1 00:00:03,044 --> 00:00:04,980 (島津斉興)斉彬め! 2 00:00:04,980 --> 00:00:07,782 <島津斉興の後継者を巡り➡ 3 00:00:07,782 --> 00:00:15,482 正室の子 斉彬と 側室である お由羅の子 忠教との間に 争いが起こります> 4 00:00:17,125 --> 00:00:21,796 <斉彬は 幕府の老中 阿部正弘と共謀。➡ 5 00:00:21,796 --> 00:00:28,670 将軍 徳川家慶を動かし 斉興の追い落としに成功します。➡ 6 00:00:28,670 --> 00:00:33,274 そして ついに 11代 摩藩主の座に 就きます。➡ 7 00:00:33,274 --> 00:00:36,478 (近衛忠熙) いや~ めでたいことや。 8 00:00:36,478 --> 00:00:38,413 (島津忠剛)めでたい! 9 00:00:38,413 --> 00:00:42,650 <斉彬の藩主就任に 人々は 大いに沸きます> 10 00:00:42,650 --> 00:00:44,986 (西郷吉之助)斉彬様の出番にございます。 11 00:00:44,986 --> 00:00:48,823 (於一)斉彬様とは それほど すばらしいお方なのですか? 12 00:00:48,823 --> 00:00:51,523 (島津斉彬)会うてみたいものじゃな。 13 00:00:53,161 --> 00:01:00,835 <於一と 斉彬との運命の出会いの時が 刻一刻と近づいていました> 14 00:01:00,835 --> 00:01:14,949 ♬~(テーマ音楽) 15 00:01:14,949 --> 00:03:44,649 ♬~ 16 00:03:46,634 --> 00:03:52,440 晴れて 摩藩主となった斉彬様が お国入りされたのは➡ 17 00:03:52,440 --> 00:03:56,440 嘉永4年5月8日。 18 00:03:58,146 --> 00:04:02,984 すぐに 島津本家に連なる ご一門四家をはじめ➡ 19 00:04:02,984 --> 00:04:07,422 おもだった家臣たちが集められました。 20 00:04:07,422 --> 00:04:15,763 前藩主 斉興派の方々は 戦々恐々として この日を迎えました。 21 00:04:15,763 --> 00:04:21,636 あちらのお二人は 相当びくついておられるようですな。 22 00:04:21,636 --> 00:04:23,938 事によれば 今日のうちに➡ 23 00:04:23,938 --> 00:04:26,975 切腹を仰せつけられるやもしれませぬな。 24 00:04:26,975 --> 00:04:29,675 ≪お成りにございます。 25 00:04:32,647 --> 00:04:36,951 家臣の誰もが 斉彬様による➡ 26 00:04:36,951 --> 00:04:42,751 斉興派への 厳しい報復人事を 予想していました。 27 00:04:51,132 --> 00:04:54,132 面を上げよ。 28 00:04:59,807 --> 00:05:04,646 難問は 山積し なすべきことは あまたある。 29 00:05:04,646 --> 00:05:10,418 されど 真っ先に考えるべきは…。 30 00:05:10,418 --> 00:05:13,718 何よりも 民のことじゃ。 31 00:05:15,290 --> 00:05:19,427 民が富めば 国は富む。 32 00:05:19,427 --> 00:05:24,599 民が潤わねば 国は衰え やがて滅びる。 33 00:05:24,599 --> 00:05:28,102 そのこと しかと 心得よ。 34 00:05:28,102 --> 00:05:34,976 民のための 政をなすべく 心して 余を助けよ。 35 00:05:34,976 --> 00:05:41,649 江戸に生まれ育った わしに何が分かる。 そう思う者もある。 36 00:05:41,649 --> 00:05:46,954 だが 外からでなければ 見えぬこともある。 37 00:05:46,954 --> 00:05:49,991 しかし また 摩をじかに知る➡ 38 00:05:49,991 --> 00:05:54,128 そなたたちでなければ 分からぬこともある。 39 00:05:54,128 --> 00:05:59,801 君臣 力を合わせれば 乗り越えられぬことはない。 40 00:05:59,801 --> 00:06:03,501 わしは そう信じるものである。 41 00:06:06,074 --> 00:06:12,947 一同の者 しかと頼むぞ。 42 00:06:12,947 --> 00:06:15,947 (一同)はは~! 43 00:06:17,685 --> 00:06:24,425 (お幸)民のための政でございますか。 うん…。 44 00:06:24,425 --> 00:06:28,763 あのようなことを仰せになった お殿様は 初めてじゃ。 45 00:06:28,763 --> 00:06:34,102 ただ 例の一件には 何も お触れにならなんだ。 46 00:06:34,102 --> 00:06:37,772 例の一件とは お由羅様の? 47 00:06:37,772 --> 00:06:42,110 うむ。 まず 罰すべき者たちを罰し➡ 48 00:06:42,110 --> 00:06:44,946 許されるべき者たちが許されると➡ 49 00:06:44,946 --> 00:06:47,615 誰もが 思うておうたのじゃがのう…。➡ 50 00:06:47,615 --> 00:06:52,120 今日のところは お目こぼしということであろうかの。 51 00:06:52,120 --> 00:06:54,455 なるほど。 52 00:06:54,455 --> 00:06:56,391 於一! 53 00:06:56,391 --> 00:06:58,691 はい。 54 00:07:01,262 --> 00:07:06,401 このところ 供を振り切っては 出歩いておるそうじゃの。 55 00:07:06,401 --> 00:07:09,303 今は やっておりませぬ。 56 00:07:09,303 --> 00:07:11,739 めったには。 57 00:07:11,739 --> 00:07:15,410 姫らしゅう おとなしゅう控えておれ! 58 00:07:15,410 --> 00:07:19,747 お城のことは そなたとは 何の関わりもないのじゃ。 59 00:07:19,747 --> 00:07:22,047 はい。 60 00:07:24,419 --> 00:07:31,592 民のための政として 斉彬様が 真っ先に手を付けられたのは➡ 61 00:07:31,592 --> 00:07:34,495 数千石の米を お蔵より出し➡ 62 00:07:34,495 --> 00:07:39,100 市中の米の値段を引き下げることでした。 63 00:07:39,100 --> 00:07:43,438 そうか 下々の者は 皆 喜んでおるか。 64 00:07:43,438 --> 00:07:48,609 (小松清猷)はい。 村々にも 活気が 出てまいったようだと聞き及びまする。 65 00:07:48,609 --> 00:07:51,446 そうか。 66 00:07:51,446 --> 00:07:54,115 (笑い声) 67 00:07:54,115 --> 00:07:56,050 (伊地知正治)ああ 愉快じゃなあ! 68 00:07:56,050 --> 00:07:59,787 まっこて愉快やったわ。 おお 愉快じゃ。 69 00:07:59,787 --> 00:08:03,487 ほれ 肝付さあ。 (肝付尚五郎)はい。 70 00:08:06,594 --> 00:08:11,065 (拍手と歓声) よか飲みっぷりじゃ! 71 00:08:11,065 --> 00:08:16,571 じゃっどん まさか 米の値段に 目を付けられるとは…。 72 00:08:16,571 --> 00:08:21,209 見事な お考え。 まさに 万民のための政ですね。 73 00:08:21,209 --> 00:08:24,412 (有村俊斎)そいに 家中の誰もが➡ 74 00:08:24,412 --> 00:08:28,082 殿様に 建白書を差し上げて よかちゅう お達しも すごか。 75 00:08:28,082 --> 00:08:31,586 (一同)ああ。 早速 建白書を書こう。 76 00:08:31,586 --> 00:08:34,088 書こう。 書くことは 山のようにある。 77 00:08:34,088 --> 00:08:37,758 (有村雄助)そいどん お殿様 直々に お読みくださるとなると➡ 78 00:08:37,758 --> 00:08:40,795 身が震えて書けん。 (有村次左衛門)手が震えてじゃろ。 79 00:08:40,795 --> 00:08:43,631 (雄助)身が震えるから 手が震えんとじゃ。➡ 80 00:08:43,631 --> 00:08:46,767 ばかが。 (次左衛門)痛かあ! 81 00:08:46,767 --> 00:08:51,639 いいかげんにせんか。 (笑い声) 82 00:08:51,639 --> 00:08:58,779 あとは 城中の大掃除か。 ああ。 83 00:08:58,779 --> 00:09:03,184 (尚五郎)じきに ご処分が解かれ 父上は 島から帰られ➡ 84 00:09:03,184 --> 00:09:07,388 大久保さんも お役に戻れます。 85 00:09:07,388 --> 00:09:14,161 そして 斉興様に連なる者たちは ことごとく罰せられる。 86 00:09:14,161 --> 00:09:17,398 (大久保正助)うん。 うん! 87 00:09:17,398 --> 00:09:19,901 こいで 決まりじゃあ! 88 00:09:19,901 --> 00:09:22,937 (一同)お~! 89 00:09:22,937 --> 00:09:25,937 ところが…。 90 00:09:29,076 --> 00:09:31,776 面を上げよ。 91 00:09:34,882 --> 00:09:41,082 まず 本日は 役向きの件についてだが…。 92 00:09:42,623 --> 00:09:47,094 変更などは 一切 行うつもりはない。 93 00:09:47,094 --> 00:09:50,765 そのように 心得よ。 94 00:09:50,765 --> 00:09:53,434 豊後 将曹。 95 00:09:53,434 --> 00:09:55,770 (島津将曹)はっ はい。 96 00:09:55,770 --> 00:09:59,640 父の頃と変わらず わしを もり立ててもらいたい。 97 00:09:59,640 --> 00:10:04,940 よろしく頼む。 (2人)はは~。 98 00:10:06,781 --> 00:10:11,118 ありえん。 かようなこと あってはならん! 99 00:10:11,118 --> 00:10:14,989 斉興様の意に従った者には 何の お沙汰もない上に➡ 100 00:10:14,989 --> 00:10:18,626 励ましの言葉まで 与えられたのだぞ。 こんなばかな話があるか! 101 00:10:18,626 --> 00:10:22,964 何か お考えがあってのことでは…。 考えじゃと? 102 00:10:22,964 --> 00:10:26,801 斉彬様のお子は 次々と 呪い殺された件を覚えておろう。 103 00:10:26,801 --> 00:10:30,501 このままでは ご自身の身も 危ういのだぞ。 104 00:10:32,673 --> 00:10:36,477 なのに なぜなのでしょう? 105 00:10:36,477 --> 00:10:40,177 (忠剛)於一。 はい。 106 00:10:42,149 --> 00:10:46,149 お城のことに口を挟むなと 申したであろう! 107 00:10:50,024 --> 00:10:53,494 はい。 108 00:10:53,494 --> 00:10:57,194 (島津忠敬)でやあ~! 109 00:10:59,166 --> 00:11:03,437 事は さほど容易ではないのだ。 どういうことですか? 110 00:11:03,437 --> 00:11:08,609 ご先代の斉興様は 40年の長きにわたって 国を治めてこられた。 111 00:11:08,609 --> 00:11:12,113 おまけに 摩は 77万石の大国ときておる。 112 00:11:12,113 --> 00:11:16,784 古く大きな船の舵を取るようなものじゃ。 これは難しいぞ。 113 00:11:16,784 --> 00:11:20,955 でも 斉彬様は すばらしいお殿様だと…。 114 00:11:20,955 --> 00:11:24,792 まあ あまり高望みはせぬ事じゃな。 115 00:11:24,792 --> 00:11:28,129 えい えい えい~! 116 00:11:28,129 --> 00:11:32,800 などと 兄は申すのですが いかが お考えですか? 117 00:11:32,800 --> 00:11:36,470 なぜ それを 私に聞くのですか? 118 00:11:36,470 --> 00:11:41,342 ほかに 聞ける人がおりませぬゆえ。 119 00:11:41,342 --> 00:11:50,818 私は 今日 ひどく疲れているのです。 どうしたのですか? 120 00:11:50,818 --> 00:11:53,654 大変だったのです ゆうべ。 121 00:11:53,654 --> 00:11:57,154 ゆうべ? はい。 122 00:12:02,363 --> 00:12:08,363 なぜじゃ… なぜ あん者たちが 処罰されんとじゃ! 123 00:12:10,771 --> 00:12:13,808 どげん なっとっとじゃあ! 124 00:12:13,808 --> 00:12:17,645 裁きし者は のうのうと居残り。 125 00:12:17,645 --> 00:12:22,645 裁かれし者は 許されんちゅうことか? 126 00:12:25,119 --> 00:12:27,955 肝付さぁ。 はい。 127 00:12:27,955 --> 00:12:31,792 何が起こっておるのか 調べてくださらんか。 128 00:12:31,792 --> 00:12:34,462 私がですか? 129 00:12:34,462 --> 00:12:39,333 私らの身分では どげんすることもできんのです。 130 00:12:39,333 --> 00:12:41,335 (西郷)お願いしもす! 131 00:12:41,335 --> 00:12:45,035 (一同)お願いしもす! 132 00:12:47,808 --> 00:12:50,144 なるほどね。 133 00:12:50,144 --> 00:12:55,015 はあ…。 あっ! 134 00:12:55,015 --> 00:13:00,154 いっそのこと お城に忍び込んだら いかがですか? 135 00:13:00,154 --> 00:13:02,089 そうか! 136 00:13:02,089 --> 00:13:04,024 忍び込むのですか? 137 00:13:04,024 --> 00:13:05,960 違います。 138 00:13:05,960 --> 00:13:08,863 それについて お尋ねする うってつけの方を 思いついたのです。 139 00:13:08,863 --> 00:13:12,800 うってつけの方? はい。 140 00:13:12,800 --> 00:13:17,638 いや~ 久方ぶりじゃのう。 (2人)ご無沙汰いたしております。 141 00:13:17,638 --> 00:13:22,638 しかし こうして見ると 2人とも 大人になったものじゃ。 142 00:13:24,345 --> 00:13:28,115 姫も 美しゅうなられた。 143 00:13:28,115 --> 00:13:30,451 そうですか? 144 00:13:30,451 --> 00:13:32,787 こやつは 全く変わっておりません。 145 00:13:32,787 --> 00:13:36,657 近くに おったのでは分からぬものじゃ。 のう 尚五郎。 146 00:13:36,657 --> 00:13:41,128 えっ? あ… いや 何というか…。 147 00:13:41,128 --> 00:13:46,000 先生 江戸は いかがでしたか? 148 00:13:46,000 --> 00:13:51,772 江戸より何より 殿のおそばに お仕えできることが 何よりの喜びじゃ。 149 00:13:51,772 --> 00:13:55,276 やはり すばらしいお殿様なのですか? 150 00:13:55,276 --> 00:13:58,145 とにかく物事のとらえ方が まるで違う。 151 00:13:58,145 --> 00:14:01,415 日々 感じ入ることばかりじゃ。 152 00:14:01,415 --> 00:14:04,318 ほら。 於一。 153 00:14:04,318 --> 00:14:06,287 いかがした? 154 00:14:06,287 --> 00:14:10,925 いえ 兄は 「お殿様に高望みするな」などと 申すのですよ。 155 00:14:10,925 --> 00:14:14,762 いえ あの 私は ただ…。 兄は 意地が悪いのです。 156 00:14:14,762 --> 00:14:19,099 それは 癖のようなものであろう。 大事なことだぞ。 157 00:14:19,099 --> 00:14:23,604 一癖なき者は 用に立たず。 殿は よく そう仰せになる。➡ 158 00:14:23,604 --> 00:14:28,108 それを長所と認めておいでなのだ。 はっ。 159 00:14:28,108 --> 00:14:32,980 しかし 先生 どうしても分からないことがありまして。 160 00:14:32,980 --> 00:14:38,118 ご赦免の件か? はい。 161 00:14:38,118 --> 00:14:41,789 そうじゃ。 妹に香をたかせよう。 162 00:14:41,789 --> 00:14:44,489 皆 こちらへ参れ。 163 00:14:46,660 --> 00:14:51,498 お香をたいて その香りを楽しむ香道。 164 00:14:51,498 --> 00:14:57,137 この時代 香道は 茶道や生け花などと並んで➡ 165 00:14:57,137 --> 00:15:00,808 武家のたしなみとなっておりました。 166 00:15:00,808 --> 00:15:12,753 ♬~ 167 00:15:12,753 --> 00:15:15,089 (お近)どうぞ。 168 00:15:15,089 --> 00:15:29,637 ♬~ 169 00:15:29,637 --> 00:15:32,439 いい香り。 170 00:15:32,439 --> 00:15:36,110 伽羅という 香にございます。 171 00:15:36,110 --> 00:15:59,800 ♬~ 172 00:15:59,800 --> 00:16:04,071 先ほどの ご赦免の件だが…。 173 00:16:04,071 --> 00:16:10,771 なぜ殿が 裁くべき者どもを裁かず 許すべき者どもを 許さぬのか。 174 00:16:14,715 --> 00:16:18,085 武士道とは 忠義の道である。 175 00:16:18,085 --> 00:16:21,422 殿の命を信じ それに従い➡ 176 00:16:21,422 --> 00:16:24,758 命を懸けるのが 忠義の道ではないのか? 177 00:16:24,758 --> 00:16:28,629 (尚五郎)それは そうですが…。 178 00:16:28,629 --> 00:16:32,633 私は 殿を信じておる。➡ 179 00:16:32,633 --> 00:16:35,102 私の答えは それだけだ。 180 00:16:35,102 --> 00:16:38,005 それでは 納得がいきません。 181 00:16:38,005 --> 00:16:41,775 ここは 姫が 口を出すべきことでは ございませぬ! 182 00:16:41,775 --> 00:16:46,075 先生も 父と同じことを おっしゃるのですね。 183 00:16:48,115 --> 00:16:50,115 えっ? 184 00:16:51,986 --> 00:16:57,624 うらやましゅうございます。 思ったことを はっきりと お口にできて。 185 00:16:57,624 --> 00:17:00,661 お近様も おっしゃればよいではないですか。 186 00:17:00,661 --> 00:17:03,397 私は…。 187 00:17:03,397 --> 00:17:06,300 自分に 自信がありませんから。 188 00:17:06,300 --> 00:17:11,071 なぜですか? かように 風雅の道を究めておられるのに。 189 00:17:11,071 --> 00:17:16,410 いえ まだまだ。 どなたかにお教えには ならないのですか? 190 00:17:16,410 --> 00:17:21,215 私には とても…。 体も 丈夫ではありませんし。 191 00:17:21,215 --> 00:17:27,087 お教えになれば お元気になられますよ。 私が 請け合います。 192 00:17:27,087 --> 00:17:31,759 そして その夜のこと。 193 00:17:31,759 --> 00:17:34,228 え~っ! お城に!? 194 00:17:34,228 --> 00:17:39,600 そうじゃ。 重富 加治木 垂水 我が 今和泉。 195 00:17:39,600 --> 00:17:42,102 一門四家が招かれて➡ 196 00:17:42,102 --> 00:17:46,974 斉彬様に ご挨拶に 参上つかまつることに あいなったのだ。 197 00:17:46,974 --> 00:17:50,611 やった~! やりました 母上! 198 00:17:50,611 --> 00:17:53,647 はい 私も楽しみです。 199 00:17:53,647 --> 00:17:57,251 しかも 此度は 女子も召し出され➡ 200 00:17:57,251 --> 00:18:01,889 奥にて 1人ずつでの ご拝謁となる。 破格のことなのじゃ。 201 00:18:01,889 --> 00:18:06,393 すご~い! (忠剛)「すご~い!」ではない。 202 00:18:06,393 --> 00:18:11,265 これが どういうことか 分かるか? 於一。 どういうことでしょう? 203 00:18:11,265 --> 00:18:16,403 くれぐれも 粗相のないようにせよ ということじゃ。 204 00:18:16,403 --> 00:18:20,074 もちろんでございます。 205 00:18:20,074 --> 00:18:23,744 そなたの 「もちろん」は…➡ 206 00:18:23,744 --> 00:18:27,044 恐ろしいのじゃ。 207 00:18:32,753 --> 00:18:36,090 (菊本)肝心なのは 重ねの色。 208 00:18:36,090 --> 00:18:39,093 おめでたき 吉祥紋様とすると…。 209 00:18:39,093 --> 00:18:43,764 やはり このあたりでしょうか。 210 00:18:43,764 --> 00:18:48,102 於哲様には 何としても負けられませぬゆえ。 211 00:18:48,102 --> 00:18:52,773 於哲様? 忠教様のご息女でございます。 212 00:18:52,773 --> 00:18:58,445 見目麗しく いつも 大変によいものを お召しだそうで。 213 00:18:58,445 --> 00:19:01,715 へえ~。 214 00:19:01,715 --> 00:19:07,387 お城には 大勢の殿方も おいでになるのですよ。 215 00:19:07,387 --> 00:19:12,259 どなたかに 見初められるやも しれぬでは ありませぬか。 216 00:19:12,259 --> 00:19:17,064 私は お殿様に お会いできるのが 楽しみでならんがのう。 217 00:19:17,064 --> 00:19:21,568 姫様…。 千載一遇の機会にて➡ 218 00:19:21,568 --> 00:19:28,075 この菊本 命懸けで努める覚悟にござりまする。 219 00:19:28,075 --> 00:19:30,744 そうか よろしく頼む。 220 00:19:30,744 --> 00:19:34,081 (しの)姫様。➡ 221 00:19:34,081 --> 00:19:36,917 お殿様が お呼びにござります。 222 00:19:36,917 --> 00:19:39,953 父上が? 何の御用じゃ? 223 00:19:39,953 --> 00:19:45,425 何やら 稽古などと…。 稽古? 224 00:19:45,425 --> 00:19:47,361 まずは 礼からじゃ。 225 00:19:47,361 --> 00:19:50,597 相手は殿じゃ。 普通の礼では通らぬぞ。 226 00:19:50,597 --> 00:19:52,597 やってみよ。 227 00:19:54,234 --> 00:19:56,770 もそっと 深う。 228 00:19:56,770 --> 00:20:00,440 う~ん… まあ よいじゃろう。 ああ そのまま。 229 00:20:00,440 --> 00:20:03,343 何と言うのじゃ? 230 00:20:03,343 --> 00:20:06,113 忠剛が娘 一にございます! 231 00:20:06,113 --> 00:20:08,448 駄目じゃ 駄目じゃ。 232 00:20:08,448 --> 00:20:13,120 元気がよすぎる。 そなたは 年頃の女子であろう。 233 00:20:13,120 --> 00:20:17,820 もそっと こう… もそっと。 234 00:20:20,994 --> 00:20:24,731 「忠剛が娘 一にございます。 此度は 無事の…」。 235 00:20:24,731 --> 00:20:27,467 アハハハハハハ! 何がおかしい! 236 00:20:27,467 --> 00:20:31,338 あ…。 そなたのために やっておるのではないか。 237 00:20:31,338 --> 00:20:33,807 申し訳ございません。 238 00:20:33,807 --> 00:20:39,479 う~ん… とにかく それが終わったら 殿が申される。 239 00:20:39,479 --> 00:20:42,282 うん。 ああ 面を上げ…。 240 00:20:42,282 --> 00:20:45,152 ハハハハハ! 何がおかしい! 「面を上げよ」。 241 00:20:45,152 --> 00:20:49,823 わしは わしではない 殿じゃ。 先に 進まぬではないか。 242 00:20:49,823 --> 00:20:55,162 次にゆくぞ。 次は 大体 年を聞かれるな。 243 00:20:55,162 --> 00:20:58,498 そなた 何歳に あいなる? 244 00:20:58,498 --> 00:21:02,369 17にございます! ん!? ああ…。 245 00:21:02,369 --> 00:21:05,105 (於一のせきばらい) 246 00:21:05,105 --> 00:21:08,008 17にございます。 247 00:21:08,008 --> 00:21:11,445 ほう よいではないか。 248 00:21:11,445 --> 00:21:15,782 続いて え~ 何を好むか? 249 00:21:15,782 --> 00:21:19,453 史書を読むことにございます。 駄目じゃ! 駄目じゃ! 史書 駄目じゃ! 250 00:21:19,453 --> 00:21:22,256 生け花と書くらい 言えんのか? 251 00:21:22,256 --> 00:21:28,056 駄目じゃ! 駄目じゃ! うそはならぬ! と 父上に育てられました。 252 00:21:29,796 --> 00:21:32,466 まあ… なら…。 253 00:21:32,466 --> 00:21:35,466 それくらいは よいわ。 254 00:21:37,337 --> 00:21:42,476 あとどれくらい やるのですか? もう 疲れました…。 255 00:21:42,476 --> 00:21:45,145 今日から お城に上がるまで 毎日じゃ! 256 00:21:45,145 --> 00:21:49,816 え~! 「え~!」じゃない! 257 00:21:49,816 --> 00:21:52,152 次に いくぞ。 258 00:21:52,152 --> 00:21:55,055 おっ そうじゃ。 259 00:21:55,055 --> 00:22:03,096 お守り。 あの お礼だけは 忘れてはならぬぞ。 よいな! 260 00:22:03,096 --> 00:22:05,096 はい! 261 00:22:06,767 --> 00:22:10,637 そして お召し出しの当日。 262 00:22:10,637 --> 00:22:15,242 ご一門四家の方々は 打ちそろって登城され➡ 263 00:22:15,242 --> 00:22:22,042 家の格の順に 斉彬様への拝謁に臨まれました。 264 00:22:25,786 --> 00:22:35,128 (島津忠教)兄上 此度は おめでとうござりまする。 265 00:22:35,128 --> 00:22:37,798 うん。 266 00:22:37,798 --> 00:22:43,498 そちも 四家筆頭として 一層 励むよう。 267 00:22:46,807 --> 00:22:49,710 ただ…。 268 00:22:49,710 --> 00:22:57,150 せんだっての 一件については 私なぞ おったがゆえに➡ 269 00:22:57,150 --> 00:22:59,986 兄上を 邪魔立てするような仕儀となり…。 270 00:22:59,986 --> 00:23:05,759 言うな 忠教。 そもそも そちには 何の咎もないこと。 271 00:23:05,759 --> 00:23:07,694 しかし…。 272 00:23:07,694 --> 00:23:11,631 峠を越えてこそ 広がる景色もあろう。 273 00:23:11,631 --> 00:23:15,102 2人きりの兄 弟。 274 00:23:15,102 --> 00:23:22,402 力を合わせて 摩と 日本国のために 尽くしてまいろうぞ。 275 00:23:24,778 --> 00:23:27,078 はは~っ! 276 00:23:32,652 --> 00:23:35,652 妻女の幸にございます。 277 00:23:37,357 --> 00:23:44,798 女子の身にまで お心を おかけくださり 恐悦至極に存じまする。 278 00:23:44,798 --> 00:23:46,733 うむ。 279 00:23:46,733 --> 00:23:53,974 また 畏れながら 民草のことを 何より お考えくだされたこと➡ 280 00:23:53,974 --> 00:23:57,774 大層 うれしゅうございます。 281 00:23:59,479 --> 00:24:03,216 忠剛殿は 麗しいばかりではなく➡ 282 00:24:03,216 --> 00:24:07,716 才たけた 奥方を持たれたようじゃなあ。 283 00:24:09,423 --> 00:24:14,761 もったいなき お言葉 痛み入りまする。 284 00:24:14,761 --> 00:24:19,099 面を上げよ。 285 00:24:19,099 --> 00:24:22,769 その方は 三男であったのう? 286 00:24:22,769 --> 00:24:28,442 はっ 畏れながら拙者 一癖ある身にて➡ 287 00:24:28,442 --> 00:24:32,312 きっと お役に立つと存じます。 288 00:24:32,312 --> 00:24:37,451 人は 一能一芸なき者なしと言うぞ。 289 00:24:37,451 --> 00:24:41,788 その長短を生かすのも また 主君たる者の務めじゃ。 290 00:24:41,788 --> 00:24:44,458 力を貸してくれるな? 291 00:24:44,458 --> 00:24:50,130 はっ 身命を賭して ご奉公 つかまつりまする。 292 00:24:50,130 --> 00:24:56,130 最後は 姫様方が残られました。 293 00:25:01,575 --> 00:25:06,079 (於哲)忠教が娘 哲にございます。➡ 294 00:25:06,079 --> 00:25:10,951 この度は 無事のお国入り おめでとう存じます。 295 00:25:10,951 --> 00:25:14,754 面を上げよ。 296 00:25:14,754 --> 00:25:18,425 そなた 好むことは何じゃ? 297 00:25:18,425 --> 00:25:22,762 生け花を たしなみまする。 298 00:25:22,762 --> 00:25:43,783 ♬~ 299 00:25:43,783 --> 00:25:47,120 ≪今和泉家 於一様。 300 00:25:47,120 --> 00:25:49,820 はい! 301 00:25:52,993 --> 00:25:57,130 忠剛が娘 一にございます! 302 00:25:57,130 --> 00:26:01,968 此度は 無事のお国入り おめでとう存じます。 303 00:26:01,968 --> 00:26:04,938 面を上げよ。 304 00:26:04,938 --> 00:26:15,081 ♬~ 305 00:26:15,081 --> 00:26:20,954 そなたが 忠剛殿の息女か。 何歳に あいなる? 306 00:26:20,954 --> 00:26:24,758 はい。 17にございます。 307 00:26:24,758 --> 00:26:28,628 好むことは何じゃ? 308 00:26:28,628 --> 00:26:31,631 史書を読むことにございます。 309 00:26:31,631 --> 00:26:36,369 史書を? これは めずらしい。 310 00:26:36,369 --> 00:26:43,777 殿 畏れながら。 以前 学問所で 教えておりました折➡ 311 00:26:43,777 --> 00:26:48,615 男のなりをしてまで 講義を聴こうとなさった姫にございます。 312 00:26:48,615 --> 00:26:51,952 男のなりを!? 313 00:26:51,952 --> 00:26:56,790 面白き娘とは 聞いておったが なるほどのう。 314 00:26:56,790 --> 00:26:59,125 男のなりをするのも よいが➡ 315 00:26:59,125 --> 00:27:04,731 摩のために 立派な女人となり 今後も励むように。 316 00:27:04,731 --> 00:27:08,068 身に余る お言葉にございます。 317 00:27:08,068 --> 00:27:11,368 うむ。 ではな。 318 00:27:14,741 --> 00:27:17,077 はあ…。 319 00:27:17,077 --> 00:27:19,412 ん? 何じゃ? 320 00:27:19,412 --> 00:27:23,283 あ… 失礼いたしました! 安堵いたしましたもので。 321 00:27:23,283 --> 00:27:25,919 安堵? ああ いや…➡ 322 00:27:25,919 --> 00:27:30,590 あの 本日のために 父に 稽古をさせられまして。 323 00:27:30,590 --> 00:27:34,761 稽古? いや あの ですから…。 324 00:27:34,761 --> 00:27:38,098 おと… お殿様の御前で 粗相がないようにと…。 325 00:27:38,098 --> 00:27:41,768 私は 父から信用されておりませぬゆえ…。 326 00:27:41,768 --> 00:27:45,105 それで 稽古させられたのか? はい。 327 00:27:45,105 --> 00:27:49,442 あ… それと もう一つ 忘れておりました。 328 00:27:49,442 --> 00:27:54,114 これは 私が生まれる前に 頂戴いたしました お守りにございます。 329 00:27:54,114 --> 00:27:56,616 おお あの時の。 330 00:27:56,616 --> 00:27:59,252 今日 このように 健勝でいられるのも➡ 331 00:27:59,252 --> 00:28:03,256 この お守りのおかげと 日々 手を合わせております。 332 00:28:03,256 --> 00:28:07,060 ハハハハハハ。 それも申すように言われたのか? 333 00:28:07,060 --> 00:28:09,896 それも ありますが…。 334 00:28:09,896 --> 00:28:14,401 いえ これは 何より 私の気持ちにございます。 335 00:28:14,401 --> 00:28:20,740 ハハハハハ よう分かった。 いや~ 愉快であった。 336 00:28:20,740 --> 00:28:23,576 これからも変わらず 元気で過ごされよ。 337 00:28:23,576 --> 00:28:26,613 ありがたき幸せにございます。 338 00:28:26,613 --> 00:28:28,913 ではな。 339 00:28:33,286 --> 00:28:37,090 あの お殿様。 340 00:28:37,090 --> 00:28:39,025 何じゃ? 341 00:28:39,025 --> 00:28:41,961 畏れながら 伺いたきことがございます。 342 00:28:41,961 --> 00:28:47,734 於一様! よい。 申してみよ。 343 00:28:47,734 --> 00:28:50,637 知り合いに 父が遠島➡ 344 00:28:50,637 --> 00:28:54,107 当人も 謹慎の身となっている者が おります。 345 00:28:54,107 --> 00:28:58,445 女子ばかり3人とで 貧しい暮らしに 耐えております。 346 00:28:58,445 --> 00:29:08,054 ♬~ 347 00:29:08,054 --> 00:29:10,724 そうか…。 348 00:29:10,724 --> 00:29:12,659 米の値を下げたのは➡ 349 00:29:12,659 --> 00:29:14,894 そうした者たちへのためでも あったのだが➡ 350 00:29:14,894 --> 00:29:16,930 まだ 足りぬか。 351 00:29:16,930 --> 00:29:21,401 今 罰を受けておいでの方たちは 許されるのでしょうか? 352 00:29:21,401 --> 00:29:25,739 もちろん 許すつもりじゃ。 では 遠島となった方々も? 353 00:29:25,739 --> 00:29:29,576 いずれ帰す。 時が来れば 必ず許す。 354 00:29:29,576 --> 00:29:33,913 ありがとうございます。 それで よいかな? 355 00:29:33,913 --> 00:29:37,584 あの… もう一つだけ。 356 00:29:37,584 --> 00:29:42,756 於一様 大概になされませ。 よい。 357 00:29:42,756 --> 00:29:45,056 申してみよ。 358 00:29:48,094 --> 00:29:50,764 此度の騒動のことで…。 お控えなされ! 359 00:29:50,764 --> 00:29:54,634 よい! 続けよ。 360 00:29:54,634 --> 00:29:59,939 なぜ 斉興様に近い方々は ご要職にとどまられ➡ 361 00:29:59,939 --> 00:30:05,745 お殿様のために働いた方々は いまだに許されないのでしょうか? 362 00:30:05,745 --> 00:30:09,449 そなたは どう思う? 363 00:30:09,449 --> 00:30:17,791 あの… お父上様 斉興様への ご遠慮ではないかと…。 364 00:30:17,791 --> 00:30:19,726 ほう。 365 00:30:19,726 --> 00:30:26,499 今 ご処分を取り消しては 斉興様へ背くことにもなりますゆえ。 366 00:30:26,499 --> 00:30:29,699 なるほど。 367 00:30:33,139 --> 00:30:36,142 力とは 何であると心得る? 368 00:30:36,142 --> 00:30:39,479 力でございますか? 369 00:30:39,479 --> 00:30:43,983 力は 力を呼ぶ。 腕力には 腕力。 370 00:30:43,983 --> 00:30:46,886 武力には 武力で 人は 応じようとする。 371 00:30:46,886 --> 00:30:52,492 だが そこに生じるのは 憎しみばかりじゃ。 はい。 372 00:30:52,492 --> 00:30:56,362 憎しみは 互いの心に 憎しみを生み➡ 373 00:30:56,362 --> 00:31:00,166 それが 更なる争いを生む。 374 00:31:00,166 --> 00:31:04,437 はい。 罰を与えるのは易しい。 375 00:31:04,437 --> 00:31:11,110 だが 刃を突き出せば 必ず 別の刃が突き出される。 376 00:31:11,110 --> 00:31:14,110 そうではないか? 377 00:31:16,449 --> 00:31:20,787 今は くだらぬ いさかいをしておる時ではない。 378 00:31:20,787 --> 00:31:26,259 誰もが 心を一つにして 摩を まとめる時じゃ。 379 00:31:26,259 --> 00:31:32,465 それゆえ 広く民の声も聴いておる。 380 00:31:32,465 --> 00:31:37,804 それでも わしのなすこと 信じられぬなら➡ 381 00:31:37,804 --> 00:31:41,504 即刻 この国から 出ていくことじゃ。 382 00:31:43,476 --> 00:31:46,379 以上である。 383 00:31:46,379 --> 00:32:05,732 ♬~ 384 00:32:58,952 --> 00:33:04,090 (せみの声) 385 00:33:04,090 --> 00:33:11,230 姫様。 於哲様との勝負には 間違いなく 勝ちました。 386 00:33:11,230 --> 00:33:16,769 姫様の衣装の方が はるかに華やかだったと聞いております。 387 00:33:16,769 --> 00:33:20,106 菊本。 はい。 388 00:33:20,106 --> 00:33:23,009 争いは 争いを生むだけぞ。 389 00:33:23,009 --> 00:33:26,779 は? はあ…。 390 00:33:26,779 --> 00:33:29,079 (ため息) 391 00:33:31,451 --> 00:33:37,123 おお 尚五郎。 お帰りなさいませ。 どうしたのだ? 392 00:33:37,123 --> 00:33:39,625 お殿様のお話をお聞きしたく お待ち申しておりました。 393 00:33:39,625 --> 00:33:42,962 (忠敬)そうか。 すばらしいお殿様じゃったぞ。 394 00:33:42,962 --> 00:33:45,999 そうですか。 とにかく部屋へ来い。 はい。 395 00:33:45,999 --> 00:33:48,299 (於一のせきばらい) 396 00:33:53,139 --> 00:33:57,143 あの… ちょっと手洗いに。 すぐに参りますので。 397 00:33:57,143 --> 00:33:59,812 おう。 398 00:33:59,812 --> 00:34:02,715 許すと そう仰せられたのですか? 399 00:34:02,715 --> 00:34:06,419 はい。 大久保さんの お父上も戻すと? 400 00:34:06,419 --> 00:34:08,354 はい。 401 00:34:08,354 --> 00:34:10,289 すごい… すごいですよ! 402 00:34:10,289 --> 00:34:14,761 しかし よくも まあ お殿様に向かって それだけのこと おっしゃいましたね。 403 00:34:14,761 --> 00:34:17,663 勇気があると言うべきか 無謀と言うべきか…。 404 00:34:17,663 --> 00:34:21,434 そうなのです。 言い過ぎてしまって…。 405 00:34:21,434 --> 00:34:26,773 もしかしたら すべて 台なしに なってしまったかもしれないのです。 406 00:34:26,773 --> 00:34:30,943 それでも わしのなすこと 信じられぬなら➡ 407 00:34:30,943 --> 00:34:34,443 即刻 この国から 出ていくことじゃ。 408 00:34:37,450 --> 00:34:42,321 大丈夫でしょうか…。 大丈夫とは? 409 00:34:42,321 --> 00:34:47,460 大久保さんたちのこと。 お約束が どうなるか…。 410 00:34:47,460 --> 00:34:49,796 殿様を信じましょう。 411 00:34:49,796 --> 00:34:52,265 清猷先生も おっしゃっていたではありませんか。 412 00:34:52,265 --> 00:34:54,200 武士道について。 413 00:34:54,200 --> 00:34:57,970 でも…。 ともかく すぐに知らせてきます。 414 00:34:57,970 --> 00:35:02,942 誰に? 大久保さんにです。 ああ。 415 00:35:02,942 --> 00:35:08,614 於一殿 あなたは すごいことをしたのですよ。 416 00:35:08,614 --> 00:35:11,614 しっかりしてください。 417 00:35:14,087 --> 00:35:16,422 はい。 418 00:35:16,422 --> 00:35:30,436 ♬~ 419 00:35:30,436 --> 00:35:32,371 それは まことですか? 420 00:35:32,371 --> 00:35:37,310 はい。 大久保さんも 大久保さんの父上も お許しになると。 421 00:35:37,310 --> 00:35:42,782 正助どん。 何よりの知らせじゃなかか? 422 00:35:42,782 --> 00:35:45,451 じゃっどん…。 じゃっどん? 423 00:35:45,451 --> 00:35:49,451 そげんなれば よかち思うてな。 424 00:35:51,791 --> 00:35:56,791 おいたちの殿様を 信じてみようじゃなかか。 425 00:36:04,370 --> 00:36:07,073 大久保さん。 426 00:36:07,073 --> 00:36:09,773 信じましょう。 427 00:36:11,911 --> 00:36:16,749 はい。 すんませんでした。 428 00:36:16,749 --> 00:36:19,449 よかった。 429 00:36:23,089 --> 00:36:25,024 肝付さぁ! 430 00:36:25,024 --> 00:36:29,595 こん度のこつ ほんのこて ありがとうございもした。 431 00:36:29,595 --> 00:36:32,498 また 今和泉の姫様に➡ 432 00:36:32,498 --> 00:36:38,104 くれぐれも… くれぐれも よろしゅう お伝えください。 433 00:36:38,104 --> 00:36:41,104 よろしゅう お願いします。 434 00:36:46,779 --> 00:36:50,650 於一様に伝えます。 435 00:36:50,650 --> 00:36:54,950 皆さんが 大層 喜んでいたことを。 436 00:36:57,123 --> 00:37:02,929 じゃっどん 事もあろうに 殿様に食い下がるとは➡ 437 00:37:02,929 --> 00:37:07,733 まことに すごか姫ですな。 438 00:37:07,733 --> 00:37:31,958 ♬~ 439 00:37:31,958 --> 00:37:34,961 [ 回想 ] 罰を与えるのは易しい。 440 00:37:34,961 --> 00:37:41,634 だが 刃を突き出せば 必ず 別の刃が突き出される。 441 00:37:41,634 --> 00:37:44,334 そうではないか? 442 00:37:47,406 --> 00:37:53,106 誰もが 心を一つにして 摩を まとめる時じゃ。 443 00:38:01,387 --> 00:38:05,687 それから 数日後のこと。 444 00:38:07,260 --> 00:38:12,260 すぐに 於一を呼ぶように。 はい。 445 00:38:14,934 --> 00:38:17,737 今日 お城で聞いた。 446 00:38:17,737 --> 00:38:19,772 そなた せんだっての お召しの日➡ 447 00:38:19,772 --> 00:38:21,907 此度の騒動について➡ 448 00:38:21,907 --> 00:38:27,413 お殿様に 山ほどものを尋ねたそうではないか! 449 00:38:27,413 --> 00:38:29,749 はい。 450 00:38:29,749 --> 00:38:35,221 よいか そもそも ご主君に 何か問うなど➡ 451 00:38:35,221 --> 00:38:38,090 不埒 極まりないことであるぞ! 452 00:38:38,090 --> 00:38:41,761 しかも 女子が 政についてなど。 453 00:38:41,761 --> 00:38:46,098 はい。 今は 少々 悔いております。 454 00:38:46,098 --> 00:38:48,434 少々!? 455 00:38:48,434 --> 00:38:52,134 かなり… です。 456 00:38:56,309 --> 00:39:02,948 この度 家中の者たちに ご下賜金が遣わされるそうじゃ。 457 00:39:02,948 --> 00:39:05,918 ご下賜金? うむ。 458 00:39:05,918 --> 00:39:11,057 此度の騒動で 罪に服している者にも 等しく遣わされる。 459 00:39:11,057 --> 00:39:15,728 まことでございますか!? まことじゃ。 460 00:39:15,728 --> 00:39:20,900 お殿様は 私との約束を 守ってくださったのでございますね。 461 00:39:20,900 --> 00:39:25,071 約束? 何を約束したと申すのじゃ? 462 00:39:25,071 --> 00:39:27,740 えっ。 463 00:39:27,740 --> 00:39:30,409 詳しく 申してみよ。 464 00:39:30,409 --> 00:39:35,709 お殿様に申し上げた話を このわしに 詳しゅう申すのじゃ! 465 00:39:39,085 --> 00:39:43,956 ああ… 父上 そろそろ 夕げの時刻にございます。 466 00:39:43,956 --> 00:39:48,094 今日の おかずは 何か 聞いてまいります。 では これにて。 467 00:39:48,094 --> 00:39:52,765 待て! 於一。 話は まだ終わっておらぬぞ。➡ 468 00:39:52,765 --> 00:39:55,065 待て 於一! 469 00:39:58,437 --> 00:40:02,437 そのころ お城では…。 470 00:40:06,112 --> 00:40:12,451 もう一度 会いたいものだな。 はい? 471 00:40:12,451 --> 00:40:18,324 姫じゃ 今和泉の。 はい。 472 00:40:18,324 --> 00:40:28,801 ♬~ 473 00:40:28,801 --> 00:40:34,101 そして ここに もうお一人。 474 00:40:36,142 --> 00:40:40,813 あ~っ! 475 00:40:40,813 --> 00:40:47,486 今和泉の姫を… 見初めただと? 476 00:40:47,486 --> 00:40:49,822 (島津右近)はい。 477 00:40:49,822 --> 00:40:51,822 だあっ! 478 00:40:53,492 --> 00:40:59,192 於一は どこじゃ? 旦那様 先にお召し替えを。 479 00:41:13,779 --> 00:41:16,115 話は まだ終わっておらぬぞ。 480 00:41:16,115 --> 00:41:19,785 父上。 な… 何じゃ。 481 00:41:19,785 --> 00:41:22,822 美しい月にございます。 482 00:41:22,822 --> 00:41:27,622 月? ほんに! 483 00:41:38,471 --> 00:41:41,507 今宵は 月見酒といくか。 484 00:41:41,507 --> 00:41:46,145 それは よいお考え。 すぐに 支度をさせましょう。 485 00:41:46,145 --> 00:41:49,845 母上 私も手伝います。 はい。 486 00:41:56,489 --> 00:42:02,094 う~ん。 於一の酌だと また格別じゃのう。 ハハハ。 487 00:42:02,094 --> 00:42:04,763 飲んどるか? はい 頂いております。 488 00:42:04,763 --> 00:42:10,236 今和泉の皆様が むつまじい ご家族でいられる時は➡ 489 00:42:10,236 --> 00:42:16,442 刻一刻 削られるように 減っておりました。 490 00:42:16,442 --> 00:42:19,111 そして そのことを➡ 491 00:42:19,111 --> 00:42:24,811 まだ どなたも ご存じなかったのでございます。 492 00:42:31,123 --> 00:42:34,793 日本一の男です。 日本一の男? 493 00:42:34,793 --> 00:42:37,129 日本一の男の妻になりたい。 494 00:42:37,129 --> 00:42:40,799 於一に 縁談が来た。 えっ! 於一殿に 縁談? 495 00:42:40,799 --> 00:42:43,469 わしのせいじゃな。 好きな相手と…。 496 00:42:43,469 --> 00:42:45,404 それが よくないのです。 497 00:42:45,404 --> 00:42:48,274 日本一の…。 日本一の男? 498 00:42:48,274 --> 00:42:51,143 日本一の男…。 499 00:42:51,143 --> 00:42:53,979 なれるのか? 俺に。 会ってみたいのです。 500 00:42:53,979 --> 00:42:56,015 まだ そうと決まったわけでは ないのでしょ? 501 00:42:56,015 --> 00:43:00,715 でも…。 私は わがままなのでしょうか? 502 00:43:02,588 --> 00:43:07,760 <鹿児島市の中心部から北東へ5km。➡ 503 00:43:07,760 --> 00:43:09,795 磯と呼ばれる辺りに➡ 504 00:43:09,795 --> 00:43:17,102 藩主 島津斉彬は 日本初の近代的な工場を築きました。➡ 505 00:43:17,102 --> 00:43:20,973 斉彬は 西洋の技術を取り入れ➡ 506 00:43:20,973 --> 00:43:24,777 製鉄や造船などの産業を 発展させるとともに➡ 507 00:43:24,777 --> 00:43:28,077 軍備の拡大を図りました> 508 00:43:29,648 --> 00:43:33,953 <また ガラス工芸や 紡績などの産業を興し➡ 509 00:43:33,953 --> 00:43:39,753 後に 大陸との貿易で 大きな利益を得ました> 510 00:43:43,128 --> 00:43:46,999 <島津家の別邸 仙巌園。➡ 511 00:43:46,999 --> 00:43:50,803 斉彬は ここで 灯籠を使って➡ 512 00:43:50,803 --> 00:43:54,503 ガス灯をともす実験に成功しました> 513 00:44:00,479 --> 00:44:04,350 <斉彬を祭った 照国神社。➡ 514 00:44:04,350 --> 00:44:08,754 近代日本の礎を築いた 島津斉彬は➡ 515 00:44:08,754 --> 00:44:13,092 今も 多くの人から親しまれています> 516 00:44:13,092 --> 00:44:26,092 ♬~