1 00:00:01,335 --> 00:00:03,270 (剛太郎) 妻の まきと 娘の すみれが→ 2 00:00:03,337 --> 00:00:08,275 お世話になっております。 私 枝川 剛太郎と 申します。 3 00:00:08,342 --> 00:00:11,278 (順子) 10年前に 死んだ人が 生きてたって どういうことよ? 4 00:00:11,345 --> 00:00:16,283 (里子) つらいよ 順子。 つら過ぎるよ。 5 00:00:16,350 --> 00:00:24,291 (里子) ♪「おお 牧場は みどり 草の海 風が吹く」→ 6 00:00:24,358 --> 00:00:32,299 ♪「おお 牧場は みどり よく しげったものだ ホイ」 7 00:00:32,366 --> 00:00:35,302 (春子) あっ!→ 8 00:00:35,369 --> 00:00:39,306 お母さん。 今日も 元気だね。 9 00:00:39,373 --> 00:00:42,309 (里子) 今日は お天気が 気持ちいいから→ 10 00:00:42,376 --> 00:00:44,311 シーツ お洗濯したいから 早く 起きて。 11 00:00:44,378 --> 00:00:47,381 (春子) 分かった…。 12 00:01:18,345 --> 00:01:21,282 {\an8}(春子) 順子ちゃん。 今日は 早いんだね。 13 00:01:21,348 --> 00:01:24,285 {\an8}(順子) おはよう。 たまには 早く 起きて→ 14 00:01:24,351 --> 00:01:28,289 {\an8}朝食 作ってみようと思ってね。 (春子) ふーん。→ 15 00:01:28,355 --> 00:01:30,357 {\an8}偉いね。 順子ちゃん。 16 00:01:33,360 --> 00:01:35,296 {\an8}(春子) 何 焼いてんの? (順子) うん?→ 17 00:01:35,362 --> 00:01:39,300 {\an8}イワシの目刺し 焼いてるの。 これ おいしいんだよ。→ 18 00:01:39,366 --> 00:01:41,302 {\an8}もうすぐ できるから 春子ちゃん 着替えておいで。 19 00:01:41,368 --> 00:01:43,370 {\an8}(春子) うん。 20 00:01:48,375 --> 00:01:50,311 {\an8}(大造) うん? 今日は 照 一人かね? 21 00:01:50,377 --> 00:01:52,313 {\an8}住み込みの 佐藤さんは どうした? 22 00:01:52,379 --> 00:01:57,251 {\an8}(照) お父さまが 入院されたそうで お暇を 差し上げました。 23 00:01:57,318 --> 00:01:59,253 {\an8}(大造) そうか。 それじゃ 代わりの→ 24 00:01:59,320 --> 00:02:02,256 {\an8}身元の しっかりした人を 至急 探してくれ。 25 00:02:02,323 --> 00:02:04,258 {\an8}(照) はい。 26 00:02:04,325 --> 00:02:06,260 {\an8}(剛太郎) そうだ。 すみれ。 (すみれ) はい。 27 00:02:06,327 --> 00:02:09,263 {\an8}(剛太郎) 作文。 読ませて いただきました。 28 00:02:09,330 --> 00:02:11,265 {\an8}(すみれ) どうでしたか? お父さま。 29 00:02:11,332 --> 00:02:13,267 {\an8}(剛太郎) すみれは お母さまの おなかに いたときから→ 30 00:02:13,334 --> 00:02:15,269 {\an8}おとなしくて いい子だったんですね。 31 00:02:15,336 --> 00:02:19,273 {\an8}(すみれ) はい。 お母さまから そう お聞きしました。→ 32 00:02:19,340 --> 00:02:23,277 {\an8}すみれが お母さまの おなかの中にいたときの 記憶は→ 33 00:02:23,344 --> 00:02:25,279 {\an8}もちろん ありませんが→ 34 00:02:25,346 --> 00:02:28,282 {\an8}お母さまの おなかの中で 暴れたりしなくて→ 35 00:02:28,349 --> 00:02:30,284 {\an8}よかったと 思います。 36 00:02:30,351 --> 00:02:35,289 {\an8}(大造) ああ。 話は違うが。 みんなも 聞いたとおり→ 37 00:02:35,356 --> 00:02:38,292 {\an8}佐藤さんが 休暇を 取ることになったので→ 38 00:02:38,359 --> 00:02:41,295 至急 新しい人を 手配しようと 思ってるんだが→ 39 00:02:41,362 --> 00:02:46,300 その間 照の仕事が 増える。 みんな 協力してくれ。 40 00:02:46,367 --> 00:02:48,302 (剛太郎) はい。 (大造) それと→ 41 00:02:48,369 --> 00:02:53,307 まきの 家元 就任を 記念して ひな祭りの茶会を→ 42 00:02:53,374 --> 00:02:58,245 盛大に 行うと 告知している。→ 43 00:02:58,312 --> 00:03:00,247 照にも 準備を任せている。→ 44 00:03:00,314 --> 00:03:03,250 みんなには 少し 迷惑を掛けると 思うが→ 45 00:03:03,317 --> 00:03:08,255 うちのことは お互い 助け合って 行うように してほしい。 46 00:03:08,322 --> 00:03:10,324 (すみれ・剛太郎) はい。 47 00:03:15,329 --> 00:03:18,265 (春子) うん? この目刺し おいしい! 48 00:03:18,332 --> 00:03:20,267 (順子) でしょう? (春子) うん。 49 00:03:20,334 --> 00:03:22,269 (里子) この お味噌汁も おいしい。→ 50 00:03:22,336 --> 00:03:25,272 順子。 腕 上げたんじゃないの? 51 00:03:25,339 --> 00:03:28,275 (順子) この前 本屋 行って お味噌汁の おいしい作り方を→ 52 00:03:28,342 --> 00:03:31,278 研究したんだ。 でも こんなに 喜んでもらえると→ 53 00:03:31,345 --> 00:03:34,281 立ち読みした かい あったな。 54 00:03:34,348 --> 00:03:36,283 (春子) こうやって みんなで 朝食 食べると→ 55 00:03:36,350 --> 00:03:38,285 いつもより おいしいね。 (順子) うん。 おいしいね。 56 00:03:38,352 --> 00:03:40,287 (春子) うん。 (里子) 陶芸学校→ 57 00:03:40,354 --> 00:03:42,289 みんな 喜んでもらって よかったね。 春子。 58 00:03:42,356 --> 00:03:45,292 (春子) うん。 来週は いよいよ 絵付けだ! 59 00:03:45,359 --> 00:03:49,296 (順子) でも 宮崎先生 スランプと 闘いながら→ 60 00:03:49,363 --> 00:03:52,299 陶芸学校も 面倒 見るなんて 大変じゃない? 61 00:03:52,366 --> 00:03:55,302 (里子) そうね。 (春子) でも 宮崎先生→ 62 00:03:55,369 --> 00:03:58,238 私には 楽しいって 言ってたよ。→ 63 00:03:58,305 --> 00:04:01,241 自分が スランプだってこと 忘れられるって。 64 00:04:01,308 --> 00:04:05,245 (里子) そう。 春子に そんなこと おっしゃってたの? 65 00:04:05,312 --> 00:04:08,315 (春子) うん。 (里子) ふーん。 66 00:04:12,319 --> 00:04:14,254 (九兵衛) うん?→ 67 00:04:14,321 --> 00:04:20,260 おい。 いつの間にか 朝になってしまったようだな。 68 00:04:20,327 --> 00:04:23,263 (宮崎) ホントですね。 69 00:04:23,330 --> 00:04:26,266 (九兵衛) うに飯の 残りで 朝飯にしよう。→ 70 00:04:26,333 --> 00:04:30,270 それを 食べたら わしは 一度 ホテルに戻って 休む。→ 71 00:04:30,337 --> 00:04:34,274 さすがに 体に こたえてきた。 72 00:04:34,341 --> 00:04:36,276 (宮崎) はい。 73 00:04:36,343 --> 00:04:40,281 (順子) 里子姉ちゃん。 寝てないんでしょ? 大丈夫? 74 00:04:40,347 --> 00:04:43,283 (里子) 順子だって 寝てないんでしょ? 75 00:04:43,350 --> 00:04:45,285 (順子) 私は 徹夜は いつものことだから→ 76 00:04:45,352 --> 00:04:49,289 何ともないよ。 (里子) ありがと。 順子。 77 00:04:49,356 --> 00:04:59,233 (春子) ♪「おお 牧場は みどり よく しげったものだ ホイ」→ 78 00:04:59,299 --> 00:05:04,238 お母さん。 準備 OKだよ。 (里子) お母さんも 準備 OKだよ。 79 00:05:04,305 --> 00:05:06,240 (春子) それじゃ 順子ちゃん。 いってきます! 80 00:05:06,306 --> 00:05:09,243 (順子) いってらっしゃい。 (里子) それじゃ いってきます。 81 00:05:09,309 --> 00:05:12,312 (順子) いってらっしゃい。 (春子) お母さん。 早く。 82 00:05:15,315 --> 00:05:17,317 \(ドアの閉まる音) 83 00:05:21,321 --> 00:05:26,260 (宮崎) 先生。 ホントに ありがとうございます。 84 00:05:26,326 --> 00:05:31,265 (九兵衛) 何を言う。 師匠として 当然のことを してるまでだ。 85 00:05:31,331 --> 00:05:35,269 (宮崎) でも 私には 何が必要なのか→ 86 00:05:35,335 --> 00:05:38,272 ますます 分からなくなってきます。→ 87 00:05:38,338 --> 00:05:41,275 ホントに すいません。 88 00:05:41,341 --> 00:05:44,278 (九兵衛) わしに 謝ることでは なかろう。 うん? 89 00:05:44,344 --> 00:05:48,282 (九兵衛) おお。 ところで お前さん→ 90 00:05:48,348 --> 00:05:52,286 近ごろ 本当に 楽しいと 思ったことは 何だ? 91 00:05:52,353 --> 00:05:56,290 (宮崎) そうですね。 あっ。 この工房に→ 92 00:05:56,356 --> 00:05:58,225 遠藤 里子さんと 春子ちゃんという→ 93 00:05:58,292 --> 00:06:00,227 親子に 手伝いに 来てもらっとるんですが→ 94 00:06:00,294 --> 00:06:03,230 その人たちと いることが 楽しい時間です。 95 00:06:03,297 --> 00:06:07,234 おお。 そうか。 (宮崎) この前 陶芸家の道を→ 96 00:06:07,301 --> 00:06:09,236 このまま 続けるか どうか 迷っていたとき→ 97 00:06:09,303 --> 00:06:12,239 窯たきに 成功したら 結婚してくださいと→ 98 00:06:12,306 --> 00:06:14,241 プロポーズ したんです。 99 00:06:14,308 --> 00:06:18,245 ですが 里子さんの重荷になるのが 怖くて→ 100 00:06:18,312 --> 00:06:21,315 プロポーズは 撤回しました。 101 00:06:23,317 --> 00:06:30,257 その 里子さんと 結婚することと 陶芸の道。 102 00:06:30,324 --> 00:06:33,260 お前さんは どっちを 選ぶんだ? 103 00:06:33,327 --> 00:06:36,263 究極の選択。 104 00:06:36,330 --> 00:06:41,268 それぐらい 自分を 追い込んでみることも→ 105 00:06:41,335 --> 00:06:44,338 必要なのではないか? 106 00:06:48,342 --> 00:06:52,346 (板谷) ただ今 参りますので そちらで お待ちください。 107 00:06:55,349 --> 00:06:57,217 (順子) 相田と 申します。→ 108 00:06:57,284 --> 00:07:00,220 お約束を させていただいて いないので 恐縮なんですが→ 109 00:07:00,287 --> 00:07:04,224 枝川 剛太郎さんか まきさんに 面会を お願いします。 110 00:07:04,291 --> 00:07:07,227 (板谷) どちらの 相田さんで いらっしゃいますか? 111 00:07:07,294 --> 00:07:10,230 宮崎工房の関係の 相田と お伝えください。 112 00:07:10,297 --> 00:07:12,299 (板谷) 少々 お待ちください。 113 00:07:14,301 --> 00:07:16,236 (里子) おはようございます! (春子) おはようございます! 114 00:07:16,303 --> 00:07:18,238 (宮崎) おはようございます。 (春子) あっ。 115 00:07:18,305 --> 00:07:20,240 (里子) おはようございます。 (春子) おはようございます。 116 00:07:20,307 --> 00:07:24,244 (宮崎) 里子さん。 こちら 萩時代に 私が 修業で お世話になった→ 117 00:07:24,311 --> 00:07:27,247 藤村 九兵衛先生です。→ 118 00:07:27,314 --> 00:07:31,251 先生。 こちらが 遠藤 里子さんと 娘の 春子ちゃんです。 119 00:07:31,318 --> 00:07:35,255 (里子) 初めまして。 こちらで 働かせていただいてる→ 120 00:07:35,322 --> 00:07:39,259 遠藤 里子と 申します。 (春子) 娘の 春子です。 121 00:07:39,326 --> 00:07:44,264 ああ。 あなたが 里子さんですか。 122 00:07:44,331 --> 00:07:48,268 宮崎から あなたの お話は お聞きしています。 123 00:07:48,335 --> 00:07:50,270 (里子) 私の話ですか? (九兵衛) はい。 124 00:07:50,337 --> 00:07:57,211 いや。 今日は 疲れた。 ここで 失礼するよ。→ 125 00:07:57,277 --> 00:07:59,213 はい。 ああ。 ごめんなさい。→ 126 00:07:59,279 --> 00:08:03,283 また お会いしましょう。 (里子) はい。 127 00:08:10,624 --> 00:08:12,626 \(ノック) (剛太郎) はい。 どうぞ。 128 00:08:12,693 --> 00:08:17,698 \(ドアの開閉音) 129 00:08:19,466 --> 00:08:22,402 (剛太郎) 初めまして。 枝川 剛太郎です。 130 00:08:22,469 --> 00:08:24,404 (順子) 相田 順子と 申します。 (剛太郎) そちらへ どうぞ。 131 00:08:24,471 --> 00:08:27,407 (順子) はい。 132 00:08:27,474 --> 00:08:29,409 (剛太郎) 宮崎工房さんの ご関係の方だとか?→ 133 00:08:29,476 --> 00:08:32,412 どういった ご用件でしょうか? 134 00:08:32,479 --> 00:08:36,416 (順子) 実は 宮崎工房の 関係というのは 嘘なんです。 135 00:08:36,483 --> 00:08:39,419 (剛太郎) 嘘? (順子) 正確に 言うと→ 136 00:08:39,486 --> 00:08:43,423 宮崎工房に 勤めている 遠藤 里子の 友人なんです。 137 00:08:43,490 --> 00:08:45,425 (剛太郎) それなら そう お伝えいただければ→ 138 00:08:45,492 --> 00:08:48,428 よかったのに。 >> でも そう 言っただけでは→ 139 00:08:48,495 --> 00:08:50,430 追い返されてしまうんでは ないかと 思って。 140 00:08:50,497 --> 00:08:53,433 こんな 立派な 枝川流の 本部を見て→ 141 00:08:53,500 --> 00:08:57,371 おじけづいてしまって とっさに 嘘を ついてしまいました。 142 00:08:57,437 --> 00:09:00,374 すみません。 (剛太郎) いえ。 謝る必要 ありません。 143 00:09:00,440 --> 00:09:02,376 相田さんの お気持ちは よく 分かります。 144 00:09:02,442 --> 00:09:07,381 それで どういった ご用件で お越しに なられたんでしょうか? 145 00:09:07,447 --> 00:09:10,384 >> 実は…。 (剛太郎) はい。 146 00:09:10,450 --> 00:09:12,386 実は 昨日 里子姉ちゃんから→ 147 00:09:12,452 --> 00:09:15,389 10年前に 死んだはずの ご主人に 見間違えるほど→ 148 00:09:15,455 --> 00:09:17,391 そっくりな人に 会ったって 聞いたので→ 149 00:09:17,457 --> 00:09:20,460 会いたくなって 来てしまいました。 150 00:09:23,463 --> 00:09:25,465 (里子)《雄介さん?》 151 00:09:28,468 --> 00:09:30,470 (剛太郎)《雄介さん?》 152 00:09:32,472 --> 00:09:34,408 遠藤さんの ご主人の名前→ 153 00:09:34,474 --> 00:09:37,411 もしかして 雄介さんって おっしゃいますか? 154 00:09:37,477 --> 00:09:40,414 (順子) はい。 でも どうして それを? 155 00:09:40,480 --> 00:09:42,416 (剛太郎) 昨日 初めて お会いしたときに→ 156 00:09:42,482 --> 00:09:44,418 確かに その名前で 呼ばれたものですから→ 157 00:09:44,484 --> 00:09:47,421 人違いされてるなと 思って。 >> そうだったんですか。 158 00:09:47,487 --> 00:09:52,426 (剛太郎) 私と 遠藤さんの ご主人は そんなに 似てらっしゃいますか? 159 00:09:52,492 --> 00:09:58,365 実は 私も 会ったことがなくて ホントは よく 分からないんです。 160 00:09:58,432 --> 00:10:01,368 (剛太郎) ああ。 そうですか。 161 00:10:01,435 --> 00:10:04,371 それじゃ 私と 会ったところで 確かめようが ありませんね。 162 00:10:04,438 --> 00:10:07,374 まあ それは そうなんですけど…。 163 00:10:07,441 --> 00:10:12,379 (剛太郎) 分かりました。 相田さんは 私が 記憶喪失だと→ 164 00:10:12,446 --> 00:10:15,382 遠藤さんに お聞きになって ホントに 記憶喪失か どうか→ 165 00:10:15,449 --> 00:10:19,386 確かめに いらしたんじゃ ないですか? 166 00:10:19,453 --> 00:10:23,390 図星ではないですか? >> はい。 167 00:10:23,457 --> 00:10:25,392 (剛太郎) やはり そうでしたか。 168 00:10:25,459 --> 00:10:30,397 でも 10年前 以前の 記憶が ないというのは 事実です。 169 00:10:30,464 --> 00:10:34,401 この 10年。 いつ 記憶が 戻ってくるか 待ってたんですが→ 170 00:10:34,468 --> 00:10:38,405 今では もう 戻らないものと 諦めています。 171 00:10:38,472 --> 00:10:41,408 >> そうですか。 (剛太郎) この 日本には→ 172 00:10:41,475 --> 00:10:44,411 私が生きていた 手掛かりが ほとんど ないんです。 173 00:10:44,478 --> 00:10:47,414 それは どういうことですか? 174 00:10:47,481 --> 00:10:52,419 (剛太郎) 私は 高校を卒業した後 家族と共に アメリカに行き→ 175 00:10:52,486 --> 00:10:54,421 そこで 暮らしていたんです。 176 00:10:54,488 --> 00:10:58,358 前に 高校時代の友人を 探してみたんですが→ 177 00:10:58,425 --> 00:11:01,361 まったく 手掛かりが つかめなくて…。 178 00:11:01,428 --> 00:11:04,364 大学時代の友人には 連絡が 取れたんですけど→ 179 00:11:04,431 --> 00:11:08,368 記憶喪失と同時に 英語の能力も 失ってしまったみたいで→ 180 00:11:08,435 --> 00:11:13,373 まったく 流ちょうに 話せなくて 逆に 怪しまれてしまいました。 181 00:11:13,440 --> 00:11:15,375 そうなんですか。 182 00:11:15,442 --> 00:11:19,379 (剛太郎) 遠藤さんの ご主人と 私が 似ていると おっしゃられても→ 183 00:11:19,446 --> 00:11:22,382 遠藤さんと ご主人が 結婚されたころ→ 184 00:11:22,449 --> 00:11:26,386 私 アメリカに おりましたので 間違うにも 接点が ありません。 185 00:11:26,453 --> 00:11:32,392 他人の空似では ないでしょうか? >> そうですね。 186 00:11:32,459 --> 00:11:34,394 (剛太郎) そういえば 相田さん。 先ほど→ 187 00:11:34,461 --> 00:11:36,396 里子姉ちゃんと 呼んでらっしゃいましたが→ 188 00:11:36,463 --> 00:11:39,399 お二人の ご関係は? >> あっ。 189 00:11:39,466 --> 00:11:42,402 小さいころから 姉妹のようにして 育ったので→ 190 00:11:42,469 --> 00:11:44,404 つい うっかり そう 呼んでしまいました。 191 00:11:44,471 --> 00:11:46,406 すみません。 (剛太郎) そうでしたか。 192 00:11:46,473 --> 00:11:49,409 それにしても 相田さんは お友達思いなんですね。 193 00:11:49,476 --> 00:11:51,411 ええ。 まあ…。 194 00:11:51,478 --> 00:11:57,350 (剛太郎) これで ご用件の方は お済みに なりますでしょうか? 195 00:11:57,417 --> 00:11:59,352 はい。 196 00:11:59,419 --> 00:12:01,354 \(ノック) \(千葉) 千葉です。 197 00:12:01,421 --> 00:12:04,357 (剛太郎) 入りなさい。 198 00:12:04,424 --> 00:12:06,359 (千葉) ご来客中に 申し訳ありません。→ 199 00:12:06,426 --> 00:12:08,361 そろそろ お時間ですので ロビーで お待ちしております。 200 00:12:08,428 --> 00:12:10,430 (剛太郎) 分かった。 すぐ 行く。 201 00:12:13,433 --> 00:12:15,368 (剛太郎) 次の予定が ありますので→ 202 00:12:15,435 --> 00:12:17,370 すいませんが これで よろしいでしょうか? 203 00:12:17,437 --> 00:12:21,374 (順子) はい。 突然 失礼いたしました。 204 00:12:21,441 --> 00:12:23,443 申し訳ありませんでした。 205 00:12:27,447 --> 00:12:31,384 枝川さん。 もう一つだけ お伺いしても いいですか? 206 00:12:31,451 --> 00:12:33,386 (剛太郎) はい。 何か? 207 00:12:33,453 --> 00:12:36,389 枝川さんが さっき 私に 話してくださった→ 208 00:12:36,456 --> 00:12:39,392 記憶が なかったころの話って→ 209 00:12:39,459 --> 00:12:41,394 どうして 私に お話しできたんですか? 210 00:12:41,461 --> 00:12:43,396 (剛太郎) どういうことでしょうか? 211 00:12:43,463 --> 00:12:47,400 簡単に言うと 誰から 聞いたんですか? 212 00:12:47,467 --> 00:12:51,404 (剛太郎) 義理の父の 枝川 大造です。 >> 枝川 大造さん? 213 00:12:51,471 --> 00:12:56,409 (剛太郎) この 枝川流の 十七代目 家元です。 214 00:12:56,476 --> 00:12:58,345 そうですか。 215 00:12:58,411 --> 00:13:02,349 それじゃ 嘘なんか つく人じゃ ありませんもんね。 216 00:13:02,415 --> 00:13:06,419 重ね重ね 本当に 失礼いたしました。 217 00:13:10,423 --> 00:13:12,425 \(ドアの閉まる音) 218 00:13:12,425 --> 00:13:29,442 ♪~ 219 00:13:32,445 --> 00:13:36,383 (照) おいしく 頂戴いたしました。→ 220 00:13:36,449 --> 00:13:41,388 山頭火のような 放浪の旅に→ 221 00:13:41,454 --> 00:13:44,391 お出になる 準備は なさっておいでですか? 222 00:13:44,457 --> 00:13:46,393 (大造) ああ。 223 00:13:46,459 --> 00:13:48,395 (照) そのときは 私も→ 224 00:13:48,461 --> 00:13:52,399 お供させて いただきたいと 存じます。 225 00:13:52,465 --> 00:13:57,337 (大造) そうだな。 でも やはり その旅は→ 226 00:13:57,404 --> 00:14:01,341 ただ一人 孤独と 闘いながら→ 227 00:14:01,408 --> 00:14:07,347 人生の境地を 極みまで 見詰める旅に しようと思う。→ 228 00:14:07,414 --> 00:14:12,352 照にも 一緒に 来てほしいが やめておこう。→ 229 00:14:12,419 --> 00:14:19,359 その代わり 枝川家と 枝川流を 頼みたい。 230 00:14:19,426 --> 00:14:21,361 (照) はい。 231 00:14:21,428 --> 00:14:27,367 (大造) 昨日の 夕げのときの まきの涙には 心が痛んだ。 232 00:14:27,434 --> 00:14:31,371 (照) まきさまが すみれ お嬢さまに→ 233 00:14:31,438 --> 00:14:34,374 本当の母親だと 思わせていることが→ 234 00:14:34,441 --> 00:14:38,378 おつらいという 涙ですね? (大造) ああ。 235 00:14:38,445 --> 00:14:44,384 (照) まきさまは お強い方です。 十八代目を 就任されて→ 236 00:14:44,451 --> 00:14:47,387 全てを 背負う覚悟を なさっておいでです。 237 00:14:47,454 --> 00:14:52,392 そうだな。 でも 山頭火の旅は→ 238 00:14:52,459 --> 00:14:58,331 もう少し まきたちを 見守ってから 旅立とうと思う。 239 00:14:58,398 --> 00:15:02,335 せめて まきが すみれの件で→ 240 00:15:02,402 --> 00:15:06,339 涙を 流すことが なくなる日まで→ 241 00:15:06,406 --> 00:15:10,343 待つことにしようと 思う。→ 242 00:15:10,410 --> 00:15:14,347 照。 一つ 聞いても いいか? (照) 何なりと。 243 00:15:14,414 --> 00:15:21,354 (大造) 子供を欲しいと 思ったことは ないか? 244 00:15:21,421 --> 00:15:23,356 (照) もちろん ございます。 245 00:15:23,423 --> 00:15:28,361 (大造) あのころか? (照) はい。 246 00:15:28,428 --> 00:15:37,370 一生を 私と 枝川流に 捧げて 後悔しては いないか? 247 00:15:37,437 --> 00:15:42,375 何を おっしゃいます。 私は 幸せでございます。 248 00:15:42,442 --> 00:15:47,380 照にも 旅立つまでには→ 249 00:15:47,447 --> 00:15:52,385 できるだけのことは 考えたいと 思っている。 250 00:15:52,452 --> 00:15:55,455 身に余る 光栄でございます。 251 00:16:00,627 --> 00:16:04,564 \(ノック) \(まき) まきです。 入ります。 252 00:16:04,631 --> 00:16:07,634 (剛太郎) どうぞ。 \(ドアの開く音) 253 00:16:12,639 --> 00:16:14,574 (加代) 剛太郎さま。 254 00:16:14,641 --> 00:16:17,644 今日は お願いがあって 参りましたの。 255 00:16:19,646 --> 00:16:23,583 (春子) やっぱり 空揚げは いつも おいしい。 256 00:16:23,650 --> 00:16:25,585 ☏ (春子) 私が 出るよ。 257 00:16:25,652 --> 00:16:28,588 (里子) うん。 258 00:16:28,655 --> 00:16:31,591 (春子) はい。 宮崎工房でございます。 259 00:16:31,658 --> 00:16:34,594 (春子) ああ。 すみれちゃんの お父さん?→ 260 00:16:34,661 --> 00:16:38,598 どうしたんですか? はい。 はい。 261 00:16:38,665 --> 00:16:40,600 それは よかったです! 262 00:16:40,667 --> 00:16:43,603 お買い上げ 毎度 ありがとうございます。→ 263 00:16:43,670 --> 00:16:48,608 それで…。 今すぐですか?→ 264 00:16:48,675 --> 00:16:53,613 分かりました。 できるだけ 早く お届けに 参ります。→ 265 00:16:53,680 --> 00:16:58,618 枝川流から 招き猫の注文です。 今すぐ 欲しいって。 266 00:16:58,685 --> 00:17:00,620 (宮崎) 今すぐって また 100個じゃないよね? 267 00:17:00,687 --> 00:17:03,623 (春子) フフッ。 お送りした人が 気に入ったから→ 268 00:17:03,690 --> 00:17:07,627 個人的に 10個 欲しいって。 (宮崎) ハァー。 10個か。 269 00:17:07,694 --> 00:17:10,630 よかった。 10個だったら 在庫があるよ。 それで? 270 00:17:10,697 --> 00:17:12,632 「その人が 取りに来るから→ 271 00:17:12,699 --> 00:17:15,635 枝川会館 受付に 持ってきてほしい」って。→ 272 00:17:15,702 --> 00:17:18,638 「お金も 受付に 用意しておきます」だって。 273 00:17:18,705 --> 00:17:21,641 (宮崎) はい。 (春子) お母さん。 今すぐ 行こう。 274 00:17:21,708 --> 00:17:24,644 (春子) お母さん? 聞いてるの? 275 00:17:24,711 --> 00:17:27,647 (里子) 分かったわ。 行きましょう。 (春子) うん。 276 00:17:30,650 --> 00:17:32,585 (大造) 剛太郎君。 (剛太郎) はい。 277 00:17:32,652 --> 00:17:35,588 (大造) ああ。→ 278 00:17:35,655 --> 00:17:39,592 私と 一緒に 枝川家に 来てほしい。→ 279 00:17:39,659 --> 00:17:42,595 九兵衛先生が 突然 おみえに なられたそうなんだ。 280 00:17:42,662 --> 00:17:44,597 (剛太郎) 人間国宝の 九兵衛先生がですか? 281 00:17:44,664 --> 00:17:47,600 (大造) うん。 事情を 分かっている者が 不在で→ 282 00:17:47,667 --> 00:17:51,604 失礼を してしまったらしい。 照には 先に 行ってもらった。 283 00:17:51,671 --> 00:17:53,606 私たちも これから うちに 行って→ 284 00:17:53,673 --> 00:17:56,676 先生に 非礼を わびるとしよう。 (剛太郎) はい。 285 00:18:01,681 --> 00:18:05,618 (里子) 宮崎工房の者ですが 招き猫を お届けに参りました。 286 00:18:05,685 --> 00:18:07,620 (板谷) 承っております。 恐れ入りますが→ 287 00:18:07,687 --> 00:18:10,623 5階の 理事長室に お持ちいただけますか? 288 00:18:10,690 --> 00:18:12,625 (里子) お電話では 受付に→ 289 00:18:12,692 --> 00:18:14,627 お持ちするようにとの ことでしたが。 290 00:18:14,694 --> 00:18:17,630 (板谷) お客さまが 早めに着いて 理事長室で お待ちなので→ 291 00:18:17,697 --> 00:18:20,633 申し訳ありませんが。 (里子) 分かりました。 292 00:18:20,700 --> 00:18:23,703 それじゃ 行こう。 春子。 (春子) うん。 293 00:18:26,706 --> 00:18:29,576 (春子) エレベーター 使わないの? 294 00:18:29,642 --> 00:18:32,579 (里子) お母さん 狭いところが 苦手なの。 295 00:18:32,645 --> 00:18:36,583 もし エレベーターになんか 乗って 止まりでもしたら→ 296 00:18:36,649 --> 00:18:41,588 お母さん 窒息死しちゃうかも。 だから 階段で 行きましょう。 297 00:18:41,654 --> 00:18:43,590 招き猫 持って 5階まで 階段? 298 00:18:43,656 --> 00:18:46,593 \(エレベーターの到着音) (春子) お母さん! 待って! 299 00:18:46,659 --> 00:18:49,662 (里子)\早く! \(春子)もう。 ひどい! 300 00:18:56,669 --> 00:19:00,607 (九兵衛)《この 工房の中には 陶芸家に 必要な→ 301 00:19:00,673 --> 00:19:09,682 魂 気迫 そして 自信が 感じられん》 302 00:19:14,687 --> 00:19:20,627 《その 里子さんと 結婚することと 陶芸の道》 303 00:19:20,693 --> 00:19:24,631 《お前さんは どっちを 選ぶんだ?》→ 304 00:19:24,697 --> 00:19:26,633 《究極の選択》→ 305 00:19:26,699 --> 00:19:29,569 《それぐらい 自分を 追い込んでみることも→ 306 00:19:29,636 --> 00:19:32,639 必要なのではないか?》 307 00:19:39,646 --> 00:19:41,581 (春子) お母さん。→ 308 00:19:41,648 --> 00:19:44,584 エレベーターで 来れば よかったなんて 思ってない? 309 00:19:44,651 --> 00:19:49,589 (里子) いいの。 大丈夫。 ハァ…。 (春子) 待って。 310 00:19:49,656 --> 00:19:52,592 (里子) ああ…。 (春子) ハァー。→ 311 00:19:52,659 --> 00:19:54,594 私 やるからね。 312 00:19:54,661 --> 00:19:58,665 \(まき) どうぞ。 お入りになってください。 313 00:20:00,667 --> 00:20:05,605 (里子) あっ。 招き猫 お届けに参りました。 314 00:20:05,672 --> 00:20:07,607 (まき) 急なことで すいませんでした。 315 00:20:07,674 --> 00:20:09,609 (里子) まきさん。 316 00:20:09,676 --> 00:20:11,611 (まき) テーブルの上に 置いてください。 317 00:20:11,678 --> 00:20:14,614 (里子) はい。 (加代) 私が 頂くわ。 318 00:20:14,681 --> 00:20:17,617 (里子) あっ。 はい。 (加代) ありがとう。 319 00:20:17,684 --> 00:20:19,686 (割れる音) 320 00:20:24,691 --> 00:20:27,560 (里子) えっ? 321 00:20:27,627 --> 00:20:29,629 ああ…。 322 00:20:31,631 --> 00:20:33,566 (春子) ああ…。 (里子) ああ! 323 00:20:33,633 --> 00:20:36,569 私じゃないわよ? 324 00:20:36,636 --> 00:20:41,641 (里子) すいません。 すぐに 代わりのものを 持ってきます。 325 00:20:43,643 --> 00:20:45,645 (加代) そうしてちょうだい。 326 00:20:49,649 --> 00:20:52,585 (里子) 春子を 預かっていただいても よろしいですか? 327 00:20:52,652 --> 00:20:55,588 (春子) えっ? 私も お母さんと 行くよ。 328 00:20:55,655 --> 00:21:00,593 (里子) 急ぐの。 だから 春子は ここで 待ってて。 お願い。 329 00:21:00,660 --> 00:21:02,595 (春子) 分かった。 330 00:21:02,662 --> 00:21:04,597 (里子) 1時間半ほど お待ちください。 331 00:21:04,664 --> 00:21:07,600 すぐに 持ってきます。 332 00:21:07,667 --> 00:21:11,671 \(ドアの開閉音) 333 00:21:19,679 --> 00:21:23,616 (照) ああ。 九兵衛先生は 私が 到着したときには→ 334 00:21:23,683 --> 00:21:25,618 もう 怒って 帰られた後でした。 335 00:21:25,685 --> 00:21:28,621 そうか。 336 00:21:32,625 --> 00:21:35,561 (大造) 九兵衛先生には 何らかの方法で→ 337 00:21:35,628 --> 00:21:37,563 あらためて 非礼を わびるとしよう。 338 00:21:37,630 --> 00:21:39,565 (剛太郎) はい。 (大造) 今 照が→ 339 00:21:39,632 --> 00:21:41,567 昼食を 用意してくれているので→ 340 00:21:41,634 --> 00:21:44,570 それを 食べてから 会館に 戻ろうじゃないか。 341 00:21:44,637 --> 00:21:49,575 (剛太郎) はい。 (大造) 座らないのか? 342 00:21:49,642 --> 00:21:51,577 (剛太郎) 家元。 (大造) うん? 343 00:21:51,644 --> 00:21:53,579 (剛太郎) 一つ お聞きしたいことがあるんですが。 344 00:21:53,646 --> 00:21:55,581 何だね? 345 00:21:55,648 --> 00:22:00,586 (剛太郎) 10年前の 私が 記憶を失った 前後のことです。 346 00:22:00,653 --> 00:22:05,658 >> 10年前のこと? (剛太郎) はい。