1 00:00:02,150 --> 00:00:06,560 (三坂)明日… 五代さんは 東京に行きはります。 2 00:00:06,560 --> 00:00:13,430 ひょっとしたら もう二度と この大阪に戻ってくる事…➡ 3 00:00:13,430 --> 00:00:16,900 できへんかも分かりません。 4 00:00:16,900 --> 00:00:19,940 (あさ)へ…? 5 00:00:19,940 --> 00:00:24,140 それは どうゆう…? 6 00:00:28,080 --> 00:00:31,120 どないな事だすか? 7 00:00:31,120 --> 00:00:35,250 何でだす? 何で 戻ってきはれへんのだす? 8 00:00:35,250 --> 00:00:41,950 (美和)まさか そない急に悪なりはるやて…。 9 00:00:43,600 --> 00:00:47,470 せやさかい お酒は もうやめてくれて➡ 10 00:00:47,470 --> 00:00:50,770 何べんも言いましたのに…。 11 00:00:53,270 --> 00:00:58,140 美和さん… 教えとくなはれ。 12 00:00:58,140 --> 00:01:03,140 何が… 五代様に 何が起こってんのだす? 13 00:01:06,220 --> 00:01:12,090 五代は これから 東京で療養生活に入ります。➡ 14 00:01:12,090 --> 00:01:18,560 半年も前から 東京のお医者さんに 勧められてましたんや。➡ 15 00:01:18,560 --> 00:01:23,440 そやけど まだ ようけ仕事が残ってる言うて➡ 16 00:01:23,440 --> 00:01:27,570 体に むち打って働いて…。➡ 17 00:01:27,570 --> 00:01:32,270 しかし それも もう…。 18 00:01:34,250 --> 00:01:40,590 しかも わがままついでに もし…➡ 19 00:01:40,590 --> 00:01:45,920 もし いつか 自分が死んでしもた時に➡ 20 00:01:45,920 --> 00:01:52,260 きっと 白岡あささんに これを渡してほしい言うて。 21 00:01:52,260 --> 00:01:55,170 これは…。 22 00:01:55,170 --> 00:02:09,750 ♬~ 23 00:02:09,750 --> 00:02:12,580 (新次郎)あさ! 24 00:02:12,580 --> 00:02:17,420 旦那様…。 25 00:02:17,420 --> 00:02:20,120 行こ。 26 00:02:23,560 --> 00:02:27,900 やっぱり あのお人は かっこのつけ過ぎだす。 27 00:02:27,900 --> 00:02:32,740 このまま行かしたら あかん! 28 00:02:32,740 --> 00:02:35,040 へぇ。 よっしゃ。 29 00:02:39,410 --> 00:02:43,280 ♬「朝の空を見上げて」 30 00:02:43,280 --> 00:02:47,750 ♬「今日という一日が」 31 00:02:47,750 --> 00:02:52,620 ♬「笑顔でいられるように」 32 00:02:52,620 --> 00:02:57,430 ♬「そっと お願いした」 33 00:02:57,430 --> 00:03:01,700 ♬「時には雨も降って」 34 00:03:01,700 --> 00:03:06,040 ♬「涙も溢れるけど」 35 00:03:06,040 --> 00:03:10,910 ♬「思い通りにならない日は」 36 00:03:10,910 --> 00:03:15,710 ♬「明日 頑張ろう」 37 00:03:15,710 --> 00:03:20,050 ♬「ずっと見てる夢は」 38 00:03:20,050 --> 00:03:24,560 ♬「私が もう一人いて」 39 00:03:24,560 --> 00:03:28,890 ♬「やりたいこと 好きなように」 40 00:03:28,890 --> 00:03:32,760 ♬「自由にできる夢」 41 00:03:32,760 --> 00:03:37,070 ♬「人生は紙飛行機」 42 00:03:37,070 --> 00:03:42,410 ♬「願い乗せて飛んで行くよ」 43 00:03:42,410 --> 00:03:47,080 ♬「風の中を力の限り」 44 00:03:47,080 --> 00:03:51,420 ♬「さあ 心のままに」 45 00:03:51,420 --> 00:03:56,290 ♬「365日」 46 00:03:56,290 --> 00:03:58,920 ♬「飛んで行け!」 47 00:03:58,920 --> 00:04:01,360 ♬「飛んでみよう!」 48 00:04:01,360 --> 00:04:03,700 ♬「飛んで行け!」 49 00:04:03,700 --> 00:04:07,700 ♬「飛んでみよう!」 50 00:04:18,540 --> 00:04:21,380 行っといで。 51 00:04:21,380 --> 00:04:23,420 へ? 52 00:04:23,420 --> 00:04:29,550 わては ええのや。 わては大事な話 もう しましたよってな。 53 00:04:29,550 --> 00:04:33,850 気持ちも受け取りました。 54 00:04:36,430 --> 00:04:43,100 ここで待ってますさかい 一人で行ってきなはれ。 55 00:04:43,100 --> 00:04:45,570 へぇ。 56 00:04:45,570 --> 00:04:47,770 (ノック) 57 00:04:54,580 --> 00:04:57,480 失礼します。 58 00:04:57,480 --> 00:04:59,680 (本が落ちる音) 59 00:05:01,390 --> 00:05:03,860 五代様? 60 00:05:03,860 --> 00:05:28,860 ♬~ 61 00:05:38,220 --> 00:05:41,920 (友厚)あささん…? 62 00:05:44,100 --> 00:05:46,800 ああ…。 63 00:05:49,570 --> 00:05:53,240 こら 夢やろか? 64 00:05:53,240 --> 00:05:56,140 はぁ…。 65 00:05:56,140 --> 00:06:02,140 へぇ… 夢と思てもろて かましまへん。 66 00:06:04,180 --> 00:06:09,980 もう うちには会わへん おつもりだしたんやな? 67 00:06:12,520 --> 00:06:15,430 はい。 68 00:06:15,430 --> 00:06:22,200 そやけど… よかった。 69 00:06:22,200 --> 00:06:28,070 会いたないいう気持ちも ありましたけど…➡ 70 00:06:28,070 --> 00:06:32,840 何べんも思い出しては 思てたんです。 71 00:06:32,840 --> 00:06:40,540 やっぱり… ささいな方の話を 聞いておけば よかったて。 72 00:06:43,590 --> 00:06:50,090 もう ささいな話なんかしてる 場合ではございまへん! 73 00:06:53,160 --> 00:06:59,100 うちは あなた様に 道を照らしてもろて➡ 74 00:06:59,100 --> 00:07:04,510 それで ここまで 歩いてこられたんだす。 75 00:07:04,510 --> 00:07:11,210 そやのに うちは… まだ何も お返ししておりまへん。 76 00:07:14,190 --> 00:07:18,890 道を照らしてくれたのは あなたの方です。 77 00:07:20,860 --> 00:07:24,730 覚えてますか? 私たちの出会いを。 78 00:07:24,730 --> 00:07:30,430 私は しょっぱなから あなたに怒られた。 79 00:07:33,370 --> 00:07:36,710 [ 回想 ] まっこてぇ 世間知らずん娘が…。 80 00:07:36,710 --> 00:07:39,540 確かに うちは 世間様を知りません。 81 00:07:39,540 --> 00:07:42,380 そやけど 勝手にぶつかってきて 追いかけてきて➡ 82 00:07:42,380 --> 00:07:45,280 何や ペタペタ触った上に そのまま何にも言わんと➡ 83 00:07:45,280 --> 00:07:50,050 逃げてしまうやなんて それが日本男児のする事どすか? 84 00:07:50,050 --> 00:07:53,890 いや もっともな言い分じゃ。 85 00:07:53,890 --> 00:07:58,560 嫌や… 恥ずかしおます。 86 00:07:58,560 --> 00:08:04,840 うち ほんまに 世間知らずやったんだすなぁ。 87 00:08:04,840 --> 00:08:09,670 いいや。 初めての大坂で➡ 88 00:08:09,670 --> 00:08:13,540 年端も行かぬ女の子に 怒られた事が➡ 89 00:08:13,540 --> 00:08:17,420 私は ず~っと 忘れられませんでした。 90 00:08:17,420 --> 00:08:20,850 イギリスに行ったあとも…➡ 91 00:08:20,850 --> 00:08:25,360 私は 自分が日本男児である事を 自覚した時に➡ 92 00:08:25,360 --> 00:08:28,190 なおさら そう思いました。 93 00:08:28,190 --> 00:08:33,060 それで 手紙まで書いて 送ってしまったという訳です。 94 00:08:33,060 --> 00:08:38,540 ああ… あれは ほんま びっくり致しました。 95 00:08:38,540 --> 00:08:42,210 あなたのような 興味深い人に会える大阪て➡ 96 00:08:42,210 --> 00:08:45,710 どないな町なんやて! 97 00:08:45,710 --> 00:08:50,410 そしたら 新政府で 大阪の判事になった。 98 00:08:52,480 --> 00:08:55,420 [ 回想 ] よろしぃか? よう聞いとくなはれや。 99 00:08:55,420 --> 00:08:59,220 うちが苦しいのも 山王寺屋さんが 潰れてしもたのも➡ 100 00:08:59,220 --> 00:09:01,830 借金返さへん お大名家と➡ 101 00:09:01,830 --> 00:09:05,330 あなた方 新政府のせえでございます! 102 00:09:05,330 --> 00:09:10,170 誰か 助けてくれ! あさが殺されてしまう! 103 00:09:10,170 --> 00:09:14,670 明治の世やなんて 誰が作りはったんや! 104 00:09:14,670 --> 00:09:18,340 くそ食らえだす! わ~っ! 105 00:09:18,340 --> 00:09:23,840 ほんま けったいな思い出 ばっかりだすな。 106 00:09:27,050 --> 00:09:32,860 そないいうたら あれから大阪は変わりましたなぁ。 107 00:09:32,860 --> 00:09:37,530 近頃は商法会議所でも 諸国の台所いわれた➡ 108 00:09:37,530 --> 00:09:43,200 昔の勢い取り戻してきたて そないな話も よう聞きます。 109 00:09:43,200 --> 00:09:46,700 ≪まだまだです。 110 00:09:46,700 --> 00:09:49,540 大阪は あらゆる面で➡ 111 00:09:49,540 --> 00:09:54,410 この国の中心になれる 場所なんです。 112 00:09:54,410 --> 00:10:02,120 最初は 私は この町が苦手でした。 113 00:10:02,120 --> 00:10:07,090 御船奉行の時は 武士を見下す大阪商人に…➡ 114 00:10:07,090 --> 00:10:09,730 嫌な目にも遭いましたしなぁ。 115 00:10:09,730 --> 00:10:12,060 [ 回想 ] (惣兵衛)これは これは 薩摩様だすか。 116 00:10:12,060 --> 00:10:15,730 いつも お世話になっております。 そやけど➡ 117 00:10:15,730 --> 00:10:19,240 今は幕府に御用金を お納め申したばかりでしてな➡ 118 00:10:19,240 --> 00:10:21,570 蔵に お金 あらしまへんのだす。 119 00:10:21,570 --> 00:10:25,080 なんっちゅこっじゃ。 何で 武士が商人に➡ 120 00:10:25,080 --> 00:10:28,950 こげな目に遭わねば ならんとじゃ! クッ! 121 00:10:28,950 --> 00:10:32,820 そやけど いっぺん仕事してみたら➡ 122 00:10:32,820 --> 00:10:36,590 大阪商人ほど きっちり 信用できる者はいてへん! 123 00:10:36,590 --> 00:10:42,260 確かに 歴史を変えてきたのは 武士だったかもしれない。 124 00:10:42,260 --> 00:10:46,130 そやけど それを支えて 活力を与えてきたのは➡ 125 00:10:46,130 --> 00:10:50,430 いつの時代も商人だったんです。 126 00:10:52,270 --> 00:10:57,140 それで考えを改めました。 127 00:10:57,140 --> 00:11:02,440 あなたにも 会えましたしなぁ。 ハハッ。 128 00:11:06,550 --> 00:11:13,220 大丈夫! 私は まだまだ死にません。 129 00:11:13,220 --> 00:11:18,900 まだまだ やり残した事が たくさんある! 130 00:11:18,900 --> 00:11:23,900 そうだす。 それでこそ五代様だす! 131 00:11:25,770 --> 00:11:29,240 本当に まだまだなんです! 132 00:11:29,240 --> 00:11:35,910 貿易 金融 紡績 鉄道 商船…! 133 00:11:35,910 --> 00:11:39,580 私は まだまだ 大久保さんみたいに➡ 134 00:11:39,580 --> 00:11:44,920 この国に何も残せてへん! 本当に これからなんです! 135 00:11:44,920 --> 00:11:51,220 最期まで 私は この国の 未来のために命を懸けたい! 136 00:11:55,270 --> 00:12:01,570 やっぱり… 前 向いたはりますなぁ。 137 00:12:03,070 --> 00:12:09,210 ペンギンは あなた様だす。 138 00:12:09,210 --> 00:12:18,220 ♬~ 139 00:12:18,220 --> 00:12:21,130 これは…。 140 00:12:21,130 --> 00:12:26,900 実は びっくりぽんな お話がありましてなぁ➡ 141 00:12:26,900 --> 00:12:31,770 子どもの教本に ペンギンが載ってましたんや! 142 00:12:31,770 --> 00:12:35,240 (五代の泣き声) 143 00:12:35,240 --> 00:12:38,910 ほんまですか? 144 00:12:38,910 --> 00:12:43,780 へぇ。 企鵞って 書いてありましたんやけどな➡ 145 00:12:43,780 --> 00:12:48,590 あれは きっと ペンギンの事やて…。 146 00:12:48,590 --> 00:13:23,420 ♬~ 147 00:13:23,420 --> 00:13:28,230 [このあと 五代は 東京に移り住み➡ 148 00:13:28,230 --> 00:13:32,530 療養生活を始めました] 149 00:13:37,230 --> 00:13:41,110 [その1か月後。➡ 150 00:13:41,110 --> 00:13:46,810 五代は 東京の地で 亡くなりました] 151 00:13:53,780 --> 00:13:56,920 あさ…。 152 00:13:56,920 --> 00:14:01,760 ほんまに…➡ 153 00:14:01,760 --> 00:14:07,530 二度と追いつかれへんように なってしまいました。 154 00:14:07,530 --> 00:14:15,830 (あさの泣き声) 155 00:14:19,140 --> 00:14:47,910 ♬~ 156 00:14:47,910 --> 00:14:53,910 [明治18年9月の事でした]