1 00:00:04,692 --> 00:00:09,464 <篤姫の一日は 規則正しく進みます。・ 2 00:00:09,464 --> 00:00:14,135 朝は 決まった作法に従い起床して 身支度。・ 3 00:00:14,135 --> 00:00:18,473 将軍は 大奥へやって来ると 仏間で先祖に祈り・ 4 00:00:18,473 --> 00:00:22,143 皆を集めて 朝の挨拶をします。・ 5 00:00:22,143 --> 00:00:25,947 将軍を迎えるために 何度も お召し替え。・ 6 00:00:25,947 --> 00:00:29,484 毎日が この繰り返しです。・ 7 00:00:29,484 --> 00:00:36,157 自由時間であっても 大奥から出ることなく過ごしました。・ 8 00:00:36,157 --> 00:00:40,662 将軍は ふだん 中奥で 別に寝起きしています。・ 9 00:00:40,662 --> 00:00:44,499 将軍といえど 大奥に泊まろうと思ったら・ 10 00:00:44,499 --> 00:00:50,171 御錠口が閉まる 暮六つまでに 申し入れなければなりませんでした。・ 11 00:00:50,171 --> 00:00:54,843 夫婦が寝る時にも 必ず 御添寝役がつくなど・ 12 00:00:54,843 --> 00:01:01,649 篤姫の日常は 朝から晩まで 徹底的に管理されていたのです> 13 00:01:01,649 --> 00:01:15,797 ・~(テーマ音楽) 14 00:01:15,797 --> 00:03:50,952 ・~ 15 00:03:50,952 --> 00:03:55,323 慌ただしい婚礼の日から ひとつきがたち・ 16 00:03:55,323 --> 00:04:01,496 大奥にも 春が訪れようとしておりました。 17 00:04:01,496 --> 00:04:04,399 (幾島)困りましたなあ…。 18 00:04:04,399 --> 00:04:09,771 (篤姫)うん 困ったのう…。 19 00:04:09,771 --> 00:04:16,110 祝言の日のお渡りから はや ひとつきになりまする。 20 00:04:16,110 --> 00:04:21,449 なのに 公方様には 一向に そのご気配が…。 21 00:04:21,449 --> 00:04:26,921 それなのじゃ。 なぜであろう…。 22 00:04:26,921 --> 00:04:30,792 上様が うつけのふりをされておる ということ・ 23 00:04:30,792 --> 00:04:35,792 私が見抜いたと 気づかれたのであろうか…。 24 00:04:40,802 --> 00:04:43,137 御台様! 25 00:04:43,137 --> 00:04:45,807 びっくりするではないか。 26 00:04:45,807 --> 00:04:50,478 そのようなことを仰せになって おられる場合ではございませぬ。 27 00:04:50,478 --> 00:04:55,817 どうか ご自分のお立場を お忘れなきよう。 28 00:04:55,817 --> 00:04:57,752 分かっておる。 29 00:04:57,752 --> 00:05:01,622 お子を もうけることと 次の将軍のことであろう。 30 00:05:01,622 --> 00:05:05,922 ならば 結構にございます。 31 00:05:08,763 --> 00:05:14,102 しかし 幾島も知りとうないか? 32 00:05:14,102 --> 00:05:17,438 何故 うつけのふりなどなさるのであろう。 33 00:05:17,438 --> 00:05:21,109 それが 何になるというのであろう…。 34 00:05:21,109 --> 00:05:24,779 先ほどから 「ふり ふり」と仰せですが・ 35 00:05:24,779 --> 00:05:28,479 何故 ふりだと思われるのですか? 36 00:05:30,451 --> 00:05:34,322 あの時の目じゃ。 37 00:05:34,322 --> 00:05:52,707 ・~ 38 00:05:52,707 --> 00:05:59,480 とにかく 訳を知りたい。 それを知らねば 何も始まらぬ。 39 00:05:59,480 --> 00:06:05,180 心を しかと定めることができぬのじゃ。 40 00:06:10,425 --> 00:06:14,095 (中臈)失礼いたします。・ 41 00:06:14,095 --> 00:06:17,899 幾島様。 本寿院様がお呼びにございます。 42 00:06:17,899 --> 00:06:21,099 本寿院様が? 43 00:06:25,640 --> 00:06:30,445 (本寿院)う~ん… 困りましたな…。 44 00:06:30,445 --> 00:06:33,781 (歌橋)まことに困りました。 45 00:06:33,781 --> 00:06:37,118 婚礼の日のお渡りから ひとつき。 46 00:06:37,118 --> 00:06:40,154 公方様は いまだ 腰を上げようともなされぬ。 47 00:06:40,154 --> 00:06:45,460 そのこと 私も 何よりも案じているのでございます。 48 00:06:45,460 --> 00:06:48,796 いかがでございましょう 我ら一同から・ 49 00:06:48,796 --> 00:06:52,133 公方様に じかに お伺いを立てるというのは。 50 00:06:52,133 --> 00:06:54,802 お言葉ですが 歌橋様。 51 00:06:54,802 --> 00:07:02,610 さような はしたなき振る舞い 御台様が お喜びになるとは思えませぬ。 52 00:07:02,610 --> 00:07:09,750 夫婦の和合は あくまで 自然であることが望ましいかと…。 53 00:07:09,750 --> 00:07:11,686 (ため息) 54 00:07:11,686 --> 00:07:18,092 (滝山)そのような 悠長なことを 言うておられて よろしいのでしょうか? 55 00:07:18,092 --> 00:07:21,762 お志賀は 公方様に お渡りを・ 56 00:07:21,762 --> 00:07:25,433 度々 せがんでおいでとの噂にございます。 57 00:07:25,433 --> 00:07:28,102 そうなのか? (歌橋)はい。 58 00:07:28,102 --> 00:07:34,442 それを聞けば なおのこと。 御台様は 側室ではありませぬ。 59 00:07:34,442 --> 00:07:40,615 公方様の方から進んで お渡りあそばされるよう考えるのが・ 60 00:07:40,615 --> 00:07:44,118 我らの務めではありませぬか? 61 00:07:44,118 --> 00:07:46,787 お志賀のう…。 62 00:07:46,787 --> 00:07:52,126 私は どうも あの者が好かぬ。・ 63 00:07:52,126 --> 00:07:57,999 いつも にやにやと笑うておるばかりで 腹の底に 一体 何があるのやら…。 64 00:07:57,999 --> 00:08:01,302 何を すき好んで あのような女子を…。 65 00:08:01,302 --> 00:08:05,573 本寿院様 話が それておりまする。 66 00:08:05,573 --> 00:08:10,073 (せきばらい) 分かっておる。 67 00:08:13,748 --> 00:08:15,750 幾島殿。 68 00:08:15,750 --> 00:08:18,419 あ… はい。 69 00:08:18,419 --> 00:08:23,291 御台様の一番よいところは どこだと お考えでしょう? 70 00:08:23,291 --> 00:08:28,763 よきところ…。 はて… 広きお心・ 71 00:08:28,763 --> 00:08:32,099 まっすぐなご気性など とりどりありまするが…。 72 00:08:32,099 --> 00:08:35,436 見た目にです。 見た目…。 73 00:08:35,436 --> 00:08:39,307 私は かれんさではないかと 思うております。 74 00:08:39,307 --> 00:08:42,310 (3人)かれんさ…。 75 00:08:42,310 --> 00:08:47,048 たおやかで 楚々とした 風情と申しましょうか…。 76 00:08:47,048 --> 00:08:50,451 そうした 御台様らしさを 引き立てるには・ 77 00:08:50,451 --> 00:08:53,354 お召し物なども あまり派手やかではなく・ 78 00:08:53,354 --> 00:08:59,126 むしろ 抑え気味。 控えめな色柄のものが お似合いかと。 79 00:08:59,126 --> 00:09:02,096 滝山殿。 はい。 80 00:09:02,096 --> 00:09:04,398 御礼 申し上げまする。 81 00:09:04,398 --> 00:09:09,236 そのような あたたかな目で 御台様を見ていただいていたとは。 82 00:09:09,236 --> 00:09:11,272 いえ…。 83 00:09:11,272 --> 00:09:14,408 さりながら 私は 得心しかねまする。 84 00:09:14,408 --> 00:09:18,279 はて? お召し物のことにございます。 85 00:09:18,279 --> 00:09:24,885 抑え気味 控えめとは よもや ご衣装にお金をかけず・ 86 00:09:24,885 --> 00:09:28,422 安く上げようという お考えなのでは? 87 00:09:28,422 --> 00:09:32,093 そのような…。 88 00:09:32,093 --> 00:09:36,964 (本寿院)そうじゃ! 上様は 美しいものがお好きじゃ。 89 00:09:36,964 --> 00:09:41,268 御台様が いつもお美しく あでやかで おいでになれば・ 90 00:09:41,268 --> 00:09:45,139 度々 お渡りになるお気持ちに おなりあそばすに違いない! 91 00:09:45,139 --> 00:09:49,010 なるほど。 お志賀には とても まねのできないことにも ござりまする。 92 00:09:49,010 --> 00:09:51,779 いかがにございまする お二方。 93 00:09:51,779 --> 00:09:58,452 それは すばらしき お考えにございます。 異存ございませぬ。 94 00:09:58,452 --> 00:10:02,123 まずは 髪型じゃな…。 95 00:10:02,123 --> 00:10:04,158 幾島殿! あっ はい! 96 00:10:04,158 --> 00:10:10,658 御台様の 今の おぐし。 あれが どうも しっくりときませぬ。 97 00:10:12,767 --> 00:10:15,803 (歌橋)娘々していると申しましょうか…。 98 00:10:15,803 --> 00:10:20,508 (滝山)もともとが 公家の若い娘子の髪型でございますから。 99 00:10:20,508 --> 00:10:23,411 おすべらかしに結ってみては どうであろう? 100 00:10:23,411 --> 00:10:26,111 (3人)おすべらかし…。 101 00:10:34,955 --> 00:10:38,455 ならば 根取り下げでは? 102 00:10:41,495 --> 00:10:46,834 (滝山)それは いくら何でも 無理にございましょう。 103 00:10:46,834 --> 00:10:49,737 根太島田などは? 104 00:10:49,737 --> 00:10:53,174 あれは お小姓たちもしておりますゆえ。 105 00:10:53,174 --> 00:10:57,511 それでは いっそのこと 下げ上げでは? 106 00:10:57,511 --> 00:11:01,182 下げ上げといえば 子をなしてから結う髪型ではないか。 107 00:11:01,182 --> 00:11:04,785 まだ世継ぎも もうけておらぬというに 縁起の悪い。 108 00:11:04,785 --> 00:11:07,785 申し訳ございません。 109 00:11:09,657 --> 00:11:12,460 おまた返しは いかがでしょう? 110 00:11:12,460 --> 00:11:15,129 おまた返し…。 おまた返し…。 111 00:11:15,129 --> 00:11:17,829 おまた返し…。 112 00:11:20,000 --> 00:11:26,474 おまた返しとは 大奥最高位とされた髪型。 113 00:11:26,474 --> 00:11:33,774 御台所が ご懐妊されるまで許される 髪の形でもありました。 114 00:11:36,817 --> 00:11:39,320 よいではないか! はい。 115 00:11:39,320 --> 00:11:42,823 まこと 御台様に ぴったりにございます。 116 00:11:42,823 --> 00:11:48,696 では 私 早速に このことを 御台様に。 よろしくお願いつかまつります。 117 00:11:48,696 --> 00:11:52,833 これで お渡りも期待できましょう。 118 00:11:52,833 --> 00:11:57,533 世継ぎものう。 ほんに。 119 00:12:01,642 --> 00:12:06,280 広敷向きの役人に会い 表に出入りの飾師たちに・ 120 00:12:06,280 --> 00:12:10,785 ありったけの かんざしや 櫛や 笄を 届けるよう申し入れよ。 121 00:12:10,785 --> 00:12:15,656 ただし よいものに限ると 釘をさすように。 122 00:12:15,656 --> 00:12:18,459 それと お召し物は・ 123 00:12:18,459 --> 00:12:22,329 上様お好みのものを どんどん新調いたしたい。 124 00:12:22,329 --> 00:12:26,133 呉服の間の者たちに くれぐれも伝えおくのです。 125 00:12:26,133 --> 00:12:31,806 金子は いくらかかっても かまわぬからと。 よいな。 126 00:12:31,806 --> 00:12:33,806 (一同)はい。 127 00:12:39,680 --> 00:12:44,380 その篤姫様はといえば…。 128 00:12:51,492 --> 00:12:54,829 [ 回想 ] (徳川家定)声を立てるでない。 かくれんぼをしておるのじゃ。・ 129 00:12:54,829 --> 00:12:59,529 オ~ホホホホ…。 130 00:13:01,168 --> 00:13:04,438 [ 回想 ] (家定)危ないではないか。 131 00:13:04,438 --> 00:13:14,114 ・~ 132 00:13:14,114 --> 00:13:17,414 その翌朝…。 133 00:13:23,457 --> 00:13:29,757 御台様 皆様に ご披露を! 134 00:13:34,468 --> 00:13:48,015 ・~ 135 00:13:48,015 --> 00:13:51,715 (幾島・小声で)にこやかに。 136 00:13:55,489 --> 00:13:59,360 (一同)わあ~! 137 00:13:59,360 --> 00:14:02,596 思うたとおりじゃ…。 138 00:14:02,596 --> 00:14:05,633 ほんに 御台様にぴったり。 139 00:14:05,633 --> 00:14:11,105 必ずや公方様のお気にも 召しましょうぞ。 140 00:14:11,105 --> 00:14:14,441 (小声で)こんなことで 気をひいて 何になるというのじゃ。 141 00:14:14,441 --> 00:14:16,777 御台様…。 142 00:14:16,777 --> 00:14:21,649 御台様 これで終わりではございませぬよ。 143 00:14:21,649 --> 00:14:24,451 は…? 144 00:14:24,451 --> 00:14:46,707 ・~ 145 00:14:46,707 --> 00:14:50,144 失礼つかまつります。 146 00:14:50,144 --> 00:14:55,444 あっ… 何をするつもりなのじゃ。 147 00:14:59,486 --> 00:15:04,786 おお~ なんと美しい。 重い…。 148 00:15:07,094 --> 00:15:10,764 ああ…。 149 00:15:10,764 --> 00:15:14,635 少々 つけすぎではありませぬか。 150 00:15:14,635 --> 00:15:23,110 うん 取ってくれ… もう 重くて首が折れそうじゃ。 151 00:15:23,110 --> 00:15:27,448 御台様 お似合いですのに。 まことに…。 152 00:15:27,448 --> 00:15:29,917 残念じゃのう…。 153 00:15:29,917 --> 00:15:35,717 とにかく減らしてくれ 頼む。 154 00:15:37,458 --> 00:15:45,158 篤姫様の新しいお姿は 仏間でのお披露目となりました。 155 00:16:28,742 --> 00:16:31,442 公方様! 156 00:16:33,113 --> 00:16:35,783 (家定)わしを呼んだのは誰じゃ? 157 00:16:35,783 --> 00:16:39,286 お願いがございます。 158 00:16:39,286 --> 00:16:43,457 申してみよ。 今宵にございますが…。 159 00:16:43,457 --> 00:16:45,392 今宵のう…。 160 00:16:45,392 --> 00:16:49,092 お渡りいただけませんでしょうか。 161 00:16:51,331 --> 00:16:56,804 今宵のう…。 今宵にございます。 162 00:16:56,804 --> 00:17:02,076 今宵か… 今宵のう…。 163 00:17:02,076 --> 00:17:06,376 何とぞ お願いいたします。 164 00:17:10,417 --> 00:17:15,117 何のための努力やら。 165 00:17:22,763 --> 00:17:27,634 篤姫様のお言葉が 通じたのかどうか…。 166 00:17:27,634 --> 00:17:30,637 何! お渡りじゃと? 167 00:17:30,637 --> 00:17:34,274 (中臈)はい。 先ほど 表向きから お知らせがございました。 168 00:17:34,274 --> 00:17:36,210 ああ 本寿院様! 169 00:17:36,210 --> 00:17:40,781 そうか そうか。 やはり あのおぐしが役に立ったのじゃ。 170 00:17:40,781 --> 00:17:44,618 お世継ぎも期待できるかもしれぬのう。 171 00:17:44,618 --> 00:17:50,818 いよいよでござりまする。 いよいよじゃのう…。 172 00:17:53,127 --> 00:17:57,998 お渡りが? はい そのように。 173 00:17:57,998 --> 00:18:00,298 そうか…。 174 00:18:40,107 --> 00:18:44,978 御台様 いよいよですぞ。 175 00:18:44,978 --> 00:18:47,678 分かっておる。 176 00:18:53,120 --> 00:18:56,156 うつけのふりなのか否か・ 177 00:18:56,156 --> 00:19:01,461 だとすれば いかなる子細が そこにあるのか 必ず確かめてくる。 178 00:19:01,461 --> 00:19:03,397 いえ そういうことではなく…。 179 00:19:03,397 --> 00:19:06,733 では 行ってまいる。 180 00:19:06,733 --> 00:20:07,127 ・~ 181 00:20:07,127 --> 00:20:11,932 上様 今宵は 勝手なる願いを お聞き届けいただき・ 182 00:20:11,932 --> 00:20:13,867 まことにありがとうございます。 183 00:20:13,867 --> 00:20:17,137 な~に ここに来たのは それとは別じゃ。 184 00:20:17,137 --> 00:20:19,072 それっ! キャ~! 185 00:20:19,072 --> 00:20:23,010 「ア~!」ではなく 「チュウ!」じゃ。 よく見てみよ。 186 00:20:23,010 --> 00:20:26,813 ああ… 死ぬかと思った。 187 00:20:26,813 --> 00:20:31,485 何じゃ? いえ…。 188 00:20:31,485 --> 00:20:34,154 あの話の続きを聞きとうなってのう。 189 00:20:34,154 --> 00:20:37,057 ほれ 相撲の好きなねずみの話じゃ。 190 00:20:37,057 --> 00:20:41,028 お安い御用にございます。 でも その前に上様。 191 00:20:41,028 --> 00:20:44,798 うむ? 人払いをしていただけませんか? 192 00:20:44,798 --> 00:20:47,701 人払い? なぜじゃ。 193 00:20:47,701 --> 00:20:51,972 お話に出てくる ねずみは とても恥ずかしがりにございます。 194 00:20:51,972 --> 00:20:57,177 誰かがいたのでは 続きが語れないのでございます。 195 00:20:57,177 --> 00:20:59,877 そうか…。 196 00:21:02,015 --> 00:21:05,452 皆 下がれ! ここから出るのじゃ。 197 00:21:05,452 --> 00:21:08,355 ・(中臈)さ… されど 公方様…。 198 00:21:08,355 --> 00:21:12,793 よいから下がれ。 これは わしの命と心得よ。 199 00:21:12,793 --> 00:21:15,093 (中臈たち)はい。 200 00:21:24,137 --> 00:21:27,040 よし 話を聞かせよ。 その前に上様。 201 00:21:27,040 --> 00:21:29,009 何じゃ まだあるのか。 202 00:21:29,009 --> 00:21:31,709 一つ知りたいことがございます。 203 00:21:36,717 --> 00:21:46,017 上様は… なぜ うつけのふりを していらっしゃるのですか? 204 00:21:51,365 --> 00:21:54,134 わしは うつけではないぞ。 205 00:21:54,134 --> 00:21:56,503 存じております。 206 00:21:56,503 --> 00:21:59,539 まことの うつけでおいでなら ふりなどせずとも すむはず。 207 00:21:59,539 --> 00:22:02,109 そうではないから ふりをせねば ならないのでございます。 208 00:22:02,109 --> 00:22:05,011 ややこしいのう。 とにかく早う ねずみの話を…。 209 00:22:05,011 --> 00:22:08,448 ねずみの前に アヒルにございます。 アヒルじゃと? 210 00:22:08,448 --> 00:22:10,484 せんだって 庭で アヒルを追っかけている時・ 211 00:22:10,484 --> 00:22:15,789 上様の真剣なまなざしを 目の当たりにしました。 212 00:22:15,789 --> 00:22:18,792 あの目を見て はっきりと分かったのです。 213 00:22:18,792 --> 00:22:21,661 上様は うつけなどではないと。 214 00:22:21,661 --> 00:22:25,132 ごまかそうとなさっても無駄です。 215 00:22:25,132 --> 00:22:29,002 私は この目で しっかりと見たのですから。 216 00:22:29,002 --> 00:22:32,806 そうじゃ わしは まともじゃ。 217 00:22:32,806 --> 00:22:36,506 さっきから そうじゃと 言うておるではないか。 218 00:22:43,450 --> 00:22:51,158 上様。 私は 上様の妻にございます。 219 00:22:51,158 --> 00:22:55,495 知っておる。 祝言の席で会うたな。 220 00:22:55,495 --> 00:22:58,165 妻である私にも・ 221 00:22:58,165 --> 00:23:02,769 上様は そのような偽りのお姿を 貫くおつもりですか? 222 00:23:02,769 --> 00:23:07,769 ありのままのお顔を 見せてはくださらないのですか? 223 00:23:09,543 --> 00:23:12,913 ありのままのお顔とは どのようなお顔じゃ。 224 00:23:12,913 --> 00:23:18,113 ですから あの時 お見せくださった お顔にございます。 225 00:23:20,120 --> 00:23:24,458 こんな顔であったかのう? 226 00:23:24,458 --> 00:23:29,458 それとも こ~んな顔であったかのう? 227 00:23:33,800 --> 00:23:36,800 疲れた。 寝る。 228 00:23:40,574 --> 00:23:45,412 夜になると くたくたなのじゃ。 229 00:23:45,412 --> 00:23:48,348 上様…。 そうじゃ。 230 00:23:48,348 --> 00:23:52,152 ねずみの夫婦に 子は おったのか? 231 00:23:52,152 --> 00:23:57,824 ああ… はい。 10匹ほど。 232 00:23:57,824 --> 00:24:00,160 わしには 子はできぬぞ。 233 00:24:00,160 --> 00:24:02,429 は? 234 00:24:02,429 --> 00:24:08,729 子を持つ気もない。 一匹もな。 235 00:24:13,073 --> 00:24:15,775 そなたも寝よ。 236 00:24:15,775 --> 00:24:20,447 上様… 上様! 237 00:24:20,447 --> 00:24:33,460 ・~ 238 00:24:33,460 --> 00:24:40,160 子が… できぬ? 239 00:24:44,104 --> 00:24:46,473 その翌日…。 240 00:24:46,473 --> 00:24:50,143 「子を持つ気はない」。 そう仰せになったのですか? 241 00:24:50,143 --> 00:24:55,015 ああ。 「子はできぬ」ともな。 242 00:24:55,015 --> 00:25:01,154 であれば 迷うことなく慶喜公を。 243 00:25:01,154 --> 00:25:04,758 これは 失礼いたしました。 244 00:25:04,758 --> 00:25:08,628 そのような話 まともに受けてどうする。 245 00:25:08,628 --> 00:25:11,431 私を謀るためのうそやもしれぬ。 246 00:25:11,431 --> 00:25:15,302 でも 本当かもしれませぬ。 うそかもしれぬ! 247 00:25:15,302 --> 00:25:19,105 ここ大奥は 水戸嫌い。 248 00:25:19,105 --> 00:25:21,041 斉昭公嫌いが集まって・ 249 00:25:21,041 --> 00:25:23,610 とぐろを巻いてるような場所に ございます。 250 00:25:23,610 --> 00:25:27,480 あの本寿院様からにして 水戸を遠ざけようと・ 251 00:25:27,480 --> 00:25:31,117 先頭に立って 息巻いておいでにございます。 252 00:25:31,117 --> 00:25:33,053 そうなのか。 253 00:25:33,053 --> 00:25:35,455 お世継ぎの件について申せば・ 254 00:25:35,455 --> 00:25:40,794 水戸に連なる慶喜様を かつごうとする我らは・ 255 00:25:40,794 --> 00:25:45,632 いわば 敵陣の真っただ中に 来たようなもの。 256 00:25:45,632 --> 00:25:47,567 よほど頑張らねば・ 257 00:25:47,567 --> 00:25:54,140 本懐をとげること とてもとても かないはしませぬ。 258 00:25:54,140 --> 00:25:57,840 そうなのか…。 259 00:26:13,093 --> 00:26:17,093 公方様のことなのですが…。 260 00:26:18,765 --> 00:26:25,271 お言葉どおり 子は おできにならぬ ということですか? 261 00:26:25,271 --> 00:26:31,611 それとも おつくりにならぬ ということなのでしょうか? 262 00:26:31,611 --> 00:26:35,411 皆目 分からぬ。 263 00:26:42,122 --> 00:26:47,794 その日 幾島様は 篤姫様の近況と・ 264 00:26:47,794 --> 00:26:53,667 大奥の内情に関する 密書をしたためられ・ 265 00:26:53,667 --> 00:27:00,373 それを 摩藩邸の 小の島様に託されました。 266 00:27:00,373 --> 00:27:26,433 ・~ 267 00:27:26,433 --> 00:27:29,903 (西郷吉之助)あちらは いかがなご様子でございましょうか。 268 00:27:29,903 --> 00:27:31,971 (小の島)私宛ての書状では・ 269 00:27:31,971 --> 00:27:37,110 遠回しな言い方ながら 新たな動きがありそうだと。 270 00:27:37,110 --> 00:27:39,045 どういうことでございますか。 271 00:27:39,045 --> 00:27:41,781 それ以上は 分かりかねます。 272 00:27:41,781 --> 00:27:47,454 何か事あらば お殿様から お話がございましょう。 273 00:27:47,454 --> 00:27:49,754 相分かりもした。 274 00:27:59,466 --> 00:28:03,737 (島津斉彬)西郷。 はっ。 275 00:28:03,737 --> 00:28:08,608 大奥は 思うた以上に やっかいな所。 276 00:28:08,608 --> 00:28:13,747 そちにも 更に 働いてもらわねば ならぬやもしれぬ。 277 00:28:13,747 --> 00:28:16,447 ははっ。 278 00:28:19,419 --> 00:28:21,354 (徳川斉昭)子が できぬじゃと? 279 00:28:21,354 --> 00:28:25,592 さようにございます。 できる できぬ以前に・ 280 00:28:25,592 --> 00:28:28,895 お世継ぎをもうける おつもりが まったくないご様子で。 281 00:28:28,895 --> 00:28:31,598 (伊達宗城) ならば もはや迷うことはございませぬ。 282 00:28:31,598 --> 00:28:33,633 慶喜様一本で 進めまするな。 283 00:28:33,633 --> 00:28:37,103 ただ ここは 慎重を期しませんと。 284 00:28:37,103 --> 00:28:42,909 大奥では 紀州の慶福様を 持ち上げようとする声が高いとか。 285 00:28:42,909 --> 00:28:46,780 いや というより わしが嫌われておるのじゃろう。 286 00:28:46,780 --> 00:28:49,616 ぜいたく好きな女たちに・ 287 00:28:49,616 --> 00:28:53,787 質素倹約を 幾度となく 申し入れてきたからな。 288 00:28:53,787 --> 00:28:58,291 そこはそれ。 我らには 大奥きっての人気者・ 289 00:28:58,291 --> 00:29:00,927 阿部老中が ついておいでにございます。 290 00:29:00,927 --> 00:29:02,862 (阿部正弘)とんでもないことです。 291 00:29:02,862 --> 00:29:06,232 阿部殿 どうかされましたか? 292 00:29:06,232 --> 00:29:08,735 いやいや 少々 熱っぽいだけにござる。 293 00:29:08,735 --> 00:29:12,572 (宗城)お風邪でも召されたかな。 いや 大したことはありませぬ。 294 00:29:12,572 --> 00:29:21,281 それより こうなると 御台様のお働きが頼りにございますな。 295 00:29:21,281 --> 00:29:27,120 しかし 子ができぬとは 哀れな話じゃな…。 296 00:29:27,120 --> 00:29:29,756 (宗城)ですな…。 297 00:29:29,756 --> 00:29:36,262 もとより 慶喜公 ご擁立のため 大奥に入るは・ 298 00:29:36,262 --> 00:29:42,462 本人も よくよく覚悟の上のこと。 ご心配は無用でござる。 299 00:29:56,449 --> 00:29:59,149 わしには 子はできぬぞ。 300 00:30:00,787 --> 00:30:04,123 子を持つ気もない。 301 00:30:04,123 --> 00:30:30,817 ・~ 302 00:30:30,817 --> 00:30:36,689 (初瀬)ずっと あのような調子で。 そうか…。 303 00:30:36,689 --> 00:30:49,502 ・~ 304 00:30:49,502 --> 00:30:52,202 御台様。 305 00:30:53,840 --> 00:31:01,540 今日は よい天気でございます。 お庭にでも 参りましょうか。 306 00:31:03,116 --> 00:31:05,451 ああ…。 307 00:31:05,451 --> 00:31:19,999 ・~ 308 00:31:19,999 --> 00:31:23,469 いい陽気に なってまいりましたねえ。 309 00:31:23,469 --> 00:31:25,405 そうじゃのう。 310 00:31:25,405 --> 00:31:30,405 ご覧あれ。 桜も咲き始めてまいりました。 311 00:31:46,492 --> 00:31:52,165 お志賀は なぜ あんなに 楽しそうなのじゃろうな。 312 00:31:52,165 --> 00:31:56,865 御台様。 御台様 参りましょう。 313 00:32:05,111 --> 00:32:10,283 後で あの者を 私の部屋へ呼ぶように。 314 00:32:10,283 --> 00:32:14,120 今 何と仰せになりました? 315 00:32:14,120 --> 00:32:17,457 私の所へ来るように伝えよ。 316 00:32:17,457 --> 00:32:20,126 なりませぬ 側室を呼ぶなど。 317 00:32:20,126 --> 00:32:23,162 話がしてみたいのじゃ。 2人きりで。 318 00:32:23,162 --> 00:32:25,298 (幾島)ますます なりませぬ。 319 00:32:25,298 --> 00:32:28,798 部屋で待つと伝えよ。 よいな? 320 00:32:30,803 --> 00:32:34,474 (幾島)御台様 お待ちあそばせ! 321 00:32:34,474 --> 00:32:58,498 ・~ 322 00:32:58,498 --> 00:33:03,770 苦しゅうない 面を上げられよ。 323 00:33:03,770 --> 00:33:14,781 ・~ 324 00:33:14,781 --> 00:33:17,450 (せきばらい) 幾島! 325 00:33:17,450 --> 00:33:21,750 承知しております はい。 326 00:33:23,322 --> 00:33:30,463 御台様 四半刻足らずで お召し替えにございますゆえ。 327 00:33:30,463 --> 00:33:33,366 分かっておる。 328 00:33:33,366 --> 00:33:43,366 ・~ 329 00:33:58,491 --> 00:34:03,096 美しい花々じゃな。 330 00:34:03,096 --> 00:34:09,969 (志賀)すみれに ぼけ それに 菜の花にございます。 331 00:34:09,969 --> 00:34:13,439 春の香りがいたしますな。 332 00:34:13,439 --> 00:34:18,139 ええ。 こうすると…。 333 00:34:31,791 --> 00:34:36,662 こうすると 香りが ひときわ濃くなります。 334 00:34:36,662 --> 00:34:39,962 花を食べるのか…。 335 00:34:46,139 --> 00:34:51,010 実は 公方様のことを聞きたくて 来てもろうたのじゃ。 336 00:34:51,010 --> 00:34:57,310 公方様の? 私で お役に立てるのでしたら。 337 00:34:59,152 --> 00:35:03,452 公方様は その…。 338 00:35:04,957 --> 00:35:08,761 少し変わったお方じゃが あれは 以前からか? 339 00:35:08,761 --> 00:35:13,099 変わった? そうでしょうか。 340 00:35:13,099 --> 00:35:16,435 そなたは 変わっているとは思わぬのか。 341 00:35:16,435 --> 00:35:19,772 人には それぞれ 変わった面がありますから。 342 00:35:19,772 --> 00:35:21,707 そういう意味ではなく…・ 343 00:35:21,707 --> 00:35:25,912 その… 普通ではないというか…。 344 00:35:25,912 --> 00:35:28,447 普通ではない…。 345 00:35:28,447 --> 00:35:31,350 うつけではないかということじゃ! 346 00:35:31,350 --> 00:35:34,120 うつけ? 噂があるということじゃ。 347 00:35:34,120 --> 00:35:36,455 私は そうは思うておらぬ。 348 00:35:36,455 --> 00:35:41,327 ああ… 噂のことは 存じております。 349 00:35:41,327 --> 00:35:45,464 でも 私にとっては どうでもよいことでございますので。 350 00:35:45,464 --> 00:35:47,400 どうでもよい? 351 00:35:47,400 --> 00:35:58,044 はい。 私は あの方が好きなのです。 ただ それだけです。 352 00:35:58,044 --> 00:36:05,251 好き… 好き… 好き…。 353 00:36:05,251 --> 00:36:09,755 私が 公方様を利用しているだけだと 言う人もおります。 354 00:36:09,755 --> 00:36:11,757 旗本の家に生まれ・ 355 00:36:11,757 --> 00:36:16,095 お目見え以下の下働きにすぎない 御三之間勤めから・ 356 00:36:16,095 --> 00:36:19,131 公方様お手つきの 中臈となったのですから・ 357 00:36:19,131 --> 00:36:21,968 無理からぬことだと思います。 358 00:36:21,968 --> 00:36:28,668 でも 私には 利用などしようがないのです。 359 00:36:30,443 --> 00:36:35,743 公方様には お子が おできになりませぬゆえ。 360 00:36:40,119 --> 00:36:45,791 これは とんでもないことを申しました。 どうぞお忘れくださいませ。 361 00:36:45,791 --> 00:36:49,462 そなたも知っておったのか。 362 00:36:49,462 --> 00:36:55,801 御台様も? 失礼ですが どなたから…。 363 00:36:55,801 --> 00:36:58,704 公方様ご本人のお口からじゃ。 364 00:36:58,704 --> 00:37:02,704 ご自身が おっしゃったのですか!? 365 00:37:04,610 --> 00:37:09,749 どうお思いに なられましたか? それを お聞きになられて。 366 00:37:09,749 --> 00:37:12,084 信じてはおらぬ。 367 00:37:12,084 --> 00:37:16,756 そもそも 公方様のおっしゃることが よく分からぬゆえ。 368 00:37:16,756 --> 00:37:21,627 でも お亡くなりになった お二人のご正室との間にも・ 369 00:37:21,627 --> 00:37:24,263 お子は いらっしゃいませんでした。 370 00:37:24,263 --> 00:37:28,100 それは そうじゃが…。 371 00:37:28,100 --> 00:37:31,771 それを ご心配なさって おいでなのでしょうか。 372 00:37:31,771 --> 00:37:35,107 は? 373 00:37:35,107 --> 00:37:38,144 やはり 御台様とも おなりあそばしますと・ 374 00:37:38,144 --> 00:37:41,447 気になさらぬわけには まいらぬのでしょうね。 375 00:37:41,447 --> 00:37:43,783 そういうことではない。 376 00:37:43,783 --> 00:37:48,454 とにかく 私は 公方様をお慕い申し上げております。 377 00:37:48,454 --> 00:37:50,790 できるだけ おそばにあって・ 378 00:37:50,790 --> 00:37:56,462 できるだけ 長く お世話したいと念じております。 379 00:37:56,462 --> 00:38:00,933 うつけであろうと お子ができようと できまいと・ 380 00:38:00,933 --> 00:38:05,733 私の願いは ただ それだけなのです。 381 00:38:14,080 --> 00:38:18,751 家定様のお渡りが 大奥に告げられたのは・ 382 00:38:18,751 --> 00:38:22,751 その日のことでございました。 383 00:38:26,425 --> 00:38:32,231 よいですか。 慶喜公のこと・ 384 00:38:32,231 --> 00:38:36,435 きっかけだけでも つくっておかねばなりませぬ。 385 00:38:36,435 --> 00:38:45,444 きっときっと 公方様に お話し申し上げてくださいますよう。 386 00:38:45,444 --> 00:38:47,480 分かっておる。 387 00:38:47,480 --> 00:38:54,787 お殿様の思い ゆめゆめ お忘れなきよう。 388 00:38:54,787 --> 00:38:58,290 分かっておる。 389 00:38:58,290 --> 00:39:01,127 では 行ってまいる。 390 00:39:01,127 --> 00:39:20,079 ・~ 391 00:39:20,079 --> 00:39:24,417 お志賀と 何を話されたのやら。 392 00:39:24,417 --> 00:39:53,446 ・~ 393 00:39:53,446 --> 00:39:56,115 (家定)母上に泣きつかれてのう。・ 394 00:39:56,115 --> 00:39:59,985 早う子をつくれ 早う世継ぎをあげよと。 395 00:39:59,985 --> 00:40:03,789 さようにございますか。 396 00:40:03,789 --> 00:40:07,626 今日は 人払いはいらぬということか。 397 00:40:07,626 --> 00:40:12,131 これから先 あらかじめ しりぞけることにいたしました。 398 00:40:12,131 --> 00:40:18,003 ほう それは 手間がはぶける。 しかし よう通ったものじゃの。 399 00:40:18,003 --> 00:40:22,003 ど~ん。 400 00:40:28,147 --> 00:40:30,182 驚かぬのか? 401 00:40:30,182 --> 00:40:33,319 いえ びっくりいたしました。 402 00:40:33,319 --> 00:40:37,819 何じゃ いつもと様子が違うではないか。 403 00:40:41,494 --> 00:40:44,396 今日は いろいろ聞かぬのか? 404 00:40:44,396 --> 00:40:47,833 うつけではないのかとか あれやこれやと。 405 00:40:47,833 --> 00:40:50,336 それは また 日を改めて。 406 00:40:50,336 --> 00:40:52,371 何じゃ つまらぬ。 407 00:40:52,371 --> 00:40:55,174 上様! 何じゃ。 408 00:40:55,174 --> 00:40:58,978 一つお聞きしても よろしゅうございましょうか? 409 00:40:58,978 --> 00:41:02,478 おうおう おうおう おうおう… それを待っておったぞ。 410 00:41:04,116 --> 00:41:14,460 ・~ 411 00:41:14,460 --> 00:41:17,930 お志賀の方ですが。 お志賀じゃと? 412 00:41:17,930 --> 00:41:21,133 なぜ おそばに置こうと お思いになったのでございましょうか? 413 00:41:21,133 --> 00:41:23,802 面白うない。 もっと面白いことを聞け。 414 00:41:23,802 --> 00:41:26,502 お志賀の方が…。 415 00:41:29,308 --> 00:41:31,243 お好きだからにございますか? 416 00:41:31,243 --> 00:41:35,814 面倒なことを聞くでない。 わしは 人より アヒルが好きじゃ。 417 00:41:35,814 --> 00:41:38,651 ねずみが好きじゃ。 草や花が好きじゃ。 418 00:41:38,651 --> 00:41:40,686 なぜなら 余計な口をきかぬからじゃ。 419 00:41:40,686 --> 00:41:42,955 では 余計なお口を おききにならぬゆえ・ 420 00:41:42,955 --> 00:41:44,890 お志賀の方を 選ばれたのでございますか? 421 00:41:44,890 --> 00:41:46,825 うるさ~い! うるさい うるさい うるさい うるさい・ 422 00:41:46,825 --> 00:41:50,025 うるさい うるさい うるさ~い! 423 00:41:59,538 --> 00:42:03,776 疲れた。 寝る。 424 00:42:03,776 --> 00:42:13,786 ・~ 425 00:42:13,786 --> 00:42:17,656 その 言葉にもならないお気持ちが・ 426 00:42:17,656 --> 00:42:22,294 芽生え始めた愛情と嫉妬であることに・ 427 00:42:22,294 --> 00:42:28,494 篤姫様は まだ お気づきではありませんでした。 428 00:42:31,804 --> 00:42:35,307 私は… 妻になりたいのです。 429 00:42:35,307 --> 00:42:38,143 うつけのままでは おられぬように なってしもうた。 430 00:42:38,143 --> 00:42:41,480 それは まことなのでしょうか? お世継ぎの件で 頼るべきは…・ 431 00:42:41,480 --> 00:42:45,150 お篤しかおらぬ。 我が国が勝てぬなど…。 勝てませぬ! 432 00:42:45,150 --> 00:42:47,086 嵐が来るぞ。 433 00:42:47,086 --> 00:42:49,021 この国を揺るがすほどの…。 434 00:42:49,021 --> 00:42:52,024 天下を取るほど 骨の折れることはございませぬ。 435 00:42:52,024 --> 00:42:55,828 上様は あまりに身勝手と存じます。 そなたに 何が分かる。 436 00:42:55,828 --> 00:42:57,830 わしは 誰も信じぬ。 437 00:42:57,830 --> 00:43:01,030 この世の… 誰一人としてな。 438 00:43:03,102 --> 00:43:06,005 <埼玉県川越市。・ 439 00:43:06,005 --> 00:43:11,443 江戸時代 川越藩の城下町として 栄えた町です。・ 440 00:43:11,443 --> 00:43:16,443 古い町並みが 今も 数多く残されています> 441 00:43:18,117 --> 00:43:23,117 <氷川神社の境内に残された社殿> 442 00:43:24,790 --> 00:43:31,090 <かつて 江戸城 二の丸にあったものを 移築したといわれています> 443 00:43:32,665 --> 00:43:37,803 <喜多院にも 江戸城の一部が残されています。・ 444 00:43:37,803 --> 00:43:41,473 火事で ほぼ全焼した喜多院の再建を・ 445 00:43:41,473 --> 00:43:46,173 三代将軍 家光が命じたためです> 446 00:43:49,348 --> 00:43:52,484 <大奥の礎を築いた女性・ 447 00:43:52,484 --> 00:43:57,484 春日局ゆかりと伝わる部屋も 残されています> 448 00:44:00,359 --> 00:44:06,999 <江戸時代から サツマイモの産地として知られた川越。・ 449 00:44:06,999 --> 00:44:10,969 鹿児島から 全国に広まったという サツマイモは・ 450 00:44:10,969 --> 00:44:16,108 遠く 川越の地でも 名産品となっているのです> 451 00:44:16,108 --> 00:44:26,808 ・~