1 00:00:02,202 --> 00:00:21,555 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:21,555 --> 00:00:33,533 ♬~ 3 00:01:19,413 --> 00:01:24,284 (とめ)しかし 大変な事になったわよね。 (淳之介)ああ。 4 00:01:24,284 --> 00:01:27,120 この先 どうなっちゃうのかしらね…。 5 00:01:27,120 --> 00:01:30,624 戦局は かなり厳しい感じだな…。 6 00:01:30,624 --> 00:01:34,127 (とめ)やっぱり ジュンノーちゃんに 勝ち目はないの? 7 00:01:34,127 --> 00:01:36,063 えっ? 8 00:01:36,063 --> 00:01:38,799 つまり 池田諒子ちゃんが このうちに来て➡ 9 00:01:38,799 --> 00:01:41,635 そこへ 尚ちゃんと南君も やって来た。 10 00:01:41,635 --> 00:01:44,972 おまけに 新潟にいた安吉君まで 帰ってきた。 11 00:01:44,972 --> 00:01:49,309 こうなると 諒子ちゃんをめぐって 4人の男の戦いよね。 12 00:01:49,309 --> 00:01:51,979 ねえ それで? ねえ ジュンノーちゃん。 13 00:01:51,979 --> 00:01:53,914 とめさん。 何? 14 00:01:53,914 --> 00:01:56,817 その「ジュンノーちゃん」っていうの やめてくれないかな。 15 00:01:56,817 --> 00:02:01,788 あら どうして? ジュンノーちゃんは ジュンノーちゃんじゃないの。 違う? 16 00:02:01,788 --> 00:02:04,091 ⚟(尚久)ごめんください。 17 00:02:04,091 --> 00:02:06,560 は~い。 18 00:02:10,597 --> 00:02:13,266 (安吉)この部屋 来ると 思い出すよな。 19 00:02:13,266 --> 00:02:16,770 何? (安吉)お前の おやじさんだ。 20 00:02:16,770 --> 00:02:19,673 面白い おやじさんだったよな。➡ 21 00:02:19,673 --> 00:02:22,943 覚えてるか? みんなで この部屋に立てこもった時。 22 00:02:22,943 --> 00:02:24,978 (尚久) あれは 最高だったよな。 23 00:02:24,978 --> 00:02:27,814  回想 ⚟(あぐり)淳… 淳…? (鍵を閉める音) 24 00:02:27,814 --> 00:02:31,284 開けるわよ。 25 00:02:31,284 --> 00:02:33,220 淳… 開けなさい! 26 00:02:33,220 --> 00:02:35,622 みんなも一緒ね? ⚟(尚久)はい。 27 00:02:35,622 --> 00:02:38,925 (ノック) ⚟淳 開けなさい! 28 00:02:40,494 --> 00:02:44,631 嫌です! どうしたのよ? 何が あったの? 29 00:02:44,631 --> 00:02:48,435 ⚟開けなさい! 30 00:02:48,435 --> 00:02:52,973 尚ちゃんと南君の親を 呼んでこい。 ええっ…! 31 00:02:52,973 --> 00:02:58,645 (南)なあ 覚えてるか? あのあと おやじさんが話してくれたこと。 32 00:02:58,645 --> 00:03:00,914 未来の話か? うん! 33 00:03:00,914 --> 00:03:04,584 例えば 7日間で 世界一周ができるとか➡ 34 00:03:04,584 --> 00:03:07,254 2時間半で 東京から神戸まで行けるとか。 35 00:03:07,254 --> 00:03:10,157 言ってたよな。 線のない電話機ができるとか➡ 36 00:03:10,157 --> 00:03:14,027 遠距離写真ができるとか。 全く 夢みたいな話だったよな。 37 00:03:14,027 --> 00:03:18,598 だけど 僕は あの時の おやじさんの話 信じてるんだ。 38 00:03:18,598 --> 00:03:23,470 「君たちが 大人になる頃には 人が人として生きられる時代が来る。➡ 39 00:03:23,470 --> 00:03:26,273 今みたいに がんじがらめの社会じゃなくて➡ 40 00:03:26,273 --> 00:03:28,942 君たちの時代は すばらしい」って。➡ 41 00:03:28,942 --> 00:03:33,780 おやじさん そう言ってたんだ。 俺たちの時代か…。 42 00:03:33,780 --> 00:03:36,683 (尚久)いつになったら 来るんだろうな? 俺たちの時代は。 43 00:03:36,683 --> 00:03:38,652 バカ もう来てるじゃねえか。 44 00:03:38,652 --> 00:03:41,521 だけど 東京と神戸の間は 2時間半じゃ 行けないぞ。 45 00:03:41,521 --> 00:03:44,791 今 この国で 俺たちが必要とされてるんだぞ。 46 00:03:44,791 --> 00:03:49,629 これこそ 俺たちの時代じゃねえか。 (南)そうかな…。 47 00:03:49,629 --> 00:03:55,302 そうだとも… 俺は 戦地で 思う存分 暴れてくるからな。 48 00:03:55,302 --> 00:03:59,172 おい 安吉…。 いよいよ 俺の出番だ。 49 00:03:59,172 --> 00:04:01,908 来たのか? 赤紙。 ああ。 50 00:04:01,908 --> 00:04:04,578 いつ 行くんだ? あさってだ。 51 00:04:04,578 --> 00:04:06,780 あさって…。 52 00:04:09,449 --> 00:04:13,920 そう… 安吉君 出征か…。 53 00:04:13,920 --> 00:04:16,823 (和子)兵隊に行くの? うん。 54 00:04:16,823 --> 00:04:21,795 (光代)せいぜい みんなで 激励してあげられえ。はい。 55 00:04:21,795 --> 00:04:26,099 お兄ちゃんは 行かなくていいの? 学生だからね。 56 00:04:26,099 --> 00:04:31,772 (光代)じゃけど いずれ 淳之介も 呼ばれることになるんよなあ…。 57 00:04:31,772 --> 00:04:38,578 そうですね…。 一体 日本は どうなるんじゃろう。 58 00:04:48,622 --> 00:04:50,657 淳…。 何? 59 00:04:50,657 --> 00:04:55,128 これ 燐太郎さんから 預かってたの。そう…。 60 00:04:55,128 --> 00:04:58,999 ごめんね 読ませてもらっちゃった。 61 00:04:58,999 --> 00:05:04,571 面白かったよ とっても。 そう? 62 00:05:04,571 --> 00:05:07,474 和ちゃん ご飯 終わったら 教えてね。 63 00:05:07,474 --> 00:05:11,745 (和子)うん。 さあ 仕事 仕事! 64 00:05:11,745 --> 00:05:15,582 何? 何でもない。 65 00:05:15,582 --> 00:05:20,754 先生 また来てます。 66 00:05:20,754 --> 00:05:22,789 おはようございます。 67 00:05:22,789 --> 00:05:27,093 (大徳寺)あなたには 何を言っても 無駄なようね。 68 00:05:27,093 --> 00:05:29,396 はい? ゆうべも 遅くまで➡ 69 00:05:29,396 --> 00:05:33,266 マージャンの音が聞こえてましたよ。 はあ…。 70 00:05:33,266 --> 00:05:37,771 国民が 一丸となって 戦ってる この非常時に➡ 71 00:05:37,771 --> 00:05:42,409 マージャンするというのは 何事ですか! 反省を促しますわ! 72 00:05:42,409 --> 00:05:45,278 お言葉ですが…。 何です? 73 00:05:45,278 --> 00:05:48,949 息子の友達が 明日 出征する事になったんです。 74 00:05:48,949 --> 00:05:53,787 それが 何です? 戦地に行けば 心休まる事はないんです。 75 00:05:53,787 --> 00:05:57,657 そういう若者に 少しは 優しくしてあげてもいいじゃないですか! 76 00:05:57,657 --> 00:06:01,228 違いますか? 77 00:06:01,228 --> 00:06:07,734 私の息子は 出征直前まで お国のために 働いておりました。 78 00:06:07,734 --> 00:06:12,606 そして 愚痴一つ 言わず 何一つ 贅沢は望まず➡ 79 00:06:12,606 --> 00:06:15,242 喜んで 戦地で 戦っております。 80 00:06:15,242 --> 00:06:19,579 私は 親として もし 息子が 戦死するような事になっても➡ 81 00:06:19,579 --> 00:06:22,916 それは お国のためであり 誇りであると考えます! 82 00:06:22,916 --> 00:06:25,919 本望ですわ! 83 00:06:29,789 --> 00:06:31,992 失礼! 84 00:06:33,627 --> 00:06:37,464 やっぱり 同窓生を集めて送ってやるのが 一番だろうね。 85 00:06:37,464 --> 00:06:41,268 うん…。 とにかく 時間がないからな。 86 00:06:41,268 --> 00:06:44,938 今夜 学校に みんな集めるか! 87 00:06:44,938 --> 00:06:47,974 何か あんまり 乗り気じゃないみたいね。 88 00:06:47,974 --> 00:06:51,711 それで 本当に 安吉 喜ぶかな…。 89 00:06:51,711 --> 00:06:53,647 ☎ 90 00:06:53,647 --> 00:07:00,420 (沢子)はい もしもし… はい どうぞ。 はい あぐり美容院でございます。 91 00:07:00,420 --> 00:07:04,291 あっ はい ちょっと お待ちくださいませ。 92 00:07:04,291 --> 00:07:07,894 辰子さん。 (辰子)はい。お宅から お電話です。 93 00:07:07,894 --> 00:07:12,198 はい。 よろしいでしょうか? すいません。 94 00:07:15,068 --> 00:07:24,244 はい もしもし。 あっ お母様… はい… えっ?➡ 95 00:07:24,244 --> 00:07:30,750 はい… はい はい。 96 00:07:30,750 --> 00:07:38,491 はい… 分かりました。 はい すぐに帰ります。 はい。 97 00:07:38,491 --> 00:07:40,794 辰子さん? 98 00:07:44,597 --> 00:07:50,270 あの 何か よく分からないんですけど 公報が来て➡ 99 00:07:50,270 --> 00:07:53,173 主人が 南方で戦死したって。 えっ? 100 00:07:53,173 --> 00:07:57,043 大丈夫です。 私 ずっと そういう覚悟してきましたから。 101 00:07:57,043 --> 00:07:59,979 辰子さん…。 本当に 平気ですから。 102 00:07:59,979 --> 00:08:02,682 でも…。 心配いりませんから。 103 00:08:05,719 --> 00:08:07,654 すいません。 104 00:08:07,654 --> 00:08:12,359 今日は 帰らせていただいても よろしいでしょうか? 105 00:08:14,060 --> 00:08:16,730 失礼します。 106 00:08:16,730 --> 00:08:19,566 辰子さん…。 107 00:08:19,566 --> 00:08:23,236 やっぱりさ 安吉が 一番喜ぶことしてやりたいんだよ。 108 00:08:23,236 --> 00:08:26,740 一番喜ぶことねえ…。 僕に 考えがある。 109 00:08:26,740 --> 00:08:28,675 何 何? あのさ…。 110 00:08:28,675 --> 00:08:32,912 ⚟(物音) 辰子さん! 111 00:08:32,912 --> 00:08:39,386 (泣き声) 112 00:08:39,386 --> 00:08:46,092 辰子さん…。 ごめんなさい。 113 00:08:50,029 --> 00:08:55,402 どうしたの? ご主人が 戦死したの。 114 00:08:55,402 --> 00:08:58,605 おなかに 赤ちゃん いるのに…。 115 00:08:58,605 --> 00:09:02,208 辰子さん かわいそう…。 116 00:09:02,208 --> 00:09:08,081 ⚟(辰子の泣き声) 117 00:09:08,081 --> 00:09:15,321 ♬~(ピアノ) 118 00:09:15,321 --> 00:09:23,363 ⚟♬~ 119 00:09:23,363 --> 00:09:28,201 (諒子)明日? ああ。そう…。 120 00:09:28,201 --> 00:09:30,737 僕たち 何にも あいつに してやれないけどさ➡ 121 00:09:30,737 --> 00:09:34,073 なんとか励まして 送り出してやりたいんだよ。 122 00:09:34,073 --> 00:09:39,245 そのためには 君に協力してほしいんだ。 頼むよ。 123 00:09:39,245 --> 00:09:42,148 淳之介さん。 何? 124 00:09:42,148 --> 00:09:46,986 私には 安吉さんを 笑って 送り出すなんて できないわ。 125 00:09:46,986 --> 00:09:50,590 どうして? 安吉 戦地に出たら 死ぬかもしれないんだよ。 126 00:09:50,590 --> 00:09:55,261 だからよ。 だから 嫌なの。 127 00:09:55,261 --> 00:10:02,769 安吉さんには 夢があるのよ。 大きなお寺を造る夢があるの。 128 00:10:02,769 --> 00:10:08,107 その夢を 戦争が奪うのよ。 どうして 笑って送り出せるの? 129 00:10:08,107 --> 00:10:12,779 バカげてるわ。 お国のために死んで 何の意味があるの? 130 00:10:12,779 --> 00:10:19,119 (片桐)諒子ちゃん… 言葉が過ぎるよ。 131 00:10:19,119 --> 00:10:21,421 ごめんなさい…。 132 00:10:23,623 --> 00:10:26,826 これからか? ああ。 133 00:10:29,295 --> 00:10:32,198 ここで 諒子ちゃん 待ってるから。 134 00:10:32,198 --> 00:10:36,402 必ず 行ってくれよ。 じゃあな。 135 00:10:46,145 --> 00:10:54,654 明日 出征する あなたへ 私たちから この曲を贈ります。 136 00:10:57,757 --> 00:11:46,172 ♬~(ピアノ「別れの曲」) 137 00:11:46,172 --> 00:11:49,809 (諒子)ねえ 覚えてる? 138 00:11:49,809 --> 00:11:56,316 子供の頃ね 安吉さん 私のために 人形の家を作ってくれたの。 139 00:11:56,316 --> 00:12:00,920 近所の工事現場で たくさん 木の切れ端を もらってきてくれて➡ 140 00:12:00,920 --> 00:12:04,257 それで 作ってくれたのよ。 141 00:12:04,257 --> 00:12:07,093 あなた 乱暴者って言われてたけど➡ 142 00:12:07,093 --> 00:12:11,397 本当は すごく心の優しい人だって➡ 143 00:12:11,397 --> 00:12:16,236 あのころから 私 ずっと思ってた。 144 00:12:16,236 --> 00:12:24,244 てれくさいこと 言うな。 絶対 無事に帰ってきてね。 145 00:12:26,412 --> 00:12:30,783 立派な神社やお寺 建てるんでしょ? 146 00:12:30,783 --> 00:12:33,419 (安吉)ああ。 私 楽しみにしてるんだからね。 147 00:12:33,419 --> 00:12:37,957 (安吉)ああ。 軍隊は 厳しいところだからね➡ 148 00:12:37,957 --> 00:12:41,427 けんかしたり 上官に 逆らったりしちゃ駄目よ。 149 00:12:41,427 --> 00:12:45,798 ああ。 (諒子)何があっても 我慢するのよ。 150 00:12:45,798 --> 00:12:50,136 ああ…。 (諒子)分かったわね? 151 00:12:50,136 --> 00:12:55,441 バカ…。 ガキじゃねえんだ…。 152 00:13:02,582 --> 00:13:06,252 入れよ。いいんだ。 でも…。 153 00:13:06,252 --> 00:13:09,922 淳之介 今日は ありがとう。 154 00:13:09,922 --> 00:13:12,759 尚と南にも よろしく言っといてくれ。 155 00:13:12,759 --> 00:13:18,264 ああ。 みんなの気持ち 俺 うれしかったよ。 156 00:13:18,264 --> 00:13:21,100 諒子のこと よろしく頼んだぞ。 157 00:13:21,100 --> 00:13:26,973 えっ? あいつは お前が好きだ。 158 00:13:26,973 --> 00:13:29,475 頼むぞ。 159 00:13:31,411 --> 00:13:36,115 ああ。 じゃあな。 160 00:13:38,184 --> 00:13:44,791 この前な… 俺 言っただろ 今が 俺たちの時代だって。 161 00:13:44,791 --> 00:13:49,495 ああ。 あれは 取り消しだ。 162 00:13:51,130 --> 00:13:54,967 まだまだ先だな… 俺たちの時代。 163 00:13:54,967 --> 00:13:57,303 そうだな…。 164 00:13:57,303 --> 00:14:04,911 東京と神戸が 2時間半で行けたり 世界一周が 7日間で できたり➡ 165 00:14:04,911 --> 00:14:07,380 俺 そんな時代 見てみたいよ。 166 00:14:07,380 --> 00:14:10,750 絶対 見られるさ。 そうだな。 167 00:14:10,750 --> 00:14:15,054 俺たちの時代だからな。 ああ。 168 00:14:17,390 --> 00:14:22,095 (男)小川安吉君 万歳! (一同)万歳! 169 00:14:22,095 --> 00:14:24,764 (男)万歳! (一同)万歳! 170 00:14:24,764 --> 00:14:27,667 (男)万歳! (一同)万歳! 171 00:14:27,667 --> 00:14:31,938 ♬「勝って来るぞと 勇ましく」 172 00:14:31,938 --> 00:14:36,275 ♬「ちかって 故郷を出たからは」 173 00:14:36,275 --> 00:14:40,146 ♬「手柄たてずに 死なりょうか」 174 00:14:40,146 --> 00:14:43,783 ♬「進軍ラッパ 聴くたびに」 175 00:14:43,783 --> 00:14:47,954 <淳之介の 無二の親友 安吉の戦死が伝えられたのは➡ 176 00:14:47,954 --> 00:14:52,425 それから 僅か 半年後のことでした> 177 00:14:52,425 --> 00:14:57,230 ♬~