1 00:00:33,230 --> 00:00:36,233 (矢萩多衣)わたくし ご主人をいただきにまいりました。 2 00:00:36,233 --> 00:00:40,237 〈夫 旬平の裏切りを知った 通子は→ 3 00:00:40,237 --> 00:00:45,242 多衣からの6000万と引き換えに 離婚して 夫を彼女に渡し→ 4 00:00:45,242 --> 00:00:49,242 女将として 新生「花ずみ」を 経営する事を選ぶ〉 5 00:00:50,247 --> 00:00:54,251 〈まもなくして 先代からの上客 大角六扇がやって来た〉 6 00:00:54,251 --> 00:00:58,239 (大角六扇)あんたの中の女を… 本当の姿を描いてみたい。 7 00:00:58,239 --> 00:01:00,241 (上島通子) あの離婚届は偽装なの? 8 00:01:00,241 --> 00:01:02,226 (上島旬平)ああ。 9 00:01:02,226 --> 00:01:04,228 〈その言葉を信じた通子だったが→ 10 00:01:04,228 --> 00:01:06,230 旬平が 多衣のマンションに 通っているという→ 11 00:01:06,230 --> 00:01:08,232 現実を突きつけられ…〉 12 00:01:08,232 --> 00:01:11,318 「ここは限られた者しか使わない」 って。 13 00:01:11,318 --> 00:01:16,318 〈通子は 自分の心の動揺を 自覚せざるを得なかった〉 14 00:01:21,245 --> 00:01:24,245 お待たせを致しました。 15 00:01:31,238 --> 00:01:35,242 〈カウンターの大きさは 変わっていないはずなのに→ 16 00:01:35,242 --> 00:01:39,242 旬平が昨日までよりずっと 遠くにいるよう…〉 17 00:01:42,233 --> 00:01:44,233 (立石佐知子)女将さん。 18 00:01:45,252 --> 00:01:47,254 大丈夫? 19 00:01:47,254 --> 00:01:49,256 …ああ 大丈夫 大丈夫。 20 00:01:49,256 --> 00:01:51,242 すいません。 いえ。 21 00:01:51,242 --> 00:01:53,244 (堀口八重) 今日は2階も予約でいっぱい。 22 00:01:53,244 --> 00:01:55,246 頑張りましょう。 はい。 23 00:01:55,246 --> 00:01:58,249 すいません。 はい ただ今。 24 00:01:58,249 --> 00:02:01,252 はい。 (男性)銀だらの西京焼きを1つ。 25 00:02:01,252 --> 00:02:03,254 はい。 26 00:02:03,254 --> 00:02:14,248 ♬~ 27 00:02:14,248 --> 00:02:16,250 お先に上がらせていただきます。 28 00:02:16,250 --> 00:02:18,250 お疲れさまでした。 29 00:02:21,255 --> 00:02:24,241 〈その敬語が痛かった〉 30 00:02:24,241 --> 00:02:27,261 〈私たちは もう どこまで行っても→ 31 00:02:27,261 --> 00:02:30,247 従業員と社長なのだ〉 32 00:02:30,247 --> 00:02:35,247 〈この人は 今日も 彼女の所へ行くのだろうか…〉 33 00:02:37,321 --> 00:02:39,321 ≫(電話) 34 00:02:40,257 --> 00:02:43,244 どうだい? 店のほうは。 35 00:02:43,244 --> 00:02:46,247 先生の書のおかげで大盛況です。 36 00:02:46,247 --> 00:02:51,252 そうか。 なら いいが…。 37 00:02:51,252 --> 00:02:53,270 私の杞憂だったか。 38 00:02:53,270 --> 00:02:55,272 何か? 39 00:02:55,272 --> 00:03:02,246 八重とかいったな… あの女には用心したほうがいい。 40 00:03:02,246 --> 00:03:07,251 あの日 偉そうに 嫌みを言ってた男がいただろう? 41 00:03:07,251 --> 00:03:10,251 (前田秀治) 自分だけの工夫しないとね。 42 00:03:11,255 --> 00:03:13,240 前田さんですか? 43 00:03:13,240 --> 00:03:17,311 八重は前田とデキとる。 44 00:03:17,311 --> 00:03:20,297 えっ? まさか…。 45 00:03:20,297 --> 00:03:22,297 ≫(物音) 46 00:03:25,319 --> 00:03:27,271 私は見たんだよ。 47 00:03:27,271 --> 00:03:29,273 嫌み言うために来たんなら…。 48 00:03:29,273 --> 00:03:34,273 (六扇の声)あれは 前田の体に 慣れ親しんだ女の手だった。 49 00:03:36,247 --> 00:03:38,247 信じられない…。 50 00:03:39,250 --> 00:03:41,250 (八重)ああ…。 51 00:03:43,254 --> 00:03:50,244 (六扇)「どうも あんたは 太っ腹で 人の良すぎるところがあるな」 52 00:03:50,244 --> 00:03:52,246 「用心するんだな」 53 00:03:52,246 --> 00:04:09,246 ♬~ 54 00:04:09,246 --> 00:04:25,229 ♬~ 55 00:04:25,229 --> 00:04:28,232 〈六扇の電話から半月→ 56 00:04:28,232 --> 00:04:33,254 盛況だった花ずみから 客足は ぱったりと遠のいた〉 57 00:04:33,254 --> 00:04:36,254 明日の予約は入ってますか? 58 00:04:38,225 --> 00:04:41,225 明日もか…。 59 00:04:42,229 --> 00:04:44,229 原因は わかってる。 60 00:04:49,236 --> 00:04:52,236 (六扇の声)八重は前田とデキとる。 61 00:04:54,225 --> 00:04:56,227 (矢場俊介)まんま うちのまねじゃないですか! 62 00:04:56,227 --> 00:05:00,227 ひどい 秀さん こんなの許せないわ! 63 00:05:03,300 --> 00:05:08,255 〈経営が苦しくても 私は返済を滞らせたくなかった〉 64 00:05:08,255 --> 00:05:12,309 これ 今月の200万円です。 どうぞ。 65 00:05:12,309 --> 00:05:14,309 お確かめください。 66 00:05:19,250 --> 00:05:21,235 今月も頑張ったのね。 67 00:05:21,235 --> 00:05:25,256 でも 無理しないほうが いいんじゃないかしら? 68 00:05:25,256 --> 00:05:29,256 それは… どういう意味ですか? 69 00:05:31,228 --> 00:05:37,228 あなたは まだ1年生。 何が起こるか わからないでしょ。 70 00:05:38,252 --> 00:05:42,239 〈店の現状を 旬平から 聞いているのだろうか…〉 71 00:05:42,239 --> 00:05:44,224 通子さん→ 72 00:05:44,224 --> 00:05:48,228 私が想像してたよりずっと 女として甘いと思う。 73 00:05:48,228 --> 00:05:51,231 その甘さが 商売の甘さに繋がらないか→ 74 00:05:51,231 --> 00:05:53,250 心配なのよ。 75 00:05:53,250 --> 00:05:58,322 あなたとは 女としては敵だけど 商売の利害は一致してる。 76 00:05:58,322 --> 00:06:02,226 そこのけじめは はっきりさせておきたいの。 77 00:06:02,226 --> 00:06:07,226 だから 何か困った事があったら 相談してね。 78 00:06:08,232 --> 00:06:11,235 いいえ 大丈夫です。 79 00:06:11,235 --> 00:06:15,239 来月分も きちんと お支払いさせていただきます。 80 00:06:15,239 --> 00:06:27,239 ♬~ 81 00:06:37,244 --> 00:06:40,280 (上島一希)何? それ。 ん? これはね→ 82 00:06:40,280 --> 00:06:42,266 おばあちゃんの時代の お客様リスト。 83 00:06:42,266 --> 00:06:45,266 全員に出すには 何日もかかりそう。 84 00:06:46,270 --> 00:06:49,270 (一希)優美 お母さん 手伝ってあげなよ。 85 00:06:51,275 --> 00:06:53,275 (上島優美)無理。 86 00:06:54,261 --> 00:06:56,263 (戸の閉まる音) 87 00:06:56,263 --> 00:06:58,263 しょうがねえな あいつ…。 88 00:07:02,269 --> 00:07:04,288 なんで それを早く言わない! 89 00:07:04,288 --> 00:07:07,274 八重さんと前田さんが グルだっていう証拠はないのよ。 90 00:07:07,274 --> 00:07:11,261 六扇さんが言ってる事だけで 十分だ。 91 00:07:11,261 --> 00:07:15,265 うちの新しいメニューが 勝浪に筒抜けなのも→ 92 00:07:15,265 --> 00:07:17,284 そういう事なら納得がいく。 93 00:07:17,284 --> 00:07:19,269 あの人には辞めてもらおう。 94 00:07:19,269 --> 00:07:22,272 いいえ 八重さんは辞めさせません。 95 00:07:22,272 --> 00:07:25,275 何言ってんだ。 いくら 給料を払わなくていいったって→ 96 00:07:25,275 --> 00:07:27,261 スパイなんだぞ。 97 00:07:27,261 --> 00:07:30,264 私はね むしろ ちゃんとお給料を払って→ 98 00:07:30,264 --> 00:07:32,266 雇いたいと思ってるの。 99 00:07:32,266 --> 00:07:34,268 まさか あの人を二重スパイにして→ 100 00:07:34,268 --> 00:07:36,286 利用しようと してるんじゃないだろうな? 101 00:07:36,286 --> 00:07:40,290 ハハ… そんな恐ろしい事。 102 00:07:40,290 --> 00:07:44,290 八重さんと私には 共通の敵がいるから。 103 00:07:47,281 --> 00:07:49,281 亡くなったお義母さんよ。 104 00:07:51,285 --> 00:07:54,271 八重さんは おふくろに かわいがられてたんだぞ。 105 00:07:54,271 --> 00:07:56,273 いいえ。 106 00:07:56,273 --> 00:07:59,276 お義母さんが亡くなったあと 八重さんが女将をやって→ 107 00:07:59,276 --> 00:08:02,262 痛いほど 自分の負けを感じたと思う→ 108 00:08:02,262 --> 00:08:04,264 一人の女としても。 109 00:08:04,264 --> 00:08:06,266 私も お義母さんには 負けたくないと思ってる。 110 00:08:06,266 --> 00:08:10,270 それなら 八重さんは 私の敵じゃなくて 味方でしょ? 111 00:08:10,270 --> 00:08:13,290 うまくやれば 八重さんは→ 112 00:08:13,290 --> 00:08:18,262 あなたよりずっと心強い味方に なってくれるんじゃないかしら。 113 00:08:18,262 --> 00:08:20,280 お前…→ 114 00:08:20,280 --> 00:08:25,280 おふくろの事を嫌ってるくせに なんだか似てきたな。 115 00:08:30,290 --> 00:08:32,259 どうだ? 116 00:08:32,259 --> 00:08:35,262 教わったとおり 牛肉を おからに漬けてみました。 117 00:08:35,262 --> 00:08:39,283 これ いけますよ。 絶対 新しい名物料理になりますって。 118 00:08:39,283 --> 00:08:41,283 だといいがな。 119 00:08:45,272 --> 00:08:47,257 (矢場)お願いね。 (優美)はい。 120 00:08:47,257 --> 00:08:52,246 〈用事で休む佐知子に頼まれ 優美が店を手伝っていた〉 121 00:08:52,246 --> 00:08:55,249 〈しかし それは 佐知子の気遣いだった〉 122 00:08:55,249 --> 00:08:58,335 (佐知子)優美ちゃんと うまくいってないんだって? 123 00:08:58,335 --> 00:09:03,335 そういう時はね 親の苦労をわからせるのが一番よ。 124 00:09:04,258 --> 00:09:06,258 (矢場)上がったよ。 (優美)はい。 125 00:09:07,244 --> 00:09:10,264 (男性)前の店より 今の花ずみのほうがいいよ。 126 00:09:10,264 --> 00:09:14,251 ありがとうございます。 全ては板長の腕のおかげです。 127 00:09:14,251 --> 00:09:19,256 あっ いや… 全部 女将の魅力で 成り立ってる店ですから。 128 00:09:19,256 --> 00:09:22,242 おいおい… 夫婦で褒め合うかね。 129 00:09:22,242 --> 00:09:25,245 いくら店でも 他人行儀すぎるんじゃないのか? 130 00:09:25,245 --> 00:09:28,248 ハハハハ…。 131 00:09:28,248 --> 00:09:30,250 あの… おかわり いかがですか? 132 00:09:30,250 --> 00:09:32,236 (男性)うん 頼むよ。 ただ今。 133 00:09:32,236 --> 00:09:39,243 ♬~ 134 00:09:39,243 --> 00:09:43,247 〈何もかもうまくいかない状況が 苦しくて→ 135 00:09:43,247 --> 00:09:48,247 私は 思わず笠井さんの所に 来てしまっていた〉 136 00:09:51,271 --> 00:09:53,271 (笠井芯太郎)みっちゃん! 137 00:09:54,241 --> 00:09:57,244 (笠井)ハハ…。 嬉しいなあ 来てくれたんだ。 138 00:09:57,244 --> 00:09:59,246 近くまで来たから。 139 00:09:59,246 --> 00:10:03,250 そっか。 お店 大盛況みたいじゃない。 140 00:10:03,250 --> 00:10:06,270 俺の余計のお世話なんて 必要なかったかな? 141 00:10:06,270 --> 00:10:08,272 えっ? 142 00:10:08,272 --> 00:10:12,242 友人の社長に声を掛けてたんだ 花ずみをよろしくってね。 143 00:10:12,242 --> 00:10:14,244 でも いつもいっぱいで 予約取れないって→ 144 00:10:14,244 --> 00:10:16,246 こっちが怒られた。 145 00:10:16,246 --> 00:10:19,249 その予約って いつなのか わかりますか? 146 00:10:19,249 --> 00:10:21,249 おとといだけど…。 147 00:10:22,252 --> 00:10:24,254 〈そんなはずはない〉 148 00:10:24,254 --> 00:10:27,274 〈今週の予約は 3日前の1件だけ…〉 149 00:10:27,274 --> 00:10:29,243 (笠井)みっちゃん? 150 00:10:29,243 --> 00:10:31,245 社長さんのお名前 教えてください。 151 00:10:31,245 --> 00:10:34,264 お詫びしないと…。 うん。 152 00:10:34,264 --> 00:10:38,252 〈その予約を受けたのは 佐知子さんではなかった〉 153 00:10:38,252 --> 00:10:41,252 〈犯人は一人しかいない…〉 154 00:10:43,273 --> 00:10:46,243 今まで ありがとう。 155 00:10:46,243 --> 00:10:49,263 これ ほんの気持ちです。 156 00:10:49,263 --> 00:10:53,263 私 大した事してませんし…。 157 00:10:54,251 --> 00:10:56,253 そうね。 158 00:10:56,253 --> 00:11:01,241 お給料は うちより勝浪から…→ 159 00:11:01,241 --> 00:11:04,241 前田さんからもらうのが筋ね。 160 00:11:05,245 --> 00:11:07,247 八重さん。 161 00:11:07,247 --> 00:11:11,247 私 あなたと前田さんの関係 知ってるの。 162 00:11:13,253 --> 00:11:17,274 あるお客様がね 予約は取れたけど→ 163 00:11:17,274 --> 00:11:21,278 あとから キャンセルの電話が かかってきたとおっしゃってた。 164 00:11:21,278 --> 00:11:24,264 でも 書いてない。 165 00:11:24,264 --> 00:11:30,287 あなたが予約を受けたふりして あとでキャンセルしてたのね。 166 00:11:30,287 --> 00:11:33,273 どうりで予約が入らないはずだわ。 167 00:11:33,273 --> 00:11:36,273 前田さんから頼まれたの? 168 00:11:44,267 --> 00:11:51,258 雑誌に載ってた前田の笑った顔 覚えてます? 169 00:11:51,258 --> 00:11:54,261 私にも あんな笑顔するんです。 170 00:11:54,261 --> 00:11:56,263 あなた 旦那さんがいるじゃない。 171 00:11:56,263 --> 00:11:59,282 好きなんだから仕方ないでしょ。 だからって…! 172 00:11:59,282 --> 00:12:02,269 私が苦しんでないとでも 思ってるんですか? 173 00:12:02,269 --> 00:12:04,271 あの人と間違いを犯した 最初の晩から…→ 174 00:12:04,271 --> 00:12:08,258 あの10年前の晩から 今日までずっと…! 175 00:12:08,258 --> 00:12:10,260 申し訳なくて…。 176 00:12:10,260 --> 00:12:15,265 苦しくて 自分が許せなくて…。 177 00:12:15,265 --> 00:12:18,268 毎日 別れなきゃいけないって 思ってますよ。 178 00:12:18,268 --> 00:12:20,287 じゃあ なぜ? 179 00:12:20,287 --> 00:12:23,273 私の女の部分が あの人を求めるの。 180 00:12:23,273 --> 00:12:26,273 心じゃ あらがえない… もう どうしようもないのよ! 181 00:12:32,249 --> 00:12:37,287 あの人 去年の秋頃から→ 182 00:12:37,287 --> 00:12:42,259 勝浪の若い仲居に 手を出してるんです。 183 00:12:42,259 --> 00:12:48,281 だから 私 繋ぎ留めるために 気を引かなきゃって…。 184 00:12:48,281 --> 00:12:52,281 今度の事も 自分から言い出したんです。 185 00:12:54,271 --> 00:12:57,274 馬鹿ですよね! 186 00:12:57,274 --> 00:13:00,260 別れなきゃって思いながら→ 187 00:13:00,260 --> 00:13:05,260 予約 取り消したりして 必死で機嫌取ってるんですから。 188 00:13:11,271 --> 00:13:17,271 通子さんは 本当に優しくしてくれました。 189 00:13:18,261 --> 00:13:25,268 亡くなった女将さんみたいな 口先だけの優しさとは全然違う。 190 00:13:25,268 --> 00:13:29,272 だから 前田と別れるためにも→ 191 00:13:29,272 --> 00:13:35,272 この店で一生懸命働かなきゃって 本気で思ってたのに…。 192 00:13:36,279 --> 00:13:39,279 申し訳ありませんでした! 193 00:13:43,253 --> 00:13:47,290 どうせなら 爆弾でも投げ込むような→ 194 00:13:47,290 --> 00:13:51,244 もっと大きな事を やってほしかったな…。 195 00:13:51,244 --> 00:13:53,246 八重さん。 196 00:13:53,246 --> 00:13:58,251 私 商売の事も男女の事も 素人だから→ 197 00:13:58,251 --> 00:14:02,251 あなたが馬鹿な事をしてる としか思えない。 198 00:14:03,256 --> 00:14:09,329 でもね 八重さんが 正直に全部認めてくれたら→ 199 00:14:09,329 --> 00:14:14,251 今まで一生懸命働いてくれた分で 今度の事は帳消しにして→ 200 00:14:14,251 --> 00:14:16,269 ちゃんとお給料を払って→ 201 00:14:16,269 --> 00:14:19,269 一から働いてもらいたいと 思ってたの。 202 00:14:21,258 --> 00:14:23,243 甘いのは わかってる。 203 00:14:23,243 --> 00:14:27,247 でもね それで突っ走るのも いいじゃない。 204 00:14:27,247 --> 00:14:33,253 私 八重さんは私の味方だ っていう気持ち→ 205 00:14:33,253 --> 00:14:35,253 まだ持ってるから。 206 00:14:39,259 --> 00:14:44,259 あの人が つけ込んできます…。 207 00:14:48,251 --> 00:14:52,272 今 決心がつきました。 208 00:14:52,272 --> 00:14:55,242 この店 辞めて→ 209 00:14:55,242 --> 00:14:58,245 前田と別れます。 210 00:14:58,245 --> 00:15:01,264 〈とはいえ 不振の原因が→ 211 00:15:01,264 --> 00:15:04,251 全て八重さんにあるとは 思えなかった〉 212 00:15:04,251 --> 00:15:06,253 〈その証拠に→ 213 00:15:06,253 --> 00:15:09,256 一度来て それっきりというお客が たくさんいたのだ〉 214 00:15:09,256 --> 00:15:11,241 (戸の開く音) いらっしゃいませ。 215 00:15:11,241 --> 00:15:13,241 いらっしゃいま…。 216 00:15:14,244 --> 00:15:16,244 知ってる人? 217 00:15:17,247 --> 00:15:20,247 死んだ親父の愛人だ。 218 00:15:22,252 --> 00:15:26,252 (佐知子)いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ。 219 00:15:30,260 --> 00:15:32,245 〈先代の愛人と→ 220 00:15:32,245 --> 00:15:36,333 その息子である旬平の愛人が 鉢合わせた〉 221 00:15:36,333 --> 00:15:51,248 ♬~ 222 00:15:51,248 --> 00:15:54,251 どうぞ 焼きごま豆腐です。 223 00:15:54,251 --> 00:15:56,319 (吉岡鶴代)フフ…。 224 00:15:56,319 --> 00:15:59,319 そんな顔しなくても いいんじゃないの。 225 00:16:00,257 --> 00:16:04,261 それにしても 暇そうね。 226 00:16:04,261 --> 00:16:09,261 お客紹介しましょうか? わたくし 顔は広いのよ。 227 00:16:10,267 --> 00:16:13,270 ねえ 佐藤さんの銀行でも 使ってあげてくださいよ。 228 00:16:13,270 --> 00:16:15,272 (佐藤)ああ。 229 00:16:15,272 --> 00:16:17,257 私ね ここの 亡くなったお父様とお母様には→ 230 00:16:17,257 --> 00:16:21,257 随分 お世話になったんですから ねえ いろんな意味で。 231 00:16:29,269 --> 00:16:33,273 ごあいさつが遅れました 女将でございます。 232 00:16:33,273 --> 00:16:35,258 あら。 233 00:16:35,258 --> 00:16:39,262 あなたが 花ずみのお嫁さん? 234 00:16:39,262 --> 00:16:44,267 わたくし 吉岡鶴代。 お義母様から聞いた事ない? 235 00:16:44,267 --> 00:16:46,286 いいえ。 236 00:16:46,286 --> 00:16:50,273 私は 前の花ずみからは 一切 締め出されてましたし→ 237 00:16:50,273 --> 00:16:52,275 嫌われてましたから。 238 00:16:52,275 --> 00:16:54,260 あら そう。 239 00:16:54,260 --> 00:16:58,281 わたくしも 随分 ひどい目に遭ったのよ。 240 00:16:58,281 --> 00:17:00,266 〈間違いない→ 241 00:17:00,266 --> 00:17:03,266 お義母さんが 一番憎んでいた女だ〉 242 00:17:05,271 --> 00:17:10,271 〈花ずみに現れて 玄関で お義母さんに追い払われた愛人〉 243 00:17:11,261 --> 00:17:17,334 うーん…。 先代のお父さんの味に比べると→ 244 00:17:17,334 --> 00:17:19,269 コクがないのよね。 245 00:17:19,269 --> 00:17:22,288 まあ 色気がないのよ。 246 00:17:22,288 --> 00:17:25,325 女遊びするぐらいの 甲斐性があったほうが→ 247 00:17:25,325 --> 00:17:28,325 包丁にも つやが出るんじゃないの? 248 00:17:30,280 --> 00:17:36,286 本当に! 私も そのほうが逆に安心です。 249 00:17:36,286 --> 00:17:40,273 どこかに知らない女でも いてくれたらいいんですけど。 250 00:17:40,273 --> 00:17:51,267 ♬~ 251 00:17:51,267 --> 00:17:53,286 ああ…。 252 00:17:53,286 --> 00:17:55,286 どうぞ。 253 00:19:58,244 --> 00:20:00,230 (佐知子・通子) ありがとうございました。 254 00:20:00,230 --> 00:20:02,315 一緒に帰ってもらったほうが よかったんじゃない? 255 00:20:02,315 --> 00:20:04,250 ≫(鶴代)あ~ 本当…。 256 00:20:04,250 --> 00:20:08,250 大丈夫。 お義姉さん 今日 先に上がって。 257 00:20:09,255 --> 00:20:15,228 (鶴代)だからさ あんな こう… 鬼みたいな女がついていたから→ 258 00:20:15,228 --> 00:20:17,247 お父さん…。 (机をたたく音) 259 00:20:17,247 --> 00:20:19,232 (鶴代)早死にしちゃったんだよ。 260 00:20:19,232 --> 00:20:21,234 なんだか偉そうな事 言っちゃってさ→ 261 00:20:21,234 --> 00:20:25,338 お父さん 死んだら 花ずみも しぼんで…→ 262 00:20:25,338 --> 00:20:27,257 終わっちまったじゃないか! 263 00:20:27,257 --> 00:20:29,242 本当に…。 ハハハ…。 264 00:20:29,242 --> 00:20:31,227 あっ! 大丈夫ですか? 265 00:20:31,227 --> 00:20:34,297 酒持っといで。 えっ? 266 00:20:34,297 --> 00:20:36,249 いいから酒持っといで! 267 00:20:36,249 --> 00:20:38,249 はい ただ今。 268 00:20:42,238 --> 00:20:44,238 大変お待たせを致しました。 269 00:20:52,248 --> 00:20:55,251 その着物 あの女将さんのだろ? 270 00:20:55,251 --> 00:20:57,253 あんたじゃないよ→ 271 00:20:57,253 --> 00:21:01,274 あの女将に その着物に 浴びせたんだよ。 272 00:21:01,274 --> 00:21:06,274 私はね あの女将に門前払いされた その仕返しさ! 273 00:21:10,250 --> 00:21:13,253 これで 少しは気が治まるのでしたら→ 274 00:21:13,253 --> 00:21:15,271 また どうぞ。 275 00:21:15,271 --> 00:21:19,242 今度は もっと安い着物で お待ちしてますから。 276 00:21:19,242 --> 00:21:22,245 帰る。 勘定しとくれ。 277 00:21:22,245 --> 00:21:25,245 勘定 100万はもらいなさいね。 278 00:21:28,251 --> 00:21:30,251 なんだよ あんた。 279 00:21:32,338 --> 00:21:35,338 通りすがりの客です。 280 00:21:36,259 --> 00:21:40,246 あなたは着物に詳しいようだから おわかりでしょ? 281 00:21:40,246 --> 00:21:44,250 その結城 100万は下りませんよ。 282 00:21:44,250 --> 00:21:47,270 それを承知で おやりになったんだとしたら→ 283 00:21:47,270 --> 00:21:50,270 そこに100万 お持ちなんでしょうね? 284 00:21:51,257 --> 00:21:53,243 聞かせてもらいましたけど→ 285 00:21:53,243 --> 00:21:56,262 愛人が奥さんの元に乗り込むなら→ 286 00:21:56,262 --> 00:22:00,250 門前払いされるぐらいの覚悟で 行かれたらどうです? 287 00:22:00,250 --> 00:22:05,250 それを逆恨みするなんて 愛人の風上にも置けやしない。 288 00:22:07,257 --> 00:22:10,260 無関係な小娘が 私にお説教? 289 00:22:10,260 --> 00:22:12,245 上等じゃない! 290 00:22:12,245 --> 00:22:15,248 100万だって200万だって 払ってやるよ! 291 00:22:15,248 --> 00:22:19,248 ただし 今日のところは ツケ。 292 00:22:20,270 --> 00:22:24,274 あの… 今のは こちらのお客さんの冗談ですから。 293 00:22:24,274 --> 00:22:27,243 その代わり 今日のお代は ツケにさせていただきますので→ 294 00:22:27,243 --> 00:22:30,263 どうぞ また いらしてください。 295 00:22:30,263 --> 00:22:42,241 ♬~ 296 00:22:42,241 --> 00:22:44,260 ありがとうございました。 297 00:22:44,260 --> 00:22:52,260 ♬~ 298 00:22:56,272 --> 00:22:59,258 「愛人が 奥さんの元に乗り込むなら→ 299 00:22:59,258 --> 00:23:03,246 門前払いされるぐらいの 覚悟で」…。 300 00:23:03,246 --> 00:23:06,246 私が言うとはね。 フッ…。 301 00:23:10,269 --> 00:23:13,269 お勘定お願い。 はい。 302 00:23:17,226 --> 00:23:20,246 (矢場)かっこいい人っすね…。 誰なんですかね? 303 00:23:20,246 --> 00:23:23,299 「笹流れ」の社長だ。 304 00:23:23,299 --> 00:23:25,234 えっ? 305 00:23:25,234 --> 00:23:29,234 (八重)相手は 「笹流れ」の やり手社長らしいからね。 306 00:23:35,244 --> 00:23:37,230 あの女の事は→ 307 00:23:37,230 --> 00:23:39,248 亡くなった女将さんから いろいろ聞かされてたから→ 308 00:23:39,248 --> 00:23:41,248 黙っていられなかったの。 309 00:23:42,251 --> 00:23:45,254 まだまだですね 私。 310 00:23:45,254 --> 00:23:47,240 明日か あさってにでも→ 311 00:23:47,240 --> 00:23:50,243 あの鶴代って人の所に 謝りに行くといいわ。 312 00:23:50,243 --> 00:23:52,245 えっ? 313 00:23:52,245 --> 00:23:55,248 あの人 元芸者なの。 314 00:23:55,248 --> 00:23:58,251 今でも顔が広いっていうのは 嘘じゃないと思う。 315 00:23:58,251 --> 00:24:00,253 味方にするべきよ。 316 00:24:00,253 --> 00:24:02,255 じゃあ どうして あんな事を? 317 00:24:02,255 --> 00:24:04,240 計算よ。 318 00:24:04,240 --> 00:24:09,228 雨降って地固まる。 私が悪者の雨。 319 00:24:09,228 --> 00:24:11,230 私に怒りを向けた分→ 320 00:24:11,230 --> 00:24:14,233 花ずみや あなたへの恨みは 消えたと思う。 321 00:24:14,233 --> 00:24:18,254 そんな簡単な事かしら…。 322 00:24:18,254 --> 00:24:24,243 あの人 私と似てるんだもの。 だから わかるの。 323 00:24:24,243 --> 00:24:27,313 ここからは あなたの腕の見せどころよ。 324 00:24:27,313 --> 00:24:30,233 なんでも 利用できるものは していかないと。 325 00:24:30,233 --> 00:24:33,252 お店 大変なんでしょ? 326 00:24:33,252 --> 00:24:37,273 私 精いっぱい やってるんですけど…。 327 00:24:37,273 --> 00:24:39,225 それが いけないんじゃないかしら? 328 00:24:39,225 --> 00:24:42,228 えっ? 精いっぱいがいけないんですか? 329 00:24:42,228 --> 00:24:45,231 うちの者が言ってたわ。 330 00:24:45,231 --> 00:24:48,234 あの店は サービスもいいし 味もいい。 331 00:24:48,234 --> 00:24:51,237 値段も高くないから 文句のつけようがないんだけど→ 332 00:24:51,237 --> 00:24:55,241 そこが かえって息苦しいって。 333 00:24:55,241 --> 00:24:59,245 最近では サービス攻めに あってるような気がするって。 334 00:24:59,245 --> 00:25:09,238 ♬~ 335 00:25:09,238 --> 00:25:11,238 では ここで。 336 00:25:16,229 --> 00:25:18,247 通子さん。 337 00:25:18,247 --> 00:25:20,249 私が 6000万を賭けたのは→ 338 00:25:20,249 --> 00:25:22,235 壁があれば その壁に自らぶつかっていく→ 339 00:25:22,235 --> 00:25:24,320 一人の女です。 340 00:25:24,320 --> 00:25:27,320 今の 中途半端なあなたじゃなくて。 341 00:25:28,241 --> 00:25:32,228 それとも 私の見込み違いだったかしら? 342 00:25:32,228 --> 00:25:38,234 ♬~ 343 00:25:38,234 --> 00:25:43,234 〈中途半端という言葉が 私の心に突き刺さった〉 344 00:25:48,244 --> 00:25:51,230 優美 ちょっといい? 345 00:25:51,230 --> 00:25:53,230 書く手伝いなら嫌だから。 346 00:25:54,233 --> 00:25:58,254 あなた お母さんに 言いたい事があるんじゃない? 347 00:25:58,254 --> 00:26:00,256 別に…。 348 00:26:00,256 --> 00:26:04,227 ごまかさないで ちゃんと話してほしいの。 349 00:26:04,227 --> 00:26:07,230 話したら どうかなるわけ? 350 00:26:07,230 --> 00:26:09,232 借金のために 形だけ離婚するなんて→ 351 00:26:09,232 --> 00:26:11,250 全部 嘘っぱちじゃない! 352 00:26:11,250 --> 00:26:13,252 優美 それは違うのよ…。 353 00:26:13,252 --> 00:26:15,254 何が違うの!? 354 00:26:15,254 --> 00:26:18,241 あんたが そう思いたいだけでしょ? 355 00:26:18,241 --> 00:26:20,243 お父さんの事を 気持ちじゃ許せないくせに→ 356 00:26:20,243 --> 00:26:24,243 体は しがみついてるから 本気で別れられないだけでしょ? 357 00:26:25,298 --> 00:26:29,252 私 毎朝 あんたの体がいらだってるの→ 358 00:26:29,252 --> 00:26:31,252 感じてるんだから! やめなさい! 359 00:26:34,257 --> 00:26:43,249 ♬~ 360 00:26:43,249 --> 00:26:46,269 〈優美は気づいていた〉 361 00:26:46,269 --> 00:26:48,254 〈私自身にも見えない→ 362 00:26:48,254 --> 00:26:52,241 体の中で 白蟻のようにうごめく いらだちに…〉 363 00:26:52,241 --> 00:26:58,331 ♬~ 364 00:26:58,331 --> 00:27:01,267 〈私は決意した〉 365 00:27:01,267 --> 00:27:06,267 〈自ら捕らわれた無間地獄から 這い上がるために…〉 366 00:29:24,226 --> 00:29:27,229 今日は お詫びに来ました。 367 00:29:27,229 --> 00:29:32,251 あの時 失礼な事を言ったのは うちの店と訳ありな女ですから。 368 00:29:32,251 --> 00:29:34,251 (鶴代)あら 売れ残り? 369 00:29:36,255 --> 00:29:38,257 (鶴代)まあ もらっておくわ。 370 00:29:38,257 --> 00:29:43,245 でもね 失礼なのは あの女じゃなくて→ 371 00:29:43,245 --> 00:29:46,248 あんたよ。 えっ…? 372 00:29:46,248 --> 00:29:49,251 口先だけで謝ったり 格好だけで 頭 下げたり。 373 00:29:49,251 --> 00:29:52,254 でも 目は私を許してなかった。 374 00:29:52,254 --> 00:29:56,242 だから 私 本当に 腹立てちゃったのよ。 375 00:29:56,242 --> 00:29:58,227 前の女将にそっくり。 376 00:29:58,227 --> 00:30:01,230 目つきなんて 本当の娘みたいに似てた。 377 00:30:01,230 --> 00:30:04,250 あのキクさんに…。 378 00:30:04,250 --> 00:30:08,254 では キクに代わって謝ります。 379 00:30:08,254 --> 00:30:11,240 どうか 許してください。 380 00:30:11,240 --> 00:30:13,225 私 鶴代さんの→ 381 00:30:13,225 --> 00:30:16,228 顔が広いという言葉を信じて 来たんです。 382 00:30:16,228 --> 00:30:19,228 他に頼るところがなくて…。 383 00:30:20,249 --> 00:30:24,249 ああいうタイプは 情にもろくて 頼ってくる相手には弱いのよ。 384 00:30:26,255 --> 00:30:30,226 お客を 1人でも 紹介していただきたいんです。 385 00:30:30,226 --> 00:30:33,245 せっかく始めた店を やめたくないんです。 386 00:30:33,245 --> 00:30:35,231 (鶴代)そういうところも嫌い。 387 00:30:35,231 --> 00:30:39,235 自分が全部 背負い込んだみたいに いい子ぶっちゃって。 388 00:30:39,235 --> 00:30:45,257 あっ… あの生意気な小娘は 訳ありな女だって? 389 00:30:45,257 --> 00:30:49,245 (多衣の声)私を悪者にして 味方につけなさい。 390 00:30:49,245 --> 00:30:51,247 本当の事を打ち明けて→ 391 00:30:51,247 --> 00:30:54,247 相談相手として すがってしまいなさい。 392 00:30:57,253 --> 00:30:59,238 正直に言います。 393 00:30:59,238 --> 00:31:02,224 〈通子は 全てを鶴代に話した〉 394 00:31:02,224 --> 00:31:06,224 〈多衣から アドバイスされた事まで全て〉 395 00:31:07,246 --> 00:31:09,231 (鶴代)やっぱり あんた いい子ぶってるわ。 396 00:31:09,231 --> 00:31:11,233 えっ…? 397 00:31:11,233 --> 00:31:16,238 亭主と愛人の関係を許すような そぶりを見せて→ 398 00:31:16,238 --> 00:31:19,241 自分が いい子になって 亭主を いつまでも→ 399 00:31:19,241 --> 00:31:23,245 自分に縛りつけておこうと してるだけよ。 400 00:31:23,245 --> 00:31:26,245 そんなあなたには 協力したくない。 401 00:31:28,250 --> 00:31:31,253 私 精いっぱい…。 402 00:31:31,253 --> 00:31:33,253 それが いけないんじゃないかしら? 403 00:31:36,258 --> 00:31:40,262 でしたら 別のお願いの仕方をします。 404 00:31:40,262 --> 00:31:45,262 私 あなた以上に 上島キクを憎んでいます。 405 00:31:46,252 --> 00:31:50,256 鬼の顔を隠し続けていた姑を 嫁として…→ 406 00:31:50,256 --> 00:31:53,242 あなたと同じように 負けたくないと思って→ 407 00:31:53,242 --> 00:31:55,327 店も その意地で始めたんです。 408 00:31:55,327 --> 00:31:58,247 ですから あなたも あの女の事が嫌いなら→ 409 00:31:58,247 --> 00:32:02,251 私に手を貸してくださっても いいと思うんですけど。 410 00:32:02,251 --> 00:32:04,251 (鶴代)ふてぶてしい。 411 00:32:06,338 --> 00:32:08,338 いい顔してるじゃない。 412 00:32:13,262 --> 00:32:20,252 まあね… 嫁と姑も 本妻と愛人みたいなものかもね。 413 00:32:20,252 --> 00:32:22,252 どっちが本妻か わからないけど。 414 00:32:23,255 --> 00:32:28,327 そういえば 私 ずっと 夫の本妻は お義母さんで→ 415 00:32:28,327 --> 00:32:32,264 自分は 日陰の愛人のような気が してました。 416 00:32:32,264 --> 00:32:36,268 やっぱり あんた 妻より愛人向きの女ね。 417 00:32:36,268 --> 00:32:38,254 えっ? 418 00:32:38,254 --> 00:32:42,274 本妻は 夫が絶対に戻ってくると 信じてるものよ。 419 00:32:42,274 --> 00:32:44,226 あのキクさんだって。 420 00:32:44,226 --> 00:32:47,229 お義母さんは強い人でしたから…。 (鶴代)ううん。 421 00:32:47,229 --> 00:32:53,235 強すぎよ。 一流料亭の女将が あんな事までするかね? 422 00:32:53,235 --> 00:32:55,237 あんな事って? 423 00:32:55,237 --> 00:33:02,244 キクさん 店を大きくするために 女の部分を使ったって。 424 00:33:02,244 --> 00:33:05,314 私も 相当強いとは思うけど→ 425 00:33:05,314 --> 00:33:09,251 あの女将とは 一つだけ違うところがある。 426 00:33:09,251 --> 00:33:13,255 私は 心のどこかで この人は私のものじゃない→ 427 00:33:13,255 --> 00:33:16,225 奥さんの所に帰ったほうが 幸せかもしれない… って→ 428 00:33:16,225 --> 00:33:18,243 そう思ってた。 429 00:33:18,243 --> 00:33:24,233 まあ 結局 男っていうのは 自分を完全に縛りつけてくれる→ 430 00:33:24,233 --> 00:33:28,237 強い女の腕の中にいるほうが 安心で→ 431 00:33:28,237 --> 00:33:31,256 結局 そっちに戻っていくものよ。 432 00:33:31,256 --> 00:33:34,243 それが 本妻…。 433 00:33:34,243 --> 00:33:38,247 あんたの旦那が その多衣っていう女と出会った時→ 434 00:33:38,247 --> 00:33:42,251 この女は まるごと 自分をつかんでくれる女だって→ 435 00:33:42,251 --> 00:33:44,236 そう思ったのね。 436 00:33:44,236 --> 00:33:48,257 その女のほうが 本妻みたいなもんでしょ? 437 00:33:48,257 --> 00:33:54,246 はあ… 私が愛人向きなの なんだか わかる気がします。 438 00:33:54,246 --> 00:33:57,249 馬鹿! わかっちゃいけないわよ。 439 00:33:57,249 --> 00:34:00,249 そういうところが あんた 変よね。 440 00:34:03,238 --> 00:34:05,257 でも なんだか 私→ 441 00:34:05,257 --> 00:34:08,257 あなたの味方 したくなってきちゃったわ。 442 00:34:11,246 --> 00:34:13,246 いらっしゃいませ! いらっしゃいませ。 443 00:34:14,233 --> 00:34:17,236 〈鶴代ママの効果は すぐに表れた〉 444 00:34:17,236 --> 00:34:19,238 なんだか 急に忙しくなっちゃったわね。 445 00:34:19,238 --> 00:34:21,238 ウフフ…。 446 00:34:23,225 --> 00:34:27,229 おい なんかあったのか? 447 00:34:27,229 --> 00:34:30,315 私ね あなたの愛人とだけじゃなく→ 448 00:34:30,315 --> 00:34:34,236 あなたのお父さんの愛人とも 手を組む事にしたのよ。 449 00:34:34,236 --> 00:34:36,236 はっ…? 450 00:34:38,240 --> 00:34:42,244 〈とはいえ 経営が苦しい事に 変わりはなかった〉 451 00:34:42,244 --> 00:34:44,229 〈資金繰りも厳しく→ 452 00:34:44,229 --> 00:34:47,249 今月は 返済も難しい状況だった〉 453 00:34:47,249 --> 00:34:52,249 〈そんな時 私は六扇さんに呼び出された〉 454 00:34:55,224 --> 00:34:59,228 ああ… 遠いところ よく来てくれたな。 455 00:34:59,228 --> 00:35:02,228 さあ。 失礼致します。 456 00:35:04,266 --> 00:35:09,238 うわあ…! 素敵。 457 00:35:09,238 --> 00:35:15,227 ああ。 ここは ある女との思い出の場所でね。 458 00:35:15,227 --> 00:35:21,233 ああ…。 その方 愛されていたんですね。 459 00:35:21,233 --> 00:35:27,256 その女と私とは 道ならぬ仲でな。 460 00:35:27,256 --> 00:35:31,226 ある日 夜明けに気づいたら→ 461 00:35:31,226 --> 00:35:35,214 布団から抜け出した彼女が→ 462 00:35:35,214 --> 00:35:40,235 そこの椅子に座って 外を見つめていたんだ。 463 00:35:40,235 --> 00:35:45,257 そして つぶやいた。 464 00:35:45,257 --> 00:35:48,257 「死にますか 一緒に」ってな。 465 00:35:51,230 --> 00:35:57,236 その数日後に彼女は自殺した。 466 00:35:57,236 --> 00:36:01,256 それが 20年前の今日なんだ。 467 00:36:01,256 --> 00:36:06,245 いやあ… あんたは その女に本当によく似てる。 468 00:36:06,245 --> 00:36:09,248 で 頼みっていうのは→ 469 00:36:09,248 --> 00:36:14,253 あんたの絵を この場所で描かせてほしいんだ。 470 00:36:14,253 --> 00:36:17,272 私がモデルを? でも…。 471 00:36:17,272 --> 00:36:23,245 頼む。 その女の供養のためにも 描かせてくれ。 472 00:36:23,245 --> 00:36:27,249 その椅子に 座ってるだけでいいんだ。 473 00:36:27,249 --> 00:36:56,245 ♬~ 474 00:36:56,245 --> 00:37:24,245 ♬~ 475 00:37:27,226 --> 00:37:29,244 先生 それ…。 476 00:37:29,244 --> 00:37:32,231 (六扇)ああ…。 あんた→ 477 00:37:32,231 --> 00:37:35,317 自分でも気づいていない 女の熟れを→ 478 00:37:35,317 --> 00:37:39,254 肌の隅々にまで溢れさせている。 479 00:37:39,254 --> 00:37:42,257 それが 服の隙間からのぞくんだ。 480 00:37:42,257 --> 00:37:45,227 そこも あの女にそっくりなんだ。 481 00:37:45,227 --> 00:37:47,229 買いかぶりすぎですよ…。 482 00:37:47,229 --> 00:37:51,229 悪いが 脱いでくれんか? えっ!? 483 00:40:28,256 --> 00:40:32,210 悪いが 脱いでくれんか? えっ!? 484 00:40:32,210 --> 00:40:34,229 いや…。 485 00:40:34,229 --> 00:40:38,250 あんたの体のやわらかさを→ 486 00:40:38,250 --> 00:40:42,254 私のこの筆はうまく吸い取れんと いらだってるんだ。 487 00:40:42,254 --> 00:40:46,291 お願いだ! 着てるものを脱いでくれ。 488 00:40:46,291 --> 00:40:48,243 先生…! ああ ああ…。 489 00:40:48,243 --> 00:40:51,229 体をくれと言ってるわけじゃない。 490 00:40:51,229 --> 00:40:55,250 生涯最後の傑作を 描かせてほしいと頼んでるんだ。 491 00:40:55,250 --> 00:40:57,269 先生! あっ…。 492 00:40:57,269 --> 00:40:59,271 金は欲しいだけやる。 493 00:40:59,271 --> 00:41:02,240 私の財産全部と引き換えに→ 494 00:41:02,240 --> 00:41:06,244 あんたの体の全部を 見せてほしいと言ってるだけだ。 495 00:41:06,244 --> 00:41:08,246 お願いだ。 496 00:41:08,246 --> 00:41:13,251 私が触るのが嫌だったら 目だけでもいい。 497 00:41:13,251 --> 00:41:17,251 目だけで抱かせてくれ。 498 00:41:19,257 --> 00:41:23,245 キクさん 店を大きくするために 女の部分を使ったって。 499 00:41:23,245 --> 00:41:27,249 おふくろの事 嫌ってるくせに なんだか似てきたな。 500 00:41:27,249 --> 00:41:30,249 毎朝 あんたの体がいらだってるの 感じてるんだから! 501 00:41:32,254 --> 00:41:35,273 先生… 私 そんな女じゃありません! 502 00:41:35,273 --> 00:41:37,242 おいおいおい… 君! 503 00:41:37,242 --> 00:41:40,262 君! 待ちたまえ! おい…。 (戸の閉まる音) 504 00:41:40,262 --> 00:41:47,269 ♬~ 505 00:41:47,269 --> 00:41:51,273 〈私の女の部分を見透かされた〉 506 00:41:51,273 --> 00:41:53,241 〈自分の半端さが→ 507 00:41:53,241 --> 00:41:57,241 年老いた老画家の枯れかけた男を 呼び覚ましたのだ…〉 508 00:42:02,250 --> 00:42:04,269 (チャイム) 509 00:42:04,269 --> 00:42:12,310 ♬~ 510 00:42:12,310 --> 00:42:14,246 どうしたんだ? 511 00:42:14,246 --> 00:42:20,252 ♬~ 512 00:42:20,252 --> 00:42:22,237 (施錠音) 513 00:42:22,237 --> 00:42:32,230 ♬~ 514 00:42:32,230 --> 00:42:37,235 これ… 多衣さんが買ったのね。 515 00:42:37,235 --> 00:42:48,235 ♬~ 516 00:42:51,233 --> 00:42:56,233 〈多衣さんが現れた事で 旬平も私も変わった〉 517 00:42:58,240 --> 00:43:01,240 なんか 俺に言いたい事でもあるのか? 518 00:43:03,245 --> 00:43:09,251 私ね これまで 怖くて聞けなかった事→ 519 00:43:09,251 --> 00:43:11,251 聞きに来たの。 520 00:43:14,239 --> 00:43:19,239 多衣さんと私 どちらを愛してるの? 521 00:43:25,317 --> 00:43:31,239 なんだ… 俺に まだ未練が残ってるのか? 522 00:43:31,239 --> 00:43:34,226 てっきり 俺に見切りをつけて→ 523 00:43:34,226 --> 00:43:37,229 お前の中では 偽装じゃなくて→ 524 00:43:37,229 --> 00:43:40,229 本当の離婚になってるものだと 思ってた。 525 00:43:41,333 --> 00:43:43,251 〈ずるい男…〉 526 00:43:43,251 --> 00:43:48,256 〈でも 私は それすら 不思議な魅力と感じている〉 527 00:43:48,256 --> 00:43:51,226 〈多衣さんへの対抗心が→ 528 00:43:51,226 --> 00:43:56,264 私を ただの妻から 一人の女に変えてしまった〉 529 00:43:56,264 --> 00:44:04,239 お前こそ 俺を愛しているのか いないのか→ 530 00:44:04,239 --> 00:44:06,239 どっちだ? 531 00:44:08,243 --> 00:44:10,228 愛してるわ。 532 00:44:10,228 --> 00:44:22,257 ♬~ 533 00:44:22,257 --> 00:44:26,227 ♬~ 534 00:44:26,227 --> 00:44:31,249 ♬~ 535 00:44:31,249 --> 00:44:37,255 改めて結婚してもらう事にしたの。 だから来たのよ。 536 00:44:37,255 --> 00:44:39,257 俺と よりを戻すつもりか? 537 00:44:39,257 --> 00:44:41,226 違うわよ。 538 00:44:41,226 --> 00:44:44,245 多衣さんと結婚して。 539 00:44:44,245 --> 00:44:47,248 さっき愛してるって言ったのは 嘘なのか? 540 00:44:47,248 --> 00:44:49,234 嘘じゃない。 541 00:44:49,234 --> 00:44:51,252 でも もう半端はやめたの。 542 00:44:51,252 --> 00:44:54,239 きっぱり あなたにも けりをつけて→ 543 00:44:54,239 --> 00:44:58,226 これからは 店と 子供たちのためだけに生きるわ。 544 00:44:58,226 --> 00:45:00,228 半端…? 545 00:45:00,228 --> 00:45:04,249 そうよ。 多衣さんだって半端よ。 546 00:45:04,249 --> 00:45:09,249 人の夫を盗むなら とことん奪っていくべきなのよ。 547 00:45:13,224 --> 00:45:19,224 本当に… 本当に結婚してほしいのか? 548 00:45:29,257 --> 00:45:35,246 だから 最後に もう一度だけ→ 549 00:45:35,246 --> 00:45:37,246 私を抱いて。 550 00:45:40,235 --> 00:45:46,241 俺は 多衣との事で まだ お前に隠してる事がある。 551 00:45:46,241 --> 00:45:48,243 2つも。 552 00:45:48,243 --> 00:45:52,313 ハッ… まだ だましてる事があるの? 553 00:45:52,313 --> 00:45:55,250 だけど言いたくない。 554 00:45:55,250 --> 00:46:00,250 お前がそういう気持ちなら なんの意味もない。 555 00:46:03,241 --> 00:46:09,241 いいわ…。 でも これだけは言っておくわね。 556 00:46:12,283 --> 00:46:17,255 2人が結婚しても 店の借金は私が返し続ける。 557 00:46:17,255 --> 00:46:20,255 あなたは 罪悪感を持たなくていいの。 558 00:46:24,329 --> 00:46:31,269 私… 今晩ひと晩のあなたを→ 559 00:46:31,269 --> 00:46:39,260 その6000万で買うつもりで ここに来たんだから。 560 00:46:39,260 --> 00:46:46,334 ♬~ 561 00:46:46,334 --> 00:46:49,254 ≫(雷鳴) 562 00:46:49,254 --> 00:46:55,260 ♬~ 563 00:46:55,260 --> 00:46:57,228 あっ…。 564 00:46:57,228 --> 00:47:18,233 ♬~ 565 00:47:18,233 --> 00:47:20,235 〈旬平との決着をつけ→ 566 00:47:20,235 --> 00:47:25,240 胸の中の炎を消したつもりの 通子だった〉 567 00:47:25,240 --> 00:47:28,243 〈しかし いったん燃え始めた炎は→ 568 00:47:28,243 --> 00:47:31,243 決して 消える事はなかった〉 569 00:49:05,240 --> 00:49:07,242 浮気? (笠井)本気で みっちゃんを→ 570 00:49:07,242 --> 00:49:09,244 自分のものにしたいと 思ってる。 571 00:49:09,244 --> 00:49:11,246 八重さん!? 八重さん…。 お前も逮捕するって。 572 00:49:11,246 --> 00:49:13,246 私を逮捕する? 573 00:49:14,249 --> 00:49:16,251 〈私は だまされた〉 574 00:49:16,251 --> 00:49:18,251 〈許せない… 絶対に許さない!〉