1 00:00:01,435 --> 00:00:03,371 (まき) 枝川家で 働いていただくことは→ 2 00:00:03,437 --> 00:00:04,772 できませんでしょうか? 3 00:00:04,839 --> 00:00:07,375 (順子) また 雄介さんだって 言いだしたりしない? 4 00:00:07,441 --> 00:00:09,377 (里子) 雄介さんじゃないって 分かってるから→ 5 00:00:09,443 --> 00:00:11,379 お手伝い 引き受けたんだもの。 6 00:00:11,445 --> 00:00:13,381 (春子) 見つからなければ いいんだ。→ 7 00:00:13,447 --> 00:00:15,449 家の中を 探検しよう。 8 00:00:43,477 --> 00:00:51,485 ♪~ 9 00:00:52,386 --> 00:00:55,389 {\an8}(剛太郎) あっ。 すいません。 (里子) すいません。 10 00:00:58,559 --> 00:01:00,494 {\an8}(剛太郎) どうかなさったんですか? 11 00:01:00,561 --> 00:01:05,566 {\an8}(里子) エレベーターが 苦手なんです。 (剛太郎) そうだったんですか。 12 00:01:08,569 --> 00:01:11,505 {\an8}(ブザー音) (里子) えっ?→ 13 00:01:12,106 --> 00:01:14,041 {\an8}どうなったんですか? 14 00:01:14,108 --> 00:01:17,044 {\an8}(剛太郎) エレベーター。 止まったみたいですね。 15 00:01:17,111 --> 00:01:20,047 {\an8}(里子) 閉じ込められてしまったって ことですか? 16 00:01:20,114 --> 00:01:25,052 {\an8}(剛太郎) そうみたいですね。 (荒い息) 17 00:01:25,119 --> 00:01:28,055 {\an8}(剛太郎) 大丈夫ですか? (荒い息) 18 00:01:28,122 --> 00:01:31,058 {\an8}(剛太郎) 遠藤さん? 大丈夫ですか?→ 19 00:01:31,125 --> 00:01:34,061 {\an8}安心してください。 私 付いてますから。 20 00:01:34,128 --> 00:01:36,063 {\an8}(荒い息) 21 00:01:36,130 --> 00:01:38,065 {\an8}\(琴子) 辞めると 思ったんだよね。 \(常子) だって あの人→ 22 00:01:38,132 --> 00:01:41,068 {\an8}仕事 できないもん。 (琴子) だって→ 23 00:01:41,135 --> 00:01:44,071 {\an8}照さんに 怒られたじゃないですか 私たち。 24 00:01:44,138 --> 00:01:47,074 {\an8}(常子) そうよ。 私たちのせいに されちゃってさ。 25 00:01:47,141 --> 00:01:49,076 {\an8}(常子) もう やんなっちゃうわよね。 26 00:01:49,143 --> 00:01:52,079 {\an8}\(照) すみません。 わざわざ お越しいただきまして。 27 00:01:52,146 --> 00:01:54,081 {\an8}\(杉本) いいえ。 病院も 近所ですし→ 28 00:01:54,148 --> 00:01:57,084 {\an8}本来なら 枝川会館に伺うのが 筋ですから→ 29 00:01:57,151 --> 00:02:03,023 {\an8}私の方こそ 助かります。 (照) こちらが あした→ 30 00:02:03,090 --> 00:02:07,027 {\an8}インフルエンザの注射を 受けていただく 職員のリストになります。 31 00:02:07,094 --> 00:02:09,029 (杉本) この前の 健康診断を 済ませていない人の→ 32 00:02:09,096 --> 00:02:11,031 検査も しておきましょうか。 33 00:02:11,098 --> 00:02:13,033 (照) できれば お願いいたします。 34 00:02:13,100 --> 00:02:16,036 (杉本) ところで 最近 お会いしてませんが→ 35 00:02:16,103 --> 00:02:20,040 家元は お元気ですか? (照) ええ。 お元気な ご様子です。 36 00:02:20,107 --> 00:02:22,042 (春子) おいしそうな 大福。 37 00:02:22,109 --> 00:02:26,046 (杉本) それは よかったです。 (照) おかげさまで。 38 00:02:26,113 --> 00:02:28,115 (杉本) 家元も お酒を ほどほどにして…。 39 00:02:38,125 --> 00:02:41,061 (剛太郎) ハァー。→ 40 00:02:41,128 --> 00:02:47,067 少し 落ち着いてきたようですね。 何か 話でも しましょうかね。→ 41 00:02:47,134 --> 00:02:50,137 何が いいかな? 42 00:02:53,140 --> 00:02:59,013 (剛太郎) 昔ね ある村に ごんという名前の→ 43 00:02:59,079 --> 00:03:02,016 いたずら好きの 子キツネが すんでいました。 44 00:03:02,082 --> 00:03:04,018 (剛太郎) ある日 ごんは 川で→ 45 00:03:04,084 --> 00:03:09,023 兵十という いつも からかっている男を 見つけ→ 46 00:03:09,089 --> 00:03:13,093 兵十の 籠の中にあった ウナギを いたずらで 逃がしてしまった。 47 00:03:17,097 --> 00:03:20,100 (春子) 大福が 残ってる。 48 00:03:25,105 --> 00:03:27,041 (春子) 残り物だから 大丈夫だよね。 49 00:03:27,107 --> 00:03:30,110 いただきます。 50 00:03:35,115 --> 00:03:41,121 おいしそうな 大福。 食べちゃいたいくらい。 51 00:03:46,760 --> 00:03:51,699 (剛太郎) いつものように 兵十の元へ クリを届けに行った ごんは→ 52 00:03:51,765 --> 00:03:54,702 兵十に 気が付かれて 火縄銃で 撃たれてしまった。 53 00:03:54,768 --> 00:03:57,638 クリを 握り締めている ごんを見て 兵十は→ 54 00:03:57,705 --> 00:04:02,643 「いつも クリを届けてくれたのは ごんなのか?」と 問い掛けた。 55 00:04:02,710 --> 00:04:07,648 すると ごんは こくりと うなずいて 息絶えた。 56 00:04:07,715 --> 00:04:12,653 (里子) 新美 南吉先生の “ごんぎつね”の お話ですね。 57 00:04:12,720 --> 00:04:15,656 (剛太郎) そういう題名の お話だったんですか。 58 00:04:15,723 --> 00:04:18,659 (里子) はい。 (剛太郎) 遠藤さんが 苦しそうにされてて→ 59 00:04:18,726 --> 00:04:20,661 何とか 気持ちを 楽にしてほしいって 思ったら→ 60 00:04:20,728 --> 00:04:22,663 とっさに 思い浮かんだんです。 61 00:04:22,730 --> 00:04:25,666 有名な物語なのか 自分の作り話なのか→ 62 00:04:25,733 --> 00:04:29,670 分からないまま 話していました。 (里子) あっ。→ 63 00:04:29,737 --> 00:04:33,674 あっ。 すいません。→ 64 00:04:33,741 --> 00:04:37,678 だいぶ 落ち着きました。→ 65 00:04:37,745 --> 00:04:40,681 これだから エレベーターは 嫌いなんです。→ 66 00:04:40,748 --> 00:04:45,686 もう 大丈夫です。 (剛太郎) それは よかった。 67 00:04:45,753 --> 00:04:48,756 (里子) どうか されたんですか? 68 00:04:50,758 --> 00:04:56,697 (剛太郎)“ごんぎつね”っていう 題名に まったく 記憶がなくて。 69 00:04:56,764 --> 00:05:01,635 (里子) あっ。 まきさんから お聞きしました。 70 00:05:01,702 --> 00:05:07,641 記憶喪失なんですよね? (剛太郎) はい。 10年前の事故で。 71 00:05:07,708 --> 00:05:11,645 10年前 事故に遭って 記憶を失った直後の 私は→ 72 00:05:11,712 --> 00:05:13,647 本当に 不安でした。 73 00:05:13,714 --> 00:05:16,650 唯一 私のことを 知っている人間は→ 74 00:05:16,717 --> 00:05:19,653 家元と まきさんだけだったんです。 75 00:05:19,720 --> 00:05:21,655 この広い地球の中で→ 76 00:05:21,722 --> 00:05:24,658 私を知ってる人は この人たち以外 いない。 77 00:05:24,725 --> 00:05:27,661 この人たちと はぐれたら 私は 生きていけない。 78 00:05:27,728 --> 00:05:32,666 そう 思って 必死に お二人を 信じました。 79 00:05:32,733 --> 00:05:34,668 その一方の 頭の奥で→ 80 00:05:34,735 --> 00:05:36,670 ホントは 何か とてつもないことに→ 81 00:05:36,737 --> 00:05:38,672 巻き込まれてるんじゃ ないかとも 思いました。 82 00:05:38,739 --> 00:05:43,677 ですが その不安は 1年 2年と→ 83 00:05:43,744 --> 00:05:47,681 時間が 過ぎていくうちに なくなっていきました。 84 00:05:47,748 --> 00:05:53,687 家元や まきさんの 正直で 崇高な精神に 触れながら→ 85 00:05:53,754 --> 00:05:56,690 毎日を 過ごしているうちに→ 86 00:05:56,757 --> 00:06:00,627 これで よかったんだ。 間違いじゃ なかったんだって→ 87 00:06:00,694 --> 00:06:04,631 安心して 生活を 送れるように なったんです。 88 00:06:04,698 --> 00:06:08,635 そして 3年 たつころには もう まったく 不安もなく→ 89 00:06:08,702 --> 00:06:11,638 未来を つくっていく 理想が 芽生えてきました。 90 00:06:11,705 --> 00:06:14,641 不安という トンネルを出た 私は→ 91 00:06:14,708 --> 00:06:19,646 精力的に 枝川流の発展に 尽くしてきました。 92 00:06:19,713 --> 00:06:23,650 あっ。 なぜだか あなたに この 10年の話をしたら→ 93 00:06:23,717 --> 00:06:26,653 心が 楽になりました。 94 00:06:26,720 --> 00:06:29,656 (里子) 私も 落ち着きました。 95 00:06:29,723 --> 00:06:33,660 (剛太郎) 一つ 聞いて いいですか? (里子) 何ですか? 96 00:06:33,727 --> 00:06:40,734 (剛太郎) ご主人は どれくらい 私に 似ていたんですか? 97 00:06:51,745 --> 00:06:54,681 (里子) 動いた。 (剛太郎) やっと 解放されますね。 98 00:06:54,748 --> 00:06:56,683 (里子) ご迷惑を お掛けして すいませんでした。 99 00:06:56,750 --> 00:06:58,619 (剛太郎) そんなふうに 言わないでください。 100 00:06:58,685 --> 00:07:00,621 遠藤さんは うちで 働いてもらってる以上→ 101 00:07:00,687 --> 00:07:03,690 枝川家の家族も 同然なんですから。 102 00:07:05,692 --> 00:07:07,628 (里子)《ご迷惑 お掛けして すいません》 103 00:07:07,694 --> 00:07:11,632 (雄介)《そんなふうに 言うなよ。 夫婦だろ?》 104 00:07:11,698 --> 00:07:17,704 《里子が つらいときは 俺が 里子 守る》 105 00:07:22,709 --> 00:07:25,646 (千葉) 事務長。 停電の影響で→ 106 00:07:25,712 --> 00:07:27,648 時間が かかってしまい 申し訳ございません。 107 00:07:27,714 --> 00:07:30,717 (剛太郎) そういう事情なら しかたありませんね。 108 00:07:32,719 --> 00:07:35,656 (板谷) 事務長。 大丈夫でしたか? 109 00:07:35,722 --> 00:07:37,658 (剛太郎) 遠藤さん。 気分は どうですか? (里子) あっ。 110 00:07:37,724 --> 00:07:41,662 (剛太郎) 車で 送らせましょうか? (里子) あっ。 いえ。 大丈夫です。 111 00:07:41,728 --> 00:07:44,665 一人で 帰れますから。 (剛太郎) そうですか。 そりゃ よかった。 112 00:07:44,731 --> 00:07:47,668 それじゃ 照さんに 伝言 お願いしても いいですか? 113 00:07:47,734 --> 00:07:50,671 (里子) はい。 (剛太郎) 実は エール財団の会長が→ 114 00:07:50,737 --> 00:07:53,674 来日されてて あしたの夜 急きょ 東京の大使館で→ 115 00:07:53,740 --> 00:07:55,676 レセプション パーティーが 行われることに なったんです。 116 00:07:55,742 --> 00:07:57,611 (里子) はい。 (剛太郎) 家元は 一足先に→ 117 00:07:57,678 --> 00:08:00,614 東京に 向かっていて 私と まきさんも→ 118 00:08:00,681 --> 00:08:03,617 すみれを 学校に 迎えに行ったら 東京に 向かいます。 119 00:08:03,684 --> 00:08:05,619 (里子) はい。 (剛太郎) ですので→ 120 00:08:05,686 --> 00:08:08,622 礼服を あしたの朝までに 東京の ルッツホテルに→ 121 00:08:08,689 --> 00:08:12,626 届くように 手配してほしいと お伝えいただけますか? 122 00:08:12,693 --> 00:08:16,697 (里子) 承知いたしました。 失礼いたします。 123 00:08:16,697 --> 00:08:30,711 ♪~ 124 00:08:30,711 --> 00:08:32,646 (里子)《あっ》 125 00:08:32,713 --> 00:08:34,715 《あっ。 すいません》 126 00:08:36,717 --> 00:08:39,653 雄介さん。 記憶を なくしても→ 127 00:08:39,720 --> 00:08:41,722 いい人なんだね。 128 00:08:45,425 --> 00:08:47,361 (里子) これ よろしく お願いします。 129 00:08:47,427 --> 00:08:50,364 (配達員) 確かに お預かりしました。 130 00:08:50,430 --> 00:08:52,366 (照) それでは 遠藤さん。→ 131 00:08:52,432 --> 00:08:56,370 お掃除が 終わって 来客の時間が 過ぎたら→ 132 00:08:56,436 --> 00:08:58,305 今日の お仕事は 終わりです。→ 133 00:08:58,372 --> 00:09:02,309 夕食は 厨房に 取りに行って お部屋で 召し上がってください。 134 00:09:02,376 --> 00:09:07,314 (里子) ありがとうございます。 >> それと あした 枝川会館で→ 135 00:09:07,381 --> 00:09:10,317 インフルエンザの 予防注射が ありますので→ 136 00:09:10,384 --> 00:09:14,321 朝 一番で お嬢さんの 春子さんと 一緒に 行って→ 137 00:09:14,388 --> 00:09:17,324 受けてきてください。 (里子) 予防注射なんて 大丈夫です。 138 00:09:17,391 --> 00:09:21,328 いくら あなたが 大丈夫でも 万が一 かかってしまったら→ 139 00:09:21,395 --> 00:09:26,333 あなたを雇った 枝川家と 枝川流の 落ち度となります。 140 00:09:26,400 --> 00:09:29,336 義務だと 思って 受けてきてください。 141 00:09:29,403 --> 00:09:31,338 (里子) 承知いたしました。 142 00:09:31,405 --> 00:09:36,343 今夜は カレーだよ。 いただきます。 143 00:09:36,410 --> 00:09:39,413 (春子) いただきます。 こうやって 食べるんだ。 144 00:09:48,422 --> 00:09:52,426 このカレー おいしい。 145 00:09:55,429 --> 00:09:58,298 カレーって こんな ごちそうの味だったっけ? 146 00:09:58,365 --> 00:10:03,303 (里子) うん。 あした 朝 早く 枝川会館に 行かなきゃ いけないから→ 147 00:10:03,370 --> 00:10:05,305 今夜は 早く 寝ましょうね。 148 00:10:05,372 --> 00:10:08,308 >> 何しに 行くの? (里子) インフルエンザの 予防注射よ。 149 00:10:08,375 --> 00:10:14,314 >> 私 注射は いいや。 (里子) これも 仕事の一環なの。 150 00:10:14,381 --> 00:10:17,317 帰りに 春子が 食べたいもの→ 151 00:10:17,384 --> 00:10:19,386 何か 買ってあげるから 一緒に 行こう。 152 00:10:21,388 --> 00:10:24,324 (杉本) はい。 終わりました。 (里子) ああ。 ありがとうございました。 153 00:10:24,391 --> 00:10:28,328 (杉本) お大事に。 (里子) はい。 154 00:10:28,395 --> 00:10:32,399 春子。 次は 春子の番よ。 155 00:10:34,401 --> 00:10:38,338 (春子) はい。 (里子) フフフ。 156 00:10:38,405 --> 00:10:41,341 (杉本) こんにちは。 (春子) 先生。 痛くしないでね。 157 00:10:41,408 --> 00:10:44,344 (杉本) 大丈夫ですよ。 (春子) 痛くしないでね。 158 00:10:44,411 --> 00:10:48,348 (杉本) はい。 終わりました。 お大事に。 159 00:10:48,415 --> 00:10:52,419 (看護師) お大事に。 (春子) ありがとうございました。 160 00:10:54,421 --> 00:10:56,356 (春子) それじゃ お母さん。 大福 買って。 161 00:10:56,423 --> 00:11:01,361 (里子) 分かった。 帰りに 買ってあげる。 (春子) やったー。 162 00:11:07,367 --> 00:11:10,303 (春子) 宮崎先生! (宮崎) 春子ちゃん。→ 163 00:11:10,370 --> 00:11:12,305 会いたかったがね。 (春子) フフフ。 164 00:11:12,372 --> 00:11:14,307 (里子) もしかしたら お越し いただけないんじゃ ないかって→ 165 00:11:14,374 --> 00:11:16,309 思ってました。 (宮崎) いやいや。→ 166 00:11:16,376 --> 00:11:21,314 ご心配には 及びません。 でも 今夜から 窯たきを始めます。 167 00:11:21,381 --> 00:11:23,316 (里子) 頑張ってください。 (宮崎) はい。 168 00:11:23,383 --> 00:11:26,319 (宮崎) できる限りのことは やってみます。 169 00:11:26,386 --> 00:11:29,322 (すみれ) 春子さん。 (春子) あっ。→ 170 00:11:29,389 --> 00:11:33,326 東京の大使館の パーティーに 行ってたんだって?→ 171 00:11:33,393 --> 00:11:36,329 すごいじゃない。 (すみれ) でも→ 172 00:11:36,396 --> 00:11:38,331 おそばを 食べ過ぎて→ 173 00:11:38,398 --> 00:11:41,334 息が 苦しくなって 死ぬかと 思ったのよ。 174 00:11:41,401 --> 00:11:44,337 (春子) でも 今は ぴんぴんしてるじゃない。 175 00:11:44,404 --> 00:11:48,341 (すみれ) 陶芸学校 絶対 欠席できないって 思ったら→ 176 00:11:48,408 --> 00:11:52,412 すぐに 元気になったの。 (春子) それは よかった。 177 00:11:54,414 --> 00:11:57,284 (里子) まきさん。 (まき) 里子さん? 178 00:11:57,350 --> 00:12:00,287 (まき) 急な お勤めを お願いしておきながら→ 179 00:12:00,353 --> 00:12:02,289 突然 家を留守にして 申し訳ありませんでした。 180 00:12:02,355 --> 00:12:05,292 (里子) いえ。 お気になさらないでください。 181 00:12:05,358 --> 00:12:08,295 (まき) 枝川家の お仕事も 少しは 慣れてきましたか? 182 00:12:08,361 --> 00:12:11,298 (里子) まだ とても とても。 183 00:12:11,364 --> 00:12:13,300 (まき) 人数が 少ないので 大変でしょう? 184 00:12:13,366 --> 00:12:17,304 でも 照さんに 引き続き 人の手配を 頼んでありますので→ 185 00:12:17,370 --> 00:12:20,307 もう しばらく 我慢してくださいね。 186 00:12:20,373 --> 00:12:23,310 (里子) はい。 (まき) 今日 照さんは? 187 00:12:23,376 --> 00:12:25,312 (里子) 福岡の支部の 会合で→ 188 00:12:25,378 --> 00:12:29,316 朝 早く お出掛けになられました。 (まき) ああ。 そうですか。 189 00:12:29,382 --> 00:12:34,321 照さんの代わりは いないから 申し訳ないけれど→ 190 00:12:34,387 --> 00:12:38,325 もう少し 頑張っていただくしかないわね。 191 00:12:38,391 --> 00:12:40,327 (杉本) 失礼します。→ 192 00:12:40,393 --> 00:12:46,333 まきさまに 少し お話が。 (まき) その声は 杉本先生? 193 00:12:46,399 --> 00:12:48,335 (杉本) 照さんが 福岡に ご出張と 聞いたので→ 194 00:12:48,401 --> 00:12:51,338 まきさまに お話をと 思ったのですが→ 195 00:12:51,404 --> 00:12:55,342 今 よろしいでしょうか? (まき) ええ。 私が 承りますわ。 196 00:12:55,408 --> 00:12:59,346 では 理事長室へ どうぞ。 (杉本) はい。 197 00:13:04,351 --> 00:13:06,286 (剛太郎) 大丈夫ですか? (まき) ええ。 ありがとうございます。 198 00:13:06,353 --> 00:13:08,288 (杉本) 失礼します。 199 00:13:08,355 --> 00:13:12,292 それでは 皆さん。 ご自分が作った 招き猫を持って→ 200 00:13:12,359 --> 00:13:17,297 先週のように お座りください。 (一同) はい。 201 00:13:17,364 --> 00:13:22,302 (まき) それで どうかなされたのですか? (杉本) この前の→ 202 00:13:22,369 --> 00:13:24,304 インフルエンザの 予防接種のときに→ 203 00:13:24,371 --> 00:13:28,308 枝川会として 健康診断が 済んでいない人の 検査を→ 204 00:13:28,375 --> 00:13:34,314 照さんから 依頼されたのですが。 (まき) どなたか ご病気でも? 205 00:13:34,381 --> 00:13:38,318 遠藤 里子さん 春子さん 親子なのですが。 206 00:13:38,385 --> 00:13:41,321 (まき) 何か 重大な ご病気でも? 207 00:13:41,388 --> 00:13:45,325 血液型からして 本当の親子では ありません。 208 00:13:45,392 --> 00:13:48,328 (里子) 春子の招き猫 大笑いだね。 209 00:13:48,395 --> 00:13:50,330 (春子) 描いてたら どんどん 笑いたくなってきたんだもん。→ 210 00:13:50,397 --> 00:13:52,332 いいでしょ? お母さん。 (里子) うん。 211 00:13:52,399 --> 00:13:55,335 (杉本) お母さまの 遠藤 里子さんは AB型。→ 212 00:13:55,402 --> 00:13:59,272 娘さんの 春子さんは O型。→ 213 00:13:59,339 --> 00:14:02,275 親子としては 絶対に あり得ない血液型です。 214 00:14:02,342 --> 00:14:04,277 (まき) 何ですって? 215 00:14:04,344 --> 00:14:07,280 (春子) お母さん。 春子の招き猫 返して。 216 00:14:07,347 --> 00:14:09,282 (里子) だって カワイイんだもん。 217 00:14:09,349 --> 00:14:14,287 (まき) このことは 誰にも言わず 内緒にしておいてください。 218 00:14:14,354 --> 00:14:17,290 (杉本) 照さんにもですか? (まき) そうです。 219 00:14:17,357 --> 00:14:21,294 きっと 里子さんも 何か ご事情が おありでしょうから。 220 00:14:21,361 --> 00:14:23,296 私が 里子さんと お話しをして→ 221 00:14:23,363 --> 00:14:26,299 必要であれば 照さんにも お話しいたします。 222 00:14:26,366 --> 00:14:31,371 承知いたしました。 それでは 失礼します。 223 00:14:33,373 --> 00:14:36,376 \(ドアの開閉音) 224 00:14:43,383 --> 00:14:50,323 (里子) 春子。 お母さんの招き猫 どう? (春子) うん。 すごく カワイイ。→ 225 00:14:50,390 --> 00:14:54,327 でも 春子の招き猫には 負けるけどね。 226 00:14:54,394 --> 00:14:58,265 (里子) フフフ。 そうね。 (春子) うん。 227 00:14:58,331 --> 00:15:00,267 (すみれ) お父さま。 とても お上手です。 228 00:15:00,333 --> 00:15:03,336 (剛太郎) そうですか? ありがとう。 229 00:15:06,339 --> 00:15:10,277 (まき) 里子さん。 お話し したいことが ありますの。 230 00:15:11,578 --> 00:15:14,347 少し よろしいかしら? 231 00:15:27,260 --> 00:15:29,095 (里子) お話って 何でしょうか? 232 00:15:36,303 --> 00:15:38,538 (春子) それでは その猫ちゃんたちを→ 233 00:15:38,571 --> 00:15:40,206 もう一度 お預かりして→ 234 00:15:40,240 --> 00:15:43,176 しっかりと 焼いて 仕上げたいと 思います。 235 00:15:44,010 --> 00:15:47,714 それでは 皆さん。 校歌を 覚えてきてくれましたか? 236 00:15:47,747 --> 00:15:48,615 (一同) はい。 237 00:15:49,082 --> 00:15:51,084 (まき) どうぞ。 238 00:15:53,086 --> 00:15:56,022 (春子) “春子お母さん学校の歌”です。→ 239 00:15:56,089 --> 00:15:58,024 3。 はい。 240 00:15:58,091 --> 00:16:02,028 (一同) ♪「今日も 1日 元気よく」→ 241 00:16:02,095 --> 00:16:07,100 ♪「何でもかんでも 学びます」 242 00:16:10,103 --> 00:16:16,042 (まき) 先日 インフルエンザの 予防注射を していただきました。 243 00:16:16,109 --> 00:16:18,044 (里子) はい。 244 00:16:18,111 --> 00:16:24,050 (まき) そのときに 血液検査も 同時に していただいたのですが…。 245 00:16:25,218 --> 00:16:30,156 (一同) ♪「分からなければ お母さんに」→ 246 00:16:30,223 --> 00:16:35,161 ♪「聞いたら なんでも 分かります」 247 00:16:35,228 --> 00:16:41,234 (まき) 里子さんと 春子ちゃんは…。 248 00:16:42,602 --> 00:16:46,539 (一同) ♪「春子も 大好き お母さんを」 249 00:16:46,606 --> 00:16:51,611 (まき) 本当の 血の つながった 親子では ありませんね? 250 00:16:54,614 --> 00:16:57,617 (まき) 血液検査の 結果から 分かったことです。 251 00:17:00,620 --> 00:17:09,562 (一同) ♪「いつまでも 楽しく えいえんに」 252 00:17:09,629 --> 00:17:12,565 (まき) 安心してください。 253 00:17:12,632 --> 00:17:17,637 里子さんだけに 苦しい思いは させません。 254 00:17:20,640 --> 00:17:24,644 (まき) 実は すみれは…。 255 00:17:31,584 --> 00:17:34,587 (まき) 私が産んだ 子供では ないのです。 256 00:17:37,590 --> 00:17:42,595 (拍手) 257 00:17:44,597 --> 00:17:49,536 (まき) 里子さんと 春子ちゃんのことは 誰にも 話しません。 258 00:17:49,602 --> 00:17:55,608 ですから 私と すみれのことも 誰にも 話さないで。 259 00:18:00,613 --> 00:18:04,551 (里子) まきさん。 どうして→ 260 00:18:04,617 --> 00:18:08,555 すみれちゃんは まきさんが 産んだ子じゃないなんて→ 261 00:18:08,621 --> 00:18:10,557 そんな 大事なことを→ 262 00:18:10,623 --> 00:18:14,561 私なんかに 言ったりしたんですか? 263 00:18:14,627 --> 00:18:20,567 それに どうして 勝手に 検査なんか したんですか? 264 00:18:20,633 --> 00:18:25,572 (まき) あの検査は 枝川流の職員 全員を 対象とした→ 265 00:18:25,638 --> 00:18:27,507 健康診断なんです。 (里子) それじゃ 何で→ 266 00:18:27,574 --> 00:18:29,509 春子まで する必要が あるんですか? 267 00:18:29,576 --> 00:18:35,515 (まき) それは 春子ちゃんも 枝川家で 一緒に 暮らすので→ 268 00:18:35,582 --> 00:18:38,518 照さんが 善意で 調べさせたんだと 思います。 269 00:18:38,585 --> 00:18:40,587 ごめんなさい。 270 00:18:45,592 --> 00:18:50,530 (まき) 私 枝川流のためだとはいえ→ 271 00:18:50,597 --> 00:18:53,533 自分で産んだ 子供だと 嘘をついて→ 272 00:18:53,600 --> 00:19:00,540 すみれを 育てていることが 苦しくて しかたがなかったの。 273 00:19:00,607 --> 00:19:11,551 だから 里子さんも 同じ苦しみを 抱えている者同士 話をして→ 274 00:19:11,618 --> 00:19:14,621 苦しみを 分かち合いたいと 思ったんです。 275 00:19:16,623 --> 00:19:21,561 (里子) 私は 苦しくなんか ありません。 276 00:19:21,628 --> 00:19:25,565 春子は 私が 産んだ子です。 277 00:19:25,632 --> 00:19:29,569 だから 私は 苦しくなんか ありません。 278 00:19:31,571 --> 00:19:37,510 きっと 私と 春子に 血の つながりが ないなんて→ 279 00:19:37,577 --> 00:19:43,516 そんなの 血液検査の間違いです。 280 00:19:43,583 --> 00:19:48,521 だから まきさんから聞いた お話は→ 281 00:19:48,588 --> 00:19:52,525 聞かなかったことにします。 282 00:19:52,592 --> 00:19:55,528 まきさんも 私と 春子のことを→ 283 00:19:55,595 --> 00:19:59,599 これ以上 詮索するのは やめてください。 284 00:20:01,601 --> 00:20:04,537 そろそろ 陶芸学校も 終わるころです。 285 00:20:04,604 --> 00:20:07,540 戻りましょう。 286 00:20:07,607 --> 00:20:10,610 (まき) はい。 \(ドアの開く音) 287 00:20:18,618 --> 00:20:22,555 (里子) 私 エレベーターが 苦手なので 階段で 下ります。 288 00:20:22,622 --> 00:20:25,558 先に 行っててください。 (まき) はい。 289 00:20:25,625 --> 00:20:29,562 (里子) それと まきさん。 290 00:20:31,564 --> 00:20:34,500 すみれちゃんは まきさんが 産んだ子供じゃ ないなんて→ 291 00:20:34,567 --> 00:20:40,573 私 絶対に 信じませんから。 (まき) 里子さん…。 292 00:20:45,578 --> 00:20:50,516 (里子) まきさん。 あなたの言葉を 信じてしまったら→ 293 00:20:50,583 --> 00:20:56,522 すみれちゃんが 10年前 私が産んだ 春子じゃないかって→ 294 00:20:56,589 --> 00:20:59,525 確かめたくなって しまうじゃない。 295 00:20:59,592 --> 00:21:02,595 (エレベーターの作動音) 296 00:21:04,597 --> 00:21:06,532 (里子) それに…。 297 00:21:06,599 --> 00:21:12,538 (剛太郎)《ご主人は どれくらい 私に 似ていたんですか?》 298 00:21:12,605 --> 00:21:14,607 (里子) まきさん…。 299 00:21:20,613 --> 00:21:23,549 (剛太郎) あっ。 まきさん。 300 00:21:23,616 --> 00:21:26,552 すみれたちの 陶芸学校 大成功でしたよ。 301 00:21:26,619 --> 00:21:30,490 (まき) そうですか。 よかったですわ。 302 00:21:30,556 --> 00:21:32,492 (里子) あなたの ご主人も 雄介さんだと→ 303 00:21:32,558 --> 00:21:36,496 秘密にしておく 自信が なくなってしまう。 304 00:21:36,562 --> 00:21:41,501 そしたら あなたは きっと 苦しむことになる。 305 00:21:41,567 --> 00:21:46,506 それに 私も 春子も→ 306 00:21:46,572 --> 00:21:49,509 すみれちゃんも あなたの ご主人も→ 307 00:21:49,575 --> 00:21:52,512 みんな 苦しむことになる。 308 00:21:52,578 --> 00:21:57,517 だから すみれちゃんは まきさんが産んだ すみれちゃん。 309 00:21:57,583 --> 00:22:01,521 春子は 私が産んだ 春子。 310 00:22:01,587 --> 00:22:05,525 そのことだけは 何があっても 変えては いけないのよ。 311 00:22:05,591 --> 00:22:08,594 お願い。 分かって…。