1 00:00:02,849 --> 00:00:06,586 (天璋院)摩が 江戸に来る!? 何をしに参るのじゃ? 2 00:00:06,586 --> 00:00:09,255 (重野)ご政道 改革のため。 3 00:00:09,255 --> 00:00:14,127 <江戸へと向かう久光と 天皇の使者である勅使は・ 4 00:00:14,127 --> 00:00:18,827 幕府への 3つの命令を 携えていました> 5 00:00:40,219 --> 00:00:45,959 <それは 久光の意向が 強く働いた内容でした。・ 6 00:00:45,959 --> 00:00:53,299 朝廷が幕府に改革を指示するという 前代未聞の事態。・ 7 00:00:53,299 --> 00:01:00,907 摩の帯刀と徳川の天璋院 2人の友情の行方は?> 8 00:01:00,907 --> 00:01:14,921 ・~(テーマ音楽) 9 00:01:14,921 --> 00:03:45,605 ・~ 10 00:03:45,605 --> 00:03:48,641 文久2年6月7日。 11 00:03:48,641 --> 00:03:55,314 久光様は 小松様や大久保様を従え ついに江戸へ。 12 00:03:55,314 --> 00:04:01,387 46歳にして 初めての江戸入りでございました。 13 00:04:01,387 --> 00:04:03,422 いよいよ来たか…。 14 00:04:03,422 --> 00:04:08,561 (滝山)兵の数は およそ500とのことにございます。 15 00:04:08,561 --> 00:04:15,334 とにかく 摩の言いなりにならぬよう くれぐれも表の者たちに伝えおくように。 16 00:04:15,334 --> 00:04:20,173 (滝山)ご老中方は どのような勅命を 突きつけられるのかと・ 17 00:04:20,173 --> 00:04:22,909 戦々恐々としております。 18 00:04:22,909 --> 00:04:25,745 そうか…。 19 00:04:25,745 --> 00:04:31,545 幕府の危機は 大奥の危機でもあるのじゃな。 20 00:04:33,252 --> 00:04:36,923 そちも 私を恨んでおろうのう。 21 00:04:36,923 --> 00:04:45,598 いえ 先日の天璋院様のお姿を拝し お気持ちは 痛いほど分かりました。 22 00:04:45,598 --> 00:04:47,533 そうか…。 23 00:04:47,533 --> 00:04:52,471 しかしながら 困ったことに 京方の皆様が…。 24 00:04:52,471 --> 00:04:54,941 京方の? 25 00:04:54,941 --> 00:05:01,214 (庭田嗣子)いや~ 勅使さんが とうとう来やはりましたな。 26 00:05:01,214 --> 00:05:07,386 (観行院)朝廷が後ろ盾になれば 幕府も強うなります。 27 00:05:07,386 --> 00:05:11,891 ということは…。 (嗣子)攘夷にも 弾みがつく。 28 00:05:11,891 --> 00:05:15,561 (2人の笑い声) 29 00:05:15,561 --> 00:05:18,861 (徳川家茂)攘夷の実行は かないますまい。 30 00:05:20,433 --> 00:05:25,238 宮さん どない おしやしたんです? 31 00:05:25,238 --> 00:05:27,907 (和宮)別に何でもない。 32 00:05:27,907 --> 00:05:30,576 (能登)お顔の色が…。 33 00:05:30,576 --> 00:05:32,912 (和宮)案ずるでない。 34 00:05:32,912 --> 00:05:35,612 失礼いたします。 35 00:05:45,491 --> 00:05:50,463 はあ… また急なお渡りですか? 36 00:05:50,463 --> 00:05:53,933 急用ゆえ ご無礼は平に…。 37 00:05:53,933 --> 00:05:56,836 何でっしゃろ? 38 00:05:56,836 --> 00:06:04,010 今 幕府は 朝廷の言いなりになるわけには まいりませぬ。 39 00:06:04,010 --> 00:06:05,945 それだけにございます。 40 00:06:05,945 --> 00:06:08,381 (観行院)なんという 不敬な! 41 00:06:08,381 --> 00:06:12,885 勅使さんが 帝の命を奉じてこられた以上・ 42 00:06:12,885 --> 00:06:15,721 それに素直に従うのが・ 43 00:06:15,721 --> 00:06:19,558 幕府の務めというもので あらしゃいましょう。 44 00:06:19,558 --> 00:06:25,731 されど まずは朝廷ではなく…・ 45 00:06:25,731 --> 00:06:28,768 摩の真意を確かめなければ…。 46 00:06:28,768 --> 00:06:35,441 摩の真意? それは もう よ~くご存じであらしゃいましょう? 47 00:06:35,441 --> 00:06:38,444 もはや 私は摩を捨てた身なれば・ 48 00:06:38,444 --> 00:06:43,049 今 摩が何を思うておるかなど まったく分かりませぬ。 49 00:06:43,049 --> 00:06:53,693 間違えんといとくれやす。 私ら 摩さんには感謝しておりますのえ。 50 00:06:53,693 --> 00:06:59,932 摩さんは 攘夷の先陣を 切ってくれたようなものですよってに。 51 00:06:59,932 --> 00:07:06,205 ありがたいことや。 はあ…。 なあ…。 52 00:07:06,205 --> 00:07:12,078 とにかく 幕府は 幕府のやり方を貫くまで。 53 00:07:12,078 --> 00:07:16,778 そのこと ご承知置きくださいませ。 54 00:07:31,897 --> 00:07:38,771 摩から 此度 江戸へ来た者たちだが…。 はい。 55 00:07:38,771 --> 00:07:41,574 その者たちの中に・ 56 00:07:41,574 --> 00:07:45,444 小松尚五郎という人物がいるかどうか 調べられるか? 57 00:07:45,444 --> 00:07:52,918 藩邸に問えば分かると存じます。 小松様にございますね? 58 00:07:52,918 --> 00:08:00,918 いや… やはりよい。 (重野)はい…。 59 00:08:03,863 --> 00:08:07,863 知ってどうなるものでもない。 60 00:08:13,205 --> 00:08:17,543 (島津久光)ここが 江戸屋敷か。 61 00:08:17,543 --> 00:08:21,213 そちは 2度目であったな。 62 00:08:21,213 --> 00:08:23,149 (小松帯刀)はい。 63 00:08:23,149 --> 00:08:26,719 わずかの間ではございましたが 懐かしゅうございます。 64 00:08:26,719 --> 00:08:28,919 ふむ。 65 00:08:35,428 --> 00:08:39,432 江戸か…。 66 00:08:39,432 --> 00:08:46,572 とうとう ここまで… 来たな! 67 00:08:46,572 --> 00:08:48,507 はい! 68 00:08:48,507 --> 00:08:54,914 そして 幕府と大原勅使との話し合いが 始まったのでした。 69 00:08:54,914 --> 00:08:57,583 勅命は 以下のとおりです。 70 00:08:57,583 --> 00:09:04,857 一つ 将軍が上洛し 国家の安泰につき 朝廷と話し合うこと。 71 00:09:04,857 --> 00:09:12,731 一つ 有力外様の諸侯より 5人の大老を選び 政に参加させること。 72 00:09:12,731 --> 00:09:21,407 一つ 一橋慶喜を 将軍後見職とし 松平春嶽を 大老とすること。 73 00:09:21,407 --> 00:09:26,712 どれもこれも無理なことと存ずる。 74 00:09:26,712 --> 00:09:31,584 将軍後見職は 職そのものを廃しました。 75 00:09:31,584 --> 00:09:37,890 勅命が出そうやから お役目を廃したんと違いますか。 76 00:09:37,890 --> 00:09:40,893 (笑い声) まさか…。 77 00:09:40,893 --> 00:09:44,563 (大原)そんなら ほかに お役目をお考えなされ! 78 00:09:44,563 --> 00:09:47,032 無理なものは 無理にござりまする。 79 00:09:47,032 --> 00:09:49,735 (板倉勝静) 無理より道理で話しましょうぞ。 80 00:09:49,735 --> 00:09:52,571 勅命を何と心得るか! 81 00:09:52,571 --> 00:09:58,244 交渉は この後も 大いに紛糾することになります。 82 00:09:58,244 --> 00:10:03,115 (家茂)朝廷が摩の求めに応じて 勅命を下されたのは・ 83 00:10:03,115 --> 00:10:08,888 帝が幕府よりも 摩を信じてらっしゃるからなのか。 84 00:10:08,888 --> 00:10:11,790 私には分かりませぬ。 85 00:10:11,790 --> 00:10:20,499 でも お上も お苦しみあそばして おられるのやもしれませぬ。 86 00:10:20,499 --> 00:10:23,499 そうか…。 87 00:10:30,943 --> 00:10:35,814 私のせいに ございますね。 そなたのせい? 88 00:10:35,814 --> 00:10:41,587 私が ここにいながら 朝廷が幕府を苦しめているのは・ 89 00:10:41,587 --> 00:10:46,959 私が 私の役割を果たしていないから。 90 00:10:46,959 --> 00:10:49,962 そなたのせいなどではない。 でも…。 91 00:10:49,962 --> 00:10:56,302 そなたに そのようなことを言わせるのが 一番つらい。 92 00:10:56,302 --> 00:10:59,602 母上様もじゃ。 93 00:11:02,908 --> 00:11:05,244 摩の行いは許せぬ。 94 00:11:05,244 --> 00:11:09,114 何としても久光殿と会い 此度のこと 問いたださねばならぬ。 95 00:11:09,114 --> 00:11:13,586 しかし 久光公は 藩主の後見役にすぎませぬ。 96 00:11:13,586 --> 00:11:19,058 城に上がり 天璋院様とお会いになるなど かなわぬことにございます。 97 00:11:19,058 --> 00:11:20,993 それは そうじゃが…。 98 00:11:20,993 --> 00:11:24,930 それに 今 摩方とお会いになられては・ 99 00:11:24,930 --> 00:11:28,734 天璋院様は 摩と通じておいでになるなどと・ 100 00:11:28,734 --> 00:11:33,272 また 噂されかねません。 101 00:11:33,272 --> 00:11:36,775 大原様は 一体 何をやっておるのか! 102 00:11:36,775 --> 00:11:39,078 小松! はっ! 103 00:11:39,078 --> 00:11:41,947 老中たちには 事を決しようとする気配が 見られません。 104 00:11:41,947 --> 00:11:45,284 時を稼げば うやむやになるとでも 考えているような…。 105 00:11:45,284 --> 00:11:49,154 手ぬるい! はっ! 106 00:11:49,154 --> 00:11:52,157 大久保。 (大久保正助)はっ。 107 00:11:52,157 --> 00:11:57,863 (久光)次は お主も出向け。 かしこまりましてございもす。 108 00:11:57,863 --> 00:12:02,234 どんな手を使ってもかまわん。 109 00:12:02,234 --> 00:12:06,905 わしが どれほどの覚悟で 江戸に来たのか・ 110 00:12:06,905 --> 00:12:12,605 それを 幕府の者どもに 見せつけてやるのだ! 111 00:12:26,592 --> 00:12:30,462 今日こそは 答えていただく。 112 00:12:30,462 --> 00:12:36,935 仰せなれど 我らにも事情がありまする。 113 00:12:36,935 --> 00:12:42,608 ・(大原)帝のご意向を ないがしろになさるおつもりか。 114 00:12:42,608 --> 00:12:48,608 ・(板倉)めっそうもない。 よくよく考えねばならぬと。 115 00:12:50,949 --> 00:12:56,822 お答えいただけぬのなら こちらにも考えが! 116 00:12:56,822 --> 00:13:14,573 ・~ 117 00:13:14,573 --> 00:13:21,914 ここから お帰りになれぬことにも…。 118 00:13:21,914 --> 00:13:31,590 ・~ 119 00:13:31,590 --> 00:13:34,059 待たれよ! 120 00:13:34,059 --> 00:13:42,559 勅命は きっと お受けいたしまする。 121 00:13:44,269 --> 00:13:51,969 ついに 幕府は 人事に関する勅命を 受け入れたのです。 122 00:13:55,280 --> 00:14:03,021 あのような… 脅すような まねまでして・ 123 00:14:03,021 --> 00:14:07,221 無理を通したことが よかったのかどうか…。 124 00:14:08,827 --> 00:14:13,232 小松様は お優しすぎもす。 125 00:14:13,232 --> 00:14:20,906 鬼にならんといかん時もありもす。 鬼? 126 00:14:20,906 --> 00:14:24,243 鬼でごわす。 127 00:14:24,243 --> 00:14:31,917 大久保さんは これが 我々の天命だと言いましたね。 128 00:14:31,917 --> 00:14:37,589 日本国を強か国にすること。 129 00:14:37,589 --> 00:14:41,589 そいが我らの天命でございもす。 130 00:14:44,363 --> 00:14:49,201 天命とは そういうものでしょうか。 131 00:14:49,201 --> 00:14:52,604 は? 132 00:14:52,604 --> 00:15:01,213 天は 人を脅したり そんなことを我らに命じるのでしょうか。 133 00:15:01,213 --> 00:15:04,913 そげなことも ありもんそ。 134 00:15:07,986 --> 00:15:15,786 私は… 納得がいきません。 135 00:15:22,501 --> 00:15:30,501 私と小松様のお考えは 違うのかもしれもはんな…。 136 00:15:38,116 --> 00:15:40,586 そして…。 137 00:15:40,586 --> 00:15:46,758 将軍後見職を命じる。 念を入れて務めい。 138 00:15:46,758 --> 00:15:48,694 (一橋慶喜)ははっ。 139 00:15:48,694 --> 00:15:54,500 勅命を受け入れ 慶喜殿を後見職にじゃと!? 140 00:15:54,500 --> 00:15:58,937 やはり 久光殿に会わねばならぬ。 141 00:15:58,937 --> 00:16:04,209 勅命を取り下げさせるのは無理でも 何らかの手を打たねば…。 142 00:16:04,209 --> 00:16:08,547 しかし… しかし どうやって。 143 00:16:08,547 --> 00:16:14,847 もうすぐ 亡き公方様の ご命日でございますね。 144 00:16:17,556 --> 00:16:20,856 ご命日…。 145 00:16:24,229 --> 00:16:28,529 滝山… でかした! 146 00:16:31,904 --> 00:16:38,577 天璋院様が わしにお会いになりたいそうじゃ。 147 00:16:38,577 --> 00:16:40,913 えっ! 148 00:16:40,913 --> 00:16:44,783 これは面白い…。 149 00:16:44,783 --> 00:16:51,256 そして 家定様のご命日である 8月8日・ 150 00:16:51,256 --> 00:16:58,597 天璋院様は 墓参りのため 寛永寺を訪れました。 151 00:16:58,597 --> 00:17:23,388 ・~ 152 00:17:23,388 --> 00:17:25,891 面を上げよ。 153 00:17:25,891 --> 00:17:28,191 ははっ。 154 00:17:34,032 --> 00:17:40,238 この度は お目通りがかない 過分なる誉れに…。 155 00:17:40,238 --> 00:17:42,908 挨拶は 要らぬ。 156 00:17:42,908 --> 00:17:44,910 は…。 157 00:17:44,910 --> 00:17:48,110 前置きも省く。 158 00:18:21,213 --> 00:18:25,550 官位も持たぬその方が 朝廷の威を借り・ 159 00:18:25,550 --> 00:18:32,424 武力をもって 幕府の政に口を出すとは どういうつもりじゃ。 160 00:18:32,424 --> 00:18:40,098 此度の江戸参府は 朝廷よりの勅使を お守りするためにございます。 161 00:18:40,098 --> 00:18:44,736 老中たちを斬ると脅し 勅命を受け取らせたとか。 162 00:18:44,736 --> 00:18:48,907 (久光)それは… 噂にすぎません。 163 00:18:48,907 --> 00:18:55,580 幕府の負け惜しみではございませぬか。 164 00:18:55,580 --> 00:19:02,854 古い政を終わらせ 異国と対峙できる強い日本国を造る。 165 00:19:02,854 --> 00:19:09,194 そのために 今の幕府を摩が変えようと決意し・ 166 00:19:09,194 --> 00:19:13,365 実行に移したまでにございます。 167 00:19:13,365 --> 00:19:19,871 朝廷も 私の考えに同意なされたゆえ 此度の勅命が…。 168 00:19:19,871 --> 00:19:24,209 朝廷の言い分を聞けば いずれ攘夷実行を持ち出される。 169 00:19:24,209 --> 00:19:27,112 それが分からぬのか! 170 00:19:27,112 --> 00:19:32,718 攘夷は 無理かと存じます。 171 00:19:32,718 --> 00:19:39,591 攘夷が無理!? それを帝に申し上げたのか? 172 00:19:39,591 --> 00:19:43,361 いいえ。 なぜじゃ? 173 00:19:43,361 --> 00:19:49,161 帝は 攘夷をお望みゆえ。 174 00:19:52,571 --> 00:20:01,046 要するに そちは朝廷に取り入るため 己の考えを隠していると。 175 00:20:01,046 --> 00:20:09,546 それは 幕府も同じではございませぬか? 176 00:20:20,265 --> 00:20:23,602 私は…。 177 00:20:23,602 --> 00:20:38,784 ・~ 178 00:20:38,784 --> 00:20:43,284 私は 摩に誇りを持ってきた。 179 00:20:50,095 --> 00:21:00,105 摩にだけは 間違った道へと進んでほしくはなかった。 180 00:21:00,105 --> 00:21:07,846 畏れながら 間違っているとは思いませぬが。 181 00:21:07,846 --> 00:21:16,421 私は 徳川家の大御台所として この国の安泰を守り抜く覚悟じゃ。 182 00:21:16,421 --> 00:21:21,621 それゆえ そちの指図は受けぬ。 183 00:21:23,195 --> 00:21:30,195 もう 会うこともなかろう。 184 00:21:34,606 --> 00:21:39,477 畏れ入り奉りましてございます。 185 00:21:39,477 --> 00:22:31,596 ・~ 186 00:22:31,596 --> 00:22:34,933 天璋院様は もはや・ 187 00:22:34,933 --> 00:22:39,804 摩の味方となってくださる おつもりは ないようじゃの。 188 00:22:39,804 --> 00:22:44,276 我々が進めようとしている改革は 間違っていないはずです。 189 00:22:44,276 --> 00:22:47,276 しかし 畏れながら…。 190 00:22:50,615 --> 00:22:54,486 力で脅したため 無用な抵抗を受け…。 191 00:22:54,486 --> 00:23:01,026 そちは 天璋院様と 友であったと申したな。 192 00:23:01,026 --> 00:23:03,895 は…。 193 00:23:03,895 --> 00:23:10,195 もう二度と 会うこともあるまい。 194 00:23:13,038 --> 00:23:16,241 は…。 195 00:23:16,241 --> 00:23:32,057 ・~ 196 00:23:32,057 --> 00:23:35,927 1人にしてくれぬか。 197 00:23:35,927 --> 00:23:39,264 承知つかまつりました。 198 00:23:39,264 --> 00:24:13,732 ・~ 199 00:24:13,732 --> 00:24:16,932 (松平春嶽)面を上げよ。 は…。 200 00:24:18,903 --> 00:24:23,575 此度の摩の建白書 面白く読ませてもらった。 201 00:24:23,575 --> 00:24:25,510 はっ。 202 00:24:25,510 --> 00:24:29,247 (家臣)失礼いたします。 勝殿が お見えですが。 203 00:24:29,247 --> 00:24:32,584 かまわぬ 通せ。 (家臣)はっ。 204 00:24:32,584 --> 00:24:36,054 (勝 麟太郎)ご無礼つかまつりまする。 205 00:24:36,054 --> 00:24:40,592 先客でしたか。 (春嶽)かまわぬ 入れ入れ。 206 00:24:40,592 --> 00:24:43,592 では 失礼して。 207 00:24:45,263 --> 00:24:51,436 此度は 政事総裁職 ご就任 祝着至極に存じます。 208 00:24:51,436 --> 00:24:58,076 うむ。 こちらは 摩の小松殿じゃ。 209 00:24:58,076 --> 00:25:00,879 改革について話しておったところじゃ。 210 00:25:00,879 --> 00:25:03,715 摩は 武力で迫り・ 211 00:25:03,715 --> 00:25:07,218 権謀術数を尽くして この国を変えようとしております。 212 00:25:07,218 --> 00:25:11,890 ご用心せねば 後々 恐ろしいことに。 213 00:25:11,890 --> 00:25:16,761 卒爾ながら 我が摩を侮辱なさるのか! 214 00:25:16,761 --> 00:25:21,032 我が摩は…。 「摩 摩」と申されますな。 215 00:25:21,032 --> 00:25:25,570 これからは 摩も徳川もござりませぬ。 216 00:25:25,570 --> 00:25:29,407 分かっています。 強い日本国を造るため・ 217 00:25:29,407 --> 00:25:33,912 異国に負けぬために…。 まあ そうお熱くならず・ 218 00:25:33,912 --> 00:25:37,782 お聞きくださいませ。 219 00:25:37,782 --> 00:25:43,922 此度 摩は 強引なやり方で 幕府の改革を迫った。 220 00:25:43,922 --> 00:25:51,622 力をちらつかせて脅した。 そんなやり方は 下の下です。 221 00:25:53,264 --> 00:25:57,264 私も…。 うん? 222 00:25:59,070 --> 00:26:02,073 此度のやり方には 納得がいっておりません。 223 00:26:02,073 --> 00:26:05,844 こりゃ 面白いことだ。 224 00:26:05,844 --> 00:26:11,549 摩の中にも こういう御仁がおいでとは。 いえ…。 225 00:26:11,549 --> 00:26:17,849 だったら どうすべきだったか。 よろしいか…。 226 00:26:19,424 --> 00:26:27,098 上等な人間てえものは 力で人は動かさねえもんです。 227 00:26:27,098 --> 00:26:30,735 では どうやって? 228 00:26:30,735 --> 00:26:36,908 心です。 心で動かすもんですよ。 229 00:26:36,908 --> 00:26:42,608 心で…。 そういうことです。 230 00:26:48,920 --> 00:26:54,920 お言葉 胸にしみました。 231 00:26:57,595 --> 00:27:01,466 本当に そうですね。 232 00:27:01,466 --> 00:27:06,404 ますます面白い。 233 00:27:06,404 --> 00:27:10,008 お名は 何といわれましたかな。 234 00:27:10,008 --> 00:27:14,212 申し遅れました。 小松帯刀と申します。 235 00:27:14,212 --> 00:27:16,247 あの そちらは? 236 00:27:16,247 --> 00:27:19,083 勝 麟太郎と申します。 237 00:27:19,083 --> 00:27:22,887 こう見えて 幕府の役人じゃ。 238 00:27:22,887 --> 00:27:27,559 幕府の…。 いや…。 239 00:27:27,559 --> 00:27:36,901 小松帯刀様 その名を忘れずにおりましょう。 240 00:27:36,901 --> 00:27:44,901 勝 麟太郎様… 私も忘れません。 241 00:27:48,513 --> 00:27:53,213 そのころ 大奥では…。 242 00:27:58,923 --> 00:28:01,526 御台様! 243 00:28:01,526 --> 00:28:04,226 宮様? 244 00:28:08,866 --> 00:28:12,166 いかがなさったのですか? 245 00:28:22,213 --> 00:28:29,954 この度の勅命のこと 心よりお詫び申し上げます。 246 00:28:29,954 --> 00:28:34,892 それは 宮様とは関わりのなきこと。 そのような…。 247 00:28:34,892 --> 00:28:41,899 私は 公武合体のため…・ 248 00:28:41,899 --> 00:28:46,771 朝廷と幕府が 一つになり この国を守っていく。 249 00:28:46,771 --> 00:28:49,641 その証しとして参りました。 250 00:28:49,641 --> 00:28:52,543 此度のことが 幕府を苦しめているのであれば…。 251 00:28:52,543 --> 00:28:57,048 それは違います。 此度は 摩です。 252 00:28:57,048 --> 00:29:03,548 すべては 我がふるさと 摩が犯せしこと。 253 00:29:06,190 --> 00:29:09,694 ふるさと…。 254 00:29:09,694 --> 00:29:14,866 ふるさとは捨てたのでした。 255 00:29:14,866 --> 00:29:23,866 私は ふるさとを捨てることなど できません。 何があろうとも。 256 00:29:27,445 --> 00:29:32,417 それは 天璋院さんも同じかと。 257 00:29:32,417 --> 00:30:00,912 ・~ 258 00:30:00,912 --> 00:30:03,247 摩と会った? 259 00:30:03,247 --> 00:30:07,418 お伝えもせず 申し訳ございませんでした。 260 00:30:07,418 --> 00:30:11,923 ただ どうしても その真意を 問いただしたかったのでございます。 261 00:30:11,923 --> 00:30:13,858 摩の真意? 262 00:30:13,858 --> 00:30:23,434 はい。 なれど 久光殿とは 物別れに終わり…。 263 00:30:23,434 --> 00:30:25,934 そうですか…。 264 00:30:29,941 --> 00:30:35,813 でも 一つだけ心残りがあるのです。 265 00:30:35,813 --> 00:30:43,488 それを果たすため 公方様のお力添えを 頂きたいのでございます。 266 00:30:43,488 --> 00:30:58,970 ・~ 267 00:30:58,970 --> 00:31:01,270 まさか…。 268 00:31:32,270 --> 00:31:34,605 小松殿。 269 00:31:34,605 --> 00:31:37,275 ははっ。 270 00:31:37,275 --> 00:31:42,947 にわかに呼び出したること 申し訳なく思うておりまする。 271 00:31:42,947 --> 00:31:46,818 そんな もったいのうございます。 272 00:31:46,818 --> 00:31:50,087 どうしても もう一度 会って話がしたいと思い・ 273 00:31:50,087 --> 00:31:55,893 公方様にお願いし 計らっていただきました。 274 00:31:55,893 --> 00:32:00,097 もう こそこそするのは 嫌になりました。 275 00:32:00,097 --> 00:32:03,897 正々堂々と 会いたいと思ったのです。 276 00:32:10,575 --> 00:32:17,048 天璋院様におかれましては 此度の件で さぞや おつらい思いを。 277 00:32:17,048 --> 00:32:19,417 尚五郎さん。 278 00:32:19,417 --> 00:32:21,917 は…。 279 00:32:28,593 --> 00:32:36,267 ここは 大奥です。 皆 私の家族。 以前のように話してください。 280 00:32:36,267 --> 00:32:39,170 はあ しかし…。 281 00:32:39,170 --> 00:32:41,870 ・(常盤)失礼いたします。 282 00:32:50,615 --> 00:32:53,518 これは…。 283 00:32:53,518 --> 00:33:03,895 ・~ 284 00:33:03,895 --> 00:33:08,195 摩のことを お聞かせください。 285 00:33:09,767 --> 00:33:14,539 今和泉の方々は お変わりありません。 286 00:33:14,539 --> 00:33:21,045 お母上も… 忠敬殿も。 287 00:33:21,045 --> 00:33:23,845 そうですか。 288 00:33:28,586 --> 00:33:35,927 あなたは… まだお一人ということはありませんよね。 289 00:33:35,927 --> 00:33:38,829 妻をめとりました。 290 00:33:38,829 --> 00:33:44,129 お相手は どのようなお方なのですか? 291 00:33:47,538 --> 00:33:50,274 近です。 292 00:33:50,274 --> 00:33:59,283 ・~ 293 00:33:59,283 --> 00:34:02,283 そうなのです。 294 00:34:03,888 --> 00:34:08,559 では 養子に入られた時に? 295 00:34:08,559 --> 00:34:14,231 はい。 6年になります。 296 00:34:14,231 --> 00:34:21,973 そうですか お近さんと。 はい。 297 00:34:21,973 --> 00:34:26,811 お子さんは? いえ まだ。 298 00:34:26,811 --> 00:34:31,248 そうですか。 299 00:34:31,248 --> 00:34:35,920 でも お二人が 夫婦になられるなんて・ 300 00:34:35,920 --> 00:34:40,791 縁というのは 分からないものですね。 301 00:34:40,791 --> 00:34:43,791 そうですね。 302 00:34:45,596 --> 00:34:51,936 それと 私は 名を小松帯刀と改めました。 303 00:34:51,936 --> 00:34:58,936 小松帯刀殿? はあ。 304 00:35:07,418 --> 00:35:32,243 ・~ 305 00:35:32,243 --> 00:35:37,943 (ジョン万次郎)尚五郎さんは 天璋院様を好いちょられました。 306 00:35:40,918 --> 00:35:44,588 どうかなさいましたか? 307 00:35:44,588 --> 00:35:50,288 いいえ 何でもありません。 308 00:35:55,766 --> 00:36:00,071 天璋院様。 はい。 309 00:36:00,071 --> 00:36:06,271 一つだけ お分かりいただきたいことがございます。 310 00:36:07,812 --> 00:36:10,548 何でしょう。 311 00:36:10,548 --> 00:36:16,420 老中たちを脅して 勅命を受け入れさせたこと・ 312 00:36:16,420 --> 00:36:24,420 私は 間違ったやり方だと思っております。 313 00:36:26,097 --> 00:36:28,099 それで? 314 00:36:28,099 --> 00:36:34,405 私は 己の考えに 自信が持てなかったのです。 315 00:36:34,405 --> 00:36:39,910 なぜなら 友たちの命を犠牲にしてまで ここに来たこと・ 316 00:36:39,910 --> 00:36:42,246 無駄にしてよいはずはない。 317 00:36:42,246 --> 00:36:50,921 幕府を一刻も早く改革せねばならぬと 焦っていたからにございます。 318 00:36:50,921 --> 00:37:00,264 しかし 間違っていたと。 はい。 ある方に言われたのです。 319 00:37:00,264 --> 00:37:09,073 力で人を動かすのではない。 心で人を動かすのだと。 320 00:37:09,073 --> 00:37:15,373 力ではなく 心で…。 321 00:37:18,015 --> 00:37:21,218 そうですか…。 322 00:37:21,218 --> 00:37:30,918 ・~ 323 00:37:32,830 --> 00:37:40,237 私も 間違っていたことがありました。 え? 324 00:37:40,237 --> 00:37:46,577 摩など捨てると思い そうしてきたつもりでした。 325 00:37:46,577 --> 00:37:53,450 でも 私は 自分の心に うそをついていたのです。 326 00:37:53,450 --> 00:37:59,150 そのことを ある方に気づかされました。 327 00:38:05,062 --> 00:38:08,062 尚五郎さん…。 328 00:38:10,768 --> 00:38:20,211 いえ… 帯刀殿。 はっ。 329 00:38:20,211 --> 00:38:26,884 私は この大奥で 徳川を守ります。 330 00:38:26,884 --> 00:38:36,894 でも あなたは 私が… 私の愛するふるさと・ 331 00:38:36,894 --> 00:38:40,594 摩を守ってください。 332 00:38:43,234 --> 00:38:45,534 ははっ。 333 00:38:51,909 --> 00:38:58,609 お会いできて 本当によかった。 334 00:39:02,519 --> 00:39:05,819 私もにございます。 335 00:39:09,393 --> 00:39:12,863 それと…。 336 00:39:12,863 --> 00:39:15,563 はい。 337 00:39:17,735 --> 00:39:21,538 参りました。 338 00:39:21,538 --> 00:39:23,474 ああ…。 339 00:39:23,474 --> 00:39:31,248 ああ… 久しく会わないうちに 随分と ご立派になられたのですね。 340 00:39:31,248 --> 00:39:35,085 打ち筋が違っておいでです。 341 00:39:35,085 --> 00:39:38,085 そのような…。 342 00:39:40,224 --> 00:39:42,924 また…。 343 00:39:45,562 --> 00:39:49,862 また あなたと会えますように。 344 00:39:55,572 --> 00:40:02,272 お会いできます 必ずや。 345 00:40:04,048 --> 00:40:06,848 必ず。 346 00:40:09,853 --> 00:40:12,790 必ず。 347 00:40:12,790 --> 00:40:22,466 ・~ 348 00:40:22,466 --> 00:40:27,604 2か月にわたった幕府との折衝を終え・ 349 00:40:27,604 --> 00:40:35,604 摩の一行が江戸を離れたのは それから間もなくのことでした。 350 00:40:40,951 --> 00:40:50,094 そして 事件は 神奈川宿に近い 生麦村で起こります。 351 00:40:50,094 --> 00:40:54,932 (家臣)止まれ 止まれ! 352 00:40:54,932 --> 00:40:57,835 (伊地知正治)どけどけ! 道をあけんか! 353 00:40:57,835 --> 00:41:01,535 (有村俊斎)帰れ! 引き返せ! 354 00:41:03,574 --> 00:41:05,874 何事じゃ? 355 00:41:07,444 --> 00:41:10,247 (奈良原喜八郎)貴様!・ 356 00:41:10,247 --> 00:41:13,917 うわ~ うわ~。 357 00:41:13,917 --> 00:41:16,617 (リチャードソン)ストップ! 358 00:41:24,561 --> 00:41:31,935 イギリス人男性1人が死亡 2人が負傷した生麦事件。 359 00:41:31,935 --> 00:41:34,838 摩は これを無礼討ちとし・ 360 00:41:34,838 --> 00:41:40,838 一行は そのまま 東海道を西へと進みました。 361 00:41:46,483 --> 00:41:50,320 異人を斬った!? 何かの間違いではないのか!? 362 00:41:50,320 --> 00:41:53,624 摩が 攘夷を行うはずがない。 363 00:41:53,624 --> 00:41:57,494 久光殿は 攘夷は無理だと はっきり言うておったのじゃ。 364 00:41:57,494 --> 00:42:02,032 されど イギリスと摩との間に 戦が起きるかもしれぬと・ 365 00:42:02,032 --> 00:42:06,832 表は騒いでおりまする。 戦じゃと! 366 00:42:10,574 --> 00:42:17,247 摩は… 摩はどうなるのじゃ。 367 00:42:17,247 --> 00:42:22,119 攘夷を否定しながら イギリスと戦う。 368 00:42:22,119 --> 00:42:29,119 矛盾に満ちた英戦争は 次の年に迫っておりました。 369 00:42:31,261 --> 00:42:34,064 公方様…。 370 00:42:34,064 --> 00:42:36,133 よくぞ ご決意なさいました。 371 00:42:36,133 --> 00:42:38,435 家茂 京へ参りまする。 372 00:42:38,435 --> 00:42:40,471 大御台さんを お恨み申します。 373 00:42:40,471 --> 00:42:43,607 母上を頼みます。 宮様を頼みます。 374 00:42:43,607 --> 00:42:46,443 無駄なこと。 大変なことにございます。 375 00:42:46,443 --> 00:42:48,378 イギリスとの戦になるやもしれん。 376 00:42:48,378 --> 00:42:51,615 坂本。 はい。 いつも海を思え。 377 00:42:51,615 --> 00:42:53,550 母上が!? 母上…。 378 00:42:53,550 --> 00:42:57,955 間違いじゃ! 私は… あの方の妻です。 379 00:42:57,955 --> 00:43:00,955 母とは違うのです。 380 00:43:03,560 --> 00:43:05,896 <東京都墨田区。・ 381 00:43:05,896 --> 00:43:10,767 幕府の中で 広い視野を持つ 開明派として活躍した・ 382 00:43:10,767 --> 00:43:14,067 勝 海舟のふるさとです> 383 00:43:16,240 --> 00:43:23,540 <勝は 将軍直属の家臣 旗本の長男として 生まれました> 384 00:43:25,249 --> 00:43:29,119 <若い頃 剣術の修行に明け暮れた勝は・ 385 00:43:29,119 --> 00:43:35,259 神社の境内で 夜通し 稽古を行ったといいます。・ 386 00:43:35,259 --> 00:43:39,763 剣の師匠の勧めで 禅修行にも励みます。・ 387 00:43:39,763 --> 00:43:46,537 その後 蘭学を学び 徐々に 頭角を現していきました。・ 388 00:43:46,537 --> 00:43:50,774 万延元年 1860年。・ 389 00:43:50,774 --> 00:43:54,077 幕府の軍艦で アメリカに渡った勝は・ 390 00:43:54,077 --> 00:43:58,277 新たな社会制度を学び 帰ってきます> 391 00:44:00,284 --> 00:44:02,886 <幕政改革を 推し進める・ 392 00:44:02,886 --> 00:44:08,225 松平慶永に認められた 勝 海舟。・ 393 00:44:08,225 --> 00:44:11,562 後に 天璋院と共に・ 394 00:44:11,562 --> 00:44:16,233 徳川家の命運を 担っていくことになります> 395 00:44:16,233 --> 00:44:25,933 ・~ 396 00:45:01,878 --> 00:45:05,278 ・~