1 00:00:02,202 --> 00:00:07,608 痛~い! 痛~い! 2 00:00:07,608 --> 00:00:09,543 先生! どうだ? 3 00:00:09,543 --> 00:00:11,778 誤って 鍋をひっくり返してしまったようです。 4 00:00:11,778 --> 00:00:15,282 先生 お願いします! 泣くな。 男の子だろう。 5 00:00:15,282 --> 00:00:17,618 つぐみ 紫雲膏を用意しろ。 はい! 6 00:00:17,618 --> 00:00:21,488 ちょっとだけ痛いが我慢しろよ。 7 00:00:21,488 --> 00:00:24,291 うう~! 8 00:00:24,291 --> 00:00:26,293 よ~し いい子だ。 9 00:00:26,293 --> 00:00:29,129 半夏瀉心湯を5日分 出しておくから 煎じて飲むように。 10 00:00:29,129 --> 00:00:31,064 ああ ありがとうございます。 大事にな。 11 00:00:31,064 --> 00:00:34,001 待たせたな藤吉。 今日は どうした? 12 00:00:34,001 --> 00:00:36,003 (せきこみ) (おたね)大丈夫ですか? 13 00:00:36,003 --> 00:00:38,639 すぐに 先生が 診てくださいますからね。 14 00:00:38,639 --> 00:00:40,674 はい ありがとうございます。 15 00:00:40,674 --> 00:00:45,979 (せきこみ) お待ちくださいね。 16 00:00:45,979 --> 00:00:49,683 すいません 先生。 ちょっと通してください。 17 00:00:51,785 --> 00:00:56,156 ふう… まだまだ こんなに…。 18 00:00:56,156 --> 00:00:58,191 よし。 19 00:00:58,191 --> 00:01:01,395 (保本)<養生所は 今日も忙しい> 20 00:01:02,963 --> 00:01:05,399 すいません 保本先生の手をお借りして。 21 00:01:05,399 --> 00:01:07,467 構わんさ。 22 00:01:07,467 --> 00:01:11,972 <そんな中 私は とある ろうそく問屋に 向かっていた> 23 00:01:15,409 --> 00:01:19,212 ん~ よしよし。 フフフ。 24 00:01:20,948 --> 00:01:24,651 まあ 田山先生 お久しぶり。 25 00:01:26,286 --> 00:01:28,956 あら… こちらの方は? 26 00:01:28,956 --> 00:01:32,826 養生所の保本先生です。 保本です。 27 00:01:32,826 --> 00:01:36,830 この人のことは 我が 去定先生が 大いに買っておられます。 28 00:01:36,830 --> 00:01:39,433 私と同様に。 えっ? 29 00:01:39,433 --> 00:01:41,368 そうですか。 30 00:01:41,368 --> 00:01:45,138 では 坊やの様子を診ていただいても ようございますか? 31 00:01:45,138 --> 00:01:47,641 あっ はい。 32 00:01:47,641 --> 00:01:53,447 昨日は 何だか 夜泣きがひどくって しもの様子も いつもと違うようで。 33 00:01:53,447 --> 00:01:55,449 ええ。 34 00:02:00,587 --> 00:02:03,090 (田山)保本さん。 35 00:02:05,926 --> 00:02:07,928 はい。 36 00:02:13,600 --> 00:02:18,405 熱は ないようですね。 37 00:02:18,405 --> 00:02:21,274 痩せてもおらず 結構です。 38 00:02:21,274 --> 00:02:23,276 そうですか? 39 00:02:23,276 --> 00:02:27,080 ええ。 安静にしていれば よくなりますよ。 40 00:02:27,080 --> 00:02:32,285 あらそう。 フフッ よかったわね 坊や。 41 00:02:32,285 --> 00:02:36,289 今夜は ゆっくり眠れるわよ。 ウフフフ。 42 00:02:38,792 --> 00:02:40,727 (伝助)お嬢様。 はい。 43 00:02:40,727 --> 00:02:43,130 坊ちゃまのお食事が出来ましたよ。 44 00:02:43,130 --> 00:02:46,833 ありがとう。 では 先生。 45 00:02:58,445 --> 00:03:02,949 まあ おいしそうね 坊や。 46 00:03:05,252 --> 00:03:08,922 ありがとう。 47 00:03:08,922 --> 00:03:11,591 (おみよ)どうぞ。 48 00:03:11,591 --> 00:03:16,463 さあ た~んと お食べ。 フフフ。➡ 49 00:03:16,463 --> 00:03:20,100 ほらほら…。(伝助)こちらです。 そんなに慌てなくて大丈夫よ。 50 00:03:20,100 --> 00:03:22,769 全部 坊やのだからね。 51 00:03:22,769 --> 00:03:25,405 常に あのような調子なのです。 52 00:03:25,405 --> 00:03:27,941 一体 何が…? 53 00:03:27,941 --> 00:03:31,611 <病人は 幻の子と➡ 54 00:03:31,611 --> 00:03:36,416 幻の子を抱き続ける その母親だった> 55 00:03:36,416 --> 00:03:39,786 (お華)落ち着いて 落ち着いて。 56 00:03:39,786 --> 00:03:51,298 ♬~ 57 00:03:51,298 --> 00:03:56,970 改めまして 私は この店の番頭の伝助でございます。 58 00:03:56,970 --> 00:04:02,776 主が急死しまして にわかに番頭となりました。 59 00:04:02,776 --> 00:04:06,580 お華さんは 先代の一人娘ですが➡ 60 00:04:06,580 --> 00:04:10,917 先代が お亡くなりになってから 気の病にかかってしまい➡ 61 00:04:10,917 --> 00:04:14,788 長らく閉じ籠もりの暮らしを していましたが…➡ 62 00:04:14,788 --> 00:04:17,691 ある日 突然…。 63 00:04:17,691 --> 00:04:20,627 お嬢様… どうしたのですか? お嬢様! 64 00:04:20,627 --> 00:04:25,265 ほら 見て。 ようやく生まれたのよ 私の子が。 65 00:04:25,265 --> 00:04:30,403 ねっ かわいいでしょう。 ウフフ 坊やよ ウフフフ。 66 00:04:30,403 --> 00:04:33,774 あらあら 泣かないの。 67 00:04:33,774 --> 00:04:38,278 はいはい よしよし。 えっ? 68 00:04:38,278 --> 00:04:44,151 パッ! ウフフフフ ウフフフフ…。 よしよし。 69 00:04:44,151 --> 00:04:46,153 そのうち収まるだろうと➡ 70 00:04:46,153 --> 00:04:48,421 こちらも 調子を合わせていましたが➡ 71 00:04:48,421 --> 00:04:53,793 一向に収まる様子もなく もう1年余りになります。 72 00:04:53,793 --> 00:04:55,729 1年…。 73 00:04:55,729 --> 00:04:59,599 私は それより前から 時折 往診に来ていたのですが➡ 74 00:04:59,599 --> 00:05:02,903 そのころの お華は 食事も ほとんど とらず➡ 75 00:05:02,903 --> 00:05:05,238 やつれきっておりました。 76 00:05:05,238 --> 00:05:10,577 それが 幻の子の話をするようになってから➡ 77 00:05:10,577 --> 00:05:14,447 息を吹き返したかのように 明るくなって…。 78 00:05:14,447 --> 00:05:18,752 これは一体 どういうことでございましょうか? 79 00:05:18,752 --> 00:05:21,388 保本さんは 気鬱の病人を多く診ておられるから➡ 80 00:05:21,388 --> 00:05:24,291 何か分かるかと…。 81 00:05:24,291 --> 00:05:29,129 ええ。 確かなことは言えませんが➡ 82 00:05:29,129 --> 00:05:32,032 あの幻の赤子は➡ 83 00:05:32,032 --> 00:05:35,969 お華の心のよりどころ なのでしょう。 84 00:05:35,969 --> 00:05:38,605 よりどころ? 85 00:05:38,605 --> 00:05:42,943 それゆえ 幻の子を奪ってはいけない。 86 00:05:42,943 --> 00:05:46,646 お華は 心の支えを失ってしまう。 87 00:05:49,115 --> 00:05:53,286 では 本当の赤子が生まれたら➡ 88 00:05:53,286 --> 00:05:56,122 お嬢様は どうなりますでしょうか? 89 00:05:56,122 --> 00:05:58,158 えっ? 90 00:05:58,158 --> 00:06:00,360 ⚟(おみよ)失礼します。 91 00:06:06,233 --> 00:06:10,237 お嬢様は? お休みになりました。 92 00:06:10,237 --> 00:06:13,006 そうか。 93 00:06:13,006 --> 00:06:17,244 これは みよといいます。➡ 94 00:06:17,244 --> 00:06:21,248 みよは 長い間 お嬢様の お世話をしているのですが➡ 95 00:06:21,248 --> 00:06:23,583 半年ほど前➡ 96 00:06:23,583 --> 00:06:27,754 私たちは 夫婦になり 所帯を持ちました。 97 00:06:27,754 --> 00:06:31,558 お子が生まれるのですか? 98 00:06:36,096 --> 00:06:39,132 私は 何やら恐ろしいのです。 99 00:06:39,132 --> 00:06:42,936 私たちに子が生まれたら お嬢様は…。 100 00:06:45,605 --> 00:06:48,942 お願いします 先生! おい 何をしている。 101 00:06:48,942 --> 00:06:52,812 お願いします! お嬢様を お嬢様を…。 102 00:06:52,812 --> 00:06:56,283 ああ 私も できるだけのことはする。 103 00:06:56,283 --> 00:06:59,586 お嬢様を その…。 104 00:07:05,725 --> 00:07:07,761 何だ? その金は! 105 00:07:07,761 --> 00:07:11,064 それがですね 先生…。 106 00:07:15,235 --> 00:07:19,739 お華を この養生所に入れてほしいと。 107 00:07:19,739 --> 00:07:21,942 何? 108 00:07:23,910 --> 00:07:27,113 どういう訳だ? 109 00:07:29,249 --> 00:07:35,922 伝助は お華が 生まれてくる子に 害をなすと恐れているのです。 110 00:07:35,922 --> 00:07:38,591 もちろん この養生所は ほかに行く当てのない➡ 111 00:07:38,591 --> 00:07:41,928 貧しい者たちの救い所であると 申しました。 112 00:07:41,928 --> 00:07:45,398 そうしたら この金を…。 それで 受け取ってきたのか? 113 00:07:45,398 --> 00:07:51,204 あっ いや 受け取るまでは帰さないという勢いで。 114 00:07:51,204 --> 00:07:54,607 去定先生。 115 00:07:54,607 --> 00:07:56,943 たとえ断っても➡ 116 00:07:56,943 --> 00:07:59,779 伝助が お華を家から 追い出すようなことはないでしょう。 117 00:07:59,779 --> 00:08:06,286 ですが あのまま家にいても お華がよくなるとは思えません。 118 00:08:12,359 --> 00:08:18,231 私は 医者として このまま お華を見放したくないのです。 119 00:08:18,231 --> 00:08:21,067 この養生所での療治が➡ 120 00:08:21,067 --> 00:08:24,871 お華が よくなるきっかけになるのではないかと。 121 00:08:26,740 --> 00:08:30,076 いや やはり この金は 明日 返してきます。 122 00:08:30,076 --> 00:08:33,380 それは無用だ。 えっ? 123 00:08:33,380 --> 00:08:35,915 お華を入所させろ。 124 00:08:35,915 --> 00:08:39,252 えっ! 125 00:08:39,252 --> 00:08:42,255 何をするのですか! 大きな声を出すな。 126 00:08:42,255 --> 00:08:46,025 一体 どういうことですか? ここは 貧しい者たちの場所であるのに。 127 00:08:46,025 --> 00:08:48,395 そんな… 金のために病人を引き受けるなど。 128 00:08:48,395 --> 00:08:51,598 だから 保本さんも言っていただろう。 金のためだけではないと。 129 00:08:51,598 --> 00:08:54,934 それなら お金は返すべきでしょう! うるさい。 130 00:08:54,934 --> 00:08:58,772 あの… 津川先生。 はいはい 何ですかな? 131 00:08:58,772 --> 00:09:02,642 薬屋の使いが 今月の支払いは まだかと。 132 00:09:02,642 --> 00:09:07,881 ああ…。 なっ。 無知と貧困と闘うには金が要る。 133 00:09:07,881 --> 00:09:09,916 そうそう きれい事 言ってもいられない。 134 00:09:09,916 --> 00:09:13,053 そもそも 去定先生だって 金持ちの家に往診に出かけ➡ 135 00:09:13,053 --> 00:09:15,722 薬代として相場の10倍の金を…。 10倍! 136 00:09:15,722 --> 00:09:17,757 いや~ 100倍だったかな。 137 00:09:17,757 --> 00:09:20,593 えっ! いかに貧しい者のためとはいえ➡ 138 00:09:20,593 --> 00:09:22,595 そんなことをしていいのでしょうか? 139 00:09:22,595 --> 00:09:28,301 フフフ 若いな。 バカにしないでください! 140 00:09:28,301 --> 00:09:31,571 フフフ…。 おや 何ですか? 141 00:09:31,571 --> 00:09:34,240 仲が およろしいこと。 142 00:09:34,240 --> 00:09:37,243 何を…! 思い違いです! 143 00:09:37,243 --> 00:09:39,579 あっ! もう! 144 00:09:39,579 --> 00:09:42,782 あっ… それで お代は? 145 00:09:48,588 --> 00:09:53,460 「医者として お華を見放したくない」か。 146 00:09:53,460 --> 00:09:57,096 私に養生所を離れろと 仰せられますか? 147 00:09:57,096 --> 00:10:01,801 もう十分 後進を育てたのではないのか。 148 00:10:08,808 --> 00:10:14,114 <それから数日後 お華が養生所にやって来た> 149 00:10:19,352 --> 00:10:22,956 こんにちは。 150 00:10:22,956 --> 00:10:24,891 どなた? 151 00:10:24,891 --> 00:10:30,830 たねと申します。 おたねさん。 152 00:10:30,830 --> 00:10:34,667 おみよは? 伝助は? 153 00:10:34,667 --> 00:10:37,504 今 お帰りになりました。 154 00:10:37,504 --> 00:10:39,806 帰った? 155 00:10:39,806 --> 00:10:43,143 どうして? ここは どこなの? 156 00:10:43,143 --> 00:10:48,948 ここは お華さんが安心して過ごせる場所ですよ。 157 00:10:48,948 --> 00:10:50,884 えっ? 158 00:10:50,884 --> 00:10:57,390 お華さんと お華さんの坊やが 伸び伸びと暮らせる所なんですよ。 159 00:10:59,592 --> 00:11:04,097 はいはいはい。 こちらが お華さんのお布団。 160 00:11:04,097 --> 00:11:07,967 それから こっちが 坊やの お着替えですよ。 161 00:11:07,967 --> 00:11:11,838 何か 困ったことがあったら 何でも私たちにおっしゃってくださいな。 162 00:11:11,838 --> 00:11:14,274 (2人)うん。 163 00:11:14,274 --> 00:11:16,609 あら どうしたの? 坊や。 164 00:11:16,609 --> 00:11:20,280 おしめかな? ごはんかな? ハハハ…。 165 00:11:20,280 --> 00:11:22,215 (お常)バア~! アハハ…。 166 00:11:22,215 --> 00:11:25,418 余計に泣いてしまいますよ。 笑ってんだろ。 167 00:11:25,418 --> 00:11:31,124 <こうして お華は 皆の温かい心配りの中 迎えられた> 168 00:11:32,959 --> 00:11:35,795 お華を入所させることができて よかった。 169 00:11:35,795 --> 00:11:39,632 ええ。 去定先生も よく承知しましたね。 170 00:11:39,632 --> 00:11:45,305 私は 伝助の気持ちが よく分かるのだ。 伝助の? 171 00:11:45,305 --> 00:11:51,444 おなかの子に 父は 何もしてやることができない。 172 00:11:51,444 --> 00:11:56,149 ただ心配することしか できないのだから。 173 00:11:56,149 --> 00:11:58,985 まさをさん お加減はいかがですか? 174 00:11:58,985 --> 00:12:02,855 ああ。 まさをも おなかの子も健やかだ。 175 00:12:02,855 --> 00:12:06,092 保本先生は 幸せですよね。 176 00:12:06,092 --> 00:12:10,263 まさをさんは気立てがよく 料理も上手で。 いや…。 177 00:12:10,263 --> 00:12:14,767 まさをさんの おはぎ また食べたいものです。 あれは絶品です。 178 00:12:14,767 --> 00:12:18,471 分かった 伝えておく。 (田山)はい。 179 00:12:23,109 --> 00:12:25,411 おたねさんは お華さんの お世話があるからね。 180 00:12:25,411 --> 00:12:27,480 ここは 2人で頑張んないと! ですね! 181 00:12:27,480 --> 00:12:31,284 ねっ! よし。 お~ 精が出るねえ。 182 00:12:31,284 --> 00:12:34,420 あっ 津川先生 鍋の蓋! ああ。 183 00:12:34,420 --> 00:12:36,956 熱っ! あっ! 184 00:12:36,956 --> 00:12:38,891 (お常) ちょいちょい… そこのざる取って。 185 00:12:38,891 --> 00:12:40,827 はい ざる。 (お常)早く ほらほら ほらほら➡ 186 00:12:40,827 --> 00:12:43,429 早く ほらほら はいはい ちょっとね これをね 洗ってきて。 187 00:12:43,429 --> 00:12:47,967 はあ… あっちでもこっちでも こき使われることだな。 188 00:12:47,967 --> 00:12:51,270 (お常)ほらほら 早く いいから行ってきてよ もう ほら ほら。 189 00:12:54,440 --> 00:13:00,913 今日は いいお天気ね。 本当に。 190 00:13:00,913 --> 00:13:04,250 坊やを ひなたぼっこさせてもいいかしら。 191 00:13:04,250 --> 00:13:08,087 ええ。 お庭に出ましょうか。 192 00:13:08,087 --> 00:13:12,091 ええ フフフ。 193 00:13:13,893 --> 00:13:19,799 よしよし よしよし あっ 坊やが笑ってる。 194 00:13:19,799 --> 00:13:25,104 まあ 本当に。 いい子。 195 00:13:25,104 --> 00:13:28,141 おたねさん 抱いてみますか? 196 00:13:28,141 --> 00:13:30,443 えっ? 197 00:13:41,654 --> 00:13:45,124 おたねさん だっこがお上手ね。 198 00:13:45,124 --> 00:13:47,794 いいえ。 199 00:13:47,794 --> 00:13:51,297 もしかして おたねさん お子がいる? 200 00:13:58,438 --> 00:14:01,441 おたねさん? 201 00:14:01,441 --> 00:14:04,577 はい。 おりますよ。 202 00:14:04,577 --> 00:14:07,613 あら やっぱり そうなのね。 203 00:14:07,613 --> 00:14:14,253 坊やの遊び相手になってくださる? はい 喜んで。 204 00:14:14,253 --> 00:14:19,592 よかったわねえ 坊や。 あら ご機嫌がいいのね。 205 00:14:19,592 --> 00:14:22,395 坊やは 本当に おたねさんが好きなのね。 206 00:14:22,395 --> 00:14:25,765 (2人)フフフフ。 207 00:14:25,765 --> 00:14:38,778 ♬「ねんねん ころりよ おころりよ」 208 00:14:38,778 --> 00:14:46,953 (おたね お華)♬「坊やは よい子だ」 先生。 209 00:14:46,953 --> 00:14:49,288 何だ? 210 00:14:49,288 --> 00:14:52,792 おたねが 昔のことを忘れてしまっているのは➡ 211 00:14:52,792 --> 00:14:58,498 おたねもまた 気の病を 抱えているからなのではないでしょうか? 212 00:15:01,501 --> 00:15:04,437 それなのに なぜ➡ 213 00:15:04,437 --> 00:15:09,909 気の病を抱える者が 気の病を抱える者の世話をする。 214 00:15:09,909 --> 00:15:12,812 危なくはないのでしょうか? 215 00:15:12,812 --> 00:15:15,715 それとも お華の世話をすることで➡ 216 00:15:15,715 --> 00:15:18,584 おたねが記憶を取り戻す きっかけになると お考えですか? 217 00:15:18,584 --> 00:15:22,922 おたねは 記憶を取り戻すことを望んでいる。 218 00:15:22,922 --> 00:15:26,626 病人のために手を尽くすのは 医者の務めだ。 219 00:15:29,395 --> 00:15:36,202 <おたねのこととなると 去定先生は どこか様子がおかしい> 220 00:16:12,738 --> 00:16:14,941 はあ…。 221 00:16:22,915 --> 00:16:26,252 お華さん? 222 00:16:26,252 --> 00:16:40,099 ♬~ 223 00:16:40,099 --> 00:16:44,303 お華さん。 どうしましたか? 224 00:16:46,772 --> 00:16:50,409 風邪をひきますよ。 225 00:16:50,409 --> 00:16:57,183 清吉さん どこへ行くの? 清吉さん。 226 00:16:57,183 --> 00:16:59,952 え? 227 00:16:59,952 --> 00:17:04,357 行かないで 私を置いていかないで。 228 00:17:04,357 --> 00:17:07,894 清吉さん 清吉さん…。 229 00:17:07,894 --> 00:17:09,829 お華さん! 230 00:17:09,829 --> 00:17:14,367 触るな! 触るな! 231 00:17:14,367 --> 00:17:17,737 清吉さん! 清吉さん! 232 00:17:17,737 --> 00:17:20,439 お華さん しっかりして。 離して! 233 00:17:22,074 --> 00:17:24,377 清吉さん 行かないで! 234 00:17:24,377 --> 00:17:27,914 おたね! おたね 大丈夫か? 行かないで 清吉さん! 235 00:17:27,914 --> 00:17:33,786 (田山)落ち着け お華! 離して! 清吉さん 行かないで! 236 00:17:33,786 --> 00:17:38,090 (田山)落ち着け。 (お華)待って! 待って! 清吉さん! 237 00:17:57,977 --> 00:18:11,490 ♬「ねんねん ころりよ おころりよ」 238 00:18:17,063 --> 00:18:19,098 気が付いたか? 239 00:18:19,098 --> 00:18:23,736 お華さんは? 大丈夫だ。 もう落ち着いた。 240 00:18:23,736 --> 00:18:27,073 はあ~ よかった。 241 00:18:27,073 --> 00:18:31,243 よくなどない。 えっ? 242 00:18:31,243 --> 00:18:35,247 お前に けがをさせてしまった。 よくなどない。 243 00:18:35,247 --> 00:18:44,590 フフフ。 これしきのこと けがのうちに入りません。 244 00:18:44,590 --> 00:18:48,461 いや 全ては わしのせいだ。 245 00:18:48,461 --> 00:18:52,331 すまん。 246 00:18:52,331 --> 00:19:00,206 どうやら私には 子がいたようです。 247 00:19:00,206 --> 00:19:03,709 お華さんに 調子を合わせていましたが➡ 248 00:19:03,709 --> 00:19:09,415 本当に この胸に自分の子を 抱いたことがあるようです。 249 00:19:11,450 --> 00:19:14,420 そうか。 250 00:19:14,420 --> 00:19:17,123 ⚟(おたね)はい。 251 00:19:24,563 --> 00:19:28,067 お嬢様が暴れるなど そんな…。 252 00:19:28,067 --> 00:19:32,371 伝助 今日 ここへ来たのはな…。 お願いです。 253 00:19:32,371 --> 00:19:35,274 お嬢様を 養生所から追い出さないでください。 254 00:19:35,274 --> 00:19:38,177 お願いします。 おい 伝助。 255 00:19:38,177 --> 00:19:41,080 このとおり このとおりでございます。 256 00:19:41,080 --> 00:19:46,252 いや お華を引き取れという話をしに 来たのではない。 257 00:19:46,252 --> 00:19:49,922 えっ さようで? 258 00:19:49,922 --> 00:19:53,759 清吉とは 誰なんだ?➡ 259 00:19:53,759 --> 00:19:56,262 お華が 何度も その名を呼んでいた。 260 00:19:56,262 --> 00:19:58,764 深い縁のある者ではないのか? 261 00:20:00,766 --> 00:20:02,701 その…。 262 00:20:02,701 --> 00:20:06,105 話してみろ 伝助。 263 00:20:06,105 --> 00:20:08,107 伝助。 264 00:20:12,778 --> 00:20:16,482 はい…。 265 00:20:19,118 --> 00:20:22,788 清吉は番頭で 伝助の兄貴分だったそうです。 266 00:20:22,788 --> 00:20:25,691 そして お華の婿になるはずだったと。 267 00:20:25,691 --> 00:20:29,128 ですが 信用されているのをいいことに➡ 268 00:20:29,128 --> 00:20:32,164 店の金を盗んで 出奔してしまったようです。 269 00:20:32,164 --> 00:20:35,901 父親を亡くし 相次いで許婚に裏切られ➡ 270 00:20:35,901 --> 00:20:39,438 お華は あのような はめになってしまったと。 271 00:20:39,438 --> 00:20:41,373 保本。 はい。 272 00:20:41,373 --> 00:20:44,310 田山の言うことに 間違いはないのか? 273 00:20:44,310 --> 00:20:50,649 はい。 伝助がそう言ったことには 間違いありません。 274 00:20:50,649 --> 00:20:54,820 ん? ですが…。 275 00:20:54,820 --> 00:20:57,156 話は よく分かった。 276 00:20:57,156 --> 00:21:03,395 だが… なぜ それを先に言わなかった? 277 00:21:03,395 --> 00:21:06,599 そうだ。 そのようなことがあったのなら➡ 278 00:21:06,599 --> 00:21:09,401 我々に先に話すのが筋だろう。 279 00:21:11,103 --> 00:21:14,974 商いをしておりますゆえ 店の恥になることは…。 280 00:21:14,974 --> 00:21:17,877 でもな 伝助。 申し訳ありません。 281 00:21:17,877 --> 00:21:21,280 このとおりでございます。 282 00:21:21,280 --> 00:21:25,951 私には 伝助は まだ 何か隠しているように見えました。 283 00:21:25,951 --> 00:21:28,988 何かとは 何ですか? 284 00:21:28,988 --> 00:21:35,194 そう言われても…。 ただ そう感じたのです。 285 00:21:40,432 --> 00:21:43,335 どうぞ 旦那様。 286 00:21:43,335 --> 00:21:46,238 体を大事にしろよ。 287 00:21:46,238 --> 00:21:49,975 もう お前一人だけの体では ないのだからな。 288 00:21:49,975 --> 00:21:53,479 はい お気を付けて。 289 00:22:10,296 --> 00:22:13,499 えっ! えっ えっ えっ えっ! 290 00:22:15,267 --> 00:22:17,937 清吉兄貴! 291 00:22:17,937 --> 00:22:22,107 一体どういうことなんだ? 292 00:22:22,107 --> 00:22:35,654 ♬~ 293 00:22:35,654 --> 00:22:42,127 あの… どなたですか?➡ 294 00:22:42,127 --> 00:22:45,798 ど… ど… 泥棒! 295 00:22:45,798 --> 00:22:48,701 (津川)どうした? どうした? (お雪)泥棒! 泥棒! 296 00:22:48,701 --> 00:22:51,203 待て! おい! 297 00:22:53,138 --> 00:22:57,009 痛っ! おい待て! 298 00:22:57,009 --> 00:22:59,311 (お雪)先生! 299 00:23:00,946 --> 00:23:06,085 待てい! うお~! 300 00:23:06,085 --> 00:23:08,587 どこへ行く! イテッ! 301 00:23:10,756 --> 00:23:12,791 おとなしくすれば骨までは折らん! 302 00:23:12,791 --> 00:23:14,927 大丈夫ですか? 303 00:23:14,927 --> 00:23:18,597 ここで働くには 柔術でも学んだ方がよさそう。 304 00:23:18,597 --> 00:23:20,532 イテテテ…。 305 00:23:20,532 --> 00:23:22,768 あいにく ここには 金めのものはないぞ。 306 00:23:22,768 --> 00:23:25,404 いや… 私は泥棒ではありません。 307 00:23:25,404 --> 00:23:28,307 何? 私は…。 308 00:23:28,307 --> 00:23:39,318 ♬「ねんねん ころりよ おころりよ」 309 00:23:41,620 --> 00:23:46,425 お前 清吉だな。 310 00:23:52,298 --> 00:23:57,636 伝助という男に うちの若い医者が お前について話を聞いてきた。 311 00:23:57,636 --> 00:23:59,638 座れ。 312 00:24:02,241 --> 00:24:07,579 お前は 店の金を奪い 許婚のお華を捨てて➡ 313 00:24:07,579 --> 00:24:12,251 ある日 突然 出奔したそうだが それは まことか? 314 00:24:12,251 --> 00:24:14,253 どうなんだ? 315 00:24:18,390 --> 00:24:20,326 はあ~! 316 00:24:20,326 --> 00:24:24,096 お前が そうやって 口をつぐんでいる限り➡ 317 00:24:24,096 --> 00:24:28,967 お華は 一生 闇の中にいるままだぞ。 318 00:24:28,967 --> 00:24:32,471 それでもいいのか! 319 00:24:39,411 --> 00:24:49,788 ♬「ねんねん ころりよ おころりよ」 320 00:24:49,788 --> 00:24:53,425 お華さんの父親である先代は➡ 321 00:24:53,425 --> 00:25:00,132 私にとっても 父親同然の方でした。 322 00:25:00,132 --> 00:25:04,103 幼い頃に奉公に上がった私を➡ 323 00:25:04,103 --> 00:25:08,240 実の息子のように かわいがってくださり➡ 324 00:25:08,240 --> 00:25:11,577 商いの全てを教えてくれました。 325 00:25:11,577 --> 00:25:13,512 全く お前は。 326 00:25:13,512 --> 00:25:18,817 将来の舅に向かって 手加減なしなのだから。 327 00:25:20,919 --> 00:25:24,790 お父っつぁんたら! 清吉さんは 明日も朝早いんですからね。 328 00:25:24,790 --> 00:25:27,092 休ませてあげて。 じゃあ。 いやいや いやいや もう少し。 329 00:25:27,092 --> 00:25:31,930 (清吉) 先代とお華さんと共に過ごした日々は➡ 330 00:25:31,930 --> 00:25:36,602 本当に幸せでした。 331 00:25:36,602 --> 00:25:43,776 しかし 幸せは長くは続きませんでした。➡ 332 00:25:43,776 --> 00:25:47,780 先代が病に倒れたのです。 333 00:25:50,549 --> 00:26:00,893 清吉… お前に大切な話がある。 えっ…? 334 00:26:00,893 --> 00:26:04,363 頼む 清吉。 335 00:26:04,363 --> 00:26:09,068 (清吉)先代の話は 驚くべきものでした。 336 00:26:09,068 --> 00:26:12,371 人に唆されて 相場に手を出し➡ 337 00:26:12,371 --> 00:26:17,743 店の身代を全て失ってしまったと…。 338 00:26:17,743 --> 00:26:25,083 病の床で 何度も「頼む」と言いました。 339 00:26:25,083 --> 00:26:29,955 「なんとか店を守ってほしい。 頼む」と。➡ 340 00:26:29,955 --> 00:26:33,792 それから間もなく 先代は亡くなり➡ 341 00:26:33,792 --> 00:26:38,931 店には 借金だけが残りました。 342 00:26:38,931 --> 00:26:43,101 これから どうすればいいのか…。➡ 343 00:26:43,101 --> 00:26:48,974 頭の中には 絶えず先代の言葉が…➡ 344 00:26:48,974 --> 00:26:54,680 「頼む清吉 頼む」と。 345 00:26:57,616 --> 00:27:02,221 その時 あることを思いついたんです。 346 00:27:02,221 --> 00:27:07,893 私が先代の金を盗んで 出奔したことにすればいいと。➡ 347 00:27:07,893 --> 00:27:13,699 そうすれば 周りの同情を買い 店を守ることができると。 348 00:27:13,699 --> 00:27:17,569 先代の恩に報いるためには そうするよりほかにないと。 349 00:27:17,569 --> 00:27:25,244 お華は… お華は どうするつもりだったんだ? 350 00:27:25,244 --> 00:27:32,117 私の企てを 弟分の伝助に全て話しました。 351 00:27:32,117 --> 00:27:38,790 そして お華さんのことを頼みました。 352 00:27:38,790 --> 00:27:46,098 2人が夫婦になって 店を守ってほしいと。 353 00:27:48,467 --> 00:27:52,771 伝助は お華さんに ほれていましたから。 354 00:27:52,771 --> 00:27:58,410 隠していても 私には分かっていました。 355 00:27:58,410 --> 00:28:04,883 伝助は 真面目で働き者の男です。 356 00:28:04,883 --> 00:28:14,560 伝助ならば きっと きっと➡ 357 00:28:14,560 --> 00:28:21,233 お華さんのことを 幸せにしてくれると思いました。 358 00:28:21,233 --> 00:28:32,578 伝助に全てを託して 私は 店から姿を消しました。 359 00:28:32,578 --> 00:28:38,083 ですが 伝助は…。 360 00:28:38,083 --> 00:28:43,956 一体 どういうことなんだ? 361 00:28:43,956 --> 00:28:47,259 伝助! 362 00:28:47,259 --> 00:28:51,263 なぜ お華さんと 一緒にならなかったんだ! 363 00:28:51,263 --> 00:28:54,933 お華さんは 今 どこにいる? 364 00:28:54,933 --> 00:29:00,706 兄貴… 私は 心を尽くして お嬢様に向き合いました。 365 00:29:00,706 --> 00:29:03,609 お嬢様の心が癒やされて➡ 366 00:29:03,609 --> 00:29:08,580 私を受け入れてくれるのを 辛抱強く待ちました。 367 00:29:08,580 --> 00:29:17,556 でも… どんなに待っても その日は来なかった。 368 00:29:17,556 --> 00:29:23,061 お嬢様にとって 兄貴の代わりは どこにもいないんです。 369 00:29:23,061 --> 00:29:27,766 お嬢様は 今でも 兄貴を待ち続けているんです。 370 00:29:29,835 --> 00:29:32,137 幻の子と一緒に…。 371 00:29:33,772 --> 00:29:36,575 幻の子? 372 00:29:38,910 --> 00:29:45,784 お華さんが まさか そんな…。 373 00:29:45,784 --> 00:29:49,554 つまりは 店のため 先代のため➡ 374 00:29:49,554 --> 00:29:53,392 お華のためにやったということか。 375 00:29:53,392 --> 00:29:55,761 はい…。 376 00:29:55,761 --> 00:30:04,269 しかしな お前は重い罪を犯した。 377 00:30:04,269 --> 00:30:08,940 お前は 自らが全ての罪を背負い➡ 378 00:30:08,940 --> 00:30:14,279 事を丸く収めようと思ったんだろうが そんなのは お前の独りよがりだ。 379 00:30:14,279 --> 00:30:18,116 お前は 最も大切な人を傷つけた。 380 00:30:18,116 --> 00:30:21,787 心を病むほどに➡ 381 00:30:21,787 --> 00:30:28,660 お前に深い愛情を寄せる お華を軽んじたのだ。 382 00:30:28,660 --> 00:30:34,966 その罪は重い。 重いぞ。 383 00:30:39,638 --> 00:30:44,309 清吉さん➡ 384 00:30:44,309 --> 00:30:47,979 清吉さんのお嫁さんになるよりほかに➡ 385 00:30:47,979 --> 00:30:51,183 私は 何の望みもございません。 386 00:30:53,151 --> 00:30:56,054 お華さん➡ 387 00:30:56,054 --> 00:30:59,458 一緒になってくださいまし。 388 00:30:59,458 --> 00:31:04,596 2人一緒にいれば どんなに つらいことがあっても➡ 389 00:31:04,596 --> 00:31:07,265 乗り越えていけます。 390 00:31:07,265 --> 00:31:23,615 ♬~ 391 00:31:23,615 --> 00:31:30,956 私は どうすれば…。 392 00:31:30,956 --> 00:31:33,859 お前は 何のために ここへ来た? 393 00:31:33,859 --> 00:31:37,429 それは お華さんのことが 心配で たまらなくて…。 394 00:31:37,429 --> 00:31:44,202 ならば こそこそ隠れていないで お華と向き合え。 395 00:31:44,202 --> 00:31:50,208 今のお華と 正面から向き合い お前の その気持ちを伝えろ。 396 00:32:06,091 --> 00:32:11,396 うん。 ねえ~ うん。 よかったわ。➡ 397 00:32:11,396 --> 00:32:18,103 フフフ… うん フフフ…。 398 00:32:18,103 --> 00:32:22,307 (お華)よしよし フフフ…。 399 00:32:35,120 --> 00:32:39,958 あなた お子はいる? 400 00:32:39,958 --> 00:32:45,630 いるなら うちの坊やと遊ばせてくださる?➡ 401 00:32:45,630 --> 00:32:50,435 一緒に遊ぶと 楽しいわよ。 フフフ。 402 00:32:50,435 --> 00:32:54,306 あら よしよし。 泣かないの。 ウフフ。 403 00:32:54,306 --> 00:32:58,610 ねっ うん よしよし。 お華さん。 404 00:33:04,115 --> 00:33:11,790 あの時 お華さんに 全て お話しすべきでした。 405 00:33:11,790 --> 00:33:17,262 そして どんなに険しい道であったとしても➡ 406 00:33:17,262 --> 00:33:21,967 2人で生きていく道を探すべきでした。 407 00:33:27,606 --> 00:33:33,945 2人一緒にいれば どんなに つらいことも➡ 408 00:33:33,945 --> 00:33:37,649 乗り越えていけたはずだったのに。 409 00:33:50,295 --> 00:33:54,633 ⚟(お華)清吉さん。 410 00:33:54,633 --> 00:33:58,436 どこ? どこにいるの? 清吉さん…。 411 00:33:58,436 --> 00:34:01,439 お嬢様 お嬢様。 いや! 離して! 412 00:34:01,439 --> 00:34:06,745 清吉さん…! 2人一緒にいれば どんなに つらいことがあっても➡ 413 00:34:06,745 --> 00:34:11,249 乗り越えていけるって 言ったじゃない。➡ 414 00:34:11,249 --> 00:34:15,587 どうして 私を置いていくの?➡ 415 00:34:15,587 --> 00:34:20,091 どうして 私を一人にするの? 416 00:34:20,091 --> 00:34:22,127 清吉さん! 417 00:34:22,127 --> 00:34:35,140 (泣き声) 418 00:34:37,943 --> 00:34:42,647 私は 本当に愚かでした。 419 00:34:46,618 --> 00:34:53,291 取り返しのつかない誤った道を選び➡ 420 00:34:53,291 --> 00:35:00,799 お華さんを苦しめ続ける道を選び…。 421 00:35:08,239 --> 00:35:10,942 お華さん…。 422 00:35:22,587 --> 00:35:39,037 ♬~ 423 00:35:39,037 --> 00:35:43,775 ご機嫌ね。 フフフ。 424 00:35:43,775 --> 00:35:49,114 いいお天気ね。 フフフ。 425 00:35:49,114 --> 00:35:51,116 (清吉)こんにちは。 426 00:36:04,562 --> 00:36:11,236 坊やは ご機嫌ですか? ええ フフフ。 427 00:36:11,236 --> 00:36:16,041 寒くはありませんか? ええ。 428 00:36:18,576 --> 00:36:23,748 <清吉は 辛抱強く お華のもとに通い続けた> 429 00:36:23,748 --> 00:36:31,756 ♬「ねんねん ころりよ おころりよ」 430 00:36:34,459 --> 00:36:37,162 どうしました? 431 00:36:47,772 --> 00:36:59,284 ♬「ねんねん ころりよ おころりよ」 432 00:36:59,284 --> 00:37:05,223 (清吉 お華) ♬「坊やは よい子だ ねんねしな」 433 00:37:05,223 --> 00:37:11,229 <去定先生が 清吉が罪人ではないことを 奉行所に申し出て➡ 434 00:37:11,229 --> 00:37:13,932 清吉の罪は消えた> 435 00:37:16,367 --> 00:37:19,070 <そして…> 436 00:37:19,070 --> 00:37:23,241 (清吉)どうぞ。 (お華)ありがとう。 437 00:37:23,241 --> 00:37:25,577 行きましょうか。 うん。 438 00:37:25,577 --> 00:37:30,381 <清吉は 落ち着く先を見つけ お華を迎えに来た> 439 00:37:32,751 --> 00:37:39,090 達者でな。 はい 本当にありがとうございました。 440 00:37:39,090 --> 00:37:43,394 おたねさん 会えなくなって寂しい。 441 00:37:43,394 --> 00:37:45,897 お幸せにね。 442 00:37:48,767 --> 00:37:52,637 では…。 行きましょう。 443 00:37:52,637 --> 00:37:54,639 気を付けてな。 444 00:38:04,249 --> 00:38:08,887 お華さんは➡ 445 00:38:08,887 --> 00:38:11,723 気の病を すっかり治し➡ 446 00:38:11,723 --> 00:38:16,895 いつか 清吉さんのことを 思い出すことが できるんでしょうか? 447 00:38:16,895 --> 00:38:20,765 おたね…。 それは分からん。 448 00:38:20,765 --> 00:38:27,071 ただ 清吉は お華を守ることを心に決めた。 449 00:38:27,071 --> 00:38:32,944 お華の全てを受け入れ 守り抜くことを決めた。 450 00:38:32,944 --> 00:38:37,582 その思いは 必ず お華に届く。 必ずだ。 451 00:38:37,582 --> 00:38:39,517 はい。 452 00:38:39,517 --> 00:38:44,255 そして やがて 2人の間に 子が できることもあるだろう。 453 00:38:44,255 --> 00:38:49,127 その時に 幻の子は消える。 454 00:38:49,127 --> 00:38:54,332 赤子には 人の心を癒やす力があるからな。 455 00:39:01,673 --> 00:39:05,877 楽しみだねえ。 どっちに似るんだろうねえ。 456 00:39:05,877 --> 00:39:08,913 (お雪)どちらに似ても かわいいんでしょうねえ➡ 457 00:39:08,913 --> 00:39:12,650 保本先生! いやいやいや。 458 00:39:12,650 --> 00:39:16,221 (笑い声) まさをさん。 459 00:39:16,221 --> 00:39:20,058 あっ 田山先生 つぐみちゃん。 こんにちは。 460 00:39:20,058 --> 00:39:21,993 こんにちは。 こんにちは。 461 00:39:21,993 --> 00:39:25,563 あっ まさをさん それは もしや…。 462 00:39:25,563 --> 00:39:29,067 はい。 田山先生がお好きだと聞いたので。 463 00:39:29,067 --> 00:39:31,736 しっかり伝えておいたぞ。 どうぞ召し上がって。 464 00:39:31,736 --> 00:39:34,572 ええ。 頂きます。 465 00:39:34,572 --> 00:39:38,743 つぐみちゃんも。 うまいですね。そうだよね~。 466 00:39:38,743 --> 00:39:41,246 どうぞ~。 ありがとうございます。 467 00:39:41,246 --> 00:39:44,082 う~ん うまっ。 ぐっ…。 468 00:39:44,082 --> 00:39:46,985 あっ 大丈夫ですか? (お常)ほら がっつくから。 469 00:39:46,985 --> 00:39:50,755 お茶が入りましたよ。 470 00:39:50,755 --> 00:39:53,658 (お常)はい ありがとう。 471 00:39:53,658 --> 00:39:57,095 まさを。 こちら おたねさんだ。 472 00:39:57,095 --> 00:40:01,766 あっ まさをです。 いつも 夫が お世話になっております。 473 00:40:01,766 --> 00:40:05,103 こちらこそ。 474 00:40:05,103 --> 00:40:10,408 おたねさんも おひとつ いかがですか? まあ ありがとうございます。 475 00:40:10,408 --> 00:40:14,279 どうぞ 召し上がってください。 頂きます。 476 00:40:14,279 --> 00:40:16,281 お口に合うかどうか。 477 00:40:19,951 --> 00:40:23,421 う~ん おいしい。 478 00:40:23,421 --> 00:40:26,958 あ~ よかった。 ねえ~ そうなんだよ。 479 00:40:26,958 --> 00:40:31,829 おや まだ残ってますね。 では…。 480 00:40:31,829 --> 00:40:36,301 駄目です。 往診に出ている津川先生の分です。 481 00:40:36,301 --> 00:40:38,803 ああ そうか。 482 00:40:38,803 --> 00:40:42,440 (つぐみ)全く 津川先生は 仮にも先輩ではないですか! 483 00:40:42,440 --> 00:40:44,509 そんなに怒らなくてもいいだろ。 484 00:40:44,509 --> 00:40:50,982 (笑い声) 485 00:40:50,982 --> 00:40:53,885 ちょっと おたねさん。➡ 486 00:40:53,885 --> 00:40:57,455 どうしたんだい? 487 00:40:57,455 --> 00:41:02,260 あっ いえ…。 おたねさん どうしたんですか? 488 00:41:04,762 --> 00:41:08,633 我が子を胸に抱くということは➡ 489 00:41:08,633 --> 00:41:12,937 本当に幸せなもの。 490 00:41:12,937 --> 00:41:19,277 どうぞ お体 大事になさって。 元気な子を産んでくださいね。 491 00:41:19,277 --> 00:41:23,281 はい。 492 00:41:46,137 --> 00:41:59,450 ♬「ねんねん ころりよ おころりよ」 493 00:42:05,089 --> 00:42:10,595 お前は今 どこにいるの? 494 00:42:10,595 --> 00:42:23,307 ♬~ 495 00:42:25,943 --> 00:42:27,879 食い逃げだ! 496 00:42:27,879 --> 00:42:30,615 なぜ 無一文になった? 申せません。 497 00:42:30,615 --> 00:42:34,118 親身になって世話をしていれば いずれ話すだろう。 498 00:42:34,118 --> 00:42:36,788 お雪さんのおかげで 早く よくなりそうだ。 499 00:42:36,788 --> 00:42:40,658 やっと 私の値打ちを分かってくれる人が 現れた。 500 00:42:40,658 --> 00:42:43,127 兄たちとは 母が違うんです。 501 00:42:43,127 --> 00:42:45,797 本当のおっ母さんは? 分かりません。 502 00:42:45,797 --> 00:42:47,732 月光菩薩? 503 00:42:47,732 --> 00:42:49,967 これは 本当の母親のものかも。 504 00:42:49,967 --> 00:42:54,672 お前が幸介のために 何かしてやりたいと思う気持ちは大事だ。