1 00:00:02,775 --> 00:00:06,512 バスの中では訪れる少女たちに 食事や衣類を無料で提供したり 2 00:00:06,512 --> 00:00:08,547 相談に応じたりするほか、 3 00:00:08,547 --> 00:00:12,301 必要に応じてシェルターでの保護 も行っていくということです。 4 00:00:35,658 --> 00:00:38,558 (ウグイスの鳴き声) 5 00:00:41,330 --> 00:00:47,470 (十兵衛)フフフ… どうだい 先生 いい声だろう? 6 00:00:47,470 --> 00:00:49,405 (保本)何を言っている? 7 00:00:49,405 --> 00:00:52,341 ざるの中には 何もいない。 し~っ。 8 00:00:52,341 --> 00:00:58,681 ほら 鳴いた! これは 千両のさえずりだ。➡ 9 00:00:58,681 --> 00:01:01,350 このウグイスを売りゃ 金になる。➡ 10 00:01:01,350 --> 00:01:04,186 貧しさとも おさらばだ。 フフ…。 11 00:01:04,186 --> 00:01:13,195 ♬~ 12 00:01:13,195 --> 00:01:17,500 (去定)十兵衛は 昔 ひどく頭を打ってる。 13 00:01:17,500 --> 00:01:20,369 大した療治も受けずに その後➡ 14 00:01:20,369 --> 00:01:25,875 ある種の発作を起こすようになった。 発作とは? 15 00:01:25,875 --> 00:01:32,314 前触れもなく 我を失い 物事の判断がつかないようになる。 16 00:01:32,314 --> 00:01:36,318 では… あれも発作という事でしょうか? 17 00:01:36,318 --> 00:01:44,827 いや…。 あのさまは もう半年以上 続いてる。 半年も? 18 00:01:44,827 --> 00:01:50,466 十兵衛の耳には 千両のウグイスの声が聞こえてる。 19 00:01:50,466 --> 00:01:55,838 頭を打っただけが原因ではないだろう。 20 00:01:55,838 --> 00:02:00,676 <先生は きっと 十兵衛が ああなった原因は➡ 21 00:02:00,676 --> 00:02:04,276 無知と貧困にあると言いたいのだ> 22 00:02:05,481 --> 00:02:07,981 <けれど…> 23 00:02:10,019 --> 00:02:12,488 先生…。 危ねえな この野郎! 24 00:02:12,488 --> 00:02:15,858 (おきぬ)ねえ ちょっと… また来てくれなきゃ嫌だよ~。 25 00:02:15,858 --> 00:02:20,858 分かったよ。 つれないんだから! 26 00:02:22,631 --> 00:02:26,368 養生所の先生じゃない。 ちょうど よかった。 27 00:02:26,368 --> 00:02:31,240 ねえ 先生 私ね 何か最近ちょっと熱っぽくて➡ 28 00:02:31,240 --> 00:02:34,176 体も だるいみたいなの。 29 00:02:34,176 --> 00:02:36,445 ちょっと あんた! 今度は➡ 30 00:02:36,445 --> 00:02:38,814 養生所の先生を たらし込もうってのかい!? 31 00:02:38,814 --> 00:02:40,749 たらし込むだって? 32 00:02:40,749 --> 00:02:43,652 まったく 次から次へと いい加減にしたらどうだい! 33 00:02:43,652 --> 00:02:46,555 あんたのせいで 長屋が乱れちまってんだよ! 34 00:02:46,555 --> 00:02:51,527 はあ? あんた 亭主に 相手してもらえないもんだからって➡ 35 00:02:51,527 --> 00:02:54,830 八つ当たりは よしてくれよ もう。 36 00:02:54,830 --> 00:02:58,334 何だって!? ああ? 37 00:02:58,334 --> 00:03:01,337 本当に熱があるな。 えっ? 38 00:03:01,337 --> 00:03:04,840 はやり病のおそれがある。 療治してやらねば。 39 00:03:04,840 --> 00:03:08,477 えっ? ちょ… ちょっと… 何すんだよ! 40 00:03:08,477 --> 00:03:11,180 下ろして! もう治ったから 下ろして! 41 00:03:11,180 --> 00:03:13,849 そうか。 あっ! 42 00:03:13,849 --> 00:03:18,721 保本 行くぞ。 …はい。 43 00:03:18,721 --> 00:03:22,858 この老いぼれが! フフッ アハハハハ…! 44 00:03:22,858 --> 00:03:25,361 あんた いつまで笑ってんだよ! アハハハハハ…。 45 00:03:25,361 --> 00:03:30,499 あの おきぬという女は 千住の女郎屋で 年季いっぱい勤め上げた。 46 00:03:30,499 --> 00:03:34,136 客だった男の囲い者として あの長屋に入ったんだが➡ 47 00:03:34,136 --> 00:03:39,808 その男の目を盗んでは いろいろな男を引き込むわ➡ 48 00:03:39,808 --> 00:03:44,446 果ては 長屋の亭主連中にまで 色目を使うわで➡ 49 00:03:44,446 --> 00:03:47,983 このままでは やがて 刃傷沙汰になるやもしれぬと➡ 50 00:03:47,983 --> 00:03:52,454 長屋の大家も案じていたんだ。 51 00:03:52,454 --> 00:03:55,991 哀れな事だ。 52 00:03:55,991 --> 00:04:00,329 哀れ? 女郎屋に売られて➡ 53 00:04:00,329 --> 00:04:04,199 そこで悲惨な日々を過ごしたせいで ああなったんだ。 54 00:04:04,199 --> 00:04:12,675 <私は この時 その言葉を 素直に受け入れる事ができなかった> 55 00:04:12,675 --> 00:04:16,345 先生。 うん? 56 00:04:16,345 --> 00:04:21,483 私は 養生所で多くの病人を見てきました。 57 00:04:21,483 --> 00:04:25,354 そこで分かった事があります。 58 00:04:25,354 --> 00:04:29,858 それは… どんな身の上であっても➡ 59 00:04:29,858 --> 00:04:34,129 立派に生きている人は 大勢いるという事です。 60 00:04:34,129 --> 00:04:37,166 蒔絵師の六助も 大工の佐八も➡ 61 00:04:37,166 --> 00:04:40,803 そして お杉も そうです。 62 00:04:40,803 --> 00:04:43,439 何が言いたい? 63 00:04:43,439 --> 00:04:52,139 先生は 全てを 無知と貧困のせいに されているように思います。 64 00:04:53,182 --> 00:04:57,182 それでいいのでしょうか。 65 00:04:58,921 --> 00:05:04,727 お前は この養生所で何を見てきた。 66 00:05:04,727 --> 00:05:15,337 ♬~ 67 00:05:15,337 --> 00:05:19,675 十兵衛 気分はどうだ? 68 00:05:19,675 --> 00:05:22,478 あっ ハハッ 先生➡ 69 00:05:22,478 --> 00:05:25,478 見て下さいよ。 70 00:05:28,350 --> 00:05:32,955 まったく 赤ひげのやつ…。 71 00:05:32,955 --> 00:05:34,990 フフフ…。 72 00:05:34,990 --> 00:05:41,890 うん? 赤ひげと呼ぶとは 珍しいじゃねえか。 73 00:05:49,405 --> 00:05:53,809 (長次)いいぞ いいぞ! いいぞ! 74 00:05:53,809 --> 00:06:02,317 よし… あっちにも… こっちにも。 75 00:06:02,317 --> 00:06:05,220 あっ そっちの取って。 76 00:06:05,220 --> 00:06:10,920 えっ? ああ…。 77 00:06:14,329 --> 00:06:19,129 はい。 78 00:06:19,201 --> 00:06:23,338 うっ… くっさ! ハハハ…。 79 00:06:23,338 --> 00:06:27,342 駄目だよ。 銀杏を じかに触っちゃ。 80 00:06:27,342 --> 00:06:29,678 お前が拾えと言うから! 81 00:06:29,678 --> 00:06:33,678 手 出して。 うん? 82 00:06:35,284 --> 00:06:40,384 おい… お前の着物が汚れるだろ。 83 00:06:41,156 --> 00:06:45,794 この銀杏ね 皮をむいて 実を出して➡ 84 00:06:45,794 --> 00:06:48,697 干したのを 料理屋に持っていくんだ。 85 00:06:48,697 --> 00:06:52,668 そうすると いい値で買い取ってくれるんだよ。 86 00:06:52,668 --> 00:06:55,804 そうなのか。 うん。 87 00:06:55,804 --> 00:07:03,904 伊豆守様のお屋敷の銀杏は ここらで 一番だからな。 88 00:07:12,654 --> 00:07:18,994 塀の外に落ちたのを拾うのは 泥棒じゃないよね。 89 00:07:18,994 --> 00:07:21,463 そうだよね? 90 00:07:21,463 --> 00:07:25,834 ああ そうだな。 91 00:07:25,834 --> 00:07:28,170 そうだよね! 92 00:07:28,170 --> 00:07:31,840 ねえ 銀杏は好き? 93 00:07:31,840 --> 00:07:33,809 ああ まあ。 94 00:07:33,809 --> 00:07:39,581 今度 煎った銀杏をあげるよ。 手伝ってくれたお礼だよ。 95 00:07:39,581 --> 00:07:41,650 お礼? 俺は何も…。 96 00:07:41,650 --> 00:07:45,650 必ず あげるからね! 待っててね! 97 00:07:48,790 --> 00:07:51,693 元気な子だなあ。 98 00:07:51,693 --> 00:07:55,297 さっきの家の子だ。 えっ? 99 00:07:55,297 --> 00:08:01,170 十兵衛んとこの長男坊だ。 100 00:08:01,170 --> 00:08:09,270 じゃあ あの銀杏は 母親を助けるために…。 101 00:08:10,846 --> 00:08:15,684 お礼なんて… 大切な銀杏を。 102 00:08:15,684 --> 00:08:19,454 (津川) ああ… 今日 貧乏長屋の往診ですか? 103 00:08:19,454 --> 00:08:23,554 ああ まあ。 104 00:08:26,161 --> 00:08:29,064 赤ひげの指図ですか? 105 00:08:29,064 --> 00:08:33,969 お上から止められているのに よくも まあ…。 106 00:08:33,969 --> 00:08:43,412 ♬~ 107 00:08:43,412 --> 00:08:45,347 いくら止められても➡ 108 00:08:45,347 --> 00:08:47,616 先生が往診をやめる事は ないでしょう。 109 00:08:47,616 --> 00:08:50,652 貧しい人々が 病で苦しんでいる限りは。 110 00:08:50,652 --> 00:08:54,389 我々は 無知と貧困と 闘わなければならない。 111 00:08:54,389 --> 00:08:56,325 それは分かっている。 112 00:08:56,325 --> 00:09:01,163 しかし そこに こだわり過ぎると 物事の本質を見誤る。 113 00:09:01,163 --> 00:09:03,799 森さんは どう思いますか? 114 00:09:03,799 --> 00:09:08,437 先生は何と? 先生ではない。 あなたに聞いているんだ。 115 00:09:08,437 --> 00:09:11,974 大体 森さんには 自分の考えというものがないのか? 116 00:09:11,974 --> 00:09:13,909 あるに決まっているだろう! 117 00:09:13,909 --> 00:09:16,812 大体 あなたは いつも あの人の追従しか言わない。 118 00:09:16,812 --> 00:09:18,747 そちらこそ 言わせてもらえば➡ 119 00:09:18,747 --> 00:09:22,618 先生に目をかけて頂きながら いつまで逆らったような態度をとる! 120 00:09:22,618 --> 00:09:26,521 自分の考えを言って 何が悪い!? 121 00:09:26,521 --> 00:09:34,763 うわっ… これは熱いな。 めんどくさいな。 122 00:09:34,763 --> 00:09:42,504 あら 戻ってらしたんですか? 保本先生 お客様が… いらしてますよ。➡ 123 00:09:42,504 --> 00:09:45,904 フフフ… お客様…。 124 00:09:51,947 --> 00:09:57,747 あの… こちら お母上から預かってきたものです。 125 00:10:14,636 --> 00:10:18,507 ♬~ 126 00:10:18,507 --> 00:10:21,810 (お杉)何をしているんですか? あっ…。 127 00:10:21,810 --> 00:10:25,681 いいから 早く… 早く! 128 00:10:25,681 --> 00:10:30,781 そっとだよ… そっとだよ。 そっとだよ…。 129 00:10:39,661 --> 00:10:46,168 (八重)「心配をかけましたが 私は もう大丈夫です。➡ 130 00:10:46,168 --> 00:10:52,341 先日 天野さんからも じかに お見舞いを頂きました。➡ 131 00:10:52,341 --> 00:10:58,013 その時 ある思いがけない申し出を 受けました。➡ 132 00:10:58,013 --> 00:11:00,916 私は 大変 驚きましたが➡ 133 00:11:00,916 --> 00:11:03,352 よくよく考えて➡ 134 00:11:03,352 --> 00:11:07,022 それが 一番よいのではないかと 思っています。➡ 135 00:11:07,022 --> 00:11:11,693 文にて伝えるべきか否か 迷いましたが➡ 136 00:11:11,693 --> 00:11:16,865 あなたにも考える暇がいるだろうと思い お伝えします」。 137 00:11:16,865 --> 00:11:19,768 何を もったいつけて…。 138 00:11:19,768 --> 00:11:24,039 天野さんは まさをさんを➡ 139 00:11:24,039 --> 00:11:29,639 あなたの嫁にどうかと おっしゃっています。 140 00:11:31,780 --> 00:11:35,317 え~!? まさをさんを…。 141 00:11:35,317 --> 00:11:39,654 えっ? あっ…! 何か 私の事が書いてあるんですか? 142 00:11:39,654 --> 00:11:42,691 あっ… いや…。 143 00:11:42,691 --> 00:11:45,327 あっ…。 はっ…。 144 00:11:45,327 --> 00:11:49,197 まさをさんは ご存じない? 145 00:11:49,197 --> 00:11:51,199 えっ? えっ? えっ? 146 00:11:51,199 --> 00:11:54,336 いや… あの… えっ…➡ 147 00:11:54,336 --> 00:11:59,007 あっ… まさをさんには 大変お世話になったと。 148 00:11:59,007 --> 00:12:05,507 ああ… いいえ 大した事は何もしておりません。 149 00:12:07,482 --> 00:12:14,189 そうすれば 全て丸く収まるのです。 150 00:12:14,189 --> 00:12:18,493 母も それを望みます。➡ 151 00:12:18,493 --> 00:12:25,200 まさをさんほど出来た娘は ほかにいないと思っています。 152 00:12:25,200 --> 00:12:38,647 ♬~ 153 00:12:38,647 --> 00:12:42,317 (子どもたち)頂きま~す! 154 00:12:42,317 --> 00:12:48,317 (十兵衛) ああ… いい声だ…。 155 00:13:02,704 --> 00:13:05,540 おっ母さん? うん? 156 00:13:05,540 --> 00:13:08,009 おっ母さんは食べないの? 157 00:13:08,009 --> 00:13:13,815 あっ… うん。 おっ母さん おなかの調子が悪いんだよ。 158 00:13:13,815 --> 00:13:16,815 ほら 長次も お食べ。 159 00:13:22,190 --> 00:13:25,093 あっ… あ~ いててて…。 160 00:13:25,093 --> 00:13:29,498 何だか 俺も おなか痛くなってきたな。 161 00:13:29,498 --> 00:13:31,433 えっ? 162 00:13:31,433 --> 00:13:35,136 おっ母さん 食べて。 俺 もう いらないから。 163 00:13:35,136 --> 00:13:37,806 厠に行ってくる。 164 00:13:37,806 --> 00:13:41,306 長次…。 165 00:13:43,311 --> 00:13:49,311 おっ母さん はい。 兄ちゃんの粥だよ。 166 00:13:52,821 --> 00:13:56,324 食べないの? 167 00:13:56,324 --> 00:14:01,824 おっ母さん 食べないの? 168 00:14:20,849 --> 00:14:26,849 うまい? うめえ? うまい? 169 00:14:38,800 --> 00:14:42,304 長次の粥…。 170 00:14:42,304 --> 00:14:47,642 あっ 子どものものを…。 171 00:14:47,642 --> 00:14:49,542 あ… ああ…! 172 00:14:53,815 --> 00:14:57,986 どうしたの? おっ母さん。 173 00:14:57,986 --> 00:15:04,459 ♬~ 174 00:15:04,459 --> 00:15:07,662 今日は 先に十兵衛の家に行く。 175 00:15:07,662 --> 00:15:14,762 へえ… また行くのかい? ああ。 176 00:15:16,838 --> 00:15:19,874 (子ども)長次の盗っ人! (子ども)盗っ人! 177 00:15:19,874 --> 00:15:22,010 (子ども)そうだ 盗っ人! 178 00:15:22,010 --> 00:15:23,945 (子どもたち)え~い! 痛い…。 179 00:15:23,945 --> 00:15:27,682 おい 何やってんだ! 180 00:15:27,682 --> 00:15:31,853 長次。 先生…。 181 00:15:31,853 --> 00:15:35,423 お前たち 何 言ってんだ 長次が盗っ人だ? 182 00:15:35,423 --> 00:15:37,359 でたらめ言うんじゃない。 183 00:15:37,359 --> 00:15:39,961 だって 見たって言うんだもん。 そうだ! 184 00:15:39,961 --> 00:15:43,298 (子どもたち)泥棒 泥棒! 誰が言った? 185 00:15:43,298 --> 00:15:47,168 だって おきぬって おばさんが。 186 00:15:47,168 --> 00:15:51,806 あの女か…。 187 00:15:51,806 --> 00:15:54,442 (竹造)どこに行く!? 188 00:15:54,442 --> 00:15:57,812 わっ…。 何だい… えっ? 189 00:15:57,812 --> 00:16:02,317 あんた! あっ…。 190 00:16:02,317 --> 00:16:05,320 もう! 191 00:16:05,320 --> 00:16:09,991 何だい いきなり! はあ…。 192 00:16:09,991 --> 00:16:14,663 長次が泥棒って どういう事だ? (おきぬ)うん? 193 00:16:14,663 --> 00:16:17,465 この辺りの子に 言い回ったそうじゃないか。 194 00:16:17,465 --> 00:16:24,239 ああ… そうさ。 けど 泥棒を泥棒と言って 何が悪い? 195 00:16:24,239 --> 00:16:27,842 私はね この目で見たんだよ。➡ 196 00:16:27,842 --> 00:16:32,280 あの子が泥棒するのをね。 えっ? 197 00:16:32,280 --> 00:16:35,784 ほら この先の通りに わかさ屋があるだろ? 198 00:16:35,784 --> 00:16:38,184 そこを通った時の事だよ。 199 00:16:47,295 --> 00:16:53,101 ♬~ 200 00:16:53,101 --> 00:16:58,306 壁板を? 一体 何のために…。 201 00:16:58,306 --> 00:17:02,644 はあ… たきつけに使うのさ。 202 00:17:02,644 --> 00:17:08,817 あの子の家はさ あのとおり 薪を買う金もないからね。➡ 203 00:17:08,817 --> 00:17:13,688 あの子はさ それを知ってたのさ。 204 00:17:13,688 --> 00:17:15,990 薪の代わりに…。 205 00:17:15,990 --> 00:17:17,926 けど 泥棒は泥棒だ。 206 00:17:17,926 --> 00:17:21,863 人様のものに 手をつけたんだからね。 207 00:17:21,863 --> 00:17:26,701 ≪(子ども)盗っ人 盗っ人! ≪(子ども)長次の泥棒! 208 00:17:26,701 --> 00:17:29,838 ≪(子ども)泥棒! (おきぬ)フフフ…。➡ 209 00:17:29,838 --> 00:17:33,608 ちゃんと懲らしめてくれてるじゃない。 210 00:17:33,608 --> 00:17:35,643 (子どもたち)盗っ人 盗っ人! 211 00:17:35,643 --> 00:17:39,481 かわいそうにねえ。 ≪(竹造)いい加減にしねえか! 212 00:17:39,481 --> 00:17:46,955 けなげに頑張ってもさ 所詮 こうなるんだ。 213 00:17:46,955 --> 00:17:52,761 貧しさってのはさ きれいなままじゃいられない。 214 00:17:52,761 --> 00:17:56,664 汚れちまうのさ…。 215 00:17:56,664 --> 00:18:03,972 フフッ フフフフフ…。 216 00:18:03,972 --> 00:18:06,875 一体 なぜ そんなまねをする? 217 00:18:06,875 --> 00:18:10,311 うん? あんな小さな子をおとしめて➡ 218 00:18:10,311 --> 00:18:16,111 お前に何の得がある? 219 00:18:26,327 --> 00:18:30,427 そうかい…。 220 00:18:31,199 --> 00:18:36,137 あんた そんな事も分からないんだね。 221 00:18:36,137 --> 00:18:38,973 何が分からないと言うんだ? 222 00:18:38,973 --> 00:18:42,410 ちっとは 胸のすく思いがするってもんさ。 223 00:18:42,410 --> 00:18:46,614 自分より哀れなやつを この目で見るとね。 224 00:18:46,614 --> 00:18:51,786 フフフフフ… ハハハハ…。 225 00:18:51,786 --> 00:18:57,592 それで なんとか 少しは笑って生きていけるってもんさ。 226 00:18:57,592 --> 00:19:03,798 フフッ ハハハハハ! 227 00:19:03,798 --> 00:19:09,304 往診のついでに 十兵衛の家を訪ねてきました。 228 00:19:09,304 --> 00:19:11,973 そうか。 229 00:19:11,973 --> 00:19:17,846 うん? 何があった? 230 00:19:17,846 --> 00:19:23,451 長次が… 泥棒をしました。 231 00:19:23,451 --> 00:19:26,321 チッ… はあ…。 232 00:19:26,321 --> 00:19:30,191 わかさ屋の裏の壁板を剥いで 持っていったそうです。 233 00:19:30,191 --> 00:19:34,395 たきつけの薪の代わりにするために…➡ 234 00:19:34,395 --> 00:19:38,995 家の窮状を救うために。 235 00:19:40,201 --> 00:19:43,938 私は…➡ 236 00:19:43,938 --> 00:19:48,810 思い上がっていました。 237 00:19:48,810 --> 00:19:51,679 保本。 238 00:19:51,679 --> 00:19:58,286 はい。 それ以上 自分を責めるな。 239 00:19:58,286 --> 00:20:15,986 ♬~ 240 00:20:45,700 --> 00:20:51,472 おっ母さん? 長次…。 241 00:20:51,472 --> 00:20:55,072 おっ母さん 大丈夫? 242 00:20:57,278 --> 00:21:02,378 長次 ここにおいで。 243 00:21:08,690 --> 00:21:11,726 お前のやった事は➡ 244 00:21:11,726 --> 00:21:15,196 全て分かっているんだよ。 245 00:21:15,196 --> 00:21:17,498 えっ? 246 00:21:17,498 --> 00:21:23,871 全て… おっ母さんのためだって事➡ 247 00:21:23,871 --> 00:21:26,171 分かっているんだよ。 248 00:21:42,256 --> 00:21:49,831 もう… 楽になろうね。 249 00:21:49,831 --> 00:22:03,845 ♬~ 250 00:22:03,845 --> 00:22:06,347 じゃあ また来るよ。 251 00:22:06,347 --> 00:22:09,851 (おふみ)ほら 気を付けるんだよ。 252 00:22:09,851 --> 00:22:13,354 あら お出かけかい? 253 00:22:13,354 --> 00:22:16,357 浅草寺に。 浅草寺? 254 00:22:16,357 --> 00:22:19,694 しばらく お参りに行ってなかったもので。 255 00:22:19,694 --> 00:22:22,730 ああ… そうかい。 行ってらっしゃい。 256 00:22:22,730 --> 00:22:25,867 行ってきます。 行ってきます。 257 00:22:25,867 --> 00:22:32,040 ♬~ 258 00:22:32,040 --> 00:22:35,309 あっ 鳴いた。 259 00:22:35,309 --> 00:22:47,321 ♬~ 260 00:22:47,321 --> 00:22:50,324 (お杉)あっ…。 261 00:22:50,324 --> 00:22:54,195 (足音) 262 00:22:54,195 --> 00:22:59,995 どうかしたんですか? 263 00:23:03,771 --> 00:23:10,271 何か 思い悩みの種でもあるんですか? 264 00:23:12,346 --> 00:23:16,684 どうしたら…➡ 265 00:23:16,684 --> 00:23:22,684 どうしたら 長次のような 哀れな子を助ける事ができる? 266 00:23:26,360 --> 00:23:29,363 (戸をたたく音) (おたつ)すいません!➡ 267 00:23:29,363 --> 00:23:33,801 誰か… 誰か 開けて下さい!➡ 268 00:23:33,801 --> 00:23:37,672 誰か… 誰か 開けて下さい!➡ 269 00:23:37,672 --> 00:23:40,975 先生 助けて下さい! これは? 270 00:23:40,975 --> 00:23:44,312 (おたつ)一家心中です! 一家心中!? 271 00:23:44,312 --> 00:23:47,648 中に入れ! よかった! 大丈夫だからな。 272 00:23:47,648 --> 00:23:51,152 ありがとうございます! 大丈夫だからな。 しっかりしろ! 273 00:23:51,152 --> 00:23:54,655 ♬~ 274 00:23:54,655 --> 00:23:57,158 長次! 275 00:23:57,158 --> 00:24:01,028 (おたつ)十兵衛さんの声が聞こえてきて 開けてみたら…。 276 00:24:01,028 --> 00:24:03,664 そっちの脈はどうだ? (津川)触れます!➡ 277 00:24:03,664 --> 00:24:06,167 呼吸も まだあります! よし! 278 00:24:06,167 --> 00:24:08,669 (十兵衛)ううっ…! 先生 血! 279 00:24:08,669 --> 00:24:12,369 おい! うう… うう…。 280 00:24:12,840 --> 00:24:16,477 このにおいは… 「石見銀山」だ! 281 00:24:16,477 --> 00:24:19,380 ねずみ取りをですか!? そんな猛毒を…! 282 00:24:19,380 --> 00:24:22,016 先生! 吐かせるよりほかあるまい! 283 00:24:22,016 --> 00:24:24,352 おい 湯と水を持ってこい! はい! 284 00:24:24,352 --> 00:24:26,287 升麻湯もだ! はい! 285 00:24:26,287 --> 00:24:29,987 子を優先させろ。 体力がもたん! (保本 森)はい! 286 00:24:30,858 --> 00:24:33,761 なかなか 飲み込まないな…。 287 00:24:33,761 --> 00:24:38,966 飲み込む力も残ってないか…。 そっちは どうだ? 288 00:24:38,966 --> 00:24:41,869 駄目です。 289 00:24:41,869 --> 00:24:43,769 くそ…。 290 00:24:47,675 --> 00:24:52,513 諦めるな。 我々 医者が負けてどうする! 291 00:24:52,513 --> 00:24:58,513 こんな理不尽に… 医者が負けてどうする! 292 00:25:02,657 --> 00:25:04,657 はい! 293 00:25:07,528 --> 00:25:09,528 先生! 294 00:25:14,835 --> 00:25:17,738 飯が こんなに…。 295 00:25:17,738 --> 00:25:20,341 間に合うかもしれんぞ。 えっ? 296 00:25:20,341 --> 00:25:24,679 最後に うまいもんでも食ったんだろう。 毒の吸収が遅れる。 297 00:25:24,679 --> 00:25:28,015 喉に詰まらぬよう かき出せ! はい! 298 00:25:28,015 --> 00:25:32,787 帰ってこい 長次! 帰ってこい! 299 00:25:32,787 --> 00:25:36,657 薬をのませるんだ。 はい! 300 00:25:36,657 --> 00:25:48,657 ♬~ 301 00:26:02,316 --> 00:26:08,816 助けられずに… すまない。 302 00:26:10,057 --> 00:26:15,029 一家心中なんて許せないよ! 子どもを道連れにする事ないじゃないか! 303 00:26:15,029 --> 00:26:20,334 (お光)ああ~! 304 00:26:20,334 --> 00:26:23,838 お光さん…。 305 00:26:23,838 --> 00:26:28,342 お光さんには 子どもがいたんですよ。➡ 306 00:26:28,342 --> 00:26:34,148 でも 6つの頃 はやり病にかかって…。 307 00:26:34,148 --> 00:26:39,787 私が殺したんだ… 私が おさよを殺したんだ。 308 00:26:39,787 --> 00:26:44,425 私が もっと早く気付いてやってれば…➡ 309 00:26:44,425 --> 00:26:48,796 あの子は死なずに済んだ。 310 00:26:48,796 --> 00:26:51,796 (お杉)そんな…。 311 00:26:59,307 --> 00:27:02,310 (せきこみ) 312 00:27:02,310 --> 00:27:06,981 長次… 長次。 313 00:27:06,981 --> 00:27:11,319 吐け… もっと吐け。 314 00:27:11,319 --> 00:27:13,254 先生…。 315 00:27:13,254 --> 00:27:16,190 長次 話しちゃ駄目だ。 316 00:27:16,190 --> 00:27:22,330 駄目だよ 先生… 今 言わないと…。 317 00:27:22,330 --> 00:27:26,200 話を聞いて…。 318 00:27:26,200 --> 00:27:29,203 長次…。 319 00:27:29,203 --> 00:27:34,408 俺… 泥棒をしたんだよ。 320 00:27:34,408 --> 00:27:37,778 (せきこみ) おい 長次…。 321 00:27:37,778 --> 00:27:40,778 水 飲まして…。 ああ。 322 00:27:42,416 --> 00:27:45,016 よし…。 323 00:27:46,287 --> 00:27:52,387 ゆっくり吸うんだ… ゆっくりだ… ゆっくり。 324 00:27:53,160 --> 00:27:58,432 先生… 俺が悪いんだよ。 325 00:27:58,432 --> 00:28:01,335 もういい… もういいから。 326 00:28:01,335 --> 00:28:04,238 おっ母さんと話したんだ…。 327 00:28:04,238 --> 00:28:11,312 俺のような 泥棒をするような子を 出してしまっては➡ 328 00:28:11,312 --> 00:28:14,648 もう駄目だって…。 329 00:28:14,648 --> 00:28:19,520 近所で 泥棒だって言われちゃえば➡ 330 00:28:19,520 --> 00:28:22,823 もう おしまいだって…。 331 00:28:22,823 --> 00:28:30,331 だから… みんなで死ぬ事にしたんだよ。 332 00:28:30,331 --> 00:28:38,139 俺が悪いんだよ… 俺が全部…。 333 00:28:38,139 --> 00:28:44,612 先生との約束だって 守れなかった…。 334 00:28:44,612 --> 00:28:46,647 約束? 335 00:28:46,647 --> 00:28:51,385 煎った銀杏をあげるって…。 336 00:28:51,385 --> 00:28:57,585 先生に煎った銀杏を…。 337 00:28:57,792 --> 00:28:59,727 よせよ。 338 00:28:59,727 --> 00:29:03,297 俺は 大して銀杏なんか好きじゃないんだ。 339 00:29:03,297 --> 00:29:07,134 そんな約束 俺は すっかり忘れてたぐらいだ。 340 00:29:07,134 --> 00:29:09,069 いや 駄目だ。 341 00:29:09,069 --> 00:29:13,007 長次 男だったら約束を守れ! 342 00:29:13,007 --> 00:29:16,444 えっ? (津川)そうだ 守れ。➡ 343 00:29:16,444 --> 00:29:22,249 男だったら 約束を守れ! そうだ。 約束したんだろ! 344 00:29:22,249 --> 00:29:29,657 ♬~ 345 00:29:29,657 --> 00:29:32,259 長次? 長次! 346 00:29:32,259 --> 00:29:35,259 長次! 長次! 347 00:29:36,931 --> 00:29:38,866 長次! 348 00:29:38,866 --> 00:29:41,268 (おふみ)そのまま…➡ 349 00:29:41,268 --> 00:29:48,068 死なせてやって下さい…。 350 00:29:47,775 --> 00:29:49,710 先生! 351 00:29:49,710 --> 00:29:55,282 そのまま… 死なせて…。 352 00:29:55,282 --> 00:29:57,785 何を言うんだ! 353 00:29:57,785 --> 00:30:02,289 このまま生きてたって➡ 354 00:30:02,289 --> 00:30:08,489 苦しむだけなんですから…。 355 00:30:09,163 --> 00:30:16,437 ≪(お光)長次! 長次~!➡ 356 00:30:16,437 --> 00:30:20,975 長次~!➡ 357 00:30:20,975 --> 00:30:24,645 長次~! 長次~! あの声は…。 358 00:30:24,645 --> 00:30:27,681 呼び戻しているんだ 長次を。 359 00:30:27,681 --> 00:30:32,820 ≪(お光)長次~! 井戸は 地面の底に続いている。 360 00:30:32,820 --> 00:30:35,456 死にかけている者を ああやって呼んでいれば➡ 361 00:30:35,456 --> 00:30:39,660 こっちへ帰ってくると 言われているんだ。 362 00:30:39,660 --> 00:30:52,840 長次~! 長次~! 長次~!➡ 363 00:30:52,840 --> 00:30:56,477 長次~!➡ 364 00:30:56,477 --> 00:31:05,185 長次~! 長次~! 長次~! 365 00:31:05,185 --> 00:31:12,693 (4人) 長次~! 長次~! 長次~! 長次~!➡ 366 00:31:12,693 --> 00:31:22,703 長次~! 長次~! 長次~!➡ 367 00:31:22,703 --> 00:31:32,813 長次~! 長次~! 長次~!➡ 368 00:31:32,813 --> 00:31:42,156 長次~! 長次~! 長次~! 369 00:31:42,156 --> 00:31:44,156 長次! 370 00:31:45,826 --> 00:31:48,462 長次… よし! 371 00:31:48,462 --> 00:31:50,397 吐くだけ吐かせたら あおむけに寝かせろ。 372 00:31:50,397 --> 00:31:53,397 津川 薬の用意だ! はい! 373 00:31:55,169 --> 00:31:57,471 助かるぞ。 374 00:31:57,471 --> 00:31:59,540 あ…。 375 00:31:59,540 --> 00:32:15,489 ♬~ 376 00:32:15,489 --> 00:32:20,027 (戸をたたく音) 377 00:32:20,027 --> 00:32:22,863 こんな遅くに何だ? 378 00:32:22,863 --> 00:32:26,734 (役人)ここに 一家心中の親子が運ばれたと聞いたが。 379 00:32:26,734 --> 00:32:29,370 皆 死んだ。 380 00:32:29,370 --> 00:32:33,307 フッ…。 何が おかしい? 381 00:32:33,307 --> 00:32:35,643 口ほどにもない。 382 00:32:35,643 --> 00:32:39,813 経費を増やせと言っときながら 人一人 助ける事ができないのか。 383 00:32:39,813 --> 00:32:45,113 何のための養生所だ! わしが ヤブ医者だからだ。 384 00:32:53,827 --> 00:32:58,165 気分は どうだ? 385 00:32:58,165 --> 00:33:02,670 ゆうべ 役人が来たが➡ 386 00:33:02,670 --> 00:33:06,070 皆 死んだと言って追い返した。 387 00:33:08,342 --> 00:33:13,213 何で… そんなうそを? 388 00:33:13,213 --> 00:33:19,053 あなたを 子殺しの罪から救うためです。 389 00:33:19,053 --> 00:33:26,493 どうか… 長次と2人➡ 390 00:33:26,493 --> 00:33:31,693 亡くなった子たちの分まで 生きていって下さい。 391 00:33:34,802 --> 00:33:40,307 先生…。 うん? 392 00:33:40,307 --> 00:33:44,178 どうして 人は…➡ 393 00:33:44,178 --> 00:33:51,018 生きて苦労するのは見ていられても➡ 394 00:33:51,018 --> 00:33:57,324 死ぬ事は放っておいて くれないんでしょうか。➡ 395 00:33:57,324 --> 00:34:04,665 子どもを… 3人も殺して…➡ 396 00:34:04,665 --> 00:34:11,765 この先 どうやって生きていけって 言うんですか。 397 00:34:13,841 --> 00:34:18,341 どうやって…。 398 00:34:20,714 --> 00:34:27,354 医者は無力だ。 我々は ここまでしかできない。 399 00:34:27,354 --> 00:34:32,854 お前の心までは救えない。 400 00:34:36,163 --> 00:34:42,836 しかしな… 生きてさえいれば➡ 401 00:34:42,836 --> 00:34:49,610 いつか きっと 生きていてよかった…➡ 402 00:34:49,610 --> 00:34:53,814 そう思える日が来る。 403 00:34:53,814 --> 00:34:56,114 きっと来る! 404 00:35:00,320 --> 00:35:04,825 その時 お前たちも…➡ 405 00:35:04,825 --> 00:35:08,462 我々も救われる。 406 00:35:08,462 --> 00:35:29,883 ♬~ 407 00:35:29,883 --> 00:35:33,420 おふみさんと長次が出立しました。 408 00:35:33,420 --> 00:35:36,323 そうか。 409 00:35:36,323 --> 00:35:40,794 どこか… 無事に落ち着けると いいんですが。 410 00:35:40,794 --> 00:35:43,430 うん。 411 00:35:43,430 --> 00:35:48,268 あの女も 長屋を出ていったらしい。 412 00:35:48,268 --> 00:35:52,806 あの女? おきぬだ。 413 00:35:52,806 --> 00:35:59,580 そうかい… 死んじまったのかい…。 414 00:35:59,580 --> 00:36:02,983 十兵衛の一家が心中をした後➡ 415 00:36:02,983 --> 00:36:08,856 我慢しきれなくなった長屋の連中に 袋だたきに遭ったそうだ。 416 00:36:08,856 --> 00:36:15,329 先ほど 竹造に 長次たちの安否を聞きに来た。 417 00:36:15,329 --> 00:36:23,529 あの女にも 一片の良心が残っていたんだ。 418 00:36:23,670 --> 00:36:30,544 やはり 無知と貧困のせいで…。 419 00:36:30,544 --> 00:36:35,782 そうならない者もいる。 えっ? 420 00:36:35,782 --> 00:36:42,656 どんなに貧しくても 心まで貧しくならない者もいる。 421 00:36:42,656 --> 00:36:48,495 長次は きっと貧困という毒に侵されず➡ 422 00:36:48,495 --> 00:36:53,200 強い心を持って 生きていく。 423 00:36:53,200 --> 00:36:56,803 そうだな? 424 00:36:56,803 --> 00:37:02,142 そうだな? 保本。 425 00:37:02,142 --> 00:37:04,645 はい。 426 00:37:04,645 --> 00:37:12,819 ♬~ 427 00:37:12,819 --> 00:37:16,323 どうしたの? 428 00:37:16,323 --> 00:37:26,833 ♬~ 429 00:37:26,833 --> 00:37:33,607 これ… いつか 先生にあげるんだ。 430 00:37:33,607 --> 00:37:46,186 ♬~ 431 00:37:46,186 --> 00:37:48,956 臭っ! 432 00:37:48,956 --> 00:37:59,132 ♬~ 433 00:37:59,132 --> 00:38:00,332 行こうか。