1 00:00:34,146 --> 00:00:36,716 (拍子木) 2 00:00:36,716 --> 00:00:39,316 (瓦版屋)♬「さてさて お立ち会い」 3 00:00:52,014 --> 00:00:55,014 (拍子木) 4 00:00:56,852 --> 00:01:09,014 (風の音) 5 00:01:09,014 --> 00:01:14,220 (半鐘の音) 6 00:01:14,220 --> 00:01:18,007 (お房)お前様。 (喜兵衛)うん…。 7 00:01:18,007 --> 00:01:21,777 また 火事か…。 8 00:01:21,777 --> 00:01:25,177 大分 遠いようですが…。 9 00:01:28,067 --> 00:01:31,067 ああ… 今夜は風が 強いぞ。 10 00:01:32,738 --> 00:01:36,038 嫌ですね。 11 00:01:38,310 --> 00:01:40,610 ちょっと見てくる。 12 00:01:44,083 --> 00:01:46,368 (半鐘の音) 13 00:01:46,368 --> 00:01:48,387 ああ…。 14 00:01:48,387 --> 00:01:50,406 おい…。 15 00:01:50,406 --> 00:01:53,275 勘蔵! (勘蔵)へい! 16 00:01:53,275 --> 00:01:55,475 仙吉も平太も 居たか? 17 00:01:57,146 --> 00:02:01,684 あれは どの辺りだ? 方角からいって 本郷かと…。 18 00:02:01,684 --> 00:02:03,669 大火事だな。 19 00:02:03,669 --> 00:02:06,105 どんどん 燃え広がっておりやす。 20 00:02:06,105 --> 00:02:10,576 風向きも悪い。 まさかとは思いやすが…。 21 00:02:10,576 --> 00:02:14,814 どけどけどけ! (馬の いななき) 22 00:02:14,814 --> 00:02:18,584 どけどけ! 23 00:02:18,584 --> 00:02:33,249 ♬~ 24 00:02:33,249 --> 00:02:36,252 お房! ああ お房 お七を 起こしなさい。 25 00:02:36,252 --> 00:02:38,237 起きてますよ。 あっ。 26 00:02:38,237 --> 00:03:01,660 ♬~ 27 00:03:01,660 --> 00:03:12,760 (半鐘の音) (悲鳴) 28 00:03:21,697 --> 00:03:24,750 (喜兵衞)みんな よく聞け! 火の手が ますます 盛んだ。 29 00:03:24,750 --> 00:03:29,638 この勢いなら この駒込まで 達するのに およそ一時。 30 00:03:29,638 --> 00:03:31,941 早くて半時。 31 00:03:31,941 --> 00:03:37,046 男どもは 母屋の家財道具を本郷の 大乗寺 大乗寺まで運ぶんだ。 32 00:03:37,046 --> 00:03:39,131 心得ました。 33 00:03:39,131 --> 00:03:41,684 みんな 分かったな。 (一同)へい! 34 00:03:41,684 --> 00:03:44,870 入れてもらえやしょうか? うん? 35 00:03:44,870 --> 00:03:48,073 大乗寺には 人があふれて…。 「八百源」だと 言いなさい。 へい。 36 00:03:48,073 --> 00:03:51,410 わしは 檀家の世話人だ。 かしこまりました。 37 00:03:51,410 --> 00:03:53,395 女どもは わしが指図する。 38 00:03:53,395 --> 00:03:56,298 とめ 燃やしては ならん物を 土蔵に運び込ませるんだ。 39 00:03:56,298 --> 00:03:58,317 かしこまりました。 40 00:03:58,317 --> 00:04:01,670 お七。 はい。 位牌は どうした? ここに…。 41 00:04:01,670 --> 00:04:04,006 よし お前も大乗寺へ行け! 42 00:04:04,006 --> 00:04:06,008 位牌と一緒にな。 はい。 43 00:04:06,008 --> 00:04:08,010 勘蔵。 へい。 44 00:04:08,010 --> 00:04:10,195 お七を頼む。 へい。 45 00:04:10,195 --> 00:04:13,933 さあ 急げ! 総掛かりだ。 へい! 46 00:04:13,933 --> 00:04:16,385 仙吉 平太 表を頼む。 47 00:04:16,385 --> 00:04:26,512 (怒号と悲鳴 半鐘の音) 48 00:04:26,512 --> 00:04:28,847 すいません。 49 00:04:28,847 --> 00:04:32,468 引いて 引いて。 頑張れ! 50 00:04:32,468 --> 00:04:34,903 きゃあ。 お七様! 51 00:04:34,903 --> 00:04:37,303 大丈夫! 52 00:04:43,479 --> 00:04:46,982 何をするの? 53 00:04:46,982 --> 00:04:49,482 泥棒! 54 00:04:52,037 --> 00:04:54,423 くたばれ! いやっ。 55 00:04:54,423 --> 00:04:57,042 待ちやがれ! この ぬすっと野郎が。 56 00:04:57,042 --> 00:04:59,044 返せ! 57 00:04:59,044 --> 00:05:01,044 放せ! 58 00:05:04,817 --> 00:05:08,017 死にてえのか! いいから 返せ! 59 00:05:10,773 --> 00:05:14,076 覚えてろ! 60 00:05:14,076 --> 00:05:16,445 お七様。 61 00:05:16,445 --> 00:05:19,745 お七様… お七様 足が…。 62 00:05:25,287 --> 00:05:29,475 申し 申し お頼み申します! 63 00:05:29,475 --> 00:05:32,811 八百源でございます! 64 00:05:32,811 --> 00:05:35,814 主人の使いで 参りました! 65 00:05:35,814 --> 00:05:39,114 申し 申し! 66 00:05:42,454 --> 00:05:44,740 (木戸が開く音) 67 00:05:44,740 --> 00:05:46,742 八百源の者でございます。 68 00:05:46,742 --> 00:05:51,880 ご住職様に お取り次ぎを…。 どうか お嬢様だけでも…。 69 00:05:51,880 --> 00:05:53,880 お嬢様。 70 00:05:56,418 --> 00:06:01,018 大丈夫ですか? ゆっくり お立ち下さい。 71 00:06:14,136 --> 00:06:16,939 (木戸を たたく音) 72 00:06:16,939 --> 00:06:21,139 おい 開けるんだ 開けろ! 73 00:06:31,470 --> 00:06:36,341 ≪(覚念)いいから門を開けなさい。 みんな 仏様を 頼って来たんじゃ。 74 00:06:36,341 --> 00:06:41,397 ≪本堂が いっぱいなら 観音堂でも念仏堂でも かまわん。 75 00:06:41,397 --> 00:06:44,597 ≪入れてやりなさい。 76 00:06:46,351 --> 00:06:50,773 ああ… そなたが 八百源の娘か? 77 00:06:50,773 --> 00:06:54,009 はい 七と申します。 78 00:06:54,009 --> 00:06:56,278 ああ そのままで よい。 79 00:06:56,278 --> 00:06:58,964 足を ケガしたんじゃろ? 80 00:06:58,964 --> 00:07:02,634 申し訳ございません。 遠慮は要らんぞ。 81 00:07:02,634 --> 00:07:05,137 ととさんには いつも 世話になっとる。 82 00:07:05,137 --> 00:07:08,874 しかも かかさんは わしと縁続きじゃ。 83 00:07:08,874 --> 00:07:12,127 ここで よければ しばらく 逗留しなさい。 84 00:07:12,127 --> 00:07:15,180 ありがとう存じます。 85 00:07:15,180 --> 00:07:17,416 あっ 吉三。 (吉三郎)はい。 86 00:07:17,416 --> 00:07:20,736 この子の傷を みてくれんか? 87 00:07:20,736 --> 00:07:23,939 何ぞ 塗り薬が あったじゃろ? 88 00:07:23,939 --> 00:07:26,139 はい。 89 00:07:28,944 --> 00:07:31,847 ま 心配しても しかたがない。 90 00:07:31,847 --> 00:07:35,851 なるようにしか ならんのが 火事じゃ。 91 00:07:35,851 --> 00:07:38,804 ゆっくり休みなさい。 92 00:07:38,804 --> 00:07:41,004 お世話になります。 93 00:07:57,539 --> 00:08:01,977 お嬢様 聞こえやすか? ≪はい。 94 00:08:01,977 --> 00:08:05,814 荷物は預けやした。 わしらは いったん 店に戻りやす。 95 00:08:05,814 --> 00:08:08,033 ≪はい。 96 00:08:08,033 --> 00:08:10,033 ごめんなすって。 97 00:08:23,882 --> 00:08:27,482 手代の勘蔵です。 98 00:08:34,877 --> 00:08:36,977 だいぶ腫れてるな。 99 00:08:41,483 --> 00:08:43,683 あっ…。 100 00:08:45,938 --> 00:08:48,423 痛むか? 101 00:08:48,423 --> 00:08:50,523 いえ…。 102 00:08:54,980 --> 00:08:59,134 蹴られたのか? はい…。 103 00:08:59,134 --> 00:09:01,653 誰に? 104 00:09:01,653 --> 00:09:06,441 ならず者に お位牌を とられそうになって…。 105 00:09:06,441 --> 00:09:08,644 位牌? 106 00:09:08,644 --> 00:09:11,344 金銀と思ったのでしょう。 107 00:09:16,235 --> 00:10:04,199 ♬~ 108 00:10:04,199 --> 00:10:06,818 お七。 109 00:10:06,818 --> 00:10:09,738 黙って居なくなるとは 何事だ。 110 00:10:09,738 --> 00:10:12,374 ごめんなさい。 捜したではないか。 111 00:10:12,374 --> 00:10:14,810 火事が心配で…。 112 00:10:14,810 --> 00:10:18,196 こんな所から 追分片町は 見えはせぬ。 113 00:10:18,196 --> 00:10:22,668 火は消えた。 (ため息) 114 00:10:22,668 --> 00:10:25,737 たった今 八百源から 知らせがあった。 115 00:10:25,737 --> 00:10:29,875 ご両親は無事だそうだ。 116 00:10:29,875 --> 00:10:31,875 おっつけ ここへ 見えられる。 117 00:10:33,645 --> 00:10:38,745 それでは… お店や 家は…。 118 00:10:41,453 --> 00:10:46,575 詳しい事は ご両親に 聞けばよかろう。 119 00:10:46,575 --> 00:10:48,975 もしや…。 120 00:10:51,046 --> 00:10:53,046 言って下さい。 121 00:10:57,302 --> 00:11:02,758 片町辺りの町家は あらかた燃え尽きたそうだ。 122 00:11:02,758 --> 00:11:05,658 やっぱり…。 123 00:11:10,832 --> 00:11:14,302 (すすり泣き) 124 00:11:14,302 --> 00:11:18,302 風邪をひく。 部屋へ戻りなさい。 125 00:11:21,677 --> 00:11:25,080 勝手に出歩いては ならぬ。 126 00:11:25,080 --> 00:11:28,280 寺には寺の しきたりが ある。 127 00:11:30,802 --> 00:11:34,502 乳母日傘の一人っ子では 通らない。 128 00:11:39,111 --> 00:11:41,111 吉三様。 129 00:11:42,881 --> 00:11:45,600 私は もう14です。 130 00:11:45,600 --> 00:11:50,939 それが どうかしたか? 子供扱いしないで下さい。 131 00:11:50,939 --> 00:11:52,939 あっ。 132 00:11:55,043 --> 00:11:58,597 怒ったのか? 133 00:11:58,597 --> 00:12:04,597 乳母日傘どころか 水仕事でも お針でも 何でも できます! 134 00:12:06,471 --> 00:12:09,671 ならば先に行きなさい。 135 00:12:17,215 --> 00:12:19,215 さあ。 136 00:12:33,665 --> 00:12:38,153 すると 店も 家屋敷も? 137 00:12:38,153 --> 00:12:41,039 丸焼けでした。 138 00:12:41,039 --> 00:12:44,743 追分界わいは あっという間に 火の海で…。 139 00:12:44,743 --> 00:12:47,612 手の施しようが ありませんでした。 140 00:12:47,612 --> 00:12:50,398 とんだ 災難でしたな。 141 00:12:50,398 --> 00:12:55,253 ご近所には 逃げ遅れて 焼け死んだ者も おります。 142 00:12:55,253 --> 00:12:59,074 (お房)まるで地獄を 見るようでした。 143 00:12:59,074 --> 00:13:01,176 して 今は どこに? 144 00:13:01,176 --> 00:13:03,728 幸い 土蔵が 焼け残りましたので…。 145 00:13:03,728 --> 00:13:08,650 土蔵? 奉公人と 雑魚寝して…。 146 00:13:08,650 --> 00:13:11,369 それは 狭かろう。 147 00:13:11,369 --> 00:13:14,139 ああ ここへ 引っ越しては どうかな? 148 00:13:14,139 --> 00:13:18,076 (喜兵衛)ありがたい お話ですが そうも していられません。 149 00:13:18,076 --> 00:13:20,061 (覚念)…という事は? 150 00:13:20,061 --> 00:13:24,099 焼け跡を片づけて とりあえず 仮小屋を建てます。 151 00:13:24,099 --> 00:13:28,804 急ぎ 八百物を仕入れて 商いを致します。 152 00:13:28,804 --> 00:13:30,822 (覚念)ほう。 153 00:13:30,822 --> 00:13:33,375 (喜兵衛)焼け出された人々は 路頭に迷い➡ 154 00:13:33,375 --> 00:13:36,611 飢えに苦しんでおります。 155 00:13:36,611 --> 00:13:43,752 これを 何とか助けねば 八百源の名が廃ります。 ほう…。 156 00:13:43,752 --> 00:13:49,808 はばかりながら 八百源は 追分 一帯の台所を一手に引き受け➡ 157 00:13:49,808 --> 00:13:54,746 持ちつ持たれつで繁盛致しました。 158 00:13:54,746 --> 00:14:02,904 ここで へこたれては 手前どもの 面目が立ちません。 159 00:14:02,904 --> 00:14:06,241 いやはや 見上げた御仁じゃ。 160 00:14:06,241 --> 00:14:09,044 生き仏じゃ。 いやいや めっそうもない。 161 00:14:09,044 --> 00:14:11,680 南無阿弥陀仏…。 162 00:14:11,680 --> 00:14:16,134 ついては ご住職に お願いがござりまする。 163 00:14:16,134 --> 00:14:18,153 何なりと…。 164 00:14:18,153 --> 00:14:20,605 店と住まいを建て直すのに 早うて半年➡ 165 00:14:20,605 --> 00:14:25,477 いや 材木が手に入るか どうかで もっと かかるも 知れません。 166 00:14:25,477 --> 00:14:27,479 ごもっとも。 167 00:14:27,479 --> 00:14:33,235 それまで お七を お預かり願えないでしょうか? 168 00:14:33,235 --> 00:14:36,304 ああ それは お安い御用じゃ。 169 00:14:36,304 --> 00:14:39,274 いいえ 私も働きます。 170 00:14:39,274 --> 00:14:42,811 (お房)居所がないのよ。 居所? 171 00:14:42,811 --> 00:14:51,269 土蔵は 荷物が ごたついて 虫は わくわ ネズミは走り回るわ…。 172 00:14:51,269 --> 00:14:55,240 でも… 私だけが のうのうと…。 173 00:14:55,240 --> 00:14:58,677 ああ のうのうとは させん。 174 00:14:58,677 --> 00:15:03,481 大乗寺には 焼け出されて行き場の ない幼子が身を寄せておる。 175 00:15:03,481 --> 00:15:13,041 捨て子や みなしごを含めて つるに 松公に…。 176 00:15:13,041 --> 00:15:15,510 6人でございます。 177 00:15:15,510 --> 00:15:19,547 その世話を手伝うてくれたら 大いに助かる。 178 00:15:19,547 --> 00:15:22,567 何せ 人手が足りんのでな。 179 00:15:22,567 --> 00:15:25,303 私に務まりましょうか? 180 00:15:25,303 --> 00:15:30,842 ハハハ… 務まるとも。 嫁入り前の 修業じゃと思えば よかろうが。 181 00:15:30,842 --> 00:15:35,297 ハハハ… どうじゃ 喜兵衛さん。 182 00:15:35,297 --> 00:15:38,497 よろしく お願い致します。 183 00:15:44,356 --> 00:15:48,627 よし それ こっちだ。 そこな。 184 00:15:48,627 --> 00:15:50,627 行くぞ。 185 00:15:59,671 --> 00:16:04,242 はい いらっしゃい いらっしゃい。 大根は けさ 運んできたんだ。 186 00:16:04,242 --> 00:16:06,645 サトイモも あるよ。 187 00:16:06,645 --> 00:16:09,431 日頃のご恩返しで…。 青菜も あるよ。 188 00:16:09,431 --> 00:16:12,334 腹がへってちゃ 仕事になんねえ。 189 00:16:12,334 --> 00:16:14,486 (お房)温まりますよ。 どうぞ どうぞ。 190 00:16:14,486 --> 00:16:16,638 お雑炊ですよ。 191 00:16:16,638 --> 00:16:20,308 はい どうぞ。 お待たせしました。 192 00:16:20,308 --> 00:16:24,479 はい お雑炊は こちらです。 並んで下さい。 193 00:16:24,479 --> 00:16:27,979 はい たくさん どうぞ。 194 00:16:31,569 --> 00:16:35,106 (幸助)旦那様。 うん? 195 00:16:35,106 --> 00:16:39,511 ご覧下さい。 うん? 196 00:16:39,511 --> 00:16:43,832 何と 梅のつぼみが ほころんでおります。 197 00:16:43,832 --> 00:16:51,006 ああ… こいつは たまげた。 火の中で生きていたのか? 198 00:16:51,006 --> 00:16:53,158 どうなさいます? 199 00:16:53,158 --> 00:16:56,778 縁起が いいではないか。 お七が見たら喜ぶぞ。 200 00:16:56,778 --> 00:16:59,748 でも どかしませんと…。 201 00:16:59,748 --> 00:17:02,050 いやいや どかしては ならぬ。 202 00:17:02,050 --> 00:17:07,138 もし生き延びたら八百源の宝だ。 守り神だ。 203 00:17:07,138 --> 00:17:09,938 このままに しておきなさい。 204 00:17:14,696 --> 00:18:13,204 (読経) 205 00:18:13,204 --> 00:18:52,877 ♬~ 206 00:18:52,877 --> 00:18:55,280 きゃ~。 207 00:18:55,280 --> 00:18:57,932 きゃ~ おねえちゃん。 208 00:18:57,932 --> 00:18:59,984 どうしたの? 209 00:18:59,984 --> 00:19:02,303 ハハハ…。 210 00:19:02,303 --> 00:19:04,303 ほ~ら。 211 00:19:07,709 --> 00:19:10,009 きゃ~! 212 00:19:13,381 --> 00:19:16,201 逃げろ! おねえちゃん しっかりして。 213 00:19:16,201 --> 00:19:18,203 どうした? 214 00:19:18,203 --> 00:19:20,338 お七 お七。 215 00:19:20,338 --> 00:19:23,474 大丈夫? しっかりして。 216 00:19:23,474 --> 00:19:27,574 お七 大丈夫か? お七 お七! 217 00:19:34,853 --> 00:19:37,405 何だ ヘビぐらいで。 218 00:19:37,405 --> 00:19:39,874 大嫌いなんです。 219 00:19:39,874 --> 00:19:42,093 修行が足りんな。 220 00:19:42,093 --> 00:19:44,746 修行? 221 00:19:44,746 --> 00:19:48,746 まき割りも 洗濯も修行のうちだ。 222 00:19:56,808 --> 00:19:59,794 よし みんな ご苦労さん。 遊んでこい。 223 00:19:59,794 --> 00:20:02,614 やった~。 224 00:20:02,614 --> 00:20:06,067 あんまり遠く 行くなよ。 225 00:20:06,067 --> 00:20:09,938 あの…。 何だ? 226 00:20:09,938 --> 00:20:14,108 吉三様は お坊さんに なるのですか? 227 00:20:14,108 --> 00:20:16,561 私は侍の子だ。 228 00:20:16,561 --> 00:20:21,282 ゆくゆくは 学問で 身を立てる。 229 00:20:21,282 --> 00:20:24,702 お侍のお子が なぜお寺に? 230 00:20:24,702 --> 00:20:27,505 子供時分に預けられたのだ。 231 00:20:27,505 --> 00:20:31,209 子供時分に? 232 00:20:31,209 --> 00:20:35,980 それでは あの子たちと 同じですか? 233 00:20:35,980 --> 00:20:39,651 ご両親様は どちらに? 234 00:20:39,651 --> 00:20:43,588 どうして そんな事を聞く? えっ? 235 00:20:43,588 --> 00:20:47,088 あまり詮索をするな。 236 00:20:58,770 --> 00:21:02,370 修行が 足りませんね。 237 00:21:08,579 --> 00:21:11,779 ごめんなさい! 238 00:21:13,551 --> 00:21:24,178 ♬~ 239 00:21:24,178 --> 00:21:29,901 よいか 敷居は またぐもの。 決して 踏んではならぬ。 240 00:21:29,901 --> 00:21:32,437 畳のへりも 踏んではならぬ。 241 00:21:32,437 --> 00:21:35,089 分かるな? はい。 242 00:21:35,089 --> 00:21:37,375 それから 座り方…。 243 00:21:37,375 --> 00:21:39,610 膝を そろえて座る。 244 00:21:39,610 --> 00:21:45,650 そう 男は両膝の間に 拳 一つ。 そうだ。 245 00:21:45,650 --> 00:21:51,105 手は 膝の上に載せて 脇は 広げすぎず 締めすぎず。 246 00:21:51,105 --> 00:21:53,808 脇の下に 卵が挟んであると 思えばよい。 247 00:21:53,808 --> 00:21:56,494 広げすぎれば 卵は落ちる。 248 00:21:56,494 --> 00:22:01,849 締めすぎれば 卵は 潰れる。 分かるな? はい。 249 00:22:01,849 --> 00:22:06,854 次は 挨拶だ。 金坊 人は 何のために 挨拶をする? 250 00:22:06,854 --> 00:22:09,941 え~。 251 00:22:09,941 --> 00:22:11,941 タコ坊。 252 00:22:15,480 --> 00:22:17,465 分からんな? 253 00:22:17,465 --> 00:22:22,487 挨拶は 敵か味方かを決める 大切な境目だ。 254 00:22:22,487 --> 00:22:26,207 金坊 タコ坊 挨拶を怠れば 敵とみなされても➡ 255 00:22:26,207 --> 00:22:32,607 しかたがないと思いなさい。 はい。 256 00:22:45,743 --> 00:22:48,543 ≪七で ございます。 257 00:22:50,248 --> 00:22:53,751 ≪お邪魔でしょうか? 258 00:22:53,751 --> 00:22:56,604 何か? 259 00:22:56,604 --> 00:23:00,804 ≪蚊やりを 持って参りました。 260 00:23:27,702 --> 00:23:36,094 実家の普請が遅れますので こちらに長居させて頂きます。 261 00:23:36,094 --> 00:23:38,913 聞いておる。 262 00:23:38,913 --> 00:23:41,513 申し訳ございません。 263 00:23:44,235 --> 00:23:47,535 子供たちは 喜ぶであろう。 264 00:23:51,876 --> 00:23:59,517 吉三様は どうなのですか? うん? 265 00:23:59,517 --> 00:24:04,205 私が うっとうしくございませんか? 266 00:24:04,205 --> 00:24:07,308 なぜだ? 267 00:24:07,308 --> 00:24:12,608 あまり お口を きいてくださらないので…。 268 00:24:20,087 --> 00:24:23,174 私は修行中だ。 269 00:24:23,174 --> 00:24:28,112 おなごと言葉を交わすのは 慎まねばならぬ。 270 00:24:28,112 --> 00:24:31,799 おなごと思ってるのですね? 271 00:24:31,799 --> 00:24:34,001 そうでは ないが…。 272 00:24:34,001 --> 00:24:37,188 だったら 何でも言って下さい。 273 00:24:37,188 --> 00:24:43,144 気に入らない事があれば 何でも叱って下さい。 274 00:24:43,144 --> 00:24:45,944 何もない。 275 00:24:47,615 --> 00:24:52,203 お七は よく働く。 276 00:24:52,203 --> 00:24:55,403 それだけですか? 277 00:24:58,209 --> 00:25:04,282 そういえば 誰かが言っていた。 お七の帯は長すぎると…。 278 00:25:04,282 --> 00:25:09,287 帯? ひらひらして 目障りだと…。 279 00:25:09,287 --> 00:25:13,808 これは 吉弥結びといって 当世の はやりです。 280 00:25:13,808 --> 00:25:15,810 吉弥結び? 281 00:25:15,810 --> 00:25:19,230 歌舞伎おやまの 上村吉弥をまねて➡ 282 00:25:19,230 --> 00:25:25,753 上方でも 江戸でも風流好みの 町娘は こう結びます。 283 00:25:25,753 --> 00:25:28,072 そうなのか? 284 00:25:28,072 --> 00:25:33,678 2つ結びの両端を ダラリと下げれば 腰回りが隠せます。 285 00:25:33,678 --> 00:25:38,349 帯の高さも この辺から 年々 下がってます。 286 00:25:38,349 --> 00:25:43,404 その方が 品が良いのです。 うん…。 287 00:25:43,404 --> 00:25:48,142 もちろん 吉三様が嫌なら 吉弥結びは やめます。 288 00:25:48,142 --> 00:25:51,612 帯を切って 短くします。 切らなくて いい。 289 00:25:51,612 --> 00:25:54,832 でも…。 290 00:25:54,832 --> 00:25:58,436 我ながら つまらぬ事を 言ってしまった。 291 00:25:58,436 --> 00:26:01,336 恥ずかしいから忘れてくれ。 292 00:26:17,088 --> 00:26:19,588 吉三様。 293 00:26:21,442 --> 00:26:24,242 吉三様。 294 00:26:26,280 --> 00:26:29,880 お慕いしております。 295 00:26:38,209 --> 00:26:40,509 吉三様! 296 00:26:42,797 --> 00:26:45,697 吉三様! 297 00:26:48,586 --> 00:26:50,586 夢? 298 00:27:15,346 --> 00:27:17,346 (ため息) 299 00:27:22,720 --> 00:27:24,920 お七。 300 00:27:28,743 --> 00:27:30,743 母上が お見えだ。 301 00:27:32,647 --> 00:27:35,047 行きなさい。 302 00:27:39,053 --> 00:27:43,941 あの…。 何だ? 303 00:27:43,941 --> 00:27:48,012 夢を見ました。 夢? 304 00:27:48,012 --> 00:27:50,464 吉三様の…。 305 00:27:50,464 --> 00:27:55,069 どんな夢だ? 306 00:27:55,069 --> 00:27:57,269 ないしょです。 307 00:27:59,340 --> 00:28:03,240 勝手に人の夢を見るな。 はい。 308 00:28:13,003 --> 00:28:16,240 帯…。 309 00:28:16,240 --> 00:28:18,642 あ~ きれい。 これ 私! 310 00:28:18,642 --> 00:28:22,813 引っ張らないで! あら あら 順番に 順番に。 311 00:28:22,813 --> 00:28:24,815 男のは ないの? 312 00:28:24,815 --> 00:28:27,818 きれいだね。 あ~ 313 00:28:27,818 --> 00:28:29,804 男のは ないの? 314 00:28:29,804 --> 00:28:34,859 えっ? ゴメンね お七の お古だから。 315 00:28:34,859 --> 00:28:37,144 何だ。 316 00:28:37,144 --> 00:28:43,467 あら あら どうしたの これ? 土蔵の奧にあったんだよ。 317 00:28:43,467 --> 00:28:46,237 良かったじゃない。 うれしい。 318 00:28:46,237 --> 00:28:49,173 さあ みんな座って。 319 00:28:49,173 --> 00:28:51,242 どうだ? 320 00:28:51,242 --> 00:28:54,912 何だ お前。 321 00:28:54,912 --> 00:28:56,897 ちょっと貸せよ。 322 00:28:56,897 --> 00:28:59,767 俺に貸せよ。 323 00:28:59,767 --> 00:29:06,040 それでね 最初は高飛車だった お奉行所も だんだん折れてきて➡ 324 00:29:06,040 --> 00:29:12,780 八百源の敷地は 元どおり 普請を差し許すって。 325 00:29:12,780 --> 00:29:16,317 おうちは建つのね? 326 00:29:16,317 --> 00:29:20,971 春までには 何とか。 ま お店が先だけど。 327 00:29:20,971 --> 00:29:26,477 間に合わせたいと お父様 あちこち走り回ってるの。 328 00:29:26,477 --> 00:29:28,813 良かったじゃありませんか。 329 00:29:28,813 --> 00:29:33,651 さんざん 待たされて機嫌が 悪くなってたからね。 330 00:29:33,651 --> 00:29:37,304 私も ガミガミ どなられて…。 331 00:29:37,304 --> 00:29:42,143 土蔵は狭いし 暑苦しいし…。 332 00:29:42,143 --> 00:29:45,579 とうとう気うつに なっちまってね。 333 00:29:45,579 --> 00:29:47,832 ここで 養生して下さい。 334 00:29:47,832 --> 00:29:51,769 実は そう思って来たんだけどさ。 335 00:29:51,769 --> 00:29:54,905 お前も苦労してるようだし…。 336 00:29:54,905 --> 00:29:59,176 いいえ 苦労とは思いません。 337 00:29:59,176 --> 00:30:04,882 子供たちも 懐いてくれるし 汗を流して せっせと働くのが➡ 338 00:30:04,882 --> 00:30:08,335 こんなに楽しいなんて 思わなかったの。 339 00:30:08,335 --> 00:30:10,335 おやおや…。 340 00:30:12,039 --> 00:30:17,044 親元を離れて暮らすと おとっ様や おっか様の ありがたみが➡ 341 00:30:17,044 --> 00:30:22,366 痛いほど よく分かりますしね。 342 00:30:22,366 --> 00:30:26,466 親孝行しますから しばらく ここに居て下さい。 343 00:30:28,889 --> 00:30:32,676 でも あの人が…。 おとっ様も 一緒に。 344 00:30:32,676 --> 00:30:35,846 おとっ様は 駄目。 どうして? 345 00:30:35,846 --> 00:30:41,652 お寺は お酒もお魚も駄目だから 嫌だって。 346 00:30:41,652 --> 00:30:45,652 あら あら。 フフフ…。 347 00:30:51,662 --> 00:30:55,883 そういえば その帯 どうしたんだい? 348 00:30:55,883 --> 00:31:02,483 えっ? ああ 短くしただけ。 ふ~ん。 349 00:31:05,009 --> 00:31:09,346 ≪お邪魔致します。 350 00:31:09,346 --> 00:31:13,000 先ほどは どうも。 351 00:31:13,000 --> 00:31:17,800 住職は お弔いのため 代わって お言づて致します。 352 00:31:22,243 --> 00:31:26,997 「喜兵衛殿 御書状 有難く 拝見仕候。➡ 353 00:31:26,997 --> 00:31:32,670 八百源 御再建之由 町中挙げて 喜び安堵する所にて➡ 354 00:31:32,670 --> 00:31:35,940 愚僧も 欣快に存候。➡ 355 00:31:35,940 --> 00:31:38,742 尚〃 女将様 御休養之儀➡ 356 00:31:38,742 --> 00:31:42,212 如何様にも 御申付下さるべく候。➡ 357 00:31:42,212 --> 00:31:46,417 大乗寺 覚念」。 358 00:31:46,417 --> 00:31:49,917 ありがとう存じます。 ご無礼致しました。 359 00:31:59,480 --> 00:32:02,099 フフフ…。 360 00:32:02,099 --> 00:32:04,618 いやに しゃっちょこばってるね。 361 00:32:04,618 --> 00:32:07,104 真面目なんです。 362 00:32:07,104 --> 00:32:10,107 あれが 吉三郎さん? そうです。 363 00:32:10,107 --> 00:32:13,010 寺小姓の? そうよ。 364 00:32:13,010 --> 00:32:19,310 ああ 立ち居振る舞いも 様子が いいこと。 365 00:32:21,385 --> 00:32:24,605 ほら 誰だっけ? 役者に似てないかい? 366 00:32:24,605 --> 00:32:28,342 ご参詣の おなご衆にも そう言ってる人が 居るみたい。 367 00:32:28,342 --> 00:32:30,344 ああ。 368 00:32:30,344 --> 00:32:36,200 吉三様の お顔見たさに 通いつめる娘さんも いるとか。 369 00:32:36,200 --> 00:32:39,103 お前は どうなんだい? 370 00:32:39,103 --> 00:32:43,003 さあ どうかしら? 371 00:32:45,109 --> 00:32:49,747 だまされちゃ いけないよ。 えっ? 372 00:32:49,747 --> 00:32:51,982 あの人は女だよ。 373 00:32:51,982 --> 00:32:55,285 女? 374 00:32:55,285 --> 00:32:59,907 おっか様 何を言ってるの? おとっ様に聞いてごらん。 375 00:32:59,907 --> 00:33:05,279 あの人は 女の子として ここに預けられたんだよ。 376 00:33:05,279 --> 00:33:10,467 えっ? どうして? 377 00:33:10,467 --> 00:33:13,887 詳しい事は 知らないけどさ➡ 378 00:33:13,887 --> 00:33:21,278 父親が謀反をおこして 打ち首になって…。 えっ? 379 00:33:21,278 --> 00:33:25,833 一族郎党の男は みんな死罪。 380 00:33:25,833 --> 00:33:31,572 あの子だけが 大乗寺に かくまわれたんだって。 381 00:33:31,572 --> 00:33:37,572 うっかり近づくと 大やけどするよ。 382 00:33:46,336 --> 00:33:51,542 よいか 延宝9年は 改元により 9月28日で終わった。 383 00:33:51,542 --> 00:33:56,080 改元とは 年号を改める事。 分かるな? はい。 384 00:33:56,080 --> 00:34:01,218 新しい年号は これだ。 「天和」と書いて「てんな」と読む。 385 00:34:01,218 --> 00:34:04,238 さあ 言うてみよ。 天和元年。 386 00:34:04,238 --> 00:34:06,240 天和元年。 387 00:34:06,240 --> 00:34:09,710 そう もう一度。 天和元年。 388 00:34:09,710 --> 00:34:12,429 天和元年。 そう。 389 00:34:12,429 --> 00:34:17,401 よいか 5代将軍 綱吉様は➡ 390 00:34:17,401 --> 00:34:19,970 ありがたい事に 学問を 大切になさるお方だ。 391 00:34:19,970 --> 00:34:23,841 したがって 天和年間は 学問の御世になる。 392 00:34:23,841 --> 00:34:26,110 お前たちも 読み書きを しっかり学んで➡ 393 00:34:26,110 --> 00:34:28,445 文くらいは 書けるようになりなさい。 394 00:34:28,445 --> 00:34:32,015 分かったな? はい。 395 00:34:32,015 --> 00:34:36,036 さて 今日は おつるの門出だ。 396 00:34:36,036 --> 00:34:39,690 品川から 親戚が見えられる。 397 00:34:39,690 --> 00:34:46,413 だから みんなで 見送りをしよう。 いいな。 398 00:34:46,413 --> 00:34:49,513 いいな? はい…。 399 00:34:53,971 --> 00:35:00,371 おつるちゃ~ん どこに居るの? おつるちゃ~ん! 400 00:35:02,579 --> 00:35:06,016 みんな 待ってるのよ。 出てきなさい! 401 00:35:06,016 --> 00:35:08,716 おつるちゃ~ん! 402 00:35:16,577 --> 00:35:18,879 (泣き声) 403 00:35:18,879 --> 00:35:20,998 おつるちゃん。 404 00:35:20,998 --> 00:35:25,898 どうして隠れるの? おべべが汚れるでしょ? 405 00:35:27,621 --> 00:35:31,542 親戚のおじさんと おばさんが 迎えにきたのよ。 406 00:35:31,542 --> 00:35:35,242 嫌じゃ 嫌じゃ。 (泣き声) 407 00:35:39,533 --> 00:35:45,172 心配しないで。 優しそうな人よ。 408 00:35:45,172 --> 00:35:50,777 嫌じゃ 嫌じゃ。 つるは ここに居たい。 409 00:35:50,777 --> 00:35:55,577 (泣き声) 410 00:36:01,305 --> 00:36:04,605 見つかった! 今 来るよ。 411 00:36:14,902 --> 00:36:17,802 お待たせしました。 412 00:36:19,823 --> 00:36:24,945 さあ おつる。 413 00:36:24,945 --> 00:36:28,115 まあ きれいな おべべ。 414 00:36:28,115 --> 00:36:31,815 おい 忘れたのかい? おじちゃんだよ。 415 00:36:33,971 --> 00:36:36,056 どうした? 恥ずかしいのか? 416 00:36:36,056 --> 00:36:41,511 嫌じゃ 嫌じゃ。 よいしょ 弱ったな。 417 00:36:41,511 --> 00:36:46,483 ほら おつる 「お世話になります」 って言いなさい。 418 00:36:46,483 --> 00:36:49,286 いい子になるって 約束しただろ? 419 00:36:49,286 --> 00:36:52,506 うちの近所にも 子供は たくさん居るよ。 420 00:36:52,506 --> 00:36:55,175 ワンワンも ニャンニャンも コンコンも…。 421 00:36:55,175 --> 00:37:01,175 余計な事 言うな。 さあ おいで。 422 00:37:09,873 --> 00:37:11,875 では これを。 423 00:37:11,875 --> 00:37:13,875 ありがとうございます。 424 00:37:16,380 --> 00:37:21,134 さようなら。 425 00:37:21,134 --> 00:37:25,572 (泣き声) 426 00:37:25,572 --> 00:37:46,072 (泣き声) 427 00:37:55,485 --> 00:38:00,785 (つる)嫌じゃ 嫌じゃ。 [ 回想 ] おつるは ここに居たい。 428 00:38:03,877 --> 00:38:06,177 どうした? 429 00:38:14,538 --> 00:38:17,338 眠れないのか? 430 00:38:19,076 --> 00:38:24,776 おつるは 幸せになれるでしょうか? 431 00:38:26,850 --> 00:38:31,350 さあ どうかな? 432 00:38:34,808 --> 00:38:39,808 私には あの子の気持ちが よ~く分かります。 433 00:38:44,668 --> 00:38:50,368 私も大乗寺を 離れたくありませんから。 434 00:38:53,243 --> 00:38:56,213 親元に 帰りたくないのか? 435 00:38:56,213 --> 00:39:03,820 そうではなくて…。 436 00:39:03,820 --> 00:39:09,120 別れるのが つらいのです。 437 00:39:13,480 --> 00:39:16,280 先の事を考えると…。 438 00:39:19,269 --> 00:39:24,669 胸が ふさがれて… 息苦しくなって…。 439 00:39:29,896 --> 00:39:33,696 涙が出そうになります。 440 00:39:40,707 --> 00:39:46,063 出会いがあれば 別れがある。 441 00:39:46,063 --> 00:39:51,263 誰かと巡り合い いつかは別れる。 442 00:39:54,071 --> 00:39:57,374 そして また誰かと巡り合う。 443 00:39:57,374 --> 00:40:02,396 聞きたくは ありません。 444 00:40:02,396 --> 00:40:06,333 行雲流水。 445 00:40:06,333 --> 00:40:09,733 雲は行き 水は流れる。 446 00:40:27,604 --> 00:40:33,904 吉三様は 何とも思わないのですか? 447 00:40:36,480 --> 00:40:40,280 七は どうでも いいのですか? 448 00:40:47,808 --> 00:40:54,208 吉三様は あの お月様と同じです。 449 00:40:57,868 --> 00:41:05,976 優しそうで 冷たくて…。 450 00:41:05,976 --> 00:41:11,748 どう もがいても 手が届きません。 451 00:41:11,748 --> 00:41:38,648 ♬~ 452 00:41:45,215 --> 00:41:48,451 恋文? どう書こうか迷いました。 453 00:41:48,451 --> 00:41:50,504 この世の中に 男は いくらでも居るだろう。 454 00:41:50,504 --> 00:41:53,306 私には 1人しか居ません。 455 00:41:53,306 --> 00:41:55,509 そんなに 七が お嫌いですか? 456 00:41:55,509 --> 00:41:57,511 バカな事 お言いでないよ! 457 00:41:57,511 --> 00:42:00,163 (喜兵衛)お前はな 八百源の 跡取り娘なんだぞ。 458 00:42:00,163 --> 00:42:02,516 ♬~ 459 00:42:02,516 --> 00:42:04,734 助けて~! 460 00:42:04,734 --> 00:42:06,970 お七! 461 00:42:06,970 --> 00:42:14,678 ♬「月が見えない夜だから」 462 00:42:14,678 --> 00:42:22,435 ♬「余計 寂しくなるのでしょう」 463 00:42:22,435 --> 00:42:29,943 ♬「声を殺して 風が泣いてる」 464 00:42:29,943 --> 00:42:38,435 ♬「遠く さめざめと…」 465 00:42:38,435 --> 00:42:46,409 ♬「夢なら 醒めるのに 確かに そこにいる」 466 00:42:46,409 --> 00:42:54,451 ♬「あなたの すぐそばで ずっと気づかれないで…」 467 00:42:54,451 --> 00:43:02,208 ♬「手鎖されたまま 身動き取れぬまま」 468 00:43:02,208 --> 00:43:10,367 ♬「いくつの朝を待ち 涙 流したでしょう」 469 00:43:10,367 --> 00:43:29,167 ♬「私だけの 身勝手な愛」