1 00:00:02,202 --> 00:00:21,555 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:21,555 --> 00:00:33,567 ♬~ 3 00:01:18,412 --> 00:01:21,782 (靖子)あぐりさん。 (あぐり)はい。 4 00:01:21,782 --> 00:01:26,653 私の おなかの中には… エイスケの子供がいるの。 5 00:01:26,653 --> 00:01:28,655 えっ? 6 00:01:28,655 --> 00:01:30,958 (健太郎)何を いよんじゃ! 大体…➡ 7 00:01:30,958 --> 00:01:34,428 エイスケの子供じゃという 証拠はあるんか? ん? 8 00:01:34,428 --> 00:01:39,800 (光代)そうじゃわ。 その女 きっと エイスケの財産を狙うとるんよ。 9 00:01:39,800 --> 00:01:42,703 よく そういう話 聞くじゃろうが? (健太郎)おう。 10 00:01:42,703 --> 00:01:47,307 これは お義父様たちには 言うまいと思ってたんですけど…。 11 00:01:47,307 --> 00:01:49,309 (光代)「言うまい」って? 12 00:01:49,309 --> 00:01:54,181 エイスケさん… 私と離婚するつもりだったんです。 13 00:01:54,181 --> 00:01:56,450 何じゃと? 14 00:01:56,450 --> 00:02:00,253 どうして そんなことが言えるん? 15 00:02:00,253 --> 00:02:03,557 これ 見てください。 16 00:02:10,897 --> 00:02:13,266 (健太郎)離婚届…。 17 00:02:13,266 --> 00:02:17,771 お話って 何かしら? この前のことです。 18 00:02:17,771 --> 00:02:21,274 あなたのおなかに エイスケさんの子供がいるって➡ 19 00:02:21,274 --> 00:02:26,146 あれ 本当ですか?本当よ。 でも…。 20 00:02:26,146 --> 00:02:30,283 言ったでしょ あなたには そのこと関係ないのよ。 21 00:02:30,283 --> 00:02:35,122 エイスケさんは 私の夫です。 淳や 和子の父親です。 22 00:02:35,122 --> 00:02:38,025 だから 関係あります。 23 00:02:38,025 --> 00:02:44,631 心配しないで。 「お金を出せ」とか 「子供を育てろ」なんて言わないから。 24 00:02:44,631 --> 00:02:47,134 私一人で育てるわ。 25 00:02:47,134 --> 00:02:51,638 でも… やっぱり 私 信じられません。 26 00:02:51,638 --> 00:02:56,510 あんなに優しかった人が 私を裏切るなんて 考えられません。 27 00:02:56,510 --> 00:03:02,916 困ったわね…。 とにかく あなたが どう思おうと➡ 28 00:03:02,916 --> 00:03:10,390 おなかの子は エイスケの子供よ。 私たち 愛し合っていたの。 29 00:03:10,390 --> 00:03:16,096 この半年の間 あの人 ほとんど ここに来てたわ。 30 00:03:16,096 --> 00:03:19,132 私が そこで 絵を描いている間➡ 31 00:03:19,132 --> 00:03:24,938 階段に座って じっと 私の絵を見てたのよ。 32 00:03:28,675 --> 00:03:32,646 先生 フタバ画廊の橘さんから お電話です。 33 00:03:32,646 --> 00:03:37,117 あとにしてちょうだい。 それが すぐ済む用だと言うので…。 34 00:03:37,117 --> 00:03:41,922 しかたないわね。 失礼。 35 00:03:49,429 --> 00:03:51,498  回想  (靖子)この半年の間➡ 36 00:03:51,498 --> 00:03:55,235 あの人 ほとんど ここに来てたわ。 37 00:03:55,235 --> 00:04:14,254 ♬~ 38 00:04:14,254 --> 00:04:16,757 エイスケさん…。 39 00:04:16,757 --> 00:04:19,593 (靖子)あぐりさん。 40 00:04:19,593 --> 00:04:24,931 何で エイスケが 私のところを 居場所に選んだか 分かる? 41 00:04:24,931 --> 00:04:27,601 さあ…。 42 00:04:27,601 --> 00:04:32,272 私は 一緒に闘ってきたからよ。 「闘う」? 43 00:04:32,272 --> 00:04:37,944 あの人の苦しみも悲しみも 私は 全部 分かってあげたわ。 44 00:04:37,944 --> 00:04:43,116 受け入れたのよ。 そして 一緒に闘ってきた。➡ 45 00:04:43,116 --> 00:04:46,153 エイスケが泣きたければ 抱き締めてあげたし➡ 46 00:04:46,153 --> 00:04:49,422 苦しければ 癒やしてあげたわ。 47 00:04:49,422 --> 00:04:56,196 あの人が 「死のう」って言ったら 一緒に 死ねたわ!➡ 48 00:04:56,196 --> 00:04:58,965 あなたは どう?➡ 49 00:04:58,965 --> 00:05:02,369 エイスケの痛みが 分かっていた? 私は…。 50 00:05:02,369 --> 00:05:04,437 あなたは 自分の好きな仕事に 没頭して➡ 51 00:05:04,437 --> 00:05:09,576 エイスケのことは 何一つ 分かってあげなかったじゃない。➡ 52 00:05:09,576 --> 00:05:12,379 私は 分かち合ってきたの。 53 00:05:12,379 --> 00:05:19,085 つらいことも うれしいことも 全部 分かち合ってきたの。 54 00:05:19,085 --> 00:05:22,956 おなかの子は その結果なの。 55 00:05:22,956 --> 00:05:28,762 何があっても 私一人で 守っていくわ。 56 00:05:28,762 --> 00:05:31,598 お帰りください。 57 00:05:31,598 --> 00:05:48,615 ♬~ 58 00:05:48,615 --> 00:05:50,650  回想  (エイスケ)どこにも 行かないよ。➡ 59 00:05:50,650 --> 00:05:55,388 僕は ず~っと あぐりのそばにいるよ。 60 00:05:55,388 --> 00:06:06,032 ♬~ 61 00:06:06,032 --> 00:06:14,241 エイスケさん… 私 あなたを 絶対 許さない。 62 00:06:14,241 --> 00:06:17,544 (ノック) あっ はい。 63 00:06:19,112 --> 00:06:23,750 (とめ)先生 エイスケさんの会社の方が お見えです。 64 00:06:23,750 --> 00:06:27,454 どうぞ お通しして。 はい。 65 00:06:33,260 --> 00:06:38,932 (光代)10万円ですって? そんなに借金があったんか…。 66 00:06:38,932 --> 00:06:45,105 はい。 それで 私や岡山にも 債権者が来るだろうって。 67 00:06:45,105 --> 00:06:50,610 そうか… そういうことじゃったんか…。 68 00:06:50,610 --> 00:06:52,545 何がです? 69 00:06:52,545 --> 00:06:58,351 あぁ いや 実はのう エイスケと 最後に会った時に➡ 70 00:06:58,351 --> 00:07:03,890 あいつ 自分を 「廃嫡にしてくれ」言うたんじゃ。 71 00:07:03,890 --> 00:07:06,359 「廃嫡」? え~? 72 00:07:06,359 --> 00:07:10,230 いや… 理由は聞いても 言わなんだんだが➡ 73 00:07:10,230 --> 00:07:12,565 少しでも わしや勇造に➡ 74 00:07:12,565 --> 00:07:17,070 迷惑が かからんようにと 思うとったんじゃ エイスケのやつは。 75 00:07:17,070 --> 00:07:21,741 まあ。 そうだったんですか…。 76 00:07:21,741 --> 00:07:25,245 (健太郎)あぐり…。 はい。 77 00:07:25,245 --> 00:07:30,383 もしかして あの離婚届のう…。 えっ? 78 00:07:30,383 --> 00:07:36,256 エイスケ… お前にも 迷惑が かからんようにと…➡ 79 00:07:36,256 --> 00:07:40,760 そうじゃ… きっと そうじゃ あぐり。 80 00:07:42,595 --> 00:07:46,399 (辰子)じゃあ 全てのお客様には 葉書で ご案内するということで➡ 81 00:07:46,399 --> 00:07:50,770 宛名書きは 分担しましょう。 (とめ 沢子)はい。 82 00:07:50,770 --> 00:07:52,706 (燐太郎)あぐりさん ちょっと。 えっ? 83 00:07:52,706 --> 00:07:55,408 ちょっと見てほしいんだ。 えっ? 84 00:08:01,881 --> 00:08:05,218 「アン・ダグリッパの結婚」? 85 00:08:05,218 --> 00:08:08,121 原稿を整理してたら 出てきたんだ。 86 00:08:08,121 --> 00:08:10,824 この最後のページ 読んで。 87 00:08:14,561 --> 00:08:18,365 「昭和十伍年 七月七日➡ 88 00:08:18,365 --> 00:08:22,235 愛しのアン・ダグリッパ嬢に これを捧げる」。 89 00:08:22,235 --> 00:08:27,574 つまり これは エイスケが亡くなる2日前に 書きあげた小説なんだ。 90 00:08:27,574 --> 00:08:30,910 でも エイスケさん もう小説は…。 91 00:08:30,910 --> 00:08:35,382 そうだ もう二度と小説は書かないと 宣言していた エイスケが➡ 92 00:08:35,382 --> 00:08:38,084 実は 書いてたんだよ。 93 00:08:38,084 --> 00:08:40,019 知らなかった…。 94 00:08:40,019 --> 00:08:44,591 これは エイスケと君の 愛の歴史が つづられた小説だ。 95 00:08:44,591 --> 00:08:46,793 えっ? 96 00:08:59,139 --> 00:09:01,641 (燐太郎)見てくれ。 97 00:09:10,216 --> 00:09:13,119 アグリ。 98 00:09:13,119 --> 00:09:15,555 中を 読んでごらん。 99 00:09:15,555 --> 00:09:20,760 エイスケの 君への思いが 満ちあふれた作品だよ。 100 00:09:27,734 --> 00:09:35,074  心の声 「アン・ダグリッパ 残忍な虚妄 僕は あなたを愛す。➡ 101 00:09:35,074 --> 00:09:39,746 あなたは 僕に 堅固な意志を与えてくれたのです」。 102 00:09:39,746 --> 00:09:46,920 (エイスケの声)「ヴェランダで アン・ダグリッパの結婚。 私たちは 街に出た。➡ 103 00:09:46,920 --> 00:09:55,095 女学生 アン。 昨日 私は 彼女に花環を贈った。➡ 104 00:09:55,095 --> 00:09:58,765 黄色い植物の感情。➡ 105 00:09:58,765 --> 00:10:02,936 翌日 私の衣服に 赤い花弁が密着した。➡ 106 00:10:02,936 --> 00:10:07,407 ダグリッパ 僕は 泣いているのです。➡ 107 00:10:07,407 --> 00:10:12,712 深夜 地球が灰皿になる」。 108 00:10:16,149 --> 00:10:19,953  心の声  「深夜 地球が灰皿になる」。 109 00:10:23,423 --> 00:10:28,261 悪いけど あなたと話すことなんか もう何もないわ。 110 00:10:28,261 --> 00:10:31,965 どうしても 話しておきたかったの。 111 00:10:31,965 --> 00:10:37,136 私 あなたが言ったこと 認めます。 112 00:10:37,136 --> 00:10:43,910 おなかの赤ちゃん エイスケさんの子供だということ。 113 00:10:43,910 --> 00:10:49,315 私 その事実を 受け入れることができたの…。 114 00:10:49,315 --> 00:10:54,988 どうしたの? お願いです。 115 00:10:54,988 --> 00:10:59,325 どうか 無事に 赤ちゃん 産んでください。 116 00:10:59,325 --> 00:11:03,196 何のまね? あなたにじゃありません。 117 00:11:03,196 --> 00:11:07,133 生まれてくる赤ちゃんにです。 118 00:11:07,133 --> 00:11:10,970 私からじゃありません。 エイスケさんからです。 119 00:11:10,970 --> 00:11:13,406 それって 同情のつもり? 120 00:11:13,406 --> 00:11:16,109 そういう偽善者面 見ると 吐き気がするわ! 121 00:11:16,109 --> 00:11:18,044 靖子さん…。 122 00:11:18,044 --> 00:11:26,286 お互い 残された者同士なのよ。 いがみ合ってても しかたがないわ。 123 00:11:26,286 --> 00:11:31,124 昔 知り合いに 言われたことがあるの。 124 00:11:31,124 --> 00:11:38,865 エイスケは 鳥で言えば カッコウだって。 カッコウは 巣を持たないのよ。 125 00:11:38,865 --> 00:11:44,137 そういう束縛があっては 生きていけない鳥なのよ。 126 00:11:44,137 --> 00:11:46,639 その人 言ったの。 127 00:11:46,639 --> 00:11:50,143 「カッコウを 無理やり カゴの中に押し込めて育てても➡ 128 00:11:50,143 --> 00:11:53,646 じきに死んでしまう」って。 129 00:11:53,646 --> 00:11:59,819 お互い エイスケさんを カゴの中に 押し込めていなかった? 130 00:11:59,819 --> 00:12:06,259 そうじゃないわね。 エイスケさんは 死んだんじゃないわね。 131 00:12:06,259 --> 00:12:11,130 私たちの 手のひらから 飛び立ってしまったのよ。 132 00:12:11,130 --> 00:12:15,268 私たちを 置き去りにして。 133 00:12:15,268 --> 00:12:20,139 あなたも 私も 置いてかれちゃったのよ。 134 00:12:20,139 --> 00:12:25,945 それなのに どうして いがみ合わなきゃならないの? 135 00:12:27,780 --> 00:12:30,984 元気な赤ちゃん 産んでください。 136 00:12:36,956 --> 00:12:43,263 あなた エイスケの言ったとおりの人ね。 137 00:12:46,132 --> 00:12:49,335 いつも 前を向いてるのね。 138 00:12:50,970 --> 00:12:53,006 はい。 139 00:12:53,006 --> 00:12:55,842 これだけは 言っておくわ。 140 00:12:55,842 --> 00:13:01,914 エイスケ あなたと別れる気 これっぽっちも なかったのよ。 141 00:13:01,914 --> 00:13:04,417 分かってます。 142 00:13:07,253 --> 00:13:12,925 このお金 頂いておくわ 子供のために。 143 00:13:12,925 --> 00:13:16,763 はい。 あっ。 144 00:13:16,763 --> 00:13:23,403 タバコ… やめた方がいいです 赤ちゃんのために。 145 00:13:23,403 --> 00:13:26,906 そうね。はい。 146 00:13:31,144 --> 00:13:33,146 (高山)明るくなりましたね。 147 00:13:33,146 --> 00:13:36,416 落ち込んでても 借金 返せませんからね。 148 00:13:36,416 --> 00:13:38,484 どうにかなりそうなの? ええ。 149 00:13:38,484 --> 00:13:42,288 おかげさまで お店とうちは なんとか。 そう。 150 00:13:42,288 --> 00:13:47,427 でも あの時 エイスケさんの小説 見つけてくれなかったら➡ 151 00:13:47,427 --> 00:13:50,797 私 今でも 落ち込んでたかもしれません。 152 00:13:50,797 --> 00:13:54,300 「アン・ダグリッパ」ですね? うん…。 153 00:13:54,300 --> 00:13:58,171 こんなに元気だったら 話してもいいかな…。何? 154 00:13:58,171 --> 00:14:02,909 緑川靖子さんね… パリに行くらしいよ。 155 00:14:02,909 --> 00:14:06,913 そう… パリか…。 156 00:14:13,086 --> 00:14:15,922 あなたは パリは 駄目ですからね! 157 00:14:15,922 --> 00:14:18,591 私のそばに ず~っと いてくれるって➡ 158 00:14:18,591 --> 00:14:20,927 言ったんですからね。 159 00:14:20,927 --> 00:14:24,263 誰と話してるの? 160 00:14:24,263 --> 00:14:26,933 ヒ ミ ツ! 161 00:14:26,933 --> 00:14:29,769 <緑川靖子は その後 パリで暮らし➡ 162 00:14:29,769 --> 00:14:34,273 あぐりとは 二度と会うことはありませんでした> 163 00:14:36,409 --> 00:14:38,478 (とめ)<弟子のとめです。➡ 164 00:14:38,478 --> 00:14:41,614 ジュンノーちゃんも あっという間に 高校生。➡ 165 00:14:41,614 --> 00:14:46,285 それが 幼なじみの諒子ちゃんと 偶然 再会して あららら…。➡ 166 00:14:46,285 --> 00:14:48,221 私という者が ありながら…。➡ 167 00:14:48,221 --> 00:14:50,289 次週 「淳之介の初恋」。➡ 168 00:14:50,289 --> 00:14:55,094 えっ 先生が燐太郎さんと再婚!? まあっ!>