1 00:00:02,923 --> 00:00:06,693 と 去年の同じ月に比べて18%余り 2 00:00:06,693 --> 00:00:08,712 増えました。 3 00:00:35,455 --> 00:00:40,293 ♬~ 4 00:00:40,293 --> 00:00:42,593 (お常)あら おはよう。 5 00:00:44,164 --> 00:00:46,166 (保本)代わりましょう。 6 00:00:46,166 --> 00:00:50,303 (森)やるんですか? やりますとも。 7 00:00:50,303 --> 00:00:56,003 次の患者は 梅毒です。 分かりました。 8 00:00:57,644 --> 00:01:00,680 お仕着せは 着ないんですか? 9 00:01:00,680 --> 00:01:03,517 それは どうも…。 10 00:01:03,517 --> 00:01:05,819 お仕着せは 医者の証しです。 11 00:01:05,819 --> 00:01:08,722 これを着ていれば 一目で養生所の者だと分かる。 12 00:01:08,722 --> 00:01:10,690 それを着ないなんて…。 13 00:01:10,690 --> 00:01:13,693 先生に降参するのが 悔しいんですか? 14 00:01:13,693 --> 00:01:16,830 降参などしません! 15 00:01:16,830 --> 00:01:20,330 クマ吉! ≪(クマ吉)へい。 16 00:01:23,003 --> 00:01:25,906 (お常)保本先生 お客様ですよ。 17 00:01:25,906 --> 00:01:28,875 えっ 私に? 女の方ですよ。 18 00:01:28,875 --> 00:01:32,112 あっ 天野まさをさんって方です。 19 00:01:32,112 --> 00:01:36,783 <まさを…。➡ 20 00:01:36,783 --> 00:01:39,452 ちぐさの妹だ> 21 00:01:39,452 --> 00:01:41,488 チッ。 22 00:01:41,488 --> 00:01:48,962 ♬~ 23 00:01:48,962 --> 00:01:52,465 天野まさをでございます。 ちぐさの妹です。 24 00:01:52,465 --> 00:01:54,501 覚えています。 天野先生のお宅で➡ 25 00:01:54,501 --> 00:01:56,801 お会いした事があります。 26 00:01:58,638 --> 00:02:01,141 あの… 姉の事で…。 27 00:02:01,141 --> 00:02:03,476 帰って下さい。 話す事はありません。 28 00:02:03,476 --> 00:02:06,513 (まさを)でも…。 申し訳ありませんが。 29 00:02:06,513 --> 00:02:09,213 あっ…。 30 00:02:11,985 --> 00:02:13,920 (去定)あの女は誰だ? 31 00:02:13,920 --> 00:02:17,857 (竹造)へい。 保本さんを訪ねてきた方です。 32 00:02:17,857 --> 00:02:21,857 天野まさをさんとか。 33 00:02:25,332 --> 00:02:27,267 なぜ 追い返した? 34 00:02:27,267 --> 00:02:32,138 先生には関わりのない事です。 人には もう少し愛想よくしろ。 35 00:02:32,138 --> 00:02:35,942 ご自分の事を棚に上げて よく そんな事が。 36 00:02:35,942 --> 00:02:39,813 何? ハッハッハッハ…。 37 00:02:39,813 --> 00:02:42,816 保本 お前は➡ 38 00:02:42,816 --> 00:02:46,953 天野さんに ここに入れられたと 思っているようだな。 39 00:02:46,953 --> 00:02:50,290 違うのですか? お前は自分の事しか考えていない。 40 00:02:50,290 --> 00:02:53,193 そんな事では いくら知識をつけても➡ 41 00:02:53,193 --> 00:02:55,962 医者としては失格だ。 42 00:02:55,962 --> 00:03:00,962 自分が半人前な事は よく分かっています。 43 00:03:05,639 --> 00:03:09,309 どうだった? とっても かわいい人だった。 44 00:03:09,309 --> 00:03:13,146 すっごく きれいなお着物 着て。 でもね 保本先生ったら➡ 45 00:03:13,146 --> 00:03:15,482 帰しちゃったの。 (お常)何でよ! 46 00:03:15,482 --> 00:03:18,318 (お杉)お湯をもらえますか? 47 00:03:18,318 --> 00:03:21,018 どいて どいて どいて…! 48 00:03:23,657 --> 00:03:26,326 (お常)何があったんだろ? 49 00:03:26,326 --> 00:03:30,196 (お雪)「姉の事で」とか言ってたわ。 50 00:03:30,196 --> 00:03:32,432 えっ? 「天野さんに➡ 51 00:03:32,432 --> 00:03:35,101 ここに入れられた」とか どうとか。 52 00:03:35,101 --> 00:03:38,301 (お常)ふ~ん…。 53 00:03:41,608 --> 00:03:44,408 ありがとうございます。 54 00:03:47,947 --> 00:03:50,850 ≪何度言ったら 分かるんだ! 55 00:03:50,850 --> 00:03:55,822 お前は病人だ。 寝てなきゃ駄目だろう。 56 00:03:55,822 --> 00:03:57,957 (走ってくる足音) 57 00:03:57,957 --> 00:03:59,993 あら! ま~た 仕事してたんですか? 58 00:03:59,993 --> 00:04:03,793 道具を取り上げて しまってしまいなさい。 はい。 59 00:04:09,569 --> 00:04:12,305 蒔絵だな。 60 00:04:12,305 --> 00:04:16,643 見事な…。 お前は蒔絵師なのか? 61 00:04:16,643 --> 00:04:20,513 保本 診てみろ。 62 00:04:20,513 --> 00:04:23,213 はあ。 63 00:04:28,254 --> 00:04:30,990 痛むのか? 64 00:04:30,990 --> 00:04:35,595 あの男は 自分の素性を 一切 話そうとしない。 65 00:04:35,595 --> 00:04:39,933 伝通院裏の安宿で 倒れていたところを運ばれた。 66 00:04:39,933 --> 00:04:42,836 宿では 喜助と名乗っていたようだが➡ 67 00:04:42,836 --> 00:04:46,439 まあ 恐らく 本当の名前ではないだろう。 68 00:04:46,439 --> 00:04:50,610 腕のある蒔絵職人だと 思いますが…。 うん…。 69 00:04:50,610 --> 00:04:57,283 それが なぜ あのような安宿に 身を寄せていたかだ。 70 00:04:57,283 --> 00:04:59,953 見立ては どうだ? 71 00:04:59,953 --> 00:05:04,457 胃の下部から 右わきにかけて 腫脹が認められます。 72 00:05:04,457 --> 00:05:09,295 肝臓がんでしょうか。 いや 違う。 73 00:05:09,295 --> 00:05:14,968 まあ がんには違いないが それとは違う症状が見られる。 74 00:05:14,968 --> 00:05:20,840 あれは タイキリイル つまり すい臓に出来た がんだ。 75 00:05:20,840 --> 00:05:23,476 なぜ そう判断できるんですか? 76 00:05:23,476 --> 00:05:27,981 何を言ってる。 お前の帳面に 症状が出てたぞ。 77 00:05:27,981 --> 00:05:30,281 えっ? 78 00:05:32,252 --> 00:05:39,025 確かに 診断は難しい。 すい臓は 動かない臓器だから➡ 79 00:05:39,025 --> 00:05:42,595 がんが発生しても 痛みを感じず それと分かる頃には➡ 80 00:05:42,595 --> 00:05:46,266 がんが ほかの 多くの臓器にまで 広がってるんだ。 81 00:05:46,266 --> 00:05:51,771 はあ…。 それで 療治法は? 82 00:05:51,771 --> 00:05:53,807 ない。 83 00:05:53,807 --> 00:05:57,277 診察はできても 療治はできないと おっしゃるんですか? 84 00:05:57,277 --> 00:05:59,312 この病気に限らず➡ 85 00:05:59,312 --> 00:06:04,951 ほかの 多くの病気に対して 療治法はない。 86 00:06:04,951 --> 00:06:07,987 それじゃ あまりに無力な…。 87 00:06:07,987 --> 00:06:12,787 己の無力さを知る事も 大切な事だ。 88 00:06:17,530 --> 00:06:23,970 (子どもたちの騒ぐ声) 89 00:06:23,970 --> 00:06:31,270 うるさい。 あっちに行け。 90 00:06:54,267 --> 00:06:56,936 (おくに)また飲んで…。 91 00:06:56,936 --> 00:06:59,272 (富三郎) こう景気が悪くちゃ➡ 92 00:06:59,272 --> 00:07:01,774 飲まずにいられるか。 93 00:07:01,774 --> 00:07:06,274 働かずに飲んでるから 景気が悪いんだよ。 94 00:07:08,281 --> 00:07:10,581 (壁をたたく音) 95 00:07:16,155 --> 00:07:20,293 てめえの親父から 金もらってこい! 96 00:07:20,293 --> 00:07:24,631 そんな事できるかい。 第一 どこにいるか知らないよ。 97 00:07:24,631 --> 00:07:27,931 うそつけ! 知ってんだろ! 98 00:07:29,502 --> 00:07:31,905 うっ…。 (富三郎)さあ 行ってこい。 99 00:07:31,905 --> 00:07:34,741 孫が ひもじい思いしてるってのに➡ 100 00:07:34,741 --> 00:07:37,577 知らんぷりはねえだろってな! 101 00:07:37,577 --> 00:07:42,248 (おくに)お父っつぁんとは 縁を切ったんだ…。 102 00:07:42,248 --> 00:07:44,584 クソ…。 103 00:07:44,584 --> 00:07:55,584 ♬~ 104 00:08:05,872 --> 00:08:09,172 どうしたんだい? こんなもの…。 105 00:08:11,277 --> 00:08:13,977 うるせえ。 106 00:08:15,615 --> 00:08:19,285 もらったんだよ。 もらったって誰から!? 107 00:08:19,285 --> 00:08:22,985 てめえに関わりがあるか! 108 00:08:26,960 --> 00:08:30,296 (笑い声) 109 00:08:30,296 --> 00:08:32,231 ごめんよ。 110 00:08:32,231 --> 00:08:36,231 (女)また けんかかい? 111 00:08:38,104 --> 00:08:42,942 (女)ゆうべ お旗本の 植岡讃岐守様の お屋敷に➡ 112 00:08:42,942 --> 00:08:45,244 賊が忍び込んだそうね。 113 00:08:45,244 --> 00:08:48,915 (女)そうそう! 高価なお宝が盗まれたそうだね。➡ 114 00:08:48,915 --> 00:08:54,721 なんでも 南蛮渡来の象牙とか 蒔絵細工の印籠があったらしいよ。 115 00:08:54,721 --> 00:08:56,789 (女) へえ~ どんなもんだろうね。➡ 116 00:08:56,789 --> 00:08:59,559 いっぺんでいいから 拝んでみたいよ。 117 00:08:59,559 --> 00:09:04,464 犯人を奉行所に訴え出れば 褒美をくれるらしいよ。 118 00:09:04,464 --> 00:09:09,302 (女)うちの亭主でも 突き出すか。 (女たちの笑い声) 119 00:09:09,302 --> 00:09:33,226 ♬~ 120 00:09:33,226 --> 00:09:37,096 夜は ゆっくり寝られてますか? 121 00:09:37,096 --> 00:09:41,734 少しの物音で すぐ起きてしまうんですよ。 122 00:09:41,734 --> 00:09:44,570 あ~ それは よくありませんな。 123 00:09:44,570 --> 00:09:48,241 私 病なのでしょうか? 124 00:09:48,241 --> 00:09:52,111 う~ん… まあ 大事はないとは思いますが➡ 125 00:09:52,111 --> 00:09:55,014 まあ 念のために 薬を用意しましょう。 126 00:09:55,014 --> 00:09:57,250 後で 使いの者をよこして下さい。 127 00:09:57,250 --> 00:10:00,753 うれしいわ 先生。 アハハハ…。 128 00:10:00,753 --> 00:10:03,656 ところで そちらの若い人は? 129 00:10:03,656 --> 00:10:08,261 あ~ 新しい見習い医で 保本 登といいます。 130 00:10:08,261 --> 00:10:13,961 次からは この者に往診させましょうか? 131 00:10:20,840 --> 00:10:25,278 やっぱり 去定先生がいいわ。 132 00:10:25,278 --> 00:10:28,614 さようですか。 (きよ)んっ… ああ…。 133 00:10:28,614 --> 00:10:30,550 ああ…。 134 00:10:30,550 --> 00:10:33,486 あの女の病とは? 135 00:10:33,486 --> 00:10:38,958 強いて言えば… 暇という病だ。 136 00:10:38,958 --> 00:10:41,461 はあ…。 あの家は 代々➡ 137 00:10:41,461 --> 00:10:45,298 御公儀の呉服御用達で 巨万の富を得ている。 138 00:10:45,298 --> 00:10:50,803 金があり過ぎて 何もする事がないのだ。 139 00:10:50,803 --> 00:10:54,474 世の中には いくら懸命に働いても➡ 140 00:10:54,474 --> 00:10:58,978 貧しさから抜け出せないやつも 多いというのにな。 141 00:10:58,978 --> 00:11:05,752 御公儀は 何か出費がある度に 養生所の経費を削ろうとする。 142 00:11:05,752 --> 00:11:10,490 わしが あの女に お愛想をするのはな➡ 143 00:11:10,490 --> 00:11:16,662 あの家が文句も言わずに 高い薬代を払ってくれるからだ。 144 00:11:16,662 --> 00:11:19,565 それは分かりますが…。 145 00:11:19,565 --> 00:11:24,537 何だ? まだ反論があるのか? 146 00:11:24,537 --> 00:11:27,673 政を とやかく言う前に➡ 147 00:11:27,673 --> 00:11:33,279 我々医者は 少しでも医術の発展を 考えるべきではないでしょうか? 148 00:11:33,279 --> 00:11:36,949 先生は 医者は無力なものだと おっしゃいますが➡ 149 00:11:36,949 --> 00:11:40,620 私は 少しでも 医術を発展させるために➡ 150 00:11:40,620 --> 00:11:43,289 長崎で オランダ医学を 学んできたんです。 151 00:11:43,289 --> 00:11:49,629 そうすれば 貧しい者を 救う事ができるはずです。 152 00:11:49,629 --> 00:11:53,299 青二才が考えそうな事だな。 153 00:11:53,299 --> 00:12:00,973 (言い争う声) 154 00:12:00,973 --> 00:12:04,644 森さんじゃないですか? 155 00:12:04,644 --> 00:12:06,579 落ち着きなさい! 通せ。 156 00:12:06,579 --> 00:12:09,515 1人ずつ 話せ。 どうした… どうした!? 157 00:12:09,515 --> 00:12:14,153 (金兵衛)これは先生 いいところに来た! 158 00:12:14,153 --> 00:12:16,989 (松造) また お仕着せが来やがったな。 159 00:12:16,989 --> 00:12:20,860 所長の新出去定先生だ。 お~ 偉い人なら誰でもいいや! 160 00:12:20,860 --> 00:12:24,330 白黒つけて頂こうか! うん? ちょっと 来てくんな! 161 00:12:24,330 --> 00:12:28,630 先生 お願いしますよ。 いいから 話 聞いてもらおうじゃないかよ! 162 00:12:30,203 --> 00:12:34,006 うちの長屋の店子に 富三郎ってのが おりましてね➡ 163 00:12:34,006 --> 00:12:37,443 こいつ もとは指物職人なんだが➡ 164 00:12:37,443 --> 00:12:41,113 あ~ 稼ぎは少ない 酒は飲む 博打には目がねえって➡ 165 00:12:41,113 --> 00:12:43,049 ああ とんでもねえ野郎でね。➡ 166 00:12:43,049 --> 00:12:47,787 その女房のおくにが この子どもたち 3人抱えて➡ 167 00:12:47,787 --> 00:12:51,290 内職しながら 一家を支えてたんでさ。 168 00:12:51,290 --> 00:12:53,626 あ~ 店賃も滞りがちだったが➡ 169 00:12:53,626 --> 00:12:58,464 あっしは おくにが かわいそうで 大目に見てやってたんです。 170 00:12:58,464 --> 00:13:01,300 ところが 今朝の事…。 171 00:13:01,300 --> 00:13:06,138 えっ… 亭主が泥棒? あの男が持っていたのは➡ 172 00:13:06,138 --> 00:13:08,975 植岡讃岐守様のお屋敷から 盗まれた➡ 173 00:13:08,975 --> 00:13:11,477 蒔絵細工の印籠に 違いありません。 174 00:13:11,477 --> 00:13:14,814 近頃 賭場で 悪い仲間が出来たんです。 175 00:13:14,814 --> 00:13:17,316 きっと その連中と やったんです。 176 00:13:17,316 --> 00:13:20,653 それで? おめえ どうするつもりだ? 177 00:13:20,653 --> 00:13:24,523 奉行所に訴えると 褒美が もらえるんですよね? 178 00:13:24,523 --> 00:13:28,995 おめえ… まさか 亭主を? お金のためじゃありません。 179 00:13:28,995 --> 00:13:31,664 あの人のために それがいいんです。 180 00:13:31,664 --> 00:13:33,599 ここらで灸を据えれば➡ 181 00:13:33,599 --> 00:13:36,269 まっとうな人に なってくれるんじゃないかと。 182 00:13:36,269 --> 00:13:39,939 あっしは それがよかろうと 思いましてね➡ 183 00:13:39,939 --> 00:13:43,809 おくにに 奉行所に 駆け込み訴えをさせたんです。 184 00:13:43,809 --> 00:13:49,282 そしたら 奉行所から あっしに 呼び出しがありましてね…。 185 00:13:49,282 --> 00:13:52,785 あの おくになる女 不届きである。 186 00:13:52,785 --> 00:13:55,121 えっ? 187 00:13:55,121 --> 00:13:57,456 不届き? (松造)へえ! 188 00:13:57,456 --> 00:14:00,359 「よしんば 盗みを はたらいたにせよ➡ 189 00:14:00,359 --> 00:14:04,330 恩賞を目当てに 妻が夫を訴える という法はない。➡ 190 00:14:04,330 --> 00:14:08,167 不届きな女である。 吟味のため 入牢を申しつける」。 191 00:14:08,167 --> 00:14:10,803 お奉行様は そう仰せなんだそうで。 192 00:14:10,803 --> 00:14:15,141 その奉行は誰だ? ええ 今は 北の月番で➡ 193 00:14:15,141 --> 00:14:17,176 島田越後守様だそうで。 194 00:14:17,176 --> 00:14:19,478 島田か…。 195 00:14:19,478 --> 00:14:22,982 おくにが奉行所に行く前に あっしに言ったんです。 196 00:14:22,982 --> 00:14:27,320 自分に もし何かあったら 小石川伝通院裏の➡ 197 00:14:27,320 --> 00:14:29,355 柏屋金兵衛という宿屋に➡ 198 00:14:29,355 --> 00:14:32,091 六助という男が 泊まっているはずだから➡ 199 00:14:32,091 --> 00:14:34,026 そこに子どもたちを 連れていってくれって。 200 00:14:34,026 --> 00:14:36,262 その男に事情を話せば➡ 201 00:14:36,262 --> 00:14:38,597 子どもたちを 引き取ってくれるだろうって。 202 00:14:38,597 --> 00:14:41,100 あっ… ところが うちに➡ 203 00:14:41,100 --> 00:14:46,272 六助なんて人は 泊まっておりやせんで。 204 00:14:46,272 --> 00:14:50,776 いない者を 出せと言われても どうしようもありませんや…。 205 00:14:50,776 --> 00:14:52,812 先生 あの老人…。 うん…。 206 00:14:52,812 --> 00:14:56,282 確か あの男 もとは ここにいたんですよね? 207 00:14:56,282 --> 00:14:58,217 そうだ。 208 00:14:58,217 --> 00:15:02,154 まさか あの男が六助? 209 00:15:02,154 --> 00:15:06,792 どうだ? さあ? 何とも…。 210 00:15:06,792 --> 00:15:11,130 うちでは 喜助で通ってましたんで。 211 00:15:11,130 --> 00:15:15,801 先生! この子 ひどい熱ですよ。 何? 212 00:15:15,801 --> 00:15:18,101 あっ… 先生 お願いします! さあさあ。 213 00:15:22,575 --> 00:15:25,811 子どもたちを養生所に連れていけ。 214 00:15:25,811 --> 00:15:28,848 この子の額は よ~く冷やすんだ。 はい。 215 00:15:28,848 --> 00:15:34,086 それと 六助の身元も確かめろ。 分かりました。 216 00:15:34,086 --> 00:15:36,022 わしは奉行所へ行く。 217 00:15:36,022 --> 00:15:40,522 保本 お前も来い。 えっ? 218 00:15:49,568 --> 00:15:54,473 (お雪)津川さん! (お常)どうしたんですか? 219 00:15:54,473 --> 00:15:56,942 どうも。➡ 220 00:15:56,942 --> 00:16:01,614 行った先が どうも 聞いてたのと… 違っていてね。 221 00:16:01,614 --> 00:16:05,484 待遇は悪いし 備えは なっちゃいないし➡ 222 00:16:05,484 --> 00:16:10,623 まだ ここの方が… ましかなと。 223 00:16:10,623 --> 00:16:15,795 でも… ここを毛嫌いしてらしたん じゃないんですか? 224 00:16:15,795 --> 00:16:20,633 ねえ! ヘヘヘヘ…。 まあ ここも人手不足だしな。 225 00:16:20,633 --> 00:16:23,135 あれ? その子たちは? 226 00:16:23,135 --> 00:16:25,638 この子は熱があるんだ。 ほかの2人を頼む。 227 00:16:25,638 --> 00:16:27,673 (お雪 お常)はい! 津川さん 戻ってきましたか。 228 00:16:27,673 --> 00:16:30,810 (津川)うん。 行った先が どうも 聞いてたのと違っていてね➡ 229 00:16:30,810 --> 00:16:35,010 何が嫌かというと もう 全く備えがなってな…。 230 00:16:36,916 --> 00:16:40,916 (せきこみ) 231 00:16:47,259 --> 00:16:53,559 お前の名は 六助ではないか? 232 00:16:57,603 --> 00:16:59,603 はあ…。 233 00:17:03,476 --> 00:17:09,215 お兄ちゃん 俺たち これから どうなるの? 234 00:17:09,215 --> 00:17:14,915 お前は心配しなくていいんだ。 黙って食え。 235 00:17:30,302 --> 00:17:33,205 あの…。 236 00:17:33,205 --> 00:17:35,905 あっ…。 237 00:17:38,911 --> 00:17:43,249 私は 天野まさをと申します。 238 00:17:43,249 --> 00:17:46,585 あなたが? えっ? 239 00:17:46,585 --> 00:17:49,088 あっ… いえ あの…➡ 240 00:17:49,088 --> 00:17:52,758 保本さんが 天野さんに ここに追いやられたような事を。 241 00:17:52,758 --> 00:17:55,258 それは違います! 242 00:17:57,263 --> 00:18:01,263 何があったんですか? 243 00:18:03,068 --> 00:18:06,972 (まさを)保本さんが 長崎に遊学に行く前➡ 244 00:18:06,972 --> 00:18:13,772 あの方は 私の姉のちぐさと 将来を約束していました。 245 00:18:15,614 --> 00:18:17,550 (まさを)でも 姉は➡ 246 00:18:17,550 --> 00:18:21,420 保本さんが 長崎に行っている3年の間に➡ 247 00:18:21,420 --> 00:18:26,258 ほかに好きな人が 出来てしまったんです。 248 00:18:26,258 --> 00:18:30,629 父は 姉を激しく怒りました。 249 00:18:30,629 --> 00:18:34,500 でも 姉の気持ちは 変わらなかったんです。 250 00:18:34,500 --> 00:18:37,069 ちぐささんと 話をさせて下さい。 251 00:18:37,069 --> 00:18:39,104 (まさを) 父は 保本さんに➡ 252 00:18:39,104 --> 00:18:44,743 あの話は忘れてくれと 頭を下げました。➡ 253 00:18:44,743 --> 00:18:49,582 父は このままでは 申し訳が立たないと➡ 254 00:18:49,582 --> 00:18:53,452 姉を勘当しました。 255 00:18:53,452 --> 00:19:00,292 では お父様が保本さんを ここに追いやったというのは…。 256 00:19:00,292 --> 00:19:03,128 父は そんな事はしていません。 257 00:19:03,128 --> 00:19:08,267 保本さんさえ 姉を許して下されば➡ 258 00:19:08,267 --> 00:19:12,567 父も 姉を許す事が できるのではないかと…。 259 00:19:15,941 --> 00:19:20,813 (小声で)あんちゃん… 盗みなんて よくないよ。 260 00:19:20,813 --> 00:19:23,813 見張ってろ。 261 00:19:38,264 --> 00:19:48,064 はあ… はあ… はあ…。 262 00:19:56,915 --> 00:20:00,215 わあ…! 263 00:20:07,926 --> 00:20:12,798 与一… 与一。 264 00:20:12,798 --> 00:20:22,274 ≪はあ… はあ…。 265 00:20:22,274 --> 00:20:25,944 何してんだ? 266 00:20:25,944 --> 00:20:38,957 ♬~ 267 00:20:38,957 --> 00:20:42,257 これは 俺が見つけたんだ。 268 00:20:45,831 --> 00:20:48,131 まだ途中だって。 269 00:20:49,968 --> 00:20:54,640 これ… じいさんが作ったのか? 270 00:20:54,640 --> 00:20:58,640 すげえな…。 271 00:21:00,979 --> 00:21:03,679 じいさん 立つのか? 272 00:21:05,317 --> 00:21:07,653 病気? さようです。 273 00:21:07,653 --> 00:21:12,157 その おくにという女 かねてより 痘瘡の疑いがあり➡ 274 00:21:12,157 --> 00:21:14,993 我々が療治していたところ このような事に。 275 00:21:14,993 --> 00:21:17,329 早く 薬を与えなければ➡ 276 00:21:17,329 --> 00:21:20,029 奉行所の方々に うつるおそれがございます。 277 00:21:21,667 --> 00:21:24,336 早く… なんとかせよ! 278 00:21:24,336 --> 00:21:28,006 では 診察を。 279 00:21:28,006 --> 00:21:39,451 ♬~ 280 00:21:39,451 --> 00:21:42,488 なるべく離れていた方が よろしいかと。 281 00:21:42,488 --> 00:21:44,488 分かった! 282 00:21:49,128 --> 00:21:51,928 おくにだな? 283 00:21:54,633 --> 00:21:57,302 安心しろ。 284 00:21:57,302 --> 00:22:01,173 わしは 新出去定という医者だ。 285 00:22:01,173 --> 00:22:05,177 子どもたちは 小石川養生所で預かってる。 286 00:22:05,177 --> 00:22:09,648 心配するな。 養生所…? 287 00:22:09,648 --> 00:22:15,348 お前の父は 蒔絵職人か? 288 00:22:16,989 --> 00:22:21,326 やはり…。 父も 今 養生所にいる。 289 00:22:21,326 --> 00:22:26,665 えっ? ほかに身寄りは? 290 00:22:26,665 --> 00:22:32,438 母がいましたが 死にました。 291 00:22:32,438 --> 00:22:34,473 子どもたちは無事ですか? 292 00:22:34,473 --> 00:22:40,179 父は 子どもたちを引き取ると 言ってくれてますか? 293 00:22:40,179 --> 00:22:46,618 六助は… 重い病にかかっている。 294 00:22:46,618 --> 00:22:50,918 そう長くは生きられない。 295 00:22:53,292 --> 00:22:59,992 父との間に 何があった? 296 00:23:04,903 --> 00:23:11,310 父と母は ずっと 折り合いが悪かったんです。 297 00:23:11,310 --> 00:23:15,981 母は 私が12になる時➡ 298 00:23:15,981 --> 00:23:21,320 私を連れて 父のもとを飛び出しました。 299 00:23:21,320 --> 00:23:25,657 私は 父が嫌いじゃなかったんです。 300 00:23:25,657 --> 00:23:31,330 でも 母は 父が いかにひどい人か という事を話しました。➡ 301 00:23:31,330 --> 00:23:35,934 いつしか 私も それを信じるようになったんです。 302 00:23:35,934 --> 00:23:38,634 (六助)おくに! 303 00:23:40,272 --> 00:23:43,942 おい 大丈夫かい? 304 00:23:43,942 --> 00:23:46,845 困った事あったら いつでも おいで。 305 00:23:46,845 --> 00:23:49,615 お前は 大事な 俺の たった一人の娘だ。 306 00:23:49,615 --> 00:23:52,951 お前のためなら 何でもするからよ。 307 00:23:52,951 --> 00:23:55,951 分かったかい? 308 00:24:01,960 --> 00:24:04,630 (おくに)しばらくして 母は➡ 309 00:24:04,630 --> 00:24:09,968 若い男と一緒に 小さな荒物屋を始めました。 310 00:24:09,968 --> 00:24:16,308 その人は 親戚の人だと 母は言いました。➡ 311 00:24:16,308 --> 00:24:18,243 それが 今では➡ 312 00:24:18,243 --> 00:24:23,243 私の亭主になっている 富三郎です。 313 00:24:24,983 --> 00:24:29,855 (おくに)私は その人の事があまり 好きではありませんでした。➡ 314 00:24:29,855 --> 00:24:37,555 でも 母が あんまり勧めるもんで 断れなかったんです。 315 00:24:41,266 --> 00:24:45,604 ≪(おくにの母) やめ… ハハハ! アハハ…。➡ 316 00:24:45,604 --> 00:24:52,277 んっ? いい女いる? フフフ。 飲ませないよ~。➡ 317 00:24:52,277 --> 00:24:56,148 アハハハ! フフフ… アハハ! 318 00:24:56,148 --> 00:24:58,951 (おくに)母と富三郎は➡ 319 00:24:58,951 --> 00:25:02,951 男と女の仲だったんです。 320 00:25:04,623 --> 00:25:07,526 母が父を捨てて 家を出たのは➡ 321 00:25:07,526 --> 00:25:10,963 富三郎と 一緒になるためだったんです。 322 00:25:10,963 --> 00:25:16,301 しかし… なぜ 自分の男と 自分の娘を一緒にするんだ? 323 00:25:16,301 --> 00:25:19,204 富三郎を つなぎとめておくためだ。 324 00:25:19,204 --> 00:25:23,642 そのために お前は利用されたんだな。 325 00:25:23,642 --> 00:25:29,314 何も知らずに 父を追い返してしまった。 326 00:25:29,314 --> 00:25:35,614 私の事 一番思ってくれていた 父を…。 327 00:25:37,589 --> 00:25:44,262 父は 何度か手紙をくれました。 328 00:25:44,262 --> 00:25:48,133 「伝通院裏の宿屋にいる。➡ 329 00:25:48,133 --> 00:25:53,939 困った事があったら いつでも来い」って。 330 00:25:53,939 --> 00:25:55,874 でも 私は➡ 331 00:25:55,874 --> 00:26:00,374 とても顔向けできないと 思ったんです。 332 00:26:10,489 --> 00:26:12,624 あっ…。 333 00:26:12,624 --> 00:26:16,962 あっ… あのおじいさんが いないんです! 何!? 334 00:26:16,962 --> 00:26:18,897 ちゃんと見ておけと言ったろ! 335 00:26:18,897 --> 00:26:21,833 四六時中 見てられる訳 ないでしょ! 336 00:26:21,833 --> 00:26:25,971 それは そうだ! とにかく捜すんだ! 337 00:26:25,971 --> 00:26:28,874 どこ行っちまったんだい もう…。 338 00:26:28,874 --> 00:26:30,842 何してんだい? 339 00:26:30,842 --> 00:26:34,342 何も。 おじいちゃん 見なかった? 340 00:26:39,918 --> 00:26:43,918 (お常)こっちには いないんだよ! 外! 外! 341 00:26:48,093 --> 00:27:30,635 ♬~ 342 00:27:30,635 --> 00:27:33,538 うわ~! 343 00:27:33,538 --> 00:27:42,247 ♬~ 344 00:27:42,247 --> 00:27:44,182 あっ じいさん! 345 00:27:44,182 --> 00:27:49,421 じいさん! じいさん! なあ? じいさん! じいさん! 346 00:27:49,421 --> 00:27:58,421 (風鈴の音) 347 00:28:08,807 --> 00:28:12,277 あっ 先生は? まだ 奉行所だ。 348 00:28:12,277 --> 00:28:17,277 六助が倒れた。 また仕事をしてたんだ。 349 00:28:23,288 --> 00:28:27,959 奉行所で おくにに会ってきた。 350 00:28:27,959 --> 00:28:30,996 訳があって ここにはいない。 351 00:28:30,996 --> 00:28:35,767 しかし お前に会いたがっていた。 あ… ああ…。 352 00:28:35,767 --> 00:28:41,907 はあ… はあ…。 353 00:28:41,907 --> 00:28:43,842 入れ。 354 00:28:43,842 --> 00:28:47,779 お母ちゃん! あっ…。 355 00:28:47,779 --> 00:28:51,079 心配かけたね。 356 00:28:55,921 --> 00:28:58,590 六助➡ 357 00:28:58,590 --> 00:29:01,590 おくにだ。 358 00:29:24,816 --> 00:29:28,816 お父っつぁん…。 359 00:29:32,457 --> 00:29:35,894 ごめんよ。 360 00:29:35,894 --> 00:29:42,567 私… お父っつぁんの気持ちも 知らないで 追い返したりして。 361 00:29:42,567 --> 00:29:45,904 バカだった…。 362 00:29:45,904 --> 00:29:49,904 本当に バカだったよ…! 363 00:29:52,777 --> 00:29:55,777 うう…。 364 00:29:58,617 --> 00:30:08,927 ♬~ 365 00:30:08,927 --> 00:30:14,799 お前たちの じいさんだ。 366 00:30:14,799 --> 00:30:25,944 ♬~ 367 00:30:25,944 --> 00:30:28,847 「おくに。➡ 368 00:30:28,847 --> 00:30:32,817 俺は お前に会えないまま 死んでしまうようだ。➡ 369 00:30:32,817 --> 00:30:37,289 だから これを書いた。➡ 370 00:30:37,289 --> 00:30:42,794 おくに 本当にすまなかった」。 371 00:30:42,794 --> 00:30:46,965 どうして お父っつぁんが謝るんだい! 372 00:30:46,965 --> 00:30:50,302 「母ちゃんが出ていったのも➡ 373 00:30:50,302 --> 00:30:54,139 おくにが 俺に ついてきてくれなかったのも➡ 374 00:30:54,139 --> 00:30:58,643 俺が ふがいないせいだ。➡ 375 00:30:58,643 --> 00:31:03,943 俺が仕事の事しか考えられない バカだったからだ」。 376 00:31:05,517 --> 00:31:09,217 「本当に すまない」。 377 00:31:11,823 --> 00:31:14,659 お父っつぁんは悪くない! 378 00:31:14,659 --> 00:31:17,996 悪くないんだよ。 379 00:31:17,996 --> 00:31:21,666 分かってる…。 380 00:31:21,666 --> 00:31:24,703 私を 一番思ってくれてるのは➡ 381 00:31:24,703 --> 00:31:27,472 お父っつぁんだ! 382 00:31:27,472 --> 00:31:33,111 ♬~ 383 00:31:33,111 --> 00:31:36,948 お父っつぁん…。 384 00:31:36,948 --> 00:31:51,496 ♬~ 385 00:31:51,496 --> 00:31:54,496 保本。 386 00:31:56,301 --> 00:31:59,637 六助を みとってやれ。 387 00:31:59,637 --> 00:32:06,311 人の一生で 臨終ほど荘厳なものはない。 388 00:32:06,311 --> 00:32:09,214 はい。 389 00:32:09,214 --> 00:32:40,914 ♬~ 390 00:33:04,502 --> 00:33:08,973 ♬~ 391 00:33:08,973 --> 00:33:12,310 お父っつぁん! 392 00:33:12,310 --> 00:33:15,980 (泣き声) 393 00:33:15,980 --> 00:33:26,324 ≪(泣き声) 394 00:33:26,324 --> 00:33:46,277 ♬~ 395 00:33:46,277 --> 00:33:50,949 舌を出して。 もっと。 396 00:33:50,949 --> 00:33:53,618 そういえば 先生➡ 397 00:33:53,618 --> 00:33:56,955 おくにを どうやって 牢から出したんですか? 398 00:33:56,955 --> 00:34:02,127 大した事じゃない。 しかし…。 399 00:34:02,127 --> 00:34:04,162 (戸が開く音) 400 00:34:04,162 --> 00:34:08,299 (津川)先生 仰せのとおり➡ 401 00:34:08,299 --> 00:34:10,969 金兵衛の宿屋に 行ってまいりました。 402 00:34:10,969 --> 00:34:12,904 先生が おっしゃってたとおり➡ 403 00:34:12,904 --> 00:34:16,841 六助が残した金を隠していました。 404 00:34:16,841 --> 00:34:19,477 やはり そうか。 405 00:34:19,477 --> 00:34:22,814 六助に 何の蓄えもないはずは ないからな。 406 00:34:22,814 --> 00:34:24,749 これで暮らしには困るまい。 407 00:34:24,749 --> 00:34:28,153 奉行所に訴えるぞと脅したら すぐに出しました。 ハハッ。 408 00:34:28,153 --> 00:34:31,656 あっ それから 富三郎が 捕まったそうです。 409 00:34:31,656 --> 00:34:34,356 では。 410 00:34:37,462 --> 00:34:39,662 励めよ。 411 00:34:41,933 --> 00:34:44,933 はい。 412 00:34:49,807 --> 00:34:53,545 こういう時には 役に立つ男だ。 413 00:34:53,545 --> 00:34:56,481 森では ああはいかん。 414 00:34:56,481 --> 00:34:58,950 保本。 415 00:34:58,950 --> 00:35:05,823 おくにと六助の一家で 一番悪いのは誰だと思う? 416 00:35:05,823 --> 00:35:11,296 それは 富三郎でしょう。 働きもせず 悪事をしでかして。 417 00:35:11,296 --> 00:35:14,632 しかし その富三郎も➡ 418 00:35:14,632 --> 00:35:17,468 おくにの母親に 若い頃から甘やかされて➡ 419 00:35:17,468 --> 00:35:21,639 女に食わしてもらう習わしが 身についてしまったんだろう。 420 00:35:21,639 --> 00:35:26,978 では 悪いのは おくにの母親か? 421 00:35:26,978 --> 00:35:31,816 その女とて 六助が書いていたように➡ 422 00:35:31,816 --> 00:35:35,587 夫に相手にしてもらえない 寂しさのせいで➡ 423 00:35:35,587 --> 00:35:40,587 若い男に 救いを求めたのかもしれん。 424 00:35:42,260 --> 00:35:46,598 人の関わりとは そうしたもんだ。 425 00:35:46,598 --> 00:35:51,102 万人に当てはまる教訓などない。 426 00:35:51,102 --> 00:35:53,902 はい。 427 00:35:56,441 --> 00:36:00,612 お世話になりました。 お元気で。 428 00:36:00,612 --> 00:36:04,482 行こう。 またね。 429 00:36:04,482 --> 00:36:11,256 六助は 金よりも大きなものを 残したようですね。 430 00:36:11,256 --> 00:36:13,256 ああ。 431 00:36:14,959 --> 00:36:19,297 ところで 先生 さっきのお答えを まだ聞いておりません。 432 00:36:19,297 --> 00:36:22,997 おくにを どうやって 牢から出したのか。 433 00:36:24,969 --> 00:36:28,840 はあ… それは 何だ…➡ 434 00:36:28,840 --> 00:36:33,778 奉行所の島田は 奥方に頭が上がらんのだ。 435 00:36:33,778 --> 00:36:38,516 しかし やつは 別宅に こっそり 妾を囲ってる。 436 00:36:38,516 --> 00:36:42,920 わしは それを知っていたんだ。 437 00:36:42,920 --> 00:36:47,792 そういう事だ。 はっ? 438 00:36:47,792 --> 00:36:51,262 そうだ。 俺は卑劣な男だ。 439 00:36:51,262 --> 00:36:53,931 今後 もし 俺が お前に 何か偉そうな事を言ったら➡ 440 00:36:53,931 --> 00:36:56,601 今の事を 遠慮なく言うがいい! 441 00:36:56,601 --> 00:37:03,474 ♬~ 442 00:37:03,474 --> 00:37:06,611 はい。 443 00:37:06,611 --> 00:37:15,611 ♬~ 444 00:37:24,962 --> 00:37:29,300 あら 着たんですね。 445 00:37:29,300 --> 00:37:33,571 ああ。 それが どうかしたか? 446 00:37:33,571 --> 00:37:35,871 (お杉)いえ。 447 00:37:38,443 --> 00:37:40,445 あっ…➡ 448 00:37:40,445 --> 00:37:43,581 昨日 まさをさんという方がいらして。 449 00:37:43,581 --> 00:37:47,452 分かってる。 今度 話してみる。 450 00:37:47,452 --> 00:37:51,923 そうですか。 かわいらしい人ですね。 451 00:37:51,923 --> 00:37:55,223 それが どうかしたか!? 452 00:38:00,598 --> 00:38:03,501 <どうやら 私は…➡ 453 00:38:03,501 --> 00:38:07,501 赤ひげに降参したらしい>