1 00:00:02,270 --> 00:00:07,010 (渋沢)それでは 早速 銀行の話ですが➡ 2 00:00:07,010 --> 00:00:11,710 あなた方2人に 問題です。 第一問。 3 00:00:13,350 --> 00:00:19,150 銀行を経営する者が 一番欲しくて 一番大切なものは➡ 4 00:00:19,150 --> 00:00:23,530 何だと思いますか? (あさ)一番欲しいて➡ 5 00:00:23,530 --> 00:00:28,030 一番大切なもの…? 6 00:00:28,030 --> 00:00:31,700 それは やっぱり お金だすやろか? 7 00:00:31,700 --> 00:00:35,570 違いますな。 8 00:00:35,570 --> 00:00:39,040 本当は お金は要らないんですよ。 9 00:00:39,040 --> 00:00:44,210 何でだす? お金は要らんて そないなはず…!? 10 00:00:44,210 --> 00:00:48,080 ♬「朝の空を見上げて」 11 00:00:48,080 --> 00:00:52,550 ♬「今日という一日が」 12 00:00:52,550 --> 00:00:57,430 ♬「笑顔でいられるように」 13 00:00:57,430 --> 00:01:02,160 ♬「そっと お願いした」 14 00:01:02,160 --> 00:01:06,500 ♬「時には雨も降って」 15 00:01:06,500 --> 00:01:10,840 ♬「涙も溢れるけど」 16 00:01:10,840 --> 00:01:15,710 ♬「思い通りにならない日は」 17 00:01:15,710 --> 00:01:20,520 ♬「明日 頑張ろう」 18 00:01:20,520 --> 00:01:24,850 ♬「ずっと見てる夢は」 19 00:01:24,850 --> 00:01:29,360 ♬「私が もう一人いて」 20 00:01:29,360 --> 00:01:33,700 ♬「やりたいこと 好きなように」 21 00:01:33,700 --> 00:01:37,570 ♬「自由にできる夢」 22 00:01:37,570 --> 00:01:41,870 ♬「人生は紙飛行機」 23 00:01:41,870 --> 00:01:47,210 ♬「願い乗せて飛んで行くよ」 24 00:01:47,210 --> 00:01:51,880 ♬「風の中を力の限り」 25 00:01:51,880 --> 00:01:58,220 ♬「さあ 心のままに」 26 00:01:58,220 --> 00:02:02,090 それでは 第二問です。 27 00:02:02,090 --> 00:02:07,900 両替屋にはなくて 銀行にはある 仕組みが 何だと思いますか? 28 00:02:07,900 --> 00:02:10,870 あ… それやったら分かります。 29 00:02:10,870 --> 00:02:15,000 預金いう お客さんのお金 預かる仕組みだす。 30 00:02:15,000 --> 00:02:18,000 そうです。 ご名答です。 31 00:02:19,840 --> 00:02:23,510 [ 回想 ] (正吉)両替屋というのは 信用が第一。 32 00:02:23,510 --> 00:02:28,020 お金という大切なもんを 扱うてますのやさかいなぁ。 33 00:02:28,020 --> 00:02:31,350 (雁助)両替屋は 信用を お金に換えますのや。 34 00:02:31,350 --> 00:02:34,350 あっ…! 35 00:02:36,020 --> 00:02:42,360 うち 分かってしまいました。 お金より何より大切なものが! 36 00:02:42,360 --> 00:02:46,700 そうですか。 では 答えを。 37 00:02:46,700 --> 00:02:50,370 信用… だすな? 38 00:02:50,370 --> 00:02:54,240 ご名答です。 39 00:02:54,240 --> 00:02:59,710 銀行にとって 最も必要なのは 信用がおけるかどうか。 40 00:02:59,710 --> 00:03:03,990 信用される存在に なれるかどうかなんです。 41 00:03:03,990 --> 00:03:06,820 お客が 大事なお金を預けるのに➡ 42 00:03:06,820 --> 00:03:09,720 少しの不安があっても ならないんです。 43 00:03:09,720 --> 00:03:16,000 信用される事…。 この相手に この銀行に任せれば➡ 44 00:03:16,000 --> 00:03:21,670 自分で持つより よほど安心だ そう思われる事が大事なんです。 45 00:03:21,670 --> 00:03:29,010 信用さえあれば あとは自然に 人が金を運んできます。 46 00:03:29,010 --> 00:03:33,680 そないゆうたら そのとおりだすなぁ。 47 00:03:33,680 --> 00:03:39,350 銀行を経営するには まず うちが 信用つけな あきまへんのや。 48 00:03:39,350 --> 00:03:44,030 真面目に商いして 自分の器を大きゅうして。 49 00:03:44,030 --> 00:03:48,360 そう。 そういう事になりましょう。 50 00:03:48,360 --> 00:03:55,240 お金は不思議なもので 扱う人の器の大きさに従って動く。 51 00:03:55,240 --> 00:03:59,370 それでは 最後の問題です。 52 00:03:59,370 --> 00:04:04,980 私や五代さんが 大きな見地から国益を考え➡ 53 00:04:04,980 --> 00:04:09,320 常々 一番やらねばならぬと 思っていた事は➡ 54 00:04:09,320 --> 00:04:15,190 何だと思いますか? 銀行の神様と鉱山王の五代様が➡ 55 00:04:15,190 --> 00:04:19,660 一番やりたいと思てはった事…? 56 00:04:19,660 --> 00:04:24,000 はぁ… これまた さっぱり 分からしまへん。 57 00:04:24,000 --> 00:04:27,340 答えは 人間をつくる事。 58 00:04:27,340 --> 00:04:31,670 つまり 教育です。 教育? 59 00:04:31,670 --> 00:04:35,340 なにも 自分の子の事だけでは ありません。 60 00:04:35,340 --> 00:04:42,020 日本のために働いてくれる 誠実な人材をつくるという事です。 61 00:04:42,020 --> 00:04:46,690 なるほど。 それも ほんま そのとおりだすなぁ。 62 00:04:46,690 --> 00:04:50,360 学ぶ事ができたら 正しい知識を持って➡ 63 00:04:50,360 --> 00:04:55,200 日本のため 大事な誰かのために 働く事がでけます。 64 00:04:55,200 --> 00:04:59,030 こない大事な事はあらしまへん! そうです。 65 00:04:59,030 --> 00:05:05,470 商いと教育 どちらも 大いに頭を悩ますべき➡ 66 00:05:05,470 --> 00:05:09,140 大切な問題なのですよ。 はぁ。 67 00:05:09,140 --> 00:05:11,480 びっくりぽん…。 (新次郎)びっくりぽんや! 68 00:05:11,480 --> 00:05:14,320 へ? ぽん!? いや~。 69 00:05:14,320 --> 00:05:19,150 わてな お金や商いいうもんが 初めて➡ 70 00:05:19,150 --> 00:05:23,950 人間味のあるもんに 思えてきましたわ。 ハハハハ! 71 00:05:30,870 --> 00:05:33,670 (弥七)そやけど わてらみたいな若い者が➡ 72 00:05:33,670 --> 00:05:37,340 今更 「通いは どないや?」て 言われてもなぁ。 73 00:05:37,340 --> 00:05:40,240 (佑作)弥七さんの どこが若おますのや。 74 00:05:40,240 --> 00:05:45,210 そやけど 一人で暮らすやなんて そない寂しい事…。 75 00:05:45,210 --> 00:05:49,920 (平十郎) しかし 通いになると番頭や 女子衆の目を気にする事なく➡ 76 00:05:49,920 --> 00:05:54,360 お給金で 好きなだけ 好きな事ができます。 77 00:05:54,360 --> 00:05:57,190 (2人)へ? それだけやありません。 78 00:05:57,190 --> 00:06:01,630 例えば… 好きな おなごはんと 一緒に暮らす事も! 79 00:06:01,630 --> 00:06:05,500 まあ 何でも勝手気まま いう事ですわ。 80 00:06:05,500 --> 00:06:11,200 何でも勝手気ままに…。 好きな おなご…。 81 00:06:13,240 --> 00:06:16,180 […が ほとんどの働き手は➡ 82 00:06:16,180 --> 00:06:20,010 そのまま 家付きで働く事を望みました] 83 00:06:20,010 --> 00:06:24,820 (かの)私ら女子衆は そのまま この白岡の家で➡ 84 00:06:24,820 --> 00:06:31,690 女中奉公いう事になります。 若い者は 大奥様が自ら➡ 85 00:06:31,690 --> 00:06:35,530 嫁入り先を お探し下さる いう事だすさかい。 (クマ)はぁ。 86 00:06:35,530 --> 00:06:38,330 それやったら 何も変われへんいう事だすなぁ。 87 00:06:38,330 --> 00:06:40,630 よかった…。 88 00:06:43,670 --> 00:06:49,340 [ 回想 ] わてと一緒に この家 出ぇへんか? 89 00:06:49,340 --> 00:06:52,250 もし 雁助さんに 一緒に出ていこ言われて➡ 90 00:06:52,250 --> 00:06:55,850 うめも そないしたい 思うんやったら➡ 91 00:06:55,850 --> 00:06:58,190 そないしてほしいんだす。 92 00:06:58,190 --> 00:07:08,300 ♬~ 93 00:07:08,300 --> 00:07:12,970 ≪(榮三郎)雁助。 頼む…➡ 94 00:07:12,970 --> 00:07:18,310 どこにも行かんといてくれ! 95 00:07:18,310 --> 00:07:24,650 …てな事は 決して言うたあかんて➡ 96 00:07:24,650 --> 00:07:28,520 お兄ちゃんに くぎ刺されてしもた。 97 00:07:28,520 --> 00:07:33,650 せやけど どこ行くつもりだすのや? 98 00:07:33,650 --> 00:07:37,990 まさかや思うけど どっかの商売敵のとこにでもて…。 99 00:07:37,990 --> 00:07:41,860 わて 伊予に行こ思てます。 100 00:07:41,860 --> 00:07:44,330 伊予だすか? 101 00:07:44,330 --> 00:07:49,000 まあ 今は伊予も 愛媛いうように なったみたいだすけど。 102 00:07:49,000 --> 00:07:53,840 出戻ってた嫁から 20年ぶりに文が届きましてな➡ 103 00:07:53,840 --> 00:07:59,510 どうやら娘が 重い病に かかったみたいなんだす。 104 00:07:59,510 --> 00:08:05,290 娘さんが…。 そうだしたんか。 ほんで お金に困ってるさかい➡ 105 00:08:05,290 --> 00:08:09,160 助けてほしい言うてきまして… 勝手に出ていったくせに➡ 106 00:08:09,160 --> 00:08:12,160 今更 何 言うてんのや 思たんだすけどなぁ➡ 107 00:08:12,160 --> 00:08:19,460 ほんでも わて 20年前に 娘には 何にもしてやられへんかった。 108 00:08:23,970 --> 00:08:31,310 せやさかい こないな時に 便りが来たのも何かの縁や。 109 00:08:31,310 --> 00:08:38,190 伊予に行って 向こうで働き口でも探して➡ 110 00:08:38,190 --> 00:08:42,490 娘の面倒 見られたらて思てます。 111 00:08:46,660 --> 00:08:51,330 何だす… そないな事やったら わて➡ 112 00:08:51,330 --> 00:08:55,200 もう止める事も できしまへんやないか…! 113 00:08:55,200 --> 00:09:02,280 へぇ。 泣いたら あきまへん。 榮三郎さん。 114 00:09:02,280 --> 00:09:08,620 あなたは これから 新次郎さんと奥さんと➡ 115 00:09:08,620 --> 00:09:12,920 立派に のれんを守っていかな あかんのだす。 116 00:09:16,290 --> 00:09:21,630 分かった。 お父ちゃんとの約束どおり➡ 117 00:09:21,630 --> 00:09:25,500 払えるだけのお金は 払わしてもらいますさかいな。 118 00:09:25,500 --> 00:09:29,500 おおきに ありがとうございます。 119 00:09:35,640 --> 00:09:40,340 (うめ)何や… よかった。 120 00:09:51,990 --> 00:09:54,500 うめ。 121 00:09:54,500 --> 00:09:57,830 番頭さん。 すんまへん。 掃除してたら➡ 122 00:09:57,830 --> 00:10:03,700 話 聞こえてしまいましたんや。 お嬢さん 心配な事だすなぁ。 123 00:10:03,700 --> 00:10:08,340 そやけど 番頭さんが そばにいてあげはったら➡ 124 00:10:08,340 --> 00:10:13,010 奥様かて どれだけ心丈夫な事か。 125 00:10:13,010 --> 00:10:17,350 う… うめ。 126 00:10:17,350 --> 00:10:20,690 堪忍な。 何でだすか? 127 00:10:20,690 --> 00:10:25,190 これで よかったんだすがな! お礼 言いたいぐらいだす。 128 00:10:25,190 --> 00:10:27,530 礼? 129 00:10:27,530 --> 00:10:33,700 番頭さんが 冗談でも いっぺんでも うちに➡ 130 00:10:33,700 --> 00:10:37,570 一緒に行けへんかて 言うてくれはった…。 131 00:10:37,570 --> 00:10:46,270 その思い出があったら うちは もう一生 一人で生きていけます。 132 00:10:50,050 --> 00:10:53,920 今まで ほんま おおきに。 133 00:10:53,920 --> 00:10:58,730 どうか お元気で。 134 00:10:58,730 --> 00:11:02,000 わては…➡ 135 00:11:02,000 --> 00:11:08,340 最後まで この家に ご奉公する事がでけへんかった。 136 00:11:08,340 --> 00:11:11,240 あんたは どうか➡ 137 00:11:11,240 --> 00:11:17,010 ずっと おあさ様のそばで 頑張っとくれやすな。 138 00:11:17,010 --> 00:11:21,880 へぇ 任しとくなはれ。 139 00:11:21,880 --> 00:11:41,240 ♬~ 140 00:11:41,240 --> 00:11:43,700 うめ。 141 00:11:43,700 --> 00:11:47,380 あ… おあさ様。 すんまへん。 掃除の途中やったのに➡ 142 00:11:47,380 --> 00:11:50,710 ぼ~っとしてしまいました。 143 00:11:50,710 --> 00:11:57,390 うめ 何やったら 久しぶりに取りまひょか? 144 00:11:57,390 --> 00:12:01,390 何だすか? 取りまひょて…。 145 00:12:08,330 --> 00:12:10,530 もちろん…。 146 00:12:12,200 --> 00:12:14,500 これだす! 147 00:12:14,500 --> 00:12:17,840 あれま… 勘弁しとくなはれ! もう うち➡ 148 00:12:17,840 --> 00:12:20,880 年 なんぼや思てはりますのや。 おあさ様かて もう若ない…。 149 00:12:20,880 --> 00:12:24,610 ひょっとしたら もう ええ年に なってしもたさかい➡ 150 00:12:24,610 --> 00:12:27,010 うちには勝たれへんて 思てますのやな? 151 00:12:27,010 --> 00:12:29,920 何を言うてますのや。 うちは なんぼになったかて➡ 152 00:12:29,920 --> 00:12:32,820 おあさ様になんか 負ける気なんかあらしまへん。 153 00:12:32,820 --> 00:12:36,360 せやないと おあさ様の お付きなんか務まりますかいな! 154 00:12:36,360 --> 00:12:41,700 そら よかった。 ほな 頼むさかい 勝負しとくれやす。 155 00:12:41,700 --> 00:12:44,730 うち ずっと前に うめに負けたままの事➡ 156 00:12:44,730 --> 00:12:47,870 ずっと気になってたんだす。 157 00:12:47,870 --> 00:12:52,040 分かりました。 しょうがありまへんなぁ。 158 00:12:52,040 --> 00:13:06,150 ♬~ 159 00:13:06,150 --> 00:13:08,490 よっしゃ。 160 00:13:08,490 --> 00:13:12,330 はっけよ~い…➡ 161 00:13:12,330 --> 00:13:14,660 のこった! 162 00:13:14,660 --> 00:13:38,890 ♬~ 163 00:13:38,890 --> 00:13:41,360 あっ… イッタ! 164 00:13:41,360 --> 00:13:44,660 あ~ すんまへん! すんまへん おあさ様! 165 00:13:46,690 --> 00:13:49,600 あかん…。 166 00:13:49,600 --> 00:13:54,300 負けるやて あかんなぁ。 167 00:13:56,040 --> 00:14:01,340 うめの事 泣かしたげよと 思てたのに。 168 00:14:02,840 --> 00:14:05,310 おあさ様…! 169 00:14:05,310 --> 00:14:19,330 (泣き声) 170 00:14:19,330 --> 00:14:36,340 ♬~ 171 00:14:36,340 --> 00:14:39,180 [そして…] (2人)よしっ。 172 00:14:39,180 --> 00:14:44,380 [いよいよ 明治21年 加野屋は…] 173 00:14:47,890 --> 00:14:50,360 おっ! (千代)嫌や! 174 00:14:50,360 --> 00:14:54,360 何してますの!? お母ちゃん!