1 00:00:02,280 --> 00:00:07,220 (サカエ)おいでなさいませ。 おいでなさいませ。 2 00:00:07,220 --> 00:00:10,360 [あさは 加野銀行で➡ 3 00:00:10,360 --> 00:00:14,230 女子行員候補の採用を 始めました。➡ 4 00:00:14,230 --> 00:00:18,230 そのもくろみは成功し 明るくなった銀行には➡ 5 00:00:18,230 --> 00:00:22,700 より多くの客が 詰めかけるようになりました。➡ 6 00:00:22,700 --> 00:00:26,570 あさと新次郎の一人娘の千代は➡ 7 00:00:26,570 --> 00:00:32,050 寄宿舎のある京都の女学校に 入学する事となり➡ 8 00:00:32,050 --> 00:00:36,720 加野銀行で働きたいと 家出をしてきた藍之助は➡ 9 00:00:36,720 --> 00:00:43,590 はつと共に 和歌山へ帰っていきました] 10 00:00:43,590 --> 00:00:48,060 (新次郎) たまには 旅にでも行かへんか? 11 00:00:48,060 --> 00:00:50,970 和歌山なんか どないだす? 12 00:00:50,970 --> 00:00:53,400 (あさ)そうだすなぁ。 ええ考えだす! 13 00:00:53,400 --> 00:00:55,740 行きまひょ 旦那様! よっしゃ。 14 00:00:55,740 --> 00:01:00,080 [あさと新次郎 初めての旅です] 15 00:01:00,080 --> 00:01:03,950 ♬「朝の空を見上げて」 16 00:01:03,950 --> 00:01:08,350 ♬「今日という一日が」 17 00:01:08,350 --> 00:01:13,220 ♬「笑顔でいられるように」 18 00:01:13,220 --> 00:01:18,030 ♬「そっと お願いした」 19 00:01:18,030 --> 00:01:22,360 ♬「時には雨も降って」 20 00:01:22,360 --> 00:01:26,700 ♬「涙も溢れるけど」 21 00:01:26,700 --> 00:01:31,570 ♬「思い通りに ならない日は」 22 00:01:31,570 --> 00:01:36,380 ♬「明日 頑張ろう」 23 00:01:36,380 --> 00:01:40,720 ♬「ずっと見てる夢は」 24 00:01:40,720 --> 00:01:45,220 ♬「私が もう一人いて」 25 00:01:45,220 --> 00:01:49,560 ♬「やりたいこと 好きなように」 26 00:01:49,560 --> 00:01:53,430 ♬「自由にできる夢」 27 00:01:53,430 --> 00:01:57,730 ♬「人生は紙飛行機」 28 00:01:57,730 --> 00:02:03,000 ♬「願い乗せて飛んで行くよ」 29 00:02:03,000 --> 00:02:07,680 ♬「風の中を力の限り」 30 00:02:07,680 --> 00:02:12,010 ♬「さあ 心のままに」 31 00:02:12,010 --> 00:02:16,890 ♬「365日」 32 00:02:16,890 --> 00:02:19,520 ♬「飛んで行け!」 33 00:02:19,520 --> 00:02:22,020 ♬「飛んでみよう!」 34 00:02:22,020 --> 00:02:24,360 ♬「飛んで行け!」 35 00:02:24,360 --> 00:02:28,230 ♬「飛んでみよう!」 36 00:02:28,230 --> 00:02:34,700 ♬~ 37 00:02:34,700 --> 00:02:37,610 (うめ)ほんまに ご一緒せんと よろしおますのか? 38 00:02:37,610 --> 00:02:40,380 へぇ。 うち 旅は慣れてますし➡ 39 00:02:40,380 --> 00:02:43,040 それに 旦那様が 言いはりましたのや。 40 00:02:43,040 --> 00:02:46,710 たまには 夫婦水入らずで どないやてなぁ。 41 00:02:46,710 --> 00:02:50,390 まあ そないな事だしたら お邪魔しても何だすけどなぁ。 42 00:02:50,390 --> 00:02:53,890 そやろ。 それに 千代も週末の休みまで➡ 43 00:02:53,890 --> 00:02:56,790 帰ってけぇへんし…➡ 44 00:02:56,790 --> 00:02:59,390 うめも たまには ゆっくり 休んどくなはれ。 45 00:02:59,390 --> 00:03:01,660 そない言わはりましても➡ 46 00:03:01,660 --> 00:03:04,330 うめは おあさ様たちのお世話 あらへんかったら➡ 47 00:03:04,330 --> 00:03:07,240 一体 何したらええか 分かれしまへんのだす。 48 00:03:07,240 --> 00:03:10,000 それに女中の手も 足りておりますし…。 49 00:03:10,000 --> 00:03:14,880 そないな事 言わんと… て 言いたいけど➡ 50 00:03:14,880 --> 00:03:20,010 その気持ち よう分かります。 旦那様は 休みいうたら➡ 51 00:03:20,010 --> 00:03:23,350 一日中 遊ぶなり ダラ~ンとするなり してたらええ➡ 52 00:03:23,350 --> 00:03:27,020 言いはりますのやけど そないな事 うち 時が もったいのうて➡ 53 00:03:27,020 --> 00:03:30,360 ようしまへんさかい…。 ほんまだすなぁ。 54 00:03:30,360 --> 00:03:34,660 ダラ~ンてなぁ? なぁ? 55 00:03:36,870 --> 00:03:39,770 あんたら どこまで働き者だすのや? 56 00:03:39,770 --> 00:03:43,740 ええお天気だすなぁ。 せやけど 何や 昨日も➡ 57 00:03:43,740 --> 00:03:46,880 胸がドキドキしてしもて 寝られへんかって…。 58 00:03:46,880 --> 00:03:49,710 お商売の絡まへん旅が 初めてやさかいやろか? 59 00:03:49,710 --> 00:03:52,750 それとも 旦那様と2人の旅が 初めてやさかいやろか? 60 00:03:52,750 --> 00:03:55,520 ほんまやなぁ。 あさは 今まで 五代さんや亀助と➡ 61 00:03:55,520 --> 00:03:58,890 何べんも旅してたいうのに わては ずっと➡ 62 00:03:58,890 --> 00:04:01,490 置いてけぼりだしたさかいな。 おおきに。 63 00:04:01,490 --> 00:04:04,830 それに さっき ドキドキして 寝られへんかった言うたけど➡ 64 00:04:04,830 --> 00:04:07,730 わてより先に寝たはりましたで! ほんまだすか!? 65 00:04:07,730 --> 00:04:11,700 ほんまだす。 まあ ええわ。 行きまひょ。 ハハッ。 66 00:04:11,700 --> 00:04:14,540 ほんまに ほんまだすか? へぇ ほんまだす。 67 00:04:14,540 --> 00:04:17,540 [こうして あさと新次郎は➡ 68 00:04:17,540 --> 00:04:21,680 船で 大阪から和歌山の有田に渡り➡ 69 00:04:21,680 --> 00:04:27,020 はつや惣兵衛のいる みかん畑へと向かいました] 70 00:04:27,020 --> 00:04:32,690 ♬~ 71 00:04:32,690 --> 00:04:36,360 はぁ~ やっぱり 風の匂いが違てますなぁ。 72 00:04:36,360 --> 00:04:38,690 雨 降ってへんで よかった。 73 00:04:38,690 --> 00:04:42,030 船で パラパラ降ってきた時は どないしよか思いましたわ。 74 00:04:42,030 --> 00:04:45,900 わてが楽しみにし過ぎたさかいな。 う~ 寒! 75 00:04:45,900 --> 00:04:49,200 はぁ… どっこも 風よけるとこ あれへんがな。 76 00:04:49,200 --> 00:04:53,370 やっぱり 温泉寄ってから来たら よかった。 はぁ 温泉なぁ。 77 00:04:53,370 --> 00:04:56,710 そういうたら忠隈山から そない遠ないとこに➡ 78 00:04:56,710 --> 00:04:59,380 ええ温泉が湧いてるて 亀助さんや坑夫のみんながな…。 79 00:04:59,380 --> 00:05:03,250 あ~っ もう! 亀助や坑夫の話は やめてんか。 80 00:05:03,250 --> 00:05:07,660 ええか? あさ。 今は わてら 夫婦 初めての旅だす。 81 00:05:07,660 --> 00:05:12,490 炭坑や銀行の事とか 不粋な事は 一切 考えたらあきまへん。 82 00:05:12,490 --> 00:05:16,330 へぇ。 それからなぁ お姉ちゃんとこ行くからいうて➡ 83 00:05:16,330 --> 00:05:19,670 よそ様の子どもの将来の事 口出すやなんて事は…。 84 00:05:19,670 --> 00:05:23,000 分かっております。 な~んも言わしまへん。 85 00:05:23,000 --> 00:05:26,300 うん。 それやったら よろし。 86 00:05:28,680 --> 00:05:31,580 何な? あれ。 どこの者よぉ? 87 00:05:31,580 --> 00:05:34,180 おっかし格好して 歩いちゃあるで! 88 00:05:34,180 --> 00:05:36,680 (笑い声) ほんまじょ! 89 00:05:36,680 --> 00:05:40,560 養にいちゃん! 養にいちゃんも見てみいなよ! 90 00:05:40,560 --> 00:05:45,360 (養之助)何や? へ? 何や 何や…!? 91 00:05:47,200 --> 00:05:53,070 あ… ほんまじょ! 腰にミノムシ ぶら下げちゃあるでぇなぁ! 92 00:05:53,070 --> 00:05:57,370 そない言われたら違いあれへんわ。 ≪(惣兵衛)こら!➡ 93 00:05:57,370 --> 00:06:00,340 お前ら 道草食うてんと 早いんで➡ 94 00:06:00,340 --> 00:06:04,650 お父ちゃん お母ちゃん 手伝わんかいな! (3人)はい。 95 00:06:04,650 --> 00:06:07,320 お前も 今日は 早 帰れて お母ちゃんに➡ 96 00:06:07,320 --> 00:06:09,820 言われてたやろが。 アイタタタ! あぁ? 堪忍 堪忍! 97 00:06:09,820 --> 00:06:13,990 惣兵衛さん? あ? 98 00:06:13,990 --> 00:06:19,660 妹さん…? おおっ 新次郎さん! 99 00:06:19,660 --> 00:06:24,530 やぁ 惣兵衛はん! やぁ! ようよう 会えたがな。 100 00:06:24,530 --> 00:06:28,170 えらい たくまし ええ男はんに なりはって たまげましたなぁ。 101 00:06:28,170 --> 00:06:30,840 なぁ。 おまはんこそ 何や… あんたは ちょっとも➡ 102 00:06:30,840 --> 00:06:33,880 変わりまへんなぁ。 へぇ。 羽振りのええ事で。 103 00:06:33,880 --> 00:06:36,640 はぁ…。➡ 104 00:06:36,640 --> 00:06:41,350 相変わらず あんたの嫁さんは 変わってますなぁ。 は? 105 00:06:41,350 --> 00:06:44,250 そないミノムシみたいな格好して この辺 歩いてたら➡ 106 00:06:44,250 --> 00:06:47,020 おなかすかした小鳥に つっつかれるで。 107 00:06:47,020 --> 00:06:49,920 え!? そら 困ります! 108 00:06:49,920 --> 00:06:52,720 (笑い声) そら あかんなぁ。 109 00:07:06,510 --> 00:07:10,240 ただいま。 来はったで。 110 00:07:10,240 --> 00:07:12,650 (はつ)やぁ あさ! 111 00:07:12,650 --> 00:07:16,320 お姉ちゃん! よう来てくれましたなぁ。 112 00:07:16,320 --> 00:07:19,350 新次郎さんも ようこそ 遠いとこまで。 113 00:07:19,350 --> 00:07:23,190 いいや。 山王寺屋さん どうも お邪魔致します。 114 00:07:23,190 --> 00:07:27,330 (栄達)どうも 加野屋さん。 やぁ 山王寺屋やなんて➡ 115 00:07:27,330 --> 00:07:29,660 久しぶりに 言われてしまいましたわ。 116 00:07:29,660 --> 00:07:33,000 (菊)ほんまだすなぁ ほんまに…。 まあまあ あの…➡ 117 00:07:33,000 --> 00:07:35,670 それが その洋服いうのだすか? へぇ。 118 00:07:35,670 --> 00:07:38,710 (菊)へえ。 (藍之助)あっちの部屋 拭き終わったで。 119 00:07:38,710 --> 00:07:42,440 あっ ようこそです! 社長に あさおばさん。 120 00:07:42,440 --> 00:07:46,680 やぁ 藍之助! 元気そうだすなぁ。 しゃ… 社長? 121 00:07:46,680 --> 00:07:49,180 そやねんで お父ちゃん。 新次郎さん 今な➡ 122 00:07:49,180 --> 00:07:52,220 加野屋の新しい会社の社長さん してはりますのや。 123 00:07:52,220 --> 00:07:54,690 こらこら えらい 景気のええこって。 124 00:07:54,690 --> 00:07:57,020 うちなんか もう 新聞も取ってませんさかい➡ 125 00:07:57,020 --> 00:08:00,060 世間様の事に疎うて もう…。 いいや。 わてなんか ちょっとも➡ 126 00:08:00,060 --> 00:08:03,800 そない大した事あれへんのだす。 偉いのは 嫁さんで。 127 00:08:03,800 --> 00:08:08,970 何 言うてはりますの! はぁ~ ええ匂いしてますなぁ。 128 00:08:08,970 --> 00:08:12,810 そやろ! お母ちゃんの作った サバのかき混ぜ飯は➡ 129 00:08:12,810 --> 00:08:15,840 ほんま おいしいさかい いっつも みんなで取り合いや! 130 00:08:15,840 --> 00:08:18,610 あんたは また つまみ食いして。 131 00:08:18,610 --> 00:08:22,520 今日は ようけ作ったさかい 心配せんと たんと食べなさい。 132 00:08:22,520 --> 00:08:25,320 それより あんた 新次郎さんも あさおばさんも➡ 133 00:08:25,320 --> 00:08:28,160 会うの初めてやろ? ちゃんと ご挨拶しましたのか? 134 00:08:28,160 --> 00:08:30,660 どうも 養之助です。 135 00:08:30,660 --> 00:08:34,160 もう… 男の子て 愛想ないやろ。 136 00:08:34,160 --> 00:08:39,030 僕は 愛想あるで。 自分で言うか? ほんまや。 137 00:08:39,030 --> 00:08:42,340 (栄達)惣兵衛は ほんま 悪かったもんね。 138 00:08:42,340 --> 00:08:45,640 (笑い声) 139 00:08:47,210 --> 00:08:52,350 はぁ~ こら よろしなぁ。 140 00:08:52,350 --> 00:08:56,850 こないな着物 実業家の奥さんに 着せてしもて ええのやろか。 141 00:08:56,850 --> 00:08:59,520 おおきに 助かります。 142 00:08:59,520 --> 00:09:03,720 ミノムシみたいや言うて。 (笑い声) 143 00:09:10,970 --> 00:09:13,870 はぁ~ こら おいしいこと。 144 00:09:13,870 --> 00:09:17,840 え? ハハハ! お気に召しましたか? 145 00:09:17,840 --> 00:09:21,310 へぇ。 この味は 大阪では お目にかかられしまへん。 146 00:09:21,310 --> 00:09:23,980 おおきに。 今日は 具も ぎょうさん入ってるしな。 147 00:09:23,980 --> 00:09:27,850 余計な事 言わんかてええ。 私は 大阪のおすしが食べたいわ。 148 00:09:27,850 --> 00:09:31,320 お母ちゃんも 余計な事 言わんといて。 ほんまやで。 149 00:09:31,320 --> 00:09:36,190 (笑い声) 加野屋の皆さんは お達者ですか? 150 00:09:36,190 --> 00:09:39,660 へぇ 相変わらず にぎやかに やってまっせ。 151 00:09:39,660 --> 00:09:43,330 そうですか。 商売繁盛で よかった。 152 00:09:43,330 --> 00:09:54,340 ♬~ 153 00:09:54,340 --> 00:09:57,010 なぁ あさ。 154 00:09:57,010 --> 00:10:03,680 ひょっとしたら 藍之助の事が 心配で来てくれたん? 155 00:10:03,680 --> 00:10:09,560 こないだ うち 大阪で 恥ずかしいとこ見せてしもて…。 156 00:10:09,560 --> 00:10:15,300 いいや。 恥ずかしいとこやったら 生まれて この方➡ 157 00:10:15,300 --> 00:10:19,030 うちの方が よっぽど見せてます! 158 00:10:19,030 --> 00:10:23,700 これは うちと旦那様の 初めての旅や。 159 00:10:23,700 --> 00:10:27,040 お姉ちゃんたち一家に 会いたかっただけだす。 160 00:10:27,040 --> 00:10:30,340 そう? おおきに。 161 00:10:38,650 --> 00:10:41,060 (倉掛)あるか?➡ 162 00:10:41,060 --> 00:10:44,730 お… こら 今日も また にぎやかな事で。 163 00:10:44,730 --> 00:10:47,060 まあ 庄屋さん! こんばんは。 164 00:10:47,060 --> 00:10:49,730 ごはん食べちゃんのかぇ。 邪魔して悪いよ。 165 00:10:49,730 --> 00:10:53,070 邪魔やなんて とんでもない! 藍之助 養之助。 (2人)はい。 166 00:10:53,070 --> 00:10:55,970 新次郎はん。 へぇ。 167 00:10:55,970 --> 00:10:59,740 こちら 村の世話役の倉掛さんや。 168 00:10:59,740 --> 00:11:02,340 親類が泊まりに来る言うたら➡ 169 00:11:02,340 --> 00:11:04,850 布団 貸しちゃある 言うてくれはってなぁ。 170 00:11:04,850 --> 00:11:09,350 倉掛様 おおきに お世話になります。 171 00:11:09,350 --> 00:11:14,520 わてが義理の弟の新次郎だす。 ほなら おまんさんが➡ 172 00:11:14,520 --> 00:11:18,360 あの 大阪の加野銀行の 旦那さんかいの? へぇ。 173 00:11:18,360 --> 00:11:22,700 やぁ こないだ 奥さんの記事 新聞で読みましてな。 おっ。 174 00:11:22,700 --> 00:11:29,370 これよ。 「偉大なる婦人実業家 白岡あさ女史」て。 175 00:11:29,370 --> 00:11:35,040 そんな家が親戚筋なて聞いちゃあ びっくりしちゃあてよ。 176 00:11:35,040 --> 00:11:39,910 お待たせしました。 まあ こんばんは 倉掛さん。 177 00:11:39,910 --> 00:11:42,920 はつ先生。 はつ先生? 178 00:11:42,920 --> 00:11:46,750 ああ はつと菊はな この倉掛さんの家で➡ 179 00:11:46,750 --> 00:11:50,890 お琴 教えさしてもろてますのや。 そうだすのや。 180 00:11:50,890 --> 00:11:53,230 ほんま お世話になってしもて。 (倉掛)うんにゃ。➡ 181 00:11:53,230 --> 00:11:56,930 そんな世話になっちゃあるなんて 言わんといてぇよ。 182 00:11:59,570 --> 00:12:02,540 わしはよ この眉山の一家は➡ 183 00:12:02,540 --> 00:12:07,010 徳川様のご威光が消えてしもた この有田に 再び降り注いだ➡ 184 00:12:07,010 --> 00:12:11,510 一筋の光よ思うちょります。 ほう 光だすか。 185 00:12:11,510 --> 00:12:14,420 十何年か前に いきなり おいでた時は➡ 186 00:12:14,420 --> 00:12:19,020 がいな一家や思いやったけども 旦那さんたちは頼りになるし➡ 187 00:12:19,020 --> 00:12:22,520 奥さんたちは 学があって… 美しい! 188 00:12:22,520 --> 00:12:25,560 嫌やわ また そないな事 言いはって。 189 00:12:25,560 --> 00:12:28,030 うんにゃ うんにゃ ほんまの事じょ。 190 00:12:28,030 --> 00:12:31,900 その上 この藍之助は ほんま 賢い子や。 191 00:12:31,900 --> 00:12:34,800 うちの学校の先生も 「このまま 村に置いちゃあるのは➡ 192 00:12:34,800 --> 00:12:38,540 もったいない。 世が世なら お殿様に仕えちゃあったはずや」➡ 193 00:12:38,540 --> 00:12:43,710 そう言うちゃあったで。 へぇ そうだすのか。 194 00:12:43,710 --> 00:12:49,380 (倉掛)今 和歌山のみかんは 正念場を迎えちょりましてなぁ。 195 00:12:49,380 --> 00:12:54,260 徳川様の時代には 紀州みかんは もてはやされてた。 196 00:12:54,260 --> 00:12:58,890 御三家 紀州様の 後ろ盾もあってな。 そうだすなぁ。 197 00:12:58,890 --> 00:13:03,730 それが 時代が変わって 後ろ盾も のうなってしもたよって➡ 198 00:13:03,730 --> 00:13:07,700 東京の問屋に がいな扱い受けてよ。 199 00:13:07,700 --> 00:13:10,540 (惣兵衛)1つ 腐ったみかん 入ってたいうだけで➡ 200 00:13:10,540 --> 00:13:13,540 安う買いたたかれてやで。 201 00:13:13,540 --> 00:13:18,850 「有田のみかん作りは 東京問屋の小作人や」とまで➡ 202 00:13:18,850 --> 00:13:21,880 言われてしもて 悔しいこっちゃねん。 203 00:13:21,880 --> 00:13:25,620 それは…➡ 204 00:13:25,620 --> 00:13:29,360 きっと おみかんの売り方や 儲けの配分が➡ 205 00:13:29,360 --> 00:13:33,030 東京の問屋に ええように されてしもてるさかいだすなぁ。 206 00:13:33,030 --> 00:13:36,060 今すぐ その仕組み変えるのは 難しいにしても➡ 207 00:13:36,060 --> 00:13:40,900 もし 誰か 村から東京に派遣して 問屋の言うなりやのう➡ 208 00:13:40,900 --> 00:13:44,040 おみかん売る事ができたら…。 ん。 ん? ん! 209 00:13:44,040 --> 00:13:47,710 はっ 堪忍。 つい この口が…。 210 00:13:47,710 --> 00:13:50,610 よそ者が余計な事 言うて 堪忍だす! 211 00:13:50,610 --> 00:13:55,380 相変わらずやなぁ あんたは。 せやな。 ほんま変わらへんわ。 212 00:13:55,380 --> 00:13:59,250 いや この一家 見てても 分かるように➡ 213 00:13:59,250 --> 00:14:04,190 やっぱり こいからは百姓にも 知識がのうては あかないしょ。 214 00:14:04,190 --> 00:14:08,660 そやって うちも 息子らは 東京の学校にやっちゃある。 215 00:14:08,660 --> 00:14:13,330 いずれ その息子らと この藍之助君で➡ 216 00:14:13,330 --> 00:14:17,000 この村を背負てもらいたいと そう願ておりますのや。 217 00:14:17,000 --> 00:14:21,300 なぁ 藍之助。 はい…。 218 00:14:23,340 --> 00:14:26,250 頼りにしちゃあるで。 もう突然 のうなって➡ 219 00:14:26,250 --> 00:14:31,220 大事な お母ちゃんに心配させたら あかなよ。 なぁ はつ先生。 220 00:14:31,220 --> 00:14:33,990 へぇ。 221 00:14:33,990 --> 00:14:45,030 ♬~ 222 00:14:45,030 --> 00:14:52,730 [あさは はつの心の中が 気になっていました]