1 00:00:03,201 --> 00:00:06,201 (徳川家茂)攘夷の実行は かないますまい。 2 00:00:07,940 --> 00:00:12,611 <外国を武力によって 排斥しようという 過激な思想。・ 3 00:00:12,611 --> 00:00:15,948 幕末 この攘夷の名のもとに・ 4 00:00:15,948 --> 00:00:21,420 外国人を襲撃する事件が 続発します> 5 00:00:21,420 --> 00:00:24,623 (岩倉具視)攘夷実行です。 6 00:00:24,623 --> 00:00:27,426 <攘夷派に席巻された朝廷は・ 7 00:00:27,426 --> 00:00:29,494 将軍 家茂が上洛し・ 8 00:00:29,494 --> 00:00:33,966 帝に 直接 攘夷実行の誓いを たてることを求めます> 9 00:00:33,966 --> 00:00:39,438 攘夷が実行できぬことを 何としても 帝にお分かりいただくためじゃ。 10 00:00:39,438 --> 00:00:42,808 家茂 京へ参りまする。 11 00:00:42,808 --> 00:00:46,678 (天璋院)公方様…。 よくぞご決意なさいました。 12 00:00:46,678 --> 00:00:48,680 (和宮)都で何かあったら…・ 13 00:00:48,680 --> 00:00:53,819 私は 大御台さんを 恨み申します。 14 00:00:53,819 --> 00:00:57,990 <家茂上洛を巡って擦れ違う 心と心。・ 15 00:00:57,990 --> 00:01:01,259 天璋院の運命は…> 16 00:01:01,259 --> 00:01:15,273 ・~(テーマ音楽) 17 00:01:15,273 --> 00:03:45,957 ・~ 18 00:03:45,957 --> 00:03:50,629 家茂様が江戸をたたれて十数日・ 19 00:03:50,629 --> 00:03:57,329 大奥の方々は そのご無事を ひたすらに祈っておられました。 20 00:04:19,791 --> 00:04:26,264 (本寿院)大御台様に 一つ伺いたきことが。 何でございましょう? 21 00:04:26,264 --> 00:04:32,070 武家の棟梁たる公方様が 軽々しゅう上洛などなされば・ 22 00:04:32,070 --> 00:04:34,973 将軍家のご威光が 地に落ちまする。 23 00:04:34,973 --> 00:04:37,609 ご心配には及びませぬ。 24 00:04:37,609 --> 00:04:43,415 そのご威光を下々の者に示すため 3, 000の軍勢を率いていかれました。 25 00:04:43,415 --> 00:04:45,951 (歌橋)たかだか 3, 000の軍勢で…。 26 00:04:45,951 --> 00:04:51,289 かつて 三代将軍 家光様が率いられた兵は 30万でございますぞ。・ 27 00:04:51,289 --> 00:04:55,160 私は不満じゃ 大いに不満じゃ! 28 00:04:55,160 --> 00:05:02,901 (庭田嗣子)ほ~う お武家さんいうのんも いろいろと大変なことどすなあ。 29 00:05:02,901 --> 00:05:06,601 (観行院)ホンマやな。 30 00:05:08,573 --> 00:05:11,610 (本寿院)なんという お振る舞い! 31 00:05:11,610 --> 00:05:18,110 失敬千万な! もう それもこれも姑である そなたが…。 32 00:05:19,918 --> 00:05:23,255 大御台様! はい。 33 00:05:23,255 --> 00:05:25,924 それより数日がたち・ 34 00:05:25,924 --> 00:05:32,797 家茂様が 無事 京へ上られたとの知らせが 大奥に届きました。 35 00:05:32,797 --> 00:05:38,503 そうですか ご無事で…。 36 00:05:38,503 --> 00:05:44,276 いよいよどすな。 異国との条約を すべて破り捨て・ 37 00:05:44,276 --> 00:05:48,280 日本は 太平の鎖国の時代に戻る。 38 00:05:48,280 --> 00:05:53,285 鎖国を続けることは もはや かないません。 39 00:05:53,285 --> 00:06:02,585 昔に戻るなど… 無理なこと。 40 00:06:04,229 --> 00:06:11,569 宮さん それは どういうことにございましょう。 41 00:06:11,569 --> 00:06:14,569 何でもない。 42 00:06:21,579 --> 00:06:25,750 そうか ご無事に京に着かれたか。 43 00:06:25,750 --> 00:06:30,588 (滝山)公方様におかれましては おつつがなしとのことにございます。 44 00:06:30,588 --> 00:06:32,924 それは何よりじゃ。 45 00:06:32,924 --> 00:06:38,263 (重野)されど 京では 攘夷を求める公家衆や浪士たちに囲まれ・ 46 00:06:38,263 --> 00:06:40,932 難儀なさるやもしれませぬ。 47 00:06:40,932 --> 00:06:43,968 公方様のお好きな江戸の菓子などを 送って差し上げては・ 48 00:06:43,968 --> 00:06:47,806 いかがにございましょう。 それはよい。 すぐに手配せよ。 49 00:06:47,806 --> 00:06:50,806 承知いたしましてございます。 50 00:06:55,280 --> 00:07:02,554 そうか お着きになったか…。 51 00:07:02,554 --> 00:07:08,059 そのころ 家茂様は 先に上洛されていた・ 52 00:07:08,059 --> 00:07:13,865 将軍後見職の慶喜様と お会いになっておられました。 53 00:07:13,865 --> 00:07:18,570 (一橋慶喜) 無事のご到着 祝着至極に存じまする。 54 00:07:18,570 --> 00:07:22,907 都の様子は どうじゃ? 55 00:07:22,907 --> 00:07:24,843 厳しゅうございます。・ 56 00:07:24,843 --> 00:07:31,249 攘夷派が 幕府方の者を次々と暗殺し その首を河原にさらすなど・ 57 00:07:31,249 --> 00:07:33,585 変事 あまた起こっております。 58 00:07:33,585 --> 00:07:37,255 さようなこと 恐るるに足らん。 59 00:07:37,255 --> 00:07:42,555 攘夷が困難であること 帝に はっきりと申し上げるつもりじゃ。 60 00:07:44,929 --> 00:07:52,604 畏れながら… それは もはや無理かと。 無理? 61 00:07:52,604 --> 00:07:56,941 公方様が この先 攘夷を行うこと・ 62 00:07:56,941 --> 00:08:01,212 既に 先日 朝廷と約定を交わしておりまする。 63 00:08:01,212 --> 00:08:06,084 何じゃと!? 何故 そのような勝手なまねを! 64 00:08:06,084 --> 00:08:12,924 公方様が 攘夷はせぬと仰せになれば それこそ尊攘派の思うつぼ。 65 00:08:12,924 --> 00:08:17,061 徳川家に 政は任せておけぬと 幕府から政権を奪い・ 66 00:08:17,061 --> 00:08:21,566 無謀なる攘夷に突き進みましょう。 67 00:08:21,566 --> 00:08:27,439 ここは ひとまず攘夷決行を約束し 朝廷のご信用を得てから・ 68 00:08:27,439 --> 00:08:32,139 次の手を考えるのが上策と存じまする。 69 00:08:33,912 --> 00:08:37,582 わしに うそをつけと申すか。 70 00:08:37,582 --> 00:08:41,252 うそではござりませぬ。 71 00:08:41,252 --> 00:08:43,922 約束はしたけれども・ 72 00:08:43,922 --> 00:08:48,222 果たせなかったということに すればよいのではと。 73 00:08:52,931 --> 00:08:59,404 3月7日。 家茂様は 御所に参内。 74 00:08:59,404 --> 00:09:06,878 将軍としては およそ230年ぶりのことでした。 75 00:09:06,878 --> 00:09:11,049 (孝明天皇)はるばるの上洛 大儀である。 76 00:09:11,049 --> 00:09:16,721 拝顔の栄を賜り 恐悦の極みにございまする。 77 00:09:16,721 --> 00:09:21,226 (孝明天皇)宮は 息災にしておるか? 78 00:09:21,226 --> 00:09:25,897 (家茂)日々 お健やかに お過ごしでございます。 79 00:09:25,897 --> 00:09:34,906 (孝明天皇)そなたを頼りにしておるぞ。 畏れ多きことにございます。 80 00:09:34,906 --> 00:09:38,776 (鷹司輔煕) 攘夷の実行を決めてもろうたこと・ 81 00:09:38,776 --> 00:09:43,776 お上は えらいお喜びであらしゃいます。 82 00:09:50,922 --> 00:09:54,222 そのことにございますが…。 83 00:09:57,595 --> 00:09:59,631 やはり 攘夷は難しいかと…。 84 00:09:59,631 --> 00:10:05,131 夷狄を討つのが 征夷大将軍の務め。 85 00:10:08,940 --> 00:10:15,413 (中山忠能)難儀なこと引き受けてくださり ありがとう。 86 00:10:15,413 --> 00:10:18,783 (姉小路公知)これで安心やなあ…。 87 00:10:18,783 --> 00:10:20,718 (三条実美)ホンマやなあ…。 88 00:10:20,718 --> 00:10:24,956 (笑い声) 89 00:10:24,956 --> 00:10:31,829 家茂様の思いは 帝に届きませんでした。 90 00:10:31,829 --> 00:10:36,568 そればかりか 江戸へ戻ることも許されず・ 91 00:10:36,568 --> 00:10:40,868 体調を崩してしまわれたのでございます。 92 00:10:43,975 --> 00:10:48,146 5月10日に攘夷を行う!? (滝山)そのように。 93 00:10:48,146 --> 00:10:53,017 されど 公方様は 攘夷はできぬと 申し上げに行かれたはず。 94 00:10:53,017 --> 00:10:58,817 公方様は 病で 伏せっておいでとのことにございます。 95 00:11:00,658 --> 00:11:02,594 ご病気じゃと…。 96 00:11:02,594 --> 00:11:06,464 お疲れが出たとのことで 重い病ではないご様子です。 97 00:11:06,464 --> 00:11:11,302 しかし ならば 一刻も早く 公方様には 江戸にお戻りいただかねば。 98 00:11:11,302 --> 00:11:18,610 それが かないますかどうか…。 どういうことじゃ。 99 00:11:18,610 --> 00:11:23,481 公方様は 攘夷決行のための…・ 100 00:11:23,481 --> 00:11:32,181 いわば 人質にございますれば。 人質…。 101 00:11:34,959 --> 00:11:37,295 天璋院様! 天璋院様! 102 00:11:37,295 --> 00:11:42,967 それで 私に何をせよと 仰せなのですか? 103 00:11:42,967 --> 00:11:50,141 公方様が 江戸へお帰りになれるよう 帝に お願いいただきたいのです。 104 00:11:50,141 --> 00:11:54,012 出過ぎたまねとは このことや。 105 00:11:54,012 --> 00:11:59,651 私は お上の御心に従い ここへ参りました。 106 00:11:59,651 --> 00:12:04,622 公方さんを 京へ留め置くことが お上のご意向とあらば・ 107 00:12:04,622 --> 00:12:11,262 それに 逆らうつもりはございませぬ。 なぜですか? 108 00:12:11,262 --> 00:12:17,769 なぜ? そもそも 公方さんを 京へ向けて押し出したのは・ 109 00:12:17,769 --> 00:12:23,941 大御台さんでは あらしゃいませぬか。 おっしゃるとおりです。 されど…。 110 00:12:23,941 --> 00:12:27,641 (嗣子)勝手なお振る舞いですな。 111 00:12:32,617 --> 00:12:38,956 何であれ 私の気持ちは変わりませぬ。 112 00:12:38,956 --> 00:12:42,256 公方様が ご病気でも? 113 00:12:46,698 --> 00:12:50,898 病気にしたのは どなたやと思うてはるのですか! 114 00:13:03,581 --> 00:13:10,922 分かりました。 御免つかまつります。 115 00:13:10,922 --> 00:13:37,949 ・~ 116 00:13:37,949 --> 00:13:41,619 おたあさん。 117 00:13:41,619 --> 00:13:46,290 分かっていましたえ…。 118 00:13:46,290 --> 00:13:53,965 宮さんが 攘夷が無理やと 思うたはる公方さんと・ 119 00:13:53,965 --> 00:13:58,965 私たちの板挟みになっていやはるのを。 120 00:14:05,376 --> 00:14:12,917 自分の思いに 背くことはあらしません。 121 00:14:12,917 --> 00:14:23,617 公方さんが 案じられるのやったら 素直に お上にお願いしたらよろしい。 122 00:14:29,934 --> 00:14:32,837 おたあさん…。 123 00:14:32,837 --> 00:14:50,788 ・~ 124 00:14:50,788 --> 00:14:56,961 公方様は さぞ心細い思いでおいでに相違ない。 125 00:14:56,961 --> 00:15:03,661 それもこれも 私が上洛をお勧めしたためじゃ。 126 00:15:07,572 --> 00:15:14,872 そうじゃ 誰かが 家茂様のおそばについていれば…。 127 00:15:16,914 --> 00:15:25,214 天璋院様 それだけはなりません。 分かっておる。 128 00:15:29,927 --> 00:15:34,799 それはまあ 少しは考えないでもなかったが。 129 00:15:34,799 --> 00:15:39,499 とにかく誰かじゃ 信用できる誰か…。 130 00:15:41,272 --> 00:15:46,143 ああ…。 131 00:15:46,143 --> 00:15:48,779 おったわ。 132 00:15:48,779 --> 00:15:56,579 そのお方は 弟子の龍馬様を伴い 大坂におられました。 133 00:15:58,489 --> 00:16:04,896 勝先生 幕府は 本当に 攘夷を実行するがですか? 134 00:16:04,896 --> 00:16:09,567 (勝 麟太郎)そんなこたあ 朝廷に対する方便に決まってるだろ。 135 00:16:09,567 --> 00:16:15,907 いや それより 参った。 何としても金が足らねえ。 136 00:16:15,907 --> 00:16:19,577 勝先生のお力だけでは 限りがありますき。 137 00:16:19,577 --> 00:16:24,448 海軍の操練所を造るがやったら やっぱり 幕府に認めさせんと。 138 00:16:24,448 --> 00:16:27,251 俺が造りたいのは 幕府の海軍じゃない。 139 00:16:27,251 --> 00:16:30,922 最初は それでもかまいませんき。 そんなことしてみろ。 140 00:16:30,922 --> 00:16:35,393 幕府は 自分のために海軍を使い 諸藩を圧迫しようとするだけだ。 141 00:16:35,393 --> 00:16:39,263 日本国の中で争ってたって しょうがねえのに・ 142 00:16:39,263 --> 00:16:43,763 どうして 皆 それが分かんねえのかなあ。 143 00:16:45,603 --> 00:16:48,506 ・(主人)ごめんくださりませ。 144 00:16:48,506 --> 00:16:50,474 誰ぜよ! 145 00:16:50,474 --> 00:16:54,174 ・勝様に お客様でございます。 146 00:16:56,948 --> 00:17:00,248 通せ! ・はい。 147 00:17:05,756 --> 00:17:08,059 私が 勝だが。 148 00:17:08,059 --> 00:17:12,363 (使者)公方様 じきじきのお召しにござる。 公方? 149 00:17:12,363 --> 00:17:15,566 (使者)急ぎ 大坂城へ参られよ。 150 00:17:15,566 --> 00:17:18,266 公方様が!? 151 00:17:20,071 --> 00:17:23,374 (家茂)近う寄れ。 152 00:17:23,374 --> 00:17:25,574 はっ…。 153 00:17:34,585 --> 00:17:42,460 帝の前では もはや徳川家の威光なぞ なきに等しい。 154 00:17:42,460 --> 00:17:46,597 このありさま 勝は どう見る? 155 00:17:46,597 --> 00:17:57,108 畏れながら 今 上は諸大名から 下々に至るまで・ 156 00:17:57,108 --> 00:18:04,548 徳川家ではなく 帝が 日本国の政の要だと 思うておりまする。 157 00:18:04,548 --> 00:18:08,419 ならば どうすればよい? 158 00:18:08,419 --> 00:18:14,558 朝廷の求めに応じ 無理な攘夷をせよと申すか。 159 00:18:14,558 --> 00:18:18,229 しかたのないことでございましょうな。 160 00:18:18,229 --> 00:18:22,233 異国と戦って勝てると思うか。 161 00:18:22,233 --> 00:18:28,939 いえ ころりと負けます。 ころりと…。 162 00:18:28,939 --> 00:18:36,914 さりながら それは 日本国中が 攘夷なぞできぬと悟る・ 163 00:18:36,914 --> 00:18:39,583 よい機会となりましょう。 164 00:18:39,583 --> 00:18:47,258 国開き 諸外国の優れた技術や知識 制度を取り入れる。 165 00:18:47,258 --> 00:18:52,930 それこそが 外国と肩を並べる早道かと。 166 00:18:52,930 --> 00:18:56,267 そういう考え方もあるのか…。 167 00:18:56,267 --> 00:19:02,567 ものごと 悪い方にばかり考えていては いけませぬ。 168 00:19:05,543 --> 00:19:07,878 なるほど。 169 00:19:07,878 --> 00:19:11,749 母上が そちに会うようにと 言われたわけが分かった。 170 00:19:11,749 --> 00:19:15,219 天璋院様でございましたか…。 171 00:19:15,219 --> 00:19:19,890 私なぞを ご推挙いただくなど 身に余る光栄。 172 00:19:19,890 --> 00:19:28,899 しかし よきお母上を お持ちになられましたな。 173 00:19:28,899 --> 00:19:32,236 勝! はい。 174 00:19:32,236 --> 00:19:39,910 そちの建白書にあった 神戸の操練所 思うがままにやってみよ。 175 00:19:39,910 --> 00:19:45,210 はっ ははっ ありがたき幸せにて。 176 00:19:46,784 --> 00:19:50,621 まこと そちに会うてよかった。 177 00:19:50,621 --> 00:19:55,121 身も心も 軽うなったような気がする。 178 00:20:02,933 --> 00:20:07,633 そして迎えた 5月10日。 179 00:20:09,273 --> 00:20:15,946 いよいよ攘夷決行の日じゃな。 (滝山)はい。 180 00:20:15,946 --> 00:20:18,782 表は どうなっておる? 181 00:20:18,782 --> 00:20:21,285 静まり返っております。 182 00:20:21,285 --> 00:20:29,285 誰もが 何がどうなるのかを 息をひそめて うかがっている気配にて。 183 00:20:30,961 --> 00:20:38,636 公方様は ご無事であろうか…。 184 00:20:38,636 --> 00:20:48,646 その5月10日 攘夷の火の手は はるか西で上がったのでした。 185 00:20:48,646 --> 00:20:55,319 攘夷派の先鋒 長州藩が アメリカ商船を砲撃。 186 00:20:55,319 --> 00:21:00,191 しかし アメリカとフランスの反撃により・ 187 00:21:00,191 --> 00:21:06,263 屈辱的な大敗を喫したのでございます。 188 00:21:06,263 --> 00:21:09,600 そして 摩では…。 189 00:21:09,600 --> 00:21:13,103 (島津久光) 長州も ばかなことをしたものじゃ。 190 00:21:13,103 --> 00:21:15,039 (小松帯刀)上陸を許した長州は・ 191 00:21:15,039 --> 00:21:18,275 武器を ことごとく 奪い去られたとのことにございます。 192 00:21:18,275 --> 00:21:21,975 よそのことは 笑い話ですむ。 193 00:21:23,948 --> 00:21:29,286 生麦の一件以来 イギリスの動きは どうなっておるのだ。 194 00:21:29,286 --> 00:21:32,189 幕府より 償金を受け取った上に・ 195 00:21:32,189 --> 00:21:39,997 我が摩にも 金と 下手人の差し出しを 求めております。 196 00:21:39,997 --> 00:21:44,301 我らは 何も間違ったことはしておらん! 197 00:21:44,301 --> 00:21:47,972 イギリスの求めに応じることなど ありえぬ。 198 00:21:47,972 --> 00:21:54,272 されど それでは戦になりまする。 戦だけは 避けるべきだと…。 199 00:21:56,313 --> 00:22:02,013 降りかかる火の粉は 払わねばなるまい。 200 00:22:04,121 --> 00:22:11,262 その時は… そちに 采配を任せる。 201 00:22:11,262 --> 00:22:15,262 何としても 勝つのじゃ。 202 00:22:16,934 --> 00:22:19,234 はい。 203 00:22:25,643 --> 00:22:28,545 一方 江戸では・ 204 00:22:28,545 --> 00:22:36,620 家茂様が およそ4か月ぶりに ご帰還を果たされました。 205 00:22:36,620 --> 00:22:44,320 ご無事な お姿を拝見でき これに勝る喜びはありませぬ。 206 00:22:47,965 --> 00:22:52,303 しかし 帝に 攘夷を おあきらめいただくことは・ 207 00:22:52,303 --> 00:22:54,238 できませんでした。 208 00:22:54,238 --> 00:22:58,976 私は ふがいない思いで いっぱいです。 209 00:22:58,976 --> 00:23:02,579 それを申すなら 私の方です。 210 00:23:02,579 --> 00:23:07,451 私が 無理な上洛を 強いてしまったのではないかと。 211 00:23:07,451 --> 00:23:11,922 都に参ったのは 誤りではありませんでした。 212 00:23:11,922 --> 00:23:17,622 都にて この国の病の重さを 知ることができました。 213 00:23:19,396 --> 00:23:21,932 そうですか。 214 00:23:21,932 --> 00:23:26,403 されど こちらでは 皆が心配して…。 215 00:23:26,403 --> 00:23:32,603 ことに 宮様などは どのような心持ちであらせられたか…。 216 00:23:35,112 --> 00:23:41,985 そのことですが 私が 江戸に戻ることができたのは・ 217 00:23:41,985 --> 00:23:48,959 宮様による 朝廷への 嘆願があったおかげだと聞きました。 218 00:23:48,959 --> 00:23:56,959 それは まことのことにございますか? はい。 219 00:24:00,971 --> 00:24:04,671 そうでしたか…。 220 00:24:07,244 --> 00:24:15,119 宮様には もう会われたのですか? いえ。 まずは母上にと。 221 00:24:15,119 --> 00:24:18,255 すぐにいらっしゃいませ。 222 00:24:18,255 --> 00:24:21,925 すぐにです! 223 00:24:21,925 --> 00:24:26,597 はい。 では これにて。 224 00:24:26,597 --> 00:24:37,941 ・~ 225 00:24:37,941 --> 00:24:46,283 そうでしたか 宮様が…。 226 00:24:46,283 --> 00:25:35,933 ・~ 227 00:25:35,933 --> 00:25:40,633 よくぞご無事で…。 228 00:25:43,607 --> 00:25:50,307 こうして ここにおられるのも そなたのおかげじゃ。 229 00:25:58,155 --> 00:26:07,155 私は 私にできることをしたまでのこと。 230 00:26:13,237 --> 00:26:20,110 初めて そなたの生まれ育った京の都を見て・ 231 00:26:20,110 --> 00:26:26,110 そなたが 一層いとおしく 思われてならなかった。 232 00:26:28,585 --> 00:26:36,760 私も 上様がおられぬ間に いろいろと考えました。 233 00:26:36,760 --> 00:26:42,960 徳川家を思い 朝廷を思い…。 234 00:26:45,269 --> 00:26:55,612 でも 私が 改めて強く思いましたのは…。 235 00:26:55,612 --> 00:26:58,912 思ったのは? 236 00:27:06,890 --> 00:27:16,900 今 心から 上様のお子を抱きたい ということにございます。 237 00:27:16,900 --> 00:28:22,232 ・~ 238 00:28:22,232 --> 00:28:25,232 あの 宮様! 239 00:28:28,038 --> 00:28:31,942 ひと言 お礼を申し上げたくて。 240 00:28:31,942 --> 00:28:39,249 公方様のご帰還に お骨折りくださり まことにありがとう存じます。 241 00:28:39,249 --> 00:28:42,919 礼には及びませぬ。 242 00:28:42,919 --> 00:28:47,919 大御台さんのためにしたことでは ございませぬゆえ。 243 00:29:01,204 --> 00:29:09,546 天璋院様 とにかく 公方様は ご無事にお戻りになられたのです。 244 00:29:09,546 --> 00:29:17,421 それだけで よしといたしましょう。 そうじゃな。 参るぞ。 245 00:29:17,421 --> 00:29:20,057 はい。 246 00:29:20,057 --> 00:29:22,359 (滝山)天璋院様! 247 00:29:22,359 --> 00:29:29,159 イギリスの軍艦が 横浜から摩へと 向かったとのことにございます。 248 00:29:30,901 --> 00:29:33,901 摩へ…。 249 00:29:35,572 --> 00:29:38,909 (伊地知正治) 船じゃ! イギリスの軍艦じゃ! 250 00:29:38,909 --> 00:29:44,581 (海江田信義)何じゃち!? のろしじゃ! のろしを上げぇ! 251 00:29:44,581 --> 00:29:53,581 6月27日 イギリス艦隊は ついに 鹿児島 錦江湾に侵入。 252 00:29:55,225 --> 00:30:02,599 3日間に及ぶ イギリスとの交渉は 互いが それぞれの主張を譲らず・ 253 00:30:02,599 --> 00:30:05,268 あえなく決裂。 254 00:30:05,268 --> 00:30:08,772 迎えた7月2日。 255 00:30:08,772 --> 00:30:14,272 (大久保正助)敵の艦隊は 主に 桜島沿岸の小池沖に停泊しておりもす。 256 00:30:16,947 --> 00:30:19,247 (海江田)申し上げもす! 257 00:30:21,618 --> 00:30:23,553 どうした! 258 00:30:23,553 --> 00:30:26,957 我が摩の汽船3隻が イギリスに奪われもした。 259 00:30:26,957 --> 00:30:29,657 (一同)何!? 260 00:30:31,828 --> 00:30:35,632 いかがなさいますか。 261 00:30:35,632 --> 00:30:38,969 やむをえまい! 262 00:30:38,969 --> 00:30:49,312 ・~ 263 00:30:49,312 --> 00:30:52,816 私の愛するふるさと・ 264 00:30:52,816 --> 00:30:56,316 摩を守ってください。 265 00:31:00,991 --> 00:31:05,262 すべての砲台に伝えもした。 刻限は 正午。 266 00:31:05,262 --> 00:31:09,562 天保山からの号砲を合図に 砲撃を始めもす。 267 00:31:11,134 --> 00:31:13,937 ご苦労であった。 268 00:31:13,937 --> 00:31:29,286 ・~ 269 00:31:29,286 --> 00:31:33,623 (島津忠敬)母上… 行ってまいります。 270 00:31:33,623 --> 00:31:42,623 (お幸)心して行きなさい。 今こそ 摩武士の本分を尽くすのです。 271 00:31:44,267 --> 00:31:46,636 はい。 272 00:31:46,636 --> 00:32:01,918 ・~ 273 00:32:01,918 --> 00:32:04,821 (しの)お方様…。 274 00:32:04,821 --> 00:32:11,928 死んではなりませんよ 忠敬。 275 00:32:11,928 --> 00:32:25,228 ・~ 276 00:32:38,154 --> 00:32:40,854 伊地知さあ~! 277 00:32:51,968 --> 00:32:54,638 撃て~! 278 00:32:54,638 --> 00:32:57,974 (砲撃音) 279 00:32:57,974 --> 00:33:00,877 7月2日 正午・ 280 00:33:00,877 --> 00:33:07,577 世に言う 英戦争の火蓋が切られた瞬間でした。 281 00:33:11,254 --> 00:33:15,926 (大山綱良)何をしちょっか! もっと撃たんか! 撃て~! 282 00:33:15,926 --> 00:33:19,926 (砲撃音) 283 00:33:25,268 --> 00:33:34,945 旦那様… どうか皆をお守りくださいませ。 284 00:33:34,945 --> 00:34:03,106 ・~ 285 00:34:03,106 --> 00:34:05,742 イギリス艦隊の誇る・ 286 00:34:05,742 --> 00:34:11,548 最新鋭アームストロング砲の 威力は すさまじく・ 287 00:34:11,548 --> 00:34:20,924 摩側の砲台は 次々に破壊され 鹿児島城下は 焦土と化したのでした。 288 00:34:20,924 --> 00:34:41,945 ・~ 289 00:34:41,945 --> 00:34:51,621 圧倒的なイギリス艦隊の砲撃に対し 摩軍は 必死の抵抗を続けました。 290 00:34:51,621 --> 00:34:55,291 そして 迎えた7月4日。 291 00:34:55,291 --> 00:35:02,291 砲台は ほとんどが やられもした。 鹿児島の町も…。 292 00:35:04,100 --> 00:35:07,237 こげんなったら斬り込みしかなか! 293 00:35:07,237 --> 00:35:10,140 (一同)そうじゃ! 斬り込みじゃ! 294 00:35:10,140 --> 00:35:12,440 ・(伊地知)小松さあ~! 295 00:35:14,577 --> 00:35:20,917 イギリスの軍艦が 湾の外に去っていこうちしておりもす。 296 00:35:20,917 --> 00:35:23,217 (一同)何じゃっち!? 297 00:35:26,256 --> 00:35:30,093 摩軍の予想外の抵抗により・ 298 00:35:30,093 --> 00:35:34,931 弾薬と燃料の石炭が底をついた イギリス艦隊は・ 299 00:35:34,931 --> 00:35:39,631 鹿児島湾を去っていったのでした。 300 00:35:43,406 --> 00:35:45,906 近! 301 00:35:53,416 --> 00:35:56,286 近…。 (お近)あなた様。 302 00:35:56,286 --> 00:35:58,955 無事であったか!? 303 00:35:58,955 --> 00:36:02,358 あなた様こそ…。 304 00:36:02,358 --> 00:36:05,228 イギリス軍を追い払うちやりもした。 305 00:36:05,228 --> 00:36:08,131 勝ち戦じゃ! (一同)おう! 306 00:36:08,131 --> 00:36:11,901 皆さん よくご無事で。 さあ こちらにどうぞ。 307 00:36:11,901 --> 00:36:16,773 おお こいは うまそうじゃ。 (お近)食べりやんせ。 うまか! 308 00:36:16,773 --> 00:36:19,073 ありがとうございもす。 ほんのこって うまか! う~ん。 309 00:36:43,833 --> 00:36:50,833 私は 戦を防ぐことができなかった。 310 00:36:55,778 --> 00:37:04,278 それに… 鹿児島の町も焼けてしまった。 311 00:37:09,893 --> 00:37:11,828 しっかりしてください。 312 00:37:11,828 --> 00:37:15,365 これから また 新しい家や暮らしを・ 313 00:37:15,365 --> 00:37:17,734 一から作っていけば よいではないですか。 314 00:37:17,734 --> 00:37:24,908 それを導くのが あなた様方の 新たな仕事となりましょう。 315 00:37:24,908 --> 00:37:30,246 それが戦に負けたということだ。 316 00:37:30,246 --> 00:37:33,917 自らの負けを認める あなた様は 強き方です。 317 00:37:33,917 --> 00:37:39,255 そのお力をもってすれば 戦で受けた傷など すぐに癒えましょう。 318 00:37:39,255 --> 00:37:42,592 負けは負けなのだ! 319 00:37:42,592 --> 00:38:24,567 ・~ 320 00:38:24,567 --> 00:38:31,867 私は… 摩を守ることができませんでした。 321 00:38:33,576 --> 00:38:40,450 あの方に… 約束したというのに。 322 00:38:40,450 --> 00:38:56,599 ・~ 323 00:38:56,599 --> 00:39:09,599 あ~! あ~! あ~! あ~! 324 00:39:17,553 --> 00:39:22,225 (お幸)「戦が始まり 終わりました。・ 325 00:39:22,225 --> 00:39:25,561 今和泉の屋敷は焼けましたが・ 326 00:39:25,561 --> 00:39:31,434 家中の者たちは けが一つ負っておりません。・ 327 00:39:31,434 --> 00:39:33,903 小松様によれば・ 328 00:39:33,903 --> 00:39:40,243 お見知りおきの皆々様も ご無事だそうにございます」。 329 00:39:40,243 --> 00:39:59,595 ・~ 330 00:39:59,595 --> 00:40:10,295 この美しい摩が… 焼けてしまったのですね。 331 00:40:15,144 --> 00:40:21,844 ただ… これで分かったのではないでしょうか。 332 00:40:23,619 --> 00:40:26,919 何がですか? 333 00:40:29,292 --> 00:40:38,592 長州 摩と 相次いで異国と戦い 攘夷がならぬということが。 334 00:40:42,839 --> 00:40:46,843 そうかもしれませんね。 335 00:40:46,843 --> 00:40:54,517 ある者の受け売りですが。 ある者? 336 00:40:54,517 --> 00:40:59,655 それは 日本国中が 攘夷なぞできぬと悟る・ 337 00:40:59,655 --> 00:41:02,655 よい機会となりましょう。 338 00:41:06,462 --> 00:41:10,933 そうですか 勝が…。 339 00:41:10,933 --> 00:41:15,605 ただ 勝は 「もはや徳川家が・ 340 00:41:15,605 --> 00:41:20,276 日本の政の要ではない」とも 言っておりました。 341 00:41:20,276 --> 00:41:25,276 そのようなことまで…。 はい。 342 00:41:27,950 --> 00:41:33,823 されど この徳川将軍家が 二百数十年の間・ 343 00:41:33,823 --> 00:41:38,594 この日本国の太平を守ってきたのです。 344 00:41:38,594 --> 00:41:44,801 此度の戦を無駄にせず この国を変えていくのも・ 345 00:41:44,801 --> 00:41:48,638 我ら 徳川家のなすべきことかと。 346 00:41:48,638 --> 00:41:51,307 国を変える…。 347 00:41:51,307 --> 00:41:56,813 国を変えるのです。 それも よい方へと…。 348 00:41:56,813 --> 00:42:04,313 もっと よい国へと…。 よい国へと…。 349 00:42:06,923 --> 00:42:13,223 希望を… 持ちましょうぞ。 350 00:42:16,599 --> 00:42:20,269 文久3年 秋。 351 00:42:20,269 --> 00:42:24,273 お二人を待ち受ける苦難の道のりは・ 352 00:42:24,273 --> 00:42:29,473 まだ始まったばかりに ございました。 353 00:42:31,614 --> 00:42:33,549 宮様がご懐妊…。 354 00:42:33,549 --> 00:42:37,286 この子は 公武合体の証しなれば。 355 00:42:37,286 --> 00:42:39,222 側室…。 356 00:42:39,222 --> 00:42:41,958 ご家老さんには 逆らえまへんよって。 357 00:42:41,958 --> 00:42:44,794 中でも 摩勢は勇猛無類にて・ 358 00:42:44,794 --> 00:42:48,631 ご家老の小松様も 大層なお働きであったとか。 359 00:42:48,631 --> 00:42:52,301 いよいよ 長州との戦が 始まるとのことにございます。 360 00:42:52,301 --> 00:42:54,804 この慶喜が 討伐してみせまする。 361 00:42:54,804 --> 00:42:56,839 母上様。 はい。 362 00:42:56,839 --> 00:43:00,139 私は 間もなく出陣いたします。 363 00:43:02,912 --> 00:43:06,582 <文久3年7月2日 正午。・ 364 00:43:06,582 --> 00:43:09,919 摩藩とイギリス艦隊との戦い。・ 365 00:43:09,919 --> 00:43:14,919 世に言う 英戦争の火蓋が切られました> 366 00:43:16,592 --> 00:43:21,397 <摩藩は 錦江湾に配備した 10か所の砲台から・ 367 00:43:21,397 --> 00:43:25,897 イギリス軍に 激しい砲撃を浴びせました> 368 00:43:29,939 --> 00:43:33,276 <海岸から離れた千眼寺には・ 369 00:43:33,276 --> 00:43:38,147 砲撃を避けて 摩藩の本陣が置かれました。・ 370 00:43:38,147 --> 00:43:45,447 島津久光のもと 小松帯刀も ここで 戦闘の指揮を執りました> 371 00:43:47,290 --> 00:43:50,960 <現在 南洲公園のある一帯は・ 372 00:43:50,960 --> 00:43:55,831 イギリス軍の砲撃により 大きな被害を受けました。・ 373 00:43:55,831 --> 00:43:58,634 戦いは 3日間におよび・ 374 00:43:58,634 --> 00:44:04,907 摩藩は イギリスの軍事力の強大さを 思い知りました。・ 375 00:44:04,907 --> 00:44:09,779 これを機に摩藩は 方針を転換し・ 376 00:44:09,779 --> 00:44:14,584 イギリスとの連携を 強めていくことになるのです> 377 00:44:14,584 --> 00:44:26,284 ・~