1 00:00:01,535 --> 00:00:03,471 (まき) あなたになんか 私の 本当の気持ちを→ 2 00:00:03,537 --> 00:00:05,206 話すんじゃなかった。 帰ってちょうだい! 3 00:00:05,439 --> 00:00:07,375 遠藤さんと お会いしていて→ 4 00:00:07,441 --> 00:00:09,377 他人ではない 感情を 抱いたのです。 5 00:00:09,443 --> 00:00:13,381 (剛太郎) 無二の親友に なれる人と 出会えたのかも しれませんね。 6 00:00:13,447 --> 00:00:16,384 (春子) ケンカしたままは よくないと 思うよ。→ 7 00:00:16,450 --> 00:00:18,452 まきさんに 謝りに行こう。 8 00:00:20,454 --> 00:00:24,458 (里子) 私 宮崎工房の 遠藤と 申します。 9 00:00:26,460 --> 00:00:31,399 (すみれ) あなたが お母さまを 苦しめている人なのね? 10 00:00:31,465 --> 00:00:35,403 (すみれ) 私 あなたを 許さなくてよ。 11 00:00:35,469 --> 00:00:38,472 それでは。 ごきげんよう。 12 00:00:45,479 --> 00:00:49,483 (照) まき お嬢さまが お待ちです。 こちらへ どうぞ。 13 00:01:23,451 --> 00:01:26,387 {\an8}(宮崎) 春子ちゃん。→ 14 00:01:26,454 --> 00:01:30,391 {\an8}春子ちゃん。 春子ちゃん! (春子) はっ!? 15 00:01:30,458 --> 00:01:36,397 {\an8}びっくりした。 先生。 大きな声 出さなくても 分かるよ。 16 00:01:36,464 --> 00:01:40,401 {\an8}(宮崎) ごめん ごめん。 あのさ。 実は→ 17 00:01:40,468 --> 00:01:43,404 {\an8}お母さんに 内緒の話が あるんだけど。 18 00:01:43,471 --> 00:01:47,408 {\an8}(春子) お母さんに 内緒? それは できないわ。 19 00:01:47,475 --> 00:01:49,410 {\an8}(宮崎) 悪いことじゃ ないんだけどな。 20 00:01:49,477 --> 00:01:52,413 {\an8}(春子) うん? 21 00:01:52,480 --> 00:01:56,417 {\an8}(宮崎) 実はさ お茶わん 作ってみたんだ。→ 22 00:01:56,484 --> 00:01:59,353 {\an8}でも また 失敗だったら お母さんに 恥ずかしいと思って→ 23 00:01:59,420 --> 00:02:05,359 {\an8}内緒に してほしかったんだ。 (春子) なるほどね。→ 24 00:02:05,426 --> 00:02:09,363 {\an8}じゃあ いいよ。 失敗だったら 内緒にしてあげる。 25 00:02:09,430 --> 00:02:12,366 {\an8}(宮崎) ありがとう。 春子ちゃんは 情けの 分かる人だ。 26 00:02:12,433 --> 00:02:19,373 {\an8}(春子) 春子。 自分で 言うのも 何だけど 義理人情には 厚いから。 27 00:02:19,440 --> 00:02:21,375 {\an8}(宮崎) よし。 じゃあ 後で 一緒に→ 28 00:02:21,442 --> 00:02:23,377 {\an8}窯出し 行こまい。 (春子) うん。 29 00:02:23,444 --> 00:02:25,379 {\an8}(里子) 昨日は すみませんでした。 30 00:02:25,446 --> 00:02:31,385 {\an8}(まき) 私の方こそ 感情的に なってしまって お恥ずかしい。 31 00:02:31,452 --> 00:02:37,391 {\an8}あのう。 気にしないでくださいね。 (里子) 私は 気にしていません。 32 00:02:37,458 --> 00:02:40,394 (里子) それより 娘さんの すみれさんには→ 33 00:02:40,461 --> 00:02:43,397 嫌われてしまいました。 (まき) すみれが 何か? 34 00:02:43,464 --> 00:02:46,400 (里子) 今 玄関で お会いしたんですけど→ 35 00:02:46,467 --> 00:02:48,402 「私が まきさんを 苦しめている」 36 00:02:48,469 --> 00:02:51,405 「許さない」と 言われてしまいました。 37 00:02:51,472 --> 00:02:56,410 (まき) すみれは 物心 付いたときから 私の目となって→ 38 00:02:56,477 --> 00:02:59,346 私を 支えてくれたんです。 39 00:02:59,413 --> 00:03:07,354 何かあると 私を守ろうと 過剰に 反応してしまうのね。 40 00:03:07,421 --> 00:03:12,359 そのことも 許してくださいね。 (里子) はい。 41 00:03:12,426 --> 00:03:16,363 (まき) 昨日 主人に 遠藤さんのことを お話ししたら→ 42 00:03:16,430 --> 00:03:19,366 無二の親友に なれるかも しれないと 言われました。 43 00:03:19,433 --> 00:03:24,371 (里子) そう 言っていただいて 光栄です。 ご主人って どんな方なんですか? 44 00:03:24,438 --> 00:03:29,376 (まき) 主人は 私と結婚する前までは アメリカで 生活していて→ 45 00:03:29,443 --> 00:03:32,379 日本文化の研究を していたんですよ。 46 00:03:32,446 --> 00:03:38,385 枝川流の後援会の方の ご紹介が縁で 結婚したんです。 47 00:03:38,452 --> 00:03:43,390 茶道を 本当に愛してくれて 私と 一緒に→ 48 00:03:43,457 --> 00:03:48,395 茶の湯の心を 世界中に届けるのが 自分の使命だと 言っています。 49 00:03:48,462 --> 00:03:53,400 (里子) すてきな ご主人ですね。 ぜひ 一度 お会いしたいわ。 50 00:03:53,467 --> 00:03:56,403 (まき) ぜひ 会ってください。 主人も 楽しみにしています。 51 00:03:56,470 --> 00:03:59,340 (里子) ええ。 52 00:03:59,406 --> 00:04:05,346 あっ。 すみれさん。 私立の 小学校に 通われてるんですね? 53 00:04:05,412 --> 00:04:10,351 (まき) 私も通った 学校です。 先生の話では→ 54 00:04:10,417 --> 00:04:15,356 学校では 本当に しっかりした 子だって 聞いています。 55 00:04:15,422 --> 00:04:20,361 お勉強だけではなく 絵を描くのが とっても 上手なんですって。 56 00:04:20,427 --> 00:04:26,433 でも 私には 見ることは できませんけどね。 57 00:04:28,435 --> 00:04:31,372 ごめんなさいね。 いちいち 気を使わせてしまって。 58 00:04:31,438 --> 00:04:36,377 あのう。 気にしないでくださいね。 59 00:04:36,443 --> 00:04:41,382 目が見えないことは 私の個性だと 思っていますから。 60 00:04:41,448 --> 00:04:47,454 (里子) 個性ですか? (まき) 少し お待ちになって。 61 00:04:47,454 --> 00:04:57,398 ♪~ 62 00:04:57,398 --> 00:05:01,335 \(ノック) (大造) はい。 63 00:05:01,402 --> 00:05:05,339 (照) アメリカから 大田原さまが おみえに なりました。 64 00:05:05,406 --> 00:05:10,344 (大造) 大田原さま。 剛太郎君を 紹介していただいた→ 65 00:05:10,411 --> 00:05:13,347 後援会の 大田原夫人の ご主人かね? 66 00:05:13,414 --> 00:05:17,418 (照) はい。 (大造) なぜ 突然 大田原さま…。 67 00:05:25,426 --> 00:05:28,362 (大田原) 枝川さんですね? (大造) はい。 68 00:05:28,429 --> 00:05:31,365 (大田原) このたびは まきさんの 家元 就任 おめでとうございます。 69 00:05:31,432 --> 00:05:34,368 ありがとうございます。 あのう。 もしかして→ 70 00:05:34,435 --> 00:05:37,371 まきの 就任パーティーのために お越しいただいたんでしょうか? 71 00:05:37,438 --> 00:05:40,374 (大田原) もちろんですとも。 (大造) ああー。 72 00:05:40,441 --> 00:05:42,376 (大田原) いやいや。 そうは 言うものの→ 73 00:05:42,443 --> 00:05:45,379 実は あのう。 他のビジネスの 用事も ありましてね→ 74 00:05:45,446 --> 00:05:49,383 日本に やって来たんです。 (大造) さようでしたか。 75 00:05:49,450 --> 00:05:52,386 いやぁ。 それにしても 30年ぶりの日本。 76 00:05:52,453 --> 00:05:56,390 まったく 変わってしまったような 何も 変わってないような。 77 00:05:56,457 --> 00:05:59,326 何か 中途半端な国に なりましたね。 78 00:05:59,393 --> 00:06:02,329 毎日を 過ごしております 私には→ 79 00:06:02,396 --> 00:06:04,331 まったく 変わったとしか 思えませんが。 80 00:06:04,398 --> 00:06:07,334 そんなもんですかな。 (大造) まあ どうぞ。 81 00:06:07,401 --> 00:06:11,338 (大田原) はい。 ああ。 それよりも→ 82 00:06:11,405 --> 00:06:15,342 剛太郎君は どちらですか? 剛太郎君に お会いしたい。 83 00:06:15,409 --> 00:06:17,411 (大造) えっ。 84 00:06:20,414 --> 00:06:24,418 (大造)《放せ。 放せ! ああ!》 85 00:06:28,422 --> 00:06:30,357 (大造)《ああっ!》 86 00:06:30,424 --> 00:06:35,362 (雄介)《私は…。 私は いったい 誰でしょうか?》 87 00:06:35,429 --> 00:06:38,432 《君は 自分が 誰だか 分からないのか?》 88 00:06:43,437 --> 00:06:45,372 (剛太郎)《頭が 痛い》 89 00:06:45,439 --> 00:06:52,446 (大造)《君には 今から 枝川 剛太郎として生きてもらう》 90 00:06:55,449 --> 00:07:00,320 剛太郎君が どうかしましたか? (大造) いえ。 何でも ありません。 91 00:07:00,387 --> 00:07:03,323 まだ うちに いると思いますんで 連絡を 取ってみましょうか? 92 00:07:03,390 --> 00:07:05,325 (大田原) いやいや。 それには 及びません。 93 00:07:05,392 --> 00:07:10,330 私も この後 会合が 幾つか 立て続けに ありますのでね。 94 00:07:10,397 --> 00:07:12,332 まきさんの 家元 就任までは→ 95 00:07:12,399 --> 00:07:15,335 名古屋のホテルに 滞在を しておりますんで→ 96 00:07:15,402 --> 00:07:18,338 よろしかったら 近々に 皆さんと 一緒に→ 97 00:07:18,405 --> 00:07:21,341 お食事でも どうでしょう? (大造) ありがとうございます。→ 98 00:07:21,408 --> 00:07:26,346 それじゃあ 予定を こちらの方で 調整させていただいて→ 99 00:07:26,413 --> 00:07:28,348 それで 連絡 差し上げます。 100 00:07:28,415 --> 00:07:30,350 (大田原) それじゃ 楽しみに お待ちしております。 101 00:07:30,417 --> 00:07:32,352 (大造) はい。 ありがとうございます。 102 00:07:32,419 --> 00:07:34,421 (大田原) じゃあ 失礼します。 (大造) 失礼します。 103 00:07:39,426 --> 00:08:07,387 ♪~ 104 00:08:10,290 --> 00:08:13,293 (春子) わあー。 105 00:08:15,128 --> 00:08:19,066 (宮崎) 取り出していって 工房で 峻別します。 106 00:08:19,132 --> 00:08:21,134 はい。 107 00:08:28,442 --> 00:08:31,378 \(ノック) 108 00:08:31,445 --> 00:08:36,450 (まき) お待たせして ごめんなさい。 これを お見せしたかったのよ。 109 00:08:40,454 --> 00:08:45,392 (里子) これは…。 すみれさんが 描いた絵ですか? 110 00:08:45,459 --> 00:08:48,395 (まき) ええ。 よく 描けていると→ 111 00:08:48,462 --> 00:08:51,398 学校の先生は おっしゃってくださったんですけど。 112 00:08:51,465 --> 00:08:55,402 私には よく 分からなくて。 113 00:08:55,469 --> 00:08:58,338 (里子) 見たままを 正直に言っても いいですか? 114 00:08:58,405 --> 00:09:02,342 (まき) ええ。 お願いするわ。 115 00:09:02,409 --> 00:09:07,347 (里子) 顔が 描かれていません。 116 00:09:07,414 --> 00:09:15,355 (まき) 顔が 描かれていない。 やはり そう 思うのね? 117 00:09:15,422 --> 00:09:20,360 (里子) 誰だか 分からないんです。 顔が ないので。 118 00:09:20,427 --> 00:09:23,363 もしかしたら こういう デザインなのかも しれません。 119 00:09:23,430 --> 00:09:28,368 すいません。 見たままを 正直に 言ってしまって。 120 00:09:28,435 --> 00:09:31,371 (まき) そうよね。 学校の先生は→ 121 00:09:31,438 --> 00:09:34,374 いい作品だと おっしゃってくださったのに→ 122 00:09:34,441 --> 00:09:40,380 私は 気になって すみれに 顔が 描かれていないことを 尋ねたら→ 123 00:09:40,447 --> 00:09:43,383 「デザインだから」って 言われたんだけど→ 124 00:09:43,450 --> 00:09:46,386 ふに落ちなくて。 125 00:09:46,453 --> 00:09:53,393 里子さんに 母親として どう 思うか 聞いてみたかったの。 126 00:09:53,460 --> 00:09:59,399 遠藤さんって 何でも 正直に お話しになるのね。 127 00:09:59,466 --> 00:10:02,402 (里子) すいません。 (まき) いいえ。 謝ることなんか ないわ。 128 00:10:02,469 --> 00:10:07,407 信用できる人だって 思うから。 (里子) ありがとうございます。 129 00:10:07,474 --> 00:10:13,413 (まき) 遠藤さん。 ご主人を 事故で 亡くされたと→ 130 00:10:13,480 --> 00:10:16,416 おっしゃって いらっしゃいましたわよね? 131 00:10:16,483 --> 00:10:19,419 (里子) はい。 (まき) お子さんだけでも→ 132 00:10:19,486 --> 00:10:23,423 生きていて よかったですわね。 (里子) はい。 133 00:10:23,490 --> 00:10:29,429 (まき) 私 お母さまを 事故で 亡くしていますでしょ。 134 00:10:29,496 --> 00:10:33,433 もし あのとき 私も 一緒に 死んでいたら→ 135 00:10:33,500 --> 00:10:37,437 お父さまは 苦しんで 苦しんで もしかしたら 自分で 命を→ 136 00:10:37,504 --> 00:10:40,440 お断ちになっていたかもしれないと 思うことが あるんです。 137 00:10:40,507 --> 00:10:43,443 目が 見えなくなっても→ 138 00:10:43,510 --> 00:10:47,447 私だけでも 生き残って よかったって→ 139 00:10:47,514 --> 00:10:52,452 そう 思ってるのよ。 これは 本当の気持ち。 140 00:10:52,519 --> 00:10:57,391 遠藤さん。 もし その事故のときに→ 141 00:10:57,457 --> 00:11:00,394 娘さんも 一緒に 亡くなっていたら→ 142 00:11:00,460 --> 00:11:04,398 あなたは どうして いましたか? 143 00:11:04,464 --> 00:11:08,402 私だったら 生きていけないわ。 144 00:11:08,468 --> 00:11:13,407 それぐらい 子供の存在って 大切な存在よね。 145 00:11:13,473 --> 00:11:19,413 子供を失う 気持ちだけは 絶対に 味わいたくないわ。 146 00:11:19,479 --> 00:11:25,419 私は 視力と お母さまを なくしたけれど→ 147 00:11:25,485 --> 00:11:29,423 これからは 絶対に 愛する者を 失ったりはしない。 148 00:11:29,489 --> 00:11:36,430 (里子) まきさん。 夫と子供を 同時に失ったら→ 149 00:11:36,496 --> 00:11:39,433 生きていけないって おっしゃいましたよね? 150 00:11:39,499 --> 00:11:42,436 (まき) ええ。 (里子) それでも→ 151 00:11:42,502 --> 00:11:45,439 生きていかなければ いけない人が いるって→ 152 00:11:45,505 --> 00:11:49,443 想像したこと ありますか? (まき) 何を おっしゃるの? 153 00:11:49,509 --> 00:11:53,447 遠藤さんには お子さんが 生きていらっしゃるじゃない。 154 00:11:53,513 --> 00:11:57,384 (里子) すいません。 155 00:11:57,451 --> 00:12:01,388 (まき) 遠藤さん。 私に隠している→ 156 00:12:01,455 --> 00:12:03,390 つらいことでも あるんじゃないんですか? 157 00:12:03,457 --> 00:12:09,396 (里子) いいえ。 私は まきさんと お話ししていて→ 158 00:12:09,463 --> 00:12:12,399 悲劇のヒロインに 憧れただけなのかも しれません。 159 00:12:12,466 --> 00:12:18,405 許してください。 ああ。 おわびに 来たつもりなのに→ 160 00:12:18,472 --> 00:12:22,409 また まきさんに 不愉快な 気持ちに させてしまって→ 161 00:12:22,476 --> 00:12:26,413 すいません。 あっ。 こんな私で よければ…。 162 00:12:26,480 --> 00:12:29,416 また まきさんが お話ししたくなったら→ 163 00:12:29,483 --> 00:12:35,489 いつでも 連絡ください。 あっ。 はい。 164 00:12:41,495 --> 00:12:45,499 (里子) それじゃ 失礼します。 165 00:12:57,110 --> 00:12:58,979 (宮崎) 駄目だ。 (春子) えっ!?→ 166 00:12:59,045 --> 00:13:02,983 ちょっと待って 先生。 いきなり 割るなんて もったいないよ。 167 00:13:03,049 --> 00:13:05,051 (宮崎) 春子ちゃん。 これだけは ごめんね。 168 00:13:05,385 --> 00:13:08,321 (宮崎) 陶芸家としては 自分を 戒める意味でも→ 169 00:13:08,388 --> 00:13:10,323 自分の 納得いかないものは 割ってしまわないと→ 170 00:13:10,390 --> 00:13:12,325 前に 進めないんだよ。 (春子) 分かった。 171 00:13:12,392 --> 00:13:14,327 陶芸家は つらいんだよね? 172 00:13:14,394 --> 00:13:19,332 でも どれか 一つくらい 認められるものは ないの? 173 00:13:19,399 --> 00:13:21,334 残念ながら 一つもない。 174 00:13:21,401 --> 00:13:26,339 (春子) ってことは これ 全部 割っちゃうの? 175 00:13:26,406 --> 00:13:30,343 (宮崎) ああ。 しかたがない。 駄目だ。 176 00:13:30,410 --> 00:13:33,346 (春子) 分かった。 私も 手伝う。 177 00:13:33,413 --> 00:13:36,349 本当に これ 全部 割って いいんですね? 178 00:13:36,416 --> 00:13:39,419 (宮崎) ああ。 179 00:13:44,424 --> 00:13:46,426 (春子) 駄目だ! 180 00:13:49,429 --> 00:13:51,431 (宮崎) 駄目だ。 181 00:13:54,434 --> 00:13:58,371 (春子) 駄目だ! (里子) 春子! 何 やってんの? 182 00:14:04,477 --> 00:14:07,480 \(ノック) 183 00:14:10,517 --> 00:14:15,455 (大田原) お邪魔いたしております。 大田原です。 184 00:14:15,522 --> 00:14:17,457 (まき) ようこそ おいでくださいました。 185 00:14:17,524 --> 00:14:23,463 私 剛太郎さんの妻の まきです。 初めまして。 186 00:14:23,530 --> 00:14:26,466 こちらの方こそ 突然 訪ねてきて→ 187 00:14:26,533 --> 00:14:28,468 ご迷惑じゃ なかったですかね? 188 00:14:28,535 --> 00:14:31,471 この近くで 会合が 早く 終わりましたので→ 189 00:14:31,538 --> 00:14:33,473 連絡もせずに 来てしまいました。 190 00:14:33,540 --> 00:14:35,475 (まき) 剛太郎さんと 私の縁を 取り持ってくださった→ 191 00:14:35,542 --> 00:14:37,477 大田原さまの おいでを→ 192 00:14:37,544 --> 00:14:40,480 迷惑だなんて めっそうも ございません。 193 00:14:40,547 --> 00:14:43,483 大歓迎させていただきますわ。 194 00:14:43,550 --> 00:14:45,485 剛太郎君は ご在宅では? 195 00:14:45,552 --> 00:14:50,490 (まき) ああ。 あいにく 外出しております。 196 00:14:50,557 --> 00:14:56,496 そうですか。 先ほど 枝川会館の方にも→ 197 00:14:56,563 --> 00:14:58,431 お邪魔を したんですけども→ 198 00:14:58,498 --> 00:15:01,434 そちらでも 会うことは できませんでした。 199 00:15:01,501 --> 00:15:04,437 (まき) 会館にも おいでに なられたのですか? 200 00:15:04,504 --> 00:15:10,443 はい。 いや。 私は 一刻も早く 剛太郎君に会って→ 201 00:15:10,510 --> 00:15:12,445 取り戻したいものが あるんですが。 202 00:15:12,512 --> 00:15:17,450 (まき) 取り戻したい? それは 何なのですか? 203 00:15:17,517 --> 00:15:21,454 それは 直接 剛太郎君に 会ったときに→ 204 00:15:21,521 --> 00:15:23,456 お話をさせていただきます。 205 00:15:23,523 --> 00:15:28,461 (まき) それは 大田原さまにとって 大切な 何かなのですか? 206 00:15:28,528 --> 00:15:34,534 >> 非常に 大切なものです。 (まき) 分かりました。 207 00:15:37,537 --> 00:15:39,472 (里子) そうですか。 208 00:15:39,539 --> 00:15:44,477 宮崎先生。 器作りに チャレンジする気に なったんですね。 209 00:15:44,544 --> 00:15:47,480 (宮崎) 友人が 窯を たきあげるって 聞いて→ 210 00:15:47,547 --> 00:15:51,484 幾つか 作ってみたんですけど。 でも 全部 駄目でした。 211 00:15:51,551 --> 00:15:55,488 (春子) 私には どこが 駄目なのか 全然 分からないよ。 212 00:15:55,555 --> 00:15:59,426 (里子) お母さんにも 何が いい作品なんだか 分かんない。 213 00:15:59,492 --> 00:16:06,433 でも 宮崎先生には いい作品と 悪い作品の 境目がある。 214 00:16:06,499 --> 00:16:09,436 そうですよね? >> はい。 215 00:16:09,502 --> 00:16:13,440 どんなに 落ち込んでも 自分が 追求する作品に 出合うまでは→ 216 00:16:13,506 --> 00:16:15,442 絶対に 妥協できない。 217 00:16:15,508 --> 00:16:20,447 もし そこで 妥協してしまったら おしまいです。 218 00:16:20,513 --> 00:16:23,516 (春子) 本当に 陶芸家は 大変だ。 219 00:16:25,518 --> 00:16:28,455 \(ノック) (大造) はい。 220 00:16:28,521 --> 00:16:33,460 (剛太郎) 家元。 私に 至急 ロンドン出張を ご命じください。 221 00:16:33,526 --> 00:16:36,463 >> 何か あったのかね? (剛太郎) ヨーロッパの 枝川会に→ 222 00:16:36,529 --> 00:16:39,466 不明な会計処理が あることが 分かりました。 223 00:16:39,532 --> 00:16:44,471 不正会計か。 支部の責任者が 対応できないのかね? 224 00:16:44,537 --> 00:16:47,474 (剛太郎) その責任者が 先頭に立って 悪事を 働いてるようなんです。 225 00:16:47,540 --> 00:16:54,481 うーん。 じゃあ 悪いが 剛太郎君。 至急 ロンドンに 飛んでくれたまえ。 226 00:16:54,547 --> 00:16:57,417 (剛太郎) 承知いたしました。 すぐに 飛行機の手配を いたします。 227 00:16:57,484 --> 00:17:02,422 >> ああ。 それと。 剛太郎君。 (剛太郎) 何でしょうか? 228 00:17:02,489 --> 00:17:07,427 いまだに 過去の記憶は 戻らないのかね? 229 00:17:07,494 --> 00:17:10,430 (剛太郎) はい。 >> そうか。 230 00:17:10,497 --> 00:17:12,432 (剛太郎) それが どうかなさいましたか? 231 00:17:12,499 --> 00:17:15,435 いや。 実は アメリカから→ 232 00:17:15,502 --> 00:17:19,439 君と まきの結婚の 仲介を してくれた→ 233 00:17:19,506 --> 00:17:25,445 後援会の 大田原夫人の ご主人が おみえに なっているのだ。 234 00:17:25,512 --> 00:17:29,449 大田原さんと 聞いて 何か 思い出さないかね? 235 00:17:29,516 --> 00:17:33,453 (剛太郎) 大田原さん。 236 00:17:33,520 --> 00:17:37,457 残念ながら 何も 思い出せません。 237 00:17:37,524 --> 00:17:42,462 そっか。 いや。 そうだろうな。 238 00:17:42,529 --> 00:17:48,468 大田原さんには 君が 10年前 以前の記憶が ないこと→ 239 00:17:48,535 --> 00:17:53,473 まだ お話ししていないのだ。 私から お話ししておこう。 240 00:17:53,540 --> 00:17:58,478 (剛太郎) お手数を おかけします。 >> いいんだ。 241 00:17:58,545 --> 00:18:02,482 君のせいじゃ ないんだ。 242 00:18:02,549 --> 00:18:08,555 あれは 事故だったんだ。 うん。 243 00:18:11,424 --> 00:18:14,360 (まき) そういえば 今日 大田原さまが おみえに なりました。 244 00:18:15,962 --> 00:18:17,397 うちにまで おみえに なったのか? 245 00:18:17,430 --> 00:18:21,367 (まき) ええ。 近くでの会合が 早くに 終わられたとかで。 246 00:18:21,434 --> 00:18:24,370 会館の方にも おいでに なったんですってね? 247 00:18:24,437 --> 00:18:27,307 (大造) うん。 (すみれ) 大田原さまって→ 248 00:18:27,373 --> 00:18:30,310 どんな お方ですか? (剛太郎) お父さまと お母さまの→ 249 00:18:30,376 --> 00:18:34,314 結婚を 仲介してくれた方の ご主人なんだよ。 250 00:18:34,380 --> 00:18:38,318 それでは その方の お働きがなければ すみれは→ 251 00:18:38,384 --> 00:18:42,322 生まれていなかったのかも しれないんですわね。 おじいさま。 252 00:18:42,388 --> 00:18:48,328 (大造) まっ そうなるかな。 (すみれ) その方に お会いしたい。 253 00:18:48,394 --> 00:18:51,331 (まき) 大田原さま。 剛太郎さんに お会いして→ 254 00:18:51,397 --> 00:18:54,334 取り戻したいものが おありに なると おっしゃっておいででした。 255 00:18:54,400 --> 00:18:57,337 (大造) 何だね? 取り戻したいものって。 256 00:18:57,403 --> 00:19:02,342 (まき) 剛太郎さんに お会いして 直接 お話ししたいとのことでした。 257 00:19:02,408 --> 00:19:05,345 (剛太郎) そうですか。 私も 大田原さんに お会いして→ 258 00:19:05,411 --> 00:19:07,347 直接 その お話を お聞きしたい。 259 00:19:07,413 --> 00:19:09,349 ですが まきさん。 私は 急な出張で→ 260 00:19:09,415 --> 00:19:11,351 ロンドンに 行かなくては ならないんです。 261 00:19:11,417 --> 00:19:13,353 (まき) ロンドンに ご出張ですか? (剛太郎) はい。 262 00:19:13,419 --> 00:19:16,356 ホテルと 飛行機の手配が 整いしだい 行くつもりです。 263 00:19:16,422 --> 00:19:19,359 (まき) 大田原さまに お会いしてからには できないのでしょうか? 264 00:19:19,425 --> 00:19:22,362 (剛太郎) そうですね。 急ぐ仕事なので。 265 00:19:22,428 --> 00:19:27,300 ですが 少し 調整してみます。 (まき) お願いいたします。 266 00:19:27,367 --> 00:19:29,302 (照) 家元。 大変です。 267 00:19:29,369 --> 00:19:32,305 (大造) 照。 慌てて どうした? 268 00:19:32,372 --> 00:19:35,308 (照) 枝川流 葉山流の 春の合同茶会で→ 269 00:19:35,375 --> 00:19:37,310 お配りする お土産物が→ 270 00:19:37,377 --> 00:19:39,312 葉山流のミスで 発注されていませんでした。 271 00:19:39,379 --> 00:19:41,314 (剛太郎) えっ!? 272 00:19:41,381 --> 00:19:43,316 発注先の工房に 問い合わせてみたら→ 273 00:19:43,383 --> 00:19:46,319 今からでは 無理だと 断られてしまいました。 274 00:19:46,386 --> 00:19:49,322 (大造) 常滑焼の 手作りの陶器に すると決めて→ 275 00:19:49,389 --> 00:19:54,327 あれほど 念を押したのに それでも 注文し忘れるとは。 276 00:19:54,394 --> 00:19:56,329 (剛太郎) 葉山流の 例の 嫌がらせです。 277 00:19:56,396 --> 00:19:59,332 (大造) 剛太郎君。 どっか 当ては ないかね? 278 00:19:59,399 --> 00:20:02,335 (剛太郎) 今から 手作りの オリジナルの置物→ 279 00:20:02,402 --> 00:20:06,339 100個 注文できるところとなると 心当たりは ございませんが→ 280 00:20:06,406 --> 00:20:09,342 事務方に言って 探させます。 (大造) 枝川流として→ 281 00:20:09,409 --> 00:20:13,346 恥ずかしくないものを 注文できる 工房だ。 282 00:20:13,413 --> 00:20:16,349 (剛太郎) 分かりません。 ですが 調べてみます。 283 00:20:16,416 --> 00:20:19,352 (大造) うん。 (まき) 私に 心当たりが ございます。 284 00:20:19,419 --> 00:20:23,356 (大造) どこだね? (まき) 宮崎工房です。 285 00:20:23,423 --> 00:20:28,294 あそこの招き猫は 手作りで 本当に カワイイものだと思います。 286 00:20:28,361 --> 00:20:30,296 (大造) 剛太郎君は どう 思う? 287 00:20:30,363 --> 00:20:33,299 (剛太郎) まきさんが そう おっしゃるなら 私は賛成です。 288 00:20:33,366 --> 00:20:35,301 (大造) そうか。 それじゃあ 悪いが 至急 手配してくれ。 289 00:20:35,368 --> 00:20:39,305 (剛太郎) はい。 分かりました。 (まき) 私が 頼みに参ります。 290 00:20:39,372 --> 00:20:43,309 (大造) まきがか? (まき) ええ。 宮崎工房さんにとっても→ 291 00:20:43,376 --> 00:20:45,311 きっと 無理な注文には 違いありません。 292 00:20:45,378 --> 00:20:48,314 ですから 私が行って 頼んでまいります。 293 00:20:48,381 --> 00:20:50,316 そうか。 そりゃ そうだな。 294 00:20:50,383 --> 00:20:52,318 じゃあ そうしてもらおうか。 (まき) はい。 295 00:20:53,453 --> 00:20:55,455 (順子) お待たせしました。 (男性) ありがとうございます。 296 00:20:55,455 --> 00:20:58,458 \(チャイム) (2人) うまそう。 いただきます。 297 00:21:02,462 --> 00:21:06,399 (順子) いらっしゃいませ。 お二人さまですか? 298 00:21:06,466 --> 00:21:09,402 (まき) こちらに 遠藤さんは いらっしゃいますか? 299 00:21:09,469 --> 00:21:15,475 (順子) 遠藤? ああ はい。 じゃあ 中へ どうぞ。 300 00:21:20,480 --> 00:21:23,416 (里子) 事情は 分かりました。 招き猫 100個が→ 301 00:21:23,483 --> 00:21:26,419 どのぐらいで できるか 私には 分かりませんが→ 302 00:21:26,486 --> 00:21:30,356 お急ぎでしょうから 今から 宮崎工房に 向かいましょう。 303 00:21:30,423 --> 00:21:33,359 (まき) 夜分に すいません。 (里子) いいえ。 304 00:21:33,426 --> 00:21:36,362 困ったときは お互いさまです。 305 00:21:36,429 --> 00:21:38,364 ほら。 支度して。 (春子) はい。 306 00:21:38,431 --> 00:21:42,435 (里子) よいしょ。 はい。 (春子) はい。 ありがとう。 307 00:21:47,440 --> 00:21:51,377 (宮崎) えっ!? 手作りの 招き猫 100個?→ 308 00:21:51,444 --> 00:21:53,379 で 納期は いつなんですか? 309 00:21:53,446 --> 00:21:57,383 (まき) 9日後です。 >> 9日。 310 00:21:57,450 --> 00:21:59,385 それじゃ とても 間に合いません。 311 00:21:59,452 --> 00:22:02,455 (里子) 先生。 何とか ならないんですか?