1 00:00:01,402 --> 00:00:03,337 (里子) 行かしてください! (隊員) 何 やってんだ! 2 00:00:03,404 --> 00:00:07,341 (里子) 雄介さんと 春子が 見つからないんです。 3 00:00:07,408 --> 00:00:09,343 (大造) 記憶を 失っている? 4 00:00:09,410 --> 00:00:11,345 (まき) 私の夫に なっていただくのよ。 5 00:00:11,412 --> 00:00:16,350 (里子) 雄介さん。 春子。 私だけ 置いてくなんて ずるいぞ。 6 00:00:16,417 --> 00:00:19,353 (里子) あなたのことは 何があっても 私が守るから。→ 7 00:00:20,287 --> 00:00:21,989 2人で 一緒に 生きよう。 8 00:00:48,449 --> 00:00:50,384 {\an8}(春子) そんな。 (里子) ホント ホント。→ 9 00:00:51,886 --> 00:00:54,822 {\an8}ただいま。 (順子) おかえり。 10 00:00:54,889 --> 00:00:57,758 {\an8}(春子) 順子ちゃん。 ただ今 帰りました。 11 00:00:57,825 --> 00:00:59,760 {\an8}(順子) おかえりなさい。 (里子) 今日は→ 12 00:00:59,827 --> 00:01:01,762 {\an8}オムレツ 作ってくれるんだよね? (春子) うん。 13 00:01:01,829 --> 00:01:04,765 {\an8}(里子) 先に 卵 溶いとくから 上 行って 荷物 置いてきなさい。 14 00:01:04,832 --> 00:01:06,834 {\an8}(春子) はい。 15 00:01:09,837 --> 00:01:12,773 {\an8}(順子) 里子姉ちゃんと 春子ちゃん。→ 16 00:01:12,840 --> 00:01:15,776 {\an8}すっかり 本物以上の親子だね。 (里子) 本物の親子ですから。→ 17 00:01:15,843 --> 00:01:18,779 {\an8}春子が いるときに そういう話 よして。 18 00:01:18,846 --> 00:01:20,781 {\an8}(順子) ごめん。→ 19 00:01:20,848 --> 00:01:24,785 {\an8}でも ここに来て もう 3年か。 あっという間だね。 20 00:01:24,852 --> 00:01:28,789 {\an8}(里子) 順子。 2階に 一緒に 住まわしてくれて ありがとう。 21 00:01:28,856 --> 00:01:30,791 {\an8}(順子) 何 水くさいこと 言ってんの。→ 22 00:01:30,858 --> 00:01:33,861 {\an8}私と 里子姉ちゃんの仲じゃない。 23 00:01:36,864 --> 00:01:40,801 {\an8}(順子) 里子姉ちゃん。 何か 悩み事でも あるの? 24 00:01:40,868 --> 00:01:42,803 {\an8}(里子) ううん。 何で? 25 00:01:42,870 --> 00:01:44,805 {\an8}(順子) 最近 よく 考え事 してるみたいだから。 26 00:01:44,872 --> 00:01:47,875 {\an8}(里子) 悩み事なんか ない ない。 27 00:01:54,882 --> 00:01:56,817 {\an8}(剛太郎) すいません。 失礼します。 28 00:01:56,884 --> 00:01:58,752 {\an8}(宮崎) ご連絡 いただいた 枝川さんですか? 29 00:01:58,819 --> 00:02:00,754 {\an8}(剛太郎) はい。 30 00:02:00,821 --> 00:02:02,756 {\an8}(宮崎) どういった ご用件でしょうか? 31 00:02:02,823 --> 00:02:04,758 {\an8}(まき) 茶器を お願いしたいのですが。 32 00:02:04,825 --> 00:02:06,760 {\an8}(宮崎) 器ですか? 33 00:02:06,827 --> 00:02:09,763 {\an8}(宮崎) 実は 申し上げにくいのですが→ 34 00:02:09,830 --> 00:02:13,767 事情があって 今は 器の制作は 一時 中止しているんです。 35 00:02:13,834 --> 00:02:18,772 (まき) 一時 中止ですか? (剛太郎) あっ。 事情ですか?→ 36 00:02:18,839 --> 00:02:21,775 私たちで 解決できることなら→ 37 00:02:21,842 --> 00:02:23,777 お力に なりますが? >> すいません。 38 00:02:23,844 --> 00:02:26,780 個人的なことなんで。 39 00:02:26,847 --> 00:02:32,786 (剛太郎) 妻の まきが 茶道 枝川流 十八代 家元に 就任するときに→ 40 00:02:32,853 --> 00:02:36,790 ご来賓に お配りする 大事な 引き出物なんです。→ 41 00:02:36,857 --> 00:02:41,795 家内が 気に入った器は あなたが お作りになった 器なんです。→ 42 00:02:41,862 --> 00:02:43,797 何とか お願いできないでしょうか? 43 00:02:43,864 --> 00:02:45,799 私も お引き受けしたいのですが→ 44 00:02:45,866 --> 00:02:47,801 どうしても お引き受けできん 理由が あるんですよ。 45 00:02:47,868 --> 00:02:49,803 (剛太郎) それだったら→ 46 00:02:49,870 --> 00:02:51,805 分かるように お話しいただかないと→ 47 00:02:51,872 --> 00:02:54,808 われわれも 納得がいきません。 >> お話し できません。 48 00:02:54,875 --> 00:02:56,810 (剛太郎) そこを 何とか お願いします。 49 00:02:56,877 --> 00:02:58,812 何度 言われても お話し できません。 50 00:03:02,816 --> 00:03:04,818 (剛太郎) これじゃ 話に ならない。 51 00:03:07,821 --> 00:03:10,758 (剛太郎) こんな 分からず屋の作った 器を もらった人も 迷惑です。 52 00:03:10,824 --> 00:03:13,761 まきさん。 他を 当たりましょう。 53 00:03:13,827 --> 00:03:15,763 (まき) あのう…。 54 00:03:15,829 --> 00:03:18,766 (剛太郎) まきさん。 行きましょう。 55 00:03:18,832 --> 00:03:22,836 (春子) はい。 できた。 (順子) できた。 56 00:03:27,841 --> 00:03:31,779 (里子) それじゃあ…。 (一同) いただきます。 57 00:03:31,845 --> 00:03:33,781 (春子) そういえば 「宮崎先生にも→ 58 00:03:33,847 --> 00:03:36,784 いい人が 現れますから」って どういうこと? 59 00:03:36,850 --> 00:03:38,786 (順子) 春子ちゃん。 何 それ? 60 00:03:38,852 --> 00:03:40,788 (春子) 工房で お昼の お弁当のとき→ 61 00:03:40,854 --> 00:03:43,791 水を くみに行ってたら お母さん 宮崎先生に 言ってたの。 62 00:03:43,857 --> 00:03:46,794 (春子) お母さん。 どういう意味か 教えてくれるって→ 63 00:03:46,860 --> 00:03:48,796 約束したでしょ? (里子) うーん。→ 64 00:03:48,862 --> 00:03:52,800 それは 宮崎先生のことを 好きになってくれる人が→ 65 00:03:52,866 --> 00:03:54,802 きっと 現れますよってこと。 66 00:03:54,868 --> 00:03:56,804 (春子) 何だ。 それじゃ もう 現れてるよ。 67 00:03:56,870 --> 00:03:59,740 (里子) 誰? (春子) お母さん。 68 00:03:59,807 --> 00:04:03,744 宮崎先生のこと 好きなんでしょ? 前に 私に そう 言ったもん。 69 00:04:03,811 --> 00:04:05,746 自分で 言っといて 忘れちゃったの? 70 00:04:05,813 --> 00:04:09,750 (里子) それは 男の人として 好きだって 意味じゃなくて→ 71 00:04:09,817 --> 00:04:11,752 人として 好きだって 言ったの。 72 00:04:11,819 --> 00:04:13,754 男の人として 好きと 人として 好きって→ 73 00:04:13,821 --> 00:04:16,757 どう 違うのよ? 教えて。 (里子) それはね…。 74 00:04:16,824 --> 00:04:19,760 ちゃんと 教えて。 75 00:04:19,827 --> 00:04:23,764 (順子) それは キスできるか できないかかな。 76 00:04:23,831 --> 00:04:26,767 そうなの? お母さん。 77 00:04:26,834 --> 00:04:31,772 (里子) 違っては いないけど そんな簡単なことじゃないような。 78 00:04:31,839 --> 00:04:34,775 うーん。 お母さん→ 79 00:04:34,842 --> 00:04:37,778 春子が分かるように 説明できるように 勉強しとく。 80 00:04:37,845 --> 00:04:41,782 (春子) 絶対だよ。 約束してね。 (里子) 絶対。 約束する。 81 00:04:41,849 --> 00:04:43,784 (春子) それじゃ 指切りげんまん しよう。 82 00:04:43,851 --> 00:04:45,786 (里子) 分かった。 83 00:04:45,853 --> 00:04:52,860 (里子・春子) ♪「指切り げんまん 嘘 ついたら 針千本 のます」 84 00:04:56,864 --> 00:05:00,734 (春子) 仮分数って 何? お母さん。 (里子) 分子と分母が 同じか→ 85 00:05:00,801 --> 00:05:03,737 それより大きい 分数のことを いうのよ。 86 00:05:03,804 --> 00:05:07,741 分数の計算も 人に教えるように 説明できるように やってみて。 87 00:05:07,808 --> 00:05:09,743 それでも 分かんなかったら お母さんに 聞くのよ? 88 00:05:09,810 --> 00:05:11,745 分かった? >> 分かってる。 89 00:05:11,812 --> 00:05:17,751 だから 聞いたんでしょ? (里子) 悪かった。 春子が ちゃんと→ 90 00:05:17,818 --> 00:05:21,822 お母さんの言い付け 守ってるのに 余計なこと 言って。 91 00:05:23,824 --> 00:05:25,759 反省すれば よーし。 92 00:05:25,826 --> 00:05:27,761 (里子) よし。 じゃあ 今日は このぐらいにして→ 93 00:05:27,828 --> 00:05:30,831 寝る準備 しよう。 >> はい! 94 00:05:32,833 --> 00:05:36,770 (順子) 今日 社長の好物 用意してますよ。 95 00:05:36,837 --> 00:05:40,774 \(男性)えっ? 知ってるの? \(順子)知ってますよ。 96 00:05:40,841 --> 00:05:44,845 (においを嗅ぐ音) (春子) いい匂い。 97 00:05:52,853 --> 00:05:55,789 (春子) 順子ちゃん。 何? この いい匂い。 98 00:05:55,856 --> 00:05:58,726 (順子) くさやの干物。 春子ちゃん 通だね。→ 99 00:05:58,792 --> 00:06:00,728 一口 食べる? (春子) うん。 100 00:06:00,794 --> 00:06:03,797 (順子) OK。 じゃあ。 101 00:06:08,802 --> 00:06:12,740 何 これ? おいしい。 (順子) でしょう?→ 102 00:06:12,806 --> 00:06:14,742 今日は もう お休み。 また あげるから。 はい。→ 103 00:06:14,808 --> 00:06:16,744 あっ。 (割れる音) 104 00:06:16,810 --> 00:06:18,746 (春子) 順子ちゃん。 ごめんなさい。 105 00:06:18,812 --> 00:06:20,814 (順子) いいよ いいよ。 このままで いいから。 106 00:06:20,814 --> 00:06:33,961 ♪~ 107 00:06:35,329 --> 00:06:39,266 (春子) ♪「おべんと おべんと うれしいな」→ 108 00:06:39,333 --> 00:06:42,269 ♪「おてても きれいに なりました」→ 109 00:06:42,336 --> 00:06:47,274 ♪「みんな そろって ごあいさつ」 いただきます! 110 00:06:47,341 --> 00:06:50,277 (里子) これは お弁当じゃないでしょ? (春子) いいの。→ 111 00:06:50,344 --> 00:06:54,281 「いただきます」の前に 何かないと 弾みが つかないじゃん。 112 00:06:54,348 --> 00:06:57,217 (里子) そういうこと? いただきます。 (春子) うん。 113 00:06:57,284 --> 00:07:00,220 ♪「もぐもぐもぐ もぐもぐもぐ おいしいな」 114 00:07:00,287 --> 00:07:05,225 (里子) 何? その歌。 >> 今 思い付いたの。 115 00:07:05,292 --> 00:07:09,229 ♪「もぐもぐもぐ もぐもぐもぐ おいしいな」 116 00:07:09,296 --> 00:07:12,232 2人だけで 黙って食べるの 寂しいでしょ? 117 00:07:12,299 --> 00:07:15,235 (里子) 変なの。 あっ。 そうだ。 (春子) うん? 118 00:07:15,302 --> 00:07:18,238 (里子) 順子ちゃんに メモ 書くけど 何か ある? 119 00:07:18,305 --> 00:07:21,241 ない。 120 00:07:21,308 --> 00:07:26,246 ♪「もぐもぐもぐ もぐもぐもぐ おいしいな」 121 00:07:26,313 --> 00:07:28,248 あっ。 あった。 (里子) 何? 122 00:07:28,315 --> 00:07:30,250 「昨日 お皿 割って ごめんなさい」 123 00:07:30,317 --> 00:07:32,252 (里子) 春子。 お皿 割ったの? (春子) うん。 124 00:07:32,319 --> 00:07:35,255 (里子) 知らなかった。 そういうことは 直接 謝んなさい。 125 00:07:35,322 --> 00:07:39,259 >> 謝ったよ。 (里子) それで いつ 割ったの? 126 00:07:39,326 --> 00:07:43,263 おいしそうな匂いで 昨日 夜 目が覚めて。 127 00:07:43,330 --> 00:07:48,268 (里子) また 営業時間中に 下に 下りてったの? 128 00:07:48,335 --> 00:07:50,270 夜は 順子の お仕事だから→ 129 00:07:50,337 --> 00:07:52,272 邪魔したら 駄目だって 言ったでしょう? 130 00:07:52,339 --> 00:07:55,275 だって おいしそうな匂いが したんだもん。 131 00:07:55,342 --> 00:07:58,212 おいしかったよ。 くさやの干物。 (里子) もう。 132 00:07:58,278 --> 00:08:00,214 くさや 食べたの? (春子) うん。 133 00:08:00,280 --> 00:08:02,216 (里子) ホント? (春子) うん。 134 00:08:02,282 --> 00:08:04,218 (里子) おいしかった? (春子) うん! 135 00:08:04,284 --> 00:08:06,220 (春子) よいしょ。→ 136 00:08:06,286 --> 00:08:09,223 できた。 (里子) あっ。 こっちも できたよ。 137 00:08:09,289 --> 00:08:12,226 (春子) はい。 どうぞ。 (里子) はい。 よいしょ。 138 00:08:12,292 --> 00:08:15,229 じゃあ 行こっか。 (春子) うん。 139 00:08:15,295 --> 00:08:18,232 (里子) 寒いからね。 (春子) うん。 140 00:08:18,298 --> 00:08:20,234 (春子) 遅いよ。 (里子) 遅くない。 141 00:08:20,300 --> 00:08:22,236 (春子) 遅い。 (里子) 遅くない。 142 00:08:22,302 --> 00:08:24,304 (春子) 遅い。 (里子) 遅くないってば。 143 00:08:26,306 --> 00:08:31,245 (里子・春子) おはようございます。 (宮崎) おはようございます。 144 00:08:31,311 --> 00:08:33,247 (里子) 昨日の お客さん どんな ご用件でした? 145 00:08:33,313 --> 00:08:37,251 (宮崎) ああ。 実は 茶道 枝川流の方で→ 146 00:08:37,317 --> 00:08:41,255 奥さまの 家元 就任パーティーの 引き出物の→ 147 00:08:41,321 --> 00:08:45,259 器の制作を 頼まれたんです。 (里子) それで どうされたんですか? 148 00:08:45,325 --> 00:08:47,261 お断りさせて いただきました。→ 149 00:08:47,327 --> 00:08:51,265 さすがに 自分の口からは 「スランプです」とは 言えんもんで→ 150 00:08:51,331 --> 00:08:54,268 先方を 怒らせてしまったみたいで。 151 00:08:54,334 --> 00:08:57,204 (里子) スランプに 陥ってるって 自分から 言いにくいのは→ 152 00:08:57,271 --> 00:08:59,206 私にも 分かります。 153 00:08:59,273 --> 00:09:03,210 だからといって 先方が 納得するはずも ありません。 154 00:09:03,277 --> 00:09:06,213 私 枝川流の家元に 謝ってきます。 155 00:09:06,280 --> 00:09:08,215 (宮崎・春子) えっ? (春子) ちょっと待って。→ 156 00:09:08,282 --> 00:09:10,284 待って…。 お母さん。 お母さん? (宮崎) ちょっ…。 157 00:09:15,355 --> 00:09:17,291 (大造) まきが 気に入るのなら→ 158 00:09:17,357 --> 00:09:22,296 常滑焼に こだわらなくても いいんだぞ。 159 00:09:22,362 --> 00:09:24,298 (まき) はい。 160 00:09:24,364 --> 00:09:28,302 (女性) いらっしゃいませ。 (里子) 宮崎工房の者ですけど。 161 00:09:28,368 --> 00:09:32,306 (女性) 少々 お待ちください。 (里子) はい。 162 00:09:32,372 --> 00:09:35,375 \(ノック) (大造) はい。 163 00:09:37,377 --> 00:09:40,314 (照) 宮崎工房の方が おみえです。 (大造) ああ。 164 00:09:41,515 --> 00:09:45,118 (大造) まきが 昨日 行った 常滑焼の工房だな? 165 00:09:45,452 --> 00:09:47,387 (まき) はい。 >> 後悔して→ 166 00:09:47,454 --> 00:09:51,391 引き受けさせてくれとでも 言いに 来たのかもしれない。→ 167 00:09:51,458 --> 00:09:54,461 お通ししなさい。 (照) はい。 168 00:10:00,400 --> 00:10:03,337 (春子) この器より こっちの方が 手が かかるのに→ 169 00:10:03,403 --> 00:10:08,342 どうして 器は 作るの やめちゃったの? 170 00:10:08,408 --> 00:10:11,345 (宮崎) うーん。 どうしてなんだろ?→ 171 00:10:11,411 --> 00:10:14,348 自分でも よく 分からないんだ。 172 00:10:14,414 --> 00:10:18,352 ただ 器を作ろうとすると 自信が なくなって→ 173 00:10:18,418 --> 00:10:23,357 怖くなってしまうんだ。 (春子) ふーん。 174 00:10:23,423 --> 00:10:26,360 \(ノック) (里子)\宮崎工房の 遠藤です。 175 00:10:26,426 --> 00:10:29,429 >> 入りなさい。 (里子)\失礼します。 176 00:10:31,431 --> 00:10:34,368 引き受けてくれる気に なったのかね? 177 00:10:34,434 --> 00:10:36,370 (里子) お引き受けは できません。 178 00:10:36,436 --> 00:10:40,374 ですが その事情を お話しに 参りました。 179 00:10:40,440 --> 00:10:44,378 引き受けないのなら 用は ない。 180 00:10:44,444 --> 00:10:47,381 事情など 聴く必要は ない。 181 00:10:47,447 --> 00:10:49,449 (里子) すいません。 182 00:10:53,453 --> 00:10:58,325 (まき) あのう。 お話を 聞かせてください。 183 00:10:58,392 --> 00:11:02,396 お座りになってください。 (里子) はい。 184 00:11:09,403 --> 00:11:16,343 (里子) 実は 宮崎先生 スランプで 器を 作れなくなってしまったんです。 185 00:11:16,410 --> 00:11:20,347 今は 食べるために 招き猫などの 置物を作って→ 186 00:11:20,414 --> 00:11:22,349 生活を しのいでる状態なんです。 187 00:11:22,416 --> 00:11:26,353 (まき) スランプって どんな感じなんですか? 188 00:11:26,420 --> 00:11:30,357 (里子) どうしてなのか 自分でも 分からないそうです。 189 00:11:30,424 --> 00:11:34,361 ですが 器を作ろうとすると 自信が なくなって→ 190 00:11:34,428 --> 00:11:37,364 怖くなってしまうらしいんです。 191 00:11:37,431 --> 00:11:41,368 (まき) 自信が なくなって 怖くなる? 192 00:11:41,435 --> 00:11:46,373 (里子) 実は 私の 亡くなった主人も 絵描きを していたんですけど→ 193 00:11:46,440 --> 00:11:48,375 スランプに 陥ったとき→ 194 00:11:48,442 --> 00:11:50,377 同じようなことを 言っていたんです。 195 00:11:50,444 --> 00:11:54,381 だから 何となく 分かるんです。 196 00:11:54,448 --> 00:11:58,318 (まき) ご主人を 亡くされたんですか? (里子) はい。 197 00:11:58,385 --> 00:12:04,324 でも 亡くなる直前に 自信を 取り戻したみたいだったんです。 198 00:12:04,391 --> 00:12:10,330 誰かが 信じていれば 宮崎先生も 自信を 取り戻せると 思うんです。 199 00:12:10,397 --> 00:12:15,335 私 その力に なりたいんです。 200 00:12:15,402 --> 00:12:17,337 (雄介)《これ》 (里子)《雄介さん》 201 00:12:17,404 --> 00:12:19,339 《スランプ 抜け出せたの?》 202 00:12:19,406 --> 00:12:22,342 (雄介)《うん。 もう 大丈夫そうだ》 (里子)《よかった!》 203 00:12:22,409 --> 00:12:24,344 (雄介)《ありがとう》 204 00:12:24,411 --> 00:12:29,349 (まき) 自信を 取り戻せたんですか。 よかったですね。 205 00:12:29,416 --> 00:12:36,356 (里子) はい。 でも その直後 事故で 亡くなってしまって。 206 00:12:36,423 --> 00:12:40,427 (まき) 嫌なことを 思い出させてしまって すいません。 207 00:12:43,430 --> 00:12:45,365 (まき) 理由は 分かりました。 208 00:12:45,432 --> 00:12:48,368 家元の方には 私から お話ししておきますので→ 209 00:12:48,435 --> 00:12:52,372 お気になさらないでくださいね。 (里子) すみませんでした。 210 00:12:52,439 --> 00:12:55,375 失礼します。 (まき) あのう。 211 00:12:55,442 --> 00:13:01,314 宮崎先生の スランプが 直ったら 器 引き受けてくださいますか? 212 00:13:01,381 --> 00:13:06,319 (里子) はい。 一日も早く スランプから 抜け出してもらいます。 213 00:13:06,386 --> 00:13:09,322 そのときは ぜひ 引き受けさせてください。 214 00:13:09,389 --> 00:13:11,391 (まき) はい。 215 00:13:19,399 --> 00:13:22,335 (女性) 事務長。 すいません。→ 216 00:13:22,402 --> 00:13:24,337 お約束の タケダさまが お待ちです。 217 00:13:24,404 --> 00:13:26,339 (剛太郎) あれ? ちょっと 早いんじゃないかな? 218 00:13:26,406 --> 00:13:29,342 (女性) 早く お会いしたいそうで 4階の 応接室へ お通ししました。 219 00:13:29,409 --> 00:13:31,411 (剛太郎) ありがとう。 220 00:13:31,411 --> 00:13:43,423 ♪~ 221 00:13:45,425 --> 00:13:48,361 \(戸の開く音) (里子) ただ今 帰りました。 222 00:13:48,428 --> 00:13:50,363 (宮崎) あっ。 おかえりなさい。 (春子) おかえりなさい。 223 00:13:50,430 --> 00:13:54,367 (里子) 枝川流の方には 分かっていただきました。 224 00:13:54,434 --> 00:13:57,304 「スランプを 克服したときは よろしく お願いします」と→ 225 00:13:57,370 --> 00:14:00,307 おっしゃって いただいたので 「こちらこそ→ 226 00:14:00,373 --> 00:14:04,311 ぜひ お引き受けします」と 約束してきてしまいました。 227 00:14:04,377 --> 00:14:06,313 すいません。 勝手なこと してしまって。 228 00:14:06,379 --> 00:14:09,316 (宮崎) あっ。 いや。 里子さんが 謝る必要は ない。 229 00:14:09,382 --> 00:14:11,318 ありがとうを 言わな あかんのは こっちの方です。 230 00:14:11,384 --> 00:14:14,321 (里子) いえ。 >> スランプ 脱出できると いいね。 231 00:14:14,387 --> 00:14:17,324 (里子) 焦らず ゆっくり スランプと 闘いましょう。 232 00:14:17,390 --> 00:14:19,392 ありがとうございます。 233 00:14:25,398 --> 00:14:30,337 (大造) 帰ったのか。 (まき) はい。 234 00:14:30,403 --> 00:14:35,342 宮崎工房の 宮崎さんは スランプに 陥っているために→ 235 00:14:35,408 --> 00:14:37,344 器を 作れないそうです。 236 00:14:37,410 --> 00:14:41,348 スランプなんて 単なる 甘えじゃないのか? 237 00:14:41,414 --> 00:14:47,354 (まき) 私 宮崎先生の スランプ 分かるような気が するんです。 238 00:14:47,420 --> 00:14:52,359 分かるような気が するって どういうことだ? 239 00:14:52,425 --> 00:14:59,299 (まき) 私 家元 就任を ご辞退 申し上げたいと 思います。 240 00:14:59,366 --> 00:15:01,368 まき。 241 00:15:01,368 --> 00:15:15,382 ♪~ 242 00:15:15,382 --> 00:15:17,384 (宮崎) いらっしゃいませ。 243 00:15:25,392 --> 00:15:32,399 (志乃) あのう。 宮崎工房さんの 器を 頂きたいんですが。 244 00:15:36,403 --> 00:15:38,405 (里子) 大女将? 245 00:15:40,407 --> 00:15:45,345 里子さん。 あなた 何で ここに? 246 00:15:45,412 --> 00:15:47,414 (里子) 大女将…。 247 00:15:49,416 --> 00:15:54,354 (志乃) もしかしたら あなたが 春子ちゃん? 248 00:15:54,421 --> 00:15:59,292 (春子) うん…。 (志乃) うーん。 大きなって。 249 00:15:59,359 --> 00:16:04,297 (里子) 大女将…。 大女将。 お会いしたかった。 250 00:16:04,364 --> 00:16:08,368 (志乃) あっ。 どうした? 251 00:16:12,639 --> 00:16:14,574 (志乃) 里子さん。 252 00:16:17,210 --> 00:16:22,115 (里子) 大女将。 かぐらやを 何も言わずに 辞めてしまって→ 253 00:16:22,615 --> 00:16:24,551 本当に すいませんでした。 254 00:16:24,617 --> 00:16:27,554 もう 過ぎたことは いいわいね。 255 00:16:27,620 --> 00:16:32,559 ほれより 元気そうで よかった。 春子ちゃんも 大きなって。 256 00:16:32,625 --> 00:16:34,561 (春子) この人 誰? 257 00:16:34,627 --> 00:16:38,565 (里子) あっ。 春子。 旅館の お風呂に 興奮して→ 258 00:16:38,631 --> 00:16:42,569 泳ぎ過ぎて 溺れそうになったとき 助けてもらったこと 忘れたの? 259 00:16:42,635 --> 00:16:46,573 (春子) 溺れたとき? (里子) そう。 260 00:16:46,639 --> 00:16:48,575 (春子) あっ。 オオカミさんだ。 (志乃) うん? 261 00:16:48,641 --> 00:16:50,577 思い出した!→ 262 00:16:50,643 --> 00:16:54,581 オオカミさん。 あのときは ありがとうございました! 263 00:16:54,647 --> 00:16:56,583 (里子) オオカミさんじゃなくて 大女将さんでしょ? 264 00:16:56,649 --> 00:17:00,587 (春子) オオカミさんの方が かわいらしくて いいじゃない。 265 00:17:00,653 --> 00:17:02,589 (里子) もう。 266 00:17:02,655 --> 00:17:04,591 春子ちゃんは 相変わらず ユニークやね。 267 00:17:04,657 --> 00:17:07,594 ユニークって 何だ? オオカミさん。 268 00:17:07,660 --> 00:17:10,597 (志乃) うーん。 ほうやねぇ。 269 00:17:10,663 --> 00:17:15,602 春子ちゃんらしい 特別なものを 持っとるっていうことや。 270 00:17:15,668 --> 00:17:17,604 (春子) ふーん。 (宮崎) あのう。→ 271 00:17:17,670 --> 00:17:20,607 私 ここの工房の 宮崎と 申します。 272 00:17:20,673 --> 00:17:22,609 (志乃) あっ。 あのう。 私 金沢の…。 273 00:17:22,675 --> 00:17:24,611 (宮崎) お会いできて 光栄です。→ 274 00:17:24,677 --> 00:17:28,548 金沢の老舗旅館 かぐらやの 大女将 神楽 志乃さんですよね? 275 00:17:28,615 --> 00:17:30,550 (志乃) あっ。 276 00:17:30,617 --> 00:17:32,552 (宮崎) 里子さんからは 心の古里だって 聞いとります。 277 00:17:32,619 --> 00:17:34,554 (志乃) ほうですか。 278 00:17:34,621 --> 00:17:37,557 (春子) オオカミさん。 何しに 来たの? 279 00:17:37,624 --> 00:17:41,561 あのう。 宮崎工房さんの お茶わんを 買いに来たんや。 280 00:17:41,628 --> 00:17:46,566 (春子) それじゃ 駄目だ。 先生 スランプで 新しい器 作れないの。 281 00:17:46,633 --> 00:17:48,568 スランプ? (春子) それより 久しぶりに→ 282 00:17:48,635 --> 00:17:51,571 一緒に 泳ぎっこ しよう。 オオカミ。 283 00:17:51,638 --> 00:17:53,573 (里子) 春子。 失礼よ。 (春子) 痛い。 284 00:17:53,640 --> 00:17:55,575 いいんや。 里子さん。 285 00:17:55,642 --> 00:17:58,578 私も 久しぶりに 会えたんやさかい→ 286 00:17:58,645 --> 00:18:02,582 春子ちゃんと 泳ぎっこしとう なりました。→ 287 00:18:02,649 --> 00:18:08,588 ほやね。 ほんなら どこか近くに ホテルを取って→ 288 00:18:08,655 --> 00:18:12,592 今夜は 常滑に 泊まることにします。 289 00:18:12,659 --> 00:18:15,595 (里子) それじゃ 駅前のホテル 予約しますね。 290 00:18:15,662 --> 00:18:17,597 (志乃) お願いします。 291 00:18:17,664 --> 00:18:19,599 (春子) やった! 泳ぎっこ。 泳ぎっこ。 292 00:18:19,666 --> 00:18:22,602 (志乃) おっ。 泳ぎっこ。 泳ぎっこ。 (春子) 泳ぎっこ。 泳ぎっこ。 293 00:18:22,669 --> 00:18:24,604 (志乃) 泳ぎっこ。 泳ぎっこ。 (春子) 泳ぎっこ。 泳ぎっこ。 294 00:18:24,671 --> 00:18:29,542 (大造) 本気で 家元 就任を 辞退したいと いうのか? 295 00:18:29,609 --> 00:18:31,544 (まき) 思い付きで ご辞退したいと→ 296 00:18:31,611 --> 00:18:35,548 申し上げているのでは ございません。 297 00:18:35,615 --> 00:18:39,552 >> 何か あったのか? (まき) 1年前。 お父さまから→ 298 00:18:39,619 --> 00:18:43,556 家元 就任の お話を 頂いたときは→ 299 00:18:43,623 --> 00:18:46,559 その責任の重さを 真正面から 受け止めて→ 300 00:18:46,626 --> 00:18:50,563 お引き受けさせて いただきました。 301 00:18:50,630 --> 00:18:56,569 身が 引き締まる思いの 一方で 私も 自分の手で 枝川流を→ 302 00:18:56,636 --> 00:18:58,571 すみれに 渡していくことが できると思うと→ 303 00:18:58,638 --> 00:19:00,573 うれしさが 込み上げてきて→ 304 00:19:00,640 --> 00:19:05,578 家元 就任の日を 楽しみに していたのです。 305 00:19:05,645 --> 00:19:08,581 ですが…。 >> 何か あったのか? 306 00:19:08,648 --> 00:19:13,586 (まき) 人前で お茶を たてることが 怖くなったのです。 307 00:19:13,653 --> 00:19:17,590 人前で 茶を たてることが 怖い? 308 00:19:17,657 --> 00:19:21,594 (まき) この前 すみれの前で お茶を たてていたとき→ 309 00:19:21,661 --> 00:19:26,666 すみれにも 心の迷いを 見抜かれてしまいました。 310 00:19:28,601 --> 00:19:31,538 すみれは まきのことは→ 311 00:19:31,604 --> 00:19:34,541 私なんかより ずっと 分かるようだな。 312 00:19:34,607 --> 00:19:39,546 (まき) 私 このままでは 茶道そのものが 嫌いになりそうで 嫌なんです。 313 00:19:39,612 --> 00:19:41,548 まき…。 314 00:19:41,614 --> 00:19:49,556 (まき) 私 光を失ったとき 茶の湯の道を 一度 諦めかけました。 315 00:19:49,622 --> 00:19:53,560 ですが お父さまの愛情や 剛太郎さんの支え。 316 00:19:53,626 --> 00:19:55,562 すみれの期待に 応えようと→ 317 00:19:55,628 --> 00:19:58,565 必死で 私なりの 茶の湯の道を 追い求め→ 318 00:19:58,631 --> 00:20:02,569 私は お点前を することが 大好きになり→ 319 00:20:02,635 --> 00:20:08,575 私なりの 茶の湯の道に たどりついたつもりだったんです。 320 00:20:08,641 --> 00:20:12,579 ですが…。 >> 家元 就任を 前に→ 321 00:20:12,645 --> 00:20:17,584 人前で 茶を たてることが 怖くなったと? 322 00:20:17,650 --> 00:20:19,652 (まき) はい。 323 00:20:24,657 --> 00:20:26,593 すまない。 324 00:20:26,659 --> 00:20:31,531 お前が そんなに 苦しんでいるのを→ 325 00:20:31,598 --> 00:20:36,536 気が付いてやることが できず。 326 00:20:36,603 --> 00:20:45,545 私は 父親としてだけではなく 師匠として 失格だ。 327 00:20:45,612 --> 00:20:49,549 (まき) お父さま。 328 00:20:49,616 --> 00:20:53,553 ご自分を 責めることは なさらないでください。 329 00:20:53,620 --> 00:20:58,558 まきは そのことが 一番 苦しいのです。 330 00:20:58,625 --> 00:21:06,633 いや。 私は 茶人の先輩として 恥ずかしいのだ。 331 00:21:09,636 --> 00:21:18,578 私は 茶の湯の道が 嫌いになることが 怖いとまで→ 332 00:21:18,645 --> 00:21:23,583 茶道を 突き詰めたことが あっただろうか? 333 00:21:23,650 --> 00:21:28,521 人前で 茶を たてるのが 怖くなるまで→ 334 00:21:28,588 --> 00:21:32,592 自分を 追い詰めたことが あっただろうか? 335 00:21:36,596 --> 00:21:39,599 (まき) お父さま。 336 00:21:44,604 --> 00:21:51,544 分かった。 今は 焦らずともよい。 337 00:21:51,611 --> 00:21:56,549 家元 就任は 白紙に戻そう。 338 00:21:56,616 --> 00:22:01,621 (まき) 申し訳ございません。 お父さま。 339 00:22:01,621 --> 00:22:09,629 ♪~