1 00:00:11,456 --> 00:00:17,162 <ハリスは 日本に 通商条約の締結を求めてきます> 2 00:00:17,162 --> 00:00:19,664 (井伊直弼)新たに条約を結ぶとなれば・ 3 00:00:19,664 --> 00:00:23,535 朝廷のお許しを 頂戴しておくべきでしょう。 4 00:00:23,535 --> 00:00:25,970 <幕府は 反対派を抑えるため・ 5 00:00:25,970 --> 00:00:29,674 京都の朝廷から 許しを得ようとしますが…> 6 00:00:29,674 --> 00:00:34,546 (孝明天皇)鎖国は 幕府祖法のはず。 7 00:00:34,546 --> 00:00:40,318 <朝廷内では 条約に反対する意見が 多数を占めていました。・ 8 00:00:40,318 --> 00:00:44,522 幕府の権威は衰え 朝廷の政治への発言力は・ 9 00:00:44,522 --> 00:00:47,859 大いに 高まることになります。・ 10 00:00:47,859 --> 00:00:50,528 次期将軍を巡る両派の争いも・ 11 00:00:50,528 --> 00:00:54,866 朝廷を舞台に 繰り広げられることになります。・ 12 00:00:54,866 --> 00:01:00,672 それが 江戸 大奥の篤姫をも 巻き込んでゆくことになるのです> 13 00:01:00,672 --> 00:01:14,819 ・~(テーマ音楽) 14 00:01:14,819 --> 00:03:51,175 ・~ 15 00:03:51,175 --> 00:03:57,048 (篤姫)う~ん… おいしい。 16 00:03:57,048 --> 00:04:00,785 (徳川家定)であろう。 ポルトガルより伝わりし菓子じゃ。 17 00:04:00,785 --> 00:04:07,085 甘くて やわらかくて 口の中が とろけそうでございます。 18 00:04:08,660 --> 00:04:12,130 う~ん 極楽の味じゃ。 19 00:04:12,130 --> 00:04:14,799 でも…。 ん? 20 00:04:14,799 --> 00:04:18,803 表では まだ このようなことを なさって おいでなのですか? 21 00:04:18,803 --> 00:04:23,508 このようなとは? お菓子を作ったり 豆をいったり。 22 00:04:23,508 --> 00:04:27,708 庭で アヒルを追っかけたり…。 23 00:04:29,347 --> 00:04:31,349 そうじゃが。 24 00:04:31,349 --> 00:04:34,485 そろそろ うつけのふりは おやめになられた方が・ 25 00:04:34,485 --> 00:04:36,954 よろしいのではありませんか? なぜじゃ。 26 00:04:36,954 --> 00:04:42,326 いざという時 皆が 上様の言うことを 聞いてくださらないのではと…。 27 00:04:42,326 --> 00:04:46,831 逆ではないのか。 逆? 28 00:04:46,831 --> 00:04:53,705 うつけとばかり思うておった わしが ある日 真顔で何かを言うのじゃ。 29 00:04:53,705 --> 00:04:59,177 誰もが震え上がり わしの前に ひれ伏すであろう。 30 00:04:59,177 --> 00:05:01,779 フフフフフ…。 31 00:05:01,779 --> 00:05:06,117 アハハハハハハ! 32 00:05:06,117 --> 00:05:08,619 うそじゃ。 えっ? 33 00:05:08,619 --> 00:05:11,923 そのようなつもりはない。 34 00:05:11,923 --> 00:05:17,295 今はただ 自然の流れに任せるだけじゃ。 35 00:05:17,295 --> 00:05:19,797 自然の流れ…。 36 00:05:19,797 --> 00:05:23,468 そちの言う いざという時のためにな。 37 00:05:23,468 --> 00:05:29,468 それに ハリスの件。 次なる将軍の件も。 38 00:05:32,810 --> 00:05:35,480 将軍の話は しとうないか? 39 00:05:35,480 --> 00:05:38,950 したくありません。 お菓子が まずくなります。 40 00:05:38,950 --> 00:05:40,885 とにかく もっと食べよ。 41 00:05:40,885 --> 00:05:44,756 うまいものを食せば よい考えも浮かぶというもの。 42 00:05:44,756 --> 00:05:47,056 はい。 43 00:05:50,161 --> 00:05:52,161 もっとじゃ。 44 00:05:55,500 --> 00:05:58,836 もっとじゃ もっとじゃ… もっとじゃ もっとじゃ…。 45 00:05:58,836 --> 00:06:00,772 (笑い声) 46 00:06:00,772 --> 00:06:06,110 お二方が おそろいで どのような御用にございましょう? 47 00:06:06,110 --> 00:06:10,615 (本寿院)持って回った言い方は好かぬゆえ はっきりと申す。 48 00:06:10,615 --> 00:06:12,650 お世継ぎの件じゃ。 49 00:06:12,650 --> 00:06:17,121 (滝山)井伊様が 紀州の慶福様を 推挙しておられること。 50 00:06:17,121 --> 00:06:19,624 知らぬ者はおりません。 51 00:06:19,624 --> 00:06:23,795 それは 我らとて同じこと。 52 00:06:23,795 --> 00:06:28,466 ならば 私も申しましょう。 53 00:06:28,466 --> 00:06:34,272 大奥の方々の水戸嫌い 慶喜公嫌いは・ 54 00:06:34,272 --> 00:06:36,941 つとに 聞こえておりまする。 55 00:06:36,941 --> 00:06:43,815 そこでじゃ 慶福様が 間違いなく 次の公方様となられるよう・ 56 00:06:43,815 --> 00:06:47,151 力を尽くしてほしい。 57 00:06:47,151 --> 00:06:52,657 強く推すこと 約束してほしいのじゃ。 58 00:06:52,657 --> 00:06:59,530 推すも推さぬも 紀州様をおいて ほかには 考えられませぬ。 59 00:06:59,530 --> 00:07:02,730 確かで ございましょうね? 60 00:07:04,902 --> 00:07:09,402 我が身命を賭して。 61 00:07:12,443 --> 00:07:15,143 ああ…。 62 00:07:17,114 --> 00:07:20,985 これからも何かあったら 頼みますぞ。 63 00:07:20,985 --> 00:07:27,758 今 この城中で 信じられるのは… そちのみなのじゃ。 64 00:07:27,758 --> 00:07:30,458 はは~っ。 65 00:07:33,664 --> 00:07:37,802 (松平忠固)それは 祝着至極。 ようございましたな。 66 00:07:37,802 --> 00:07:43,941 これで 大奥に 足をすくわれることは まず ございますまい。 67 00:07:43,941 --> 00:07:48,479 安心して 京へ向かい 条約問題に取り組まれよ。 68 00:07:48,479 --> 00:07:51,148 井伊様こそ ご安心を。 69 00:07:51,148 --> 00:07:54,485 朝廷など 何ほどのこともございますまい。 70 00:07:54,485 --> 00:08:00,358 油断召さるな。 公家は 公家で なかなかに 手ごわいもの。 71 00:08:00,358 --> 00:08:06,898 なんの。 帝のお許し 必ずや 頂いてまいりまする。 72 00:08:06,898 --> 00:08:10,434 よき知らせを 待っておりまする。 73 00:08:10,434 --> 00:08:14,105 そのころ 摩藩邸では…。 74 00:08:14,105 --> 00:08:17,141 (西郷吉之助)どげんですか? 大奥の方は。 75 00:08:17,141 --> 00:08:20,778 (小の島)相も変わらず 水戸嫌いの方々で・ 76 00:08:20,778 --> 00:08:23,681 がちがちに 固まっているようにございます。 77 00:08:23,681 --> 00:08:25,650 (西郷)では 姫様は…? 78 00:08:25,650 --> 00:08:30,950 周りがそうですから 動きが取れぬご様子で…。 79 00:08:33,124 --> 00:08:38,996 今では 公方様の母君と お話しすることも ままならぬと。 80 00:08:38,996 --> 00:08:41,832 (西郷) とにかく 一刻の猶予も なりもはん。 81 00:08:41,832 --> 00:08:45,032 そのこと お伝えください。 82 00:08:48,139 --> 00:08:51,839 お殿様から 姫様あてです。 83 00:08:54,478 --> 00:08:57,478 承知いたしました。 84 00:09:04,088 --> 00:09:07,124 (島津斉彬) 「アメリカとの通商条約がなれば・ 85 00:09:07,124 --> 00:09:13,264 日本国に異人が押し寄せ 世情騒然となるは必定。・ 86 00:09:13,264 --> 00:09:17,134 人心を新たにし 一致結束すべし。・ 87 00:09:17,134 --> 00:09:21,138 まずは 将軍家を 揺るぎなきものとせん。・ 88 00:09:21,138 --> 00:09:26,938 そのためには 将軍継嗣が 何よりの大事なり」。 89 00:09:34,118 --> 00:09:41,792 (幾島)お殿様は 何と仰せです? そちが 一番分かっておろう。 90 00:09:41,792 --> 00:09:46,464 事は 公方様のお考え一つ。 91 00:09:46,464 --> 00:09:52,336 つまりは 御台様の公方様への説得に かかっておりまする。 92 00:09:52,336 --> 00:09:54,939 分かっておる。 されど…。 93 00:09:54,939 --> 00:09:59,139 事ここに至って されどではありませぬ! 94 00:10:01,479 --> 00:10:09,179 公方様に 慶喜殿とお決めいただければ それで済むこと。 95 00:10:12,490 --> 00:10:19,490 御台様も お楽になると存じまするが。 96 00:10:25,836 --> 00:10:29,507 同じ頃 摩では…。 97 00:10:29,507 --> 00:10:32,410 遠路 大儀であったな。 98 00:10:32,410 --> 00:10:34,378 (小松尚五郎)ははっ。 99 00:10:34,378 --> 00:10:37,848 吉利領内での改革の噂は聞こえておる。 100 00:10:37,848 --> 00:10:41,719 年貢を減らし 金になる余業を奨励し・ 101 00:10:41,719 --> 00:10:45,723 民の暮らしを豊かにしておるらしいな。 102 00:10:45,723 --> 00:10:51,862 以前 殿が 一人の窮民も出さぬのが 政の要だと話しておいででした。 103 00:10:51,862 --> 00:10:53,798 それを 守っているだけにございます。 104 00:10:53,798 --> 00:10:57,201 なかなか できぬことじゃ。 105 00:10:57,201 --> 00:11:01,172 そんな そちを見込んでだが…。 はい。 106 00:11:01,172 --> 00:11:06,010 家中の若侍たちの 頭となってもらいたい。 107 00:11:06,010 --> 00:11:09,310 私が… でございますか? 108 00:11:24,161 --> 00:11:26,097 それは…? 109 00:11:26,097 --> 00:11:29,033 帯刀は 小松家に代々伝わる・ 110 00:11:29,033 --> 00:11:31,502 由緒ある名と聞いた。 111 00:11:31,502 --> 00:11:36,841 清廉は 亡くなりし 清猷の一文字と・ 112 00:11:36,841 --> 00:11:40,511 そちの清廉潔白な人柄からじゃ。 113 00:11:40,511 --> 00:11:44,381 この名を そちに与える。 114 00:11:44,381 --> 00:11:48,381 は… は… はは~っ! 115 00:11:51,856 --> 00:11:58,195 よいか帯刀 事は 風雲急を告げておる。 116 00:11:58,195 --> 00:12:00,131 アメリカとの談判次第では・ 117 00:12:00,131 --> 00:12:05,831 我が摩は 真っ先に 西洋諸国の砲火を浴びるやもしれぬ。 118 00:12:07,471 --> 00:12:12,810 万が一に備え 西洋式の軍隊を編成し・ 119 00:12:12,810 --> 00:12:15,813 十分に 調練を積んでおかねばならぬ。 120 00:12:15,813 --> 00:12:21,313 そちには その任に当たってほしいのじゃ。 121 00:12:23,154 --> 00:12:27,825 身に余る大役 誠心誠意 相務めまする! 122 00:12:27,825 --> 00:12:32,125 うむ。 しかと頼むぞ。 123 00:12:43,374 --> 00:12:50,514 畏れながら… 一つだけお聞かせ願いたく存じまする。 124 00:12:50,514 --> 00:12:53,851 申してみよ。 125 00:12:53,851 --> 00:13:00,191 殿の真のねらいは… いずこに おありなのでしょうか? 126 00:13:00,191 --> 00:13:02,126 ねらい? 127 00:13:02,126 --> 00:13:09,826 一橋慶喜公を将軍とされ この国を どう変えようとお考えなのか。 128 00:13:11,802 --> 00:13:18,142 ひと言で言えば 古い幕府を壊したいのじゃ。 129 00:13:18,142 --> 00:13:21,045 幕府を…? 130 00:13:21,045 --> 00:13:28,485 有力な諸侯が 将軍のもとに結集し 朝廷を押し立て・ 131 00:13:28,485 --> 00:13:32,656 琉球を含めた新しい日本国を興す。 132 00:13:32,656 --> 00:13:38,856 因循姑息な 今の幕府 それを 一新したいのじゃ。 133 00:13:41,165 --> 00:13:43,968 では…。 134 00:13:43,968 --> 00:13:51,768 では その古い幕府においでの 御台様は… どうなるのでしょうか? 135 00:13:53,510 --> 00:14:01,118 お篤は わしが命じた任を果たすべく 将軍家に嫁いでくれた。 136 00:14:01,118 --> 00:14:05,289 この先 どんなことがあっても 悪いようにはせぬ。 137 00:14:05,289 --> 00:14:09,793 何があろうと 御台様を見捨てたりはなさらないと。 138 00:14:09,793 --> 00:14:13,493 何があろうと守る。 139 00:14:16,133 --> 00:14:20,804 そのため此度 幕府に建白書を出した。 140 00:14:20,804 --> 00:14:28,946 将軍継嗣という重大事 お篤一人に 背負わせておくわけにもゆかぬでな。 141 00:14:28,946 --> 00:14:31,015 建白書を…。 142 00:14:31,015 --> 00:14:35,653 斉彬様の建白書は 外様大名が・ 143 00:14:35,653 --> 00:14:42,526 徳川家の後継者問題に踏み込むという 極めて大胆なものでした。 144 00:14:42,526 --> 00:14:47,831 「通商は認めるべきで 条約調印はやむをえず。・ 145 00:14:47,831 --> 00:14:53,704 人心を統一し 公儀を盤石とするには 一日も早く・ 146 00:14:53,704 --> 00:14:59,843 一橋慶喜殿を 継嗣となし奉るべし」か。 147 00:14:59,843 --> 00:15:02,746 いかがお考えにございます? 148 00:15:02,746 --> 00:15:09,453 ハリスうんぬんは 表向きにて ねらいは 一橋公の推挙じゃ。 149 00:15:09,453 --> 00:15:12,489 水底に潜んでおった 島津殿が・ 150 00:15:12,489 --> 00:15:18,128 とうとう 水面に顔を出した ということでござろう。 151 00:15:18,128 --> 00:15:20,798 なるほど。 152 00:15:20,798 --> 00:15:28,472 この写しを 直ちに 大奥の滝山殿に 届けさせるがよろしい。 153 00:15:28,472 --> 00:15:33,344 我らの足場 それで固まると存ずる。 154 00:15:33,344 --> 00:15:37,147 (本寿院)摩めが…! 155 00:15:37,147 --> 00:15:44,021 ついに 本性を見せおったな。 156 00:15:44,021 --> 00:15:47,791 (滝山)いかがなさいますか? いかがも何も あったものではない! 157 00:15:47,791 --> 00:15:52,162 こそこそとやっておるなら まだ かわいげも あろうものを・ 158 00:15:52,162 --> 00:15:56,033 堂々と 建白書を差し出すなど…。 159 00:15:56,033 --> 00:16:00,504 盗っ人 猛々しいとは このことじゃ! 160 00:16:00,504 --> 00:16:03,107 ああっ。 (歌橋)本寿院様! 161 00:16:03,107 --> 00:16:05,609 こんな時に 倒れておられるか。 162 00:16:05,609 --> 00:16:11,415 万が一にも 慶喜が 公方様の跡継ぐようなことあらば・ 163 00:16:11,415 --> 00:16:17,788 御台所を殺し この私も 自害してくれるわ! 164 00:16:17,788 --> 00:16:20,457 父上様が 建白書を! 165 00:16:20,457 --> 00:16:24,795 慶喜公擁立に関わる ご意見だそうにございます。 166 00:16:24,795 --> 00:16:30,467 大藩 摩が 本音を吐いたと あちこちに騒ぎが広がっているようで。 167 00:16:30,467 --> 00:16:35,139 なぜじゃ… なぜ 今になって。 168 00:16:35,139 --> 00:16:38,175 話が 少しも進まぬからか? 169 00:16:38,175 --> 00:16:41,311 私が いつまでも ぐずぐずしているせいか? 170 00:16:41,311 --> 00:16:47,811 それで 父上様は おん自ら…。 そうなのか!? 171 00:16:54,491 --> 00:17:00,764 何にせよ これで 私たちの立場も はっきりといたしました。 172 00:17:00,764 --> 00:17:06,437 もう 逃げることも 隠れることも できませぬ。 173 00:17:06,437 --> 00:17:14,111 とにかく 後は 御台様のお働きしだいかと。 174 00:17:14,111 --> 00:17:20,984 私の… 働きしだい。 175 00:17:20,984 --> 00:17:25,456 (岩瀬忠震)神奈川と長崎のほかにも 港を開けと申すか? 176 00:17:25,456 --> 00:17:30,327 (英語で)大坂は 是非とも 必要な港です。 177 00:17:30,327 --> 00:17:35,165 アメリカとの問題は 詰めの協議が重ねられ・ 178 00:17:35,165 --> 00:17:39,937 年の瀬も押し迫った 12月29日…。 179 00:17:39,937 --> 00:17:43,307 (堀田正睦) 以上が これまでの経緯でございます。・ 180 00:17:43,307 --> 00:17:46,643 いまだ アメリカとの談判は 続いてはおりますものの・ 181 00:17:46,643 --> 00:17:52,816 かの国との貿易は やむをえぬと存じます。 182 00:17:52,816 --> 00:17:56,153 (ざわめき) 183 00:17:56,153 --> 00:17:59,490 静まれ。 (ざわめき) 184 00:17:59,490 --> 00:18:02,759 静まらぬか! 185 00:18:02,759 --> 00:18:05,459 (一同)はは~っ。 186 00:18:09,099 --> 00:18:11,034 続けよ。 187 00:18:11,034 --> 00:18:13,334 はっ! 188 00:18:19,443 --> 00:18:21,778 そうですか。 189 00:18:21,778 --> 00:18:27,918 アメリカとの交易を受け入れなければ ほかの国が 軍艦にて攻め寄せる。 190 00:18:27,918 --> 00:18:31,455 ハリスは 口を開けば そう言うておるらしい。 191 00:18:31,455 --> 00:18:35,325 運命の巡り合わせとは 皮肉なものじゃのう。 192 00:18:35,325 --> 00:18:38,128 わしのような やる気のない将軍が・ 193 00:18:38,128 --> 00:18:41,031 とんでもない時代に 居合わせてしもうたものじゃ。 194 00:18:41,031 --> 00:18:45,802 で 上様は いかが お考えなのですか? 195 00:18:45,802 --> 00:18:50,140 時が来たということやもしれぬのう。 196 00:18:50,140 --> 00:18:52,175 戦になるのを待つよりは・ 197 00:18:52,175 --> 00:18:56,013 うまく国開くやり方を 考えるべきであろうな。 198 00:18:56,013 --> 00:18:59,313 国開くやり方…。 199 00:19:01,585 --> 00:19:06,890 年が明けたら 老中の堀田が京へ行く。 京へ? 200 00:19:06,890 --> 00:19:10,761 二百何十年 閉じておった国を開くのじゃ。 201 00:19:10,761 --> 00:19:16,099 帝の お許しを賜れば 文句を言う者は おるまいと そう考えておるらしい。 202 00:19:16,099 --> 00:19:20,971 勅諚は すぐに出るはずと 自信満々に 言うておった。 203 00:19:20,971 --> 00:19:23,840 そうでしょうか…。 うん? 204 00:19:23,840 --> 00:19:29,112 天子様は 大の異人嫌いで しきりに攘夷を 唱えておいでだと 聞いています。 205 00:19:29,112 --> 00:19:33,812 事が そう容易に運ぶとは思えませんが。 206 00:19:37,454 --> 00:19:42,793 それはそうと 御台には 別の悩みが生じたようじゃな。 207 00:19:42,793 --> 00:19:44,728 別の悩み? 208 00:19:44,728 --> 00:19:48,728 摩から出された建白書は 見たぞ。 209 00:19:52,803 --> 00:20:01,311 島津の父上も いよいよ 動きださねば ならなくなったようじゃな。 210 00:20:01,311 --> 00:20:09,052 父を追い込み そこまでさせたのは 私にございます。 211 00:20:09,052 --> 00:20:14,352 御台でもあり… わしでもあるか…。 212 00:20:16,159 --> 00:20:18,495 ほれ 3じゃ。 213 00:20:18,495 --> 00:20:24,368 (幾島)公方様に 慶喜殿と お決めいただければ それで済むこと。 214 00:20:24,368 --> 00:20:31,368 御台様も お楽になると存じまするが。 215 00:20:36,847 --> 00:20:39,147 どうしたのじゃ? 216 00:20:40,717 --> 00:20:44,354 上様に お願いがございます。 217 00:20:44,354 --> 00:20:47,391 願い? 218 00:20:47,391 --> 00:20:50,691 どうか 次の将軍を…。 219 00:20:52,529 --> 00:20:57,229 慶喜殿にしては いただけませんでしょうか? 220 00:21:02,806 --> 00:21:09,806 つまり そちは 摩の父の思いに従うということじゃな? 221 00:21:15,152 --> 00:21:19,452 違います。 どう違う? 222 00:21:21,491 --> 00:21:24,191 これは…。 223 00:21:26,363 --> 00:21:30,663 これは 私の考えにございます。 224 00:21:32,502 --> 00:21:36,840 それなら あの時 わしに言ったことは どうなったのじゃ? 225 00:21:36,840 --> 00:21:42,713 慶喜より 慶福の方がふさわしい。 そちは そう言うたではないか。 226 00:21:42,713 --> 00:21:45,549 それは…。 もうよい。 227 00:21:45,549 --> 00:21:49,049 今宵は これまでじゃ。 228 00:21:56,193 --> 00:22:02,799 そなただけは 信ずるに値する女子じゃと 思うておったがな。 229 00:22:02,799 --> 00:22:21,151 ・~ 230 00:22:21,151 --> 00:22:25,021 明けて 安政5年1月8日。 231 00:22:25,021 --> 00:22:31,161 堀田様は 孝明天皇から 条約締結の許しを得るため・ 232 00:22:31,161 --> 00:22:33,861 江戸を出発。 233 00:22:35,499 --> 00:22:41,171 一方 西郷様は 斉彬様の命を受け・ 234 00:22:41,171 --> 00:22:46,510 慶喜公擁立に動いておいででした。 235 00:22:46,510 --> 00:22:52,849 (松平慶永) 堀田殿には 井伊殿の息がかかっておる。 236 00:22:52,849 --> 00:22:59,723 紀州様を将軍にとの勅諚を手にしよう という腹やもしれぬ。 237 00:22:59,723 --> 00:23:03,460 これを 何としても阻むのだ! 238 00:23:03,460 --> 00:23:06,129 (2人)ははっ。 239 00:23:06,129 --> 00:23:08,064 一方…。 240 00:23:08,064 --> 00:23:16,764 堀田殿の動きを知れば 一橋派も 京へ人を差し向けるであろう。 241 00:23:24,815 --> 00:23:34,825 この際 公家衆に顔の利く その方に 京へ 出向いてもらいたいのじゃ。・ 242 00:23:34,825 --> 00:23:40,697 関白 九条尚忠様を 味方につけさえすれば…。 243 00:23:40,697 --> 00:23:44,167 (長野義言)承知つかまつりました。 244 00:23:44,167 --> 00:23:49,167 油断だけは せぬようにな。 245 00:23:50,841 --> 00:23:54,511 開国と将軍継嗣・ 246 00:23:54,511 --> 00:24:02,211 2つの問題は こうして争いの舞台を 京へと 移していったのです。 247 00:24:07,624 --> 00:24:12,929 (村岡)こちらは 清水寺 成就院の 先のご住職で・ 248 00:24:12,929 --> 00:24:15,799 月照さんと仰せや。・ 249 00:24:15,799 --> 00:24:20,470 御所の動きを そなたに伝えるお役目を お願いしたら・ 250 00:24:20,470 --> 00:24:23,373 快う 引き受けてくれはった。 251 00:24:23,373 --> 00:24:26,810 そいはまた ありがとう存じもす。 252 00:24:26,810 --> 00:24:32,616 (月照)そちらは 摩さんのご動向を お伝えくだされ。 253 00:24:32,616 --> 00:24:38,421 それをまた 同志の公家衆に お伝えしますよって。 254 00:24:38,421 --> 00:24:42,826 よろしゅう お頼み申し上げもす。 255 00:24:42,826 --> 00:24:46,126 こちらこそ。 256 00:24:49,499 --> 00:24:57,499 2月 京に着いた堀田様は 早速 朝廷の役人と会見。 257 00:24:59,175 --> 00:25:01,778 和親交易の措置は 当然のこと。 258 00:25:01,778 --> 00:25:08,478 条約の一件 速やかに お許しを賜りたく 存じ奉りまする。 259 00:25:10,120 --> 00:25:17,120 しかし その反応は はかばかしいものでは ありませんでした。 260 00:25:19,796 --> 00:25:25,669 (鷹司政通)幕府の者たちは 通商 やむをえずと申しております。 261 00:25:25,669 --> 00:25:31,408 通商は まかりならぬと 前から 言うておるはず。 262 00:25:31,408 --> 00:25:36,813 あくまで拒絶すれば 異国との戦に なりかねないとのことにございますが。 263 00:25:36,813 --> 00:25:42,619 武力の差は 歴然としたものだと 聞いております。 264 00:25:42,619 --> 00:25:47,457 我が代で 夷狄を受け入れ・ 265 00:25:47,457 --> 00:25:51,962 神国の土を 汚すようなことあらば・ 266 00:25:51,962 --> 00:26:00,503 皇祖皇宗に対し奉り 申し訳が立たぬ。 267 00:26:00,503 --> 00:26:05,775 すぐには うなずかぬのが 朝廷というもの。 268 00:26:05,775 --> 00:26:08,111 もったいぶるのは いつものことじゃ。 269 00:26:08,111 --> 00:26:12,111 しかし 帝が 深くお悩みだとか。 270 00:26:14,784 --> 00:26:18,121 (家臣)越前公より 使いの者が参っております。 271 00:26:18,121 --> 00:26:21,024 越前公? 272 00:26:21,024 --> 00:26:26,463 (橋本左内)堀田様が 条約勅許を 得られるよう 我々も尽力いたします。 273 00:26:26,463 --> 00:26:29,132 それが 我が殿の願いにて。 274 00:26:29,132 --> 00:26:31,067 なんと…。 275 00:26:31,067 --> 00:26:33,470 そのかわりと申しますか…・ 276 00:26:33,470 --> 00:26:35,505 堀田様には 是非・ 277 00:26:35,505 --> 00:26:43,305 一橋慶喜様を 将軍継嗣として ご推挙いただきたいと存じもす。 278 00:26:49,652 --> 00:26:56,326 こちらの西郷さんが 次の将軍を 早うお決めなはれいう・ 279 00:26:56,326 --> 00:26:59,229 勅諚を賜りたいと言うてはんのですわ。 280 00:26:59,229 --> 00:27:07,904 そん中に 英明 人望 年長の3件を 備えた者を選ぶべしという一文を・ 281 00:27:07,904 --> 00:27:10,273 盛り込んで いただきたいのでございもす。 282 00:27:10,273 --> 00:27:12,609 なるほどなあ。 283 00:27:12,609 --> 00:27:21,109 年長というと 一橋の慶喜さんいうことになるわけや。 284 00:27:23,319 --> 00:27:31,019 既に 堀田老中には 一橋様を ご推挙いただくことになっておりもす。 285 00:27:32,996 --> 00:27:38,696 まあ やるだけ やってみまひょ。 286 00:27:47,444 --> 00:27:49,379 (せきばらい) 287 00:27:49,379 --> 00:27:53,817 次に 公方さんのお世継ぎのことやけど…。 288 00:27:53,817 --> 00:28:01,817 それは 徳川さんのことやよって 口を挟むことと違います。 289 00:28:04,427 --> 00:28:09,299 井伊様と通じている九条様の抵抗にあい・ 290 00:28:09,299 --> 00:28:17,774 将軍継嗣の問題は 朝廷が関わることではないといわれ…。 291 00:28:17,774 --> 00:28:22,645 そして 3月20日。 292 00:28:22,645 --> 00:28:28,118 朝廷は 条約を認める勅許をくださず・ 293 00:28:28,118 --> 00:28:32,789 将軍継嗣についても 一橋派が望んだ・ 294 00:28:32,789 --> 00:28:41,089 英明 人望 年長という条件を 盛り込むことはありませんでした。 295 00:28:43,800 --> 00:28:50,100 わしらは 一体 何のために 走り回ったのか…。 296 00:28:57,347 --> 00:29:00,047 殿! 297 00:29:01,751 --> 00:29:06,089 申し訳ございもはん! 298 00:29:06,089 --> 00:29:08,758 西郷さん…。 299 00:29:08,758 --> 00:29:12,629 殿! 300 00:29:12,629 --> 00:29:18,629 殿! 301 00:29:24,307 --> 00:29:31,781 公方様の座を巡る争いは 一橋派の負けということでしょうか? 302 00:29:31,781 --> 00:29:36,119 いや そうとも言えぬ。 303 00:29:36,119 --> 00:29:41,291 御三家以下 諸大名が議論した上で 奏上せよとは・ 304 00:29:41,291 --> 00:29:45,461 外様の考えも聞けということ。 305 00:29:45,461 --> 00:29:52,802 一橋派が 朝廷に深く食い込んでおる証しじゃ。 306 00:29:52,802 --> 00:29:56,306 一方 ここ摩では…。 307 00:29:56,306 --> 00:30:01,806 どうじゃ 軍備の方は進んでおるか? はい。 308 00:30:03,813 --> 00:30:10,320 ただ本日は 殿にお尋ねしたき儀があり 参上つかまつりました。 309 00:30:10,320 --> 00:30:13,356 申してみよ。 310 00:30:13,356 --> 00:30:17,493 先般の殿の建白書を 拝読つかまつりました。 311 00:30:17,493 --> 00:30:20,830 そうか。 それで? 312 00:30:20,830 --> 00:30:22,832 あれでは その…・ 313 00:30:22,832 --> 00:30:27,704 御台様が 追い詰められて しまわれるのでは ないでしょうか? 314 00:30:27,704 --> 00:30:32,175 そうかもしれぬのう。 315 00:30:32,175 --> 00:30:37,875 では殿は そのことをご承知の上で 建白書を お出しになったのでしょうか? 316 00:30:42,185 --> 00:30:48,485 分かっていたとも いなかったとも言える。 317 00:30:50,059 --> 00:30:56,733 何があろうと… 御台様を守ると 殿は仰せでした。 318 00:30:56,733 --> 00:31:02,472 されど やっておられることは それと 逆ではないのですか!? 319 00:31:02,472 --> 00:31:07,644 私は これまで 殿を信じ 殿のために生きてまいりました。 320 00:31:07,644 --> 00:31:09,644 けれど 今…。 321 00:31:11,814 --> 00:31:14,717 その思いが ぐらついております。 322 00:31:14,717 --> 00:31:17,487 帯刀…。 323 00:31:17,487 --> 00:31:20,787 苦しゅうございます。 324 00:31:23,159 --> 00:31:26,459 苦しゅうございます。 325 00:31:30,033 --> 00:31:36,706 一橋派が敗れたとはいうても これで しまいではございません。 326 00:31:36,706 --> 00:31:43,006 これから。 すべては これからにございます。 327 00:31:48,851 --> 00:31:52,151 そうじゃのう。 328 00:31:56,359 --> 00:32:03,466 何よりも 慶喜様を 公方様に お薦めいただいたこと。 329 00:32:03,466 --> 00:32:08,805 摩のお父上も どれほどお喜びか。 330 00:32:08,805 --> 00:32:13,105 この幾島も うれしゅうございます。 331 00:32:14,677 --> 00:32:19,515 どうか 次の将軍を… 慶喜殿にしては いただけませんでしょうか? 332 00:32:19,515 --> 00:32:23,152 これは 私の考えにございます。 333 00:32:23,152 --> 00:32:28,852 そなただけは 信ずるに値する女子じゃと 思うておったがな。 334 00:32:31,494 --> 00:32:34,494 御台様。 335 00:32:40,837 --> 00:32:44,707 (初瀬)公方様が 御台様をお呼びでございますが。 336 00:32:44,707 --> 00:32:47,176 上様が? 337 00:32:47,176 --> 00:32:57,186 ・~ 338 00:32:57,186 --> 00:32:59,886 ・失礼いたします。 339 00:33:08,464 --> 00:33:12,464 入れ。 はい。 340 00:33:49,839 --> 00:33:56,179 やはり 条約締結のお許しは 出なかったそうじゃ。 341 00:33:56,179 --> 00:33:59,081 存じております。 342 00:33:59,081 --> 00:34:03,781 やはり 御台の言うておったとおりに なったのう。 343 00:34:14,464 --> 00:34:19,135 この一件は これから どうなっていくのでしょうか? 344 00:34:19,135 --> 00:34:23,806 まずは 条約への調印を 日延べしなければならぬ。 345 00:34:23,806 --> 00:34:26,709 ハリスは 幕府で らちが明かぬのなら・ 346 00:34:26,709 --> 00:34:30,146 京の帝に会わせろと いきまいておるそうじゃ。 347 00:34:30,146 --> 00:34:32,081 帝に!? 348 00:34:32,081 --> 00:34:36,319 このままでは わしから アメリカのプレジデントにあてて・ 349 00:34:36,319 --> 00:34:40,519 日延べを願う 親書を書くことになるやもしれぬ。 350 00:34:42,825 --> 00:34:47,330 ハリスとの談判の記録を取り寄せて 読みましたが…。 351 00:34:47,330 --> 00:34:52,502 そんなものを読んだのか。 はい。 興味がありましたゆえ。 352 00:34:52,502 --> 00:34:54,437 うむ それで? 353 00:34:54,437 --> 00:34:59,976 考えさせられることが たくさんありました。 例えば? 354 00:34:59,976 --> 00:35:04,814 鎖国は 世界の敵であるとか 一隻の軍艦も伴わずに・ 355 00:35:04,814 --> 00:35:10,453 単身やって来た自分との平和な談判を 拒むべきではないとか…。 356 00:35:10,453 --> 00:35:15,291 日本人が 器用で勤勉なことまで 知っているのにも 驚きました。 357 00:35:15,291 --> 00:35:17,491 確かに。 358 00:35:19,128 --> 00:35:26,128 私は この時代に生まれて 幸せだと思いました。 359 00:35:27,803 --> 00:35:31,641 幸せじゃと? はい。 360 00:35:31,641 --> 00:35:35,811 異国のものに触れることが できるからでございます。 361 00:35:35,811 --> 00:35:41,150 ということは つまり御台は 国を開けと申しておるのじゃな? 362 00:35:41,150 --> 00:35:45,955 はい。 前に 上様が おっしゃっていたように・ 363 00:35:45,955 --> 00:35:50,793 そうした時が やって来たと思うからでございます。 364 00:35:50,793 --> 00:35:53,329 時か…。 365 00:35:53,329 --> 00:35:56,966 そして どの国でもよい。 366 00:35:56,966 --> 00:36:02,772 それぞれが それぞれの よきところを認め合い 助け合う。 367 00:36:02,772 --> 00:36:07,109 そのようになってほしいと思います。 368 00:36:07,109 --> 00:36:12,448 人と人との仲と 同じように。 369 00:36:12,448 --> 00:36:15,785 まことに そのとおりじゃのう…。 370 00:36:15,785 --> 00:36:21,485 じゃが それが分からぬ ばかどもが 多いのじゃ。 371 00:36:28,364 --> 00:36:33,803 それはそうと そちも大変なことになったのう。 372 00:36:33,803 --> 00:36:35,738 えっ? 373 00:36:35,738 --> 00:36:40,038 京では 一橋派が負けた というではないか。 374 00:36:43,813 --> 00:36:46,513 その…。 せんだって…。 375 00:36:49,151 --> 00:36:53,151 何じゃ? 上様から…。 376 00:36:55,024 --> 00:37:00,162 せんだっては すまなかったと 思ってのう。 377 00:37:00,162 --> 00:37:02,098 えっ? 378 00:37:02,098 --> 00:37:08,971 そちの立場を考えれば 摩の父に味方するのは当然のこと。 379 00:37:08,971 --> 00:37:14,110 それを あのような きつい言い方をしてしまった。 380 00:37:14,110 --> 00:37:16,810 許せ。 381 00:37:18,447 --> 00:37:23,786 申し訳ないのは 私の方にございます。 382 00:37:23,786 --> 00:37:27,456 私は 上様のお気持ちよりも・ 383 00:37:27,456 --> 00:37:32,795 自分の言い分の方を通そうとしました。 384 00:37:32,795 --> 00:37:35,698 それも…。 385 00:37:35,698 --> 00:37:40,698 自分の気持ちに… うそをついて。 386 00:37:42,471 --> 00:37:45,141 うそ? 387 00:37:45,141 --> 00:37:48,477 私は 正直 分からぬのです。 388 00:37:48,477 --> 00:37:52,815 慶喜殿か 慶福殿か…。 389 00:37:52,815 --> 00:37:56,318 ハハハハハハハ! 390 00:37:56,318 --> 00:37:59,155 御台らしく なってきたのう。 391 00:37:59,155 --> 00:38:03,155 おお 餅も膨れてきた。 392 00:38:08,831 --> 00:38:12,631 ほれ 食してみよ。 393 00:38:16,906 --> 00:38:19,106 どうした? 394 00:38:22,111 --> 00:38:26,982 私は 決めました。 決めた? 395 00:38:26,982 --> 00:38:33,122 私は 私の心に従います。 396 00:38:33,122 --> 00:38:37,626 慶喜殿か 慶福殿か どちらか分からぬなら・ 397 00:38:37,626 --> 00:38:41,130 どちらを推すことも いっそ やめまする。 398 00:38:41,130 --> 00:38:44,800 父を裏切ることとなってもか? 399 00:38:44,800 --> 00:38:48,137 裏切るのではありません。 400 00:38:48,137 --> 00:38:51,807 そうかの。 401 00:38:51,807 --> 00:38:55,507 私の中では そうなのです。 402 00:39:00,616 --> 00:39:03,616 そうなのです。 403 00:39:06,255 --> 00:39:08,758 分かった。 404 00:39:08,758 --> 00:39:13,758 とにかく餅を食べよ。 かたくなってしまうではないか。 405 00:39:15,431 --> 00:39:18,131 はい。 406 00:39:26,776 --> 00:39:29,111 うまいか? 407 00:39:29,111 --> 00:39:32,014 おいしゅうございます。 408 00:39:32,014 --> 00:39:36,285 あつ… これは 熱くてうまいのう。 409 00:39:36,285 --> 00:39:39,121 はい。 アハハハハ…。 410 00:39:39,121 --> 00:39:54,821 ・~ 411 00:39:56,472 --> 00:40:00,643 もし 生まれ変わることが できるとしたら…・ 412 00:40:00,643 --> 00:40:03,145 そちは 何になりたい? 413 00:40:03,145 --> 00:40:06,816 生まれ変われたらですか? 414 00:40:06,816 --> 00:40:09,116 そうじゃ。 415 00:40:11,153 --> 00:40:14,853 生まれ変われたら…。 416 00:40:16,492 --> 00:40:19,192 わしはのう…。 417 00:40:20,830 --> 00:40:25,130 人間でないものなら 何でもよいわ。 418 00:40:27,169 --> 00:40:31,040 人でないもの? 419 00:40:31,040 --> 00:40:36,512 そうじゃ 鳥じゃ。 鳥にしよう。 420 00:40:36,512 --> 00:40:41,812 好きな時に 好きなところへ 飛んでいける鳥じゃ。 421 00:40:45,521 --> 00:40:48,221 私は…。 422 00:40:49,859 --> 00:40:54,363 私のままで いとうございます。 423 00:40:54,363 --> 00:40:57,399 そちらしいのう。 424 00:40:57,399 --> 00:41:00,399 それに…。 425 00:41:02,104 --> 00:41:04,807 何じゃ。 426 00:41:04,807 --> 00:41:08,310 いえ 何でもありません。 427 00:41:08,310 --> 00:41:11,814 何じゃ 言うてみよ。 何でもありません。 428 00:41:11,814 --> 00:41:13,816 何じゃ。 何でもありません。 429 00:41:13,816 --> 00:41:16,016 言うてみよと…。 430 00:41:24,159 --> 00:41:28,030 疲れた。 寝るぞ。 431 00:41:28,030 --> 00:41:42,845 ・~ 432 00:41:42,845 --> 00:41:45,347 何をするのじゃ…。 433 00:41:45,347 --> 00:41:48,250 これ…。 434 00:41:48,250 --> 00:41:50,450 やめよ。 435 00:41:54,857 --> 00:41:58,727 申し訳ございませぬ。 436 00:41:58,727 --> 00:42:10,806 ・~ 437 00:42:10,806 --> 00:42:15,477 私は 私でよいのです。 438 00:42:15,477 --> 00:42:18,177 でなければ…。 439 00:42:20,149 --> 00:42:24,449 あなた様に お会いできませんでした。 440 00:42:31,160 --> 00:42:33,829 私は 徳川の人間じゃ。 441 00:42:33,829 --> 00:42:35,764 井伊を大老にですと? 442 00:42:35,764 --> 00:42:39,635 徳川将軍家を 守りぬかねばなりませぬ。 443 00:42:39,635 --> 00:42:42,838 守ってやることができる。 わしの家族をな。 444 00:42:42,838 --> 00:42:45,741 家族…。 私の望みは それだけにございます。 445 00:42:45,741 --> 00:42:49,611 お控えなされ! 日本国は 大変なことになるかもしれん。 446 00:42:49,611 --> 00:42:53,849 わしのような 男の妻となったこと 後悔はないか? 447 00:42:53,849 --> 00:42:58,187 ございません。 なりませぬ。 御台様! 448 00:42:58,187 --> 00:43:00,487 扉を開けよ。 449 00:43:02,057 --> 00:43:04,460 <京都府京都市。・ 450 00:43:04,460 --> 00:43:11,333 清水寺は 将軍 家定の跡継ぎ争いで 一橋慶喜の擁立に動いた・ 451 00:43:11,333 --> 00:43:14,633 僧 月照ゆかりの寺です> 452 00:43:17,473 --> 00:43:20,376 <境内にある成就院。・ 453 00:43:20,376 --> 00:43:28,076 天保6年 1835年。 月照は この院の住職となりました> 454 00:43:31,820 --> 00:43:35,491 <清水寺にほど近い 清閑寺には・ 455 00:43:35,491 --> 00:43:39,361 月照が 西郷隆盛と 議論を交わしたと伝わる・ 456 00:43:39,361 --> 00:43:42,061 茶屋の跡が残ります> 457 00:43:44,833 --> 00:43:49,972 <御所の隣には 摩藩と関係の深い公家・ 458 00:43:49,972 --> 00:43:53,172 近衛家の屋敷がありました> 459 00:43:54,810 --> 00:43:59,515 <和歌を好んだ月照は 近衛忠熙の弟子となり・ 460 00:43:59,515 --> 00:44:02,515 関係を深めていきます> 461 00:44:04,119 --> 00:44:09,458 <慶喜を将軍に推すべく奔走した 月照。・ 462 00:44:09,458 --> 00:44:15,330 やがて 安政の大獄で 京を追われることになるのです> 463 00:44:15,330 --> 00:44:25,630 ・~