1 00:00:03,003 --> 00:00:05,940 (芹亜)やりなさい。 思い切りやりなさい。 2 00:00:06,006 --> 00:00:08,943 (栃彦)うっ…。 3 00:00:09,009 --> 00:00:11,946 (芹亜)もっと。もっと! 4 00:00:12,012 --> 00:00:14,949 >>うっ。あっ。 (芹亜)ああ…。 5 00:00:15,015 --> 00:00:19,954 唯美。 栃彦さんを私にくれない? 6 00:00:20,020 --> 00:00:22,023 (唯美)えっ? 7 00:00:35,036 --> 00:00:38,973 {\an8}(芹亜)ねえ。ちょうだいよ。 お願いだからちょうだい。 8 00:00:39,039 --> 00:00:41,976 {\an8}どうせあんたたちは もう破滅でしょ? 9 00:00:42,042 --> 00:00:47,915 {\an8}リンゴもブドウも作れなくなって 生活基盤は失われちゃったし→ 10 00:00:47,982 --> 00:00:52,920 {\an8}栃彦さんはやけになってるし 夫婦関係もめちゃめちゃでしょ? 11 00:00:52,987 --> 00:00:58,926 {\an8}(唯美)よく言うわね。 めちゃめちゃにしたの誰なのよ? 12 00:00:58,993 --> 00:01:00,928 {\an8}(唯美)遥香さんに 有ること無いこと告げ口して→ 13 00:01:00,995 --> 00:01:03,931 {\an8}唆して農地を 取り上げさしたのは誰なのよ? 14 00:01:03,998 --> 00:01:05,933 {\an8}(芹亜)私はただ 目覚めてほしかっただけ。 15 00:01:06,000 --> 00:01:07,935 {\an8}(唯美)やっぱりあんたが。 16 00:01:08,002 --> 00:01:11,939 {\an8}(芹亜)こんな電気もガスも拒絶した ナチュラリストぶった生活が→ 17 00:01:12,006 --> 00:01:14,942 {\an8}偽物だって早く 気付いてほしいと思っただけなの。 18 00:01:15,009 --> 00:01:19,947 {\an8}(唯美)勝手なことばかりよくも。 (芹亜)どっちにしたって→ 19 00:01:20,014 --> 00:01:23,951 {\an8}こういうままごと生活は 成り立たなくなったのよ。 20 00:01:24,018 --> 00:01:28,956 {\an8}栃彦さん自身が もうこんな竪穴式住居の→ 21 00:01:29,023 --> 00:01:33,961 {\an8}弥生時代みたいな原始生活なんか まっぴらですって。 22 00:01:34,028 --> 00:01:36,964 {\an8}お断りですって。 23 00:01:37,031 --> 00:01:44,972 {\an8}フフフ…。笑わせるわね。 こんなぜんまい仕掛けの蓄音機。 24 00:01:45,039 --> 00:01:48,909 {\an8}子供だましじゃあるまいし。 25 00:01:48,976 --> 00:01:53,914 栃彦さんはね今ごろ テクニカルな再生装置で→ 26 00:01:53,981 --> 00:01:56,917 CDのシンフォニーを鳴らして→ 27 00:01:56,984 --> 00:02:01,922 体中べちょべちょにぬれて しびれてるわよ。 28 00:02:01,989 --> 00:02:06,927 (唯美)あの人が? CDのシンフォニーですって? 29 00:02:06,994 --> 00:02:08,929 (芹亜)そうよ。 心からの音楽好きが→ 30 00:02:08,996 --> 00:02:12,933 こんな前世紀の遺物で 満足できるわけないでしょ。 31 00:02:13,000 --> 00:02:17,938 私は彼を人並みの俗世界に 戻してやるわ。 32 00:02:18,005 --> 00:02:23,944 電力いっぱいの物質文明に Uターンさせてやる。 33 00:02:24,011 --> 00:02:30,951 唯美。いくら待っても 亭主は帰ってこない。 34 00:02:31,018 --> 00:02:34,955 待てども待てどもむなしいだけ。 35 00:02:35,022 --> 00:02:39,960 どうせ愛情も 干からびてるんだから→ 36 00:02:40,027 --> 00:02:46,033 あんたはあっさり彼を私に 譲り渡してくれればいいのよ。 37 00:02:47,968 --> 00:02:52,973 こうして 仁義も通してるんだからさ。 38 00:02:55,976 --> 00:03:01,916 (芹亜)いいわね?栃彦は私のものよ。 もらっちゃうわよ。 39 00:03:01,982 --> 00:03:06,987 おっと。 それはご法度でござんすよ。 40 00:03:09,990 --> 00:03:11,992 (唯美)あなたって…。 41 00:03:18,999 --> 00:03:25,940 (芹亜)フフフ…。そんなに悔しいの? 42 00:03:26,006 --> 00:03:28,943 だったらいいわよ。 43 00:03:29,009 --> 00:03:33,013 この服に 火を付けてごらんなさいよ。 44 00:03:38,018 --> 00:03:45,025 (芹亜)悔しいんだったらどうぞ。 火を付けてまる焼きにしたら? 45 00:03:50,965 --> 00:03:57,905 (芹亜)アハハ!アハハ! アハハ…! 46 00:03:57,972 --> 00:04:00,908 \(雷鳴) 47 00:04:00,975 --> 00:04:02,977 (唯美)嫌! 48 00:04:04,979 --> 00:04:06,981 嫌!うっ! 49 00:04:11,986 --> 00:04:17,925 (唯美)ああーっ! あーっ!嫌!嫌! 50 00:04:17,992 --> 00:04:23,931 ああ…。 あーっ! 51 00:04:23,998 --> 00:04:27,935 \(雷鳴) 52 00:04:28,002 --> 00:04:30,938 (唯美泣き声) 53 00:04:31,005 --> 00:04:36,010 (スピーカー)(♪“交響曲第5番”) 54 00:04:36,010 --> 00:04:40,014 ♪~ 55 00:04:40,014 --> 00:04:42,950 (鄭)栃彦さん。栃彦さん! 56 00:04:43,017 --> 00:04:46,887 (栃彦)すごいじゃないか。 ベートーベンは偉大じゃないか。 57 00:04:46,954 --> 00:04:51,892 (鄭)えっ。偉大ですけど。 (栃彦)黙って聴け。→ 58 00:04:51,959 --> 00:04:56,897 圧倒的なこの音響に ひざまずけ! 59 00:04:56,964 --> 00:04:59,900 (鄭)唯美さんが心配してる。 違いますか? 60 00:04:59,967 --> 00:05:01,902 (栃彦)黙れ!→ 61 00:05:01,969 --> 00:05:09,910 ハハハ。ハハハ…。 62 00:05:09,977 --> 00:05:14,915 (遥香)ねえ。そろそろじゃない? 麟平さん。 63 00:05:14,982 --> 00:05:17,918 (徳須)うまいなこのコーヒー。 (遥香)こんなもの→ 64 00:05:17,985 --> 00:05:21,922 この家の養子にきたら 毎日飲ませてあげるから。 65 00:05:21,989 --> 00:05:23,924 (徳須)養子にね。 66 00:05:23,991 --> 00:05:27,928 (遥香)でないと この家が絶えてしまうのよ。→ 67 00:05:27,995 --> 00:05:32,933 あなたも親戚の端くれなんだから 責任があるでしょ? 68 00:05:33,000 --> 00:05:37,938 子種だけは付けてあげるよ。 それで我慢してほしいな。 69 00:05:38,005 --> 00:05:39,940 痛っ。 70 00:05:40,007 --> 00:05:43,944 (遥香)あの女に まだ引きずられてるの? 71 00:05:44,011 --> 00:05:46,947 あんな売春婦上がりの だぼはぜ女に? 72 00:05:48,949 --> 00:05:50,951 いや…。 73 00:05:54,955 --> 00:05:56,957 (雷鳴) 74 00:06:07,968 --> 00:06:11,905 (唯美)仁奈子。仁奈子! 75 00:06:11,972 --> 00:06:15,909 \(仁奈子)お母さん! (唯美)仁奈子。 76 00:06:15,976 --> 00:06:20,914 (仁奈子)お母さん。 お母さん。お母さん。 77 00:06:20,981 --> 00:06:24,918 (唯美)ごめん。ごめん。ごめん。 (仁奈子)お母さん…。 78 00:06:24,985 --> 00:06:28,922 (唯美)ごめん。ごめん。 (仁奈子)お母さん。 79 00:06:28,989 --> 00:06:35,929 (唯美)ごめん。ご…ごめん。 (仁奈子)お母さん。お母さん。 80 00:06:35,996 --> 00:06:37,998 (唯美)ああ…。ごめん。ごめん。 81 00:06:53,013 --> 00:06:55,015 (芹亜)あんた。 82 00:07:00,020 --> 00:07:03,957 (芹亜)ゆっくり寝てなさいね。 83 00:07:04,024 --> 00:07:07,961 この部屋はあんたが 自由に使っていいからね。 84 00:07:08,028 --> 00:07:10,030 ゆっくりね。 85 00:07:15,035 --> 00:07:21,041 \(ドアの開閉音) 86 00:07:27,047 --> 00:07:29,049 (唯美)行きましょう。 87 00:07:37,057 --> 00:07:39,993 (唯美)あなた。 88 00:07:40,060 --> 00:07:45,999 >>どうしたんだ?これは。 (唯美)昨夜の暴風で。 89 00:07:46,066 --> 00:07:55,008 (栃彦)ひどいもんだ。 でももう直してやれない。 90 00:07:55,075 --> 00:07:57,077 (唯美)えっ? 91 00:07:57,077 --> 00:08:10,090 ♪~ 92 00:08:10,090 --> 00:08:14,027 >>金これだけか? (唯美)ええ。 93 00:08:14,094 --> 00:08:18,098 (栃彦)もらってくけどいいか? (唯美)ええ。 94 00:08:26,106 --> 00:08:28,041 (唯美)出ていくの? 95 00:08:28,108 --> 00:08:30,043 (栃彦)失敗したんだから 出ていくしかない。 96 00:08:30,110 --> 00:08:33,046 (唯美)まだ失敗とは決まってないわ。 私ここにいるわよ。 97 00:08:33,113 --> 00:08:35,048 (栃彦)俺はもう 精も根も尽き果てた。 98 00:08:35,115 --> 00:08:41,121 (唯美)じゃあ誰が糸を精練するのよ? 赤い糸は誰が染めるのよ? 99 00:08:43,123 --> 00:08:46,994 (栃彦)俺たちの赤い糸は 切れてしまったんだよ。→ 100 00:08:47,060 --> 00:08:51,064 後は唯美が 自分で染めるしかないだろ。 101 00:08:53,066 --> 00:08:58,071 (唯美)私が? (栃彦)唯美ならできるよ。 102 00:09:02,075 --> 00:09:09,016 仁奈子。 お父さんはもう駄目なんだよ。 103 00:09:09,082 --> 00:09:12,019 (仁奈子)お父さん。 104 00:09:12,085 --> 00:09:15,088 お母さんと 元気に暮らすんだよ。 105 00:09:19,092 --> 00:09:22,095 じゃあ行くからな。 106 00:09:26,099 --> 00:09:30,103 (唯美)チェロは? チェロ持っていかないの? 107 00:09:32,105 --> 00:09:34,107 チェロ持っていきなさいよ。 108 00:09:38,111 --> 00:09:41,114 (仁奈子)お父さん。 いってらっしゃい。 109 00:09:51,058 --> 00:09:53,060 (芹亜)あんた? 110 00:09:53,060 --> 00:10:10,077 ♪~ 111 00:10:10,077 --> 00:10:21,021 📱 112 00:10:21,088 --> 00:10:26,026 (唯美)もしもし。 📱(芹亜)栃彦さんそっちいる? 113 00:10:26,093 --> 00:10:30,030 (唯美)出てったわ。 あなたのとこでしょう? 114 00:10:30,097 --> 00:10:32,032 (芹亜)来てないわよ。 115 00:10:32,099 --> 00:10:38,038 📱(唯美)身の回りのものを持って あなたのところへ行きました。 116 00:10:38,105 --> 00:10:43,043 (芹亜)でも来てないのよ。 どこへ行ったのかしら? 117 00:10:43,110 --> 00:10:47,047 (唯美)知らないわよ! 私に聞かないでよ! 118 00:10:52,052 --> 00:10:56,990 (唯美)⟨そのころ栃彦さんは 上田電鉄に乗って→ 119 00:10:57,057 --> 00:11:00,994 遠くへ 行ってしまっていたのです⟩ 120 00:11:01,061 --> 00:11:04,998 ⟨私たちからより遠く⟩ 121 00:11:05,065 --> 00:11:10,070 ⟨この土地からも遠く。 遠くへ⟩ 122 00:11:16,076 --> 00:11:19,012 \(足音) 123 00:11:19,079 --> 00:11:21,014 (徳須)ああ…。よう。→ 124 00:11:21,081 --> 00:11:25,018 相変わらず電気もガスも ないんだなこの家は。→ 125 00:11:25,085 --> 00:11:28,021 っていうかどうしたんだ?これ。 126 00:11:28,088 --> 00:11:30,023 (唯美)一人なの? (徳須)ああ。 127 00:11:30,090 --> 00:11:35,028 運転手は車に待たしてあるがね。 お邪魔します。 128 00:11:35,095 --> 00:11:39,032 野菜は足りるだろうけどさ 主食が必要だろうと思って。→ 129 00:11:39,099 --> 00:11:46,039 米。うどん。冷や麦。 それからイワシの缶詰。→ 130 00:11:46,106 --> 00:11:52,979 肉の大和煮。豆のポーク煮。 ポテトチップス。→ 131 00:11:53,046 --> 00:11:55,982 子供用のクッキー。 それから冷凍ギョーザ。→ 132 00:11:56,049 --> 00:11:58,985 あっ。冷蔵庫ないんだったな この家は。 133 00:11:59,052 --> 00:12:01,988 (唯美)そんなに心配してくれなくても→ 134 00:12:02,055 --> 00:12:03,990 当座の食べるものくらいは あります。 135 00:12:04,057 --> 00:12:07,060 (徳須)ふーん。 ワインはないだろ? 136 00:12:10,063 --> 00:12:12,999 唯美が一人で 暮らすことになったって聞いてさ。 137 00:12:13,066 --> 00:12:15,001 ハァー。やっとそのときが来たと 思ったよ。 138 00:12:15,068 --> 00:12:19,005 ついに来た。 わがときは来れりってね。 139 00:12:19,072 --> 00:12:23,009 (唯美)わがときは来れり? その後にどういう文句が続くか→ 140 00:12:23,076 --> 00:12:25,011 分かってるの? >>うん? 141 00:12:25,078 --> 00:12:28,014 (唯美)「わがときは来れり。 なんじの与うるもの→ 142 00:12:28,081 --> 00:12:34,020 われはことごとく退けん」よ。 こんなものいらないわよ。 143 00:12:34,087 --> 00:12:37,023 みんな持って帰ってよ。 (徳須)いやいやいやいや。→ 144 00:12:37,090 --> 00:12:40,026 そんなこと言うなよ。 俺を昔の→ 145 00:12:40,093 --> 00:12:42,028 カサノバだけの男だと 思わないでくれ。→ 146 00:12:42,095 --> 00:12:46,967 今は社会的地位もあるし 何より心より唯美を求めてる。 147 00:12:47,033 --> 00:12:49,035 (コルクの抜ける音) (徳須)ああーっ。 148 00:12:55,041 --> 00:12:59,980 (徳須)まあ一杯やろう。 フランスの極上ワインだぞ。 149 00:13:00,046 --> 00:13:02,983 飲めよ。→ 150 00:13:03,049 --> 00:13:05,051 うーん。 151 00:13:07,053 --> 00:13:10,056 (徳須)ああ。いい香りだ。 152 00:13:12,058 --> 00:13:13,994 ああうまい。 153 00:13:14,060 --> 00:13:15,996 すっきりとキレが良くて 芳醇この上なし。 154 00:13:16,062 --> 00:13:17,998 タンニンの渋味が ぴりっと効いていて→ 155 00:13:18,064 --> 00:13:20,000 それでいて全体のバランスが 取れている。 156 00:13:20,066 --> 00:13:24,004 情熱的な飲み口はまるで 唯美みたいだなこのワインは。 157 00:13:24,070 --> 00:13:29,009 (唯美)よくしゃべるわね。相変わらず。 158 00:13:29,075 --> 00:13:34,014 気取ることないだろう。 ほら飲め。 159 00:13:34,080 --> 00:13:39,019 (唯美)子供が寝てるのよ。 変なことはしないでくださいね。 160 00:13:39,085 --> 00:13:41,087 いただきます。 161 00:13:45,091 --> 00:13:50,964 >>どう?いけるだろ? (唯美)ええ。 162 00:13:51,031 --> 00:13:56,970 このワインレッド。 濁りがなくて深くて。 163 00:13:57,037 --> 00:14:02,976 こんな色が出るといいんだわ。 >>染色の話か。 164 00:14:03,043 --> 00:14:04,978 (唯美)私には織物しかないの。 165 00:14:05,045 --> 00:14:08,982 紡いでよって染めて織って。 166 00:14:09,049 --> 00:14:11,985 3カ月も4カ月もかけて 織り上げて。 167 00:14:12,052 --> 00:14:15,989 そんな営みが永遠に続けばいいと 思ってるわ。 168 00:14:16,056 --> 00:14:18,992 >>織り姫だな。 (唯美)もう姫じゃないけど。 169 00:14:19,059 --> 00:14:22,996 いや。唯美ほどの女は この世にはいないよ。 170 00:14:23,063 --> 00:14:24,998 織り姫だって1年に1回は セックスすんだぞ。 171 00:14:25,065 --> 00:14:29,002 (唯美)ちょっと。やめてよ。 分かってるわね? 172 00:14:29,069 --> 00:14:31,004 変なことしないでって 言ったでしょう? 173 00:14:31,071 --> 00:14:33,006 男と女が変なことしないで 何すんだよ。 174 00:14:33,073 --> 00:14:36,009 (唯美)ちょっと。やめて。やめて! >>シーッ。→ 175 00:14:36,076 --> 00:14:39,012 子供起こしたくなかったら 静かに。静かにな。 176 00:14:39,079 --> 00:14:42,015 (唯美)あなた 昔とおんなじじゃない。 177 00:14:42,082 --> 00:14:44,017 カサノバ! >>おっ。ちょっと。→ 178 00:14:44,084 --> 00:14:47,954 欲しいんだよ。 唯美が欲しいんだよ。→ 179 00:14:48,021 --> 00:14:54,961 痛っ。ちょっと。 どうなってんだよこの家は? 180 00:14:55,028 --> 00:14:57,964 (鄭)大丈夫ですか? (唯美)ああ。よかった。 181 00:14:58,031 --> 00:15:00,967 鄭君。よく来てくれたわ。 182 00:15:01,034 --> 00:15:04,971 お前気が利かないな。 出世しないよ。 183 00:15:05,038 --> 00:15:06,973 帰りましょう所長。→ 184 00:15:07,040 --> 00:15:10,043 あしたは朝から 福祉課との会議ありますよ。 185 00:15:18,985 --> 00:15:20,921 (均哉)麟平君。 今日は親族会議の結果を→ 186 00:15:20,987 --> 00:15:22,922 君に話さなきゃならんわけだが。→ 187 00:15:22,989 --> 00:15:26,926 どういうつもりかお前さんは 遥香にいつも気のない返事しか→ 188 00:15:26,993 --> 00:15:29,929 しないそうだな。 何が不足なんだ? 189 00:15:29,996 --> 00:15:32,932 (徳須)いや。何がって。 僕はもともと麻衣さんと→ 190 00:15:32,999 --> 00:15:34,934 結婚することになってた 人間ですよ。 191 00:15:35,001 --> 00:15:36,936 それを遥香さんに 乗り換えろって言われたって→ 192 00:15:37,003 --> 00:15:40,940 そう簡単に気持ちの切り替えが。 (均哉)奇麗事を言うんじゃない。 193 00:15:41,007 --> 00:15:44,945 遥香とはとっくに 男女の関係だっていうじゃないか。 194 00:15:45,011 --> 00:15:46,946 (徳須)あっ。いやそれは。 195 00:15:47,013 --> 00:15:50,950 (均哉)ここに泊まるたびに 腰が抜けるほどだって? 196 00:15:51,017 --> 00:15:53,953 おじさま。およしあそばして。 そのお話はほどほどに。 197 00:15:54,020 --> 00:15:56,956 結構なことだと 思ってるんだよ。→ 198 00:15:57,023 --> 00:16:00,960 既成事実ができてるんだから 事は簡単じゃないか。 199 00:16:01,027 --> 00:16:05,965 問題はお前さんの 煮えきらない態度だ。 200 00:16:06,032 --> 00:16:10,970 遥香に手を付けた以上男として この家を引き継ぐ責任がある。→ 201 00:16:11,037 --> 00:16:15,975 いいかげんに年貢を納めて この家の養子に入れ。 202 00:16:16,042 --> 00:16:19,979 (徳須の父)麟平。四の五の言える 立場だと思ってるのか? 203 00:16:20,046 --> 00:16:23,984 (徳須の父)麻衣子さんが亡くなって 当然立ち消えになるはずが→ 204 00:16:24,050 --> 00:16:26,986 こんな涙が出るような ありがたい話。 205 00:16:27,053 --> 00:16:32,992 謹んで受けるのが当たり前だ。 (徳須)いや。あっ。困ったな。 206 00:16:33,059 --> 00:16:36,996 そんな決め付けないでくださいよ。 (父)分からんのか? 207 00:16:37,063 --> 00:16:41,000 親戚の端くれとして この話は土下座してでも→ 208 00:16:41,067 --> 00:16:45,004 受け入れなきゃならんのだ。 (徳須)えっ。土下座してでも? 209 00:16:45,071 --> 00:16:46,940 あら。土下座するのは私ですわ。 210 00:16:47,006 --> 00:16:49,943 私が麟平さんに 土下座したいぐらいなんですの。 211 00:16:50,009 --> 00:16:51,945 (均哉)ほら。麟平君。→ 212 00:16:52,011 --> 00:16:54,948 男として遥香にこんなことを 言わせといていいのか? 213 00:16:55,014 --> 00:16:59,953 (徳須の母)本当にもったいない。 麟平。結婚するのです。→ 214 00:17:00,019 --> 00:17:05,025 お婿さんになるのです。 (多嶺)結婚しなさい! 215 00:17:07,026 --> 00:17:09,963 (豊子)解雇って。 首ってことですか? 216 00:17:10,029 --> 00:17:12,966 (芹亜)そうね。首って言った方が 分かりやすいんなら→ 217 00:17:13,032 --> 00:17:14,968 そのとおりよ。 あなたにしてもらう→ 218 00:17:15,034 --> 00:17:16,970 ヘルパーの仕事は もうここにはありません。 219 00:17:17,036 --> 00:17:21,975 >>あのう。私何か落ち度でも? (芹亜)落ち度だらけじゃないの。 220 00:17:22,041 --> 00:17:23,977 ヘルパーならどんな年寄りにも→ 221 00:17:24,044 --> 00:17:25,979 分け隔てなく 接しなきゃいけないのに→ 222 00:17:26,045 --> 00:17:29,983 好き嫌いが露骨だし 気に入らないと突き飛ばしたり→ 223 00:17:30,049 --> 00:17:31,985 ぶったりつねったり。 >>私そんなこと…。 224 00:17:32,051 --> 00:17:33,987 (芹亜)してるじゃないの。 225 00:17:34,053 --> 00:17:36,990 貴道家の大奥さんに ケガをさせたのは誰なのよ? 226 00:17:37,056 --> 00:17:40,994 でもいまさらあんなことを。 227 00:17:41,060 --> 00:17:44,063 (芹亜)二度とあんなことがあっちゃ 困るの。 228 00:17:46,065 --> 00:17:49,936 遥香さんが私を首にしろって 言ってきたんですか? 229 00:17:50,003 --> 00:17:53,940 (芹亜)あの人はねこのセンターの 有力な後援者なのよ。 230 00:17:54,007 --> 00:17:57,944 分かるでしょ? あんなことをしちゃ後を引くわよ。 231 00:17:58,011 --> 00:18:01,948 そう。やっぱり遥香さんが。 232 00:18:02,015 --> 00:18:05,952 (芹亜)私たちもねかばってあげたくても かばいきれないのよ。 233 00:18:06,019 --> 00:18:08,955 所長は 何ておっしゃってるんです? 234 00:18:09,022 --> 00:18:13,960 (芹亜)同じ意見よ。 今月いっぱいで首にしろって。 235 00:18:14,027 --> 00:18:19,032 所長が?所長まで…。 236 00:18:21,034 --> 00:18:23,970 (徳須)えっ? 今これに書くんですか? 237 00:18:24,037 --> 00:18:26,973 後はあなたのサインだけよ。 さあ皆さんの前で→ 238 00:18:27,040 --> 00:18:29,976 サインして 捺印してくださらない? 239 00:18:30,043 --> 00:18:31,978 (徳須)いや。 そんなこと言われたって→ 240 00:18:32,045 --> 00:18:34,981 はんこなんか持ってきてないよ。 (遥香)じゃあサインだけでも。 241 00:18:35,048 --> 00:18:39,052 (均哉)証人には わしらがなるからな。 242 00:18:41,054 --> 00:18:44,991 何か嫌な感じだな。 みんな寄ってたかって。 243 00:18:45,058 --> 00:18:47,994 詰め腹切らされてるみたいだよ。 244 00:18:52,999 --> 00:18:55,935 どうぞ。 245 00:18:56,002 --> 00:18:57,937 ありがとう。麟平さん。 246 00:18:58,004 --> 00:19:01,941 早速養子縁組の入籍届を 役所へ出しますわ。 247 00:19:02,008 --> 00:19:04,944 お好きなように。 (遥香)善は急げね。 248 00:19:05,011 --> 00:19:11,017 オホホ。ホホホ。 アハハ。アーッハハ! 249 00:19:13,019 --> 00:19:14,954 あーあ。 250 00:19:15,021 --> 00:19:17,957 (芹亜)まあ。すごい。 (遥香)でしょう? 251 00:19:18,024 --> 00:19:21,961 これであの男もこっちのものよ。 ああ! 252 00:19:22,028 --> 00:19:23,963 (通子)何なんですか?遥香さん。 いやにうれしそうにして。 253 00:19:24,030 --> 00:19:28,968 (芹亜)所長と結婚するのよ。 (豊子)所長と結婚!? 254 00:19:29,035 --> 00:19:33,973 (芹亜)そうよ。これから役所に 婚姻届を出しに行くんだって。 255 00:19:34,040 --> 00:19:36,976 あの女が所長と? 256 00:19:37,043 --> 00:19:41,981 (芹亜)何だかんだって結局 資産家の女には勝てないからね。 257 00:19:42,048 --> 00:19:44,984 (通子)お豊さん。どうしたの!? (かおる)しっかりして。→ 258 00:19:45,051 --> 00:19:46,920 しっかりして。大丈夫? (通子)お豊さん。 259 00:19:46,986 --> 00:19:51,925 (豊子)ひどい!ううーっ。 ひど過ぎる! 260 00:19:51,991 --> 00:19:56,930 私を首にしておいて 所長はあの女と結婚だってよ。 261 00:19:56,996 --> 00:20:00,934 婿入りだってよ! (唯美)お母さん。 262 00:20:01,000 --> 00:20:07,941 たった一つの 残された愛だったのに。 263 00:20:08,007 --> 00:20:12,946 あの女は根こそぎ私から 何もかも奪っていくんだ! 264 00:20:13,012 --> 00:20:14,948 (唯美)だからね→ 265 00:20:15,014 --> 00:20:18,952 あんまり浮かれない方がって 言ったじゃないの。 266 00:20:19,018 --> 00:20:22,956 こうやって真っ逆さまに崖から 突き落とされる日が来るんだから。 267 00:20:23,022 --> 00:20:25,959 崖から突き落とされたのは 私だけじゃないじゃないのよ。 268 00:20:26,025 --> 00:20:29,963 あんたたちだってそうじゃない。 あんたたちだって→ 269 00:20:30,029 --> 00:20:34,968 いきなり農地を取り上げられて 栃彦はどうなったっていうのよ。 270 00:20:35,034 --> 00:20:38,972 出てったっきり 帰ってもこないじゃないの。 271 00:20:39,038 --> 00:20:46,913 いくら資産家の有力者だからって 旧家の姫だからって→ 272 00:20:46,980 --> 00:20:50,917 こんな無体なことばっかり! 273 00:20:50,984 --> 00:20:55,922 許さないよ。 私は許さない。 274 00:20:55,989 --> 00:21:01,928 重ね重ねのこの恨み 呪ってやる! 275 00:21:01,995 --> 00:21:05,932 (唯美)お母さん落ち着いてよ。 人を呪えば穴二つって→ 276 00:21:05,999 --> 00:21:07,934 お母さんも よく言ってたじゃないの。 277 00:21:08,001 --> 00:21:09,936 ハハハ! 278 00:21:10,003 --> 00:21:13,940 穴二つだろうが三つだろうが 私は怖くも何ともない! 279 00:21:14,007 --> 00:21:17,944 (唯美)⟨母はほとんど 狂気の一歩手前⟩ 280 00:21:18,011 --> 00:21:20,947 ⟨何か悪いことが 起こるのではないかと→ 281 00:21:21,014 --> 00:21:22,949 懸念していたのですが→ 282 00:21:23,016 --> 00:21:27,020 それはぴたりと 的中してしまったのです⟩