1 00:00:04,227 --> 00:00:06,162 (於一)今日までのご恩➡ 2 00:00:06,162 --> 00:00:11,462 まことに ありがとうございました。 3 00:00:13,302 --> 00:00:19,809 <今和泉家に 別れを告げた於一は ついに 島津本家の養女として➡ 4 00:00:19,809 --> 00:00:24,009 斉彬の居城 鶴丸城に向かったのでした> 5 00:00:25,615 --> 00:00:31,821 <この鶴丸城には 江戸城と同じように 大奥が存在しました。➡ 6 00:00:31,821 --> 00:00:34,323 そこに勤める 女性たちの 職制は➡ 7 00:00:34,323 --> 00:00:36,826 江戸城 大奥のしきたりに 倣って➡ 8 00:00:36,826 --> 00:00:39,328 作られていました。➡ 9 00:00:39,328 --> 00:00:41,664 御仲居 御末など➡ 10 00:00:41,664 --> 00:00:44,567 雑務をこなす 下級侍女たち。➡ 11 00:00:44,567 --> 00:00:48,337 そして 総取締役である老女を頂点に➡ 12 00:00:48,337 --> 00:00:50,273 身分と役割が 細分化された➡ 13 00:00:50,273 --> 00:00:52,842 上級侍女たち。➡ 14 00:00:52,842 --> 00:00:54,777 鶴丸城の大奥では➡ 15 00:00:54,777 --> 00:00:58,714 このように 厳しい序列の下で働く奥女中たちが➡ 16 00:00:58,714 --> 00:01:02,018 於一を待ち構えていたのです> 17 00:01:02,018 --> 00:01:16,299 ♬~(テーマ音楽) 18 00:01:16,299 --> 00:03:45,799 ♬~ 19 00:03:49,151 --> 00:03:52,054 嘉永6年春。 20 00:03:52,054 --> 00:03:55,925 島津本家の養女となられた 於一様は➡ 21 00:03:55,925 --> 00:04:01,664 今和泉家より 侍女一人だけを伴い 鶴丸城に入り➡ 22 00:04:01,664 --> 00:04:07,964 江戸におられる 斉彬様のお帰りを待つこととなりました。 23 00:04:13,109 --> 00:04:16,145 (侍女)姫君様のお部屋にございます。 24 00:04:16,145 --> 00:04:31,293 ♬~ 25 00:04:31,293 --> 00:04:35,164 老女の広川にございます。 26 00:04:35,164 --> 00:04:42,464 我ら一同にて 姫君様のおそばの御用をつかまつります。 27 00:04:44,306 --> 00:04:47,606 ありがとうございます。 28 00:04:50,813 --> 00:04:53,313 ああ…。 29 00:04:55,684 --> 00:04:59,321 相分かった。 30 00:04:59,321 --> 00:05:06,595 (広川)このお部屋は 此度 姫君様をお迎えするにあたって➡ 31 00:05:06,595 --> 00:05:11,595 調度を すべて改めましてございます。 32 00:05:16,272 --> 00:05:20,472 (広川)お召し物も このとおり。 33 00:05:25,948 --> 00:05:32,288 また ここは お城でも 一番眺めのよい場所にて。 34 00:05:32,288 --> 00:05:36,158 ゆき ひさ。 35 00:05:36,158 --> 00:05:39,458 どうぞ ご覧あそばしませ。 36 00:05:45,301 --> 00:05:49,638 きれい! 37 00:05:49,638 --> 00:05:53,142 庭には お出になられませぬように。 38 00:05:53,142 --> 00:05:55,978 なぜですか? 39 00:05:55,978 --> 00:05:57,913 なぜじゃ? 40 00:05:57,913 --> 00:06:01,317 転んで おけがでもされたら…。 41 00:06:01,317 --> 00:06:03,252 転ぶ? 42 00:06:03,252 --> 00:06:10,252 そんなことになりましたら お殿様に 申し訳が立ちませぬゆえ。 43 00:06:28,944 --> 00:06:34,244 (広川)ごゆるりと ご休息あそばされませ。 44 00:06:38,287 --> 00:06:41,957 広川様は 於一様に➡ 45 00:06:41,957 --> 00:06:44,293 「お城での しきたりを教え➡ 46 00:06:44,293 --> 00:06:52,993 本家の娘としての自覚を持たせよ」 との命を 斉彬様より受けていました。 47 00:07:01,310 --> 00:07:03,746 ああっ。 48 00:07:03,746 --> 00:07:06,782 もったいない…。 49 00:07:06,782 --> 00:07:13,255 (侍女たちの笑い声) 50 00:07:13,255 --> 00:07:23,899 ♬~ 51 00:07:23,899 --> 00:07:26,599 (島津忠剛)ああ…。 52 00:07:31,407 --> 00:07:34,944 静かになったのう。 53 00:07:34,944 --> 00:07:37,944 (お幸)まことに。 54 00:07:40,816 --> 00:07:45,955 邸が広うなったような気がするわ。 55 00:07:45,955 --> 00:07:50,626 どうしておるかのう 於一は。 56 00:07:50,626 --> 00:07:53,529 どうしているでしょうねえ。 57 00:07:53,529 --> 00:07:56,966 出ていったのは 今朝だというのに➡ 58 00:07:56,966 --> 00:08:01,666 もう何日も たったような気がしてならぬわ。 59 00:08:04,773 --> 00:08:09,244 わしは 愚かであったのかのう…。 60 00:08:09,244 --> 00:08:15,918 ああも言いたかった。 こうも してやりたかったと➡ 61 00:08:15,918 --> 00:08:18,821 今になって 悔やむばかりじゃ。 62 00:08:18,821 --> 00:08:24,927 言葉になさらずとも きっと伝わっておりますよ。 63 00:08:24,927 --> 00:08:27,262 そうであろうか…。 64 00:08:27,262 --> 00:08:30,165 はい。 65 00:08:30,165 --> 00:08:33,068 そうじゃな。 66 00:08:33,068 --> 00:08:41,268 しかし 何やら まとめて年を取ったような気がするのう。 67 00:08:43,278 --> 00:08:45,948 少し横になるか。 68 00:08:45,948 --> 00:08:49,618 では すぐにご用意を。 うん。 69 00:08:49,618 --> 00:09:18,781 ♬~ 70 00:09:18,781 --> 00:09:24,453 (島津忠敬)於一が出ていって まだ半日か。 71 00:09:24,453 --> 00:09:27,923 (肝付尚五郎)そうですね。 72 00:09:27,923 --> 00:09:33,623 からかう相手が おらぬというのは つまらんもんじゃのう。 73 00:09:40,269 --> 00:09:42,604 尚五郎。 はっ。 74 00:09:42,604 --> 00:09:47,409 一度 聞いてみたかったのだが…。 はい。 75 00:09:47,409 --> 00:09:50,779 お主 於一に ほれておったのではないか? 76 00:09:50,779 --> 00:09:53,816 そ… そんな… そんなことはございません。 77 00:09:53,816 --> 00:09:58,954 冗談じゃ。 あやつに ほれる者などおるか。 のう。 78 00:09:58,954 --> 00:10:01,790 はあ…。 しかし➡ 79 00:10:01,790 --> 00:10:07,296 殿様には 見込まれたわけだ。 よく分からんもんだなあ。 80 00:10:07,296 --> 00:10:10,132 あの…。 81 00:10:10,132 --> 00:10:13,932 私の勝ちです。 82 00:10:15,938 --> 00:10:18,440 かあ~! 83 00:10:18,440 --> 00:10:22,940 だから 囲碁は嫌いなんじゃ もう…。 84 00:10:26,181 --> 00:10:29,651 今頃 どうしておいででしょうね。 85 00:10:29,651 --> 00:10:31,987 於一殿は…。 86 00:10:31,987 --> 00:10:34,456 あやつのことじゃ。 87 00:10:34,456 --> 00:10:38,327 お城へ行っても にぎやかにやっておろう。 88 00:10:38,327 --> 00:10:41,230 そうですね。 89 00:10:41,230 --> 00:10:47,002 (広川)ご退屈しのぎに 双六でも つかまつりましょうか? 90 00:10:47,002 --> 00:10:48,937 いや…。 91 00:10:48,937 --> 00:10:52,808 ならば 貝合わせを お見せいたしましょう。 92 00:10:52,808 --> 00:10:57,008 私に構わずともよい。 93 00:11:02,017 --> 00:11:04,620 どこじゃ? 94 00:11:04,620 --> 00:11:07,289 何がでございますか? 95 00:11:07,289 --> 00:11:11,160 お手水どころじゃ! 96 00:11:11,160 --> 00:11:14,796 姫様! しの 参るぞ! 97 00:11:14,796 --> 00:11:17,633 姫様のお供は これなる2人が…。 98 00:11:17,633 --> 00:11:20,435 しののほかは 誰も供をしてはならぬ! 99 00:11:20,435 --> 00:11:23,305 まあ…。 100 00:11:23,305 --> 00:11:27,176 (侍女)姫様 お待ちくださいませ! そちらではありませぬ! 101 00:11:27,176 --> 00:11:29,978 (侍女)お手水場まで ご案内いたします。➡ 102 00:11:29,978 --> 00:11:32,648 そのあとは 姫様のおぼし召しどおりに。 103 00:11:32,648 --> 00:11:36,518 ならば早う連れていけ。 早う案内せよ! 104 00:11:36,518 --> 00:11:39,818 はい。 こちらにございます。 105 00:11:48,197 --> 00:11:52,034 もう あの部屋には戻りとうない。 106 00:11:52,034 --> 00:11:54,036 皆 私を侮っておる。 107 00:11:54,036 --> 00:11:56,672 分家の出じゃと あざけっておるのじゃ。 108 00:11:56,672 --> 00:11:59,341 何が誉れじゃ めでたいじゃ。 109 00:11:59,341 --> 00:12:02,945 恥をかきに来たようなものではないか。 110 00:12:02,945 --> 00:12:09,818 (しの)お気持ちは 分かります。 されど 辛抱するしかありませぬ。 111 00:12:09,818 --> 00:12:13,956 いっそ 城を抜け出して➡ 112 00:12:13,956 --> 00:12:16,858 今和泉に帰りたいわ。 113 00:12:16,858 --> 00:12:20,829 今和泉のお家は もとより➡ 114 00:12:20,829 --> 00:12:25,567 ほかに行くところなど もはや どこにも…。 115 00:12:25,567 --> 00:12:34,643 (すすり泣き) 116 00:12:34,643 --> 00:12:39,643 泣くな! 私まで泣きとうなるではないか。 117 00:12:42,317 --> 00:12:44,319 (広川)ようござりますか。 118 00:12:44,319 --> 00:12:49,091 城中では お手水場といえど➡ 119 00:12:49,091 --> 00:12:54,591 お一人にての お渡りは ならぬ しきたりにございます。 120 00:12:56,331 --> 00:13:00,202 高山。 (高山)はっ。 121 00:13:00,202 --> 00:13:06,202 この者を 姫君様のおそばに おつけいたします。 122 00:13:07,943 --> 00:13:10,612 高山にございます。 123 00:13:10,612 --> 00:13:14,912 何なりと お申しつけくださいますように。 124 00:13:17,486 --> 00:13:24,786 お城での暮らしは まさに 波乱含みの幕開けとなりました。 125 00:13:26,628 --> 00:13:31,967 それから しばらくして アメリカの艦隊が那覇に入港。 126 00:13:31,967 --> 00:13:35,637 その知らせは 江戸に届けられました。 127 00:13:35,637 --> 00:13:38,674 (島津斉彬)遠からず アメリカの軍艦は 江戸に現れましょう。 128 00:13:38,674 --> 00:13:43,378 琉球を発すれば 10日もせずに品川沖に達しまする。 129 00:13:43,378 --> 00:13:45,314 どうすればよいのじゃ。 130 00:13:45,314 --> 00:13:47,983 指をくわえて 見ておれといわれるのか? 131 00:13:47,983 --> 00:13:51,653 まずは 3年待てと交渉し➡ 132 00:13:51,653 --> 00:13:55,824 アメリカの軍艦を いったん 退けることです。 133 00:13:55,824 --> 00:14:01,630 その間に 武力を整え 軍艦を建造し 海軍をつくるのです。 134 00:14:01,630 --> 00:14:06,935 しかる後 万国と相対するべきかと。 135 00:14:06,935 --> 00:14:10,806 斉彬殿は 国を開けと仰せか? 136 00:14:10,806 --> 00:14:14,676 ばかな! 鎖国は 徳川の祖法である。 137 00:14:14,676 --> 00:14:17,946 異国船など 打ち払えば よいではないか。 138 00:14:17,946 --> 00:14:23,285 今 戦をすれば 力において劣る こちらが敗れるは必定。 139 00:14:23,285 --> 00:14:26,788 さすれば ご公儀のご威光は 地に落ちまする。 140 00:14:26,788 --> 00:14:30,588 それだけは あってはならぬことにござる。 141 00:14:32,661 --> 00:14:38,500 神君 家康公以来 太平の世が続いたというに。 142 00:14:38,500 --> 00:14:43,238 国を閉ざしておる間に これほどの差をつけられたのです。 143 00:14:43,238 --> 00:14:45,173 今は それを認めねば。 144 00:14:45,173 --> 00:14:48,176 ならば 早く軍備を整えよ。 145 00:14:48,176 --> 00:14:51,313 次なる 将軍様が あのありさま。 146 00:14:51,313 --> 00:14:56,151 わしが 采配を執るにしても 今のままでは戦にならぬ。 147 00:14:56,151 --> 00:14:58,351 (斉彬 阿部)はっ。 148 00:15:01,323 --> 00:15:07,129 水戸殿の軍師気取りには 困ったものにござる。 149 00:15:07,129 --> 00:15:12,601 いかがであろう 摩にお帰りになるのを 延ばしてはいただけまいか? 150 00:15:12,601 --> 00:15:17,105 それは かないませぬ。 国許での戦支度を 整えねばなりませぬ。 151 00:15:17,105 --> 00:15:21,305 それに 例の一件がござりますれば。 152 00:15:23,879 --> 00:15:26,615 その後 姫は どうしておられる? 153 00:15:26,615 --> 00:15:30,419 城中にて 輿入れの準備をさせております。 154 00:15:30,419 --> 00:15:33,789 あのこと 姫には…? 155 00:15:33,789 --> 00:15:36,825 今は まだ 荷が重すぎまする。 156 00:15:36,825 --> 00:15:42,964 押しつぶされでもしたら 元も子も ありませぬゆえ。 うむ。 157 00:15:42,964 --> 00:15:47,636 身共が摩に着く頃には 万端 相整っておるはず。 158 00:15:47,636 --> 00:15:51,936 今しばらく お待ちいただきとう存じまする。 159 00:16:05,921 --> 00:16:08,590 外に出たい。 160 00:16:08,590 --> 00:16:11,890 それは なりませぬ。 161 00:16:14,262 --> 00:16:16,198 あっ。 162 00:16:16,198 --> 00:16:22,938 (侍女たちの笑い声) 163 00:16:22,938 --> 00:16:27,108 おのれ…。 164 00:16:27,108 --> 00:16:31,908 下がれ! 下がれ 下がれ! 皆 下がれ! 165 00:16:38,820 --> 00:16:40,956 (ため息) 166 00:16:40,956 --> 00:16:44,426 なんという はしたなき お振る舞い。 167 00:16:44,426 --> 00:16:51,800 あなた様は 島津本家の 一の姫におわしますぞ。 168 00:16:51,800 --> 00:16:53,835 分かっておる。 169 00:16:53,835 --> 00:16:58,573 (広川)周りに多くの者がおることに➡ 170 00:16:58,573 --> 00:17:01,443 そろそろ慣れていただきとうございます。 171 00:17:01,443 --> 00:17:04,079 そいも分かっておる! 172 00:17:04,079 --> 00:17:09,885 (広川)月が替われば お殿様がお帰りになりまする。 173 00:17:09,885 --> 00:17:14,256 それまでに 一とおりのことを おわきまえいただかねば…。 174 00:17:14,256 --> 00:17:16,925 分かっておると言っておる! 175 00:17:16,925 --> 00:17:24,266 お分かりなら 何も申し上げることはございません。 176 00:17:24,266 --> 00:17:47,789 ♬~ 177 00:17:47,789 --> 00:17:54,563 5月2日に 江戸をたたれた斉彬様は 摩へ帰る途中➡ 178 00:17:54,563 --> 00:17:59,263 京の近衛家に お立ち寄りになりました。 179 00:18:00,969 --> 00:18:06,741 (近衛忠熙) やあ 斉彬はん お久しぶりどしたなあ。 180 00:18:06,741 --> 00:18:08,777 ご無沙汰いたしました。 ハハハハハ。 181 00:18:08,777 --> 00:18:12,247 お暑うございましょう? 今年の都は。 182 00:18:12,247 --> 00:18:17,118 まこと いつもながら 京の暑さは 別物にござりまするなあ。 183 00:18:17,118 --> 00:18:21,957 私は 摩の砂蒸し風呂を 思うことがありまする。 184 00:18:21,957 --> 00:18:25,260 砂蒸し風呂? 何や それは? 185 00:18:25,260 --> 00:18:28,763 火山の熱が伝わる砂を掘って 横になり➡ 186 00:18:28,763 --> 00:18:32,634 体の上を砂で覆うという 趣向のものにございます。 187 00:18:32,634 --> 00:18:36,638 それは もう 熱うて 熱うて…。 188 00:18:36,638 --> 00:18:41,109 よしなはい。 聞いてるだけでも 身ぃが燃える。 189 00:18:41,109 --> 00:18:44,980 (幾島)熱うて 熱うて…。 やめなはれ。 190 00:18:44,980 --> 00:18:50,285 それを思えば 京の暑さなど どれほどのものか。 191 00:18:50,285 --> 00:18:52,220 (忠熙)まっ それはな。 192 00:18:52,220 --> 00:18:59,794 つけ加えるならば そのあとの水風呂の さわやかなことといったら。 193 00:18:59,794 --> 00:19:01,730 おお…。 194 00:19:01,730 --> 00:19:05,530 (幾島) 涼しゅうなりましてございましょう。 195 00:19:07,235 --> 00:19:10,138 また やられた。 ハハハハ。 196 00:19:10,138 --> 00:19:14,576 幾島殿は 人の心を操る 名人でおいでですから。 197 00:19:14,576 --> 00:19:19,447 ホンマ。 おちょくられてばっかりや。 198 00:19:19,447 --> 00:19:23,752 そこを見込んで 斉彬 お願いがござります。 199 00:19:23,752 --> 00:19:27,922 何どっしゃろ? 200 00:19:27,922 --> 00:19:32,794 幾島殿を この斉彬に 摩に➡ 201 00:19:32,794 --> 00:19:36,264 お譲り願えませんでしょうか? 202 00:19:36,264 --> 00:20:19,307 ♬~ 203 00:20:19,307 --> 00:20:23,978 ≪よか男じゃ。 204 00:20:23,978 --> 00:20:25,914 (有馬新七)光っちょう。 (西郷吉之助)光っちょう。 205 00:20:25,914 --> 00:20:27,849 (大久保正助)恥ずかしか。 てれちょう。 206 00:20:27,849 --> 00:20:30,852 (フク)皆さん お待ちどおさまで ございもした。 207 00:20:30,852 --> 00:20:34,155 おお。 こいは うまそうじゃ。 208 00:20:34,155 --> 00:20:36,991 (尚五郎)遅れてすみません。 おお。 209 00:20:36,991 --> 00:20:41,291 これは肝付様。 ささ こちらへ。 210 00:20:45,333 --> 00:20:50,472 大久保さん この度は お役復帰➡ 211 00:20:50,472 --> 00:20:53,007 おめでとうございます。 212 00:20:53,007 --> 00:20:54,943 ありがとうございます。 213 00:20:54,943 --> 00:20:59,943 3年ぶりに 生き返った心地にございます。 214 00:21:07,288 --> 00:21:11,793 ああ… お祝いです。 215 00:21:11,793 --> 00:21:14,829 これは ご丁寧に…。 216 00:21:14,829 --> 00:21:17,966 (伊地知正治)タイでは ありませんか! 217 00:21:17,966 --> 00:21:22,437 タイといえば いつぞや今和泉の姫様が…。 218 00:21:22,437 --> 00:21:25,974 おいっ。 何じゃ。 219 00:21:25,974 --> 00:21:27,909 あっ! 220 00:21:27,909 --> 00:21:31,446 もしや 私に気を遣っておいでなのですか。 221 00:21:31,446 --> 00:21:34,149 あっ 別に そういうわけでは…。 222 00:21:34,149 --> 00:21:39,454 おやめください。 もう きっぱり あきらめたんですから。 223 00:21:39,454 --> 00:21:43,658 (有村次左衛門)ほんとじゃろかい? (有村雄助)ばか! 失礼じゃっど! 224 00:21:43,658 --> 00:21:45,593 ヘヘヘヘヘヘ…。 225 00:21:45,593 --> 00:21:48,530 思い出します。 226 00:21:48,530 --> 00:21:52,834 [ 回想 ] 姫様 困ります。 ここまでのことをしていただいては。 227 00:21:52,834 --> 00:21:57,338 お気になさらないでください。 お祝いなんですから。 228 00:21:57,338 --> 00:22:02,777 でも まさか 島津ご本家の姫様におなりとは…。 229 00:22:02,777 --> 00:22:07,949 うんにゃ そいだけのご器量を 備えておいでじゃった。 230 00:22:07,949 --> 00:22:13,949 こんなところまで 来てくださったんですもんねえ。 231 00:22:18,126 --> 00:22:22,630 あ… 皆さん 今日は 大久保さんの めでたい日ではありませんか。 232 00:22:22,630 --> 00:22:24,666 さっ 飲みましょう! 233 00:22:24,666 --> 00:22:28,866 そうじゃな。 飲もう 飲もう。 234 00:22:35,210 --> 00:22:42,650 (大久保)肝付様 姫様のことは 本当にお忘れになったのですか? 235 00:22:42,650 --> 00:22:46,321 忘れました。 236 00:22:46,321 --> 00:22:49,021 蒸し返さないでください。 237 00:22:50,658 --> 00:22:56,998 何と言うか… 我々がたきつけた分 胸が痛みまして。 238 00:22:56,998 --> 00:23:04,272 気にしないでください。 これで よかったのです。 239 00:23:04,272 --> 00:23:12,146 私のような者と 一緒になれば 摩を出ることも かなわぬでしょう。 240 00:23:12,146 --> 00:23:18,146 あの方は ああいう場所が似合う方なのです。 241 00:23:21,289 --> 00:23:23,958 あの方のことです。 242 00:23:23,958 --> 00:23:29,297 今頃は ご本家の姫君らしく➡ 243 00:23:29,297 --> 00:23:34,297 楽しく のびのびやっておいでに 違いありません。 244 00:23:39,641 --> 00:23:45,341 [ 回想 ] そなたが お城へたつ日に 渡そうと思っていたのですが…。 245 00:23:48,316 --> 00:23:52,616 (お幸)つらい時は 手を合わせなさい。 246 00:24:05,800 --> 00:24:09,404 (広川)普賢菩を? (高山)はい。 247 00:24:09,404 --> 00:24:14,242 一日中 ぼんやりご覧になるばかりで。 (ため息) 248 00:24:14,242 --> 00:24:16,611 困ったものじゃのう。 249 00:24:16,611 --> 00:24:20,782 ここのところは 生き生きとしたお顔を まるで お見せにはなりませぬ。 250 00:24:20,782 --> 00:24:25,653 お食事も ほとんど召し上がらず 夜も寝つけぬご様子で…。 251 00:24:25,653 --> 00:24:30,291 このようなところを 殿がご覧になったら…。 252 00:24:30,291 --> 00:24:34,629 お帰りなるまでに なんとかせねばな。 253 00:24:34,629 --> 00:24:38,499 お心が浮き立つようなことが あればよいのですが。 254 00:24:38,499 --> 00:24:43,137 あればよいでは すまぬ! はっ。 探さねば! 255 00:24:43,137 --> 00:24:46,641 そちも 知恵を絞るのじゃ。 256 00:24:46,641 --> 00:24:49,310 はっ? 257 00:24:49,310 --> 00:24:53,314 嘉永6年6月3日 午後。 258 00:24:53,314 --> 00:25:02,256 日本が開国に そして 明治維新に向けて 疾走を始めた瞬間でした。 259 00:25:02,256 --> 00:25:04,759 (太助)ほらほら みんな 買った 買った 買った! 260 00:25:04,759 --> 00:25:06,794 黒船が来てるんだよな。 261 00:25:06,794 --> 00:25:10,932 赤鬼ペルリ ペルリ赤鬼 一体 どんな顔かって? 262 00:25:10,932 --> 00:25:14,268 こんな顔か? いやいや こんな顔か? (笑い声) 263 00:25:14,268 --> 00:25:16,270 笑ってる場合じゃねえんだぞ。 264 00:25:16,270 --> 00:25:20,074 江戸に ペルリが来るかもしれねえ。 ご公儀は 一体 どう出る? 265 00:25:20,074 --> 00:25:22,944 それが みんな ここに書いてあるっつうんだよ。 266 00:25:22,944 --> 00:25:24,879 さあ みんな 買った 買った 買った!➡ 267 00:25:24,879 --> 00:25:27,281 これ4文だ。 ほれ 4文だ。 4文 4文 4文。 268 00:25:27,281 --> 00:25:31,619 (風の音) あ~! 269 00:25:31,619 --> 00:25:35,123 そのころ 江戸城では…。 270 00:25:35,123 --> 00:25:39,961 とにかく 戦だけは避けたいと存ずる。 271 00:25:39,961 --> 00:25:45,299 それには アメリカのプレジデントの 国書を 受け取るしかありませぬ。 272 00:25:45,299 --> 00:25:47,235 そのようなもの受け取れるか! 273 00:25:47,235 --> 00:25:50,805 しかし 我らに戦う術はなく やむをえぬ策かと。 274 00:25:50,805 --> 00:25:55,309 受け取ったとして 返事はどうされる? 275 00:25:55,309 --> 00:26:00,609 熟慮するゆえ 今しばらく待てと伝えまする。 276 00:26:03,751 --> 00:26:06,951 夷狄どもめが! 277 00:26:09,924 --> 00:26:13,795 そして 来航のわずか6日後。 278 00:26:13,795 --> 00:26:16,397 幕府は 久里浜において➡ 279 00:26:16,397 --> 00:26:22,203 アメリカ大統領 フィルモアの国書を 受け取りました。 280 00:26:22,203 --> 00:26:27,203 (ペリー・英語で) また来年 お目にかかろう。 281 00:26:29,944 --> 00:26:35,416 摩への旅を続けておられた 斉彬様のもとにも➡ 282 00:26:35,416 --> 00:26:41,222 ペリー来航の知らせは もたらされました。 283 00:26:41,222 --> 00:26:44,425 (小松清猷)来年 再びやって来る…。 284 00:26:44,425 --> 00:26:48,796 新たな要求を 突きつけてこよう。 285 00:26:48,796 --> 00:26:55,303 時がない。 すべて急がねば。 286 00:26:55,303 --> 00:27:00,174 そのころ お城の於一様は…。 287 00:27:00,174 --> 00:27:05,379 (高山)姫様 史書など お読みになっては いかがですか? 288 00:27:05,379 --> 00:27:07,315 いらぬ。 289 00:27:07,315 --> 00:27:10,918 姫様のお好きな 頼 山陽の「日本楽府」ですが…。 290 00:27:10,918 --> 00:27:13,618 読みとうない。 291 00:27:15,590 --> 00:27:20,094 京で作らせた 歌留多でもお持ちしましょうか。 292 00:27:20,094 --> 00:27:24,599 別によい。 ならば お茶など。 いらぬ。 293 00:27:24,599 --> 00:27:28,402 ならば これは いかがでしょう。 294 00:27:28,402 --> 00:27:32,273 これは 清国から取り寄せし 伽羅のお香。➡ 295 00:27:32,273 --> 00:27:35,109 よい香りがいたします。 296 00:27:35,109 --> 00:27:37,411 お香? 297 00:27:37,411 --> 00:27:42,950 (高山) はい。 気分を変えるには これが一番。 298 00:27:42,950 --> 00:27:46,420 そいじゃ お香じゃ! (高山)はい ですから…。 299 00:27:46,420 --> 00:27:49,290 小松家に使いを出せ。 (高山)小松様? 300 00:27:49,290 --> 00:27:52,793 そこに お近様という方が お香を教えておられる。 301 00:27:52,793 --> 00:27:54,729 その方を呼ぶのじゃ。 302 00:27:54,729 --> 00:27:59,567 お城にでございますか? で… でも お許しが…。 303 00:27:59,567 --> 00:28:03,237 小松のお近様ですね? 304 00:28:03,237 --> 00:28:07,537 分かりました。 早速に。 305 00:28:10,011 --> 00:28:12,914 まあ お城に? 306 00:28:12,914 --> 00:28:17,585 はい。 姫様 じきじきのお召しらしいのです。 307 00:28:17,585 --> 00:28:19,520 そうですか。 308 00:28:19,520 --> 00:28:24,258 それで 何か お渡しするものなど あればと思いまして。 309 00:28:24,258 --> 00:28:28,558 それは ご丁寧にありがとうございます。 310 00:28:30,598 --> 00:28:35,469 文など したためとう存じます。 311 00:28:35,469 --> 00:28:40,942 少しお待ちいただけますか? はい。 312 00:28:40,942 --> 00:28:51,285 ♬~ 313 00:28:51,285 --> 00:28:53,955 お城へ? お近様がですか? 314 00:28:53,955 --> 00:28:58,793 はい。 なので 姫様に お届けの品などありましたら➡ 315 00:28:58,793 --> 00:29:01,993 お渡しできるかと存じます。 316 00:29:06,067 --> 00:29:08,102 ならば お伝えください。 317 00:29:08,102 --> 00:29:12,240 大久保殿が許され お役目に戻られましたと。 318 00:29:12,240 --> 00:29:14,742 大久保… 様? 319 00:29:14,742 --> 00:29:18,579 そう言っていただければ分かります。 320 00:29:18,579 --> 00:29:21,482 それから…➡ 321 00:29:21,482 --> 00:29:25,182 お元気でいてくださいと。 322 00:29:27,255 --> 00:29:32,093 分かりました。 必ずお伝えいたします。 323 00:29:32,093 --> 00:29:35,596 わざわざ ありがとうございました。 324 00:29:35,596 --> 00:29:47,942 ♬~ 325 00:29:47,942 --> 00:29:52,813 お近様! 様をつけては なりませぬ。 326 00:29:52,813 --> 00:29:54,815 姫様…。 327 00:29:54,815 --> 00:29:56,951 お会いしとうございました。 328 00:29:56,951 --> 00:30:00,621 はい。 私もでございます。 329 00:30:00,621 --> 00:30:03,958 (広川)2人だけで? はい。 330 00:30:03,958 --> 00:30:08,129 お香を聞く間は 2人だけにせよと 仰せになられまして。 331 00:30:08,129 --> 00:30:10,431 いかがいたしましょう? 332 00:30:10,431 --> 00:30:12,366 姫様のご様子は? 333 00:30:12,366 --> 00:30:18,639 大層喜ばれて あんなに うれしいお顔は 久しぶりにございます。 334 00:30:18,639 --> 00:30:21,639 そうか。 335 00:30:23,511 --> 00:30:28,316 ここで あれはいけぬ これは 駄目だと言えば➡ 336 00:30:28,316 --> 00:30:32,653 ふさぎの虫が 息を吹き返すかもしれぬな。 337 00:30:32,653 --> 00:30:34,588 ここは よしとしよう。 338 00:30:34,588 --> 00:30:37,158 よろしいのでございますか? 339 00:30:37,158 --> 00:30:42,963 しかたあるまい。 殿様が お帰りになるまでのこと。 340 00:30:42,963 --> 00:30:45,963 承知つかまつりました。 341 00:30:48,769 --> 00:30:53,607 いかがです? お城での暮らしは。 342 00:30:53,607 --> 00:30:56,010 地獄です。 343 00:30:56,010 --> 00:30:58,045 地獄? 344 00:30:58,045 --> 00:31:03,284 ああ… いえ。 345 00:31:03,284 --> 00:31:09,423 尚五郎様から お言づてがございます。 尚五郎さんから? はい。 346 00:31:09,423 --> 00:31:12,293 大久保殿が お役に戻られたと。 347 00:31:12,293 --> 00:31:16,964 お分かりですか? 分かります! 348 00:31:16,964 --> 00:31:19,867 よかった。 349 00:31:19,867 --> 00:31:26,307 それから お元気でいてくださいとのことでした。 350 00:31:26,307 --> 00:31:32,307 尚五郎さんも 元気ですか? はい。 351 00:31:34,181 --> 00:31:36,881 よかった。 352 00:31:47,161 --> 00:31:50,961 よい香りですね。 353 00:31:52,666 --> 00:31:57,538 でも お二人は 大層 ご縁が深いのですね。 354 00:31:57,538 --> 00:32:01,675 尚五郎さんのことですか? はい。 355 00:32:01,675 --> 00:32:06,414 ええ。 心の許せる友です。 356 00:32:06,414 --> 00:32:11,619 それだけですか? それだけとは? 357 00:32:11,619 --> 00:32:14,121 いえ…。 358 00:32:14,121 --> 00:32:17,921 あっ それから…。 359 00:32:26,300 --> 00:32:30,971 母上様からです。 母上から!? 360 00:32:30,971 --> 00:32:34,642 これを お渡しになる時 仰せになりました。 361 00:32:34,642 --> 00:32:40,514 於一が元気なら 渡さずにいてくださいませ。 362 00:32:40,514 --> 00:32:49,190 気落ちしている様子であれば お渡し願いたいのです。 363 00:32:49,190 --> 00:32:51,192 気落ち…。 364 00:32:51,192 --> 00:32:56,330 すべて お見通しなのかもしれませんね。 365 00:32:56,330 --> 00:33:06,607 ♬~ 366 00:33:06,607 --> 00:33:11,946 ありがとうございました。 いいえ。 367 00:33:11,946 --> 00:33:15,783 また来てくださいますか? 368 00:33:15,783 --> 00:33:20,583 もちろんです。 いつでも お呼びください。 369 00:33:24,291 --> 00:33:30,164 (お幸)「こちらは 一同 変わりなく 過ごしています。➡ 370 00:33:30,164 --> 00:33:35,302 於一には さぞや 大変な毎日を 過ごしていることと➡ 371 00:33:35,302 --> 00:33:37,638 察しております。➡ 372 00:33:37,638 --> 00:33:42,309 お城で学ぶことは 山ほどありましょう。➡ 373 00:33:42,309 --> 00:33:49,984 何事も しきたりを守り かまえて 今和泉風を出さぬように。➡ 374 00:33:49,984 --> 00:33:55,984 当家のことは 一切 忘れるつもりで つとめるのです」。 375 00:33:57,858 --> 00:34:04,858 (お幸)「それでも つらくなった時は 添えてある文を読みなさい」。 376 00:34:14,275 --> 00:34:17,475 これは…。 377 00:34:19,613 --> 00:34:25,419 (お幸)「そなたにあてた 菊本の書き置きです。➡ 378 00:34:25,419 --> 00:34:30,257 父上は 火に投じよと命じられましたが➡ 379 00:34:30,257 --> 00:34:37,965 どうしても焼くことができず 今まで 手もとに置いておりました。➡ 380 00:34:37,965 --> 00:34:45,965 それでは くれぐれも体だけは大切に。 幸」。 381 00:35:02,590 --> 00:35:07,094 (菊本)「姫様が これをお読みになる時➡ 382 00:35:07,094 --> 00:35:10,598 私は この世にはおりません。➡ 383 00:35:10,598 --> 00:35:15,898 勝手な振る舞いを まずは お許しくださりませ」。 384 00:35:17,471 --> 00:35:19,940 菊本…。 385 00:35:19,940 --> 00:35:23,777 (菊本)「これまで 私は➡ 386 00:35:23,777 --> 00:35:28,282 姫様が あまりにご闊達で 伸びやかゆえに➡ 387 00:35:28,282 --> 00:35:32,152 まゆを ひそめたことも ありました。➡ 388 00:35:32,152 --> 00:35:39,152 行く末を案じたことも 二度や三度ではありませぬ」。 389 00:35:40,861 --> 00:35:47,301 (菊本)「されど ご本家からの 養女の話がまいりました時に➡ 390 00:35:47,301 --> 00:35:52,139 私は 私の間違いに気づきました。➡ 391 00:35:52,139 --> 00:35:56,810 姫様 あなた様は 初めから➡ 392 00:35:56,810 --> 00:36:00,648 高いところへ行かれる定めの お方だったのでしょう。➡ 393 00:36:00,648 --> 00:36:07,254 私は ひととき お預かりしただけのこと。➡ 394 00:36:07,254 --> 00:36:11,592 今後 どのような所へ行かれようと➡ 395 00:36:11,592 --> 00:36:14,928 どのような方たちと まみえましょうと➡ 396 00:36:14,928 --> 00:36:20,401 後へ引くことなく 前へ前へと お進みくださいませ。➡ 397 00:36:20,401 --> 00:36:24,938 それこそが 姫様らしさであると信じます。➡ 398 00:36:24,938 --> 00:36:30,744 そして それこそが あなた様をお育て申した➡ 399 00:36:30,744 --> 00:36:35,544 菊本の最後の願いでございます」。 400 00:36:42,956 --> 00:36:48,629 [ 回想 ] (菊本)女の道は 一本道にございます。 401 00:36:48,629 --> 00:36:53,133 定めに背き 引き返すは…➡ 402 00:36:53,133 --> 00:36:56,933 恥にございますよ。 403 00:37:03,243 --> 00:37:05,943 ≪(広川)姫様。 404 00:37:09,917 --> 00:37:13,387 (広川)いかがなされました? 405 00:37:13,387 --> 00:37:16,757 お泣きになっていては分かりませぬ。 406 00:37:16,757 --> 00:37:18,692 赤子ではあるまいし。 407 00:37:18,692 --> 00:37:22,892 どうかお口を使うて お答えあそばせ。 408 00:37:24,932 --> 00:37:29,269 その文に 何が書かれているのです? 409 00:37:29,269 --> 00:37:33,269 (しの)お待ちください。 下がれ! 410 00:37:36,410 --> 00:37:39,780 多くの方に お仕えしてまいりましたが➡ 411 00:37:39,780 --> 00:37:44,618 こうも困った姫君様は 見たことがございませぬ。 412 00:37:44,618 --> 00:37:49,123 どこまで手を焼かせれば 気がすむのやら。 413 00:37:49,123 --> 00:37:53,623 一体 何が書かれているのです? 414 00:37:55,295 --> 00:37:57,595 姫様! 415 00:38:01,802 --> 00:38:04,602 姫様! 416 00:38:06,573 --> 00:38:08,609 広川。 417 00:38:08,609 --> 00:38:15,082 その方 誰に向かって そのような口をきいておる。 418 00:38:15,082 --> 00:38:17,582 は? 419 00:38:21,255 --> 00:38:26,393 私を誰と心得る。 420 00:38:26,393 --> 00:38:32,199 当主 摩守 島津斉彬様の娘なるぞ! 421 00:38:32,199 --> 00:38:35,899 はっ はは~。 422 00:38:42,843 --> 00:38:45,813 今日は疲れた。 423 00:38:45,813 --> 00:38:48,615 やすむ。 424 00:38:48,615 --> 00:39:03,130 ♬~ 425 00:39:03,130 --> 00:39:06,567 そして 次の日。 426 00:39:06,567 --> 00:39:20,914 ♬~ 427 00:39:20,914 --> 00:39:22,950 広川。 428 00:39:22,950 --> 00:39:26,787 はっ はい。 429 00:39:26,787 --> 00:39:29,923 こいは 美味じゃ。 430 00:39:29,923 --> 00:39:33,594 吉野より取り寄せし 葛にてお作りいたしました➡ 431 00:39:33,594 --> 00:39:36,496 あんかけ豆腐にございます。 432 00:39:36,496 --> 00:39:38,796 気に入った。 433 00:39:40,467 --> 00:39:46,167 よろしゅうございました。 お代わりを。 434 00:39:47,941 --> 00:39:50,277 はい。 435 00:39:50,277 --> 00:39:59,953 ♬~ 436 00:39:59,953 --> 00:40:03,790 高山。 はっ。 437 00:40:03,790 --> 00:40:06,827 「源氏物語」を用意してくれぬか? 438 00:40:06,827 --> 00:40:09,963 紫式部のでございますか? 439 00:40:09,963 --> 00:40:15,769 史書を読むばかりでは 知識に偏りが生じかねぬからの。 440 00:40:15,769 --> 00:40:20,307 かしこまりまして ござります。 441 00:40:20,307 --> 00:40:30,317 ♬~ 442 00:40:30,317 --> 00:40:37,090 姫君様 対面の間に お出まし願えませんでしょうか? 443 00:40:37,090 --> 00:40:40,027 誰ぞ来ておるのか? 444 00:40:40,027 --> 00:40:47,334 姫君様お付きの老女 幾島の局が 京より 参りましてございます。 445 00:40:47,334 --> 00:40:52,172 幾島? そのような者のことは聞いておらぬが。 446 00:40:52,172 --> 00:40:58,679 お殿様の格別なる ご配慮にて 京の近衛家より…。 447 00:40:58,679 --> 00:41:01,379 近衛家? 448 00:41:19,967 --> 00:41:25,967 私が一じゃ。 苦しゅうない 面を上げよ。 449 00:41:27,841 --> 00:41:30,610 幾島にござります。 450 00:41:30,610 --> 00:41:35,816 この度は 姫君様付き老女を仰せつかり➡ 451 00:41:35,816 --> 00:41:40,316 身に余る誉れと存じ奉ります。 452 00:41:44,458 --> 00:41:50,998 京よりの長旅 そいは まことに大儀であった。 453 00:41:50,998 --> 00:41:53,900 なるほど。 454 00:41:53,900 --> 00:41:55,869 何じゃ? 455 00:41:55,869 --> 00:42:01,169 伺ったとおり 地下のなまりが おありのご様子。 456 00:42:04,277 --> 00:42:08,148 これから じっくりと ご指南 申し上げまするゆえ➡ 457 00:42:08,148 --> 00:42:11,848 ご安心 召されますよう。 458 00:42:14,287 --> 00:42:20,961 於一様の生涯に なくてはならぬ お役目を果たされる お方との➡ 459 00:42:20,961 --> 00:42:25,661 運命とも言える出会いでした。 460 00:42:32,305 --> 00:42:34,641 きえ~っ! きえ~っ! 461 00:42:34,641 --> 00:42:37,544 (2人)きえ~っ! 影が形に添うごとく➡ 462 00:42:37,544 --> 00:42:40,313 お世話をいたす所存にございます。 463 00:42:40,313 --> 00:42:43,316 篤姫と呼ばれることになろう。 篤姫…。 464 00:42:43,316 --> 00:42:45,819 篤姫様…。 篤姫様…。 465 00:42:45,819 --> 00:42:50,323 日本国は 危機に陥っておりまする。 重大なる話がある。 466 00:42:50,323 --> 00:42:52,259 まさか…。 きえ~っ! 467 00:42:52,259 --> 00:42:56,463 名が変わろうとも あの時の於一は わしらのものじゃ。 468 00:42:56,463 --> 00:42:58,398 どういう意味にございましょうか。 469 00:42:58,398 --> 00:43:01,898 そなたの思いどおりにはならぬ ということじゃ。 470 00:43:04,604 --> 00:43:09,109 <神奈川県横須賀市。➡ 471 00:43:09,109 --> 00:43:12,979 江戸時代 浦賀は 多くの船が往来する➡ 472 00:43:12,979 --> 00:43:16,850 江戸の海の玄関口でした。➡ 473 00:43:16,850 --> 00:43:22,289 かつて 港には 回船問屋が軒を連ねていました。➡ 474 00:43:22,289 --> 00:43:28,589 商売繁盛を願った お稲荷さんが 今も 数多く残されています> 475 00:43:30,630 --> 00:43:34,968 <嘉永6年 1853年。➡ 476 00:43:34,968 --> 00:43:42,268 アメリカのペリー提督率いる 4隻の黒船が 浦賀沖に現れました> 477 00:43:44,644 --> 00:43:51,151 <港の商人は 黒船に飲料水などを提供する 役割を担いました。➡ 478 00:43:51,151 --> 00:43:57,651 そのお礼にもらった 西洋の鍋が 今に伝わっています> 479 00:43:59,326 --> 00:44:04,626 <ペリーは 開国を求め 久里浜に上陸します> 480 00:44:06,133 --> 00:44:11,404 <黒船の来航は 幕末の動乱の幕開けとなり➡ 481 00:44:11,404 --> 00:44:16,943 篤姫の運命をも 大きく変えていくのです> 482 00:44:16,943 --> 00:44:27,243 ♬~