1 00:00:32,757 --> 00:00:35,743 (立石通子)〈あの時 旬平は→ 2 00:00:35,743 --> 00:00:39,747 私や子供たちを借金から 守るために離婚すると言い→ 3 00:00:39,747 --> 00:00:41,747 私は それを信じた〉 4 00:00:42,833 --> 00:00:46,771 〈あの女は 私を笑っていたのだ〉 5 00:00:46,771 --> 00:00:51,771 〈まだ 妻のつもりでいる私を 心の中で笑っていた〉 6 00:00:52,760 --> 00:00:54,745 半年前!? 7 00:00:54,745 --> 00:00:56,764 〈それなのに 旬平よりも→ 8 00:00:56,764 --> 00:01:00,751 あの女を信じ始めていた 馬鹿な私…〉 9 00:01:00,751 --> 00:01:02,751 んっ! 10 00:01:04,755 --> 00:01:06,774 〈まただ…〉 11 00:01:06,774 --> 00:01:10,774 〈また 私だけが のけ者…〉 12 00:01:13,748 --> 00:01:23,758 ♬~(囃子) 13 00:01:23,758 --> 00:01:27,758 〈私は今夜 鬼になる〉 14 00:01:29,747 --> 00:01:33,768 〈そして この女の嘘で固めた仮面を→ 15 00:01:33,768 --> 00:01:35,770 全て剥いでやるのだ〉 16 00:01:35,770 --> 00:01:42,743 ♬~(囃子) 17 00:01:42,743 --> 00:01:45,743 (上島多衣)ごめんなさい。 先に旅館に行ってます。 18 00:01:49,750 --> 00:01:51,769 〈この場の静寂をぶち壊し→ 19 00:01:51,769 --> 00:01:55,840 彼女は あっという間に姿を消した〉 20 00:01:55,840 --> 00:02:00,761 〈そう… 自分勝手で失礼この上ない→ 21 00:02:00,761 --> 00:02:02,761 多衣とは そういう女だ〉 22 00:02:05,833 --> 00:02:09,820 〈あの女 本当に旅館に行ったのか?〉 23 00:02:09,820 --> 00:02:13,758 〈もしかして 私から何かを感じ取って→ 24 00:02:13,758 --> 00:02:15,758 逃げ出したのではないか?〉 25 00:02:16,777 --> 00:02:19,777 〈逃がしてたまるか〉 26 00:02:26,771 --> 00:02:28,823 (笠井芯太郎) お待たせ。 買ってきたよ。 27 00:02:28,823 --> 00:02:30,775 ≫ありがとう。 28 00:02:30,775 --> 00:02:35,746 〈笠井さんと一緒にいる女性に 見覚えがあった〉 29 00:02:35,746 --> 00:02:39,750 〈兄が見せてくれた 笠井さんの結婚式の写真の→ 30 00:02:39,750 --> 00:02:41,752 花嫁〉 31 00:02:41,752 --> 00:02:43,754 (笠井の声)妻とは別れた。 32 00:02:43,754 --> 00:02:46,757 僕は本気で みっちゃんを 自分のものにしたいと思ってる。 33 00:02:46,757 --> 00:02:49,744 〈笠井さんまで 私をだましてた?〉 34 00:02:49,744 --> 00:02:53,781 〈偽装離婚という言葉が 頭をよぎった〉 35 00:02:53,781 --> 00:02:58,769 〈確か 仕事で大きな博打に 打って出ると言っていたけれど→ 36 00:02:58,769 --> 00:03:04,775 もしかして それが失敗した時 家族を守るために?〉 37 00:03:04,775 --> 00:03:07,762 〈旬平と同じだ〉 38 00:03:07,762 --> 00:03:11,766 〈偽装離婚を使って 私を裏切った〉 39 00:03:11,766 --> 00:03:16,771 〈笠井 旬平 多衣…〉 40 00:03:16,771 --> 00:03:21,771 〈許さない… みんなして 私をだまして〉 41 00:03:22,777 --> 00:03:25,780 〈あの女… そうよ…〉 42 00:03:25,780 --> 00:03:28,780 〈元はといえば 全部 あの女〉 43 00:03:29,784 --> 00:03:32,787 〈どんな罰を下してやろうか!〉 44 00:03:32,787 --> 00:03:45,787 ♬~ 45 00:03:55,776 --> 00:03:58,779 脱ぎなさい! はっ? 46 00:03:58,779 --> 00:04:01,749 全部 脱いで あなたの体を見せなさい。 47 00:04:01,749 --> 00:04:03,768 えっ? あなた もう→ 48 00:04:03,768 --> 00:04:06,754 半年も前から 旬平の妻だったのね。 49 00:04:06,754 --> 00:04:10,754 私 見たのよ。 あなたたちの戸籍謄本。 50 00:04:12,760 --> 00:04:16,764 婚姻届を出したのは 去年の9月25日。 51 00:04:16,764 --> 00:04:19,834 まさか 私が金沢で あなたに6000万を借りた→ 52 00:04:19,834 --> 00:04:21,752 その2日後とはね。 53 00:04:21,752 --> 00:04:23,771 あなた あの時 言ったわよね? 54 00:04:23,771 --> 00:04:26,774 「結婚は自分の手で つかみ取ります」って。 55 00:04:26,774 --> 00:04:28,759 まだまだ先みたいな事 言って。 56 00:04:28,759 --> 00:04:32,747 私ね それなりに純粋に→ 57 00:04:32,747 --> 00:04:35,750 あなたに 旬平を譲るつもりだったのよ。 58 00:04:35,750 --> 00:04:39,770 全てじゃないけど 真心だってあったのよ。 59 00:04:39,770 --> 00:04:42,757 まだ 彼の事 愛してたから。 60 00:04:42,757 --> 00:04:44,775 それが あの人の幸せなら→ 61 00:04:44,775 --> 00:04:48,846 笑って あなたのもとに 送り出してあげようって。 62 00:04:48,846 --> 00:04:53,846 でも それって… 私の一人芝居だったってわけね。 63 00:04:55,770 --> 00:04:58,756 どうして あの時 言ってくれなかったんです? 64 00:04:58,756 --> 00:05:01,776 「私たち 結婚します」って。 65 00:05:01,776 --> 00:05:06,764 そしたら 私だって 最後のプライドで笑って→ 66 00:05:06,764 --> 00:05:09,767 「そう」って答えてあげました。 67 00:05:09,767 --> 00:05:11,769 あなた 散々 今まで→ 68 00:05:11,769 --> 00:05:14,772 私の事 見抜いた 見抜いたって 言っておきながら→ 69 00:05:14,772 --> 00:05:16,757 私が そういう女だ っていう事まで→ 70 00:05:16,757 --> 00:05:19,757 どうして 見抜いてくれなかったんですか! 71 00:05:21,745 --> 00:05:25,766 私 嘘はついてませんよ。 72 00:05:25,766 --> 00:05:27,751 開き直るつもり? 73 00:05:27,751 --> 00:05:31,755 言ったとおり 自分でつかみ取っただけです。 74 00:05:31,755 --> 00:05:33,757 嘘はついてません。 75 00:05:33,757 --> 00:05:35,759 勝手な事 言わないで。 76 00:05:35,759 --> 00:05:38,762 勝手なのは あなたのほうでしょう? 77 00:05:38,762 --> 00:05:40,748 真心はあっただの→ 78 00:05:40,748 --> 00:05:43,751 愛する旬平さんのために 私に譲っただの→ 79 00:05:43,751 --> 00:05:45,769 いくら きれい事 並べたって→ 80 00:05:45,769 --> 00:05:50,769 しょせん 全部 自分が 好きでやった事じゃないですか。 81 00:05:51,759 --> 00:05:54,745 それなのに 自分が苦しいふりして つらいふりして→ 82 00:05:54,745 --> 00:05:57,765 そういうところを 旬平さんに見せつけて→ 83 00:05:57,765 --> 00:06:00,765 私を悪者にしてるだけじゃ ないですか。 84 00:06:01,752 --> 00:06:03,771 そうね。 85 00:06:03,771 --> 00:06:06,841 確かに そういうところも あるかもしれない。 86 00:06:06,841 --> 00:06:08,776 でもね あなたにだけは→ 87 00:06:08,776 --> 00:06:10,744 それを責める権利は ないんじゃないかしら? 88 00:06:10,744 --> 00:06:14,765 ありますよ。 6000万もの大金を貸してる以上→ 89 00:06:14,765 --> 00:06:17,768 私には あなたを責める権利があるわ。 90 00:06:17,768 --> 00:06:22,773 お金の事と女の戦いは別だって 言ったのは あなたのほうよ。 91 00:06:22,773 --> 00:06:26,744 それとも 同じそろばんの上に載せますか? 92 00:06:26,744 --> 00:06:29,763 そのほうが 私にとっても都合がいいけど。 93 00:06:29,763 --> 00:06:31,763 どういう意味です? 94 00:06:36,770 --> 00:06:39,770 やっぱり あなたの体 見せてもらいます。 95 00:06:42,760 --> 00:06:44,762 なんなんですか? 一体。 96 00:06:44,762 --> 00:06:48,749 あなた 初めて会った時 私に言ったわよね? 97 00:06:48,749 --> 00:06:50,768 「鬼になる」って。 98 00:06:50,768 --> 00:06:55,756 私 あの晩に 鬼になろうと決めたんです。 99 00:06:55,756 --> 00:06:59,760 そして 旬平を手に入れた。 100 00:06:59,760 --> 00:07:04,765 でも それは 嘘に塗り固められた結婚。 101 00:07:04,765 --> 00:07:08,752 だから 今度は私が鬼になって→ 102 00:07:08,752 --> 00:07:11,755 あなたの体をあらためるの。 103 00:07:11,755 --> 00:07:15,776 そうね… 例えれば ここは関所ね。 104 00:07:15,776 --> 00:07:17,745 そして 私は→ 105 00:07:17,745 --> 00:07:22,766 ここを通る女が着物の下に 嘘を隠してないか調べる→ 106 00:07:22,766 --> 00:07:24,766 改め女。 107 00:07:25,769 --> 00:07:28,772 私の目がだませたら→ 108 00:07:28,772 --> 00:07:32,760 今度こそ 本当に結婚を許してあげる。 109 00:07:32,760 --> 00:07:34,778 どうかしてる。 110 00:07:34,778 --> 00:07:36,847 私は本気よ。 111 00:07:36,847 --> 00:07:38,847 脱ぎなさい! 112 00:07:45,789 --> 00:07:47,791 いいわ。 113 00:07:47,791 --> 00:07:49,791 どうぞ あらためて。 114 00:07:55,766 --> 00:07:57,851 ご自分で脱がしてください。 115 00:07:57,851 --> 00:08:00,020 えっ? 116 00:08:00,020 --> 00:08:02,020 あなたが言い出した事ですよ。 117 00:08:12,783 --> 00:08:33,771 ♬~ 118 00:08:33,771 --> 00:08:35,789 〈私は鬼になっていた〉 119 00:08:35,789 --> 00:08:39,777 〈この世で最も残酷で 悲しい鬼に〉 120 00:08:39,777 --> 00:08:45,777 ♬~ 121 00:08:57,745 --> 00:09:00,848 〈その肌は 透き通るように白く→ 122 00:09:00,848 --> 00:09:04,768 絹のような光沢を放っていた〉 123 00:09:04,768 --> 00:09:08,756 〈予想していたような 旬平の唇の痕も→ 124 00:09:08,756 --> 00:09:11,756 一点の汚れもなかった〉 125 00:09:12,743 --> 00:09:17,743 あなたって 体まで嘘つきなのね。 126 00:09:18,766 --> 00:09:22,770 でも 私の目はだませなくても→ 127 00:09:22,770 --> 00:09:26,774 男の目はだませるわね 十分。 128 00:09:26,774 --> 00:09:30,761 そう。 十分 5000万の価値がある。 129 00:09:30,761 --> 00:09:35,761 私ね それを確かめたかったの。 130 00:09:37,768 --> 00:09:42,756 結婚を許す代わりに 1つ頼みがあるの。 131 00:09:42,756 --> 00:09:45,776 私を ひと晩5000万で 買ってもいいっていう→ 132 00:09:45,776 --> 00:09:48,762 物好きな男がいるんだけど→ 133 00:09:48,762 --> 00:09:51,765 私には その気がないから→ 134 00:09:51,765 --> 00:09:54,765 代わりに あなたに寝てもらいたいの。 135 00:09:56,754 --> 00:10:02,754 5000万って 勝浪銀座店を買うお金ですか? 136 00:10:03,761 --> 00:10:06,764 旬平から聞いてるのね。 137 00:10:06,764 --> 00:10:08,766 なら 話は早いわ。 138 00:10:08,766 --> 00:10:11,766 あなたって本当に怖い人ね。 139 00:10:14,755 --> 00:10:16,755 お断りします。 140 00:10:17,758 --> 00:10:23,764 だって… 私 もう 前に一度→ 141 00:10:23,764 --> 00:10:27,751 あなたのために この体 犠牲にしてるんですよ。 142 00:10:27,751 --> 00:10:31,772 花ずみ再建のために お貸しした6000万→ 143 00:10:31,772 --> 00:10:35,776 この体を売って 作ったものなんです。 144 00:10:35,776 --> 00:10:37,776 あなたのために。 145 00:10:42,749 --> 00:10:46,770 まさか…。 知らないわ そんな事。 146 00:10:46,770 --> 00:10:48,755 知らない? 147 00:10:48,755 --> 00:10:52,755 嘘よ。 あなた 薄々 感づいてたでしょ? 148 00:10:53,744 --> 00:10:56,747 〈確かに あの時→ 149 00:10:56,747 --> 00:11:00,751 私は心の隅で かすかに もしやと思っていた〉 150 00:11:00,751 --> 00:11:03,754 私の体を 犠牲にさせた事を承知で→ 151 00:11:03,754 --> 00:11:06,757 あの小切手を 受け取ったんでしょう? 152 00:11:06,757 --> 00:11:09,743 あの時に もう勝負はついてたんですよ。 153 00:11:09,743 --> 00:11:13,764 私が勝って あなたが負けたんです。 154 00:11:13,764 --> 00:11:17,764 卑怯にも 黙って小切手を受け取った事で。 155 00:11:18,752 --> 00:11:21,752 だから すぐに結婚したまでです。 156 00:11:23,757 --> 00:11:27,744 あなたのために あんなに 恥ずかしい思いまでしたんだもの。 157 00:11:27,744 --> 00:11:29,763 文句言われる筋合いありません。 158 00:11:29,763 --> 00:11:31,748 だったら あの時→ 159 00:11:31,748 --> 00:11:35,748 お金はないって はっきり 断ればよかったじゃないですか。 160 00:11:36,770 --> 00:11:39,756 あなたに負けたくなかった。 161 00:11:39,756 --> 00:11:45,762 旬平さんを 私だけのものにしたかったのよ。 162 00:11:45,762 --> 00:11:47,764 はあ? 163 00:11:47,764 --> 00:11:51,768 あの時 あなたはもう 旬平を手に入れてたじゃない。 164 00:11:51,768 --> 00:11:55,768 旬平の心も体も 自分のものにしてたじゃない。 165 00:11:56,773 --> 00:11:58,775 体は私のものでも→ 166 00:11:58,775 --> 00:12:01,775 旬平さんの心は あなたにあったのよ。 167 00:12:02,763 --> 00:12:04,765 何言ってるの? 168 00:12:04,765 --> 00:12:07,765 あなた 私を馬鹿にしてるの? 169 00:12:08,752 --> 00:12:12,752 あなたが金沢に来る前の日 旬平さんから電話があったんです。 170 00:12:13,774 --> 00:12:15,774 はい。 171 00:12:17,761 --> 00:12:19,780 えっ? 172 00:12:19,780 --> 00:12:23,780 (上島旬平)「俺は 君より… 通子を愛してる」 173 00:12:24,785 --> 00:12:26,785 だから 君とは別れたい。 174 00:12:27,771 --> 00:12:30,791 嘘よ。 そんなの嘘だわ。 175 00:12:30,791 --> 00:12:33,791 嘘じゃ言えませんよ こんな悲しい事。 176 00:12:35,779 --> 00:12:38,765 だったら なんで あの人 私に ちゃんと…。 177 00:12:38,765 --> 00:12:40,784 そんな事→ 178 00:12:40,784 --> 00:12:44,784 面と向かって言える人じゃないの あなた ご存じでしょ? 179 00:12:45,789 --> 00:12:49,776 だから 私 通子さんに言われた6000万を→ 180 00:12:49,776 --> 00:12:52,763 どうしても 自分の手で作りたかった。 181 00:12:52,763 --> 00:12:56,763 どうしても 旬平さんを失いたくなかった。 182 00:12:57,784 --> 00:12:59,786 だから 体を売りました。 183 00:12:59,786 --> 00:13:02,786 あなたに恩を売っておきたかった。 184 00:13:04,791 --> 00:13:07,844 あなたが 小切手を持って帰った翌日→ 185 00:13:07,844 --> 00:13:11,844 私 すぐに旬平さんに会いに 東京に行きました。 186 00:13:12,783 --> 00:13:15,786 お願いします…。 187 00:13:15,786 --> 00:13:17,786 私を捨てないで。 188 00:13:18,789 --> 00:13:21,789 私には もう何もない。 189 00:13:22,759 --> 00:13:25,759 あなたしかいないんです。 190 00:13:26,847 --> 00:13:31,785 通子は あの婚姻届を 君に売ろうとしたのか? 191 00:13:31,785 --> 00:13:34,771 そんなの すぐに断ったわ。 192 00:13:34,771 --> 00:13:39,743 でも 私… どうしても あなたと一緒になりたくて→ 193 00:13:39,743 --> 00:13:43,743 あなたを失いたくなくて 必死に お金を…。 194 00:13:45,766 --> 00:13:48,769 お願いします。 195 00:13:48,769 --> 00:13:52,769 あなたの奥さんにしてください。 196 00:13:54,758 --> 00:13:58,758 (すすり泣き) 197 00:14:02,766 --> 00:14:05,769 わかった。 198 00:14:05,769 --> 00:14:07,769 結婚しよう。 199 00:14:14,745 --> 00:14:17,745 (多衣の声)とんだ そろばん勘定だ って思ってます? 200 00:14:18,749 --> 00:14:23,770 でも あの時 私が必死にはじいたのは→ 201 00:14:23,770 --> 00:14:28,770 商売のそろばんじゃなくて 愛のそろばんです。 202 00:14:29,760 --> 00:14:33,747 でも結局 私が勝ち取ったのは→ 203 00:14:33,747 --> 00:14:36,750 しょせんは戸籍の紙切れ一枚。 204 00:14:36,750 --> 00:14:40,771 なんの事はない 私の負け戦。 205 00:14:40,771 --> 00:14:43,771 それが今でも続いてるんです。 206 00:14:46,743 --> 00:14:48,745 旬平さんの妻でいるために→ 207 00:14:48,745 --> 00:14:52,745 もう一度 同じ舞を舞えと言うなら 舞いますよ。 208 00:14:54,768 --> 00:14:59,768 で 次は誰と寝ればいいんですか? 209 00:15:05,762 --> 00:15:07,748 笠井芯太郎さんです。 210 00:15:07,748 --> 00:15:09,766 えっ? 211 00:15:09,766 --> 00:15:11,768 あなたも 一度 会った事のある…。 212 00:15:11,768 --> 00:15:13,770 あの人は嫌。 213 00:15:13,770 --> 00:15:17,774 だって あの人… あなたを愛してるもの。 214 00:15:17,774 --> 00:15:19,826 えっ? 215 00:15:19,826 --> 00:15:21,745 それに→ 216 00:15:21,745 --> 00:15:25,745 あの人だって もう 私の事は抱きませんよ。 217 00:15:26,767 --> 00:15:29,770 「もう」って どういう事? 218 00:15:29,770 --> 00:15:31,770 笠井さんです。 219 00:15:32,773 --> 00:15:35,773 私が6000万のために寝たの。 220 00:15:39,746 --> 00:15:43,767 (多衣の声)どうしても 会って話がしたいって言われて…。 221 00:15:43,767 --> 00:15:46,753 彼女は まだ旬平くんを愛しています。 222 00:15:46,753 --> 00:15:49,756 妹同然の彼女を 不幸にしないためには→ 223 00:15:49,756 --> 00:15:51,775 あなたに 身を引いてもらうしかない。 224 00:15:51,775 --> 00:15:53,775 あっ…。 225 00:15:54,778 --> 00:16:00,767 もしかして 花ずみの倒産の事 ご存じないんですか? 226 00:16:00,767 --> 00:16:02,769 倒産? 227 00:16:02,769 --> 00:16:06,773 (多衣の声) 笠井さん とても驚いてたわ。 228 00:16:06,773 --> 00:16:10,773 だから 偽装離婚の事 教えてあげました。 229 00:16:11,745 --> 00:16:13,814 それで 旬平さん→ 230 00:16:13,814 --> 00:16:16,750 まずは 私という愛人を理由に→ 231 00:16:16,750 --> 00:16:19,750 無理にでも 縁を切ろうとしたんです。 232 00:16:21,771 --> 00:16:23,773 私との関係を→ 233 00:16:23,773 --> 00:16:28,762 奥さんを守るための 離婚の理由に使われるなんて→ 234 00:16:28,762 --> 00:16:31,748 つらいのは こっちのほうですよ。 235 00:16:31,748 --> 00:16:33,750 本当とは思えないな。 236 00:16:33,750 --> 00:16:37,771 今どき そんな古くさい お涙頂戴の芝居みたいな話。 237 00:16:37,771 --> 00:16:41,758 でも あなただって 同じようなもんじゃないですか。 238 00:16:41,758 --> 00:16:44,744 本当に ただの兄代わりなんですか? 239 00:16:44,744 --> 00:16:46,744 あの奥さんの。 240 00:16:49,749 --> 00:16:51,749 そうですよ 昔から。 241 00:16:53,770 --> 00:16:55,770 そうですか。 242 00:16:56,773 --> 00:17:01,745 まあ とにかく あの2人は 別れるしかないんです。 243 00:17:01,745 --> 00:17:04,745 私も早く結婚したいですし。 244 00:17:05,765 --> 00:17:08,765 私が代わりに 手切れ金を用立ててもいい。 245 00:17:11,788 --> 00:17:13,788 お金だと思うの? 246 00:17:16,776 --> 00:17:22,782 私が 一つの家庭を壊してでも あの人を欲しいと思う気持ちは→ 247 00:17:22,782 --> 00:17:24,782 そんな汚れたものじゃありません。 248 00:17:27,787 --> 00:17:30,857 いや… その…。 249 00:17:30,857 --> 00:17:35,779 申し訳ない。 あなたを誤解してたようだ。 250 00:17:35,779 --> 00:17:39,766 離してください。 離さない。 離したくない。 251 00:17:39,766 --> 00:17:41,785 どうやら 僕も あなたを…。 252 00:17:41,785 --> 00:17:44,788 つまり みっちゃんの旦那と同じで→ 253 00:17:44,788 --> 00:17:47,774 あなたに 引かれてしまったらしい。 254 00:17:47,774 --> 00:17:49,776 手切れ金なんかじゃなく→ 255 00:17:49,776 --> 00:17:53,776 あなた自身を あなたが望む金で買いたい。 256 00:17:55,765 --> 00:17:57,765 馬鹿にしないで! 257 00:17:58,768 --> 00:18:00,787 (多衣の声)笠井さん→ 258 00:18:00,787 --> 00:18:04,791 手切れ金が無理なら なんとか 私を誘惑して→ 259 00:18:04,791 --> 00:18:07,791 関係を持とうと 思ったんでしょうね。 260 00:18:08,778 --> 00:18:10,780 そして それを理由に→ 261 00:18:10,780 --> 00:18:13,780 私と旬平さんを 別れさせようって。 262 00:18:15,785 --> 00:18:18,755 嘘をつけない人が必死になって…。 263 00:18:18,755 --> 00:18:24,744 「ああ この人 通子さんのためなら どんな事だってする」って→ 264 00:18:24,744 --> 00:18:27,744 ちょっと怖いくらいだった。 265 00:18:28,765 --> 00:18:30,767 でも それ以上に→ 266 00:18:30,767 --> 00:18:33,753 馬鹿にされたみたいで 腹が立ったわ。 267 00:18:33,753 --> 00:18:38,775 結局 私の事 金で動く女だって 思ってたんだもの。 268 00:18:38,775 --> 00:18:40,760 あの時は→ 269 00:18:40,760 --> 00:18:44,760 私が あの人と寝るなんて 考えもしなかった。 270 00:18:46,766 --> 00:18:51,766 私が 借金を申し込んだから? 271 00:18:52,756 --> 00:18:56,743 (呼び出し音) 272 00:18:56,743 --> 00:18:59,743 矢萩多衣です。 273 00:19:01,765 --> 00:19:05,752 あの時の約束 覚えてくださってます? 274 00:19:05,752 --> 00:19:26,773 ♬~ 275 00:19:26,773 --> 00:19:47,761 ♬~ 276 00:19:47,761 --> 00:19:51,761 6000万 できるだけ早く振り込みます。 277 00:19:52,766 --> 00:19:54,766 お願いします。 278 00:19:55,769 --> 00:19:57,769 じゃあ 僕はこれで。 279 00:20:00,757 --> 00:20:03,757 本当の私は違うんです。 280 00:20:04,744 --> 00:20:07,744 ええ。 僕もですよ。 281 00:20:09,766 --> 00:20:11,766 ごめんなさい。 282 00:20:18,842 --> 00:20:23,842 もう一度 考えてもらえませんか? みっちゃんの旦那との事。 283 00:20:25,765 --> 00:20:28,752 6000万のお金→ 284 00:20:28,752 --> 00:20:31,771 通子さんに頼まれたものなんです。 285 00:20:31,771 --> 00:20:33,757 えっ? 286 00:20:33,757 --> 00:20:37,757 新しい花ずみをやるために 必要だからって。 287 00:20:38,828 --> 00:20:41,828 もちろん 笠井さんとの事は知りません。 288 00:20:42,766 --> 00:20:46,753 どうして あなたが こんな事までして…。 289 00:20:46,753 --> 00:20:50,774 負けたくなかったんです 通子さんに。 290 00:20:50,774 --> 00:20:54,761 旬平さんが通子さんのもとに 戻るなんて嫌だった。 291 00:20:54,761 --> 00:20:59,761 だから 6000万で 恩を売る事にしたんです。 292 00:21:02,752 --> 00:21:05,752 相当な馬鹿だな あなたも。 293 00:21:06,756 --> 00:21:08,756 あなたもね。 294 00:21:10,744 --> 00:21:13,747 それなら 最初に 言ってくれればよかったのに。 295 00:21:13,747 --> 00:21:16,750 知ってれば あなたが体を犠牲にしなくても→ 296 00:21:16,750 --> 00:21:18,752 僕は金を出した。 297 00:21:18,752 --> 00:21:20,752 犠牲にしたかったんです。 298 00:21:22,756 --> 00:21:26,743 私が借金の申し入れを 断っていたら→ 299 00:21:26,743 --> 00:21:29,763 通子さん あなたに借りに行ったと思う。 300 00:21:29,763 --> 00:21:32,766 あなたは 気前よく貸したでしょう。 301 00:21:32,766 --> 00:21:37,754 そしたら 私の出る幕はなくて 旬平さんを失って…。 302 00:21:37,754 --> 00:21:40,754 そんなの耐えられないと思った。 303 00:21:44,761 --> 00:21:48,765 お金は 通子さんから 返済がある度にお返しします。 304 00:21:48,765 --> 00:21:52,769 もし 通子さんが払えなくなったら 私がお返しします。 305 00:21:52,769 --> 00:21:54,788 いや そんな事をしたら→ 306 00:21:54,788 --> 00:21:58,792 あなたが自分の体を 犠牲にした意味がなくなる。 307 00:21:58,792 --> 00:22:01,845 僕が君を6000万で買った。 308 00:22:01,845 --> 00:22:05,782 君が みっちゃんに それを貸した。 それでいい。 309 00:22:05,782 --> 00:22:07,782 そうはいきません。 310 00:22:11,771 --> 00:22:13,790 そうか。 311 00:22:13,790 --> 00:22:16,776 旬平くんを 手に入れる事ができたら→ 312 00:22:16,776 --> 00:22:19,779 このひと晩の事は なかった事にしたくなるか。 313 00:22:19,779 --> 00:22:24,779 そういう意味でなら 少しずつ返してくれればいい。 314 00:22:25,785 --> 00:22:27,785 ありがとうございます。 315 00:22:28,788 --> 00:22:30,788 僕のほうこそ。 316 00:22:31,791 --> 00:22:34,777 君のおかげで→ 317 00:22:34,777 --> 00:22:37,777 僕は みっちゃんの力になれてる。 318 00:22:41,784 --> 00:22:46,784 (多衣の声)でも 笠井さんって 本当に嘘がつけない人なのね。 319 00:22:47,790 --> 00:22:50,760 私との事が 奥さんにバレて→ 320 00:22:50,760 --> 00:22:54,760 私 あの奥さんに 詫びまで入れに行ったのよ。 321 00:22:55,782 --> 00:23:00,782 でも そのかいもなく2人は離婚。 322 00:23:01,771 --> 00:23:05,758 その奥さんが さっき 薪能の会場にいてね→ 323 00:23:05,758 --> 00:23:09,758 私 二度と会いたくないから 逃げてきたってわけ。 324 00:23:10,747 --> 00:23:12,747 これが全て。 325 00:23:13,766 --> 00:23:15,766 気は済みました? 326 00:23:17,754 --> 00:23:19,756 結局 あなたは→ 327 00:23:19,756 --> 00:23:25,756 私から 旬平だけじゃなく 笠井さんまで奪っていったのね。 328 00:23:26,763 --> 00:23:29,763 体だけなら確かにね。 329 00:23:37,774 --> 00:23:39,759 (障子の開閉音) 330 00:23:39,759 --> 00:23:41,759 (ため息) 331 00:23:45,748 --> 00:23:48,751 (呼び出し音) (ため息) 332 00:23:48,751 --> 00:23:50,753 (呼び出し音) 333 00:23:50,753 --> 00:23:52,772 私です。 334 00:23:52,772 --> 00:23:56,743 「ああ。 能は もう終わったのか?」 335 00:23:56,743 --> 00:24:01,743 ええ。 全て終わったわ。 336 00:24:02,765 --> 00:24:04,767 「そうか」 337 00:24:04,767 --> 00:24:08,771 今から 鎌倉の椚屋旅館に 行ってちょうだい。 338 00:24:08,771 --> 00:24:10,773 そこで 多衣さんが1人で待ってるから。 339 00:24:10,773 --> 00:24:12,775 「えっ?」 340 00:24:12,775 --> 00:24:15,762 「いい? これは女将の命令です」 341 00:24:15,762 --> 00:24:17,762 (電話が切れる音) 342 00:26:24,791 --> 00:26:27,794 では まず3億 お持ちします。 343 00:26:27,794 --> 00:26:30,780 はい。 では また。 344 00:26:30,780 --> 00:26:32,780 失礼します。 345 00:26:37,787 --> 00:26:39,787 (ノック) どうぞ。 346 00:26:44,777 --> 00:26:47,780 遅くに すみません。 347 00:26:47,780 --> 00:26:49,782 いや ちょうど残業だったし。 348 00:26:49,782 --> 00:26:52,785 でも もう終わったから 軽く飲みに行こうか? 349 00:26:52,785 --> 00:26:55,785 いいえ ここで。 350 00:26:56,773 --> 00:26:59,773 そう。 じゃあ。 351 00:27:03,846 --> 00:27:05,846 どうしたの? 352 00:27:07,784 --> 00:27:09,784 鎌倉から 直接ここに? 353 00:27:11,788 --> 00:27:17,788 私も見に行ってたんです 薪能。 多衣さんと一緒に。 354 00:27:19,779 --> 00:27:21,779 奥様と ご一緒でしたね。 355 00:27:26,786 --> 00:27:28,788 違うんだ。 356 00:27:28,788 --> 00:27:31,791 あれは招待してくれた人との 関係で仕方なく。 357 00:27:31,791 --> 00:27:33,776 だから 会場から出て すぐに別れた。 358 00:27:33,776 --> 00:27:36,779 いいんですよ 別に そんな事は。 359 00:27:36,779 --> 00:27:40,779 僕はよくない。 誤解されたくない。 360 00:27:43,786 --> 00:27:46,789 多衣さんから全部 聞きました。 361 00:27:46,789 --> 00:27:48,791 えっ? 362 00:27:48,791 --> 00:27:51,791 6000万の事も全部。 363 00:27:57,767 --> 00:28:02,767 そうか… それで会いに来たわけだ。 364 00:28:04,757 --> 00:28:06,759 多衣さんも 笠井さんも→ 365 00:28:06,759 --> 00:28:09,745 私に恩を着せて縛りたかったら→ 366 00:28:09,745 --> 00:28:12,765 どうして はっきり 教えてくれなかったのよ。 367 00:28:12,765 --> 00:28:15,768 それなのに 自分たちだけの秘密にして→ 368 00:28:15,768 --> 00:28:18,768 犠牲だ 犠牲だって自己満足して。 369 00:28:19,755 --> 00:28:24,760 私の知らないところで 私を守って 私を支えて→ 370 00:28:24,760 --> 00:28:26,760 ナイトにでもなったつもり? 371 00:28:30,766 --> 00:28:32,768 そうだよ。 372 00:28:32,768 --> 00:28:34,754 お礼なんて言わないから。 373 00:28:34,754 --> 00:28:37,840 私が6000万を借りたのは 多衣さんで→ 374 00:28:37,840 --> 00:28:39,840 笠井さんじゃないから。 375 00:28:41,744 --> 00:28:43,763 そのとおりだ。 376 00:28:43,763 --> 00:28:46,749 それがわかってたから 言う必要はないと思っていた。 377 00:28:46,749 --> 00:28:49,769 それに私は お姫様なんかじゃないから。 378 00:28:49,769 --> 00:28:52,769 勝手にナイトになったつもりで いないで! 379 00:28:53,756 --> 00:28:58,811 昔から お姫様だったよ。 僕にとって みっちゃんは。 380 00:28:58,811 --> 00:29:01,764 みっちゃんって言わないで。 381 00:29:01,764 --> 00:29:03,766 もう一人前の女よ。 382 00:29:03,766 --> 00:29:05,751 多衣さんを抱きながら→ 383 00:29:05,751 --> 00:29:08,771 夢の中で 私を抱いたなんて言って。 384 00:29:08,771 --> 00:29:11,771 それなら どうして じかに私を誘わなかったのよ。 385 00:29:12,758 --> 00:29:14,760 私と笠井さんとの関係を→ 386 00:29:14,760 --> 00:29:18,831 こんなひどい形で汚すくらいなら どうして? 387 00:29:18,831 --> 00:29:23,831 この前 熱海からの帰り道に誘ったよ。 388 00:29:24,770 --> 00:29:28,770 (笠井)東京に戻らず どこかで泊まらないか? 389 00:29:29,759 --> 00:29:31,759 でも 断られた。 390 00:29:32,745 --> 00:29:36,766 簡単に断ったわけじゃない。 391 00:29:36,766 --> 00:29:40,766 本当は すごく迷った。 392 00:29:43,756 --> 00:29:47,756 どうして 私が多衣さんから 6000万 借りたかわかる? 393 00:29:49,762 --> 00:29:51,764 笠井さんとの関係に→ 394 00:29:51,764 --> 00:29:55,768 お金の問題を 持ち込みたくなかったからよ。 395 00:29:55,768 --> 00:29:58,771 笠井さんに6000万 借りれば→ 396 00:29:58,771 --> 00:30:02,775 もしも いつか 笠井さんに誘われた時に→ 397 00:30:02,775 --> 00:30:05,761 お金のために 抱かれる事になるって…。 398 00:30:05,761 --> 00:30:11,761 そんなふうに 私たちの関係を 汚したくなかったからよ。 399 00:30:12,768 --> 00:30:15,771 あの時 断ったのは→ 400 00:30:15,771 --> 00:30:18,791 笠井さんが 今の私じゃなく→ 401 00:30:18,791 --> 00:30:22,762 昔のみっちゃんを 誘ってるんだってわかったから。 402 00:30:22,762 --> 00:30:24,764 違う。 だって 私の事を守る事しか→ 403 00:30:24,764 --> 00:30:26,766 考えてないじゃない。 404 00:30:26,766 --> 00:30:28,766 私は守られたいんじゃない。 405 00:30:29,869 --> 00:30:31,787 もしも あの時→ 406 00:30:31,787 --> 00:30:37,843 私を 一人の女として誘ってくれたら→ 407 00:30:37,843 --> 00:30:39,862 私は きっと うなずいてた。 408 00:30:39,862 --> 00:30:44,767 だって あの時は なんにも知らずに→ 409 00:30:44,767 --> 00:30:48,767 笠井さんとの関係は きれいなままだと思ってたから。 410 00:30:50,790 --> 00:30:52,792 でも…→ 411 00:30:52,792 --> 00:30:55,792 馬鹿みたいね。 412 00:30:56,779 --> 00:30:59,782 私たちの関係は→ 413 00:30:59,782 --> 00:31:02,785 私の知らないところで→ 414 00:31:02,785 --> 00:31:06,856 勝手に6000万のお金で取引されて 汚されてしまってたんだから。 415 00:31:06,856 --> 00:31:09,856 みっちゃん…。 もう会いません。 416 00:31:11,777 --> 00:31:13,779 離して。 417 00:31:13,779 --> 00:31:18,784 ずっと昔から… 君を好きになった時から→ 418 00:31:18,784 --> 00:31:20,784 僕にとって 君は女だった。 419 00:31:23,773 --> 00:31:25,791 君が多衣さんに 金を返し終わったら→ 420 00:31:25,791 --> 00:31:28,791 その時に もう一度 誘っていいか? 421 00:31:29,779 --> 00:31:31,779 もう一度 チャンスをくれ。 422 00:31:35,785 --> 00:31:38,788 赤字を埋めれば それでいいなんて→ 423 00:31:38,788 --> 00:31:41,791 人の気持ちは そんなに簡単なものじゃない。 424 00:31:41,791 --> 00:31:58,774 ♬~ 425 00:31:58,774 --> 00:32:02,762 〈悲劇のヒロインに なったつもりも→ 426 00:32:02,762 --> 00:32:06,762 自分の愚かさを 嘆くつもりもなかった〉 427 00:32:09,785 --> 00:32:14,774 〈ただただ 胸が痛かった〉 428 00:32:14,774 --> 00:32:19,774 〈どうしようもなく 痛かった〉 429 00:34:36,765 --> 00:34:38,851 (立石優美)おはよう。 おはよう。 430 00:34:38,851 --> 00:34:40,753 (立石一希)おう。 (優美)何? 431 00:34:40,753 --> 00:34:43,753 また 朝ご飯 食べに来たの? まあね。 432 00:34:48,761 --> 00:34:50,763 寝てないの? 433 00:34:50,763 --> 00:34:52,763 えっ? なんで? 寝たわよ。 434 00:34:54,833 --> 00:34:56,752 目が赤い。 435 00:34:56,752 --> 00:34:59,772 ああ… うん。 さっき こすったからかな。 436 00:34:59,772 --> 00:35:01,840 それよりね お母さん これから忙しくなるから→ 437 00:35:01,840 --> 00:35:04,843 夕ご飯 作っておけない時もあるかも。 438 00:35:04,843 --> 00:35:07,846 そんな無理しなくていいよ。 自分でなんとかするから。 439 00:35:07,846 --> 00:35:09,846 うん お願いね。 440 00:35:10,849 --> 00:35:19,775 ♬~ 441 00:35:19,775 --> 00:35:23,779 〈私は何事もなかったように 旬平と接し→ 442 00:35:23,779 --> 00:35:29,768 旬平もまた いつものように 女将としての私に接していた〉 443 00:35:29,768 --> 00:35:32,771 〈今の私の頭には→ 444 00:35:32,771 --> 00:35:35,791 もう商売の事しかなかった〉 445 00:35:35,791 --> 00:35:38,844 〈勝浪銀座店を支店として買い→ 446 00:35:38,844 --> 00:35:41,844 この花ずみを大きくする事しか〉 447 00:35:45,768 --> 00:35:47,786 私が花ずみを? 448 00:35:47,786 --> 00:35:50,789 ええ。 あなたが 花ずみを買ってくれるなら→ 449 00:35:50,789 --> 00:35:53,776 私 今までの事…。 450 00:35:53,776 --> 00:35:56,779 あなたが 初めて私に会いに来た時から→ 451 00:35:56,779 --> 00:36:00,766 この前の晩の事まで 全部 忘れるわ。 452 00:36:00,766 --> 00:36:04,766 振り出しに戻って 私 頭を下げますから。 453 00:36:06,772 --> 00:36:11,760 そして 花ずみを抵当に 銀行から5000万 借り出して→ 454 00:36:11,760 --> 00:36:14,763 それを私に貸してほしいんです。 455 00:36:14,763 --> 00:36:18,767 勝浪銀座店を 私 どうしても手に入れたいんです。 456 00:36:18,767 --> 00:36:21,787 (一希) 母さんと やり直せないの? 457 00:36:21,787 --> 00:36:24,787 話があるって その事か。 458 00:36:26,792 --> 00:36:29,792 母さんが かわいそうだよ。 459 00:36:31,764 --> 00:36:34,764 必死になって 無理して頑張ってさ。 460 00:36:37,786 --> 00:36:40,786 確かに必死で頑張ってるよな。 461 00:36:43,776 --> 00:36:45,778 俺のせいだ。 462 00:36:45,778 --> 00:36:48,781 俺が全部悪い。 463 00:36:48,781 --> 00:36:51,784 申し訳ないと思ってる。 だったら…。 464 00:36:51,784 --> 00:36:53,786 でもな…→ 465 00:36:53,786 --> 00:36:59,786 俺は 彼女の本当の生き方を 邪魔してたのかもしれない。 466 00:37:00,776 --> 00:37:04,847 でも実は もう一つ 方法があります。 467 00:37:04,847 --> 00:37:06,765 どんな? 468 00:37:06,765 --> 00:37:11,765 花ずみを 私たち3人の会社にするんです。 469 00:37:13,856 --> 00:37:18,856 私と あなたと あなたのご主人の3人で。 470 00:37:20,779 --> 00:37:23,749 私 これからは けじめとして→ 471 00:37:23,749 --> 00:37:26,835 「旬平さん」と 呼ばせてもらいますね。 472 00:37:26,835 --> 00:37:30,839 あなたは どうぞ 「旬平」と呼んでください。 473 00:37:30,839 --> 00:37:32,839 わかりました。 474 00:37:33,759 --> 00:37:37,746 会社として銀行から 融資を受ける形にするとして→ 475 00:37:37,746 --> 00:37:39,765 誰が社長になるんですか? 476 00:37:39,765 --> 00:37:43,769 あなたか旬平さんのどちらかで お願いします。 477 00:37:43,769 --> 00:37:47,756 あの店は 形だけ3人のもの という事にして→ 478 00:37:47,756 --> 00:37:49,775 あなたへの借金は→ 479 00:37:49,775 --> 00:37:52,761 これからも 私のお給料から 個人的に返済させてもらいます。 480 00:37:52,761 --> 00:37:54,747 お断りします。 481 00:37:54,747 --> 00:37:57,766 えっ? どうして? 482 00:37:57,766 --> 00:38:00,753 あなたにとって どこにも損はないはずよ。 483 00:38:00,753 --> 00:38:02,755 そこが気に入らないんです。 484 00:38:02,755 --> 00:38:06,755 全部 通子さんだけが 損するようになってるところが。 485 00:38:08,761 --> 00:38:12,765 あなた 私に 恩着せがましいって 散々非難して→ 486 00:38:12,765 --> 00:38:15,768 通子さんのほうが やっぱり→ 487 00:38:15,768 --> 00:38:18,768 苦労を1人で しょい込んで→ いい子ぶってる。 488 00:38:19,838 --> 00:38:23,759 この前の晩 私の身ぐるみ剥いで→ 489 00:38:23,759 --> 00:38:27,746 逆に裸になったのは 通子さんのほう。 490 00:38:27,746 --> 00:38:31,750 私 むき出しになった 自分の本当の顔で→ 491 00:38:31,750 --> 00:38:34,770 あなたの本当の顔を 見たと思った。 492 00:38:34,770 --> 00:38:38,757 だから あの時 むしろ ホッとしたし→ 493 00:38:38,757 --> 00:38:43,757 この人の事 本当に 好きになれそうだって思った。 494 00:38:44,763 --> 00:38:46,765 あの晩 私たち→ 495 00:38:46,765 --> 00:38:51,765 喧嘩したんじゃなくて 手を繋いだんでしょ? 496 00:38:53,772 --> 00:38:56,842 金沢では 絶対に繋げないと思った手を→ 497 00:38:56,842 --> 00:38:59,761 やっと繋いだんでしょ? 498 00:38:59,761 --> 00:39:02,764 私は そう感じたけど。 499 00:39:02,764 --> 00:39:04,750 これも私の独り善がり? 500 00:39:04,750 --> 00:39:07,750 泥棒猫の勝手な言い草? 501 00:39:12,758 --> 00:39:16,762 私のほうも 手を繋ぐつもりがなければ→ 502 00:39:16,762 --> 00:39:19,762 こんな話 持ち出さなかったわ。 503 00:39:20,816 --> 00:39:25,771 だったら… 通子さんが社長になりなさい。 504 00:39:25,771 --> 00:39:30,776 私は 通子さんの夢を自分の夢にして→ 505 00:39:30,776 --> 00:39:33,776 花ずみを手伝わせてもらいます。 506 00:39:35,764 --> 00:39:39,764 捨てられたのは 多分 俺のほうだ。 507 00:39:42,771 --> 00:39:45,771 母さんと優美の事 頼むな。 508 00:39:47,776 --> 00:39:50,776 勝手な事 言うなよ。 509 00:39:51,780 --> 00:39:55,780 そうだな 勝手だな。 510 00:39:57,786 --> 00:40:02,786 でも… 心から頼んでる。 511 00:42:42,734 --> 00:42:47,773 〈会社となった花ずみは 無事 銀行から融資を受け→ 512 00:42:47,773 --> 00:42:51,760 勝浪銀座店を買い 支店とした〉 513 00:42:51,760 --> 00:42:54,763 〈店は ほぼ居抜きで→ 514 00:42:54,763 --> 00:42:57,749 なるべく お金をかけずに 内装を変え→ 515 00:42:57,749 --> 00:43:00,749 数日後に開店の日が迫っていた〉 516 00:43:01,770 --> 00:43:04,773 〈今までの花ずみは本店となり→ 517 00:43:04,773 --> 00:43:07,759 板場は今まで同様 旬平に任せ→ 518 00:43:07,759 --> 00:43:11,763 それ以外の事は 今後 多衣さんに任せる事になった〉 519 00:43:11,763 --> 00:43:13,763 ありがとう。 520 00:43:15,784 --> 00:43:17,753 お疲れさま。 521 00:43:17,753 --> 00:43:21,757 〈そして 支店である花ずみ銀座店は→ 522 00:43:21,757 --> 00:43:23,759 私と…〉 523 00:43:23,759 --> 00:43:25,759 どうぞ 入ってください。 524 00:43:34,753 --> 00:43:38,753 (堀口八重) 申し訳ございませんでした。 525 00:43:41,743 --> 00:43:46,743 (前田秀治)今までの事 全て 本当に申し訳ありませんでした。 526 00:43:48,767 --> 00:43:52,767 前田さんと八重さんには 花ずみ銀座店で働いてもらいます。 527 00:43:53,755 --> 00:43:55,755 (矢場俊介)嘘でしょう? 528 00:43:56,758 --> 00:43:59,744 それは駄目だ。 もう決めた事ですから。 529 00:43:59,744 --> 00:44:01,746 この2人が何をしたのか 忘れたのか? 530 00:44:01,746 --> 00:44:04,766 だから こうして 謝ってくださってるじゃないの。 531 00:44:04,766 --> 00:44:07,752 やはり 働かせてもらうなんていうのは→ 532 00:44:07,752 --> 00:44:09,771 ずうずうしいですね。 533 00:44:09,771 --> 00:44:15,760 オープン控えて今すぐじゃ 女将さんに迷惑かけるだろうし。 534 00:44:15,760 --> 00:44:19,748 私は 代わりが見つかるまで という事で→ 535 00:44:19,748 --> 00:44:22,767 旬平さん いかがでしょうか? 536 00:44:22,767 --> 00:44:27,772 いいえ。 これは私が決めた事です。 537 00:44:27,772 --> 00:44:35,764 ♬~ 538 00:44:35,764 --> 00:44:38,764 私は社長に従いますよ。 539 00:44:39,784 --> 00:44:42,787 やり直したいという人間に チャンスを与えるなんて→ 540 00:44:42,787 --> 00:44:44,789 いい事じゃないですか。 541 00:44:44,789 --> 00:44:51,847 ♬~ 542 00:44:51,847 --> 00:44:55,767 どうぞ 社長のお好きなように。 543 00:44:55,767 --> 00:44:59,771 (矢場)板長。 仕込み ちゃんとやっとけ。 544 00:44:59,771 --> 00:45:01,771 はい。 545 00:45:02,774 --> 00:45:05,777 さあ グズグズしてる暇は ありませんよ。 546 00:45:05,777 --> 00:45:10,765 〈旬平がどう思おうと 私に譲る気はなかった〉 547 00:45:10,765 --> 00:45:15,765 〈花ずみに必要な人は 誰一人 手放したくなかったから〉 548 00:45:28,783 --> 00:45:31,753 あっ… まだ帰ってなかったの? 549 00:45:31,753 --> 00:45:34,756 もう出るとこ。 そっちは? 550 00:45:34,756 --> 00:45:37,756 あっ… ちょっと 帳簿をね。 551 00:45:45,767 --> 00:45:48,770 八重さん 出てこられたんだ? 552 00:45:48,770 --> 00:45:51,790 前田さんが示談にしてくれて。 553 00:45:51,790 --> 00:45:55,777 うん。 それはよかったな。 554 00:45:55,777 --> 00:45:57,762 うん。 555 00:45:57,762 --> 00:46:01,762 お疲れさま。 明日もよろしくね。 556 00:46:21,786 --> 00:46:23,772 いらっしゃいませ。 557 00:46:23,772 --> 00:46:25,774 こんばんは。 3人です。 はい。 558 00:46:25,774 --> 00:46:29,844 〈新しい店は無事オープンし 客足も好調だった〉 559 00:46:29,844 --> 00:46:32,831 〈中には 刃傷沙汰のあった店と→ 560 00:46:32,831 --> 00:46:35,784 興味本位でやって来る客もいたが→ 561 00:46:35,784 --> 00:46:39,788 帰る時には 前田さんの料理に満足していた〉 562 00:46:39,788 --> 00:46:41,790 カニ爪の黄身焼き→ 563 00:46:41,790 --> 00:46:43,775 ひと皿 お願いします。 (前田)はいよ。 564 00:46:43,775 --> 00:46:46,775 (携帯電話の振動音) 565 00:46:47,829 --> 00:46:49,931 もしもし。 566 00:46:49,931 --> 00:46:52,751 「あっ 通子さん 旬平が…」 567 00:46:52,751 --> 00:46:54,919 「旬平が いなくなっちゃった」 568 00:46:54,919 --> 00:46:56,771 えっ!? 569 00:46:56,771 --> 00:46:59,924 店に来なくて 携帯に電話しても出ないから→ 570 00:46:59,924 --> 00:47:03,745 心配になって アパートに戻ったら 書き置きが…。 571 00:47:03,745 --> 00:47:06,748 なんて? なんて書いてあるの? 572 00:47:06,748 --> 00:47:09,748 「捜さないでくれ」って。 573 00:47:12,754 --> 00:47:18,754 〈旬平が… 私たちの前から消えた〉 574 00:47:25,767 --> 00:47:27,769 多衣さん あなた もしかして妊娠してない? 575 00:47:27,769 --> 00:47:30,755 おなかの子って もしかして…。 それ以上 聞かないで。 576 00:47:30,755 --> 00:47:32,757 (笠井)旬平さんの居場所が わかったんだ。 577 00:47:32,757 --> 00:47:35,744 その子の父親って…。 (小松安代)旬平さんです。 578 00:47:35,744 --> 00:47:37,744 私がどんな女か まだわかってないのね。