1 00:00:06,339 --> 00:00:10,310 ウォルト・ディズニー 第3話 2 00:00:33,199 --> 00:00:35,635 ウォルト・ディズニーは 創造的なことに― 3 00:00:36,503 --> 00:00:38,371 力を注ぎました 4 00:00:38,471 --> 00:00:40,273 そのためには― 5 00:00:40,373 --> 00:00:43,109 どなりつけることさえ しました 6 00:00:44,711 --> 00:00:47,781 でも こんな騒動は 理解不能でした 7 00:00:52,218 --> 00:00:54,654 ディズニー・スタジオの 従業員は― 8 00:00:54,754 --> 00:00:58,691 昇給や時間外手当の 支払いのほかに― 9 00:00:59,125 --> 00:01:04,364 エンドクレジットに名前を 載せることを求めていました 10 00:01:05,165 --> 00:01:10,470 ウォルトは状況を軽視し 取り合いませんでした 11 00:01:10,570 --> 00:01:13,440 しかし1941年5月29日 12 00:01:13,706 --> 00:01:18,745 アニメーション制作部門の ほぼ半数がストに参加 13 00:01:21,448 --> 00:01:25,518 ストライキは 数週間で拡大し― 14 00:01:25,718 --> 00:01:28,855 揺らいでいた経営を 脅かします 15 00:01:30,323 --> 00:01:34,427 最新の2作品「ピノキオ」と 「ファンタジア」は― 16 00:01:34,527 --> 00:01:38,498 赤字となり 投資家に見放されます 17 00:01:38,665 --> 00:01:43,403 会社の株式は 1株25ドルから4ドルに下落 18 00:01:44,103 --> 00:01:47,440 ウォルトにはヒット作が 必要でした 19 00:01:47,540 --> 00:01:50,176 しかし従業員たちは 次回作の― 20 00:01:50,276 --> 00:01:54,414 「ダンボ」と「バンビ」も 失敗させたいようでした 21 00:01:55,882 --> 00:02:00,587 ストライキが長引くと 雰囲気は険悪になり― 22 00:02:00,820 --> 00:02:04,457 従業員もウォルトも 怒りを募らせました 23 00:02:06,626 --> 00:02:11,231 1か月してもウォルトは 漫画映画家組合を― 24 00:02:11,331 --> 00:02:15,168 従業員の代表として 認めることを拒否 25 00:02:16,569 --> 00:02:21,474 組合の代表ハーバート・ ソレルとの交渉も拒み― 26 00:02:21,574 --> 00:02:25,879 解雇したベテランアニメーター アート・バビットへ― 27 00:02:26,179 --> 00:02:29,382 謝罪することも拒否しました 28 00:02:30,850 --> 00:02:34,354 多くの従業員が 組合側につき― 29 00:02:34,454 --> 00:02:38,591 背いたことが 彼には信じられませんでした 30 00:02:38,892 --> 00:02:42,629 そして裏に 陰謀があると考え― 31 00:02:42,729 --> 00:02:46,499 ハリウッドの業界専門誌 「バラエティ」に― 32 00:02:46,599 --> 00:02:49,335 全面広告を掲載します 33 00:02:49,402 --> 00:02:54,507 “ストライキ中の従業員へ” 34 00:02:54,607 --> 00:02:58,745 “私には こうして 呼びかける以外に方法がない” 35 00:03:01,381 --> 00:03:05,752 ウォルトは責任を押しつける 悪者を求めていました 36 00:03:01,381 --> 00:03:05,752 〝共産主義的〞 37 00:03:05,752 --> 00:03:06,185 〝共産主義的〞 38 00:03:06,185 --> 00:03:09,689 〝共産主義的〞 39 00:03:06,185 --> 00:03:09,689 当時のハリウッドで はやっていたのは― 40 00:03:09,822 --> 00:03:13,960 共産主義という亡霊を 悪者にすることです 41 00:03:15,895 --> 00:03:21,634 彼はあの時代の典型的な 経営者になっていました 42 00:03:22,335 --> 00:03:28,241 当時 経営者は組合の結成を 共産主義のせいにしていました 43 00:03:28,341 --> 00:03:32,946 ディズニーも平凡な一企業に なってしまったのです 44 00:03:49,395 --> 00:03:51,698 彼は打ちのめされました 45 00:03:53,499 --> 00:03:59,572 自分のやり方が否定され 戸惑っていたのです 46 00:04:02,008 --> 00:04:07,247 友人に手紙を書きました “今の状況は大惨事だ” 47 00:04:07,880 --> 00:04:12,852 “アニメーションという 映像分野を築く上で―” 48 00:04:12,952 --> 00:04:17,690 “重要な役を果たす精神が 破壊されたのだ” 49 00:04:17,824 --> 00:04:20,760 “私は幻滅し 落胆している” 50 00:04:28,334 --> 00:04:33,706 翌日 ウォルトは南米へ 10週間に及ぶ旅に出ました 51 00:04:33,806 --> 00:04:38,578 兄であり共同経営者でもある ロイに対応を一任 52 00:04:38,978 --> 00:04:42,815 ウォルトは遠くへ 逃げたのです 53 00:04:43,016 --> 00:04:48,354 彼はウンザリし 疲れ果て 離れたかったのでしょう 54 00:04:51,791 --> 00:04:54,961 南米は彼をほっとさせました 55 00:04:55,795 --> 00:04:59,532 どこへ行っても 熱烈な歓迎を受け― 56 00:04:59,632 --> 00:05:03,303 要人たちに ディナーへ招かれました 57 00:05:03,903 --> 00:05:05,772 人気者でした 58 00:05:07,507 --> 00:05:08,908 実に対照的です 59 00:05:09,008 --> 00:05:14,614 南米では温かく 愛情を持って受け入れられた 60 00:05:14,947 --> 00:05:18,084 なのに母国では 敵意を向けられ― 61 00:05:18,384 --> 00:05:22,822 あからさまな違いを 彼は感じたでしょう 62 00:05:26,893 --> 00:05:33,032 ウォルトが南米を旅行中に 父イライアスは急死します 63 00:05:34,367 --> 00:05:38,504 対立し続けてきた父のために 旅を切り上げ― 64 00:05:38,604 --> 00:05:41,774 帰国しようとは しませんでした 65 00:05:42,108 --> 00:05:44,610 兄のロイにとっても― 66 00:05:44,811 --> 00:05:49,682 短気な弟が遠くにいたほうが 好都合でした 67 00:05:49,782 --> 00:05:53,052 組合との和解を 試みていたのです 68 00:05:54,387 --> 00:05:57,390 ロイは先を見越していました 69 00:05:57,490 --> 00:06:01,961 いずれ どのスタジオにも 組合は組織されると 70 00:06:02,061 --> 00:06:05,431 だから和解しようとしたのです 71 00:06:05,531 --> 00:06:07,533 “ストライキ参加社員” 72 00:06:09,502 --> 00:06:15,575 ウォルトが帰国したとき ストライキは解決していました 73 00:06:15,908 --> 00:06:19,779 従業員の要求は ほぼ すべて通り― 74 00:06:19,879 --> 00:06:22,949 アニメーション制作は 再開されます 75 00:06:26,419 --> 00:06:31,424 しかし家族のような職場環境は 永遠に消え去りました 76 00:06:41,434 --> 00:06:44,537 ストライキの数か月後 スタジオに― 77 00:06:44,637 --> 00:06:47,974 第二次世界大戦の影が 忍び寄ります 78 00:06:48,574 --> 00:06:52,845 高射砲部隊の基地として 敷地は接収されました 79 00:06:55,181 --> 00:06:59,118 娘たちの前では 明るく振る舞いますが― 80 00:06:59,418 --> 00:07:02,588 彼のスタジオは火の車です 81 00:07:02,955 --> 00:07:07,827 1942年の夏には 映画制作の資金が底を突き― 82 00:07:08,427 --> 00:07:15,067 国のプロパガンダや軍の仕事で 何とか持ちこたえていました 83 00:07:28,748 --> 00:07:31,851 冬って ほんとに長いね 84 00:07:32,118 --> 00:07:37,723 長く思えるけど 永遠には続かないわ 85 00:07:38,090 --> 00:07:43,629 映画「バンビ」はスタジオを 復活させる大ヒット作になる 86 00:07:43,729 --> 00:07:46,999 ウォルトは そう信じていました 87 00:07:47,099 --> 00:07:53,739 ストライキの間も中断せず 5年も制作し続けていたのです 88 00:07:54,173 --> 00:07:55,575 バンビ! 89 00:07:55,942 --> 00:07:57,743 来てごらん 90 00:07:58,811 --> 00:07:59,879 ほら 91 00:08:01,581 --> 00:08:04,016 春の草よ 92 00:08:05,184 --> 00:08:08,888 1942年8月に 公開された「バンビ」は― 93 00:08:08,988 --> 00:08:14,260 ディズニー作品の中で 最も野心的と言われた長編映画 94 00:08:14,660 --> 00:08:20,032 美しさの中に危険が潜む 自然界を描き出したのです 95 00:08:27,240 --> 00:08:30,510 バンビ 森の中へ! 96 00:08:35,847 --> 00:08:38,551 速く もっと速く! 97 00:08:38,951 --> 00:08:40,086 前を見て! 98 00:08:40,820 --> 00:08:42,054 走って! 99 00:08:42,522 --> 00:08:43,823 走り続けて! 100 00:08:56,702 --> 00:08:57,937 やったね 101 00:08:58,804 --> 00:09:00,673 逃げきれたね 102 00:09:03,709 --> 00:09:04,810 母さん? 103 00:09:09,015 --> 00:09:11,083 母さん! 104 00:09:17,156 --> 00:09:19,825 母さん どこなの? 105 00:09:24,730 --> 00:09:26,032 母さん! 106 00:09:26,132 --> 00:09:31,103 どの時代の子供にも トラウマとなる場面です 107 00:09:31,203 --> 00:09:32,738 母さん… 108 00:09:34,807 --> 00:09:36,309 母さん 109 00:09:36,609 --> 00:09:40,212 降りしきる雪の中 セリフはごくわずか 110 00:09:42,114 --> 00:09:45,718 とんでもなく大胆な 映画づくりです 111 00:09:53,893 --> 00:09:55,161 母さん… 112 00:10:01,000 --> 00:10:03,970 母さんは もう戻らない 113 00:10:20,186 --> 00:10:21,253 おいで 114 00:10:23,155 --> 00:10:24,223 息子よ 115 00:10:28,127 --> 00:10:32,031 ある点においては 成功した作品です 116 00:10:32,131 --> 00:10:37,903 当時としては最高レベルの リアリズムを実現しました 117 00:10:41,407 --> 00:10:44,644 でも 人々はこう感じました 118 00:10:45,011 --> 00:10:48,748 わずか数年で ディズニー映画は― 119 00:10:48,848 --> 00:10:52,218 古くさくなってしまったと 120 00:10:54,320 --> 00:10:58,290 「バンビ」の最初の公開時は 赤字でした 121 00:10:59,225 --> 00:11:01,327 ウォルトは投資家に対し― 122 00:11:01,427 --> 00:11:05,431 赤字は戦争のせいだと 言い訳します 123 00:11:05,731 --> 00:11:09,068 しかし ストライキ直後の この失敗で― 124 00:11:09,168 --> 00:11:12,671 事実を否定できなくなりました 125 00:11:14,440 --> 00:11:17,777 ウォルトは アニメーション映画に― 126 00:11:17,877 --> 00:11:21,847 多くの資金や労力 自らの心血を注ぎました 127 00:11:22,014 --> 00:11:27,686 その結果 手にしたのは 逆らう従業員ばかりの会社 128 00:11:27,787 --> 00:11:33,692 多額の負債 政治記者や 映画評論家からの酷評でした 129 00:11:34,326 --> 00:11:38,264 偉大な実験の時代は 失われました 130 00:11:38,364 --> 00:11:42,868 初期のディズニー映画は “ビッグ5”と呼ばれています 131 00:11:44,737 --> 00:11:47,907 「白雪姫」「ピノキオ」 「ファンタジア」 132 00:11:48,007 --> 00:11:49,942 「バンビ」「ダンボ」です 133 00:11:53,112 --> 00:11:57,450 これらは異なる個性を持った 作品です 134 00:12:05,458 --> 00:12:09,995 ディズニースタイルは 当時 存在しませんでした 135 00:12:12,798 --> 00:12:15,134 「ピノキオ」も「バンビ」も― 136 00:12:17,470 --> 00:12:19,872 「ダンボ」も全く違う 137 00:12:24,376 --> 00:12:28,514 ハイペリオンと 初期のバーバンクにあった― 138 00:12:28,814 --> 00:12:34,019 ディズニー・スタジオの楽園は 失われたのです 139 00:12:34,487 --> 00:12:36,789 楽園が失われ― 140 00:12:36,889 --> 00:12:41,760 アニメーションのセンスと 偉大さも失われました 141 00:12:43,863 --> 00:12:47,399 二度と戻ることは ありませんでした 142 00:12:53,038 --> 00:12:57,376 「南部の唄」の元ネタは 「リーマスじいやの物語」だね 143 00:12:57,476 --> 00:13:01,780 ミズーリ州の子供時代に 物語を知って以来― 144 00:13:01,881 --> 00:13:04,016 ずっとお気に入りでね 145 00:13:04,116 --> 00:13:06,252 ファンは大勢いる 146 00:13:08,053 --> 00:13:09,255 「リーマスじいやの物語」 147 00:13:09,255 --> 00:13:10,122 「リーマスじいやの物語」 148 00:13:09,255 --> 00:13:10,122 「リーマスじいやの物語」は アメリカの民話集です 149 00:13:10,122 --> 00:13:13,826 「リーマスじいやの物語」は アメリカの民話集です 150 00:13:13,926 --> 00:13:20,866 第二次世界大戦後 ウォルトは これを題材にしようと考えます 151 00:13:21,200 --> 00:13:25,171 ヨーロッパのおとぎ話に 頼っていた題材を― 152 00:13:25,271 --> 00:13:28,440 土台から 変えることができます 153 00:13:28,541 --> 00:13:32,912 彼の個人的な 思い入れもありました 154 00:13:35,915 --> 00:13:39,485 ウォルトは 制作費を抑えるために― 155 00:13:39,585 --> 00:13:44,423 実写とアニメーションを 組み合わせました 156 00:13:45,090 --> 00:13:51,430 銀行家は 長編アニメ映画を 創れるだけの資金を― 157 00:13:51,530 --> 00:13:53,599 貸さなかったのです 158 00:13:54,133 --> 00:13:58,437 初代アニメーターの多くが スタジオを去り― 159 00:13:58,537 --> 00:14:03,609 かつての最先端の装置は さびついていました 160 00:14:04,843 --> 00:14:10,115 しかしウォルトには全盛期から 尽きることのない― 161 00:14:10,216 --> 00:14:12,484 資産がありました 162 00:14:12,585 --> 00:14:17,289 ストーリー選びと表現に関する 彼の直感です 163 00:14:18,924 --> 00:14:21,594 疎外された人々の物語です 164 00:14:21,894 --> 00:14:26,031 とても不幸な白人の少年と 165 00:14:26,165 --> 00:14:29,268 仲よしの黒人の少年 166 00:14:30,102 --> 00:14:34,506 語り手の賢い黒人の老人 リーマスじいや 167 00:14:34,607 --> 00:14:37,977 アニメーションの ウサギもそうです 168 00:14:38,611 --> 00:14:40,913 弱い者が勝つという― 169 00:14:41,013 --> 00:14:46,352 大衆受けする典型的な ディズニースタイルの物語です 170 00:14:46,652 --> 00:14:49,088 弱者が強敵を出し抜き― 171 00:14:49,188 --> 00:14:53,292 うまく立ち回り 最後に勝利するのです 172 00:14:56,428 --> 00:15:00,966 ウォルトは何年も この話の構想を温めていました 173 00:15:01,066 --> 00:15:06,372 1939年には選択権を 手に入れていたのです 174 00:15:06,505 --> 00:15:11,677 物語の内容は単純ですが 政治的な問題は別でした 175 00:15:12,177 --> 00:15:17,549 原作の舞台は南北戦争直後の 最南部の農園です 176 00:15:18,017 --> 00:15:24,089 映画化するにはアメリカの 人種問題を避けては通れません 177 00:15:24,189 --> 00:15:29,194 第二次世界大戦後も 南部の白人至上主義者は― 178 00:15:29,295 --> 00:15:33,632 人種隔離政策を 維持しようと必死でした 179 00:15:34,133 --> 00:15:35,601 論点となるのは― 180 00:15:36,001 --> 00:15:42,241 アフリカ系アメリカ人の 主人公が楽しげに語るのが― 181 00:15:42,474 --> 00:15:47,046 歴史の汚点とされる 時代の話という点です 182 00:15:47,446 --> 00:15:51,150 公民権運動が 盛んになる前ですが― 183 00:15:51,250 --> 00:15:56,388 全米黒人地位向上協会や 帰還兵が声を上げました 184 00:15:56,488 --> 00:16:01,627 “歴史上の苦痛は皆で 分かち合うべきだ” 185 00:16:02,294 --> 00:16:07,066 “陽気な物語で ごまかすのは望まない”と 186 00:16:08,000 --> 00:16:13,639 それまでウォルトは社会問題に 向き合わずにきました 187 00:16:13,739 --> 00:16:19,979 彼が表現したいと望む ステレオタイプな人物像を― 188 00:16:20,079 --> 00:16:23,315 南部の黒人に 受け入れてもらうには― 189 00:16:23,415 --> 00:16:26,218 しかるべき助言が必要でした 190 00:16:27,353 --> 00:16:33,092 有名なアフリカ系アメリカ人の 知識人や活動家に― 191 00:16:33,192 --> 00:16:36,428 ウォルトは意見を求めました 192 00:16:37,129 --> 00:16:41,734 ある学者は言いました “これで世論を変えられる” 193 00:16:42,034 --> 00:16:45,637 “ただし 南部の農園について―” 194 00:16:45,738 --> 00:16:51,710 “楽しげに歌う元奴隷のような 紋切り型をやめればだが” 195 00:16:52,344 --> 00:16:56,448 ウォルトは 自分の直感に従います 196 00:16:56,582 --> 00:17:00,719 彼は助言をもらっても 注意を払わず― 197 00:17:01,020 --> 00:17:05,257 自分が思い描いたとおりに 進めたのです 198 00:17:08,527 --> 00:17:12,263 「南部の唄」の 封切りイベント会場は― 199 00:17:12,364 --> 00:17:13,799 ジョージア州アトランタ 200 00:17:14,333 --> 00:17:18,404 7年前に 「風と共に去りぬ」が― 201 00:17:18,503 --> 00:17:20,806 プレミア上映された場所です 202 00:17:23,075 --> 00:17:28,480 「南部の唄」に出演した 白人俳優は勢ぞろい 203 00:17:29,348 --> 00:17:32,818 リーマスじいや役の ジェームズ・バスケットは― 204 00:17:34,219 --> 00:17:39,224 州の法律で白人専用の 映画館に入れませんでした 205 00:17:44,296 --> 00:17:48,367 なんて すばらしい日だ 206 00:17:48,700 --> 00:17:53,105 日光が 行く手を照らしている 207 00:17:57,209 --> 00:18:01,847 ウォルトは社会状況を 無視しているかのようです 208 00:18:02,614 --> 00:18:03,382 驚きです 209 00:18:03,482 --> 00:18:07,352 何か入った袋が欲しい! 210 00:18:07,453 --> 00:18:10,155 おなかをすかせた主(あるじ)のために 211 00:18:10,255 --> 00:18:15,461 ある評論家はこう書きました “美しい映画だ” 212 00:18:15,561 --> 00:18:18,363 “伝統的な 南部の農園で―” 213 00:18:18,797 --> 00:18:24,203 “マグノリアの花が咲き 黒人が一日中 歌っている” 214 00:18:24,303 --> 00:18:26,371 “子供たちに見せたい” 215 00:18:31,243 --> 00:18:33,245 すみません サリー様 216 00:18:34,480 --> 00:18:39,418 私のせいよ あなたはお話を やめられないのですから 217 00:18:40,352 --> 00:18:45,757 リーマスじいや もうジョニーには近づかないで 218 00:18:46,525 --> 00:18:51,630 ニューヨーク・タイムズ紙や ほかの人々は酷評します 219 00:18:53,198 --> 00:18:57,569 “主人と奴隷の間の愛情が あまりに深すぎる” 220 00:18:57,669 --> 00:19:02,741 “リンカーンは間違っていたと ウォルトは考えるのか” 221 00:19:05,144 --> 00:19:08,614 全米黒人地位向上協会は 「南部の唄」を― 222 00:19:08,714 --> 00:19:11,817 “奴隷制を 美化している”と非難 223 00:19:12,184 --> 00:19:15,721 ボイコットを 呼びかけました 224 00:19:12,184 --> 00:19:15,721 〝昔の南部は―〞 225 00:19:15,821 --> 00:19:17,623 〝支配民族にとっては すてきな所〞 226 00:19:17,623 --> 00:19:20,159 〝支配民族にとっては すてきな所〞 227 00:19:17,623 --> 00:19:20,159 ウォルトは 映画に対する― 228 00:19:20,259 --> 00:19:24,229 否定的な反応に 気落ちしていました 229 00:19:20,259 --> 00:19:24,229 〝ハイル ディズニー!〞 230 00:19:24,863 --> 00:19:28,233 彼には題材に 自信がありました 231 00:19:28,333 --> 00:19:32,804 ついにアメリカ独自の物語が 長編映画となり― 232 00:19:32,905 --> 00:19:36,842 上映されるのだと 考えていたのです 233 00:19:37,242 --> 00:19:38,477 そのため― 234 00:19:38,577 --> 00:19:44,683 映画を見た人々の反応に ショックを受け落胆しました 235 00:19:45,350 --> 00:19:51,356 ウォルトは批判の声の主を 共産主義者だと決めつけました 236 00:19:51,456 --> 00:19:55,661 ストライキ以来 彼らが再び襲ってきたと 237 00:19:55,894 --> 00:20:02,334 多くの人が彼の終わりを 願っていると思っていたのです 238 00:20:14,880 --> 00:20:17,816 1940年代 新たに誕生したのは― 239 00:20:17,916 --> 00:20:22,221 ユナイテッド・プロダクションズ・ オブ・アメリカ 240 00:20:23,222 --> 00:20:27,960 UPAの創設者の考えは ウォルトと異なります 241 00:20:28,260 --> 00:20:31,463 ディズニー・スタジオに 対抗するかのように― 242 00:20:31,563 --> 00:20:33,732 改革を推し進めました 243 00:20:37,803 --> 00:20:42,507 “アニメーションのゴールは 写実的描写ではない” 244 00:20:42,608 --> 00:20:46,345 “モダンアートを 参考にしよう” 245 00:20:46,445 --> 00:20:51,883 “すべてリアルに 描写する必要はないはずだ” 246 00:20:52,718 --> 00:20:57,322 UPAは自由に 実験できる場でした 247 00:21:00,592 --> 00:21:03,795 ディズニー・スタジオとは 全く違う 248 00:21:03,895 --> 00:21:08,400 ピカソやミロを見て 新たな手法を考えました 249 00:21:08,967 --> 00:21:13,672 革新的で大胆な モダンアートです 250 00:21:17,309 --> 00:21:19,544 映画界の労働争議です 251 00:21:19,645 --> 00:21:23,582 カリフォルニアで ストライキが起きています 252 00:21:23,982 --> 00:21:25,050 ハリウッドは― 253 00:21:25,350 --> 00:21:29,454 再びストライキの波に 見舞われました 254 00:21:29,588 --> 00:21:31,757 スタジオ経営者たちは― 255 00:21:31,857 --> 00:21:36,395 組合を弱体化させようと 決心します 256 00:21:36,728 --> 00:21:37,896 ウォルトは― 257 00:21:37,996 --> 00:21:42,734 “アメリカの理想を守るための 映画同盟”の役員に 258 00:21:43,001 --> 00:21:46,371 同盟の設立目的は 映画界を― 259 00:21:46,471 --> 00:21:51,610 共産主義者や急進主義者から 守ることでした 260 00:21:54,846 --> 00:21:59,785 1947年10月 ウォルトは彼の“宿敵”に― 261 00:21:59,918 --> 00:22:02,387 報復する機会を得ます 262 00:22:02,521 --> 00:22:07,793 下院非米活動委員会の 聴聞会に呼ばれました 263 00:22:07,893 --> 00:22:12,798 ストライキで背後にいると 見なされていた― 264 00:22:12,898 --> 00:22:16,735 共産主義者を あぶり出すのが目的です 265 00:22:18,070 --> 00:22:23,475 ウォルトをはじめ 多くの 映画界の著名人たちが― 266 00:22:23,575 --> 00:22:26,611 友好的証人となりました 267 00:22:26,878 --> 00:22:31,717 ウォルト・ディズニー・ スタジオの経営者ですね? 268 00:22:31,817 --> 00:22:33,518 まずウォルトは― 269 00:22:33,618 --> 00:22:39,825 自分の会社は共産主義者に 汚染されていないことを主張 270 00:22:39,925 --> 00:22:43,428 「三匹の子ぶた」をロシアに… 271 00:22:43,528 --> 00:22:45,931 そして名前を挙げ始めます 272 00:22:46,031 --> 00:22:50,502 1941年 彼の会社に対し ストライキを組織した― 273 00:22:50,602 --> 00:22:52,571 指導者たちの名前です 274 00:22:52,671 --> 00:22:58,810 ソレル氏が共産主義者だと 信じていました 275 00:23:00,512 --> 00:23:04,583 共産党関連の出版物で 名前を見ました 276 00:23:04,683 --> 00:23:08,120 私を中傷した人たちは 277 00:23:08,420 --> 00:23:12,858 全員 共産党に関わる団体の メンバーでした 278 00:23:13,058 --> 00:23:18,029 従業員たちが私の所に来て 279 00:23:18,163 --> 00:23:20,832 ハーバート・ソレルが… 280 00:23:21,133 --> 00:23:22,734 ハーバート・K・ソレル? 281 00:23:22,834 --> 00:23:24,436 そうです 282 00:23:25,070 --> 00:23:30,609 彼が私を笑い “考えが甘い”と言ったと 283 00:23:30,709 --> 00:23:36,882 “その気になれば スタジオを 潰すことができる”とも 284 00:23:36,982 --> 00:23:39,818 ウォルトの証言の焦点は― 285 00:23:39,918 --> 00:23:43,155 誰が共産主義者かではなく― 286 00:23:43,455 --> 00:23:47,025 組合の指導者への攻撃に 当てられていました 287 00:23:47,726 --> 00:23:53,031 ストライキがあったのは1941年 証言の6年も前です 288 00:23:53,131 --> 00:23:55,000 つまりウォルトは― 289 00:23:55,100 --> 00:23:59,938 恨みを永遠に 忘れないということです 290 00:24:00,605 --> 00:24:06,645 彼の証言は独自の解釈に 基づくものです 291 00:24:06,745 --> 00:24:09,981 ソレルの名前を 挙げたものの― 292 00:24:11,616 --> 00:24:16,087 彼が共産主義者だと 証明できませんでした 293 00:24:16,188 --> 00:24:21,726 答えられるのは あくまでも見聞きしたことです 294 00:24:21,827 --> 00:24:23,995 裁判なら不十分です 295 00:24:29,634 --> 00:24:34,940 ウォルトやロナルド・レーガン ゲイリー・クーパーの証言は― 296 00:24:35,040 --> 00:24:36,741 絶賛されます 297 00:24:37,108 --> 00:24:40,912 そして組合の活動家を 潰そうとする― 298 00:24:41,112 --> 00:24:45,016 スタジオ経営者たちを 後押ししました 299 00:24:45,617 --> 00:24:50,021 業界にいる左翼を記した ブラックリストを作り― 300 00:24:50,121 --> 00:24:53,558 スタジオ間で 協定を結びました 301 00:24:53,658 --> 00:24:59,731 共産主義者と目される人物は 雇わないという協定です 302 00:25:01,900 --> 00:25:07,272 ウォルトはリストの作成に 一役 買っていたのです 303 00:25:08,940 --> 00:25:14,079 それにより多くの人が 生計を立てるすべを失い― 304 00:25:14,246 --> 00:25:17,015 キャリアを断たれました 305 00:25:29,194 --> 00:25:31,596 ウォルトは聴聞会のあと― 306 00:25:31,696 --> 00:25:35,133 政争の場から 慌てて逃げました 307 00:25:36,301 --> 00:25:41,273 彼は政治思想を巡る争いに 興味はなく― 308 00:25:42,173 --> 00:25:44,843 仕事に戻りたかったのです 309 00:25:45,944 --> 00:25:48,747 妖精探しをしているとか 310 00:25:48,847 --> 00:25:52,717 黄金のつぼを持った妖精をね 311 00:25:52,817 --> 00:25:58,023 ハリウッドで使う 制作費を出してもらいたい 312 00:25:58,323 --> 00:26:02,327 ウォルトは精力的に 作品づくりに励み― 313 00:26:02,627 --> 00:26:07,165 次のヒット作を求め あらゆる場所を巡りました 314 00:26:07,732 --> 00:26:11,069 イギリスでは 実写長編映画の第1作― 315 00:26:11,236 --> 00:26:14,072 「宝島」を制作します 316 00:26:15,040 --> 00:26:19,044 さらに別作品をアメリカで制作 317 00:26:19,144 --> 00:26:23,014 その1本は 「わが心にかくも愛(いと)しき」です 318 00:26:23,748 --> 00:26:27,886 さらにニューヨークでは ホテルにこもり― 319 00:26:27,986 --> 00:26:31,022 テレビの可能性を探りました 320 00:26:32,023 --> 00:26:35,327 そして娘シャロンを連れ アラスカへ 321 00:26:35,627 --> 00:26:39,164 撮影したのは初となる 自然ドキュメンタリー 322 00:26:39,264 --> 00:26:40,899 「あざらしの島」です 323 00:26:41,366 --> 00:26:47,706 たとえ自然映画であっても ウォルトの手法は変わりません 324 00:26:47,806 --> 00:26:52,377 まず膨大な量のフィルムを見て こう言います 325 00:26:52,677 --> 00:26:56,348 “母親あざらしに 娘のあざらし” 326 00:26:56,648 --> 00:27:01,219 “あれは悪者あざらし 戦う映像も撮ってこい” 327 00:27:01,319 --> 00:27:03,154 そして物語にします 328 00:27:06,658 --> 00:27:13,064 母親が早く帰ってこなければ この子は死んでしまいます 329 00:27:14,632 --> 00:27:16,835 独りぼっちで 330 00:27:16,935 --> 00:27:21,239 こうして記録映像を 映画作品に変えました 331 00:27:26,177 --> 00:27:28,346 到着は予定どおり 332 00:27:28,646 --> 00:27:31,883 楽しそうに泳いだり 潜ったり 333 00:27:32,717 --> 00:27:35,353 まだ上陸はしません 334 00:27:35,653 --> 00:27:38,123 自然ものは安上がりです 335 00:27:38,656 --> 00:27:42,093 あざらしは ストライキしませんから 336 00:27:45,430 --> 00:27:48,733 「あざらしの島」は アカデミー賞を受賞し― 337 00:27:48,833 --> 00:27:53,405 収益を期待できる 新ドキュメンタリーが誕生 338 00:27:53,705 --> 00:27:55,740 「自然と冒険」 シリーズです 339 00:27:56,341 --> 00:27:59,844 しかしウォルトは アニメ映画が恋しくなり― 340 00:27:59,944 --> 00:28:03,681 1949年 新企画を考えます 341 00:28:04,049 --> 00:28:08,453 兄のロイは 制作費の高さに尻込みし― 342 00:28:08,753 --> 00:28:12,190 どなり合いの大げんかに発展 343 00:28:12,690 --> 00:28:14,893 ウォルトは兄に迫ります 344 00:28:14,993 --> 00:28:18,797 資金を集めるか 事業を売却するか 345 00:28:19,230 --> 00:28:21,166 ロイは言いました 346 00:28:21,299 --> 00:28:25,336 “お前といると おかしくなりそうだ” 347 00:28:25,437 --> 00:28:28,339 “一緒にはいられない” 348 00:28:30,275 --> 00:28:34,846 結局はいつものように ロイが折れ― 349 00:28:34,946 --> 00:28:40,985 新作映画「シンデレラ」のために 200万ドルを用意することに 350 00:28:41,720 --> 00:28:44,789 ところが いざ制作が始まると― 351 00:28:44,889 --> 00:28:49,461 ウォルトは映画づくりと 距離を置きます 352 00:28:50,128 --> 00:28:55,800 かつて「白雪姫」で感じた 興奮や新たな可能性を― 353 00:28:55,900 --> 00:28:59,471 感じることが できなかったのです 354 00:28:59,771 --> 00:29:02,507 大半をスタッフに任せました 355 00:29:05,310 --> 00:29:10,048 50歳を前に彼の体力は 急速に衰え始めます 356 00:29:10,148 --> 00:29:15,987 そして看護師を スタジオの従業員に加えました 357 00:29:17,288 --> 00:29:21,493 看護師のヘイゼルは 毎日 午後5時に来て― 358 00:29:21,793 --> 00:29:26,965 背中に温熱療法を施し 親身に彼の話を聞きました 359 00:29:27,465 --> 00:29:30,068 感じのよい女性でした 360 00:29:30,168 --> 00:29:33,838 ウォルトはポロで体を 痛めていました 361 00:29:33,938 --> 00:29:37,142 ほぼ毎晩のように ヘイゼルが― 362 00:29:37,242 --> 00:29:42,180 痛めた背中と尻に マッサージを施していました 363 00:29:53,958 --> 00:29:59,097 1948年の秋 ほぼ20年前と同じように― 364 00:29:59,297 --> 00:30:03,368 ウォルトは医師の指示に従い 旅に出ました 365 00:30:04,035 --> 00:30:10,475 おもちゃの汽車を ウォルトの 部屋で見た看護師が― 366 00:30:10,575 --> 00:30:14,813 シカゴの鉄道博覧会を 紹介したのです 367 00:30:16,981 --> 00:30:20,952 彼は鉄道ファンの アニメーターを誘いました 368 00:30:21,186 --> 00:30:25,890 “君は誰より楽しんでる”と 言われたのは― 369 00:30:25,990 --> 00:30:27,492 ウォード・キンボールです 370 00:30:29,994 --> 00:30:33,264 酒を飲みながら ウォルトが語ったのは― 371 00:30:33,364 --> 00:30:38,503 マーセリンからハリウッドに 至る彼の半生です 372 00:30:51,149 --> 00:30:55,220 到着したとき ウォルトは有頂天でした 373 00:31:02,293 --> 00:31:05,597 ウォルトは この旅行をきっかけに― 374 00:31:05,897 --> 00:31:12,270 大型の鉄道模型が欲しくなり スタジオに線路を設置します 375 00:31:13,872 --> 00:31:18,176 模型制作の進行状況を 確認するのが― 376 00:31:18,276 --> 00:31:20,445 彼の日課となります 377 00:31:22,180 --> 00:31:26,084 すぐに数時間 工作所で過ごすようになり― 378 00:31:26,184 --> 00:31:30,955 やがて時間が延び 土曜は一日中 入り浸りに 379 00:31:32,190 --> 00:31:36,961 作業の責任者は ウォルトに道具一式を用意 380 00:31:37,061 --> 00:31:38,496 仕事を手伝わせました 381 00:31:40,131 --> 00:31:42,967 彼は汽車を作っていました 382 00:31:43,167 --> 00:31:47,005 自分の手で作っていたのです 383 00:31:47,338 --> 00:31:50,208 偉大なる ウォルト・ディズニーが― 384 00:31:50,308 --> 00:31:54,946 おもちゃの汽車作りに 情熱を注いでいました 385 00:31:55,613 --> 00:32:00,151 「シンデレラ」の制作中 スタジオを訪れた記者は― 386 00:32:00,451 --> 00:32:02,387 こう書いています 387 00:32:02,487 --> 00:32:07,625 “ミニチュアの汽車に 異様なほど関心を抱いている” 388 00:32:08,993 --> 00:32:12,630 “ファンタジーを 生み出した熱意は―” 389 00:32:13,031 --> 00:32:15,600 “おもちゃへ注がれている” 390 00:32:21,472 --> 00:32:28,246 1950年 映画「シンデレラ」が ようやく封切られたとき― 391 00:32:28,513 --> 00:32:33,551 評論家は古典的な ディズニー作品が復活したと 392 00:32:33,651 --> 00:32:35,253 称賛しました 393 00:32:35,420 --> 00:32:40,491 あなたの身長と目の色に 合うドレスは… 394 00:32:40,591 --> 00:32:41,659 そう! 395 00:32:42,160 --> 00:32:45,430 シンプルで大胆なものね 396 00:32:45,997 --> 00:32:49,467 私に任せて きっと気に入るはず 397 00:32:56,374 --> 00:32:59,143 なんてすてきなドレス! 398 00:32:59,243 --> 00:33:03,748 ロイは「シンデレラ」の収益を 600万ドルと予測 399 00:33:04,048 --> 00:33:08,086 実際には 800万ドルにもなりました 400 00:33:08,186 --> 00:33:12,590 夢のようだわ 夢が かなったの! 401 00:33:12,690 --> 00:33:14,092 ええ でも… 402 00:33:14,192 --> 00:33:20,565 ウォルトはスタジオが資金面で 救われたことを喜びました 403 00:33:21,666 --> 00:33:25,570 しかし この映画は 「白雪姫」には― 404 00:33:26,170 --> 00:33:29,607 はるかに劣ると 考えていました 405 00:33:32,643 --> 00:33:35,146 彼の関心は別のところに… 406 00:33:40,151 --> 00:33:44,022 彼は幼少期を過ごした マーセリンにあった― 407 00:33:44,122 --> 00:33:47,325 納屋を自宅の裏に 再現しました 408 00:33:47,425 --> 00:33:51,696 そしてフランネルシャツを着て 機関士帽をかぶり― 409 00:33:51,796 --> 00:33:54,499 何時間も線路を設計したり― 410 00:33:54,599 --> 00:33:57,735 エンジンを組み立てたり していました 411 00:33:59,470 --> 00:34:03,141 こんな彼の姿を見るのは 愉快です 412 00:34:03,574 --> 00:34:07,812 家の周りを走る汽車と 戯れていました 413 00:34:09,280 --> 00:34:12,516 彼には喜びだったのでしょう 414 00:34:23,226 --> 00:34:26,664 幼いころには 決して持てなかった― 415 00:34:27,364 --> 00:34:32,370 おもちゃで遊ぶのが 楽しくてしかたなかったのです 416 00:34:46,117 --> 00:34:50,154 ウォルトにとって 気晴らし以上のものでした 417 00:34:51,222 --> 00:34:57,662 あるとき ウォルトの家を訪れた 有名な画家のダリは― 418 00:34:58,830 --> 00:35:04,802 ウォルトが本物以上を 求めていることに驚きました 419 00:35:05,269 --> 00:35:08,673 ウォルトの完璧主義を見て ダリは― 420 00:35:08,873 --> 00:35:11,242 “模型の域を超えている”と 421 00:35:14,545 --> 00:35:19,817 汽車は慰めであり 救いであり 仕事場でした 422 00:35:20,118 --> 00:35:25,756 彼は人生のあの時期 失望と 混乱に悩まされていたのです 423 00:35:27,158 --> 00:35:28,593 彼は言いました 424 00:35:28,693 --> 00:35:33,564 “自分の会社も従業員も 完全には支配できない” 425 00:35:34,832 --> 00:35:40,671 “でも この世界は 自分の思いどおりにできる” 426 00:35:40,905 --> 00:35:44,709 “妻の花壇の下に トンネルを通すことも” 427 00:35:46,310 --> 00:35:47,745 “これは私の世界” 428 00:35:47,845 --> 00:35:52,817 “命を吹き込まれた 完璧で安全な世界だ” 429 00:36:11,769 --> 00:36:17,408 1952年の初め ウォルトが 大きな企画を温めていると― 430 00:36:18,576 --> 00:36:21,179 妻リリアンは察知します 431 00:36:21,279 --> 00:36:25,750 “ウォルトの想像力が 空のかなたへ飛び立つと―” 432 00:36:25,850 --> 00:36:27,919 “すべてが爆発するの” 433 00:36:31,222 --> 00:36:36,194 ウォルトは長年 所有してきた 資産の整理を始めます 434 00:36:36,294 --> 00:36:39,297 パームスプリングスの 別荘を売却し― 435 00:36:39,397 --> 00:36:43,801 自分の生命保険を担保に 10万ドルを借りました 436 00:36:43,901 --> 00:36:46,437 自分の名前の権利さえ― 437 00:36:46,537 --> 00:36:48,806 ウォルト・ディズニー・ プロダクションに売却 438 00:36:48,906 --> 00:36:52,610 そして 全く新しい 事業のために― 439 00:36:52,710 --> 00:36:55,413 新会社を立ち上げます 440 00:37:01,852 --> 00:37:05,823 彼はスタジオ構内の 小さな建物で― 441 00:37:05,923 --> 00:37:08,559 ウェッド(WED)という組織を つくります 442 00:37:08,926 --> 00:37:13,364 自分の名前の 頭文字を取ったものです 443 00:37:15,766 --> 00:37:19,437 ミッキーマウスを 考え出したころのように― 444 00:37:19,537 --> 00:37:21,505 少人数で取り組む 445 00:37:22,373 --> 00:37:24,976 古きよき時代の再現です 446 00:37:28,679 --> 00:37:32,984 ウォルトの頭の中には 具体的な案がありました 447 00:37:33,284 --> 00:37:36,721 スタジオの隣に 所有していた空き地への― 448 00:37:36,821 --> 00:37:40,458 建設計画も すでに練っていました 449 00:37:40,558 --> 00:37:45,296 何年も前から この企画を温めていたのです 450 00:37:45,529 --> 00:37:50,935 彼は幼かった娘たちを 遊園地へ連れていきたかった 451 00:37:51,035 --> 00:37:57,708 でも そういった所の係員は 薄汚い格好で場所も不潔でした 452 00:37:59,510 --> 00:38:04,849 “家族連れで楽しめる場所が 欲しい”と言っていました 453 00:38:05,850 --> 00:38:11,522 ウォルトが何か思いつくたびに 計画は膨らむ一方でした 454 00:38:12,790 --> 00:38:16,761 “ミッキーマウス・ビレッジ”と 名付けましたが― 455 00:38:16,861 --> 00:38:19,997 その後 “ディズニーランド”と改名 456 00:38:20,331 --> 00:38:24,302 1952年の末 “ディズニーランド”の構想は― 457 00:38:24,402 --> 00:38:28,372 狭い土地には 入りきらないほどでした 458 00:38:28,472 --> 00:38:31,776 ウォルトはディズニー・ プロダクションから― 459 00:38:31,876 --> 00:38:35,613 有能な人材を WEDへ送り込みました 460 00:38:35,713 --> 00:38:40,785 気に入るはずだと言って 彼らを説得したのです 461 00:38:42,620 --> 00:38:44,689 ロイは反対します 462 00:38:44,889 --> 00:38:49,327 “遊園地は ばく大な建設費が かかる” 463 00:38:49,427 --> 00:38:52,630 “きっとうまくいかない”と 464 00:39:00,705 --> 00:39:04,008 当時 遊園地と言えば 移動遊園地 465 00:39:05,409 --> 00:39:11,682 猛スピードの乗り物に乗って スリルを味わう場所でした 466 00:39:14,852 --> 00:39:16,554 さらに客引きが― 467 00:39:16,721 --> 00:39:21,459 さまざまな見せ物に 客を呼び込みました 468 00:39:25,529 --> 00:39:29,734 ちょっと危ない体験を する場所でした 469 00:39:33,671 --> 00:39:38,476 ウォルトが遊園地を造ると 夫人に言うと― 470 00:39:41,045 --> 00:39:44,882 “遊園地は安全じゃない”と 夫人は言いました 471 00:39:45,049 --> 00:39:48,753 “好ましくない人々が 大勢いる”と 472 00:39:51,589 --> 00:39:54,392 ウォルトは“私のは違う”と 473 00:39:57,161 --> 00:39:58,696 最新の計画は― 474 00:39:58,796 --> 00:40:03,501 当初の商業的成功を 求める案とは違いました 475 00:40:03,601 --> 00:40:08,572 実写のアリスをアニメの世界に 引き込んだように― 476 00:40:08,672 --> 00:40:14,512 人間を3次元の冒険へ 引き込もうと彼は考えたのです 477 00:40:14,979 --> 00:40:21,085 鉄道を建設したように 空想の世界を創ろうとしました 478 00:40:22,620 --> 00:40:24,655 風呂で思いついた― 479 00:40:24,889 --> 00:40:29,927 アルキメデスのように ウォルトも思いついたのです 480 00:40:30,995 --> 00:40:34,965 “映画で見せた世界を 再現しよう” 481 00:40:35,065 --> 00:40:39,069 “紙と色鉛筆で 作り出した景色の中を―” 482 00:40:39,503 --> 00:40:44,041 “人が実際に歩けるような 場所を創ろう” 483 00:40:46,744 --> 00:40:51,549 それは現実を超えた もう1つの空間でした 484 00:40:53,617 --> 00:40:57,988 ウォルトにとって唯一の問題は 資金の調達です 485 00:40:58,055 --> 00:41:00,558 “ウォルトへ サンタより” 486 00:41:00,758 --> 00:41:04,929 30年間 いい子にしてたら サンタが来てくれた 487 00:41:05,029 --> 00:41:07,865 小さなシャベルが見える? 488 00:41:08,032 --> 00:41:09,700 この上のは… 489 00:41:10,668 --> 00:41:11,735 汽笛だ 490 00:41:12,002 --> 00:41:18,175 ウォルトはテレビという新たな メディアの活用法を探り― 491 00:41:18,476 --> 00:41:23,547 1950年に特別番組 「不思議の国の1時間」を制作 492 00:41:23,647 --> 00:41:26,784 自ら進行役を務めました 493 00:41:27,485 --> 00:41:33,057 番組は驚異的な視聴率を挙げ こう評価されました 494 00:41:33,157 --> 00:41:38,162 “ディズニーはテレビを 乗っ取ることもできる” 495 00:41:38,262 --> 00:41:40,698 呪文を唱えよう 496 00:41:42,066 --> 00:41:43,067 ビビディ 497 00:41:43,601 --> 00:41:44,635 バビディ 498 00:41:44,768 --> 00:41:45,236 ブー 499 00:41:50,040 --> 00:41:54,745 以来 3大ネットワークから 番組づくりを請われ続け― 500 00:41:54,845 --> 00:41:59,783 1953年の夏 ウォルトは 乗り気になりました 501 00:42:00,184 --> 00:42:05,556 ロイは契約交渉のために ニューヨークを訪れます 502 00:42:06,190 --> 00:42:10,561 番組制作には 条件がありました 503 00:42:10,961 --> 00:42:14,899 “ディズニーランドの建設費 500万ドルの大部分を―” 504 00:42:14,999 --> 00:42:18,569 “ネットワーク側が 出資すること” 505 00:42:19,703 --> 00:42:23,073 交渉に臨む2日前の土曜日 506 00:42:23,173 --> 00:42:26,944 ロイは遊園地の 全体見取り図が― 507 00:42:27,044 --> 00:42:29,813 必要だと気付きます 508 00:42:29,914 --> 00:42:31,849 ディズニーランドの構想は― 509 00:42:31,949 --> 00:42:36,720 ウォルトの頭の中にしか なかったのです 510 00:42:37,588 --> 00:42:42,326 ロイから連絡を受け ウォルトは助けを請いました 511 00:42:42,860 --> 00:42:47,164 相手は元ディズニーの 美術監督ハーブ・ライマン 512 00:42:48,065 --> 00:42:52,036 ウォルトは42時間以上 ライマンのそばにつき― 513 00:42:52,136 --> 00:42:54,705 食事を差し入れし― 514 00:42:54,805 --> 00:42:58,876 何を描いてほしいか 要望を伝えました 515 00:42:59,910 --> 00:43:02,046 ウォルトは指示しました 516 00:43:02,146 --> 00:43:06,984 “城をもっと大きく 先住民の村はそこだ” 517 00:43:07,785 --> 00:43:09,920 あれこれ注文を出し― 518 00:43:10,020 --> 00:43:14,858 ライマンに全体の見取り図を 描かせたのです 519 00:43:31,842 --> 00:43:34,979 月曜日の飛行機に 間に合いました 520 00:43:35,079 --> 00:43:38,248 しかし交渉は難航します 521 00:43:38,649 --> 00:43:40,317 NBCとCBSは― 522 00:43:40,618 --> 00:43:45,255 ディズニーランドに 興味を示しませんでした 523 00:43:45,923 --> 00:43:52,329 ロイは数か月かけて ようやく 業界3位のABCを説得します 524 00:43:52,963 --> 00:43:54,331 ウォルトいわく― 525 00:43:54,798 --> 00:44:00,270 “ABCは番組欲しさに 遊園地を買ったんだ”と 526 00:44:11,248 --> 00:44:15,886 経営者として 崖っぷちにいた時期でしょう 527 00:44:15,986 --> 00:44:18,088 遊園地が失敗すれば― 528 00:44:18,188 --> 00:44:21,925 会社全体が 危機にひんしてしまう 529 00:44:25,062 --> 00:44:30,934 ウォルトにとって ここは 自分が何者かを示す場でした 530 00:44:31,035 --> 00:44:36,006 どんな会社を経営し アメリカをどう思っているか 531 00:44:37,307 --> 00:44:40,811 彼はこの構想を 信じていました 532 00:44:53,690 --> 00:44:59,163 カリフォルニア州アナハイムの 敷地は65万平方メートル 533 00:44:59,263 --> 00:45:02,933 3800立方メートルの コンクリート 534 00:45:03,033 --> 00:45:06,270 10万平方メートルの アスファルトの歩道 535 00:45:06,370 --> 00:45:09,273 そして花や草木が必要でした 536 00:45:11,175 --> 00:45:16,447 建設されるのはウォルトが 幼少期を過ごした町の― 537 00:45:16,747 --> 00:45:20,217 メインストリートのレプリカ 538 00:45:20,751 --> 00:45:26,190 フロンティアランドの蒸気船と ジャングルクルーズ用の川 539 00:45:26,824 --> 00:45:32,196 ファンタジーランドにそびえる 高さ25メートルの城 540 00:45:33,897 --> 00:45:39,169 ほかにも計画には 1.5キロにも及ぶ鉄道や― 541 00:45:39,269 --> 00:45:42,306 現実世界を遮るための― 542 00:45:42,406 --> 00:45:45,909 高さ6メートルの土手が ありました 543 00:45:46,477 --> 00:45:50,814 初めて見たときは だだっ広い場所で― 544 00:45:50,914 --> 00:45:56,086 木が倒され 建設工事が 始まったばかりでした 545 00:45:57,988 --> 00:46:01,959 “6か月後に開園なんて 無理だ” 546 00:46:02,059 --> 00:46:04,261 そう思ったものです 547 00:46:13,070 --> 00:46:17,808 50年代半ばのアメリカでは 娯楽への欲求が高まり― 548 00:46:18,342 --> 00:46:21,445 実現できる人も 増えていました 549 00:46:22,446 --> 00:46:25,949 アメリカ人は 郊外に住むようになり 550 00:46:26,183 --> 00:46:30,154 テレビがある家庭も 多くなりました 551 00:46:30,254 --> 00:46:36,093 趣味や旅行やおもちゃに お金を回す余裕もありました 552 00:46:38,362 --> 00:46:42,533 アメリカで最も人口の多い世代 ベビー・ブーマーは― 553 00:46:42,833 --> 00:46:44,434 学齢に達していました 554 00:46:45,402 --> 00:46:49,406 そうした子供たちが 原動力となり― 555 00:46:49,907 --> 00:46:53,343 家族を消費に走らせました 556 00:46:54,344 --> 00:46:57,281 年齢で言えば8歳か9歳 557 00:46:57,381 --> 00:47:02,586 彼らは大恐慌や戦争時の 困窮した生活とは違う― 558 00:47:03,253 --> 00:47:07,057 文化的な豊かさを 求めていました 559 00:47:07,558 --> 00:47:10,494 アメリカン・モーターズ… 560 00:47:11,195 --> 00:47:13,163 ケルビネーター 561 00:47:13,263 --> 00:47:15,265 ハドソンモーターカー 562 00:47:18,569 --> 00:47:22,072 そしてディズニーがお届けする 「ディズニーランド」! 563 00:47:22,172 --> 00:47:26,877 星に願いをかけるなら 564 00:47:26,977 --> 00:47:31,582 あなたがどんな人でも… 565 00:47:33,016 --> 00:47:38,422 毎週 時を超越した国の中へ 皆様を誘(いざな)います 566 00:47:38,555 --> 00:47:42,626 ご案内はウォルト・ディズニー 567 00:47:42,926 --> 00:47:44,027 ようこそ 568 00:47:44,461 --> 00:47:49,333 皆さんは この小さな仲間が 誰か ご存じのはず… 569 00:47:49,433 --> 00:47:53,103 彼は現代最高の セールスマンの1人です 570 00:47:53,203 --> 00:47:58,575 自分が信じていないものは 売ろうとしませんでした 571 00:47:58,875 --> 00:48:02,479 私たちの最も新しく 大きな夢― 572 00:48:03,547 --> 00:48:05,882 これです 573 00:48:06,450 --> 00:48:07,951 ディズニーランド 574 00:48:08,185 --> 00:48:13,023 600メートル上空から 10か月先の未来を見ています 575 00:48:13,123 --> 00:48:15,092 こうしてウォルトは― 576 00:48:15,325 --> 00:48:19,563 ディズニーランドへの 期待を高めていました 577 00:48:20,130 --> 00:48:23,033 子供たちに こう思わせました 578 00:48:23,133 --> 00:48:29,273 “とても魅力的な場所だから 絶対に行かなくては”と 579 00:48:30,340 --> 00:48:32,943 ここから 4つのエリアが… 580 00:48:33,043 --> 00:48:38,181 毎週1時間の番組では 建設中のテーマパークの― 581 00:48:38,282 --> 00:48:42,653 4つのエリアから 毎回1つを取り上げました 582 00:48:42,953 --> 00:48:45,589 アドベンチャーランド 583 00:48:48,158 --> 00:48:49,660 トゥモローランド 584 00:48:52,329 --> 00:48:54,097 ファンタジーランド 585 00:48:55,499 --> 00:48:57,634 フロンティアランド 586 00:48:58,335 --> 00:49:04,207 フロンティアランドの回で 紹介された“伝説の英雄”は― 587 00:49:04,308 --> 00:49:06,643 学校で話題となりました 588 00:49:07,110 --> 00:49:11,581 伝説となった人物を紹介します 589 00:49:11,682 --> 00:49:14,651 例えばデイビー・クロケット 590 00:49:15,052 --> 00:49:17,988 「デイビー・クロケット」は― 591 00:49:18,088 --> 00:49:22,392 1954年12月から 3回に分けて放送されました 592 00:49:22,492 --> 00:49:25,262 「デイビー・クロケット」 593 00:49:25,395 --> 00:49:30,634 全国の子供たちを夢中にさせた 開拓時代の人物です 594 00:49:34,104 --> 00:49:38,642 デイビー・クロケットは 物事をはっきり言い― 595 00:49:38,742 --> 00:49:40,711 屈強で積極的 596 00:49:41,011 --> 00:49:44,014 そして武骨な人間で― 597 00:49:44,414 --> 00:49:47,150 すべてに打ち勝ちました 598 00:49:48,018 --> 00:49:52,456 クロケットはアメリカ人男性が 理想とする― 599 00:49:52,556 --> 00:49:55,525 男性像を体現していたのです 600 00:49:56,593 --> 00:49:59,996 クロケットは 権威に屈しません 601 00:50:00,097 --> 00:50:04,601 子供たちにとって こんなヒーローは初めてです 602 00:50:04,701 --> 00:50:10,607 たとえ相手が将軍でも 彼は命令に逆らうのです 603 00:50:11,575 --> 00:50:12,442 将軍 604 00:50:13,176 --> 00:50:14,311 何の用だ! 605 00:50:14,411 --> 00:50:16,713 お別れを言いたくて 606 00:50:17,047 --> 00:50:19,416 どこに行くつもりだ? 607 00:50:20,350 --> 00:50:21,218 家に 608 00:50:21,385 --> 00:50:25,088 まだ任務がある 戦争は終わっていない 609 00:50:25,188 --> 00:50:28,091 すぐに戻ってきます 610 00:50:28,191 --> 00:50:32,095 60日間の志願期限は切れました 611 00:50:32,195 --> 00:50:38,368 敵の捜索が再開される前に 家族の様子を見に行くんです 612 00:50:39,202 --> 00:50:40,637 さて少佐… 613 00:50:40,737 --> 00:50:43,306 脱走は重罪だぞ 614 00:50:43,740 --> 00:50:46,176 戻ってくると言ったでしょう 615 00:50:46,276 --> 00:50:48,678 野営地から出てはならない 616 00:50:49,746 --> 00:50:53,116 悪いが 家族が心配してる 617 00:50:53,216 --> 00:50:57,621 この番組は子供たちに “クロケットを見習え”と 618 00:50:57,721 --> 00:51:01,792 “自分の心の声を聞け”と 言ったのです 619 00:51:02,092 --> 00:51:05,695 “間違っていると思う 命令には―” 620 00:51:05,796 --> 00:51:07,831 “従ってはいけない”と 621 00:51:08,131 --> 00:51:10,400 パパが帰ってきた! 622 00:51:11,568 --> 00:51:13,069 戻ったのね 623 00:51:13,403 --> 00:51:14,805 おかえり パパ! 624 00:51:15,105 --> 00:51:17,574 視聴率は天井知らずで― 625 00:51:17,674 --> 00:51:21,611 回を追うごとに 人気は高まりました 626 00:51:22,646 --> 00:51:27,184 「デイビー・クロケット」の 最終回が放送されたとき― 627 00:51:27,284 --> 00:51:31,755 アメリカの全人口の4分の1が 視聴しました 628 00:51:35,525 --> 00:51:38,695 ドラマのテーマソングは 大ヒット 629 00:51:39,095 --> 00:51:41,565 アメリカじゅうの 子供たちが― 630 00:51:41,665 --> 00:51:45,335 ヒーローと同じ帽子を かぶりました 631 00:51:51,808 --> 00:51:56,813 彼は“自分の正しさを信じて 前へ進め”と言いました 632 00:51:57,881 --> 00:52:02,686 冷戦のさなか アメリカ人は 思いたかったのです 633 00:52:03,220 --> 00:52:07,190 “自分たちは正しい だから前進する”と