1 00:00:03,829 --> 00:00:07,232 <摩藩主 島津斉興には➡ 2 00:00:07,232 --> 00:00:11,103 正室の子 斉彬と 側室 お由羅の子➡ 3 00:00:11,103 --> 00:00:13,105 忠教がいました> 4 00:00:13,105 --> 00:00:19,578 (島津斉興)誰が譲るか 斉彬なんかに。 5 00:00:19,578 --> 00:00:24,449 <斉興と お由羅は 忠教を次期当主にと 画策。➡ 6 00:00:24,449 --> 00:00:28,753 一方 藩内では 斉彬を支持する者もいました。➡ 7 00:00:28,753 --> 00:00:32,624 その動きを察知した斉興は 反対派を粛清。➡ 8 00:00:32,624 --> 00:00:35,527 世に言う お由羅騒動が起こります> 9 00:00:35,527 --> 00:00:39,464 切腹じゃ! ことごとく 切腹を命じよ! 10 00:00:39,464 --> 00:00:42,934 (島津忠剛) 我が家とて どんなお沙汰が下るか➡ 11 00:00:42,934 --> 00:00:44,870 皆目 見当もついておらんのじゃ。 12 00:00:44,870 --> 00:00:49,274 <この騒ぎは 摩藩全体を 大きく揺るがし➡ 13 00:00:49,274 --> 00:00:54,146 それは 大久保家という下級藩士にまで 及ぶことになるのです> 14 00:00:54,146 --> 00:00:58,617 (於一)いかなる訳があろうとも 同じ家中の者同士が 殺し合うなんて➡ 15 00:00:58,617 --> 00:01:01,887 そんなの おかしい。 おかしいと思います! 16 00:01:01,887 --> 00:01:15,901 ♬~(テーマ音楽) 17 00:01:15,901 --> 00:03:45,601 ♬~ 18 00:03:53,925 --> 00:04:00,598 ≪(忠剛)「高崎温恭 切腹。 名越時政 遠島。➡ 19 00:04:00,598 --> 00:04:06,871 島津久武!? 江戸詰めの家老までが切腹とは…。 20 00:04:06,871 --> 00:04:12,744 (お幸)総勢50人のご処分ですか…。 21 00:04:12,744 --> 00:04:17,882 まさに 根こそぎじゃな…。 (せきこみ) 22 00:04:17,882 --> 00:04:21,553 ≪(お幸)大丈夫でございますか!? 殿! 23 00:04:21,553 --> 00:04:26,253 父上! 大丈夫じゃ。 24 00:04:27,892 --> 00:04:31,763 父上 此度のご処分は? 25 00:04:31,763 --> 00:04:35,463 子供の立ち入ることではない! 26 00:04:42,240 --> 00:04:47,412 (肝付尚五郎)要するに 此度のことは 斉興様のご側室 お由羅様が➡ 27 00:04:47,412 --> 00:04:51,583 お子の忠教様を跡継ぎにと望んだのが そもそもの始まりです。 28 00:04:51,583 --> 00:04:54,486 ご嫡男の斉彬様 それに対し➡ 29 00:04:54,486 --> 00:04:56,454 お由羅様に従う一派。 30 00:04:56,454 --> 00:05:00,258 この2つに 家中が割れてしまったのだそうです。 31 00:05:00,258 --> 00:05:02,193 なるほど…。 32 00:05:02,193 --> 00:05:06,531 で 当の忠教様は どうされているのですか? 33 00:05:06,531 --> 00:05:09,567 今は 表には ほとんど お出にならずに➡ 34 00:05:09,567 --> 00:05:12,767 学問に打ち込まれておいでだそうです。 35 00:05:20,545 --> 00:05:23,845 あっ 早く! は… はい! 36 00:05:35,093 --> 00:05:38,793 (菊本)お菓子にございます。 37 00:05:42,801 --> 00:05:48,907 これで いかがですか? なるほど。 そう きますか。 38 00:05:48,907 --> 00:05:52,907 どうぞ…。 はっ 頂きます。 39 00:05:55,780 --> 00:05:59,080 菊本。 はい。 40 00:06:00,919 --> 00:06:03,521 お茶のお代わりじゃ。 41 00:06:03,521 --> 00:06:05,821 はい…。 42 00:06:16,100 --> 00:06:19,871 それで? はい? 43 00:06:19,871 --> 00:06:22,207 こそこそと? 44 00:06:22,207 --> 00:06:27,378 はい。 ご本人は 囲碁と見せかけておられますが➡ 45 00:06:27,378 --> 00:06:33,184 此度の一件について いろいろと問い尋ねておられるご様子。 46 00:06:33,184 --> 00:06:38,556 そうか…。 姫様は 嫁入り前にございます。 47 00:06:38,556 --> 00:06:41,593 そうでなくとも もう16。 48 00:06:41,593 --> 00:06:45,430 お心づもりが 大切な時だというに…。 49 00:06:45,430 --> 00:06:48,900 於一は 知りたいのであろう。 50 00:06:48,900 --> 00:06:52,570 何事も事実を知りたがる子です。 51 00:06:52,570 --> 00:06:55,240 姫様が そのようなことを お知りになって➡ 52 00:06:55,240 --> 00:07:00,111 どうなされるというのでしょう。 そうじゃのう…。 53 00:07:00,111 --> 00:07:02,981 大久保正助さん? 54 00:07:02,981 --> 00:07:05,683 西郷吉之助さんのお仲間です。 55 00:07:05,683 --> 00:07:11,189 その方も 此度の一件で お役を免ぜられ 謹慎の身となりました。 56 00:07:11,189 --> 00:07:15,527 父上は 重罪とされ 喜界島に島流しのご処分。 57 00:07:15,527 --> 00:07:19,864 一家は 働き手を失ってしまいました。 58 00:07:19,864 --> 00:07:22,564 どうなさったのですか? 59 00:07:24,202 --> 00:07:30,542 尚五郎さんは そういう方たちと おつきあいなされてるのですか? 60 00:07:30,542 --> 00:07:32,577 何とでも おっしゃってください。 61 00:07:32,577 --> 00:07:35,013 家格は違えど 私は私なりの信念を持って…。 62 00:07:35,013 --> 00:07:37,382 すばらしいと思います。 63 00:07:37,382 --> 00:07:41,886 私 そういう考えの持てる あなたを 尊敬します。 64 00:07:41,886 --> 00:07:46,391 いや… 尊敬などと そんな…。 65 00:07:46,391 --> 00:07:50,562 ただ 親兄弟にも このことは言うわけにはいかず…。 66 00:07:50,562 --> 00:07:55,033 分かっています。 内緒ですよね。 67 00:07:55,033 --> 00:07:57,033 はい。 68 00:08:04,509 --> 00:08:10,209 で どんな方たちなのですか? その方たちは。 69 00:08:11,849 --> 00:08:14,686 それこそ すばらしい人ばかりです。 70 00:08:14,686 --> 00:08:19,524 話を聞いているだけで 私の境遇では 知りえないことを学べるというか…。 71 00:08:19,524 --> 00:08:24,395 へえ…。 だからこそ 大久保さんの一家が気の毒で。 72 00:08:24,395 --> 00:08:27,265 ご処分のために 暮らしは成り立たず➡ 73 00:08:27,265 --> 00:08:30,234 お母上と2人の妹さんとで➡ 74 00:08:30,234 --> 00:08:34,734 内職などして 貧しさに耐えておいでなのですから。 75 00:08:37,875 --> 00:08:41,575 今日も これから 見舞いに参ろうと思っています。 76 00:08:48,886 --> 00:08:51,186 (女中)おかしい…。 77 00:08:52,757 --> 00:08:55,057 おかしい…。 78 00:08:57,562 --> 00:09:01,032 おかしい…。 どうなさいました? 79 00:09:01,032 --> 00:09:05,036 おかしい…。 80 00:09:05,036 --> 00:09:10,708 菊本様! カツオが どこかに 消えてしまいましたが。 81 00:09:10,708 --> 00:09:13,008 こっちは 姫様が消えたとじゃ! 82 00:09:16,514 --> 00:09:21,814 なぜ 於一殿が 一緒に行くのですか? お見舞いです。 83 00:09:25,523 --> 00:09:29,193 まさか 於一殿…。 何ですか? 84 00:09:29,193 --> 00:09:32,530 面白がっておいでなのでは ないでしょうね? 85 00:09:32,530 --> 00:09:35,566 無礼な! 私は 同じ摩の人間として➡ 86 00:09:35,566 --> 00:09:39,704 大久保殿を励ましたく 訪ねようとしているのではありませんか! 87 00:09:39,704 --> 00:09:43,504 こ… これは 失礼いたしました。 88 00:09:47,211 --> 00:09:50,548 すいません。 このような時に お訪ねして。 89 00:09:50,548 --> 00:09:55,420 謹慎とはいえ 話くらいは できるのではないかと思いまして。 90 00:09:55,420 --> 00:09:58,222 ありがたかお申し出ながら➡ 91 00:09:58,222 --> 00:10:01,893 万が一 肝付様に 累が及ぶようなことがあれば…。 92 00:10:01,893 --> 00:10:03,828 心配には及びません。 93 00:10:03,828 --> 00:10:07,565 しかし…。 何か? 94 00:10:07,565 --> 00:10:12,236 実は 今日は 1人ではないのです。 95 00:10:12,236 --> 00:10:14,236 はあ? 96 00:10:25,583 --> 00:10:29,283 (足音) 97 00:10:30,922 --> 00:10:36,222 西郷さん… 西郷吉之助さん! 98 00:10:37,795 --> 00:10:42,934 こいは 今和泉の姫君様 そん節は 大変ご無礼いたしました。 99 00:10:42,934 --> 00:10:46,270 こちらこそ。 はっ。 100 00:10:46,270 --> 00:10:51,142 それにしても なぜ こんな所へ? 101 00:10:51,142 --> 00:10:53,444 (尚五郎)於一殿! 102 00:10:53,444 --> 00:10:56,781 お待たせしまし…。 103 00:10:56,781 --> 00:11:00,952 今和泉の姫君様!? 104 00:11:00,952 --> 00:11:03,952 初めまして。 105 00:11:08,226 --> 00:11:13,564 じゃっどん… 姫様ともあろうお方が 何故 こんな所へ? 106 00:11:13,564 --> 00:11:15,500 そこなんですが…。 107 00:11:15,500 --> 00:11:18,436 どうしても 連れてきてほしかったのです。 108 00:11:18,436 --> 00:11:21,436 お見舞いが申し上げたくて。 109 00:11:25,176 --> 00:11:28,579 おつらい毎日でございましょうが➡ 110 00:11:28,579 --> 00:11:34,252 お心を強く過ごされるよう 願っておりまする。 111 00:11:34,252 --> 00:11:37,922 はは~。 112 00:11:37,922 --> 00:11:44,262 これは つまらぬものですが 皆様で 召し上がってください。 113 00:11:44,262 --> 00:11:47,932 このようなものを頂きましては…。 114 00:11:47,932 --> 00:11:51,269 ほんの気持ちです。 どうぞ。 115 00:11:51,269 --> 00:11:56,569 そいなら ありがたく ちょうだいいたします。 116 00:11:58,142 --> 00:12:03,848 あの… 大久保殿は どちらに? あっ そちらです。 117 00:12:03,848 --> 00:12:16,894 ♬~ 118 00:12:16,894 --> 00:12:19,894 失礼いたします。 119 00:12:29,240 --> 00:12:33,911 初めまして 一と申します。 120 00:12:33,911 --> 00:12:37,782 この度の つらいお立場 お察しいたします。 121 00:12:37,782 --> 00:12:43,482 一日も早く 謹慎の解けることを 祈っております。 122 00:12:48,259 --> 00:12:51,259 皆さん どうぞ。 123 00:12:56,133 --> 00:12:58,833 さあ どうぞ。 124 00:13:18,556 --> 00:13:21,256 失礼します。 125 00:13:31,135 --> 00:13:36,407 どうぞ。 いや 某は 謹慎の身にて…。 126 00:13:36,407 --> 00:13:40,244 私の父も 同じような憂き目を 見たことがあります。 127 00:13:40,244 --> 00:13:43,748 でも 気力 体力が 尽きてはならじと➡ 128 00:13:43,748 --> 00:13:46,784 食べるものだけは しっかりと食べておりました。 129 00:13:46,784 --> 00:13:49,784 どうぞ召し上がれ。 130 00:14:00,598 --> 00:14:03,200 そうだったんですか。 131 00:14:03,200 --> 00:14:05,870 うそです。 えっ! 132 00:14:05,870 --> 00:14:08,539 ああでも言わないと 召し上がらないでしょう。 133 00:14:08,539 --> 00:14:12,877 体を こわしたら 元も子もありませんから。 134 00:14:12,877 --> 00:14:16,380 ハハハハハハ。 さあ 皆さんも 召し上がってください。 135 00:14:16,380 --> 00:14:18,883 さあ 頂きましょう! 136 00:14:18,883 --> 00:14:21,552 こいは うまそうじゃ。 137 00:14:21,552 --> 00:14:23,852 頂きましょう。 138 00:14:27,892 --> 00:14:33,230 こん度の沙汰を 私は よかことではないかと考えておるのです。 139 00:14:33,230 --> 00:14:37,568 よかこと? 大久保さんが こんな目に 遭っておいでなのにですか? 140 00:14:37,568 --> 00:14:39,503 ≪(西郷)ご老中をはじめ➡ 141 00:14:39,503 --> 00:14:44,342 江戸には 斉彬様を ご主君にと 望んでおられる方々が多いと聞きました。 142 00:14:44,342 --> 00:14:46,277 そうなのですか…。 143 00:14:46,277 --> 00:14:50,748 そげな方々が この不始末を見逃すことは まず ありますまい。 144 00:14:50,748 --> 00:14:53,784 不始末? いきなり縄をかけ➡ 145 00:14:53,784 --> 00:14:58,422 ろくな詮議もせんうちに 多くの方々に腹切らせ 遠島に処した。 146 00:14:58,422 --> 00:15:02,193 ご当主としては これ以上の過ちは なかじゃろう。 147 00:15:02,193 --> 00:15:08,866 ≪(西郷)こん度の件が 公になれば ご公儀の手は 斉興様に間違いなく伸びる。 148 00:15:08,866 --> 00:15:11,369 となれば ご当主の座も…? 149 00:15:11,369 --> 00:15:15,206 いよいよ 斉彬様の出番にございます。 150 00:15:15,206 --> 00:15:20,878 そうか…。 おいは そげん見ております。 151 00:15:20,878 --> 00:15:28,552 あの… 斉彬様とは それほど すばらしいお方なのですか? 152 00:15:28,552 --> 00:15:34,892 畏れながら 姫様 初めて お国入りなされた時➡ 153 00:15:34,892 --> 00:15:39,764 馬を駆り わずかな供と ご領内を くまなく回られ➡ 154 00:15:39,764 --> 00:15:44,235 民草の声を じかに お聞きになったそうでございます。 155 00:15:44,235 --> 00:15:46,170 その さっそうたるお姿は➡ 156 00:15:46,170 --> 00:15:51,108 今でも おいどんたちの 語りぐさとなっております。 157 00:15:51,108 --> 00:15:58,408 そうですか…。 そんなに立派なお方なのですか…。 158 00:16:07,191 --> 00:16:11,529 摩にも いろんな人がいて いろんな暮らしがあって➡ 159 00:16:11,529 --> 00:16:16,200 新しい考えや 気概や志があって…。 160 00:16:16,200 --> 00:16:20,871 西郷さんの温かさ 大久保さんの落ち着き。 161 00:16:20,871 --> 00:16:25,543 あの人たちが きっと摩を変えてくれます。 162 00:16:25,543 --> 00:16:30,414 尚五郎さんは? 私は…。 163 00:16:30,414 --> 00:16:33,884 あの方たちを 束ねてみてはどうですか? 164 00:16:33,884 --> 00:16:36,220 私がですか? はい。 165 00:16:36,220 --> 00:16:39,890 だって あの方たちの上に立たれる お家柄ですよね。 166 00:16:39,890 --> 00:16:42,393 はあ… まあ…。 167 00:16:42,393 --> 00:16:46,897 私 あの人たちと知り合えて幸せです。 168 00:16:46,897 --> 00:16:51,897 また 連れていってくださいね。 いや しかし それは…。 169 00:16:58,909 --> 00:17:04,609 あの人たちを 私が束ねる…。 170 00:17:07,184 --> 00:17:11,989 それから 半年以上がたった12月➡ 171 00:17:11,989 --> 00:17:16,827 摩でのお家騒動を重く見た 阿部老中は➡ 172 00:17:16,827 --> 00:17:22,366 斉彬様と謀って 斉興様に隠居を勧めます。 173 00:17:22,366 --> 00:17:27,238 そして これが 受け入れられないと知るや➡ 174 00:17:27,238 --> 00:17:34,078 将軍 家慶公より 斉興様に 茶器が贈られたのです。 175 00:17:34,078 --> 00:17:39,717 武家に茶器とは 隠居の最後通牒でした。 176 00:17:39,717 --> 00:17:47,217 なぜじゃ! なぜ わしが 当主の座を追われねばならぬのだ! 177 00:17:49,426 --> 00:17:57,568 斉彬め! 父である このわしを 陥れよって。 178 00:17:57,568 --> 00:18:07,178 なにも 我が忠教様が ご当主となる道が 閉ざされたわけではありませぬ。 179 00:18:07,178 --> 00:18:11,982 そちは 己の子さえ 当主になれば それでよいと申すか! 180 00:18:11,982 --> 00:18:14,051 さようなことを。 181 00:18:14,051 --> 00:18:19,523 まだまだ 殿には いていただかねばなりませぬ。 182 00:18:19,523 --> 00:18:23,823 分かっておいでのくせに…。 183 00:18:25,396 --> 00:18:30,868 お由羅騒動から8か月 嘉永4年2月➡ 184 00:18:30,868 --> 00:18:37,541 斉彬様は ようやく 摩藩主の座に おつきあそばされたのです。 185 00:18:37,541 --> 00:18:45,216 (徳川家慶)これよりは そちの人望あつき人柄をもって➡ 186 00:18:45,216 --> 00:18:47,885 皆をよく率い➡ 187 00:18:47,885 --> 00:18:56,894 他家の鑑となる治世をなすよう 願うておる。 188 00:18:56,894 --> 00:18:59,563 (島津斉彬)身に余るお言葉を ちょうだい つかまつり➡ 189 00:18:59,563 --> 00:19:04,401 斉彬 身の打ち震える思いにござりまする。 かくなる上は…。 190 00:19:04,401 --> 00:19:11,101 摩とは 江戸からどのくらいあるのじゃ? 191 00:19:14,511 --> 00:19:20,511 西も西 江戸より 440里はあろうかと。 192 00:19:26,857 --> 00:19:29,760 行き来に 何日かかるのじゃ? 193 00:19:29,760 --> 00:19:34,531 はっ。 片道50日ほど かかりましょうか。 194 00:19:34,531 --> 00:19:37,434 他家と違うて 摩は➡ 195 00:19:37,434 --> 00:19:42,206 参勤の途上は あちこちの土地を 見ることが できるわけじゃ。 196 00:19:42,206 --> 00:19:45,542 はっ そのとおりにござりまする。 197 00:19:45,542 --> 00:19:49,542 それは大いなる強みじゃの。 198 00:19:51,215 --> 00:19:55,552 ほれ…。 はっ…。 199 00:19:55,552 --> 00:20:07,164 ♬~ 200 00:20:07,164 --> 00:20:12,569 痛い… 痛いではないか! 201 00:20:12,569 --> 00:20:24,581 ♬~ 202 00:20:24,581 --> 00:20:28,252 (阿部正弘)まずは 首尾よく運びましたな。 203 00:20:28,252 --> 00:20:32,589 お二方のお力添えには お礼の言葉もござりませぬ。 204 00:20:32,589 --> 00:20:37,261 今後は ご公儀の御ためにも 身を粉にして励むつもりでおりまする。 205 00:20:37,261 --> 00:20:39,196 (伊達宗城)頼みますぞ。 206 00:20:39,196 --> 00:20:41,131 外には異国船迫り➡ 207 00:20:41,131 --> 00:20:48,272 内では 次の公方様となられる若様が あのご様子では…。 208 00:20:48,272 --> 00:20:53,610 しかしながら。 ん? 209 00:20:53,610 --> 00:20:59,083 私は 若様が ただの暗愚とも思えぬのですが。 210 00:20:59,083 --> 00:21:02,553 それはまた…。 (阿部)とにもかくにも➡ 211 00:21:02,553 --> 00:21:08,225 これからは 島津殿のお力に 正面切って頼ることできまするな。 212 00:21:08,225 --> 00:21:13,097 はっ。 さしあたっては 琉球が問題となりましょう。 213 00:21:13,097 --> 00:21:16,934 異国船は 間違いなく 琉球を足がかりとして➡ 214 00:21:16,934 --> 00:21:19,837 江戸に迫ってまいるはず。 215 00:21:19,837 --> 00:21:25,776 まずは その琉球の守りを 固めねばなりませぬ。 216 00:21:25,776 --> 00:21:31,248 斉彬様 藩主 ご就任の知らせが届いた 摩では…。 217 00:21:31,248 --> 00:21:36,920 めでたい! 実に めでたい。 218 00:21:36,920 --> 00:21:40,424 (お幸)お言いつけどおり 床を上げさせましたが➡ 219 00:21:40,424 --> 00:21:44,595 本当に もう よろしいのですか? よろしいも何も…。 220 00:21:44,595 --> 00:21:52,895 そうじゃ。 こよいは 一同打ちそろい 皆で 盛大に祝うとしよう。 のう? 221 00:21:55,606 --> 00:21:58,942 どうじゃ! うたげの支度は 進んでおるか? 222 00:21:58,942 --> 00:22:00,944 菊本様! どげんした? 223 00:22:00,944 --> 00:22:06,216 そいが 祝いにと求めた角樽の一つが なくなってしまいまして。 224 00:22:06,216 --> 00:22:09,553 タイもです。 大きいのが1尾 消えてしまいました。 225 00:22:09,553 --> 00:22:12,890 何じゃっち? (しの)菊本様! どげんした? 226 00:22:12,890 --> 00:22:18,395 (しの)それが いつの間にか 姫様のお姿が見えなくなりました。 227 00:22:18,395 --> 00:22:21,732 姫も消えたというのか…。 228 00:22:21,732 --> 00:22:23,667 (有馬新七)や~っ! 229 00:22:23,667 --> 00:22:26,036 (伊地知正治) やめてくださいよ 有馬さん。➡ 230 00:22:26,036 --> 00:22:29,406 大久保さんは いまだ謹慎中の身でおられるのですから。 231 00:22:29,406 --> 00:22:33,577 びくびくするな。 謹慎が何じゃ! 232 00:22:33,577 --> 00:22:37,247 大久保さんは 何も悪かこつはしておらんとじゃ。➡ 233 00:22:37,247 --> 00:22:39,750 堂々とすればよかとじゃ 堂々と。 234 00:22:39,750 --> 00:22:43,253 よう言うわ。 今までは 顔も見せんでおったくせに。 235 00:22:43,253 --> 00:22:46,757 斉彬様が ご当主になられた途端に 2人して 現れおって。 236 00:22:46,757 --> 00:22:52,062 うんにゃ そげんじゃなくて 母の許しが得られんかったのです。 237 00:22:52,062 --> 00:22:56,266 本来なら 親なんど斬り捨ててでも 来るべきだったんだがな。 238 00:22:56,266 --> 00:22:59,770 ざれ言じゃ。 皆 自分はかわいかもんじゃ。 239 00:22:59,770 --> 00:23:03,207 そいはなか そいはなかでしょう 西郷さん。 240 00:23:03,207 --> 00:23:07,544 ざれ言じゃ ざれ言。 ハハハハ。 241 00:23:07,544 --> 00:23:12,544 粗茶でございますが。 おかまいなく。 242 00:23:14,418 --> 00:23:19,556 あの… 肝付様なら ご存じでしょうか? 243 00:23:19,556 --> 00:23:22,459 お殿様は いつ摩に? 244 00:23:22,459 --> 00:23:25,896 ああ 父から聞いたところによると➡ 245 00:23:25,896 --> 00:23:30,767 お国入りは 4月末か 5月初めになりそうだということです。 246 00:23:30,767 --> 00:23:36,540 4月の末から5月…。 ええ。 247 00:23:36,540 --> 00:23:39,443 ようございましたな お母上。 248 00:23:39,443 --> 00:23:42,246 待ったかいがあったと言うもん。 249 00:23:42,246 --> 00:23:47,584 ありがとう。 ありがとうな 吉之助さん。 250 00:23:47,584 --> 00:23:50,254 ≪ごきげんよろしゅう! 251 00:23:50,254 --> 00:23:52,954 まさか…。 252 00:23:56,126 --> 00:24:00,764 あら 尚五郎さん いらしてたんですか。 253 00:24:00,764 --> 00:24:04,201 あなたこそ 何をしにいらしたんですか。 254 00:24:04,201 --> 00:24:06,136 お祝いです。 255 00:24:06,136 --> 00:24:13,836 お母上! お祝いのお酒とタイです。 256 00:24:16,213 --> 00:24:20,717 姫様 困ります。 ここまでのことをしていただいては。 257 00:24:20,717 --> 00:24:23,754 お気になさらないでください。 お祝いなんですから。 258 00:24:23,754 --> 00:24:26,523 でも…。 (妹たち)姫様! 259 00:24:26,523 --> 00:24:28,458 ああ お元気でしたか? 260 00:24:28,458 --> 00:24:31,428 (スマ)はい。 (ミネ)わ~! すごか タイ。 261 00:24:31,428 --> 00:24:34,231 すごか。 さばけますか? 262 00:24:34,231 --> 00:24:40,571 (ミネ)なんとか…。 でも 手が震えもす こげん立派なタイ。 263 00:24:40,571 --> 00:24:45,271 う~ん ほんのこち うまか! 264 00:24:46,910 --> 00:24:51,248 でも これで 大久保さんの謹慎も 解けますね。 265 00:24:51,248 --> 00:24:54,585 そげん願うておりますが こればかりは まだ…。 266 00:24:54,585 --> 00:24:59,256 お父上も すぐに帰ってみえますよ。 267 00:24:59,256 --> 00:25:03,860 於一殿 おうちの方には 何と言って来られたのですか? 268 00:25:03,860 --> 00:25:06,530 黙って来たに 決まっているではないですか。 269 00:25:06,530 --> 00:25:08,565 供の方も連れずにですか? 270 00:25:08,565 --> 00:25:14,065 供は まきました。 慣れてるんです 私。 271 00:25:16,540 --> 00:25:21,378 たあ~! こげな姫様が この世においでとは。 272 00:25:21,378 --> 00:25:26,717 まっこて 天衣無縫 本当に面白かお方じゃ。 273 00:25:26,717 --> 00:25:31,917 召し上がってますか? はい。 おいしく頂いております。 274 00:25:37,427 --> 00:25:39,730 これは 何ですか? 275 00:25:39,730 --> 00:25:43,230 うちわです。 内職にしております。 276 00:25:49,439 --> 00:25:54,244 これを 一つ作って いくらになるのですか? 277 00:25:54,244 --> 00:25:59,583 (スマ)10枚で1文です。 10枚で1文…。 278 00:25:59,583 --> 00:26:04,187 (ミネ)こいを 100枚作ったら 1合のお米が買えます。 279 00:26:04,187 --> 00:26:07,487 100枚…。 280 00:26:09,860 --> 00:26:12,696 肝付様。 はい。 281 00:26:12,696 --> 00:26:17,000 いっそのこと 姫様を嫁御になさったらいかがですか? 282 00:26:17,000 --> 00:26:18,935 はあ!? 嫁御!? はい。 283 00:26:18,935 --> 00:26:21,371 (大久保)そいはよか お似合いですよ。 284 00:26:21,371 --> 00:26:24,408 家柄も 釣り合いがとれておられるし。 285 00:26:24,408 --> 00:26:26,710 家柄といえば あちらが上です。 286 00:26:26,710 --> 00:26:30,881 嫁には できんのですか? そういうわけじゃないですけど…。 287 00:26:30,881 --> 00:26:32,883 そいなら よかじゃなかですか。 ちょっと待ってください。 288 00:26:32,883 --> 00:26:40,891 第一 こういうことは… あちらの気持ちも聞いてみないと。 289 00:26:40,891 --> 00:27:04,114 ♬~ 290 00:27:04,114 --> 00:27:08,351 あの お頼みしたいことがあるのですが。 291 00:27:08,351 --> 00:27:13,851 はい…。 何でございましょうか。 292 00:27:19,062 --> 00:27:24,201 これを お使いくださいませんか? 293 00:27:24,201 --> 00:27:26,536 これは? 294 00:27:26,536 --> 00:27:31,208 うちわを作っても 大したお金にならないと聞きました。 295 00:27:31,208 --> 00:27:35,078 父上をお待ちしなければならない 厳しい時です。 296 00:27:35,078 --> 00:27:37,378 せめてこれを。 297 00:27:41,218 --> 00:27:47,557 お母上? 畏れながら申し上げます。 298 00:27:47,557 --> 00:27:52,557 そいは 頂くわけにはまいりません。 299 00:27:56,900 --> 00:28:00,904 姫様のお気持ちは うれしゅうございます。 300 00:28:00,904 --> 00:28:07,404 姫様の お優しいお気持ち この胸に しかと受け止めました。 301 00:28:09,346 --> 00:28:13,183 そいどん これは 姫様の親御様が➡ 302 00:28:13,183 --> 00:28:16,520 姫様のために お買い求めになったもん。 303 00:28:16,520 --> 00:28:20,390 こげなもんを 頂くわけにはまいりません。 304 00:28:20,390 --> 00:28:24,261 よいのです。 少しでも役に立てば➡ 305 00:28:24,261 --> 00:28:27,061 これほど うれしいことはありません。 306 00:28:31,067 --> 00:28:36,206 それなら… 申し上げます。 307 00:28:36,206 --> 00:28:40,544 私どもは 物ごいではございません。 308 00:28:40,544 --> 00:28:44,014 物ごいだなんて そんな…。 309 00:28:44,014 --> 00:28:47,884 言い過ぎは お許しくださいませ。 310 00:28:47,884 --> 00:28:53,757 ただ 私どもは 微禄の者でございます。 311 00:28:53,757 --> 00:29:01,057 姫様や肝付様のようなお身分とは かけ離れた暮らしにございます。 312 00:29:04,167 --> 00:29:12,509 しかし 私どもは 己の生き方に誇りを持っております。 313 00:29:12,509 --> 00:29:18,381 今や 夫は遠島 息子は謹慎。➡ 314 00:29:18,381 --> 00:29:26,356 それでも 夫や息子の生き方を信じ 許される日を待っております。➡ 315 00:29:26,356 --> 00:29:31,995 それまで 安かうちわを 作り続けることに なったとしても➡ 316 00:29:31,995 --> 00:29:35,866 そん誇りを失うことはございません。 317 00:29:35,866 --> 00:29:41,538 そのこと 姫様に お分かり いただきたかったのでございます。 318 00:29:41,538 --> 00:29:45,008 分かっています。 分かっていますが…。 319 00:29:45,008 --> 00:29:54,217 姫様! 今日限りとさせてくださいませ。 320 00:29:54,217 --> 00:30:00,517 こちらに お越しになるのは 今日限り。 321 00:30:03,727 --> 00:30:09,532 これまでのご恩 生涯忘れることはございません。 322 00:30:09,532 --> 00:30:14,437 ほんのこて ありがとうございました。 323 00:30:14,437 --> 00:30:42,465 ♬~ 324 00:30:42,465 --> 00:30:44,765 (大久保)お待ちください。 325 00:30:46,937 --> 00:30:49,637 大久保さん。 326 00:30:53,810 --> 00:30:59,516 母をお許しください。 母には母なりの…。 327 00:30:59,516 --> 00:31:05,816 分かっています。 分かっていますから…。 328 00:31:08,892 --> 00:31:14,564 私は お二方のお心遣いを 決して忘れません。 329 00:31:14,564 --> 00:31:19,903 謹慎中の私を 災いが降りかかるのも恐れずに➡ 330 00:31:19,903 --> 00:31:28,244 幾度もお訪ねくださったのは お二方と西郷どんだけでした。➡ 331 00:31:28,244 --> 00:31:33,049 お二方と西郷どんの身に何かあった時は➡ 332 00:31:33,049 --> 00:31:37,887 この大久保 一命を賭してお助けいたします。 333 00:31:37,887 --> 00:31:42,587 そのことをお伝えしたかったので ございます。 334 00:31:45,595 --> 00:31:49,933 それでは 失礼いたします。 335 00:31:49,933 --> 00:31:59,275 ♬~ 336 00:31:59,275 --> 00:32:06,082 いい方ですね。 ええ…。 337 00:32:06,082 --> 00:32:23,782 ♬~ 338 00:32:30,907 --> 00:32:35,245 どこに行っていたのですか? 339 00:32:35,245 --> 00:32:43,586 近ごろ よく出歩いてるそうですね。 供も連れずに。 340 00:32:43,586 --> 00:32:47,886 いかなる子細あってのことですか。 341 00:32:50,260 --> 00:32:54,960 姫様 お答えなされ! 342 00:32:56,599 --> 00:32:59,599 申せませぬ。 343 00:33:03,406 --> 00:33:10,547 でも 母上に恥じるようなことは してませぬ。 344 00:33:10,547 --> 00:33:13,450 はあ…。 345 00:33:13,450 --> 00:33:25,450 母上。 誇りとは どういうものですか? 誇り… ですか。 346 00:33:27,097 --> 00:33:35,572 うん… その人を その人たらしめるもの。 347 00:33:35,572 --> 00:33:40,872 その人の生き方を 支えているものでしょうか。 348 00:33:44,581 --> 00:33:51,921 今日 私は それを傷つけました。 349 00:33:51,921 --> 00:33:58,621 ある人の誇りを 傷つけてしまいました。 350 00:34:04,200 --> 00:34:10,200 (お幸)その人は 弱い人ですか? 351 00:34:11,875 --> 00:34:20,216 いえ 一家を支え 強く生きている人です。 352 00:34:20,216 --> 00:34:27,090 ならば その人の誇りが 傷つけられることはない。 353 00:34:27,090 --> 00:34:36,232 傷つけたなどと思うのは あなたの おごりです。 354 00:34:36,232 --> 00:34:39,232 おごり…。 355 00:34:43,106 --> 00:34:46,406 そうですね…。 356 00:34:48,811 --> 00:34:51,811 そうですよね! 357 00:34:53,583 --> 00:34:58,922 私 摩に生まれてきたことを 誇りに思います。 358 00:34:58,922 --> 00:35:02,792 摩には すばらしい女子が たくさんいます。 359 00:35:02,792 --> 00:35:09,532 その人も 母上も 菊本も。 360 00:35:09,532 --> 00:35:12,832 えっ 私? 361 00:35:18,875 --> 00:35:24,547 とにかく 今日は 部屋に戻って休みなさい。 362 00:35:24,547 --> 00:35:26,883 はい。 363 00:35:26,883 --> 00:35:40,430 ♬~ 364 00:35:40,430 --> 00:35:47,203 何だか 煙に巻かれてしまったような 気もいたしますが。 365 00:35:47,203 --> 00:35:53,109 あの子も あの子なりに 学んでいるのでしょう。 366 00:35:53,109 --> 00:35:56,879 そして いつか成長し➡ 367 00:35:56,879 --> 00:36:01,584 私たちのもとを離れていくのでしょう。 368 00:36:01,584 --> 00:36:08,858 その娘を 江戸へ連れてまいる。 369 00:36:08,858 --> 00:36:16,532 それは うんと 遠い所かもしれませぬ。 370 00:36:16,532 --> 00:36:35,218 ♬~ 371 00:36:35,218 --> 00:36:40,556 3月 江戸をたたれた斉彬様は➡ 372 00:36:40,556 --> 00:36:45,428 京都の近衛家に お立ち寄りになりました。 373 00:36:45,428 --> 00:36:51,200 近衛家は 公家の名門中の名門のお家です。 374 00:36:51,200 --> 00:36:57,573 近衛家と島津家は 婚姻や養子縁組みを通じて➡ 375 00:36:57,573 --> 00:37:02,873 長年にわたって 親密な関係にありました。 376 00:37:14,057 --> 00:37:18,861 いや~ めでたいことや。 377 00:37:18,861 --> 00:37:23,733 この日を お待ちしておりましたわ。 378 00:37:23,733 --> 00:37:29,505 ご当主となられたこと まことに おめでとうございます。 379 00:37:29,505 --> 00:37:32,875 ありがとう存じまする。 380 00:37:32,875 --> 00:37:36,713 ここだけの話やけどな わし そなたさんが➡ 381 00:37:36,713 --> 00:37:40,550 ご当主になってくれはったさかい ホッとしてますのや。 382 00:37:40,550 --> 00:37:48,224 前の斉興さん。 あのお方は まあ ケチでケチで。➡ 383 00:37:48,224 --> 00:37:54,564 公家やいうても ご公儀から賜る禄は ほんのわずか。 384 00:37:54,564 --> 00:37:58,234 食べるものにも苦労する日々…。 385 00:37:58,234 --> 00:38:00,903 その辺りのことは➡ 386 00:38:00,903 --> 00:38:03,806 できるだけのことは させていただく所存にて。 387 00:38:03,806 --> 00:38:09,178 いや~ 何や催促したみたいやなあ。 ハハハハハハ。 388 00:38:09,178 --> 00:38:14,178 でも 食べ物に お困りの割には…。 389 00:38:16,853 --> 00:38:18,788 これやがな。 390 00:38:18,788 --> 00:38:21,724 なんとかしてもらえしまへんやろか 斉彬はん。 391 00:38:21,724 --> 00:38:27,024 相手が 幾島殿では 何とも。 まあ。 392 00:38:28,865 --> 00:38:35,165 斉彬様のお心は 今 摩のことで いっぱいのはず。 393 00:38:36,739 --> 00:38:44,213 向こうに帰られても 周りは お味方ばかりではないでしょうから。 394 00:38:44,213 --> 00:38:46,549 そやったな…。 395 00:38:46,549 --> 00:38:55,224 話は いろいろと聞いております。 あんじょうお頼申します。 396 00:38:55,224 --> 00:39:00,224 お言葉 痛み入りまする。 397 00:39:02,832 --> 00:39:07,703 ほな もう一服 ちょうだいしまひょか。 398 00:39:07,703 --> 00:39:17,180 ♬~ 399 00:39:17,180 --> 00:39:21,050 この幾島という近衛家の老女が➡ 400 00:39:21,050 --> 00:39:29,525 後に 於一様の人生に 大きく関わることとなるのでございます。 401 00:39:29,525 --> 00:39:33,863 そして 5月。 斉彬様は➡ 402 00:39:33,863 --> 00:39:39,863 藩主として 初のお国入りを 果たされたのでございます。 403 00:39:44,874 --> 00:39:48,744 ここから見る桜島は 格別じゃのう。 404 00:39:48,744 --> 00:39:51,647 はい。 こうしておりますと➡ 405 00:39:51,647 --> 00:39:56,447 斉彬様をお迎えした16年前のことが 思い出されます。 406 00:39:58,221 --> 00:40:04,026 あの折 奥方に授かった ややは 姫であったそうな。 407 00:40:04,026 --> 00:40:07,230 会うてみたいものじゃな。 408 00:40:07,230 --> 00:40:10,900 畏れながら 私 存じ上げております。 409 00:40:10,900 --> 00:40:13,569 大層 面白き姫君様においでで…。 410 00:40:13,569 --> 00:40:17,039 いや 面白いというか…➡ 411 00:40:17,039 --> 00:40:19,108 ん~… とてもとても➡ 412 00:40:19,108 --> 00:40:21,878 お見せできるような娘ではございません。 413 00:40:21,878 --> 00:40:24,413 名は 何と申す? 414 00:40:24,413 --> 00:40:28,751 はい。 一と書いて 一にございます。 415 00:40:28,751 --> 00:40:32,421 一か よき名じゃ。 416 00:40:32,421 --> 00:40:34,924 ハハハハハハ…。 417 00:40:34,924 --> 00:40:39,795 そのころ 於一様といえば…。 418 00:40:39,795 --> 00:40:55,611 ♬~ 419 00:40:55,611 --> 00:40:58,514 ほう 書を…。 420 00:40:58,514 --> 00:41:05,288 はい。 静かに机に向かって それは もう 姫様らしいお姿で。 421 00:41:05,288 --> 00:41:09,559 うん。 (笑い声) 422 00:41:09,559 --> 00:41:25,107 ♬~ 423 00:41:25,107 --> 00:41:35,585 姫様 どのような書ができたか 菊本にも 是非 お見せくださいませ。 424 00:41:35,585 --> 00:41:53,135 ♬~ 425 00:41:53,135 --> 00:41:55,835 姫様。 426 00:41:57,607 --> 00:41:59,942 どうじゃ? 427 00:41:59,942 --> 00:42:04,780 目をつぶっても まるで起きているようであろう。 428 00:42:04,780 --> 00:42:08,751 ひひ… 姫様! 429 00:42:08,751 --> 00:42:12,521 姫様…。 430 00:42:12,521 --> 00:42:19,895 あっ そうじゃ 兄上たちにも見せてこよう。 431 00:42:19,895 --> 00:42:28,595 斉彬様との 運命の出会いは わずか数日後に迫っておりました。 432 00:42:32,241 --> 00:42:35,745 いっそのこと お城に忍び込んだら いかがですか? 433 00:42:35,745 --> 00:42:37,680 そうか! ばかが! 434 00:42:37,680 --> 00:42:39,915 お城のことに口を挟むなと 申したであろう! 435 00:42:39,915 --> 00:42:41,851 何が起こっておるのか…。 だあっ! 436 00:42:41,851 --> 00:42:43,786 すぐに 於一を呼ぶように。 437 00:42:48,624 --> 00:42:51,260 私は 殿を信じておる。 438 00:42:51,260 --> 00:42:54,597 お殿様のために働いた方々は いまだに許されないのでしょうか? 439 00:42:54,597 --> 00:42:56,632 即刻 この国から 出ていくことじゃ。 440 00:42:56,632 --> 00:43:00,832 ≪今和泉家 於一様。 はい! 441 00:43:03,406 --> 00:43:08,878 <鹿児島県出水市は 島津家発祥の地です。➡ 442 00:43:08,878 --> 00:43:16,578 初代 忠久が 鎌倉時代に城を置き 島津家の礎を築きました> 443 00:43:20,489 --> 00:43:27,789 <感応寺には 島津家初代から五代までが 静かに眠っています> 444 00:43:33,569 --> 00:43:37,440 <出水は 肥後との国境にあることから➡ 445 00:43:37,440 --> 00:43:42,140 人や物資の往来が 厳しく取り締まられました> 446 00:43:46,582 --> 00:43:53,355 <麓と呼ばれる地域には 今も数多くの武家屋敷が残ります。➡ 447 00:43:53,355 --> 00:44:00,129 ここに 摩最強の武士団が 組織されていました。➡ 448 00:44:00,129 --> 00:44:02,998 斉彬が お国入りした時には➡ 449 00:44:02,998 --> 00:44:08,198 武士団は 盛大な侍踊りで出迎えました> 450 00:44:09,772 --> 00:44:16,545 <摩武士の足音が 今にも聞こえそうな町 出水です> 451 00:44:16,545 --> 00:44:26,845 ♬~