1 00:00:05,610 --> 00:00:10,080 (あさ)やぁ! 立派な おみかんやなぁ。 2 00:00:10,080 --> 00:00:13,420 (はつ)はい。 (栄達)あささん。 3 00:00:13,420 --> 00:00:17,720 そこ 滑りやすいよって 気ぃ付けてや。 へぇ。 4 00:00:20,760 --> 00:00:24,630 へえ~。 うちにも手伝わして。 5 00:00:24,630 --> 00:00:28,100 ええのや。 これはコツがいるさかい。 6 00:00:28,100 --> 00:00:32,770 それに あんたは 働きにやのうて 遊びに来たのやろ? 7 00:00:32,770 --> 00:00:35,110 はい。 8 00:00:35,110 --> 00:00:38,010 そうだした。 9 00:00:38,010 --> 00:00:57,130 ♬~ 10 00:00:57,130 --> 00:01:01,970 [藍之助の商いへの思いを知る あさは➡ 11 00:01:01,970 --> 00:01:06,570 複雑でした…] 12 00:01:06,570 --> 00:01:10,440 ♬「朝の空を見上げて」 13 00:01:10,440 --> 00:01:14,920 ♬「今日という一日が」 14 00:01:14,920 --> 00:01:19,790 ♬「笑顔でいられるように」 15 00:01:19,790 --> 00:01:24,590 ♬「そっと お願いした」 16 00:01:24,590 --> 00:01:28,930 ♬「時には雨も降って」 17 00:01:28,930 --> 00:01:33,270 ♬「涙も溢れるけど」 18 00:01:33,270 --> 00:01:38,140 ♬「思い通りにならない日は」 19 00:01:38,140 --> 00:01:42,940 ♬「明日 頑張ろう」 20 00:01:42,940 --> 00:01:47,280 ♬「ずっと見てる夢は」 21 00:01:47,280 --> 00:01:51,790 ♬「私が もう一人いて」 22 00:01:51,790 --> 00:01:56,120 ♬「やりたいこと 好きなように」 23 00:01:56,120 --> 00:01:59,990 ♬「自由にできる夢」 24 00:01:59,990 --> 00:02:04,230 ♬「人生は紙飛行機」 25 00:02:04,230 --> 00:02:09,570 ♬「願い乗せて飛んで行くよ」 26 00:02:09,570 --> 00:02:14,240 ♬「風の中を力の限り」 27 00:02:14,240 --> 00:02:20,540 ♬「さあ 心のままに」 28 00:02:23,950 --> 00:02:27,250 (菊)なぁ はつさん。 へぇ。 29 00:02:27,250 --> 00:02:30,290 (菊)今日は 惣兵衛 どこに行きましたんや? 30 00:02:30,290 --> 00:02:34,430 今 新次郎さん連れて 倉掛さんのとこ行きはりました。 31 00:02:34,430 --> 00:02:37,330 倉掛さんが お神楽 見せちゃあるとか言いはって。 32 00:02:37,330 --> 00:02:40,630 そうか。 ちょうど よかったわ。 33 00:02:42,300 --> 00:02:46,770 なぁ あささん。 今は あんたが その銀行ゆうの➡ 34 00:02:46,770 --> 00:02:49,810 仕切ってはんのやなぁ? へぇ。 35 00:02:49,810 --> 00:02:54,280 藍之助の働きぶり どないだした? お母さん。 36 00:02:54,280 --> 00:02:57,320 あさは 遊びに来てるのやさかい そないな事は…。 37 00:02:57,320 --> 00:03:00,720 どないだした? 38 00:03:00,720 --> 00:03:06,390 藍之助は 真面目に よう働いてくれてました。 39 00:03:06,390 --> 00:03:11,570 丁稚たちと一緒に店の掃除も 出納係の手伝いも。 40 00:03:11,570 --> 00:03:16,900 丁稚やて!? 失礼な…。 藍之助は神童だっせ! 41 00:03:16,900 --> 00:03:19,810 やめとくなはれ お母さん。 せやけど 藍之助は➡ 42 00:03:19,810 --> 00:03:22,710 ず~っと首席で 庄屋さんの息子たちよりも➡ 43 00:03:22,710 --> 00:03:27,410 ずっと ようできましたんや! 勉強を続ける事さえできてたら➡ 44 00:03:27,410 --> 00:03:30,110 誰にも負けへんのや! 45 00:03:32,290 --> 00:03:36,760 あささん 頼みますわ。 藍之助を… 加野屋さんの銀行で➡ 46 00:03:36,760 --> 00:03:41,630 正式に雇てくれはれへんやろか? 47 00:03:41,630 --> 00:03:46,770 あの子な お商売 学びたい言うて ず~っと言うてましたんや。 48 00:03:46,770 --> 00:03:51,110 加野屋さんで働けて ほんまに楽しかった言うてなぁ。 49 00:03:51,110 --> 00:03:54,780 そら 庄屋さんの言うてはる事も よう分かります。 50 00:03:54,780 --> 00:03:58,650 せやけど 藍之助は 有田の子やあらへん。 51 00:03:58,650 --> 00:04:02,580 山王寺屋の子だす。 52 00:04:02,580 --> 00:04:09,060 せっかく商いの才があるいうのに 村の者や親の願いだけで➡ 53 00:04:09,060 --> 00:04:13,390 あの子をこのまま みかんの山に 埋もれさせてしまうのは…。 54 00:04:13,390 --> 00:04:18,070 なぁ 頼みます。 あの子 雇たって。 55 00:04:18,070 --> 00:04:23,070 あの子の願い かなえたげとくれやす! 56 00:04:24,940 --> 00:04:27,410 (藍之助)おばあちゃん? 57 00:04:27,410 --> 00:04:32,710 藍之助。 あんたからも 働かせてほし言うて…。 58 00:04:37,080 --> 00:04:43,420 すんまへん。 それは今 うちの一存では決められしまへん。 59 00:04:43,420 --> 00:04:48,760 それやったら もうよろし。 行こ 藍之助。 え…? 60 00:04:48,760 --> 00:04:51,060 行こ 行こ。 あ…。 行こ。 61 00:04:57,100 --> 00:05:00,440 堪忍やで あさ。 62 00:05:00,440 --> 00:05:04,310 お母さんは 藍之助に もういっぺん➡ 63 00:05:04,310 --> 00:05:08,250 山王寺屋の のれん あげてもらいたい思てはんのや。 64 00:05:08,250 --> 00:05:12,390 え? 藍之助も 小さい頃から お母さんに➡ 65 00:05:12,390 --> 00:05:15,290 「あんたは ほんまやったら➡ 66 00:05:15,290 --> 00:05:20,260 大阪一の山王寺屋の跡取りやった」 なんて言われてきたさかい➡ 67 00:05:20,260 --> 00:05:24,400 どっかで そないな気持ちも あるみたいで。 68 00:05:24,400 --> 00:05:29,070 こないだも 大阪行く前にな…。 69 00:05:29,070 --> 00:05:34,740 [ 回想 ] お父ちゃん。 何で 両替屋の商い 捨てたんですか? 70 00:05:34,740 --> 00:05:40,080 山王寺屋は あの加野屋にかて 負けへん店やったて聞きました。 71 00:05:40,080 --> 00:05:43,750 なにも わざわざ大阪捨てて お百姓にならんかて! 72 00:05:43,750 --> 00:05:47,050 なんて事 言いますのや! 73 00:05:54,400 --> 00:05:58,300 お父ちゃんが どないな気持ちで大阪出て➡ 74 00:05:58,300 --> 00:06:01,240 この道 選んだ思てますのや? 75 00:06:01,240 --> 00:06:06,710 どない苦労して 山 切り開いて おみかん作てるて思てますのや? 76 00:06:06,710 --> 00:06:09,210 そやけど 僕は 一生 この山の中で➡ 77 00:06:09,210 --> 00:06:11,550 みかんの世話だけして 働くやなんて➡ 78 00:06:11,550 --> 00:06:15,380 そんなん真っ平ごめんや! 79 00:06:15,380 --> 00:06:32,730 ♬~ 80 00:06:32,730 --> 00:06:38,070 うちなぁ 悔しかったんや。 81 00:06:38,070 --> 00:06:41,410 お母さんの受け売りや思うけど➡ 82 00:06:41,410 --> 00:06:46,750 それでも 旦那様が ようやっと選んだ この道を➡ 83 00:06:46,750 --> 00:06:51,420 息子に そないなふうに 言われてしまうやなんて…➡ 84 00:06:51,420 --> 00:06:55,090 悔しいて たまらへんかった。 85 00:06:55,090 --> 00:06:57,990 お姉ちゃん…。 86 00:06:57,990 --> 00:07:05,700 藍之助なぁ あんたみたいに なりたいんやて。 87 00:07:05,700 --> 00:07:11,570 あんたは うちの自慢の妹や。 お家を守っただけやのうて➡ 88 00:07:11,570 --> 00:07:17,040 大きゅう大きゅうして えらい 実業家さんになって。 89 00:07:17,040 --> 00:07:20,910 そやけど うちは…。 90 00:07:20,910 --> 00:07:27,690 うちは 一家みんなで 山で働いて➡ 91 00:07:27,690 --> 00:07:31,390 おいしい おみかん作って…。 92 00:07:31,390 --> 00:07:36,230 この道が あんたの道に負けてるやなんて➡ 93 00:07:36,230 --> 00:07:40,400 思われへんのだす。 94 00:07:40,400 --> 00:07:46,740 特にな これからの時期 ほんま しんどいけど➡ 95 00:07:46,740 --> 00:07:49,640 楽しいねんで。 96 00:07:49,640 --> 00:07:54,620 一家みんなで みかん取り入れて➡ 97 00:07:54,620 --> 00:07:59,750 一年 手ぇかけて作った おみかんを➡ 98 00:07:59,750 --> 00:08:03,620 あんな事あった こんな事あった言いながら➡ 99 00:08:03,620 --> 00:08:07,360 大事に大事に…。 100 00:08:07,360 --> 00:08:11,700 力仕事で 体 痛なるけど➡ 101 00:08:11,700 --> 00:08:18,000 うち… この時期が一番好きなんや。 102 00:08:20,710 --> 00:08:28,380 それを一番分かってほしい息子に 分かってもらわれへんて…➡ 103 00:08:28,380 --> 00:08:34,250 ほんま こんな悔しい事あれへん。 104 00:08:34,250 --> 00:08:38,550 ああ… 悔しい。 105 00:08:44,730 --> 00:08:48,600 堪忍な。 あんたが悪い訳や あれへんのに➡ 106 00:08:48,600 --> 00:08:54,070 こないな言い方してしもて…。 ううん。 107 00:08:54,070 --> 00:08:57,770 そやけど…。 108 00:09:00,410 --> 00:09:04,280 びっくりぽんだす。 109 00:09:04,280 --> 00:09:09,220 自分の身に起こる事は 何でも そういうもんやて➡ 110 00:09:09,220 --> 00:09:14,360 受け入れてきた お姉ちゃんが 子どもの事になると➡ 111 00:09:14,360 --> 00:09:18,230 そないな顔も しはんのやてなぁ。 112 00:09:18,230 --> 00:09:21,030 せやなぁ…。 113 00:09:21,030 --> 00:09:26,370 自分の心は 自分次第で どないにでもなるけど➡ 114 00:09:26,370 --> 00:09:33,070 人の心 動かすのは… 難しなぁ。 そうだすなぁ。 115 00:09:36,050 --> 00:09:39,920 (惣兵衛)あの時はなぁ わしより はつが怒ってしもて➡ 116 00:09:39,920 --> 00:09:43,920 びっくりしたわ。 (新次郎)へえ~。 117 00:09:43,920 --> 00:09:51,600 わしはなぁ はつが思てるほど 傷ついてへんのやで。 118 00:09:51,600 --> 00:09:56,740 ほれ わしは 自分が親にひかれた道 離れて➡ 119 00:09:56,740 --> 00:09:59,640 ようよう 楽になった身ぃやさかいなぁ。 120 00:09:59,640 --> 00:10:02,610 はぁ そないだしたなぁ。 121 00:10:02,610 --> 00:10:06,750 親の決めたとおり歩かせるのが 一番やあれへんいう事は➡ 122 00:10:06,750 --> 00:10:11,420 分かってる。 それに百姓は きっついしなぁ。 123 00:10:11,420 --> 00:10:14,450 わしは 銭 金の商いの きつさ知ってるさかい➡ 124 00:10:14,450 --> 00:10:20,430 こっちの方がええ思うけど 子どもらにとっては➡ 125 00:10:20,430 --> 00:10:26,770 何がええのか まだ分からんやろ。 126 00:10:26,770 --> 00:10:30,440 せやけど まあ お父ちゃんも お母ちゃんも➡ 127 00:10:30,440 --> 00:10:37,110 年取ってしもたし 養之助は まだまだやし…。 128 00:10:37,110 --> 00:10:40,610 男手が わしだけやったら やっていかれへんいうのも➡ 129 00:10:40,610 --> 00:10:45,450 ほんまの事やしなぁ…。 130 00:10:45,450 --> 00:10:48,790 ん? 何や 珍し。 131 00:10:48,790 --> 00:10:51,830 ちゃかしもせんと黙ってしもて。 ヘヘヘ。 132 00:10:51,830 --> 00:10:55,560 いや 惣兵衛はん➡ 133 00:10:55,560 --> 00:10:58,470 いつの間にか ほんま立派な お百姓のお父ちゃんに➡ 134 00:10:58,470 --> 00:11:02,070 なりはったんやなぁ思てな。 (笑い声) 135 00:11:02,070 --> 00:11:08,940 せやで。 銭や銭や言うて 走り回ってた頃が うそみたいや。 136 00:11:08,940 --> 00:11:15,080 わしには こっちの方が向いてる。 な~んも要らんわ。 137 00:11:15,080 --> 00:11:20,420 家の者さえ いといてくれたら…。 う~ん! 138 00:11:20,420 --> 00:11:26,120 わての娘は どないしてますのやろなぁ。 139 00:11:33,000 --> 00:11:36,440 (千代)「おばあちゃん。 寒なってきましたけど➡ 140 00:11:36,440 --> 00:11:42,310 お元気だすか? うちは学校で 友達と楽しく過ごしてます。➡ 141 00:11:42,310 --> 00:11:46,780 そやけど…➡ 142 00:11:46,780 --> 00:11:52,950 おんなじ部屋の子ぉは 今日も ひと言も話をしまへん」。 143 00:11:52,950 --> 00:11:57,460 はぁ… こない面白ない子が 同室やなんて。 144 00:11:57,460 --> 00:12:01,230 もっと 楽しい子と 一緒やったら…。 (宜)ああ! 145 00:12:01,230 --> 00:12:05,430 面白かっ… た。 146 00:12:09,400 --> 00:12:14,070 ごめんなさい。 ようやく この本を読み終えましたの。 147 00:12:14,070 --> 00:12:18,250 このような本を お借りして読めるだなんて➡ 148 00:12:18,250 --> 00:12:23,080 さすが関西でも名高い 京都白川高等女学校よね。 149 00:12:23,080 --> 00:12:26,590 はぁ…。 私は 男子に頼らない➡ 150 00:12:26,590 --> 00:12:31,090 新しい女子の生き方を学びたくて この女学校に入学しましたの。 151 00:12:31,090 --> 00:12:36,430 あなたは どう? 何を志して この学校へいらしたの? はい? 152 00:12:36,430 --> 00:12:39,770 志? ええ。 153 00:12:39,770 --> 00:12:46,110 うちは 学問いうより 花嫁修業しに来ましたのや。 154 00:12:46,110 --> 00:12:48,780 花嫁修業? 155 00:12:48,780 --> 00:12:55,120 フッ。 はぁ~あ 思たとおりの しょうもない女や。 156 00:12:55,120 --> 00:12:58,450 はぁ? しょうもない女? そうや。 157 00:12:58,450 --> 00:13:03,290 せっかく学びに来たいうのに いつも着物 ズラ~ッと並べて➡ 158 00:13:03,290 --> 00:13:06,260 くしで 髪なんか とかして…。 159 00:13:06,260 --> 00:13:12,100 はぁ 面白ないなぁ。 こない志の低い女が同室やなんて。 160 00:13:12,100 --> 00:13:18,570 はぁ? 志が低いやて!? あんたみたいに 学だけ積んで➡ 161 00:13:18,570 --> 00:13:22,740 おなごの独立とか言うてる者が 女子の徳を壊すのやて➡ 162 00:13:22,740 --> 00:13:25,580 今日も 先生が 授業で おっしゃってました。 163 00:13:25,580 --> 00:13:30,080 そら 先生が古いのです。 女子が 学 積んで 何が悪いの? 164 00:13:30,080 --> 00:13:33,420 いいや。 先生の おっしゃるとおりだす。 165 00:13:33,420 --> 00:13:36,320 女子の教育で大事なのは 男みたいに➡ 166 00:13:36,320 --> 00:13:39,290 天下国家に 有為の人物をつくる事やない。 167 00:13:39,290 --> 00:13:43,430 それに従う 淑女の徳を身につける事だす。 168 00:13:43,430 --> 00:13:48,270 いいや。 これからは 女子も 大いに学んで 家やあれへん➡ 169 00:13:48,270 --> 00:13:51,940 国家に尽くす人にならな あかんのです。 はぁ~。 170 00:13:51,940 --> 00:13:55,440 大き出はりましたなぁ。 努力次第で なんぼでも➡ 171 00:13:55,440 --> 00:13:58,350 これからは 女子は大きなれますのやで。 172 00:13:58,350 --> 00:14:03,350 あなたみたいな女には 信じられへん事でしょうけど。 173 00:14:05,050 --> 00:14:12,750 それを この方が 証明してくれはりましたのや! 174 00:14:15,060 --> 00:14:22,400 これはなぁ 私が今 心から憧れてる お方ですねん。 175 00:14:22,400 --> 00:14:25,700 これて…。 176 00:14:31,750 --> 00:14:34,750 妹はん。 177 00:14:38,080 --> 00:14:42,420 話が ありますのやけど…。 178 00:14:42,420 --> 00:14:46,290 [さあ あさに惣兵衛は➡ 179 00:14:46,290 --> 00:14:51,290 どんな話がある というのでしょうか?]