1 00:00:01,669 --> 00:00:03,604 (弘江) まさか 雄介と 春子を 置き去りにして→ 2 00:00:03,671 --> 00:00:07,308 自分だけ 逃げたの? (里子) 雄介さん! 3 00:00:07,308 --> 00:00:10,878 (里子) これが 幸せに浮かれてる 私への 罰なの? 4 00:00:11,445 --> 00:00:13,481 (雄介) ここは どこでしょうか? 5 00:00:13,514 --> 00:00:15,449 (大造) 記憶を 失っている? 6 00:00:16,150 --> 00:00:18,085 (大造) 見知らぬ あなた。→ 7 00:00:18,152 --> 00:00:22,089 あなたには 新しい 藤塚 剛太郎となり…。 8 00:00:22,156 --> 00:00:25,092 (まき) 私の夫に なっていただくのよ。 9 00:00:25,159 --> 00:00:28,095 (順子) 10年前 私のアパートの 隣の部屋に→ 10 00:00:28,162 --> 00:00:30,097 放置されてた 赤ん坊を 連れ去って→ 11 00:00:30,164 --> 00:00:33,100 心中しようと してたなんて 嘘でしょう? 12 00:00:33,167 --> 00:00:36,103 (里子) 今日から あなたを 春子と呼ばせて。 13 00:00:36,170 --> 00:00:40,107 (里子) いいでしょ? 雄介さん。 14 00:00:40,174 --> 00:00:45,112 (大造) 枝川流。 そして まき。 すみれ。 剛太郎君が→ 15 00:00:45,179 --> 00:00:49,116 永遠に 輝き続けて いられるためには→ 16 00:00:49,183 --> 00:00:53,120 すみれを まきが産んだ子供として 育ててほしい。 17 00:00:53,187 --> 00:00:58,058 (まき) 偽りの人生。 18 00:00:58,125 --> 00:01:00,060 (里子) たとえ 罰を受けるようなことが あったとしても→ 19 00:01:00,127 --> 00:01:03,063 春子を 幸せに 育て上げたいと 思ってる。 20 00:01:03,130 --> 00:01:07,068 (順子) 万が一 雄介さんと ホントの春子ちゃんが 生きてて→ 21 00:01:07,134 --> 00:01:09,069 偶然 出会ったりしたら どうする? 22 00:01:09,136 --> 00:01:12,540 (春子) 学校 つくればいい。 常滑焼の学校。 23 00:01:12,840 --> 00:01:14,775 (まき) 陶芸教室ですわね? 24 00:01:14,842 --> 00:01:16,844 会館のロビーを 使えばいいわ。 25 00:01:42,303 --> 00:01:45,506 {\an8}(春子) お弁当。 (里子) はい。 よいしょ。 26 00:01:51,545 --> 00:01:54,482 {\an8}(春子) あれ? あれ? お箸がない!? 27 00:01:55,316 --> 00:01:58,185 {\an8}(里子) ホントだ。 入れ忘れちゃったね。 28 00:01:58,252 --> 00:02:00,654 {\an8}お母さん。 買ってくるから ちょっと待ってて。 29 00:02:00,654 --> 00:02:02,122 {\an8}(春子) うん。 30 00:02:02,189 --> 00:02:05,192 {\an8}(剛太郎) あっ。 ご無沙汰してます。 31 00:02:11,065 --> 00:02:13,133 {\an8}(宮崎) 里子さん。 (里子) はい。 何ですか? 32 00:02:13,200 --> 00:02:15,135 {\an8}(宮崎) 私の お弁当の中に お箸が 3人分 入っとりました。 33 00:02:15,202 --> 00:02:17,137 {\an8}(里子) えっ? 34 00:02:17,204 --> 00:02:20,141 {\an8}(春子) ホントだ。 お母さん。 朝 急いでたから→ 35 00:02:20,207 --> 00:02:23,143 {\an8}間違えちゃったんだね。 (里子) よかった。 36 00:02:23,210 --> 00:02:26,147 {\an8}入れたはずなのに おかしいなって 思ってたんです。 37 00:02:26,213 --> 00:02:28,148 {\an8}(宮崎) いつも お弁当を ありがとうございます。 38 00:02:28,215 --> 00:02:30,150 {\an8}(里子) いえ。 (春子) ♪「おべんと おべんと」→ 39 00:02:30,217 --> 00:02:32,153 {\an8}♪「うれしいな」 40 00:02:33,621 --> 00:02:36,056 {\an8}\(ノック) (大造) はい。 どうぞ。 41 00:02:37,258 --> 00:02:39,193 {\an8}(剛太郎) ただ今 戻りました。 (大造) おお。→ 42 00:02:39,260 --> 00:02:42,196 {\an8}ロンドン 出張 お疲れさまでした。→ 43 00:02:42,263 --> 00:02:45,032 {\an8}お疲れのとこ 呼びつけて 悪かったね。 44 00:02:45,099 --> 00:02:48,035 {\an8}(剛太郎) それで 葉山が また 何か 企ててるみたいだとは→ 45 00:02:48,102 --> 00:02:51,038 {\an8}何か あったんですか? (大造) いやぁ。 先日→ 46 00:02:51,105 --> 00:02:55,042 {\an8}葉山さんが 用事があるって いって 突然 訪ねてきたんだが→ 47 00:02:55,109 --> 00:02:57,978 {\an8}私は 取材の 先約が あったもんだから→ 48 00:02:58,045 --> 00:02:59,980 {\an8}この部屋で 待ってもらっていたんだが→ 49 00:03:00,047 --> 00:03:02,983 {\an8}急用が できたと いって 帰ってしまってね。 50 00:03:03,050 --> 00:03:04,985 (剛太郎) 勝手に 来て 勝手に 帰るとは→ 51 00:03:05,052 --> 00:03:06,987 ホントに 失礼な お方です。 (大造) まあ それは→ 52 00:03:07,054 --> 00:03:09,990 仕方ないんだ。 で 気になった 照が→ 53 00:03:10,057 --> 00:03:15,996 この部屋を 調べてみたら 2年前 君に まとめてもらった→ 54 00:03:16,063 --> 00:03:20,000 “枝川流 一子相伝の歴史”が なくなっていたんだよ。 55 00:03:20,067 --> 00:03:22,002 (剛太郎) 何で あの本を? 56 00:03:22,069 --> 00:03:27,007 (大造) 枝川流の神髄を 勉強したかったとは 思えんがね。 57 00:03:27,074 --> 00:03:29,009 (剛太郎) それで 今 葉山は どこですか? 58 00:03:29,076 --> 00:03:31,011 応接室で 待ってもらってる。 59 00:03:31,078 --> 00:03:33,013 (剛太郎) 私が 呼びに行ってまいります。 >> 頼む。 60 00:03:33,080 --> 00:03:35,082 (剛太郎) お任せください。 >> うん。 61 00:03:38,085 --> 00:03:42,022 (かえで) それでは これから 招き猫作りを 始めます。→ 62 00:03:42,089 --> 00:03:47,027 ここからは 宮崎先生に ご説明を お願いします。 63 00:03:47,094 --> 00:03:50,030 (宮崎) えー。 それでは これから→ 64 00:03:50,097 --> 00:03:53,033 このような 招き猫を 作っていきたいと 思います。 65 00:03:53,100 --> 00:03:56,036 (一同) うわぁ。 カワイイ。 カワイイね。 66 00:03:56,103 --> 00:03:57,972 (宮崎) 皆さんの お手元に 配られた 粘土を→ 67 00:03:58,038 --> 00:04:00,975 このぐらいの大きさに ちぎって→ 68 00:04:01,041 --> 00:04:06,981 手のひらの上で 丸めて お団子を 作ってください。 69 00:04:07,047 --> 00:04:08,983 (すみれ) あっ。 大丈夫です。 70 00:04:09,049 --> 00:04:15,990 (宮崎) これが 胴体に なります。 続いて 頭を 作っていきます。 71 00:04:16,056 --> 00:04:17,992 \(ノック) (大造) はい。 どうぞ。 72 00:04:18,058 --> 00:04:20,995 \(ドアの開く音) 73 00:04:21,061 --> 00:04:22,997 (大造) ああ。 これは 葉山さん。→ 74 00:04:23,063 --> 00:04:27,001 先日は 失礼しました。 取材の 先約が あったもんですから→ 75 00:04:27,067 --> 00:04:29,003 お待たせして。 さあ どうぞ どうぞ。 76 00:04:29,069 --> 00:04:32,006 (葉山) 人を待たせるのは 枝川流の おもてなしですかな? 77 00:04:32,072 --> 00:04:34,008 (大造) まあ そう おっしゃらず。 このとおりです。 78 00:04:34,074 --> 00:04:38,012 (剛太郎) それで 葉山さん。 今日は どういった ご用件でしょうか? 79 00:04:38,078 --> 00:04:40,014 勝手に お持ちになった 本のことで→ 80 00:04:40,080 --> 00:04:42,016 お聞きになりたいことでも あるんでしょうか? 81 00:04:42,082 --> 00:04:44,018 (葉山) 大変 参考になりました。→ 82 00:04:44,084 --> 00:04:48,022 無断で お借りして 悪かった。 お返しします。→ 83 00:04:48,088 --> 00:04:52,026 何せ 急用が できたもんですから お許しください。 84 00:04:52,092 --> 00:04:55,029 (剛太郎) 無断で 持っていくということは 法律用語で 窃盗と…。 85 00:04:55,095 --> 00:04:57,031 まあまあまあ。 86 00:04:57,097 --> 00:04:59,967 急いでらしたんだし 身内のことだ。 87 00:05:00,034 --> 00:05:02,970 法律用語まで 出さなくても いいじゃないか。 88 00:05:03,037 --> 00:05:06,974 (剛太郎) はい。 それで どんな ご参考に なったと いうんでしょうか? 89 00:05:07,041 --> 00:05:13,981 (葉山) 念のため 会話を 録音したいのですが→ 90 00:05:14,048 --> 00:05:18,986 よろしいでしょうか? (大造) ハハッ。 まあ どうぞ。 91 00:05:19,053 --> 00:05:22,990 (葉山) 枝川流の 一子相伝が 偽物だという 事実を知る→ 92 00:05:23,057 --> 00:05:24,992 いい参考に なりました。 93 00:05:25,059 --> 00:05:28,996 (剛太郎) 枝川流の 一子相伝が 偽物とは 聞き捨てなりませんね。 94 00:05:29,063 --> 00:05:30,998 枝川流の 3万人の門弟は→ 95 00:05:31,065 --> 00:05:35,002 大造さんの 十七代 まきさんの 十八代まで→ 96 00:05:35,069 --> 00:05:39,006 完全なる 枝川流の血脈を 注いだ 嫡子が→ 97 00:05:39,073 --> 00:05:42,009 一子相伝を 継いできたと そう 信じてます。 98 00:05:42,076 --> 00:05:46,013 まあ それが 売りですからな。 99 00:05:46,080 --> 00:05:51,018 (大造) この本に そのことが 嘘であると 書いてあると→ 100 00:05:51,085 --> 00:05:55,022 そう おっしゃりたいんですか? (葉山) そのとおりです。 101 00:05:55,089 --> 00:05:57,958 (大造) どこに そんなことが 書かれてましたか? 102 00:05:58,025 --> 00:06:01,962 (葉山) 十二代の 家元の 侃信さんは→ 103 00:06:02,029 --> 00:06:03,964 養子だったと 書いてあるじゃ ないですか。→ 104 00:06:04,031 --> 00:06:07,968 つまり 枝川流の血脈は 一度 絶えているんです。→ 105 00:06:08,035 --> 00:06:15,042 ですから 枝川流の 一子相伝は 偽物だと 言ってるんです。 106 00:06:17,044 --> 00:06:22,049 私は そのことを 公にするつもりです。 107 00:06:26,787 --> 00:06:30,724 (宮崎) 胴体と 頭が できたら 次は 耳や 口を 作っていきます。→ 108 00:06:31,492 --> 00:06:34,495 口は 開いてても ええですし 閉じてても ええです。→ 109 00:06:34,862 --> 00:06:36,797 自分が好きな 形を→ 110 00:06:36,864 --> 00:06:38,799 へらなどを使って 作っていきます。 111 00:06:38,866 --> 00:06:41,802 (子供) 難しい。 (春子) あのう。 どうかしました? 112 00:06:41,869 --> 00:06:44,805 (女性) どうしても うまく いかないんですけど。 113 00:06:44,872 --> 00:06:46,807 (春子) ちょっと 貸してください。 (女性) はい。 114 00:06:46,874 --> 00:06:49,810 (春子) これ こうやって こう やりますよね。→ 115 00:06:49,877 --> 00:06:54,815 で ちょっと こうやって。 ぴりぴりぴりって。 116 00:06:54,882 --> 00:06:56,817 (女性) ああ。 (春子) こんな感じで どうですか? 117 00:06:56,884 --> 00:06:59,753 (子供) カワイイ。 ありがとうございます。 118 00:06:59,820 --> 00:07:02,823 (女性) ありがとうございます。 (春子) どういたしまして。 119 00:07:05,826 --> 00:07:08,762 (すみれ) 皆さん 楽しんで いらっしゃるみたいですね。 120 00:07:08,829 --> 00:07:10,831 (春子) 私も 楽しい。 121 00:07:12,833 --> 00:07:15,769 (まき) 私たちも 招き猫 作りませんか? 122 00:07:15,836 --> 00:07:18,772 (里子) そうしましょう。 材料を 取ってきますね。 123 00:07:18,839 --> 00:07:23,777 (加代) 私も 招き猫を 作りますわ。 124 00:07:23,844 --> 00:07:26,780 (葉山) 枝川流の 一子相伝が 偽物だということを→ 125 00:07:26,847 --> 00:07:29,783 公表されたくなければ→ 126 00:07:29,850 --> 00:07:35,789 この私が 納得できる条件を 提示してほしい。 127 00:07:35,856 --> 00:07:39,793 (大造) 条件とは 例えば 何ですか? 128 00:07:39,860 --> 00:07:41,795 (葉山) だいたい 察しが つくでしょう。 129 00:07:41,862 --> 00:07:44,798 (剛太郎) それは お金と いうことでしょうか? 130 00:07:44,865 --> 00:07:47,801 (葉山) まあ それも いいが ちょっとやそっとの 額では→ 131 00:07:47,868 --> 00:07:50,804 この私を 動かすことは できませんよ。 132 00:07:50,871 --> 00:07:55,809 葉山さん。 これ以上は もう やめませんか? 133 00:07:55,876 --> 00:07:57,811 何がです? 134 00:07:57,878 --> 00:08:00,814 あなたを 罪人に したくないからです。 135 00:08:00,881 --> 00:08:03,817 何で 私が 罪人なんかに ならなきゃ ならないんですか? 136 00:08:03,884 --> 00:08:07,821 (大造) この本を 書いたのは ここにいる 剛太郎君です。→ 137 00:08:07,888 --> 00:08:11,825 剛太郎君。 説明してさしあげなさい。 138 00:08:11,892 --> 00:08:14,828 (剛太郎) はい。 あなたが 養子だと おっしゃった→ 139 00:08:14,895 --> 00:08:17,831 十二代目 侃信の父 十一代目 侃悦は→ 140 00:08:17,898 --> 00:08:19,833 門弟から 嫌われていた。 141 00:08:19,900 --> 00:08:22,836 一方 侃悦の 実の息子であった 与一は→ 142 00:08:22,903 --> 00:08:26,840 大人になると 父親 侃悦を 凌駕する カリスマとなった。 143 00:08:26,907 --> 00:08:29,843 侃悦は 自分の存在を 脅かしそうになった→ 144 00:08:29,910 --> 00:08:31,845 息子 与一を 勘当した。 145 00:08:31,912 --> 00:08:35,849 だから 養子が 必要だったんじゃ ないですか? 146 00:08:35,916 --> 00:08:40,854 (剛太郎) ですが これが 表面的な伝承です。 (葉山) 表面的? 147 00:08:40,921 --> 00:08:43,857 (剛太郎) 実のところ カリスマだと 浮かれていた 息子 与一を→ 148 00:08:43,924 --> 00:08:46,860 懲らしめるため 勘当したんです。 149 00:08:46,927 --> 00:08:48,862 (葉山) 勘当したと いうのなら→ 150 00:08:48,929 --> 00:08:51,865 養子を迎えたと いうことに 変わりないじゃ ないですか。 151 00:08:51,932 --> 00:08:54,868 (剛太郎) 与一は 勘当されて 材木問屋に 養子として 入ったんですが→ 152 00:08:54,935 --> 00:08:57,804 あまりの 放蕩ぶりに そこでも 勘当されてしまったんです。 153 00:08:57,871 --> 00:09:00,807 ようやく 自分の過ちに 気付いた 与一は→ 154 00:09:00,874 --> 00:09:03,810 父親 侃悦の元へ 行き 頭を 下げた。 155 00:09:03,877 --> 00:09:07,814 侃悦は 一から 修業し直すという 条件で 与一を迎えた。 156 00:09:07,881 --> 00:09:10,817 つまり 与一は 養子として→ 157 00:09:10,884 --> 00:09:13,820 枝川家に 戻ってきたと いうことなんです。 158 00:09:13,887 --> 00:09:15,822 つまり どういうことだ? 159 00:09:15,889 --> 00:09:20,827 (剛太郎) 十二代目 侃信は 侃悦の 実の息子です。 160 00:09:20,894 --> 00:09:22,829 与一は 十二代目になるときに→ 161 00:09:22,896 --> 00:09:24,831 侃信という 名前を もらったんです。 162 00:09:24,898 --> 00:09:26,833 いや。 そんなこと どこに 書いてある? 163 00:09:26,900 --> 00:09:34,841 (剛太郎) 最後の章に 書いてあります。 >> さ… 最後の章? うっ。 そんな。 164 00:09:34,908 --> 00:09:39,846 どうやら 早とちりを されたようですな。 165 00:09:39,913 --> 00:09:43,850 (剛太郎) この ボイスレコーダーを 警察に 持っていけば→ 166 00:09:43,917 --> 00:09:49,856 あなたが 脅迫 恐喝 窃盗の 立派な 犯罪者であることが→ 167 00:09:49,923 --> 00:09:53,927 証明できますが いかが いたしましょうか? 168 00:09:58,865 --> 00:10:02,803 (葉山) こ… このとおりです。 お許しください。 169 00:10:02,869 --> 00:10:06,807 (大造) 葉山さん。 娘さんや お孫さんに→ 170 00:10:06,873 --> 00:10:09,810 恥ずかしいと 思わないんですか? 171 00:10:09,876 --> 00:10:14,815 私は 今まで 何度も あなたに→ 172 00:10:14,881 --> 00:10:18,819 不愉快な思いを 味わわされてきました。 173 00:10:18,885 --> 00:10:22,823 だが そのたびに 身内の流派の あなたが→ 174 00:10:22,889 --> 00:10:26,827 今度こそ 懲りてくれればいいと 許してきました。 175 00:10:26,893 --> 00:10:29,830 (葉山) ありがとうございます。 (大造) でも それが→ 176 00:10:29,896 --> 00:10:32,833 間違いだったのかも しれません。 177 00:10:32,899 --> 00:10:36,903 (葉山) お許しください…。 お許しください。 お許しください。 178 00:10:39,906 --> 00:10:45,846 (大造) これほどまでに 私を 陥れようとなさるのには→ 179 00:10:45,912 --> 00:10:49,850 何か 訳が あるのかね?→ 180 00:10:49,916 --> 00:10:54,855 事情によっては 今回かぎりという 条件付きで→ 181 00:10:54,921 --> 00:10:57,858 あなたを 許します。 182 00:11:00,861 --> 00:11:04,865 (大造) どうだね? 葉山さん。 お手を 上げてください。 183 00:11:09,870 --> 00:11:16,810 (葉山) 実は…。 (大造)「実は」 何ですか? 184 00:11:16,877 --> 00:11:25,819 (葉山) 実は 恥ずかしい話ですが 嫁の 加代も 孫の かえでも→ 185 00:11:25,886 --> 00:11:29,823 枝川さんや まきさんや→ 186 00:11:29,890 --> 00:11:33,827 すみれさんのことを 尊敬していて→ 187 00:11:33,894 --> 00:11:36,830 私のことを バカにしてるんです。 188 00:11:36,897 --> 00:11:39,833 あなたは 自分で 努力しようとせず→ 189 00:11:39,900 --> 00:11:43,837 人を おとしめることで 優位に 立とうと していらっしゃる。 190 00:11:43,904 --> 00:11:48,842 そのような人を どのように呼ぶか ご存じですか? 191 00:11:48,909 --> 00:11:50,844 何と? 192 00:11:50,911 --> 00:11:54,848 ひきょう者です。 (葉山) ひきょう者…。 193 00:11:54,915 --> 00:11:58,785 あなたは 自分自身に 向き合って→ 194 00:11:58,852 --> 00:12:04,791 もう少し 努力することを 覚えた方が いい。 195 00:12:04,858 --> 00:12:06,793 はい。 196 00:12:06,860 --> 00:12:14,801 (大造) それでは あなたは これ以上 人を おとしめないと→ 197 00:12:14,868 --> 00:12:19,873 約束してくれますか? (葉山) はい。 198 00:12:21,875 --> 00:12:25,812 (大造) では 今回かぎり あなたを 許しましょう。 199 00:12:25,879 --> 00:12:27,814 (葉山) ありがとうございます。 200 00:12:27,881 --> 00:12:32,819 もう これ以上 私を がっかりさせないでください。 201 00:12:32,886 --> 00:12:36,890 はい。 誓います。 202 00:12:46,533 --> 00:12:48,468 (宮崎) どうも 形が 気に入らんと 思ったら→ 203 00:12:48,535 --> 00:12:51,471 少し前に 戻って やり直しても ええです。 204 00:12:51,538 --> 00:12:54,474 (一同) はい。 (宮崎) 焦らずに ゆっくりと→ 205 00:12:54,541 --> 00:12:58,545 自分の 好きな形の 招き猫を 作っていきましょう。 206 00:12:58,545 --> 00:13:12,559 ♪~ 207 00:13:12,559 --> 00:13:14,494 (剛太郎) ボイスレコーダー 返してしまわれましたが→ 208 00:13:14,561 --> 00:13:16,496 よろしかったんでしょうか? 209 00:13:16,563 --> 00:13:18,498 (大造) それを 使うことを 考えていたら→ 210 00:13:18,565 --> 00:13:21,501 私たちも ひきょう者に なってしまう。→ 211 00:13:21,568 --> 00:13:26,506 葉山さんも 今回は 懲りただろう。 212 00:13:26,573 --> 00:13:28,441 (剛太郎) そういえば ロビーホールに 人が いましたが→ 213 00:13:28,508 --> 00:13:30,443 何かの 催し物ですか? 214 00:13:30,510 --> 00:13:33,446 (照) すみれ お嬢さまの 児童会の イベントだそうです。 215 00:13:33,513 --> 00:13:35,448 (剛太郎) ああ。 そうでした。 216 00:13:35,515 --> 00:13:37,450 すみれに 参加してほしいと 言われてたんです。 217 00:13:37,517 --> 00:13:39,452 間に合って よかった。 >> 今日は もう→ 218 00:13:39,519 --> 00:13:43,456 仕事のことは 忘れて 親子 水入らずで 過ごすといい。 219 00:13:43,523 --> 00:13:46,459 (剛太郎) ありがとうございます。 事務局に 顔を出したら→ 220 00:13:46,526 --> 00:13:48,461 そうさせて いただきます。 (大造) ああ。 221 00:13:48,528 --> 00:13:50,530 (剛太郎) 失礼します。 (大造) うん。 222 00:13:52,532 --> 00:13:54,467 \(ドアの開く音) 223 00:13:54,534 --> 00:14:00,540 (照) 家元の 器の大きさに あらためて 敬服いたします。 224 00:14:03,543 --> 00:14:06,479 (かえで) 招き猫作りも 間もなく 終わるので→ 225 00:14:06,546 --> 00:14:10,483 ここで 宮崎工房の 遠藤 春子さんから→ 226 00:14:10,550 --> 00:14:15,488 「残したいもの 伝えたいもの」の 作文を 朗読していただきます。→ 227 00:14:15,555 --> 00:14:19,492 遠藤 春子さん。 お願いします。 228 00:14:19,559 --> 00:14:21,561 (春子) はい。 229 00:14:28,501 --> 00:14:33,440 ただ今 ご紹介を 預けていただきました→ 230 00:14:33,506 --> 00:14:37,444 宮崎工房から 来ました 遠藤 春子です。 231 00:14:37,510 --> 00:14:40,513 (里子) 春子。 頑張れ。 232 00:14:43,516 --> 00:14:48,455 「私の 残したいもの 伝えたいもの」 233 00:14:48,521 --> 00:14:50,457 「遠藤 春子」 234 00:14:50,523 --> 00:14:55,462 「私の 残したいものは お母さんとの 思い出です」→ 235 00:14:55,528 --> 00:14:59,466 「私の お母さんは 私が ゼロ歳のころから→ 236 00:14:59,532 --> 00:15:04,471 働きながら 私を 育ててくれました」 237 00:15:04,537 --> 00:15:08,475 「ゼロ歳のころのことは 覚えていません」 238 00:15:08,541 --> 00:15:13,480 「覚えているのは 3歳のころからです」→ 239 00:15:13,546 --> 00:15:17,484 「そのころ 私は チョコレートが 大好物で→ 240 00:15:17,550 --> 00:15:21,488 お母さんに 隠れて 台所にあった…」 241 00:15:21,554 --> 00:15:24,491 (すみれ) お母さま。 お父さまが お帰りに なられました。 242 00:15:24,557 --> 00:15:27,427 (まき) そう。 (剛太郎) ただ今 戻りました。 243 00:15:27,494 --> 00:15:29,429 (まき) おかえりなさい。 244 00:15:29,496 --> 00:15:32,432 (すみれ) おかえりなさいませ。 お父さま。 245 00:15:32,499 --> 00:15:35,435 (剛太郎) 作文の朗読ですか? (すみれ) はい。 246 00:15:35,502 --> 00:15:39,439 私の 新しい お友達の 遠藤 春子さんが→ 247 00:15:39,506 --> 00:15:42,442 「私の 残したいもの 伝えたいもの」を テーマに→ 248 00:15:42,509 --> 00:15:47,447 作文を 書いてくれたんです。 (剛太郎)「残したいもの 伝えたいもの」か。 249 00:15:47,514 --> 00:15:49,449 (春子)「私の お父さんは→ 250 00:15:49,516 --> 00:15:53,453 私が生まれて すぐに 亡くなりました」→ 251 00:15:53,520 --> 00:15:55,455 「だから お母さんは 一人で 働いて→ 252 00:15:55,522 --> 00:15:59,459 私を 育ててくれました」→ 253 00:15:59,526 --> 00:16:03,463 「私は 石川県の 温泉旅館の 保育園で→ 254 00:16:03,530 --> 00:16:07,467 いつも お母さんの帰りを 待っていました」→ 255 00:16:07,534 --> 00:16:11,471 「お母さんの お迎えが 少しでも 遅くなると→ 256 00:16:11,538 --> 00:16:13,473 お母さんに 捨てられて→ 257 00:16:13,540 --> 00:16:15,475 独りぼっちに なってしまうんじゃ ないかって→ 258 00:16:15,542 --> 00:16:19,479 心配になって 熱を よく 出しました」→ 259 00:16:19,546 --> 00:16:21,481 「迎えに来た お母さんが→ 260 00:16:21,548 --> 00:16:24,484 熱が出た 私を見て 心配してくれると→ 261 00:16:24,551 --> 00:16:27,487 ほっとして 眠りました」→ 262 00:16:27,554 --> 00:16:31,491 「そのときは 不思議なことに もっと 熱が出ました」→ 263 00:16:31,558 --> 00:16:37,497 「でも お母さんが いるから 本当に 安心で 幸せでした」→ 264 00:16:37,564 --> 00:16:39,499 「私が 6歳のころ→ 265 00:16:39,566 --> 00:16:43,503 お母さんが 疲れ過ぎて 倒れてしまいました」 266 00:16:43,570 --> 00:16:47,507 「私は 病室で お母さんの心臓が 動いているか→ 267 00:16:47,574 --> 00:16:51,511 息が止まらないか じっと 見ていました」 268 00:16:51,578 --> 00:16:55,515 「私が 心配 かけたら お母さんが 死んじゃう」 269 00:16:55,582 --> 00:16:59,519 「そう 思ったら 泣けてきました」→ 270 00:16:59,586 --> 00:17:03,523 「神様に 何度も 何度も これからは 熱も出さない」→ 271 00:17:03,590 --> 00:17:06,526 「いい子に なりますから お母さんを 助けてくださいって→ 272 00:17:06,593 --> 00:17:09,529 お願いしました」→ 273 00:17:09,596 --> 00:17:13,533 「そしたら 次の日 お母さんは 元気になり→ 274 00:17:13,600 --> 00:17:18,538 病院を 退院しました。 それから 私は お母さんに→ 275 00:17:18,605 --> 00:17:22,542 つらいことを してほしくないって 言いました」 276 00:17:22,609 --> 00:17:28,481 「3年前 常滑に来て 宮崎工房で お手伝いしてからは→ 277 00:17:28,548 --> 00:17:32,485 順子ちゃんの家で 楽しく 暮らしています」 278 00:17:32,552 --> 00:17:37,490 「私の 残したいものは お母さんとの 記憶」 279 00:17:37,557 --> 00:17:45,498 「出会った人との 記憶。 そして 常滑焼の 招き猫です」→ 280 00:17:45,565 --> 00:17:50,503 「伝えたいものは お母さんと 過ごしている 毎日です」→ 281 00:17:50,570 --> 00:17:53,506 「そのために お母さんには 内緒だけど→ 282 00:17:53,573 --> 00:17:56,509 日記っていうか 記録を 書いています」→ 283 00:17:56,576 --> 00:18:00,513 「その中には お母さんの失敗や→ 284 00:18:00,580 --> 00:18:03,516 お母さんから 怒られて 悲しかったことも ありますが→ 285 00:18:03,583 --> 00:18:06,519 伝えたいです」→ 286 00:18:06,586 --> 00:18:09,522 「本当に お母さん。 ありがとう」→ 287 00:18:09,589 --> 00:18:14,594 「結婚して 子供が できたら その子にも 伝えたいです」 288 00:18:16,596 --> 00:18:21,534 (春子) お聞きいただいて ありがとうございました。 289 00:18:21,601 --> 00:18:26,539 (拍手) 290 00:18:26,606 --> 00:18:28,475 (すみれ) お父さま。 あの お方が→ 291 00:18:28,541 --> 00:18:30,477 春子さんの お母さんなんですのよ。 292 00:18:30,543 --> 00:18:33,480 (剛太郎) そっか。 (すみれ) はい。 293 00:18:33,546 --> 00:18:36,483 (春子) ♪「今日も 1日 元気よく」→ 294 00:18:36,549 --> 00:18:39,486 ♪「何でもかんでも 学びます」 295 00:18:39,552 --> 00:18:42,489 (剛太郎) お嬢さんの作文 すてきでした。 296 00:18:42,555 --> 00:18:44,557 (里子) ありがとうございます。 297 00:18:48,561 --> 00:18:50,563 (里子) 雄介さん? 298 00:18:54,567 --> 00:18:59,506 (剛太郎) 雄介さん? 申し遅れました。 299 00:18:59,572 --> 00:19:01,508 妻の まきと 娘の すみれが→ 300 00:19:01,574 --> 00:19:06,513 お世話になっております。 私 枝川 剛太郎と 申します。 301 00:19:06,579 --> 00:19:11,518 (まき)《剛太郎さん。 私と出会う 直前に→ 302 00:19:11,584 --> 00:19:17,524 事故に遭って 記憶喪失に》 (里子)《記憶喪失!?》 303 00:19:17,590 --> 00:19:20,527 (まき)《10年前の事故で→ 304 00:19:20,593 --> 00:19:25,532 それより前の記憶が 全て 失われてしまったんです》 305 00:19:25,598 --> 00:19:29,469 (里子)《10年前に 記憶を 失ってしまったと いうことは→ 306 00:19:29,536 --> 00:19:34,541 生まれてから そのときまでの 記憶が ないってことですか?》 307 00:19:39,546 --> 00:19:42,482 (すみれ) お父さま。 これ 皆さんと 作ったんですのよ。 308 00:19:42,549 --> 00:19:44,551 (剛太郎) そっか。 309 00:19:44,551 --> 00:19:55,562 ♪~ 310 00:19:55,562 --> 00:19:59,499 (雄介)《私 石原 雄介は→ 311 00:19:59,566 --> 00:20:02,502 遠藤 里子さんに 一目ぼれしました》 312 00:20:02,569 --> 00:20:06,573 (里子)《正直で よろしい》 (雄介)《ちょっ ちょっ…。 何で 何で…》 313 00:20:14,581 --> 00:20:16,583 (雄介)《いい子だね》 314 00:20:21,588 --> 00:20:24,524 (里子)《順子が 男に殴られて 動かなくなっちゃったって》 315 00:20:24,591 --> 00:20:26,526 (雄介)《えっ!?》 316 00:20:26,593 --> 00:20:28,461 (里子)《春子。 お願いします》 (雄介)《ああ》 317 00:20:28,528 --> 00:20:35,535 《もし 何かあったら 必ず 連絡して。 約束だよ》 318 00:20:41,541 --> 00:20:43,476 (隊員)《ちょっと》 319 00:20:43,543 --> 00:20:45,478 \(地響き) 320 00:20:45,545 --> 00:20:47,547 \《濁流 発生!》 321 00:20:51,551 --> 00:20:55,488 (里子)《雄介さん? 春子!》 322 00:20:55,555 --> 00:20:58,491 (隊員)《死ぬつもりですか?》 (里子)《行かしてください!》 323 00:20:58,558 --> 00:21:00,560 (隊員)《何 やってんだ!》 324 00:21:03,563 --> 00:21:09,502 (里子) 生きてたんだ? よかった。 生きてたんだ…。 325 00:21:09,569 --> 00:21:11,504 (剛太郎) どうかなさったんですか? 326 00:21:11,571 --> 00:21:13,573 (里子) おかえり。 327 00:21:13,573 --> 00:21:24,584 ♪~ 328 00:21:24,584 --> 00:21:28,454 (剛太郎) お嬢さんの作文 素晴らしかったですもんね。 329 00:21:28,521 --> 00:21:30,456 泣くのも 無理は ありません。 330 00:21:30,523 --> 00:21:32,458 (里子) はい。 331 00:21:32,525 --> 00:21:37,463 (剛太郎) それにしても 春子ちゃん。 かわいらしい お嬢さんだ。 332 00:21:37,530 --> 00:21:45,471 (里子) ありがとうございます。 ホントに よかった。 333 00:21:45,538 --> 00:21:47,540 (剛太郎) ホントに よかったですね。 334 00:21:49,542 --> 00:21:53,546 (里子) ホントに よかった。 ホントに…。 335 00:21:56,549 --> 00:21:59,485 (里子) 生きていたんだ。 336 00:21:59,552 --> 00:22:02,555 ありがとうございます。