1 00:00:19,989 --> 00:00:22,989 翼君! 2 00:00:33,903 --> 00:00:37,307 (あさ)びっくりぽんや。 突然 来はるやなんて! 3 00:00:37,307 --> 00:00:42,145 (梨江)バタバタしてるうちに 京を出る日ぃが近づいてしもて。 4 00:00:42,145 --> 00:00:46,983 せやさかい 慌てて ご挨拶に寄せてもろたんえ。 5 00:00:46,983 --> 00:00:51,654 はぁ… いよいよ 行ってしまいはるんだすなぁ。 6 00:00:51,654 --> 00:00:54,557 まずは あんたと話してる場合や ありまへん。 7 00:00:54,557 --> 00:00:57,994 お姑さんに ご挨拶せな。 8 00:00:57,994 --> 00:01:02,332 へ? お母はんが お母様に? 9 00:01:02,332 --> 00:01:06,202 ♬「朝の空を見上げて」 10 00:01:06,202 --> 00:01:10,673 ♬「今日という一日が」 11 00:01:10,673 --> 00:01:15,545 ♬「笑顔でいられるように」 12 00:01:15,545 --> 00:01:20,350 ♬「そっと お願いした」 13 00:01:20,350 --> 00:01:24,687 ♬「時には雨も降って」 14 00:01:24,687 --> 00:01:29,025 ♬「涙も溢れるけど」 15 00:01:29,025 --> 00:01:33,863 ♬「思い通りにならない日は」 16 00:01:33,863 --> 00:01:38,635 ♬「明日 頑張ろう」 17 00:01:38,635 --> 00:01:42,972 ♬「ずっと見てる夢は」 18 00:01:42,972 --> 00:01:47,477 ♬「私が もう一人いて」 19 00:01:47,477 --> 00:01:51,814 ♬「やりたいこと 好きなように」 20 00:01:51,814 --> 00:01:55,685 ♬「自由にできる夢」 21 00:01:55,685 --> 00:01:59,989 ♬「人生は紙飛行機」 22 00:01:59,989 --> 00:02:05,328 ♬「願い乗せて飛んで行くよ」 23 00:02:05,328 --> 00:02:09,999 ♬「風の中を力の限り」 24 00:02:09,999 --> 00:02:16,339 ♬「さあ 心のままに」 25 00:02:16,339 --> 00:02:21,678 2人で話するいうて 何の話 したはんのやろ? 26 00:02:21,678 --> 00:02:28,451 娘が いつも いつも ほんまに申し訳ございません。 27 00:02:28,451 --> 00:02:31,187 (よの)いやいや 何を おっしゃいますやら。 28 00:02:31,187 --> 00:02:35,158 いいえ… 嫁いで10年もたついうのに➡ 29 00:02:35,158 --> 00:02:39,629 いろいろ 嫁として至らんところが あるようで…。 30 00:02:39,629 --> 00:02:43,499 うちこそ 至らん姑で…。 31 00:02:43,499 --> 00:02:47,970 いろいろ教えな思ても あささんは 月の半分は➡ 32 00:02:47,970 --> 00:02:51,641 九州 行ってしまいはるさかい 何も でけへんて➡ 33 00:02:51,641 --> 00:02:55,978 情けないなぁいうて いつも話してますのや。 なぁ? 34 00:02:55,978 --> 00:02:58,014 (かの)へぇ ほんに。 35 00:02:58,014 --> 00:03:03,152 うちが嫁に来た頃は お姑さんが厳しゅうてなぁ。 36 00:03:03,152 --> 00:03:08,324 へぇ うちも同じどす。 「今井の嫁ともあろう者が➡ 37 00:03:08,324 --> 00:03:12,662 何してはりますのや!」なんて 毎日 言われて。 38 00:03:12,662 --> 00:03:19,001 自分は決して ああはならへんいう 心積もりでおましたんやけど➡ 39 00:03:19,001 --> 00:03:25,341 今は もう何て言いますか あの お姑さんの気持ちも➡ 40 00:03:25,341 --> 00:03:31,214 ちょっとは 分かるように なってきたと申しますか。 フフフフフ。 41 00:03:31,214 --> 00:03:33,449 笑われへん。 42 00:03:33,449 --> 00:03:38,955 これ… 大したものやありまへんけど。 43 00:03:38,955 --> 00:03:42,255 ああ 何だすやろ? 44 00:03:44,293 --> 00:03:48,631 わぁ! まあ なんと美しい。 45 00:03:48,631 --> 00:03:53,302 加野屋様に似合う思うて お仕立てしてきたんどす。 46 00:03:53,302 --> 00:03:56,339 まあ! なぁ かの 見て。 47 00:03:56,339 --> 00:04:00,476 加野屋様 どうぞ これからも➡ 48 00:04:00,476 --> 00:04:05,976 娘を よろしゅうお願い致します。 ああ もちろんだす! 49 00:04:07,650 --> 00:04:10,350 (梨江)おおきに。 50 00:04:17,326 --> 00:04:20,363 はぁ…。 51 00:04:20,363 --> 00:04:25,501 そないに いつも いつも 家を空けてたやなんて…。 52 00:04:25,501 --> 00:04:31,007 ほんまやったら 離縁されても おかしない事どすえ。 53 00:04:31,007 --> 00:04:34,277 へぇ。 すんまへん。 54 00:04:34,277 --> 00:04:39,615 東京に行きはる最後の最後まで 心配させてしもて。 55 00:04:39,615 --> 00:04:44,287 あさ。 あんた 覚えてる? 56 00:04:44,287 --> 00:04:49,125 あんたが小さい時に うちが➡ 57 00:04:49,125 --> 00:04:53,996 おなごは 何も知らんでええ みたいに言うた事。 58 00:04:53,996 --> 00:04:59,769 [ 回想 ] お商売の事も 世間の事も おなごは 何も心配せんと➡ 59 00:04:59,769 --> 00:05:03,306 ただ お嫁に行ったらええんです。 60 00:05:03,306 --> 00:05:07,977 うちは ほんまに そう思うてた。 61 00:05:07,977 --> 00:05:12,849 そやけど その うちの考えは➡ 62 00:05:12,849 --> 00:05:17,987 間違うてたのかもしれへん。 63 00:05:17,987 --> 00:05:23,860 その証拠に はつのお家は あないなってしもたいうのに➡ 64 00:05:23,860 --> 00:05:27,330 ご商売に首を突っ込んだ あんたは➡ 65 00:05:27,330 --> 00:05:31,667 こうして 今でも お家を守ってる。 66 00:05:31,667 --> 00:05:38,941 はつは 何も悪ない。 悪いのは うちなんや。 67 00:05:38,941 --> 00:05:42,612 そうだすやろか? 68 00:05:42,612 --> 00:05:47,950 うちも 間違うてるて思うんだす。 69 00:05:47,950 --> 00:05:55,291 そうかて なんぼ お家のためにて 頑張っても 何やかんや言うて➡ 70 00:05:55,291 --> 00:05:59,962 殿方は 家にいてる おなごはんが 好きなんだすやろ? 71 00:05:59,962 --> 00:06:03,299 (笑い声) 72 00:06:03,299 --> 00:06:09,972 驚いた! あんたが 今更 そないな事 思うてたやなんて。 73 00:06:09,972 --> 00:06:13,643 嫌や 笑わんといとくれやす。 74 00:06:13,643 --> 00:06:19,315 おなごとしての自信が あれへんのだす。 (笑い声) 75 00:06:19,315 --> 00:06:24,654 自信 持ちなさい。 これからの おなごは➡ 76 00:06:24,654 --> 00:06:28,524 あんたのように生きた方が ええのかもしれへんえ。 77 00:06:28,524 --> 00:06:30,993 え? 78 00:06:30,993 --> 00:06:36,799 あさのように 胸を張って 堂々と…。 まあ➡ 79 00:06:36,799 --> 00:06:43,272 せやけど あんたの場合は ちと やり過ぎや思いますけどな。 80 00:06:43,272 --> 00:06:49,612 おなごの しなやかさを 忘れたら あきまへんえ。 81 00:06:49,612 --> 00:06:54,483 へぇ 分かりました。 82 00:06:54,483 --> 00:06:57,783 おおきに お母はん。 83 00:07:00,256 --> 00:07:02,956 そや。 84 00:07:05,161 --> 00:07:08,631 これを…➡ 85 00:07:08,631 --> 00:07:14,631 あんたから はつに渡してくれへんか。 86 00:07:21,644 --> 00:07:24,313 これは…? 87 00:07:24,313 --> 00:07:29,986 和歌山にある 今井の土地の証文や。 88 00:07:29,986 --> 00:07:32,888 土地の? 89 00:07:32,888 --> 00:07:37,593 ここはもう 長い事 誰も使うてへん。 90 00:07:37,593 --> 00:07:41,263 今井が東京へ行ったら なおさらや。 91 00:07:41,263 --> 00:07:44,600 それやったら はつや ご一家の皆さんが➡ 92 00:07:44,600 --> 00:07:48,471 新しい人生始めるのに 使うてほしい思て。 93 00:07:48,471 --> 00:07:51,474 そやけど…。 うちが渡しても➡ 94 00:07:51,474 --> 00:07:55,111 はつは 決して受け取らへん。 95 00:07:55,111 --> 00:08:01,611 そやから あんたに ええ時に渡してほしいんや。 96 00:08:03,619 --> 00:08:08,958 これは うちと お父はんからの➡ 97 00:08:08,958 --> 00:08:12,958 最後の贈り物なんや。 98 00:08:20,970 --> 00:08:26,842 (うめ)もう お帰りやて さみしおますなぁ。 せやなぁ。 99 00:08:26,842 --> 00:08:29,645 うめ。 100 00:08:29,645 --> 00:08:36,919 あの あさを よう守ってくれて おおきに。 101 00:08:36,919 --> 00:08:43,793 あんたが いてくれるおかげで どんだけ力になってるか。 102 00:08:43,793 --> 00:08:48,097 これからも よろしゅう頼むえ。 103 00:08:48,097 --> 00:08:52,268 へぇ。 おあさ様も ああ見えてはりますけど➡ 104 00:08:52,268 --> 00:08:54,937 女子衆や丁稚から よう慕われて➡ 105 00:08:54,937 --> 00:08:58,274 ええ奥様のところも おありになりますんだす。 106 00:08:58,274 --> 00:09:01,610 それやったら よかったわ。 107 00:09:01,610 --> 00:09:05,948 さすがに もう相撲は 取ってへんやろなぁ? 108 00:09:05,948 --> 00:09:08,851 へぇ もちろんだす。 109 00:09:08,851 --> 00:09:11,851 [ 回想 ] う~ん… えいやっ! 110 00:09:13,823 --> 00:09:16,292 (亀助)まあ ええか。 111 00:09:16,292 --> 00:09:18,627 ≪(新次郎)お母さん! 112 00:09:18,627 --> 00:09:24,133 やぁ 来てはったんだすか。 新次郎さん。 113 00:09:24,133 --> 00:09:28,471 これと これと…➡ 114 00:09:28,471 --> 00:09:31,307 これも かわいらしいなぁ。 115 00:09:31,307 --> 00:09:34,076 母に こないぎょうさん お土産 頂いては…。 116 00:09:34,076 --> 00:09:37,913 次 いつ会えるか 分からへんいうのに。➡ 117 00:09:37,913 --> 00:09:40,583 なぁ これもええな?➡ 118 00:09:40,583 --> 00:09:43,252 フフフフフ。 これも入れとこ。 119 00:09:43,252 --> 00:09:45,552 ≪(はつ)ごめんやす。 120 00:09:47,923 --> 00:09:51,594 あさ。 お漬物が やっと出来たさかい。 121 00:09:51,594 --> 00:09:55,594 お姉ちゃん あのな…。 122 00:09:58,367 --> 00:10:04,173 新次郎さんには ほんまに あさが ご迷惑をおかけして…。 123 00:10:04,173 --> 00:10:08,944 いや お母さん。 あさが あない働いてくれてるのは➡ 124 00:10:08,944 --> 00:10:12,281 わてのせえだすのや。 え? 125 00:10:12,281 --> 00:10:16,619 わてが ふがいない分 全部 あさに やってもろて。 126 00:10:16,619 --> 00:10:20,489 こないなんで ええのか思う事も ありますんやけどな。 127 00:10:20,489 --> 00:10:25,961 何や あさの顔 見てたら 「ま ええか」て思いますのや。 128 00:10:25,961 --> 00:10:30,299 そないいうたら ほんまどすなぁ。 129 00:10:30,299 --> 00:10:34,136 京都で いやいや お裁縫していた時より➡ 130 00:10:34,136 --> 00:10:39,642 今の方が よっぽど ええ顔してましたわ。 なぁ? 131 00:10:39,642 --> 00:10:43,312 へぇ ほんまだすなぁ。 132 00:10:43,312 --> 00:10:46,215 新次郎さん。 133 00:10:46,215 --> 00:10:53,956 どうぞ これからも あの子の手綱 しっかり 握っといとおくれやす。 134 00:10:53,956 --> 00:10:57,326 いやいや… お母さん そない頭 下げてもろても➡ 135 00:10:57,326 --> 00:11:01,197 わて 何もしてしまへんのだす。 136 00:11:01,197 --> 00:11:03,833 お母はん! 137 00:11:03,833 --> 00:11:06,333 はつ。 138 00:11:08,003 --> 00:11:12,303 これは 受け取られしまへん。 139 00:11:14,343 --> 00:11:21,016 家を失うたのは 山王寺屋が自ら招いた災いだす。 140 00:11:21,016 --> 00:11:24,353 潰れて お家が のうなってしもても➡ 141 00:11:24,353 --> 00:11:29,692 山王寺屋は もう意地でも 今井屋から施しを受ける訳には…。 142 00:11:29,692 --> 00:11:34,992 施しやなんて そんなつもりや…! お願いだす。 143 00:11:37,967 --> 00:11:41,667 持って帰っとくなはれ。 144 00:11:46,976 --> 00:11:50,846 あ… バンクや。 145 00:11:50,846 --> 00:11:53,482 は? バンク? 146 00:11:53,482 --> 00:11:57,319 そうだす。 銀行だす。 147 00:11:57,319 --> 00:12:02,491 お姉ちゃん。 お父はんが作りはる 銀行いうのはな➡ 148 00:12:02,491 --> 00:12:10,366 志のある人を応援するために お金 貸してくれはるとこなんだす。 149 00:12:10,366 --> 00:12:16,672 今 お姉ちゃんと惣兵衛さんは お子たちも増えて➡ 150 00:12:16,672 --> 00:12:21,010 精いっぱい お仕事 頑張ってはる。 151 00:12:21,010 --> 00:12:26,515 その志のある お姉ちゃんを 信用して 応援して➡ 152 00:12:26,515 --> 00:12:34,015 助けてくれる… それが 銀行いうもんなんだす。 153 00:12:36,625 --> 00:12:41,964 そやさかい これは もらうのやあれへん。 154 00:12:41,964 --> 00:12:45,964 貸してもろたら ええんだす。 155 00:12:48,637 --> 00:12:52,308 ほんで これ 貸してもろた分➡ 156 00:12:52,308 --> 00:12:57,179 お姉ちゃんたちが その信用に応えて 頑張って➡ 157 00:12:57,179 --> 00:13:03,652 そないして いつか何倍にでもして 返したら よろしいのや。 158 00:13:03,652 --> 00:13:06,488 そんな事 できる訳…。 159 00:13:06,488 --> 00:13:10,659 いえ。 そうしなさい。 160 00:13:10,659 --> 00:13:17,659 あんたも言うてたやないの 「青物には 不思議な力がある」て。 161 00:13:20,336 --> 00:13:25,674 あんたらは まだ若い。 これから いくらかて➡ 162 00:13:25,674 --> 00:13:31,374 地に足つけて 新しい人生 歩む事ができるんえ。 163 00:13:33,482 --> 00:13:39,621 うちも お父はんもな あんたに それ 貸して➡ 164 00:13:39,621 --> 00:13:46,962 あんたら親子が これから どう生きるのか見届けたいんや。 165 00:13:46,962 --> 00:13:49,865 お母はん。 166 00:13:49,865 --> 00:13:53,836 お願いや はつ。 167 00:13:53,836 --> 00:13:59,541 母の 最後のお願いどす。 168 00:13:59,541 --> 00:14:12,988 ♬~ 169 00:14:12,988 --> 00:14:15,988 分かりました。 170 00:14:25,567 --> 00:14:30,267 遠慮のう お借りします。 171 00:14:38,947 --> 00:14:41,850 おおきに。 172 00:14:41,850 --> 00:14:45,821 ほんま おおきに! お母はん。 173 00:14:45,821 --> 00:15:02,171 ♬~ 174 00:15:02,171 --> 00:15:06,642 <そして 数か月後> 175 00:15:06,642 --> 00:15:09,642 失礼致します お父様。 176 00:15:12,981 --> 00:15:16,652 ご相談したい事があるんだす。 177 00:15:16,652 --> 00:15:20,489 (正吉)そろそろ来る頃やと 思うてましたんや。 178 00:15:20,489 --> 00:15:22,689 え?