1 00:00:03,040 --> 00:00:07,978 <一万両。 現在の金額で およそ五億円。➡ 2 00:00:07,978 --> 00:00:12,449 摩藩が 一度の参勤交代で 費やした金額です。➡ 3 00:00:12,449 --> 00:00:17,120 摩から江戸への行程は およそ1, 700km。➡ 4 00:00:17,120 --> 00:00:20,957 これを ふたつき近くかけ 移動しました。➡ 5 00:00:20,957 --> 00:00:25,128 将軍 御台所となるため この はるかな道のりを➡ 6 00:00:25,128 --> 00:00:28,632 今 まさに 旅に出ようとしている 姫がいました> 7 00:00:28,632 --> 00:00:31,268 (島津斉彬)江戸へ行ってくれぬか? 8 00:00:31,268 --> 00:00:33,203 (篤姫)参ります。 9 00:00:33,203 --> 00:00:37,641 私は 自らの意思で 江戸へ赴き➡ 10 00:00:37,641 --> 00:00:40,143 国の力となりたいと存じます。 11 00:00:40,143 --> 00:00:44,648 <摩から離れ 江戸への旅立ちを決意した篤姫。➡ 12 00:00:44,648 --> 00:00:49,152 摩の人々との別れは 目前に迫っていました> 13 00:00:49,152 --> 00:00:51,088 出立の日が決まったぞ。 14 00:00:51,088 --> 00:00:54,825 (島津忠剛)江戸か…。 (お幸)遠うございますね…。 15 00:00:54,825 --> 00:00:57,294 尚五郎さん。 (肝付尚五郎)はい。 16 00:00:57,294 --> 00:01:00,997 摩を頼みます。 17 00:01:00,997 --> 00:01:14,945 ♬~(テーマ音楽) 18 00:01:14,945 --> 00:03:44,445 ♬~ 19 00:03:46,463 --> 00:03:49,499 江戸へと向かわれる 篤姫様の➡ 20 00:03:49,499 --> 00:03:55,639 ご出立を祝う宴が 開かれる運びとなりました。 21 00:03:55,639 --> 00:03:58,141 これはどうじゃ? 広川。 22 00:03:58,141 --> 00:04:01,745 (広川)はい。 華やかで よろしいかと思います。 23 00:04:01,745 --> 00:04:04,781 ほう こっちは どうじゃ? 24 00:04:04,781 --> 00:04:08,581 そうでございますねえ…。 25 00:04:10,754 --> 00:04:17,627 ああ… これは どうじゃ。 そうでございますねえ…。 26 00:04:17,627 --> 00:04:20,430 うんうん これじゃ これにしよう。 27 00:04:20,430 --> 00:04:22,430 ≪(幾島)姫様。 28 00:04:24,100 --> 00:04:27,103 (幾島)何をしておいでなのですか? 見れば分かるであろう。 29 00:04:27,103 --> 00:04:30,240 宴のための着物を選んでおるのじゃ。 30 00:04:30,240 --> 00:04:34,110 荷造りができぬと 侍女たちが困っておりまするが。 31 00:04:34,110 --> 00:04:38,982 もう選んだ。 残りはよいぞ。 (しの)はは~。 32 00:04:38,982 --> 00:04:43,620 宴の際のお召し物は こちらで選んでありまする。 33 00:04:43,620 --> 00:04:48,124 そなたが ついていながら なんたること。 申し訳ございません。 34 00:04:48,124 --> 00:04:51,962 私は あれが着たいのじゃ。 あれは 母の好きな柄ゆえ。 35 00:04:51,962 --> 00:04:54,162 姫様! 36 00:04:59,135 --> 00:05:03,740 よいですか。 人前で 今和泉の方々を➡ 37 00:05:03,740 --> 00:05:09,079 ゆめゆめ 父上 母上などと 呼んではなりませぬぞ。 分かっておる。 38 00:05:09,079 --> 00:05:14,884 そして いよいよ その日が やって参りました。 39 00:05:14,884 --> 00:05:20,090 そり残しはないか? ん? 鼻毛は 伸びておらぬか? 40 00:05:20,090 --> 00:05:22,092 どこにも乱れはございませぬ。 41 00:05:22,092 --> 00:05:27,764 うむ… 殿と於一… いや 姫への お目通りじゃ。 42 00:05:27,764 --> 00:05:30,100 失礼があってはならぬ。 はい。 43 00:05:30,100 --> 00:05:35,772 しかし 三男のそなたまで お招きに与って よかったのう。 44 00:05:35,772 --> 00:05:38,241 (島津忠敬)さしては うれしゅうございませぬ。 45 00:05:38,241 --> 00:05:41,611 あやつを 姫様と呼ぶなど 屈辱以外 何ものでも。 46 00:05:41,611 --> 00:05:43,546 あやつとは 何じゃ。 47 00:05:43,546 --> 00:05:46,783 うん? そなた ちと髷が 曲がってはおらぬか? 48 00:05:46,783 --> 00:05:49,619 これ もそっとこう…。 いや 自分でやりまする。 49 00:05:49,619 --> 00:05:52,122 自分でやりまする。 50 00:05:52,122 --> 00:05:54,057 直して進ぜる! 51 00:05:54,057 --> 00:05:57,994 ますます曲がるではありませぬか。 父上! アハハハハハ。 52 00:05:57,994 --> 00:06:00,797 これを 姫様にですか? 53 00:06:00,797 --> 00:06:04,768 (大久保正助)肝付様が お城に 上がられることを 母に話したところ➡ 54 00:06:04,768 --> 00:06:08,405 どうしても お願いしてくれと 申すものですから。 55 00:06:08,405 --> 00:06:12,742 (西郷吉之助) お母上が お作りになったそうです。 56 00:06:12,742 --> 00:06:17,914 (フク)能学寺で 無病息災のお守りとなるように➡ 57 00:06:17,914 --> 00:06:20,583 念じていただきました。➡ 58 00:06:20,583 --> 00:06:25,755 お邪魔になるだけかもしれませんが。 59 00:06:25,755 --> 00:06:28,658 分かりました。 お引き受けいたします。 60 00:06:28,658 --> 00:06:31,227 きっと お喜びになりますよ。 61 00:06:31,227 --> 00:06:35,765 お手間をかけます。 よろしくお願い申し上げます。 62 00:06:35,765 --> 00:06:39,102 ≪(肝付兼善)尚五郎 どこじゃ!? 63 00:06:39,102 --> 00:06:43,106 では そろそろ。 確かに お預かりしました。 64 00:06:43,106 --> 00:06:45,775 すみませんが 支度がありますので これで。 65 00:06:45,775 --> 00:06:48,775 よろしくお願いいたします。 66 00:06:54,784 --> 00:06:58,955 宴は宴でも 別れの宴じゃ。 67 00:06:58,955 --> 00:07:00,924 おつらかじゃろうな。 68 00:07:00,924 --> 00:07:05,224 おいたちでは 何もして差し上げられんどん。 69 00:07:07,063 --> 00:07:10,363 そして お城では…。 70 00:07:16,072 --> 00:07:19,576 このお召し物にしてようございました。 71 00:07:19,576 --> 00:07:22,912 今 何時じゃ? そろそろ 九つ半。 72 00:07:22,912 --> 00:07:27,083 ん~… まだ そんなものか…。 73 00:07:27,083 --> 00:07:30,920 姫様 よろしゅうございますか?➡ 74 00:07:30,920 --> 00:07:33,420 間違っても…。 分かっておる! 75 00:07:35,091 --> 00:07:41,431 忠剛殿 お幸殿。 どうじゃ? 76 00:07:41,431 --> 00:07:44,731 結構にござります。 77 00:07:47,303 --> 00:07:51,774 家中のおもだった方々が集まり➡ 78 00:07:51,774 --> 00:07:58,074 篤姫様への お目通りを 心待ちにしておりました。 79 00:08:01,050 --> 00:08:09,759 (太鼓の音) 80 00:08:09,759 --> 00:08:12,662 ≪お成りにござります。 81 00:08:12,662 --> 00:08:31,748 ♬~ 82 00:08:31,748 --> 00:08:34,748 面を上げよ。 83 00:08:39,422 --> 00:08:44,722 我が娘 篤姫である。 84 00:08:46,296 --> 00:08:49,766 (一同)はは~。 85 00:08:49,766 --> 00:08:55,572 此度 わしの参勤に先立ち 江戸に参ることに相なった。 86 00:08:55,572 --> 00:09:00,072 まこと めでたき かぎりである。 87 00:09:01,711 --> 00:09:04,614 その方たちも これを寿ぎ➡ 88 00:09:04,614 --> 00:09:09,586 本日は 共に楽しんでくれるよう 願っておる。 89 00:09:09,586 --> 00:09:11,888 (一同)はは~。 90 00:09:31,741 --> 00:09:36,041 (小声で)殿。 (小声で)ん… 何だ。 91 00:09:38,414 --> 00:09:43,286 姫様 よそ見はなりませぬ。 92 00:09:43,286 --> 00:09:45,922 分かっておる。 93 00:09:45,922 --> 00:09:48,958 ならば 結構。 94 00:10:12,448 --> 00:10:20,790 お能が終わると ご家族ごとの 対面のひとときが持たれました。 95 00:10:20,790 --> 00:10:28,264 姫様には 此度の江戸ご参府 道中のご無事を➡ 96 00:10:28,264 --> 00:10:33,102 謹んで お祈り申し上げまする。 97 00:10:33,102 --> 00:10:37,402 ご丁寧に 痛み入ります。 98 00:10:42,145 --> 00:10:48,818 時に 姫様は 囲碁がお好きと 聞き及んでおります。 99 00:10:48,818 --> 00:10:50,753 はい。 100 00:10:50,753 --> 00:10:57,160 失礼ながら 女子にしては珍しいのではと。 101 00:10:57,160 --> 00:11:05,868 むしろ 女子ゆえではないかと。 ほう。 102 00:11:05,868 --> 00:11:12,642 将棋の駒と違い 碁石には 序列や 軽い重いがありませぬ。 103 00:11:12,642 --> 00:11:20,783 されど 重い役を担う石もあれば 意味なく死んでいく石もあります。 104 00:11:20,783 --> 00:11:23,453 ですな。 105 00:11:23,453 --> 00:11:29,959 打ち手の思惑一つで 石の生き方も局面も がらりと変わる。 106 00:11:29,959 --> 00:11:36,833 つまり 女子ながら 天下を操っているような気になれると? 107 00:11:36,833 --> 00:11:40,670 そのような大それたことを…。 108 00:11:40,670 --> 00:11:48,644 ただ… 石の一つ一つが いとおしく思えてならぬのです。 109 00:11:48,644 --> 00:11:53,516 いとおしい。 はい。 110 00:11:53,516 --> 00:11:56,386 武家に生まれし男子ならば➡ 111 00:11:56,386 --> 00:12:01,224 己の意のままに 世を渡っていくこともできましょう。 112 00:12:01,224 --> 00:12:05,428 されど 女子の道は 一本道。 113 00:12:05,428 --> 00:12:10,128 自ら 生き方を変えることはかないませぬ。 114 00:12:11,768 --> 00:12:19,509 それゆえ 幾とおりもの 生き方ができる石が いとおしいと。 115 00:12:19,509 --> 00:12:22,245 はい。 116 00:12:22,245 --> 00:12:25,782 うらやましくもありますが。 117 00:12:25,782 --> 00:12:36,793 兄上が 姫様を お選びになった訳が 分かったような気がいたします。 118 00:12:36,793 --> 00:12:39,793 そうか。 119 00:12:42,665 --> 00:12:47,804 島津本家に連なる 一門四家。 120 00:12:47,804 --> 00:12:53,104 その最後が 今和泉島津家でございました。 121 00:12:55,478 --> 00:13:00,178 ≪今和泉 島津忠剛様でござりまする。 122 00:13:12,962 --> 00:13:17,733 忠剛殿 本日は大儀である。 123 00:13:17,733 --> 00:13:20,033 ははっ! 124 00:13:26,776 --> 00:13:30,112 篤姫様におかれましては…➡ 125 00:13:30,112 --> 00:13:32,949 ご参府の儀…➡ 126 00:13:32,949 --> 00:13:39,455 道中つつがなきを… ご祈念 申し上げまする。 127 00:13:39,455 --> 00:13:45,962 本日は お招きをいただき…➡ 128 00:13:45,962 --> 00:13:50,762 望外の誉れと 心得まする。 129 00:13:52,735 --> 00:13:57,473 (忠剛)一同 心より 御礼申し上げまする! 130 00:13:57,473 --> 00:14:05,173 姫様には どうぞ お変わりなく お元気でおいでくださいませ。 131 00:14:10,753 --> 00:14:13,089 (小声で)姫様。 132 00:14:13,089 --> 00:14:25,668 ♬~ 133 00:14:25,668 --> 00:14:29,238 忠剛殿。 134 00:14:29,238 --> 00:14:31,538 はっ! 135 00:14:34,443 --> 00:14:37,246 お幸殿。 136 00:14:37,246 --> 00:14:39,246 はい。 137 00:14:41,784 --> 00:14:44,453 忠冬殿。 138 00:14:44,453 --> 00:14:46,489 忠敬殿。 139 00:14:46,489 --> 00:14:48,689 (2人)はっ。 140 00:14:50,326 --> 00:14:56,065 お心 ありがたく頂戴つかまつりまする。 141 00:14:56,065 --> 00:14:58,801 (一同)はは~。 142 00:14:58,801 --> 00:15:10,079 ♬~ 143 00:15:10,079 --> 00:15:15,751 (小松清猷)篤姫様におかれましては ご無事で 参府なさりますよう➡ 144 00:15:15,751 --> 00:15:20,751 小松家一同 お祈り申し上げまする。 145 00:15:22,425 --> 00:15:25,461 ありがたく承りまする。 146 00:15:25,461 --> 00:15:32,768 篤姫様 此度の江戸ご参府 祝着至極に存じ奉りまする。➡ 147 00:15:32,768 --> 00:15:39,768 道中のご無事を 一同 謹んで お祈り申し上げまする。 148 00:15:41,444 --> 00:15:47,444 その後も ご対面は延々と続き…。 149 00:15:49,318 --> 00:15:52,455 (広川)姫様のご様子が…。 150 00:15:52,455 --> 00:15:55,755 気づいておる。 151 00:15:59,128 --> 00:16:03,128 ≪肝付兼善様にございます。 152 00:16:07,737 --> 00:16:11,037 (兼善)失礼つかまつりまする。 153 00:16:17,747 --> 00:16:20,416 肝付兼善でございます。 154 00:16:20,416 --> 00:16:25,087 此度の江戸参府 祝着至極に存じ奉りまする。 155 00:16:25,087 --> 00:16:29,787 道中 ご無事をお祈り申し上げまする。 156 00:16:34,430 --> 00:16:39,101 その方 肝付尚五郎と申したのう。 157 00:16:39,101 --> 00:16:44,774 はっ。 本日は 兄の名代として まかり越しましてございます。 158 00:16:44,774 --> 00:16:47,109 さようか。 159 00:16:47,109 --> 00:16:51,447 畏れながら 姫様に 言づかりものがございます。 160 00:16:51,447 --> 00:16:54,116 我が友 大久保正助の母より➡ 161 00:16:54,116 --> 00:16:58,116 この品を 是非 献上申し上げたいと。 162 00:17:01,390 --> 00:17:03,325 姫様。 163 00:17:03,325 --> 00:17:06,195 それと…。 164 00:17:06,195 --> 00:17:09,395 今和泉家の方々とは…。 165 00:17:11,400 --> 00:17:15,700 これからも ご昵懇にさせていただく 所存でございますゆえ。 166 00:17:21,077 --> 00:17:23,777 尚五郎殿。 167 00:17:27,950 --> 00:17:34,623 今和泉のこと… 何分…。 168 00:17:34,623 --> 00:17:39,762 よろしくお願い申しまする。 169 00:17:39,762 --> 00:17:43,599 (広川)姫様。 170 00:17:43,599 --> 00:17:46,399 姫様。 171 00:17:51,107 --> 00:17:56,779 ご対面は ここまでと させていただきまする。 172 00:17:56,779 --> 00:18:32,414 ♬~ 173 00:18:32,414 --> 00:18:36,285 あれほど 申しておりましたのに なんとぶざまな! 174 00:18:36,285 --> 00:18:40,923 あれでは お殿様のお顔汚しにございます。 175 00:18:40,923 --> 00:18:43,759 すまぬ。 (幾島)聞こえませぬ。 176 00:18:43,759 --> 00:18:45,694 すまぬと申しておる! 177 00:18:45,694 --> 00:18:51,233 今より 四半刻ばかりして 対面を続けます。 178 00:18:51,233 --> 00:18:53,602 お化粧直しを! 179 00:18:53,602 --> 00:18:56,402 (侍女たち)はい。 180 00:19:02,311 --> 00:19:09,385 (幾島)お殿様 昼間の不首尾 深くお詫び申し上げまする。 181 00:19:09,385 --> 00:19:13,055 まことに申し訳ございませんでした。 182 00:19:13,055 --> 00:19:17,755 何とぞ お許し願いとう存じまする。 183 00:19:20,396 --> 00:19:24,733 お篤。 はい。 184 00:19:24,733 --> 00:19:31,507 前に わしの母の話を 聞かせたことがあったな。 はい。 185 00:19:31,507 --> 00:19:39,215 何があろうと いくら時がたとうと 親子の絆は 切れるものではない。 186 00:19:39,215 --> 00:19:41,750 よくよく 存じおるつもりじゃ。 187 00:19:41,750 --> 00:19:45,621 お心遣い ありがたく存じまする。 188 00:19:45,621 --> 00:19:52,321 父母と ゆっくり 打ち解けた話がしたかったであろうな。 189 00:19:58,767 --> 00:20:01,804 いえ。 190 00:20:01,804 --> 00:20:06,004 かえって 名残惜しいばかりと なりますゆえ。 191 00:20:10,379 --> 00:20:13,249 そうか。 192 00:20:13,249 --> 00:20:16,151 ならばよい。 193 00:20:16,151 --> 00:20:19,622 それに わしからも話がある。 194 00:20:19,622 --> 00:20:21,657 旅のことじゃ。 195 00:20:21,657 --> 00:20:25,794 姫には まず 京に上ってもらわねばならぬ。 196 00:20:25,794 --> 00:20:28,264 京へ? 197 00:20:28,264 --> 00:20:32,468 幾島。 はい。 198 00:20:32,468 --> 00:20:38,168 右大臣 近衛公のご養女と おなりいただくためにございます。 199 00:20:39,808 --> 00:20:42,144 養女? 200 00:20:42,144 --> 00:20:47,016 外様である 当家からの輿入れに 不服を申す者がおってな。 201 00:20:47,016 --> 00:20:53,489 公家随一の近衛家の娘とあらば 誰も文句は言えなくなるのだ。 202 00:20:53,489 --> 00:20:58,360 私が かつて お仕えした お家でもござります。 203 00:20:58,360 --> 00:21:02,765 養女の養女…。 204 00:21:02,765 --> 00:21:09,104 私は また 父上様が替わるのでございますね。 205 00:21:09,104 --> 00:21:12,007 姫様。 206 00:21:12,007 --> 00:21:17,007 そう… じゃな。 207 00:21:21,817 --> 00:21:29,124 篤姫様のご出立まで わずか数日となりました。 208 00:21:29,124 --> 00:21:32,995 (高山)これは こちらでなく…。 209 00:21:32,995 --> 00:21:36,995 あちらの長持ちに。 (侍女)かしこまりました。 210 00:21:38,801 --> 00:21:43,501 (しの)何が どこにあるのか分かるように 添えておいてくださいませ。 211 00:21:50,412 --> 00:21:55,112 しの。 はい。 212 00:22:44,666 --> 00:22:47,366 母上…。 213 00:22:53,809 --> 00:23:00,482 姫様。 お客人が お見えだそうです。 214 00:23:00,482 --> 00:23:03,482 お客人? 215 00:23:21,603 --> 00:23:23,539 これは…。 216 00:23:23,539 --> 00:23:27,409 お殿様のお言いつけにございます。 217 00:23:27,409 --> 00:23:30,779 お父上様の? 218 00:23:30,779 --> 00:23:33,479 ご着座を。 219 00:23:47,229 --> 00:23:51,633 皆 下がれ。 220 00:23:51,633 --> 00:23:54,133 はい。 221 00:23:56,138 --> 00:24:00,008 四半刻にございますよ。 222 00:24:00,008 --> 00:24:02,945 ああ。 223 00:24:02,945 --> 00:24:07,245 それでは 私も これにて。 224 00:24:21,763 --> 00:24:25,063 面を上げてくださりませ。 225 00:24:42,784 --> 00:24:45,784 父上様。 226 00:24:49,558 --> 00:24:53,058 母上様。 227 00:24:55,364 --> 00:24:57,966 於一!➡ 228 00:24:57,966 --> 00:25:00,802 於一。 229 00:25:00,802 --> 00:25:03,405 はい。 230 00:25:03,405 --> 00:25:07,576 元気そうじゃ。 はい! 231 00:25:07,576 --> 00:25:12,776 美しゅうもなりました。 母上様。 232 00:25:14,349 --> 00:25:18,349 (お幸)まるで子供のような…。 233 00:25:24,426 --> 00:25:27,426 父上様。 234 00:25:29,097 --> 00:25:31,797 母上様。 235 00:25:33,435 --> 00:25:36,772 私は どこに いようとも➡ 236 00:25:36,772 --> 00:25:43,072 父上様 母上様の子にござります。 237 00:25:44,947 --> 00:25:49,785 のう おしの。 238 00:25:49,785 --> 00:25:52,085 はい。 239 00:25:55,657 --> 00:25:58,794 (忠敬)於一。 240 00:25:58,794 --> 00:26:05,094 そなた さっきから 俺が ここにいるのを 忘れてはおらぬか? 241 00:26:06,602 --> 00:26:10,439 お久しぶりにござります。 兄上。 242 00:26:10,439 --> 00:26:15,077 まあ 気づいておるなら よいわ。 243 00:26:15,077 --> 00:26:20,749 でも ちっとも 変わっておいでになりませんね。 244 00:26:20,749 --> 00:26:23,049 何だと…。 245 00:26:25,087 --> 00:26:29,091 …などとは 申せぬのだな。 246 00:26:29,091 --> 00:26:31,426 そんなことはありませぬ。 247 00:26:31,426 --> 00:26:34,763 (お幸)いいえ。 248 00:26:34,763 --> 00:26:39,635 もう 雲の上のお方。 249 00:26:39,635 --> 00:26:48,310 あなたが 何と思おうと あなたは 磨かれ 変わりました。 250 00:26:48,310 --> 00:26:51,780 母上。 251 00:26:51,780 --> 00:26:56,080 さぞかし苦労したのでしょう。 252 00:26:57,953 --> 00:27:01,723 江戸に行っても…。 253 00:27:01,723 --> 00:27:07,062 あなたらしさだけは 忘れずに。 254 00:27:07,062 --> 00:27:14,062 元気でいてくれれば ほかに申すことはありませぬ。 255 00:27:15,737 --> 00:27:17,773 はい。 256 00:27:17,773 --> 00:27:22,511 (忠剛)そうじゃ そのとおりじゃ。 257 00:27:22,511 --> 00:27:29,284 我らが望むのは そなたの元気な姿だけじゃ。 258 00:27:29,284 --> 00:27:31,286 はい。 259 00:27:31,286 --> 00:27:36,758 ああ… ハハハハハ…。 260 00:27:36,758 --> 00:27:54,609 ♬~ 261 00:27:54,609 --> 00:27:58,246 そろそろ 夕げといたしましょうか。 262 00:27:58,246 --> 00:28:05,554 幾島。 今日は よき ひとときを過ごせた。 礼を言うぞ。 263 00:28:05,554 --> 00:28:11,059 すべては お殿様のお申しつけにて。 264 00:28:11,059 --> 00:28:13,729 かわいげのない。 265 00:28:13,729 --> 00:28:15,664 聞こえませぬが。 266 00:28:15,664 --> 00:28:18,964 そろそろ 夕げであったな。 267 00:28:26,441 --> 00:28:30,241 しかし そんな頃…。 268 00:28:47,629 --> 00:28:55,103 旦那様 お顔の色が すぐれませぬが…。 269 00:28:55,103 --> 00:28:58,103 そうか。 270 00:29:00,776 --> 00:29:03,678 あっ 旦那様。 父上。 271 00:29:03,678 --> 00:29:05,978 旦那様! 父上! 272 00:29:08,383 --> 00:29:14,083 そして 旅立ちの朝。 273 00:29:20,962 --> 00:29:23,962 いよいよじゃな。 274 00:29:25,734 --> 00:29:28,403 はい。 275 00:29:28,403 --> 00:29:32,908 父上様 せんだっては ありがとうございました。 276 00:29:32,908 --> 00:29:38,713 忠剛殿 お幸殿らと 心行くまで別れができました。 277 00:29:38,713 --> 00:29:41,413 そうか。 278 00:29:43,084 --> 00:29:45,754 話が 後先になったが➡ 279 00:29:45,754 --> 00:29:49,424 婚儀の支度は すべて江戸で行われることになった。 280 00:29:49,424 --> 00:29:52,761 承知いたしました。 281 00:29:52,761 --> 00:29:57,632 江戸で会おうぞ。 はい。 282 00:29:57,632 --> 00:30:17,619 ♬~ 283 00:30:17,619 --> 00:30:21,790 さあ 姫様。 284 00:30:21,790 --> 00:31:03,765 ♬~ 285 00:31:03,765 --> 00:31:06,465 ≪(お幸)旦那様。 286 00:31:14,476 --> 00:31:17,976 お駕籠が参りますよ。 287 00:31:20,615 --> 00:31:23,652 手を貸してくれぬか。 288 00:31:23,652 --> 00:31:49,144 ♬~ 289 00:31:49,144 --> 00:31:52,047 ≪(幾島)止めよ! 290 00:31:52,047 --> 00:32:15,604 ♬~ 291 00:32:15,604 --> 00:32:19,404 しばしの間にございますよ。 292 00:32:26,114 --> 00:32:28,814 面を上げよ。 293 00:32:43,131 --> 00:32:45,800 礼を返してはなりませぬ。 294 00:32:45,800 --> 00:32:48,500 分かっておる。 295 00:33:23,438 --> 00:33:26,138 参りましょう。 296 00:33:31,780 --> 00:33:35,450 たちませ~い! 297 00:33:35,450 --> 00:34:17,058 ♬~ 298 00:34:17,058 --> 00:34:20,962 行ってしまいましたね。 299 00:34:20,962 --> 00:34:26,434 ああ 行ってしもうたな。 300 00:34:26,434 --> 00:34:36,778 ♬~ 301 00:34:36,778 --> 00:34:39,614 さっ 戻りましょう。 302 00:34:39,614 --> 00:34:43,414 うん いや… もう少し…。 303 00:34:46,121 --> 00:34:49,457 殿 殿! 父上! 304 00:34:49,457 --> 00:34:53,128 大丈夫でございますか!? しっかりしてくだされ! 305 00:34:53,128 --> 00:35:18,286 ♬~ 306 00:35:18,286 --> 00:35:21,286 (西郷)ついていきましょう。 307 00:35:24,092 --> 00:35:27,962 はい。 共に 摩にいられるのも あとわずか。 308 00:35:27,962 --> 00:35:33,768 姫様が 船に乗られるまで ついてまいりましょう。 309 00:35:33,768 --> 00:35:38,468 もう よいのです。 310 00:35:45,780 --> 00:35:48,616 肝付さあ! 311 00:35:48,616 --> 00:35:52,816 正助どん。 ああ。 312 00:35:55,123 --> 00:36:00,461 御免。 御免。 ちょ… 何を… あっ。 313 00:36:00,461 --> 00:36:14,161 ♬~ 314 00:36:24,652 --> 00:36:27,088 どこへ向かっておるのじゃ? 315 00:36:27,088 --> 00:36:30,425 船着き場では なかだな。 316 00:36:30,425 --> 00:36:33,125 まさか…。 317 00:37:07,061 --> 00:37:37,058 ♬~ 318 00:37:37,058 --> 00:37:41,358 今日まで ありがとうございました! 319 00:37:42,964 --> 00:37:50,104 これからも 摩の皆を お見守りくださいませ! 320 00:37:50,104 --> 00:38:57,438 ♬~ 321 00:38:57,438 --> 00:39:00,108 お元気で! 322 00:39:00,108 --> 00:39:35,943 ♬~ 323 00:39:35,943 --> 00:39:42,683 私も 必ず 江戸へ参ります。 324 00:39:42,683 --> 00:39:45,683 そうですな。 325 00:39:48,089 --> 00:39:53,961 それまで どうか お達者で。 326 00:39:53,961 --> 00:40:06,661 ♬~ 327 00:40:22,790 --> 00:40:28,090 船べりに あまり近寄られませぬように。 328 00:40:29,664 --> 00:40:33,664 あの辺りが 今和泉の領地じゃ。 329 00:40:43,111 --> 00:40:47,815 この世のものには すべて役割があるのです。 330 00:40:47,815 --> 00:40:52,153 それは 人とて同じこと。 331 00:40:52,153 --> 00:40:54,453 母上。 332 00:40:56,023 --> 00:41:04,023 私は 己の役割を果たしに参ります。 333 00:41:07,635 --> 00:41:10,635 姫様 中へ。 334 00:41:15,376 --> 00:41:19,780 幾島。 はい。 335 00:41:19,780 --> 00:41:23,618 私は そなたが嫌いじゃ。 336 00:41:23,618 --> 00:41:26,654 存じております。 337 00:41:26,654 --> 00:41:29,790 ゆえに そなたに誓う。 338 00:41:29,790 --> 00:41:36,090 嫌いな者から 誓いを破ったと 笑われたくはないからな。 339 00:41:42,803 --> 00:41:50,478 摩を思うて泣くのは これが最後じゃ。 340 00:41:50,478 --> 00:41:56,178 しかと承りましてございます。 341 00:42:00,154 --> 00:42:03,354 これが 最後じゃ。 342 00:42:04,992 --> 00:42:11,766 桜島とは これが永久の別れとなりました。 343 00:42:11,766 --> 00:42:16,237 篤姫様が 摩の土を踏むことは➡ 344 00:42:16,237 --> 00:42:22,037 その生涯で 二度となかったのでございます。 345 00:42:31,452 --> 00:42:36,257 摩より まかり越しました 篤子にございます! 346 00:42:36,257 --> 00:42:40,127 御台にじゃと!? おもろいこと言わはる姫さんや。 347 00:42:40,127 --> 00:42:42,964 難しいようだな。 御台じゃと? 348 00:42:42,964 --> 00:42:47,134 決まったわけではないというに。 何かのお間違いではありませぬか? 349 00:42:47,134 --> 00:42:49,470 殿の内命により…。 おいは 江戸に行く! 350 00:42:49,470 --> 00:42:52,139 祝いじゃ。 うわ~! 351 00:42:52,139 --> 00:42:56,811 私は 徳川家に嫁ぐために 江戸に参ったのでございます。 352 00:42:56,811 --> 00:43:00,811 そのようなこと 私は知らぬ。 353 00:43:03,084 --> 00:43:10,384 <鹿児島県鹿児島市。 桜島は 世界有数の活火山です> 354 00:43:12,093 --> 00:43:17,598 <大正3年 1914年の大噴火で埋もれてしまった➡ 355 00:43:17,598 --> 00:43:20,101 高さ3mの鳥居。➡ 356 00:43:20,101 --> 00:43:23,801 噴火の激しさを物語っています> 357 00:43:26,440 --> 00:43:32,313 <雄大な桜島のふもとで作られる 桜島大根。➡ 358 00:43:32,313 --> 00:43:36,013 世界一大きいことで 知られています> 359 00:43:39,787 --> 00:43:44,458 <一本の木に 多くの実をつける 桜島小みかん。➡ 360 00:43:44,458 --> 00:43:47,128 これまでの噴火を生き抜いてきた➡ 361 00:43:47,128 --> 00:43:54,001 樹齢150年を超える みかんの木も 残されていました。➡ 362 00:43:54,001 --> 00:43:57,271 桜島を含む火山帯の影響から➡ 363 00:43:57,271 --> 00:44:02,071 鹿児島市内の銭湯のほとんどが 温泉です> 364 00:44:05,012 --> 00:44:07,948 <篤姫も愛した桜島は➡ 365 00:44:07,948 --> 00:44:14,088 時代を超えて 鹿児島の人々の 心のふるさとなのです> 366 00:44:14,088 --> 00:44:26,088 ♬~