1 00:00:03,849 --> 00:00:05,884 (島津斉彬)尚五郎。 2 00:00:05,884 --> 00:00:08,720 小松の家へ 養子に行ってはくれぬか? 3 00:00:08,720 --> 00:00:12,524 (肝付尚五郎)養子に? このままでは家が絶えるのじゃ。 4 00:00:12,524 --> 00:00:16,028 <一般に 長男が家督を継いだ この時代。・ 5 00:00:16,028 --> 00:00:19,064 跡取り以外は 実家で居候となるか・ 6 00:00:19,064 --> 00:00:21,200 養子となって出ていくほか・ 7 00:00:21,200 --> 00:00:24,103 身を立てる道がありませんでした。・ 8 00:00:24,103 --> 00:00:28,941 三男坊である尚五郎にとって 小松家に 養子に入るということは・ 9 00:00:28,941 --> 00:00:31,844 大変なチャンスだったのですが…> 10 00:00:31,844 --> 00:00:33,779 よき夫婦となり…・ 11 00:00:33,779 --> 00:00:37,216 務めに 一層 励むよう。 12 00:00:37,216 --> 00:00:39,551 <一方 篤姫は…> 13 00:00:39,551 --> 00:00:42,387 (幾島)お輿入れまで 間がないのですよ。 14 00:00:42,387 --> 00:00:46,892 (西郷吉之助)おあらためのほど よろしゅうお願いいたしもす。 15 00:00:46,892 --> 00:00:49,561 (篤姫)ほんに美しい。 16 00:00:49,561 --> 00:00:52,861 (悲鳴) 何じゃ これは!? 17 00:00:54,433 --> 00:01:00,205 <世に言う 安政の大地震が 篤姫に襲いかかりました> 18 00:01:00,205 --> 00:01:14,186 ・~(テーマ音楽) 19 00:01:14,186 --> 00:03:44,536 ・~ 20 00:03:44,536 --> 00:03:49,207 (幾島)いつになるか 分からないとは どういうことにございますか? 21 00:03:49,207 --> 00:03:53,207 苦しゅうない 続けよ。 (一同)はっ。 22 00:03:56,548 --> 00:04:01,820 これだけの天変地異のあとだ。 婚儀もなかろう。 23 00:04:01,820 --> 00:04:04,489 はあ…。 24 00:04:04,489 --> 00:04:08,493 お篤は どうしておる? あちらに。 25 00:04:08,493 --> 00:04:12,693 寧姫様 さあ こちらへ。 26 00:04:19,838 --> 00:04:23,138 姫の明るさが救いじゃな。 27 00:04:24,710 --> 00:04:28,513 篤姫様が江戸へ来られて はや2年。 28 00:04:28,513 --> 00:04:31,416 お年も 21におなりあそばしました。 29 00:04:31,416 --> 00:04:35,287 一体 いつになれば お輿入れがかなうのでございましょうか? 30 00:04:35,287 --> 00:04:40,659 はあ… 今は 待つしかあるまい。 お殿様。 31 00:04:40,659 --> 00:04:45,459 案ずるな。 手を こまねいておるつもりはない。 32 00:04:48,400 --> 00:04:51,100 アハハ。 33 00:04:52,871 --> 00:04:58,744 大地震の知らせが いまだ届かぬ摩では…。 34 00:04:58,744 --> 00:05:02,314 (大久保正助)小松家へ ご養子に!? 35 00:05:02,314 --> 00:05:05,350 殿のお達しなのです。 36 00:05:05,350 --> 00:05:08,186 (大久保) また一段の ご出世ではないですか。 37 00:05:08,186 --> 00:05:10,489 ただ…。 38 00:05:10,489 --> 00:05:13,489 それについては…。 39 00:05:15,827 --> 00:05:19,698 お近さんを妻にせよとのおぼし召しで。 40 00:05:19,698 --> 00:05:22,398 お近様を! 41 00:05:27,172 --> 00:05:29,107 いいではないですか! 42 00:05:29,107 --> 00:05:32,844 あの お方となら きっと よかご夫婦となられましょう。 43 00:05:32,844 --> 00:05:34,780 いや しかしですよ。 44 00:05:34,780 --> 00:05:37,182 これまで考えたこともないのですよ。 45 00:05:37,182 --> 00:05:40,852 あちらだって そうですよ。 46 00:05:40,852 --> 00:05:47,152 しかし こいは君命。 断りようもございもはん。 47 00:05:52,864 --> 00:05:55,534 よもや…。 え? 48 00:05:55,534 --> 00:05:59,404 お心のどこかに まだ篤姫様が? 49 00:05:59,404 --> 00:06:04,142 そんな。 あの方のことは もう とっくの昔に…。 50 00:06:04,142 --> 00:06:07,813 あっ ただ 気になることがあるとすれば…。 51 00:06:07,813 --> 00:06:13,485 私の婚礼の方が 先になるのではと。 52 00:06:13,485 --> 00:06:18,156 そこまでお考えっちゅうことは その気がなくもないのでは…。 53 00:06:18,156 --> 00:06:20,492 決め手がないのです! 決め手? 54 00:06:20,492 --> 00:06:22,828 お近さんを妻とする…。 55 00:06:22,828 --> 00:06:26,164 何と言うか… 私の中での決め手です。 56 00:06:26,164 --> 00:06:31,036 それがないのに 一緒になるなど 何と言うか…。 57 00:06:31,036 --> 00:06:33,038 いいかげんではありませんか? 58 00:06:33,038 --> 00:06:35,507 いいかげん…。 59 00:06:35,507 --> 00:06:37,507 いいかげんです。 60 00:06:39,177 --> 00:06:44,877 決め手…。 決め手です。 61 00:06:47,052 --> 00:06:49,752 (肝付兼善) もったいなき ありがたきお話じゃ。 62 00:06:51,523 --> 00:06:53,525 お城からですか? 63 00:06:53,525 --> 00:06:58,029 そうじゃ。 お前が ほっつき歩いておる間にな。 64 00:06:58,029 --> 00:07:01,600 それは 失礼をいたしました。 65 00:07:01,600 --> 00:07:07,405 我が肝付家は 謹んでお受けしますと お答えした。 66 00:07:07,405 --> 00:07:10,141 そうですか。 67 00:07:10,141 --> 00:07:13,478 (兼善)近々 小松様に ご挨拶に参らぬとな。 68 00:07:13,478 --> 00:07:16,178 (きぬ)そうですね。 69 00:07:18,149 --> 00:07:22,449 所変わって 江戸では…。 70 00:07:30,161 --> 00:07:33,064 (徳川家定)で 今日は何じゃ? 71 00:07:33,064 --> 00:07:36,501 (阿部正弘)はっ これなるは・ 72 00:07:36,501 --> 00:07:41,840 下総佐倉城主 堀田備中守殿でございます。 73 00:07:41,840 --> 00:07:45,176 此度 老中となりしゆえ・ 74 00:07:45,176 --> 00:07:48,647 お目通りに まかり越しましてございます。 75 00:07:48,647 --> 00:07:52,017 堀田備中守にございます。 76 00:07:52,017 --> 00:07:54,352 上様には ご機嫌麗しゅう…。 77 00:07:54,352 --> 00:07:58,023 控えよ! ははっ! 78 00:07:58,023 --> 00:08:00,358 麗しいわけなかろう! 79 00:08:00,358 --> 00:08:03,595 大地震で 大勢の者が亡くなりしあとぞ! 80 00:08:03,595 --> 00:08:08,133 はっ これはまた 失礼をば…。 81 00:08:08,133 --> 00:08:13,939 その地震にござりますが…。 82 00:08:13,939 --> 00:08:20,145 あるいは 昨今の世情に対する 天の戒めやもしれませぬ。 83 00:08:20,145 --> 00:08:25,317 よって この際 某 老中首座を退き・ 84 00:08:25,317 --> 00:08:30,622 後のことを 備中守殿に託そうかと 思案しておりまする。 85 00:08:30,622 --> 00:08:34,159 ふ~ん。 86 00:08:34,159 --> 00:08:38,330 老中首座を退くと申すか。 87 00:08:38,330 --> 00:08:40,330 はっ。 88 00:08:47,839 --> 00:08:52,510 しかし それで やっていけるのか? 89 00:08:52,510 --> 00:08:56,381 備中守殿が老中となるは これが2度目。 90 00:08:56,381 --> 00:09:01,381 某などよりは はるかに任にふさわしき方かと。 91 00:09:04,122 --> 00:09:07,025 ならば わしは かまわぬ。 92 00:09:07,025 --> 00:09:10,795 そちらの好きにせよ。 93 00:09:10,795 --> 00:09:13,465 ははっ。 ははっ。 94 00:09:13,465 --> 00:09:16,301 (徳川斉昭)堀田を またも老中にじゃと!? 95 00:09:16,301 --> 00:09:18,236 わしは聞いておらぬぞ。 96 00:09:18,236 --> 00:09:21,473 (松平慶永)おそらくは 譜代大名たちの機嫌取りのためでしょう。 97 00:09:21,473 --> 00:09:25,810 譜代の? (伊達宗城)彼らは 阿部殿に 不満を持っておるのです。 98 00:09:25,810 --> 00:09:28,146 阿部老中は 譜代の身でありながら・ 99 00:09:28,146 --> 00:09:32,817 摩守殿や某など 外様大名と親しく交わり・ 100 00:09:32,817 --> 00:09:37,322 更に 本来ならば 役職に おつきにならない水戸様に・ 101 00:09:37,322 --> 00:09:39,991 海防について ご意見を求めるなど…。 102 00:09:39,991 --> 00:09:44,629 ということは 我らも その 不満の的となっているわけですな? 103 00:09:44,629 --> 00:09:48,500 それは 譜代の者たちに 力がないからではないか。 104 00:09:48,500 --> 00:09:51,336 阿部殿の口から そうは申せますまい。 105 00:09:51,336 --> 00:09:56,174 そうか… それで読めたぞ。 106 00:09:56,174 --> 00:10:02,514 此度の一件 彦根の井伊直弼辺りが たくらんだに違いない。 107 00:10:02,514 --> 00:10:05,517 かくなる上は 手を打たねばなりませぬ。 108 00:10:05,517 --> 00:10:08,853 我らも 一層 堅固な陣を敷かねば。 109 00:10:08,853 --> 00:10:11,523 慶喜のことか…。 110 00:10:11,523 --> 00:10:16,394 いかにも。 お世継ぎに慶喜様を押し立てるのです。 111 00:10:16,394 --> 00:10:18,863 そのためには…。 112 00:10:18,863 --> 00:10:23,535 大奥への根回しが欠かせぬこと ご存じのはず。 113 00:10:23,535 --> 00:10:26,371 大奥? 114 00:10:26,371 --> 00:10:29,874 なるほど。 115 00:10:29,874 --> 00:10:35,680 公方様と姫との縁組み 何が何でも揺るぎなきものにさせる。・ 116 00:10:35,680 --> 00:10:41,386 年明け早々にも 婚儀の日取りまで 決めてしまえばよかろう。 117 00:10:41,386 --> 00:10:45,886 そのお言葉… お待ちいたしておりました。 118 00:10:47,559 --> 00:10:53,898 姫様 此度こそ… 此度こそにございますよ。 119 00:10:53,898 --> 00:10:58,069 ああ これで 胸のつかえがおりました。 120 00:10:58,069 --> 00:11:02,507 (小の島)まことに ようございました。 121 00:11:02,507 --> 00:11:09,848 我ら一同 大いに喜んでおりまする。 122 00:11:09,848 --> 00:11:16,187 しかし 一からやり直しとは 物入りなことじゃのう。 123 00:11:16,187 --> 00:11:20,859 金子のことなど 気になさることはございませぬ。 124 00:11:20,859 --> 00:11:26,197 前よりも もっと立派な支度をすればよいのです。 125 00:11:26,197 --> 00:11:32,197 西郷なぞは 張り切って 支度の品々をそろえておりますぞ。 126 00:11:33,872 --> 00:11:39,210 そして はるかな摩では…。 127 00:11:39,210 --> 00:11:43,681 (小松清穆)肝付殿には さぞや驚かれたことでしょうなあ。 128 00:11:43,681 --> 00:11:46,584 小松様ほどの名家と このような…。 のう? 129 00:11:46,584 --> 00:11:49,220 (きぬ)ええ それはもう。 130 00:11:49,220 --> 00:11:52,557 (清穆)喜ばしいのは こちらの方じゃ。・ 131 00:11:52,557 --> 00:11:58,229 尚五郎殿は まことに立派な摩男子ぶり。 ハハハ… のう? 132 00:11:58,229 --> 00:12:03,501 (マサ)本当に。 清猷も あの世で 安堵してることでございましょう。 133 00:12:03,501 --> 00:12:07,505 ああ これこれ めでたい席に涙は禁物ぞ。 134 00:12:07,505 --> 00:12:10,642 (きぬ)お気持ち 痛いほど分かります。 135 00:12:10,642 --> 00:12:15,847 (清穆)ああ 湿っぽい話は それぐらいにして。 ささ 一献。 136 00:12:15,847 --> 00:12:18,147 (兼善)恐れ入ります。 137 00:12:20,718 --> 00:12:23,721 その夜。 138 00:12:23,721 --> 00:12:34,421 ・~ 139 00:12:38,870 --> 00:12:44,042 (家臣)尚五郎様 お客人が おいででございもす。 140 00:12:44,042 --> 00:12:46,242 おう。 141 00:12:54,552 --> 00:12:57,252 お近さん…。 142 00:12:58,890 --> 00:13:02,160 どうなさったのですか? こんな時分に。 143 00:13:02,160 --> 00:13:05,496 (お近)お願いがあって 参りました。 144 00:13:05,496 --> 00:13:10,196 ああ… どうぞ。 145 00:13:18,076 --> 00:13:24,649 此度の縁談のことですが…。 はい。 146 00:13:24,649 --> 00:13:28,149 お断りいただきたいのです。 147 00:13:31,856 --> 00:13:34,156 断る? 148 00:13:35,727 --> 00:13:40,865 私は 尚五郎さんより 7つも年上なのです。 149 00:13:40,865 --> 00:13:46,537 その上 体が弱く 季節の変わり目など 寝込んでしまうことも多いのです。 150 00:13:46,537 --> 00:13:50,408 できるのは 香をたしなむぐらいで…。 151 00:13:50,408 --> 00:13:55,880 とにかく 私は 取り柄のない 役に立たない女子なのです。 152 00:13:55,880 --> 00:13:59,217 あの お近さん…。 今日 お会いして・ 153 00:13:59,217 --> 00:14:02,987 尚五郎さんが 乗り気でないことが よく分かりました。 154 00:14:02,987 --> 00:14:08,493 それは…。 そんな尚五郎さんの 足手まといになると思うと…。 155 00:14:08,493 --> 00:14:13,364 私の体が弱いことは お断りになる理由となりましょう。 156 00:14:13,364 --> 00:14:15,633 とにかくお断りください! 157 00:14:15,633 --> 00:14:20,171 父の方は 私の方から申しておきます。 158 00:14:20,171 --> 00:14:25,171 どうか… どうか お願いいたします。 159 00:14:28,846 --> 00:14:31,846 面を上げてください。 160 00:14:33,718 --> 00:14:39,857 私は 年のことなど気にしていません。 161 00:14:39,857 --> 00:14:44,195 それに お近さんを気に入らないとか そういうことではないのです。 162 00:14:44,195 --> 00:14:48,666 ただ 先生が 琉球で亡くなったと聞かされ・ 163 00:14:48,666 --> 00:14:53,204 次は 養子に入って お近さんと 夫婦になれと…。 164 00:14:53,204 --> 00:14:56,874 次から次に 受け止めきれないことばかりで…。 165 00:14:56,874 --> 00:15:00,478 それだけでは ないのでは…。 166 00:15:00,478 --> 00:15:02,413 え? 167 00:15:02,413 --> 00:15:06,818 篤姫様のことが 気になっておいでなのでは? 168 00:15:06,818 --> 00:15:09,518 それは違います! 169 00:15:11,155 --> 00:15:16,027 もはや あの人は 別の世界に生きる人です。 170 00:15:16,027 --> 00:15:18,830 お近さんは ご自分のことを・ 171 00:15:18,830 --> 00:15:21,499 体が弱いだけの女子だと おっしゃいました。 172 00:15:21,499 --> 00:15:25,837 取り柄も 人の役に立つこともないと。 173 00:15:25,837 --> 00:15:29,507 はい。 そうではないと 私は思います。 174 00:15:29,507 --> 00:15:36,180 人の痛みが分かる しかも 筋の通った人だと思います。 175 00:15:36,180 --> 00:15:39,880 そんなことありません。 なぜですか? 176 00:15:41,519 --> 00:15:48,192 江戸へ行けず 気落ちした私を 励ましてくださったではありませんか。 177 00:15:48,192 --> 00:15:54,192 心がすさみ やけに なりかけていた私を しかってくださったではありませんか。 178 00:15:57,869 --> 00:16:00,471 お近さん。 179 00:16:00,471 --> 00:16:02,471 はい。 180 00:16:04,142 --> 00:16:07,142 今 決心しました。 181 00:16:11,482 --> 00:16:14,182 私のような者でよければ…。 182 00:16:15,820 --> 00:16:18,723 妻になってください。 183 00:16:18,723 --> 00:16:21,159 え? 184 00:16:21,159 --> 00:16:25,029 先生は 摩を頼むと言われました。 185 00:16:25,029 --> 00:16:30,835 でも 私は まず 小松家を そして…・ 186 00:16:30,835 --> 00:16:33,835 あなたを守りたいと思います。 187 00:16:36,641 --> 00:16:40,178 兄の言葉に しばられることは…。 188 00:16:40,178 --> 00:16:43,878 そうではありません。 ただ…。 189 00:16:47,051 --> 00:16:49,520 やっと決め手ができたのです。 190 00:16:49,520 --> 00:16:52,857 決め手? 191 00:16:52,857 --> 00:16:55,557 決め手です。 192 00:16:57,195 --> 00:17:01,495 よく分かりませんが…。 分からなくて結構です。 193 00:17:08,473 --> 00:17:10,473 とにかく…。 194 00:17:12,143 --> 00:17:15,443 私の妻になってください。 195 00:17:20,017 --> 00:17:23,621 こんな私で…・ 196 00:17:23,621 --> 00:17:26,421 よろしいのですか? 197 00:17:28,459 --> 00:17:31,829 あなたが よいのです。 198 00:17:31,829 --> 00:17:46,377 ・~ 199 00:17:46,377 --> 00:17:48,846 はい。 200 00:17:48,846 --> 00:17:59,490 ・~ 201 00:17:59,490 --> 00:18:05,129 江戸へ来たのは 2年前の今頃であったな。 202 00:18:05,129 --> 00:18:07,064 はい。 203 00:18:07,064 --> 00:18:13,471 10月の終わりにしては 暖かな日にございました。 204 00:18:13,471 --> 00:18:18,342 あれから ひたすら 婚礼の日を待つうちに・ 205 00:18:18,342 --> 00:18:21,979 すっかり 疑り深うなってしもうたわ。 206 00:18:21,979 --> 00:18:24,482 はっ? 207 00:18:24,482 --> 00:18:27,818 此度も どうなることかとの。 208 00:18:27,818 --> 00:18:30,721 姫様 そのような…。 209 00:18:30,721 --> 00:18:35,326 まるで 来るなと 言われているような気もしてのう。 210 00:18:35,326 --> 00:18:37,826 そんな…。 211 00:18:40,164 --> 00:18:44,464 しかし よいこともあるぞ。 212 00:18:47,838 --> 00:18:50,641 こうして待ち続ける日々が・ 213 00:18:50,641 --> 00:18:54,845 私を 鍛えてくれているように 思うことがある。 214 00:18:54,845 --> 00:18:59,517 鋼が火に焼かれ 打たれて強くなるようにな。 215 00:18:59,517 --> 00:19:01,452 姫様…。 216 00:19:01,452 --> 00:19:07,452 いつか きっと役に立ってくれると 思うのじゃ。 217 00:19:09,794 --> 00:19:15,967 姫様 あっぱれな心意気にございます! 218 00:19:15,967 --> 00:19:18,002 幾島。 219 00:19:18,002 --> 00:19:20,805 はい! 220 00:19:20,805 --> 00:19:22,740 耳が痛い。 221 00:19:22,740 --> 00:19:26,477 あっ ああ…。 222 00:19:26,477 --> 00:19:30,777 (笑い声) 223 00:19:32,817 --> 00:19:36,487 それから 数か月後。 224 00:19:36,487 --> 00:19:43,361 尚五郎様と お近様は 祝言の夜を迎えました。 225 00:19:43,361 --> 00:20:12,857 ・~ 226 00:20:12,857 --> 00:20:20,197 (島津忠敬)尚五郎。 お近さんを幸せにせんと 俺が許さんぞ。 227 00:20:20,197 --> 00:20:23,534 分かっています。 もちろんです。 228 00:20:23,534 --> 00:20:27,405 もちろんじゃと? 偉そうに。 忠敬殿… 痛っ。 229 00:20:27,405 --> 00:20:31,405 痛… ちょっと 飲みすぎですよ。 痛い! 230 00:20:33,210 --> 00:20:40,551 それにしても 麗しゅうおいでにございますな。 231 00:20:40,551 --> 00:20:46,424 (清穆)花婿のご友人は 随分と情の激しい方のようで…。 232 00:20:46,424 --> 00:20:52,124 血気盛んな男同士 思うところがあるのでしょう。 233 00:20:54,899 --> 00:20:57,599 (家臣)失礼いたしもす。 234 00:21:01,505 --> 00:21:04,805 大久保に 有馬? 235 00:21:06,377 --> 00:21:09,677 ちと失礼いたしまする。 236 00:21:19,523 --> 00:21:21,859 皆さん! 237 00:21:21,859 --> 00:21:24,528 何だ? あやつらは…。 238 00:21:24,528 --> 00:21:30,868 ご両家の皆々様 本日は まことに おめでとうございもす。 239 00:21:30,868 --> 00:21:33,771 (4人)おめでとうございもす。 240 00:21:33,771 --> 00:21:39,877 (有馬新七)僭越ながら ご婚礼に際し 祝いの歌を奉じたく存じもす。 241 00:21:39,877 --> 00:21:44,877 帰れ 帰れ! 己らが来るようなところでは…。 242 00:21:48,219 --> 00:21:51,555 (大山綱良) そいなら 始めさせていただきもす。 243 00:21:51,555 --> 00:21:56,060 「高砂や」 244 00:21:56,060 --> 00:22:05,503 (4人)「この浦舟に帆を上げて」 245 00:22:05,503 --> 00:22:12,009 「この浦舟に帆を上げて」 246 00:22:12,009 --> 00:22:18,349 「月もろともに出で潮の」 247 00:22:18,349 --> 00:22:24,021 「波の淡路の島影や」 248 00:22:24,021 --> 00:22:32,730 「遠く鳴尾の沖過ぎて」 249 00:22:32,730 --> 00:22:43,207 「早や住の江に着きにけり」 250 00:22:43,207 --> 00:22:54,819 ・~ 251 00:22:54,819 --> 00:23:03,160 お二人は 摩の地で 夫婦として歩みだされたのでございます。 252 00:23:03,160 --> 00:23:19,176 ・~ 253 00:23:19,176 --> 00:23:21,512 安政3年。 254 00:23:21,512 --> 00:23:26,812 江戸では 目まぐるしく 日々が過ぎておりました。 255 00:23:28,853 --> 00:23:31,188 老中の阿部様より・ 256 00:23:31,188 --> 00:23:40,531 篤姫様と家定様のご婚儀決定の 通達があったのは 2月。 257 00:23:40,531 --> 00:23:44,231 承知つかまつりました。 258 00:23:48,873 --> 00:23:52,873 (商人)こちらのお椀など いかがでしょう? 259 00:23:55,546 --> 00:24:00,818 お輿入れの準備は あわただしく進められ…。 260 00:24:00,818 --> 00:24:06,690 4月。 京では 近衛忠熙様と篤姫様との・ 261 00:24:06,690 --> 00:24:10,160 父と娘の縁組みがなされました。 262 00:24:10,160 --> 00:24:16,500 (村岡)ご存じやと思いますけど 御前は長らく お独りの身。 263 00:24:16,500 --> 00:24:19,169 寂しい身の上やなあ。 264 00:24:19,169 --> 00:24:27,645 よって… 私こと 村岡を 篤姫さんの仮のおたあさん・ 265 00:24:27,645 --> 00:24:35,853 母親いうことにしてくださいと 江戸表には 届けを出してあります。 266 00:24:35,853 --> 00:24:40,724 かたじけのう存じ奉りまする。 267 00:24:40,724 --> 00:24:45,195 そうか いよいよか。 268 00:24:45,195 --> 00:24:52,937 あの姫さんやったら おもろい御台様に ならはるやろうな。 269 00:24:52,937 --> 00:24:56,540 おもろい? 270 00:24:56,540 --> 00:25:00,477 すばらしい いうことや。 271 00:25:00,477 --> 00:25:04,348 ハハハハハハ…。 (伯耆)はは~っ。 272 00:25:04,348 --> 00:25:15,826 ・~ 273 00:25:15,826 --> 00:25:20,698 近衛家との養子縁組みの儀式が終わり・ 274 00:25:20,698 --> 00:25:27,838 そして 篤姫様のご婚儀は 12月18日と決まり・ 275 00:25:27,838 --> 00:25:32,509 江戸城入りは 大奥での暮らしに慣れるため・ 276 00:25:32,509 --> 00:25:39,850 婚礼より ひとつき以上早い 11月11日となりました。 277 00:25:39,850 --> 00:25:45,723 (亀岡)近衛家は 古くは 藤原鎌足公までさかのぼる…。 278 00:25:45,723 --> 00:25:49,860 一方 タウンセンド・ハリスが・ 279 00:25:49,860 --> 00:25:54,531 アメリカの領事として 下田に来航したのも・ 280 00:25:54,531 --> 00:25:58,402 そんな あわただしい頃のことでした。 281 00:25:58,402 --> 00:26:21,692 ・~ 282 00:26:21,692 --> 00:26:24,828 西郷殿。 283 00:26:24,828 --> 00:26:26,828 はっ。 284 00:26:32,503 --> 00:26:35,803 申し分ありませぬ。 285 00:26:37,374 --> 00:26:39,376 はっ! 286 00:26:39,376 --> 00:26:43,213 よくぞ ここまで なされました。 287 00:26:43,213 --> 00:26:50,521 大変な苦労を 二度もかけたこと 心を痛めておりました。 288 00:26:50,521 --> 00:26:54,858 まこと すばらしい。 289 00:26:54,858 --> 00:27:02,158 そして いよいよ 出立 前夜となりました。 290 00:27:06,470 --> 00:27:13,243 ついに来たのう 幾島。 はい。 291 00:27:13,243 --> 00:27:19,443 姫様には よくぞ ご辛抱なさいました。 292 00:27:21,018 --> 00:27:26,790 ついに… じゃの。 293 00:27:26,790 --> 00:27:29,159 (侍女)姫様。 294 00:27:29,159 --> 00:27:31,495 何じゃ? 295 00:27:31,495 --> 00:27:35,495 お殿様が お呼びにございます。 296 00:27:39,369 --> 00:27:45,509 万端相整い いよいよ明日は入城と相なった。 297 00:27:45,509 --> 00:27:48,412 まずは 祝着じゃ。 298 00:27:48,412 --> 00:27:51,648 ありがたく存じまする。 299 00:27:51,648 --> 00:27:59,189 ついては いくつか そなたに 申し聞かせておきたいことがある。 300 00:27:59,189 --> 00:28:01,125 はい。 301 00:28:01,125 --> 00:28:07,898 ペルリ来航以来 我が国は 西洋諸国と 次々と 和親条約を結んできた。 302 00:28:07,898 --> 00:28:11,301 それを踏み台にして かの国々が・ 303 00:28:11,301 --> 00:28:15,806 開港 交易を強いてくることは間違いない。 304 00:28:15,806 --> 00:28:23,147 開国を受け入れようとする者 逆に 攘夷を叫ぶ者との間に・ 305 00:28:23,147 --> 00:28:28,485 新たな騒乱が起こること これも 間違いなかろう。 306 00:28:28,485 --> 00:28:33,157 国が 2つに割れるということですか? 307 00:28:33,157 --> 00:28:35,857 いかにも。 308 00:28:38,829 --> 00:28:43,700 そこで… 最も大事なるものは何か。 309 00:28:43,700 --> 00:28:49,840 すなわち 幕府を立て直すことである。 310 00:28:49,840 --> 00:28:54,645 お篤は そのためにこそ 江戸城に入り・ 311 00:28:54,645 --> 00:28:58,849 御台所となることを 心得ておいてほしいのじゃ。 312 00:28:58,849 --> 00:29:02,119 どういうことでしょう? 313 00:29:02,119 --> 00:29:09,593 まずは 今の将軍 家定様を支え 助けまいらせることじゃ。 314 00:29:09,593 --> 00:29:13,297 支え お助けする。 315 00:29:13,297 --> 00:29:16,800 というても いろいろある。 316 00:29:16,800 --> 00:29:21,100 お世継ぎを もうけるのが 一番。 317 00:29:23,473 --> 00:29:25,976 家定公は これまで・ 318 00:29:25,976 --> 00:29:30,147 二度までも 公家の姫君を 正室として迎えたが・ 319 00:29:30,147 --> 00:29:33,050 いずれのお方も 病で亡くなっておる。 320 00:29:33,050 --> 00:29:35,018 そうなのですか。 321 00:29:35,018 --> 00:29:38,021 よって お子はない。 322 00:29:38,021 --> 00:29:44,161 そなたの産んだ子が お世継ぎとなる。 はい。 323 00:29:44,161 --> 00:29:51,034 しかし そなたとの間にも 男子はできず…。 324 00:29:51,034 --> 00:29:55,772 家定様御身に 万一のことあらば いかが相なるか。 325 00:29:55,772 --> 00:30:03,347 国事多難の昨今 天下の舵取りはできず さらなる 混乱に陥ろう。 326 00:30:03,347 --> 00:30:08,852 となれば 公儀が第一にすべきは・ 327 00:30:08,852 --> 00:30:14,152 次なる公方様を 定めおくことにほかならぬ。 328 00:30:19,196 --> 00:30:21,896 分かりました。 329 00:30:24,534 --> 00:30:28,405 水戸のご老公を覚えておろう。 もちろんにございます。 330 00:30:28,405 --> 00:30:34,878 諸侯が推す お世継ぎは その水戸様の七男。 331 00:30:34,878 --> 00:30:40,550 今は 一橋家に入っておいでの慶喜様じゃ。 332 00:30:40,550 --> 00:30:45,222 慶喜様。 慶喜公…。 333 00:30:45,222 --> 00:30:51,561 英明にしてご壮健。 人望 極めて厚いと聞く。 334 00:30:51,561 --> 00:30:58,068 そなたが 大奥に入るにあたっての務めは・ 335 00:30:58,068 --> 00:31:01,338 お世継ぎは 慶喜様と…・ 336 00:31:01,338 --> 00:31:06,176 家定公を説き伏せることじゃ。 337 00:31:06,176 --> 00:31:10,047 これは 一身一家のためではない。 338 00:31:10,047 --> 00:31:13,850 天下国家の大事である! 339 00:31:13,850 --> 00:31:18,188 天下国家の大事…。 340 00:31:18,188 --> 00:31:24,061 昔 お篤に言うたことがあったな。 341 00:31:24,061 --> 00:31:28,198 女子の身ならばこそ できることがあると。 342 00:31:28,198 --> 00:31:30,867 覚えておりまする。 343 00:31:30,867 --> 00:31:33,537 今が その時じゃ。 344 00:31:33,537 --> 00:31:36,440 この重大なる時勢を乗り切るには・ 345 00:31:36,440 --> 00:31:40,140 そなたの力を 頼りにするほかない。 346 00:31:42,546 --> 00:31:45,215 国のため…。 347 00:31:45,215 --> 00:31:50,887 是非とも 務めを果たしてもらいたいのじゃ。 348 00:31:50,887 --> 00:31:55,559 国のため…。 さよう。 349 00:31:55,559 --> 00:31:58,462 この国のため…。 350 00:31:58,462 --> 00:32:01,164 そうじゃ。 351 00:32:01,164 --> 00:32:13,176 ・~ 352 00:32:13,176 --> 00:32:16,079 承知いたしました。 353 00:32:16,079 --> 00:32:19,379 分かってくれたか。 354 00:32:22,185 --> 00:32:27,057 一命に代えましても そのお役目・ 355 00:32:27,057 --> 00:32:31,528 必ずや 果たしてごらんに入れまする。 356 00:32:31,528 --> 00:32:48,545 ・~ 357 00:32:48,545 --> 00:32:52,883 幾島。 はい。 358 00:32:52,883 --> 00:32:56,753 私にできると思うか? 359 00:32:56,753 --> 00:33:02,492 さあ…。 さあ? 360 00:33:02,492 --> 00:33:06,163 ただし…。 361 00:33:06,163 --> 00:33:10,163 姫様を お独りにはいたしませぬ。 362 00:33:11,835 --> 00:33:15,172 私も共に…。 363 00:33:15,172 --> 00:33:26,183 ・~ 364 00:33:26,183 --> 00:33:31,483 幾島。 はい。 365 00:33:34,057 --> 00:33:38,528 そなたを嫌いじゃということを・ 366 00:33:38,528 --> 00:33:42,399 いつの間にか忘れておった。 367 00:33:42,399 --> 00:33:46,099 それは いけませぬなあ。 368 00:33:48,205 --> 00:33:52,075 (侍女)失礼いたします。 369 00:33:52,075 --> 00:33:55,545 奥方様が お呼びにございます。 370 00:33:55,545 --> 00:33:58,545 母上様が? 371 00:34:01,818 --> 00:34:04,488 (英姫)今宵 呼んだは…・ 372 00:34:04,488 --> 00:34:08,358 そなたに 見せたいものがあるからじゃ。 373 00:34:08,358 --> 00:34:11,358 見せたいもの? 374 00:34:17,501 --> 00:34:20,501 母上様? 375 00:34:40,524 --> 00:34:44,394 母上様…。 376 00:34:44,394 --> 00:34:48,398 おきれいにございます。 377 00:34:48,398 --> 00:34:51,168 戯れを。 378 00:34:51,168 --> 00:34:56,540 まことでございます。 お美しい。 379 00:34:56,540 --> 00:35:00,840 なぜ そのようなものを おつけになっていたのか…。 380 00:35:03,813 --> 00:35:06,149 でも…・ 381 00:35:06,149 --> 00:35:10,487 なぜ 私に…? 382 00:35:10,487 --> 00:35:13,323 分からぬ。 383 00:35:13,323 --> 00:35:22,499 分からぬが… そなたと 隔てなく 話をしたかったのかもしれぬ。 384 00:35:22,499 --> 00:35:25,835 この顔を隠したままでは・ 385 00:35:25,835 --> 00:35:29,835 まともに相対したとは言えぬからのう。 386 00:35:32,175 --> 00:35:36,175 なぜ もっと早くに…。 387 00:35:44,187 --> 00:35:47,887 今宵しかなかった。 388 00:35:54,531 --> 00:36:01,231 そなたとは 二度と会うこともなかろう。 389 00:36:05,809 --> 00:36:11,314 風を感じるというのは…・ 390 00:36:11,314 --> 00:36:15,514 心地よいものじゃなあ。 391 00:36:22,025 --> 00:36:31,701 そなたの言うように もっと早くに こうしておけば よかったのやもしれぬ。 392 00:36:31,701 --> 00:36:34,838 母上様。 393 00:36:34,838 --> 00:36:47,183 ・~ 394 00:36:47,183 --> 00:36:54,658 御台所としての務め しかと果たすがよい。 395 00:36:54,658 --> 00:36:57,158 はい。 396 00:36:59,195 --> 00:37:02,495 息災でな。 397 00:37:06,803 --> 00:37:12,676 母上様。 どうかお元気で。 398 00:37:12,676 --> 00:37:17,814 そなたのことは忘れぬ。 399 00:37:17,814 --> 00:37:21,484 私も…・ 400 00:37:21,484 --> 00:37:27,484 母上様のことは 決して忘れませぬ。 401 00:37:33,830 --> 00:37:37,167 さらばじゃ。 402 00:37:37,167 --> 00:38:12,467 ・~ 403 00:38:17,807 --> 00:38:24,107 篤姫様 ご出立の朝が訪れました。 404 00:38:45,034 --> 00:38:48,772 お篤。 405 00:38:48,772 --> 00:38:52,175 はい。 406 00:38:52,175 --> 00:38:56,513 そう呼べるのも今日かぎりじゃな。 407 00:38:56,513 --> 00:39:00,383 これからは 御台様じゃ。 408 00:39:00,383 --> 00:39:05,383 わしは下座から 仰ぎ見るしかなくなる。 409 00:39:07,123 --> 00:39:10,123 父上様…。 410 00:39:11,795 --> 00:39:16,666 (家臣)殿 姫様。 大奥より お迎えが。 411 00:39:16,666 --> 00:39:20,470 出立の刻限じゃ。 412 00:39:20,470 --> 00:39:38,822 ・~ 413 00:39:38,822 --> 00:39:42,122 面を上げよ。 414 00:39:46,162 --> 00:39:50,500 大奥 年寄 滝山と申します。 415 00:39:50,500 --> 00:39:55,371 本日は 篤姫様を お迎えに上がりましてございます。 416 00:39:55,371 --> 00:40:00,009 お城まで ご案内役を相務めまする。 417 00:40:00,009 --> 00:40:03,046 大儀である。 418 00:40:03,046 --> 00:40:44,888 ・~ 419 00:40:44,888 --> 00:40:51,227 そなたが 大奥に入るにあたっての務めは・ 420 00:40:51,227 --> 00:40:54,130 お世継ぎは 慶喜様と…・ 421 00:40:54,130 --> 00:40:58,630 家定公を説き伏せることじゃ。 422 00:41:00,637 --> 00:41:13,516 ・~ 423 00:41:13,516 --> 00:41:18,187 (供の者)篤姫様 ご出立! 424 00:41:18,187 --> 00:42:11,174 ・~ 425 00:42:11,174 --> 00:42:16,045 江戸城へ 家定様のもとへ。 426 00:42:16,045 --> 00:42:23,745 篤姫様の運命が ようやく定まろうとしておりました。 427 00:42:31,194 --> 00:42:34,864 ここが… 江戸城 大奥か…。 428 00:42:34,864 --> 00:42:37,367 篤姫? 誰じゃ それは。 429 00:42:37,367 --> 00:42:40,670 公方様のご側室におわします。 側室? 430 00:42:40,670 --> 00:42:44,374 自分は 死んでいるような気がすることが あるのです。 431 00:42:44,374 --> 00:42:49,045 姫様。 大奥の内情を 逐一 わしに知らせい。 432 00:42:49,045 --> 00:42:51,681 まだ大奥のことが よく分かっておられぬご様子。 433 00:42:51,681 --> 00:42:55,181 無礼な! 無礼? 真の狙いは…。 434 00:42:58,221 --> 00:43:00,521 大儀である。 435 00:43:02,825 --> 00:43:09,165 <ペリー来航から3年後の 安政3年 1856年。・ 436 00:43:09,165 --> 00:43:15,465 下田に アメリカの総領事 ハリスが来航しました> 437 00:43:20,510 --> 00:43:26,382 <ハリスは 港に近い玉泉寺を アメリカ総領事館とし・ 438 00:43:26,382 --> 00:43:31,082 日本との通商条約の締結を目指しました> 439 00:43:34,057 --> 00:43:40,196 <ハリスは 下田で およそ3年間 暮らしました。・ 440 00:43:40,196 --> 00:43:43,533 長い異国暮らしで 体調を崩した時は・ 441 00:43:43,533 --> 00:43:51,233 当時の日本人には 珍しかった牛乳を つてを頼って買い求めたと伝わります> 442 00:43:52,875 --> 00:43:57,680 <散歩が好きだった ハリスにちなみ 海岸沿いの道は・ 443 00:43:57,680 --> 00:44:02,480 「ハリスの小径」と名付けられ 親しまれています> 444 00:44:04,153 --> 00:44:07,056 <下田に居を構えたハリスは・ 445 00:44:07,056 --> 00:44:13,496 やがて 将軍との謁見を 強く求めていくことになります> 446 00:44:13,496 --> 00:44:25,496 ・~