1 00:00:01,335 --> 00:00:03,270 (まき) 春子ちゃんが 見当たらないですって? 2 00:00:03,337 --> 00:00:05,272 (里子) 春子は 私の娘です。→ 3 00:00:05,339 --> 00:00:07,274 そちらに かえしてもらいに 伺います。 4 00:00:07,341 --> 00:00:12,346 (岩上) できれば 形のある誠意を お待ちしています。 5 00:00:12,346 --> 00:00:23,357 ♪~ 6 00:00:23,357 --> 00:00:27,294 (剛太郎) 今日は 枝川 剛太郎としてだけでなく→ 7 00:00:27,361 --> 00:00:29,296 石原 雄介としても 質問させていただきます。 8 00:00:29,363 --> 00:00:33,300 (大造) 何でも 聞いてくれ。 正直に答えよう。 9 00:00:33,367 --> 00:00:37,304 (剛太郎) 本物の 藤塚 剛太郎さんは→ 10 00:00:37,371 --> 00:00:39,373 今 どこで 何をしてるんですか? 11 00:00:44,378 --> 00:00:46,313 (照) 剛太郎さま。→ 12 00:00:46,380 --> 00:00:50,317 そのことを お聞きになりたい 気持ちは 分かりますが→ 13 00:00:50,384 --> 00:00:54,321 物には 順序があります。 14 00:00:54,388 --> 00:00:56,323 (剛太郎) 私たち 2人で 話す約束では なかったんですか? 15 00:00:56,390 --> 00:01:01,262 私は 何も 2人で 話すなどという 約束は していない。 16 00:01:01,328 --> 00:01:05,266 秘密の話を 誰にも 邪魔されないように→ 17 00:01:05,332 --> 00:01:08,269 話せる場所でという 約束を したつもりだ。 18 00:01:08,335 --> 00:01:10,271 (剛太郎) ですから なぜ 照さんが? 19 00:01:10,337 --> 00:01:14,275 (大造) 照には すでに 全てを 話してある。→ 20 00:01:14,341 --> 00:01:19,280 だから 何も 問題は ないだろう。 21 00:01:19,346 --> 00:01:23,284 (剛太郎) そうですか。 分かりました。 22 00:01:23,350 --> 00:01:28,355 (照) お分かりいただけて 恐悦 至極に 存じます。 23 00:02:06,327 --> 00:02:08,329 {\an8}(岩上) ここに 座っても いいですか? 24 00:02:10,331 --> 00:02:13,267 {\an8}(岩上) 座らせてもらいますよ。 25 00:02:13,334 --> 00:02:15,269 {\an8}(里子) 春子は? 春子は どこに いるの? 26 00:02:15,336 --> 00:02:17,271 {\an8}(岩上) ホテルに 置いてきました。→ 27 00:02:17,338 --> 00:02:21,342 {\an8}話が つけば 後で 会わせてあげましょう。 28 00:02:23,344 --> 00:02:27,281 {\an8}(岩上) それじゃ 早速で 悪いんですが→ 29 00:02:27,348 --> 00:02:32,353 {\an8}電話で お話しした 誠意を 見せてもらいましょうか? 30 00:02:35,356 --> 00:02:37,358 {\an8}(岩上) どうしました? 31 00:02:39,360 --> 00:02:41,295 {\an8}(里子) お金を お渡ししたら→ 32 00:02:41,362 --> 00:02:46,300 {\an8}春子を 二度と 娘などとは 言わないでもらえますか? 33 00:02:46,367 --> 00:02:51,372 {\an8}(岩上) それは 遠藤さんが 見せてくれる 誠意しだいです。 34 00:02:53,374 --> 00:02:57,311 {\an8}(岩上) それじゃ 誠意を 見せてください。 35 00:02:57,311 --> 00:03:06,320 ♪~ 36 00:03:08,322 --> 00:03:12,259 {\an8}(里子) これが 私の 全財産です。 37 00:03:12,326 --> 00:03:17,331 {\an8}(岩上) どうしました? お金が 惜しくなりましたか? 38 00:03:23,337 --> 00:03:29,276 (岩上) 570万。 思ったより ためてるじゃないですか。→ 39 00:03:29,343 --> 00:03:31,278 これじゃ 手が震えるのも 無理はない。 40 00:03:31,345 --> 00:03:34,281 (里子) そんなんじゃない。 (岩上) 今 何て 言いました? 41 00:03:34,348 --> 00:03:36,283 (里子) 何でもありません。 42 00:03:36,350 --> 00:03:38,352 (岩上) そうですか。 43 00:03:40,354 --> 00:03:42,289 ホントに これ 全部 いいんですか? 44 00:03:42,356 --> 00:03:47,294 (里子) そんなことより 早く 春子に 会わせてください。 45 00:03:47,361 --> 00:03:50,297 (岩上) いいでしょう。 銀行に 一緒に 行って→ 46 00:03:50,364 --> 00:03:53,300 この預金を 一緒に 下ろしてくれたら→ 47 00:03:53,367 --> 00:03:56,303 春子ちゃんを ここに 連れてきてあげましょう。 48 00:03:56,370 --> 00:03:59,239 (里子) 約束は 守ってくれますね? 49 00:03:59,306 --> 00:04:02,242 (すみれ) 今日は お父さまも おじいさまも→ 50 00:04:02,309 --> 00:04:05,245 お早かったんですね。 51 00:04:05,312 --> 00:04:08,248 (まき) 照さんも 早くに 出掛けられたのよ。→ 52 00:04:08,315 --> 00:04:11,251 きっと 急な お仕事が できたのでしょう。 53 00:04:11,318 --> 00:04:14,254 (すみれ) そうですね。 54 00:04:14,321 --> 00:04:16,257 (まき) すみれさん。 55 00:04:16,323 --> 00:04:21,261 今日からは 学校の 行き帰りは 枝川家の車で してください。 56 00:04:21,328 --> 00:04:25,265 校則で 車での登校は 禁じられています。 57 00:04:25,332 --> 00:04:28,269 (まき) すみれさんが 急に いなくなったりしたら→ 58 00:04:28,335 --> 00:04:31,271 お母さま また すぐに 倒れてしまうわ。 59 00:04:31,338 --> 00:04:33,273 でも そのまま 学校に→ 60 00:04:33,340 --> 00:04:37,277 お伝えするわけにも いきませんから→ 61 00:04:37,344 --> 00:04:40,281 枝川家の 家庭の事情があって→ 62 00:04:40,347 --> 00:04:45,285 そう 決めたと お伝えするつもりです。 63 00:04:45,352 --> 00:04:48,288 分かりました。 お母さま。 64 00:04:48,355 --> 00:04:52,293 (まき) すみれさんも 知らない人から 声を 掛けられたりしたら→ 65 00:04:52,359 --> 00:04:55,295 すぐに お母さまに 教えてくださいね。 66 00:04:55,362 --> 00:04:57,297 はい。 お母さま。 67 00:05:00,300 --> 00:05:03,237 (照) 剛太郎さまは 昨日 この部屋で→ 68 00:05:03,303 --> 00:05:07,241 石原 雄介が 藤塚 剛太郎になった 経緯を→ 69 00:05:07,307 --> 00:05:11,245 詮索なさる おつもりは ないと おっしゃいましたのに→ 70 00:05:11,311 --> 00:05:13,247 なぜ 今日になって→ 71 00:05:13,313 --> 00:05:17,251 そのことを お聞きになりたいと 思われたのでしょうか? 72 00:05:17,317 --> 00:05:20,254 (剛太郎) 昨日から 今日にかけて 起きた 2つの出来事で→ 73 00:05:20,320 --> 00:05:24,258 状況が 変わったんです。 74 00:05:24,324 --> 00:05:26,260 状況が 変わって→ 75 00:05:26,326 --> 00:05:31,265 私が このまま 枝川 剛太郎として いることが 正しいのだろうかと→ 76 00:05:31,331 --> 00:05:37,271 疑問が 湧いてきたんです。 >> 剛太郎君。 それは ないだろう。 77 00:05:37,337 --> 00:05:40,274 君は 今までの生活を 守り続けると→ 78 00:05:40,341 --> 00:05:43,277 言ってくれたではないか。 (剛太郎) ですから 状況が 変わったんです。 79 00:05:43,343 --> 00:05:47,281 (照) 剛太郎さま。 その 状況を 変えた→ 80 00:05:47,347 --> 00:05:52,286 2つの出来事とは 何でしょうか? お聞かせください。 81 00:05:52,353 --> 00:05:57,224 (剛太郎) 1つ目は 春子ちゃんの 実の父親を 名乗る男が→ 82 00:05:57,291 --> 00:05:59,226 現れたと いうことです。 83 00:05:59,293 --> 00:06:04,231 春子ちゃんは 里子が 生きる上で 唯一無二の 存在です。 84 00:06:04,298 --> 00:06:07,234 万が一 引き裂かれるようなことに なれば→ 85 00:06:07,301 --> 00:06:10,237 里子が どうなってしまうか 分かりません。 86 00:06:10,304 --> 00:06:16,310 絶望して 死を選ぶことも あると 私は 思ってます。 87 00:06:18,312 --> 00:06:25,252 私も かつては 里子の夫でした。 その記憶が 戻った 今→ 88 00:06:25,319 --> 00:06:28,255 何もせず ただ 見過ごすわけには いきません。 89 00:06:28,322 --> 00:06:30,257 (大造) それは もしかして→ 90 00:06:30,324 --> 00:06:34,261 石原 雄介に 戻り すみれを 連れて→ 91 00:06:34,328 --> 00:06:38,332 枝川家を 出るということかね? 92 00:06:41,335 --> 00:06:43,270 (剛太郎) まきさんを 悲しませるようなことは→ 93 00:06:43,337 --> 00:06:46,273 したくありません。 94 00:06:46,340 --> 00:06:51,345 ですが 今となっては それも 選択肢の 一つだと 思ってます。 95 00:06:53,347 --> 00:07:02,289 (照) 剛太郎さま。 それでは 2つ目の出来事とは 何ですか? 96 00:07:04,291 --> 00:07:10,230 (岩上) 570万か。 結構 かさばるな。→ 97 00:07:10,297 --> 00:07:13,233 端数 いらないんで この通帳は 返しておきますよ。 98 00:07:13,300 --> 00:07:17,237 (里子) いりません。 全て 差し上げます。 99 00:07:17,304 --> 00:07:20,240 (岩上) そうですか。→ 100 00:07:20,307 --> 00:07:23,243 じゃあ さっきの店に あの子 連れてくんで→ 101 00:07:23,310 --> 00:07:25,245 店で 待っててもらえますか? 102 00:07:25,312 --> 00:07:28,248 (里子) 約束どおり 春子を もう 二度と→ 103 00:07:28,315 --> 00:07:31,251 連れていったり しないでください。 104 00:07:31,318 --> 00:07:37,257 >> 何か 勘違いしてませんか? (里子) 勘違い? 何をですか? 105 00:07:37,324 --> 00:07:40,260 私が あの子を 連れてったんじゃ ありませんよ。 106 00:07:40,327 --> 00:07:44,264 (里子) じゃあ 誰が 連れてったって いうんですか? 107 00:07:44,331 --> 00:07:46,266 あの子が 自分から→ 108 00:07:46,333 --> 00:07:48,268 ホテルの 私の部屋を 訪ねてきたんです。 109 00:07:48,335 --> 00:07:51,271 (里子) 春子が 自分から? どうして? 110 00:07:51,338 --> 00:07:57,277 さあ? それは 直接 本人に 聞いてみてください。 111 00:08:03,283 --> 00:08:11,225 (里子) 自分からなんて ホントなの? 春子。 112 00:08:11,291 --> 00:08:15,229 (剛太郎) 春子ちゃんの 実の父親を 名乗る 岩上という男は→ 113 00:08:15,295 --> 00:08:17,231 東京で フリーの ライターを してるそうなんですが→ 114 00:08:17,297 --> 00:08:20,234 この男のせいで 少々 厄介なことに なりそうなんです。 115 00:08:20,300 --> 00:08:22,236 (大造) どういう意味だね? 116 00:08:22,302 --> 00:08:28,242 (剛太郎) 岩上は 里子が 自分の娘を 連れ去った証拠を 探すべく→ 117 00:08:28,308 --> 00:08:30,244 いろんなところを 嗅ぎ回った 揚げ句→ 118 00:08:30,310 --> 00:08:34,248 枝川流に 興味を 持ち始めたようなんです。 119 00:08:34,314 --> 00:08:39,253 厄介なことに ならなければ いいんだが…。 120 00:08:39,319 --> 00:08:43,257 (剛太郎) そうならないためにも そろそろ→ 121 00:08:43,323 --> 00:08:48,262 なぜ 石原 雄介が 藤塚 剛太郎さんに なったのか。 122 00:08:48,328 --> 00:08:54,268 そして 本物の 藤塚 剛太郎さんは 今 どこで 何をしてるのか。 123 00:08:54,334 --> 00:08:56,336 教えていただけませんか? 124 00:09:01,275 --> 00:09:08,215 (九兵衛) おはよう。 (宮崎) おはようございます。 125 00:09:08,282 --> 00:09:12,219 (九兵衛) 昨日は 薬のせいで→ 126 00:09:12,286 --> 00:09:18,225 里子さんが 帰ったら すぐ 眠ってしまったようだな。 127 00:09:18,292 --> 00:09:21,228 (宮崎) 先生から 話 聞いてきました。 128 00:09:21,295 --> 00:09:24,231 (九兵衛) そうか。 129 00:09:24,298 --> 00:09:26,233 (宮崎) 以前にも 何度か 倒れてたんじゃないかって→ 130 00:09:26,300 --> 00:09:29,236 言ってましたけど そうなんですか? 131 00:09:29,303 --> 00:09:33,307 (九兵衛) ちょっとした 持病だよ。 132 00:09:39,313 --> 00:09:44,251 (宮崎) 陶芸家 引退されるつもりなんですか? 133 00:09:44,318 --> 00:09:51,325 (九兵衛) いまさら 手術までして 陶芸を続ける 情熱は もう ない。 134 00:09:55,329 --> 00:09:58,265 俺の父親なんだろ?→ 135 00:09:58,332 --> 00:10:07,341 俺の父親なら 陶芸 死ぬまで 続けろよ。 136 00:10:09,343 --> 00:10:12,346 真一…。 137 00:10:14,348 --> 00:10:16,350 親父。 138 00:10:18,352 --> 00:10:21,288 \(ドアの開く音) 139 00:10:21,355 --> 00:10:25,359 (岩上) おい。 お母さんのとこに 帰るぞ。 140 00:10:27,361 --> 00:10:32,299 (岩上) ハァー。 困ったなぁ。 141 00:10:32,366 --> 00:10:35,302 お母さんに お前のこと かえすっつって→ 142 00:10:35,369 --> 00:10:39,373 これ もらっちゃったんだよなぁ。 143 00:10:44,378 --> 00:10:49,316 (岩上) いまさら この金 返すわけにも いかないしなぁ。 144 00:10:51,218 --> 00:10:52,552 (春子) 行く。 145 00:10:54,054 --> 00:10:59,192 (大造) まず 18年前に さかのぼって 話が したいのだ。→ 146 00:10:59,259 --> 00:11:02,195 いいかね? (剛太郎) はい。 147 00:11:02,262 --> 00:11:06,199 今から 18年前。 148 00:11:06,266 --> 00:11:12,205 十七代目の家元を 継いだ 私は 有頂天に なっていた。 149 00:11:12,272 --> 00:11:17,210 日本に 数台しかないという スポーツカーを 乗り回し→ 150 00:11:17,277 --> 00:11:23,216 揚げ句の果てに 事故を起こして 妻を 死なせ→ 151 00:11:23,283 --> 00:11:26,219 娘の まきの目から 光を奪い→ 152 00:11:26,286 --> 00:11:30,290 子供を産めない体に してしまった。 153 00:11:32,292 --> 00:11:38,298 このことは 2人とも もう 知ってのとおりだ。 154 00:11:40,300 --> 00:11:44,237 家元になって 浮かれていた 私に→ 155 00:11:44,304 --> 00:11:49,242 天罰が 下されたのを 思い知らされた。 156 00:11:49,309 --> 00:11:56,249 なぜ 自分も 一緒に 死ななかったのかと→ 157 00:11:56,316 --> 00:12:01,188 一人 絶望の淵を 歩き回った。→ 158 00:12:01,254 --> 00:12:10,197 だが その直後 私は さらに 自分の浅ましさに 気が付いた。→ 159 00:12:10,263 --> 00:12:15,202 私が 現実の つらさに 耐えかねて→ 160 00:12:15,268 --> 00:12:18,205 死にたいと 思っているときに→ 161 00:12:18,271 --> 00:12:25,212 17歳の少女の まきは 病院の ベッドの上で→ 162 00:12:25,278 --> 00:12:31,218 生きようと 生死の境で 必死に 闘っていたんだ。→ 163 00:12:31,284 --> 00:12:36,223 自分が 生涯 視力を なくすことも→ 164 00:12:36,289 --> 00:12:43,230 子供を産めなくなった体に なったことも まだ 知らずに。 165 00:12:43,296 --> 00:12:47,234 私は 心底 自分に恥じて→ 166 00:12:47,300 --> 00:12:52,239 何としても この子を 幸せにすると 誓い→ 167 00:12:52,305 --> 00:12:59,246 そのために まきに 生涯の伴侶を 探した。 168 00:13:03,250 --> 00:13:07,187 そうして たどりついたのが→ 169 00:13:07,254 --> 00:13:12,192 アメリカに 住んでいた 藤塚 剛太郎さんだったんだ。→ 170 00:13:12,259 --> 00:13:17,197 剛太郎さんは 何十通もの エアメールを→ 171 00:13:17,264 --> 00:13:20,200 まきに 送ってくれて→ 172 00:13:20,267 --> 00:13:23,203 まきのために 読んでいた 私にも→ 173 00:13:23,270 --> 00:13:27,207 彼の 人柄のよさが 伝わってきた。 174 00:13:27,274 --> 00:13:34,214 そして ついに プロポーズの手紙を もらい→ 175 00:13:34,281 --> 00:13:38,285 まきは その申し出を お受けした。 176 00:13:40,287 --> 00:13:45,225 あのときの まきの笑顔。 177 00:13:45,292 --> 00:13:52,232 8年ぶりに見た あの笑顔は 私は 今でも→ 178 00:13:52,299 --> 00:13:56,303 忘れることの できない 笑顔だった。 179 00:13:58,238 --> 00:14:03,176 そして 10年前の秋 剛太郎君が→ 180 00:14:03,243 --> 00:14:12,185 東京に 来たというので ホテルに 迎えに行き…。 181 00:14:12,252 --> 00:14:16,189 (大造)《藤塚さんですか?》 (剛太郎)《はい》 182 00:14:16,256 --> 00:14:19,192 《枝川 大造です。 どうも》 183 00:14:19,259 --> 00:14:24,197 (大造) だが 実際に 会った 剛太郎君は→ 184 00:14:24,264 --> 00:14:32,205 手紙で知った 誠実な人間とは 懸け離れた人物に なっていた。 185 00:14:32,272 --> 00:14:35,208 (剛太郎)《日本に 戻ってきたときに→ 186 00:14:35,275 --> 00:14:38,211 娘さんを 抱いてあげるくらいなら 約束しますが》 187 00:14:38,278 --> 00:14:43,216 《まきを バカにするのは 許すことは できん!》 188 00:14:43,283 --> 00:14:48,221 (剛太郎)《あなたの手で 絞め殺してください》 189 00:14:48,288 --> 00:14:53,226 (大造)《何を 言ってるんだ。 ああ…。 放せ。 放せ!》→ 190 00:14:53,293 --> 00:14:55,295 《ああっ!》 191 00:15:00,233 --> 00:15:02,168 (大造)《ふ… 藤塚さん》 192 00:15:02,235 --> 00:15:04,170 (大造) 剛太郎君の手を 払いのけたとき→ 193 00:15:04,237 --> 00:15:07,173 彼が倒れて 頭を打ち…。 194 00:15:07,240 --> 00:15:11,177 (剛太郎) 宗匠が 藤塚さんを 殺したってことですか? 195 00:15:11,244 --> 00:15:15,181 (照) 藤塚さんは ご自分で 倒れて→ 196 00:15:15,248 --> 00:15:18,184 頭を お打ちになり 亡くなられたんです。 197 00:15:18,251 --> 00:15:21,187 あくまでも 事故です。 198 00:15:21,254 --> 00:15:24,190 あくまでも 事故だったので→ 199 00:15:24,257 --> 00:15:26,192 警察に そのことを 言おうと思った。 200 00:15:26,259 --> 00:15:31,197 だが 警察が 簡単に 信じてくれるわけはない。 201 00:15:31,264 --> 00:15:38,204 万が一 捕まりでもしたら まきは どうなってしまうのか。 202 00:15:38,271 --> 00:15:43,209 そう 考えた 私は…。→ 203 00:15:43,276 --> 00:15:48,214 穴を掘って 藤塚さんを 山の中に 埋め→ 204 00:15:48,281 --> 00:15:56,222 ホテルに残った 藤塚さんの私物を 捨てようと 海に向かった。→ 205 00:15:56,289 --> 00:15:59,159 海まで やって来た 私は→ 206 00:15:59,225 --> 00:16:04,164 藤塚さんの私物を 捨てようと していたとき→ 207 00:16:04,230 --> 00:16:08,168 赤ん坊を抱いた 男性が 私に近づいてきて…。 208 00:16:08,234 --> 00:16:12,172 (雄介)《ここは どこでしょうか?》 209 00:16:12,238 --> 00:16:14,174 >> 《ここは…》 (雄介)《私は→ 210 00:16:14,240 --> 00:16:17,177 何で ここに いるんでしょうか?》 211 00:16:17,243 --> 00:16:21,181 (大造) 私の目の前で 気を失った 男性を→ 212 00:16:21,247 --> 00:16:24,184 病院に 連れていったんだ。 213 00:16:24,250 --> 00:16:28,188 (剛太郎) それが 私だったんですね? (大造) そう。 214 00:16:28,254 --> 00:16:31,191 もちろん そのとき 私は→ 215 00:16:31,257 --> 00:16:35,195 君が 記憶を失っているなんて 知らなかった。 216 00:16:35,261 --> 00:16:39,199 事故に遭った 親子を 救いたい。 217 00:16:39,265 --> 00:16:43,269 ただ そう 思っただけだったんだ。 218 00:16:47,006 --> 00:16:53,446 (大造) その後 2人の容体が 気になって 医者に聞くと…。 219 00:16:53,513 --> 00:16:55,448 (医師)《お子さんは 検査の結果→ 220 00:16:55,515 --> 00:16:58,451 幸い どこにも 異常が 見当たりませんでした》→ 221 00:16:58,518 --> 00:17:01,454 《事故に遭われたのに ホントに 奇跡的に 無傷です》→ 222 00:17:01,521 --> 00:17:04,457 《今は 小児科で 預かってもらってます》 223 00:17:04,524 --> 00:17:06,459 (大造)《それは よかった》 224 00:17:06,526 --> 00:17:10,463 (医師)《男性の方は 頭部を 強打された影響で→ 225 00:17:10,530 --> 00:17:13,466 記憶を 失ってしまってるようです》 226 00:17:13,533 --> 00:17:19,539 医者から 記憶が戻らないと 聞いた 私は…。 227 00:17:21,541 --> 00:17:24,477 (大造)《君には 今から→ 228 00:17:24,544 --> 00:17:29,416 枝川 剛太郎として 生きてもらう》→ 229 00:17:29,482 --> 00:17:32,419 《決して 後悔はさせない》 230 00:17:32,485 --> 00:17:37,424 目の前で 記憶を失っている 男性に→ 231 00:17:37,490 --> 00:17:42,429 藤塚 剛太郎に なってもらおうと 思い付き→ 232 00:17:42,495 --> 00:17:45,432 まきに 電話をして…。 233 00:17:45,498 --> 00:17:51,438 (まき)《藤塚さん。 私の夫に なっていただくのよ》 234 00:17:51,504 --> 00:17:56,443 《そして 私は この すみれさんの お母さんに なるの》 235 00:17:56,509 --> 00:18:04,451 (剛太郎)《すいません…。 すいません。 ホントに 何も分からなくて》 236 00:18:04,517 --> 00:18:08,455 (大造)《明日 先生の 退院の許可が 出たら→ 237 00:18:08,521 --> 00:18:12,459 藤塚君を お連れして 名古屋へ 戻ろう》 238 00:18:12,525 --> 00:18:14,527 (まき)《はい。 お父さま》 239 00:18:16,529 --> 00:18:20,467 (大造) これが 私が 石原 雄介さんを→ 240 00:18:20,533 --> 00:18:27,474 藤塚 剛太郎さんに すり替えた いきさつの 偽らざる 全てだ。 241 00:18:29,476 --> 00:18:33,413 (剛太郎) 枝川 大造さん。 242 00:18:33,480 --> 00:18:39,419 私は あなたを 許すことが できない。 243 00:18:39,486 --> 00:18:44,424 いくら まきさんを思う 親心とはいえ…。 244 00:18:44,491 --> 00:18:47,427 ハァー。 あなたは→ 245 00:18:47,494 --> 00:18:51,498 本来 あるはずの 私の人生を 奪った。 246 00:18:54,501 --> 00:18:57,437 (剛太郎) 子供のためなら→ 247 00:18:57,504 --> 00:19:01,508 親は 他人に 何をしても いいって いうんですか! 248 00:19:05,512 --> 00:19:09,449 (剛太郎) あなたが 私を 藤塚 剛太郎なんかに しないで→ 249 00:19:09,516 --> 00:19:13,453 正直に 行方不明者として 届けてくれさえいれば…。 250 00:19:13,520 --> 00:19:16,456 たとえ 私の記憶が 戻らなかったとしても→ 251 00:19:16,523 --> 00:19:22,462 私の家族は 幸せに 暮らしていたかもしれない。 252 00:19:22,529 --> 00:19:29,469 そう 考えると 私の家族の…。 253 00:19:31,471 --> 00:19:36,476 石原の家から 幸せを奪ったのは あなただ! 254 00:19:38,478 --> 00:19:43,483 本当に すまないことを してしまった。 255 00:19:46,486 --> 00:19:52,425 (剛太郎) これから 私は 私の家族のために→ 256 00:19:52,492 --> 00:19:54,427 あなたを 一生 恨んでいかなくては いけません。 257 00:19:54,494 --> 00:19:57,430 剛太郎君。 258 00:19:57,497 --> 00:19:59,432 (剛太郎) こうなることが 怖かったから→ 259 00:19:59,499 --> 00:20:03,503 石原 雄介が 藤塚 剛太郎になった 経緯を 知りたくなかった。 260 00:20:07,507 --> 00:20:14,447 (剛太郎) でも 知ってしまった以上→ 261 00:20:14,514 --> 00:20:17,450 今までの私で いられるか どうか 保証できません。 262 00:20:17,517 --> 00:20:20,453 剛太郎君。 263 00:20:20,520 --> 00:20:31,397 (剛太郎) 里子が 春子ちゃんを奪われ この先 不幸が 連鎖するならば→ 264 00:20:31,464 --> 00:20:38,471 私は その不幸の連鎖を 止める選択を するつもりです! 265 00:20:40,473 --> 00:20:45,411 そのことは 覚悟しておいてください。 266 00:20:45,478 --> 00:20:49,415 (大造) ああっ。 ああ…。 267 00:20:49,482 --> 00:20:52,418 (照) 旦那さま!? 大造さま! 268 00:20:52,485 --> 00:20:54,420 (大造) 病院に 運んでくれないか。 269 00:20:54,487 --> 00:20:58,424 (照) 救急車を すぐに 呼びます。 (大造) 待て。 こんな状況だ。→ 270 00:20:58,491 --> 00:21:02,428 誰にも 気付かれないように うちの車で 運んでくれ。 271 00:21:02,495 --> 00:21:04,497 (照) かしこまりました。 272 00:21:13,506 --> 00:21:16,442 \(ドアの開く音) 273 00:21:16,509 --> 00:21:21,447 (里子) あっ。 春子。 おかえり。 ホントに 心配したんだからね。 274 00:21:21,514 --> 00:21:26,452 フフフ。 どうしたの? 春子。 275 00:21:26,519 --> 00:21:30,390 岩上っていう人が 春子が 自分から→ 276 00:21:30,456 --> 00:21:36,396 部屋を 訪ねてきたって 言ってたけど 嘘よね? 277 00:21:36,462 --> 00:21:40,466 何が あったのか お母さんに 話してくれるかな? 278 00:21:42,468 --> 00:21:46,406 (春子) あなたは お母さんじゃない。 279 00:21:46,472 --> 00:21:49,409 (里子) 春子。 何を 言ってるの? 280 00:21:49,475 --> 00:21:55,415 岩上さんが 本当の お父さん。 281 00:21:55,481 --> 00:21:58,418 (里子) 春子。 どうして そんなこと 言うの? 282 00:21:58,484 --> 00:22:06,426 あなたは 置き去りにされた 赤ん坊の私を 連れてきただけ。 283 00:22:06,492 --> 00:22:08,494 (里子) 春子?