --> 00:03:24,392 ほれ あれがその… 12 00:03:27,080 --> 00:03:30,835 こらあいってえ何が入ってんです とってもこたえらあ 13 00:03:32,520 --> 00:03:35,512 あの・・・ あの これ 14 00:03:38,920 --> 00:03:41,912 六根清浄 六根清浄 15 00:03:42,000 --> 00:03:44,150 (常陸坊) うるさい 黙ってついて来い 16 00:03:44,280 --> 00:03:44,997 へい 17 00:03:54,960 --> 00:03:56,951 (鶯(うぐいす)の鳴き声) 18 00:04:08,080 --> 00:04:11,835 (弁慶) ほう よく鴬が鳴くのう 19 00:04:11,960 --> 00:04:15,157 へい この辺にゃ 食べるほど いまさあ 20 00:04:15,280 --> 00:04:16,759 (笑い声) 21 00:04:22,000 --> 00:04:22,956 (亀井)これ 22 00:04:23,240 --> 00:04:23,911 へい 23 00:04:24,960 --> 00:04:27,270 (亀井) 関所まであとどれくらいだ 24 00:04:27,640 --> 00:04:31,474 へえ もう半道 へい 25 00:04:34,320 --> 00:04:38,109 しばらく休もう 26 00:04:44,120 --> 00:04:45,076 よいしょ 27 00:05:32,320 --> 00:05:35,870 ああ まったく旦那方の足にゃ 驚いたね 28 00:05:36,320 --> 00:05:39,676 俺は足にかけちゃ滅多に 引けは取らないつもりだったんだが 29 00:05:40,600 --> 00:05:42,511 旦那方にゃあ 顔負けだ 30 00:05:42,960 --> 00:05:46,999 もっともこのお方は大分 弱ってるふうだがね 31 00:05:49,840 --> 00:05:54,914 なるほど そういやあこのお方は 旦那方とは体の出来が違う 32 00:05:55,080 --> 00:05:56,559 ああ まるで女みてえだ 33 00:05:56,680 --> 00:05:57,397 (駿河) 控えろ! 34 00:05:57,520 --> 00:05:58,510 (片岡)しっ 35 00:06:02,400 --> 00:06:05,233 いやこの道は なかなかこたえる 36 00:06:05,800 --> 00:06:07,473 他に道はないか 37 00:06:07,760 --> 00:06:11,116 へいこの ねえことはねえんですがね 38 00:06:11,920 --> 00:06:14,992 関所の役人に見つかったら命がねえ 39 00:06:15,680 --> 00:06:18,035 この間も二人斬られた 40 00:06:18,120 --> 00:06:20,589 まったく考えてみりゃ はた迷惑な話でさ 41 00:06:20,720 --> 00:06:25,874 ああ 鎌倉将軍の頼朝様が 梶原なんとかって奴の讒言を信じて 42 00:06:25,960 --> 00:06:30,397 実の弟の義経様と この 仲たがいしたのが事の起こりでさあ 43 00:06:30,480 --> 00:06:31,959 まあ つまり そんなこんなで 44 00:06:32,120 --> 00:06:35,192 いたたまれなくなって 都落ちした義経様を――― 45 00:06:35,280 --> 00:06:38,318 取っ捕まえるために作られたのが この関所でさあ 46 00:06:38,440 --> 00:06:40,192 ふん 面白くもねえ 47 00:06:40,360 --> 00:06:44,479 将軍様ともなりゃ 兄弟喧嘩も 大掛かりになんのか知らねえが 48 00:06:44,720 --> 00:06:49,317 ねえ 旦那方 そもそも兄弟喧嘩なんてものは 49 00:06:49,520 --> 00:06:52,273 一つ二つ ポカポカッと殴り合いやあ 50 00:06:52,400 --> 00:06:55,040 片がつく この無邪気なはずのもんでさあ 51 00:06:55,240 --> 00:06:56,674 それを いけ好かねえ 52 00:06:56,960 --> 00:07:03,115 実の弟を獣のように狩りたてて かわいそうなのは義経様だ 53 00:07:03,640 --> 00:07:08,760 音に聞こえた源氏の御大将が 身の置き所ひとつねえたあ 54 00:07:19,520 --> 00:07:23,309 なあにはたで それほど心配することはねえ 55 00:07:23,480 --> 00:07:25,232 義経様には 武蔵坊弁慶って 56 00:07:25,320 --> 00:07:27,834 おっそろしく強え坊主が お供してるからね 57 00:07:27,920 --> 00:07:29,319 なに大丈夫でさあ 58 00:07:29,520 --> 00:07:31,431 何しろ弁慶って坊主は 59 00:07:31,520 --> 00:07:35,832 身の丈七尺近くもあろうという 大坊主でね 60 00:07:36,160 --> 00:07:39,278 三百貫もあろうって鉄棒を こう振り回す 61 00:07:39,360 --> 00:07:43,718 何千という軍勢をたった一人でこの ぶち殺したってえ 62 00:07:43,840 --> 00:07:44,875 べらぼうな話だ 63 00:07:45,000 --> 00:07:46,718 ええ まったくの話 64 00:07:46,840 --> 00:07:49,992 へえ 大根を この 引き抜くように 人間の首を― 65 00:07:50,080 --> 00:07:53,391 このスッポン スッポンって 引き抜いたってえからね 66 00:07:53,560 --> 00:07:57,633 (山伏たちの高笑い) 67 00:08:10,200 --> 00:08:14,751 もっともねその坊主 あんまり頭は良くねえらしいんだがね 68 00:08:14,880 --> 00:08:18,236 何でも何かに化けて 歩いてるってんだが 69 00:08:18,480 --> 00:08:22,110 それがその関所まで全部 筒抜けだってんだから 70 00:08:22,280 --> 00:08:24,191 間抜けな話さあ 71 00:08:24,880 --> 00:08:27,838 (片岡) 何に姿を変えていると申すのだ 72 00:08:28,720 --> 00:08:30,916 ええっと 何だっけ 73 00:08:31,320 --> 00:08:35,109 ええ関所の役人に聞いたんだから 間違いはねえんだけど 74 00:08:35,440 --> 00:08:40,116 ええと 薬売りじゃなし 75 00:08:40,240 --> 00:08:42,914 巡礼じゃなしとええ・・・ 76 00:08:43,520 --> 00:08:45,716 そうだ 山伏 77 00:09:02,400 --> 00:09:04,198 ... こ… こいつあ大笑いさ 78 00:09:05,080 --> 00:09:07,754 もしかすると 旦那方が この 79 00:09:07,880 --> 00:09:11,191 義経や弁慶の一行かも しれねえってんだから 80 00:09:11,760 --> 00:09:14,673 笑わせやがらあ へへへ そうでしょう? 81 00:09:14,760 --> 00:09:16,592 そら お…おかしいでしょう 82 00:09:26,320 --> 00:09:31,030 でもそんなことのあるわけはねえや ねえ そ…そうでしょう 83 00:09:32,800 --> 00:09:36,156 そんな怖い顔して脅かしたって 駄目でさあ 84 00:09:36,280 --> 00:09:39,113 に・・・人数だってちゃんと 分かってんですから 85 00:09:39,320 --> 00:09:42,950 義経主従七人 七人てんですからねえ 86 00:09:43,040 --> 00:09:44,713 へん 旦那方はほれ 87 00:09:44,800 --> 00:09:47,110 一 人二人 三人 88 00:09:47,320 --> 00:09:50,312 四人 五人 六人 89 00:09:50,680 --> 00:09:51,954 七人 90 00:09:52,920 --> 00:09:54,752 ちゃんと合ってらあ 91 00:10:09,440 --> 00:10:11,954 (鶯の鳴く声) 92 00:10:22,520 --> 00:10:23,669 (義経) 弁慶 93 00:10:27,040 --> 00:10:28,235 弁慶 94 00:10:28,360 --> 00:10:29,430 (弁慶)はっ 95 00:10:40,960 --> 00:10:42,189 御前(おんまえ)に 96 00:10:43,840 --> 00:10:49,199 (義経) 今この強力の申したことを聞いたか 97 00:10:49,440 --> 00:10:50,475 はっ 98 00:10:52,400 --> 00:10:59,909 さすれば作り山伏となって この関を越ゆることもなるまい 99 00:11:00,400 --> 00:11:04,030 ううむなんの たかが田舎侍の 固めた新関(しんせき)一つ 100 00:11:04,240 --> 00:11:06,993 打ち破って通るまででござるわ 101 00:11:07,280 --> 00:11:08,839 (駿河) はっはっは 102 00:11:09,080 --> 00:11:10,718 近ごろ 面白い 103 00:11:11,000 --> 00:11:14,994 (伊勢) ううむ 久方ぶりに一戦仕(つかまつ)ろう 104 00:11:19,560 --> 00:11:24,555 この関一つ打ち破るはたやすい 105 00:11:25,880 --> 00:11:31,193 がその先々を何とする 106 00:11:32,400 --> 00:11:34,755 行く末こそ大事じゃ 107 00:11:37,040 --> 00:11:41,557 いや何としても 穏やかに通らねばならん 108 00:11:43,600 --> 00:11:44,715 また 109 00:11:47,400 --> 00:11:50,358 押し破るも 押し破らぬも 110 00:11:51,400 --> 00:11:57,078 我らが偽山伏と 見破られてからのことじゃ 111 00:12:01,120 --> 00:12:05,239 第一 おぬしなどは正真の悪僧 112 00:12:05,760 --> 00:12:08,559 偽物などとは おこがましい 113 00:12:11,120 --> 00:12:18,436 またそこもと達にしても 作り山伏とは見えん 114 00:12:21,160 --> 00:12:23,800 野に伏し 山に伏し 115 00:12:26,240 --> 00:12:30,199 苦行するのを山伏と申すなら 116 00:12:31,560 --> 00:12:37,795 今や 我ら一同 まぎれのない山伏じゃ 117 00:12:39,120 --> 00:12:44,877 見事 山伏の面構えが揃うた 118 00:12:49,040 --> 00:12:54,319 このまま押し通れぬこともあるまい 119 00:12:54,880 --> 00:12:58,157 (片岡) しかし 武蔵坊 120 00:12:58,800 --> 00:13:03,397 我らはともかく 我が君のお姿は 121 00:13:04,040 --> 00:13:07,112 この愚かな強力にさえ怪しまれた 122 00:13:08,160 --> 00:13:10,436 このままではいかがかと存ずる 123 00:13:11,680 --> 00:13:14,320 さてそのことじゃが 124 00:13:18,400 --> 00:13:19,390 強力 125 00:13:20,520 --> 00:13:21,430 強力 126 00:13:22,800 --> 00:13:23,949 これへ出い 127 00:13:24,160 --> 00:13:25,912 ヘヘヘ ・・・ へい 128 00:13:27,120 --> 00:13:31,000 へいあ・・・あっしは 何にも知らねえ 129 00:13:31,280 --> 00:13:34,079 何にも言わねえから どうぞ命だけは お助けを 130 00:13:34,200 --> 00:13:37,670 (弁慶) ふふその笈をこれへ持てと申すのじゃ おい 131 00:13:37,760 --> 00:13:38,830 へえ 132 00:13:39,720 --> 00:13:40,676 どうした 強力 133 00:13:40,760 --> 00:13:41,431 へい 134 00:13:41,600 --> 00:13:43,477 こりゃ立たぬか 135 00:13:44,000 --> 00:13:45,911 こりゃ立たぬかと申すに 136 00:13:51,040 --> 00:13:53,554 こやつ腰を抜かしおるわ 137 00:13:55,200 --> 00:13:58,716 おい伊勢 腰抜けはどうすれば 治るんじゃ 138 00:13:59,440 --> 00:14:00,839 おけっ 常陸坊 139 00:14:06,840 --> 00:14:09,559 びっくりして腰を抜かすような奴は 140 00:14:10,400 --> 00:14:14,109 もう一度びっくりさせれば 腰が立つじゃろう 141 00:14:15,840 --> 00:14:18,036 こやつ 立てばよし 142 00:14:18,560 --> 00:14:20,358 立たねば首を引き抜くぞ! 143 00:14:20,440 --> 00:14:21,191 へい 144 00:14:25,640 --> 00:14:27,916 こやつ どこまでも世話の焼ける奴じゃ 145 00:14:39,640 --> 00:14:41,278 (鶯の鳴く声) 146 00:15:01,160 --> 00:15:08,476 (男声独唱) ♪ げにや紅は 147 00:15:09,320 --> 00:15:17,910 ♪ 園生(そのう)に植えてもかくれなし 148 00:15:20,880 --> 00:15:25,716 ♪ されど花もなき 149 00:15:26,120 --> 00:15:39,478 ♪ 荒草の強力には よも目をかけじと 150 00:15:39,600 --> 00:15:47,109 (女声独唱) ♪ 御篠懸を脱ぎ捨てて 151 00:15:47,320 --> 00:15:54,795 ♪ つづれ衣を身にまとい 152 00:15:55,200 --> 00:16:01,640 強力の笈を御肩に 153 00:16:02,480 --> 00:16:09,910 ♪ あやすげ笠も 深々と 154 00:16:11,120 --> 00:16:19,437 ♪ 杖にすがりて立ちあがる 155 00:16:21,680 --> 00:16:30,350 (重唱) ♪足をあげなる強力の 156 00:16:31,760 --> 00:16:42,193 ♪ 後ろ姿ぞ いたわしき 157 00:17:14,920 --> 00:17:17,196 (強力の笑い声) 158 00:17:21,080 --> 00:17:25,711 こやつ 逃げは逃げたが 駄賃欲しさについて来おったな 159 00:17:27,600 --> 00:17:32,674 つまらんことをしゃべりまわると ただでおかんぞ 160 00:17:33,760 --> 00:17:35,558 そ・・・そんなんじゃねえや 161 00:17:35,760 --> 00:17:37,592 おいらは見ちゃいらんねえから ついて来たんだ 162 00:17:37,680 --> 00:17:38,556 なに? 163 00:17:38,920 --> 00:17:42,117 へんそんな強力って あるもんじゃねえや 164 00:17:43,080 --> 00:17:46,755 それじゃめくらにだって すぐ見破られらあ 165 00:17:47,600 --> 00:17:51,230 第一 その笈の背負い方って ねえや 166 00:17:51,320 --> 00:17:53,914 ええ? 欲張りばばあが 167 00:17:54,000 --> 00:17:56,037 この つづら背負って 夜逃げするんじゃあるめえし 168 00:17:56,160 --> 00:17:57,150 控えろっ 169 00:18:09,800 --> 00:18:14,431 (笑い声) 170 00:18:16,760 --> 00:18:19,229 (常陸坊) こやつ また出おったな 171 00:18:19,560 --> 00:18:21,790 おらあ何でもとっても気になる たちなんで 172 00:18:21,880 --> 00:18:24,315 義経様と聞いちゃ 黙っちゃ帰れねえ 173 00:18:24,520 --> 00:18:27,797 そこの関所を無事に通り抜けるまでは 落ち着かねえ 174 00:18:27,880 --> 00:18:30,349 うんにゃ おいらの男が立たねえ 175 00:18:30,480 --> 00:18:34,792 ええ…窮鳥ふところに入れば 猟師もこれを何とかだ 176 00:18:34,920 --> 00:18:36,797 偉そうなことを申す 177 00:18:37,160 --> 00:18:39,310 袖すり合うも他生の縁 178 00:18:39,400 --> 00:18:41,277 一肌脱がせておくんなせいな 179 00:18:41,360 --> 00:18:44,910 ほう見かけによらぬ かわいいことを申すな 180 00:18:45,280 --> 00:18:47,078 こやつ こう申しておるが 181 00:18:50,880 --> 00:18:55,238 志はありがたいが かような小者にのう 182 00:18:58,440 --> 00:19:01,034 じゃ 駄目なんでござんすか 183 00:19:28,720 --> 00:19:30,279 (笑い声) 184 00:19:30,400 --> 00:19:32,835 (常陸坊) ええいこやつ うろちょろと目まぐるしい奴 185 00:19:32,920 --> 00:19:34,911 命が惜しくば とっとと消え失せろ 186 00:19:35,040 --> 00:19:38,032 へい そ…それがね 関の様子を見に参りやすとね 187 00:19:38,120 --> 00:19:38,916 なに 188 00:19:40,800 --> 00:19:42,234 (亀井) 待たぬか 強力 189 00:19:45,480 --> 00:19:46,515 こらっ 190 00:19:48,440 --> 00:19:51,637 関所の様子が何としたと申すのじゃ 191 00:19:51,760 --> 00:19:54,798 いえそれがね とってもいけねえんでさあ 192 00:19:55,080 --> 00:19:57,674 か・・・ 梶原の使者が 先回りしてやがるんで・・・ 193 00:19:57,840 --> 00:19:59,399 なに 梶原の使者が 194 00:20:00,080 --> 00:20:01,400 何でもね 195 00:20:01,560 --> 00:20:04,951 義経主従はこの道を通って来るに 相違ねえって 196 00:20:05,200 --> 00:20:08,636 関所の役人が 手ぐすね引いて ま・・・待ってやがるんでさあ 197 00:20:08,760 --> 00:20:09,830 ふうむ こしゃくな 198 00:20:09,920 --> 00:20:11,911 武蔵坊 武蔵坊 199 00:20:15,760 --> 00:20:16,750 武蔵坊 200 00:20:17,720 --> 00:20:21,679 何とする 進むか 退くか 201 00:20:32,120 --> 00:20:33,349 ふうむ 202 00:20:35,960 --> 00:20:42,115 梶原の郎党がこの辺りにあると 言うからは 203 00:20:43,360 --> 00:20:48,480 進むも退くも しょせん袋の鼠じゃ 204 00:20:48,640 --> 00:20:49,869 これまでの事よ 205 00:20:49,960 --> 00:20:52,270 ひともみにもみ潰して通るほかは あるまいが 206 00:20:52,400 --> 00:20:55,870 これまでとあらば関守はおろか 鎌倉殿も容赦はならぬ 207 00:20:55,960 --> 00:20:56,711 うむ 208 00:20:56,800 --> 00:21:00,919 関を押し破り 鎌倉へ押し下って 梶原親子を討って捨てよう 209 00:21:01,000 --> 00:21:02,638 面白い ぞ 伊勢 210 00:21:02,760 --> 00:21:08,358 谷七郷を斬り散らして 鶴ヶ岡の拝殿に 膝を並べて 腹かっさばくか 211 00:21:09,720 --> 00:21:11,393 (強力) 212 00:21:14,800 --> 00:21:16,438 笑止な 213 00:21:18,240 --> 00:21:22,074 若殿原(わかとのばら)が立ち騒ぐならまだしも 214 00:21:23,120 --> 00:21:26,715 片岡までが何事だ 215 00:21:29,560 --> 00:21:36,512 気負うてよくば これまでだとて 死に場所に事欠かなんだ 216 00:21:38,280 --> 00:21:40,590 先刻も申した通り 217 00:21:41,960 --> 00:21:45,954 この関一つ打ち破ってもせんない 218 00:21:47,280 --> 00:21:52,673 大事は君の御武運の行く末にある 219 00:21:55,720 --> 00:21:58,633 気負うは末のこと 220 00:22:01,400 --> 00:22:04,279 まずまず 221 00:22:07,560 --> 00:22:10,029 こう参られい 222 00:22:13,560 --> 00:22:14,755 これは 223 00:22:16,800 --> 00:22:21,556 南都 東大寺建立のため 224 00:22:24,440 --> 00:22:29,435 諸国勧進の僧でござる 225 00:23:16,120 --> 00:23:19,590 (富樫) 某(それがし)は加賀の地頭 226 00:23:20,600 --> 00:23:23,592 富樫左衛門佐家直でござる 227 00:23:24,880 --> 00:23:29,590 子細あって この関を承り申す 228 00:23:34,040 --> 00:23:35,439 我らは 229 00:23:37,160 --> 00:23:41,119 南都東大寺建立のため 230 00:23:42,360 --> 00:23:45,557 諸国勧進の客僧 231 00:23:46,960 --> 00:23:52,672 北陸道を承ってまかり通り申す 232 00:23:57,400 --> 00:23:59,676 近頃 殊勝のことでござるが 233 00:24:00,480 --> 00:24:06,670 この新関 山伏たる者に限り 通すこと 相成らぬ 234 00:24:07,120 --> 00:24:10,317 これは心得ぬことを申さる 235 00:24:11,000 --> 00:24:14,675 そのいわれを承ろう 236 00:24:17,960 --> 00:24:25,151 鎌倉殿と御仲不和とならせられた 判官殿主従七人 237 00:24:26,960 --> 00:24:30,112 作り山伏となって この道を下向あるゆえ 238 00:24:31,040 --> 00:24:35,637 固く警固せよとの 鎌倉殿の厳命でござる 239 00:24:38,720 --> 00:24:41,234 これは近頃 迷惑 240 00:24:42,040 --> 00:24:44,350 子細を承れば 241 00:24:45,440 --> 00:24:50,640 作り山伏をこそとどめよとの 仰せでござろう 242 00:24:51,000 --> 00:24:57,190 まことの山伏をとどめよとは よも仰せあるまい 243 00:24:57,680 --> 00:25:01,355 つべこべと 見ればその数も七人 244 00:25:02,440 --> 00:25:08,152 うろたえめさるな とくと御覧ぜよ 245 00:25:09,480 --> 00:25:13,030 我ら一行は山伏が六人 246 00:25:15,040 --> 00:25:16,872 強力が二人 247 00:25:17,040 --> 00:25:17,871 控えい! 248 00:25:20,160 --> 00:25:21,150 へーっ 249 00:25:22,360 --> 00:25:24,033 おかしな奴じゃのう 250 00:25:24,280 --> 00:25:28,353 (番兵たちの笑い声) 251 00:25:34,280 --> 00:25:35,554 ええいっ 252 00:25:35,960 --> 00:25:39,476 問答無益某(それがし) 梶原殿の命を受けて ここにあるからは 253 00:25:39,800 --> 00:25:42,679 いかなる山伏たりとも 一人も通すこと相成らん 254 00:25:43,800 --> 00:25:46,235 いや何はともあれ 怪しい山伏じゃ 255 00:25:47,320 --> 00:25:50,631 富樫殿 まず引っ捕らえて 縄打たれい 256 00:25:53,160 --> 00:25:54,275 富樫殿 ! 257 00:26:02,400 --> 00:26:03,595 富樫殿 258 00:26:09,720 --> 00:26:12,155 ええい 何をぐずぐず致しておる 259 00:26:12,760 --> 00:26:16,196 梶原殿の命じゃ いや鎌倉殿の御諚(ごじょう)じゃ 260 00:26:18,160 --> 00:26:21,630 山伏の一人や二人斬って捨てたとて 子細はない 261 00:26:21,800 --> 00:26:23,199 えい 何をしておる 262 00:26:23,280 --> 00:26:26,955 ほれ引っ捕らえて縄打てと申すに 何をしてるのじゃ 263 00:26:32,120 --> 00:26:38,674 これはまた慮外なところに 来かかったものじゃ 264 00:26:41,080 --> 00:26:43,230 仏に仕える身を 265 00:26:43,760 --> 00:26:49,756 訳もなく討ち果たしても 大事ないとは言語道断 266 00:26:55,560 --> 00:26:56,516 しかし 267 00:26:58,440 --> 00:27:01,671 争っても益ない 268 00:27:06,000 --> 00:27:12,713 この上は尋常に縄打たるるまでじゃ 269 00:27:15,000 --> 00:27:16,115 方々 270 00:27:21,360 --> 00:27:25,638 さらば 最後の祈りを仕ろう 271 00:27:48,800 --> 00:27:53,874 (数珠の音) 272 00:28:19,560 --> 00:28:26,717 (弁慶) 明王も照覧あれ 273 00:28:29,400 --> 00:28:44,237 熊野権現御罰 たちどころに下らせたまえ 274 00:28:55,760 --> 00:29:05,590 おん阿毘羅吽欠裟婆呵(あびらうんけんそわか) おん阿毘羅吽欠裟婆呵 275 00:29:06,280 --> 00:29:12,276 おん阿毘羅吽欠裟婆呵 276 00:29:34,800 --> 00:29:39,033 さらば まず某(それがし)に縄打たれい 277 00:29:44,480 --> 00:29:47,279 近頃 殊勝なお覚悟に存ずる 278 00:29:47,920 --> 00:29:52,790 これほどの覚悟 作り山伏づれが 持とうとは思われぬのう 279 00:29:55,680 --> 00:29:57,318 (富樫)がしかし 280 00:29:58,600 --> 00:30:04,152 先に承れば南都東大寺 勧進とのことじゃが 281 00:30:05,120 --> 00:30:08,192 偽りなくば 勧進帳 ご所持のはず 282 00:30:10,480 --> 00:30:12,676 これにて聴聞仕りたい 283 00:30:16,160 --> 00:30:20,916 勧進帳を読めと申さるるか 284 00:30:21,160 --> 00:30:22,150 (富樫)いかにも 285 00:30:27,800 --> 00:30:28,676 強力 286 00:30:30,960 --> 00:30:32,359 その笈を持て 287 00:32:02,640 --> 00:32:10,957 そおれ つらつら惟(おもんみ)れば 288 00:32:13,400 --> 00:32:21,034 大恩教主の秋の月は 289 00:32:23,720 --> 00:32:28,715 涅槃(ねはん)の雲に隠れ 290 00:32:30,680 --> 00:32:37,074 生死長夜の永き夢 291 00:32:38,320 --> 00:32:44,999 驚かすべき人もなし 292 00:32:48,640 --> 00:32:56,434 ここに なかごろの帝おわしまし 293 00:32:59,200 --> 00:33:08,632 日頃 三宝を信じ衆生を慈しみたまう 294 00:33:12,000 --> 00:33:18,030 たまたま霊夢を感じ給うて 295 00:33:19,640 --> 00:33:26,114 天下泰平 国土安穏のため 296 00:33:27,560 --> 00:33:35,433 盧舎那仏を建立し給う 297 00:33:37,560 --> 00:33:46,992 しかるに去(い)んじ延寿治承の頃 焼亡しおわんぬ 298 00:33:50,400 --> 00:33:56,510 かかる霊場の絶えなんことを嘆き 299 00:33:58,280 --> 00:34:05,710 俊乗坊重源勅令を蒙(こうむ)って 300 00:34:08,760 --> 00:34:18,078 この霊場を再建(さいこん)せんとし 諸国に勧進す 301 00:34:22,760 --> 00:34:29,473 一紙半銭の奉賽(ほうざい)の輩(ともがら)は 302 00:34:31,240 --> 00:34:36,997 現世にては無比の楽に誇り 303 00:34:38,800 --> 00:34:45,877 当来にては数千蓮華の上に座せん 304 00:34:47,480 --> 00:34:56,355 帰命稽首(きみょうけいしゅ) 敬って白(もう)す 305 00:35:16,160 --> 00:35:20,119 たしかに勧進帳 聴聞仕った 306 00:35:22,160 --> 00:35:25,994 さりながら 事のついでに お尋ね申す 307 00:35:27,320 --> 00:35:30,039 世に仏徒の姿は さまざまじゃが 308 00:35:30,600 --> 00:35:33,399 山伏のいでたちほど物々しきはない 309 00:35:34,200 --> 00:35:36,350 まずそのいわれを承りたい 310 00:35:36,600 --> 00:35:39,399 これは申すまでもないこと 311 00:35:40,240 --> 00:35:45,997 修験の法が異なればおのずから そのいでたちも異なる道理 312 00:35:47,080 --> 00:35:54,760 すなわち 山伏の修験の法とは 胎蔵 金剛の両部を旨とし 313 00:35:55,280 --> 00:36:00,719 険山悪路を踏み開き 悪獣毒蛇を退治して 314 00:36:01,040 --> 00:36:04,112 現世愛民の慈愍(じびん)を垂れ 315 00:36:05,440 --> 00:36:12,710 日月晴明の徳を納めて 天下泰平の祈祷を仕る 316 00:36:14,040 --> 00:36:19,194 故に内には忍辱(にんにく)慈悲(じひ)の徳 317 00:36:19,560 --> 00:36:21,995 面(おもて)には降魔の相 318 00:36:22,080 --> 00:36:24,594 頭にいただく兜布(ときん)のいわれは? 319 00:36:24,880 --> 00:36:31,354 兜布は武士の兜 この篠懸は鎧の心でござる 320 00:36:31,440 --> 00:36:33,033 金剛杖とは 321 00:36:33,600 --> 00:36:38,436 天竺(てんじく)檀特山(だんどくせん)の神人 322 00:36:38,960 --> 00:36:42,954 阿羅邏仙人(あららせんにん)の持ちたまいし 霊杖(れいじょう)でござる 323 00:36:44,840 --> 00:36:48,231 胎蔵金剛の功徳を込めて 324 00:36:49,000 --> 00:36:51,230 大地をついて踏み開き 325 00:36:52,400 --> 00:36:55,233 悪鬼外道を打ちすえ申す 326 00:36:55,520 --> 00:36:56,999 腰の剣(つるぎ)は 327 00:36:57,240 --> 00:36:58,560 弥陀の利剣 328 00:36:58,640 --> 00:37:02,873 しかし形あるものは 斬りもできよう 329 00:37:03,480 --> 00:37:06,279 無形の悪霊妖魔は何をもって斬る 330 00:37:06,800 --> 00:37:10,714 九字の真言をもって切断致す 331 00:37:10,800 --> 00:37:12,393 九字の真言とは 332 00:37:12,600 --> 00:37:18,118 九字九字の真言と申すは 333 00:37:19,760 --> 00:37:26,712 いわゆる臨兵闘者皆陳列在前(りんびょうとうしゃかいちんれつざいぜん)の 九字でござる 334 00:37:29,800 --> 00:37:32,519 この九字を切らんとする時は 335 00:37:34,240 --> 00:37:39,440 正しく立って 歯をたたくこと三十六度 336 00:37:39,720 --> 00:37:42,633 右の拇指をもって まず四縦(しじゅう)を描き 337 00:37:42,800 --> 00:37:44,916 後に五横(ごおう)を描く 338 00:37:45,000 --> 00:37:46,957 令を呪(じゅ)する時は 339 00:37:54,120 --> 00:37:56,555 あらゆる悪魔外道 340 00:37:59,000 --> 00:38:02,470 無明の悪鬼も解脱せん 341 00:38:24,720 --> 00:38:31,990 なお修験の道 お疑いのことあらば 342 00:38:33,440 --> 00:38:37,798 お尋ねに応じて お答え仕らん 343 00:38:42,360 --> 00:38:47,355 あっいや もはやお尋ね申すこともござらぬ 344 00:38:59,040 --> 00:39:06,037 また先ほどよりのご返答を承るに いずれ名ある御僧とお察し申す 345 00:39:07,960 --> 00:39:14,070 これほどの知識を疑い申したは 富樫左衛門 一期(いちご)の不覚でござった 346 00:39:14,840 --> 00:39:20,472 せめてものお詫びのしるしに 某(それがし) 勧進の施主につき申したい 347 00:39:22,440 --> 00:39:24,670 これは御奇特なこと 348 00:39:25,720 --> 00:39:30,715 現当二世の安楽 疑いもござらぬ 349 00:39:31,760 --> 00:39:34,479 これ 布施物(ふせもつ)の用意を致せ 350 00:39:34,600 --> 00:39:41,233 あいや我らこれより北陸道を 勧進仕って 351 00:39:42,600 --> 00:39:48,915 卯月半頃には 再びこの関を通り申す 352 00:39:49,600 --> 00:39:54,595 それまで勧進の品々 お預かりを願いたい 353 00:39:55,240 --> 00:39:56,435 心得申した 354 00:39:57,920 --> 00:40:01,879 これは思わぬことに暇どり申した 355 00:40:02,680 --> 00:40:05,354 さらば これにて 356 00:40:12,040 --> 00:40:13,155 方々 357 00:40:20,560 --> 00:40:25,509 ♪ とくとく立てや手束弓(たづかゆみ)の 358 00:40:26,000 --> 00:40:32,554 ♪ やたけにはやる心ひきしめ 359 00:40:41,800 --> 00:40:49,480 ♪ 虎の尾を踏み 毒蛇の口を逃るる心地 360 00:40:50,040 --> 00:40:57,276 ♪ 虎の尾を踏み 毒蛇の口を逃るる心地 361 00:40:58,320 --> 00:41:03,679 ♪虎の尾を踏み 虎の尾を踏み 362 00:41:04,000 --> 00:41:09,200 ♪ 毒蛇の口を逃るる心地 363 00:41:44,360 --> 00:41:45,316 (梶原の使者)待てえ 364 00:41:45,400 --> 00:41:47,038 その強力を捕らえい 365 00:41:49,560 --> 00:41:51,915 そやつではない その笠つけた奴 366 00:41:53,120 --> 00:41:54,349 (弁慶)待て待て 367 00:41:56,360 --> 00:41:58,556 これはまた 何事でござる 368 00:41:58,680 --> 00:42:02,560 いやその強力 ちと人に似てござる故 369 00:42:04,200 --> 00:42:07,830 人が人に似たとは 珍しからぬことを仰せられる 370 00:42:07,960 --> 00:42:10,713 いいや判官殿に似ておると 申すのじゃ 371 00:42:10,880 --> 00:42:13,952 何 この強力が 372 00:42:15,600 --> 00:42:16,920 判官殿に? 373 00:42:22,320 --> 00:42:24,596 この腰抜けっ 374 00:42:27,760 --> 00:42:30,434 わずかの笈に ひょろひょろと 375 00:42:31,440 --> 00:42:34,478 ひょろつきながら歩めばこそ 怪しまれる 376 00:42:35,320 --> 00:42:39,951 己の足弱ゆえに旅もはかどらず 377 00:42:40,600 --> 00:42:42,750 思わぬ難儀も降りかかる 378 00:42:43,400 --> 00:42:45,835 もはや堪忍ならぬ そこ動くな 379 00:43:02,640 --> 00:43:04,950 そんなのねえ そんなのねえよ 380 00:43:05,680 --> 00:43:07,318 そんなのねえよ 381 00:43:14,720 --> 00:43:19,749 思い知ったか 横着者 肝に銘じたら早々に通れ 382 00:43:19,840 --> 00:43:21,797 このまま通すこと相成らぬ 383 00:43:21,920 --> 00:43:24,355 見れば見るほど判官殿に瓜二つじゃ 384 00:43:28,640 --> 00:43:34,158 笈に目をかけるとは さては盗人(ぬすびと)か 385 00:43:34,240 --> 00:43:35,150 何っ 386 00:43:37,800 --> 00:43:43,432 最前よりの無理難題も これで読めた 387 00:43:44,600 --> 00:43:46,989 関守などとは片腹痛い 388 00:43:47,320 --> 00:43:48,515 言うなっ 389 00:43:54,000 --> 00:43:59,712 盗人猛々しいとはこのことだ 方々ぬかるな 390 00:44:28,720 --> 00:44:37,834 もしその強力が判官殿ならば 杖を以て打たるることは よもあるまい 391 00:44:37,920 --> 00:44:39,354 しかし 富樫殿 392 00:44:39,440 --> 00:44:43,877 いや 己の主を杖を以て打つ家来が あるはずはござらぬ 393 00:44:49,080 --> 00:44:50,115 通られい 394 00:44:51,720 --> 00:44:53,199 と… 富樫殿 395 00:44:58,520 --> 00:45:02,957 安宅(あたか)の関守は富樫左衛門が仕る 396 00:45:23,920 --> 00:45:25,797 (一行の笑い声) 397 00:45:25,960 --> 00:45:28,270 ああ やれやれ 398 00:45:28,440 --> 00:45:32,274 もうここまで来れば大丈夫でさあ ひと休み致しましょう 399 00:45:33,360 --> 00:45:34,555 しかし片岡 400 00:45:34,640 --> 00:45:39,760 武蔵がいきなり金剛杖を振り上げた 時にはさすがに驚いたなあ 401 00:45:41,640 --> 00:45:44,359 武蔵坊ならでは 思いもよらぬ機転じゃ 402 00:45:44,840 --> 00:45:47,673 えっああそうか 403 00:45:48,360 --> 00:45:51,716 おいらまた 気でも狂ったのかと思った 404 00:45:52,720 --> 00:45:54,154 この かぼちゃめ 405 00:45:56,080 --> 00:46:01,109 (一行の大笑い) 406 00:46:02,640 --> 00:46:04,790 (急に静まる) 407 00:46:24,360 --> 00:46:26,556 もったいなや 408 00:46:29,440 --> 00:46:33,479 計略とは申しながら・・・ 409 00:46:50,520 --> 00:46:51,669 弁慶 410 00:46:52,520 --> 00:46:53,840 手を上げい 411 00:46:55,640 --> 00:46:57,039 そのうち 412 00:46:58,240 --> 00:47:01,358 この腕も腐り申そう 413 00:47:08,040 --> 00:47:12,159 いや我を打ったのは この手とは思わぬ 414 00:47:12,960 --> 00:47:19,559 天の加護 弓矢八幡の御手が 我を守らせたもうたのじゃ 415 00:47:21,840 --> 00:47:23,717 ありがたく 思うぞ 416 00:47:41,480 --> 00:47:44,677 (強力) ちきしょうめ 鎌倉様もヘチマもあるもんか 417 00:47:44,760 --> 00:47:47,673 クソでも食らいやがれっ・・・ いけね 418 00:48:04,840 --> 00:48:06,877 富樫左衛門佐 家来 419 00:48:07,240 --> 00:48:11,029 主人の命を受けて 粗酒一つ 持参仕りました 420 00:48:28,480 --> 00:48:32,155 あまりに卒爾(そつじ)を申せしゆえ とのことでござる 421 00:48:32,720 --> 00:48:35,109 これはまた痛み入る 422 00:49:19,920 --> 00:49:23,754 まず この盃をお受け下さい 423 00:49:30,800 --> 00:49:40,949 ♪ げにげにこれも心得たり 424 00:49:42,480 --> 00:49:52,197 ♪ 人の情の盃を 425 00:49:52,800 --> 00:50:03,154 ♪ 越路の末に汲み得たり 426 00:50:04,360 --> 00:50:16,557 ♪うれしや人の情の 427 00:50:17,440 --> 00:50:27,475 ♪ この盃 428 00:50:50,160 --> 00:50:52,071 さあ いま一献 429 00:50:53,600 --> 00:50:55,398 これは これは 430 00:53:58,600 --> 00:53:59,396 おい 431 00:54:00,840 --> 00:54:02,911 誰ぞ舞わんか 432 00:54:10,280 --> 00:54:11,350 そこの強力 433 00:54:11,440 --> 00:54:12,430 へーい 434 00:54:13,880 --> 00:54:16,679 酒の肴に 435 00:54:18,120 --> 00:54:19,554 なんぞ舞え 436 00:54:20,000 --> 00:54:21,115 …へい 437 00:54:27,800 --> 00:54:34,035 ♪へえい 万歳(ばんぜい)ましませ 万歳ましませっと 438 00:54:34,600 --> 00:54:40,516 巌(いわお)の上に亀は棲むなり ときやがらあ 439 00:55:53,360 --> 00:55:54,430 こやつ 440 00:55:58,640 --> 00:55:59,550 いや 441 00:56:02,000 --> 00:56:03,513 某(それがし)も 442 00:56:04,880 --> 00:56:09,511 一差し舞うて お暇(いとま)仕ろう 443 00:56:18,640 --> 00:56:26,434 鳴るは滝の水 444 00:56:28,360 --> 00:56:36,199 鳴るは滝の水 445 00:56:38,400 --> 00:56:44,237 日は照るとも 446 00:56:46,840 --> 00:56:52,631 ♪ 絶えずとうたり 447 00:56:54,280 --> 00:57:02,119 ♪ 絶えずとうたり 448 00:57:24,720 --> 00:57:27,155 (風の音) 449 00:57:27,320 --> 00:57:28,469 へっくしゅん! 450 00:59:11,760 --> 00:59:12,158