1 00:00:04,085 --> 00:00:06,821 <島津氏は もともと・ 2 00:00:06,821 --> 00:00:09,724 現在の宮崎県都城市を中心とする・ 3 00:00:09,724 --> 00:00:11,993 近衛家の荘園 島津荘の・ 4 00:00:11,993 --> 00:00:13,928 管理を任されていた家柄で・ 5 00:00:13,928 --> 00:00:17,499 島津の名は 島津荘に由来しています。・ 6 00:00:17,499 --> 00:00:19,834 島津と近衛 両家には・ 7 00:00:19,834 --> 00:00:23,304 600年以上の深いつながりがありました> 8 00:00:23,304 --> 00:00:27,175 斉彬はん お久しぶりどしたなあ。 9 00:00:27,175 --> 00:00:31,513 <近衛忠熙は 公家の名門中の名門> 10 00:00:31,513 --> 00:00:35,183 (島津斉彬) 公家随一の近衛家の娘とあらば・ 11 00:00:35,183 --> 00:00:37,519 誰も文句は言えなくなるのだ。 12 00:00:37,519 --> 00:00:41,022 <将軍御台所は 公家から迎えるのが習わしで・ 13 00:00:41,022 --> 00:00:44,325 武家からの 輿入れは あまり例のないこと。・ 14 00:00:44,325 --> 00:00:48,029 斉彬は 篤姫の近衛家への養女縁組みを・ 15 00:00:48,029 --> 00:00:50,865 強く推し進めていきます。・ 16 00:00:50,865 --> 00:00:56,538 江戸へ向け 篤姫は 御台所への 長い道のりを歩みだしたのです> 17 00:00:56,538 --> 00:01:02,143 (篤姫)私は 己の役割を果たしに参ります。 18 00:01:02,143 --> 00:01:16,157 ・~(テーマ音楽) 19 00:01:16,157 --> 00:03:46,140 ・~ 20 00:03:46,140 --> 00:03:56,440 江戸に向けて 九州の東 日向灘を航海中の 篤姫様ご一行でした。 21 00:04:07,795 --> 00:04:09,731 (悲鳴) 22 00:04:09,731 --> 00:04:14,135 (幾島)騒ぐでない。 姫様をお守りせよ! (侍女)はい。 23 00:04:14,135 --> 00:04:24,479 ・~ 24 00:04:24,479 --> 00:04:29,479 誰ぞ ぬれ手ぬぐいを これへ! (侍女)はい。 25 00:04:34,155 --> 00:04:36,824 (せきこみ) 26 00:04:36,824 --> 00:04:42,524 薬を持て! 誰ぞ 姫様のおぐしを緩めて差し上げよ! 27 00:04:46,501 --> 00:04:50,171 (島津忠剛)尚五郎までが 見舞いに来てくれるとは。 28 00:04:50,171 --> 00:04:54,842 わしの病は 家中に知れ渡ったようじゃの。 29 00:04:54,842 --> 00:04:57,311 (肝付尚五郎)父から聞いて 伺いました。 30 00:04:57,311 --> 00:05:02,016 (お幸)病ではなく お疲れが出ただけにございますよ。 31 00:05:02,016 --> 00:05:03,985 気休めなどよい。 32 00:05:03,985 --> 00:05:06,988 (島津忠敬)ここぞとばかりに わがままを言っておられるのだ。 33 00:05:06,988 --> 00:05:13,461 そうですよ。 お気の弱いことを 仰せにならないでくださいまし。 34 00:05:13,461 --> 00:05:20,968 こうして 横になっておると 昔のことばかりが思い返される。 35 00:05:20,968 --> 00:05:22,904 そなたのことも…。 36 00:05:22,904 --> 00:05:26,140 於一様を…・ 37 00:05:26,140 --> 00:05:28,076 妻に頂きたいのです! 38 00:05:28,076 --> 00:05:31,646 於一を妻に… じゃと? 39 00:05:31,646 --> 00:05:35,149 罪なこともしたの…。 40 00:05:35,149 --> 00:05:38,052 そんな…。 41 00:05:38,052 --> 00:05:41,489 ん? 42 00:05:41,489 --> 00:05:46,360 ああ… 時に 姫様から お便りなどは? 43 00:05:46,360 --> 00:05:49,831 ああ それでしたら。 44 00:05:49,831 --> 00:05:53,301 しの! (しの)はい。 45 00:05:53,301 --> 00:05:55,369 しのさん。 46 00:05:55,369 --> 00:06:00,174 お城から帰されたのを いま一度 我が家に引き取ったのです。 47 00:06:00,174 --> 00:06:04,245 姫様に どこまでも ついていきとうございましたが…。 48 00:06:04,245 --> 00:06:07,045 (尚五郎)ああ そうですか。 49 00:06:08,783 --> 00:06:15,656 日向の国から届いたものです。 これから また船に乗ると。 50 00:06:15,656 --> 00:06:19,356 お元気そうなご様子ですか? ええ。 51 00:06:21,129 --> 00:06:25,800 今の季節は 海が荒れるので心配ですが。 52 00:06:25,800 --> 00:06:29,137 あやつなら 時化が避けて通りますよ。 53 00:06:29,137 --> 00:06:35,009 大坂まで ひとまたぎ あとは 東海道をのんびり江戸まで。 54 00:06:35,009 --> 00:06:39,781 その江戸なのですが…。 55 00:06:39,781 --> 00:06:45,486 実は 殿様に 江戸へお供したいと願い出ているのです。 56 00:06:45,486 --> 00:06:48,389 江戸へ? お主が? はい。 57 00:06:48,389 --> 00:06:52,660 それが かなえば 姫様を おそばで見守ることもできます。 58 00:06:52,660 --> 00:06:56,164 ご様子を お知らせすることも。 59 00:06:56,164 --> 00:06:58,099 まあ…。 60 00:06:58,099 --> 00:07:00,835 それは ありがたいことじゃのう。 ええ。 61 00:07:00,835 --> 00:07:07,108 わざわざ江戸へのう。 俺は 摩が 一番よいわ。 62 00:07:07,108 --> 00:07:13,408 ああ 尚五郎と話しておったら 少~し元気になったようじゃ。 63 00:07:15,783 --> 00:07:19,620 そのころ 篤姫様ご一行は・ 64 00:07:19,620 --> 00:07:25,426 ようやく 穏やかな瀬戸内海へと 入っておられました。 65 00:07:25,426 --> 00:07:37,471 ・~ 66 00:07:37,471 --> 00:07:40,771 (幾島)お目覚めにございますか。 67 00:07:47,982 --> 00:07:52,153 これより先は 極楽にござります。 68 00:07:52,153 --> 00:07:59,026 波さえなければ 船旅は お駕籠に乗るより はるかに楽なものにて。 69 00:07:59,026 --> 00:08:09,637 ・~ 70 00:08:09,637 --> 00:08:12,106 そなたは 眠ったのか? 71 00:08:12,106 --> 00:08:14,775 私は 大丈夫にござります。 72 00:08:14,775 --> 00:08:19,113 それでは 疲れが取れまい。 少し横になったらどうじゃ。 73 00:08:19,113 --> 00:08:23,113 お優しき お言葉 痛み入りまする。 74 00:08:28,122 --> 00:08:32,627 これは そなたが出してくれたのか? 75 00:08:32,627 --> 00:08:34,662 はい。 76 00:08:34,662 --> 00:08:40,134 そうか…。 それは すまなかった。 77 00:08:40,134 --> 00:08:42,434 いえ。 78 00:08:47,475 --> 00:08:50,378 失礼いたしました。 79 00:08:50,378 --> 00:09:09,096 ・~ 80 00:09:09,096 --> 00:09:13,968 その後 旅は つつがなく進み・ 81 00:09:13,968 --> 00:09:21,442 篤姫様は 京の摩藩邸に お入りになられました。 82 00:09:21,442 --> 00:09:24,946 (橋口)姫様におかれましては 無事のご到着・ 83 00:09:24,946 --> 00:09:27,782 心よりお喜び申し上げまする。 84 00:09:27,782 --> 00:09:31,652 大儀である。 (橋口)ははっ。 85 00:09:31,652 --> 00:09:37,792 早速にございますが 姫様に お届け物が参っておりまする。 86 00:09:37,792 --> 00:09:43,130 届け物? はっ。 江戸の奥方様より。 87 00:09:43,130 --> 00:09:45,830 母上様から…。 88 00:10:06,153 --> 00:10:08,489 これは…。 89 00:10:08,489 --> 00:10:10,825 よき品なのか? 90 00:10:10,825 --> 00:10:13,294 見事な品にござります。 91 00:10:13,294 --> 00:10:18,833 西陣織として これを超えるものは まず ございますまい。 92 00:10:18,833 --> 00:10:21,869 心優しき お方なのじゃな。 93 00:10:21,869 --> 00:10:25,306 姫様を 待ちかねておいでのご様子・ 94 00:10:25,306 --> 00:10:29,510 どんな言葉よりも 強く伝わってまいります。 95 00:10:29,510 --> 00:10:33,314 江戸に着いたら すぐに仕立てさせましょう。 96 00:10:33,314 --> 00:10:36,517 母上様にも ご覧いただかぬとな。 97 00:10:36,517 --> 00:10:55,703 ・~ 98 00:10:55,703 --> 00:10:58,539 お似合いです。 99 00:10:58,539 --> 00:11:02,510 「馬子にも衣装」とは まさに このこと。 100 00:11:02,510 --> 00:11:07,815 後が余計じゃ。 失礼をば。 101 00:11:07,815 --> 00:11:11,685 それより 数日後…。 102 00:11:11,685 --> 00:11:16,157 これは 摩のれいしゅやないか。 103 00:11:16,157 --> 00:11:20,995 久しぶりに お目にかかりますなあ。 104 00:11:20,995 --> 00:11:25,166 御前が お好きだと伺いましたゆえ 持参つかまつりました。 105 00:11:25,166 --> 00:11:27,835 それは ありがたい。 106 00:11:27,835 --> 00:11:30,871 どれ 早速 頂きまひょ。 107 00:11:30,871 --> 00:11:34,175 塩が強かったら お許しくださいませ。 108 00:11:34,175 --> 00:11:36,110 塩? 109 00:11:36,110 --> 00:11:39,013 海が 大荒れに 荒れておりましたので。 110 00:11:39,013 --> 00:11:43,184 それで 潮が かかったか。 アハハハハハ! 111 00:11:43,184 --> 00:11:47,054 おもろいこと言わはる姫さんや。 112 00:11:47,054 --> 00:11:49,354 どれ。 113 00:11:51,058 --> 00:11:56,730 (忠熙)う~ん… おいしい。 114 00:11:56,730 --> 00:11:59,333 ちゃんと甘いで。 115 00:11:59,333 --> 00:12:02,236 ようございました。 116 00:12:02,236 --> 00:12:07,975 (村岡)御前の奥方様の 郁姫さんが しのばれますなあ。 117 00:12:07,975 --> 00:12:12,480 姫さんも お好きさんであらしゃいました。 118 00:12:12,480 --> 00:12:15,780 (忠熙)そやったなあ。 119 00:12:20,154 --> 00:12:25,493 あれは 気ぃの利く ええ女子やった。 120 00:12:25,493 --> 00:12:28,162 ホンマに…。 121 00:12:28,162 --> 00:12:33,834 御前 郁姫様は それほど すばらしい お方だったのですか? 122 00:12:33,834 --> 00:12:37,171 幾島に聞いても なかなか話してくれぬのです。 123 00:12:37,171 --> 00:12:41,008 それは ようできた姫やった。 124 00:12:41,008 --> 00:12:46,208 ならば 幾島は 気の毒にございますね。 125 00:12:47,781 --> 00:12:51,018 そのようなお方に仕えておきながら・ 126 00:12:51,018 --> 00:12:54,855 今は 私のような者の お付きを命ぜられて。 127 00:12:54,855 --> 00:12:56,790 (忠熙)何を仰せや。 128 00:12:56,790 --> 00:13:01,195 姫さんは 大変なお仕事を 担うておいでやと聞いております。・ 129 00:13:01,195 --> 00:13:06,033 幾島も張り合いがあるはずや。 のう? 130 00:13:06,033 --> 00:13:08,333 それは もう…。 131 00:13:10,004 --> 00:13:15,142 どれ 甘いもん頂いたら 姫さんに 一服進ぜとうなった。 132 00:13:15,142 --> 00:13:19,842 ほな お茶室に行きまひょか。 はい。 133 00:13:26,854 --> 00:13:33,054 幾島さん ちと よろしゅうございますか。 134 00:13:35,829 --> 00:13:42,169 幾島さんが 大奥に入られて お年寄になられる一件・ 135 00:13:42,169 --> 00:13:48,309 ご公儀筋より 苦しゅうないとの ご内意でございます。 136 00:13:48,309 --> 00:13:52,513 お取りなし ありがとうございます。 137 00:13:52,513 --> 00:13:58,185 これで 江戸に参りましても 存分に働くことが かないまする。 138 00:13:58,185 --> 00:14:03,023 これしきのことなど 造作もないこと。 礼には及びませぬ。 139 00:14:03,023 --> 00:14:10,464 いいえ このご恩 決して忘れませぬ。 140 00:14:10,464 --> 00:14:16,270 しかし いろいろ大変にございますね。 141 00:14:16,270 --> 00:14:20,975 姫さんが 御台所に お成りあそばすこと・ 142 00:14:20,975 --> 00:14:25,846 まだ 正式に 決まったわけではないというに。 143 00:14:25,846 --> 00:14:28,716 それは どういうことにございましょう? 144 00:14:28,716 --> 00:14:34,822 ご公儀が 御台様を お迎えしたい由 承っております。 145 00:14:34,822 --> 00:14:41,595 されど それは 京の公家よりとの噂にて。 146 00:14:41,595 --> 00:14:46,533 何かのお間違いではありませぬか? 私どもは 確かに…。 147 00:14:46,533 --> 00:14:52,840 御台様のこと あんじょう運ぶと よろしおすな。 148 00:14:52,840 --> 00:14:56,540 お祈りしておりますえ。 149 00:15:00,180 --> 00:15:04,051 ありがとう存じます。 150 00:15:04,051 --> 00:15:16,630 ・~ 151 00:15:16,630 --> 00:15:19,967 そのころ江戸では…。 152 00:15:19,967 --> 00:15:22,803 (徳川斉昭)島津の姫を 御台にじゃと!? 153 00:15:22,803 --> 00:15:27,141 (阿部正弘)大奥の とりわけ 家祥様のお母上・ 154 00:15:27,141 --> 00:15:31,979 本寿院様からの強いご希望もありまして。 大奥など どうでもよい! 155 00:15:31,979 --> 00:15:37,651 そもそも 大奥に費やす金で いくつ砲台が造れると思っておいでじゃ。 156 00:15:37,651 --> 00:15:41,155 それは…。 仮に… 仮にじゃぞ・ 157 00:15:41,155 --> 00:15:45,025 家祥様に正室を迎え お世継ぎが誕生されたとて・ 158 00:15:45,025 --> 00:15:49,725 そのお世継ぎが治める国は すでに なくなっておるわ! 159 00:15:51,498 --> 00:15:57,498 その知らせは すぐさま 摩に もたらされました。 160 00:15:59,373 --> 00:16:03,444 なかなかに難しいようだな。 161 00:16:03,444 --> 00:16:06,780 (小松清猷) 姫様のご縁談にございますか? 162 00:16:06,780 --> 00:16:10,117 思うたとおりというか・ 163 00:16:10,117 --> 00:16:14,117 水戸のご老公が かみついてこられたらしい。 164 00:16:15,789 --> 00:16:19,960 考えねばならぬな。 165 00:16:19,960 --> 00:16:24,264 (小姓)殿 肝付尚五郎が 参りましてございます。 166 00:16:24,264 --> 00:16:27,464 うん。 入れ! 167 00:16:37,144 --> 00:16:42,144 肝付尚五郎 面を上げよ。 ははっ。 168 00:16:43,817 --> 00:16:48,489 で 若者たちの近頃の様子はどうじゃ? 169 00:16:48,489 --> 00:16:53,360 ああ… 相変わらず 攘夷を叫ぶ者も多ございます。 170 00:16:53,360 --> 00:16:56,830 それも困ったものよのう。 171 00:16:56,830 --> 00:16:59,867 畏れながら お殿様…。 うん? 172 00:16:59,867 --> 00:17:03,103 参勤が早まるとのお話 耳にいたしました。 173 00:17:03,103 --> 00:17:09,610 ご公儀よりのお達しでの。 年が明けたら 江戸に向かうことになろう。 174 00:17:09,610 --> 00:17:11,545 はい。 175 00:17:11,545 --> 00:17:15,783 しかしながら 此度…・ 176 00:17:15,783 --> 00:17:20,483 そちは 連れてはゆけぬ。 は? 177 00:17:22,122 --> 00:17:26,994 江戸へは 西郷を連れていくことにした。 178 00:17:26,994 --> 00:17:33,834 その旨 そちからも 内々に伝えておけ。 はい。 179 00:17:33,834 --> 00:17:37,137 上役たちからの推挙もあったのだ。 180 00:17:37,137 --> 00:17:41,975 「己以上に 周りの者の出世のために奔走しておる。・ 181 00:17:41,975 --> 00:17:44,278 今どき 感心じゃ」とな。 182 00:17:44,278 --> 00:17:46,478 そうですか…。 183 00:17:48,148 --> 00:17:51,051 そういうことじゃ。 184 00:17:51,051 --> 00:18:11,104 ・~ 185 00:18:11,104 --> 00:18:13,440 (西郷吉之助)おいが江戸に!? 186 00:18:13,440 --> 00:18:15,440 (大久保正助)吉之助さあ! 187 00:18:17,778 --> 00:18:20,814 で 肝付さあは? 188 00:18:20,814 --> 00:18:24,251 私は この度は外されました。 189 00:18:24,251 --> 00:18:27,454 そげな…。 西郷さんは これまで・ 190 00:18:27,454 --> 00:18:33,627 俊斎さんはじめ 多くの方たちを 江戸へ送るべく 尽力してこられた。 191 00:18:33,627 --> 00:18:36,129 あなたが いらっしゃるのが当然です。 192 00:18:36,129 --> 00:18:38,429 じゃっどん…。 193 00:18:40,000 --> 00:18:42,803 祝いです。 194 00:18:42,803 --> 00:18:45,706 肝付さあ…。 195 00:18:45,706 --> 00:18:52,706 次は 私が祝ってもらいます。 諦めたわけではありませんから。 196 00:18:58,352 --> 00:19:02,052 では これにて失礼します。 197 00:19:12,432 --> 00:19:15,335 えらいことじゃ。 えらいことになった! 198 00:19:15,335 --> 00:19:20,607 ああ…。 もう しっかりせえな! 199 00:19:20,607 --> 00:19:26,947 肝付様には申し訳なかどん ここは 喜んでいくべきじゃ。 200 00:19:26,947 --> 00:19:29,783 そいは うれしか。 そうじゃろう。 201 00:19:29,783 --> 00:19:33,654 何より うれしかとは 殿が おいのことを認めてくださったことじゃ。 202 00:19:33,654 --> 00:19:38,654 殿様のために働けることじゃ。 こいに勝る喜びは なか。 203 00:19:40,794 --> 00:19:46,667 行くぞ… おいは 江戸に行く! 204 00:19:46,667 --> 00:19:50,667 祝いじゃ。 祝いの準備じゃ。 ああ! 205 00:19:54,808 --> 00:19:59,808 殿様と… 江戸に…。 206 00:20:01,481 --> 00:20:05,152 うわ~! 207 00:20:05,152 --> 00:20:24,838 ・~ 208 00:20:24,838 --> 00:20:28,709 うわ~! 209 00:20:28,709 --> 00:20:36,850 そのころ 篤姫様は 東海道を下っていらっしゃいました。 210 00:20:36,850 --> 00:20:45,859 ・~ 211 00:20:45,859 --> 00:20:48,559 (幾島)姫様…。 212 00:20:54,534 --> 00:20:58,405 あれが 富士のお山か。 213 00:20:58,405 --> 00:21:04,645 雲がなければ いつでも江戸から見ることができまする。 214 00:21:04,645 --> 00:21:08,815 まことに美しき山じゃ。 215 00:21:08,815 --> 00:21:11,485 これからは 桜島に代わり・ 216 00:21:11,485 --> 00:21:17,357 富士のお山が 姫様を見守ることになりましょう。 217 00:21:17,357 --> 00:21:22,657 私を見守る…。 はい。 218 00:21:28,035 --> 00:21:33,507 摩より まかり越しました 篤子にございます! 219 00:21:33,507 --> 00:21:39,179 これより先 よろしくお願いいたします! 220 00:21:39,179 --> 00:21:53,527 ・~ 221 00:21:53,527 --> 00:21:57,864 そして 10月23日・ 222 00:21:57,864 --> 00:22:03,670 ご一行は いよいよ江戸市中に入られたのです。 223 00:22:03,670 --> 00:22:14,347 ・~ 224 00:22:14,347 --> 00:22:19,820 篤姫様は 2か月にも及ぶ長旅の末・ 225 00:22:19,820 --> 00:22:27,494 しきたりに従って 裏門から 摩藩邸に入られたのでございます。 226 00:22:27,494 --> 00:22:38,138 ・~ 227 00:22:38,138 --> 00:22:41,041 (川上筑後)篤姫様におかれましては・ 228 00:22:41,041 --> 00:22:46,847 無事のご到着 祝着至極に存じ奉りまする。 229 00:22:46,847 --> 00:22:50,847 大儀であった。 ははっ。 230 00:23:09,803 --> 00:23:12,472 奥向き一切を取り仕切ります・ 231 00:23:12,472 --> 00:23:16,172 老女の小の島でございます。 232 00:23:17,811 --> 00:23:22,482 本日は 篤姫様 ご無事にご到着あそばされ・ 233 00:23:22,482 --> 00:23:26,353 祝着至極に存じ奉ります。 234 00:23:26,353 --> 00:23:29,053 大儀である。 235 00:23:34,494 --> 00:23:40,367 姫様付きの老女 幾島にございます。 236 00:23:40,367 --> 00:23:43,203 お疲れのところ 畏れ入りますが・ 237 00:23:43,203 --> 00:23:48,041 このお屋敷についての お話をしたいと存じます。・ 238 00:23:48,041 --> 00:23:54,181 ここには 奥方様の英姫様を はじめといたしまして・ 239 00:23:54,181 --> 00:23:58,685 5歳になられます 虎寿丸様と その母君様・ 240 00:23:58,685 --> 00:24:03,123 3歳になられます 姫様と その母君様・ 241 00:24:03,123 --> 00:24:06,126 そして 2歳の典姫様と・ 242 00:24:06,126 --> 00:24:12,265 お生まれになられたばかりの寧姫様が おいでになられます。 はあ…。 243 00:24:12,265 --> 00:24:16,803 では 続きまして 姫様を お世話申し上げる者たちを・ 244 00:24:16,803 --> 00:24:19,803 お引き合わせいたしまする。 245 00:24:27,814 --> 00:24:29,749 疲れた…。 246 00:24:29,749 --> 00:24:32,749 姫様 あちらを。 247 00:24:34,487 --> 00:24:40,160 あっ 摩の紅ビードロではないか。 248 00:24:40,160 --> 00:24:49,169 ・~ 249 00:24:49,169 --> 00:24:52,505 ここは いわば摩の出城。 250 00:24:52,505 --> 00:24:57,205 お国の産物は 一とおり そろっておりまする。 251 00:25:03,116 --> 00:25:06,786 摩つげでも 大島のつむぎでも・ 252 00:25:06,786 --> 00:25:12,086 お懐かしければ いつでもご覧に入れることができまする。 253 00:25:14,127 --> 00:25:16,630 (藤野)失礼つかまつります。 254 00:25:16,630 --> 00:25:19,130 入られませ。 255 00:25:35,482 --> 00:25:42,155 (藤野)姫様には 遠路はるばる ご苦労にございます。 256 00:25:42,155 --> 00:25:47,827 私は 奥方様付きの老女 藤野にございます。 257 00:25:47,827 --> 00:25:50,163 大儀である。 258 00:25:50,163 --> 00:25:56,036 これは 奥方様よりのお志にございます。 259 00:25:56,036 --> 00:25:59,036 母上様からの? 260 00:26:01,174 --> 00:26:05,779 わざわざ かたじけのう存じまする。 261 00:26:05,779 --> 00:26:10,450 母上様に お目通りして すぐにでも お礼を申し上げたいが。 262 00:26:10,450 --> 00:26:15,322 畏れながら ご対面は 明日以降となりましょう。・ 263 00:26:15,322 --> 00:26:19,622 では 失礼つかまつります。 264 00:26:27,000 --> 00:26:31,738 今日は 会えぬのか…。 265 00:26:31,738 --> 00:26:34,140 甘いものなどとり・ 266 00:26:34,140 --> 00:26:39,479 まずは 旅の疲れを取るようにとの おぼし召しにございましょう。 267 00:26:39,479 --> 00:26:45,151 そうか。 やはり お優しいお方なのじゃな。 268 00:26:45,151 --> 00:27:01,301 ・~ 269 00:27:01,301 --> 00:27:05,605 江戸の菓子も美味じゃ! 270 00:27:05,605 --> 00:27:15,782 (雷鳴と雨の音) 271 00:27:15,782 --> 00:27:18,685 いつになったら母上に会えるのじゃ。 272 00:27:18,685 --> 00:27:21,654 着いてから もう3日ぞ! 273 00:27:21,654 --> 00:27:26,126 何度も問うてはいるのですが。 274 00:27:26,126 --> 00:27:30,463 いかがされたのであろう。 275 00:27:30,463 --> 00:27:36,136 朝晩冷えまするゆえ お風邪でも召されたのやもしれませぬな。 276 00:27:36,136 --> 00:27:40,136 ならば お見舞いに伺いたいではないか。 277 00:27:46,279 --> 00:27:51,079 一方 摩の このお方は…。 278 00:28:00,160 --> 00:28:03,063 どうしたのじゃ? 279 00:28:03,063 --> 00:28:05,063 ははっ。 280 00:28:08,435 --> 00:28:10,937 先生…。 281 00:28:10,937 --> 00:28:13,137 何だ? 282 00:28:20,113 --> 00:28:24,117 どうしても得心がいかぬのです! 283 00:28:24,117 --> 00:28:29,789 なぜ 私が 江戸に行けぬのか そのことを考え始めると・ 284 00:28:29,789 --> 00:28:34,461 情けないとは思いますが どうにもならぬのです。 285 00:28:34,461 --> 00:28:37,363 恥じることではない。 286 00:28:37,363 --> 00:28:44,137 望みが砕かれれば 誰とて気持ちのやり場を失うものだ。 287 00:28:44,137 --> 00:28:51,811 ただ 西郷には伝えたのだな? はい。 288 00:28:51,811 --> 00:28:54,111 ならばよい。 289 00:28:58,685 --> 00:29:03,223 尚五郎。 はい。 290 00:29:03,223 --> 00:29:06,126 このことは 他言無用じゃが・ 291 00:29:06,126 --> 00:29:12,232 殿の内命により 私は 琉球へ行くこととなった。 292 00:29:12,232 --> 00:29:14,167 えっ…。 293 00:29:14,167 --> 00:29:18,037 アジアを巡る 西洋との戦は 激しさを増し・ 294 00:29:18,037 --> 00:29:24,444 アメリカは すでに 琉球に根拠地を置き 支配をもくろんでおる。 295 00:29:24,444 --> 00:29:29,782 つまり いつ戦が始まっても おかしくないのじゃ。 296 00:29:29,782 --> 00:29:33,653 そうなのですか? 297 00:29:33,653 --> 00:29:40,793 かの地が大変なことは分かる。 人が求められていることも分かる。 298 00:29:40,793 --> 00:29:48,134 だが… なぜ私なのだ…。・ 299 00:29:48,134 --> 00:29:54,807 なぜ 殿のおそばで 殿のために働けぬのか。 300 00:29:54,807 --> 00:29:59,145 これまで 私が やってきたことは 何だったのか…。 301 00:29:59,145 --> 00:30:05,018 殿に向かって そう聞いてみたい気持ちに 何度もなった。 302 00:30:05,018 --> 00:30:08,718 やりきれぬ思いを抱きもした。 303 00:30:10,757 --> 00:30:19,165 しかし 私は それを 受け入れることにしたのじゃ。 304 00:30:19,165 --> 00:30:25,165 殿を信じる道を選んだのだ。 305 00:30:30,777 --> 00:30:38,184 尚五郎… 殿の目は 節穴ではないぞ。 306 00:30:38,184 --> 00:30:41,688 今の摩に欠かせぬと思われればこそ・ 307 00:30:41,688 --> 00:30:45,525 そなたを残すことにされたのじゃ。・ 308 00:30:45,525 --> 00:30:51,864 いずれは 摩を担う一人だと 見込んでおられればこそ そなたを…。 309 00:30:51,864 --> 00:30:54,164 もう結構です。 310 00:30:59,539 --> 00:31:06,239 私は… 私は…。 311 00:31:07,814 --> 00:31:11,114 自分が恥ずかしゅうございます。 312 00:31:18,825 --> 00:31:22,125 恥ずかしゅうございます。 313 00:31:24,163 --> 00:31:29,463 尚五郎。 はい。 314 00:31:32,839 --> 00:31:38,839 摩を… 頼んだぞ! 315 00:31:40,513 --> 00:31:43,213 はい! 316 00:31:50,523 --> 00:31:56,696 同じ頃 篤姫様は 待ちかねておいでだった・ 317 00:31:56,696 --> 00:32:03,896 英姫様とのご対面を ようやく 果たされようとしておいででした。 318 00:32:07,140 --> 00:32:12,812 いきなり 母上様と お呼びしてもよいのであろうか。 319 00:32:12,812 --> 00:32:15,848 よろしいのではないでしょうか。 320 00:32:15,848 --> 00:32:21,287 頂いた反物や お菓子のお礼も 忘れずに申さねばな。 321 00:32:21,287 --> 00:32:23,823 土産の品は お届けしたであろうな。 322 00:32:23,823 --> 00:32:27,994 はい。 万事相済ませてございます。 323 00:32:27,994 --> 00:32:31,494 喜んでくださるとよいが。 324 00:32:34,167 --> 00:32:36,836 参るぞ。 325 00:32:36,836 --> 00:33:11,671 ・~ 326 00:33:11,671 --> 00:33:15,971 (老女)奥方様 お成りにございます。 327 00:33:36,162 --> 00:33:39,162 (英姫)面を上げよ。 328 00:33:45,505 --> 00:33:48,205 (幾島)ご挨拶。 329 00:33:52,178 --> 00:33:59,852 篤子にございます。 此度 本家養女としてのご縁をいただき・ 330 00:33:59,852 --> 00:34:04,457 この上もなき誉れと存じ奉ります。 331 00:34:04,457 --> 00:34:12,157 諸事お導きのほど 何とぞ よろしくお願い申し上げ奉ります。 332 00:34:17,804 --> 00:34:23,142 導くとは 何をじゃ? 333 00:34:23,142 --> 00:34:25,077 はっ? 334 00:34:25,077 --> 00:34:29,282 (幾島)畏れながら 申し上げまする。 335 00:34:29,282 --> 00:34:34,120 お殿様より お聞き及びとは 存じますが・ 336 00:34:34,120 --> 00:34:37,156 徳川ご宗家への お輿入れに備え…。 337 00:34:37,156 --> 00:34:41,294 (英姫)殿にも困ったものやのう。 338 00:34:41,294 --> 00:34:43,229 は? 339 00:34:43,229 --> 00:34:49,001 その娘を 将軍家御台所に上げるとは・ 340 00:34:49,001 --> 00:34:53,172 殿が 勝手に思い定められしこと。・ 341 00:34:53,172 --> 00:34:59,045 いわば 独り合点で 進めておられる話じゃ。 342 00:34:59,045 --> 00:35:01,047 あの…。 343 00:35:01,047 --> 00:35:07,620 島津の分家の娘が 畏れ多くも 徳川家に・ 344 00:35:07,620 --> 00:35:15,795 それも 公方様に嫁ぐなど 誰一人として 認めてはおらぬ。・ 345 00:35:15,795 --> 00:35:21,133 そのこと よくよく肝に銘じよ。 346 00:35:21,133 --> 00:35:24,470 この屋敷内のことは 万事・ 347 00:35:24,470 --> 00:35:31,170 藤野に申しつけてある。 指図どおりにいたすように。 348 00:35:32,812 --> 00:35:36,512 お待ちくださいませ 母上様。 349 00:35:38,484 --> 00:35:45,784 先ほど仰せのことは まことの話にございましょうか。 350 00:35:47,493 --> 00:35:51,364 まことじゃが。 351 00:35:51,364 --> 00:35:57,003 私は 徳川家に嫁ぐために・ 352 00:35:57,003 --> 00:36:01,674 これまでの日々を歩んでまいりました。 353 00:36:01,674 --> 00:36:08,447 生家を離れ 摩を後にし 江戸に参ったのでございます。 354 00:36:08,447 --> 00:36:25,798 ・~ 355 00:36:25,798 --> 00:36:30,098 誰も入れてはならぬ。 はい。 356 00:36:37,810 --> 00:36:43,149 どういうことじゃ…。 これは どういうことなのじゃ。 357 00:36:43,149 --> 00:36:45,818 いえ 何ともはや…。 358 00:36:45,818 --> 00:36:50,690 私は 何をしに ここへ来たのか…。 359 00:36:50,690 --> 00:36:55,494 何のために これまでの日々を こらえてきたのか 答えよ! 360 00:36:55,494 --> 00:37:00,366 何故 かような運びとなったのか 私にも分かりかねまする。 361 00:37:00,366 --> 00:37:03,302 分からぬでは 分からぬ! 362 00:37:03,302 --> 00:37:07,106 ただし 姫様。 何じゃ。 363 00:37:07,106 --> 00:37:13,779 ゆめゆめ お殿様を 疑われてはなりませぬぞ。 364 00:37:13,779 --> 00:37:23,122 ここまで来た以上 お殿様を 信じ抜くより ほかは ありませぬゆえに。 365 00:37:23,122 --> 00:37:27,460 分かっておる。 366 00:37:27,460 --> 00:37:32,331 されど 母上様は なぜ あのような…。 367 00:37:32,331 --> 00:37:34,634 せっかく お会いできたというのに・ 368 00:37:34,634 --> 00:37:38,471 御簾の向こうで お話をされるとは あまりのお仕打ち。 369 00:37:38,471 --> 00:37:42,808 それほどまでに 私を 嫌うておいでなのであろうか。 370 00:37:42,808 --> 00:37:46,979 それは 私が 分家の出であるゆえか? 371 00:37:46,979 --> 00:37:48,979 姫様。 372 00:37:50,650 --> 00:37:54,150 姫様。 何じゃ。 373 00:37:55,821 --> 00:37:58,521 ここは…。 374 00:38:00,159 --> 00:38:05,431 かつての 私の主 郁姫様が・ 375 00:38:05,431 --> 00:38:10,770 ご幼少の折 お使いになっていた お部屋にございます。 376 00:38:10,770 --> 00:38:15,641 かような時に なぜ そのような。 377 00:38:15,641 --> 00:38:23,941 私は 郁姫様を 早くに亡くしました。 378 00:38:26,118 --> 00:38:35,461 己より先に 姫様を 見送らねばならなかった無念 悔しさ。 379 00:38:35,461 --> 00:38:41,761 今も 私は 自分を責めておりまする。 380 00:38:43,335 --> 00:38:53,479 それゆえ 篤姫様の老女にとの お話を賜った時も迷いました。 381 00:38:53,479 --> 00:39:02,755 されど 郁姫様の み霊のためにも・ 382 00:39:02,755 --> 00:39:11,430 いま一度 老女としての務めを 果たす決心をしたのでございます。 383 00:39:11,430 --> 00:39:19,939 老女とは 我が身に代えても おのが主をお守りする者。 384 00:39:19,939 --> 00:39:29,115 此度こそ 我が主を守り抜いてみせようと。 385 00:39:29,115 --> 00:39:31,815 幾島…。 386 00:39:33,786 --> 00:39:39,125 此度の裏の事情 はばかりながら この幾島・ 387 00:39:39,125 --> 00:39:42,995 必ずや突き止めてみせまする。 388 00:39:42,995 --> 00:39:47,800 そのこと ご承知おきいただき・ 389 00:39:47,800 --> 00:40:01,147 姫様にも 何とぞ お心安らかに お過ごしくださいますように。 390 00:40:01,147 --> 00:40:21,467 ・~ 391 00:40:21,467 --> 00:40:23,402 御台じゃと? 392 00:40:23,402 --> 00:40:28,374 (阿部)はい。 先のご正室が ご逝去あそばされてから・ 393 00:40:28,374 --> 00:40:31,074 はや3年を過ぎましてございます。 394 00:40:32,845 --> 00:40:35,681 徳川家 ご繁栄のためにも・ 395 00:40:35,681 --> 00:40:40,853 新たなる奥方様を めとられては いかがかと。 396 00:40:40,853 --> 00:40:44,153 わしの欲しいのは…。 397 00:40:46,525 --> 00:40:49,862 新しき火鉢じゃ。 398 00:40:49,862 --> 00:40:51,897 火鉢… に ございますか? 399 00:40:51,897 --> 00:40:56,202 炭火がの カッカッカッとばかりに燃えての・ 400 00:40:56,202 --> 00:40:59,872 きれいに豆の煎ることのできる火鉢じゃ。 401 00:40:59,872 --> 00:41:03,642 今 使いおるのは どれもこれも火が弱い。 402 00:41:03,642 --> 00:41:05,678 早速に取り寄せよ。 403 00:41:05,678 --> 00:41:08,147 はっ。 されど…。 404 00:41:08,147 --> 00:41:13,485 よいな カッカッカッであるぞ。 405 00:41:13,485 --> 00:41:17,185 はあ…。 よし。 406 00:41:18,824 --> 00:41:24,697 (豆を煎る音) 407 00:41:24,697 --> 00:41:55,527 ・~ 408 00:41:55,527 --> 00:42:02,334 島津の分家の娘が 畏れ多くも 徳川家に・ 409 00:42:02,334 --> 00:42:09,074 それも 公方様に嫁ぐなど 誰一人として 認めてはおらぬ。・ 410 00:42:09,074 --> 00:42:14,374 そのこと よくよく肝に銘じよ。 411 00:42:20,686 --> 00:42:24,556 嘉永6年10月。 412 00:42:24,556 --> 00:42:30,756 江戸には 冷たい風が 吹き始めておりました。 413 00:42:32,364 --> 00:42:36,502 いざ 出陣じゃ。 むちゃな。 何が むちゃじゃ! 414 00:42:36,502 --> 00:42:40,172 戦になりまするぞ。 (あくび) 415 00:42:40,172 --> 00:42:42,675 分をわきまえられよ! はい! 416 00:42:42,675 --> 00:42:44,610 お待ちください! おやめなされ! 417 00:42:44,610 --> 00:42:46,845 人を無用に傷つける。 418 00:42:46,845 --> 00:42:50,316 於一は どこへ行こうと わしの子じゃ。 419 00:42:50,316 --> 00:42:54,186 そのとおりにございますよ。 何故…。 420 00:42:54,186 --> 00:42:59,692 己の道を いちずに歩んでほしいのです。 421 00:42:59,692 --> 00:43:01,892 遺言…。 422 00:43:03,662 --> 00:43:08,267 <嘉永6年 1853年秋。・ 423 00:43:08,267 --> 00:43:13,467 篤姫は 江戸に向かう途中 京の都に立ち寄りました> 424 00:43:15,040 --> 00:43:21,040 <当時 摩藩は 京都にも屋敷を持っていました> 425 00:43:25,484 --> 00:43:27,419 <篤姫は 滞在中・ 426 00:43:27,419 --> 00:43:32,358 公家の近衛忠熙との対面を果たします。・ 427 00:43:32,358 --> 00:43:37,830 近衛忠熙は 島津斉彬の姉を正室に持ち・ 428 00:43:37,830 --> 00:43:41,830 摩藩とは 深い関係がありました> 429 00:43:46,171 --> 00:43:51,171 <篤姫が参拝したと伝わる東福寺> 430 00:43:53,912 --> 00:43:56,515 <山内にある即宗院は・ 431 00:43:56,515 --> 00:44:02,515 室町時代から 京都における 島津家の菩提寺でした> 432 00:44:06,125 --> 00:44:09,028 <京都で 1週間ほど過ごした後・ 433 00:44:09,028 --> 00:44:16,135 篤姫は 期待と不安を胸に 江戸へと旅立っていきました> 434 00:44:16,135 --> 00:44:27,135 ・~