1 00:00:02,202 --> 00:00:06,607 これは 乱世を生きる 一人の足軽の物語である。 2 00:00:06,607 --> 00:00:09,943 その者は ただひたすら 戦国の荒れ野を駆け巡り➡ 3 00:00:09,943 --> 00:00:12,279 いとしい人を守り続けた。 4 00:00:12,279 --> 00:00:14,214 (唯)若君は松丸の姫と➡ 5 00:00:14,214 --> 00:00:16,617 結婚しなくちゃ いけないんですよね。 6 00:00:16,617 --> 00:00:20,487 私の気持ちは変わりません。 どこまでもお供します。 7 00:00:20,487 --> 00:00:23,490 だが その者には秘密があった。 8 00:00:23,490 --> 00:00:28,629 その足軽とは 平成生まれの女子高生だったのだ。 9 00:00:28,629 --> 00:00:32,299 私が姫のふりをして走りだし あいつらを引き付けます。 10 00:00:32,299 --> 00:00:34,234 その間に 姫は逃げて下さい。 11 00:00:34,234 --> 00:00:36,970 (小平太)松丸のご家来衆が 阿湖姫様がおられぬと➡ 12 00:00:36,970 --> 00:00:39,306 騒いでおります。 (忠清)何だと? 13 00:00:39,306 --> 00:00:43,310 ああ~ ちょっ…。 わっ うっ あ…。 14 00:00:58,992 --> 00:01:00,928 (足音) 15 00:01:00,928 --> 00:01:04,231 (源三郎) 阿湖姫様が お戻りになりました! (かめ)姫様! 16 00:01:06,800 --> 00:01:09,269 姫様! 17 00:01:09,269 --> 00:01:14,608 このなりは一体? 18 00:01:14,608 --> 00:01:17,945 (阿湖)申し訳ございませぬ。 19 00:01:17,945 --> 00:01:21,615 姫 無事で何よりであった。 20 00:01:21,615 --> 00:01:26,954 ご城下で 曲者に襲われました。 21 00:01:26,954 --> 00:01:33,293 唯之助を供にしておった というのは まことか? 22 00:01:33,293 --> 00:01:35,228 はい。 23 00:01:35,228 --> 00:01:37,965 2人して 身を隠しておりましたが➡ 24 00:01:37,965 --> 00:01:40,634 追っ手が迫り➡ 25 00:01:40,634 --> 00:01:45,973 唯之助は 私と着物を取り替えて➡ 26 00:01:45,973 --> 00:01:49,309 おとりに…。 おとり。 27 00:01:49,309 --> 00:01:54,648 あまりに恐ろしゅうて 私は その場を動けず。 28 00:01:54,648 --> 00:01:58,518 唯之助の行方も そのまま…。 29 00:01:58,518 --> 00:02:01,254 源三郎 太刀を持て! 30 00:02:01,254 --> 00:02:03,190 (小平太)既に配下の者たちが 捜しております。 31 00:02:03,190 --> 00:02:05,125 どけ! 32 00:02:05,125 --> 00:02:07,127 馬 引け! 若君様!➡ 33 00:02:07,127 --> 00:02:10,130 若君様! 34 00:02:12,599 --> 00:02:17,304 ん? (腹の音) 35 00:02:19,473 --> 00:02:24,177 う… う…。 36 00:02:28,949 --> 00:02:31,651 何 ここ? 37 00:02:34,287 --> 00:02:36,990 ん…。 38 00:02:38,625 --> 00:02:40,961 ふっ…。 39 00:02:40,961 --> 00:02:44,831 閉じ込められてる。 40 00:02:44,831 --> 00:02:57,844 ♬~ 41 00:03:14,828 --> 00:03:17,130 ん? 42 00:03:21,935 --> 00:03:24,604 わっ! 43 00:03:24,604 --> 00:03:26,606 座敷童。 44 00:03:33,280 --> 00:03:36,950 忠清様。 45 00:03:36,950 --> 00:03:40,620 お許し下さいませ。 46 00:03:40,620 --> 00:03:46,293 私が城を出たいと 唯之助に 無理を申したばかりに。 47 00:03:46,293 --> 00:03:49,996 もうよい。 気に病まれるな。 48 00:03:57,304 --> 00:04:00,574 もし 唯之助の命が 絶たれるような事があれば…。 49 00:04:00,574 --> 00:04:05,245 いや それはあるまい。 50 00:04:05,245 --> 00:04:07,581 これが 高山の仕業ならば➡ 51 00:04:07,581 --> 00:04:12,586 曲者らは 唯之助を 阿湖殿と思い込んでいるはず。 52 00:04:15,922 --> 00:04:19,626 やはり ご存じだったのですね。 53 00:04:22,262 --> 00:04:27,601 唯之助は おなごにございます。 さよう。 54 00:04:27,601 --> 00:04:31,905 名を唯と申す。 55 00:04:36,943 --> 00:04:41,815 足軽のなりをし 戦で わしの命を守らんとする➡ 56 00:04:41,815 --> 00:04:45,952 たわけた おなごでござる。 57 00:04:45,952 --> 00:04:50,624 忠清様を守ろうと…。 しかし げせぬ。 58 00:04:50,624 --> 00:04:56,296 姫は侍女に成り済まし 城を出たはず。 59 00:04:56,296 --> 00:05:02,102 その事ですが 思い出した事がございます。➡ 60 00:05:02,102 --> 00:05:07,240 小屋に隠れていた折 すぐそばで 曲者たちが…。 61 00:05:07,240 --> 00:05:09,576 ⚟見失うた! 62 00:05:09,576 --> 00:05:11,912 あれだけ 姫君を見張ってきたというのに。 63 00:05:11,912 --> 00:05:13,847 ここで取り逃しでもしたら! 64 00:05:13,847 --> 00:05:17,851 成之様に どう申し開きすればいいのか。 65 00:05:30,597 --> 00:05:33,300 あ…。 あっ! 66 00:05:37,270 --> 00:05:39,272 え? 67 00:05:43,944 --> 00:05:46,846 ヘヘッ。 68 00:05:46,846 --> 00:05:49,282 あの~。 69 00:05:49,282 --> 00:05:52,185 何度もお尋ねするようですが➡ 70 00:05:52,185 --> 00:05:56,156 ここは どこの 何という場所ですか? 71 00:05:56,156 --> 00:05:59,626 誰かのお屋敷? 72 00:05:59,626 --> 00:06:12,572 ♬~ 73 00:06:12,572 --> 00:06:15,909 (嶋)阿湖姫様。 74 00:06:15,909 --> 00:06:19,913 お済みになりましたら お呼び下さいませ。 75 00:06:32,259 --> 00:06:37,130 <やっぱ 阿湖姫だと思われてるよ。➡ 76 00:06:37,130 --> 00:06:40,834 違うって ばれたら どうなるんだろう?> 77 00:07:38,925 --> 00:07:40,860 わ…。 78 00:07:40,860 --> 00:07:44,564 座敷童。 79 00:07:48,268 --> 00:07:51,571 開いた? 80 00:08:09,556 --> 00:08:22,569 ♬~ 81 00:08:22,569 --> 00:08:26,272 おお~ 飼い慣らしてきた。 82 00:08:30,910 --> 00:08:34,247 あんた 私と気が合いそう。 (宗熊)わしか? 83 00:08:34,247 --> 00:08:36,916 で あんたは? 宗熊じゃ。 84 00:08:36,916 --> 00:08:40,787 あ~ クマわらしか。 85 00:08:40,787 --> 00:08:42,789 (笑い声) 86 00:08:42,789 --> 00:08:44,791 ⚟(嶋)阿湖様。 87 00:08:44,791 --> 00:08:47,260 ヤバイ。 88 00:08:47,260 --> 00:08:50,597 あとで また いろいろ教えて。 89 00:08:50,597 --> 00:08:52,899 しゃ! 90 00:08:55,468 --> 00:08:57,771 美しい。 91 00:09:14,220 --> 00:09:18,091 (宗鶴)何をしておる 宗熊。 92 00:09:18,091 --> 00:09:20,794 父上! 93 00:09:22,562 --> 00:09:26,433 剣の稽古もせず また 怠けておったか。 94 00:09:26,433 --> 00:09:28,435 申し訳ございませぬ! 95 00:09:28,435 --> 00:09:34,574 松丸と我らが手を結べば 羽木も野上も 我らが手の内。 96 00:09:34,574 --> 00:09:36,509 この先 天下へ 打って出ようと申す時に➡ 97 00:09:36,509 --> 00:09:39,446 なんという ふぬけた顔! 98 00:09:39,446 --> 00:09:42,449 お許し… お許し下さいませ! よいか。 99 00:09:42,449 --> 00:09:45,919 二度と わしの前に そのような まぬけ面を さらしたら➡ 100 00:09:45,919 --> 00:09:47,854 ただではおかぬ! 分かったな! 101 00:09:47,854 --> 00:09:50,557 はい! 102 00:09:57,931 --> 00:10:02,268 (成之)母上 気晴らしとはいえ あまり出歩かれますな。 103 00:10:02,268 --> 00:10:04,270 また 具合を悪うされます。 104 00:10:16,816 --> 00:10:20,954 よう ここまで。 105 00:10:20,954 --> 00:10:23,289 母御が ご存命であったとは。 106 00:10:23,289 --> 00:10:26,292 お尋ねに なられませんでしたので。 107 00:10:46,980 --> 00:10:51,985 少々 確かめたき儀がござる。 ほう。 108 00:10:54,654 --> 00:10:59,526 昨日 城下で阿湖姫が 曲者に襲われました。 109 00:10:59,526 --> 00:11:06,933 姫は無事であったが その者らの 素性をご存じではないかと。 110 00:11:06,933 --> 00:11:12,238 さあ? 姫が無事なら 捨て置けばよろしいのでは? 111 00:11:17,944 --> 00:11:21,614 曲者に お心当たりはございませぬか? 112 00:11:21,614 --> 00:11:24,517 知れた事。 高山の仕業でありましょう。 113 00:11:24,517 --> 00:11:28,821 羽木と松丸とが 手を結ぶのが許せぬと見える。 114 00:11:32,625 --> 00:11:36,296 兄上のお指図にございますか? 115 00:11:36,296 --> 00:11:39,966 なれば どうされる? 116 00:11:39,966 --> 00:11:44,304 居所を 語ってもらわねばなりませぬ。 117 00:11:44,304 --> 00:11:48,975 姫の代わりに 唯之助が連れ去られました。 118 00:11:48,975 --> 00:11:52,645 なんと…。 119 00:11:52,645 --> 00:11:58,952 羽木の若君様が あの小娘に かくもご執心とは…。 120 00:12:03,256 --> 00:12:06,259 お教え頂けぬと? 121 00:12:09,596 --> 00:12:11,931 昔の事じゃ。 122 00:12:11,931 --> 00:12:14,834 側室の母と私は 城から出され➡ 123 00:12:14,834 --> 00:12:19,272 しばらくして 誰ぞに毒を盛られた。 124 00:12:19,272 --> 00:12:22,275 私の代わりに母が服し 倒れた。 125 00:12:24,611 --> 00:12:27,513 フッ… 勘違いするな。 126 00:12:27,513 --> 00:12:32,485 いさかいの種は摘まねばならぬ。 それは 世の道理。 127 00:12:32,485 --> 00:12:38,625 己の身を嘆いた事など 一度もない。 128 00:12:38,625 --> 00:12:46,299 お前が現れ 私を城へ導くまでは。 129 00:12:46,299 --> 00:12:48,234 私が…。 お前は言った。 130 00:12:48,234 --> 00:12:53,640 ご苦労をされた分 これからは 安んじて頂きたいと。 131 00:12:53,640 --> 00:12:57,644 そして 施しを与えようとした。 132 00:13:01,247 --> 00:13:05,585 兄上を 城へお招きしたのは 施しなどではござらぬ。 133 00:13:05,585 --> 00:13:08,254 家督をお譲りしたいと申したのも 本心でござる。 134 00:13:08,254 --> 00:13:11,157 今でも 私は…。 お前は なぜ そのように! 135 00:13:11,157 --> 00:13:15,128 あらゆるものを たやすく手放そうとする? 136 00:13:15,128 --> 00:13:17,597 教えてやろう。 137 00:13:17,597 --> 00:13:22,935 それは 何一つ 己の力で 手に入れたものではないからだ。 138 00:13:22,935 --> 00:13:27,607 ただ与えられた身を それらしゅう生きてみせる。 139 00:13:27,607 --> 00:13:31,611 それが お前だ。 140 00:13:36,616 --> 00:13:42,288 哀れなお方だ。 何だと? 141 00:13:42,288 --> 00:13:45,958 私への憎しみなら 私へ向ければよい。 142 00:13:45,958 --> 00:13:50,263 松丸の姫や唯を苦しめるよりほか 手だてを知らぬとは。 143 00:13:51,831 --> 00:13:55,635 卑怯な者を 人は 決して仰ぎはせぬ。 144 00:13:55,635 --> 00:13:59,338 兄上は 人の上には立てぬ! 145 00:14:22,595 --> 00:14:26,466 唯之助ならば 長沢城じゃ。 146 00:14:26,466 --> 00:14:29,936 長沢。 高山の本城に!? 147 00:14:29,936 --> 00:14:33,272 阿湖姫でないと知れれば…➡ 148 00:14:33,272 --> 00:14:37,276 どうなる事やら。 149 00:14:48,821 --> 00:14:50,823 (久)ああっ! 150 00:14:56,295 --> 00:14:58,998 母上。 151 00:15:04,904 --> 00:15:08,241 (源三郎)若君様! いかがした? 152 00:15:08,241 --> 00:15:11,144 松丸家の義次様が 早馬でご到着との知らせが。 153 00:15:11,144 --> 00:15:13,579 阿湖姫の兄上が? 154 00:15:13,579 --> 00:15:17,450 急ぎ戻れとの 殿の命にございます。 155 00:15:17,450 --> 00:15:21,154 承知した。 156 00:15:23,923 --> 00:15:26,626 兄上の母御も 城へお連れする。 157 00:15:28,261 --> 00:15:31,564 城へ? 158 00:15:46,279 --> 00:15:53,152 私には 命を懸けてくれる 母はいなかった。 159 00:15:53,152 --> 00:16:14,440 ♬~ 160 00:16:14,440 --> 00:16:22,114 (笑い声) 161 00:16:22,114 --> 00:16:25,585 (信近) 成之様の母御を 我が屋敷に? 162 00:16:25,585 --> 00:16:28,254 病を得ておられるようなのです。 163 00:16:28,254 --> 00:16:33,125 若君様より こちらで預かってもらえぬかと。 164 00:16:33,125 --> 00:16:36,128 (信茂)なるほど。 165 00:16:36,128 --> 00:16:42,268 母御を 天野に置けば 成之様も 軽はずみな事はなされまい。 166 00:16:42,268 --> 00:16:45,171 そうお考えなのじゃろう。 167 00:16:45,171 --> 00:16:50,877 なれば 心して お世話に当たらねばなりませんな。 168 00:16:52,912 --> 00:16:57,617 (信茂)吉乃をつけよう。 母上を? 169 00:16:57,617 --> 00:17:02,622 いや しかし そのような大役が 務まりますかどうか。 170 00:17:10,897 --> 00:17:16,235 (吉乃) 天野信近が妻 吉乃にございます。 171 00:17:16,235 --> 00:17:18,905 これより お身の回りのお世話を 致しますゆえ➡ 172 00:17:18,905 --> 00:17:22,909 何なりと お申しつけ下さいませ。 173 00:17:48,601 --> 00:17:54,273 (義次) 昨夜遅く 高山宗鶴より父に宛てて 書状が参ったのでございます。 174 00:17:54,273 --> 00:17:57,276 (忠高)これじゃ。 175 00:18:02,882 --> 00:18:07,553 (義次)妹 阿湖が 高山の城内に捕らわれていると。 176 00:18:07,553 --> 00:18:09,889 驚いた父の命を受け➡ 177 00:18:09,889 --> 00:18:12,224 急ぎ 私が確かめに 参ったのでございますが…。 178 00:18:12,224 --> 00:18:14,894 阿湖殿を 宗熊と縁組みさせる!? 179 00:18:14,894 --> 00:18:19,231 それよ。 ハハハ… たわけた入道と思うておったが➡ 180 00:18:19,231 --> 00:18:26,572 これほどとは。 バカ息子に 唯之助を めとらせるとはのう。 181 00:18:26,572 --> 00:18:33,245 父上 この始末 忠清にお任せ頂けますか? 182 00:18:33,245 --> 00:18:36,582 いらぬ。 下人は 己で逃げればよい。 183 00:18:36,582 --> 00:18:40,586 できぬなら それまでの事。 184 00:18:46,258 --> 00:18:48,594 足軽の唯之助が参ります! 185 00:18:48,594 --> 00:18:50,529 ♬「ホイっ!」 186 00:18:50,529 --> 00:18:53,265 (忠清と唯の笑い声) 187 00:18:53,265 --> 00:18:56,936 私 必ず… 必ず守りますから。 188 00:18:56,936 --> 00:19:00,206 こんなもんが定めなはずない! 189 00:19:00,206 --> 00:19:04,910 若君様~! 190 00:19:07,079 --> 00:19:12,218 松丸殿より 縁組みを承知するとの返書を➡ 191 00:19:12,218 --> 00:19:15,521 長沢城に 急ぎ送って頂きたい。 192 00:19:17,890 --> 00:19:21,560 高山に でございますか? 193 00:19:21,560 --> 00:19:24,897 文には こう したためて頂きたいのだ。 194 00:19:24,897 --> 00:19:29,235 婚儀の前に 姫の無事を確かめたいゆえ➡ 195 00:19:29,235 --> 00:19:32,138 兄 義次を遣わせると。 196 00:19:32,138 --> 00:19:36,108 私に 長沢城へ参れと。 197 00:19:36,108 --> 00:19:43,582 このとおり 決して悪いようには致しませぬ。 198 00:19:43,582 --> 00:19:47,253 お力をお貸し願いたいのです。 199 00:19:47,253 --> 00:19:51,590 しかし… 羽木の殿には あれほど ならぬと。 200 00:19:51,590 --> 00:19:56,262 なればこそ こうして ひそかに訪ねてまいった。 201 00:19:56,262 --> 00:19:59,932 殿には無断で。 202 00:19:59,932 --> 00:20:02,835 しかり。 203 00:20:02,835 --> 00:20:05,271 (義次)もしや 若君は➡ 204 00:20:05,271 --> 00:20:09,608 私に 捕らわれの下人を ひそかに逃がせと仰せか。 205 00:20:09,608 --> 00:20:13,612 この忠清に 策がござる。 206 00:20:16,282 --> 00:20:21,587 どうか お力を。 どうか。 207 00:20:24,957 --> 00:20:27,660 (阿湖)若君様。 208 00:20:33,966 --> 00:20:40,306 唯之助… いえ 唯の事➡ 209 00:20:40,306 --> 00:20:43,976 私も なんとしても無事にと。 210 00:20:43,976 --> 00:20:47,847 命を救ってもらった というだけではありませぬ。 211 00:20:47,847 --> 00:20:53,853 私は… 唯が好きなのです。 212 00:20:55,588 --> 00:20:58,324 阿湖殿。 213 00:20:58,324 --> 00:21:02,928 唯を もう一度 若君様に会わせてあげたい。 214 00:21:02,928 --> 00:21:07,233 唯の事を 誰よりも 心から思うておられる若君様に。 215 00:21:09,802 --> 00:21:13,572 唯を お助け下さい。 216 00:21:13,572 --> 00:21:18,277 私の事は お気になさらぬよう。 217 00:21:18,277 --> 00:21:44,270 ♬~ 218 00:21:49,975 --> 00:21:52,645 <なんとかして ここから出ないと。➡ 219 00:21:52,645 --> 00:21:55,548 阿湖姫 心配してるだろうし➡ 220 00:21:55,548 --> 00:21:59,552 きっと 若君も…> 221 00:22:02,454 --> 00:22:04,456 (物音) 222 00:22:08,594 --> 00:22:11,931 クマ~。 来てくれたんだ。 223 00:22:11,931 --> 00:22:14,266 いろいろ教えてほしいと 言うておった。 224 00:22:14,266 --> 00:22:17,269 うん ありがとう。 225 00:22:18,938 --> 00:22:21,640 これを…。 えっ? 226 00:22:25,611 --> 00:22:30,916 うわ~! 気が利くじゃん。 227 00:22:33,485 --> 00:22:38,958 う~ん! おいしい! 美しい。 228 00:22:38,958 --> 00:22:41,293 ねっ 見張りは大丈夫だったの? 229 00:22:41,293 --> 00:22:44,630 ちょうど 番がかわる頃じゃ。 今は 誰もいない。 230 00:22:44,630 --> 00:22:47,933 マジで? 231 00:22:53,305 --> 00:22:55,241 チャ~ンス! 232 00:22:55,241 --> 00:22:58,244 頼りになるじゃん クマ。 233 00:23:14,593 --> 00:23:17,496 っしゃ~! ひとっ走りするか。 234 00:23:17,496 --> 00:23:22,468 ここを出るのか? お願い 朝まで黙ってて。 235 00:23:22,468 --> 00:23:26,939 じゃあ 元気でね。 236 00:23:26,939 --> 00:23:28,874 えっ 何? 237 00:23:28,874 --> 00:23:31,610 わしも行く。 クマも? 238 00:23:31,610 --> 00:23:34,947 わしも一緒に逃げる。 何で? 239 00:23:34,947 --> 00:23:37,850 城を出て どこへ行くのじゃ? 240 00:23:37,850 --> 00:23:40,819 黒羽城に戻る。 241 00:23:40,819 --> 00:23:43,622 黒羽城…。 そう。 242 00:23:43,622 --> 00:23:47,960 わしは 黒羽には行かぬ。 えっ? 243 00:23:47,960 --> 00:23:51,830 わしは行けぬ! シ~! 声が大きい。 244 00:23:51,830 --> 00:23:57,636 じゃあ 好きにしたら? 私は一人で行くから。 じゃあ! 245 00:23:57,636 --> 00:24:00,906 わしを置いてくのか!? 246 00:24:00,906 --> 00:24:05,577 あんたが 勝手に くっついてきただけじゃん。 247 00:24:05,577 --> 00:24:10,916 裏切るのか? わしを。 ん? 248 00:24:10,916 --> 00:24:15,921 高山宗熊を! 249 00:24:18,257 --> 00:24:22,127 あんた… 高山って…。 250 00:24:22,127 --> 00:24:24,129 曲者じゃ~! 251 00:24:24,129 --> 00:24:26,131 ⚟若君様~! 252 00:24:26,131 --> 00:24:29,601 若君? 253 00:24:29,601 --> 00:24:32,271 (諸橋)若君様。 ご無事でございましたか? 254 00:24:32,271 --> 00:24:37,142 曲者の裏切り者だ。 逃げるぞ! かかれ~! 255 00:24:37,142 --> 00:24:40,446 待て~い! 待て~い! 256 00:24:42,281 --> 00:24:44,616 (諸橋)すさまじい足の速さ。➡ 257 00:24:44,616 --> 00:24:49,288 門の高さが低ければ とうに逃げられておったかと。 258 00:24:49,288 --> 00:24:53,625 あの~ ここは一体? 259 00:24:53,625 --> 00:24:57,496 高山の本城 長沢城じゃ。➡ 260 00:24:57,496 --> 00:25:03,202 こちらは ご当主 高山宗鶴様じゃ。 261 00:25:12,111 --> 00:25:14,913 姫。 262 00:25:14,913 --> 00:25:19,585 二度と このような事はなされるな。 263 00:25:19,585 --> 00:25:25,457 もし また 城を出ようとなされば…。 264 00:25:25,457 --> 00:25:28,160 なされば? 265 00:25:33,599 --> 00:25:38,937 ああ~ ごめんなさい! (笑い声) 266 00:25:38,937 --> 00:25:45,277 おとなしゅう 松丸から 人が参るのをお待ちあれ。 267 00:25:45,277 --> 00:25:51,617 松丸から人が? おお。 祝言の立ち会いにのう。 268 00:25:51,617 --> 00:25:55,287 姫様と宗熊様の。 269 00:25:55,287 --> 00:26:01,894 ん? 私と… クマ? 270 00:26:01,894 --> 00:26:03,829 ちょ ちょ ちょっと待って! 271 00:26:03,829 --> 00:26:06,565 (宗鶴)このような大事な時に またもや お前は!わっ! 272 00:26:06,565 --> 00:26:08,901 申したであろう。 273 00:26:08,901 --> 00:26:13,238 二度と わしの前に 情けない姿を さらすなと! 274 00:26:13,238 --> 00:26:15,574 申し訳ございませぬ! ああ~! 275 00:26:15,574 --> 00:26:18,911 あっ あっ やめて! 276 00:26:18,911 --> 00:26:21,246 やめて下さい! 277 00:26:21,246 --> 00:26:37,596 ♬~ 278 00:26:37,596 --> 00:26:39,898 (鍵を掛ける音) 279 00:26:44,269 --> 00:26:48,607 しばらく お城を空けられる? 280 00:26:48,607 --> 00:26:51,276 国境の領地へ 見回りへ参る。 281 00:26:51,276 --> 00:26:54,947 世話をかけるが 兄上の母御を よろしく頼む。 282 00:26:54,947 --> 00:26:57,282 承りましてございます。 283 00:26:57,282 --> 00:27:02,287 ここまでじゃ。 (2人)はい! 284 00:27:06,558 --> 00:27:10,229 若君様 唯之助を救うため➡ 285 00:27:10,229 --> 00:27:13,565 よもや ご自身で事を起こそうなどと➡ 286 00:27:13,565 --> 00:27:15,501 お考えではありますまいな? 287 00:27:15,501 --> 00:27:19,238 そのような事は みじんも考えてはおらぬ。 288 00:27:19,238 --> 00:27:22,941 さようでございますか。 289 00:27:43,462 --> 00:27:48,267 (悪丸)若君様! 誰じゃ? 290 00:27:48,267 --> 00:27:50,202 足軽の悪丸でござる。 291 00:27:50,202 --> 00:27:55,607 ここで何をしておる? 若君を待っていた。 292 00:27:55,607 --> 00:27:57,543 わしを? 293 00:27:57,543 --> 00:28:01,880 唯之助の おふくろ様に ここで待つよう言われた。 294 00:28:01,880 --> 00:28:05,884 これを お渡しするようにと。 295 00:28:14,893 --> 00:28:17,896 でんでん丸。 296 00:28:22,234 --> 00:28:25,237 まぼ兵くん。 297 00:28:30,576 --> 00:28:33,278 けむり玉。 298 00:28:39,585 --> 00:28:41,920 尊の作ったものじゃな。 299 00:28:41,920 --> 00:28:45,791 まか不思議な妖術を起こす。 武器になる。 300 00:28:45,791 --> 00:28:51,496 やはり おふくろ殿には 読まれておったか。 301 00:28:54,266 --> 00:28:59,972 確かに受け取った。 おふくろ殿に よう礼を申してくれ。 302 00:29:03,542 --> 00:29:06,445 わしが持つ。 何だと? 303 00:29:06,445 --> 00:29:11,149 若君のそばを 決して 離れてはならぬ。 そう言われた。 304 00:29:14,553 --> 00:29:18,857 大したお方じゃ あのおふくろ殿は。 305 00:29:20,892 --> 00:29:24,229 悪丸 よう聞け。 306 00:29:24,229 --> 00:29:28,567 長沢城には 阿湖姫の兄上が 参る手はずになっておる。 307 00:29:28,567 --> 00:29:35,240 そして わしは 唯之助… なんとしてでも唯を救い出す。 308 00:29:35,240 --> 00:29:39,244 参るか? 参る。 309 00:29:41,113 --> 00:29:44,583 頼もしいのう。 310 00:29:44,583 --> 00:29:46,918 参るぞ。 311 00:29:46,918 --> 00:30:02,934 ♬~ 312 00:30:02,934 --> 00:30:04,870 (腹の音) 313 00:30:04,870 --> 00:30:06,805 (宗熊)姫。 314 00:30:06,805 --> 00:30:11,276 げっ クマ。 315 00:30:11,276 --> 00:30:14,946 煎り豆じゃ。 えっ? 316 00:30:14,946 --> 00:30:18,617 父上に ここへ閉じ込められた時 よう食べた。 317 00:30:18,617 --> 00:30:23,322 あ… ありがとう。 318 00:30:33,965 --> 00:30:37,669 ん…。 319 00:30:40,839 --> 00:30:43,542 ん? 320 00:30:45,310 --> 00:30:49,181 あんたさ あんな親グマの言いなりに➡ 321 00:30:49,181 --> 00:30:51,650 私と祝言なんか 挙げさせられちゃって➡ 322 00:30:51,650 --> 00:30:56,321 それでいい訳? あんなに たたかれてさ。 323 00:30:56,321 --> 00:31:00,592 父上は わしを 鍛えようとされておるのだ。 324 00:31:00,592 --> 00:31:03,929 けど それが嫌で 逃げようとしたんじゃないの? 325 00:31:03,929 --> 00:31:07,799 違う? わしは! …総領なので。 326 00:31:07,799 --> 00:31:11,603 総領が何よ。 私だって足軽だよ。 327 00:31:11,603 --> 00:31:15,941 はあ? あっ いや まあ➡ 328 00:31:15,941 --> 00:31:21,613 心は いつも足軽というか うん。 329 00:31:21,613 --> 00:31:24,516 とにかく もっと自分に自信を持って。 330 00:31:24,516 --> 00:31:26,485 戦だって 祝言だって➡ 331 00:31:26,485 --> 00:31:29,187 人の言いなりになってちゃ 駄目だよ。 332 00:31:32,958 --> 00:31:38,630 確かに これは わし自身が 努めねばならぬ事なのかもしれぬ。 333 00:31:38,630 --> 00:31:41,299 そうそう そのとおり。 334 00:31:41,299 --> 00:31:44,636 阿湖姫とおると このような わしでも➡ 335 00:31:44,636 --> 00:31:48,507 何かできるのではないかと そう思えてくる。 336 00:31:48,507 --> 00:31:51,309 そうそう! その調子! 337 00:31:51,309 --> 00:31:54,646 阿湖姫との祝言が まこと楽しみじゃ! 338 00:31:54,646 --> 00:31:56,982 そうそう! 339 00:31:56,982 --> 00:31:59,317 えっ? って 違う! 340 00:31:59,317 --> 00:32:04,022 明日 松丸より 兄上の義次殿が 参られるそうじゃ。 341 00:32:06,591 --> 00:32:09,895 兄上? 342 00:32:14,933 --> 00:32:17,235 殿! 343 00:32:24,609 --> 00:32:28,947 松丸義次殿 一ノ門に ご到着にござります。 344 00:32:28,947 --> 00:32:34,252 そうか。 ようやく。 345 00:32:39,958 --> 00:32:41,893 阿湖姫様 お手を失礼します。 346 00:32:41,893 --> 00:32:45,630 <妹じゃないって ばれたら クマとの結婚はなくなるけど➡ 347 00:32:45,630 --> 00:32:48,967 命もなくなるかも> 348 00:32:48,967 --> 00:32:53,305 ⚟(嶋)姫様。 349 00:32:53,305 --> 00:32:56,007 殿がお呼びでございます。 350 00:33:06,852 --> 00:33:14,593 おお 姫 来られたか。 さあ 中へ。 351 00:33:14,593 --> 00:33:17,295 はっ。 352 00:33:25,604 --> 00:33:28,940 (宗鶴)いかがなされた? 久しぶりであろう。 353 00:33:28,940 --> 00:33:33,278 兄上に よ~く顔を見せてあげなされ。 354 00:33:33,278 --> 00:33:35,981 はあ…。 355 00:33:48,827 --> 00:33:52,631 何じゃ? あの気味の悪い動きは。 356 00:33:52,631 --> 00:33:54,933 さあ? 357 00:33:57,969 --> 00:34:05,243 こ… この度は ご機嫌麗しゅう。 358 00:34:05,243 --> 00:34:09,114 久しぶりじゃのう 妹よ。 359 00:34:09,114 --> 00:34:11,416 えっ? 360 00:34:14,252 --> 00:34:16,588 わ… わわわ…。 361 00:34:16,588 --> 00:34:20,292 息災でおるようじゃのう 阿湖。 362 00:34:21,927 --> 00:34:25,797 ああ ああ~。 363 00:34:25,797 --> 00:34:32,270 阿湖姫の事は このように 心より もてなしておりまする。 364 00:34:32,270 --> 00:34:36,975 息子 宗熊も 大層な気に入りようでのう。 365 00:34:38,610 --> 00:34:43,281 まことに かたじけのう存じます。 366 00:34:43,281 --> 00:34:48,153 どうであろう? 兄上も ご同席の今宵➡ 367 00:34:48,153 --> 00:34:53,625 早々に 婚儀を済ませてしまっては。 368 00:34:53,625 --> 00:34:57,295 今宵でございますか? はい。 369 00:34:57,295 --> 00:35:00,198 それは よいお考えにございます。 370 00:35:00,198 --> 00:35:02,901 (宗鶴)うむ。 371 00:35:02,901 --> 00:35:07,238 一つだけ お願いしたき儀が。 372 00:35:07,238 --> 00:35:13,912 婚儀の前に 妹 阿湖と2人きりで 話をさせてもらえませぬか? 373 00:35:13,912 --> 00:35:17,248 私も… 私も そう思っておりました! 374 00:35:17,248 --> 00:35:19,184 それはならぬ! 375 00:35:19,184 --> 00:35:22,587 <何だと? 親グマ> 376 00:35:22,587 --> 00:35:25,256 高山の嫡男が 正室を めとるのでござる。 377 00:35:25,256 --> 00:35:28,927 それ相応のこしらえを せねばならぬ。 378 00:35:28,927 --> 00:35:32,263 めでたく2人が夫婦となった後➡ 379 00:35:32,263 --> 00:35:38,136 明日にでも ゆるりと語ろうたらいかがか? 380 00:35:38,136 --> 00:35:41,439 なるほど それもしかり。 381 00:35:44,843 --> 00:35:49,814 では 姫のお支度を。 382 00:35:49,814 --> 00:35:54,953 兄上様。 阿湖。 383 00:35:54,953 --> 00:35:58,623 後ほど。 384 00:35:58,623 --> 00:36:03,628 <何これ? 超かっこいい> 385 00:36:05,897 --> 00:36:08,800 後ほど。 386 00:36:08,800 --> 00:36:11,102 (嶋)さあ。 387 00:36:20,245 --> 00:36:24,582 高山のご正室が 代々 お召しになった打掛でございます。 388 00:36:24,582 --> 00:36:27,886 嫌! 絶対 着ない! 389 00:36:32,457 --> 00:36:35,927 阿湖姫様。 阿湖姫様。 さあ。 390 00:36:35,927 --> 00:36:39,798 どうぞ。 阿湖姫様。嫌! 嫌! 391 00:36:39,798 --> 00:36:42,801 着ません! 着ません! 392 00:36:42,801 --> 00:36:46,271 阿湖姫様。阿湖姫様。 着ません! 絶対 着ないから! 393 00:36:46,271 --> 00:36:49,607 姫様。 姫様! 離せ! 394 00:36:49,607 --> 00:36:52,510 阿湖姫様! 姫様! 395 00:36:52,510 --> 00:36:56,948 あ~! 阿湖姫様! 396 00:36:56,948 --> 00:37:01,553 なんという 強力じゃ。 397 00:37:01,553 --> 00:37:04,222 あ~ もう! お着替え下さいませ! 398 00:37:04,222 --> 00:37:06,891 (嶋)みんな来やれ 誰か手を…。 399 00:37:06,891 --> 00:37:09,561 何じゃ これは!? 400 00:37:09,561 --> 00:37:12,464 まあ! ああ~! 401 00:37:12,464 --> 00:37:15,767 (嶋)火事? 火事か!? 402 00:37:21,573 --> 00:37:23,908 どこにも火は見当たりませぬ! 403 00:37:23,908 --> 00:37:25,844 あっ! 404 00:37:25,844 --> 00:37:27,846 後ほど。 405 00:37:29,781 --> 00:37:32,584 若君 早く来て。 406 00:37:32,584 --> 00:37:35,286 若君!