1 00:00:03,850 --> 00:00:07,220 (幸)旦那さんのお守り…。 2 00:00:07,220 --> 00:00:15,970 ・~ 3 00:00:15,970 --> 00:00:17,670 旦那さん…? 4 00:00:17,670 --> 00:00:21,700 (安七)ご寮さん! 旦那さんが…!→ 5 00:00:21,700 --> 00:00:24,700 旦那さんが 倒れはりました! 6 00:00:30,120 --> 00:00:32,120  心の声 旦那さん…! 7 00:00:38,190 --> 00:00:39,550 旦那さん? 8 00:00:39,550 --> 00:00:43,930 どないしたんだす? 旦那さん? 9 00:00:43,930 --> 00:00:46,950 (道善)あか~ん。 10 00:00:46,950 --> 00:00:52,680 もう こと切れてしもた…。 11 00:00:52,680 --> 00:00:57,380 えっ? (桔梗屋孫六)急なことやった…。→ 12 00:00:57,380 --> 00:01:00,420 あ… あの木ぃのとこで…→ 13 00:01:00,420 --> 00:01:05,140 ぎょうさん 血ぃ吐かはって…。 14 00:01:05,140 --> 00:01:09,520 積聚が悪さして…→ 15 00:01:09,520 --> 00:01:15,910 滞った血が あふれたんや…。→ 16 00:01:15,910 --> 00:01:17,910 すまん…。 17 00:01:21,640 --> 00:01:27,020 旦那さん…。 18 00:01:27,020 --> 00:01:30,730 なあ… 起きとくなはれ。 19 00:01:30,730 --> 00:01:34,420 旦那さん? (泣き声) 20 00:01:34,420 --> 00:01:39,140 旦那さん! 旦那さん 旦那さん! 21 00:01:39,140 --> 00:01:41,160 旦那さん… 旦那さん…。 22 00:01:41,160 --> 00:01:47,220 <寛延三年四月 三十三歳の若さで→ 23 00:01:47,220 --> 00:01:51,940 智蔵は 一人 旅立っていったのです> 24 00:01:51,940 --> 00:02:03,940 ・~ 25 00:02:06,410 --> 00:02:08,770 (2人)いて参じます。 26 00:02:08,770 --> 00:02:10,770 (豆吉)お早うお帰りやす。 27 00:02:41,430 --> 00:02:45,430 (鉄助)ご寮さん よろしおますか? へえ。 28 00:02:49,180 --> 00:02:54,220 二七日を済ましたとこで こないな話 しとうないんだすけど…→ 29 00:02:54,220 --> 00:02:56,590 呉服仲間の月行事さんが→ 30 00:02:56,590 --> 00:03:00,280 親旦那さんとこに お見えになったそうで。 31 00:03:00,280 --> 00:03:01,640 月行事さんが…。 32 00:03:01,640 --> 00:03:06,680 (周助)六代目の忌みが明けたら 誰に店継がせるか決めて→ 33 00:03:06,680 --> 00:03:10,390 寄り合いで諮るようにとの お達しだした。 34 00:03:10,390 --> 00:03:14,770 (鉄助)五鈴屋の血筋を継ぐお方は 惣ぼんさん ただお一人だすけど→ 35 00:03:14,770 --> 00:03:18,130 行方も知れまへんしな。 36 00:03:18,130 --> 00:03:22,520 子供のおらん家では 養子取って 跡継がせるて聞いてます。 へえ。 37 00:03:22,520 --> 00:03:27,900 わては 鉄助どんに養子に入ってもろて→ 38 00:03:27,900 --> 00:03:33,950 七代目 継いでもらうのが 一番ええ思てますのやけど。 39 00:03:33,950 --> 00:03:36,310 ご寮さん…。 40 00:03:36,310 --> 00:03:38,670 それは でけしまへん。 えっ? 41 00:03:38,670 --> 00:03:46,070 先代より年長の者は 養子になられへん決まりだす。 42 00:03:46,070 --> 00:03:50,120 (せきばらい) そこで差し出がましいようだすけども→ 43 00:03:50,120 --> 00:03:53,480 周助どんを養子にされたら どないだすやろ? 44 00:03:53,480 --> 00:03:54,830 六代目よりは 年も一つ下で→ 45 00:03:54,830 --> 00:03:57,860 周助どんなら奉公人たちも ついていくて思います。 46 00:03:57,860 --> 00:04:01,570 めっそうもない! わては 五鈴屋の主に なれるような器やおまへん。 47 00:04:01,570 --> 00:04:03,920 堪忍しとくれやす。 周助どん…。 48 00:04:03,920 --> 00:04:07,280 七代目にふさわしいお方は→ 49 00:04:07,280 --> 00:04:09,650 ご寮さんのほかに いてまへん! 50 00:04:09,650 --> 00:04:13,020 皆 そない思てます! 51 00:04:13,020 --> 00:04:16,380 (せきばらい) けどな→ 52 00:04:16,380 --> 00:04:21,760 大坂には 女名前禁止のおきてが ありますのや。→ 53 00:04:21,760 --> 00:04:25,470 女子では 店主になられしまへん。 54 00:04:25,470 --> 00:04:29,510 (周助) けど… 抜け道があるのやおまへんか? 55 00:04:29,510 --> 00:04:32,870 親旦那さんから伺うたことがおます。 56 00:04:32,870 --> 00:04:36,920 お子のない船場のご寮さんが 店主を務めはったことがあるて。 57 00:04:36,920 --> 00:04:39,280 何ぞ 手だてがあるはずだす。 58 00:04:39,280 --> 00:04:42,980 そのご寮さんは…→ 59 00:04:42,980 --> 00:04:46,010 婿を取らはった 家付き娘かもしれまへん。 60 00:04:46,010 --> 00:04:51,740 それか 実家が大店で 後ろ盾になったか。 61 00:04:51,740 --> 00:04:55,430 (周助)へえ…。 62 00:04:55,430 --> 00:04:59,140 四十九日の忌明けまで まだ 間があります。 63 00:04:59,140 --> 00:05:03,520 どないしたらええか よう考えてみまひょ。 64 00:05:03,520 --> 00:05:40,520 ・~ 65 00:05:41,570 --> 00:05:47,960 (すすり泣き) 66 00:05:47,960 --> 00:05:50,960 ・結 入るよ。 67 00:05:56,370 --> 00:05:58,370 (はなをすする音) 68 00:06:04,460 --> 00:06:07,460 おむすび 握ってもろたよ。 69 00:06:09,850 --> 00:06:11,540 食べなあかん。 70 00:06:11,540 --> 00:06:17,250 あんたが患うてしもたら どないするの? 71 00:06:17,250 --> 00:06:20,960 (結)姉さんは… 悲しゅうないの? 72 00:06:20,960 --> 00:06:25,670 えっ? 73 00:06:25,670 --> 00:06:27,700 何で そない平気な顔してられるん? 74 00:06:27,700 --> 00:06:33,080 結? 兄さんが のうなったのに→ 75 00:06:33,080 --> 00:06:38,800 うち 姉さんが泣いてるとこ いっぺんも見てへん。 76 00:06:38,800 --> 00:06:40,830 みんなも おかしいわ。 77 00:06:40,830 --> 00:06:45,540 喪も明けんうちから 何もなかったみたいに働いて→ 78 00:06:45,540 --> 00:06:47,900 何で そない 薄情なことができるん? 79 00:06:47,900 --> 00:06:50,250 何言うてますのや! 80 00:06:50,250 --> 00:06:52,950 五鈴屋を守るために 一所懸命 働いてくれてはるのやないの。 81 00:06:52,950 --> 00:06:55,640 悪う言うことは許さへんよ! 五鈴屋 五鈴屋て→ 82 00:06:55,640 --> 00:06:57,660 商いのことばっかりや! 83 00:06:57,660 --> 00:07:00,660 姉さんには心がないの? 84 00:07:06,750 --> 00:07:11,750 お竹どんが案じますよって ちゃんと食べるんやで。 85 00:07:14,490 --> 00:07:17,490 (ふすまを閉める音) 86 00:07:19,210 --> 00:07:25,210 ・(結のすすり泣き) 87 00:07:27,620 --> 00:07:29,980 のけって…! (お梅)あんさん 誰だすのや! 88 00:07:29,980 --> 00:07:32,340 だから…! (お梅)あかんて! 89 00:07:32,340 --> 00:07:36,380 どないしたんだす? (お梅)ご寮さん うさんくさい男が! 90 00:07:36,380 --> 00:07:39,070 うさんて お前! あ~ あのな…。 91 00:07:39,070 --> 00:07:42,780 いたたたた! 足 踏んどる 足! 智やんのな 古いなじみや。 92 00:07:42,780 --> 00:07:45,810 ひょっとして…。 のけ! 93 00:07:45,810 --> 00:07:49,810 せや! 亀三や。 94 00:07:56,240 --> 00:07:57,590 (ため息) 95 00:07:57,590 --> 00:08:03,990 智やん… 遅なって堪忍やで。 旅回りに出ててな。 96 00:08:03,990 --> 00:08:09,990 せやけど… なんぼなんでも早すぎるで。 97 00:08:24,190 --> 00:08:28,900 急なことで どない言うたらええのか…。 98 00:08:28,900 --> 00:08:33,900 お参りいただいて ありがとさんでございます。 99 00:08:39,000 --> 00:08:42,710 そうか… ハハハハハ。 100 00:08:42,710 --> 00:08:48,770 あれ ご寮さんに合わせた 着物やったんか。 フッ。→ 101 00:08:48,770 --> 00:08:53,820 桑の実色の着物に 黄檗の帯。 102 00:08:53,820 --> 00:08:58,190 あんさんが着たら さぞ似合うやろな。 103 00:08:58,190 --> 00:09:02,190 桑の実色に 黄檗…。 104 00:09:04,260 --> 00:09:10,990 ほんで 江戸の話は どないなったんや? 江戸に店出すんやろ? 105 00:09:10,990 --> 00:09:13,690 みつき前に会うた時 そない言うてたで。 106 00:09:13,690 --> 00:09:16,380 店出して あんさんと江戸に行くんやて。 107 00:09:16,380 --> 00:09:19,740 あ… 亀三さんに そないな話を? 108 00:09:19,740 --> 00:09:26,140 うん。 江戸には 女名前禁止のおきてがないから言うてな。 109 00:09:26,140 --> 00:09:28,160 えっ? 110 00:09:28,160 --> 00:09:32,200 江戸に行ったら 女子かて店主になれる→ 111 00:09:32,200 --> 00:09:36,590 あんさんに思う存分 商いさせてやれるて。 112 00:09:36,590 --> 00:09:43,650 もし 我が身に何かあっても もう誰の女房にも→ 113 00:09:43,650 --> 00:09:48,360 人形遣いにも ならんでもええんや。 114 00:09:48,360 --> 00:09:53,360 智やん そない言うてたわ。 115 00:10:03,850 --> 00:10:14,290 (泣き声) 116 00:10:14,290 --> 00:10:16,290 旦那さん…。 117 00:10:21,350 --> 00:10:24,350 旦那さん…。 118 00:10:26,070 --> 00:10:31,800 旦那さん 旦那さん… 旦那さん…。 119 00:10:31,800 --> 00:10:39,200 (泣き声) 120 00:10:39,200 --> 00:10:42,200 (智蔵)幸… 幸。 121 00:10:44,590 --> 00:10:49,310 何 泣いてますのや。 122 00:10:49,310 --> 00:10:53,680 二人で一緒に 江戸に行くんやろ? 123 00:10:53,680 --> 00:10:56,680 なあ? 幸。 124 00:10:59,400 --> 00:11:01,400 旦那さん…。 125 00:11:07,150 --> 00:11:20,950 (泣き声) 126 00:11:20,950 --> 00:11:23,660 一緒に 江戸に行きまひょな。 127 00:11:23,660 --> 00:11:34,420 ・~ 128 00:11:34,420 --> 00:11:36,420 そうや…。 129 00:11:40,150 --> 00:11:44,530 旦那さんと一緒に…→ 130 00:11:44,530 --> 00:11:47,530 江戸へ行くんや…。 131 00:11:54,280 --> 00:11:56,280 江戸へ。 132 00:12:04,050 --> 00:12:08,050 姉さん どこ行かはったんやろ? 133 00:12:15,510 --> 00:12:19,510 (佐七)ただいま 江戸から戻りました。 134 00:12:28,960 --> 00:12:30,320 賢吉っとん…? 135 00:12:30,320 --> 00:12:34,700 へえ。 お久しゅうございます。 136 00:12:34,700 --> 00:12:37,730 (佐七)ご寮さん…。 137 00:12:37,730 --> 00:12:39,730 佐七っとん…。 138 00:12:49,170 --> 00:12:54,210 まさか… こないなことに…。 139 00:12:54,210 --> 00:12:59,210 お帰りやす。 遠いとこ ご苦労さんだした。 140 00:13:01,290 --> 00:13:05,330 もうすぐ 旦那さんの四十九日でおます。 141 00:13:05,330 --> 00:13:13,330 法要が済んだら 誰が五鈴屋を継ぐか 呉服仲間に諮らななりまへん。 142 00:13:19,460 --> 00:13:23,170 五鈴屋の七代目…→ 143 00:13:23,170 --> 00:13:25,540 わてが継がせていただこう思てます。 144 00:13:25,540 --> 00:13:29,910 (手代たち)えっ? 145 00:13:29,910 --> 00:13:35,290 女名前では 店は継がれへん決まりだす。 146 00:13:35,290 --> 00:13:40,010 けど 船場のご寮さんが 店主になったことがあるて聞いて→ 147 00:13:40,010 --> 00:13:46,010 今日 高島店の親旦那さんに 詳しいこと 伺うてきましたんや。 148 00:13:47,760 --> 00:13:50,790 十年ほど前のことだす。 149 00:13:50,790 --> 00:13:55,500 お子がなく 養子の当てもない店で→ 150 00:13:55,500 --> 00:14:00,550 足かけ三年に限って ご寮さんが店主を務めることが→ 151 00:14:00,550 --> 00:14:03,920 許されたそうでおます。 152 00:14:03,920 --> 00:14:08,630 足かけ三年… 再来年の末まで二年半や。 153 00:14:08,630 --> 00:14:13,680 それだけあったら 江戸に店出す道筋がつけられます。 154 00:14:13,680 --> 00:14:19,740 ただ… 天満では 女名前で店継いだ ためしがおまへん。 155 00:14:19,740 --> 00:14:26,470 お仲間にお許しを得るのは たやすいことではありまへん。 156 00:14:26,470 --> 00:14:28,500 それでも…→ 157 00:14:28,500 --> 00:14:32,540 これまで 誰も おらなんだら→ 158 00:14:32,540 --> 00:14:37,540 わてが その初めの一人になろう思います。 159 00:14:41,960 --> 00:14:49,960 子もなく残された女房たちが 後に続く道が 開けるように。 160 00:14:52,070 --> 00:14:59,130 主をなくした店が 絶えることのないように。 161 00:14:59,130 --> 00:15:15,970 ・~ 162 00:15:15,970 --> 00:15:23,370 ご寮さん 奉公人一同 皆 力合わせて→ 163 00:15:23,370 --> 00:15:26,740 七代目をお支え申し上げます! 164 00:15:26,740 --> 00:15:32,460 ・~ 165 00:15:32,460 --> 00:15:35,160 おおきに。 166 00:15:35,160 --> 00:15:38,870 ・~ 167 00:15:38,870 --> 00:15:40,560 (有馬屋) ほんなら 七代目を→ 168 00:15:40,560 --> 00:15:45,930 女名前で継ぐ 言わはるんだすか? 169 00:15:45,930 --> 00:15:50,990 足かけ三年に限って 中継ぎとして店預かることを→ 170 00:15:50,990 --> 00:15:54,350 お許しいただきとう存じます。 171 00:15:54,350 --> 00:15:59,070 (入江屋)船場では そないな店があったかもしれんけどな→ 172 00:15:59,070 --> 00:16:03,780 ここは天満だす。 その理屈は通りまへん。 173 00:16:03,780 --> 00:16:08,490 女名前なんぞ許したら お上から にらまれまっせ。 174 00:16:08,490 --> 00:16:10,510 せやな。 迷惑なこっちゃ。 175 00:16:10,510 --> 00:16:14,560 あんさんが五鈴屋の血筋や言うなら まだ分かりますで。 176 00:16:14,560 --> 00:16:20,950 けど… 言うてはなんやけど 元は女衆だすやろ? 177 00:16:20,950 --> 00:16:27,350 へえ。 六代目は 三人目のご亭主だしたなあ。 178 00:16:27,350 --> 00:16:33,740 いっそ 四人目の婿取って 店主に据えたら どないだす? 179 00:16:33,740 --> 00:16:36,100 何を…。 控えなはれ。 (旦那衆の笑い声) 180 00:16:36,100 --> 00:16:39,810 商いを絶やすことなく あとに つないでいくための→ 181 00:16:39,810 --> 00:16:42,830 中継ぎでございます。 182 00:16:42,830 --> 00:16:47,210 事情をお察しいただき お認めいただけまへんやろか。 183 00:16:47,210 --> 00:16:52,940 事情は事情 決まりは決まりだす。 184 00:16:52,940 --> 00:16:56,970 (松橋屋)ちょっと よろしおますか? 185 00:16:56,970 --> 00:17:01,690 松橋屋さん どうぞ 何なりと。 186 00:17:01,690 --> 00:17:07,420 皆さん 桔梗屋さんの件 もう忘れはったんだすか? 187 00:17:07,420 --> 00:17:12,460 お子に先立たれたばっかりに 真澄屋はんに つけ込まれて→ 188 00:17:12,460 --> 00:17:14,830 えらい目に遭わはったやおまへんか。 189 00:17:14,830 --> 00:17:18,190 五鈴屋さんの今の難儀は→ 190 00:17:18,190 --> 00:17:26,190 どこの店でも 誰の身の上にでも いつか 起きることかもしれまへんで。 191 00:17:28,630 --> 00:17:37,720 五鈴屋を百年続く店にすることが お家さんの望みでおました。 192 00:17:37,720 --> 00:17:45,460 百年のうちの三年だけ 中継ぎとして 五鈴屋の のれん守ること→ 193 00:17:45,460 --> 00:17:50,170 どうぞ お許しいただきとう存じます。 194 00:17:50,170 --> 00:17:57,920 ・~ 195 00:17:57,920 --> 00:18:01,920 (末七)ああ… もう戻らはってもええ頃だすけど。 196 00:18:05,330 --> 00:18:08,330 (広七)あっ ご寮さんや! 197 00:18:13,410 --> 00:18:19,810 よっしゃ 決まりや! アハハハ お帰りやす! 198 00:18:19,810 --> 00:18:23,520 <八分に開いた扇子は 幸が七代目を継ぐことを→ 199 00:18:23,520 --> 00:18:27,520 呉服仲間が認めた しるしでした> 200 00:18:31,590 --> 00:18:33,620 真澄屋はんの江戸店は 日本橋の どの辺りだす? 201 00:18:33,620 --> 00:18:38,320 <江戸に出て一年 佐七と賢吉は→ 202 00:18:38,320 --> 00:18:41,690 古手商 近江屋の江戸店に身を寄せ→ 203 00:18:41,690 --> 00:18:45,740 出店に向けた下調べを続けていました> 204 00:18:45,740 --> 00:18:50,440 日本橋には呉服屋が ずら~っと並んでます。 205 00:18:50,440 --> 00:18:55,160 中には 年に銀一万二千貫の商いする 大店もありますよって。 206 00:18:55,160 --> 00:18:58,860 あっ あっ…。 一万二千貫! 江戸の商いは桁違いだすな。 207 00:18:58,860 --> 00:19:03,920 ああ… 真澄屋はんが 得意の策を弄しても 太刀打ちでけへんのかいな。 208 00:19:03,920 --> 00:19:08,290 日本橋の辺りは避けて ほかの土地を探しまひょ。 209 00:19:08,290 --> 00:19:13,680 人の流れがあって 近くに大きな呉服屋がない→ 210 00:19:13,680 --> 00:19:17,380 そないな場所に ええ出物があればええのやけど。 211 00:19:17,380 --> 00:19:21,090 へえ。 江戸に戻って 五鈴屋にふさわしい店→ 212 00:19:21,090 --> 00:19:24,110 きっと見つけてまいります。 213 00:19:24,110 --> 00:19:27,110 頼みましたで! (佐七 賢吉)へえ! 214 00:19:28,830 --> 00:19:33,210 フフッ 賢吉っとんは 絵ぇ上手やね。 215 00:19:33,210 --> 00:19:34,560 ただの覚書だすわ。 216 00:19:34,560 --> 00:19:38,930 また 文で江戸の様子 知らせてや。 待ってますで。 217 00:19:38,930 --> 00:19:40,930 へえ。 218 00:19:45,670 --> 00:19:50,380 母さん…? えっ? 219 00:19:50,380 --> 00:19:53,740 あ… 結。 220 00:19:53,740 --> 00:19:55,090 何してるの? 221 00:19:55,090 --> 00:19:58,120 勝手に入って堪忍。 222 00:19:58,120 --> 00:20:01,500 兄さんに謝ってたんや。 223 00:20:01,500 --> 00:20:07,890 うち 姉さんに ひどいこと言うてしもたて。 224 00:20:07,890 --> 00:20:11,600 心がないなんて言うて…→ 225 00:20:11,600 --> 00:20:16,300 ホンマに ごめんなさい。 226 00:20:16,300 --> 00:20:18,300 結…。 227 00:20:21,010 --> 00:20:26,750 うちは… 何も分かってへんかった。 228 00:20:26,750 --> 00:20:33,470 姉さんは 店を背負うてはるのやね。 229 00:20:33,470 --> 00:20:35,840 荷の重さに耐えてはる。 230 00:20:35,840 --> 00:20:42,900 そやから みんな 姉さんを慕うて ついていくんやわ。 231 00:20:42,900 --> 00:20:48,960 この店で役に立ってへんのは…→ 232 00:20:48,960 --> 00:20:51,660 うちだけや。 233 00:20:51,660 --> 00:20:56,360 甘えたの 泣きみそで…。 234 00:20:56,360 --> 00:21:06,800 (すすり泣き) 235 00:21:06,800 --> 00:21:08,800 もうええよ。 236 00:21:12,540 --> 00:21:18,920 これ 母さんと おそろいの着物やね。 237 00:21:18,920 --> 00:21:21,960 うん…。 238 00:21:21,960 --> 00:21:28,010 母さん… よう言うてたわ。 239 00:21:28,010 --> 00:21:34,750 木綿の着物は 夏は涼しいて 冬は暖かい→ 240 00:21:34,750 --> 00:21:37,750 汗も涙も 吸い取ってくれるて。 241 00:21:41,490 --> 00:21:44,860 一つ 聞いてもええ? 242 00:21:44,860 --> 00:21:46,880 何? 243 00:21:46,880 --> 00:21:53,260 五鈴屋では 何で 木綿の反物は売らへんの? 244 00:21:53,260 --> 00:21:55,290 呉服屋が売るもんは絹物。 245 00:21:55,290 --> 00:22:01,010 木綿は 太物いうて 太物屋が売るもんて決まってますのや。 246 00:22:01,010 --> 00:22:07,010 仕入れ先から何から違て 手ぇ出すことは許されへん決まり…。 247 00:22:14,140 --> 00:22:18,140 江戸では… どないやろ? 248 00:22:21,890 --> 00:22:25,890 絹も… 木綿も…。 249 00:22:28,630 --> 00:22:34,010 <津門村の彦太夫が 五鈴屋を訪ねてきたのは→ 250 00:22:34,010 --> 00:22:37,010 七夕も近い 夏のことでした> 251 00:22:39,740 --> 00:22:43,100 (彦太夫)ご寮さんの文にあったけど→ 252 00:22:43,100 --> 00:22:48,480 津門村の木綿で小風呂敷こしらえたいて あったけど 何に使うんや? 253 00:22:48,480 --> 00:22:53,200 へえ。 秋に お上から 正式なお許しが下りたら→ 254 00:22:53,200 --> 00:22:55,560 七代目の披露目に配りたいて 思てるんだす。 255 00:22:55,560 --> 00:23:00,610 えっ? 呉服屋が木綿て おかしいのとちゃうか? 256 00:23:00,610 --> 00:23:04,660 女名前の中継ぎだすさかい 万事 控えめにしよう思て。 257 00:23:04,660 --> 00:23:11,660 それに 津門村の木綿は やらこうて 丈夫で 上等だすよって。 258 00:23:14,760 --> 00:23:18,450 この鈴柄 染めたら→ 259 00:23:18,450 --> 00:23:25,860 新しい門出を お家さんと母さん 二人に祝うてもらえる気ぃがしますのや。 260 00:23:25,860 --> 00:23:28,220 なるほど。 261 00:23:28,220 --> 00:23:31,920 …で 何反ほど要るんや? 262 00:23:31,920 --> 00:23:37,310 並幅で三十反 ご用意いただけまへんやろか? 263 00:23:37,310 --> 00:23:42,030 あ~ 三十か~。 264 00:23:42,030 --> 00:23:45,730 手が足りんのなら うちが手伝いに行きます。 265 00:23:45,730 --> 00:23:50,100 木綿のことやったら ちょっとは お役に立ちますよって。 266 00:23:50,100 --> 00:23:54,150 お~ しっかり物言うようなって! 267 00:23:54,150 --> 00:24:00,540 うちにおった頃は 泣きみそやった子が。 ハハハハハ! 268 00:24:00,540 --> 00:24:01,900 (膝を打つ音) よっしゃ! 269 00:24:01,900 --> 00:24:07,280 津門村の木綿三十反 必ず そろえますわ。 270 00:24:07,280 --> 00:24:12,320 披露目に使てもらえるなら 村にとっても名誉なこっちゃ。 ハハハ! 271 00:24:12,320 --> 00:24:15,320 おおきに よろしゅうお頼申します。 272 00:24:17,380 --> 00:24:20,400 ホンマに ええ出来やな。 273 00:24:20,400 --> 00:24:25,400 のれんと同じ色 きれいに染まってる。 274 00:24:29,840 --> 00:24:34,880 姉さん… きれいや。 275 00:24:34,880 --> 00:24:43,650 ・~ 276 00:24:43,650 --> 00:24:48,650 (お竹)お家さんのかんざしも ようお似合いだす。 277 00:24:51,380 --> 00:24:58,110 お家さんと母さん 二人の月命日に お披露目できるやなんて→ 278 00:24:58,110 --> 00:25:00,820 ありがたい巡り合わせや。 279 00:25:00,820 --> 00:25:04,520 (お竹) 結さん それ ちょっと貸しとくれやす。 280 00:25:04,520 --> 00:25:06,520 あっ へえ。 281 00:25:09,900 --> 00:25:15,630 (お竹)鈴の紋は 五鈴屋の主の証しだす。 282 00:25:15,630 --> 00:25:17,630 お竹どん…。 283 00:25:21,010 --> 00:25:22,700 (すすり泣き) 284 00:25:22,700 --> 00:25:28,080 お梅どん めでたい日やで 何を泣いてますのや。 285 00:25:28,080 --> 00:25:30,780 (お梅)そやかて…。 286 00:25:30,780 --> 00:25:35,490 うれしいて うれしいて。 (笑い声) 287 00:25:35,490 --> 00:25:54,010 ・~ 288 00:25:54,010 --> 00:25:56,370 七代目! 289 00:25:56,370 --> 00:25:59,390 (一同)おめでとうさんでございます! 290 00:25:59,390 --> 00:26:09,160 ・~ 291 00:26:09,160 --> 00:26:15,160 お家さん… 旦那さん…。 292 00:26:19,260 --> 00:26:22,260 ほな いて参じます。 293 00:26:26,000 --> 00:26:29,700 (一同)お早うお帰りやす! 294 00:26:29,700 --> 00:26:33,740 とんがらしの 根びきよ~。 295 00:26:33,740 --> 00:26:37,740 とんがらしの 根びきよ~。 296 00:26:39,800 --> 00:26:42,500 (鉄助)店構えが大きすぎたり 近くに大店があったり→ 297 00:26:42,500 --> 00:26:45,530 「これ!」いうのは なかなか見つからんもんだすな。 298 00:26:45,530 --> 00:26:49,570 ご寮さん! 早飛脚だす! 江戸の佐七っとんから! 299 00:26:49,570 --> 00:26:52,570 早飛脚? 貸し。 300 00:27:00,330 --> 00:27:02,360 ああ…。 301 00:27:02,360 --> 00:27:07,410 (孫六)浅草田原町の白雲屋…。 302 00:27:07,410 --> 00:27:09,100 太物商いの店やな。 303 00:27:09,100 --> 00:27:11,790 浅草寺さんの近くだす。 304 00:27:11,790 --> 00:27:16,500 主夫婦が店畳んで ふるさとの伊勢に 帰らはることになって→ 305 00:27:16,500 --> 00:27:18,530 居抜きで売りたい言うて。 306 00:27:18,530 --> 00:27:24,580 伊勢か… 確か白雲織いう木綿があったわ。 307 00:27:24,580 --> 00:27:27,620 五鈴屋の初代は 伊勢のお人だす。 うん…。 308 00:27:27,620 --> 00:27:33,330 江戸で伊勢にゆかりの店が見つかったんも 何かのご縁やないか思えて。 309 00:27:33,330 --> 00:27:38,380 けど… 間口二間半は ちと小さいんやないか? 310 00:27:38,380 --> 00:27:42,760 小さい方がよろしおますのや。 うん? 311 00:27:42,760 --> 00:27:51,180 小さい店から始めて 子を育てるように 手ぇかけて 大事に育てていく。 312 00:27:51,180 --> 00:27:54,880 それが 旦那さんの望みだすよって。 313 00:27:54,880 --> 00:27:58,920 うっ…。 あっ…。 314 00:27:58,920 --> 00:28:02,630 (孫六のすすり泣き) 親旦那さん。 315 00:28:02,630 --> 00:28:10,370 わては江戸に出たら 絹だけやのうて 木綿も商いたいて思てますのや。 316 00:28:10,370 --> 00:28:13,070 太物を? へえ。 317 00:28:13,070 --> 00:28:19,120 木綿は面白いもんだす。 値ぇは手ごろで 手入れがしやすうて→ 318 00:28:19,120 --> 00:28:21,820 絹とは 違うよさがあります。 319 00:28:21,820 --> 00:28:27,210 江戸なら 呉服と太物 どっちも扱えるのやないかて。 320 00:28:27,210 --> 00:28:32,590 ほんなら お披露目で 木綿の小風呂敷配ったんは…。 321 00:28:32,590 --> 00:28:37,300 太物商いの手始めのつもりで。 322 00:28:37,300 --> 00:28:39,670 浜羽二重や五鈴帯は よう売れてますけど→ 323 00:28:39,670 --> 00:28:46,060 江戸へ出たら それだけでは足らへんように思います。 324 00:28:46,060 --> 00:28:49,770 木綿が 活路を開くのやないかて。 325 00:28:49,770 --> 00:28:53,810 なるほど…。 326 00:28:53,810 --> 00:28:58,180 うん! これは ええ出物や! 327 00:28:58,180 --> 00:29:02,900 ご寮さん とうとう時が来ましたな! へえ! 328 00:29:02,900 --> 00:29:06,600 ほな 早速 江戸へ出て 店と その周り 確かめなあきまへん。 329 00:29:06,600 --> 00:29:09,290 文のとおりで間違いないなら→ 330 00:29:09,290 --> 00:29:13,000 その場で買い上げの話 まとめてしまいとうおます。 331 00:29:13,000 --> 00:29:18,380 この役目を…→ 332 00:29:18,380 --> 00:29:23,440 周助どんに お願いしたいのやけど。 333 00:29:23,440 --> 00:29:26,440 行ってもらえますやろか? 334 00:29:27,810 --> 00:29:29,500 へえ! すぐに たたせていただきます。 335 00:29:29,500 --> 00:29:33,870 ようやっと 周助どんの出番だすなあ! 336 00:29:33,870 --> 00:29:37,580 大役やで。 せえだいお気張りやっしゃ! 337 00:29:37,580 --> 00:29:39,580 へえ! 338 00:29:45,320 --> 00:29:48,010 ・~ 339 00:29:48,010 --> 00:29:50,710 ごめんやっしゃ~! 340 00:29:50,710 --> 00:29:54,750 <周助の動きは素早く 大坂をたって ひとつき余りで→ 341 00:29:54,750 --> 00:30:03,160 白雲屋を金百五十両で買い上げたことを 知らせる 早飛脚が届いたのです> 342 00:30:03,160 --> 00:30:06,540 路銀は なんぼほど要るやろ? 343 00:30:06,540 --> 00:30:12,540 <幸も 五月の末には 江戸にたつことが決まり…> 344 00:30:15,960 --> 00:30:17,980 (お勢) ご寮さん 江戸に行かはるんやてなあ。 345 00:30:17,980 --> 00:30:21,690 へえ。 今月の末に天満をたちます。 (お勢)そう。 346 00:30:21,690 --> 00:30:29,420 ほんなら 久々に… 運勢見てあげまひょか? 347 00:30:29,420 --> 00:30:33,130 江戸での勝負… はい 吉と出るか! 348 00:30:33,130 --> 00:30:35,150 懐かしおますなあ。 349 00:30:35,150 --> 00:30:39,870 初めて 天満に来た日 ええ卦が出て ほっとしたこと覚えてます。 350 00:30:39,870 --> 00:30:43,570 ああ… やっぱり やめときまひょ。 351 00:30:43,570 --> 00:30:48,280 えっ? いや あの時の卦な ホンマは→ 352 00:30:48,280 --> 00:30:52,990 「柳が 水に もまれるがごとし」て 出てたんや。 353 00:30:52,990 --> 00:30:58,050 その悪い卦を あんさんが 自力で ええ運勢に変えはったんやで。 354 00:30:58,050 --> 00:31:01,080 あ… そうやったんだすか。 うん。 355 00:31:01,080 --> 00:31:05,450 江戸でも一緒や。 どないな運勢かて→ 356 00:31:05,450 --> 00:31:09,450 ご寮さんなら 昌運に変えはるやろ。 357 00:31:12,190 --> 00:31:14,550 (お勢)早太郎! なあ? フフフ。 358 00:31:14,550 --> 00:31:18,550 (鳴き声) 359 00:31:28,690 --> 00:31:35,420 天神さんに ようお願いしましたさかい これで安心や。 360 00:31:35,420 --> 00:31:38,420 さあ 戻りまひょ。 361 00:31:43,170 --> 00:31:48,210 姉さん。 何? 362 00:31:48,210 --> 00:31:50,240 うち…→ 363 00:31:50,240 --> 00:31:56,290 姉さんと一緒に江戸に行きたい。 えっ? 364 00:31:56,290 --> 00:31:57,980 江戸では 木綿も商うんやろ? 365 00:31:57,980 --> 00:32:03,360 それやったら うちかて ちょっとは役に立てる思うわ。 366 00:32:03,360 --> 00:32:05,720 お願いや… 江戸に連れてって。 367 00:32:05,720 --> 00:32:09,090 何言うてるの。 368 00:32:09,090 --> 00:32:13,460 うちを置いていかんといて。 369 00:32:13,460 --> 00:32:16,460 もう離れ離れになるのは嫌や。 370 00:32:18,180 --> 00:32:19,530  回想 (結)姉しゃ!→ 371 00:32:19,530 --> 00:32:23,530 嫌や! 離れるんは 嫌や! 372 00:32:27,950 --> 00:32:33,330 まだ 西も東も分からへんのに…→ 373 00:32:33,330 --> 00:32:37,710 あんたを連れていかれへんよ。 374 00:32:37,710 --> 00:32:41,750 江戸で商いのめどが立ったら きっと呼ぶよって。 375 00:32:41,750 --> 00:32:47,140 それまで 天満で 店 守っててほしい。 376 00:32:47,140 --> 00:32:52,180 はあ… 大きな なりして→ 377 00:32:52,180 --> 00:32:55,180 もう泣きみそではあかんよ。 378 00:32:58,250 --> 00:33:05,320 お願いや。 きっと… きっと江戸に呼んでな。 379 00:33:05,320 --> 00:33:21,820 ・~ 380 00:33:21,820 --> 00:33:25,820 ・(お竹)ご寮さん お茶 お持ちしました。 381 00:33:32,920 --> 00:33:37,920 どないしたんだす? 閉めきって。 風 入れまひょな。 382 00:33:43,020 --> 00:33:47,020 あっ ホタル飛んでますで。 383 00:33:54,140 --> 00:33:57,140 お竹どん。 (お竹)へえ。 384 00:34:08,620 --> 00:34:13,330 頼みたいことがあります。 385 00:34:13,330 --> 00:34:20,060 わてと一緒に 江戸に行ってもらえまへんやろか。 386 00:34:20,060 --> 00:34:22,420 このとおりだす。 387 00:34:22,420 --> 00:34:24,440 女衆に頭下げるもんやありまへん。 388 00:34:24,440 --> 00:34:28,480 苦労かけることは分かってるけど…→ 389 00:34:28,480 --> 00:34:32,180 お竹どんの助けがいりますのや。 390 00:34:32,180 --> 00:34:34,880 女衆としてや ありまへん。 391 00:34:34,880 --> 00:34:40,880 わての右腕になって 商い手伝うてもらいとうおます。 392 00:34:43,970 --> 00:34:51,040 お竹どんの知恵と技と… その心根で→ 393 00:34:51,040 --> 00:34:56,040 五鈴屋の江戸店 一緒に作ってほしいんだす。 394 00:35:01,480 --> 00:35:06,540 わてが… お役に立ちますやろか? 395 00:35:06,540 --> 00:35:10,230 年も年やし…→ 396 00:35:10,230 --> 00:35:16,230 近頃は目ぇも薄なって 針の運びも 昔のようにはいきまへん。 397 00:35:17,980 --> 00:35:19,980 けど…。 398 00:35:22,700 --> 00:35:29,420 それでも ええて 言うていただけるのやったら…→ 399 00:35:29,420 --> 00:35:33,130 わては どこまでも お供して→ 400 00:35:33,130 --> 00:35:36,830 この寿命が尽きるまで→ 401 00:35:36,830 --> 00:35:42,220 ご寮さんのおそばで 働かせていただきとうございます。 402 00:35:42,220 --> 00:35:44,920 お竹どん…。 403 00:35:44,920 --> 00:35:50,920 どうぞ 江戸へお供させておくれやす。 404 00:35:54,000 --> 00:35:56,360 おおきに。 405 00:35:56,360 --> 00:36:02,420 ああ… はあ…。 406 00:36:02,420 --> 00:36:07,140 一生 鍋の底 磨いて 暮らすだけや 思てましたのに。 407 00:36:07,140 --> 00:36:13,870 フッ… ああ… この年になって→ 408 00:36:13,870 --> 00:36:18,250 こんな面白いことが あるやなんて。 409 00:36:18,250 --> 00:36:21,950 フフフ…。 フッ… アハハハ! 410 00:36:21,950 --> 00:36:30,950 (笑い声) 411 00:36:34,740 --> 00:36:36,740 はあ…。 412 00:36:39,800 --> 00:36:46,860 (治兵衛)明日は いよいよ出立だすなあ。 へえ。 413 00:36:46,860 --> 00:36:48,890 はあ~…。 414 00:36:48,890 --> 00:36:55,960 フフッ 昔 ここで 問屋は 何で お客に物を売らんのかて→ 415 00:36:55,960 --> 00:36:59,320 聞かれたことがおましたな。 フフッ。 416 00:36:59,320 --> 00:37:09,090 その時 治兵衛さんから教わったんだす。 商いは 川の流れのようなもんやて。 417 00:37:09,090 --> 00:37:11,440 (鳥の鳴き声) 418 00:37:11,440 --> 00:37:16,160 あ… あれ ミサゴだすな。 へえ。 419 00:37:16,160 --> 00:37:20,160 (鳴き声) 420 00:37:22,890 --> 00:37:27,610 江戸に出たら ミサゴの目 持ちなはれや。 421 00:37:27,610 --> 00:37:32,990 ミサゴの目? 422 00:37:32,990 --> 00:37:38,710 高いとこから 川の流れを見るように→ 423 00:37:38,710 --> 00:37:43,710 世の中の大きなうねりを読む目だす。 424 00:37:45,450 --> 00:37:49,450 いや… それだけでは足りまへん。 425 00:37:51,170 --> 00:37:52,530 アリの目も いりますわ。 426 00:37:52,530 --> 00:37:55,560 アリ? 427 00:37:55,560 --> 00:38:00,260 地べた はう アリのように→ 428 00:38:00,260 --> 00:38:06,330 身の回りの小さなもんに 目を凝らすことだす。 429 00:38:06,330 --> 00:38:12,330 アリの目と ミサゴの目…。 430 00:38:16,430 --> 00:38:22,150 夕日は金色 川面は銀色や! 431 00:38:22,150 --> 00:38:27,150 神さんがくれた 美しい色だすな。 432 00:38:28,880 --> 00:38:31,910 ご寮さん…→ 433 00:38:31,910 --> 00:38:39,910 江戸の商いの川 金色と銀色に 染めてみなはれ。 434 00:38:42,010 --> 00:38:44,370 へえ。 435 00:38:44,370 --> 00:38:54,470 ・~ 436 00:38:54,470 --> 00:38:59,530 お竹どんまで行ってしまうやなんて… あんまり さみしいわ。 437 00:38:59,530 --> 00:39:04,910 (お竹)何べん おんなじこと言いますのや。 今生の別れやあるまいし。 438 00:39:04,910 --> 00:39:11,310 けど… わての花嫁姿も見てもらえんうちに…。 439 00:39:11,310 --> 00:39:17,370 あんたが嫁ぐの待ってたら いつまでたっても江戸へ出られへんわ。 440 00:39:17,370 --> 00:39:20,060 ひどい…。 441 00:39:20,060 --> 00:39:23,060 ほれ チャッチャとせな 間に合いまへんで! 442 00:39:25,790 --> 00:39:33,790 なあ… わての嫁入りの時には きっと戻ってきてな。 443 00:39:34,550 --> 00:39:42,280 へえへえ。 めでたい知らせ届くの 首長うして待ってます。 444 00:39:42,280 --> 00:40:01,810 ・~ 445 00:40:01,810 --> 00:40:05,860 (菊栄)これは お守り代わりや。→ 446 00:40:05,860 --> 00:40:13,930 幸は江戸で わては大坂で お互い 気張りまひょ。 447 00:40:13,930 --> 00:40:15,960 へえ。 448 00:40:15,960 --> 00:40:22,350 いつか一緒に 何ぞ面白いことをやりまひょな! 449 00:40:22,350 --> 00:40:50,640 ・~ 450 00:40:50,640 --> 00:40:55,010 江戸の様子 確かめたら わては すぐ帰ってきますよってな→ 451 00:40:55,010 --> 00:40:58,370 それまで 店 頼みましたで。 452 00:40:58,370 --> 00:40:59,720 (手代たち)へえ! 453 00:40:59,720 --> 00:41:01,080 待った 待った! ハァ…。 454 00:41:01,080 --> 00:41:05,440 ああ よかった! 間に合うたわ。 455 00:41:05,440 --> 00:41:08,480 亀三さん。 うん… ハァ… あんな…→ 456 00:41:08,480 --> 00:41:12,850 江戸で 何ぞ 困ったことあったら この人 訪ねてみなはれ。 457 00:41:12,850 --> 00:41:15,210 きっと知恵貸してくれるはずや。 458 00:41:15,210 --> 00:41:19,250 ありがとさんでございます。 459 00:41:19,250 --> 00:41:22,960 ほな ぼちぼち。 へえ。 460 00:41:22,960 --> 00:41:26,670 留守の間 よろしゅう頼んます。 461 00:41:26,670 --> 00:41:28,670 (手代たち)へえ! 462 00:41:35,070 --> 00:41:38,790 智やん… 門出やで。 463 00:41:38,790 --> 00:41:43,160 打ちま~っしょ! 464 00:41:43,160 --> 00:41:45,860 もひとつせ! 465 00:41:45,860 --> 00:41:50,220 (一同)祝うて三度! 466 00:41:50,220 --> 00:41:52,250 お気を付けて行っておいでやす。 467 00:41:52,250 --> 00:41:57,640 旦那さん 一緒に江戸へ… 行きまひょな。 468 00:41:57,640 --> 00:42:00,670 打ちま~っしょ! よいよい! 469 00:42:00,670 --> 00:42:03,700 もひとつせ! よいよい! 470 00:42:03,700 --> 00:42:07,740 祝うて三度! よよいのよい! 471 00:42:07,740 --> 00:42:09,760 打ちま~っしょ! よいよい! 472 00:42:09,760 --> 00:42:36,350 ・~ 473 00:42:36,350 --> 00:42:37,700 何でお止めせなんだんや。 474 00:42:37,700 --> 00:42:40,060 江戸て けったいなとこだすな。 475 00:42:40,060 --> 00:42:42,750 大坂の比ではございませんよ。 南無三。 476 00:42:42,750 --> 00:42:46,120 今は まず無事に江戸店 開くことだす。 477 00:42:46,120 --> 00:42:47,470 小頭さん。 アハハ! 478 00:42:47,470 --> 00:42:50,500 惣ぼんさんが江戸にいはって もし 五鈴屋を継ぎたい言わはったら…。 479 00:42:50,500 --> 00:42:52,500 店主が女?